(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569721
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】金属除去のための多孔質PTFE膜
(51)【国際特許分類】
B01D 71/46 20060101AFI20190826BHJP
B01D 69/12 20060101ALI20190826BHJP
B01D 69/10 20060101ALI20190826BHJP
B01D 71/36 20060101ALI20190826BHJP
B01D 71/82 20060101ALI20190826BHJP
B01D 71/80 20060101ALI20190826BHJP
C02F 1/44 20060101ALI20190826BHJP
B01J 39/05 20170101ALI20190826BHJP
B01J 39/07 20170101ALI20190826BHJP
B01J 39/19 20170101ALI20190826BHJP
B01J 41/05 20170101ALI20190826BHJP
B01J 41/07 20170101ALI20190826BHJP
B01J 41/13 20170101ALI20190826BHJP
C08G 65/22 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
B01D71/46
B01D69/12
B01D69/10
B01D71/36
B01D71/82 500
B01D71/80
C02F1/44 E
B01J39/05
B01J39/07
B01J39/19
B01J41/05
B01J41/07
B01J41/13
C08G65/22
【請求項の数】13
【外国語出願】
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2017-231789(P2017-231789)
(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公開番号】特開2018-111094(P2018-111094A)
(43)【公開日】2018年7月19日
【審査請求日】2017年12月1日
(31)【優先権主張番号】15/392,364
(32)【優先日】2016年12月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【弁理士】
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【弁理士】
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【弁理士】
【氏名又は名称】野田 雅一
(74)【代理人】
【識別番号】100148596
【弁理士】
【氏名又は名称】山口 和弘
(72)【発明者】
【氏名】ハッサン アイット−ハドゥ
(72)【発明者】
【氏名】カーレド アブドル−ハーキム ヘルミー アーメル
【審査官】
岡田 三恵
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2016/0317982(US,A1)
【文献】
特開2017−002273(JP,A)
【文献】
特開2016−029146(JP,A)
【文献】
特開2016−194038(JP,A)
【文献】
特開2016−196625(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 71/46
B01D 69/10
B01D 69/12
B01D 71/36
B01D 71/80
B01D 71/82
B01J 39/05
B01J 39/07
B01J 39/19
B01J 41/05
B01J 41/07
B01J 41/13
C02F 1/44
C08G 65/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材と、式(I)のコポリマー又はコポリマーの塩を含む塗膜と、を備える多孔質膜。
H−[−O−CH(Rf)−CH2−]m−[−O−CHM−CH2−]n−[−O−CHL−CH2−]s−OH (I)
[式中、Rfは、パーフルオロ置換アルキル基、又はパーフルオロ置換アルキルオキシアルキル基であり、
Mは、式−CH2−O−(CH2)3−S−(CHP)t−Yの基であり、Pは水素又はCH2COOHであり、Yが、COOH、SO3H、及びC+(=NH2)NH2からなる群から選択され、
Lは、式−CH2−O−CH2−CH=CH2の基であり、
m及びnは、それぞれ独立して、10〜1000であり、sは、n:sの比が0.3:0.7〜1:0の範囲となるような値であり、tは、1又は3であり、
前記コポリマーが、任意選択で、式:−O−CHL’−CH2−[式中、L’は、式−CH2−O−CH2−CH2−CH2−Qであり、Qは、正電荷基である]の1つ又は複数の繰り返し単位を更に含み、
