特許第6569306号(P6569306)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569306
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】モータ
(51)【国際特許分類】
   H02K 3/52 20060101AFI20190826BHJP
   H02K 11/30 20160101ALI20190826BHJP
   H02K 11/21 20160101ALI20190826BHJP
【FI】
   H02K3/52 E
   H02K11/30
   H02K11/21
【請求項の数】12
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2015-109638(P2015-109638)
(22)【出願日】2015年5月29日
(65)【公開番号】特開2016-73187(P2016-73187A)
(43)【公開日】2016年5月9日
【審査請求日】2018年5月9日
(31)【優先権主張番号】特願2014-201411(P2014-201411)
(32)【優先日】2014年9月30日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000232302
【氏名又は名称】日本電産株式会社
(72)【発明者】
【氏名】芳賀 英博
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 留介
(72)【発明者】
【氏名】山田 陽介
(72)【発明者】
【氏名】中原 康晶
【審査官】 三澤 哲也
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−143897(JP,A)
【文献】 特許第4794667(JP,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 3/52
H02K 11/21
H02K 11/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に延びる中心軸を中心とするシャフトを有するロータと、
前記ロータを囲み、前記ロータを前記中心軸周りに回転させるステータと、
前記ステータの前記一方向の第1の側に配置され前記シャフトを支持する第1の軸受と、
前記ステータの前記第1の側と反対の第2の側に配置され前記シャフトを支持する第2の軸受と、
前記ステータと前記第1の軸受とを保持する筒状のハウジングと、
前記第2の軸受を保持し、前記第1の側の端部が前記ハウジングの内側に位置するバスバーアッシーと、
前記ハウジングに固定され、前記バスバーアッシーの前記第2の側の少なくとも一部を覆うカバーと、
前記一方向において前記第2の軸受と前記カバーとの間に配置され、前記第2の側の面が前記一方向と交差する回路基板と、
を備え、
前記バスバーアッシーは、
前記ステータと電気的に接続されるバスバーと、
外部電源と前記回路基板とを電気的に接続する配線部材と、
前記バスバー及び前記配線部材を保持するバスバーホルダと、
を有し、
前記バスバーホルダは、
前記第2の側に開口部を有する筒状の本体部と、
前記本体部から前記中心軸の径方向外側に突出するコネクタ部と、
前記本体部の内側面から前記径方向内側に拡がる底部と、
前記底部から前記第2の側に延び前記回路基板を前記第1の側から支持する第1の回路基板支持部と、
を有し、
前記カバーは、前記開口部の前記第2の側を覆い、
前記配線部材は、
前記コネクタ部に設けられ前記外部電源と電気的に接続される外部電源接続端子と、
前記回路基板と電気的に接続される回路基板接続端子と、
を有し、
前記回路基板接続端子は、前記回路基板と接続される接触部を有し、かつ、前記接触部を介して前記回路基板に前記第2の側から前記第1の側へ力を加え、
前記第1の回路基板支持部は、前記一方向に視た際に、前記中心軸を基準として前記回路基板接続端子が設けられる側となる前記底部の領域に配置され、
前記第1の回路基板支持部と前記接触部とは、前記一方向に視た際に、異なる位置に配置されるモータ。
【請求項2】
前記バスバーホルダは、前記底部から前記第2の側に延び前記回路基板を前記第1の側から支持する第2の回路基板支持部を有し、
前記第2の回路基板支持部は、前記一方向に視た際に、前記中心軸を基準として前記回路基板接続端子が設けられる側と反対側となる前記底部の領域に配置される、請求項1に記載のモータ。
【請求項3】
前記第1の回路基板支持部は、前記径方向において、前記シャフトと前記接触部との間に配置される、請求項1または2に記載のモータ。
【請求項4】
前記バスバーホルダは、前記回路基板を前記第2の側から支持する第3の回路基板支持部を有し、
前記第3の回路基板支持部は、前記一方向に視た際に、前記中心軸を基準として前記回路基板接続端子が設けられる側と反対側となる前記底部の領域に配置される、請求項3に記載のモータ。
【請求項5】
前記第3の回路基板支持部は、前記回路基板の前記第2の側の面に溶着されている、請求項4に記載のモータ。
【請求項6】
前記回路基板接続端子は、
前記本体部の前記内側面に設けられた接続端子保持部から前記径方向内側に延びる第1接続部と、
前記第1接続部から前記第2の側に延びる第1延伸部と、
を有する、請求項1から5のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項7】
前記回路基板接続端子は、
前記第1延伸部から前記径方向に延びる第2接続部と
前記第2接続部から前記一方向に延びる第2延伸部と、
を有する、請求項6に記載のモータ。
【請求項8】
前記第1延伸部は、前記回路基板の前記第2の側まで延び、
前記第2接続部は、前記第1延伸部から前記径方向内側に延び、
前記第2延伸部は、前記第2接続部から前記第1の側に延び、前記接触部と連結される、請求項7に記載のモータ。
【請求項9】
前記第2延伸部の前記第1の側の端部は、前記第1延伸部の前記第1の側の端部よりも前記第2の側に位置する、請求項8に記載のモータ。
【請求項10】
前記接触部は、前記回路基板の前記第2の側の面と平行な接触面を有する板状であり、
前記接触面は、前記回路基板の前記第2の側の面と接触する、請求項1から9のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項11】
前記バスバーアッシーは、複数の前記配線部材を有し、
前記複数の配線部材における前記回路基板接続端子の前記接触部は、前記回路基板の前記第2の側の面内で、所定方向に並んで設けられ、
前記第1の回路基板支持部は、前記所定方向に沿って延びる、請求項1から10のいずれか一項に記載のモータ。
【請求項12】
前記バスバーアッシーは、複数の前記配線部材を有し、
前記複数の配線部材における前記回路基板接続端子の前記接触部は、前記回路基板の前記第2の側の面内で、所定方向に並んで設けられ、
前記バスバーホルダは、2つの前記第1の回路基板支持部を有し、
一方の前記第1の回路基板支持部の少なくとも一部は、前記所定方向において、前記複数の接触部の一方側に位置し、
他方の前記第1の回路基板支持部の少なくとも一部は、前記所定方向において、前記複数の接触部の他方側に位置する、請求項1から11のいずれか一項に記載のモータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モータに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、特許文献1には、回路基板を備えたモータが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4794667号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のようなモータの回路基板には、例えば半田付けによって、中間導体(回路基板接続端子)が固着されている。回路基板は、中間導体との固着部から離れた位置で回路本体(バスバーアッシー)と固定されている。そのため、モータに衝撃が加えられた際に、固着部における回路基板の位置が大きく変化しやすい。これにより、固着部が損傷し、回路基板と中間導体との接続が不安定となる虞があった。
