特許第6568857号(P6568857)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6568857超音波イメージングアセンブリ及び超音波画像を表示するための方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6568857
(24)【登録日】2019年8月9日
(45)【発行日】2019年8月28日
(54)【発明の名称】超音波イメージングアセンブリ及び超音波画像を表示するための方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 8/14 20060101AFI20190819BHJP
【FI】
   A61B8/14ZDM
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-539129(P2016-539129)
(86)(22)【出願日】2014年12月15日
(65)【公表番号】特表2016-540583(P2016-540583A)
(43)【公表日】2016年12月28日
(86)【国際出願番号】EP2014077775
(87)【国際公開番号】WO2015091368
(87)【国際公開日】20150625
【審査請求日】2017年11月17日
(31)【優先権主張番号】13306807.2
(32)【優先日】2013年12月20日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】590000248
【氏名又は名称】コーニンクレッカ フィリップス エヌ ヴェ
【氏名又は名称原語表記】KONINKLIJKE PHILIPS N.V.
(74)【代理人】
【識別番号】100122769
【弁理士】
【氏名又は名称】笛田 秀仙
(72)【発明者】
【氏名】アウヴレイ ヴィンセント モーリス アンドレ
(72)【発明者】
【氏名】キュイネ レミ ニコラ ティエリ
(72)【発明者】
【氏名】アルドン ロベルト ジョゼ
【審査官】 門田 宏
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2012/0243757(US,A1)
【文献】 特開2013−192673(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0161513(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 8/00 − 8/15
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
-関心ボリュームの超音波スキャンからもたらされる超音波データの少なくとも一つのセットをリアルタイムに受信し、評価し、前記超音波データに基づいて対応する画像データを供給するための画像処理ユニットと、
-前記画像データに基づいて超音波画像を表示するためのディスプレイユニットと、
-前記超音波データに基づいて陰影領域及び前記関心ボリューム内のその存在を検出するように構成される評価ユニットと
を有する超音波イメージングアセンブリであって、
前記画像処理ユニットは前記陰影領域の複数の異なる二次元スライスの超音波画像データを決定するように構成され、前記スライスは互いに横切る方向に配置され、前記ディスプレイユニットは前記各々の二次元スライスに対応する各々の前記超音波画像データ内に前記検出される陰影領域の対応する断面図のグラフィック描出を表示するように構成される、
超音波イメージングアセンブリ。
【請求項2】
前記評価ユニットは前記検出される陰影領域のサイズを決定するように構成され、前記ディスプレイユニットは前記超音波画像内の前記陰影領域の前記サイズに対応するグラフィック描出を表示するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングアセンブリ。
【請求項3】
前記評価ユニットは前記関心ボリューム内に複数の陰影領域を検出するように構成され、前記ディスプレイユニットは前記複数の陰影領域の断面図を表示するように更に構成される、請求項1に記載の超音波イメージングアセンブリ。
【請求項4】
前記陰影領域の前記異なる二次元スライスの位置はオペレータによって決定される、請求項1に記載の超音波イメージングアセンブリ。
【請求項5】
前記ディスプレイは、前記表示される超音波画像内に前記陰影領域の前記グラフィック描出を強調するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングアセンブリ。