前記コポリマーが、任意選択で、架橋されている。]
【請求項2】
tは1である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項3】
tは3である、請求項1に記載の多孔質膜。
【請求項4】
RfがCpF2p+1−(CH2)q(OCH2)rであり、pが1〜12であり、qが0〜3であり、rが0〜2である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の多孔質膜。
【請求項5】
前記n:sの比が0.3:0.7である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の多孔質膜。
【請求項6】
Rfが、C6F13(CH2)2OCH2−又はC6F13CH2−である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の多孔質膜。
【請求項7】
式(I)の前記コポリマーが、ブロックコポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質膜。
【請求項8】
式(I)の前記コポリマーが、ランダムコポリマーである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の多孔質膜。
【請求項9】
請求項1に記載の多孔質膜を調製する方法であって、
(i)多孔質PTFE基材を用意するステップと、
(ii)前記多孔質PTFE基材に、溶媒及び式(II)のコポリマーを含む溶液を塗布するステップと、
(iii)ステップ(ii)からの塗布された多孔質PTFE基材を乾燥して、溶媒及び前記コポリマーを含む塗膜から、少なくとも一部の前記溶媒を除去するステップと、
(iv)ステップ(iii)からの前記多孔質の塗布されたPTFE基材を、式(III)の試薬と反応させるステップと、
を含む方法。
H−[−O−CH(Rf)−CH2−]m−[−O−CHL−CH2−]s−OH (II)
[式中、Rf及びLは、前記の定義のとおりであり、m及びsは、それぞれ独立して、10〜1000である。]
HS−(CHP)t−Y (III)
[式中、P、t、及びYは、前記の定義のとおりである]
【請求項10】
汚染物質を含有する流体を濾過する方法であって、前記流体を請求項1〜8のいずれか一項に記載の多孔質膜に通すことを含む方法。
【請求項11】
前記流体が、水性流体、有機流体、又はこれらの組合せである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記汚染物質が、周期律表の第1〜5族の1つ若しくは複数の金属、1つ若しくは複数の遷移金属、又はこれらの任意の組合せである、請求項10又は11に記載の方法。
【請求項13】
前記汚染物質が、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、Pb、Sb、Bi、Cd、Cr、Mo、Pd、Ag、W、V、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZn、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
[0001]表面改質された多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜は、さまざまな流体を濾過するため、例えばマイクロエレクトロニクス流体から微量の金属不純物を除去するため、に検討されている。これらの膜のいくつかは、低い表面エネルギー値、又は低い臨界湿潤表面張力(CWST)値、並びに/又は有機溶媒及び腐食性化学物質に対する高い耐性を特徴とする。これらの膜の利点のうちの1つ又は複数にもかかわらず、改善された特性、例えば低いCWST値、並びに/又は有機溶媒及び/若しくは腐食性化学物質に対する向上した耐性、を有するPTFE系膜の必要性が存在する。
【0002】
[0002]本発明は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材と、式:H−[−O−CH(Rf)−CH
2−]
m−[−O−CHM−CH
2−]
n−[−O−CHL−CH
2−]
s−OH (I)のコポリマーを含む塗膜と、を備える多孔質膜を提供する。
式中、Rfは、パーフルオロ置換アルキル基、又はパーフルオロ置換アルキルオキシアルキル基であり、
Mは、式−CH
2−O−(CH
2)
3−S−(CHP)
t−Yの基であり、Pは水素、又は−CH
2COOHであり、Yは、COOH、SO
3H、フェニル−SO
3H、NHR、NR
3+、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾールアミジニル、及びグアニジニルからなる群から選択され、Rは水素、アルキル、アリール、及びアリールアルキル、及びこれらの組合せから選択され、
Lは、式−CH
2−O−CH
2−CH=CH
2の基であり、
