(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
記憶部に記憶され、複数のトランジスタを有する回路のトポロジ情報と、プロセス情報及び前記トランジスタの仕様情報から前記各トランジスタのパラメータを決定するための設計手法情報とを有するテンプレートと、
前記プロセス情報及び仕様情報を入力する入力部と、
前記設計手法情報を用いて、前記各トランジスタのパラメータを前記プロセス情報及び仕様情報に応じた値に決定するパラメータ決定部と、
前記各トランジスタを前記決定したパラメータに設定して前記トポロジに対応する回路セルを生成する回路セル生成部とを備えて成ることを特徴とする回路設計装置。
複数のトランジスタを有する回路のトポロジ情報と、プロセス情報及び前記各トランジスタの仕様情報から前記各トランジスタのパラメータを決定するための設計手法情報とを有するテンプレートを用いて、
入力部が、前記プロセス情報と前記各トランジスタのバイアス電圧を含む前記仕様情報とを入力する第1ステップと、
パラメータ決定部が、前記設計手法情報を用いて、前記プロセス情報及び仕様情報に応じた前記各トランジスタのパラメータを算出し提示する第2ステップと、
前記パラメータ決定部が、前記提示したパラメータの中から選択された前記各トランジスタのパラメータを前記各トランジスタのパラメータとして決定する第3ステップと、
回路セル生成部が、前記各トランジスタを前記決定したパラメータに設定して前記トポロジに対応する回路セルを生成する第4ステップとを備えて成ることを特徴とする回路設計方法。
前記入力部が、前記第1ステップでは前記各トランジスタのバイアス電圧は入力せずに、前記プロセス情報と前記仕様情報としての前記各トランジスタの電源電圧と電流を入力し、
前記パラメータ決定部が、前記各トランジスタが所定特性を満たすように前記仕様情報としての前記各トランジスタのバイアス電圧を算出し提示する第5ステップと、前記入力部が、前記パラメータ決定部が提示したバイアス電圧の中からバイアス電圧を選択する第6ステップとを備えて成り、
前記パラメータ決定部が、前記第2ステップにおいて、前記設計手法情報を用いて、前記プロセス情報と電源電圧と電流と前記選択したバイアス電圧を満たすように前記各トランジスタのパラメータを算出し提示することを特徴とする請求項7記載の回路設計方法。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態に係る回路設計装置、コンピュータに実行させて前記回路設計装置を構築するための回路設計用プログラムについて、図面を用いて説明する。
尚、以下述べる実施の形態ではアナログ回路の例について説明するがデジタル回路にも適用可能である。また、各図において同一機能の部分には同一符号を付している。
【0015】
先ず、本発明の実施の形態に係る回路設計装置の概要を説明すると、本実施の形態に係る回路設計装置は、半導体プロセスに関係しないテンプレートを用いて、前記テンプレートに対応する回路機能を果たす回路を設計する機能を有している。
ここで、テンプレートは、プロセスとは無関係なものであり、少なくとも、複数のMOSトランジスタを有し1つの回路的な機能を果たす回路(回路要素)のトポロジ情報と、プロセス情報及び前記MOSトランジスタの仕様情報から前記各MOSトランジスタのパラメータ(ゲート幅W及びゲート長L)を決定するための設計手法情報とを有している。
【0016】
MOSトランジスタに供給する電源電圧等の仕様情報及びプロセス・デザイン・キット(PDK)に含まれるプロセス情報(例えばプロセスの最小加工寸法として最小のMOSトランジスタのゲート長)を入力部から入力し、パラメータ決定部が、前記設計手法情報を用いて、前記各MOSトランジスタのパラメータを前記プロセス情報及び仕様情報を満たす値に決定する。
回路セル生成部は、前記各MOSトランジスタを前記決定したパラメータに設定して前記回路トポロジに対応する回路セルを生成する。前記回路セルは、前記回路トポロジに対応する実回路であり、使用するプロセス及び仕様情報を満たす回路要素の実回路である。