【0005】
本発明の一つの態様は、上記問題点に鑑みて、回路基板と回路基板接続端子との接続が不安定になることを抑制できる構造を有するモータを提供することを目的の一つとする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のモータの一つの態様は、一方向に延びる中心軸を中心とするシャフトを有するロータと、前記ロータを囲み、前記ロータを前記中心軸周りに回転させるステータと、前記ステータの前記一方向の第1の側に配置され前記シャフトを支持する第1の軸受と、前記ステータの前記第1の側と反対の第2の側に配置され前記シャフトを支持する第2の軸受と、前記ステータと前記第1の軸受とを保持する筒状のハウジングと、前記第2の軸受を保持し、前記第1の側の端部が前記ハウジングの内側に位置するバスバーアッシーと、前記ハウジングに固定され、前記バスバーアッシーの前記第2の側の少なくとも一部を覆うカバーと、前記一方向において前記第2の軸受と前記カバーとの間に配置され、前記第2の側の面が前記一方向と交差する回路基板と、を備え、前記バスバーアッシーは、前記ステータと電気的に接続されるバスバーと、外部電源と前記回路基板とを電気的に接続する配線部材と、前記バスバー及び前記配線部材を保持するバスバーホルダと、を有し、前記バスバーホルダは、前記第2の側に開口部を有する筒状の本体部と、前記本体部から前記中心軸の径方向外側に突出するコネクタ部と、前記本体部の内側面から前記径方向内側に拡がる底部と、前記底部から前記第2の側に延び前記回路基板を前記第1の側から支持する第1の回路基板支持部と、を有し、前記カバーは、前記開口部の前記第2の側を覆い、前記配線部材は、前記コネクタ部に設けられ前記外部電源と電気的に接続される外部電源接続端子と、前記回路基板と電気的に接続される回路基板接続端子と、を有し、前記回路基板接続端子は、前記回路基板と接続される接触部を有し、かつ、前記接触部を介して前記回路基板に前記第2の側から前記第1の側へ力を加え、前記第1の回路基板支持部は、前記一方向に視た際に、前記中心軸を基準として前記回路基板接続端子が設けられる側となる前記底部の領域に配置され、前記第1の回路基板支持部と前記接触部とは、前記一方向に視た際に、異なる位置に配置される。
【発明の効果】
【0007】
本発明の一つの態様によれば、回路基板と回路基板接続端子との接続が不安定になることを抑制できる構造を有するモータが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態のモータを示す断面図である。
図2図2は、本実施形態のモータを示す部分拡大断面図である。
図3図3は、本実施形態のモータの部分を示す平面図である。
図4図4は、本実施形態のバスバーアッシーを示す斜視図である。
図5図5は、本実施形態のバスバーアッシーを示す平面図である。
図6図6は、本実施形態のバスバーアッシーの他の一例を示す平面図である。
図7図7は、本実施形態のバスバーアッシーの他の一例を示す平面図である。
図8図8は、本実施形態のモータの他の一例を示す部分拡大断面図である。
図9図9は、本実施形態のモータの他の一例を示す部分拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態に係るモータについて説明する。なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されず、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせる場合がある。
【0010】
また、図面においては、適宜3次元直交座標系としてXYZ座標系を示す。XYZ座標系において、Z軸方向は、図1に示す中心軸Jの軸方向(一方向)と平行な方向とする。X軸方向は、図1に示すバスバーアッシー60の長さ方向と平行な方向、すなわち、図1の左右方向とする。Y軸方向は、バスバーアッシー60の幅方向と平行な方向、すなわち、X軸方向とZ軸方向との両方と直交する方向とする。
【0011】
また、以下の説明においては、Z軸方向の正の側(+Z側,第2の側)を「リア側」と呼び、Z軸方向の負の側(−Z側,第1の側)を「フロント側」と呼ぶ。なお、リア側及びフロント側とは、単に説明のために用いられる名称であって、実際の位置関係や方向を限定しない。また、特に断りのない限り、中心軸Jに平行な方向(Z軸方向)を単に「軸方向」と呼び、中心軸Jを中心とする径方向を単に「径方向」と呼び、中心軸Jを中心とする周方向、すなわち、中心軸Jの軸周り(θ方向)を単に「周方向」と呼ぶ。
【0012】
なお、本明細書において、軸方向に延びる、とは、厳密に軸方向(Z軸方向)に延びる場合に加えて、軸方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
また、本明細書において、径方向に延びる、とは、厳密に径方向、すなわち、軸方向(Z軸方向)に対して垂直な方向に延びる場合に加えて、径方向に対して、45°未満の範囲で傾いた方向に延びる場合も含む。
【0013】
図1は、本実施形態のモータ10を示す断面図である。図2は、モータ10の部分を示す断面図であって、図1の部分拡大図である。図3は、モータ10の部分を示す平面図(XY面図)である。図3においては、カバー22の図示を省略している。
【0014】
本実施形態のモータ10は、ブラシレスモータである。モータ10は、図1に示すように、ハウジング21と、カバー22と、シャフト31を有するロータ30と、ステータ40と、フロントベアリング(第1の軸受)51と、リアベアリング(第2の軸受)52と、制御装置70と、バスバーアッシー60と、複数のOリングと、を備える。複数のOリングは、フロント側Oリング81と、リア側Oリング82と、を含む。
【0015】
ロータ30とステータ40とフロントベアリング51とオイルシール80とはハウジング21に収容されている。ハウジング21は、リア側(+Z側)に開口しており、ハウジング21の開口部には、バスバーアッシー60のフロント側(−Z側)の端部が挿入されている。バスバーアッシー60は、リアベアリング52を保持する。シャフト31は、フロントベアリング51とリアベアリング52とによって軸方向(Z軸方向)の両側を支持されている。
【0016】
カバー22は、バスバーアッシー60のリア側(+Z側)の少なくとも一部を覆い、ハウジング21に固定されている。制御装置70は、リアベアリング52とカバー22との間に配置されている。フロント側Oリング81は、バスバーアッシー60とハウジング21との間に設けられている。リア側Oリング82は、バスバーアッシー60とカバー22との間に設けられている。以下、各部品について詳細に説明する。
【0017】
[ハウジング]
ハウジング21は、ステータ40とフロントベアリング51とを保持する筒状の部材である。本実施形態においてハウジング21は、両端が開口した多段の円筒形状である。ハウジング21の材質は、例えば、金属である。
【0018】
ハウジング21は、フロント側フランジ部23と、バスバーアッシー挿入部21aと、ステータ保持部21bと、フロントベアリング保持部21cと、オイルシール保持部21dと、を軸方向(Z軸方向)に沿って、リア側(+Z側)からフロント側(−Z側)へと、この順に有する。バスバーアッシー挿入部21aと、ステータ保持部21bと、フロントベアリング保持部21cと、オイルシール保持部21dとは、それぞれ同心の円筒形状であり、直径はこの順に小さくなる。
【0019】
フロント側フランジ部23は、バスバーアッシー挿入部21aのリア側(+Z側)の端部から径方向外側に拡がる。
バスバーアッシー挿入部21aは、バスバーアッシー60のフロント側(−Z側)の端部を中心軸Jの径方向外側から囲む。すなわち、バスバーアッシー60のフロント側の端部は、ハウジング21の内側に位置する。
