(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記載置台の下降動作は、前記載置台に接続され、前記載置台と共に昇降するラックギアが前記収納部の底部に接することで終了する、請求項2〜5のいずれか1項に記載の昇降装置。
前記載置台は、上昇終了位置に達した際に前記収納部に設けられた係止部材に接する延長部を有し、当該延長部の端部は傾斜形状であって、前記係止部材に当該端部の傾斜上端が接した際、前記載置台は支点を軸として回転し、使用者方向に傾く、請求項8に記載の昇降装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ハンドセットが管制卓の奥側に収納されていると、オペレータが座位で操作する際にハンドセットを収納部から取り出し難くいという問題があった。
【0006】
上述したように、アタッシュケースからのノート型パソコン等の取り出しに関しては、上記特許文献1において、アタッシュケースの蓋の開閉に連動させて稼働板を昇降させることでケース内からノート型パソコン等を即時に使用することができるようにした構造が開示されている。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、収納部からの物品の取り出しにおける操作性をさらに向上させることが可能な、新規かつ改良された昇降装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、操作者に把持させる物品を載置し、上下方向に昇降動作を行う載置台と、前記載置台を収納する収納部を開閉するカバーと、前記カバーの開閉動作に連動して前記載置台を昇降させる昇降機構と、を備え、前記昇降機構は、前記載置台の昇降の可動範囲よりも前記カバーの開閉の可動範囲が広く構成され、前記カバーの開閉動作
の開始に連動して
同時に前記載置台の昇降
を開始し、前記カバーの開閉動作が終了する前に前記載置台が昇降終了位置に達して停止する昇降装置が提供される。
【0009】
また、前記昇降機構は、前記カバーの開閉動作により発生する力を前記載置台に伝える動力伝達部を有し、前記動力伝達部は、前記載置台が昇降終了位置に達して停止した後、前記載置台への動力伝達を遮断してもよい。
【0010】
また、前記動力伝達部は、トルクリミッタにより前記載置台への動力伝達を遮断してもよい。
【0011】
また、前記動力伝達部は、1以上のギアおよびラックギアを含んでもよい。
【0012】
また、前記載置台の上昇動作は、前記載置台の延長部が前記収納部に設けられた係止部材に接することで終了してもよい。
【0013】
また、前記載置台の下降動作は、前記載置台に接続され、前記載置台と共に昇降するラックギアが前記収納部の底部に接することで終了してもよい。
【0014】
また、前記動力伝達部は、前記載置台の両側に一対に設けられてもよい。
【0015】
また、前記載置台は、上昇終了位置に達した際に使用者方向に傾いてもよい。
【0016】
また、前記載置台は、上昇終了位置に達した際に前記収納部に設けられた係止部材に接する延長部を有し、当該延長部の端部は傾斜形状であって、前記係止部材に当該端部の傾斜上端が接した際、前記載置台は支点を軸として回転し、使用者方向に傾いてもよい。
【0017】
また、前記物品はハンドセットであってもよい。
【発明の効果】
【0018】
以上説明したように本発明によれば、収納部からの物品の取り出しにおける操作性をさらに向上させることができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0021】
また、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する複数の構成要素を、同一の符号の後に異なるアルファベットを付して区別する場合もある。
【0022】
また、以下に示す順序に従って当該「発明を実施するための最良の形態」を説明する。
1.航空管制卓の外観
2.ハンドセット収納機構の詳細説明
2−1.構成
2−2.動作
2−3.効果
3.変形例
4.まとめ
【0023】
<1.航空管制卓の外観>
