特許第6569816号(P6569816)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569816
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】半導体素子の駆動装置
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20190826BHJP
   H02M 1/00 20070101ALI20190826BHJP
   H02M 1/08 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   H02M7/48 M
   H02M1/00 C
   H02M1/08 A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-537020(P2018-537020)
(86)(22)【出願日】2017年7月21日
(86)【国際出願番号】JP2017026556
(87)【国際公開番号】WO2018042939
(87)【国際公開日】20180308
【審査請求日】2018年9月3日
(31)【優先権主張番号】特願2016-172254(P2016-172254)
(32)【優先日】2016年9月2日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(72)【発明者】
【氏名】寺島 健史
【審査官】 猪瀬 隆広
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−143125(JP,A)
【文献】 特開2013−258858(JP,A)
【文献】 特開2014−103820(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/42− 7/98
H02M 1/00− 1/44
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電力変換装置を構成する半導体素子の保護動作に必要な保護要因の発生を検出し、保護要因発生信号を出力する複数の保護要因発生検出部と、
前記複数の保護要因発生検出部の何れかで保護要因発生信号が出力されたときに、当該複数の保護要因発生検出部毎に異なるパルス幅の保護要因識別信号を生成する識別信号生成部と、
前記保護要因発生検出部から保護要因発生信号が出力されている間保護要因継続信号を生成する継続信号生成部と、
前記保護要因識別信号及び前記保護要因継続信号の何れか1つを選択する信号選択部と、
該信号選択部で選択した選択信号をアラーム信号として出力するアラーム信号出力部とを備えたことを特徴とする半導体素子の駆動装置。
【請求項2】
前記識別信号生成部は、前記複数の保護要因検出部から出力される保護要因信号が個別に入力され、保護要因検出部毎に異なるパルス幅のパルスを生成する複数のワンショット回路と、前記複数のワンショット回路の出力信号が入力され前記保護要因識別信号として出力するオアゲートとで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の半導体素子の駆動装置。
【請求項3】
前記継続信号生成部は、前記保護要因が発生して前記保護要因発生信号が通常状態から状態変化した場合に、前記保護要因継続信号を通常状態から状態変化させ、前記保護要因の終息時に前記保護要因発生信号が状態変化して通常状態に復帰したときに前記保護要因継続信号を通常状態に状態変化させることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体素子の駆動装置。
【請求項4】
前記信号選択部は、前記保護要因識別信号が一方の入力端子に入力される第1アンドゲートと、前記保護要因継続信号が一方の入力端子に入力される第2アンドゲートとを備え、前記第1アンドゲートは、選択用信号が他方の入力端子に入力され、前記第2アンドゲートは、前記選択用信号の反転信号が他方の入力端子に入力され、前記第1アンドゲート及び前記第2アンドゲートの出力信号がオアゲートを介して前記選択信号として前記アラーム信号出力部に出力されることを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の半導体素子の駆動装置。
【請求項5】
前記アラーム信号出力部は、制御端子に前記信号選択部の選択信号が入力される半導体スイッチ素子を備え、前記半導体スイッチ素子の高電位側端子及び低電位側端子の何れかに接続された出力端子からアラーム信号を出力することを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の半導体素子の駆動装置。
【請求項6】