【0020】
ステータ保持部21bの内側面には、ステータ40の外側面、すなわち、後述するコアバック部41の外側面が嵌合されている。これにより、ハウジング21には、ステータ40が保持される。
フロントベアリング保持部21cは、フロントベアリング51を保持する。本実施形態においては、フロントベアリング保持部21cの内側面とフロントベアリング51の外側面とが嵌合されている。
オイルシール保持部21dの内部には、オイルシール80が保持されている。
【0021】
[ロータ]
ロータ30は、シャフト31と、ロータコア32と、ロータマグネット33と、を有する。
シャフト31は、一方向(Z軸方向)に延びる中心軸Jを中心とする。シャフト31は、フロントベアリング51とリアベアリング52とによって、軸周り(±θ方向)に回転可能に支持されている。シャフト31のフロント側(−Z側)の端部は、ハウジング21の外部に突出している。オイルシール保持部21dにおいてシャフト31の軸周りには、オイルシール80が設けられている。
【0022】
ロータコア32は、シャフト31を軸周り(θ方向)に囲んで、シャフト31に固定されている。
ロータマグネット33は、ロータコア32の軸周りに沿った外側面に固定されている。
ロータコア32及びロータマグネット33は、シャフト31と一体となって回転する。
【0023】
[ステータ]
ステータ40は、ロータ30を軸周り(θ方向)に囲み、ロータ30を中心軸J周りに回転させる。ステータ40は、コアバック部41と、ティース部42と、コイル43と、ボビン44と、を有する。
【0024】
コアバック部41の形状は、シャフト31と同心の円筒状である。
ティース部42は、コアバック部41の内側面からシャフト31に向かって延びている。ティース部42は、複数設けられ、コアバック部41の内側面の周方向に均等な間隔で配置されている。
【0025】
コイル43は、導電線43aが巻き回されて構成される。コイル43は、ボビン44に設けられている。
ボビン44は、各ティース部42に装着されている。
【0026】
[フロントベアリング及びリアベアリング]
フロントベアリング51は、ステータ40のフロント側(−Z側)に配置されている。
フロントベアリング51は、ハウジング21のフロントベアリング保持部21cに保持されている。
リアベアリング52は、ステータ40のフロント側(−Z側)と反対のリア側(+Z側)に配置されている。リアベアリング52は、後述するバスバーホルダ61のリアベアリング保持部65に保持されている。
【0027】
フロントベアリング51とリアベアリング52とは、ロータ30のシャフト31を支持している。
フロントベアリング51及びリアベアリング52の構成は、特に限定されず、いかなる公知のベアリングを用いてもよい。
【0028】
[オイルシール]
オイルシール80は、オイルシール保持部21dの内部に、シャフト31の軸周り(θ方向)に装着される。オイルシール80は、ハウジング21のオイルシール保持部21dとシャフト31との間からハウジング部20内に水や油等が侵入することを抑制する。オイルシール80の構成は、特に限定されず、いかなる公知のオイルシールを用いてもよ
い。
【0029】
[制御装置]
制御装置70は、モータ10の駆動を制御する。制御装置70は、回路基板71と、回転センサ72と、センサマグネット保持部材73aと、センサマグネット73bと、を備える。すなわち、モータ10は、回路基板71と、回転センサ72と、センサマグネット保持部材73aと、センサマグネット73bと、を備える。
【0030】
回路基板71は、シャフト31のリア側(+Z側)の延長上に配置されている。回路基板71は、軸方向(Z軸方向)において、リアベアリング52とカバー22との間に配置されている。回路基板71の主面、すなわち、フロント側(−Z側)の回路基板フロント面71b及びリア側の回路基板リア面71aは、軸方向(Z軸方向)と交差する。本実施形態においては、回路基板71の主面は、軸方向と直交する。回路基板71の回路基板リア面71aは、カバー22のカバーフロント面22cと対向している。
【0031】
回路基板71は、図3に示すように、後述するバスバーホルダ61における第1の回路基板支持部67a,67b及び第2の回路基板支持部67cによって、フロント側(−Z側)から支持されている。回路基板71の主面の少なくとも一方には、図示しないプリント配線が設けられている。回路基板71のリア側(+Z側)の回路基板リア面71aには、後述する配線部材92の回路基板接続端子95が接続されている。回路基板71は、モータ駆動信号を出力する。
【0032】
図2に示すセンサマグネット保持部材73aは、円環状の部材である。センサマグネット保持部材73aは、中央の孔がシャフト31のリア側(+Z側)の端部の小径部分に嵌合されることで位置決めされ、シャフト31に取り付けられている。センサマグネット保持部材73aは、シャフト31とともに回転可能である。
【0033】
センサマグネット73bは、円環状であり周方向にN極とS極とが交互に配置されている。センサマグネット73bは、センサマグネット保持部材73aの外周面に嵌合されている。これにより、センサマグネット73bは、センサマグネット保持部材73aに保持され、リアベアリング52のリア側(+Z側)において、シャフト31の周り(±θ方向)にシャフト31とともに回転可能に配置される。
【0034】
回転センサ72は、回路基板71のフロント側(−Z側)の回路基板フロント面71bに取り付けられている。回転センサ72は、センサマグネット73bと軸方向(Z軸方向)に対向する位置に設けられている。回転センサ72は、センサマグネット73bの磁束の変化を検出する。回転センサ72は、図示は省略するが、例えば、3つ設けられている。
【0035】
[バスバーアッシー]
図4及び図5は、バスバーアッシー60を示す図である。図4は、斜視図である。図5は、平面図である。
バスバーアッシー60は、ステータ40に駆動電流を供給するユニットである。バスバーアッシー60は、図1から図5に示すように、バスバーホルダ61と、バスバー91と、配線部材92と、を有する。
【0036】
(バスバーホルダ)
バスバーホルダ61は、バスバー91及び配線部材92を保持する樹脂製のホルダである。バスバーホルダ61のリア側(+Z側)は、図1に示すように、カバー22の筒状部22aに収容されている。本実施形態においては、バスバーホルダ61は、カバー22の筒状部22aに圧入されている。バスバーホルダ61のフロント側(−Z側)は、ハウジング21のバスバーアッシー挿入部21aに収容されている。
【0037】
バスバーホルダ61を構成する材料は、絶縁性を有する樹脂である範囲において特に限定されない。バスバーホルダ61は、例えば、射出成形によって、単一の部材として製造される。バスバーホルダ61は、図4及び図5に示すように、本体部62と、コネクタ部63と、接続端子保持部64と、リアベアリング保持部65と、連結部66a,66b,66c,66dと、を有する。
【0038】
本体部62は、図1及び図4に示すように、リア側(+Z側)に開口部62aを有し、中心軸Jを周方向(θ方向)に囲む筒状である。本体部62は、ロータ30のリア側の端部及びステータ40のリア側の端部を、周方向に囲んでいる。すなわち、本体部62のフロント側(−Z側)における内側には、ロータ30及びステータ40のリア側の一部が位置している。
【0039】
本体部62のリア側(+Z側)の本体部リア面62cには、開口部62aを囲む本体部62の外形に沿って溝部62fがある。溝部62fには、リア側Oリング82が嵌め込まれる。
図4に示すように、本体部62の本体部外側面62dのフロント側(−Z側)には、Oリング保持部62eが設けられている。Oリング保持部62eには、図1に示すように、フロント側Oリング81が嵌め込まれている。
【0040】
本体部62は、図4及び図5に示すように、円弧部68aと、コネクタ連結部68bと、を有する。
