特許第6569724号(P6569724)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569724
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】発電機搭載車両
(51)【国際特許分類】
   B60K 6/40 20071001AFI20190826BHJP
   B62D 21/00 20060101ALI20190826BHJP
   B60K 1/04 20190101ALI20190826BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   B60K6/40ZHV
   B62D21/00 A
   B60K1/04 Z
   B60K13/04 A
【請求項の数】6
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2017-241441(P2017-241441)
(22)【出願日】2017年12月18日
(65)【公開番号】特開2019-107961(P2019-107961A)
(43)【公開日】2019年7月4日
【審査請求日】2018年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003137
【氏名又は名称】マツダ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100121603
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 元昭
(74)【代理人】
【識別番号】100141656
【弁理士】
【氏名又は名称】大田 英司
(74)【代理人】
【識別番号】100182888
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 弘
(74)【代理人】
【識別番号】100196357
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 吉章
(74)【代理人】
【識別番号】100067747
【弁理士】
【氏名又は名称】永田 良昭
(72)【発明者】
【氏名】横山 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩田 一男
(72)【発明者】
【氏名】高群 保
(72)【発明者】
【氏名】野口 慶明
【審査官】 増子 真
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−078622(JP,A)
【文献】 特開2011−143827(JP,A)
【文献】 特開2011−163180(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0008055(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 6/20 − 6/547
B60W 10/00 − 20/50
B60K 1/00 − 6/12
B60K 7/00 − 8/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該エンジンで燃焼した排気ガスを排出する排気系部品と、を車両後方部に搭載する発電機搭載車両であって、
左右一対のリヤサイドフレームを設け、
上記リヤサイドフレームの車両前後方向中間部において、当該リヤサイドフレームを車幅方向に連結する後側クロスメンバを設け、
上記リヤサイドフレームの下方かつ車幅方向内側にサブフレームを設け、
上記サブフレームの後端部には車幅方向に延びるサブバンパレインフォースメントを設け、
車両後方部の上記サブバンパレインフォースメントと上記後側クロスメンバとの間において、車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上記排気系部品、上記エンジン、上記発電機が搭載され
上記発電機と上記排気系部品との前後間に上記エンジンが介設され、
さらに、上記後側クロスメンバと上記サブバンパレインフォースメントとの前後方向中間部には、サブフレームクロスメンバを設け、
上記サブバンパレインフォースメントと上記サブフレームクロスメンバとの間に形成される第1搭載部に、
上記排気系部品が搭載され、
上記後側クロスメンバと上記サブフレームクロスメンバとの間に形成される第2搭載部に、車両後方から前方側に向かって順次上記エンジン、上記発電機が搭載された
発電機搭載車両。
【請求項2】
上記排気系部品は、車幅方向に延びるよう延設されており、車幅方向の空気の流れを形成するよう構成されたことを特徴とする
請求項1に記載の発電機搭載車両。
【請求項3】
上記排気系部品の車幅方向の一方側に掃気ファンを備え、該掃気ファンによって車幅方向の空気の流れを形成するよう構成されたことを特徴とする
請求項に記載の発電機搭載車両。
【請求項4】
上記排気系部品の少なくとも前部および上部を覆って気流空間を形成するカバー部材を備え、
上記掃気ファンによって上記カバー部材内に車幅方向の空気の流れを形成するよう構成したことを特徴とする
請求項に記載の発電機搭載車両。
【請求項5】
上記排気系部品は、排気浄化装置とサイレンサとにより構成され、
上記排気浄化装置と上記サイレンサとが上下方向に搭載されたことを特徴とする
請求項1〜の何れか一項に記載の発電機搭載車両。
【請求項6】
上記エンジンはロータリエンジンに設定されたことを特徴とする
請求項1〜の何れか一項に記載の発電機搭載車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該エンジンで燃焼した排気ガスを排出する排気系部品と、を車両後方部に搭載する発電機搭載車両に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、前輪などの駆動輪を駆動するモータと、該モータに電力を供給するバッテリと、該バッテリに発電電力を充電する発電機と、この発電機を駆動するエンジンと、該エンジンで燃焼した排気ガスを排出する排気系部品とを備えたレンジエクステンダと称される電気自動車が知られている。
【0003】
