特許第6568583号(P6568583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6568583ペーパー加工プラントにおけるリール支持用ピン
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568583
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】ペーパー加工プラントにおけるリール支持用ピン
(51)【国際特許分類】
   B65H 18/04 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
   B65H18/04
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-515757(P2017-515757)
(86)(22)【出願日】2015年9月17日
(65)【公表番号】特表2017-528392(P2017-528392A)
(43)【公表日】2017年9月28日
(86)【国際出願番号】IT2015000232
(87)【国際公開番号】WO2016046855
(87)【国際公開日】20160331
【審査請求日】2018年2月15日
(31)【優先権主張番号】FI2014A000221
(32)【優先日】2014年9月23日
(33)【優先権主張国】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】506180062
【氏名又は名称】フューチュラ エス ピー エー
(74)【代理人】
【識別番号】100147935
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100080230
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 詔二
(72)【発明者】
【氏名】ペリーニ、ファビオ
【審査官】 大山 広人
(56)【参考文献】
【文献】 実開平03−105151(JP,U)
【文献】 実開昭50−087130(JP,U)
【文献】 特開2007−314312(JP,A)
【文献】 実開平02−124954(JP,U)
【文献】 特開昭62−140973(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65H 16/00−19/30
B65H 75/00−75/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外側部(PX)及び内側部(PN)を有するペーパー材料のリール支持用ピンであって、当該内側部(PN)はペーパー材料のリール(1)に挿入されるようになっており、そして前記内側部(PN)がリール(1)の内側に位置する場合には前記外側部(PX)は前記リール(1)の外側に位置し、前記外側部(PX)には、前記ピン(P)を該ピン(P)の長手方向軸(x−x)に対して垂直方向に移動させるように取り付けられた手段(CP)によって係合するように取り付けられたフック部(3)が設けられており、
前記ピン(P)の外側部(PX)はシャンク(2)によって形成され、そのシャンクの長手方向軸はピン(P)の長手方向軸(x−x)と一致しており、そして前記フック部は前記シャンク(2)に形成されかつ2つの平行アーム(30)によって範囲を定められたアイレットを有し、前記平行アームは前記シャンク(2)から放射状に設けられかつ前記長手方向軸(x−x)に平行なボディ部材(31)によって結合されていることを特徴とするピン。
【請求項2】
前記アイレット(30,31)が前記シャンク(2)の上部側に設けられていることを特徴とする請求項1記載のピン。
【請求項3】
前記内側部(PN)の外面は複数の扇形部材(4)によって形成され、当該扇形部材の各々は自由前面部(40)を備えた円筒形の表面部によって形成され、前記扇形部材(4)の前面部(40)は最大値(4a)と最小値(4c)の間で変動する直径を有する実質的に円形形状を形成し、そして前記最大値(4a)と前記最小値(4c)の間の差(△)は最大値(4a)の10%と30%の間であり、即ち、0.30×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.10×(4a)であることを特徴とする請求項1記載のピン。
【請求項4】