円弧部68aの中心軸Jに垂直な断面(XY断面)の形状、及び平面視(XY面視)形状は、図5に示すように、リアベアリング保持部65と同心で中心角φが240°以上の円弧形状である。本実施形態において円弧部68aは、図1に示すように、カバー22の筒状部22aに圧入されている。
【0041】
コネクタ連結部68bは、図4及び図5に示すように、コネクタ部63と連結される部分である。コネクタ連結部68bは、円弧部68aの両端部に接続され、コネクタ部63側(+X側)に凸となる形状である。
【0042】
コネクタ部63は、図示しない外部電源と接続される部分である。コネクタ部63は、コネクタ連結部68bの外側面の一部から、中心軸Jの径方向外側(+X側)に向かって延びており、径方向外側(+X側)に開口した概略直方体の筒状である。すなわち、コネクタ部63は、本体部62から中心軸Jの径方向外側に突出している。図1に示すように、バスバーホルダ61のコネクタ部63の全体は、カバー22の外部に露出している。
【0043】
コネクタ部63には、図1に示すように、バスバーホルダ61の長さ方向の一方側(+X側)に開口する電源用開口部63aがある。電源用開口部63aの底面には、バスバー91と、後述する外部電源接続端子94と、が突出して設けられている。
【0044】
接続端子保持部64は、図4及び図5に示すように、本体部62の本体部内側面(内側面)62bから径方向内側に突出する略直方体形状の部分である。より詳細には、接続端子保持部64は、図5に示すように、コネクタ連結部68bの内側面から、コネクタ部63が延びる向きと逆向き(−X向き)に延びている。接続端子保持部64のリア側の保持部リア面64bは、回路基板71の回路基板リア面71aよりもフロント側に位置する。また、接続端子保持部64の保持部リア面64bは、本体部62のリア側の本体部リア面62cよりもフロント側に位置する。
【0045】
リアベアリング保持部65は、本体部62の径方向内側に設けられている。図2に示すように、リアベアリング保持部65は、リアベアリング52を保持する。
【0046】
連結部66a,66b,66c,66dは、図5に示すように、本体部62と、本体部62の内側に設けられたリアベアリング保持部65と、を連結する。
連結部66a〜66dは、リアベアリング保持部65の周りに、周方向に間隔を空けて配置されている。
【0047】
周方向に隣り合う連結部66a〜66d同士の間には、間隙66e,66f,66g,66hが設けられている。すなわち、リアベアリング保持部65と本体部62との間には、間隙66e,66f,66g,66hが設けられている。間隙66eは、連結部66aと、連結部66bと、本体部62と、リアベアリング保持部65とによって形成されている。間隙66fは、連結部66bと、連結部66cと、本体部62と、リアベアリング保持部65とによって形成されている。間隙66gは、連結部66cと、連結部66dと、本体部62と、リアベアリング保持部65とによって形成されている。間隙66hは、連結部66dと、リアベアリング保持部65と、連結部66aと、接続端子保持部64と、本体部62とによって形成されている。
【0048】
間隙66eが設けられる位置は、平面視において後述するコイル接続部91a,91bを含む位置である。間隙66fが設けられる位置は、平面視において後述するコイル接続部91c,91dを含む位置である。間隙66gが設けられる位置は、平面視において後述するコイル接続部91e,91fを含む位置である。間隙66hが設けられる位置は、平面視において後述する回路基板接続端子95を含む位置である。間隙66hは、平面視で略長方形状である。
【0049】
図4及び図5に示すように、接続端子保持部64と、リアベアリング保持部65と、連結部66a〜66dとは、底部61aを構成する。すなわち、バスバーホルダ61は、底部61aを有する。底部61aは、本体部62の本体部内側面62bから径方向内側に拡がっている。
【0050】
図3に示すように、本明細書においては、コネクタ部63が突出する方向(X軸方向)及び軸方向(Z軸方向)と直交し、かつ、中心軸Jと交わる仮想的な区分線C1によって、底部61aを2つの領域に分ける。
なお、以下の説明においては、区分線C1の方向と平行な方向を、単に区分線方向(Y軸方向)と呼ぶ。
【0051】
底部61aにおいて、平面視(XY面視)で区分線C1の回路基板接続端子95が設けられる側(+X側)となる領域を、第1の領域AR1とする。すなわち、第1の領域AR1は、軸方向(Z軸方向)に視た際に、中心軸Jを基準として回路基板接続端子95が設けられる側(+X側)となる底部61aの領域である。
【0052】
底部61aにおいて、平面視(XY面視)で区分線C1の回路基板接続端子95が設けられる側と反対側(−X側)の領域を、第2の領域AR2とする。すなわち、第2の領域AR2は、軸方向(Z軸方向)に視た際に、中心軸Jを基準として回路基板接続端子95が設けられる側と反対側(−X側)側となる底部61aの領域である。
【0053】
底部61aのリア側(+Z側)の面には、第1の回路基板支持部67a,67bと、第2の回路基板支持部67cと、第1の突起部69a,69bと、第2の突起部(第3の回路基板支持部)69c,69dと、バスバーホルダ凸状部69e,69fと、が設けられている。すなわち、バスバーホルダ61は、第1の回路基板支持部67a,67bと、第2の回路基板支持部67cと、2つの第1の突起部69a,69bと、第2の突起部69c,69dと、バスバーホルダ凸状部69e,69fと、を有する。
【0054】
第1の回路基板支持部67a,67bは、図4に示すように、底部61aからリア側(+Z側)に延びている。第1の回路基板支持部67bは、図2に示すように、回路基板71をフロント側(−Z側)から支持する。すなわち、第1の回路基板支持部67bのリア側の端部は、回路基板71の回路基板フロント面71bと接触している。第1の回路基板支持部67aについても同様である。
【0055】
第1の回路基板支持部67a,67bは、図3に示すように、底部61aの第1の領域AR1に配置されている。第1の回路基板支持部67a,67bと、後述する回路基板接続端子95の接触部95eとは、軸方向(Z軸方向)に視た際に、異なる位置に配置されている。本実施形態において第1の回路基板支持部67a,67bは、径方向において、シャフト31と接触部95eとの間に配置されている。
【0056】
図5に示すように、本実施形態において第1の回路基板支持部67a,67bは、底部61aを構成する部分のうちリアベアリング保持部65のリア側(+Z側)の面に設けられている。第1の回路基板支持部67a,67bは、間隙66hの中心軸J側(−X側)の縁に位置している。
【0057】
第1の回路基板支持部67aと第1の回路基板支持部67bとは、図3に示すように、区分線方向(Y軸方向)に沿って配置されている。第1の回路基板支持部67aは、区分線方向において、接続端子保持部64の+Y側の端部と同じ位置に設けられている。第1の回路基板支持部67bは、区分線方向において、接続端子保持部64の−Y側の端部と同じ位置に設けられている。
【0058】
一方の第1の回路基板支持部である第1の回路基板支持部67aの一部は、区分線方向(Y軸方向)、すなわち、後述する回路基板接続端子95の接触部95eが並ぶ方向(所定方向)において、複数の接触部95eの一方側(+Y側)に位置している。
他方の第1の回路基板支持部である第1の回路基板支持部67bの一部は、区分線方向において、複数の接触部95eの他方側(−Y側)に位置している。
【0059】
第1の回路基板支持部67a,67bの平面視(XY面視)形状は、特に限定されず、円形状であっても、矩形状であっても、多角形状であってもよい。図3の例では、第1の回路基板支持部67a,67bの平面視形状は、例えば、矩形状である。第1の回路基板支持部67a,67bは、区分線方向(Y軸方向)、すなわち、後述する回路基板接続端子95の接触部95eが並ぶ方向(所定方向)に沿って延びている。
【0060】