【0017】
本実施の形態では、前記仕様情報として各MOSトランジスタのバイアス電圧と電源電圧とMOSトランジスタに流れる電流に関連する電流を使用している。
また本実施の形態では、MOSトランジスタの動作領域を、強反転領域(Vgs>Vth)内の飽和領域(Vds≧Vgs−Vth)としている。
【0018】
また、CMOSプロセス情報とユーザが入力する仕様情報(電源電圧、電流、直流(DC)バイアス電圧)を基にして、各MOSトランジスタ単体を小信号解析により評価し、MOSトランジスタの組合せによって得られる回路要素の回路特性に基づいて、各MOSトランジスタのパラメータ(ゲートW及びゲート長L)を決定する。
【0019】
また、後述する他の実施の形態では、入力部が入力する仕様情報が電源電圧とMOSトランジスタに流れる電流に関連する電流のみであって仕様情報としてのMOSトランジスタのバイアス電圧が入力されない場合に、バイアス電圧を探索して決定する機能を有している。
この場合、パラメータ決定部は各MOSトランジスタのバイアス電圧を仕様情報として決定し、電源電圧と電流及び前記決定したバイアス電圧(これらが仕様情報となる。)をプロセス情報と共に用いて各MOSトランジスタのパラメータを決定するように機能する。
【0020】
バイアス電圧を決定する場合、MOSトランジスタのパラメータW/Lのクライテリア(本実施の形態では例えばゲート長L=1〜10μm、ゲート幅W=1〜100μm)で定めた基準となるDCバイアス電圧Vgsを中心として、±0.1Vの範囲でバイアス電圧を変化させたときの回路要素自身の回路特性の傾向をユーザに提示し、好ましい回路特性が得られるバイアス電圧Vgsをユーザが決定するように促すよう構成している。
このようにして得られた回路セルを複数あるいは他の回路とともに用いて、最終的に設計しようとする回路(目標回路)の候補を構成し、目標回路生成部がシミュレーションを行って最適化を行い、これにより最適な目標回路が得られる。回路セルは目標回路を構成するための回路要素である。
【0021】
以下、本発明の実施の形態に係る回路設計装置、コンピュータに実行させて前記回路設計装置を構築するための回路設計用プログラムについて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る回路設計装置のブロック図である。
図1において、回路設計装置100は、入力部101、表示部102、設計処理部103、記憶部104を備えている。
【0022】
回路設計装置100は、キーボードやマウスなどの操作部、表示部、中央処理装置(CPU)、記憶部、USBポート等の入出力部を備えたコンピュータによって構成することができる。前記コンピュータに、コンピュータ読み取り可能な記録媒体(例えば、記憶部104、あるいは図示しない半導体メモリやCD−ROM等)に記録された回路設計用プログラムをインストールして実行させることにより、回路設計装置100として機能させることができる。
【0023】
入力部101は、データや命令を入力するためのもので、マウス、キーボードあるいは、USB(Universal Serial Bus)ポート等の入力インターフェースによって構成される。テンプレートの仕様情報等を入力する場合、入力部101からテンプレートを指定して電源電圧等の仕様情報等を入力する。
【0024】
設計処理部103は、記憶部104に記憶されたテンプレートTMP1〜TMPnを用いて、プロセスや仕様を満足するようにテンプレートTMP1〜TMPnに含まれるMOSトランジスタのパラメータ(ゲート長L及びゲート幅W)を設定して実回路を形成する。テンプレートTMP1〜TMPnは少なくとも複数のMOSトランジスタ(例えば複数のMOSトランジスタ及び抵抗)を含む汎用の回路であり、設計処理部103はテンプレートTMP1〜TMPnの回路トポロジに対応しパラメータや仕様が設定され実際に使用される回路要素(実回路要素:回路セル)を生成する。また、設計処理部103は、複数の回路セルや他の回路を組み合わせることによって目標回路を生成する。
