特許第6569931号(P6569931)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569931
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】導電性樹脂組成物及び透明導電積層体
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/12 20060101AFI20190826BHJP
   C08K 5/00 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 33/08 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 63/00 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 75/04 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 23/00 20060101ALI20190826BHJP
   C08K 5/541 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 33/02 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 1/26 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 39/06 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 29/04 20060101ALI20190826BHJP
   C08L 65/00 20060101ALI20190826BHJP
   H01B 1/20 20060101ALI20190826BHJP
   H01B 1/12 20060101ALI20190826BHJP
   H01B 5/14 20060101ALI20190826BHJP
   H01B 13/00 20060101ALI20190826BHJP
   C09D 11/52 20140101ALI20190826BHJP
【FI】
   C08L101/12
   C08K5/00
   C08L33/08
   C08L63/00 C
   C08L75/04
   C08L23/00
   C08K5/541
   C08L33/02
   C08L1/26
   C08L39/06
   C08L29/04 A
   C08L65/00
   H01B1/20 A
   H01B1/12 F
   H01B5/14 A
   H01B13/00 503B
   H01B13/00 503C
   C09D11/52
【請求項の数】11
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-225384(P2014-225384)
(22)【出願日】2014年11月5日
(65)【公開番号】特開2015-117367(P2015-117367A)
(43)【公開日】2015年6月25日
【審査請求日】2017年9月20日
(31)【優先権主張番号】特願2013-235069(P2013-235069)
(32)【優先日】2013年11月13日
(33)【優先権主張国】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000214250
【氏名又は名称】ナガセケムテックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000914
【氏名又は名称】特許業務法人 安富国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】大堀 達也
(72)【発明者】
【氏名】久留島 康功
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 貴志
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 隆裕
【審査官】 久保 道弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−017398(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/024830(WO,A1)
【文献】 特開2009−035738(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/125603(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C08L 1/00−101/16
C08K 5/00−5/59
H01B 1/00−19/04
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)導電性ポリマー、(B)導電性向上剤、(C)バインダー、(D)増粘剤、及び、溶媒を含有し、25℃における粘度が50〜8000dPa・sである導電性樹脂組成物であって、
(D)増粘剤の含有量が、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して200重量部未満であり、
(B)導電性向上剤が、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ベンズアミド、アクリル酸、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、β−チオジグリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、エリトリトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、N−メチルピロリドン、γ−ラクタム、ε−カプロラクタム、2−メチルラクトニトリル、エチレンシアノヒドリン、または、ピラゾールであり、
溶媒が、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、または、1−プロパノールであり、
(C)バインダーが、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アルコキシシランオリゴマー、または、ポリオレフィン系樹脂であり、
(D)増粘剤が、ポリアクリル酸系樹脂、セルロースエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、または、ポリビニルアルコールである導電性樹脂組成物。
【請求項2】
25℃におけるチクソトロピー指数が1〜20である、請求項1に記載の導電性樹脂組成物。
【請求項3】
25℃における降伏値が5〜1000Paである、請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成物。
【請求項4】
引火点を有しない、請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物。
【請求項5】
導電性ポリマー(A)がポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物。
【請求項6】
請求項1〜のいずれか1項に記載の導電性樹脂組成物を含む印刷用インキ。
【請求項7】
請求項に記載の印刷用インキを基材上に印刷することにより得られ、0.1〜1000Ω/□の表面抵抗率、及び50%以上の全光線透過率を示す透明導電積層体。
【請求項8】
印刷がスクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷からなる群より選択される少なくとも1つの手段によってなされる、請求項記載の透明導電積層体。
【請求項9】
請求項に記載の印刷用インキを基材上に印刷する工程を含むことを特徴とする、請求項に記載の透明導電積層体の製造方法。
【請求項10】
印刷がスクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷からなる群より選択される少なくとも1つの手段によってなされる、請求項記載の製造方法。
【請求項11】
請求項又は記載の透明導電積層体を用いたタッチパネル又はタッチセンサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導電性樹脂組成物及び透明導電積層体に関し、さらには印刷用インキ、透明導電積層体の製造方法、タッチパネル、及びタッチセンサーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種電子機器のタッチパネルや表示素子に必須の構成要素である透明電極として用いられる透明導電積層体の需要が高まっている。透明導電積層体は、透明基材上に導電性ポリマーを含有する導電性樹脂を用いて透明導電膜が積層された構造を有する。上記透明導電膜の製造方法としては、スクリーン印刷、オフセット印刷、パッド印刷などが知られている。
【0003】
これらの印刷方法は複雑な工程を必要としないため、低コストでかつ簡便にパターニングすることができ、生産性に極めて優れた方法である。一方、使用されるインキには高い粘度が必要とされる。特許文献1には、導電性ポリマーとして、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)[PEDOT]とポリスチレンスルホン酸[PSS]との複合体([PEDOT]/[PSS])の溶液または分散液を用い、該[PEDOT]/[PSS]の含有量が2重量%未満の溶液または分散液を、2重量%を超えるまで濃縮し、場合により結合剤、濃稠化剤、充填剤を配合した1〜200dPa・sの粘度を有する樹脂組成物が開示されている。また、特許文献2には、上記[PEDOT]/[PSS]の水分散液に増粘剤として架橋性ポリアクリル酸を配合した樹脂組成物が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2002−500408号公報