第2の回路基板支持部67cは、図4に示すように、底部61aからリア側(+Z側)に延びている。第2の回路基板支持部67cは、図2に示すように、回路基板71をフロント側(−Z側)から支持する。すなわち、第2の回路基板支持部67cのリア側の端部は、回路基板71の回路基板フロント面71bと接触している。
【0061】
第2の回路基板支持部67cは、図3に示すように、底部61aの第2の領域AR2に配置されている。図5に示すように、本実施形態において第2の回路基板支持部67cは、底部61aを構成する部分のうちリアベアリング保持部65のリア側(+Z側)の面に設けられている。第2の回路基板支持部67cの平面視(XY面視)形状は、第1の回路基板支持部67a,67bと同様に、特に限定されない。第2の回路基板支持部67cの平面視形状は、図3の例では、例えば、周方向に延びる形状である。第2の回路基板支持部67cは、区分線方向(Y軸方向)において、接続端子保持部64の中央部と同じ位置に設けられている。
【0062】
第1の突起部69a,69bは、図4に示すように、底部61aからリア側(+Z側)に延びている。第1の突起部69a,69bは、図3に示すように、区分線方向(Y軸方向)に沿って配置されている。第1の突起部69a,69bは、底部61aの第1の領域AR1に配置されている。本実施形態において第1の突起部69aは、図5に示すように、底部61aを構成する部分のうち連結部66aに設けられている。本実施形態において第1の突起部69bは、底部61aを構成する部分のうち連結部66dに設けられている。
【0063】
第1の突起部69aと中心軸Jとの径方向の距離は、後述するコイル接続部91a〜91fの径方向内側の端部と中心軸Jとの径方向の距離よりも大きい。すなわち、第1の突起部69aは、コイル接続部91a〜91fの径方向内側の端部よりも径方向外側となる位置に設けられている。第1の突起部69aは、軸方向(Z軸方向)に視た際に、周方向において、コイル接続部91a〜91fの少なくとも一部と重なる。第1の突起部69bについても同様である。図3に示す第1の突起部69a,69bは、回路基板71に設けられた切り欠きに嵌っている。
【0064】
第1の突起部69bのリア側(+Z側)の端部は、図2に示すように、回路基板71よりもリア側に位置している。第1の突起部69bのうち、回路基板71の回路基板リア面71aよりもリア側に突出した部分は、熱によって溶融され、回路基板リア面71aと溶着されている。第1の突起部69bの溶着された部分の形状は、例えば、半球状である。第1の突起部69aについても同様である。これにより、第1の突起部69a,69bと回路基板71とが固定される。その結果、第1の突起部69a,69bは、回路基板71をリア側から支持する。
【0065】
第2の突起部69c,69dは、図4に示すように、底部61aからリア側(+Z側)に延びている。第2の突起部69c,69dは、図3に示すように、区分線方向(Y軸方向)に沿って配置されている。第2の突起部69c,69dは、底部61aの第2の領域AR2に配置されている。本実施形態において第2の突起部69c,69dは、図5に示すように、底部61aを構成する部分のうちリアベアリング保持部65に設けられている。第2の突起部69c,69dは、図3に示すように、回路基板71に設けられた切り欠きに嵌っている。
【0066】
第2の突起部69dのリア側(+Z側)の端部は、図2に示すように、回路基板71よりもリア側に位置している。第2の突起部69dのうち、回路基板71の回路基板リア面71aよりもリア側に突出した部分は、熱によって溶融され、回路基板リア面71aと溶着されている。すなわち、第2の突起部69dは、回路基板71のリア側の回路基板リア面71aに溶着されている。第2の突起部69dの溶着された部分の形状は、例えば、半球状である。第2の突起部69cについても同様である。これにより、第2の突起部69c,69dと回路基板71とが固定される。その結果、第2の突起部69c,69dは、回路基板71をリア側から支持する。
【0067】
バスバーホルダ凸状部69e,69fは、図4に示すように、底部61aからリア側(+Z側)に延びている。バスバーホルダ凸状部69e,69fは、図3に示すように、区分線方向に沿って配置されている。本実施形態においてバスバーホルダ凸状部69e,69fは、底部61aの第2の領域AR2に配置されている。バスバーホルダ凸状部69e,69fのリア側の端部は、回路基板71に設けられた孔部に挿入されている。
【0068】
(バスバー)
バスバー91は、ステータ40に電気的に接続され、ステータ40に駆動電流を供給する。図示は省略するが、バスバー91は、複数設けられている。図1に示すように、バスバー91の一端は、コネクタ部63の電源用開口部63aの底面から突出して設けられ、カバー22の外部に露出している。この外部に露出したバスバー91の一端に外部電源が接続される。
【0069】
複数のバスバー91は、図5に示すように、コイル接続部91a,91b,91c,91d,91e,91fを有する。コイル接続部91a〜91fは、複数のバスバー91の他端に設けられている。コイル接続部91a〜91fは、バスバーホルダ61の本体部62の本体部内側面62bから突出して設けられている。より詳細には、コイル接続部91a〜91fは、本体部内側面62bのうち円弧部68aの内側面から径方向内側に突出している。図2に示すコイル接続部91cは、図示しない接続部材を介して、ステータ40のコイル43と電気的に接続されている。これにより、バスバー91とステータ40とが、電気的に接続される。上記の点においてコイル接続部91a,91b,91d〜91fの構成は、コイル接続部91cの構成と同様である。
【0070】
(配線部材)
配線部材92は、バスバーホルダ61に、部分的に埋設されて保持されている。配線部材92は、図示しない外部電源と回路基板71とを電気的に接続する。配線部材92は、複数設けられている。言い換えると、バスバーアッシー60は、複数の配線部材92を有している。配線部材92は、外部電源接続端子94と、回路基板接続端子95と、を有する。外部電源接続端子94及び回路基板接続端子95は、バスバーホルダ61から露出している。
【0071】
外部電源接続端子94は、コネクタ部63に設けられている。外部電源接続端子94は、コネクタ部63の電源用開口部63aの底面から突出して設けられている。外部電源接続端子94は、図示しない外部電源と電気的に接続される。
【0072】
回路基板接続端子95は、図2に示すように、接続端子保持部64の径方向内側の保持部内側面64aから突出している。回路基板接続端子95は、第1接続部95aと、第1延伸部95bと、第2接続部95cと、第2延伸部95dと、接触部95eと、を有する。
【0073】
第1接続部95aは、接続端子保持部64の保持部内側面64aから径方向内側に突出している。すなわち、第1接続部95aは、本体部62の本体部内側面62bに設けられた接続端子保持部64から径方向内側に延びている。第1接続部95aは、回路基板71よりも径方向外側に位置している。
【0074】
第1延伸部95bは、第1接続部95aからリア側(+Z側)に延びている。より詳細には、第1延伸部95bは、第1接続部95aの径方向内側の端部からリア側に延びている。第1延伸部95bは、回路基板71のリア側まで延びている。すなわち、第1延伸部95bのリア側の端部は、回路基板71の回路基板リア面71aよりもリア側に位置している。
【0075】
第2接続部95cは、第1延伸部95bから径方向に延びている。本実施形態において第2接続部95cは、第1延伸部95bから径方向内側に延びている。より詳細には、第2接続部95cは、第1延伸部95bのリア側(+Z側)の端部から径方向内側に延びている。
【0076】
第2延伸部95dは、第2接続部95cから軸方向(Z軸方向)に延びている。本実施形態において第2延伸部95dは、第2接続部95cからフロント側(−Z側)に延びている。より詳細には、第2延伸部95dは、第2接続部95cの径方向内側の端部からフロント側に延びている。第2延伸部95dのフロント側の端部は、第1延伸部95bのフロント側の端部よりもリア側(+Z側)に位置している。第2延伸部95dは、接触部95eと連結されている。
