(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
冷却水チューブと第2往路または第2復路とが、少なくとも1本のバイパス管および第1切換バルブまたは第2切換バルブを介して連通した状態において、第1切換バルブおよび第2切換バルブは接続管を介した相互連通状態に切り換え可能に構成されると共に、第1切換バルブと前記接続管と第2切換バルブとを介して第1往路と第1復路とが連通するように構成されている請求項1〜3のいずれか1つに記載の開放循環冷却システム。
冷却水チューブと第2往路または第2復路とが第1切換バルブおよび第1バイパス管を介して連通し、かつ冷却水チューブと第2往路または第2復路とが第2切換バルブおよび第2バイパス管を介して連通した状態において、第1切換バルブおよび第2切換バルブは接続管を介した相互連通状態に切り換え可能に構成されると共に、第1切換バルブと前記接続管と第2切換バルブとを介して第1往路と第1復路とが連通するように構成されている請求項4に記載の開放循環冷却システム。
請求項1〜3のいずれか1つに記載の開放循環冷却システムにおける熱交換器のチューブ防食方法であって、第1切換バルブおよび第2切換バルブを操作して、冷却水ラインと第2熱交換器の冷却水チューブとの間を閉じ、冷水ラインと冷却水チューブとをバイパス管を介して連通させて冷水用水処理剤を含む冷水を冷却水チューブに流入させる運転休止時の熱交換器のチューブ防食方法。
請求項4〜6のいずれか1つに記載の開放循環冷却システムにおける熱交換器のチューブ防食方法であって、第1切換バルブおよび第2切換バルブを操作して、冷却水ラインと第2熱交換器の冷却水チューブとの間を閉じ、冷水ラインと冷却水チューブとを第1および第2バイパス管を介して連通させて冷水用水処理剤を含む冷水を冷却水チューブに流通させる運転休止時の熱交換器のチューブ防食方法。
冷水ラインと冷却水チューブとを連通させる前に、第1切換バルブおよび第2切換バルブを操作して、冷却水ラインと冷却水チューブとの間を閉じた後、冷却水チューブ内から冷却水を抜く請求項7または8に記載の運転休止時の熱交換器のチューブ防食方法。
冷却水チューブ内から冷却水を抜く前に、予め薬剤が添加された冷却水を冷却水チューブに通して冷却水チューブの内面を前処理する請求項9に記載の運転休止時の熱交換器のチューブ防食方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の開放循環冷却システムは、第1往路と、第1復路と、第1往路の上流端と第1復路の下流端に接続された第1熱交換器とを有する冷却水ラインと、
第2往路と、第2復路と、第2往路の下流端と第2復路の上流端に接続された第3熱交換器とを有する冷水ラインと、
冷却水ライン内を流れる冷却水と、
冷水ライン内を流れる冷却水とは異なる冷水と、
冷却水ラインと冷水ラインとの間に設けられた第2熱交換器と、
少なくとも1本のバイパス管とを備え、
第2熱交換器は、第1往路と第1復路とを接続する冷却水チューブと、第2往路と第2復路とを接続する冷水チューブと、第1往路と冷却水チューブとを開閉可能に接続する第1切換バルブと、第1復路と冷却水チューブとを開閉可能に接続する第2切換バルブとを有し、
前記少なくとも1本のバイパス管は、第1切換バルブまたは第2切換バルブを介して冷却水チューブと第2往路または第2復路とを開閉可能に接続
し、
前記少なくとも1本のバイパス管と冷却水チューブとが連通した状態において、第1切換バルブによって第1往路と冷却水チューブとの連通が遮断され、かつ、第2切換バルブによって第1復路と冷却水チューブとの連通が遮断されることにより、冷却水ラインからの冷却水が冷水ライン内へ流入しないように構成されている。
【0019】
本発明の開放循環冷却システムは、次のように構成されてもよく、これらが適宜組み合わされてもよい。
(1)第1熱交換器が冷却塔であり、第2熱交換器が冷凍機であり、第3熱交換器が室内機であってもよい。
このようにすれば、商業ビル、駅、空港、美術館等の大型建築物に設置される空調設備用の開放循環冷却システムとして本発明を適用できる。
【0020】
(2)冷却水ラインと冷水ラインとの間に複数の第2熱交換器が設けられており、
複数の第2熱交換器のうち少なくとも1つの第2熱交換器において、冷却水チューブと第2往路または第2復路とが、少なくとも1本のバイパス管および第1切換バルブまたは第2切換バルブを介して接続されてもよい。