まず、本実施形態による航空管制システムに含まれる、地上のオペレータ(管制官)が利用する航空管制卓の外観について
図1を参照して説明する。
図1は、本実施形態による航空管制卓1の外観構成の一例を示す図である。
図1に示すように、航空管制卓1の中央上部には、航空機の位置や航空機の離着陸順の支援情報等が表示されるメイン画面表示部2が設けられている。また、メイン画面表示部2の下方には、気象情報等の業務に必要な情報が表示される複数の補助画面表示部3a〜3dが設けられる。なお補助画面表示部3a〜3dは、タッチパネルディスプレイにより実現されていてもよい。
【0024】
また、補助画面表示部3a〜3dの手前側に位置する卓面5は、オペレータの作業用スペースであって、航空機や関係施設との間で使用する通信回線の選択を行うための物理的な多数のスイッチ(不図示)が設けられている。また、卓面5の手前両側のカバー6a、6bの内部にはジャックコネクタが収納されている。
【0025】
そして、卓面5の奥側には、卓埋め込み型のハンドセット収納機構(昇降装置)4が設けられている。オペレータ(管制官)は、ハンドセット収納機構4の蓋を開閉して中からハンドセットを取り出し、電話回線による音声通話を行うことが可能である。なお、
図1においてハンドセット収納機構4を左奥側に配置しているが、本実施形態はこれに限定されず、右奥側等、卓面5の他の場所に配置しても構わない。
【0026】
(背景)
ここで、航空管制卓1に設けられる従来の卓埋め込み型のハンドセット収納機構について、
図2を参照して説明する。
図2は、従来の卓埋め込み型のハンドセット収納機構について説明する図である。
【0027】
図2に示すように、従来の卓埋め込み型のハンドセット収納機構は、収納部70、回転して開閉可能なカバー71、収納部70とカバー71を回転結合する開閉軸72、ハンドセット73、ハンドセット73を保持する矩形形状のクレイドルスタンド74を含む。カバー71は、開閉軸72を支点として開閉動作を行う。オペレータは、ハンドセット73を利用する際、カバー71を手動で回転させ、クレイドルスタンド74に保持されているハンドセット73を収納部70から取り出す。
【0028】
具体的には、カバー71は、
図2上段に示すように、ハンドセット73を収納している際は収納部70の上方に位置する開口部を塞ぐよう位置する。一方、オペレータがハンドセット73を取り出す際、カバー71は、
図2下段に示すように、開閉軸72を支点としてオペレータから見て管制卓奥側方向(図面左方向)に回転動作を行い、収納部70の開口部を開放する。カバー71の回転動作は収納部70の内底面に接触して止まる。
図2下段に示すように、収納部70の開口部が開放されると、オペレータは図面右方向から手を伸ばして収納部70のクレイドルスタンド74に把持されているハンドセット73を取り出すことができる。
【0029】
しかしながら、ハンドセット収納機構は航空管制卓1の卓面5の奥側に配置されているため、座位での操作において、収納部70に手を入れてハンドセット73を取り出す際にオペレータによっては収納部70内部の視認性が悪く、また、ハンドセット73が収納部70から取り出し難く操作性が十分に満たされなかった。また、ハンドセット73の長手方向の長さに対応する開口部の開閉を行うカバー71は幅広な形状を有するため、回転動作の際に左右に位相差が生じて動作に余計な負荷が掛り、磨耗や拗れ、異音等の動作不良等が生じる場合があった。また、オペレータが直に触れて手動で回転動作させるため、ハンドセット73が過負荷により変形や破損してしまうこともあった。
【0030】
そこで、上記事情を一着眼点にして本発明の実施形態によるハンドセット収納機構(昇降装置)を創作するに至った。本実施形態によるハンドセット収納機構は、収納部からの物品の取り出しにおける操作性をさらに向上させ、操作時の装置に対する負荷による変形や破損を回避することが可能である。
【0031】
<2.ハンドセット収納機構の詳細説明>
続いて、本発明の一実施形態によるハンドセット収納機構(昇降装置)4について
図3〜
図5を参照して詳細に説明する。
【0032】
(2−1.構成)
図3は、本実施形態によるハンドセット収納機構4の構成を示す図である。
図3左側には、ハンドセット収納機構4の左側面図、