前記差(△)が最大値(4a)の15%と20%の間であり、即ち、0.20×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.15×(4a)であることを特徴とする請求項3記載のピン。
【請求項5】
前記差(△)が最大値(4a)の15%と18%の間であり、即ち、0.18×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.15×(4a)であることを特徴とする請求項3記載のピン。
【請求項6】
各扇形部材(4)は、それぞれのヒンジ(42)に枢着された後面部(41)と、前記ヒンジ(42)の周囲の各扇形部材の回転を決めるのに適した移動手段が直接又は間接的に結合された中間部分とを有することを特徴とする請求項3記載のピン。
【請求項7】
前記外側部(PX)は内部空間を有する円筒状シャンク(2)を含み、
そして前記内側部(PN)は、ベアリング(51)を介在させた状態で前記シャンク(2)の前記内部空間内に長手方向に挿通された後部部分(50)と;扇形部材(4)の前面部(40)方向に向けられかつ後部部分(50)の長手方向の延長部分である前部部分(52)と;そして外部カップ型部分(53)を含み、当該外部カップ型部分(53)の内径(d53)は後部部分(50)と前部部分(52)の中間点においてシャンク(2)の外径よりも大であり、その結果、ボディ部材(5)の後部部分(50)はシャンク(2)に挿入され、中間のカップ型部分(53)は部分的に、即ち、その最も前の部分において当該カップ型部分(53)に挿入されている前記シャンク(2)の外面部に位置し、そして前記前部部分(52)は扇形部材(4)の内面側に位置するボディ部材(5)の延長部分を構成することを特徴とする請求項3〜6のいずれか1項記載のピン。
【請求項8】
各扇形部材(4)の後面部(41)は、カップ型部分(53)から外方に突出している放射状ウイング(54)内に挿入されたピン(42)によって前記ボディ部材(5)のカップ型部分(53)に係止され、各ピン(42)の軸は、前記シャンク(2)の接線方向に方向付けされており、そして各ピン(42)は、シャンク(2)の外面から所定の距離だけ離れて設けられかつスペーサとして作用するウイング(54)に挿入されていることを特徴とする請求項項記載のピン。
【請求項9】
各扇形部材(4)は、それぞれの扇形部材(4)の内面において、ボディ部材(5)の前部部分(52)に長手方向に摺動可能に設けられたカラー部材(56)の側部及び該側部に対向する扇形部材(4)にヒンジ留めされた結合ロッド(55)を介して、前記ボディ部材(5)の前部部分(52)に係止され;
カラー部材(56)に対する結合ロッド(55)の結合はピン(57)によって行われ、そのピン(57)の軸は、カップ型部分(53)のそれぞれのウイング(54)に対して扇形部材(4)の後面部(41)を結合するそれぞれのピン(42)に対して平行であり;
前記扇形部材(4)の内側部に対する前記結合ロッド(55)の結合は、上記ピン(57)に平行な別のピン(58)によって行われることを特徴とする請求項7又は8記載のピン。
【請求項10】
前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部の前には、前記軸(x−x)と直交する第1及び第2の板(60,61)の間に位置する空気バネ(6)が配置されていることを特徴とする請求項〜9のいずれか1項記載のピン。
【請求項11】
前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部の前には、前記軸(x−x)と直交する第1及び第2の板(60,61)の間に位置する空気バネ(6)が配置されており、
前記第1の板(60)は、スペーサとして働く後部延伸部(62)を有しそして前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部に固着され、そして前記第2の板(61)は空気バネ(6)に関して反対側に位置しており;
複数個のロッド(63)が前記第2の板(61)と前記カラー部材(56)を結合し、各ロッド(63)は一側部で前記第2の板(61)に固着され、他側部で前記カラー部材(56)の後部付属部材(560)に固着されており、そして第1の板(60)に形成されたそれぞれの貫通穴を自由に通過し;
前記ロッド(63)の各々には螺旋状バネ(64)が取り付けられ;
前記ロッド(63)と螺旋状バネ(64)は前記軸(x−x)に平行に方向付けられてことを特徴とする請求項記載のピン。
【請求項12】
