(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記少なくとも一対の第2軸部の前記弾性係合片は、前記一対の第1軸部の前記弾性係合片の、前記脚部に対する延出方向と同じ方向に傾斜して、前記脚部の外径方向に延びている請求項3記載の留め具。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、
図1〜9を参照して、本発明の留め具の第1実施形態について説明する。
【0012】
この留め具は、所定部材に形成された取付孔に挿入されて固定されるものである。
図1及び
図7に示すように、この実施形態における留め具10は、例えば、取付部材5に形成された取付座7に係止されると共に、被取付部材1に形成された円形状の取付孔3に挿入されて固定されるようになっており、取付部材5を被取付部材1に取付けるために用いられるものである。
【0013】
なお、本発明における「取付孔の裏側」とは、取付孔が形成された部材(ここでは被取付部材1)の厚さ方向の一側部であって、留め具の頭部配置側とは反対側を意味している。
【0014】
前記被取付部材1としては、例えば、車体パネルや車体フレーム等が挙げられ、前記取付部材5としては、例えば、トリムボード、カバー、ガーニッシュ、アシストグリップ、バンパー、ランプ、インシュレータ(防音材)等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、取付部材5の取付座7は、その一側部(留め具10の受入れ側)が開口すると共に、底面に係止溝8が形成された枠状をなしており、留め具10の後述の頭部20を保持可能となっている。ただし、例えば、取付部材5に円形状の挿通孔を設けて、その表側に留め具10の頭部20を係合させるようにしてもよく、特に限定はされない。なお、留め具は、上記用途のみならず、取付孔の閉塞用等(いわゆるホールプラグ)として用いてもよく、特に限定はされない。
【0015】
そして、
図1〜5に示すように、この留め具10は、被取付部材1の取付孔3の表側に配置される頭部20と、該頭部20に連結されて延出し、取付孔3に挿入係止される脚部30とを有している。
【0016】
まず、頭部20について説明すると、この実施形態における頭部20は、前記取付部材5の取付座7の係止溝8に挿入される首部21と、該首部21の先端外周から延出した円板状の第1フランジ部23と、前記首部21の軸方向所定位置の外周から延出した薄肉円板状の第2フランジ部25と、同第2フランジ部25の裏面側に連接され、その外周が脚部30側に向けて斜め外方にスカート状に広がる第3フランジ部27とから構成されている。
【0017】
そして、頭部20の首部21を前記取付座7の係止溝8に挿入し、同取付座7を第1フランジ部23及び第2フランジ部25で挟み込むことで、取付座7に留め具10が装着されるようになっている(
図7参照)。なお、頭部の構造は、上記態様に限定されず、所定部材に形成された取付孔の表側周縁に係合する形状であればよい。
【0018】
一方、
図2、
図3及び
図5に示すように、この実施形態の脚部30は、それぞれの間に間隙35を有して前記頭部20の裏面から延出する複数の軸部31と、各軸部31から脚部30の周方向に延び、取付孔3の裏側周縁に係合する弾性係合片40とを有している。なお、脚部における弾性係合片としては、複数の軸部のうち、少なくとも一対の軸部から、脚部の外径方向及び/又は周方向に延びるものであってもよく(この態様については、後述の第6実施形態で説明する)、特に限定はされない。
【0019】
図3に示すように、この実施形態における複数の軸部31は、頭部20の第3フランジ部27の、平坦な裏面から延出した一対のものからなり、該一対の軸部31,31の間に、間隙35が設けられている。
【0020】
図6に示すように、各軸部31は、脚部30を軸方向に直交する断面(以下、「脚部30の横断面」ともいう)で見たときに、各軸部31(複数の軸部31)の内周側(脚部30の内周側)の端部32と、各軸部31(複数の軸部31)の外周側(脚部30の外周側)の端部33とは、脚部30の中心Cを通る直線L上に配置されている。また、