このようにすれば、開放循環冷却システムを運転しながら特定の第2熱交換器の休止、修理または交換が可能となる。
【0021】
(3)前記バイパス管が第1バイパス管および第2バイパス管を含み、
第1バイパス管は、第1切換バルブを介して冷却水チューブと第2往路または第2復路とを開閉可能に接続し、
第2バイパス管は、第2切換バルブを介して冷却水チューブと第2往路または第2復路とを開閉可能に接続してもよい。
なお、第1バイパス管および第2バイパス管は、第3熱交換器から戻ってくる冷水が第2往路よりも温度が高く、冷凍機で冷却されていないことからエネルギーロスが少ないため、第1切換バルブと第1バイパス管および第2切換バルブと第2バイパス管を介して冷却水チューブの両端と第2復路とを開閉可能に接続することが好ましい。
【0022】
(4)冷却水チューブと第2往路または第2復路とが、少なくとも1本のバイパス管および第1切換バルブまたは第2切換バルブを介して連通した状態において、第1切換バルブおよび第2切換バルブは接続管を介した相互連通状態に切り換え可能に構成され
ると共に、第1切換バルブと前記接続管と第2切換バルブとを介して第1往路と第1復路とが連通するように構成されてもよい。
あるいは、冷却水チューブと第2往路または第2復路とが第1切換バルブおよび第1バイパス管を介して連通し、かつ冷却水チューブと第2往路または第2復路とが第2切換バルブおよび第2バイパス管を介して連通した状態において、第1切換バルブおよび第2切換バルブは接続管を介した相互連通状態に切り換え可能に構成され
ると共に、第1切換バルブと前記接続管と第2切換バルブとを介して第1往路と第1復路とが連通するように構成されてもよい。
このようにすれば、第1および第2切換バルブの相互連通状態において、冷却水ラインにおける第1および第2切換バルブ近傍の冷却水を抜くことができ、水抜きした部分の冷却水ラインを乾燥保管、または冷水用(密閉系用)水処理剤を含む水を満たして満水保管することもできる。
【0023】
また、本発明の熱交換器のチューブ防食方法は、次のように構成されてもよい。
(A)前記(3)または(4)に記載の開放循環冷却システムにおける熱交換器のチューブ防食方法であって、第1切換バルブおよび第2切換バルブを操作して、冷却水ラインと第2熱交換器の冷却水チューブとの間を閉じ、冷水ラインと冷却水チューブとを第1および第2バイパス管を介して連通させて冷水用水処理剤を含む冷水を冷却水チューブに流通させてもよい。
このようにすれば、第2熱交換器の休止期間において、冷水ラインの冷水用(密閉系用)水処理剤を含む冷水を第2熱交換器の冷却水チューブに継続的に流通させることができる。
【0024】
(B)冷水ラインと冷却水チューブとを連通させる前に、第1切換バルブおよび第2切換バルブを操作して、冷却水ラインと冷却水チューブとの間を閉じた後、冷却水チューブ内から冷却水を抜くようにしてもよい。
このようにすれば、冷却水チューブ内の冷却水が冷水ラインの冷水中に混入して影響を与えることがない。なお、冷却水チューブ内の冷却水の量は、冷水ライン中の冷水の量に比べて無視できる程微量であるため、冷却水チューブ内の冷却水が冷水中に混入したとしても特に問題が生じる訳ではない。
【0025】
(C)冷却水チューブ内から冷却水を抜く前に、予め薬剤が添加された冷却水を冷却水チューブに通して冷却水チューブの内面を前処理してもよい。
通常、冷却水には防食剤、スケール分散剤、殺菌剤等の薬剤が予め添加されている。また必要に応じて、冷却水に洗浄剤やスライム分散剤等を添加してもよく、これらの薬剤を添加した冷却水を、冷却水ラインから冷却水チューブへ流入させることにより冷却水チューブ内がきれいに洗浄されて前処理された効果を得ることができる。この結果、第1切換バルブおよび第2切換バルブを操作して、冷水ラインと冷却水チューブとを連通させる切り替え後の防食効果が向上する。
【0026】
以下、図面を参照しながら本発明の開放循環冷却システムおよび運転休止時の熱交換器のチューブ防食方法の実施形態について詳説する。
【0027】
(実施形態1)
図1は本発明の開放循環冷却システムの実施形態1の構成を説明する図であり、
図2は
図1の開放循環冷却システムにおける1基の冷凍機を停止させた状態を示す説明図であり、
図3は
図1の開放循環冷却システムにおける2基の冷凍機を停止させた状態を示す説明図である。
【0028】
<開放循環冷却システムの構成について>