前記半導体スイッチ素子は、ドレインが定電流回路及びプルアップ抵抗の何れか一方を介して直流電源端子に接続され、ソースが接地に接続され、ゲートが前記信号選択部に接続されたNチャネルMOSFETで構成され、ドレインと定電流回路及びプルアップ抵抗の何れか一方との接続点に出力端子が接続されていることを特徴とする請求項5に記載の半導体素子の駆動装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、電力変換装置を構成する半導体素子を駆動するとともに、保護動作状態の報知機能を有する半導体素子の駆動装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近時、インテリジェント・パワーモジュール(IPM)が注目されている。このインテリジェント・パワーモジュールは、半導体素子(IGBT、MOSFET等のパワートランジスタ)とその駆動回路とともに、半導体素子の過電流、短絡、制御電源の電圧低下、チップ温度過熱等の異常に対する保護回路を1つの電子部品としてモジュール化したものである。
【0003】
また、このような異常をそれぞれ検出する複数の保護回路に加えて、各保護回路にて検出した異常の種別に応じて予め定めたパルス幅のアラーム信号を形成可能なパルス信号を出力するアラーム信号出力回路と、このアラーム信号出力回路からパルス信号が出力されたときに、設定されたパルス幅に相当する1パルス分を保護動作通知信号として出力する通知信号出力回路とをインテリジェント・パワーモジュールに組み込むことも提唱されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
このようなアラーム信号を出力する判別回路を備えることで、駆動装置を制御する制御装置側、例えば、インバータ制御装置ではアラーム信号のパルス幅を検出することで半導体素子に生じた異常の種別を判別することができる。
しかしながら、上記のように1パルスの保護動作通知信号を出力するだけでは、半導体素子の異常が解消されても、これを検出することができないという問題を含んでいる。そこで、本出願人は、先に上記不具合を回避するために、異常要因が発生したときに異常要因を識別可能な所定幅のアラーム信号を予め設定した時間間隔で出力し、異常要因が解除されてアラーム信号の出力が終了したときに、アラーム信号とは異なるパルス幅のアラーム解除信号を出力することにより、アラーム信号の判別および異常解消の検出を容易化する半導体素子の駆動装置を提唱した(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2012−143125号公報
【特許文献2】特開2013−258858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2で提唱した半導体素子の駆動装置については、パルス幅を測定して、異常の種別を判別するとともに、アラーム信号の出力の終了を検出するため個々のパルスがアラーム信号とアラーム解除信号のいずれであるかを判断するためには、ある程度規模の大きい回路が必要でコストにも影響する。
また、アラーム解除信号の識別をせずに、パルス信号が出続けているか否かを検出し、パルス信号の出力が止まったらアラームが解除されたと判断する場合でも、パルス信号が出続けているか否かを検出する回路はある程度規模の大きい回路が必要となる。例えば、1つのアラーム信号が検出されてから次のアラーム信号を検出するまでの間は、アラーム信号が存在しない。このため、アラーム信号間では、継続を判断するためには、アラーム信号を検出したことを記憶しておく必要があり、この記憶をアラーム解除信号で消去することが必要となる。アラームが解除されたか否かが知りたいだけなら、異常状態の有無に応じてLレベルもしくはHレベルとなる2値信号の方が検出は簡単である。
【0007】
また、駆動装置を半導体集積回路(IC)により構成することを考えると、アプリケーションによっては、異常の種別を判別だけできれば良い場合と、異常状態の有無だけ判別だけできれば良い場合があるが、個別に対応するためにはそれぞれに対し個別に半導体集積回路を開発する必要がある。
本発明は、上記従来例の未解決の課題に着目してなされたものであり、駆動装置のアラーム端子から異常要因を識別する信号と異常要因の発生が継続していることを表す信号とを選択して出力できる半導体素子の駆動装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る半導体素子の駆動装置の一態様は、電力変換装置を構成する半導体素子の保護動作に必要な保護要因の発生を検出し、保護要因発生信号を出力する複数の保護要因発生検出部と、複数の保護要因発生検出部の何れかで保護要因発生信号が出力されたときに、これら複数の保護要因発生検出部毎に異なるパルス幅の保護要因識別信号を生成する識別信号生成部と、保護要因発生検出部から保護要因発生信号が出力されている間保護要因継続信号を生成する継続信号生成部と、保護要因識別信号及び保護要因継続信号の何れか1つを選択する信号選択部と、この信号選択部で選択した選択信号をアラーム信号として出力するアラーム信号出力部とを備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の一態様によれば、識別信号生成部で生成される保護要因の種別を識別可能な保護要因発生信号と、継続信号生成部で生成される保護要因が継続していることを表す保護要因継続信号との何れを出力するかを信号選択部で選択できる。このため、駆動装置から必要に応じて、保護要因発生信号及び保護要因継続信号の何れか一方のみを出力することが可能であるとともに、保護要因発生信号を出力した後に保護要因継続信号を出力することもできる。アラーム信号を監視するシステム環境に対応したアラーム信号を出力できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明が適用される電力変換装置の全体的な概略構成を示すブロック図である。