【0077】
接触部95eは、第2延伸部95dのフロント側(−Z側)の端部から径方向内側に延びている。接触部95eは、回路基板接続端子95の径方向内側の端部に設けられている。接触部95eは、フロント側に、回路基板71のリア側(+Z側)の回路基板リア面71aと平行な接触面95fを有する板状である。
【0078】
接触面95fは、回路基板リア面71aと接触している。図示は省略するが、接触部95eは、例えば、半田付けによって回路基板71と固定されている。これにより、接触部95eは回路基板71と接続される。すなわち、回路基板接続端子95は、回路基板71と電気的に接続される。結果として、配線部材92は、回路基板71と電気的に接続される。
【0079】
図3に示すように、複数の配線部材92における回路基板接続端子95の接触部95eは、回路基板71のリア側(+Z側)の回路基板リア面71a内で、所定方向に並んで設けられている。本実施形態において接触部95eは、例えば、区分線方向(Y軸方向)に沿って並んでいる。
【0080】
回路基板接続端子95は、接触部95eを介して回路基板71にリア側(+Z側)からフロント側(−Z側)へ力を加えている。すなわち、回路基板71を取り外した状態において、接触部95eにおける接触面95fの軸方向(Z軸方向)の位置は、回路基板71の回路基板リア面71aよりもフロント側となる。
【0081】
回路基板接続端子95が回路基板71に接続された状態においては、例えば、回路基板接続端子95は、軸方向(Z軸方向)に弾性変形している。一例として、回路基板接続端子95の第1延伸部95bは、軸方向に伸びて、軸方向の寸法が大きくなっている。回路基板接続端子95の第2延伸部95dは、軸方向に縮んで、軸方向の寸法が小さくなっている。
【0082】
本実施形態においては、図5に示すように、回路基板接続端子95とバスバー91のコイル接続部91a〜91fとは、中心軸Jの周方向(θ方向)において、異なる位置に配置されている。
【0083】
[フロント側Oリング及びリア側Oリング]
フロント側Oリング81は、図1に示すように、ハウジング21の内側に設けられている。フロント側Oリング81は、バスバーホルダ61のOリング保持部62eに保持されている。フロント側Oリング81は、ハウジング21の内側面と、本体部62の外側面とに一周に亘り接触している。すなわち、フロント側Oリング81は、一周に亘り本体部62とハウジング21とに接触する。フロント側Oリング81は、バスバーアッシー挿入部21aの内側面から応力を受けている。
【0084】
リア側Oリング82は、カバー22の内側に設けられている。リア側Oリング82は、本体部62の溝部62fに嵌め込まれている。リア側Oリング82の全周は、後述するカバー22の蓋部22bのフロント側(−Z側)のカバーフロント面22cと接触している。リア側Oリング82は、蓋部22bのフロント側(−Z側)のカバーフロント面22cから応力を受けている。
【0085】
フロント側Oリング81及びリア側Oリング82の構成は、特に限定されず、いかなる公知のOリングを用いてもよい。本実施形態においては、フロント側Oリング81及びリア側Oリング82は、例えば、丸断面を有する細長いシリコンゴムをリング状に加工して製造されている。
【0086】
[カバー]
カバー22は、ハウジング21のリア側(+Z側)に取り付けられている。カバー22の材質は、例えば、金属である。カバー22は、筒状部22aと、蓋部22bと、リア側フランジ部24と、を有する。
【0087】
筒状部22aは、フロント側(−Z側)に開口する。筒状部22aは、バスバーアッシー60、より詳細にはバスバーホルダ61の本体部62のリア側(+Z側)の端部を中心軸Jの径方向外側から囲む。筒状部22aは、フロント側フランジ部23及びリア側フランジ部24を介して、ハウジング21におけるバスバーアッシー挿入部21aのリア側(+Z側)の端部と連結されている。
【0088】
蓋部22bは、筒状部22aのリア側(+Z側)の端部に接続されている。本実施形態において蓋部22bは、平板状である。蓋部22bは、本体部62のリア側(+Z側)の開口部62aを閉塞している。すなわち、カバー22は、開口部62aのリア側を覆っている。蓋部22bのフロント側(−Z側)のカバーフロント面22cは、リア側Oリング82の全周と接触している。これにより、カバー22は、本体部62の開口部62aの周囲の一周に亘って、本体部62のリア側の本体部リア面62cと、リア側Oリング82を介して間接的に接触している。
【0089】
リア側フランジ部24は、筒状部22aのフロント側(−Z側)の端部から径方向外側に拡がる。
ハウジング21とカバー22とは、フロント側フランジ部23とリア側フランジ部24とが重ね合わされて接合されている。
【0090】
モータ10には、コネクタ部63を介して、外部電源が接続される。接続された外部電源は、コネクタ部63が有する電源用開口部63aの底面から突出するバスバー91及び配線部材92と電気的に接続される。これにより、バスバー91及び配線部材92を介して、ステータ40のコイル43及び回転センサ72に駆動電流が供給される。コイル43に供給される駆動電流は、例えば、回転センサ72によって計測されるロータ30の回転位置に応じて制御される。コイル43に駆動電流が供給されると、磁場が発生し、この磁場によってシャフト31を有するロータ30が回転する。このようにして、モータ10は、回転駆動力を得る。
【0091】
本実施形態によれば、回路基板接続端子95は、接触部95eを介して、回路基板71にリア側からフロント側へと力を加えている。そのため、回路基板接続端子95と回路基板71とを強固に固定することができる。また、回路基板71の回路基板リア面71aの厚み、すなわち、軸方向の寸法にばらつきがある場合であっても、回路基板71と回路基板接続端子95とが接触しないことを抑制できる。
【0092】
また、本実施形態によれば、第1の回路基板支持部67a,67bが底部61aの第1の領域AR1に設けられている。そのため、回路基板71を、回路基板71と回路基板接続端子95との接続箇所、すなわち、接触部95eの近くにおいて支持できる。これにより、モータ10が衝撃を受けた際に、回路基板71における接触部95eが接続される箇所において、回路基板71の変位量を小さくできる。したがって、回路基板71と接触部95eとを接続する部分、例えば、半田付けされた部分が損傷することを抑制でき、回路基板71と回路基板接続端子95との接続が不安定になることを抑制できる。
【0093】
また、本実施形態によれば、軸方向に視た際に、第1の回路基板支持部67a,67bは、接触部95eと異なる位置に設けられている。そのため、接触部95eが回路基板71と接続される際に、例えば半田付け等による熱が第1の回路基板支持部67a,67bに伝わりにくい。したがって、第1の回路基板支持部67a,67bが熱によって変形することを抑制できる。その結果、本実施形態によれば、第1の回路基板支持部67a,67bによって回路基板71を安定して支持できる。
【0094】
また、本実施形態によれば、第2の回路基板支持部67cが、底部61aの第2の領域AR2に設けられている。これにより、第1の回路基板支持部67a,67bと第2の回路基板支持部67cとによって、回路基板71を、中心軸Jを基準とした第1の領域AR1と第2の領域AR2とにおいて支持することができる。したがって、本実施形態によれば、回路基板71をより安定して支持できる。
【0095】
また、本実施形態によれば、第1の回路基板支持部67a,67bは、径方向において、シャフト31と接触部95eとの間に配置されている。そのため、回路基板71を、第1の回路基板支持部67a,67bと接触部95eとの間から、接触部95eのフロント側に差し込みやすい。これにより、本実施形態によれば、回路基板71を取り付けやすい。
【0096】