【請求項6】
前記画像処理ユニットは、前記超音波の伝播の方向に対応する前記陰影領域の平面図の画像データを決定するように更に構成され、前記ディスプレイユニットは、前記平面図画像データを表示するように構成される、請求項1に記載の超音波イメージングアセンブリ。
【請求項7】
前記評価ユニットは、前記超音波の伝播の方向における前記陰影領域のサイズを決定するように構成され、前記ディスプレイユニットは、前記平面図画像データにおいて前記陰影領域の前記サイズを表示するように構成される、請求項6に記載の超音波イメージングアセンブリ。
【請求項8】
超音波画像を表示するための方法であって、
- 関心ボリュームの超音波スキャンからもたらされる超音波データの少なくとも一つのセットを受信するステップと、
- 前記超音波データの少なくとも一つのセットを評価するステップと、
- 前記超音波データに基づいて対応する画像データを供給するステップと、
- 前記画像データに基づいて超音波画像をディスプレイユニット上に表示するステップと、
-前記超音波データに基づいて陰影領域が存在するか及び前記関心ボリューム内のその存在を検出するステップと、
- 前記陰影領域の複数の異なる二次元スライスの超音波画像データを決定し、前記スライスは互いに横切る方向に配置され、前記ディスプレイユニット上における前記複数の二次元スライスの各々の前記超音波画像データ内の前記検出される陰影領域の対応する断面図のグラフィック描出を表示するステップと
を有する、方法。
【請求項9】
前記超音波トランスデューサユニットから受信される超音波データを評価して、表示するための請求項1に記載の超音波イメージングアセンブリ並びに超音波を送信及び受信するための複数の超音波トランスデューサ素子を含む超音波トランスデューサユニットを有する超音波トランスデューサアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波イメージングのための超音波イメージングアセンブリに関する。 本発明は、超音波画像を表示するための方法にも関する。 最後に、本発明は、超音波を送信及び受信するための超音波トランスデューサ素子を含む超音波トランスデューサアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
超音波イメージングの分野において通常、超音波画像は異なるアーチィファクトを受信することが知られており、これらは、患者の信頼できる医療検査を提供するために関心ボリュームにおける解剖学的対象物から識別されなければならない。最も重要なアーチィファクトの一つは音響陰影である。 超音波画像は、様々な音響インピーダンスの解剖学的対象物及び組織における超音波の伝播及び相互作用に基づく。 異なるインピーダンスを持つ二つの物質の境界部において、超音波は伝導され、反射され、分散され、回折される。 音響エネルギがほとんど完全に反射されるか、又は分散される場合、音響陰影はそれぞれの境界線を超えて関心ボリュームの領域に現れる。 これらの陰影領域はそれぞれの超音波画像において完全に遮られて、関心領域を遮ることができるため、これらの陰影領域は大きな問題を引き起こし得る。
【0003】
異なる解剖学的特性のために、超音波プローブは胸部に位置されなければならないため、人体のいくつかの器官又は領域は、音響陰影を導入せずに分析することが難しいので、音響波は肋骨で反射されるか、又は分散され、超える領域は、結果としてもたらされる音響陰影によって遮られる。
【0004】
超音波イメージングの分野において、超音波画像内で音響陰影を自動的に検出し、たとえば、異なる超音波画像を覆うことによって超音波画像内で陰影領域を補正することは知られている。 陰影領域を検出し、低減される量の陰影領域を示すこれらの超音波画像だけを表示することは、US2012/0243757 A1からさらに知られている。
【0005】
それゆえに既知の超音波イメージングシステムは解剖学的対象物から陰影領域を識別しないが、オペレータは陰影領域が関心領域を遮らないことを確認しなければならず、これは医療検査にとって重要になる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、より信頼できる検査が可能なように改善されたイメージングコンディションを有する、特に3D超音波イメージングのための改善された超音波イメージングアセンブリを提供することにある。本発明の更なる目的は、超音波イメージングのための対応する方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第一の態様において、
