(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569961
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】低消費電力信号受信回路及び信号受信システムの節電方法
(51)【国際特許分類】
G06F 1/3206 20190101AFI20190826BHJP
H02J 1/00 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
G06F1/3206
H02J1/00 307E
H02J1/00 308C
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2017-231893(P2017-231893)
(22)【出願日】2017年12月1日
(65)【公開番号】特開2018-92631(P2018-92631A)
(43)【公開日】2018年6月14日
【審査請求日】2018年6月11日
(31)【優先権主張番号】105140054
(32)【優先日】2016年12月5日
(33)【優先権主張国】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】514031983
【氏名又は名称】凌通科技股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Generalplus Technology Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】羅立聲
【審査官】
征矢 崇
(56)【参考文献】
【文献】
特開平07−250383(JP,A)
【文献】
特開2001−265449(JP,A)
【文献】
特開2003−125312(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F1/26−1/3296
H02J1/00−1/16
H04Q9/00−9/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源端及び信号出力端を有する信号受信モジュールと、
イネーブル信号を前記信号受信モジュールの電源端に出力させるための出力端を含み、前記イネーブル信号が有効化されると、前記信号受信モジュールが起動される断続起動モジュールと、
入出力ポート及びウェイクアップポートを具備するマイクロプロセッサーであって、前記マイクロプロセッサーの入出力ポートは前記信号受信モジュールの信号出力端に接続され、前記信号受信モジュールの信号出力端から出力された信号に基づいてデコードを行うことと、
第1入力端と、第2入力端と、出力端とを含むウェイクアップ回路であって、前記ウェイクアップ回路の第1入力端は前記信号受信モジュールの信号出力端に接続され、前記ウェイクアップ回路の第2入力端は前記断続起動モジュールの出力端に接続され、前記ウェイクアップ回路の出力端は前記マイクロプロセッサーのウェイクアップポートに接続されることとを備え、
前記マイクロプロセッサーがスリープモードにあって、前記断続起動モジュールから出力されたイネーブル信号が有効化されている場合、前記ウェイクアップ回路は信号受信モジュールから出力された信号が第1入力端により受信されたか否かの判断を下し、
前記ウェイクアップ回路は、前記ウェイクアップ回路の第1入力端により信号が受信された場合、前記マイクロプロセッサーをスリープモードから回復させることを特徴とする低消費電力信号受信回路。
【請求項2】
前記信号受信モジュールは、
信号出力端と、電源端と、接地端とを含む赤外線受信モジュールであって、前記赤外線受信モジュールの接地端はコモン電圧に接続されることを備え、前記ウェイクアップ回路は、ベースと、エミッタと、コレクタとを含む第1トランジスタであって、前記第1トランジスタのベースは前記信号受信モジュールの信号出力端及び前記ウェイクアップ回路の第1入力端に接続され、前記第1トランジスタのエミッタは前記信号受信モジュールの電源端及び前記ウェイクアップ回路の第2入力端に接続され、前記第1トランジスタのコレクタは前記ウェイクアップ回路の出力端に接続されることと、第1端及び第2端を含むインピーダンス素子であって、前記インピーダンス素子の第1端は前記第1トランジスタのコレクタ及び前記ウェイクアップ回路の出力端に接続され、前記インピーダンス素子の第2端は前記コモン電圧に接続されること、とを具備することを特徴とする、請求項1に記載の低消費電力信号受信回路。
【請求項3】
前記インピーダンス素子は、
第1端及び第2端を含む抵抗器であって、前記抵抗器の第1端は前記第1トランジスタのコレクタ及び前記ウェイクアップ回路の出力端に接続され、前記抵抗器の第2端は前記コモン電圧に接続されることと、
第1端及び第2端を含むコンデンサであって、前記コンデンサの第1端は前記第1トランジスタのコレクタ及び前記ウェイクアップ回路の出力端に接続され、前記コンデンサの第2端は前記コモン電圧に接続されることとを備えることを特徴とする、請求項2に記載の低消費電力信号受信回路。
【請求項4】
前記断続起動モジュールによりパルス幅変調信号が出力され、前記パルス幅変調信号が第1状態にある場合、前記信号受信モジュールが起動され、前記パルス幅変調信号が第2状態にある場合、前記信号受信モジュールが終了され、前記パルス幅変調信号の第1状態及び第2状態の時間比が調整されることにより前記信号受信モジュールの消費電力が調整されることを特徴とする、請求項1に記載の低消費電力信号受信回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信機の分野に関し、更に詳しくは、低消費電力信号受信回路及び信号受信システムの節電方法に関する。
【背景技術】
【0002】
赤外線は不可視スペクトルによりデータを伝送する技術であり、その伝送範囲は約10メートルである。現代社会において、リモートコントロール分野で広く使用されており、例えば、テレビやリモコンカー等に使用されている。一般的な赤外線受信モジュール(IR receiver module)はバッテリー装置にはあまり使用されておらず、使用されていても、通常はスリープ状態から回復させるための物理キーを有している。その原因は、赤外線受信モジュールの待機電流(standby current)が通常あまり低くないことにある。
【0003】
図1は一般に使用される赤外線受信モジュールTL1838の仕様書を示す。記号101は信号がない時の電流を示す。
図2は一般に使用される赤外線受信モジュール2060SMBの仕様書を示す。記号201は信号がない時の電流を示す。
図1及び
図2から分かるように、常用される赤外線受信モジュールは、信号がない時には、その動作電流が通常数百uAにも上る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
赤外線受信モジュールで低消費電力を達成させる場合、約200uAの電流を有するシャープ(Sharp)のモジュール等の低消費電力赤外線受信モジュールを選択することもできるが、但しコストが高い。また、設計者は相補型金属酸化膜半導体を選択して赤外線受信回路を自分で構築することもできるが、しかしながら、この方式は生産に不向きである。
【0005】
そこで、本発明者は上記の欠点が改善可能と考え、鋭意検討を重ねた結果、合理的設計で上記の課題を効果的に改善する本発明の提案に到った。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたものである。上記課題解決のため、本発明は、マイクロプロセッサー及び信号受信回路の節電効果を同時に達成させる低消費電力信号受信回路及び信号受信システムの節電方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の低消費電力信号受信回路は、信号受信モジュールと、断続起動モジュールと、マイクロプロセッサーと、ウェイクアップ回路とを備える。信号受信モジュールは電源端及び信号出力端を含む。断続起動モジュールは、イネーブル信号を前記信号受信モジュールの電源端に出力させるための出力端を具備する。イネーブル信号が有効化されると、信号受信モジュールが起動される。マイクロプロセッサーは入出力ポート及びウェイクアップポートで構成され、マイクロプロセッサーの入出力ポートは信号受信モジュールの信号出力端に接続され、信号受信モジュールの信号出力端から出力された信号に基づいてデコードを行う。ウェイクアップ回路は第1入力端と、第2入力端と、出力端とを備え、ウェイクアップ回路の第1入力端は信号受信モジュールの信号出力端に接続され、ウェイクアップ回路の第2入力端は断続起動モジュールの出力端に接続され、ウェイクアップ回路の出力端は前記マイクロプロセッサーのウェイクアップポートに接続される。マイクロプロセッサーがスリープモードにあり、且つ断続起動モジュールから出力されたイネーブル信号が有効化されると、ウェイクアップ回路は信号受信モジュールから出力された信号が第1入力端により受信されたか否かの判断を下す。ウェイクアップ回路の第1入力端により信号が受信された場合、マイクロプロセッサーがスリープモードから回復する。
【0008】