また、回路基板71が接触部95eを介してフロント側に力を受けると、第1の回路基板支持部67a,67bを支点として、回路基板71に回転モーメントが生じる。これにより、回路基板71の姿勢が不安定になる虞があった。
【0097】
これに対して、本実施形態によれば、回路基板71をリア側から支持する第2の突起部69c,69dが、第2の領域AR2に設けられている。そして、第1の回路基板支持部67a,67bは、シャフト31と接触部95eとの間に配置されている。そのため、第2の突起部69c,69dによって、第1の回路基板支持部67a,67bを支点として、回路基板71に接触部95eによる回転モーメントと逆向きの回転モーメントが生じる。したがって、本実施形態によれば、回路基板71を安定して支持できる。
【0098】
また、本実施形態によれば、第2の突起部69c,69dは、回路基板71の回路基板リア面71aに溶着されているため、回路基板71をより強固に固定できる。
【0099】
また、本実施形態によれば、回路基板接続端子95は、リア側に延びる第1延伸部95bを有している。そのため、第1延伸部95bが軸方向に弾性変形することで、回路基板71に対して、リア側からフロント側へ力を加えることができる。
【0100】
また、本実施形態によれば、回路基板接続端子95は、リア側に延びる第2延伸部95dを有している。そのため、回路基板接続端子95が軸方向に弾性変形しやすい。これにより、回路基板71の厚みに寸法誤差が生じた場合であっても、リア側からフロント側へと、回路基板71に過度に力が加えられることを抑制できる。
【0101】
また、本実施形態によれば、第1延伸部95bは、回路基板71のリア側まで延びている。第2接続部95cは、第1延伸部95bから径方向内側に延びている。第2延伸部95dは、第2接続部95cからフロント側に延び、接触部95eと接続されている。そのため、回路基板接続端子95を回路基板71の回路基板リア面71aに接続しやすい。
【0102】
また、本実施形態によれば、第2延伸部95dのフロント側の端部は、第1延伸部95bのフロント側の端部よりもリア側に位置する。そのため、回路基板接続端子95が接続端子保持部64に保持される位置よりもリア側に、回路基板71を配置できる。これにより、本実施形態によれば、回路基板71を設置しやすく、回路基板71に回路基板接続端子95を接続しやすい。また、回路基板接続端子95によって、回路基板71にリア側からフロント側へと力を加えやすい。
【0103】
また、本実施形態によれば、回路基板接続端子95は、板状の接触部95eを有し、接触部95eの接触面95fが回路基板71の回路基板リア面71aと接触している。そのため、本実施形態によれば、回路基板接続端子95と回路基板71との接触面積を大きくでき、回路基板接続端子95と回路基板71とを安定して固定することができる。
【0104】
また、本実施形態によれば、第1の回路基板支持部67a,67bは、回路基板接続端子95の接触部95eが並ぶ方向に沿って延びている。すなわち、第1の回路基板支持部67a,67bは、回路基板71において接触部95eを介して回路基板接続端子95から力を受ける部分が並ぶ方向に沿って延びている。そのため、本実施形態によれば、第1の回路基板支持部67a,67bによって、回路基板71をより安定して支持できる。
【0105】
また、本実施形態によれば、2つの第1の回路基板支持部67a,67bが設けられている。第1の回路基板支持部67aの一部は、複数の接触部95eの区分線方向の一方側(−Y側)に位置している。第1の回路基板支持部67bの一部は、複数の接触部95eの区分線方向の他方側(+Y側)に位置している。そのため、2つの第1の回路基板支持部67a,67bによって、回路基板71を安定して支持できる。また、第1の回路基板支持部67aと第1の回路基板支持部67bとを、区分線方向に離して設けることができるため、センサマグネット73bが配置される空間を大きくできる。これにより、例えば、回転センサ72としてホール素子を用いる場合等、センサマグネット73bが大きくなりやすい場合であっても、センサマグネット73bを配置しやすい。
【0106】
また、本実施形態によれば、軸方向に視た際に、第1の突起部69a,69bは、周方向において、コイル接続部91a〜91fの少なくとも一部と重なる。すなわち、回路基板71が溶着される部分の径方向位置をより外側にできる。これにより、プリント配線が設けられる回路基板71の主面の面積を大きくできる。また、回路基板71を配置する際に、回路基板71の切り欠きに第1の突起部69a,69bを嵌めやすい。
【0107】
なお、本実施形態においては、以下の構成を採用することもできる。
【0108】
本実施形態においては、第1の回路基板支持部67aの全体が、区分線方向において、複数の接触部95eの一方側(−Y側)に位置していてもよい。
また、本実施形態においては、第1の回路基板支持部67bの全体が、区分線方向において、複数の接触部95eの他方側(+Y側)に位置していてもよい。
すなわち、本実施形態においては、一方の第1の回路基板支持部67aの少なくとも一部は、区分線方向において、複数の接触部95eの一方側に位置し、他方の第1の回路基板支持部67bの少なくとも一部は、区分線方向において、複数の接触部95eの他方側に位置する構成を採用できる。
【0109】
また、本実施形態においては、図6に示すように、第1の回路基板支持部は、1つのみ設けられていてもよい。
図6は、本実施形態の他の一例であるバスバーアッシー160を示す平面図である。
なお、以下の説明においては、上記と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
【0110】
バスバーアッシー160は、図6に示すように、バスバーホルダ161を有する。バスバーホルダ161は、1つの第1の回路基板支持部167と、第2の回路基板支持部67cと、2つの第1の突起部69a,69bと、第2の突起部69c,69dと、バスバーホルダ凸状部69e,69fと、を有する。
【0111】
第1の回路基板支持部167は、区分線方向(Y軸方向)に延びている。第1の回路基板支持部167は、例えば、図3及び図5において示した第1の回路基板支持部67aと第1の回路基板支持部67bとを区分線方向に繋げた形状である。
第1の回路基板支持部167のその他の構成は、第1の回路基板支持部67a,67bの構成と同様である。
【0112】
この構成によれば、回路基板71をより安定して支持できる。また、このような構成を採用する場合には、回転センサ72として、センサマグネット73bを比較的小さくできる磁気抵抗素子を採用しやすく、回転センサ72の分解能を向上できる。
【0113】
また、本実施形態においては、第1の回路基板支持部67aと第1の回路基板支持部67bとが、コネクタ部63が突出する方向(X軸方向)において、異なる位置に設けられていてもよい。
【0114】
また、本実施形態においては、第1の回路基板支持部67a,67bは、第1の領域AR1のいずれの位置に設けられていてもよい。本実施形態においては、例えば、図7に示すように、第1の回路基板支持部は、接続端子保持部64の保持部リア面64bに設けられていてもよい。
【0115】
図7は、本実施形態の他の一例であるバスバーアッシー260を示す平面図である。
なお、以下の説明においては、上記と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
【0116】
バスバーアッシー260は、図7に示すように、バスバーホルダ261を有する。バスバーホルダ261は、1つの第1の回路基板支持部267と、第2の回路基板支持部67cと、2つの第1の突起部69a,69bと、第2の突起部69c,69dと、バスバーホルダ凸状部69e,69fと、を有する。
【0117】
第1の回路基板支持部267は、接続端子保持部64の保持部リア面64bに設けられている。第1の回路基板支持部267は、区分線方向(Y軸方向)に延びている。第1の回路基板支持部267のその他の構成は、図3及び図5等において示した第1の回路基板支持部67a,67bの構成と同様である。