図3に示すように、各軸部31の頭部20側の端部は、軸部31の他の部分よりも、やや拡径した拡径部34をなしており、この拡径部34が前記頭部20の第3フランジ部27に連結されている。
【0021】
更に
図6に示すように、複数の軸部31を分離する間隙35は、脚部30の軸方向に直交する断面において、各軸部31(複数の軸部31)の内周側を共通の円Rで切り欠いた形状をなしており、その結果、各軸部31(複数の軸部31)の内周(ここでは内周側の端部32)が円弧状をなしている。
【0022】
なお、この実施形態の脚部30においては、一対の軸部31,31を有しているが、例えば、3個や、4個、或いはそれ以上の個数の軸部を有していてもよく(4個の軸部については、後述の実施形態で説明する)、それらの間に間隙を有していればよい。更に各軸部の形状も、断面長板状や断面円形状等としてもよく、特に限定はされない。
【0023】
また、この実施形態における弾性係合片40は、
図6に示すように、脚部30の横断面を見たときに、一対の軸部31,31の外周側の端部33,33から、脚部30の周方向に沿って、外径方向に広がるように湾曲し、各軸部31に対して空隙37を介してそれぞれ延びる一対のものからなり、これらの一対の弾性係合片40,40は、脚部30の中心Cに対して点対称に配置されている。なお、空隙37,37は、一対の軸部31,31の間に設けられた間隙35に連通している(
図6参照)。
【0024】
各弾性係合片40は、脚部30の軸方向における頭部20側の端縁41が、頭部20と離間されている(
図3〜5参照)。また、各弾性係合片40の、前記端縁41側の外周面には、取付孔3の裏側周縁に係合するように膨出した係合部43が設けられている(
図7参照)。更に、各弾性係合片40の、係合部43よりも端縁41側の部分は、取付孔3の内周に挿入される挿入部44をなしている(
図7参照)。また、
図2〜4に示すように、各弾性係合片40の、脚部30の挿入方向側(脚部30の軸方向における頭部20とは反対側)の側面には、脚部30の先端に向かうほど軸部31からの延出長さが短くなるような切込み部46がそれぞれ形成されており、それによって、取付孔3に脚部30を挿入するときに、弾性係合片40を撓みやすくしている。
【0025】
なお、この実施形態の弾性係合片40は、軸部31から脚部30の周方向及び外径方向に延びる形状をなしているが、弾性係合片としては、軸部から脚部の周方向にのみ延びる形状をなしていてもよく、或いは外径方向にのみ延びる形状をなしていてもよく、取付孔裏側に係合可能な形状であれば特に限定はされない。
【0026】
また、複数の軸部31は、脚部30の挿入方向先端側が連結部50によって連結されている。
図2〜5に示すように、この実施形態においては、一対の軸部31,31及び一対の弾性係合片40,40の、脚部30の挿入方向先端側が、連結部50によって互いに連結されている。また、連結部50は、脚部30の挿入方向先端側に向けて次第に縮径する先細形状をなしている。
【0027】
更に
図3及び
図5に示すように、連結部50の、脚部30の挿入方向側の外周には、一対の軸部31,31の、脚部30の挿入方向先端部に整合する位置に、肉抜き凹部51,51が形成されている。
【0028】
そして、本発明の留め具は、複数の軸部31を分離する間隙35が、脚部30の、取付孔3への挿入方向先端部、及び/又は、頭部20を、軸方向に貫通するように形成されている。
【0029】
図5に示すように、この実施形態の留め具10においては、一対の軸部31,31を分離する間隙35は、頭部20を軸方向に貫通するように形成されている。すなわち、一対の軸部31,31を分離する間隙35は、頭部20の第3フランジ部27、第2フランジ部25、首部21、第1フランジ部23の中心をそれぞれ貫通して、留め具10の外部に連通した形状をなしている。
【0030】
