特許第6569622号(P6569622)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569622
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】乗物用シート
(51)【国際特許分類】
   B60N 2/56 20060101AFI20190826BHJP
   A47C 7/74 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   B60N2/56
   A47C7/74 C
【請求項の数】11
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-154332(P2016-154332)
(22)【出願日】2016年8月5日
(65)【公開番号】特開2018-20714(P2018-20714A)
(43)【公開日】2018年2月8日
【審査請求日】2018年3月29日
(73)【特許権者】
【識別番号】000220066
【氏名又は名称】テイ・エス テック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116034
【弁理士】
【氏名又は名称】小川 啓輔
(74)【代理人】
【識別番号】100144624
【弁理士】
【氏名又は名称】稲垣 達也
(74)【代理人】
【識別番号】100195224
【弁理士】
【氏名又は名称】松井 宏憲
(72)【発明者】
【氏名】星 祐一郎
(72)【発明者】
【氏名】小林 和樹
【審査官】 渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】 特開2015−089682(JP,A)
【文献】 特許第2580658(JP,B2)
【文献】 特開平01−232200(JP,A)
【文献】 特開2015−023615(JP,A)
【文献】 特開2009−150433(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/156218(WO,A1)
【文献】 特開2010−096312(JP,A)
【文献】 特開2012−092899(JP,A)
【文献】 特開2001−270392(JP,A)
【文献】 特開2011−131788(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0069811(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60N 2/00− 2/90
A47C 7/00− 7/74
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通気路を有するシートクッションと、
第2通気路を有するシートバックと、
送風装置と、
前記シートクッションの後部から前記シートバックが配置された上方に向けて延びる部分を有し、前記第1通気路および前記第2通気路を前記送風装置と連通させるダクトと、
前記シートクッションおよび前記シートバックの骨格を構成するシートフレームと、を備え、
前記シートフレームは、前記シートクッションの骨格を構成するシートクッションフレームと、前記シートバックの骨格を構成するシートバックフレームとを備え、
前記シートクッションフレームは、左右一対のクッションサイドフレームと、前記左右一対のクッションサイドフレームの後部同士を連結する連結パイプとを有し、
前記シートバックフレームは、左右一対のバックサイドフレームと、前記左右一対のバックサイドフレームの下部同士を連結するロアフレームとを有し、
前記ダクトは、前記シートクッションと前記シートバックとの間で架け渡されるように配置された接続管部を有し、
前記接続管部の少なくとも一部を覆うとともに、前記シートフレームに固定されていることで前記接続管部の位置を規制するカバー部材をさらに備え
前記カバー部材は、前記ロアフレームに固定され、前記ロアフレームの後方の位置から前記連結パイプの後方の位置まで延びていることを特徴とする乗物用シート。
【請求項2】
前記カバー部材の上端は、前記ロアフレームの上端よりも下に配置されていることを特徴とする請求項1に記載の乗物用シート。
【請求項3】
前記カバー部材の下端は、前記連結パイプの下端よりも下に配置されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の乗物用シート。
【請求項4】
前記接続管部は、可撓性を有するフレキシブル部を有し、
前記カバー部材は、前記フレキシブル部の少なくとも一部を覆うように設けられていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項5】
前記カバー部材は、前記接続管部が配置された内側に向けて突出して前記接続管部に当接する凸部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項6】
前記凸部は、前記接続管部の左右両側で前記接続管部を挟むように設けられていることを特徴とする請求項に記載の乗物用シート。
【請求項7】
前記接続管部は、山部と谷部が交互に形成された蛇腹部を有し、
前記凸部は、前記蛇腹部の谷部に入り込むように設けられていることを特徴とする請求項に記載の乗物用シート。
【請求項8】
前記カバー部材および前記接続管部の一方は、前記接続管部の左右両側で他方に向けて突出する凸部を有し、
前記カバー部材および前記接続管部の他方は、前記凸部が係合する凹部を有することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項9】
前記凹部は、前記ダクトが延びる方向に沿って延びる溝状であることを特徴とする請求項に記載の乗物用シート。
【請求項10】
前記カバー部材は、前記シートフレームとの間で前記接続管部を挟むように配置される第1壁と、前記第1壁の左右両端から前記シートフレームに向けて延びる一対の第2壁とを有することを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【請求項11】
