(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記自在キャスタの水平回転軸を前記車体の下部に配置すると共に、前記自在キャスタの左右方向外側で前記車体の外部に前記全方向移動車輪を配置したことを特徴とする請求項3記載の火葬場の運搬車。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明における好適な実施の形態について、添付図面を参照して説明する。尚、以下に説明する実施例は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
[参考例1
]
図1〜
図5は
参考例1を示しており、同図は火葬場の運搬車として柩運搬車1を示している。柩運搬車1は、車体2と、この車体2に設けられた載置部たる前後方向のリフト杆3,3とを備える。前記車体2は、昇降駆動手段4を内蔵した車体後部5と、この車体後部5の後部左右から前側に延設して設けられた左右の車体側部6L,6Rとを備え、これら左右の車体側部6L,6R間に前方が開口した開口部7を備え、この開口部7の後部は前記車体後部5により閉塞されている。そして、柩運搬車1は、運搬物たる柩101を載せて運搬するものである。尚、前記リフト杆3,3が柩101のリフト手段である。
【0030】
前記リフト杆3,3は、リフト杆本体11と、このリフト杆本体11の内側に一体に設けた支持アーム12とからなり、前記車体後部5の前面から前方に向って延設され、前記リフト杆本体11,11の後端が、前記車体後部5内に設けた昇降駆動手段4に連結され、該昇降駆動手段4によりリフト杆3,3が水平状態で上下動するようになっている。また、前記一対のリフト杆3,3は左右に間隔を置いて配置されている。
【0031】
前記リフト杆本体11は断面が左右方向に長い角パイプなどからなり、前記支持アーム12は断面が上下方向に長い角パイプなどからなり、その支持アーム12の上面は前記リフト杆本体11の上面より高く、両側のリフト杆3,3の支持アーム12,12上に柩101の幅方向両側下面が載置される。
【0032】
図4に示すように、柩101の固定手段21は、前記リフト杆3,3の幅方向外側に、柩幅方向(左右方向)の案内杆22,22を突設し、これら案内杆22,22は、丸棒などからなり、リフト杆3の前後方向に間隔を置いて複数設けられている。また、前記固定手段21は前記案内杆22に沿って柩幅方向に移動可能な挟着体23と、この挟着体23を前記案内杆22に位置固定する位置固定手段24とを備える。
【0033】
図5に示すように、前記挟着体23は、前記案内杆22を挿通する挿通孔25Aを穿設した取付部25と、この取付部25の上に突設され前記柩101の側面102に面接触する挟着部26とからなり、この挟着部26の内側面が接触面26Aである。前記取付部25は断面が縦長の角パイプからなり、前記挟着部26は前後方向に長いフラットバーなどからなる。
【0034】
前記位置固定手段24は、前記取付部25の下板に螺合する雄螺子27と、この雄螺子27の基端に一体に設けられた回動操作用摘み28とを備え、この回動操作用摘み28により雄螺子27を捻じ込むことにより、雄螺子27の先端27Aが案内杆22に圧接し、案内杆22に挟着体23が位置固定される。
【0035】
前記車体2の左右の車体側部6L,6Rの前側内面には、前側に向かって間隔が広がる傾斜案内部たる傾斜案内面31,31が形成されている。また、左右の車体側部6L,6Rの下部には、複数のガイドローラ32,32・・・が配置されている。前記ガイドローラ32,32は、車体側部6L,6Rの下面に、取付座33を下方に突設し、この取付座33にローラ軸受34を車体左右幅方向の内側に突設し、このローラ軸受34の先端側に上下方向の軸部34Aを設け、この軸部34Aによりガイドローラ32,32が回動可能に設けられている。そして、走行面には案内部材35が設けられ、左右のガイドローラ32,32が前記案内部材35の左右側面部36,36を挟むように配置される。
【0036】
前記左右の車体側部6L,6Rと前記車体後部5の左右には、自在キャスタ41,41A,41B,41Cが設けられている。この自在キャスタ41,41A,41B,41Cは旋回するものである。前記自在キャスタ41,41A,41B,41Cは、車輪42と、この車輪42を取付ける車輪取付部43と、この車輪取付部43の上部に設けられた上下方向の回転部44と、この回転部44の上部に設けられた取付基板45とを備える。また、前記車輪42が、前記車輪取付部43に設けた車輪軸43Aに回動自在に設けられ、前記車輪軸43Aが前記回転部44の回転中心44Aから外れたところに位置している。そのため、自在キャスタ41,41A,41B,41Cを或る方向に押すと、回転部44が回転することにより、自在キャスタ41は回転中心44Aを前にし、車輪軸43Aを後にする配置を取る。その結果、車輪42は自然に押された方向に向くことになり、押された方向へ進むのに好都合な状態となる。従って、自在キャスタ41,41A,41B,41Cは何れの方向にも容易に進行できることとなる。
【0037】