図2】ドライバ回路の具体的構成を示すブロック図である。
図3】識別信号生成部から出力される保護要因識別信号を示す信号波形図である。
図4】本実施形態の動作の説明に供する信号波形図である。
図5】外部の制御装置から入力される選択用信号SELをハイレベルに設定した場合の、保護要因と、識別信号生成部の保護要因識別信号によるアラーム信号との関係を示す信号波形図である。
図6】外部の制御装置から入力される選択用信号SELをローレベルに設定した場合の、保護要因と、継続信号生成部の保護要因継続信号によるアラーム信号との関係を示す信号波形図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に、図面を参照して、本発明の一実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。
また、以下に示す実施の形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
【0012】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
電力変換装置1は、図1に示すように、直流電力を交流電力に変換するインバータ2と、このインバータ2を構成する各相(U相〜Z相)の半導体素子を個別に駆動する半導体素子の駆動装置としての各相のドライバ回路3U〜3Zとを備えている。
インバータ2は、6個の半導体素子としてのIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)11〜16を有する。
【0013】
これらIGBT11〜16は、直流電源に接続されて直流電力が供給される正極側ラインLp及び負極側ラインLn間に、IGBT11及び12の直列回路、IGBT13及び14の直列回路並びにIGBT15及び16の直列回路がそれぞれ並列に接続されている。ここで、各IGBT11〜16には、フリーホイールダイオード21〜26が逆並列に接続されている。
【0014】
また、IGBT11、13及び15がそれぞれU相、V相及びW相とされて上アームUAが構成されている。また、IGBT12、14及び16がそれぞれX相、Y相及びZ相とされて下アームLAが構成される。さらに、IGBT11及び12の接続点、IGBT13及び14の接続点並びにIGBT15及び16の接続点から三相交流電力が出力される。この三相交流電力が、電動モータ等の交流負荷4に供給される。
【0015】
IGBT11〜16は、図2に示すように、チップ(半導体チップ)17内に設けられている。このチップ17内には、IGBT1i(i=1〜6)のコレクタ及びエミッタ間を流れる電流を検出する不図示の電流センス用IBGTや電流センス抵抗で構成される電流センサ18と、チップ内温度を検出する温度検出用ダイオードで構成される温度センサ19とが設けられている。
【0016】
各相のドライバ回路3k(k=U〜Z)は、図2に示すように、インバータ2を構成する各IGBT1iのゲートをオン/オフ制御するゲート制御回路31と、保護要因発生検出部としての過電流検出回路32、制御電圧検出回路33及びチップ温度検出回路34とを備えている。過電流検出回路32は、IGBT1iの保護動作に必要な情報であるIGBT1iの過電流状態を検出する。制御電圧検出回路33は、IGBT1iの保護動作に必要な情報である制御電圧の低電圧状態を検出する。チップ温度検出回路34は、IGBT1iの保護動作に必要な情報であるチップ17の過熱状態を検出する。
【0017】
また、各相のドライバ回路3U〜3Zは、識別信号生成部35と、継続信号生成部36と、信号選択部37と、アラーム信号出力部40を備えている。
ゲート制御回路31には、ドライバ回路3U〜3Zの外部からパルス幅変調(PWM)信号が動作信号DSGとして入力されるとともに、継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcが入力されている。このゲート制御回路31は、保護要因継続信号Spcがローレベルであるときに、動作信号DSGをIGBT1iのゲートに出力し、保護要因継続信号Spcがハイレベルであるときに、動作信号DSGのIGBT1iのゲートへの出力を停止する。
【0018】
過電流検出回路32は、電流センサ18で検出した電流検出値(電圧信号)が入力されるとともに、過電流閾値Vth1が入力された比較器CP1を有する。この比較器CP1は、電流検出値が過電流閾値Vth1を上回ると保護要因となる過電流状態を表すハイレベルの過電流検出信号Socを保護要因発生信号として識別信号生成部35と継続信号生成部36とに出力する。したがって、過電流検出回路32では、IGBT1iの過電流を検出することができる。
【0019】
制御電圧検出回路33は、ドライバ回路3U〜3Zの外部から制御電圧Vcc(例えば15[V])が入力されるとともに、低電圧閾値Vth2が入力された比較器CP2を有する。この比較器CP2は、制御電圧Vccが低電圧閾値Vth2を下回ると、保護要因となる制御電圧不足を表すハイレベルの低電圧検出信号Suvを保護要因発生信号として識別信号生成部35と継続信号生成部36とに出力する。したがって、制御電圧検出回路33では、制御電圧不足、つまり、IC電源の電圧低下を検出することができる。