前記カバー部材は、前記接続管部よりも硬い材料から形成されていることを特徴とする請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の乗物用シート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、送風装置を備える乗物用シートに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、吹出口と通気路が形成されたシートクッションおよびシートバックと、シートクッションの底面に取り付けられた送風装置と、送風装置とシートバックの通気路とを連通させるダクトとを備え、送風装置が、空調空気を通気路やダクトを介して吹出口へ送るように構成された車両シートが知られている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−023477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の構成では、ダクトが、シートクッションの後方において露出した状態で配置されていたため、例えば、後席の乗員の足などがダクトに当たってしまうおそれがあった。また、ダクトは、一端が送風装置の吐出口に挿入され、他端がシートバックの通気路に挿入されることで車両シートに保持されていたため、車両シートに保持されていないダクトの中間部分が動いてしまうおそれもあった。
【0005】
そこで、本発明は、ダクトを保護することができるとともに、ダクトの動きを抑制することができる乗物用シートを提供することを目的とする。
また、本発明は、シートクッションやシートバックを良好に動かすことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記した目的を達成するため、本発明の乗物用シートは、第1通気路を有するシートクッションと、第2通気路を有するシートバックと、送風装置と、前記第1通気路および前記第2通気路を前記送風装置と連通させるダクトと、前記シートクッションおよび前記シートバックの骨格を構成するシートフレームと、を備え、前記ダクトは、前記シートクッションと前記シートバックとの間で架け渡されるように配置された接続管部を有し、乗物用シートは、前記接続管部の少なくとも一部を覆うとともに、前記シートフレームに固定されていることで前記接続管部の位置を規制するカバー部材をさらに備えることを特徴とする。
【0007】
このような構成によれば、ダクトの接続管部を覆うカバー部材を備えるので、カバー部材によってダクトを保護することができる。また、カバー部材は、シートフレームに固定されていることで接続管部の位置を規制するので、カバー部材によってダクトの動きを抑制することができる。
【0008】
前記した乗物用シートにおいて、前記接続管部は、可撓性を有するフレキシブル部を有し、前記カバー部材は、前記フレキシブル部の少なくとも一部を覆うように設けられている構成とすることができる。
【0009】
これによれば、フレキシブル部は、後席の乗員の足などが当たった場合に他の部分よりも損傷しやすく、動きやすいので、カバー部材がフレキシブル部を覆うように設けられていることで、ダクトの保護とダクトの動きの抑制を効果的に行うことができる。
【0010】
前記した乗物用シートにおいて、前記カバー部材は、前記接続管部が配置された内側に向けて突出して前記接続管部に当接する凸部を有する構成とすることができる。
【0011】
これによれば、凸部と接続管部との当接によってダクトの動きをより抑制することができる。
【0012】
前記した乗物用シートにおいて、前記凸部は、前記接続管部の左右両側で前記接続管部を挟むように設けられている構成とすることができる。
【0013】
これによれば、接続管部の左右両側に設けられた凸部によりダクトの左右への動きを効果的に抑制することができる。
【0014】
前記した乗物用シートにおいて、前記接続管部は、山部と谷部が交互に形成された蛇腹部を有し、前記凸部は、前記蛇腹部の谷部に入り込むように設けられている構成とすることができる。
【0015】
これによれば、ダクトの左右への動きを抑制しつつ、凸部が蛇腹部の谷部に入り込んでいることで、ダクトの山部(谷部)が並ぶ方向への動きも抑制することができる。これにより、ダクトの動きを一層抑制することができる。
【0016】
また、前記した乗物用シートにおいて、前記カバー部材および前記接続管部の一方は、前記接続管部の左右両側で他方に向けて突出する凸部を有し、前記カバー部材および前記接続管部の他方は、前記凸部が係合する凹部を有する構成とすることができる。
【0017】
これによれば、凸部と凹部との係合によってダクトの動きをより抑制することができる。
【0018】
前記した乗物用シートにおいて、前記凹部は、前記ダクトが延びる方向に沿って延びる溝状である構成とすることができる。
【0019】
これによれば、凹部が延びる方向についてはダクトとカバー部材が相対移動可能となるので、シートクッションおよびシートバックの一方が他方に対して移動可能な構成において、シートクッションやシートバックを良好に動かすことができる。
【0020】
前記した乗物用シートにおいて、前記カバー部材は、前記シートフレームとの間で前記接続管部を挟むように配置される第1壁と、前記第1壁の左右両端から前記シートフレームに向けて延びる一対の第2壁とを有する構成とすることができる。
【0021】
これによれば、カバー部材を簡易な構成としつつ、ダクトの保護とダクトの動きの抑制を両立させることができる。
【0022】
前記した乗物用シートにおいて、前記カバー部材は、前記接続管部よりも硬い材料から形成されている構成とすることができる。
【0023】
これによれば、カバー部材によってダクトを良好に保護することができる。
【発明の効果】
【0024】
本発明によれば、カバー部材によってダクトを保護することができるとともに、ダクトの動きを抑制することができる。
【0025】
また、本発明によれば、カバー部材をダクトのフレキシブル部を覆うように設けることで、ダクトの保護とダクトの動きの抑制を効果的に行うことができる。
【0026】
また、本発明によれば、カバー部材に凸部を設けることで、凸部と接続管部との当接によってダクトの動きをより抑制することができる。
【0027】
また、本発明によれば、凸部を接続管部の左右両側で接続管部を挟むように設けることで、ダクトの左右への動きを効果的に抑制することができる。
【0028】
また、本発明によれば、凸部を接続管部の蛇腹部の谷部に入り込むように設けることで、ダクトの動きを一層抑制することができる。
【0029】
また、本発明によれば、カバー部材および接続管部の一方が凸部を有し、他方が凹部を有する構成とすることで、凸部と凹部との係合によってダクトの動きをより抑制することができる。
【0030】
また、本発明によれば、凹部をダクトが延びる方向に沿って延びる溝状とすることで、シートクッションやシートバックを良好に動かすことができる。
【0031】
また、本発明によれば、カバー部材を第1壁と一対の第2壁とを有する構成とすることで、カバー部材を簡易な構成としつつ、ダクトの保護とダクトの動きの抑制を両立させることができる。
【0032】
また、本発明によれば、カバー部材を接続管部よりも硬い材料から形成することで、カバー部材によってダクトを良好に保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
図1】実施形態に係る乗物用シートとしての車両用シートの斜視図である。
図2】車両用シートの概略構成を示す断面図である。
図3】シートフレームとダクトの斜視図である。