図3右側には、ハンドセット収納機構4の正面図を示す。
【0033】
図3に示すように、ハンドセット収納機構4は、卓面5に埋め込まれた収納部40、回転動作により収納部40を開閉するカバー41、収納部40とカバーを回転結合する回転軸42、ハンドセット43、ハンドセット43を載置するステージ(載置台)44、およびカバー41の開閉動作に連動してステージ44を上下方向に昇降させる昇降機構を有する。
【0034】
昇降機構は、ステージ44の両側に位置するラックギア45、カバー41の開閉回転支点である回転軸42に固定されるドライブギア46、伝達ギア47、伝達ギア47に接続するトルクリミッタ51、ドライブギア46の駆動力を伝達するドライブシャフト52、ドライブシャフト52に固定され両側のギア列を同期するカウンタギア53、カウンタギア53に接続するアイドルギア48、アイドルギア49、ラックギア45に接続する二段ギア50、収納部40に設けられたステージ44の上昇を規制するストッパ54から構成される。
【0035】
(2−2.動作)
図4は、本実施形態によるハンドセット収納機構4の動作を示す遷移図である。
図4上段左側に示すように、カバー41が収納部40の開放部を塞ぐ閉鎖状態においては、ステージ44は収納部40の下方に位置し、載置されているハンドセット43が収納部40に収納されている。
【0036】
オペレータは、ハンドセット収納機構4に収納されているハンドセット43を取り出す場合、カバー41を手動で奥側(図面左方向)へ回転させる。これにより、カバー41は、
図4上段中央に示すように、回転軸42を支点にして回転動作を行い、カバー41の回転動作により発生した回転力が、ドライブギア46により伝達ギア47およびトルクリミッタ51へ伝達され、トルクリミッタ51はドライブシャフト52を回転させる。ドライブシャフト52の回転により、ドライブシャフト52の両側に設けられているカウンタギア53が各々回転し、かかる回転力が、カウンタギア53に接続される両列のアイドルギア48、アイドルギア49、および二段ギア50へと順に伝達する。そして、二段ギア50と接続するラックギア45が二段ギア50からの動力により上昇し、ラックギア45に固定されたステージ44も水平に上昇する。ステージ44が上昇してストッパ54に達すると、ステージ44の上昇が停止する。ここで、本実施形態による昇降機構は、ステージ44の昇降の可動範囲よりもカバー41の可動範囲が広く構成され、カバー41が全開するよりも先に、ステージ44がストッパ54に到達して上昇動作が終了する。
【0037】
ステージ44の上昇が停止した後も、
図4上段右側に示すように、カバー41は収納部40の内底面に接触して止まる全開の状態まで回転動作を行うが、この際、トルクリミッタ51がドライブシャフト52への伝達トルクを遮断(動力伝達を遮断)する。このように、本実施形態では、カバー41の回転動作に発生するオーバーストローク分(ステージ44の上昇停止からカバ−41の全開まで)が開放されることで、装置への過負荷を防止する。このようなカバー41の開閉とステージ44の昇降との関係性を
図5に示す。
図5の実線は、カバー41が開く動作に応じたステージ44の上昇動作を示す。
図5の実線で示すように、ステージ44が上昇終了位置に到達して停止した後も、カバー41は全開になるまで開放動作(回転動作)を行う。
【0038】
カバ−41が収納部40の内底面に接触して止まると、
図4上段右側に示すように、収納部40の開放部は全開状態となり、また、ステージ44の上昇により卓面5からハンドセット43が迫り出しているので、オペレータは容易にハンドセット43を取り出すことができ、視認性・操作性が十分に満たされる。
【0039】
続いて、ハンドセット43を収納する場合、オペレータはハンドセット43をステージ44に載置し、カバー41を手動で手前側(図面右方向)へ回転させる。これにより、カバー41は、