【特許文献2】特表2004−532307号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、導電性ポリマーの濃縮工程が必要となり導電性樹脂組成物のコストが高くなる。また、特許文献2に記載の方法では、組成物の粘度は増大するものの、スクリーン印刷等した際の印刷物の解像度を上げようとする場合、通常、増粘剤の含有量を増やすが、少しでも増粘剤を過剰に添加した場合、液性変化の影響で導電性ポリマーの分散安定性が悪くなる。その結果、液状の樹脂組成物に沈殿物が観測され、基材上に樹脂組成物を塗工して得られた透明導電膜は、塗工用バーの痕が付き、さらには透明性に劣る等の問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、導電性ポリマーとして、従来よりも高粘度の導電性ポリマーの水分散体を用いることで、得られる導電性樹脂組成物に沈殿物が観測されず、該組成物から得られる透明導電膜は、外観が良好で、かつ透明性にも優れることを見出し、本発明を完成した。
【0007】
すなわち、本発明の導電性樹脂組成物は、
(A)導電性ポリマー、(B)導電性向上剤、(C)バインダー、及び(D)増粘剤を含有し、25℃における粘度が50〜8000dPa・sであることを特徴とする。
【0008】
本発明の導電性樹脂組成物は、25℃におけるチクソトロピー指数が1〜20であることが好ましい。
【0009】
本発明の導電性樹脂組成物は、25℃における降伏値が5〜1000Paであることが好ましい。
【0010】
本発明の導電性樹脂組成物は、引火点を有しないことが好ましい。
【0011】
本発明の導電性樹脂組成物において、導電性ポリマー(A)はポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体であることが好ましい。
【0012】
本発明の導電性樹脂組成物において、バインダー(C)は、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルコキシシランオリゴマー、及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0013】
本発明の導電性樹脂組成物において、増粘剤(D)は、ポリアクリル酸系樹脂、セルロースエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、及びポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0014】
本発明の印刷用インキは、本発明の導電性樹脂組成物を含むことを特徴とする。
【0015】
本発明の透明導電積層体は、本発明の印刷用インキを基材上に印刷することにより得られ、0.1〜1000Ω/□の表面抵抗率、及び50%以上の全光線透過率を示すことを特徴とする。
【0016】
本発明の透明導電積層体は、印刷がスクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷からなる群より選択される少なくとも1つの手段によってなされることが好ましい。
【0017】
本発明の透明導電積層体の製造方法は、本時発明の印刷用インキを基材上に印刷する工程を含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の透明導電積層体の製造方法は、印刷がスクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷からなる群より選択される少なくとも1つの手段によってなされることが好ましい。
【0019】
本発明のタッチパネル又はタッチセンサーは、本発明の透明導電積層体を用いたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明の導電性樹脂組成物では、高粘度の導電性ポリマーを用いるため、少量の増粘剤でスクリーン印刷等に使用する上で十分な粘度特性とレオロジー特性が得られ、さらに、増粘剤の含有量を調整することで、導電性ポリマーの分散安定性を維持しつつ、より高い粘度特性を得ることができる。そのため、本発明の導電性樹脂組成物を用いて形成される透明導電膜は、透明性・導電性が良好であり、かつ、スクリーン印刷等で微細パターンを形成した場合には、印刷性にも優れたものとなる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の導電性樹脂組成物は、(A)導電性ポリマー、(B)導電性向上剤、(C)バインダー、及び(D)増粘剤を含有し、25℃における粘度が50〜8000dPa・sである導電性樹脂組成物である。
【0022】
<(A)導電性ポリマー>
(A)導電性ポリマーは、透明導電膜に導電性を付与するための配合物である。(A)導電性ポリマーとしては特に限定されず、従来公知の導電性ポリマーを用いることができ、具体例としては、例えば、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン、ポリアセチレン、ポリフェニレンビニレン、ポリナフタレン、及びこれらの誘導体が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用してもよい。中でも、チオフェン環を分子内に含むことで導電性が高い分子ができやすい点で、分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性ポリマーが好ましい。(A)導電性ポリマーは、ポリ陰イオン等のドーパントと複合体を形成していてもよい。
【0023】
分子内にチオフェン環を少なくとも1つ含む導電性ポリマーの中でも、導電性や化学的安定性に極めて優れている点で、ポリ(3,4−二置換チオフェン)がより好ましい。また、導電性樹脂組成物が、ポリ(3,4−二置換チオフェン)、又は、ポリ(3,4−二置換チオフェン)とポリ陰イオン(ドーパント)との複合体である場合、低温かつ短時間で透明導電膜を形成することができ、生産性にも優れることとなる。なお、ポリ陰イオンは導電性ポリマーのドーパントであり、その内容については後述する。
【0024】
ポリ(3,4−二置換チオフェン)としては、ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。ポリ(3,4−ジアルコキシチオフェン)又はポリ(3,4−アルキレンジオキシチオフェン)としては、以下の式(I):
【0025】
【化1】
【0026】
で示される反復構造単位からなる陽イオン形態のポリチオフェンが好ましい。
ここで、R及びRは相互に独立して水素原子又はC1−4のアルキル基を表すか、又は、R及びRが結合している場合にはC1−4のアルキレン基を表す。C1−4のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。
また、R及びRが結合している場合、C1−4のアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。これらの中では、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基がより好ましい。C1−4のアルキル基、及び、C1−4のアルキレン基は、その水素の一部が置換されていても良い。C1−4のアルキレン基を有するポリチオフェンとしては、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)が特に好ましい。
【0027】
導電性ポリマーの重量平均分子量は、500〜100000の範囲であることが好ましく、1000〜50000の範囲であることがより好ましく、1500〜20000の範囲であることが最も好ましい。500未満の重量平均分子量では、組成物とした場合に要求される粘度を確保することができないことや、透明導電性積層体とした場合の導電性が低下することがある。
【0028】
ドーパントは特に限定されないが、ポリ陰イオンが好ましい。ポリ陰イオンは、ポリチオフェン(誘導体)とイオン対をなすことにより複合体を形成し、ポリチオフェン(誘導体)を水中に安定に分散させることができる。ポリ陰イオンとしては、特に限定されないが、例えば、カルボン酸ポリマー類(例えば、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸等)、スルホン酸ポリマー類(例えば、ポリスチレンスルホン酸、ポリビニルスルホン酸、ポリイソプレンスルホン酸等)等が挙げられる。これらのカルボン酸ポリマー類及びスルホン酸ポリマー類はまた、ビニルカルボン酸類及びビニルスルホン酸類と他の重合可能なモノマー類、例えば、アクリレート類、スチレン、ビニルナフタレン等の芳香族ビニル化合物との共重合体であっても良い。これらの中では、ポリスチレンスルホン酸が特に好ましい。
【0029】
ポリスチレンスルホン酸は、重量平均分子量が20000〜500000が好ましく、40000〜200000がより好ましい。分子量がこの範囲外のポリスチレンスルホン酸を使用すると、ポリチオフェン系導電性ポリマーの水に対する分散安定性が低下する場合がある。なお、重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
【0030】
(A)導電性ポリマーとポリ陰イオンとの複合体としては、透明性及び導電性に特に優れることから、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)とポリスチレンスルホン酸との複合体であることが好ましい。
【0031】
(A)導電性ポリマーの導電率は、特に限定されないが、透明電導膜に十分な導電性を付与する観点からは、0.01S/cm以上であることが好ましく、0.05S/cm以上であることがより好ましい。