m及びnは、それぞれ独立して、約10〜約1000であり、sは、n:sの比が0.3:0.7〜1:0の範囲となるような値であり、tは、0、又は1であり、
上記コポリマーが、任意選択で、式:−O−CHL’−CH
2−[式中、L’は、式−CH
2−O−CH
2−CH
2−CH
2−Qであり、Qは、正電荷基である]の1つ又は複数の繰り返し単位を更に含み、
上記コポリマーが、任意選択で、架橋されている。
【0003】
[0003]本発明はまた、多孔質基材上に配置されたコポリマーを含む多孔質PTFE膜を調製し、続いて塗膜を化学的に改質する、方法も提供する。本発明は、流体、詳細にはマイクロエレクトロニクス流体、を濾過する方法を更に提供する。例えば、多孔質膜は、マイクロエレクトロニクスにおいて生成される流体中に存在する金属不純物を、1ppb未満、好ましくは0.005ppb未満、又はほとんどの計器の検出限界未満の濃度まで、除去することに適している。
【0004】
[0004]本発明の多孔質PTFE膜は、金属に対する親和性を有する、1つ又は複数の官能基を有し、例えば官能基は、1〜3のような特に低いpHで、流体中に存在する金属をキレート化することができる。適切な洗浄溶液を用いて洗浄することによって金属を除去し、性能を損なう又は著しく損なうことなく多孔質膜を再利用することが可能である。多孔質膜は、高いイオン交換容量、及びイオン交換容量の安定性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】本発明の実施形態に従って、アリル基を有するポリマーを塗布した多孔質PTFE基材の後改質によって、多孔質PTFE膜を調製する方法を示す図である。
【0006】
[0006]実施形態によれば、本発明は、多孔質ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)基材と、式(I)のコポリマー又はコポリマーの塩を含む塗膜と、を備える多孔質膜を提供する。
H−[−O−CH(Rf)−CH
2−]
m−[−O−CHM−CH
2−]
n−−[−O−CHL−CH
2−]
s−OH (I)
式中、Rfは、パーフルオロ置換アルキル基、又はパーフルオロ置換アルコキシアルキル基であり、
Mは、式−CH
2−O−(CH
2)
3−S−(CHP)
t−Yの基であり、Pは水素、又は−CH
2COOHであり、Yは、COOH、SO
3H、フェニル−SO
3H、NHR、NR
3+、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾールアミジニル、及びグアニジニルからなる群から選択され、Rは水素、アルキル、アリール、及びアリールアルキル、及びこれらの組合せから選択され、
Lは、式−CH
2−O−CH
2−CH=CH
2の基であり、
m及びnは、それぞれ独立して、約10〜約1000であり、sは、n:sの比が0.3:0.7〜1:0の範囲となるような値であり、tは、0、又は1であり、
上記コポリマーが、任意選択で、式:−O−CHL’−CH
2−[式中、L’は、式−CH
2−O−CH
2−CH
2−CH
2−Qであり、Qは、正電荷基である]の1つ又は複数の繰り返し単位を更に含み、
上記コポリマーが、任意選択で、架橋されている。
【0007】
[0007]コポリマーが、ブロックコポリマーであっても、ランダムコポリマーであってもよい。
【0008】
[0008]実施形態において、m及びnは、独立して、約100〜約800、約200〜約600、約400〜約800、約500、又は約600である。
【0009】
[0009]実施形態において、Yは、COOH、SO
3H、フェニル−SO
3H、NHR、及びNR
3+からなる群から選択され、Rは、水素、又はアルキルである。
【0010】
[0010]例えば、アルキル基Rは、C
1、C
2、C
3、C
4、C
5、又はC
6アルキルである。アルキル基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。
【0011】
[0011]上記実施形態の任意のものにおいて、Rfは、C
pF
2p+1−(CH
2)
q(OCH
2)
rであり、pが、1〜12であり、qが、0〜3であり、rが、0〜2である。
【0012】
[0012]上記実施形態の任意のものにおいて、Rfは、C
6F
13(CH
2)
2OCH
2、又はC
6F
13CH
2である。
【0013】
[0013]上記実施形態の任意のものにおいて、n:sの比は0.3:0.7、0.4:0.6、1:1、1:5、0.6:0.4、0.7:0.3、0.8:0.2、0.9:0.1、又は1:0である。
【0014】
[0014]実施形態の任意のものにおいて、アルキル基又はアルキルオキシ基は、1〜12個の炭素原子、例えば1、2、3、4、5、又は6個の炭素原子を有していてもよい。アルキル基又はアルキルオキシ基は、直鎖であっても、分枝鎖であってもよい。
【0015】
[0015]式(I)のコポリマーを含む塗膜は、式H−[−O−CH(Rf)−CH
2−]
m−[−O−CHL−CH
2−]