【0025】
記憶部104は、複数のテンプレートTMP1〜TMPnを記憶するテンプレート記憶部108、複数の回路セルCEL1〜CELnを記憶する回路セル記憶部109を備えている。記憶部104には、半導体製造プロセスに適した回路を設計するために必要なデータであるPDKや、設計処理に必要なプログラムやデータも記憶される。尚、本実施の形態では記憶部104にはプロセス情報も記憶されているため、記憶部104は入力部101とともに、プロセス情報を入力するための入力部をも構成する。
【0026】
図2はテンプレートTMP1〜TMPnの構成を示す図であり、代表的にテンプレートTMP1の構成を示している。前述したように、テンプレートTMP1〜TMPnはプロセスに係る情報は有しておらず、プロセスとは無関係な構成である。
テンプレートTMP1は、テンプレート識別情報(テンプレートを識別するための情報であり、例えばテンプレートの固有名称や回路種別を表す情報)201、テンプレートに含まれる回路の構成に関する情報である回路情報(例えば回路を構成する回路素子の接続関係を表すトポロジ情報、前記トポロジを表す図の情報、回路素子の対称性等の制約情報)202を備えている。
【0027】
回路情報202には、回路素子や配線のレイアウトの制約を示すレイアウト制約情報を含めるように構成してもよい。レイアウト制約として、例えば、回路素子の配置の仕方に関する制約、配線の幅や配置の仕方に関する制約、ダミー素子の挿入に関する制約、ガードリングに関する制約がある。
【0028】
また、テンプレートTMP1は、テンプレートから生成した回路セルの良否を検証するための検証情報(例えば、複数種類のテストベンチ、検証シミュレーションを行うための情報、目標仕様)203、プロセス情報及びMOSトランジスタの仕様情報から前記各MOSトランジスタのパラメータを決定するための設計手法を表す設計手法情報204、入力部101から仕様値等を入力するための画面や回路特性等を表示部102に表示させるためのGUI(Grafical User Interface)情報205を備えている。
【0029】
設計手法情報204に含まれる設計手法情報は、プロセス情報及びMOSトランジスタの仕様情報から各MOSトランジスタのパラメータを決定するための手順が所定のプログラム言語によって記述された情報であり、設計処理部103が前記手順を実行することによって各MOSトランジスタのパラメータを決定する。
【0030】
テンプレートTMP1の回路トポロジ情報は複数のMOSトランジスタ及び抵抗によって構成されている。また、各テンプレートTMP1〜TMPnは前述したように回路要素であり、汎用の回路要素であることが好ましい。
他のテンプレートTMP2〜TMPnに関しても、トポロジの構成等は異なるものの、各情報201〜205を備えた構成となっている。
【0031】
尚、回路情報202のトポロジ情報と設計手法情報204はテンプレートTMP1に必須の構成要素であるが、回路セルの検証を他の検証手段によって行う場合には検証情報203は必ずしも必要ではなく又、GUI情報205も他のインターフェースによって行う場合には必ずしも必要ではない。
【0032】
図3は複数種類のテンプレートを用いて構成した目標回路の例を示す図で、目標回路として、電流源回路と差動入力回路と利得・出力回路の3つの回路要素を用いて差動増幅回路300を設計する例を示している。
差動増幅回路300は、テンプレートTMP301から生成した回路セルCEL301(電流源回路)と、テンプレートTMP302から生成した回路セルCEL302(差動入力回路)と、テンプレートTMP303から生成した回路セルCEL303(利得・出力回路)とによって形成される。電流源回路はMOSトランジスタM6、M7を有している。
差動入力回路はMOSトランジスタM1〜M5を有している。また、利得・出力回路はMOSトランジスタM8、M9を有している。
【0033】
図4は、本発明の実施の形態に係る回路設計装置100の動作を説明するフローチャートで、主に設計処理部103の処理を示している。
図5、