図4下段に示すように、回転軸42を支点にして回転動作を行い、カバー41の回転動作により発生した回転力が、ドライブギア46により伝達ギア47およびトルクリミッタ51へ伝達され、トルクリミッタ51はドライブシャフト52を回転させる。ドライブシャフト52の回転により、ドライブシャフト52の両側に設けられているカウンタギア53が各々回転し、かかる回転力が、カウンタギア53に接続される両列のアイドルギア48、アイドルギア49、および二段ギア50へと順に伝達する。そして、二段ギア50と接続するラックギア45が二段ギア50からの動力により下降し、ラックギア45に固定されたステージ44も水平に下降する。ステージ44が下降してラックギア45の下端が収納部40の内底面に達すると、ステージ44の下降が停止する。上述したように、本実施形態による昇降機構は、ステージ44の昇降の可動範囲よりもカバー41の可動範囲が広く構成され、カバー41が全閉するよりも先に、ラックギア45が収納部40の内底面に接触して下降動作が終了する。
【0040】
ステージ44の下降が停止した後も、
図4下段に示すように、カバー41は全閉の状態まで回転動作を行うが、この際、トルクリミッタ51がドライブシャフト52への伝達トルクを遮断(動力伝達を遮断)する。このように、本実施形態では、カバー41の回転動作に発生するオーバーストローク分(ステージ44の下降停止からカバ−41の全閉まで)が開放されることで、装置への過負荷を防止する。このようなカバー41の開閉とステージ44の昇降との関係性を
図5に示す。
図5の二点鎖線は、カバー41が閉じる動作に応じたステージ44の下降動作を示す。
図5の二点鎖線で示すように、ステージ44が下降終了位置に到達して停止した後も、カバー41は全閉になるまで閉鎖動作(回転動作)を行う。
【0041】
(2−3.効果)
以上説明したように、本実施形態によれば、カバー41の回転動作により発生する回転力を、ステージ44を昇降させるラックギア45へ伝える過程の少なくとも一部で遮断する(開放する)ことで、カバー41の動作時におけるハンドセット43やステージ55に対する過負荷による変形や破損を防止することができる。また、カバー41の回転動作とステージ44の昇降動作における動作位相合わせを回避し、位相差による余計な負荷が掛ることを防止することができる。また、カバー41を閉じる動作よりも早くステージ55が下降するため、ハンドセット43がステージ55にしっかり載置されず、正位置からずれているような状態であっても、カバー41を閉じる際にカバー41がハンドセット43に当たってしまう可能性を軽減することができるので、破損等を防止することができる。
【0042】
また、ステージ44の両側に同期するギア列を設けたことにより、ステージ44を水平に昇降することができる。
【0043】
<3.変形例>
続いて、本実施形態の変形例によるハンドセット収納機構について、
図6〜
図8を参照して詳細に説明する。
【0044】
(3−1.構成)
図6は、本実施形態の変形例によるハンドセット収納機構4’の構成を示す図である。
図6左側には、ハンドセット収納機構4’の左側面図、
図6右側には、ハンドセット収納機構4’の正面図を示す。
【0045】
ハンドセット収納機構4’の構成は、
図3に示した上記実施形態によるハンドセット収納機構4と比較すると、ハンドセット43を載置するステージ55の構成が異なる。
ステージ55は、回転軸56を支点としてラックギア45に対して一定角度の回転が可能なよう接続されている。また、ハンドセット43が載置される板状のステージ55からラックギア45方向に延長する部分の端部上面は傾斜形状を有し、ステージ55が上昇した際にストッパ54に傾斜上端57が先に接触する。
【0046】
なお他の構成は
図3のハンドセット収納機構4と同様であるため、ここでの詳細な説明は省略する。
【0047】
(3−2.動作)
図7は、変形例によるハンドセット収納機構4’の開放動作を示す遷移図である。
図7上段左側に示すように、カバー41が収納部40の開放部を塞ぐ閉鎖状態においては、ステージ44は収納部40の下方に位置し、載置されているハンドセット43が収納部40に収納されている。
【0048】
次いで、オペレータによりカバー41が手動で奥側(図面左方向)へ回転されると、
図4を参照して説明した上記実施形態による動作と同様に、カバー41は、