前記空気バネ(6)の空気が放出され、即ち圧縮されると、前記螺旋状バネ(64)の動作は、前記ボディ部材(5)の前記後部部分(50)にカラー部材(56)を維持するように働き、そしてこの状態で、前記カラー部材(56)の後部部分は、中間部分(53)と前部部分(52)との間に前記ボディ部材(5)に形成された側壁面(59)に対向するバネ(64)によって該側壁面(59)に押圧され、そして前記扇形部材(4)は開放し、前記結合ロッド(55)は軸(x−x)に関して放射方向に方向付けされ、即ち伸縮ピン(P)に作用する負荷に対して平行に方向付けされ;
前記扇形部材(4)は前記バネ(64)によって通常は開放状態で維持されており;
そして前記空気バネ(6)に空気が注入され、即ち、伸長すると、前記バネ(64)の抵抗力が負けて、結合ロッド(55)の最下部とともに前記カラー部材(56)が前進し、それによって前記扇形部材(4)はそれぞれの前面部(40)が互いに近接することを特徴とする請求項11記載のピン。
【請求項13】
前記移動手段が可撓性手段であることを特徴とする請求項6記載のピン。
【請求項14】
前記可撓性手段が複数の螺旋状バネ(64)を含むことを特徴とする請求項13記載のピン。
【請求項15】
前記可撓性手段が空気バネ(6)を含むことを特徴とする請求項13記載のピン。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ペーパー加工プラントにおけるペーパーリール支持用ピンに関する。
【背景技術】
【0002】
ペーパーログの製造は所定の通路に沿って連続的なペーパーウェブを供給することを含むことは知られている。ペーパーウェブは前記通路の所定位置において横方向に開穿せしめられ、その結果、引き裂かれることによって所定の長さのシートに分断される。
【0003】
さらに、形成されるログの最初のシートの糊付けを行うために所定量の糊がその表面に塗布される管状部材(通常、コアと呼ばれる)が使用される。さらにまた、ログ形成ステーションに設置されかつ作動する巻取ロールが使用され、この巻取ロールはペーパーが巻き付けられるコアの回転を引き起こす。
【0004】
ペーパーの所定量がコアに巻き付けられると、ログの形成は終了する。次いで、別のロールが形成される。ログの形成が完了すると、ログの自然発生的な巻き戻し(アンワインディング)を防ぐために、ログの最後のシートの下側シートに糊付けを行う必要がある。各ログは次いで切断機によって複数のより短尺のロールに細分化される。
【0005】
プロセスの適切な作動を行うために、そこからペーパーウェブが供給される親リールが設置されている場合には、ペーパー加工プラントは常に巻き戻し機(アンワインダ)を含んでいる。巻き戻し機は特に各親リールを支持するためのベースを含んでおり、そして当該ベースはその長手方向軸の周りに回転可能とされている。何故ならば、そのベースは2本の支持ピンに取付けられており、それらの支持ピンのそれぞれが前記親リールの対応する側に着脱可能に挿入されているからである。
【0006】
ペーパーが巻き戻される(アンワインドされる)と、前記親リールは巻き戻し機のベース上に位置しそして前記ピンは当該親リールの内側に位置する。一方、一般的に、親リールが殆ど消耗しかつ取り換える必要がある場合には、親リールをフリーにするために前記ピンは引き抜かれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は巻き戻し機において前記親リールを支持するピンの構造に関し、そしてその目的は巻き戻し機に対する前記親リールの装着を簡略化しかつ前記親リールの取り外し及び取扱いをそれぞれ簡易化することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明によれば、請求項1に示された特徴を有する装置を設けることにより、上記目的が達成される。本発明の他の特徴は、従属請求項の主題である。
【0009】
本発明の請求項1記載のピンは、外側部(PX)及び内側部(PN)を有するペーパー材料のリール支持用ピンであって、当該内側部(PN)はペーパー材料のリール(1)に挿入されるようになっており、そして前記内側部(PN)がリール(1)の内側に位置する場合には前記外側部(PX)は前記リール(1)の外側に位置し、前記外側部(PX)には、前記ピン(P)を垂直方向に移動させるように取り付けられた手段(CP)によって係合するように取り付けられたフック部(3)が設けられており、前記ピン(P)の外側部(PX)はシャンク(2)によって形成され、そのシャンクの長手方向軸はピン(P)の長手方向軸(x−x)と一致しており、そして前記フック部は前記シャンク(2)に形成されかつ2つの平行アーム(30)によって範囲を定められたアイレットを有し、前記平行アームは前記シャンク(2)から放射状に設けられかつ前記長手方向軸(x−x)に平行なボディ部材(31)によって結合されていることを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2記載のピンは、請求項1記載のピンにおいて、前記アイレット(30,31)が前記シャンク(2)の上部側に設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3記載のピンは、請求項1記載のピンにおいて、前記内側部(PN)の外面は複数の扇形部材(4)によって形成され、当該扇形部材の各々は自由前面部(40)を備えた円筒形の表面部によって形成され、前記扇形部材(4)の前面部(40)は最大値(4a)と最小値(4c)の間で変動する直径を有する実質的に円形形状を形成し、そして前記最大値(4a)と前記最小値(4c)の間の差(△)は最大値(4a)の10%と30%の間であり、即ち、0.30×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.10×(4a)であることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4記載のピンは、請求項3記載のピンにおいて、前記差(△)が最大値(4a)の15%と20%の間であり、即ち、0.20×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.15×(4a)であることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5記載のピンは、請求項3記載のピンにおいて、前記差(△)が最大値(4a)の15%と18%の間であり、即ち、0.18×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.15×(4a)であることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6記載のピンは、請求項3記載のピンにおいて、各扇形部材(4)は、それぞれのヒンジ(42)に枢着された後面部(41)と、前記ヒンジ(42)の周囲の各扇形部材の回転を決めるのに適した移動手段に結合された中間部分とを有することを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項7記載のピンは、請求項3〜6のいずれか1項記載のピンにおいて、前記外側部(PX)は内部空間を有する円筒状シャンク(2)を含み、そして前記内側部(PN)は、ベアリング(51)を介在させた状態で前記シャンク(2)の前記内部空間内に長手方向に挿通された後部部分(50)と;扇形部材(4)の前面部(40)方向に向けられかつ後部部分(50)の長手方向の延長部分である前部部分(52)と;そして外部カップ型部分(53)を含み、当該外部カップ型部分(53)の内径(d53)は後部部分(50)と前部部分(52)の中間点においてシャンク(2)の外径よりも大であり、その結果、ボディ部材(5)の後部部分(50)はシャンク(2)に挿入され、中間のカップ型部分(53)は部分的に、即ち、その最も前の部分において当該カップ型部分(53)に挿入されている前記シャンク(2)の外面部に位置し、そして前記前部部分(52)は扇形部材(4)の内面側に位置するボディ部材(5)の延長部分を構成することを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8記載のピンは、請求項3〜7のいずれか1項記載のピンにおいて、各扇形部材(4)の後面部(41)は、カップ型部分(53)から外方に突出している放射状ウイング(54)内に挿入されたピン(42)によって前記ボディ部材(5)のカップ型部分(53)に係止され、各ピン(42)の軸は、前記シャンク(2)の接線方向に方向付けされており、そして各ピン(42)は、シャンク(2)の外面から所定の距離だけ離れて設けられかつスペーサとして作用するウイング(54)に挿入されていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項9記載のピンは、請求項3〜8のいずれか1項記載のピンにおいて、各扇形部材(4)は、それぞれの扇形部材(4)の内面において、ボディ部材(5)の前部部分(52)に長手方向に摺動可能に設けられたカラー部材(56)の下側部分に、対向する上側部分からヒンジ留めされた結合ロッド(55)を介して、前記ボディ部材(5)の前部部分(52)に係止され;カラー部材(56)に対する結合ロッド(55)の結合はピン(57)によって行われ、そのピン(57)の軸は、カップ型部分(53)のそれぞれのウイング(54)に対して扇形部材(4)の後面部(41)を結合するそれぞれのピン(42)に対して平行であり;前記扇形部材(4)の内側部に対する前記結合ロッド(55)の結合は、上記ピン(57)に平行な別のピン(58)によって行われることを特徴とする。