図6は、本発明の実施の形態の動作を説明する図で、表示部102の表示内容を示す図である。
【0034】
以下、
図1〜
図6を参照して本発明の実施の形態の動作を詳細に説明する。
尚、テンプレートTMP1〜TMPnは記憶部104のテンプレート記憶部108に予め記憶されており、又、プロセス情報を含むPDKも予め記憶部104に記憶されているものとする。
【0035】
先ず使用者は、入力部101により、作成したい回路セルに対応するテンプレートTMP1〜TMPnを選択し(
図4のステップS401)、入力部101からプロセス情報を入力する(ステップS402)。
目標回路として
図3の差動増幅回路300を設計する場合、例えばテンプレートTMP302(ここでは差動入力回路)を選択すると、設計処理部103がGUI情報205のユーザインターフェース機能を実行することにより、表示部102にテンプレートTMP302のトポロジを表す回路図とプロセス情報入力領域が表示される。入力部101から、記憶部104に記憶されたPDKに含まれるプロセス情報を選択してプロセス情報入力領域に入力する。
【0036】
図5はこのようにして表示部102に、テンプレートTMP302のトポロジを表す回路図(ここでは差動入力回路)、プロセス情報入力領域及び前記プロセス情報入力領域に入力されたプロセス情報501が表示された様子を示している。
図5において、入力部101で「OK」をクリックすることによりプロセス情報の入力が完了すると、表示部102に
図6に示すような仕様情報入力領域601が表示される。
【0037】
バイアス電圧Vcom、Va、Vb、VBIASがある。前記仕様情報は入力部101から仕様情報入力領域601に各値を入力する(ステップS403)。尚、バイアス電圧Vcomは差動入力電圧の上限値と下限値間の中央値、バイアス電圧VaはトランジスタM1、M2の接続点電圧、バイアス電圧VbはトランジスタM1、M3の接続点電圧、バイアス電圧VBIASはトランジスタM5のゲート電圧である。
処理ステップS403は、入力部101が、プロセス情報及び仕様情報を入力するステップである。ここでは、入力部101がプロセス情報と各トランジスタのバイアス電圧を含む仕様情報とを入力するステップである(第1ステップ)。仕様情報として各トランジスタのバイアス電圧と電源電圧と電流を入力する。
【0038】
設計処理部103のパラメータ決定部105は、プロセス情報及び仕様情報を満足するように、テンプレートTMP302のMOSトランジスタM1〜M5のパラメータ(ゲート長L/ゲート幅W)を算出し(ステップS404)、各トランジスタの最適なパラメータの組合せを表示部102に表示して提示する(ステップS405)。このとき各トランジスタの最適なパラメータが複数ある場合には複数の最適なパラメータの組合せが表示される。
【0039】
ここで、最適なパラメータとは、前記プロセス情報及び仕様情報を満足する各トランジスタの全てのパラメータであるようにしてもよく、あるいは、前記プロセス情報及び仕様情報を満足する各トランジスタの全てのパラメータのうちの所定の基準を満足するパラメータであるようにしてもよい。
【0040】
処理ステップS403及びS405は、パラメータ決定部105が、設計手法情報を用いて、プロセス情報及び仕様情報に応じた各トランジスタのパラメータを算出し提示するステップである(第2ステップ)。このとき各トランジスタの最適なパラメータが複数ある場合には複数の最適なパラメータの組合せが表示される。
【0041】
尚、第2ステップにおいて、所定条件を満足するパラメータ(前記プロセス情報及び仕様情報を満足するパラメータ、あるいは、前述したように前記所定の基準を満足するパラメータに限定する場合には、前記プロセス情報及び仕様情報を満足する全てのパラメータのうちの所定の基準を満足するパラメータ)がない場合には、エラーを通知して警告するように構成してもよい。
【0042】
入力部101により、提示された最適なパラメータの組合せの中から、所望の組合せを指定することにより、パラメータ決定部105は指定されたパラメータを各トランジスタのパラメータとして決定する(ステップS406)。処理ステップS407はパラメータを決定するステップを構成している。