なお、上記の間隙は、頭部20側が貫通せず脚部30の取付孔3への挿入方向先端側が貫通していたり、或いは、頭部20及び脚部30の挿入方向先端側の両方が貫通していたりしてもよく、特に限定はされない(これらについては後述の実施形態で説明する)。また、
図5に示すように、間隙35の内周面は、脚部30の挿入方向先端側が幅狭で、頭部20の貫通した上端開口に向けて次第に幅広となるテーパ面状をなしている。
【0031】
以上の留め具10は、例えば、
図5及び
図6に示すように、頭部20の外周形状や、脚部30の一対の軸部31,31の外周形状、一対の弾性係合片40,40の外周及び内周形状は、脚部30の軸心に対して直交する方向に分割移動する型S1,S2で成形でき、一対の軸部31,31の内周形状や、頭部20の内周形状、間隙35は、脚部30の軸心方向に移動する型S3(
図5参照)によって成形できるようになっている。
【0032】
次に、上記構成からなる留め具10の使用方法及び作用効果について説明する。
【0033】
まず、留め具10の頭部20の首部21を、取付部材5の取付座7の係止溝8に挿入し(
図1参照)、同取付座7を第1フランジ部23及び第2フランジ部25で挟み込むことで、取付座7に留め具10を装着する(
図7参照)。
【0034】
この状態で、被取付部材1の取付孔3に、その表側から留め具10の脚部30を挿入していく。すると、取付孔3の内周に一対の弾性係止片40,40が押圧されて、一対の弾性係合片40,40が脚部内方に向けて撓むと共に、同弾性係合片40を介して一対の軸部31,31も押されて撓みつつ、脚部30が押し込まれていく。このとき、一対の軸部31,31は、その内周側の端部32,32どうしが互いに近接する方向に撓むと共に(
図6の矢印F1参照)、脚部30の中心Cを通る直線Lから位置ずれするように、端部32の撓み方向に交差する方向に撓むようになっている(
図6の矢印F2参照)。
【0035】
その後、各弾性係合片40の係合部43が、取付孔3の裏側に抜け出ると、一対の弾性係合片40,40及び一対の軸部31,31が弾性復帰して、係合部43,43が取付孔3の裏側周縁に係合すると共に、頭部20の第3フランジ部27が取付孔3の表側に当接して、取付孔3に留め具10が取付けられて、
図7に示すように、留め具10を介して、被取付部材1に取付部材5を取付けることができる。なお、
図8(a)に示すように、この状態においては、一対の弾性係合片40,40が撓んで、その挿入部44,44が取付孔3の内周に挿入されると共に、
図6に示す状態と比べて一対の軸部31,31が撓み変形した状態で取付孔3内に配置されている。
【0036】
そして、この留め具10においては、脚部30の一対の軸部31,31を分離する間隙35が、頭部20を軸方向に貫通するように形成されている(
図5参照)。そのため、上述したように、取付孔3に脚部30を挿入して、取付孔内周に弾性係合片40が押圧されて撓み変形する際に、弾性係合片40を介して押される軸部31も撓みやすくして、脚部30全体を撓みやすくすることができるので、脚部30の、取付孔3への挿入抵抗を軽減して、挿入性を向上させることができる。
【0037】
また、
図8(b)には、
図8(a)に示す取付孔3よりも内径が小さい取付孔3Aであっても、留め具10を取付可能であることが示されている。すなわち、この留め具10においては、複数の軸部31が間隙35により分離されて設けられているので、弾性係合片40だけでなく、軸部31も撓みやすくすることができ、取付孔の内径が、取付孔3から取付孔3Aのように、多少変動しても、
図8(b)に示すように、脚部30を挿入係止することができ、取付孔内径に対する留め具10の適用幅を広げることができる。なお、特に図示しないが、取付孔内径が取付孔3よりも多少大きい場合であっても、弾性係合片40の係合部43が取付孔裏側に係合可能な範囲であれば、留め具10を取付けることができる。
【0038】
また、
図6に示すように、この実施形態においては、複数の軸部31を分離する間隙35は、脚部30の軸方向に直交する断面において、共通の円Rで切り欠いた円弧状をなしているので、取付孔3への脚部30の挿入時に、弾性係合片40を介して軸部31に作用する押圧力を、周方向に分散しやすくなり、軸部31の特定箇所への応力集中を緩和して、軸部31の破損を抑制することができる。