【0018】
本発明の請求項10記載のピンは、請求項3〜9のいずれか1項記載のピンにおいて、前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部の前には、前記軸(x−x)と直交する第1及び第2の板(60,61)の間に位置する空気バネ(6)が配置されていることを特徴とする。
【0019】
本発明の請求項11記載のピンは、請求項10記載のピンにおいて、前記第1の板(60)は、スペーサとして働く後部延伸部(62)を有しそして前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部に固着され、そして前記第2の板(61)は空気バネ(6)に関して反対側に位置しており;複数個のロッド(63)が前記第2の板(61)と前記カラー部材(56)を結合し、各ロッド(63)は一側部で前記第2の板(61)に固着され、他側部で前記カラー部材(56)の後部付属部材(560)に固着されており、そして第1の板(60)に形成されたそれぞれの貫通穴を自由に通過し;前記ロッド(63)の各々には螺旋状バネ(64)が取り付けられ;前記ロッド(63)と螺旋状バネ(64)は前記軸(x−x)に平行に方向付けられてことを特徴とする。
【0020】
本発明の請求項12記載のピンは、請求項10又は11記載のピンにおいて、前記空気バネ(6)の空気が放出され、即ち圧縮されると、前記螺旋状バネ(64)の動作は、前記ボディ部材(5)の前記後部部分(50)にカラー部材(56)を維持するように働き、そしてこの状態で、前記カラー部材(56)の後部部分は、中間部分(53)と前部部分(52)との間に前記ボディ部材(5)に形成された側壁面(59)に対向するバネ(64)によって押圧され、そして前記扇形部材(4)は開放し、前記結合ロッド(55)は軸(x−x)に関して放射方向に方向付けされ、即ち伸縮ピン(P)に作用する負荷に対して平行に方向付けされ;前記扇形部材(4)は前記バネ(64)によって通常は開放状態で維持されており;そして前記空気バネ(6)に空気が注入され、即ち、伸長すると、前記バネ(64)の抵抗力が負けて、結合ロッド(55)の最下部とともに前記カラー部材(56)が前進し、それによって前記扇形部材(4)はそれぞれの前面部(40)が互いに近接することを特徴とする。
【0021】
本発明の請求項13記載のピンは、請求項6記載のピンにおいて、前記移動手段が可撓性手段であることを特徴とする。
【0022】
本発明の請求項14記載のピンは、請求項13記載のピンにおいて、前記可撓性手段が複数の螺旋状バネを含むことを特徴とする。
【0023】
本発明の請求項15記載のピンは、請求項13記載のピンにおいて、前記可撓性手段が空気バネを含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明のピンは、巻き戻し機のそれぞれの支持体によって支持されている間に、親リールを移動するために使用されるブリッジクレーンのそれぞれのアームにピンが結合されている態様に形成されている。さらに、本発明のピンは製造が簡単でかつ提供される利点と比較して非常に安価である。
【0025】
本発明のこれらの利点及び特徴並びに他の利点及び特徴は、以下の説明から、限定的な意味で考慮されないが本発明の例示として与えられている添付図面の助けによって当業者に最良に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明のピンの概略斜視図である。
図2】内部をよりよく見せるために2つの扇形部材を除いた状態の図1のピンを示す図面である。
図3図1に示したピンの断面図である。
図4A図3のA−A線に沿う断面図である。
図4B図4Aに示したユニットから離れた一群の部材を示す図面である。
図5】伸長した配置の代わりに縮小された配置におけるピンを示す図4Aと同様の図面である。
図6】ブリッジクレーンによるピンの処理に関する一連の工程を示す第1の概略図で、その動きをより明瞭に示すために親リールが示されている。