【0020】
チップ温度検出回路34は、温度センサ19で検出した温度検出値(電圧信号)が入力されるとともに過熱閾値Vht3が入力された比較器CP3を有する。この比較器CP3は、温度検出値が過熱閾値Vht3を下回ると保護要因となる過熱状態を表すハイレベルの過熱検出信号Sohを保護要因発生信号として識別信号生成部35と継続信号生成部36とに出力する。したがって、チップ温度検出回路34では、IGBT1iを内蔵するチップ17の過熱状態を検出することができる。
【0021】
なお、図2に示した、チップ温度検出回路34内の電源34aは、温度センサ19を温度検出用ダイオードで構成した場合に、このダイオードに定電流を供給するためのものである。
識別信号生成部35は、ワンショット回路で構成される第1ワンショット回路35a、第2ワンショット回路35b、第3ワンショット回路35cと、これらの出力パルスが入力されるオアゲート35dとを備えている。
【0022】
第1ワンショット回路35aは、過電流検出回路32からIGBT1iの過電流状態を検出した過電流検出信号Socが入力されたときに、図3(a)に示すように、通常状態のローレベルからハイレベルに状態変化させ、このハイレベルのパルス幅が例えば基本パルス幅Tとなるパルス信号PSocをオアゲート35dに出力する。基本パルス幅Tとしては、例えば、2[ms]を採用できる。
【0023】
また、第2ワンショット回路35bは、制御電圧検出回路33から制御電圧不足、つまり、IC電源が低電圧となったことを検出したハイレベルの低電圧検出信号Suvが入力されたときに、図3(b)に示すように、通常状態のローレベルからハイレベルに状態変化させ、このハイレベルのパルス幅が例えば2T(=4ms)となるパルス信号PSocをオアゲート35dに出力する。
【0024】
さらに、第3ワンショット回路35cは、チップ温度検出回路34からIGBT1iの過熱状態を検出した過熱検出信号Sohが入力されたときに、図3(c)に示すように、通常状態のローレベルからハイレベルに状態変化させ、このハイレベルのパルス幅が例えば4T(=8ms)となる1ショットパルス信号PSohをオアゲート35dに出力する。
【0025】
オアゲート35dは、第1ワンショット回路35a、第2ワンショット回路35b及び第3ワンショット回路35cから出力される1ショットパルス信号PSoc、PSuv及びPSohのうち何れか1つがハイレベルであるときに、ハイレベルとなる保護要因識別信号Spdを信号選択部37に出力する。
ここで、保護要因識別信号Spdのパルス幅は2〜8[ms]と十分に短いため、例えば、過電流状態が生じた後それを原因として過熱状態が発生し、2以上のパルス信号PSj(j=oc,uv,oh)が発生しても、2以上のパルス信号PSjが同時に入力されることは殆どない。
【0026】
これにより、識別信号生成部35は、過電流検出回路32、制御電圧検出回路33及びチップ温度検出回路34のうち過電流、制御電圧不足または過熱状態を検出した検出回路32〜34、つまり、保護動作が必要である保護要因を検出した検出回路32〜34に対応するパルス信号である保護要因識別信号Spdを信号選択部37に出力する。
継続信号生成部36は、オアゲート36aを備えている。オアゲート36aには、過電流検出回路32から出力される過電流検出信号Soc、制御電圧検出回路33から出力される低電圧検出信号Suv及びチップ温度検出回路34から出力される過熱検出信号Sohが入力されている。このオアゲート36aは、過電流検出信号Soc、低電圧検出信号Suv及び過熱検出信号Sohの入力信号のうち何れか1つが通常状態のローレベルからハイレベルに状態変化したときに、通常状態のローレベルからハイレベルに状態変化させ、全ての入力信号が通常状態に復帰したときに通常状態に状態変化する保護要因継続信号Spcをゲート制御回路31と信号選択部37とに出力する。
【0027】
信号選択部37は、第1アンドゲート37a及び第2アンドゲート37bと、オアゲート37cとを備えている。第1アンドゲート37aには、一方の入力端子に識別信号生成部35から出力される保護要因識別信号Spdが入力され、他方の入力端子に外部の制御装置から選択信号入力端子tsに入力される選択用信号SELが入力されている。したがって、第1アンドゲート37aから保護要因識別信号Spdと選択用信号SELとの論理積をとった論理積信号が出力される。
【0028】
第2アンドゲート37bには、一方の入力端子に継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcが入力され、他方の入力端子に選択信号入力端子tsに入力される選択用信号SELが論理反転回路(NOT回路)37dで論理反転されて入力される。したがって、第2アンドゲート37bから保護要因継続信号Spcと選択用信号SELを論理反転した信号との論理積をとった論理積信号が出力される。
【0029】
オアゲート37cには、第1アンドゲート37aの論理積信号及び第2アンドゲート37bの論理積信号が入力され、両論理積信号の何れか1つがハイレベルとなったときにハイレベルとなる内部選択信号Sseをアラーム信号出力部40に出力する。
