【実施例】
【0027】
以下、実施例を挙げて本発明の濃度計の具体的な測定方法を説明するが、本発明はもとより下記実施例によって制限を受けるものではなく、前・後記の趣旨に適合し得る範囲で適当に変更を加えて実施することも勿論可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に包含される。
本実施例で用いる回転型繊維濃度計は、剥離板3として、回転体1と回転軸2を収納するケーシング13の底蓋3aを用いる。
【0028】
図4は、本発明の実施例に係る、回転型繊維濃度計の断面図である。
回転体1と回転軸2を収納するケーシング13は円筒状で、上面と底面を覆う上蓋と底蓋3aを備える。回転軸2がケーシング13の上蓋を貫通し、ケーシング13は回転軸2に対して回転自在に支持されている。
ケーシング13の底部には底蓋3aを備え、底蓋3aには回転体1の浸漬部8がケーシング13から突出するための開口11を設ける。
開口11は回転体1の浸漬部8が通過できるだけの大きさとし、開口11の内周と貫通した回転体1の浸漬部8が近接するため、回転体1以外のものがケーシング13内に入ることを防ぐ。
従って、濃度を測定した後の回転体1の浸漬部8に絡みついたし渣等の夾雑物は、回転体1をケーシング13に収納する際、底蓋3aの開口11に引っかかり回転体1の浸漬部8から剥離される。
【0029】
回転体1の浸漬部8は底蓋3aの開口11から突出するため、回転体1とケーシング13の回転を同期させ、回転体1の浸漬部8が突出可能な位置を保つ。
本実施例では、ケーシング13は回転軸2に対して回転自在なため、回転体1を収納した際に回転体1の下端がケーシング13の開口11からわずかに突出する構成とし、回転体1が開口11から外れることがなく、回転体1とケーシング13の回転を容易に同期させている。
【0030】
回転体1の昇降を行なう場合、支持台5に設けたエアシリンダ12でケーシング13の回転を停止し、回転軸2のみを回転させて回転体1を昇降する。ケーシング13に設けた凹部(図示せず)にエアシリンダ12を嵌入するなどして係止し、回転を停止する。
濃度測定時はエアシリンダ12を解除し、ケーシング13と突出した回転体1を回転させて測定する。
また、ケーシング13の底蓋3aを回転体1と回転軸2のロック機構として用いるため、回転軸2の下端まで降下した回転体1と底蓋3aが当接することで、回転体1が落下せず、回転体1と回転軸2を係止することができる。
【0031】
次に、本実施例で用いる回転型繊維濃度計の測定方法を詳述する。
事前に、回転軸2が正転すると回転体1が下降し、回転軸2が逆転すると回転体1が上昇するようネジの送り機構を設定する。
【0032】
(1)
図4で示すように、回転型繊維濃度計は測定液の上方で、ケーシング13から下方へ突出した回転体1の浸漬部8が測定液に浸かる高さで支持台5を固定する。
(2) 支持台5に載置したエアシリンダ12を伸張し、ケーシング13に係止することでケーシング13を回転不能に固定する。
(3)
図5は、本発明の実施例に係る、濃度測定前の回転型繊維濃度計の断面図である。
図5に示すように、モータ4を正転し、回転軸2の送り機構により回転体1を降下させ、ケーシング13より突出させる。回転体1が回転軸2の下端まで移動し、突出した回転体1の浸漬部8が測定液に挿入される。
(4)
図6は、本発明の実施例に係る、濃度測定時の回転型繊維濃度計の断面図である。
図5に示すように、エアシリンダ12を収縮し、ケーシング13との係止を解除する。そして、モータ4を正転し、測定液中の回転体1及びケーシング13を回転させる。
(5) 回転体1の浸漬部8が受ける抵抗から、回転軸2に掛かるトルクを計測し、繊維の濃度を演算部6で算出する。濃度測定中に測定液中のし渣等が回転体1の浸漬部8に絡みつく。
(6) 所定時間が経過した後、濃度の算出を終了しモータ4を停止する。
(7) エアシリンダ12を伸張し、ケーシング13を回転不能に係止する。
(8)
図7は、本発明の実施例に係る、濃度測定後の回転型繊維濃度計の断面図である。
図7に示すように、モータ4を逆転させ、回転体1をケーシング13に収納する。回転体1が上昇する際、回転体1の浸漬部8に絡みついたし渣等が底蓋3aの開口11で剥離され、再度測定を行なう準備が完了する。
【0033】
このように本発明の回転型繊維濃度計で測定することで、濃度測定後には回転体1の浸漬部8に絡みついたし渣等を剥離することができ、再度濃度を測定する際に正確にトルクを測定し、濃度を算出することができる。
【0034】
以下、本発明の回転型繊維濃度計を用いた汚泥脱水方法について詳述する。
図8は、本発明に係る回転型繊維濃度計を用いた汚泥脱水方法のフロー図である。
本汚泥脱水方法は、下水処理場の消化槽より引き抜いた汚泥を処理するもので、最初沈殿池14から引き抜いた初沈汚泥から繊維を回収する繊維回収装置15、回収した繊維の濃度を測定する回転型繊維濃度計D1、回収した繊維の流量を計測する流量計F1、回収した繊維を一時的に貯留する助材貯留槽16、助材貯留槽16内で繊維の濃度を計測する回転型繊維濃度計D2、助材貯留槽16から供給する繊維の流量を計測する流量計F2、最初沈殿池14から引き抜いた汚泥を消化する消化槽17、消化槽17で生成した消化汚泥の供給流量を計測する流量計F3、消化汚泥と回収した繊維を混合する汚泥貯留槽18、汚泥貯留槽18の汚泥を脱水する脱水機19で構成されている。
【0035】
事前に汚泥貯留槽18へ供給する繊維の量を決定する。消化汚泥の濃度は消化槽17の容量が大きいため変動が少なく、流量計F3で計測した消化汚泥の流量より最適な繊維添加量を算出できる。算出した繊維添加量が脱水助材として必要な所定量とする。
【0036】
まず、繊維回収装置15によって初沈汚泥から脱水助材となる繊維を回収する。繊維回収装置15はドラム型の分離機などを利用し、初沈汚泥から繊維を分離し回収できればよい。
回収した繊維の濃度を回転型繊維濃度計D1で計測し、流量計F1によって繊維の流量を計測する。繊維の濃度と流量より回収した繊維量が算出される。回転型繊維濃度計D1は、繊維回収装置15と一体的に構成する、もしくは繊維の一時的な貯留槽を設けて計測しても良い。
算出した繊維量が所定量以上の場合、所定量の繊維を汚泥貯留槽18に添加すると共に、余剰分の繊維を助材貯留槽16に移送する。
算出した繊維量が所定量未満の場合、回収した繊維と、所定量から不足した量の繊維を助材貯留槽16から補填して汚泥貯留槽18に添加する。
消化槽17で分解した消化汚泥を汚泥貯留槽18に供給して回収した繊維と混合した後、混合汚泥を脱水機19で脱水処理する。
脱水機19の運転終了時には繊維供給ラインを水で置換して終了する。