本発明の好ましい実施形態に係る低消費電力信号受信回路によれば、上述の信号受信モジュールは赤外線受信モジュールを備え、赤外線受信モジュールは信号出力端と、電源端と、接地端とを含む。赤外線受信モジュールの接地端はコモン電圧に接続される。また、ウェイクアップ回路は第1トランジスタ及びインピーダンス素子を更に備える。第1トランジスタはベースと、エミッタと、コレクタとを具備し、第1トランジスタのベースは信号受信モジュールの信号出力端及びウェイクアップ回路の第1入力端に接続され、第1トランジスタのエミッタは信号受信モジュールの電源端及びウェイクアップ回路の第2入力端に接続され、第1トランジスタのコレクタはウェイクアップ回路の出力端に接続される。インピーダンス素子は第1端及び第2端からなり、インピーダンス素子の第1端は第1トランジスタのコレクタ及びウェイクアップ回路の出力端に接続され、インピーダンス素子の第2端はコモン電圧に接続される。
【0009】
本発明の好ましい実施形態に係る低消費電力信号受信回路によれば、上述のインピーダンス素子は抵抗器及びコンデンサを備える。抵抗器は第1端及び第2端を含み、抵抗器の第1端は第1トランジスタのコレクタ及び前記ウェイクアップ回路の出力端に接続され、抵抗器の第2端はコモン電圧に接続される。コンデンサは第1端及び第2端からなり、コンデンサの第1端は第1トランジスタのコレクタ及びウェイクアップ回路の出力端に接続され、コンデンサの第2端は前記コモン電圧に接続される。
【0010】
本発明の好ましい実施形態に係る低消費電力信号受信回路によれば、上述の断続起動モジュールによりパルス幅変調信号が出力される。前記パルス幅変調信号が第1状態にある場合、前記信号受信モジュールが起動され、前記パルス幅変調信号が第2状態にある場合、前記信号受信モジュールが終了される。前記パルス幅変調信号の第1状態及び第2状態の時間比が調整されることにより前記信号受信モジュールの消費電力が調整される。
【0011】
また、本発明の好ましい実施形態に係る信号受信システムの節電方法は、信号受信モジュールが提供されるステップと、マイクロプロセッサーがスリープ状態にある場合、前記信号受信モジュールの起動及び終了が断続的に行われるステップと、前記信号受信モジュールが起動されると、前記信号受信モジュールにより信号が受信されたか否かが検知されるステップと、前記信号受信モジュールにより信号が受信された場合、前記マイクロプロセッサーがスリープから回復し、且つ受信された信号に対するデコードが行われるステップとを含む。また、好ましい実施形態において、信号受信モジュールは赤外線受信モジュールである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の特徴は信号受信モジュール以外に断続起動モジュールが更に増設されている点である。マイクロプロセッサーがスリープ状態にある場合、上述の信号受信モジュールが断続的に起動され、且つ回路の設計によりマイクロプロセッサーがスリープ状態から回復するように設計されている。信号起動モジュールが断続的に起動され、信号が受信されると、即マイクロプロセッサーが起動され、且つ信号の受信及びデコードが開始される。これにより、信号受信モジュールが断続的に起動されるため節電になるほか、マイクロプロセッサーが信号を受信していない場合には節電効果が達成される。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】一般に使用される赤外線受信モジュールTL1838の仕様書を示す。
【
図2】一般に使用される赤外線受信モジュール2060SMBの仕様書を示す。
【
図3】本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す回路ブロック図である。
【
図4】本発明の好ましい実施形態によるイネーブル信号PWを示す波形図である。
【
図5】本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す回路図である。
【
図6】本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す動作波形図である。
【
図7】本発明の好ましい実施形態に係るウェイクアップパルス列を示す波形図である。
【
図8】本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す回路ブロック図である。
【
図9】本発明の好ましい実施形態による信号受信システムの節電方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明に係る低消費電力信号受信回路及び信号受信システムの節電方法の実施形態について説明する。尚、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を限定するものではない。また、以下に説明される構成の全てが、本発明の必須要件であるとは限らない。