上述のエンジン、排気系部品、発電機を車両に搭載する場合、車両のレイアウト上、車両後方側にエンジンと、その排気系部品と、上記エンジンによって駆動される発電機とを配置することが考えられる。
【0004】
この際、上述の発電機は、発電時に発熱し、耐熱性の観点から可及的低温にすることが求められる関係上、排気系部品の排気ガスの熱影響を受けないように成すことが望まれている。
【0005】
ところで、特許文献1には、車両後方において、エンジンと発電機とを車幅方向に並べて配置したレンジエクステンダと称される発電機搭載車両が開示されているが、発電機の直後部に排気系部品としてのサイレンサが配置されているので、発電機の排気系部品からの受熱抑制の観点で改善の余地があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2016−78622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そこで、この発明は、発電機が排気系部品からの排気ガスの熱影響を可及的受けないようにレイアウトすることができる発電機搭載車両の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明による発電機搭載車両は、発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該エンジンで燃焼した排気ガスを排出する排気系部品と、を車両後方部に搭載する発電機搭載車両であって、左右一対のリヤサイドフレームを設け、上記リヤサイドフレームの車両前後方向中間部において、当該リヤサイドフレームを車幅方向に連結する後側クロスメンバを設け、上記リヤサイドフレームの下方かつ車幅方向内側にサブフレームを設け、上記サブフレームの後端部には車幅方向に延びるサブバンパレインフォースメントを設け、車両後方部の上記サブバンパレインフォースメントと上記後側クロスメンバとの間において、車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上記排気系部品、上記エンジン、上記発電機が搭載され、上記発電機と上記排気系部品との前後間に上記エンジンが介設され、さらに、上記後側クロスメンバと上記サブバンパレインフォースメントとの前後方向中間部には、サブフレームクロスメンバを設け、上記サブバンパレインフォースメントと上記サブフレームクロスメンバとの間に形成される第1搭載部に、上記排気系部品が搭載され、上記後側クロスメンバと上記サブフレームクロスメンバとの間に形成される第2搭載部に、車両後方から前方側に向かって順次上記エンジン、上記発電機が搭載されたものである。
【0009】
上述の発電機は、交流発電機に設定してもよい。また、上述のエンジンは1ロータタイプのロータリエンジンに設定してもよい。さらに、上述の排気系部品は、排気浄化装置やサイレンサに設定してもよい。
【0010】
上記構成によれば、発電機と排気系部品との間にエンジンが介設されているうえ、排気系部品を車両後方部の最も後方に搭載したので、排気ガスの熱が車外に排出されやすくなり、この結果、発電機が排気系部品からの排気ガスの熱影響を可及的受けないようにレイアウトすることができる。
【0011】
上記構成によれば、車両後方部を後側クロスメンバ、サブフレームクロスメンバおよびサブバンパレインフォースメントにて区画しているので、排出ガスの熱が前方側に伝わりにくくなり、これにより、発電機が受ける排気系部品からの熱影響をさらに抑制することができる。
また、上記第1搭載部を車両後突時のクラッシュゾーンとすることでき、第2搭載部に搭載されたエンジンおよび発電機を後突荷重から保護することができる。
【0012】
この発明の一実施態様においては、上記排気系部品は、車幅方向に延びるよう延設されており、車幅方向の空気の流れを形成するよう構成されたものである。
上記構成によれば、排気系部品の延設方向により、車幅方向の空気の流れを形成するので、当該排気系部品の搭載位置よりも車両前方側に可及的排気ガスの熱を流されないように成すことができ、発電機の排気系部品からの受熱を抑制することができる。
【0013】
この発明の一実施態様においては、上記排気系部品の車幅方向の一方側に掃気ファンを備え、該掃気ファンによって車幅方向の空気の流れを形成するよう構成されたものである。
上記構成によれば、掃気ファンにより車幅方向の空気の流れを積極的に形成するので、排気系部品の熱を車幅方向の一方側から他方側に確実に流すことができる。
【0014】
この発明の一実施態様においては、上記排気系部品の少なくとも前部および上部を覆って気流空間を形成するカバー部材を備え、上記掃気ファンによって上記カバー部材内に車幅方向の空気の流れを形成するよう構成したものである。
【0015】
上記構成によれば、カバー部材により排気系部品の熱を上記気流空間に沿って車幅方向に確実に流し、かつ、排気系部品の熱が当該排気系部品の搭載位置よりも車両前方側に流れるのを上記カバー部材にて抑制することができる。
【0016】
この発明の一実施態様においては、上記排気系部品は、排気浄化装置とサイレンサとにより構成され、上記排気浄化装置と上記サイレンサとが上下方向に搭載されたものである。
上記構成によれば、排気浄化装置とサイレンサとを上下方向に搭載することで、車幅方向の空気の流れをより一層確実に形成することができる。
【0017】
この発明の一実施態様においては、上記エンジンはロータリエンジンに設定されたものである。
上記構成によれば、ロータリエンジンはレシプロエンジンに対してコンパクトであるため、車両後方部において発電機の後方にロータリエンジンをコンパクトに搭載することができる。
【発明の効果】
【0018】
この発明によれば、発電機が排気系部品からの排気ガスの熱影響を可及的受けないようにレイアウトすることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】本発明の発電機搭載車両を示す平面図
図2図1のA−A線矢視断面図
図3】発電機搭載車両の車両後方部のレイアウトを示す平面図
図4】第1搭載部および第2搭載部を示す平面図
図5】エンジンの側面図
図6】ロータリエンジンの吸気ポート、排気ポートの構成を示す断面図
図7】排気系部品および掃気ファンを示す平面図
図8】カバー部材を取付けた状態で示す図7のB−B線矢視断面図
図9】カバー部材を取付けた状態で示す図7のC−C線矢視断面図