図7上段中央に示すように、回転軸42を支点にして回転動作を行い、カバー41の回転動作により発生した回転力が、ドライブギア46により伝達ギア47およびトルクリミッタ51へ伝達され、トルクリミッタ51はドライブシャフト52を回転させる。ドライブシャフト52の回転により、ドライブシャフト52の両側に設けられているカウンタギア53が各々回転し、かかる回転力が、カウンタギア53に接続される両列のアイドルギア48、アイドルギア49、および二段ギア50へと順に伝達する。そして、二段ギア50と接続するラックギア45が二段ギア50からの動力により上昇し、ラックギア45に固定されたステージ44も水平に上昇する。
【0049】
ステージ44が上昇し、ステージ44の延長部の傾斜上端57がストッパ54に接すると、
図7上段右側に示すように、ステージ44は回転軸56を支点として、ステージ44の延長部上辺がストッパ54に完全に当たるまで回転し、ハンドセット43と共にオペレータ側(図面左方向)に傾斜する。ステージ44の延長部上辺がストッパ54に完全に当たると上昇が停止する。この時、カバー41は全開には達しておらず、上記実施形態と同様に、ハンドセット収納機構4’では、トルクリミッタ51によりドライブシャフト52への伝達トルクを遮断(動力伝達を遮断)し、オーバーストローク分(ステージ55の上昇停止からカバー41の全開まで)を開放する。
【0050】
そして、
図7下段に示すように、カバー41の回転動作は収納部40の内底面に接触して停止し、収納部40が全開となる。
【0051】
このように、ステージ55の上昇と傾斜により卓面5からハンドセット43がオペレータ側に傾いて迫り出すため、オペレータは容易にハンドセット43を取り出すことができ、視認性・操作性がさらに向上する。
【0052】
次に、閉鎖動作について
図8を参照して説明する。
図8は、変形例によるハンドセット収納機構4’の閉鎖動作を示す遷移図である。
図8左側に示すように、カバー41が回転軸42を支点にして回転動作を行うと、カバー41の回転動作により発生した回転力が、ドライブギア46により伝達ギア47およびトルクリミッタ51へ伝達され、トルクリミッタ51はドライブシャフト52を回転させる。ドライブシャフト52の回転により、ドライブシャフト52の両側に設けられているカウンタギア53が各々回転し、かかる回転力が、カウンタギア53に接続される両列のアイドルギア48、アイドルギア49、および二段ギア50へと順に伝達する。そして、二段ギア50と接続するラックギア45が二段ギア50からの動力により下降すると、ラックギア45に回転可能に接続され、ストッパ54に当接することで傾斜していたステージ55が回転軸56を支点として回転し水平の状態に戻り、その後水平状態のまま下降する。
【0053】
次いで、
図8中央に示すように、ラックギア45の下端が収納部40の内底面に達すると、ステージ55の下降が停止する。この時、カバー41は全閉には達しておらず、上記実施形態と同様に、ハンドセット収納機構4’では、トルクリミッタ51によりドライブシャフト52への伝達トルクを遮断(動力伝達を遮断)し、オーバーストローク分(ステージ55の上昇停止からカバー41の全閉まで)を開放する。
【0054】
そして、
図8右側に示すように、カバー41が収納部40の上方にて停止し、収納部40が全閉される。
【0055】
(3−3.効果)
以上説明したように本実施形態の変形例によれば、ラックギア45とステージ55を回転接続する回転軸56を設けたことにより、カバー41を開放した際に、ステージ55に載置されるハンドセット43が卓面5から迫り出し、さらにオペレータの方向(手前側)に傾くため、ハンドセット収納機構4’の視認性および操作性がさらに向上する。
【0056】
<4.まとめ>
以上説明したように、本実施形態によるハンドセット収納機構4は、収納部からの物品の取り出しにおける操作性をさらに向上させ、操作時の装置に対する負荷による変形や破損を回避することができる。
なお、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【0057】
例えば、上記実施形態では、収納機構に収納する物品の一例としてハンドセット43を用いたが、本発明はこれに限定されず、操作者(オペレータ)に把持させる物品を収納する収納機構には広く適用可能である。