-関心ボリュームの超音波スキャンからもたらされる超音波データの少なくとも一つのセットを受信し、評価し、超音波データに基づいて対応する画像データを供給するための画像処理ユニットと、
-画像データに基づいて超音波画像を表示するためのディスプレイユニットと、
-超音波データに基づいて陰影領域が関心ボリューム内に存在するかを検出するように構成される評価ユニットと
を有する超音波イメージングアセンブリであって、
画像処理ユニットは陰影領域の二次元スライスの超音波画像データを決定するように構成され、ディスプレイユニットは超音波画像内に陰影領域の対応する断面図のグラフィック描出を表示するように構成される、
超音波イメージングアセンブリがもたらされる。
【0008】
本発明の更なる態様において、
- 関心ボリュームの超音波スキャンからもたらされる超音波データの少なくとも一つのセットを受信するステップと、
- 超音波データの少なくとも一つのセットを評価するステップと、
- 超音波データに基づいて対応する画像データを供給するステップと、
- 画像データに基づいて超音波画像をディスプレイユニット上に表示するステップと、
-超音波データに基づいて陰影領域が関心ボリューム内に存在するかを検出するステップと、
- 陰影領域の二次元スライスの超音波画像データを決定し、ディスプレイユニット上における超音波画像内の陰影領域の対応する断面図のグラフィック描出を表示するステップと
を有する、超音波画像を表示するための方法が提供される。
【0009】
本発明のなお更なる態様において、超音波トランスデューサユニットから受信される超音波データを評価して、表示するためのこの種の超音波イメージングアセンブリ並びに超音波を送信及び受信するための複数の超音波トランスデューサ素子を含む超音波トランスデューサユニットを有する超音波トランスデューサアセンブリが提供される。
【0010】
本発明の好ましい実施例は、従属請求項において規定される。請求項に記載の方法が従属請求項において規定されるように、並びに請求項に記載の装置と類似及び/又は同一の好ましい実施例を持つことは理解されるべきである。
【0011】
本発明は、特定の関心領域が遮られ、遮られた領域はどこに位置されるかを示すため、超音波データを評価することによって一つの陰影領域又は複数の陰影領域が関心ボリューム内に存在するかを決定し、陰影領域が関心ボリューム内で検出されたかをディスプレイユニット上に示し、陰影領域の二次元スライスの画像データを決定し、陰影領域の対応する断面図を表示する考えに基づく。オペレータは超音波データを考慮することができ、関心領域が遮られるか、又は高画質超音波画像が提供されるかを確かめることができる。 それゆえに、オペレータは関心領域が最適な画質で分析され、音響陰影は関心領域を遮らないので医療検査の全体的な信頼性が増やされることを確実にすることができる。
【0012】
好ましい実施例において、ディスプレイユニットは、陰影領域が関心ボリューム内に検出されなかったかを示すようにさらに構成される。 これは、高画質画像が表示され、領域は遮られないことをオペレータに示す可能性である。
【0013】
好ましい実施例において、ディスプレイユニットは、陰影領域が関心ボリューム内に検出されたかを示すように構成される。
【0014】
好ましい実施例において、警告メッセージがディスプレイユニット上に表示される。 これは、陰影領域が検出されたことを示す単純な可能性である。
【0015】
好ましい実施例において、評価ユニットは、関心ボリューム内において陰影領域の位置を検出するように構成され、ディスプレイユニットは、超音波画像内に陰影領域のグラフィック描出を表示するように構成される。これは、陰影領域の位置が表示されるのでオペレータは詳細な分析が必要かを容易に決めることができるため、分析の期間を減らす可能性である。
【0016】
好ましい実施例において、評価ユニットは、検出される陰影領域のサイズを決定するように構成され、ディスプレイユニットは、超音波画像内の陰影領域のサイズに対応するグラフィック描出を表示するように構成される。 これは、超音波画像のサイズに関して陰影領域のサイズがオペレータによって考慮されることができるため、超音波画像の画質を示す可能性である。
【0017】
好ましい実施例において、評価ユニットは関心ボリューム内に複数の陰影領域を検出するように構成され、ディスプレイユニットは陰影領域の少なくとも一つのうちの一つの少なくとも一つの断面図を表示するように構成される。 これは、関心ボリューム内に別個に異なる陰影領域を特定し、陰影の関連性を迅速に評価する可能性である。
【0018】