【0032】
導電性樹脂組成物における(A)導電性ポリマーの含有量は特に限定されず、透明導電積層体とした際に、0.01〜50.0mg/mとなる量が好ましく、0.1〜10.0mg/mとなる量がより好ましい。0.01mg/m未満では、透明導電膜中の(A)導電性ポリマーの存在割合が少なくなり、透明導電膜の導電性を十分に確保することができない場合があり、一方、50.0mg/mを超えると、透明導電膜中の(A)導電性ポリマーの存在割合が多くなり、塗布膜の強度、成膜性に悪影響を与える原因となる場合があるからである。
【0033】
(A)導電性ポリマーの粘度は、25℃の1〜5重量%水分散体、好ましくは2〜5重量%水分散体において、5〜500dPa・sであることが好ましく、10〜500dPa・sがより好ましい。5dPa・s未満では、組成物とした場合に要求される粘度を確保することができないこと、500dPa・sを超えると、配合時に発泡が生じる、均一に混和できない等の問題が起こりやすくなる。本明細書において、粘度はB型粘度計を使用して測定した値である。
【0034】
(A)導電性ポリマーのチクソトロピー指数(Ti)は、25℃の1〜5重量%水分散体、好ましくは2〜5重量%水分散体において、0.1〜10であることが好ましく、1〜8であることがより好ましい。(A)導電性ポリマーが上記範囲のチクソトロピー指数を有することで、組成物とした場合に後述のチクソトロピー指数を達成することができ好ましい。本明細書において、チクソトロピー指数はレオメーターを使用し、25℃において、せん断速度1(1/s)における粘度ηと、せん断速度10(1/s)における粘度η10との比(Ti値=η/η10)で定義されるものである。
【0035】
(A)導電性ポリマーの降伏値は、25℃の1〜5重量%水分散体、好ましくは2〜5重量%水分散体において、1〜100Paであることが好ましく、2〜100Paであることがより好ましい。(A)導電性ポリマーが上記範囲の降伏値を有することで、組成物とした場合に後述の降伏値を達成することができ好ましい。降伏値は、レオメーターを使用し、25℃において、せん断速度を0.01(1/s)〜100(1/s)の範囲で変化させて応力を測定し、Cassonの近似式(√応力=√粘性速度×√せん断速度+√降伏値)から算出される値をいう。
【0036】
(A)導電性ポリマーの製造方法の一例として、式(I)で表されるポリチオフェンとドーパントとの複合体の水分散体の製造方法について説明する。下記式(II)で表される3,4−ジアルコキシチオフェン
【0037】
【化2】
【0038】
(式中、R及びRは相互に独立して水素原子又はC1−4のアルキル基を表すか、又は、R及びRが結合している場合にはC1−4のアルキレン基を表す。C1−4のアルキル基としては、特に限定されないが、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基等が挙げられる。また、R及びRが結合している場合、C1−4のアルキレン基としては、特に限定されないが、例えば、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基、1,4−ブチレン基、1−メチル−1,2−エチレン基、1−エチル−1,2−エチレン基、1−メチル−1,3−プロピレン基、2−メチル−1,3−プロピレン基等が挙げられる。これらの中では、メチレン基、1,2−エチレン基、1,3−プロピレン基が好ましく、1,2−エチレン基がより好ましい。C1−4のアルキル基、及び、C1−4のアルキレン基は、その水素の一部が置換されていても良い。)
を、ドーパントの存在下で、酸化剤を用いて、水系溶媒中で酸化重合させる工程を経て製造される。
【0039】
ポリチオフェンの製造では、単量体を、各種酸化剤を用いた化学重合法により、酸化重合する。化学重合法は、簡便で大量生産が可能なため、従来の電解重合法と比べ工業的製法に適した方法である。
【0040】
化学重合法に用いる酸化剤としては特に限定されないが、例えば、スルホン酸化合物をアニオンとし、高価数の遷移金属をカチオンとする酸化剤等が挙げられる。この酸化剤を構成する高価数の遷移金属イオンとしては、Cu2+、Fe3+、Al3+、Ce4+、W6+、Mo6+、Cr6+、Mn7+及びSn4+が挙げられる。これらのなかでは、Fe3+およびCu2+が好ましい。遷移金属をカチオンとする酸化剤の具体例としては、例えば、FeCl、Fe(ClO、KCrO、過ホウ酸アルカリ、過マンガン酸カリウム、四フッ化ホウ酸銅等が挙げられる。また、遷移金属をカチオンとする酸化剤以外の酸化剤としては、過硫酸アルカリ、過硫酸アンモニウム、H等が挙げられる。さらに、超原子価ヨウ素反応剤に代表される超原子価化合物が挙げられる。
【0041】
ポリ陰イオンなどのドーパントの使用量は、3,4−ジアルコキシチオフェン100重量部に対して、50〜2000重量部の範囲が好ましく、より好ましくは100〜1000重量部の範囲である。
【0042】
溶媒は水系溶媒であり、特に好ましくは水である。メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノールなどのアルコール;アセトン、アセトニトリル等の水溶性の溶媒を水に添加して用いてもよい。
【0043】
上記粘度を有する(A)導電性ポリマーは、広く一般に行われる導電性ポリマーの製造条件に比べ、反応温度を高くする、反応系のpHを低くする、撹拌速度を遅くする、溶存酸素濃度を低くする、反応濃度を高くするといった点で条件を制御することによって、製造することができる。これらの条件を制御することによって、得られる導電性ポリマーが高分子量化または凝集することで上述の粘度、さらにはチクソトロピー指数/降伏値を達成することができるものと考える。
【0044】
酸化重合反応の温度は、0〜40℃が好ましく、5〜35℃がより好ましい。0℃未満では、導電性ポリマーの重合反応が十分に進まず、導電性が不十分となる場合があり、40℃を超えると、重合反応が過剰に進み、分散安定性が悪くなる傾向がある。
【0045】
重合時のpHは、0.1〜5.0が好ましく、0.1〜3.0がより好ましい。0.1未満では、重合反応が過剰に進み、分散安定性が悪くなる場合があり、5.0を超えると、導電性ポリマーの重合反応が十分に進まず、導電性が不十分となる傾向がある。
【0046】
重合時の反応混合液の撹拌速度は、100〜1000rpmが好ましく、200〜500rpmがより好ましい。100rpm未満では、重合反応が過剰に進み、分散安定性が悪くなる場合があり、1000rpmを超えると、導電性ポリマーの重合反応が十分に進まず、導電性が不十分となる傾向がある。
【0047】
重合時の反応混合液の反応濃度は、1〜10%が好ましく、1〜6%がより好ましい。1%未満では、導電性ポリマーの重合反応が十分に進まず、導電性が不十分となる場合があり、10%を超えると、重合反応が過剰に進み、分散安定性が悪くなる傾向がある。
【0048】
上述の製造方法により得られた(A)導電性ポリマーは、高分子量化または二次凝集により、60〜10000nm、好ましくは70〜5000nmの平均粒子径を有する。
ここで、平均粒子径とは、動的光散乱法(DLS)によって測定されるものをいう。
【0049】
本発明において、上記の工程で製造された(A)導電性ポリマーの水分散体は、濃縮工程を経ずに配合原料として使用することができる。
【0050】
<(B)導電性向上剤>
(B)導電性向上剤は、本発明の導電性樹脂組成物を用いて形成した透明導電膜の導電性を向上させる目的で添加される。(B)導電性向上剤は、透明導電膜を形成する際に加熱により蒸散するが、その際に(A)導電性ポリマーの配向を制御することで透明導電膜の導電性を向上させるものと推定される。また、(B)導電性向上剤を使用する場合、(B)導電性向上剤を使用しない場合と比較して、表面抵抗率を維持しつつ(A)導電性ポリマーの配合量を少なく出来る結果、透明性を改善できる利点がある。
【0051】
(B)導電性向上剤は、透明導電膜の用途に必要な導電性を確実に確保するとの観点から、以下(i)〜(vii)からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
(i)沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのケトン基を有する化合物
(ii)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのエーテル基を有する化合物
(iii)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合

(iv)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物
(v)沸点が50℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物
(vi)沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物
(vii)沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのラクタム基を有する化合物
【0052】
沸点が60℃以上で分子内に少なくとも1つのケトン基を有する化合物(i)としては、例えば、イソホロン、プロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0053】
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのエーテル基を有する化合物(ii)としては、例えば、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、2−フェノキシエタノール、ジオキサン、モルホリン、4−アクリロイルモルホリン、N−メチルモルホリンN−オキシド、4−エチルモルホリン、2−メトキシフラン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0054】