図7】ブリッジクレーンによるピンの処理に関する一連の工程を示す第2の概略図である。
図8】ブリッジクレーンによるピンの処理に関する一連の工程を示す第3の概略図である。
図9】ブリッジクレーンによるピンの処理に関する一連の工程を示す第4の概略図である。
図10】ブリッジクレーンによるピンの処理に関する一連の工程を示す第5の概略図である。
図11】ブリッジクレーンによるピンの処理に関する一連の工程を示す第6の概略図である。
図12】それぞれのコアの反対側端部に挿入されたピンを有する親リールの概略側面図である。
図13図12の詳細図である。
図14図12の別の詳細図である。
図15】親リール(1)が上昇している場合の親リール(1)に働く力(RA)を示す図面である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
本発明に係るピン(P)は、ペーパー加工プラントの巻き戻し機の親リール(1)のコア(10)に挿入されるように案出されたタイプのものである。
【0028】
前記ピン(P)は外側部(PX)及び内側部(PN)を有し、内側部(PN)は前記リール(1)のコア(10)に挿入されるようになっており、そして前記内側部(PN)がコア(10)の内側に位置する場合には前記外側部は前記リール(1)の外側に位置する。図1及び図2においては、外側部(PX)は右側に位置し、一方内側部(PN)は左側に位置している。前記ピン(P)は中央部の長手方向軸(x−x)に関して実質的に対称である。
【0029】
前記ピン(P)の外側部(PX)はシャンク(2)によって形成されており、そのシャンクの長手方向軸はピン(P)の長手方向軸(x−x)と一致している。当該シャンク(2)にはハンドル(3)が取り付けられている。このハンドル(3)は、シャンク(2)から放射状に設けられかつ前記長手方向軸(x−x)に平行なボディ部材(31)によって結合された2つの平行アーム(30)によって形成されている。前記ハンドル(3)はシャンク(2)の上面側、即ち作動中は上方に回転しているシャンク(2)の側に当接せしめられる。前記シャンク(2)は中空である。
【0030】
図面に示した実施の形態によれば、前記ピン(P)の内側部(PN)は伸長可能である。前記内側部は、前記リール(1)のコア(10)に挿入される場合には当該コア(10)と係合するように伸長せしめられる(図1図2図3図4A及び図4Bに示されるように)。一方、前記内側部(PN)は、コア(10)に挿入させるため又は前記リール(1)から取り外すために縮小せしめられる(図5に示されるように)。
【0031】
前記内側部(PN)の外面は、複数の扇形部材(4)(図示の例では4つ)によって形成されている。この扇形部材の各々は自由前面部(40)と後面部(41)を備えた円筒面部材によって形成されている。
【0032】
前記ピン(P)はボディ部材(5)を有し、当該ボディ部材は、ベアリング(51)を介在させた状態で中空シャンク内に長手方向に挿通された後部部分(50)と;扇形部材(4)の前面部(40)方向に向けられかつ後部部分(50)の長手方向の延長部分である前部部分(52)と;そして外部カップ型部分(53)を含み、当該外部カップ型部分(53)の内径(d53)は後部部分(50)と前部部分(52)の中間点においてシャンク(2)の外径よりも大である。
【0033】
実際上、ボディ部材(5)の後部部分(50)はシャンク(2)に挿入され、中間部分(53)は部分的に(即ち、その最も前の部分において)当該カップ型中間部分(53)の内側に位置するシャンク(2)の外面部に位置し、そして前部部分(52)は、図示したように、扇形部材(4)の内面側に位置するボディ部材(5)の延長部分を構成する。
【0034】
各扇形部材(4)の後面部(41)は、カップ型部分(53)から外方に突出している放射状ウイング(54)内に挿入されたピン(42)によってボディ部材(5)のカップ型部分(53)に係止されている。この例においては、前記ウイング(54)は4個であり、そして互いに90度の角距離を置いて配設されている。各ピン(42)の軸は、表面が円筒形状のシャンク(2)の接線方向に方向付けされている。さらに各ピン(42)はシャンク(2)の外面から所定の距離だけ離れて設けられかつスペーサとして作用するウイング(54)に挿入されている。
【0035】
また、各扇形部材(4)は、それぞれの扇形部材(4)の内面において、ボディ部材(5)の前部部分(52)に長手方向に摺動可能に設けられたカラー部材(56)の一側部(下側部分)及び反対側(上側部分)にヒンジ留めされた結合ロッド(55)を介して前記ボディ部材(5)の前部部分(52)に係止されている。