陰影領域の断面図がすべての陰影領域は詳細に表示されることができるように、オペレータによる要求に応じて、又は所定の期間の間、同時又は連続的に表示される場合、それは好ましい。これは、各々の陰影領域が詳細に評価されることができるため、医療検査の信頼性を増やす可能性である。
【0019】
好ましい実施例において、二次元スライスは、超音波スキャンの超音波の伝播の方向と平行な、関心ボリューム内における平面である。これは、オペレータが、関連する領域は遮られるかを容易に決定することができるように、 関心領域の標準的な超音波ビューに対応する超音波画像を表示する単純な可能性である。
【0020】
好ましい実施例において、イメージング処理ユニットは、陰影領域の複数の異なる二次元スライスの画像データを決定するように構成され、スライスは互いに横切る方向に配置される。これは、オペレータが関心領域は遮られるかを容易に決定することができるように、陰影領域の三次元範囲を決定する可能性である。
【0021】
好ましい実施例において、ディスプレイユニットは陰影領域の異なる断面図を表示するように構成される。 これは、オペレータが解剖学的対象物は陰影領域に遮られるかを容易に決定することができるように、異なる二次元スライスに対応する断面図を同時に表示する可能性である。
【0022】
好ましい実施例において、陰影領域の異なる二次元スライスの位置は、オペレータによって決定される。 これは、超音波画像内に二次元スライスを個別に決定する可能性である。
【0023】
好ましい実施例において、ディスプレイユニットは、表示される超音波画像内に陰影領域のグラフィック描出を強調するように構成される。 これは、オペレータが関心領域は陰影領域に遮られるかを容易に決定することができるように、陰影領域の位置を示す単純な可能性である。
【0024】
好ましい実施例において、評価ユニットは、関心ボリューム内に解剖学的対象物を特定するように構成され、ディスプレイユニットは、超音波画像内に特定される解剖学的対象物を表示するように構成される。これは、所定の解剖学的対象物の部分が遮られることをオペレータに知らせるように警告メッセージが表示されることができるため、超音波イメージングの信頼性を増やす更なる可能性である。さらに好ましい実施例において、遮られる解剖学的対象物の部分は定量化されることもできる。
【0025】
好ましい実施例において、画像処理ユニットは、超音波の伝播の方向に対応する陰影領域の平面図の画像データを決定するように構成され、ディスプレイユニットは、平面図画像データを表示するように構成される。これは、オペレータが陰影の幾何学的な位置を容易に理解することができるように陰影領域は平面図において表示されることができるため、超音波イメージング及び臨床検査の信頼性を改善する更なる可能性である。
【0026】
好ましい実施例において、評価ユニットは、超音波の伝播の方向の陰影領域のサイズを決定するように構成され、ディスプレイユニットは、平面図画像データにおいて陰影領域のサイズを表示するように構成される。 これは、オペレータが陰影の空間位置及び空間範囲を容易に理解することができるように、平面図画像における陰影領域のサイズを表示する可能性である。色分けされる平面図において陰影領域のサイズを表示することはさらに好ましい。
【0027】
上記のように、ディスプレイユニットは、陰影領域が関心ボリューム内に検出されたか否かを示すように構成されるため、オペレータは、関心領域が陰影領域に遮られるかを容易に決定することができるので、医療検査の信頼性は改善される。超音波画像における陰影領域の視覚化のために、陰影の範囲又は位置は、陰影領域を位置付け、解剖学的対象物又は陰影領域が超音波画像内に視認され得るかを識別することに役立つことができる。関心ボリュームの二次元スライス及び各断面図によって、オペレータは、超音波画像システムの標準的なビューに基づいて、陰影の位置を容易に決定することができる。従って、超音波画像検査の信頼性は改善され、検査の期間は減らされることができる。
【0028】
本発明のこれら及び他の態様は、以下に記載された実施例から明らかであり、これらの実施例を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】患者の体のボリュームをスキャンする使用における超音波イメージングシステムの概略図を示す。
図2a】三次元生超音波画像及び表示される陰影を含む超音波画像の概略図を示す。
図2b】三次元生超音波画像及び表示される陰影を含む超音波画像の他の概略図を示す。
図3a図2a及びbに示される三次元超音波画像の陰影の二次元スライスの概略図を示す。