実施形態1の開放循環冷却システム1は、第1熱交換器としての冷却塔11を有する冷却水ライン10と、第3熱交換器としての室内機31を有する冷水ライン30と、冷却水ライン10と冷水ライン30との間に設けられた第2熱交換器としての複数の冷凍機20と、第1バイパス管41および第2バイパス管42を備える。
【0029】
冷却水ライン10は、第1往路12と、第1復路13と、第1往路12の上流端と第1復路13の下流端に接続された前記冷却塔11とを有する。なお、実施形態1では、冷却水ライン10に1基の冷却塔11が設けられた場合を例示しているが、冷却塔11(第1熱交換器)の数は特に限定されるものではなく、2基以上でもよい。
冷却塔11は、開放式の冷却塔である。
【0030】
また、実施形態1の場合、冷凍機20は4基設けられており、第1往路12および第1復路13は4基の冷凍機20A〜20Dと接続する接続管12a、13aをそれぞれ有している。なお、本発明において、冷凍機20(第2熱交換器)の数は特に限定されるものではなく、1基、2基、3基、5基以上でもよい。
【0031】
さらに詳しく説明すると、冷却水ライン10および冷水ライン30に並列に接続された4基の冷凍機20A〜20Dのうち中間2基の冷凍機20B、20Cと接続する接続管12a、13aは、三方弁14を介して第1往路12および第1復路13と接続されている。また、第1往路12と接続する各接続管12aには冷却水ポンプ15が設けられている。
【0032】
冷水ライン30は、第2往路32と、第2復路33と、第2往路32の下流端と第2復路33の上流端に接続された1基以上の前記室内機(空調機)31とを有する。
さらに詳しく説明すると、第2往路32および第2復路33は4基の冷凍機20A〜20Dと接続する接続管32a、33aをそれぞれ有している。また、第2復路33には循環ポンプ35が設けられている。
【0033】
冷凍機20は、接続管12a、13aを介して第1往路12と第1復路13とを接続する冷却水チューブ21と、接続管32a、33aを介して第2往路32と第2復路33とを接続する冷水チューブ22とを有する。なお、冷凍機20としては、例えば、吸収式冷凍機、ターボ式冷凍機等を用いることができる。
【0034】
さらに、第1往路12の下流側2基の冷凍機20C、20Dは、第1往路12と冷却水チューブ21とを開閉可能に接続する第1切換バルブ23と、第1復路13と冷却水チューブ21とを開閉可能に接続する第2切換バルブ24とを有している。なお、第1および第2切換バルブ23、24としては三方弁を用いることができる。
【0035】
第1バイパス管41は、第1往路12側の第1切換バルブ23を介して冷凍機20(冷凍機20C、20D)の冷却水チューブ21と第2復路33とを開閉可能に接続する。
第2バイパス管42は、第1復路13側の第2切換バルブ24を介して冷凍機20(冷凍機20C、20D)の冷却水チューブ21と第2往路32とを開閉可能に接続する。
【0036】
なお、実施形態1の場合、第1バイパス管41と第2復路33との接続箇所には第3切換バルブ25が設けられると共に、第2バイパス管42と第2往路32との接続箇所には第4切換バルブ26が設けられているが、第3および第4切換バルブ25、26は省略することもできる。
【0037】
<冷却システムの運転および熱交換器のチューブ防食方法について>
図1に示すように、実施形態1の開放循環冷却システム1を最大出力で運転する場合、4基の冷凍機20が駆動する。このとき、全ての第1・第2切換バルブ23、24および三方弁25、26は、第1および第2バイパス管41、42を介して冷却水ライン10と冷水ライン30とが連通しないよう、第1および第2バイパス管41、42を冷却水ライン10および冷水ライン30から遮断した状態に切り換えられている。この遮断切換状態は、
図1において、第1および第2バイパス管41、42を点線で示すことにより表現されている。
【0038】
4基の冷凍機20の駆動状態において、冷却水ライン10の第1復路13を流通する冷却水(例えば、37℃)は冷却塔11に導入され熱交換により所定温度(例えば、32℃)まで冷却される。冷却された冷却水は、第1往路12から4基の冷凍機20の冷却水チューブ21へ導入された後、第1復路13へ戻り、冷却水ライン10を循環する。
【0039】