【発明を実施するための形態】
【0020】
発電機が排気系部品からの排気ガスの熱影響を可及的受けないようにレイアウトするという目的を、発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該エンジンで燃焼した排気ガスを排出する排気系部品と、を車両後方部に搭載する発電機搭載車両であって、左右一対のリヤサイドフレームを設け、上記リヤサイドフレームの車両前後方向中間部において、当該リヤサイドフレームを車幅方向に連結する後側クロスメンバを設け、上記リヤサイドフレームの下方かつ車幅方向内側にサブフレームを設け、上記サブフレームの後端部には車幅方向に延びるサブバンパレインフォースメントを設け、車両後方部の上記サブバンパレインフォースメントと上記後側クロスメンバとの間において、車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上記排気系部品、上記エンジン、上記発電機が搭載され、上記発電機と上記排気系部品との前後間に上記エンジンが介設され、さらに、上記後側クロスメンバと上記サブバンパレインフォースメントとの前後方向中間部には、サブフレームクロスメンバを設け、上記サブバンパレインフォースメントと上記サブフレームクロスメンバとの間に形成される第1搭載部に、上記排気系部品が搭載され、上記後側クロスメンバと上記サブフレームクロスメンバとの間に形成される第2搭載部に、車両後方から前方側に向かって順次上記エンジン、上記発電機が搭載されるという構成にて実現した。
【実施例】
【0021】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面は発電機搭載車両を示し、図1は当該発電機搭載車両を示す平面図(但し、図1においては、図示の便宜上、サイドシル、フロアフレーム、フロアパネル、リヤフロア、リヤサイドフレーム等の車体部材の図示を省略している)、図2図1のA−A線矢視断面図、図3は発電機搭載車両の車両後方部のレイアウトを示す平面図、図4は第1搭載部および第2搭載部を示す平面図である。
【0022】
図2において、車室の床面を形成するフロアパネル1の車幅方向中央には、上方に突出して車両の略前後方向に延びるトンネル部2を形成している。
フロアパネル1の車幅方向左右両端部の折曲げ部1a,1aには、車両前後方向に延びる左右のサイドシル3,3を接合固定している。サイドシル3は、サイドシルインナ4とサイドシルアウタ5とを接合固定して車両の前後方向に延びるサイドシル閉断面6を備えた車体強度部材である。
【0023】
図2に示すように、上述のサイドシル3とトンネル部2との間におけるフロアパネル1の下面には、断面逆ハット形状の左右のフロアフレーム7,7を接合固定しており、このフロアフレーム7とフロアパネル1との間には車両の略前後方向に延びる閉断面8を形成している。
【0024】
上述のフロアフレーム7は、車両前方側のダッシュロアパネルの位置から、フロアパネル1とリヤフロアとの間においてキックアップ部を形成する中間クロスメンバ9(いわゆるNo.3クロスメンバで図3参照)の位置まで前後方向に延びており、左右一対のフロアフレーム7,7の間隔は、車両前方側が相対的に狭く、車両後方側が相対的に広くなるよう配置されている。
【0025】
図3で示した中間クロスメンバ9とダッシュロアパネルとの車両前後方向中間部には、図2に示すように、左右のサイドシル3,3を車幅方向に連結する前側クロスメンバ10(いわゆるNo.2クロスメンバ)を設け、この前側クロスメンバ10とフロアパネル1およびトンネル部2との間には、車幅方向に延びる閉断面を形成している。
【0026】
図2に示すように、左右一対のフロアフレーム7,7における下部相互間には、複数のマウント部材11を用いて、剛性のバッテリトレイ12のフランジ部12aを締結固定している。そして、該バッテリトレイ12上部には複数の高電圧バッテリB1(350〜400ボルトの高電圧バッテリ)を搭載している。
【0027】
上述の複数の高電圧バッテリB1は、その全体が樹脂製のカバー部材13で上方から覆われており、カバー部材13の車両左側には上方に隆起する隆起部13aが一体形成され、この隆起部13aと、その下方の高電圧バッテリB1,B1との間には、ユニット支持台14に支持されたバッテリコントロールユニット15が配置されている。
【0028】
図2に示すように、上述のカバー部材13はその下端部にフランジ部13bが一体形成されており、このフランジ部13bが、取付け部材16を用いて上述のバッテリトレイ12におけるフランジ部12aに取付けられている。
【0029】
図3に車両後方部のレイアウトを平面図で示すように、車両後部においては、上述の左右のサイドシル3,3からさらに後方に延びる左右一対のリヤサイドフレーム17,17を設けている。該リヤサイドフレーム17は閉断面構造の車体強度部材であって、当該リヤサイドフレーム17の後端部には、セットプレートおよび取付プレートを介してメインクラッシュカン(図示せず)を取付けると共に、左右一対のメインクラッシュカン相互間には、車幅方向に延びるメインバンパレインフォースメント(図示せず)を取付けている。
【0030】
図3に示すように、上述のリヤサイドフレーム17の車両前後方向中間部において、リヤサスペンション装置のトーションビームと上下方向に対応する位置には、左右一対のリヤサイドフレーム17,17を車幅方向に連結する後側クロスメンバ18(いわゆるNo.4クロスメンバ)を設けている。
【0031】
同図に示すように、上述の後側クロスメンバ18から車両後方に離間した位置において、左右一対のリヤサイドフレーム17,17の後部相互間には、車幅方向に延びる後端側クロスメンバ19(いわゆるNo.5クロスメンバ)を設けている。
【0032】
図3図4に示すように、左右一対のリヤサイドフレーム17,17の下方かつ車幅方向内側には、サブフレーム20を設けている。
このサブフレーム20は、車両前後方向に延びる左右一対のサブフレームサイドメンバ21,21と、該サブフレームサイドメンバ21,21の後端部を車幅方向に連結するサブフレームクロスメンバ22と、から構成されている。当該サブフレームクロスメンバ22の車幅方向左右両端部は、リヤサイドフレーム17に締結固定されるものである。
【0033】