s−OH (II)の前駆体コポリマーから調製することができ、式中、Rf及びLは、上記の定義のとおりであり、m及びsは、それぞれ独立して、約10〜約1000であり、上記コポリマーが、任意選択で、式:−O−CHL’−CH
2−[式中、L’は、式−CH
2−O−CH
2−CH
2−CH
2−Qであり、Qは、正電荷基である]の1つ又は複数の繰り返し単位を更に含む。式(II)のコポリマーが、ブロックコポリマーであっても、ランダムコポリマーであってもよい。
【0016】
[0016]実施形態において、式(II)のコポリマーが、ブロックコポリマーの場合、コポリマーが、開環重合によるエポキシドモノマーの逐次重合を含むプロセスによって調製することができる。したがって、エポキシ環の置換基として所望のRf基を有する、第1のエポキシドモノマーの開環重合が実行され、続いてアリル基、例えばアルキル置換アリル基を有する、第2のエポキシドモノマーの別の開環重合が実行される。
【0017】
[0017]例えば、適切な置換基を有するエポキシドモノマーを含有する混合物は、トリアルキルアルミニウム、及びハロゲンアニオンを有する開始剤塩、及び対イオンとしての有機カチオンの使用によって重合することができる。対カチオンとしての有機カチオンを有する塩の有機カチオンは、アンモニウムイオン、又はホスホニウムイオン、例えば米国特許出願公開第2009/0030175A1号、段落[0024]〜[0029]において記載されているような、ビス(トリアリールホスホラニリデン)アンモニウムイオン、ビス(トリアルキルホスホラニリデン)アンモニウムイオン、及びトリアリールアルキルホスホニウムイオンが好ましい。トリアリールアルキルホスホニウムイオンの例としては、[MePPh
3]
+が挙げられ、Meはメチルである。実例として、適切なRf基でエポキシド置換された第1のモノマーのホモポリマーが、最初に製造され、アリルグリシジルエーテルなどの置換エポキシドを有する第2のモノマーが添加され、重合が続き、式(II)の前駆体ブロックコポリマーを得ることができる。
【0018】
[0018]別の実施形態において、式(II)のコポリマーがランダムコポリマーの場合、このようなコポリマーが、置換基としての所望のRf基を有するエポキシドモノマーと、アリルグリシジルエーテルと、の混合物の開環重合による重合を含むプロセスによって調製することができる。
【0019】
[0019]上記重合プロセスのどちらも、適切な溶媒又は溶媒の混合物、例えばカチオン開環重合を行うために一般に使用される溶媒で行われる。適切な溶媒の例としては、例えばベンゼン、トルエン、及びキシレンなどの芳香族炭化水素、例えばn−ペンタン、ヘキサン、及びヘプタンなどの脂肪族炭化水素、例えばシクロヘキサンなどの脂環式炭化水素、並びに、例えばジクロロメタン、ジクロロエタン、ジクロロエチレン、テトラクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、及びトリクロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0020】
[0020]溶媒又は溶媒の混合物のモノマー(複数可)濃度は、約1〜約50wt%、好ましくは約2〜約45wt%、より好ましくは約3〜約40wt%の範囲であってもよい。
【0021】
[0021]重合は、任意の適切な温度、例えば約−20〜約+100℃、好ましくは約20〜約100℃で、実行することができる。
【0022】
[0022]重合は、任意の適切な時間実行し、それぞれのブロックの適切な鎖長を得ることができる。時間は、約1分〜約100時間であってもよい。
【0023】
[0023]前駆体ブロックコポリマーの数平均分子量は、約10KDa〜約400KDa、詳細には50KDa〜約200KDa、及びより詳細には約150KDaである。多分散指数(Mw/Mn)は、任意の適切な範囲、例えば1.1〜3.0、好ましくは1.1〜2.5であってもよい。
【0024】
[0024]前駆体コポリマーが、適切な技法、例えば非溶媒を用いる、又は適切に失活させた反応混合物の濃縮による、沈殿によって単離することができる。
【0025】
[0025]前駆体コポリマーが、任意の公知の技法によって、その分子量及び分子量分布について特徴付けすることができる。例えば、MALS−GPC技法を用いることができる。本技法は、移動相を使用して、高圧ポンプを介して、固定相に詰められた一連のカラムを通じてポリマー溶液を溶出させる。固定相は、鎖の大きさによってポリマー試料を分離し、続いて3つの異なる検出器によってポリマーを検出する。一連の検出器、例えば紫外線検出器(UV検出器)、続いて複数角度レーザー光散乱検出器(MALS検出器)、それらは順番に、続いて屈折率検出器(RI検出器)を連続して用いることができる。UV検出器は、254nm波長でのポリマーの光吸収を測定し、MALS検出器は、移動相に対してポリマー鎖からの散乱光を測定する。
【0026】
[0026]前駆体コポリマー(II)は、アリル基と開環重合において使用されるカチオン性開始剤を反応させることによって、四級基を含有することができる。
【0027】