前側の前記自在キャスタ41,41Aと後側の自在キャスタ41B,41Cの間に位置して、前記左右の車体側部6L,6Rに、前後の全方向移動車輪51,51,51,51を配置している。この例の全方向移動車輪51は、主輪52とこの主輪52の外周側に位置する複数の副輪53・・・により、柩運搬車1を少なくとも前後進移動、左右横移動、斜め移動、その場での旋回移動を可能とするものであり、前記車体2に搭載した駆動部54によって回転駆動され、前記主輪52の回転中心には横方向の車軸55が設けられている。
【0038】
全方向移動車輪51にはメカナムホイールを用いることが好ましい。前記メカナムホイールは、前記主輪52の表面(円周上)が車軸55に対して45°傾けた樽形状の副輪53(バレル)によって覆われる構成である。駆動部54として例示できるモータの駆動力の伝達により、従来の車輪と同じ動きをすることに加え、円周上の副輪53が回転可能になっているため、柩運搬車1は斜め45°の方向に移動することが可能である。
【0039】
主輪52にそれぞれ各自に取り付けられた駆動部54のモータの回転方向と速度制御を微妙に調整することで、主輪52の回転と円周上の副輪53による動きとのコンビネーションを生み出し、全方向移動を実現した全方向移動車輪51となる。尚、全方向移動車輪51はオムニホイール(登録商標)でもよい。
【0040】
図3の底面図に示すように、前記全方向移動車輪51,51,51,51は車体2の左右側面の外側に配置されている。また、前側の全方向移動車輪51,51は、前側の自在キャスタ41B,41Cに近接すると共に、前側の自在キャスタ41,41Aの旋回範囲外に配置され、また、後側の全方向移動車輪51,51は、後側の自在キャスタ41B,41Cに近接すると共に、後側の自在キャスタ41B,41Cの旋回範囲外に配置されている。即ち、全方向移動車輪と自在キャスタは近接しているが、干渉することはない。そして、全方向移動車輪51の直径は自在キャスタの車輪42の直径より大きい。
【0041】
前記左右のガイドローラ32,32は、前側から後側に向かって第1〜第4の位置の4箇所に設けられている。第1の位置は前記傾斜案内面31の途中であり、この第1の傾斜案内面31,31の左右の前記左右のガイドローラ32,32の間隔は、他の位置より広く設定され、他の位置の前記左右のガイドローラ32,32の間隔は同一である。第2の位置の左右のガイドローラ32,32は前記傾斜案内面31,31の後端側に位置する。第3の位置は、前側の全方向移動車輪51に近接して該前側の全方向移動車輪51の後側である。第4の位置は、後側の全方向移動車輪51に近接して該後側の全方向移動車輪51の前側である。
【0042】
前記車体2には、車体後部5に操作手段たる操作ハンドル61が設けられ、この操作ハンドル61により、柩運搬車1の移動方向の切替操作、即ち全方向移動車輪51,51,51,51の回転駆動操作を行うことができる。また、全方向移動車輪51の駆動源は、車体2に搭載したバッテリ62などが用いられる。尚、操作ハンドル61は、
図1のみに図示し、他の図面においては図示省略している。
【0043】
上記の構成の柩運搬車1によれば、案内部材35に沿って走行する場合は、案内部材35に沿って前後に走行し、火葬炉に柩101を運搬することができる。また、案内部材35から外れた場所では、前後進移動以外に、左右横移動、斜め移動、その場での旋回移動を行うことができるため、火葬場において移動に必要な空間の省スペース化を図ることができる。
【0044】
このように本
参考例では、請求項1
の一部に対応して、車体2の下部に設けられた走行用の全方向移動車輪51と、車体2に設けられ全方向移動車輪51を駆動する駆動部54とを備えるから、火葬炉の有る火葬場の狭い空間内で全方向に移動可能となり、火葬場の省スペース化を図ることができる。
【0045】
このように本
参考例では、請求項2に対応して、車体2の下部に自在キャスタ41を備えるから、自在キャスタ41により車体2の重量を支持することができ、全方向移動車輪51に全荷重を掛けることなく駆動することができる。
【0046】
このように本
参考例では、請求項3に対応して、車体2の前後に自在キャスタ41,41A,41B,41Cを配置し、これら前後の自在キャスタ41,41A,41B,41Cの間に前後の全方向移動車輪51,51,51,51を配置したから、柩101や台車を受け渡しする際、車体2の重心が前後一側にずれても、これを前後の自在キャスタ41,41A,41B,41Cにより支持することで、全方向移動車輪51,51,51,51による円滑な走行が可能となる。
【0047】
このように本
参考例では、請求項4に対応して、自在キャスタ41の水平回転軸たる回転中心44Aを車体2の下部に配置すると共に、自在キャスタ41の左右方向外側で車体2の外部に全方向移動車輪51を配置したから、車体2の低床化が可能となる。
【0048】
このように本
参考例では、請求項5に対応して、全方向移動車輪51がメカナムホイールであるから、その場旋回及び全方向に移動することができる。尚、その場旋回とは、4つの全方向移動車輪51の平面中心位置を中心として、柩運搬車1が旋回することを言う。
【0049】
以下、