アラーム信号出力部40は、アラーム信号出力端子ta及び接地間に直列に接続された、抵抗41(制限抵抗)及び半導体スイッチ素子としてのNチャネルのMOSFET42の直列回路を有する。ここで、MOSFET42は、ドレイン(高電位側端子)が抵抗41を介してアラーム信号出力端子taに接続され、ソース(低電位側端子)が接地に接続され、ゲート(制御端子)が信号選択部37のオアゲート37cの出力端子に接続されている。
【0030】
そして、抵抗41及びMOSFET42の接続点43に一端が直流電源端子となる制御電源入力端子tviに接続された定電流回路44の他端が接続されている。この定電流回路44は、例えば、200[μA]の定電流を接続点43に供給する。
このため、MOSFET42がオフ状態であるときには、接続点43が制御電圧Vccとなり、アラーム信号出力端子taがハイレベルとなる制御電圧Vccとなる。一方、MOSFET42がオン状態であるときには、定電流回路44からの定電流が接地に流れるので、接続点43はローレベルとなるグランド電位となり、アラーム信号出力端子taもグランド電位となる。
したがって、アラーム信号出力端子taからハイレベル及びローレベルの2つのレベルをとるアラーム信号ALMが出力される。
【0031】
次に、本実施形態の電力変換装置1の動作について説明する。
まず、時点t0において、インバータ2を構成するIGBT11〜16に流れる電流の検出値が過電流閾値Vth1未満で正常であり、且つ、IGBT11〜16を形成したチップ17内の温度の検出値が過熱閾値Vht3以上で正常であり、さらに各ドライバ回路3U〜3Zに供給する制御電圧Vcc(IC電源電圧)が低電圧閾値Vth2を超えていて正常であるものとする。
【0032】
この正常状態では、図4(a)〜(c)に示すように、時点t0で、過電流検出回路32から出力される過電流検出信号Soc、各ドライバ回路3U〜3Zの制御電圧検出回路33から出力される低電圧検出信号Suv及びチップ温度検出回路34から出力される過熱検出信号Sohがともにローレベルとなっている。
そのため、図4(d)〜(f)に示すように、識別信号生成部35の第1ワンショット回路35a、第2ワンショット回路35b及び第3ワンショット回路35cの出力はローレベルを維持する。したがって、オアゲート35dから出力される保護要因識別信号Spdは図4(g)に示すようにローレベルを維持しているとともに保護要因継続信号Spcも図4(h)に示すようにローレベルを維持している。
【0033】
このとき、選択信号入力端子tsに入力される選択用信号SELがハイレベルであって、識別信号生成部35を選択しているものとする。この状態では、識別信号生成部35から出力される保護要因識別信号Spdがローレベルを維持しているので、第1アンドゲート37aの論理積出力がローレベルとなる。このため、オアゲート37cから出力される内部選択信号Sseがローレベルとなり、アラーム信号出力部40のMOSFET42はオフ状態を維持している。それゆえ、接続点43の電位が制御電圧Vccの電位であるハイレベルとなり、アラーム信号出力端子taから出力されるアラーム信号ALMが図4(i)に示すように正常状態を表す制御電圧Vccの電位となる。
【0034】
このため、各ドライバ回路3X〜3Zでは、保護要因継続信号Spcがローレベルであることからゲート制御回路31で、外部の制御装置(図示せず)から入力される動作信号DSGに応じたゲート信号をIGBT11〜16のゲートに供給し、インバータ2で直流電力が交流電力に変換されて、交流負荷4に交流電力が出力される。
その後、このインバータ2の各相のIGBT11〜16が正常状態であり、IC電源電圧が正常である状態から、時点t1で、例えば、あるドライバ回路3kの過電流検出回路32でインバータ2を構成するIGBT1iのコレクタ電流の検出値が過電流閾値Vth1以上となったことを検出したものとする。
【0035】
この場合には、過電流検出回路32から図4(a)に示すように、ハイレベルの過電流検出信号Socが時点t1で出力される。この過電流検出信号Socは識別信号生成部35と継続信号生成部36に供給される。
識別信号生成部35では、ハイレベルの過電流検出信号Socが第1ワンショット回路35aに供給されるので、この第1ワンショット回路35aから図4(d)に示すハイレベルの、パルス幅がTとなるパルス信号PSocが出力される。
【0036】
したがって、識別信号生成部35のオアゲート35dから図4(g)に示すハイレベルの保護要因識別信号Spdが出力され、これが信号選択部37の第1アンドゲート37aに入力される。
一方、継続信号生成部36では、オアゲート36aに過電流検出回路32からハイレベルの過電流検出信号Socが入力されるので、このオアゲート36aから出力される保護要因継続信号Spcがハイレベルとなる。このハイレベルの保護要因継続信号Spcがゲート制御回路31と信号選択部37の第2アンドゲート37bとに供給される。
【0037】
このとき、信号選択部37の第2アンドゲート37bにはハイレベルの選択用信号SELが論理反転回路37dでローレベルに反転されて入力されているので、第2アンドゲート37bの論理積出力は、継続信号生成部36の保護要因継続信号Spcの状態にかかわらずローレベルを維持する。