図3b図2a及びbに示される三次元超音波画像の陰影の二次元スライスの他の概略図を示す。
図3c図2a及びbに示される三次元超音波画像の陰影の二次元スライスの他の概略図を示す。
図4】検出される陰影領域の三次元描出を含む三次元超音波画像の概略ビューを示す。
図5a】陰影領域のグラフィック描出及び陰影領域の選択される位置に対応する二つの断面図を示す。
図5b】陰影領域のグラフィック描出及び陰影領域の選択される位置に対応する他の二つの断面図を示す。
図5c】陰影領域のグラフィック描出及び陰影領域の選択される位置に対応する他の二つの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
図1は、実施例による超音波システム10、特に医用三次元(3D)超音波イメージングアセンブリの概略図を示す。超音波イメージングアセンブリ10は、解剖学的側面、特に患者12の解剖学的側面の関心ボリュームを調べるために適用される。超音波イメージングアセンブリ10は、超音波を送信及び/又は受信するための複数のトランスデューサ素子を持つ少なくとも一つのトランスデューサアレイを持つ超音波プローブ14を有する。一つの実施例において、トランスデューサ素子はそれぞれ、特定のパルス期間の少なくとも一つの送信インパルス、特に複数の後続する送信パルスの形態で超音波を送信することができる。特にマルチプレーナ又は三次元画像を供給するために、トランスデューサ素子は、好ましくは一次元ストリング又は二次元アレイで構成される。
【0031】
3D超音波スキャンは通常、関心のボリュームとして示され得る、体内における特定のボリュームを照らす超音波を放出するステップを含む。これは、複数の異なる角度で超音波を放出することによって実現されることができる。 ボリュームデータのセットはそれから、反射波を受信し、処理することによって得られる。ボリュームデータのセットは、患者の体内におけるターゲットボリュームの描出になる。
【0032】
超音波プローブ14は、(図1に示される)非侵襲態様で使われてもよく、又はこれが通常TEE(図示略)でなされるように侵襲態様で使われてもよいことは理解されるべきである。超音波プローブ14は、システムのユーザ、たとえば医療スタッフ又は医者によるハンドヘルドであってもよい。超音波プローブ14は、解剖学的側面の画像、特に患者の解剖学的対象物が提供されるように、患者12の体に適用される。
【0033】
さらに、超音波アセンブリは、超音波アセンブリ10を介して超音波画像の供給を制御する制御ユニット16を有してもよい。 制御ユニット16は、超音波を放出するために超音波プローブ14及び特にトランスデューサ素子を駆動し、超音波データに基づいて超音波画像を供給するために、超音波プローブ14のトランスデューサ素子から超音波データを受信する。 超音波アセンブリ10は、超音波画像をユーザに表示するためのディスプレイ18を更に含んでもよい。 なおさらに、キー又はキーボード22及び更なる入力デバイス、たとえばトラックボール24を有し得る入力デバイスが設けられてもよい。入力デバイス20は、ディスプレイ18に接続されてもよく、又は制御ユニット16に直接接続されてもよい。
【0034】
制御ユニット16は、超音波プローブ14から超音波データを受信し、超音波データを評価するための画像処理ユニット26を有する。画像処理ユニット26は、超音波プローブ14から受信される超音波データに対応する画像データを供給する。 制御ユニット16は、超音波プローブ14から超音波データを受信し、以下に記載のように関心ボリューム内における陰影領域を検出する評価ユニット28を更に含む。
【0035】
評価ユニット28は、超音波プローブ14から超音波データを受信し、関心ボリューム内における陰影領域を検出する。 陰影領域は通常、トランスデューサアレイの線形スキャン又はプレーナスキャンに基づいて特定され、超音波プローブ14の検出角度に依存する受信超音波の強度が評価される。
【0036】
第一のステップにおいて、議論は行毎に実行される。 受信超音波の強度が陰影にとって典型的なサインを表す、疑わしい陰影部分は特定され、信号の第一の部分は、結果的に変化する表示強度、例えば明又は暗領域の連続性をもたらす実際の解剖学的情報を表すが、長い均一な非常に暗い領域に後続される、突然の崩壊が観測される。
【0037】
第二のステップにおいて、3D強化は実行され、同じ長さを備える陰影セグメントのグループが同じ隣接部で疑われる場合にのみ、陰影は検出される。
【0038】