(実施形態)
【0015】
以下に、
図1〜9を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図3は本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す回路ブロック図である。低消費電力信号受信回路は、信号受信モジュール301と、断続起動モジュール302と、マイクロプロセッサー303と、ウェイクアップ回路304とを備える。信号受信モジュール301は、電源端PWR及び信号出力端Outを含む。断続起動モジュール302は、イネーブル信号PWを信号受信モジュール301の電源端PWRに出力するための出力端POを具備する。マイクロプロセッサー303は入出力ポートIO及びウェイクアップポートWKで構成され、マイクロプロセッサー303の入出力ポートIOは信号受信モジュール301の信号出力端Outに接続され、信号受信モジュール301の信号出力端Outから出力された信号に基づいてデコードを行う。ウェイクアップ回路304は第1入力端IN1と、第2入力端IN2と、出力端WOとを備える。ウェイクアップ回路304の第1入力端IN1は信号受信モジュール301の信号出力端Outに接続され、ウェイクアップ回路304の第2入力端IN2は断続起動モジュール302の出力端POに接続され、ウェイクアップ回路304の出力端WOはマイクロプロセッサー303のウェイクアップポートWKに接続される。
【0016】
先行技術において、信号受信モジュールは一般的には常態で起動される。本実施形態において、信号受信モジュール301は時分割で起動される。例えば、イネーブル信号PWはパルスである。
図4は本発明の好ましい実施形態によるイネーブル信号PWを示す波形図である。イネーブル信号PWが例えば5Vである場合、信号受信モジュール301の電源端PWRが5Vを受信させて起動される。イネーブル信号PWが5Vから0Vに変わると、信号受信モジュール301の電源端PWRは電源が消失するため終了される。
【0017】
本実施形態において、待機電力の節電の目的を更に達成させるために、マイクロプロセッサー303がスリープモードになる。本発明にはウェイクアップ回路304が更に使用されてマイクロプロセッサー303をスリープモードから回復させる。マイクロプロセッサー303がスリープモードにあり、且つ断続起動モジュール302から出力されたイネーブル信号が有効化されると、ウェイクアップ回路304は信号受信モジュール301から出力された信号が第1入力端により受信されたか否かの判断を下す。一般的には、信号受信モジュール301により信号が受信された場合、その信号出力端Outにより信号が出力される。ウェイクアップ回路304の第1入力端IN1により信号が受信されると、ウェイクアップ回路304はマイクロプロセッサー303をスリープ状態から回復させる。この際、断続起動モジュール302が終了され、マイクロプロセッサー303により信号受信モジュール301に対する給電が行われ、信号受信モジュール301が通常動作を維持させる。また、マイクロプロセッサー303による信号受信モジュール301の信号出力端Outの信号に対するデコードが開始される。
【0018】
図5は本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す回路図である。本実施形態において、信号受信モジュール301が赤外線受信モジュール501である場合の実施形態を示す。断続起動モジュール302はパルス幅変調信号発生器502である。また、ウェイクアップ回路304はP型バイポーラトランジスタ503に第1抵抗器R1、第2抵抗器R2及び第1コンデンサC1が組み合わせられて実施される。
【0019】
図6は本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す動作波形図である。PWMはパルス幅変調信号発生器502から出力されたパルスを示す。601は赤外線受信モジュール501が赤外線信号を未受信の場合に赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTから出力される信号を示す。602は赤外線受信モジュール501が赤外線信号を未受信の場合にP型バイポーラトランジス503のコレクタ(ウェイクアップ回路304)から出力される信号を示す。603は赤外線受信モジュール501が赤外線信号を受信した場合に赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTから出力される信号を示す。604は赤外線受信モジュール501が赤外線信号を受信した場合にP型バイポーラトランジス503のコレクタ(ウェイクアップ回路304)から出力される信号を示す。