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのスルフィニル基を有する化合物(iii)としては、例えば、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0055】
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのアミド基を有する化合物(iv)としては、例えば、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−エチルアセトアミド、N−フェニル−N−プロピルアセトアミド、ベンズアミド等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0056】
沸点が50℃以上で分子内に少なくとも1つのカルボキシル基を有する化合物(v)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、安息香酸、p−トルイル酸、p−クロロ安息香酸、p−ニトロ安息香酸、1−ナフトエ酸、2−ナフトエ酸、フタル酸、イソフタル酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0057】
沸点が100℃以上で分子内に2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物(vi)としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、β−チオジグリコール、トリエチレングリコール、トリプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、カテコール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、グリセリン、エリトリトール、インマトール、ラクチトール、マルチトール、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、スクロース等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0058】
沸点が100℃以上で分子内に少なくとも1つのラクタム基を有する化合物(vii)としては、例えば、N−メチルピロリドン、β−ラクタム、γ−ラクタム、δ−ラクタム、ε−カプロラクタム、ラウロラクタム等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0059】
(B)導電性向上剤の沸点が特定温度以上であると、透明導電膜形成時の加熱によって(B)導電性向上剤が徐々に揮発していくことになるが、その過程で、(A)導電性ポリマーの配向を導電性にとって有利な配向に制御することになり、その結果、導電性が向上するものと考えられる。一方、(B)導電性向上剤の沸点が特定温度に満たないものであると、急激に(B)導電性向上剤が蒸発してしまうため、上記(A)導電性ポリマーの配向が十分に制御されず導電性の向上につながらないものと考えられる。
【0060】
また、(B)導電性向上剤としては、特に限定されないが、δD=12〜30、δH=3〜30、δP=5〜30、且つ、δD+δH+δP=35〜70のSP値を有するものであることが好ましく、δD=15〜25、δH=10〜25、δP=10〜25、且つ、δD+δH+δP=35〜70のSP値を有するものであることがより好ましい。
【0061】
本明細書において、SP値とはハンセンの溶解パラメーターのことをいい、物質の溶解性を分散項δD、極性項δH、水素結合項δPの3つのパラメーターで表現する。上記範囲内のSP値を有する(B)導電性向上剤を添加することで、(A)導電性ポリマーを疑似的に溶解し、蒸発過程で配列を促進させると考えられる。一方、上記範囲外のSP値を有する(B)導電性向上剤は、(A)導電性ポリマーとの相互作用が生じにくいため、配列の制御による十分な導電性向上効果を得ることが出来ないことがある。
加えて、上記範囲内のSP値を有する(B)導電性向上剤は、(A)導電性ポリマーとの親和性が高いため、(A)導電性ポリマーの分散液の安定性が向上され得る。
【0062】
SP値がδD=12〜30、δH=3〜30、δP=5〜30、且つ、δD+δH+δP=35〜70である(B)導電性向上剤としては、特に限定されないが、例えば、イソシアナート(δD=15.8、δH=10.5、δP=13.6)、イソチオシアン酸メチル(δD=17.3、δH=16.2、δP=10.1)、リン酸トリメチル(δD=15.7、δH=10.5、δP=10.2)、2−メチルラクトニトリル(δD=16.6、δH=12.2、δP=15.5)、エフェドリン(δD=18.0、δH=10.7、δP=24.1)、チオ尿素(δD=20.0、δH=19.4、δP=14.8)、カルバモニトリル(δD=15.5、δH=27.6、δP=16.8)、エチレンシアノヒドリン(δD=17.2、δH=18.8、δP=17.6)、ピラゾール(δD=20.2、δH=10.4、δP=12.4)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0063】
また、(B)導電性向上剤として、上記(i)〜(vii)であり、且つ、上記範囲内のSP値を有するものも用いることが出来る。
【0064】
(B)導電性向上剤の含有量は、特に限定されないが、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して5〜2000重量部が好ましく、10〜1500重量部がより好ましい。5重量部未満であると、(B)導電性向上剤添加による導電性改善効果を充分に享受することができないことがある。一方、2000重量部を超えると、本発明の導電性樹脂組成物中の(A)導電性ポリマーの含有量が相対的に少なくなり、透明導電膜とした際に十分な導電性が得られなくなることがある。
【0065】
<(C)バインダー>
(C)バインダーは、本発明の導電性樹脂組成物中の配合物同士を結合させ、より確実に透明導電膜(導電性パターンを含む)を形成させる目的で添加される。(C)バインダーとしては、特に限定されないが、例えば、ポリエステル系樹脂、ポリウレタン、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、アルコキシシランオリゴマー、及びポリオレフィン系樹脂からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
【0066】
ポリエステル系樹脂としては、2つ以上のカルボキシル基を分子内に有する化合物と2つ以上のヒドロキシル基を有する化合物とを重縮合して得られた高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0067】
ポリウレタンとしては、イソシアネート基を有する化合物とヒドロキシル基を有する化合物を共重合させて得られた高分子化合物であれば特に限定されず、例えば、エステル・エーテル系ポリウレタン、エーテル系ポリウレタン、ポリエステル系ポリウレタン、カーボネート系ポリウレタン、アクリル系ポリウレタン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0068】
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、フェノールノボラック型、ベンゼン環を多数有した多官能型であるテトラキス(ヒドロキシフェニル)エタン型またはトリス(ヒドロキシフェニル)メタン型、ビフェニル型、トリフェノールメタン型、ナフタレン型、オルソノボラック型、ジシクロペンタジエン型、アミノフェノール型、脂環式等のエポキシ樹脂、シリコーンエポキシ樹脂等が挙げられる。これらは、これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0069】
アクリル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、(メタ)アクリル系樹脂、ビニルエステル系樹脂等が挙げられる。これらのアクリル樹脂としては、例えば、カルボキシル基、酸無水物基、スルホン酸基、燐酸基などの酸基を有する重合性単量体を構成モノマーとして含む重合体であればよく、例えば、上記酸基を有する重合性単量体の単独又は共重合体、上記酸基を有する重合性単量体と共重合性単量体との共重合体等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0070】
(メタ)アクリル系樹脂は、(メタ)アクリル系単量体を主たる構成モノマー(例えば、50モル%以上)として含んでいれば共重合性単量体と重合していてもよく、この場合、(メタ)アクリル系単量体及び共重合性単量体のうち、少なくとも一方が酸基を有していればよい。(メタ)アクリル系樹脂としては、例えば、上記酸基を有する(メタ)アクリル系単量体[(メタ)アクリル酸、スルホアルキル(メタ)アクリレート、スルホン酸基含有(メタ)アクリルアミド等]又はその共重合体、上記酸基を有していてもよい(メタ)アクリル系単量体と、酸基を有する他の重合性単量体[他の重合性カルボン酸、重合性多価カルボン酸又は無水物、ビニル芳香族スルホン酸等]及び/又は上記共重合性単量体[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、芳香族ビニル単量体等]との共重合体、上記酸基を有する他の重合体単量体と(メタ)アクリル系共重合性単量体[例えば、(メタ)アクリル酸アルキルエステル、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル等]との共重合体、ロジン変性ウレタンアクリレート、特殊変性アクリル樹脂、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレートエマルジョン等が挙げられる。