[0027]本発明は、多孔質PTFE基材と、式(I)のコポリマー:
H−[−O−CH(Rf)−CH
2−]
m−[−O−CHM−CH
2−]
n−−[−O−CHL−CH
2−]
s−OH (I)
を含む塗膜、を備える多孔質膜を調製する方法であって、
式中、Rfは、パーフルオロ置換アルキル基、又はパーフルオロ置換アルキルオキシアルキル基であり、
Mは、式−CH
2−O−(CH
2)
3−S−(CHP)
t−Yの基であり、Pは水素、又は−CH
2COOHであり、Yは、COOH、SO
3H、フェニル−SO
3H、NHR、NR
3+、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、ピラゾリル、トリアゾリル、ピラジニル、テトラゾールアミジニル、及びグアニジニルからなる群から選択され、Rは水素、アルキル、アリール、及びアリールアルキル、及びこれらの組合せから選択され、
Lは、−CH
2−O−CH
2−CH=CH−Bであり、Bは、H、又は架橋網目構造を形成する二価のC−C結合であり、
m及びnは、それぞれ独立して、約10〜約1000であり、sは、n:sの比が0.3:0.7〜1:0の範囲となるような値であり、tは、0、又は1であり、
上記コポリマーが、任意選択で、式:−O−CHL’−CH
2−[式中、L’は、式−CH
2−O−CH
2−CH
2−CH
2−Qであり、Qは、正電荷基である]の1つ又は複数の繰り返し単位を含み、
(i)多孔質PTFE基材を用意するステップと、
(ii)多孔質PTFE基材に、溶媒及び式(II)の上述したコポリマー:
H−[−O−CH(Rf)−CH
2−]
m−[−O−CHL−CH
2−]
s−OH (II)、
[Rf及びLは、上記の定義のとおりであり、m及びsは、それぞれ独立して、約10〜約1000である]
を含む溶液を塗布するステップであって、
上記コポリマーが、任意選択で、式:−O−CHL’−CH
2−[式中、L’は、式−CH
2−O−CH
2−CH
2−CH
2−Qであり、Qは、正電荷基である]の1つ又は複数の繰り返し単位を更に含むステップと、
(iii)ステップ(ii)からの塗布された多孔質PTFE基材を乾燥して、溶媒及びコポリマーを含む塗膜から、少なくとも一部、好ましくは全ての溶媒を除去するステップと、
(iv)ステップ(iii)からの塗布された多孔質PTFE基材を、式:
HS−(CHP)
t−Y (III)[式中、P、t、及びYは、上記の定義のとおりである]
の試薬と反応させるステップと
を含む方法を提供する。
【0028】
[0028]上記コポリマー(II)の実施形態において、m及びsは、独立して、約100〜約800、約200〜約600、約400〜約800、約500、又は約600であってもよい。
【0029】
[0029]本発明によれば、多孔質PTFE膜を調製するために、多孔質PTFE基材、例えば10nm〜1000μm、詳細には100nm〜100μmの孔径を有する基材が、前駆体コポリマーの溶液で塗布される。溶液は、約1〜約10w/v%の前駆体コポリマー、及び適切な溶媒又は溶媒の混合物を含有することができる。適切な溶媒の例としては、ハロゲン化、特にフッ素化溶媒、例えばNovec 7100(メトキシ−ノナフルオロブタン)、7200DL(エトキシ−ノナフルオロブタン)、72DE(メチルノナフルオロブチルエーテル、エチルノナフルオロブチルエーテル、及びトランス−1,2−ジクロロエチレンのブレンド)、及び71IPA(エトキシ−ノナフルオロブタン及びイソプロパノールのブレンド)、塩素化溶媒、例えばクロロベンゼン、クロロホルム、ジクロロメタン、及び/又は非ハロゲン化溶媒、例えばアセトン、及びトルエン、又はこれらの組合せが挙げられる。多孔質PTFE基材は、ポリマー溶液に適切な時間、例えば約1〜約10分浸漬され、塗布された基材は、例えば空気乾燥によって乾燥され、溶媒(複数可)を除去する。生成した塗布された基材は、前駆体コポリマーの塗膜に起因して約4〜約20wt%の重量増加があり、約40〜約50dynes/cm
2のCWSTを有し、水でぬれない。
【0030】
[0030]本発明の実施形態によれば、塗布された基材に存在する前駆体コポリマーが、当業者に公知の手順によって、適切なチオール含有試薬による(Lの)ペンダントアリル部分のチオール−エン反応によって改質される。実施形態によれば、適切なチオール含有試薬としては、3−メルカプトプロパンスルホン酸ナトリウム(MPSA)、メルカプト酢酸(MAA)、メルカプトコハク酸(MSA)、2−スルファニルエタンイミドアミド(MCA)が挙げられる。このような改質反応の実施形態を、
図1に示す。したがって、例えば、塗布された基材は、IPAで予めぬらされ、脱イオン水中の5%のラジカル開始剤の存在下で、適切な温度、例えば30〜90℃、詳細には85℃で、適切な時間、例えば0.1〜12時間、詳細には6時間、10重量%のメルカプトプロピル硫酸ナトリウム(SMPSA)含有溶液と接触する。次いで、改質された膜は、脱イオン水で洗い流され、3%HCl溶液に2時間浸漬され、再度脱イオン水で洗い流され、最後にIPAで洗い流され、乾燥される。