また、処理ステップS406は、パラメータ決定部105が、提示されたパラメータの中から選択されたパラメータを各トランジスタのパラメータとして決定するステップを構成している(第3ステップ)。
【0043】
次に回路セル生成部106は、各トランジスタのパラメータを前記決定したパラメータに設定して回路図を生成し、テンプレートTMP302に対応する回路セルCEL302を生成する、又、回路セルCEL302を回路セル記憶部109に記憶して保存する(ステップS408)。このとき、回路セル記憶部109に保存した回路セルCEL302に関連付けて、対応するテンプレートTMP302の名称やプロセス情報や仕様情報も保存する。
【0044】
また、回路情報202に、レイアウトの制約を示すレイアウト制約情報が含められている場合、回路セル生成部106は、前記レイアウト制約情報を、前記生成した回路セルに対応付けて前記回路セルとともに回路セル記憶部109に記憶するように構成することができる。
尚、処理ステップS408は、回路セル生成部106が、各トランジスタを前記決定したパラメータに設定して前記トポロジに対応する回路セルを生成するステップを構成している(第4ステップ)。
【0045】
このように、本発明の実施の形態に係る回路設計装置100によれば、テンプレートを用いて、汎用性に優れプロセスに応じた回路セルを生成することが可能になり、ひいては回路セルを用いて目標回路を短時間で容易に設計することが可能になる。
また、コンピュータが本発明の回路設計用プログラムを実行することにより、テンプレートを用いて汎用性に優れプロセスに応じた回路セルを生成することが可能になり、ひいては回路セルを用いて目標回路を短時間で容易に設計することが可能な回路設計装置を構築することができる。
【0046】
前記同様の処理を、電流源回路のテンプレートTMP301、利得・出力回路のテンプレート303を用いて行うことにより、電源回路の回路セルCEL301、利得・出力回路の回路セルCEL303の候補が得られる。
目標回路生成部107は、回路セルCEL301、CEL302、CEL303の複数の候補を用いて最適化処理を行い、これにより最適な目標回路として
図3に示す差動増幅回路300が得られる。
【0047】
次に本発明の他の実施の形態について説明する。
前記実施の形態では、仕様情報としての電源電圧、電流及びバイアス電圧の全てを入力部101から入力するように構成したが、本他の実施の形態では、仕様情報である電源電圧及び電流は入力部101から入力するものの、仕様情報であるバイアス電圧は入力部101から入力するのではなくパラメータ決定部105が算出するように構成している。
【0048】
図7は、パラメータ決定部105がバイアス電圧を算出する際の処理を示すフローチャートである。パラメータ決定部105がバイアス電圧を算出する際の処理以外の処理や構成は前記実施の形態と同じなので、本他の実施の形態については
図7の処理についてのみ説明する。
【0049】
図7において、
図4の処理ステップ402においてプロセス情報が入力された後、バイアス電圧以外の仕様(換言すると、電源電圧VDD、VSS、トランジスタに流れる電流I)が入力部101から入力される(ステップS701)。処理ステップS701は、入力部101が、各トランジスタのバイアス電圧は入力せずに、プロセス情報及と仕様情報としての各トランジスタの電源電圧と電流を入力するステップである。ここでは入力部101はバイアス電圧を入力せず、以下のようにしてパラメータ決定部105がバイアス電圧を算出し、これに基づいて決定する。
【0050】
先ず、パラメータ決定部105は、(ゲート幅W/ゲート長L)が所定値(例えばW/L比=10)のトランジスタを想定し、Ids−Vgs特性のシミュレーションを実行して、ドレイン−ソース間に所定値の電流Idsが流れるときのゲート−ソース間電圧Vgs(基準Vgs)を算出する。
【0051】
このとき、Va、Vb、VBIAS、Vcomは
図5において、