参考例上の効果として、全方向移動車輪51を用いることにより、多数の柩運搬車1,1・・・を同時に走行してもスムーズな移動が可能となる。また、副輪53の外周面が金属製からなるから、火葬炉などの温度の高い走行面における走行に適したものとなる。さらに、全方向移動車輪51の車輪本体たる主輪52の向きを変える必要がないから、従来の車輪のように前進後進位置から操舵して車輪が車体2の幅方向外側にはみ出すことがなく、左右幅の狭い通路を走行可能となり、該狭い通路の側面に開口した開口部から横方向に移動して前記狭い通路から出ることができ、従来のような旋回場所が不要になる。
[参考例2
]
図6は本発明の
参考例2を示し、上記
参考例1と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例の火葬場の運搬車は、台車運搬車1Aであり、車体2には、前記リフト杆3,3、前記昇降駆動手段
4は設けられていない。車体2の開口部
7には底板部71を設け、この底板部71上に左右のレール72,72を設けている。
【0050】
台車81は、耐火セメントなどの不定形耐火物からなる台車本体82と、この台車本体82の下面と4側面を覆う金属製の枠体83とを備え、この枠体83の下面の前後左右に車輪84を設けている。また、台車本体82の上面には凹所85が形成され、この凹所85上に柩101が載置される。そして、火葬炉用台車81に柩101を載せた状態で、台車81を火葬炉内に運び、火葬後、火葬炉から出した台車81を搭載して収骨場などに運搬することができる。尚、台車運搬車1Aは、搭載した台車81を固定及び固定解除可能な固定手段(図示せず)を備える。そして、台車運搬車1Aは、運搬物たる台車81を載せて運搬するものである。
【0051】
このように本
参考例においても、上記
参考例1と同様な作用・効果を奏する。
【0052】
参考例上の効果として、複数の自在キャスタ41,41A,41B,41Cにより柩101のみより重たい台車本体82を安定して運搬することができる。
【実施例1】
【0053】
図7〜
図17は本発明の実施例
1を示し、上記各
参考例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述する。この例では、運搬車にセンサを設け、このセンサにより運搬車の走行を制御している。また、運搬車は、火葬場という限られたスペースでスムーズな移動を可能にすると共に、葬儀を行う場所で柩101を運搬するために従来にない新規な構成を備える。
【0054】
この例では、車体2は、センサとしてレーザや超音波などを用いた非接触式の近接センサ111,111Aを備え、これら近接センサ111,111,111A,111Aを、車体側部6L,6Rの下部の左右で、傾斜案内面31,31の前側位置と、後側のガイドローラ32,32の間の位置とに配置し、これら近接センサ111はそれぞれ左右方向中央を向いている。また、他の近接センサ111Bを車体後部5の左右方向中央に前向きに設けている。尚、近接センサ111,111A,111Bは、それぞれ取付座110により車体2の下部に設けられている。
【0055】
図11に示すように、火葬炉91の前室93には、運搬位置(所定位置)たる台車運搬装置94が設けられている。
図10に示すように、前記台車運搬装置94の下部に前記案内部材35が設けられ、この案内部材35の左,右側面部36,36は、平行に形成され、また、その案内部材35は前面部37を有する。前記近接センサ111,111Aは左,右側面部36,36までの距離を検出し、前記近接センサ111Bは前記前面部37までの距離を検出する。尚、近接センサ111,111A,111Bの高さは前記ガイドローラ32と略同一高さである。また、ガイドローラ32は側面部36に沿って転動する。
【0056】
図11に示したように、前記火葬炉91の前側には開閉扉92が設けられ、この開閉扉92の前側に前記前室93が設けられている。また、この前室93の前側には開閉扉95が設けられ、この開閉扉95の前にホール96が設けられている。
【0057】
そして、柩運搬車1Bは柩101を運搬して前室93に入り、リフト杆3,3により台車運搬装置94上の台車81に柩101を移し替える。この後、台車運搬装置94により、柩101を乗せた台車81が火葬炉91内に移送される。
【0058】
次に、前記柩運搬車1Bの走行に係る制御について説明する。前記操作ハンドル61にはジョイスティックが用いられ、このジョイスティックからなる操作ハンドル61は、柩運搬車1Bに搭載した制御手段112に電気的に接続されている。操作ハンドル61の上部の左右には表示器113L,113Rが設けられ、操作ハンドル61の後面部61Kの上部には、左右方向に長い旋回操作部材114が設けられ、この旋回操作部材114の下部の左右に、低速モードと高速モードを選択する押しボタン式の低速モード,高速モードスイッチ115L,115Hが設けられている。前記旋回操作部材114は、左右方向に長いボタンの中央を操作ハンドル61に揺動可能に取り付けられており、その旋回操作部材114の左右に操作部114L,114Rを備え、左右の操作部114L,114Rに対応してスイッチ(図示せず)が設けられている。
【0059】