このため、信号選択部37のオアゲート37cから出力される内部選択信号Sseがハイレベルとなり、このハイレベルの内部選択信号Sseがアラーム信号出力部40のMOSFET42のゲートに供給される。このため、MOSFET42がターンオン状態となり、図4(i)に示すように、アラーム信号出力端子taからローレベルとなるアラーム信号ALMが外部の制御装置に出力される。
【0038】
これと同時に、継続信号生成部36から出力されるハイレベルの保護要因継続信号Spcがゲート制御回路31に供給され、ゲート制御回路31からのゲート駆動信号の出力が停止され、IGBT11がターンオフされて保護状態となる。
その後、時点t1からパルス幅T分の時間が経過した時点t2で、識別信号生成部35の第1ワンショット回路35aから出力されるパルス信号PSocが図4(d)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰する。これに応じてアラーム信号出力部40のMOSFET42はターンオフ状態となる。このため、接続点43の電位が制御電圧Vccまで上昇し、アラーム信号出力端子taから出力されるアラーム信号が図4(i)に示すように、ローレベルからハイレベルに復帰する。
【0039】
一方、外部の制御装置では、ドライバ回路3kからアラーム信号ALMが入力されると、このアラーム信号ALMがグランド電位GNDであるローレベルを維持している間に、図4(j)に示すクロック信号CPをカウントする。そして、このカウント数とクロック信号CPのパルス間の時間を乗算して積算時間を算出し、この積算時間からアラーム信号ALMが過電流検出信号Socによるものであることを検出することができる。これにより、IGBT1iに生じた保護要因が、過電流保護要因であることを容易に判別することができる。なお、アラーム信号ALMがグランド電位GNDであるローレベルを維持している期間のクロック信号CPのカウント数で保護要因検出回路の種別を判別するようにしてもよい。
【0040】
その後、時点t3で、過電流検出回路32でインバータ2を構成するIGBT1iのコレクタ電流の検出値が過電流閾値Vth1未満となったことを検出すると、過電流検出回路32から出力される過電流検出信号Socが図4(a)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰する。これに応じて継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcも図4(h)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰する。このため、ゲート制御回路31から動作信号DSGに応じたゲート駆動信号がIGBT1iのゲートに出力されて、IGBT1iが正常な動作状態に復帰する。
【0041】
信号選択部37では、識別信号生成部35のオアゲート35dから出力される保護要因識別信号Spdに変化を生じないので、内部選択信号Sseはローレベルを維持し、アラーム信号出力部40のMOSFET42がオフ状態を維持し、アラーム信号出力端子taから出力されるアラーム信号ALMがハイレベルを維持する。
同様に、時点t4で、あるドライバ回路3kに供給されるIC電源電圧である制御電圧Vccが低電圧閾値Vth2以下に低下する低電圧異常が発生したときには、この低電圧異常が制御電圧検出回路33で検出される。
【0042】
すると、制御電圧検出回路33からハイレベルの低電圧検出信号Suvが識別信号生成部35と継続信号生成部36とに供給される。このため、識別信号生成部35の第2ワンショット回路35bから第4図(e)に示すようにハイレベルの、パルス幅2Tのパルス信号PSuvが時点t4で出力される。また同時に、継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcが、図4(h)に示すようにローレベルからハイレベルに反転される。
【0043】
このため、ハイレベルの保護要因継続信号Spcがゲート制御回路31に供給され、ゲート制御回路31からのゲート駆動信号の出力が停止され、IGBT11がターンオフされて保護状態となる。
このとき、識別信号生成部35から出力される保護要因識別信号Spdが図4(g)に示すように、ハイレベルとなるので、信号選択部37の第1アンドゲート37aの論理積出力信号がハイレベルとなる。このため、オアゲート37cから出力される内部選択信号Sseがハイレベルとなり、アラーム信号出力部40のMOSFET42はターンオン状態となる。それゆえ、接続点43がMOSFET42を通じて接地に接続され、接続点の電位がグランド電位GNDであるローレベルとなる。そのため、アラーム信号ALMの電位は図4(i)に示すように電源電位Vccのハイレベルから異常が発生して保護状態となったことを表すグランド電位GNDのローレベルに状態変化する。
【0044】
その後、時点t4からパルス幅2T分の時間が経過した時点t5で、識別信号生成部35の第2ワンショット回路35bから出力される保護要因識別信号PSuvが図4(e)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰する。これに応じてアラーム信号出力部40のMOSFET42はターンオフ状態となる。このため、接続点43の電位が制御電圧Vccに復帰する。したがって、アラーム信号出力端子taから出力されるアラーム信号ALMは、図4(i)に示すように、制御電圧Vccとなるハイレベルに復帰する。