Va=トランジスタM5の基準Vgs
Vb=VDD−|トランジスタM3の基準Vgs|
VBIAS=トランジスタM5の基準Vgs(即ちVaと同じ)
Vcom=Vb
として得られる。
【0052】
パラメータ決定部105は、バイアス電圧に応じた各トランジスタの特性の変化を表示部102に表示する(ステップS702)。処理ステップS702は、これは、パラメータ決定部105が、各トランジスタが所定特性を満たすように仕様情報としての各トランジスタのバイアス電圧を算出し提示するステップである(第5ステップ)。
【0053】
使用者は、好ましい特性が得られるトランジスタのバイアス電圧を、入力部101によりバイアス電圧として選択し、パラメータ決定部105は入力部101により選択されたバイアス電圧を各トランジスタのバイアス電圧として決定し、これにより入力部101からバイアス電圧の入力が行われたことになる(ステップS703)。処理ステップS703は、入力部101が、パラメータ決定部105が提示したバイアス電圧の中からバイアス電圧を選択するステップである(第6ステップ)。
これにより、プロセス情報及び必要な全ての仕様情報が決定されたことになり、以後前記実施の形態と同様の処理が行われ、テンプレートに対応し、プロセス及び仕様を満足する回路セルが得られる。
【0054】
即ち、ここでは入力部101が、前記第1ステップでは各トランジスタのバイアス電圧は入力せずに、プロセス情報と仕様情報としての各トランジスタの電源電圧と電流を入力する。パラメータ決定部105が第5ステップでは、各トランジスタが所定特性を満たすように仕様情報としての各トランジスタのバイアス電圧を算出し提示する。入力部101が第6ステップでは、パラメータ決定部105が提示したバイアス電圧の中からバイアス電圧を選択する。次にパラメータ決定部105が、前記第2ステップにおいて設計手法情報を用いて、プロセス情報と電源電圧と電流と前記選択したバイアス電圧を満たすように各トランジスタのパラメータを算出し提示する。パラメータ決定部105が、前記提示したパラメータの中から入力部101が選択したパラメータを各トランジスタのパラメータとして決定し、前記決定したパラメータを用いて、テンプレートに対応し、プロセス及び仕様を満足する回路セルが得られる。
尚、
図7の処理ステップS403は、
図4の処理ステップS403と同様に、仕様情報を入力するステップを構成している。
【0055】
このようにして、本他の実施の形態に係る回路設計装置100によっても、テンプレートを用いて、汎用性に優れプロセスに応じた回路セルを生成することが可能になり、ひいては回路セルを用いて目標回路を短時間で容易に設計することが可能になる。
また、バイアス電圧が入力されなくても決定することが可能になるため、容易に回路セルを生成することが可能になる等の効果を奏する。
【0056】
尚、パラメータ決定部105は、前述した実施の形態においてバイアス電圧が入力されたか否かを判定し、バイアス電圧が入力されたと判定した場合には前述した実施の形態の処理を行い、バイアス電圧が入力されていないと判定した場合には、本他の実施の形態の処理ステップS702、S703のバイアス探索機能を実行してバイアス電圧を入力するようにしてもよい。
【0057】
以上述べたように本発明の実施の形態は、
記憶部104に記憶され、複数のトランジスタを有する回路のトポロジ情報と、プロセス情報及び前記各トランジスタの仕様情報から前記各トランジスタのパラメータを決定するための設計手法情報204とを有するテンプレートTMP1〜TMPnと、
前記プロセス情報及び仕様情報を入力する入力部101と、
設計手法情報204を用いて、前記各トランジスタのパラメータを前記プロセス情報及び仕様情報に応じた値に決定するパラメータ決定部105と、
前記各トランジスタを前記決定したパラメータに設定して前記トポロジに対応する回路セルCEL1〜CELnを生成する回路セル生成部106とを備えて成ることを特徴としている。
【0058】