陰影領域が超音波データにおいて検出される場合、評価ユニット28は、陰影領域の存在がディスプレイユニット18のスクリーン上に表示されることができるように、その情報をディスプレイユニット18又は画像処理ユニット26に供給する。陰影領域が検出されない場合、この情報がディスプレイスクリーン上に示されてもよい。代わりに、陰影領域の存在は、三次元若しくは二次元超音波画像内における陰影領域の境界のグラフィック描出を強調することによって、又は以下に詳細に記載されるように、三次元超音波画像における陰影領域の三次元描出によって、ディスプレイスクリーン上に示されてもよい。
【0039】
以下において、陰影領域のインジケーションは三次元超音波画像システムに対して記述されるが、陰影領域のインジケーションは二次元超音波画像システムに対しても供給され得る。
【0040】
図2aにおいて、典型的な三次元超音波画像が図示され、概して30によって示される。 データは、最大強度投陰影法(MIP)を使用して表される。 各々のピクセルにおいて、特定の方向で見るオブザーバの目によってクロスされるボリュームの最高値が示される。超音波データは、患者12の関心ボリューム31から受信される。 超音波データのマルチプレーナ又は三次元表示のために、陰影は三次元超音波画像30で特定されるのが難しい。 図2bにおいて、三次元超音波画像30が示され、陰影領域は画像で示され、概して32によって示される。超音波データの三次元表示又は超音波測定値の異なる平面は、二次元の標準的な超音波画像においてより容易に視認され得る陰影領域32を隠すため、陰影領域は三次元超音波画像30において視認され得ないいかなるインジケーションも備えていない。 評価ユニット28は、超音波プローブ14から受信される超音波データを評価することによって陰影領域32を検出し、ディスプレイユニット18のディスプレイスクリーン上に陰影領域32の存在を表示する。陰影領域32のインジケーションは、ディスプレイスクリーン上に表示される単純な警告メッセージになり得るので、 ユーザは、陰影領域32が関心ボリューム31内における特定の関心領域を遮るかを評価するために関心ボリューム31にブラウズすることができる。 更に、警告メッセージは、検出される陰影領域32の範囲及び/又は位置に関する更なる情報を含み得る。
【0041】
図3a-cにおいて、異なるスライスにおける陰影領域32の表示の好ましい実施例が概略的に示される。画像処理ユニット26は、陰影領域32の位置及びサイズが容易に特定され、関心ボリューム31内における解剖学的対象物から容易に識別されることができるように、検出される陰影領域32を含む関心ボリューム31の二次元スライスを供給する。陰影領域は、この特定の実施例において、陰影領域32の境界を例示することによって示され、又は強調される。図3a及び3bに示される二次元スライスは、関心ボリューム31内における超音波の伝播方向と平行に方向付けられる平面である。これらの二次元スライスは、超音波画像の標準的な二次元ビューに対応する関心ボリューム31の断面図を示す。 スライスは、互いに垂直に、又は互いに異なる角度をなして陰影領域に配置され得る。スライスは好ましくは自動的に決定されるが、オペレータは例えばカーソルによってスライスの位置を個別に決定してもよい。図3a及びbは、非常に強調された陰影領域32がオペレータによって容易に特定されることができ、関心ボリューム31内における解剖学的対象物から容易に識別されることができることを示す。 陰影領域32のこのインジケーションによって、オペレータは、関心領域が陰影領域32によって遮られるか、又は超音波プローブ14の異なる位置若しくは異なる分析が、関心領域から信頼できる画像を実現するために必要になり得るかを容易に決定することができる。図3cにおいて、関心ボリューム31の二次元平面図が図示される。 平面図は、超音波の伝播方向と平行な視認方向になり、陰影領域32は陰影領域32の境界を示すことによって強調される。
【0042】
一つより多くの陰影領域32が検出される場合、超音波イメージングアセンブリ10は、例えば陰影領域32のサイズ又は位置に基づいて、最も関連する陰影領域32を表示し得る。その場合、ユーザが入力デバイス20によって超音波イメージングアセンブリと対話する必要はなく、超音波プローブ14をその場に放置することができる。 代わりに、すべての検出される陰影領域32は、同時に、又は連続的に、二次元断面図若しくは平面図で表示されることができる。 陰影領域32は、数秒間、又は異なる陰影領域32の間で切り換えるオペレータの要求に応じて表示されてもよい。 その場合、陰影領域32の断面図又は平面図及び異なる二次元スライスは、ディスプレイユニット18のディスプレイスクリーン上に表示されてもよい。
【0043】