図4】パンフレーム、ブラケット、送風装置およびダクト前端部の斜視図である。
図5】ブラケット、第1クリップおよび第2クリップを下から見た斜視図である。
図6】第1クリップの斜視図(a)と断面図(b)である。
図7】第2クリップの斜視図(a)と正面図(b)である。
図8】パンフレームを下から見た図である。
図9】第1クリップの係合部を係合穴に係合する様子を示す図(a),(b)と、第2クリップの係合部を係合穴に係合する様子を示す図(c),(d)である。
図10】シートフレーム、ダクトおよびカバー部材を左から見た図である。
図11】シートフレーム、ダクトおよびカバー部材を後から見た斜視図である。
図12】ロアフレーム、ダクトおよびカバー部材を上から見た図(a)と、図(a)のX−X断面図(b)である。
図13】シートバックを後に倒した状態のシートフレーム、ダクトおよびカバー部材を左から見た図である。
図14】第1の変形例における送風装置の取付構造の断面図(a)と、送風装置とブラケットを下から見た図(b)である。
図15】第2の変形例における送風装置の取付構造の断面図(a),(b)である。
図16】第3の変形例における送風装置の取付構造の断面図(a)と、第4の変形例における送風装置の取付構造の断面図(b)である。
図17】第5の変形例におけるダクトとカバー部材の断面図(a)と、第6の変形例におけるダクトとカバー部材の断面図(b)である。
図18】第7の変形例におけるダクトとカバー部材の斜視図である。
図19】第8の変形例におけるダクトとカバー部材の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、添付の図面を参照しながら、発明の一実施形態について説明する。なお、本明細書において、前後、左右、上下は、乗物用シートに座った者から見た前後、左右、上下を基準とする。
図1に示すように、本実施形態の乗物用シートは、自動車に搭載される車両用シートSとして構成されており、シートクッションS1と、シートバックS2とを備えている。
【0035】
シートクッションS1は、クッションパッドP1を有し、シートバックS2は、バックパッドP2を有している。図2に示すように、クッションパッドP1には、上面に複数の第1通気穴H1が形成され、内部に第1通気穴H1に連通する第1通気路A1が形成されている。また、バックパッドP2には、前面に複数の第2通気穴H2が形成され、内部に第2通気穴H2に連通する第2通気路A2が形成されている。
【0036】
車両用シートSは、クッションパッドP1の下に配置された送風装置30と、当該送風装置30と通気路A1,A2を連通させるダクト40とをさらに備えている。図2に矢印で示すように、車両用シートSは、送風装置30から送風された空気が、ダクト40および通気路A1,A2を通って、通気穴H1,H2から車両用シートSに座った乗員に向けて吹き出されるように構成されている。
【0037】
車両用シートSの内部には、図3に示すようなシートフレームFが内蔵されている。シートフレームFは、シートクッションS1の骨格を構成するシートクッションフレームF1と、シートバックS2の骨格を構成するシートバックフレームF2とを備えている。シートクッションS1は、シートクッションフレームF1に、クッションパッドP1と、通気性を有する表皮材を被せることで構成されており、シートバックS2は、シートバックフレームF2に、バックパッドP2と、通気性を有する表皮材を被せることで構成されている。
【0038】
シートクッションフレームF1は、左右一対のサイドフレームとしてのクッションサイドフレーム11と、板状部としてのパンフレーム12と、連結パイプ13とを有している。
クッションサイドフレーム11は、シートクッションS1の左右のフレームを構成する板状の部材であり、左右に間隔をあけて離間した状態で配置されている。
パンフレーム12は、左右のクッションサイドフレーム11の前部同士を連結する部材であり、金属板を板金加工することにより形成されている。パンフレーム12は、左右の端部がクッションサイドフレーム11の前端部に溶接などにより接続されている。
連結パイプ13は、左右のクッションサイドフレーム11の後部同士を連結する部材である。
【0039】
シートバックフレームF2は、その下部がシートクッションフレームF1の後部にリクライニング機構RLを介して前後に回動可能に連結されており、左右一対の板金フレーム22と、パイプフレーム23と、ロアフレーム24とを有している。
板金フレーム22は、左右に間隔をあけて離間した状態で配置されている。
パイプフレーム23は、略上下に延びる左右のアッパーサイドフレーム23Aと、アッパーサイドフレーム23Aの上端同士を連結するアッパーフレーム23Bとを有している。左右のアッパーサイドフレーム23Aは、その下部が板金フレーム22の上部に溶接により接続されていることで、左右の板金フレーム22とともに一対のバックサイドフレーム21を構成している。
ロアフレーム24は、板金フレーム22の下部同士を連結する部材であり、金属板を板金加工することにより形成されている。ロアフレーム24は、左右の端部が板金フレーム22の後端の左右内側に延出した部分に溶接により接続されている。
【0040】
図4に示すように、送風装置30は、一例として、シロッコファンであり、筐体31と、羽根車32と、羽根車32を回転させるための図示しないモータとを備えている。
筐体31は、羽根車32やモータが収容される収容部34と、収容部34の左端部から後方に向けて延びる筒状の吹出部35と、略円形の収容部34から径方向外側に向けて延びる3つの取付部36〜38とを有している。収容部34の上面には、空気を吸い込むための吸込口30Aが形成されており、吹出部35の後端には、空気を吹き出すための吹出口30Bが形成されている。取付部36は、収容部34から右斜め前方に延出し、取付部37は、収容部34から略後方に延出し、取付部38は、収容部34から左斜め前方に延出するように設けられている。取付部36〜38には、タッピングネジ91が挿通される貫通穴(符号省略)が形成されている。
【0041】
送風装置30は、ブラケット50を介してパンフレーム12に取り付けられている。
ブラケット50は、送風装置30をパンフレーム12に取り付けるための部材である。さらに説明すると、ブラケット50は、送風装置30とパンフレーム12の間に介在する部材である。本発明において、ブラケットは、送風装置をパンフレームに固定するという用途以外の用途で設けてもよい。例えば、パンフレームに段差がある場合、送風装置の取付面を略平らにして段差を解消するためにブラケットを設けてもよい。また、送風装置とパンフレームの距離を確保するためにブラケットを設けてもよい。
【0042】
ブラケット50は、ポリプロピレンなどの樹脂から形成されており、ベース壁51と、ベース壁51の周縁部から下方に向けて延びる側壁52とを有している。また、ベース壁51は、送風装置30の吸込口30Aに対応した位置に形成された貫通穴53と、貫通穴53の前側の位置で上方に向けて突出する中空の凸部54と、3つの突出部56〜58(図5参照)とを有している。また、ブラケット50には、パンフレーム12が配置される上方に向けて突出する第1係合部110,210が設けられている。