【0036】
カラー部材(56)に対する結合ロッド(55)の結合はピン(57)によって行われており、そのピン(57)の軸は、カップ型部分(53)のそれぞれのウイング(54)に対して扇形部材(4)の後面部(41)を結合するピン(42)に対して平行である。前記扇形部材(4)の内側部に対する同一の結合ロッド(55)の結合は上記ピン(57)に平行な別のピン(58)によって行われる。
【0037】
前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部の前には、前記軸(x−x)と直交する2枚の板(60,61)の間に位置する空気バネ(6)が配置されている。第1の板(60)は、スペーサとして働く後部延伸部(62)を有し、そして前記ボディ部材(5)の前部部分(52)の前端部に固着されている。第2の板(61)は空気バネ(6)に関して反対側に位置している。
【0038】
複数個のロッド(63)が第2の板(61)と前記カラー部材(56)を結合している。各ロッド(63)は一側部で第2の板(61)に固着され、他側部で前記カラー部材(56)の後部付属部材(560)に固着されており、そして第1の板(60)に形成されたそれぞれの貫通穴を自由に通過する。前記ロッド(63)の各々には螺旋状バネ(64)が取り付けられている。前記ロッド(63)と螺旋状バネ(64)は前記軸(x−x)に平行に方向付けられており、そして図示例においてその数は4つである。
【0039】
空気バネ(6)の空気が放出され、即ちバネが圧縮されると、前記螺旋状バネ(64)の動作は、前記ボディ部材(5)の前記後部部分(50)に戻す状態にカラー部材(56)を維持するように働く。この状態で、前記カラー部材(56)の後部部分は、中間部分(53)と前部部分(52)との間に前記ボディ部材(5)に形成された側壁面(59)に対向するバネ(64)によって押圧され、そして前記扇形部材(4)は開放し、前記結合ロッド(55)は軸(x−x)とに関して放射方向に方向付けされ、即ちピン(P)に作用する負荷に対して平行に方向付けされている。前記扇形部材(4)は前記バネ(64)によって通常は開放状態で維持されている。
【0040】
空気バネ(6)に空気が注入され、即ち、伸長すると、前記バネ(64)の抵抗力が負けて、結合ロッド(55)の最下部とともに前記カラー部材(56)が前進し、それによって前記扇形部材(4)はそれぞれの前面部(40)が互いに近接することによって閉じられる。
【0041】
前記ボディ部材(5)に形成された長手方向の貫通孔(5F)を介して、圧縮空気が前記空気バネ(6)に導入され、又は排出される。このような態様で、前記扇形部材(4)は、前記ピン(42)を中心に回転させることによって開閉可能となる。
【0042】
前記扇形部材(4)の前面部(40)は実質的に円形形状を形成し、その外径(4a;4c)は最大値(4a)と最小値(4c)の間で同一の扇形部材(4)の形態(開放/閉鎖)に応じて変動する。有利には、最大値(4a)と最小値(4c)の間の差(△)は最大値(4a)の10%と30%の間であり、即ち、0.30×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.10×(4a)である。
【0043】
より好ましくは、上記差(△)は最大値(4a)の15%と20%の間であり、即ち、0.20×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.15×(4a)である。
【0044】
さらに好ましくは、上記差(△)は最大値(4a)の15%と18%の間であり、即ち、0.18×(4a)≧△=(4a−4c)≧0.15×(4a)である。
【0045】
図6〜11は、アクチュエータ(AS)によって制御された可動セミカラー部材(SM)を両側部のそれぞれに設けた巻き戻し機(S)への親リール(1)の装着に関する一連の動きを示しており、アクチュエータ(AS)は、それ自体公知である態様において、レバー(LS)によって、固定支持台(SF)の上方で可動セミカラー部材(SM)を時計回り方向(閉鎖方向)又は反時計回り方向(開放方向)に回転させる。前記ピン(P)が支持台(SF)の上方に存在している場合には、時計回り方向への可動セミカラー部材(SM)の回転は前記ピン(P)の外側部(PX)と前記巻き戻し機(S)のそれぞれの側部との係合を惹き起こす。反対に、可動セミカラー部材(SM)の反時計回り方向への回転は巻き戻し機(S)からのピン(P)の離脱を決定する。