図4に示すように、左右の各サブフレームサイドメンバ21,21の後端部には、メインクラッシュカンの前後長に対して、その前後長が比較的長いサブクラッシュカン23を後方に向けて取付けており、これら左右の各サブクラッシュカン23,23の後端部相互間には、車幅方向に延びるサブバンパレインフォースメント24を取付けている。
【0034】
そして、上述のサブバンパレインフォースメント24の後端面からサブフレームクロスメンバ22の後端面までの前後方向スペースをクラッシュスペース25に設定し、サブフレームクロスメンバ22の後端面から後側クロスメンバ18(No.4クロスメンバ)の後端面までの前後方向エリアを保護エリア26に設定している。
【0035】
図4に示すように、車両後方部が、フレーム部材としての後側クロスメンバ18、サブフレームクロスメンバ22、サブバンパレインフォースメント24によって車両前後方向に区画形成されており、車両後方部の車両後方側に位置する第1搭載部27と、該第1搭載部27よりも車両前方側に位置する第2搭載部28とを備えている。
ここで、第1搭載部27は上述のクラッシュスペース25と対応し、第2搭載部28は上述の保護エリア26と対応する。
【0036】
この実施例の発電機搭載車両は、図3に示すように、バッテリB2(詳しくは、350〜400ボルトの高電圧バッテリ)と、電気部品としての発電機29(詳しくは、交流発電機)と、該発電機29を駆動するエンジンとしてのロータリエンジン30と、該ロータリエンジン30に供給される燃料を貯留する燃料タンク40と、上記ロータリエンジン30で燃焼した排気ガスを排出する排気系部品50と、を備えており、バッテリB2の充電状態が低下すると、ロータリエンジン30により発電機29を駆動し、その発電電力をバッテリB2に供給して充電するよう構成されたレンジエクステンダと称される電気自動車である。ここで、上述のバッテリB2および燃料タンク40は前述のバッテリトレイ12(図2参照)の後部に搭載されている。
【0037】
この実施例では、上記ロータリエンジン30がスタータを有さないので、エンジン始動時には、バッテリB2の電力を用いて発電機29を駆動し、当該発電機29でロータリエンジン30を始動し(これを力行という)、エンジン回転数が所定回転数に達すると、ファイアリング(firing)を実行し、ロータリエンジン30が始動完了すると回生に切換えて、エンジン出力により発電機29を駆動して発電し、発電した交流電力を後述するコンバータ70で直流に変換(AC−DC変換)してバッテリB2に充電する。バッテリB2に充電された電力は、電力ケーブルを介して、車両前部のインバータ(図示せず)に供給され、このインバータで直流が交流に変換(DC−AC変換)された後に、交流モータを駆動し、ドライブシャフトを介して駆動輪としての前輪を回転させるよう構成している。
【0038】
図3に示すように、車両後方部において、車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上記排気系部品50、ロータリエンジン30、発電機29が搭載されている。
詳しくは、同図に示すように、第1搭載部27(図4参照)に排気系部品50を搭載すると共に、上述の第2搭載部28(図4参照)に車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上述のロータリエンジン30、発電機29が搭載されている。ここで、発電機29とロータリエンジン30とは所謂縦置き配置されたものである。
【0039】
すなわち、図3に示すように、発電機29と排気系部品50との間にロータリエンジン30が介設されているうえ、排気系部品50を車両後方部の最も後方に搭載することで、排気ガスの熱が車外に排出されやすくなり、これにより、発電機29が排気系部品50からの排気ガスの熱影響を可及的受けないよう構成したものである。
【0040】
図5はエンジンの側面図、図6はロータリエンジンの吸気ポート、排気ポートの構成を示す断面図である。
ロータリエンジン30は、その一例を図6に示すように、前後一対のサイドハウジングと、これら一対のサイドハウジングの間に介設されるロータハウジング60と、これら各ハウジングにより形成される車両前後方向に偏平なロータ収容室61と、このロータ収容室61内に収容されるロータ62と、車両前後方向に延びるエキセントリックシャフト63と、ロータハウジング60から吸気を行うペリフェラルポート構造(トロコイド内周面に開口するポート構造)の吸気ポート64と、サイドハウジングから排気を行うサイドポート構造の排気ポート65と、リーディング(leading、先導)側点火プラグ66およびトレーリング(trailing、従動)側点火プラグ67と、図5に示すオイルパン68と、を含んでいる。
【0041】
ロータリエンジン30は、ロータ収容室61内のトロコイド内周面とロータ62との間に形成される3つの作動室で吸気、圧縮、燃料(膨張)および排気の各工程が行われることにより発生するロータ62の回転力を、出力軸であるエキセントリックシャフト63から取出すよう構成されている。
【0042】
この実施例では、上述のエキセントリックシャフト63が車両前後方向に指向するようロータリエンジン30が配置されており、当該エキセントリックシャフト63で発電機29の回転子を回転させるよう構成している。
【0043】
図6に示した吸気ポート64には、図3図5に示すように、フレッシュエアダクト31、エアクリーナ32、エアクリーナ下流の吸気通路33、該吸気通路33に介設した電動スロットルバルブ34(いわゆるエレキスロットル)および吸気マニホルド35を介して吸気が供給される。
【0044】
図6で示した排気ポート65からの排気は、排気管としての排気マニホルド51を介してその下流側の排気系部品50に排出される(図3図5参照)。
図3図5に示すように、ロータリエンジン30に接続された排気マニホルド51が車幅方向一方側(この実施例では、車幅方向左側)に配置されると共に、排気マニホルド51の上部側には、当該ロータリエンジン30の車幅方向一方側に接続された吸気マニホルド35が配置されている。つまり、排気マニホルド51と吸気マニホルド35とは、ロータリエンジン30の車幅方向同側に配置されている。図6で示したように、ロータリエンジン30はペリフェラルポート構造の吸気ポート64と、サイドポート構造の排気ポート65とが、車両前後方向から見て車幅方向の略同側に位置しているので、各マニホルド35,51を車幅方向の同側に配置することが可能となる。この点については、吸気ポートをサイドポート構造に、排気ポートをペリフェラルポート構造に成したロータリエンジンについても同様である。