【0043】
図5に示すように、突出部56〜58は、ベース壁51から送風装置30が配置される下方に向けて突出する部分である。突出部56は、送風装置30の取付部36に対応する位置に設けられ、突出部57は、取付部37に対応する位置に設けられ、突出部58は、取付部38に対応する位置に設けられている。また、突出部56,58は、凸部54の裏側に形成される凹部54Aを挟むように、突出部56が凹部54Aの右側に設けられ、突出部58が凹部54Aの左側に設けられている。また、突出部57は、貫通穴53の後側に設けられている。突出部56〜58には、タッピングネジ91(図4参照)が螺嵌するネジ穴56A,57A,58Aが形成されている。なお、ネジ穴56A〜58Aは、タッピングネジ91がねじ込まれる際にネジ溝が切られる穴であるが、予めネジ溝が形成された穴であってもよい。
【0044】
第1係合部110,210は、パンフレーム12に係合する部分である。本実施形態において、第1係合部110,210は、取付部材としての第1クリップ100および第2クリップ200がブラケット50に取り付けられていることで、ブラケット50に設けられている。
【0045】
図6(a),(b)に示すように、第1クリップ100は、第1係合部110と、第2係合部120と、フランジ部130とを有している。
第1係合部110は、フランジ部130から突出する第1係合部本体111と、第1係止部112と、第1弾性変形部113とを有している。
第1弾性変形部113は、フランジ部130の長手方向における第1係合部本体111の両端部に形成された2つのスリット孔111Aの間の部分であり、第1係合部110の内側に向けて弾性的に撓むように形成されている。
第1係止部112は、第1係合部110がパンフレーム12の第1係合穴12Aに係合した状態でパンフレーム12に係止される部分であり、第1弾性変形部113から第1係合部110の外側に向けて突出するように設けられている。
【0046】
第2係合部120は、ブラケット50に係合する部分であり、第1係合部110とは反対側(ブラケット50が配置される側)に向けて突出するように設けられている。第2係合部120は、第2係合部本体121と、ブラケット50の第2係合穴50Aに係合した状態でブラケット50に係止される第2係止部122と、2つのスリット孔121Aの間に設けられ、第2係合部120の内側に向けて弾性的に撓むように形成された第2弾性変形部123とを有している。本実施形態において、第2係合部120は、フランジ部130を挟んで第1係合部110と略対称に形成されている。
【0047】
図7(a),(b)に示すように、第2クリップ200は、第1係合部210と、第2係合部220と、フランジ部230とを有している。
第1係合部210は、フランジ部230から突出する第1係合部本体211と、第1係止部212と、第1弾性変形部213とを有している。
第1弾性変形部213は、第1係合部本体211の先端からフランジ部230の長手方向外側に向けて突出し、フランジ部230に向けて屈曲してフランジ部230につながるように延びる部分であり、第1係合部本体211を挟んで第1係合部本体211の両側に1つずつ設けられている。第1弾性変形部213は、第1係合部本体211に向けて弾性的に撓むように形成されている。
第1係止部212は、第1係合部210がパンフレーム12の第1係合穴12Bに係合した状態でパンフレーム12に係止される部分であり、第1弾性変形部213から第1係合部本体211とは反対側に向けて突出するように設けられている。
【0048】
第2係合部220は、ブラケット50に係合する部分であり、第1係合部210とは反対側(ブラケット50が配置される側)に向けて突出するように設けられている。第2係合部220は、第2係合部本体221と、ブラケット50の第2係合穴50Bに係合した状態でブラケット50に係止される第2係止部222と、第2係合部220の内側に向けて弾性的に撓むように形成された第2弾性変形部223とを有している。本実施形態において、第2係合部220は、フランジ部230を挟んで第1係合部210と略対称に形成されている。
【0049】
図5に示すように、ブラケット50には、クリップ100,200の第2係合部120,220が係合する第2係合穴50A,50Bが設けられている。第2係合穴50A,50Bは、上下に貫通した穴である。第2係合穴50Aは、左右に長い略矩形状を有し、突出部56,58の間の凸部54(凹部54A)に設けられている。また、第2係合穴50Bは、前後に長い略矩形状を有し、ベース壁51の後端部で左右に間隔をあけて1つずつ設けられている。なお、突出部57は、左右方向において、2つの第2係合穴50B,50Bの間の位置に設けられている。
【0050】
図8に示すように、パンフレーム12には、ブラケット50に設けられた第1係合部110,210が係合する第1係合穴12A,12Bが設けられている。詳しくは、パンフレーム12は、複数の取付穴12Hを有し、本実施形態では、第1係合穴12A,12Bとして複数の取付穴12Hのうちの3つを利用している。第1係合穴12Aは、左右に長い略矩形状の穴であり、第2係合穴50Bは、前後に長い略矩形状の穴である。
【0051】
取付穴12Hは、送風装置30やその他の電装部品のワイヤハーネスを取り付けるための穴であり、上下に貫通するように設けられている。ワイヤハーネスは、ハーネスクリップに保持され、当該ハーネスクリップを取付穴12Hに係合することで、パンフレーム12に取り付けられる。取付穴12Hは、規格化された穴である。具体的に、取付穴12Hは、いずれも略矩形状の穴であり、略同じ大きさで、左右に略等間隔に並ぶように形成されている。パンフレーム12には、左右に並ぶ複数の取付穴12Hの列が、前後に並んで2列設けられている。なお、取付穴12Hは、ワイヤハーネス以外の部材を取り付けるための穴であってもよい。
【0052】
送風装置30をパンフレーム12に取り付けるときには、まず、図5に示すように、クリップ100,200をブラケット50に取り付けてブラケット50に第1係合部110,210を設ける。具体的には、第1クリップ100の第2係合部120をブラケット50の第2係合穴50Aに係合し、第2クリップ200の第2係合部220をブラケット50の第2係合穴50Bに係合する。なお、このときの第2係合部120,220の作用は、フランジ部130,230を挟んで略対称に形成された第1係合部110,210の場合と同様であるから、後述する第1係合部110,210の係合の説明で代用することとする。(図9では、第2係合部120,220に関係する符号を括弧内に付している。)
【0053】