【0039】
更にこの実施形態においては、各軸部31(複数の軸部31)の内周側の端部32と、各軸部31(複数の軸部31)の外周側の端部33とは、脚部30の中心Cを通る直線L上に配置されている(
図6参照)。そのため、弾性係合片40の、脚部30の周方向に沿った長さを長く確保することができ(軸部31が脚部中心に対して位置ずれしていると、弾性係合片40の周方向長さを確保しにくい)、取付孔3の裏側周縁への係合面積を広くとれて、取付孔3に対する弾性係合片40の係合力を高めることができる。また、軸部31の、脚部30の径方向側の長さを短くすることができるので、取付孔3への脚部30の挿入時に、軸部31をより撓ませやすくすることができ(長いと剛性が高まり撓ませにくい)、取付孔3に脚部30を挿入しやすくすることができる。
【0040】
また、
図3〜5に示すように、この実施形態においては、弾性係合片40の、脚部30の軸方向における頭部20側の端縁41は、頭部20と離間されているので、取付孔3への脚部30の挿入時に、弾性係合片40をより一層撓ませやすくすることができ、取付孔3への脚部30の挿入性を向上させることができる。
【0041】
更に、
図5及び
図9に示すように、この実施形態においては、複数の軸部31は、脚部30の挿入方向先端側が連結部50によって連結され、該連結部50の脚部30の挿入方向側の外周には、軸部31の、脚部30の挿入方向先端部に整合する位置に肉抜き凹部51が形成されている。
【0042】
すなわち、連結部50に凹部51を設けず、肉がある場合は(
図9の想像線参照)、弾性係合片40の撓み支点M2は、弾性係合片40の、連結部50との連結部分内側となり、該撓み支点M2と、弾性係合片40の先端との長さ、すなわち、弾性係合片40の撓み長さはD2となる。これに対して、連結部50に凹部51を設けた場合、弾性係合片40の撓み支点M1は、凹部51により肉抜きされた脚部先端側の内側の位置となるため、弾性係合片40の脚部先端側の撓み支点M1と、弾性係合片40の先端との長さ、すなわち、弾性係合片40の撓み長さはD1となる。したがって、連結部50に凹部51を設けた場合には、取付孔3の内周に脚部30を挿入して、取付孔3の内周に押圧される弾性係合片40の撓み長さD1を、凹部なしの場合における弾性係合片40の撓み長さD2に比べて、長く確保することができるので、取付孔3への脚部30の挿入時に弾性係合片40を更に撓ませやすくすることができ、取付孔3に脚部30をより挿入しやすくすることができる。
【0043】
図10には、本発明の留め具の第2実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0044】
図10に示すように、この実施形態の留め具10Aは、複数の軸部31を分離する間隙35が、脚部30の、取付孔3への挿入方向先端部に設けた連結部50を軸方向に貫通すると共に、頭部20を軸方向に貫通するように形成されている。
【0045】
この実施形態では、間隙35が、脚部30の取付孔3への挿入方向先端部及び頭部20の両者を軸方向に貫通しているので、取付孔3への脚部30の挿入時に、脚部30全体をより撓みやすくさせることができ、脚部30の取付孔3への挿入抵抗をより軽減することができる。
【0046】
図11には、本発明の留め具の第3実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0047】
図11に示すように、この実施形態の留め具10Bは、複数の軸部31を分離する間隙35が、脚部30の、取付孔3への挿入方向先端部に設けた連結部50を軸方向に貫通するように形成されている。
【0048】
この実施形態では、取付孔3への脚部30の挿入時に、最初に挿入される脚部先端側に、間隙35が貫通形成されているので、取付孔3への脚部30の挿入時に、一対の軸部31,31を撓ませやすくすることができ、脚部30の取付孔3への挿入抵抗を軽減することができる。