このため、外部の制御装置では、アラーム信号ALMのグランド電位GNDとなるローレベルのパルス幅が2Tであることから、制御電圧Vccが低電圧閾値Vth2より低い制御電圧低下保護要因が発生していると認識することができる。
【0045】
その後、時点t6で、外部から供給される制御電圧Vccが低電圧閾値Vth2より高い正常な電圧に復帰すると、制御電圧検出回路33から出力される低電圧検出信号Suvが図4(b)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰する。このとき、識別信号生成部35の第2ワンショット回路35bの出力はローレベルを維持するので、オアゲート35dから出力される保護要因識別信号Spdはローレベルを維持する。このため、信号選択部37から出力される内部選択信号Sseもローレベルを維持し、アラーム信号出力部40のMOSFET42がオフ状態を維持する。アラーム信号出力端子taから出力されるアラーム信号ALMは図4(i)に示すようにハイレベルを維持する。
【0046】
一方、継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcは、図4(h)に示すようにハイレベルからローレベルに復帰する。このため、ゲート制御回路31から動作信号DSGに応じたゲート駆動信号がIGBT1iのゲートに出力されて、IGBT1iが正常な動作状態に復帰する。
同様に、あるドライバ回路3kのチップ温度検出回路34でインバータ2を構成するIGBT1iを内蔵するチップ17内の温度の検出値が過熱閾値Vht3未満となったことを検出した場合は、チップ温度検出回路34からハイレベルの過熱検出信号Sohが出力される。この過熱検出信号Sohが識別信号生成部35に供給される。このため、識別信号生成部35の第3ワンショット回路35cからハイレベルのパルス幅が4Tとなる1ショットパルス信号PSohが出力される。したがって、識別信号生成部35から出力される保護要因識別信号Spdが1ショットパルス信号PSohに対応したものとなり、アラーム信号出力部40のMOSFET42がターンオン状態となり、1ショットパルス信号PSohのパルス幅4Tに対応するローレベルのアラーム信号ALMが外部の制御装置に出力される。
【0047】
このため、外部の制御装置では、アラーム信号ALMのローレベルのパルス幅が4Tであることから、チップ17に過熱異常が発生していると認識することができる。
このように、外部の制御装置から出力される選択用信号SELがハイレベルであるときには、信号選択部37で識別信号生成部35から出力される保護要因識別信号Spdが選択される。このため、アラーム信号出力部40から出力されるアラーム信号ALMは、図5に示すように、過電流保護要因、制御電圧低下保護要因、過熱保護要因の各種保護要因の発生に応じて識別信号生成部35で生成されるパルス幅がT、2T及び4Tと異なる1ショットパルス信号PSoc、PSuv及びPSohに応じたパルス幅となる。
【0048】
このアラーム信号ALMは、保護要因種別を表すものであり、保護要因が生じている期間とは関係なく、各種保護要因が生じた時点で保護要因に応じたパルス幅に対応したパルス信号となる。すなわち、保護要因の発生期間がアラーム信号ALMの期間tALM以下である場合には、IGBT1iは継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcによって保護状態となる。しかしながら、識別信号生成部35で生成される保護要因識別信号Spdによって形成されるアラーム信号ALMは、保護要因の発生期間より長くなってしまう。
【0049】
逆に、保護要因の発生期間がアラーム信号ALMの期間tALMより長い場合には、図5の右半部に示すように、アラーム信号ALMの期間が保護要因の発生期間より短くなってしまう。
したがって、保護要因識別信号Spdのみで、保護要因の発生期間を判別することはできない。
【0050】
これに対し、外部の制御装置が出力する選択用信号SELをローレベルにすると、保護要因の発生期間を判別することができる。選択用信号SELをローレベルに設定すると、信号選択部37の第1アンドゲート37aの論理積出力信号は常にローレベルを維持し、これに代えて、第2アンドゲート37bの論理積出力信号は継続信号生成部36から出力される保護要因継続信号Spcに応じてハイレベル及びローレベルを繰り返すことになる。
【0051】
このため、アラーム信号出力部40のMOSFET42が保護要因継続信号Spcに応じてオン・オフ制御される。この保護要因継続信号Spcは、前述したように、保護要因検出部となる過電流検出回路32、制御電圧検出回路33及びチップ温度検出回路34で検出した検出信号がハイレベルを継続している間ハイレベルを維持する。したがって、アラーム信号ALMが、図6に示すように、保護要因が生じている期間tALMと同じ期間ローレベルとなる。この結果、アラーム信号ALMのローレベル期間は、IGBT1iの保護期間と略等しい期間となる。このため、外部の制御装置でアラーム信号ALMを検出することにより、発生している保護要因の種別は判別できないが、保護要因が発生しているか否かを確実に判別することができる。