第2係合穴50Aは、左右に長い略矩形状であるため、第1クリップ100の第2係合部120と第2係合穴50Aの係合により、第1係合部110は、フランジ部130の長手方向が左右方向に沿う向きでブラケット50に設けられる。第1係合部110の向きは、パンフレーム12の第1係合穴12Aの長手方向と同じである。また、第2係合穴50Bは、前後に長い略矩形状であるため、第2クリップ200の第2係合部220と第2係合穴50Bの係合により、第1係合部210は、フランジ部230の長手方向が前後方向に沿う向きでブラケット50に設けられる。第1係合部210の向きは、パンフレーム12の第1係合穴12Bの長手方向と同じである。
【0054】
次に、送風装置30をブラケット50に取り付ける。具体的には、図4に示すように、タッピングネジ91を、送風装置30の取付部36〜38に形成された貫通穴に挿通し、ブラケット50の突出部56〜58(図5参照)に形成されたネジ穴56A〜58Aに螺嵌する。なお、送風装置30をブラケット50に取り付けることで、3つの突出部56〜58を送風装置30の取付部36〜38に突き当てることができる。これにより、送風装置30ががたつきにくくなるので、送風装置30の取付剛性を向上させることができる。
【0055】
次に、送風装置30が固定されたブラケット50をパンフレーム12に取り付ける。具体的には、まず、ブラケット50の後側の2つの第1係合部210をパンフレーム12の第1係合穴12B(図8参照)に係合する。その後、ブラケット50の前側の第1係合部110をパンフレーム12の第1係合穴12Aに係合する。
【0056】
第1係合部110,210を第1係合穴12A,12Bに係合するときには、図9(a),(c)に示すように、第1係合部110,210の先端部を第1係合穴12A,12Bに挿入して、第1係止部112,212をパンフレーム12の第1係合穴12A,12Bの周辺部の下面に突き当てる。そして、この状態から第1係合部110,210を押し込むことで、図9(b),(d)に示すように、第1弾性変形部113,213が撓み、第1係合部110,210が第1係合穴12A,12Bに挿入されていく。その後、第1係止部112,212が第1係合穴12A,12Bを完全に通過すると、第1弾性変形部113,213が撓みを回復させて復元することで、図6(b)および図7(b)に示すように、第1係止部112,212がパンフレーム12の第1係合穴12A,12Bの周辺部の上面に係止される。
【0057】
これにより、ブラケット50を介して送風装置30をパンフレーム12に取り付けることができる。なお、ブラケット50に第1クリップ100、第2クリップ200、送風装置30を取り付けるときの順番は任意である。また、パンフレーム12に第1係合部110,210を係合するときの順番は、上記した順番とは逆であってもよい。
【0058】
図3に示すように、ダクト40は、クッション管部41と、バック管部42と、接続管部43とを有している。
【0059】
クッション管部41は、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂から形成されており、第1管部44と、第2管部45とを有している。図10に示すように、第1管部44は、略前後に延びてクッションパッドP1(図10では図示省略)の下を通るように配置され、後端部が、連結パイプ13の下付近から上方に向けて屈曲して延びて連結パイプ13の後方に配置されている。第1管部44は、前端が送風装置30の吹出部35(図4参照)に接続され、後端が接続管部43に接続されている。図4に示すように、第2管部45は、第1管部44の前端部から分岐して上方に向けて延びるように設けられており、上端がクッションパッドP1の第1通気路A1に接続されている。
【0060】
図10に戻って、バック管部42は、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂から形成されている。バック管部42は、略上下に延びる下端部がロアフレーム24の後方に配置され、上端部が前方に向けて屈曲して延びてロアフレーム24の上方を通るように配置されている。バック管部42は、下端が接続管部43に接続され、上端がバックパッドP2の第2通気路A2に接続されている。
【0061】
接続管部43は、クッション管部41とバック管部42を接続する部分であり、オレフィン系エラストマー(TPO)などから形成されている。接続管部43は、シートクッションS1とシートバックS2との間で架け渡されるように、ロアフレーム24の後方に配置されている。接続管部43は、クッション管部41が接続される第1接続部46と、バック管部42が接続される第2接続部47と、フレキシブル部としての蛇腹部48とを有している。図12(b)に示すように、蛇腹部48は、山部48Aと谷部48Bが交互に形成された部分であり、可撓性を有するとともに伸縮自在となっている。
【0062】
図11に示すように、シートフレームFの後側には、カバー部材60が取り付けられている。
カバー部材60は、ダクト40の接続管部43よりも硬い材料、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンなどの樹脂材料から形成されており、第1壁61と、左右一対の第2壁62と、左右一対の取付部63とを有している。
【0063】
図12(a)に示すように、第1壁61は、シートフレームFを構成するロアフレーム24との間で接続管部43を挟むように、ロアフレーム24の後方に配置される壁である。また、第2壁62は、第1壁61の左右両端からロアフレーム24が配置される前方に向けて延びる壁である。このような構成により、カバー部材60は、第1壁61と第2壁62とによって前方が開放された略U字状の断面形状を有している。第1壁61および第2壁62は、ロアフレーム24の後方の位置から連結パイプ13の後方の位置まで上下に長く延びるように形成されている(図10参照)。
取付部63は、第2壁62の上側部分の前端部から左右外側に向けて延びる部分であり、ネジ92が挿通される貫通穴63Aが上下に並んで2つずつ形成されている。
【0064】
また、図12(a),(b)に示すように、カバー部材60には、接続管部43が配置された内側に、リブ状の凸部64が設けられている。詳しくは、凸部64は、左右の第2壁62の内面から左右内側に向けて突出するように設けられている。これにより、凸部64は、ダクト40、具体的には、接続管部43の左右両側で、接続管部43を挟むように設けられている。また、凸部64は、接続管部43を構成する蛇腹部48の上端部に位置する谷部48Bの1つに入り込んで、谷部48Bの内面(接続管部43)に当接するように設けられている。なお、凸部64の後端は第1壁61とつながっている。つまり、凸部64は、第1壁61と第2壁62とによって形成される隅部から左右内側に突出するように設けられている。
【0065】