【0071】
これらの(メタ)アクリル系樹脂の中では、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル共重合体等)、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体(アクリル酸−メタクリル酸メチル−スチレン共重合体等)等が好ましい。
【0072】
アルコキシシランオリゴマーとしては、例えば、下記式(III)により表されるアルコキシシランのモノマー同士が縮合することで形成される高分子量化されたアルコキシシランであり、シロキサン結合(Si−O−Si)を1分子内に1個以上有するオリゴマー等が挙げられる。
SiR (III)
(式中、Rは、水素、水酸基、炭素数1〜4のアルコキシ基、置換基を有しても良いアルキル基、又は、置換基を有しても良いフェニル基である。但し、4つのRのうち少なくとも1個は炭素数1〜4のアルコキシ基又は水酸基である)
【0073】
アルコキシシランオリゴマーの構造は特に限定されず、直鎖状であっても良く、分岐状でも良い。また、アルコキシシランオリゴマーとしては、式(III)により表される化合物を単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。アルコキシシランオリゴマーの重量平均分子量は特に限定されないが、152より大きく4000以下であることが好ましく、500〜2500であることがより好ましく、500〜1500であることがさらに好ましい。ここで、重量平均分子量はゲル透過クロマトグラフィー(GPC)にて測定した値である。
【0074】
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、塩素化ポリプロピレン、非塩素化ポリプロピレン、塩素化ポリエチレン、非塩素化ポリエチレン等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0075】
(C)バインダーの含有量は、特に限定されないが、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して0.1〜1000重量部が好ましく、5〜500重量部がより好ましい。0.1重量部未満であると、透明導電積層体としたときの強度が弱くなることがあり、1000重量部を超えると、導電性樹脂組成物中の(A)導電性ポリマーの含有量が相対的に少なくなり、透明導電膜とした際に十分な導電性を確保することができないことがある。
【0076】
<(D)増粘剤>
(D)増粘剤は、導電性樹脂組成物の粘度やレオロジー特性を調整する目的で添加される。増粘剤を使用することによって、(A)導電性ポリマーの高粘度化では達成できない導電性樹脂組成物のさらなる高粘度化が可能となる。
【0077】
(D)増粘剤としては、特に限定されないが、例えば、ポリアクリル酸系樹脂、セルロースエーテル樹脂、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、及びポリビニルアルコールからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。このような増粘剤の市販品としては、例えば、例えば、CARBOPOL ETD−2623(架橋性ポリアクリル酸、BF Goodrichi社製)、GE−167(N−ビニルアセトアミドとアクリル酸の共重合体、昭和電工社製)、ジュリマー(ポリアクリル酸、日本純薬社製)、ポリビニルピロリドンK−90(ポリビニルピロリドン、日本触媒社製)等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上併用してもよい。
【0078】
(D)増粘剤として上記化合物が好ましい理由は、これらの増粘剤は、(A)導電性ポリマーとの相溶性に極めて優れるからであり、相溶性が優れることにより下記の効果を享受することができる。
(1)(A)導電性ポリマーの分散安定性に優れ、そのため、貯蔵安定性に優れる、
(2)ヘイズが低下し透明性が向上する、
(3)印刷基材への密着性が向上する、
(4)微細な導電性パターンをより高精度に形成できる、
(5)ポリマー・増粘剤を配合した導電性樹脂組成物の、耐湿熱性が向上する、及び、
(6)上記(1)〜(5)の理由によりスクリーン印刷用インキとして好適である。
【0079】
(D)増粘剤の含有量は、特に限定されないが、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して200重量部未満であることが好ましく、100重量部未満であることがより好ましい。200重量部を超えると、沈殿物が発生し、版詰まり、ヘイズの上昇の原因となる傾向がある。
【0080】
<任意成分>
本発明の導電性樹脂組成物は、(A)導電性ポリマー、(B)導電性向上剤、(C)バインダー及び(D)増粘剤以外に、本発明の目的を損なわない範囲で、任意に他の成分を含有していてもよい。他の成分としては、溶媒、架橋剤、触媒、水溶性酸化防止剤、界面活性剤及び/又はレベリング剤、金属ナノワイヤ、消泡剤、中和剤等が挙げられる。
【0081】
溶媒としては、特に限定されず、例えば、水;メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、グリセリン等のアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール等のエチレングリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル類;エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルアセテート類;プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール等のプロピレングリコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、プロピレングリコールジエチルエーテル、ジプロピレングリコールジエチルエーテル等のプロピレングリコールエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のプロピレングリコールエーテルアセテート類;テトラヒドロフラン;アセトン;アセトニトリル等が挙げられる。これらの溶媒は単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
【0082】
溶媒は、水、又は、水と有機溶媒との混合物であることが好ましい。本発明の導電性樹脂組成物が溶媒として水を含有する場合、水の含有量は、特に限定されないが、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して、20〜1000000重量部が好ましく、200〜500000重量部がより好ましい。水の含有量が20重量部未満であると、粘度が高くなりハンドリングが困難になることがあり、1000000重量部を超えると、溶液の濃度が低くなりすぎて透明導電膜の厚さの調整が難しくなることがあるからである。
【0083】
溶媒として水と有機溶媒との混合物を含有する場合、有機溶媒は、メタノール、エタノール、2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール及びテトラエチレングリコールからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。有機溶媒の含有量は特に限定されず、導電性ポリマーの固形分100重量部に対して、20〜700000重量部が好ましく、200〜350000重量部がより好ましい。また、水と有機溶媒との比率(水:有機溶媒)は、重量比で、100:0〜5:95が好ましく、100:0〜30:70がより好ましい。
【0084】
溶媒は、導電性樹脂組成物を用いて形成する透明導電積層体中には残留しないことが好ましい。なお、本明細書においては、導電性樹脂組成物の全ての成分を完全に溶解させるもの(即ち、「溶媒」)と、不溶成分を分散させるもの(即ち、「分散媒」)とは特に区別せずに、いずれも「溶媒」と記載する。
【0085】
架橋剤を配合することにより(C)バインダーを架橋させることができ、上記導電性樹脂組成物を用いて形成する透明導電膜の強度をさらに向上させることができる。
【0086】
架橋剤としては、特に限定されないが、例えば、メラミン系、ポリカルボジイミド系、ポリオキサゾリン系、ポリエポキシ系、ポリイソシアネート系、ポリアクリレート系等の架橋剤が挙げられる。これらの架橋剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0087】
架橋剤を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して、0.1〜17000重量部が好ましく、1〜1000重量部がより好ましい。架橋剤の含有量が0.1重量部未満であると、透明導電膜の強度が不十分となる場合があり、一方、17000重量部を超えると、透明導電膜中の(A)導電性ポリマーの存在割合が少なくなり、透明導電膜の導電性を十分に確保することができないことがある。
【0088】
架橋剤を含有する場合、(C)バインダーを架橋させるための触媒としては、ドーパントが有する酸性基を利用しても良いし、新たに有機酸又は無機酸を添加してもよい。また、感熱性酸発生剤、感放射線性酸発生剤、感電磁波性酸発生剤等を添加してもよい。
【0089】
触媒としては、特に限定されず、例えば、当該分野にて通常使用される光重合開始剤や熱重合開始剤等を使用することができる。(C)バインダーとしてアクリル樹脂を使用する場合には、触媒として光重合開始剤を用いることが好ましい。
【0090】