一方、冷水ライン30の第2復路33を流通する冷水(例えば、12℃)は4基の冷凍機20に導入され熱交換により所定温度(例えば、7℃)まで冷却される。冷却された冷水は、第2往路32から複数の室内機31へ導入された後、第2復路33へ戻り、冷水ライン30を循環する。なお、室内機31は、冷却された冷水との熱交換によって室内の空気を冷却する。
【0040】
開放循環冷却システム1の出力を1段階低下させる場合、
図2に示すように、第1および第2バイパス管41、42がそれぞれ接続された2基の冷凍機20C、20Dのうちの第1往路12の最下流側の冷凍機20Dを停止させる。
図2では、第1往路12の最下流側の冷凍機20Dおよびそれに対応する冷却水ポンプ15が停止した状態を示している。
【0041】
このとき、停止させた冷凍機20Dに対応する第1・第2切換バルブ23、24および三方弁25、26は、第1および第2バイパス管41、42を開放するよう切り換えられる。また、停止させた冷凍機20Dに対応する第1・第2切換バルブ23、24と隣接する冷凍機20Cに対応する三方弁14、14との間における冷却水ライン10(
図2中の点線で示された第1往路12および第1復路13)を遮断して、停止させた冷凍機20Dの冷却水チューブ21内に冷却水が流入しないよう第1・第2切換バルブ23、24および三方弁14、14が切り換えられる。なお、この場合、三方弁14、14は切り換えられず
図1で示された状態のままでもよい。
【0042】
このように1基の冷凍機20Dが停止した開放循環冷却システム1において、3基の冷凍機20A、20B、20Cは
図1で説明したように駆動し循環する冷却水と冷水との熱交換を行っている。
【0043】
一方、停止した冷凍機20Dの冷却水チューブ21には冷却水は流入せず、第2復路33からの冷水が第1バイパス管41を介して流入し、第2バイパス管42を通って第2往路32へ流入する。また、停止した冷凍機20Dの冷水チューブ22にも冷水が流通している。つまり、冷凍機20Dの停止中でも冷却水チューブ21および冷水チューブ22に冷水を流通させることができるため、停止中の冷凍機20Dの冷却水チューブ21および冷水チューブ22の防食ならびにエネルギーロスを発生させず、手間およびコストをかけることなく、容易かつ確実に行うことができる。
【0044】
図3に示すように、隣接する2基の冷凍機20C、20Dを停止する場合も、
図2で説明したように第1・第2切換バルブ23、24および三方弁14、25、26を切り換え、停止中の冷凍機20C、20Dの冷却水チューブ21および冷水チューブ22に冷水ライン30からの冷水を流通させて防食を行うことができる。
【0045】
また、停止中の2基の冷凍機20のうちの1基または2基を駆動させる場合は、第1・第2切換バルブ23、24および三方弁14、25、26を
図2または
図1で示したように切り換え、冷却水ポンプ15および冷凍機20を駆動させ、停止中の冷凍機20の冷却水チューブ21に冷却水ライン10からの冷却水を流通させる。したがって、再立ち上げも手間なく短時間で行うことができる。
【0046】
ところで、
図2と
図3で説明した冷凍機20C、20Dのチューブ防食方法において、冷水ライン30と冷却水チューブ21とを連通させる前に、第1切換バルブ23および第2切換バルブ24を操作して、冷却水ライン10と冷却水チューブ21との間を閉じた後、冷却水チューブ21内から冷却水を抜いてもよい。このようにすれば、冷却水チューブ21内の冷却水が冷水ラインの冷水中に混入することがない。
【0047】
なお、冷却水チューブ21内から冷却水を抜く前には、予め薬剤が添加された冷却水が冷却水チューブ21を流通しているため、冷却水チューブ21の内面はきれいに洗浄されていることから前処理効果が得られ、冷水ライン30と冷却水チューブ21とを連通させて冷却水チューブ21に冷水を流通させた切り替え後の防食効果が向上する。また必要に応じて、冷却水に洗浄剤やスライム分散剤等を添加してもよい。
【0048】
(実施形態2)
図4は本発明の開放循環冷却システムの実施形態2の構成を説明する図であり、
図5は
図4の開放循環冷却システムにおける1つの冷凍機を停止させた状態を示す説明図であり、
図6は
図4の開放循環冷却システムにおける2つの冷凍機を停止させた状態を示す説明図である。なお、
図4〜
図6において、
図1〜
図3と同様の要素には同一の符号を付している。
【0049】