また、操作ハンドル61の前面部61Mには、上下方向に長い戻りスイッチ116と、押しボタン式のスリープモード解除スイッチ117が設けられている。
【0060】
前記車体後部5の上面部には、左側から、前記リフト杆3,3の昇降動作において、上昇と降下を選択する上昇スイッチ121Uと降下スイッチ121Dが左右に並んで設けられ、これらスイッチ121U,121Dの後側中央に、昇降動作の速度を調節する回転式の調整スイッチ122が設けられ、この調整スイッチ122を回すことにより、リフト杆3,3の昇降速度を無段階又は段階的に調節することができる。
【0061】
前記調整スイッチ122の右側で、車体後部5の上面部の中央には、停止スイッチ123が設けられている。また、この停止スイッチ123の前側には、支持アーム12,12に加わる荷重を表示する重量表示部124が設けられている。前記停止スイッチ123の右側には前記操作ハンドル61が配置され、この操作ハンドル61の右側に、全方向走行モードと通常走行モードとを選択する押しボタン式のスイッチ125,126が前後に並んで設けられ、通常走行モードスイッチ126の右側には、メインスイッチ127が配置されている。尚、停止スイッチ123を押すことにより移動中の柩運搬車1Bが停止する。
【0062】
また、前記調整スイッチ122と前記停止スイッチ123との間には、
図14に示すように、金属バーなどからなる取っ手128が立設され、この取っ手128を左手で把持することにより、右手で操作ハンドル61を円滑に操作することができる。
【0063】
そして、操作ハンドル61を操作することにより、前記制御手段112が全方向移動車輪51に対して以下の制御を行う。
【0064】
メインスイッチ127を操作して電源をオンにすると、柩運搬車1Bの操作が可能となる。操作ハンドル61を前側,後側,左側,右側に倒すと、柩運搬車1Bが前進,後退,左横移動,右横移動する。例えば、前進の場合、操作ハンドル61を前側に倒すと、倒した時間だけ、柩運搬車1Bは停止状態から一定速度で加速し、モードで設定した設定速度になると等速で走行する。尚、設定速度は、前記スイッチ115H,115Lを操作することにより、低速モードと高速モードに切り替えることができ、
図16に示すように、高速モードでは、低速モードより早い速度で等速走行する。また、低速モード及び高速モードのいずれでも、前記加速は同一である。さらに、操作ハンドル61を斜めに倒すと、前後左右に倒した場合と同様に、車体2はそのままの向きで倒した方向に斜め移動する。さらに、操作ハンドル61を中立な初期位置に戻すと、全方向移動車輪51が停止し、柩運搬車1Bが停止する。尚、操作ハンドル61を離すと、操作ハンドル61は初期位置に復帰し、柩運搬車1Bが停止する。
【0065】
また、旋回操作部材114の左側又は右側の操作部114L,114Rを押すと、柩運搬車1Bはその場で左側方向又は右側方向に旋回し、この旋回速度は、左側又は右側の操作部114L,114Rの押し込み量により調整でき、この例では押し込み量に対応して旋回速度が増減する。尚、この場合も高速モードと低速モードの切替えにより最高速度を調整できる。
【0066】
前記前後左右の4つの近接センサ111,111,111A,111Aは、測定対象部である案内部材35の左右の側面部36,36との間隔を検出し、この検出データを制御手段112に出力する。また、車体後部5の近接センサ111Bは、案内部材35の前面部37との間隔を検出し、この検出データを制御手段112に出力する。
【0067】
前記戻りスイッチ116を操作することにより、予め設定したプログラムに基づいて、設定位置である前室93から、戻り位置である開閉扉95前のホール96に柩運搬車1Bが自動走行で戻る。
【0068】
また、操作ハンドル61を所定時間である例えば15秒間操作しない場合、最後の操作から所定時間経過すると、柩運搬車1Bは操作ハンドル61を操作しても操作を受け付けないスリープモードとなる。前記スリープモード解除スイッチ117を操作すると、柩運搬車1Bのスリープモードを解除することができる。尚、スリープモードでは、リフト杆3,3の昇降操作を行う上昇スイッチ121Uと降下スイッチ121Dを操作しても作動しない。
【0069】
前記右側の表示器113Rは、メインスイッチ127がオンの状態で、スリープモードでは警報色である赤に点灯し、スリープモードを解除すると、消灯する。一方、スリープモードを解除すると、前記左側の表示器113Lは青又は緑系の色に点灯する。
【0070】
ところで、火葬場の運搬車は、柩101や柩101を乗せた台車81などを運搬するものであるから、単に効率よく運搬するだけでなく、厳粛な雰囲気を損なわないように、不要に音を発したり、雰囲気を損な違和感を与えたりしない必要がある。そこで、柩運搬車1Bに下記の構成を備える。
【0071】
前記押しボタン式のスイッチ125,126を操作して全方向走行モードと、通常走行モードとを選択することにより、柩運搬車1Bは以下の通り走行する。自動走行モードでは、柩運搬車1Bは、前後進移動、左右横移動、斜め移動、その場での旋回移動により走行する。
【0072】
一方、通常走行モードでは、前後進移動と、前後方向における左右旋回移動とを行い、左右横移動、斜め移動、その場での旋回移動はしない。そして、通常走行モードでは、