【0049】
図12〜14には、本発明の留め具の第4実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0050】
図12〜14に示すように、この実施形態の留め具10Cは、脚部30Cの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、この実施形態における脚部30Cは、頭部20の裏面側から延出した4個の軸部31と、各軸部31の外周側の端部33から、周方向及び外径方向にそれぞれ延出した4個の弾性係合片40とを有しており、略羽根車形状をなしている(
図14参照)。また、
図14に示すように、各軸部31は、脚部30Cを横断面で見たときに、脚部30の周方向に均等な間隔をあけて配置されていると共に、これらの軸部31を分離する間隙35は、各軸部31(複数の軸部31)の内周側を共通の円Rで切り欠いた形状をなし、前記実施形態と同様に、各軸部31(複数の軸部31)の内周側の端部32が円弧状をなしている。更に、
図13に示すように、4個の軸部31を分離する間隙35は、頭部20を軸方向に貫通するように形成されている。また、
図14に示すように、各軸部31(複数の軸部31)は、脚部30Cを軸方向に直交する断面で見たときに、各軸部31(複数の軸部31)の内周側(脚部30の内周側)の端部32と、各軸部31(複数の軸部31)の外周側(脚部30の外周側)の端部33とは、脚部30Cの中心Cを通る直線L上に配置されている。
【0051】
この実施形態においても、脚部30Cに設けた4個の軸部31を分離する間隙35が、頭部20を軸方向に貫通するように形成されているので、取付孔3への脚部30Cの挿入時に、弾性係合片40を介して押される各軸部31を撓みやすくして、脚部30C全体を撓みやすくできる。このように、本発明においては、弾性係合片40が複数個存在しても、間隙35によって複数の軸部31を撓みやすくして、脚部30Cの取付孔3への挿入抵抗を軽減でき、挿入性を向上させることができる。
【0052】
図15〜18には、本発明の留め具の第5実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0053】
図15〜18に示すように、この実施形態の留め具10Dは、脚部30Dの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、この実施形態における脚部30Dは、脚部30Dの径方向に対向して配置され、かつ、脚部30Dの周方向に延びる弾性係合片46を有する、一対の第1軸部36,36と、脚部30Dの軸心(
図17に示される脚部30Dの中心C)を挟んで、一対の第1軸部36,36とは重ならない位置に配置されると共に、脚部30Dの外径方向に延びる弾性係合片48を有する、少なくとも一対の第2軸部38,38とを有している。
【0054】
図17に示すように、この実施形態においては、脚部30Dを軸方向に直交する断面(以下、「脚部30Dの横断面」ともいう)で見たときに、一対の第1軸部36,36は、その内周側(脚部30Dの内周側)の端部32と、外周側(脚部30Dの外周側)の端部33とが、脚部30Dの中心Cを通る直線L1上に配置されている。ただし、第2軸部は、少なくとも一対有していればよく、2対以上の第2軸部を有していてよい。
【0055】
また、
図17に示すように、脚部30Dの横断面を見たときに、一対の第1軸部36,36の外周側の端部33,33から、脚部30Dの周方向に沿って湾曲するように、弾性係合片46,46がそれぞれ延びている。これらの弾性係合片46,46は、脚部30Dに対して、同一の延出方向K1で延びており、脚部30Dの中心Cに対して点対称に配置されている。なお、各弾性係合片46は、
図6に示す第1実施形態の弾性係合片40よりも、短くなるように延出している(
図17参照)。また、
図15や
図16に示すように、各弾性係合片46は、脚部30Dの軸方向における頭部20側の端縁41が、頭部20と離間しており、かつ、端縁41側の外周面に、取付孔3の裏側周縁に係合する係合部43が設けられている。