【0045】
一方、図3に示すように、発電機29と接続されるコンバータ70(詳しくは、AC−DCコンバータ)は車幅方向他方側(この実施例では、車幅方向右側)に配置されている。このコンバータ70は、発電機29で発電した交流電力を直流に変換して、バッテリB2に供給するものである。
【0046】
発電機29およびロータリエンジン30を車両前後方向に搭載(いわゆる縦置き配置)することで、これら両者29,30の車幅方向の両サイドにはスペースが形成され、発電機搭載車両の必要部品として比較的大きい部品である排気マニホルド51とコンバータ70とを、上述のスペースを有効利用して、互いに干渉しないように限られたスペース内にレイアウトすべく構成したものである。
【0047】
図4に示すように、上述の第2搭載部28は車幅方向に延びるフレーム部材としての後側クロスメンバ18(No.4クロスメンバ)とサブフレームクロスメンバ22とで区画形成されており、図3に示すように、発電機29は、後側クロスメンバ18、サブフレームクロスメンバ22のうち、車幅方向に延設され、かつ車両前後方向の一方側である前方側に配置された後側クロスメンバ18に対して、マウントブラケット37およびマウントラバーを用いて、その下方からマウント支持されており、ロータリエンジン30は、後側クロスメンバ18、サブフレームクロスメンバ22のうち、車幅方向に延設され、かつ車両前後方向の他方側である後方側に配置されたサブフレームクロスメンバ22に対して、マウントブラケット38およびマウントラバーを用いて、その上方からマウント支持されている。
【0048】
詳しくは、発電機29とロータリエンジン30とを、ボトルアップにて一体ユニット化し、この一体ユニット化された発電機29の前部を、マウントブラケット37およびマウントラバーを介して後側クロスメンバ18の下部にマウント支持し、一体ユニット化されたロータリエンジン30の後部を、マウントブラケット38およびマウントラバーを介してサブフレームクロスメンバ22の上部にマウント支持したものである。
【0049】
さらに詳しくは、発電機29とロータリエンジン30とを一体ユニット化したユニットの車両略前後方向に延びる慣性軸に対して、マウントブラケット37側のマウントラバーとマウントブラケット38側のマウントラバーとが左右に離間し、かつ近接するように前後2個づつのマウントラバー(合計4このマウントラバー)を用いて、マウント支持したものである。
【0050】
また、図3に示すように、発電機29またはロータリエンジン30の車幅方向一方側(この実施例では、ロータリエンジン30の車幅方向左側)には、当該ロータリエンジン30の各種制御デバイスを制御するコントロールユニットとしてのエンジンコントロールモジュール71(Engine Control Module、いわゆるECM)が配置されている。上述のエンジンコントロールモジュール71は、ロータリエンジン30の点火タイミングや燃料噴射タイミング等を制御するためのものである。
【0051】
これにより、発電機29またはロータリエンジン30のコンバータ70が配設される車幅方向他方側とは反対の側である車幅方向一方側のスペースを有効利用して、上述のエンジンコントロールモジュール71が配置でき、かつ、可及的ロータリエンジン30に近接し、熱的影響を制御しつつ、当該エンジンコントロールモジュール71をレイアウトするよう構成したものである。
【0052】
さらに、図3に示すように、車幅方向他方側(車幅方向右側)にコンバータ70が配置された発電機29に対して、車幅方向一方側(車幅方向左側)に排気マニホルド51を配置したロータリエンジン30が車両後方に搭載されている。
【0053】
これにより、排気マニホルド51が上述のコンバータ70に対して車幅方向の反対側で、かつ車両後方に位置することで、排気マニホルド51の熱は走行風により車両後方に排出され、コンバータ70に対して排気ガスの熱影響が及ぶことを抑制すべく構成したものである。
【0054】
ところで、図1に示すように、燃料タンク40と燃料供給口としてのフィラキャップ41との間は、フィラパイプ42で連通接続されており、上述のフィラキャップ41は車両左側のリヤフェンダパネルに設けられたフィラリッド内のフィラボックスに設けられている。この実施例では、上記燃料タンク40として密閉タンクを採用している。また、燃料の補給時に、燃料タンク40内の減圧が完了するまで、フィラキャップ41の開放を規制するよう報知する報知手段が設けられている。
【0055】
車両右側のリヤフェンダパネルには、バッテリB2に対して急速充電を行う車外の急速充電機のプラグを差込む接続部(図示せず)が設けられており、この接続部とバッテリB2とは電力ケーブルで接続されている。
【0056】
一方、図1に示すように、ロータリエンジン30を冷却する冷媒(冷却水)を供給するエンジン冷却用パイプとしての第1冷却パイプ81と、電気部品である発電機29を冷却する冷媒(冷却水)を供給する電気部品冷却用パイプとしての第2冷却パイプ84と、を備えている。
【0057】
同図に示すように、第1冷却パイプ81は、インレットパイプ82とアウトレットパイプ83とを備えており、同様に、第2冷却パイプ84も、インレットパイプ85とアウトレットパイプ86とを備えている。ここで、第1冷却パイプ81の冷媒温度は約90℃〜110℃(冷却水は加圧して、その沸点を高めている)に設定されており、一方で、第2冷却パイプ84の冷媒温度は最大で約65℃に設定されている。
【0058】
図1に示すように、第2冷却パイプ84は第1冷却パイプ81よりも上述の燃料タンク40に近接させて配置されている。仮に燃料タンク40に冷媒温度が約90℃〜110℃の第1冷却パイプ81を近接配置した場合には、燃料タンク40が第1冷却パイプ81から熱を受ける受熱により蒸発燃料が多く発生したり、燃料タンク40の内圧が高くなる問題点がある。このため、燃料タンク40には、冷媒温度が約65℃以下の第2冷却パイプ84を近接配置し、燃料タンク40の受熱影響、つまり蒸発燃料の発生やタンク内圧の上昇を抑制すべく構成したものである。
【0059】