実施形態2の開放循環冷却システム101は、実施形態1の開放循環冷却システム1における第1および第2切換バルブ23、24の代わりに後述の第1および第2切換バルブ123、124を用い、これらの第1および第2切換バルブ123、124を接続管116にて接続している。実施形態2において、その他の構成は実施形態1と同様である。以下、実施形態2における実施形態1と異なる点を主に説明する。
【0050】
実施形態1で用いられた第1および第2切換バルブ23、24は三方弁であり、3本の管に接続されるバルブであり、3本のうちいずれか2本の管を連通するように切り換えられる。
これに対し、実施形態2で用いられた第1および第2切換バルブ123、124は、4本の管に接続されるバルブであり、4本のうち2本の管のみを連通した状態と、4本全ての管をペアで連通した状態に切換可能に構成されている。
【0051】
詳しく説明すると、
図4に示すように、冷凍機20Dの駆動状態において、第1切換バルブ123は第1往路12の接続管12aと冷凍機20Dの冷却水チューブ21とを連通させており、第1バイパス管41および接続管116に対しては閉じている。なお、第2切換バルブ124も同様である。
【0052】
また、
図5に示すように、1基の冷凍機20Dの停止状態において、第1切換バルブ123は第1バイパス管41と冷却水チューブ21とを連通させると共に、第1切換バルブ123は第1往路12の接続管12aと接続管116とを連通させている。なお、第2切換バルブ124も同様である。
【0053】
第1および第2切換バルブ123、124が
図4から
図5の状態に切り換わることにより、冷却水チューブ21と第2復路33とが第1切換バルブ123および第1バイパス管41を介して連通し、かつ冷却水チューブ21と第2往路32とが第2切換バルブ124および第2バイパス管42を介して連通し、この状態において、第1切換バルブ123および第2切換バルブ124は接続管116を介した相互連通状態に切り換わる。
【0054】
一方、冷凍機20Dに隣接する冷凍機20Cに対応する三方弁14、14の間の点線で示された第1往路12、第1切換バルブ123、接続管116、第2切換バルブ124および第1復路13は連通した1本の管117となり、三方弁14、14を閉じる前はその管117内には冷却水が流通している。
【0055】
そこで、停止した冷凍機20Dの冷却水チューブ21に冷水を流通させるチューブ防食期間中は、三方弁14,14を操作し、第1往路12の下流側と第1復路13の上流側を閉じれば、管117における最も低い位置(例えば、接続管116)に設けられた開閉可能な水抜き口から管117内の冷却水を抜くことにより、管117を乾燥保管して防食することができる。
【0056】
図6に示すように、隣接する2基の冷凍機20C、20Dを停止する場合も、
図5で説明したように第1・第2切換バルブ123、124および三方弁14、25、26を切り換え、停止中の冷凍機20C、20Dの冷却水チューブ21および冷水チューブ22に冷水ライン30からの冷水を流通させて防食を行うことができる。
【0057】
また、この場合、冷凍機20Cに隣接する冷凍機20Bに対応する三方弁14、14を閉じる前はこれらの間の点線で示された連通した管217内には冷却水が流通している。
【0058】
したがって、この場合も、停止した冷凍機20C、20Dの冷却水チューブ21に冷水を流通させるチューブ防食期間中は、例えば、三方弁14,14を操作し、第1往路12の下流側と第1復路13の上流側を閉じれば、管217における冷凍機20C、20Dに対応する各接続管116に設けられた開閉可能な水抜き口から管217内の冷却水を抜くことにより、管217を乾燥保管して防食することができる。
【0059】
なお、実施形態2でも、予め薬剤が添加された冷却水が冷凍機20C、20Dの冷却水チューブ21を流通しているため、冷却水チューブ21の内面が前処理されたことになっている。したがって、冷水ライン30と冷却水チューブ21とを連通させて冷却水チューブ21に冷水を流通させた切り替え後の防食効果が向上する。また必要に応じて、冷却水に洗浄剤やスライム分散剤等を添加してもよい。
【0060】
停止中の2基の冷凍機20のうちの1基または2基を駆動させる場合は、第1・第2切換バルブ123、124および三方弁14、25、26を
図5または
図4で示したように切り換え、停止中の冷凍機20の冷却水チューブ21に冷却水ライン10からの冷却水を流通させ、冷却水ポンプ15および冷凍機20を駆動させればよい。したがって、再立ち上げも手間なく短時間で行うことができる。
【0061】
(実施形態3)