カバー部材60は、第1壁61と第2壁62とによって形成される凹部の内側に接続管部43を収めた状態で、ネジ92を取付部63に形成された貫通穴63Aに挿通してロアフレーム24に締結することで、ロアフレーム24に固定されている。これにより、カバー部材60は、第1壁61と第2壁62とによって接続管部43の一部、具体的には、蛇腹部48を覆うように設けられている。
【0066】
また、カバー部材60は、ロアフレーム24に固定されていることで、接続管部43の位置を規制している。詳しくは、カバー部材60は、接続管部43が前後に動こうとした場合には、接続管部43がロアフレーム24や第1壁61に当接するので、ロアフレーム24や第1壁61によって接続管部43の前後の位置を規制している。また、カバー部材60は、接続管部43が左右に動こうとした場合には、接続管部43が左右の第2壁62、具体的には、凸部64に当接するので、第2壁62によって接続管部43の左右の位置を規制している。
【0067】
また、カバー部材60は、凸部64が蛇腹部48の谷部48Bに入り込んでいることによっても接続管部43の位置を規制している。詳しくは、カバー部材60は、接続管部43が上下に動こうとした場合には、当該谷部48Bの内面が凸部64に当接するので、凸部64によって接続管部43の上下の位置を規制している。
【0068】
ここで、シートバックS2をシートクッションS1に対して回動させるときの、カバー部材60とダクト40の動作について説明する。
図10に示す姿勢から、シートバックフレームF2(シートバックS2)を後方へ回動させると、図13に示すように、ロアフレーム24に固定されたカバー部材60も、リクライニング機構RLの軸を中心として後方へ回動する。これにより、ロアフレーム24とカバー部材60とによって規制されたダクト40の上端部も、シートバックフレームF2およびカバー部材60とともに回動しようとする。ダクト40は、蛇腹部48の上端部の谷部48Bに左右の凸部64が入り込んでいることで、蛇腹部48の上端部が凸部64に保持されているため、シートバックフレームF2およびカバー部材60が後方へ回動することで、蛇腹部48の上端部が凸部64によって押し下げられる。これにより、蛇腹部48の凸部64よりも下側の部分が縮むことで、接続管部43がつかえることなく、シートバックS2を良好に回動させて倒すことができる。
【0069】
一方、図13に示す姿勢から、シートバックS2を前方へ回動させると、図10に示すように、カバー部材60は、リクライニング機構RLの軸を中心として前方へ回動する。そうすると、ダクト40の上端部も、シートバックフレームF2およびカバー部材60とともに回動しようとする。このとき、ダクト40は、蛇腹部48の上端部が凸部64に保持されていることで、シートバックフレームF2およびカバー部材60が前方へ回動すると、蛇腹部48の上端部が凸部64によって引き上げられる。これにより、蛇腹部48の凸部64よりも下側の部分が伸びることで、接続管部43が張ることなく、シートバックS2を良好に回動させて起こすことができる。
【0070】
以上説明した本実施形態によれば、ブラケット50に設けられた第1係合部110,210が、当該第1係合部110,210をパンフレーム12の第1係合穴12A,12Bに挿入するときに第1係止部112,212が第1係合穴12A,12Bを通過できるように弾性変形する第1弾性変形部113,213を有するので、ブラケット50とパンフレーム12をワンタッチで取り付けることができる。これにより、ブラケットをタッピングネジでパンフレームに取り付ける場合と比較して、送風装置30をシートフレームFに取り付けるときの作業性を向上させることができる。
【0071】
また、第1係合部110,210が、クリップ100,200をブラケット50に取り付けることで、ブラケット50に設けられるので、第1係合部をブラケットに一体に形成する場合と比較して、第1係合部110,210を比較的自由な形状に形成することができる。これにより、例えば、第1係合部110,210を第1係合穴12A,12Bに、より係合させやすい形状に形成可能となるので、送風装置30をシートフレームFに取り付けるときの作業性をより向上させることができる。
【0072】
また、クリップ100,200の第2係合部120,220が、当該第2係合部120,220をブラケット50の第2係合穴50A,50Bに挿入するときに第2係止部122,222が第2係合穴50A,50Bを通過できるように弾性変形する第2弾性変形部123,223を有するので、クリップ100,200をブラケット50にワンタッチで取り付けることができる。これにより、第1係合部110,210をブラケット50に簡単に設けることができる。
【0073】
また、第1係合穴12A,12Bとして取付穴12Hを利用しているので、パンフレーム12に、取付穴12Hとは別に、第1係合穴12A,12Bを設ける必要がない。これにより、パンフレーム12の構成を簡略化することができる。
【0074】
また、ダクト40の接続管部43を覆うカバー部材60を備えるので、カバー部材60によってダクト40を保護することができる。これにより、例えば、後席の乗員の足などがダクト40に当たるのを抑制することができる。また、カバー部材60は、シートフレームFに固定されていることで接続管部43の位置を規制するので、カバー部材60によってダクト40の動きを抑制することができる。
【0075】
また、カバー部材60によってダクト40の動きを規制できることで、カバー部材60とは別にダクト40の動きを規制する部材を設ける必要がないので、車両用シートSの部品点数を削減することができる。また、仮にカバー部材60を設けない場合、ダクト40の動きを規制するためには、例えば、ダクト40の中間部分である接続管部43付近をロアフレーム24などに固定する必要があるが、カバー部材60によってダクト40の動きを規制できるので、ダクト40の中間部分を固定する作業が不要となる。これにより、車両用シートSを組み立てるときの作業性を向上させることができる。
【0076】
また、フレキシブル性を有し、後席の乗員の足などが当たった場合に他の部分よりも損傷しやすく、動きやすい蛇腹部48を、覆うようにカバー部材60が設けられているので、ダクト40の保護とダクト40の動きの抑制を効果的に行うことができる。
【0077】
また、カバー部材60が内側に向けて突出して接続管部43に当接する凸部64を有するので、凸部64と接続管部43との当接によってダクト40の動きをより抑制することができる。
【0078】
また、凸部64が接続管部43の左右両側で接続管部43を挟むように設けられているので、左右の凸部64によりダクト40の左右への動きを効果的に抑制することができる。
【0079】
また、左右の凸部64が蛇腹部48の谷部48Bに入り込むように設けられているので、ダクト40の左右への動きを抑制しつつ、凸部64が谷部48Bに入り込んでいることで、ダクト40の山部48A(谷部48B)が並ぶ方向、つまり、上下への動きも抑制することができる。これにより、ダクト40の動きを一層抑制することができる。
【0080】