【0052】
しかも、外部の制御装置自身が選択用信号SELを出力して各ドライバ回路3kに入力しているので、外部の制御装置自身が選択用信号SELを使い分けることにより、アラーム信号ALMが保護要因識別信号Spdに基づくものであるか保護要因継続信号Spcに基づくものであるかを確実に認識することができる。
すなわち、外部の制御装置が、IGBT1iに対する保護要因の種別を重要視する場合には、選択用信号SELをハイレベルに設定しておくことにより、保護要因が生じたときに、その種別をアラーム信号ALMのパルス幅から認識することができる。
【0053】
逆に、外部の制御装置が、IGBT1iに対する保護要因が生じているか否かを重要視する場合には、選択用信号SELをローレベルに設定しておくことにより、アラーム信号ALMがローレベルであるとき,何れかの保護要因が生じていると認識することができる。しかも、保護要因が継続しているか否かをアラーム信号ALMがローレベルであるかハイレベルであるかを判断するだけで、容易に判別することができる。
【0054】
さらには、外部の制御装置で、常時は、例えば選択用信号SELをハイレベルとして、保護要因識別信号Spdに基づくアラーム信号SLMを監視することにより、発生する保護要因の種別を判別する。そして、保護要因の種別を認識できたら、選択用信号SELをローレベルに反転させて、保護要因の継続期間を確認することが可能となる。このため、選択用信号SELをハイレベルとして、アラーム信号ALMによって例えば過電流保護要因を認識した後に、選択用信号SELをローレベルとして、保護要因の継続期間を確認することにより、保護要因の継続期間が短い場合には、IGBT1iに一過性の過電流が流れているものと判断することができ、保護要因の継続期間が長い場合には、IGBT1iのコレクタ・エミッタ間に短絡を生じて過電流が流れているものと判断することができる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明してきたが、本発明はこれらに限定されずに種々の変更、改良を行うことができる。
例えば、過電流検出回路32、制御電圧検出回路33及びチップ温度検出回路34で検出した保護要因を検出したときに、ワンショット回路35a、35b及び35cで発生するパルス幅をT、2T及び4Tとする場合に限らず、識別可能な異なるパルス幅であれば、任意のパルス幅を設定することができる。また、各検出回路32、33及び34のハイレベルのパルス幅を設定する場合に限らすローレベルのパルス幅を設定するようにしてもよい。
【0056】
また、上記実施形態では、保護要因検出回路として過電流検出回路32、制御電圧検出回路33及びチップ温度検出回路34を設けた場合について説明したが、これらのうちの1つ又は2つを設けるようにしてもよい。
さらに、上記実施形態では、アラーム信号ALMのローレベルで保護要因の識別や継続状態を判断する場合について説明したが、論理を反転させて、アラーム信号ALMのハイレベルで保護要因の識別も継続状態を判別するようにしてもよい。
【0057】
また、識別信号生成部35に、1つの保護要因検出信号が入力されたときに、所定期間他の保護要因検出信号の入力を阻止する入力選択回路を設けるようにしてもよい。
さらに、アラーム信号出力部40に定電流回路44を設けた場合について説明したが、これに限定されるものではなく、定電流回路44に代えてプルアップ抵抗を適用するようにしてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、外部の制御装置から選択用信号SELを入力するようにした場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、製品の仕様に応じてアラーム信号ALMを保護要因識別信号Spd又は保護要因継続信号Spcに固定したい場合には、ドライバ回路3k内で、信号選択部37の第1アンドゲート37a及び第2アンドゲート37bに接続する選択用信号SELを伝達する配線をハイレベル又はローレベルに固定するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0059】
1…電力変換装置、2…インバータ、3U〜3Z…ドライバ回路、4…交流負荷、11〜16…IGBT、17…チップ、18…電流センサ、19…温度センサ、21〜26…フリーホイールダイオード、UA…上アーム、LA…下アーム、31…ゲート制御回路、32…過電流検出回路、33…制御電圧検出回路、34…チップ温度検出回路、35…識別信号生成部、35a…第1ワンショット回路、35b…第2ワンショット回路、35c…第3ワンショット回路、35d…オアゲート、36…継続信号生成部、36a…オアゲート、37…信号選択部、37a…第1アンドゲート、37b…第2アンドゲート、37c…オアゲート、40…アラーム信号出力部、41…抵抗、42…MOSFET、43…接続点、44…定電流回路、Spd…保護要因識別信号、Spc…保護要因継続信号、Sse…内部選択信号、SEL…選択用信号
図1
図2
図3
図4
図5
図6