図7は本発明の開放循環冷却システムの実施形態3の構成を説明する図である。なお、
図7において、
図1〜
図3と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態3の開放循環冷却システム201の基本構成は実施形態1の開放循環冷却システム1と同じであるが、第2バイパス管242が三方弁226を介して第2復路33に接続されている点のみが実施形態1とは異なる。以下、実施形態3における実施形態1とは異なる点を説明する。
【0062】
実施形態3では2基の冷凍機20C、20Dが休止した状態を例示しており、この場合、第2復路33からの冷水が三方弁226、第2バイパス管242および第2切換バルブ24を介して冷凍機20C、20Dの冷却水チューブ21に流入し、冷却水チューブ21を流通した冷水は第1切換バルブ23、第1バイパス管41および三方弁25を介して第2復路33へ戻る。
【0063】
第2バイパス管42が三方弁226を介して第2復路33に接続されることにより、運転中の冷凍機20A、20Bによって冷却されて第2往路32内へ導入された冷水中に、この冷水よりも温度が高い第1復路33からの冷水(冷却されていない冷水)が混入することがない。そのため、第2往路32を流れる冷水が第2復路33からの冷水によって温められて温度上昇するということがなく、エネルギーロスが少なくなるという利点がある。
【0064】
(実施形態4)
図8は本発明の開放循環冷却システムの実施形態4の構成を説明する図である。なお、
図8において、
図4〜
図7と同様の要素には同一の符号を付している。
実施形態4の開放循環冷却システム301の基本構成は実施形態2の開放循環冷却システム101と同じであるが、第2バイパス管242が三方弁226を介して第2復路33に接続されている点のみが実施形態2とは異なる。以下、実施形態4における実施形態2とは異なる点を説明する。
【0065】
実施形態4では2基の冷凍機20C、20Dが休止した状態を例示しており、この場合、第2復路33からの冷水が三方弁226、第2バイパス管242および第2切換バルブ124を介して冷凍機20C、20Dの冷却水チューブ21に流入し、冷却水チューブ21を流通した冷水は第1切換バルブ123、第1バイパス管41および三方弁25を介して第2復路33へ戻る。
【0066】
第2バイパス管242が三方弁226を介して第2復路33に接続されることにより、運転中の冷凍機20A、20Bによって冷却されて第2往路32内へ導入された冷水中に、この冷水よりも温度が高い第1復路33の冷水(冷却されていない冷水)が混入することがない。そのため、第2往路32を流れる冷水が第2復路33からの冷水によって温められて温度上昇するということがなく、エネルギーロスが少なくなるという利点がある。
【0067】
(実施形態5)
図9は本発明の開放循環冷却システムの実施形態5の構成を説明する図である。なお、
図9において、
図1〜
図3と同様の要素には同一の符号を付している。
本発明の開放循環冷却システムは、1基の冷凍機に対して1本のバイパス管が設けられ、この1本のバイパス管のみによって冷凍機の冷却水チューブと第2往路32または第2復路33とを接続してもよい。
【0068】
例えば、
図9に示すように、実施形態5の開放循環冷却システム401の場合、第1往路12の下流側の2基の冷凍機20C、20Dについて、実施形態1(
図1〜
図3参照)における第2バイパス管42および第4切換バルブ26が省略され、かつ三方弁の第2切換バルブ24の代わりに一般的な二方弁の第2切換バルブ224が用いられている。さらに、冷却水チューブ21には図示しない水抜き口が設けられる。実施形態5において、その他の構成は実施形態1と同様である。
【0069】
このように構成された実施形態5によれば、例えば、第1往路12の最下流側の冷凍機20Dを休止させる際、冷却水ポンプ15を停止させ、第1切換バルブ23を操作して第1往路12を閉じ、かつ第2切換バルブ224を操作して第1復路13を閉じる。このとき、第1往路12の最下流側の三方弁14と第1復路13の最上流側の三方弁14を操作して第1往路12および第1復路13を閉じてもよい。次に、密閉された冷却水チューブ21の水抜き口から内部の冷却水を外部に排出する。その後、第1バイパス管41を冷却水チューブ21と連通させ、第3切換バルブ25を操作して第1バイパス管41を第2復路33と連通させる。
【0070】