また、第1冷却パイプ81の冷媒にてロータリエンジン30を冷却することで、ロータリエンジン30の過度な冷却を抑制する一方、第2冷却パイプ84の冷媒にて発電機29を冷却することで、発電機29を冷温に保ちつつ、周辺部品である燃料タンク40の温度条件を満たして、ロータリエンジン30および発電機29を適切に冷却するよう構成したものである。
【0060】
図1に示すように、車両前方には、上述の冷媒としての冷却水を走行風にて冷却する冷却装置80が搭載されている。この冷却装置80はその最前部に位置する電気部品用のラジエータ87と、前後方向中間部に位置するエアコン用のラジエータ88と、最後部に位置するエンジン用のラジエータ89と、当該エンジン用のラジエータ89の直後部に位置し、クーリングファンを有するファンカウリング90と、を備えている。
【0061】
上述の各ラジエータ87,88,89は、走行風またはクーリングファンによる起風を用いて、冷媒と熱交換し、当該冷媒を空冷するための放熱器である。
既述したように、車両後方には、ロータリエンジン30と、燃料タンク40と、電気部品としての発電機29とが搭載されている。
【0062】
上述の第1冷却パイプ81は、各ラジエータ87,88,89のうちの最後部に位置するラジエータ89とロータリエンジン30とを接続するよう車両前方から車両後方に向かって延設されている。すなわち、ラジエータ89のアウトレットポートに接続したアウトレットパイプ83を、車両前後方向に配索してその後端を、ロータリエンジン30のウォータジャケット入口に接続し、ウォータジャケット出口に接続したインレットパイプ82を上記アウトレットパイプ83に沿設して車両後方から車両前方に配索して、その前端をラジエータ89のインレットポートに接続したものである。
【0063】
また、上述の第2冷却パイプ84は、各ラジエータ87,88,89のうちの最前部に位置するラジエータ87と発電機29とを接続するよう車両前方から車両後方に向かって延設されると共に、その途中において燃料タンク40と近接されて配置されている。
【0064】
すなわち、ラジエータ87のアウトレットポートに接続したアウトレットパイプ86を、車両前後方向に配索してその後端を、発電機29およびコンバータ70の下部に位置するウォータジャケット入口に接続し、発電機29およびコンバータ70の上部に位置するウォータジャケット出口に接続したインレットパイプ85を上記アウトレットパイプ86に略沿設して車両後方から車両前方に配索して、その前端をラジエータ87のインレットポートに接続すると共に、第2冷却パイプ84の中途部84aにおけるインレットパイプ85およびアウトレットパイプ86を、燃料タンク40と近接配置したものである。なお、図1において、冷媒の流れを矢印で示している。
【0065】
冷媒(冷却水)をウォータジャケットの下部から流入し、ウォータジャケットの上部から流出させることで、冷媒の泡立ちによる泡を抜くことができる。
図1に示すように、車両前方に搭載される冷却装置80と、車両後方に搭載されるロータリエンジン30、発電機29との間において、詳しくは、図3に示すように、中間クロスメンバ9(No.3クロスメンバ)と後側クロスメンバ18(No.4クロスメンバ)との間において、燃料タンク40とバッテリB2とが車幅方向に並設されている。
【0066】
この実施例では、図1図3に示すように、燃料タンク40が車幅方向左側に、バッテリB2が車幅方向右側に配置されており、これら両者40,B2間には、車両前後方向に延びる空間部91(図3参照)が形成されている。
【0067】
そして、上述の第2冷却パイプ84の中途部84aは、燃料タンク40とバッテリB2との間の空間部91に配置されている。これにより、第2冷却パイプ84の温度が約65℃以下の冷媒にて燃料タンク40を冷却することで、その温度上昇を抑制し、また第2冷却パイプ84の冷媒にてバッテリB2を保温することで、該バッテリB2の温度低下を抑制するよう構成したものである。つまり、寒冷地において外気温がマイナス30℃以下に低下すると、バッテリ性能が極度に低下するので、第2冷却パイプ84の冷媒でバッテリB2を保温して、そのバッテリ性能の低下を抑制するものである。
【0068】
図1に示すように、第1冷却パイプ81は、その中途部81aがバッテリB2における反燃料タンク側としての車幅方向右側に配置されており、冷媒温度が相対的に高い第1冷却パイプ81(冷媒温度は約90℃〜110℃)を、反燃料タンク側においてバッテリB2側のみに近接配置されることで、当該バッテリB2の温度低下を抑制すべく構成したものである。
【0069】
また、同図に示すように、ロータリエンジン30と電気部品である発電機29とは車両前後方向に配置されており、上述のロータリエンジン30が発電機29よりも車両後方側に位置するよう配置されており、これにより、第2冷却パイプ84がロータリエンジン30と隣接して配置されることを抑制し、当該第2冷却パイプ84に供給される冷媒の温度上昇を抑制すべく構成している。
【0070】
さらに、図2で示したように、車両のフロアパネル1には、その車幅方向中央に車両の前後方向に延びるトンネル部2が形成されており、第1冷却パイプ81を形成するインレットパイプ82、アウトレットパイプ83、並びに、第2冷却パイプ84を形成するインレットパイプ85、アウトレットパイプ86は、上述のトンネル部2内に配置されている。これにより、フロアパネル1のトンネル部2内のスペースを有効利用して、第1冷却パイプ81および第2冷却パイプ84を配置するよう構成したものである。
【0071】
この実施例では、図1に示すように、トンネル部2内においては第1冷却パイプ81と第2冷却パイプ84とを略沿設して車両前後方向に配索し、トンネル部2後端においては第1冷却パイプ81を車幅方向右側に、第2冷却パイプ84を車幅方向左側にそれぞれ配索すべく、これら各冷却パイプ81,84を二手に分けて配索している。
【0072】
ところで、図3に示すように、上述の排気系部品50は排気浄化装置としての上流側キャタリスト52および下流側キャタリスト53と、サイレンサ54とを備えている。これらの各排気系部品は、排気マニホルド51に対して、上流側から下流側に向けて上流側キャタリスト52、下流側キャタリスト53、サイレンサ54の順に接続されている。
【0073】