図17に示すように、前方向で右旋回する場合は、左側の全方向移動車輪51,51の回転速度を右側の全方向移動車輪51,51の回転速度より早くするように制御して、あたかも、前輪を右側に操舵したように走行し、前方向で左側に旋回する場合は、右側の全方向移動車輪51,51の回転速度を左側の全方向移動車輪51,51の回転速度より早くするように制御する。また、後方向で右旋回する場合は、左側の全方向移動車輪51,51の回転速度を右側の全方向移動車輪51,51の回転速度より早くするように制御して、あたかも、前輪を右側に操舵したように走行し、後方向で左側に旋回する場合は、右側の全方向移動車輪51,51の回転速度を左側の全方向移動車輪51,51の回転速度より早くするように制御する。尚、旋回する場合、前後の全方向移動車輪51,51は同一方向に回転するが、回転速度が異なっていてもよいが、左右一方の全方向移動車輪51,51が他方の全方向移動車輪51,51より早く回転する。
【0073】
図10に示すように、前記支持アーム12は前記リフト杆本体11とは別体で設けられており、左右のリフト杆本体11,11を前記昇降駆動手段4が昇降し、前後左右の4つの案内杆22,22,22,22を左右のリフト杆本体11,11により支持している。また、前記案内杆22の内端側に、受け部材15を設け、この受け部材15と支持アーム12との間に、支持アーム12の上に加わる荷重を検出する荷重センサ16を配置している。尚、荷重センサ16は前後左右に設けられている。
【0074】
そして、4つの荷重センサ16,16,16,16から出力された荷重に係る荷重データが制御手段112に出力され、それらの荷重データに基づいて制御手段112が左右の支持アーム12,12に加わる荷重を計算し、前記重量表示部124に表示する。
【0075】
また、Wi−Fiなどの無線通信手段131を備え、この無線通信手段131は、運搬車側通信部132と、葬儀場の管理室97などに設けた管理側通信部133とを無線で繋ぎ、前記制御手段112に入力された各種のデータが、前記運搬車側通信部132から前記管理側通信部133に送られる。
【0076】
この管理側通信部133はパーソナルコンピュータなどの管理側制御手段134に接続され、この管理側制御手段134は前記データを記憶する記憶手段135と、前記データ又はデータを加工したデータを表示する表示手段136を備える。これにより、例えば、前記荷重データに基づいて管理側制御手段134の表示手段136に、支持アーム12,12上の柩101の重量が表示される。
【0077】
上述した操作ハンドル61やスイッチ類の操作に基づく制御に加えて、前記制御手段112は、近接センサ111,111A,111Bからの検出データに基づいて、全方向移動車輪51に対して、以下の制御を行う。
【0078】
操作者が操作ハンドル61を用いて柩運搬車1Bを走行操作し、案内部材35に合わせて柩運搬車1Bを前進させる。そして、前側左右の近接センサ111,111が左右の側面部36,36との間隔Kを検出すると、即ち、左右の近接センサ111,111の間に案内部材35の被検出部である側面部36,36が入ると、近接センサ111,111から左右の間隔データが前記制御手段112に出力され、制御手段112は柩運搬車1Bが前進しながら前記左右の間隔データが同じになるように全方向移動車輪51を駆動する。これにより柩運搬車1Bの開口部7の中心に案内部材35が位置合わせされるように柩運搬車1Bが走行する。尚、近接センサ111,111から左右の間隔データが前記制御手段112に出力され、左右の間隔が異なる場合は、柩運搬車1Bを停止し、左右の間隔K,Kが等しくなるように柩運搬車1Bを横移動又は斜め移動させた後、前進するように制御してもよい。
【0079】
柩運搬車1Bが更に前進し、後側左右の近接センサ111A,111Aが案内部材35の側面部36,36を検出すると、近接センサ111A,111Aからの左右の間隔データが前記制御手段112に出力され、制御手段112は柩運搬車1Bが前進しながら前記左右の間隔データが同じになるように全方向移動車輪51を駆動する。この位置では、前後左右の近接センサ111,111,111A,111Aにより、案内部材35に対して、柩運搬車1Bが前後で左右位置を合わせるように全方向移動車輪51を駆動する。この場合、後側左右の近接センサ111A,111Aが案内部材35の側面部36,36を検出した時点で、停止し、位置合わせのために横移動又は斜め移動した後、前進するように制御してもよい。
【0080】
前記近接センサ111Bが前面部37を検出すると、前面部37までの距離に係る距離データを制御手段112に出力し、制御手段112は、前面部37と近接センサ111Bとの距離が所定の距離になったら柩運搬車1Bを停止する。これにより、車体後部5の前部と案内部材35とが所定の間隔で柩運搬車1Bが自動的に停止する。
【0081】