【0056】
一方、
図17に示すように、この実施形態における第2軸部38は、脚部30Dの軸心(脚部30Dの中心C)を挟んで、一対の第1軸部36,36とは重ならない位置に配置される、一対のものからなる。また、
図17に示すように、各第2軸部38の弾性係合片48は、第1軸部36の弾性係合片46の、脚部30Dに対する延出方向と同じ方向に傾斜して、脚部30Dの外径方向に延びている。
【0057】
すなわち、
図17に示すように、脚部30Dの横断面で見たときに、前記直線L1に対して直交し、かつ、脚部30Dの中心Cを通る直線L2に対して、各第2軸部38の弾性係合片48が、第1軸部36の弾性係合片46の延出方向K1と、同一の傾斜方向K2で傾斜して、脚部30Dの外径方向に延びている。なお、各第2軸部38も、第1軸部36の弾性係合片46の、脚部30Dに対する延出方向K1と同じ方向に傾斜して、脚部30Dの外径方向に延びている(
図17参照)。また、一対の第2軸部38,38及びそれらの弾性係合片48,48は、
図17に示すように、脚部30Dの横断面で見たときに、脚部30Dの中心Cに対して点対称に配置され、かつ、互いに平行となるように配置されている。更に、
図15や
図18に示すように、第1軸部36及び第2軸部38は、頭部20に連結された構造となっている。
【0058】
また、
図15や
図16に示すように、各弾性係合片48は、脚部30Dの挿入方向先端側の外面がテーパ面状をなしていると共に、頭部20側の基端部が頭部20に離間して、取付孔3の裏側周縁に係合するテーパ面状の係合部43をなしており、第2軸部38から脚部30Dの外径方向に向けてそれぞれ延出した形状をなしている。更に
図16に示すように、各弾性係合片48の係合部43は、前記第1軸部36の弾性係合片46の係合部43とほぼ整合する位置に配置されている。
【0059】
そして、この実施形態の留め具10Dにおいては、
図18に示すように、一対の第1軸部36,36、及び、一対の第2軸部38,38を分離する間隙35が、脚部30Dの、取付孔3への挿入方向先端部を軸方向に貫通するように形成されている。また、
図15や
図16に示すように、各第1軸部36及びその弾性係合片46の、脚部30Dの挿入方向先端側と、各第2軸部38及びその弾性係合片48の、脚部30Dの挿入方向先端側とが、環状をなした連結部50Dによって互いに連結されている。なお、この連結部50Dは前記間隙35に連通し、かつ、その外面が、脚部30Dの挿入方向先端側に向けて次第に縮径するテーパ面状をなしている。
【0060】
そして、上記構成からなる留め具10Dにおいては、脚部30Dは、一対の第1軸部36,36と、一対の第2軸部38,38とを有しているので、その断面積を増大させることができる。その結果、
図18に示すように、取付孔3に脚部30Dが挿入され、各第1軸部36の弾性係合片46の係合部43や、各第2軸部38の弾性係合片48の係合部43が、取付孔3の裏側周縁に係合した状態で、脚部30Dに剪断力F3(取付孔3の中心に対して直交する横向きの力)が作用しても、該剪断力F3に対する強度を高めることができる。また、一対の第1軸部36,36の弾性係合片46,46、及び、一対の第2軸部38,38の弾性係合片48,48が、取付孔3の裏側周縁にそれぞれ係合するので、取付孔3の裏側周縁に対する係合箇所を増やして、取付孔3に対する留め具10Dの保持力を高めることができる。
【0061】
更にこの実施形態においては、
図17に示すように、各第2軸部38の弾性係合片48は、第1軸部36の弾性係合片46の、脚部30Dに対する延出方向K1と同じ方向(矢印K2参照)に傾斜して、脚部30Dの外径方向に延びているので、各第1軸部36の弾性係合片46と、各第2軸部38の弾性係合片48とを、取付孔3に対して、その周方向に略均等に配置することができ、複数の弾性係合片46,48を、取付孔3の裏側周縁にバランスよく係合させることができる。
【0062】
ところで、上記構造をなした留め具10Dは、例えば、