【0031】
[0031]溶剤可溶性又は水溶性、特には水溶性の、任意の適切なラジカル開始剤、をチオール−エン反応の間中、使用することができる。有用なラジカル開始剤の例としては、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2.4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]二塩酸塩、2,2’−アゾビス[N−(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]水和物、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2.4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)が挙げられる。
【0032】
[0032]CWSTは,適切な方法で測定することができる。実施形態において、方法は、一定の組成物の一連の溶液に依存する。それぞれの溶液は、特定の表面張力を有する。溶液の表面張力は、小さな非等価の増加において、15〜92dyne/cmの範囲である。膜の表面張力を測定するために、一定の表面張力の溶液の一滴を、白色光テーブルの上面に置かれた多孔質膜表面に付け、液滴が多孔質膜に浸透し、光が多孔質膜を通過する印として明白色になる時間を記録する。液滴が多孔質膜に浸透する時間が≦10秒の場合、瞬時のぬれが考えられる。時間が>10秒の場合、溶液は、多孔質膜を部分的にぬらすと考えられる。
【0033】
[0033]式(II)の前駆体コポリマーの多孔質PTFE基材への塗布に続く乾燥は、互いにコポリマーに存在する(チオール−エン反応の間中、未改質の)残存アリル基の反応の結果として、式(I)の架橋されたコポリマーをもたらす。
【0034】
[0034]本発明の実施形態によれば、多孔質PTFE膜は、ナノ多孔質膜、例えば1nm〜100nmの間の孔径を有する多孔質膜であり、又は0.1μm〜10μmの間の孔径を有するミクロ多孔膜である。
【0035】
[0035]本発明は、流体を濾過する方法を更に提供し、方法は流体を上記多孔質膜の実施形態の任意のものに通すことを含む。流体は、水系流体、有機系流体、又はこれらの組合せであってもよい。
【0036】
[0036]本発明は、例えば流体を濾過する方法であって、流体を上記で記載された多孔質膜の実施形態の任意のものに通すことを含む、方法を提供する。例えば、微量の金属不純物は、次世代半導体及びマイクロエレクトロニクス材料の製造において引き続き問題になる。本発明の一実施形態は、金属含有流体をコポリマーを含む多孔質膜に通し、流体から金属を除去することによって、流体、詳細にはマイクロエレクトロニクス流体から溶存金属を除去する方法を含む。一実施形態において、発明の方法は、金属含有流体を多孔質膜に通し、流体から金属を除去することを含む。膜は、流体からほとんどの微量金属の約99%を除去することができる。
【0037】
[0037]したがって、例えば、多孔質PTFE膜を使用して、多くの用途の水及び有機流体、例えば0.005ppbのレベルまで又は計器の検出限界まで下がった、例えばマイクロエレクトロニクス産業における流体、から例えばLi、Na、K(及び他の第1族金属)、Mg、Ca(及び他の第2族金属)、Al(及び他の第3族金属)、Pb(及び他の第4族金属)、Sb、Bi(及び他の第5族金属)、並びにCd、Cr、Mo、Pd、Ag、W、V、Mn、Fe、Ni、Cu、Zn(及び他の遷移金属)などの微量金属を除去することができる。
【0038】
[0038]実施形態によれば、流体から除去される汚染物質は、1つ又は複数の周期律表の第1〜5族の金属、1つ又は複数の遷移金属、又はこれらの任意の組合せ、例えばLi、Na、K、Mg、Ca、Al、Pb、Sb、Bi、Cd、Cr、Mo、Pd、Ag、W、V、Mn、Fe、Ni、Cu、及びZn、及びこれらの任意の組合せからなる群から選択される汚染物質である。
【0039】
[0039]本発明の実施形態によれば、多孔質PTFE膜は、平面状、平坦なシート、ひだ状、管状、らせん状、及び中空繊維を含むさまざまな形状を有することができる。一実施形態において、多孔質膜は、中空繊維膜である。
【0040】
[0040]本発明の実施形態による多孔質PTFE膜は、通常は少なくとも1つの入口及び少なくとも1つの出口を備え、入口と出口との間に少なくとも1つの流体流路を画定するハウジングに配置され、少なくとも1つの発明の膜、又は少なくとも1つの発明の膜を含むフィルターが、流体流路を横断して、フィルター装置又はフィルターモジュールを提供する。実施形態において、入口及び第1の出口を備え、入口と第1の出口との間の第1の流体流路を画定するハウジング、及び第1の流体流路を横断してハウジングに配置されている、少なくとも1つの発明の膜又は少なくとも1つの発明の膜を備えるフィルターを具備したフィルター装置が提供される。
【0041】