次に、前記柩運搬車1Bの使用方法について説明する。メインスイッチ127をオンとし、全方向走行モードスイッチ125を操作して全方向走行モードに設定し、低速モード,高速モードスイッチ115L,115Hにより、最高速度を設定する。そして、操作ハンドル61を前後左右斜めに倒すことにより、柩運搬車1Bが前進,後進,左右横移動,斜め移動し、また、旋回操作部材114の左右の操作部114L,114Rを押すことにより、柩運搬車1Bがその場旋回する。一方、通常走行モードスイッチ126を操作して通常走行モードに設定すると、上述したように通常走行モードで柩運搬車1Bが走行する。
【0082】
建物の柩出入口の前に位置する車寄せに霊柩車が着いたら、車寄せまで通常走行モードで走行し、霊柩車から柩101をリフト杆3,3の上に移す。この場合、霊柩車に対して柩運搬車1Bの左右位置を調整する必要がある場合などには、全方向走行モードに設定し、柩運搬車1Bを横移動して左右位置を調整することができる。また、リフト杆3,3に柩101を移した後、荷重センサ16及び制御手段112により検出した荷重が重量表示部124に表示されると共に、その荷重データが無線通信手段131により管理側制御手段134に送られる。尚、前記建物内には、前記ホール96,前室93及び火葬炉91が設けられている。
【0083】
柩101を移した後、通常走行モードでホール96を走行し、告別の場所まで移動する。このように通常走行モードでホール96を移動することにより、会葬者に違和感を与えることなく、大切な柩101を前室93の近くまで運搬することができる。
【0084】
尚、移動して停止後、所定時間である15秒間操作ハンドル61を操作しないと、柩運搬車1Bはスリープモードとなるため、誤まって操作ハンドル61に触っても柩運搬車1Bが走行することがない。
【0085】
告別が終わったら、スリープモード解除スイッチ117を操作して柩運搬車1Bのスリープモードを解除し、主として全方向走行モードで、操作ハンドル61を操作して、前室93の前まで柩運搬車1Bを移動する。この場合、柩運搬車1Bの向きを変えたり、前後反転したりする場合に、スペースを取らない。
【0086】
前室93の前まで柩運搬車1Bを移動した後、開閉扉95を開いたら、必要に応じて、台車運搬装置94の案内部材35に、開口部7の前側を位置合わせするために、柩運搬車1Bを横移動する。
【0087】
操作ハンドル61を前に倒して柩運搬車1Bを前進すると、上述したように、近接センサ111,111,111A,111A,111Bと制御手段112により、柩運搬車1Bが案内部材35に対して左右位置が正しくなるように前進し、台車運搬装置94に対して所定の位置で柩運搬車1Bが自動的に停止する。
【0088】
リフト杆3,3を操作して柩101を台車運搬装置94上の台車81に移し替える。移し替えた後、戻りスイッチ116を操作することにより、予め設定したプログラムにより設定位置である前室93から開閉扉95前のホール96に柩運搬車1Bが自動走行で戻り、停止する。
【0089】
開閉扉95を閉め、開閉扉92を開き、台車運搬装置94により、柩101を載せた台車81が火葬炉91内に搬送される。
【0090】
このように本実施例では、請求項
2〜5に対応して、上記各
参考例と同様な作用・効果を奏する。
【0091】
このように本実施例では、請求項
1に対応して
、車体2の下部に設けられた走行用の全方向移動車輪51と、車体2に設けられ全方向移動車輪51を駆動する駆動部54とを備えるから、火葬炉の有る火葬場の狭い空間内で全方向に移動可能となり、火葬場の省スペース化を図ることができる。
【0092】
また、請求項1に対応して、車体2に設けられ運搬位置たる台車運搬装置94を検出するセンサたる近接センサ111,111Aと、センサ111,111Aにより検出した運搬位置の位置データたる間隔データにより全方向移動車輪51を制御する制御手段112を備えるから、近接センサ111,111Aにより得られた所定位置のデータに基づいて走行することができる。
【0093】
また、請求項
1に対応して、車体2には、前部が開口し、該車体2の長さ方向に長い開口部7が設けられ、運搬位置たる台車運搬装置94には、開口部7に収納される案内部材35が設けられ、センサは、車体2の左右に設けられ、案内部材35との間隔を検出する近接センサ111,111,111A,111Aであり、制御手段112は、左右の近接センサ111,111,111A,111Aにより得られた左右の間隔が等しくなるように全方向移動車輪51を制御するから、近接センサ111,111,111A,111Aと制御手段112により、案内部材35に対して車体2の開口部7を合わせて走行することができる。
【0094】
このように本実施例では、請求項
6に対応して、車体2は、運搬物たる柩101を運搬位置たる台車運搬装置94上に移し替えるリフト手段たるリフト杆3,3を備えるから、リフト杆3,3により台車運搬装置94上に柩101を移し替えることができる。
【0095】
このように本実施例では、請求項
7に対応して、車体2の走行を普通車輪に類似した走行に切り替える通常走行モードスイッチ126を備えるから、火葬場の外部などの比較的広い場所では、通常走行モードにより会葬者に違和感を与えることなく、普通車輪と同様に走行することができ、火葬場内の限られた空間では、左右横移動、斜め移動、その場での旋回移動をすることにより、移動に必要なスペースを小さくすることができる。
【0096】