ここで、入力部101は、前記仕様情報として前記各トランジスタのバイアス電圧と電源電圧と電流を入力し、パラメータ決定部105は、前記プロセス情報とバイアス電圧と電源電圧と電流を満たすように前記各トランジスタのパラメータを決定するように構成することができる。
【0059】
また、入力部101は、前記プロセス情報と前記仕様情報としての前記各トランジスタの電源電圧と電流を入力し、パラメータ決定部105は、前記各トランジスタが所定特性を満たすように前記仕様情報としての前記各トランジスタのバイアス電圧を決定し、前記設計情報を用いて、前記プロセス情報とバイアス電圧と電源電圧と電流を満たすように前記各トランジスタのパラメータを決定するように構成することができる。
【0060】
また、回路セルCEL1〜CELnを用いて構成した目標回路の最適化処理を行う目標回路生成部107を備えて成るように構成することができる。
また、前記テンプレートにはレイアウト制約情報が含まれて成り、回路セル生成部107は、前記レイアウト制約情報を、前記生成した回路セルCEL1〜CELnに対応付けて前記回路セルCEL1〜CELnとともに記憶部104に記憶するように構成することができる。
したがって、テンプレートを用いて、汎用性に優れプロセスに応じた回路セルを生成することが可能になり、ひいては回路セルを用いて目標回路を短時間で容易に設計することが可能になる。
【0061】
また、本発明の実施の形態に係る記録媒体に記録した回路設計用プログラムをコンピュータに実行させることにより、テンプレートを用いて、汎用性に優れプロセスに応じた回路セルを生成することが可能になり、ひいては回路セルを用いて目標回路を短時間で容易に設計することが可能になる。
【0062】
また、本発明の実施の形態に係る回路設計方法は、
複数のトランジスタを有する回路のトポロジ情報と、プロセス情報及び前記各トランジスタの仕様情報から前記各トランジスタのパラメータを決定するための設計手法情報204とを有するテンプレートTMP1〜TMPnを用いて、
入力部101が、前記プロセス情報と前記各トランジスタのバイアス電圧を含む前記仕様情報とを入力する第1ステップと、
パラメータ決定部105が、設計手法情報204を用いて、前記プロセス情報及び仕様情報に応じた前記各トランジスタのパラメータを算出し提示する第2ステップと、
パラメータ決定部105が、前記提示したパラメータの中から選択された前記各トランジスタのパラメータを前記各トランジスタのパラメータとして決定する第3ステップと、
回路セル生成部106が、前記各トランジスタを前記決定したパラメータに設定して前記トポロジに対応する回路セルCEL1〜CELnを生成する第4ステップとを備えて成ることを特徴としている。
【0063】
ここで、入力部101が、前記第1ステップでは前記各トランジスタのバイアス電圧は入力せずに、前記プロセス情報と前記仕様情報としての前記各トランジスタの電源電圧と電流を入力し、
パラメータ決定部105が、前記各トランジスタが所定特性を満たすように前記仕様情報としての前記各トランジスタのバイアス電圧を算出し提示する第5ステップと、入力部101が、パラメータ決定部105が提示したバイアス電圧の中からバイアス電圧を選択する第6ステップとを備えて成り、
パラメータ決定部105が、前記第2ステップにおいて、設計手法情報204を用いて、前記プロセス情報と電源電圧と電流と前記選択したバイアス電圧を満たすように前記各トランジスタのパラメータを算出し提示するように構成することができる。
【0064】
かかる構成により、本発明の実施の形態に係るテンプレートTMP1〜TMPnを用いて、(1)バイアス電圧を含む仕様入力、(2)最適なパラメータの提示、(3)パラメータの決定、という3段階の処理によってパラメータを決定することが可能になり、ひいては回路要素たる回路セルの設計処理が可能になるため、設計手法の標準化による設計技術の共有が可能になり又、設計手法の標準化による設計手法の視覚化や定量化が可能になる。
【0065】
尚、本実施の形態では、目標回路を全てテンプレートによって構成する例で説明したが、目標回路の一部をテンプレートで構成し、他の回路を付加するように構成する場合にも適用できる。