これにより、第2復路33からの冷水が第1バイパス管41を通って冷却水チューブ21内に流入する。このとき、例えば、冷却水チューブ21における第2切換バルブ224との接続部付近に開閉可能な図示しない空気抜き孔を設けておき、空気抜き孔から冷水が少し流出した時点で空気抜き孔を閉じて冷却水チューブ21内を冷水で満水にする。
【0071】
このようにすれば、冷水用(密閉系用)水処理剤であれば、冷却水チューブ21に対して循環させない満水保管の際にも十分に防食効果を発揮することができる。さらに、第1往路12における第1切換バルブ23と三方弁14との間および第2復路13における第2切換バルブ224と三方弁14との間から冷却水を水抜きして乾燥保管することもできる。他の冷凍機20Cを休止させる場合も同様である。
【0072】
なお、実施形態5は、実施形態1(
図1〜
図3参照)における第1バイパス管41および第3切換バルブ25が省略され、かつ三方弁の第1切換バルブ23の代わりに一般的な二方弁の第1切換バルブが用いられてもよい。
【0073】
(実施形態6)
図10は本発明の開放循環冷却システムの実施形態6の構成を説明する図である。なお、
図10において、
図4〜
図6と同様の要素には同一の符号を付している。
図10に示すように、実施形態6の開放循環冷却システム501の場合、第1往路12の下流側の2基の冷凍機20C、20Dについて、実施形態2(
図4〜
図6参照)における第2バイパス管42および第4切換バルブ26が省略され、かつ第2切換バルブ124の代わりに後述する第2切換バルブ324が用いられている。さらに、冷却水チューブ21には図示しない水抜き口が設けられる。
【0074】
実施形態6における第2切換バルブ324は、第1復路13と冷却水チューブ21との連通状態から、接続管116を介した第1切換バルブ123と第2切換バルブ324との相互連通状態による第1往路12と第1復路13との連通状態に切り換え可能に構成されている。実施形態6において、その他の構成は実施形態2と同様である。
【0075】
このように構成された実施形態6によれば、例えば、第1往路12の最下流側の冷凍機20Dを休止させる際、冷却水ポンプ15を停止させ、第1切換バルブ123および第2切換バルブ324を操作して、第1往路12と第1復路13とを連通させ、かつ冷却水チューブ21と第1バイパス管41とを連通させ、かつ冷却水チューブ21の第1復路13側の端部を閉じる。
【0076】
これにより、第2復路33からの冷水が第1バイパス管41を通って冷却水チューブ21内に流入する。このとき、例えば、冷却水チューブ21における第2切換バルブ324との接続部付近に開閉可能な図示しない排出口を設けておき、冷却水チューブ21内に冷水を流入させることにより内部に残留する冷却水を排出口から排出して冷却水チューブ21内を冷水で満水にする。このようにすれば、冷水用(密閉系用)水処理剤であれば、冷却水チューブ21に対して循環させない満水保管の際にも十分に防食効果を発揮することができる。
【0077】
また、この場合、第1往路12の最下流側の三方弁14と第1復路13の最上流側の三方弁14を閉じる前はこれらの間の点線で示された連通した管317内には冷却水が流通している。
したがって、この場合も、停止した冷凍機20Dの冷却水チューブ21に冷水を流入させるチューブ防食期間中は、例えば、第1往路12の最下流側の三方弁14と第1復路13の最上流側の三方弁14を操作し、第1往路12の下流側と第1復路13の上流側を閉じれば、管317における冷凍機20Dに対応する接続管116に設けられた開閉可能な水抜き口から管317内の冷却水を抜くことにより、管317を乾燥保管して防食することができる。他の冷凍機20Cを休止させる場合も同様である。
【0078】
なお、実施形態6は、実施形態2(
図4〜
図6参照)における第1バイパス管41および第3切換バルブ25が省略され、かつ三方弁の第1切換バルブ123の代わりに前記第2切換バルブ324が用いられてもよい。
【0079】
(他の実施形態)
本発明では、実施形態1〜4における第1バイパス管41を第2往路32に接続した実施形態(図示省略)および実施形態5、6における第1バイパス管41を第2往路32に接続した実施形態(図示省略)が含まれるが、エネルギーロスの観点から、第1バイパス管41は第2復路33に接続する方が好ましい。
【0080】
なお、開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。