触媒の含有量は特に限定されないが、(C)バインダー100重量部に対して、0.01〜100重量部であることが好ましく、0.1〜10重量部であることがより好ましい。触媒の含有量が0.01重量部未満であると、触媒としての働きが十分でなくなることがあり、100重量部を超えると、(A)導電性ポリマーの存在割合が少なくなり、透明導電膜の導電性を十分に確保することができないことがあるためである。
【0091】
界面活性剤及び/又はレベリング剤を配合することにより、上記導電性樹脂組成物のレベリング性を向上させることができ、上記導電性樹脂組成物を用いて透明導電膜を形成することで均一な透明導電膜を得ることができる。なお、本発明においては、一の化合物が界面活性剤にもレベリング剤にも相当することがある。
【0092】
上記界面活性剤としては、レベリング性向上効果を有するものであれば特に限定されず、その具体例としては、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素含有有機化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体などのポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらの界面活性剤は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、レベリング性向上効果が顕著に得られることからはシロキサン系化合物及びフッ素含有有機化合物が好ましい。
【0093】
上記界面活性剤としては市販品も使用することができ、その具体例としては、例えば、BYK−301、BYK−302、BYK−307、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−375、BYK−378、BYK−380N、BYK−340、BYK−DYNWET800(いずれもビックケミー・ジャパン株式会社製)、NIKKOL AM−101、NIKKOL AM−301、NIKKOL AM−3130N(いずれも日本サーファクタント工業株式会社製)、アサヒガードAG−8025、アサヒガードMA−91(ともに明成化学工業株式会社製)、アミポールAS−8(日華化学株式会社製)、アモーゲンAOL、アモーゲンCB−C、アモーゲンCB−H、アモーゲンLB−C、アモーゲンNo.8、アモーゲンS、アモーゲンS−H(いずれも第一工業製薬株式会社製)、アンヒトールシリーズ(花王株式会社製)、アンホレックス35N、アンホレックス50、アンホレックス50−SF(いずれもミヨシ油脂株式会社製)、プラスコートRY−2(互応化学工業株式会社製)、エナジーコールC−30 B(ライオン株式会社製)、オバゾリン662N、カチナールAOC(いずれも東邦化学工業株式会社製)、オフノンD(ユシロ化学工業株式会社製)、クリンクA−27(吉村油化学株式会社製)、ゲナゲンB 1566(クラリアントジャパン株式会社製)、KF−351、KF−352、KF−354L、KF−355A、KF−618、KF−6011、X−22−4272(いずれも信越シリコーン株式会社製)、CAPSTONE FS−3100(デュポン株式会社製)等が挙げられる。
【0094】
上記レベリング剤としては、特に限定されず、例えば、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性シロキサン、ポリエーテルエステル変性水酸基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、ポリエステル変性アクリル基含有ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン、パーフルオロポリエステル変性ポリジメチルシロキサン等のシロキサン系化合物;パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルポリオキシエチレンエタノール等のフッ素含有有機化合物;ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、プロピレンオキシド重合体、エチレンオキシド重合体等のポリエーテル系化合物;ヤシ油脂肪酸アミン塩、ガムロジン等のカルボン酸;ヒマシ油硫酸エステル類、リン酸エステル、アルキルエーテル硫酸塩、ソルビタン脂肪酸エステル、スルホン酸エステル、コハク酸エステル等のエステル系化合物;アルキルアリールスルホン酸アミン塩、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム等のスルホン酸塩化合物;ラウリルリン酸ナトリウム等のリン酸塩化合物;ヤシ油脂肪酸エタノールアマイド等のアミド化合物;アクリル系化合物等が挙げられる。これらのレベリング剤は、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
【0095】
上記レベリング剤としては市販品も使用することができ、その具体例としては、例えば、BYK−325、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−UV3500、BYK−381、BYKETOL−AQ、BYKETOL−WS(いずれもビックケミー・ジャパン株式会社製)、ポリフローWS、ポリフローWS−30、ポリフローWS−314(いずれも共栄社化学工業株式会社製)等が挙げられる。
【0096】
水溶性酸化防止剤を配合することにより、上記透明導電膜形成用組成物を用いて形成した透明導電膜の耐熱性、耐湿熱性を向上させることができる。
【0097】
水溶性酸化防止剤としては、特に限定されず、還元性の水溶性酸化防止剤、非還元性の水溶性酸化防止剤等が挙げられる。
上記還元性の水溶性酸化防止剤としては、例えば、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ナトリウム、L−アスコルビン酸カリウム、D(−)−イソアスコルビン酸(エリソルビン酸)、エリソルビン酸ナトリウム、エリソルビン酸カリウム等の2個の水酸基で置換されたラクトン環を有する化合物;マルトース、ラクトース、セロビオース、キシロース、アラビノース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース等の単糖類又は二糖類(但し、スクロースを除く);カテキン、ルチン、ミリセチン、クエルセチン、ケンフェロール、サンメリン(登録商標)Y−AF等のフラボノイド;クルクミン、ロズマリン酸、クロロゲン酸、ヒドロキノン、3,4,5−トリヒドロキシ安息香酸、タンニン酸等のフェノール性水酸基を2個以上有する化合物;システイン、グルタチオン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)等のチオール基を有する化合物等が挙げられる。
上記非還元性の水溶性酸化防止剤としては、例えば、フェニルイミダゾールスルホン酸、フェニルトリアゾールスルホン酸、2−ヒドロキシピリミジン、サリチル酸フェニル、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸ナトリウム等の酸化劣化の原因となる紫外線を吸収する化合物が挙げられる。
これらの水溶性酸化防止剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0098】
これらの中では、2個の水酸基で置換されたラクトン環を有する化合物、及び、フェノール性水酸基を2個以上有する化合物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物が好ましく、D(−)−イソアスコルビン酸、又は、サンメリン(登録商標)Y−AFがより好ましい。
【0099】
本発明の導電性樹脂組成物が上記水溶性酸化防止剤を含有する場合、その含有量は特に限定されないが、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対して0.001〜500重量部が好ましく、0.01〜250重量部がより好ましく、0.05〜100重量部がさらに好ましい。
上記水溶性酸化防止剤の含有量が0.001重量部未満であると、導電性樹脂組成物を用いて形成した透明導電膜の耐熱性及び耐湿熱性を十分に向上させることができない場合があり、一方、500重量部を超えると、導電性樹脂組成物を用いて形成した透明導電膜中の(A)導電性ポリマーの存在割合が少なくなり、透明導電膜の導電性を十分に確保することができないことがある。
【0100】
金属ナノワイヤを配合することで、本発明の導電性樹脂組成物を透明導電膜とした場合の導電性を向上させることができる。
金属ナノワイヤとしては、金属単体や金属含有化合物からなるものが挙げられる。
上記金属単体としては、特に限定されないが、例えば、銀、銅、銀、鉄、コバルト、ニッケル、亜鉛、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、カドミウム、オスミウム、イリジウム、白金等が挙げられ、上記金属含有化合物としては、特に限定されないが、例えば、これらの金属を含むものが挙げられる。これらの金属ナノワイヤは、単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0101】
金属ナノワイヤは、銀ナノワイヤ、銅ナノワイヤ及び金ナノワイヤからなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。その理由は、他の金属ナノワイヤと比べて自由電子濃度が高く、導電性が高いためである。
【0102】
金属ナノワイヤの径は、特に限定されないが、1〜1000nmであることが好ましく、1〜100nmであることがより好ましい。金属ナノワイヤの径が1nm未満であるとワイヤー自体が切断されやすくなることがあり、1000nmを超えると、塗布膜のヘイズ値が高くなることがある。
金属ナノワイヤの長さは、特に限定されないが、1〜1000μmであることが好ましく、1〜100μmであることがより好ましい。金属ナノワイヤの長さが1μm未満であると塗布膜の導電性の低下の原因となることがあり、1000μmを超えると、金属ナノワイヤ分散体の安定性が悪くなることがある。