以下、実施例上の効果として、車体2には、前側に向かって間隔が広がる傾斜案内面31,31の前側の位置に近接センサ111,111を配置したから、開口部7を案内部材35にスムーズに位置合わせすることができる。また、近接センサ111,111Aとガイドローラ32が共通する側面部36を基準とするから、案内部材35の構造と簡易なものとすることができると共に、車体2の下部構造も比較的簡易なものにすることができる。
【0097】
また、操作ハンドル61はジョイスティック式のものであるから、全方向移動車輪51を備えた柩運搬車1Bを直感的に移動操作することができる。さらに、低速モードと高速モードを選択することにより、最高速度を設定することができる。また、戻りスイッチ116を備えるから、柩101を運搬位置である台車運搬装置94に移し替えた後、運搬位置の前側まで自動で移動して停止する。さらに、所定時間操作しないことを条件に操作を受け付けないスリープモードを備えるから、不用意に柩運搬車1Bが移動することがなく、加えて、操作ハンドル61を離すと、柩運搬車1Bが停止するから、暴走することがない。
【0098】
操作ハンドル61の左右方向隣りには棒状の取っ手128が立設され、この取っ手128を一方の手で把持することにより、他方の手で操作ハンドル61を円滑に操作することができる。また、通常走行モードにおいて、例えば前方向で右旋回する場合は、左側の全方向移動車輪51,51の回転速度を右側の全方向移動車輪51,51の回転速度より早くするように制御し、即ち、左右曲る方向と反対の全方向移動車輪51,51を速く回転することにより、あたかも、前輪を右側に操舵したように走行することができる。この場合、左右の全方向移動車輪51,51は回転速度が異なるが回転方向は同一である。
【実施例2】
【0099】
図18は本発明の実施例
2を示し、上記各
参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例では、台車運搬車1Aに、実施例
1のジョイスティック型の操作ハンドル61,センサ類,スイッチ類及び制御手段112などを組み込んだものである。また、台車運搬車1Aは、搭載した台車81を台車運搬装置94に移し替えることができる。
【0100】
このように本実施例では、上記各
参考例及び実施例と同様な作用・効果を奏する。
【実施例3】
【0101】
図19〜
図22は本発明の実施例
3を示し、上記各
参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例では、前記柩運搬車1B又は台車運搬車の前面左右に前側画像センサ141L,141Rが設けられ、柩運搬車1Bの左右前後に側部画像センサ142,142,142,142が設けられ、それら画像センサ141L,141R,142としては可視光カメラが例示される。前記前側画像センサ141L,141Rは、柩運搬車1Bの前側を所定角度範囲で撮像し、前記側部画像センサ142は、柩運搬車1Bの左右外側を所定範囲で撮像するものである。
【0102】
前記前室93の出入口95Aに前記開閉扉95が設けられ、前記出入口95Aの前側左右に前室用制御マーク143L,143Rが設けられ、この例の前室用制御マーク143L,143Rは横縞模様であり、左右で異なる。また、前記出入口95Aの前側左右の壁面に、前室用制御マーク143L,143Rを印刷により設けているが、前室用制御マーク143L,143Rを専用の支柱に表示されてもよい。尚、前室用制御マーク143L,143Rは火葬場における所定位置(運搬位置)である前室93の位置を示す運搬位置制御マークである。
【0103】
また、柩運搬車1Bの誘導者140には誘導用制御マーク144が設けられ、この例では誘導者140の腕に巻いた腕章に、縞模様の誘導用制御マーク144が設けられ、誘導用制御マーク144は、柩運搬車1Bを誘導する誘導者140を示す制御マークである。そして、制御マーク143L,143R,144は画像センサが検出する被検出部である。
【0104】
図21は柩運搬車1Bの一部の構成を示すブロック図である。柩運搬車1Bには、前記制御マーク143L,143R,144を検出するマーク検出制御手段145が設けられている。このマーク検出制御手段145は、柩運搬車1Bの周囲の画像を撮影する前記画像センサ141L,141R,142と、画像センサ141L,141R,142により撮影された画像を基に制御マーク143L,143R,144を検出するマーク検出部146と、検出された制御マーク143L,143R,144に基づいて柩運搬車1Bを所定位置に誘導するように駆動する駆動制御部147とを備える。
【0105】
マーク検出部146は、入力された画像内の制御マーク143L,143R,144を検出し、予め記憶した制御マーク143L,143R,144の大きさや横縞のパターンなどの制御マーク143L,143R,144に係るデータを記憶しており、記憶した制御マーク143L,143R,144のデータから制御マーク143L,143R,144までの距離及び柩運搬車1Bの位置などのデータを検出する。前側画像センサ141L,141Rにより得られた前記検出データに基づいて、駆動制御部147は柩運搬車1Bを案内部材35に案内するように全方向移動車輪51を駆動する。尚、前