【0020】
マイクロプロセッサー303がスリープ状態にある場合、パルス幅変調信号発生器502による赤外線受信モジュール501の電源端PWRに対する5VのパルスPWMの出力が開始される。この際、赤外線受信モジュール501はパルスPWMがロジック高電圧を有する場合に起動され、且つ赤外線受信モジュール501はパルスPWMがロジック低電圧を有する場合に終了される。このため、赤外線受信モジュール501はパルスPWMがロジック高電圧を有する場合のみ電力を消費する。例えば、パルスPWMがロジック高電圧を有する場合、赤外線受信モジュール501により信号が受信されず、この際、赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTにより高電圧パルスが出力される(例えば、
図6に示す波形601)。P型バイポーラトランジスタ503のベースが赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTに接続されることにより、P型バイポーラトランジスタ503のエミッタがコレクタに接続されなくなり、マイクロプロセッサー303のウェイクアップポートWKが低電圧状態に維持され、よってマイクロプロセッサー303もスリープ状態に維持される。
【0021】
例えば、パルスPWMがロジック高電圧を有する場合、赤外線受信モジュール501により信号が受信され、この際、赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTが起動され、先ずロジック高電圧が出力された後、ロジック低電圧が出力される(例えば、波形603として示す)。P型バイポーラトランジスタ503のベースが赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTに接続されることにより、P型バイポーラトランジスタ503のエミッタがコレクタに接続され、よってP型バイポーラトランジスタ503のコレクタによりロジック高電圧が出力される(例えば、波形604として示す)。マイクロプロセッサー303のウェイクアップポートWKにより高電圧が受電されることにより、マイクロプロセッサー303がスリープ状態から通常動作に変換される。この際、マイクロプロセッサー303により赤外線受信モジュール501の電源端PWRに対する正常な給電が行われ、且つ赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTから出力された信号に対するデコードが開始される。
【0022】
図6から分かるように、パルス幅変調信号発生器502から出力されたパルスのデューティサイクルが低くなるほど、赤外線受信モジュール501の平均消費電力が低くなる。但し、赤外線受信モジュール501自体の出力及び入力が500us〜1000usの遅延時間を有するため、パルス幅変調信号発生器502から出力されるパルスのデューティサイクルの設計では、上述の遅延時間より長くする必要がある。また、マイクロプロセッサー303のスリープ状態からの回復を成功させるため、発信端から発信される赤外線発射信号には好ましくはウェイクアップパルス列(wakeup pulse train)が加えられる。
図7は本発明の好ましい実施形態に係るウェイクアップパルス列を示す波形図である。ウェイクアップパルス列701の発射時間は設計上、好ましくはパルスPWMの周期より長くする必要があり、理想的には、ウェイクアップパルス列701の時間TwがパルスPWMの周期の1.5〜2倍に設計される。マイクロプロセッサー303のスリープ状態からの回復が成功した後、マイクロプロセッサー303は残りの赤外線信号に対するデコードを行う。
【0023】
出願者はTL1838の実測を行った。パルス幅変調信号のデューティサイクルが24/255に設定されると、パルス幅変調信号のロジック高電圧時間が750usとなり、実測の後、システム全体の消費電流が72uAとなった。パルス幅変調信号のデューティサイクルが持続的に短縮され、パルス幅変調信号のロジック高電圧時間が600usより短くなると、赤外線受信モジュール501が出力させなくなる。出願者は上述の実測過程をビデオ撮影しており、参照のための添付資料を提出する。
【0024】
上述の実施形態は赤外線受信モジュール501を例とするが、本技術分野で通常知識を有する者ならば、受信モジュールを改変して実施することが可能である。