【0118】
なお、図7の例では、第1の回路基板支持部267は1つのみ設けられている構成としたが、これに限られない。この構成においては、第1の回路基板支持部が複数設けられていてもよい。
【0119】
また、本実施形態においては、第2の回路基板支持部67cは、2つ以上設けられていてもよい。
また、本実施形態においては、第2の回路基板支持部67cは、設けられていなくてもよい。
【0120】
また、本実施形態においては、第2の突起部69c,69dは、いずれか一方のみ設けられていてもよいし、両方とも設けられていなくてもよい。第1の突起部69a,69bについても同様である。
【0121】
また、本実施形態においては、第2の突起部69c,69dは、回路基板71に溶着されていなくてもよい。第1の突起部69a,69bについても同様である。
【0122】
また、上記説明においては、回路基板71はシャフト31のリア側に設けられる構成としたが、これに限られない。本実施形態においては、回路基板71に設けられた貫通孔にシャフト31が挿入され、シャフト31のリア側の端部が回路基板71のリア側に突出する構成であってもよい。
【0123】
また、本実施形態においては、回路基板接続端子95は、回路基板71にリア側からフロント側へ力を加えられる範囲において、どのような構成であってもよい。一例として、図8に示す構成を採用することもできる。
図8は、本実施形態の他の一例であるモータ310の部分を示す部分断面図である。
なお、以下の説明においては、上記と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
【0124】
モータ310は、図8に示すように、バスバーアッシー360を有する。バスバーアッシー360は、配線部材392を有する。配線部材392は、回路基板接続端子395を有する。回路基板接続端子395は、第1接続部395aと、第1延伸部395bと、接触部395cと、を有する。回路基板接続端子395は、図2において示した回路基板接続端子95に対して、接続部、及び延伸部がそれぞれ1つずつのみ設けられている点において異なる。
【0125】
第1接続部395aは、接続端子保持部64の保持部内側面64aから径方向内側に突出している。第1接続部395aは、回路基板71よりも径方向外側に位置している。
第1延伸部395bは、第1接続部395aからリア側(+Z側)に延びている。より詳細には、第1延伸部395bは、第1接続部395aの径方向内側の端部からリア側に延びている。
【0126】
接触部395cは、第1延伸部395bのリア側(+Z側)の端部から径方向内側に延びている。接触部395cは、回路基板接続端子395の径方向内側の端部に設けられている。接触部395cは、フロント側(−Z側)に、回路基板71のリア側の回路基板リア面71aと平行な接触面395dを有する板状である。接触面395dは、図2において示した接触面95fと同様である。
【0127】
接触部395cのその他の構成は、図2において示した接触部95eと同様である。
モータ310のその他の構成は、図1等において示したモータ10の構成と同様である。
【0128】
この構成によれば、回路基板接続端子395は、接続部、及び延伸部をそれぞれ1つずつのみ有しているため、回路基板接続端子95に比べて形状が簡単である。したがって、この構成によれば、回路基板接続端子395を製造することが容易である。
【0129】
また、本実施形態のおいては、回転センサ72とセンサマグネット73bとの位置精度を高めるための構造を回路基板71に設けてもよい。
図9は、本実施形態の他の一例であるモータを示す部分拡大断面図である。
なお、以下の説明においては、上記と同様の構成については、適宜同一の符号を付す等により、説明を省略する場合がある。
【0130】
例えば、モータ410は、回路基板471を有する。回路基板471は、回路基板孔471cを有する。回路基板孔471cは、回路基板471において、複数の回路センサ72の中央に設けられている。
【0131】
また、モータ410は、シャフト431を有する。シャフト431は、リア側(+Z側)の端部にセンター孔431Aを有する。センター孔431Aは、シャフト431のリア側(+Z側)の端部から、フロント側(−Z側)に向かって窪む凹みである。
【0132】
この構成によれば、回路基板471とシャフト431との位置決めが容易となり、回路基板471に取り付けられた回転センサ72と、シャフト431にシャフト431と回転可能に配置されたセンサマグネット73bと、の位置精度が向上させることが容易となる。具体的には、本実施形態において、回路基板471と第1の突起部69a,69b、第2の突起部69c,69dとが溶着されるまでは、回路基板471が動いてしまう虞がある。その際に、ある程度の位置決めを行い、かつ基板が動かないようにするために、例えば図3のようにバスバーホルダ凸状部69e、69fを設け、回路基板71に設けられた孔部に挿入している。しかし、図9に示す構成によれば、回路基板471を、直接シャフト431と位置決めすることが可能となり、これにより、回転センサ72とセンサマグネット73bとの位置決め精度を向上することができる。より詳細に説明すると、図3の実施形態では、回路基板71は、バスバーホルダ61によって位置決めされているため、センサマグネット73bとの間には、複数の部品を有している。一方、図9の実施形態では、回路基板471はシャフト431に保持されているため、センサマグネット73bとの間には、センサマグネット保持部材73aのみを有している。よって、図9の実施形態の方が、製造する際に発生する寸法誤差が重なる虞が小さく、位置精度が高くなる。また、図9の実施形態においては、一般的に棒状の部材を加工する際に設けるセンター孔を利用しているため、特別な加工はシャフト側には必要なく、従来の構造を利用することができる。
【0133】
また、図9に示す実施形態においては、回路基板孔471cの内径は、センター孔431Aの内径と略等しい。この構成によれば、回路基板孔471cとセンター孔431Aとに、回路基板孔471cおよびセンター孔431Aと外径が略等しい冶具を挿入することで、精度の高い位置決めを行うことができる。これにより、回転センサ72とセンサマグネット73bとの位置精度が向上し、回転センサの位置検出精度が向上する。
【0134】
また、回転センサ72とセンサマグネット73bとの位置精度を高めるための構造は、上述した構造に限定されない。例えば、上述した構造は、ホールセンサのように複数の回転センサ72が回路基板上において円形に配置される際に有効な例である。例えば、MRセンサーのような、回転センサ73bを回路基板上の中心軸と交わる部分に配置する場合のおいては、例えばシャフトの外形を利用する形態や、ベアリングを利用する形態が考えられる。
【0135】
また、上記説明した各構成は、相互に矛盾しない範囲内において、適宜組み合わせることができる。
【符号の説明】
【0136】
10,110,310…モータ、21…ハウジング、22…カバー、30…ロータ、31…シャフト、40…ステータ、51…フロントベアリング(第1の軸受)、52…リアベアリング(第2の軸受)、60,160,260,360…バスバーアッシー、61,161,261…バスバーホルダ、61a…底部、62…本体部、62a…開口部、62b…本体部内側面(内側面)、63…コネクタ部、64…接続端子保持部、67a,67b,167,267…第1の回路基板支持部、67c…第2の回路基板支持部、69c,69d…第2の突起部(第3の回路基板支持部)、71…回路基板、91…バスバー、92,392…配線部材、94…外部電源接続端子、95,395…回路基板接続端子、95a,395a…第1接続部、95b,395b…第1延伸部、95c…第2接続部、95d…第2延伸部、95e,395c…接触部、95f,395d…接触面、J…中心軸
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9