室用制御マーク143L,143Rは左右でそれぞれパターンが異なり、マーク検出部146は左右の前側画像センサ141L,141Rに対応する左右の前室用制御マーク143L,143Rを検出して左右の画像センサ141L,141Rと左右の前室用制御マーク143L,143Rとの位置関係などを検出する。即ち、右の前側画像センサ141Rの撮像からマーク検出部146は右の前室
用制御マーク143Rを検出し、左の前側画像センサ141Lの撮像からマーク検出部146は左の前室
用制御マーク143Rを検出する。このように、既知である左右の前側画像センサ141L,141Rに対して、左右の前室用制御マーク143L,143Rを検出し、制御手段112により車体2に対する前室用制御マーク143L,143Rをステレオ式に検出することができる。
【0106】
また、マーク検出部146は側部画像センサ142,142,142,142により柩運搬車1Bと操作用制御マーク144との距離や位置などのデータを検出し、得られた検出データに基づいて、駆動制御部147は、操作用制御マーク144を携帯した誘導者140に従って走行するように、柩運搬車1Bの全方向移動車輪51を駆動し、
図22に示すように、前室93に向かって歩く誘導者140と略一定の間隔を置いて柩運搬車1Bが自動走行により移動する。尚、このような自動走行を行う場合は、柩運搬車1Bに設けた自動走行用スイッチ(図示せず)を操作することにより、柩運搬車1Bを自動走行モードにすることができる。
【0107】
また、前記マーク検出制御手段145は、柩運搬車1Bが目的の前室93の前に近付いたら、
図22に示したように、出入口95Aと所定の間隔をおいて、柩運搬車1Bが出入口95Aに正対する位置で停止するように制御する。前室93に入る前の儀式が終了したら、開閉扉95を開き、柩運搬車1Bの前進スイッチ(図示せず)を操作するか、操作ハンドル61を前側に倒すと、操作ハンドル61を離しても、柩運搬車1Bが自動走行で前進し、走行開始から前側の近接センサ111,111が側面部36,36を検出するまでの間、マーク検出制御手段145は、前側画像センサ141L,141Rにより得られた前室用制御マーク143L,143Rの検出データに基づいて、柩運搬車1Bの左右位置を案内部材35に合わせるように柩運搬車1Bの走行を制御する。
【0108】
そして、前側の近接センサ111,111が側面部36,36を検出すると、実施例
1で説明したように、近接センサ111,111からの検出データにより柩運搬車1Bを制御する。
【0109】
このように本実施例では、上記各
参考例及び実施例と同様な作用・効果を奏する。
【0110】
以下、実施例上の効果として、所定位置たる台車運搬装置94の前方左右に、運搬位置制御マークたる前室用制御マーク143L,143Rを設け、この制御マーク143L,143Rを撮影して車体2を台車運搬装置94に誘導するように全方向移動車輪51を駆動するマーク検出制御手段145を備えるから、画像センサ141L,141Rとマーク検出制御手段145とにより柩運搬車1Bを台車運搬装置94に誘導することができる。
【実施例4】
【0111】
図23〜
図24は本発明の実施例
4を示し、上記各
参考例及び実施例と同一部分に同一符号を付し、その説明を省略して詳述すると、この例では、前記全方向移動車輪51の変形例を示す。
【0112】
図23に示すように、全方向移動車輪51は車軸55に間隔を置いて設けられた一対の回転支持体56,56を備え、この回転支持体56は、前記車軸55に固定された基部57と、この基部57の外径縁部から外側方向に複数突設されたブラケット部58とを一体に備え、前記回転支持体56は鋳鉄により一体成形されている。
【0113】
図24に示すように、前記副輪53の端部に軸受部59を内蔵し、この軸受部59に取付軸60を回動可能に連結し、この取付軸60を前記ブラケット部58に挿通し、このブラケット部58を挿通した取付軸60の端部に固定手段たるナット60Nを螺合することにより、両側のブラケット部58,58間に副輪53を回動可能に設けている。
【0114】
このように全方向移動車輪51の回転支持体56を鋳鉄製にすることにより、耐荷重性能を向上することができる。また、副輪53の端部には軸受部59を設け、この軸受部59に回動可能に連結した取付軸60をブラケット部58に固定したから、軸受部59により副輪53の回転抵抗が減り、また、回転に伴うガタツキ音も抑えることができるため、葬儀場の運搬車として清音化を図ることができる。
【0115】
尚、本発明は以上の実施例に限定されるものではなく、発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、実施例では、全方向移動車輪にオムニホイールを用いる場合は、実施例のように4輪配置する以外に、車両後部に1輪、左右車体下部にそれぞれ1輪配置し、3輪としてもよい。また、センサは、各種の非接触式センサを用いることができる。さらに、実施例では一例として制御マークを用いた画像センサによる制御を説明したが、制御マークを用いずに、前室の開閉扉や誘導者などを披検出部とし、画像センサの画像解析により被検出部を検出して制御するものでもよい。