【0103】
金属ナノワイヤのアスペクト比は、特に限定されないが、50〜10000であることが好ましく、70〜7000であることがより好ましい。
金属ナノワイヤのアスペクト比が50未満であると塗布膜の導電性低下の原因になり、10000を超えると金属ナノワイヤ分散体の安定性が悪くなる原因となるからである。
なお、本発明において、アスペクト比とは、金属ナノワイヤの径に対する長さの比を表す。
【0104】
本発明の導電性樹脂組成物は酸性であるため、中和剤としては塩基性化合物を使用することができる。塩基性化合物としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等の水酸化物や炭酸塩等、アンモニア等のアンモニウム化合物、アミン類等が挙げられる。これらは単独で用いても良いし、2種以上を併用しても良い。
【0105】
本発明の導電性樹脂組成物において、25℃における粘度は、50〜8000dPa・sであるが、70〜3000dPa・sであることが好ましく、100〜2000dPasであることがより好ましい。50dPa・s未満では、乾燥不良のため基材への密着性が悪くなり、また印刷性が悪くなる場合がある。一方、8000dPa・sを超えると、乾燥が早すぎるために、版詰まり、発泡・ピンホールが生じやすく、ハンドリング性が悪くなる。
なお、粘度の測定条件は前述の通りである。
【0106】
本発明の導電性樹脂組成物において、25℃におけるチクソトロピー指数(Ti)は0.5〜20であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜15であることがさらに好ましく、1.5〜15であることが特に好ましい。0.5未満では、液ダレのため画線・文字のにじみが起こりやすく、印刷インキといった用途での使用が困難となる。20を超えるとレベリング不良が生じ、印刷インキの用途で使用した場合、印刷パターン表面に凹凸が生じやすくなり好ましくない。
なお、チクソトロピー指数の測定条件は前述のとおりである。
【0107】
本発明の導電性樹脂組成物において、25℃における降伏値は、5〜1000Paであることが好ましく、10〜500Paであることがより好ましい。5Pa未満では、静置時にも流動性を示し、版上に留まることができないため、印刷ができない。一方、1000Paを超えると、力を加えられても流動性を示さないため、印刷ができない。
なお、降伏値の測定条件は前述の通りである。
【0108】
本発明の導電性樹脂組成物は、引火点を有しないことが好ましい。
引火点を有しない場合、火災の危険性が大幅に低くなり、搬送や保管、廃棄の面で非常に取り扱いがしやすく、安全性が高いためである。
【0109】
本発明の導電性樹脂組成物の含水率は特に限定されないが、好ましくは30重量%以上、より好ましくは40重量%以上、さらに好ましくは50重量%以上である。含水率が30重量%以上であると、膜性能は有機溶剤の種類に影響を受けず、配合自由度が高い。
【0110】
本発明の印刷用インキは、本発明の導電性樹脂組成物を含むものであり、スクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷といった印刷手段に好適に用いられる。特に、導電性ポリマーの分散安定性を維持しつつ、増粘剤の含有量を調整することでより高い粘度を達成することができるため、印刷物の高い解像度が求められる際に好適に使用される。これらの印刷手段は複雑な工程を必要としないため、低コストでかつ簡便にパターニングすることが可能である。本発明の印刷用インキは高粘度の導電性ポリマー及び増粘剤を含むので、高い粘度が必要とされるスクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷に好適に適用することができる。また、得られる塗膜は、外観が良好で、かつ透明性にも優れている。
【0111】
本発明の透明導電積層体は、本発明の印刷用インキを基材上に印刷することにより得られ、0.1〜1000Ω/□の表面抵抗率、及び50%以上の全光線透過率を示す。印刷することによって、基材上に透明導電膜を形成することができる。
【0112】
基材としては透明基材が好ましい。透明基材の材質としては、透明である限り特に限定されないが、例えば、ガラス、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート、変性ポリエステル等のポリエステル系樹脂、ポリエチレン(PE)樹脂、ポリプロピレン(PP)樹脂、ポリスチレン樹脂、環状オレフィン系樹脂等のポリオレフィン類樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリサルホン(PSF)樹脂、ポリエーテルサルホン(PES)樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、トリアセチルセルロース(TAC)樹脂等が挙げられる。
【0113】
透明基材の厚みは、特に限定されないが、10〜10000μmであることが好ましく、25〜5000μmであることがより好ましい。また、透明基材の全光線透過率は、特に限定されないが、60%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましい。
【0114】
透明導電積層体の表面抵抗率は、1000Ω/□以下であるが、900Ω/□以下が好ましい。1000Ω/□を超えると、十分な導電性を確保することができないことがある。なお、上記表面抵抗率は小さければ小さい程好ましいため、その下限は特に限定されないが、例えば、0.1Ω/□である。
【0115】
透明導電積層体の全光線透過率は、50%以上であるが、60%以上が好ましく、80%以上であることがより好ましい。一方、上限は特に限定されない。
【0116】
本発明の透明導電積層体の製造方法は、本発明の印刷用インキを基材上に印刷する工程を含む。具体的には、例えば、後述する(I)印刷による塗布工程及び(II)形成工程により得ることができる。印刷することによって、パターニングを行うことができ、非導電部分と導電部分とを備え、導電部分を導体パターンとすることができる。
なお、本発明の印刷用インキは、スクリーン印刷、オフセット印刷及びパッド印刷といった印刷手段によって基材上に塗布することが好ましく、また、本発明の印刷用インキを基材に直接塗布しても良いが、プライマー層といった層を予め基材上に形成した上で、基材上に形成された層上に本発明の印刷用インキを塗布しても良い。
さらに、必要に応じて、あらかじめ基材の表面に表面処理を施した後に(I)印刷工程を行っても良い。表面処理としては、例えば、コロナ処理、プラズマ処理、イトロ処理、火炎処理等が挙げられる。
【0117】
(II)形成工程は、基材上に印刷されたものを、150℃以下の温度で加熱処理することにより、基材の少なくとも1面に透明導電膜を形成することができる。加熱処理は、特に限定されず公知の方法により行えば良く、例えば、送風オーブン、赤外線オーブン、真空オーブン等を用いて行えば良い。なお、(I)印刷工程で用いるインキが溶媒を含有する場合、溶媒は、加熱処理により除去される。
【0118】
加熱処理は、150℃以下の温度条件で行う。加熱処理の温度が150℃を超えると、用いる基材の種類が限定され、例えば、PETフィルム、ポリカーボネートフィルム、アクリルフィルム等の一般に透明電極フィルムに用いられる基材を用いることが出来なくなる。本発明では、150℃以下の温度条件での加熱処理であっても、十分な透明性及び導電性を有する透明導電体を得ることが出来る利点を有する。加熱処理の温度は、50〜140℃であることが好ましく、60〜130℃であることがより好ましい。加熱処理の処理時間は、特に限定されないが、0.1〜60分間であることが好ましく、0.5〜30分間であることがより好ましい。
【0119】
本発明の透明導電積層体の用途としては、透明性及び導電性が要求される用途であれば特に限定されないが、例えば、液晶、プラズマ、フィールドエミッション等の各種ディスプレイ方式のテレビ、携帯電話等の各種電子機器のタッチパネルやタッチセンサー、表示素子における透明電極が挙げられる。また、上記透明導電積層体は、太陽電池、電磁波シールド材、電子ペーパー、エレクトロルミネッセンス調光素子等における透明電極、透明発熱体、電解めっきプライマー等の用途に用いることもできる。これらの用途の中では、各種電子機器のタッチパネル、液晶駆動用の透明電極、EL駆動用の透明電極、エレクトロクロミック素子駆動用の透明電極、電磁波シールド材、透明発熱体、又は、電解めっきプライマーに用いられることが好ましい。中でも、各種電子機器のタッチパネルやタッチセンサーに好適に用いることができる。
【実施例】
【0120】
以下、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例に限定されない。以下、「部」又は「%」は特記ない限り、それぞれ「重量部」又は「重量%」を意味する。
【0121】
製造例1(導電性ポリマー)
スターラーおよび窒素入り口を装備した10Lの反応容器中に、5508gのイオン交換水、492gの12.8重量%ポリスチレンスルホン酸(PSS)(Mw=56000)水溶液を入れ、窒素を吹き込みながら25℃に保って1時間撹拌した。この時の溶液中の温度は25℃、酸素濃度は0.5mg/L、pHは0.8、撹拌速度は300rpmであった[酸素濃度はインプロ6000シリーズOセンサーを用いるニック・プロセス・ユニット73O(メトラー・トレド株式会社製)を用いて測定した]。次に、25.4g(179ミリモル)の3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)、0.45gのFe(SO・3HO、30gのNaを加え、重合反応を開始させた。25℃において12時間反応させた後、さらに30gのNaを加えた。12時間の追加反応時間後に、イオン交換樹脂LewatitS100H、LewatitMP62を用いて処理することにより、濃青色の高粘度PEDOT/PSSを4200g得た(固形分 2.2%、粘度 66dPa・s、チクソトロピー指数 3.3、降伏値 5.5Pa、平均粒子径 330nm(Malvern社製ゼータサイザー Nano−Sを用いて測定した。以下、平均粒子径を粒径と記載する))。