図17に示すように、脚部30Dの各第1軸部36や各第2軸部38の外周形状や、それらの弾性係合片46,48の外周や内周の形状は、脚部30Dの軸心に対して直交する方向に分割移動する型S1,S2で成形される。このとき、この実施形態においては、各第2軸部38の弾性係合片48は、第1軸部36の弾性係合片46の、脚部30Dに対する延出方向K1と同じ方向(矢印K2参照)に傾斜して、脚部30Dの外径方向に延びているので、留め具10Dを成形した後、該留め具10Dの成形品から前記型S1,S2を型抜きするときに、これらの型S1,S2の型抜き方向に対して、成形品が引っ掛かる部分を少なくすることができる。その結果、成形後の脚部30Dから、型S1,S2を型抜きしやすくすることができ、留め具10Dの製造コストを低減することができる。
【0063】
図19〜22には、本発明の留め具の第6実施形態が示されている。なお、前記実施形態と実質的に同一部分には同符号を付してその説明を省略する。
【0064】
図19〜22に示すように、この実施形態の留め具10Eは、脚部30Eの構造が前記実施形態と異なっている。すなわち、この実施形態における脚部30Eは、脚部30Eの径方向に対向して配置され、かつ、脚部30Eの周方向に延びる弾性係合片46を有する、一対の第1軸部36,36と、脚部30Eの軸心(
図21に示される脚部30Eの中心C)を挟んで、一対の第1軸部36,36とは重ならない位置に配置されると共に、前記弾性係合片を有しない、少なくとも一対の第3軸部39,39とを有している。
【0065】
図21に示すように、この実施形態においては、脚部30Eを軸方向に直交する断面(以下、「脚部30Eの横断面」ともいう)で見たときに、一対の第1軸部36,36は、その内周側の端部32と、外周側の端部33とが、脚部30Dの中心Cを通る直線L1上に配置されると共に、脚部30Eの軸心(脚部30Eの中心C)を挟んで、一対の第1軸部36,36とは重ならない位置に配置される一対の第2軸部39,39が、隣接する各第1軸部36に対して近接する方向に傾き、かつ、互いに平行となるように配置されている。そして、
図19や
図20に示すように、各第2軸部39には、第5実施形態における第2軸部38の弾性係合片48のような、弾性係合片を有しない構造となっている。なお、上記の第2軸部は、少なくとも一対有していればよく、2対以上の第2軸部を有していてよい。また、この実施形態の留め具10Eにおいては、
図22に示すように、一対の第1軸部36,36、及び、一対の第2軸部39,39を分離する間隙35が、脚部30Eの、取付孔3への挿入方向先端部を軸方向に貫通するように形成されている。
【0066】
また、各第3軸部39は、第1軸部36の弾性係合片46の、脚部30Eに対する延出方向K1と同じ方向に傾斜して、脚部30Dの外径方向に延びている(
図21参照)。更に
図19や
図22に示すように、第1軸部36及び第3軸部39は、頭部20に連結された構造となっている。
【0067】
上記構造をなした留め具10Eにおいては、脚部30Eの軸心を挟んで、一対の第1軸部36,36とは重ならない位置に配置されると共に、弾性係合片を有しない、少なくとも一対の第3軸部39,39は、取付孔3に脚部30Eを挿入する際に、撓ませる必要がないので、各第3軸部39の断面積を増やすことができる。その結果、
図22に示すように、取付孔3に脚部30Eが挿入され、各第1軸部36の弾性係合片46の係合部43が取付孔3の裏側周縁に係合した状態で、脚部30Eに剪断力F3が作用した場合に、その剪断力F3に対する強度を、より高めることができる。また、第3軸部39は弾性係合片を有しないので、取付孔3への脚部30Eの挿入時に、該取付孔3の内周に弾性係合片が当接することがなく、脚部30Eの、取付孔3に対する挿入抵抗を低くすることができ、その挿入性を向上させることができる。
【0068】
なお、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で、各種の変形実施形態が可能であり、そのような実施形態も本発明の範囲に含まれる。