図7は排気系部品および掃気ファンを示す平面図(但し、図7においては便宜上、カバー部材の図示を省略している)、図8はカバー部材を取付けた状態で示す図7のB−B線矢視断面図、図9はカバー部材を取付けた状態で示す図7のC−C線矢視断面図である。
【0074】
図7図9に示すように、排気マニホルド51(図3参照)下流部と上流側キャタリスト52上流部との間は、排気通路55で連通接続されており、上流側キャタリスト52下流部と下流側キャタリスト53上流部との間は、排気通路56で連通接続されており、下流側キャタリスト53下流部とサイレンサ54上流部との間は、排気通路57で連通接続されている。
【0075】
また、図7図9に示すように、サイレンサ54の下流部には、テールパイプ58を連通接続しており、このテールパイプ58の下流端は排気ガス流通断面積を拡大した拡管部59と成して、排気ガスの流出速度の低下を図るよう構成している。
【0076】
図7図9に示すように、排気系部品50を構成する上流側キャタリスト52、下流側キャタリスト53およびサイレンサ54は、車幅方向に延びるよう延設されており、これにより車幅方向の空気の流れ(この実施例では、車幅方向右側から車幅方向左側への空気の流れ)を形成するよう構成されていて、排気系部品50の搭載位置よりも車両前方側に可及的排気ガスの熱を流さないように成し、発電機29が排気系部品50から受ける熱影響を抑制すべく構成している。
【0077】
さらに、図7図9に示すように、上述の排気系部品50の車幅方向の一方側としての車幅方向の右方側には掃気ファン72を備えており、当該掃気ファン72により車幅方向の空気の流れを形成するよう構成しており、これにより、上記掃気ファン72にて車幅方向の空気の流れを積極的に形成し、排気系部品50の熱(排気ガスの熱)を車幅方向の一方側から他方側、すなわち、車幅方向の右方側から左方側に確実に流すよう構成している。
【0078】
ここで、上述の掃気ファン72は、レンジエクステンダ作動中つまりエンジン駆動中は常時駆動すべく構成している。特に、この実施例では、レシプロエンジンの排気ガス温度に対して、その排気ガス温度が50℃〜110℃程度高くなるロータリエンジン30を採用しているので、上記掃気ファン72の作動によりロータリエンジン30の排気ガスの熱を車幅方向に逃すよう構成したものである。
【0079】
図8図9に示すように、排気系部品50の少なくとも前部および上部を覆って気流空間73を形成するカバー部材74を設けている。
図8図9に示すように、この実施例では、車両前後方向の断面が略門形状の上部カバー部材75と、車両前後方向の断面が略凹形状の下部カバー部材76と、車両前後方向の断面が略I字形状の後部カバー部材77とで、排気系部品50の前部、後部、上部、下部を覆うボックス形状のカバー部材74と成し、このボックス形状のカバー部材74にて上述の気流空間73を形成している。
【0080】
図9に示すように、上部カバー部材75の車幅方向右側を車幅方向外方かつ下方に向けて斜め方向に折曲げた屈曲部75aと、下部カバー部材76の車幅方向右側を車幅方向外方かつ上方に向けて斜め方向に折曲げた屈曲部76aとで、気流入口78を形成すると共に、上部カバー部材75の車幅方向左側を下方に折曲げた屈曲部75bと、下部カバー部材76の車幅方向左側を上方に折曲げた屈曲部76bとで、気流出口79を形成している。
【0081】
そして、上述の気流入口78の車幅方向右側に、上記屈曲部76aの傾斜方向に沿わせて上述の掃気ファン72を傾斜状に設け、この掃気ファン72によってカバー部材74内に車幅方向の空気の流れを形成するよう構成しており、これにより、カバー部材74にて排気系部品50の熱を気流空間73に沿って車幅方向に確実に流し、かつ、排気系部品50の熱が当該排気系部品50の搭載位置よりも車両前方側に流れるのを上記カバー部材74で抑制すべく構成したものである。
【0082】
ここで、図9に示すように、上部カバー部材75の屈曲部75aを車幅方向外側が低くなるようスラント形状に屈曲させると共に、屈曲端を掃気ファン72の送風部上下方向中間部位に対応させることで、気流空間73からカバー部材74外に漏れた熱気をも、掃気ファン72の起風にて車幅方向に流すよう構成している。
【0083】
また、図8に示すように、上部カバー部材75は、サブフレームクロスメンバ22の上側後部と、サブバンパレインフォースメント24の上側前部とで支持されており、下部カバー部材76および後部カバー部材77は、サブフレームクロスメンバ22の下部と、サブバンパレインフォースメント24の下側前部とで支持されている。
【0084】
さらに、図8図9に示すように、下部カバー部材76の下面は床下風を整流する目的で、図示しないアンダカバーのフラット形状の下面と連続するようフラット形状に形成されている。
【0085】
加えて、図8に示すように、上述のサイレンサ54は、その車両前後方向の前部に対して車両前後方向の後部が低くなるよう前高後低状にスラント配置しており、車両後突時に、サブバンパレインフォースメント24を介して排気系部品50に後突荷重が入力されると、当該排気系部品50を車体から落下させて、車体部材の潰れ残りが生じないよう構成している。
【0086】
図8図9に示すように、排気系部品50は、排気浄化装置としての上流側キャタリスト52と、下流側キャタリスト53と、サイレンサ54とにより構成されており、キャタリスト52,53とサイレンサ54とが上下方向に搭載されている。
【0087】
この実施例では、サイレンサ54の上方に上流側キャタリスト52および下流側キャタリスト53が配置されると共に、各キャタリスト52,53とサイレンサ54との間には、空間部73Gが形成されている。これにより、車幅方向右側から車幅方向左側への空気の流れ(図9の仮想線矢印参照)を、より一層確実に形成するよう構成したものである。また、上記空間部73Gを形成することで、上流側キャタリスト52とサイレンサ54との間の上下方向間隔、並びに、下流側キャタリスト53とサイレンサ54との間の上下方向間隔に熱がこもることを、掃気ファン72からの風により抑制することができる。
なお、図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印Rは車両後方を示し、矢印UPは車両上方を示す。
【0088】