[0041]クロスフロー用途に関して、少なくとも1つの発明の膜又は少なくとも1つの発明の膜を備えるフィルターは、少なくとも1つの入口及び少なくとも2つの出口を備え、入口と第1の出口との間の少なくとも第1の流体流路、及び入口と第2の出口との間の少なくとも第2の流体流路を画定するハウジングに配置されるのが好ましく、発明の膜又は少なくとも1つの発明の膜を備えるフィルターは、第1の流体流路を横断し、フィルター装置又はフィルターモジュールを提供する。例示的実施形態において、フィルター装置は、クロスフローフィルターモジュール、入口を備えるハウジング、濃縮体出口を備える第1の出口、透過体出口を備える第2の出口を備え、及び入口と第1の出口との間の第1の流体流路、及び入口と第2の出口との間の第2の流体流路を画定し、少なくとも1つの発明の膜又は少なくとも1つの発明の膜を備えるフィルターが、第1の流体流路を横断して配置される。
【0042】
[0042]フィルター装置又はモジュールは、滅菌することができる。適切な形状の任意のハウジング、並びに入口及び1つ又は複数の出口を設置することができる。
【0043】
[0043]ハウジングは、任意の不透過性熱可塑性材料を含み、処理される流体に適合する、任意の適切な堅い不透過性材料から製作することができる。例えば、ハウジングは、例えばステンレス鋼などの金属、又は、例えば透明又は半透明ポリマー、例えばアクリル、ポリプロピレン、ポリスチレン、又はポリカーボネート樹脂などのポリマーから製作することができる。
【0044】
[0044]本発明の実施形態による多孔質PTFE膜はまた、例えば診断用途(例えば、試料調製、及び/又は診断側方流動装置を含む)、インクジェット用途、リソグラフィ、例えばHD/UHMW PE系媒体の代替として、製薬産業に関する流体の濾過、金属除去、超純水の製造、工業用水及び地表水の処理、医療用途に関する流体の濾過(自宅用、及び/又は患者用、例えば静脈注射用途を含み、また例えば血液などの生物学的流体の濾過(例えばウイルス除去)も含む)、エレクトロニクス産業に関する流体の濾過(例えばマイクロエレクトロニクス産業におけるフォトレジスト流体の濾過、及び高温硫酸過酸化物混合物(SPM)流体の濾過)、食品及び飲料産業に関する流体の濾過、ビール濾過、浄化、抗体及び/又はタンパク質含有流体の濾過、核酸含有流体の濾過、細胞検出(インサイチュを含む)、細胞収穫、及び/又は細胞培養流体の濾過、を含むさまざまな他の用途において使用することができる。或いは、又は更には、本発明の実施形態による多孔質PTFE膜は、空気、及び/若しくはガスを濾過するために使用することができ、及び/並びにガス抜き用途(空気及び/又はガスを通過させるが、液体は通過させない)に使用することができる。本発明の実施形態による多孔質PTFE膜は、例えば眼科手術用製品などの手術装置を含むさまざまな装置、及び製品において使用することができる。
【0045】
[0045]以下の実施例は、本発明を更に説明するが、もちろんその範囲を限定するとは決して解釈されるべきではない。
【0046】
実施例1
[0046]この実施例は、アリルグリシジルエーテル及び3−[2−(パーフルオロヘキシル)エトキシ]−1,2−エポキシプロパンのブロックコポリマーから始まる、本発明の実施形態による多孔質PTFE膜の調製及び性能を説明する。
【0047】
[0047]0.2ミクロン多孔質PTFE基材を、コポリマーのアセトン溶液(1.5重量%)で塗布した。塗布された基材をIPAで予めぬらし、続いて脱イオン水で交換し、次いで、脱イオン水に5%の開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩の存在下、10重量%のメルカプトプロピルスルホン酸ナトリウム塩(MPSA)を含有する溶液中で、85℃、6時間反応させた。次いで、改質された膜を、脱イオン水で洗い流し、3%HCl溶液中に2時間浸漬し、脱イオン水で再度洗い流し、最後にIPAで洗い流し、乾燥した。
【0048】
[0048]IPAからの金属除去に関する膜の試験の前に、試験装置の全体を3%HClに24時間浸漬し、脱イオン水で洗い流した。平坦なシート媒体試料のそれぞれから、試験をするために3枚の47mmディスクを切り取った。それぞれのディスクを、負荷を掛けるためにフィルターハウジングに配置した。それぞれの試料を、IPA100〜200mL、続いて5%HCl100〜200mL、最後に脱イオン水200〜500mLで順次洗い流した。次いで、それぞれの試料を、金属塩、例えば水酸化物、塩化物、硝酸塩の形態のそれぞれの金属1ppbを添加したIPAで負荷を掛けた。7mL/分の流出物の流量を達成した。流出物10mLをPFAボトルに採取した。流入物及び全ての流出物試料を、ICP−MS分析用に採取した。
【0049】
[0049]追加的なミクロ多孔膜を、チオール含有試薬を
図1に説明されているように変更すること以外は以下の同じ手順に従って作製した。
【0050】
[0050]IPA溶媒からの金属除去性能を下記の表1に記載する。
【0052】
実施例2
[0051]この実施例は、本発明の別の実施形態による多孔質膜の調製及び性能特性を説明する。
【0053】