図4において、超音波データの三次元描出が図示される。 関心ボリューム31はコーンとして表示され、陰影領域32は関心ボリューム31内における三次元描出として表示される。図4に示される三次元描出は、二次元ディスプレイスクリーン上に表示される仮想三次元画像であり、三次元図はそれぞれの画像を回転させることによって実現されることができる。図4に示される三次元描出において、更なるレファレンス対象物又は解剖学的対象物は、三次元関心ボリューム31の理解を支援するため、及び関心ボリュームのどの部分が陰影領域32によって遮られるかを理解することを支援するために強調され得る。それは、臨床医がどこに疑わしい領域は存在するかを地理学的に即座に理解するために明瞭な描出も供給する。彼はそれから、関心スライスに効率的にナビゲーションすることができる。 代わりに、彼が図4に示される描出上でクリックするとき、対応するスライスを自動的に表示するツールが提供されることはできる。 解剖学的対象物は、患者の体12内における器官又は骨になり得る。 一つの解剖学的対象物が遮られるか、部分的に遮られる場合、警告メッセージは提供されることができる。 遮られる解剖学的対象物の部分は定量化されることができ、遮られた部分の量は、ディスプレイスクリーン上に表示されることができ、例えば腎臓の30%は陰影によって遮られる。閾値レベルのようなある量の解剖学的対象物が遮られる場合、例えば腎臓の20%より多くが陰影によって遮られる場合、警告メッセージはもたらされ得る。
【0044】
図5において、陰影領域32を表示する更なる実施例が図示される。 陰影領域は、超音波の伝播方向と平行して視認方向に対応する平面図において表示される。陰影領域32が容易に特定されることができるように、陰影領域32は表示され、色分けされて強調され得る平面図が図5aに表示される。図5aに示される平面図画像のカラーコードは、陰影領域の深さ又は長さを表す。 超音波の伝播の方向における陰影領域の深さ又は長さは測定又は検出されて、色分けされた画像で表示される。非陰影領域は色分けされず、例えば黒又は白で示される。
【0045】
陰影領域32の深さを分析するために、陰影領域32を通じる二次元スライスは、図5b及び5cに図示される超音波画像の標準的なビューに対応する断面図としてさらにもたらされることができる。スライスの位置は、超音波イメージングアセンブリによって自動的に決定されてもよく、又はカーソル34によってオペレータによって選ばれてもよい。
【0046】
図5b及びcにおいて示される二次元スライスは、互いに直角に、又は異なる角度、例えば30°で配置される関心ボリューム31内における平面である。 図5bに示される二次元スライスはx方向に対応し、図5cに示されるスライスは図5aに示される平面図のy方向に対応する。 これらの異なる二次元スライス及び対応する断面図によって、陰影領域32の深さは容易に視覚化されることができ、サイズ及び深さは図5b及びcにおいて示される断面図において正確に表示される必要はない。
【0047】
図4及び5に示される合成描出は、図3a及びbに示されるスライスの視覚化と結合されてもよい。 陰影領域32の表示は、超音波検査プロセスの間、リアルタイムに提供されてもよいので、陰影領域32が異なる位置に動かされ得るようにオペレータは超音波プローブ14を異なる位置に動かし得る。そのため、それぞれの関心領域は遮られない。 さらに、超音波画像内における特定の領域を遮る他のアーチィファクト、例えばダーティシャドウイング、コメットテール等が検出され、表示されてもよい。
【0048】
本発明は図面及び上記説明に詳細に図示され記載されているが、このような図示及び記載は例示的若しくは説明的であり限定するものではないとみなされるべきである。本発明は開表示される実施例に限定されるものではない。開表示される実施例への他の変更は、図面、開示及び従属クレームの考察から、請求される発明を実施する上で当業者によって理解され、もたらされることができる。
【0049】
クレームにおいて、単語"有する"は他の要素若しくはステップを除外するものではなく、不定冠詞"a"若しくは"an"は複数を除外するものではない。単一のプロセッサ若しくは他のユニットはクレームに列挙される複数の項目の機能を満たし得る。特定の手段が相互に異なる従属クレームに列挙される単なる事実は、これら手段の組み合わせが有利に使用され得ないことを示すものではない。クレームにおけるいかなる参照符号も範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2a)】
図2b)】
図3a)】
図3b)】
図3c)】
図4
図5a)】
図5b)】
図5c)】