このように、上記実施例の発電機搭載車両は、発電機29と、該発電機29を駆動するエンジン(ロータリエンジン30参照)と、該エンジン(ロータリエンジン30)で燃焼した排気ガスを排出する排気系部品50と、を車両後方部に搭載する発電機搭載車両であって、車両後方部において、車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上記排気系部品50、上記エンジン(ロータリエンジン30)、上記発電機29が搭載されたものである(図3参照)。
【0089】
この構成によれば、発電機29と排気系部品50との間にエンジン(ロータリエンジン30)が介設されているうえ、排気系部品50を車両後方部の最も後方に搭載したので、排気ガスの熱が車外に排出されやすくなり、この結果、比較的熱に弱い電気部品である発電機29が排気系部品50からの高温の排気ガスの熱影響を可及的受けないようにレイアウトすることができる。
【0090】
この発明の一実施形態においては、上記車両後方部がフレーム部材(後側クロスメンバ18、サブフレームクロスメンバ22、サブバンパレインフォースメント24参照)によって車両前後方向に区画形成され、車両後方部の車両後方側に位置する第1搭載部27と、該第1搭載部27よりも車両前方側に位置する第2搭載部28とを備え、上記第1搭載部27に上記排気系部品50を搭載するとともに、上記第2搭載部28に車両前後方向に、車両後方側から前方側に向かって順次上記エンジン(ロータリエンジン30)、上記発電機29が搭載されたものである(図3図4参照)。
【0091】
この構成によれば、車両後方部をフレーム部材(後側クロスメンバ18、サブフレームクロスメンバ22、サブバンパレインフォースメント24参照)にて区画しているので、排出ガスの熱が前方側に伝わりにくくなり、これにより、発電機29が受ける排気系部品50からの熱影響をさらに抑制することができる。
【0092】
また、上記第1搭載部27を車両後突時のクラッシュゾーン(クラッシュスペース25参照)とすることもでき、第2搭載部28に搭載されたエンジン(ロータリエンジン30)および発電機29を後突荷重から保護することができる。
【0093】
この発明の一実施形態においては、上記排気系部品50は、車幅方向に延びるよう延設されており、車幅方向の空気の流れを形成するよう構成されたものである(図7図9参照)。
【0094】
この構成によれば、排気系部品50の延設方向により、車幅方向の空気の流れを形成するので、当該排気系部品50の搭載位置よりも車両前方側に可及的排気ガスの熱を流されないように成すことができ、発電機29の排気系部品50からの受熱を抑制することができる。
【0095】
この発明の一実施形態においては、上記排気系部品50の車幅方向の一方側に掃気ファン72を備え、該掃気ファン72によって車幅方向の空気の流れを形成するよう構成されたものである(図7図9参照)。
この構成によれば、掃気ファン72により車幅方向の空気の流れを積極的に形成するので、排気系部品50の熱を車幅方向の一方側から他方側に確実に流すことができる。
【0096】
この発明の一実施形態においては、上記排気系部品50の少なくとも前部および上部を覆って気流空間73を形成するカバー部材74を備え、上記掃気ファン72によって上記カバー部材74内に車幅方向の空気の流れを形成するよう構成したものである(図8図9参照)。
【0097】
この構成によれば、カバー部材74により排気系部品50の熱を上記気流空間73に沿って車幅方向に確実に流し、かつ、排気系部品50の熱が当該排気系部品50の搭載位置よりも車両前方側に流れるのを上記カバー部材74にて抑制することができる。
【0098】
この発明の一実施形態においては、上記排気系部品50は、排気浄化装置(上流側キャタリスト52、下流側キャタリスト53参照)とサイレンサ54とにより構成され、上記排気浄化装置(上流側キャタリスト52、下流側キャタリスト53)と上記サイレンサ54とが上下方向に搭載されたものである(図8図9参照)。
【0099】
この構成によれば、排気浄化装置(上流側キャタリスト52、下流側キャタリスト53)とサイレンサ54とを上下方向に搭載することで、車幅方向の空位の流れをより一層確実に形成することができる。
【0100】
この発明の一実施形態においては、上記エンジンはロータリエンジン30に設定されたものである(図6参照)。
この構成によれば、ロータリエンジン30はレシプロエンジンに対してコンパクトであるため、車両後方部において発電機29の後方にロータリエンジン30をコンパクトに搭載することができる。
【0101】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のエンジンは、上記実施例のロータリエンジン30に対応し、
以下同様に、
フレーム部材は、後側クロスメンバ18、サブフレームクロスメンバ22、サブバンパレインフォースメント24に対応し、
排気浄化装置は、上流側キャタリスト52、下流側キャタリスト53に対応し、
排気系部品50は、排気浄化装置とサイレンサ54とに対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0102】
例えば、上記エンジンは、ロータリエンジン30に代えて、エンジンの燃焼室に対して吸気と排気とを同一方向に設定したセームフロー(same flow)タイプのレシプロエンジンであってもよく、上述の排気浄化装置としては2つのキャタリスト52,53を用いる構造に代えて、単一のキャタリストを用いる構造を採用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0103】
以上説明したように、本発明は、発電機と、該発電機を駆動するエンジンと、該エンジンで燃焼した排気ガスを排出する排気系部品と、を車両後方部に搭載する発電機搭載車両について有用である。
【符号の説明】
【0104】
17…リヤサイドフレーム
18…後側クロスメンバ(フレーム部材)
20…サブフレーム
22…サブフレームクロスメンバ(フレーム部材)
24…サブバンパレインフォースメント(フレーム部材)
27…第1搭載部
28…第2搭載部
29…発電機
30…ロータリエンジン(エンジン)
50…排気系部品
52…上流側キャタリスト(排気浄化装置)
53…下流側キャタリスト(排気浄化装置)
54…サイレンサ
72…掃気ファン
73…気流空間
74…カバー部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9