[0052]式(II)のランダムコポリマーを以下のように調製した。
【0054】
【化1】
磁気撹拌子を備えた2.0Lシュレンクフラスコに、固体としてのMePPh3Br(1.15g、3.22mmol)を、乾燥条件下、窒素又はアルゴン下で装入した。無水トルエン(750mL)を窒素下で移送し、続いてアリルグリシドールエーテル(147.1g、1.29mol)及び3−(パーフルオロヘキシル)プロピレンオキシド(242.2g、6.44mol)をアルゴン下で移送し、反応フラスコを0〜5℃に冷却した後、モノマー混合物を含有するフラスコに、重合を開始するために、トリイソブチルアルミニウム(32.2mmol、29.27ml)を一度に移送した。混合物をMeOH/水混合物(4:1、5.0ml)の添加によって失活させる前に、反応を0〜5℃で24h維持した。重合混合物を、MeOH/水混合物(4:1)2.5Lを含有する混合容器に添加し、混合物を静置させ、底部に白色ゲル材料を得た。液体部分をデカントし、残りを濾過し、溶液から白色ゲル材料を単離した。白色ゲル材料をアセトン(4〜5L)中に溶解し、セライトの床(高さ3〜5cm、直径8〜10cm)を通じて濾過し、続いてロータリーエバポレーターでアセトンを除去し、白色粘性ゲルとしてコポリマー(325g、83%収率)を得た。コポリマーの分子量は、GPCで測定したところ約25Kdであった。m:nの比は、約400:約200であることが判明した。
【0055】
[0053]上記コポリマーを、多孔質PTFE基材に塗布し、MPSAで改質し、実施例1において説明されているように多孔質膜を得、IPAからの金属除去に関して試験した。多孔質膜は、表2に示すように、元のPTFE膜と比較して、流体中の金属イオンの濃度を実質的に低減した。
【0057】
[0054]刊行物、特許出願、及び特許を含む、本明細書で引用される全ての参考文献は、あたかもそれぞれの参考文献が、参照により組み込まれていると、個別に具体的に示され、その全体が本明細書に記載されているかのように同じ程度まで、参照により本明細書に組み込まれている。
【0058】
[0055]本発明を記載する文脈において(特に以下の特許請求の範囲の文脈において)、「a」及び「an」及び「the]及び「少なくとも1つ」という用語及び同様の指示対象の使用は、本明細書で特に示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾することがない限り、単数形と複数形の両方を包含すると解釈される。「少なくとも1つ」という用語に続く1つ又は複数の品目のリスト(例えば、「A及びBの少なくとも1つ」)の使用は、本明細書で特に示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾することがない限り、列挙された品目(A又はB)、又は列挙された品目(A又はB)の2つ以上の任意の組合せから選択される1つの品目を意味すると解釈される。「含む」(comprising)、「有する」、「含む」(including)、及び「含有する」という用語は、特に断りのない限り、オープンエンド用語(すなわち「含むが、これらに限定されない」を意味する)として解釈される。本明細書では、数値範囲の列挙は、範囲内のそれぞれ別々の数値を個別に参照する、簡略な方法として使えることを単に意図しており、本明細書で特に示されない限り、それぞれ別々の数値は、あたかも本明細書に個別に列挙されるかのように、本明細書に組み込まれている。本明細書に記載される全ての方法は、本明細書で特に示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾することがない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書に示す、任意及び全ての実施例、又は例示的な言い回し(例えば、「例えば」)の使用は、本発明を更に明らかにすることを単に意図しており、特に主張がない限り、本発明の範囲に関して制限をもたらすものではない。本明細書において、いかなる言い回しも、本発明の実施に必須である任意の非請求要素を示すものとして解釈されない。
【0059】
[0056]発明者らに公知の本発明を実行するための最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態が、本明細書に記載されている。それらの好ましい実施形態の変形形態は、上記の説明を読むことで当業者に明らかになり得る。本発明者らは、当事者が必要に応じてこのような変形形態を用いることを予期し、発明者らは、実施される発明を意図する、そうでなければ本明細書に詳細に記載される。したがって、適用法で許可されているように、本発明は、本明細書に添付される特許請求の範囲に記載された主題の全ての改変及び同等物を含む。更に、それの全ての可能な変形形態における、上記の要素の任意の組合せは、本明細書で特に示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾することがない限り、本発明によって包含される。