【0122】
製造例2(導電性ポリマー)
pHを0.5にした以外は、製造例1に記載の方法で製造することにより、濃青色の高粘度PEDOT/PSSを4500g得た(固形分 2.4%、粘度 93dPa・s、チクソトロピー指数 4.1、降伏値 10.3Pa、粒径 410nm)。
【0123】
製造例3(導電性ポリマー)
撹拌速度を250rpmにした以外は、製造例1に記載の方法で製造することにより、濃青色の高粘度PEDOT/PSSを4400g得た(固形分 3.9%、粘度 130dPa・s、チクソトロピー指数 3.9、降伏値 12.5Pa、粒径 680nm)。
【0124】
製造例4(導電性ポリマー)
温度を28℃にした以外は、製造例1に記載の方法で製造することにより、濃青色の高粘度PEDOT/PSSを5500g得た(固形分 4.3%、粘度 250dPa・s、チクソトロピー指数 6.3、降伏値 8.9Pa、粒径 1050nm)。
【0125】
製造例5(導電性ポリマー)
イオン交換水の量を調整して、反応濃度を5%にした以外は、製造例1に記載の方法で製造することにより、濃青色の高粘度PEDOT/PSSを5950g得た(固形分 4.8%、粘度 290dPa・s、チクソトロピー指数 6.5、降伏値 15.5Pa、粒径 2500nm)。
【0126】
製造例6(導電性ポリマー)
スターラーおよび窒素入り口を装備した10Lの反応容器中に、2437gのイオン交換水、244gの12.8重量%ポリスチレンスルホン酸(PSS)(Mw=56000)水溶液を入れ、窒素を吹き込みながら25℃に保って1時間撹拌した。この時の溶液中の温度は25℃、酸素濃度は0.5mg/L、pHは0.5、撹拌速度は250rpmであった[酸素濃度はインプロ6000シリーズOセンサーを用いるニック・プロセス・ユニット73O(メトラー・トレド株式会社製)を用いて測定した]。次に、12.7g(89ミリモル)の3,4−エチレンジオキシチオフェン(EDOT)、0.225gのFe(SO・3HO、211gの10重量%H水溶液を加え、重合反応を開始させた。25℃において12時間反応させた後、さらに35gの10重量%Hを加えた。12時間の追加反応時間後に、イオン交換樹脂LewatitS100H、LewatitMP62を用いて処理することにより、濃青色の高粘度PEDOT/PSSを1800g得た(固形分 1.1%、粘度 45dPa・s、チクソトロピー指数 2.1、降伏値 2.5Pa、粒径 80nm)。
【0127】
下記の実施例及び比較例では、製造例1〜6で得られた高粘度PEDOT/PSS水分散液の他、以下の材料を用いた。
・(A)導電性ポリマー
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(ヘレウス株式会社製、Clevios PH500、導電率 300S/cm、固形分 1.0%、粘度 0.3dPa・s以下、チクソトロピー指数 1、降伏値 0.5Pa以下、粒径 55nm)
ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)ポリスチレンスルホン酸(アグファ社製、凍結乾燥品、固形分 90%)
ポリアニリンスルホン酸(三菱レイヨン株式会社製、AQUAPASS、固形分 5.0%、粘度 10dPa・s、チクソトロピー指数 1.5、降伏値 1Pa、粒径 500nm)
・(B)導電性向上剤
エチレンシアノヒドリン(東京化成工業株式会社製)
ピラゾール(東京化成工業株式会社製)
エチレングリコール(東京化成工業株式会社製)
・(C)バインダー
ポリエステル(ナガセケムテックス株式会社製、ガブセンES−210、固形分25%)
メチルシリケートオリゴマー(三菱化学株式会社製、MKCシリケートMS57、固形分100%)
ポリオレフィン(東洋紡株式会社製、ハードレンEZ−2001、固形分30%)
・(D)増粘剤
架橋性ポリアクリル酸(BF Goodrich社製、CARBOPOL ETD−2623)
ポリビニルピロリドン(日本触媒社製、ポリビニルピロリドンK−90)
水溶性ポリアクリル酸(日本触媒社製、アクアリック(登録商標)L、H)
・酸化防止剤
タンニン酸(味の素オムニケム社製)
L−アスコルビン酸(和光純薬工業株式会社製)
・界面活性剤
フッ素系界面活性剤(デュポン株式会社製、CAPSTONE FS−3100)
ヤシ油脂肪酸アミドプロピルベタイン(第一工業製薬株式会社製、アモーゲンCB−H)
ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン(信越シリコーン株式会社製、KF−6011)
・溶剤
IPA(イソプロピルアルコール)(和光純薬工業株式会社製)
エチレングリコール(東京化成工業株式会社製)
・中和剤
10%アンモニア水(和光純薬工業株式会社製)
【0128】
実施例1〜24、比較例1〜4
下記表1に示す重量比で各成分を混合し、導電性樹脂組成物を作製した。なお、表1中の(D)増粘剤の配合量は、(A)導電性ポリマーの固形分100重量部に対する(D)増粘剤の配合量を表す。
【0129】
製造例1〜6で得られた高粘度PEDOT/PSS水分散液、実施例1〜24及び比較例1〜4で得られた導電性樹脂組成物について、粘度、チクソトロピー指数、降伏値を以下に示す方法で測定した。また、実施例1〜24及び比較例1〜4で得られた導電性樹脂組成物について、液外観、含水率、引火点、塗膜外観、表面抵抗率(SR)、全光線透過率(Tt)/ヘイズ(Haze)値、密着性、解像度、耐熱性を以下に示す方法で測定した。結果を表2に示す。
【0130】
粘度
恒温槽に入れて25℃に保ち、B型粘度計(B型粘度計BM:東機産業製、回転数6rpm、No.4ローター)にて粘度を測定した。
【0131】
チクソトロピー指数
レオメーター(AR−G2、ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、25℃において、せん断速度1(1/s)における粘度ηと、せん断速度10(1/s)における粘度η10との比(Ti値=η/η10)を算出した。
【0132】
降伏値
レオメーター(AR−G2、ティー・エイ・インスツルメント社製)を使用し、25℃において、せん断速度を0.01(1/s)〜100(1/s)の範囲で変化させて応力を測定し、Cassonの近似式(√応力=√粘性速度×√せん断速度+√降伏値)から算出した。
【0133】
液外観
導電性樹脂組成物をガラス容器に入れて密栓し、1時間経過後に目視観察し、以下の評価基準により、液外観を評価した。
○:沈殿物が観測されない
×:沈殿物が観測される
【0134】
含水率
各成分の配合量から算出した。
【0135】
引火点
JIS K 2265に記載の方法に従い測定した。
【0136】
塗膜外観
目視検査用照明を透明導電体の背面に配置し、透明導電積層体の外観特性を下記2段階で評価した。
○:平滑な塗膜が均一に形成されている。
△:塗膜中に凝集物やハジキが存在し、不均一である。
【0137】
表面抵抗率(SR)
導電性樹脂組成物を基材(種類:青板ガラス(関谷理化株式会社製、100×100×2mm、全光線透過率91.0%))にバーコーターにて塗工し、送風オーブンを用い130℃で5分間加熱することにより、基材の一面に透明導電膜を形成し、透明導電積層体を得た。該導電積層体を用い、抵抗率計(三菱化学(株)製、ロレスターGP MCP−T600)を用いて表面抵抗を測定した。
【0138】
全光線透過率(Tt)/ヘイズ(Haze)値
上記透明導電積層体を用い、JIS K 7150に従い、スガ試験機(株)製ヘイズコンピュータHGM−2Bを用いて測定した。
【0139】
密着性(碁盤目試験)
JIS K 5400に従って、碁盤目剥離試験を実施した。
【0140】
解像度
導電性樹脂組成物を用いて、青板ガラス基板(関谷理化株式会社製、100×100×2mm、全光線透過率91.0%)の上に、スクリーン印刷法にて、0.02〜10mmの範囲で各配線パターンを印刷し、描かれたパターンを顕微鏡観察し、欠陥無く描かれる最も数値の小さな線幅を解像度とした。
【0141】
耐熱性
上記透明導電積層体の透明導電膜について、上述の表面抵抗率の測定方法により、初期の表面抵抗率と、80℃で240時間保存した後の表面抵抗率とを測定し、保存後の表面抵抗率上昇倍率(保存後の表面抵抗率/初期の表面抵抗率)を算出し、下記3段階で評価した。
○:表面抵抗率上昇倍率が1.5未満である
△:表面抵抗率上昇倍率が1.5以上で、2.0未満である
×:表面抵抗率上昇倍率が2.0以上である
【0142】
【表1】
【0143】
【表2】
【0144】
製造例1〜6の結果より、pH、撹拌速度、温度及び濃度の条件をそれぞれ変えることで、所定の粘度、チクソトロピー指数、降伏値を示すPEDOT/PSSを合成できることが明らかとなった。
【0145】
実施例1〜24及び比較例1〜4の結果から、比較例と比較して、実施例の透明導電積層体が、外観・ヘイズ、密着性、解像度の面で優れていることが明らかとなった。
【0146】
本発明の導電性樹脂組成物は、導電性ポリマーが高粘度であるため、増粘剤が少量添加であっても十分な粘度特性が得られ、また、通常より高粘度とした場合でさえも、増粘剤添加による沈殿物、塗工時のハジキがみられず、比較例に比べて低いヘイズ値となった。
本発明の導電性樹脂組成物は、増粘剤の含有量を調整することで、導電性高分子の分散安定性を維持しつつも極めて高い粘度の印刷インキとすることが可能で、これにより、100μm以下のファインパターンを描くことが可能となった。
また、粘度・チクソトロピー指数・降伏値のバランスにより、通常量の増粘剤添加によっても沈殿物が形成しない。
【産業上の利用可能性】
【0147】
本発明の導電性樹脂組成物は、透明導電積層体の製造に好適に用いられる。