図8は本発明の好ましい実施態様に係る低消費電力信号受信回路を示す回路ブロック図である。本実施形態において、本来の赤外線受信モジュール501がサウンドレシーバーモジュール801に改変され、サウンドレシーバーモジュール801はマイクでもよい。同様に、本発明の方式により、断続起動モジュール302が使用されてサウンドレシーバーモジュール801及び増幅器802に供給される電力が制御され、節電効果が達成される。よって、本発明は赤外線受信モジュール501に限定されない。
【0025】
上述の複数の実施形態は、総括すると信号受信システムの節電方法である。
図9は本発明の好ましい実施形態に係る信号受信システムの節電方法のフローチャートを示す。
図9を参照すると、信号受信システムの節電方法は以下のステップを含む。
ステップS901:開始。
ステップS902:信号受信モジュールが提供される。例えば、本案の赤外線受信モジュールが提供される。
ステップS903:マイクロプロセッサーがスリープ状態にある場合、信号受信モジュールの断続的な起動及び終了が行われる。
ステップS904:信号受信モジュールが起動されると、信号受信モジュールにより信号が受信されたか否かが検知される。
ステップS905:信号受信モジュールにより信号が受信されると、マイクロプロセッサーがスリープ状態から回復し、且つ受信された信号に対するデコードが行われる。
【0026】
結論として、本発明の特徴は、信号受信モジュール以外に断続起動モジュールが更に増設される。マイクロプロセッサーがスリープ状態にある場合、上述の信号受信モジュールが断続的に起動され、且つ回路設計によりマイクロプロセッサーがスリープ状態から回復するように設計される。信号起動モジュールが断続的に起動されると、信号が受信された場合、即マイクロプロセッサーが起動され、且つ信号の受信及びデコードが開始される。これにより、信号受信モジュールが断続的に起動されるため節電になるほか、マイクロプロセッサーにより信号が受信されていなければ節電効果が達成される。
【0027】
上述の実施形態は本発明の技術思想及び特徴を説明するためのものにすぎず、当該技術分野を熟知する者に本発明の内容を理解させると共にこれをもって実施させることを目的とし、本発明の特許請求の範囲を限定するものではない。従って、本発明の精神を逸脱せずに行う各種の同様の効果をもつ改良又は変更は、後述の請求項に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0028】
101:信号がない時の電流
201:信号がない時の電流
301:信号受信モジュール
302:断続起動モジュール
303:マイクロプロセッサー
304:ウェイクアップ回路
PWR:信号受信モジュール301の電源端
Out:信号受信モジュール301の信号出力端
PO:断続起動モジュール302の出力端
PW:イネーブル信号
IO:マイクロプロセッサー303の入出力ポート
WK:マイクロプロセッサー303のウェイクアップポート
IN1:ウェイクアップ回路304の第1入力端
IN2:ウェイクアップ回路304の第2入力端
WO:ウェイクアップ回路304の出力端
501:赤外線受信モジュール
502:パルス幅変調信号発生器
503: P型バイポーラトランジスタ
R1:第1抵抗器
R2:第2抵抗器
C1:第1コンデンサ
PWM:パルス幅変調信号発生器502から出力されたパルス
601:赤外線受信モジュール501が赤外線信号を未受信の場合に赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTから出力される信号
602:赤外線受信モジュール501が赤外線信号を未受信の場合にP型バイポーラトランジス503のコレクタ(ウェイクアップ回路304)から出力される信号
603:赤外線受信モジュール501が赤外線信号を受信した場合に赤外線受信モジュール501の信号出力端IROUTから出力される信号
604:赤外線受信モジュール501が赤外線信号を受信した場合にP型バイポーラトランジス503のコレクタ(ウェイクアップ回路304)から出力される信号
IROUT:赤外線受信モジュール501の信号出力端
701:ウェイクアップパルス列
Tw:ウェイクアップパルス列701の時間
801:サウンドレシーバーモジュール
802:増幅器
S901:本発明の好ましい実施態様に係る信号受信システムの節電方法のプロセスのステップ
S902:本発明の好ましい実施態様に係る信号受信システムの節電方法のプロセスのステップ
S903:本発明の好ましい実施態様に係る信号受信システムの節電方法のプロセスのステップ
S904:本発明の好ましい実施態様に係る信号受信システムの節電方法のプロセスのステップ
S905:本発明の好ましい実施態様に係る信号受信システムの節電方法のプロセスのステップ