【0046】
図6において、前記コア(10)の両端部に挿入されたピン(P)を具備した親リール(1)はブリッジクレーン(CP)の可動アーム(BC)にフック留めされており、一方前記巻き戻し機(S)の可動セミカラー部材(SM)は開放している。特に、前記ブリッジクレーン(CP)の各可動アーム(BC)にはその自由端部に可動フック(G)が取り付けられ、そしてこの可動フック(G)はフック型の自由端部を有し、ハンドル(3)のボディ部材(31)の下側に可動フック(G)がより簡単に位置することができるようになっている。
【0047】
前記フック(G)は、水平軸(PG)を備えたピンによって可動アーム(BC)の自由端部にヒンジ留めされ、かつ空気バネ(MP)に結合された後側部を有している。前記空気バネ(MP)によって前記フック(G)はピン(PG)の周りを時計回り又は反時計回りに回転可能となっている。前記可動アーム(BC)の運動はそれぞれのアクチュエータ(AP)によって制御されている。
【0048】
図7において、前記ブリッジクレーン(CP)の可動アーム(BC)はアクチュエータ(AP)によって下降せしめられており、前記ピン(P)は巻き戻し機(S)の支持台(SF)上に位置し、前記フック(G)はハンドル(3)を保持しており、そして前記可動セミカラー部材(SM)は開放している。図8において、前記フック(G)はピン(P)のハンドル(3)をいまだ保持しているが、セミカラー部材(SM)は時計回りに回転し巻き戻し機(S)にピン(P)をロックしている。
【0049】
図9において、ブリッジクレーン(CP)のフック(G)は、ピン(P)のハンドル(3)からそれを離脱させるために回転せしめられる。
【0050】
前記ブリッジクレーン(CP)の複数のアーム(BC)はそれ等相互の接近及び離間を行うために動くので、図12にダブル矢印“FB”で概略的に示したように、前記アーム(BC)はリール(1)のコア(10)の両端部へのピンの挿入に適しており、そしてそれぞれそれらの離脱にも適している。
【0051】
図10及び図11は、巻き戻し機(S)から離間するブリッジクレーンの可動アームを示す。
【0052】
前記巻き戻し機(S)からピン(P)付きリール(1)を離脱させるための一連の手順は上記した手順と反対の手順となる。
【0053】
前記リール(1)は、前記ブリッジクレーン(CP)のアーム(BC)又は前記巻き戻し機(S)又はこれらの両方によって常時支持されている。
【0054】
前記ハンドル(3)は前記フック(G)に係合されているので、ピン(P)の各々はそのフック(G)上で揺動し、そしてこのことは、前記リール(1)のコア(10)へのピン(P)の挿入の間における、前記リール(1)の軸とピン(P)との自己整列の助けとなる。
【0055】
図15は、前記リール(1)の上昇状態における当該リール(1)に作用する力(RA)を示す。力の分散は、明らかな追加的曲げの負荷をかけていない前記コア(10)の曲げを解消し又は少なくとも大幅に減らすためのものである。
【0056】
前述したように、前記ピン(P)上のハンドル(3)は、当該ピン(P)がいまだ巻き戻し機(S)上に位置している間に、ブリッジクレーンのそれぞれのアームに対する巻き戻し機のフック留めを行わせる。
【0057】
実際上は、採用された解決手段から逸脱することなくかつ本特許によって付与された保護の範囲内に留まる限り、実施の詳細は記載されかつ図面に示された構成要素に関して如何なる均等の態様で変更することが可能である。
【符号の説明】
【0058】
1:リール、2:シャンク、3:フック部、ハンドル、4:扇形部材、5:ボディ部材、6:空気バネ、10:コア、30:アイレット、平行アーム、31:アイレット、ボディ部材、40:前面部、41:後面部、42:ヒンジ、ピン、50:後部部分、51:ベアリング、52:前部部分、53:カップ型部分、54:ウイング、55:結合ロッド、56:カラー部材、57,58:ピン、59:側壁面、60,61:板、62:後部延伸部、63:ロッド、64:螺旋状バネ、560:後部付属部材、AP,AS:アクチュエータ、BC:可動アーム、CP:手段、ブリッジクレーン、F:孔、FB:矢印、G:フック、LS:レバー、MP:空気バネ、P:ピン、PG:ピンの水平軸、PN:内側部、PX:外側部、RA:作用する力、S:巻き戻し機、SF:支持台、SM:可動セミカラー部材、4a:直径の最大値、4c:直径の最小値、d53:カップ型部分の内径、x:軸。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15