また、カバー部材60が第1壁61と一対の第2壁62を有する断面視略U字状なので、カバー部材60を簡易な構成としつつ、ダクト40の保護とダクト40の動きの抑制を両立させることができる。
【0081】
また、カバー部材60が接続管部43よりも硬い材料から形成されているので、カバー部材60によってダクト40を良好に保護することができる。
【0082】
以上、実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではない。具体的な構成については、下記のように発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。なお、以下では、先に説明した形態と同様の構成要素については同一符号を付して適宜説明を省略し、先に説明した形態と異なる点について詳細に説明する。
【0083】
例えば、前記実施形態では、第1係合部110,210がブラケット50に設けられていたが、これに限定されず、第1係合部は、パンフレームに設けられていてもよい。例えば、図6(b)を参考にして説明すると、パンフレーム12に第2係合穴12Aを設け、パンフレーム12に向けて突出する第2係合部110と第2係合穴12Aとの係合により取付部材としての第1クリップ100がパンフレーム12に取り付けられていることで、第1係合部120がパンフレーム12に設けられていてもよい。そして、この場合には、第2係合部110の第2係止部112は、パンフレーム12に係止されることとなる。また、この場合には、第1係合部120は、ブラケット50に向けて突出するように設けられ、ブラケット50に、第1係合部120が係合する第1係合穴50Aが設けられることとなる。そして、第1係合部120が第1係合穴50Aに係合すると、第1係止部122がブラケット50に係止されることとなる。
【0084】
また、この場合には、第2係合穴12Aとして、パンフレーム12に形成された取付穴12H(図8参照)を利用することができる。これによれば、パンフレーム12に、取付穴12Hとは別に、第2係合穴12Aを設ける必要がないので、パンフレーム12の構成を簡略化することができる。なお、第1係合穴や第2係合穴は、パンフレームに取付穴とは別に設けた穴であってもよい。
【0085】
また、前記実施形態では、送風装置30がタッピングネジ91によってブラケット50に取り付けられていたが、これに限定されない。例えば、図14(a)に示すように、送風装置30は、取付部材としてのクリップ300によってブラケット50に取り付けられていてもよい。クリップ300は、第1係合部310と、第2係合部320と、フランジ部330とを有している。そして、第1係合部310は、第1係止部312と、弾性的に撓むことが可能な第1弾性変形部313とを有し、第2係合部320は、第2係止部322と、弾性的に撓むことが可能な第2弾性変形部323とを有している。また、ブラケット50は、送風装置30に向けて突出する3つの突出部59(図14(b)参照)を有している。各突出部59には、第2係合部320が係合する貫通した第2係合穴50Cが形成されており、送風装置30の取付部36〜38には、それぞれ、第2係合穴50Cに係合した状態の第2係合部320と係合する貫通した第3係合穴30Cが形成されている。
【0086】
送風装置30は、クリップ300の第2係合部320を、ブラケット50の第2係合穴50Cに係合させた上で、さらに取付部36〜38の第3係合穴30Cに係合することで、ブラケット50に取り付けられている。このような構成によれば、クリップ300で送風装置30をブラケット50に取り付けることができるので、例えば、送風装置をタッピングネジなどの締結によりブラケットに取り付ける場合と比較して、送風装置30をシートフレームFに取り付けるときの作業性を向上させることができる。また、送風装置をブラケットに取り付けるためのタッピングネジなどが不要となるので、車両用シートSの部品点数を削減することができる。また、クリップ300の第2係合部320をブラケット50の第2係合穴50Cと送風装置30の第3係合穴30Cに係合して送風装置30をブラケット50に取り付けることで、3つの突出部59を送風装置30に突き当てることができる。これにより、送風装置30ががたつきにくくなるので、送風装置30の取付剛性を向上させることができる。
【0087】
また、図15(a)に示すように、送風装置30は、パンフレーム12に設けられた第1係合部310によってブラケット50とともにパンフレーム12に取り付けられていてもよい。第1係合部310は、取付部材としてのクリップ400をパンフレーム12に取り付けることで設けられている。クリップ400は、第1係合部310と、第2係合部120と、フランジ部130とを有している。また、ブラケット50は、送風装置30に向けて突出する3つの突出部59(図14(b)参照)と、第1係合部310が係合する当該ブラケット50に設けられた第1係合穴50Dとを有している。第1係合穴50Dは、貫通した穴であり、突出部59に1つずつ形成されている。また、送風装置30の取付部36〜38(図14(b)参照)には、それぞれ、第1係合穴50Dに係合した状態の第1係合部310と係合する貫通した第4係合穴30Dが形成されている。
【0088】
図15(b)に示すように、送風装置30は、パンフレーム12の第1係合部310を、ブラケット50の第1係合穴50Dに係合させた上で、さらに取付部36〜38の第4係合穴30Dに係合することで、ブラケット50とともにパンフレーム12に取り付けられている。このような構成によれば、第1係合部310にブラケット50と送風装置30を係合させることで、パンフレーム12にブラケット50と送風装置30を取り付けることができるので、例えば、タッピングネジなどの締結により取り付ける場合と比較して、送風装置30をシートフレームFに取り付けるときの作業性を向上させることができる。また、送風装置を取り付けるためのタッピングネジなどが不要となるので、車両用シートSの部品点数を削減することができる。また、パンフレーム12の第1係合部310をブラケット50の第1係合穴50Dと送風装置30の第4係合穴30Dに係合してブラケット50と送風装置30をパンフレーム12に取り付けることで、3つの突出部59を送風装置30に突き当てることができる。これにより、送風装置30ががたつきにくくなるので、送風装置30の取付剛性を向上させることができる。
【0089】
また、前記実施形態では、第1係合部110,210は、取付部材としてのクリップ100,200をブラケット50に取り付けることで設けられていたが、これに限定されない。例えば、図16(a)に示すように、第1係合部50Eは、樹脂製のブラケット50の一部としてブラケット50に一体に形成されていてもよい。また、図16(b)に示すように、第1係合部12Eは、パンフレーム12の一部としてパンフレーム12に一体に形成されていてもよい。第1係合部12Eは、例えば、金属板からなるパンフレーム12の一部を切り起こして先端部を屈曲させることにより形成することができる。このような構成によれば、車両用シートSの部品点数を削減することができる。
【0090】
また、前記実施形態では、3つの第1係合部110,210が2種類の取付部材、具体的には、第1クリップ100と第2クリップ200によって設けられていたが、これに限定されない。例えば、3つの第1係合部は、1種類の取付部材によって設けられていてもよい。また、3つの第1係合部は、それぞれ異なる種類の取付部材によって設けられていてもよい。なお、第1係合部の数は任意である。
【0091】
また、前記実施形態では、ダクト40の接続管部43が、フレキシブル部としての蛇腹部48を有していたが、これに限定されない。例えば、接続管部は、蛇腹状の部分を備えない構成(図18の接続管部143参照)であってもよい。また、フレキシブル部は、可撓性を有するものであれば、その構成は特に問わない。また、接続管部は、フレキシブル性を持たない構成であってもよい。
【0092】
また、前記実施形態では、カバー部材60の凸部64が蛇腹部48の谷部48Bに入り込むように設けられていたが、これに限定されない。例えば、図17(a)に示すように、カバー部材60は、接続管部143の左右両側で接続管部43に向けて突出する凸部65を有し、接続管部143は、凸部65が係合する凹部43Aを有する構成であってもよい。また、図17(b)に示すように、接続管部143は、当該接続管部143の左右両側でカバー部材60の第2壁62に向けて左右外側に突出する凸部43Bを有し、カバー部材60は、凸部43Bが係合する凹部66を有する構成であってもよい。なお、凹部66は、左右に貫通した穴であるが、有底の穴であってもよい。このような構成によれば、凸部と凹部との係合によってダクト40の動きをより抑制することができる。
【0093】
また、図17(a)に示した形態において、凹部43Aは、図18に示すように、ダクト40の接続管部143が延びる上下方向に沿って延びる溝状であってもよい。このような構成によれば、上下方向についてはダクト40とカバー部材60が相対移動可能となるので、シートクッションおよびシートバックの一方が他方に対して移動可能な構成において、シートクッションやシートバックを良好に動かすことができる。具体的には、例えば、シートバックがシートクッションの後部に対して回動可能な構成において、シートバックを回動させることでカバー部材60がダクト40に対して上下に回動したとしても、凸部65が凹部43A内を上下に動けるので、シートバックを良好に回動させることができる。なお、凹部43Aが延びる方向は、凸部65の回動の軌跡に沿っていることがより望ましい。図17(b)の凹部66についても、同様の構成を採用することができる。
【0094】
また、例えば、図19に示すように、ダクト40とカバー部材60は、カバー部材の凸部が蛇腹部の谷部に入り込んだり、接続管部の凹部に係合したりする構成ではなく、凸部67が、接続管部143の左右の平らな側壁に当接するだけの構成であってもよい。このような構成によっても、ダクト40が延びる方向についてはダクト40とカバー部材60が相対移動可能となるので、シートクッションやシートバックを良好に動かすことができる。なお、凸部の数は、任意であり、左右で異なっていてもよい。
【0095】
また、前記実施形態では、ダクト40は、クッション管部41と、バック管部42と、これらを接続する接続管部43とを有する3部品からなる構成であったが、これに限定されない。例えば、ダクトは、前記実施形態のクッション管部41、バック管部42および接続管部43が一体に形成されたような、1部品からなる構成であってもよい。
【0096】
また、前記実施形態では、カバー部材60が接続管部43の一部、具体的には、フレキシブル部としての蛇腹部48を覆うように設けられていたが、これに限定されない。例えば、カバー部材は、接続管部の全体を覆うように設けられていてもよい。また、カバー部材は、フレキシブル部の全体ではなく、フレキシブル部の一部だけを覆う構成であってもよい。
【0097】
また、前記実施形態では、カバー部材60がダクト40の接続管部43を覆う専用の部材であったが、これに限定されず、カバー部材は、ダクトの接続管部を覆うという機能以外の機能を有する部材であってもよい。具体的には、カバー部材は、ダクトの接続管部を覆うという機能以外に、例えば、クッションサイドフレーム11と連結パイプ13(図3参照)の接合部を覆うという機能を有する部材であってもよい。言い換えれば、クッションサイドフレーム11と連結パイプ13の接合部を覆うカバー部材に、ダクトの接続管部を覆うという機能を持たせた部材であってもよい。
【0098】
また、前記実施形態では、サイドフレームとしてクッションサイドフレーム11を例示し、送風装置30が左右のクッションサイドフレーム11を連結するパンフレーム12に取り付けられていたが、これに限定されない。例えば、サイドフレームは、シートバックのサイドフレームであり、送風装置は、シートバックの左右のサイドフレームを連結するパンフレームに取り付けられていてもよい。
【0099】
また、前記実施形態では、板状部としてパンフレーム12を例示したが、これに限定されない。例えば、板状部は、パンフレーム12(図3参照)に取り付けられた板状の部材であってもよい。また、例えば、板状部は、パンフレーム12と連結パイプ13との間に架け渡されたシートスプリング(図3参照。符号省略)に取り付けられた板状の部材であってもよい。
【0100】
また、前記実施形態では、送風装置30としてシロッコファンを例示したが、これに限定されず、例えば、プロペラファンやターボファンなどであってもよい。また、前記実施形態では、車両用シートSが送風装置30の作動によって空気を吹き出すように構成されていたが、これに限定されず、例えば、送風装置の作動によって空気を吸い込むように構成されていてもよい。また、送風装置は、例えば、羽根の回転方向を切り替えることで、送風と吸引を切り替えることができるものであってもよい。
【0101】
また、前記実施形態では、乗物用シートとして自動車に搭載される車両用シートSを例示したが、これに限定されず、自動車以外の乗物、例えば、鉄道車両や船舶、航空機などに搭載される乗物用シートであってもよい。
【0102】
また、前記した実施形態および変形例で説明した各要素を、任意に組み合わせて実施してもよい。
【符号の説明】
【0103】
30 送風装置
40 ダクト
43 接続管部
48 蛇腹部
48A 山部
48B 谷部
60 カバー部材
61 第1壁
62 第2壁
64 凸部
A1 第1通気路
A2 第2通気路
F シートフレーム
S 車両用シート
S1 シートクッション
S2 シートバック
図1
図2
図3
図4
図5
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図8
図9
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図19