(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
市街地のような交通量の多い道路の側部にある水路は、安全上や路幅拡大等の観点から水路の上部開放部を蓋体(コンクリート製蓋やグレーチング)で被覆している場合が多いが、交通量が少ない道路(例えば田舎の道路)の側部にある水路には、被覆蓋のないものも多々ある。尚、道路側部に設けている水路は、主としてコンクリート製で非常に硬質のものである。
【0003】
被覆蓋がない上部開放型の水路の一般例として、図13及び図14に示すものがある。この図13及び図14に示す水路3は、道路2の側部に設置されたもので、溝幅方向に間隔をもった左右2つの側壁31A,31Bを有し、さらに道路2に近い側の側壁31Aの上面31Aaが道路2の上面2aと同一高さで連続するように設置されている。
【0004】
このように、水路3Iおける道路2に近い側の側壁31Aの上面31Aaと道路2の上面2aとが同一高さで連続していると、水路3近くの道路2上を通行(歩行又は自転車走行等)している人Mが不注意で水路3内に転落する危険
性が高くなる。特に夜間の照明が乏しい場所では、水路部分が見えづらくなるので、一層水路3内への転落の危険性が増す(全国で年間多数の転落者が発生しているのが実情である)。
【0005】
図
13及び図
14に示すように、人Mが道路2上から側部の水路3内に転落したときには、水路3の側壁(特に道路2から遠い側の側壁
31B)の上面部34に身体(例えば頭部Maや胴部Mb)が強く衝突することが多々ある。そして、水路3の構造物は、コンクリート製で非常に硬質であるため、水路内転落時に身体(例えば頭部Maや胴部Mb)が側壁
31B(又は31A)の上面部34に強く衝突すると(特に側壁内面32側の上端角部33に衝突し易い)、骨折等の大怪我をしたり、打ち所が悪いと死亡することもある。
【0006】
ところで、本件出願人は、水路内への転落防止用として、細線材又は細棒材を格子状に組付けてなる面状メッシュ体を主体とした転落防止用ガード体を特許出願している(特許文献1の特開2016−204873号公報参照)。この既出願の転落防止用ガード体は、面状メッシュ体で水路の上部開放部を開閉自在に被覆するようにした簡易な被覆蓋であるが、このような簡易な被覆蓋でも十分に転落防止機能を達成できるものである。
【0007】
ところが、水路3内は定期的に掃除をする必要があるので、水路の上方開放部には被覆蓋が無い方が清掃作業をし易いことは当然であり、特に交通量が少ない道路(例えば田舎の道路)の側部にある水路には、予算面やその他の諸事情(清掃の容易性、水利権者の許諾が得られない等の事情)があって、水路の上方開放部は開放されたままのものがほとんどである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そして、被覆蓋のない水路では、上記のように人が水路内に転落したときに身体が直接硬質の側壁上面(コンクリートが剥き出しのままである)に衝突する危険性が高くなり、その衝突時には重大事故(骨折等の大怪我やときには死亡事故)が発生し易くなるという問題があった。
【0010】
そこで、本願発明は、道路側部にある上部開放型の水路についての上記問題点(水路内転落時に重大事故が発生し易くなること)に鑑み、道路側部を通行する人が不注意で水路内に転落して身体(例えば頭部や胴部)が水路の側壁上部に衝突したときでも、その衝撃の程度(怪我の程度)を緩和できるようにした道路側部の水路構造を提供することを目的としてなされたものである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明は、上記課題を解決するための手段として次の構成を有している。尚、本願発明は、道路側部に設けられた上部開放型の水路内に人が転落して水路の側壁上部に身体が強く衝突しても、その衝突時の衝撃を緩和できるようにした道路側部の水路構造を対象としている。
【0012】
本願発明で対象とする水路は、添付の各実施例図面(
図1〜
図12)に例示するように、道路2の側部に設けられた上部開放型のものであって、水路3の側壁
31A,31Bが非常に硬い材質(コンクリート製)で構成されたものである。そして、この種の上部開放型の水路3では、道路2を通行(歩行又は自転車走行等)する人Mが不注意で水路3内に転落する危険があり、その水路内転落時には身体(例えば頭部Maや胴部Mb)が水路側壁31A(又は31B)の上部に強く衝突し易いという背景がある。尚、以下の説明では、本願発明の「道路側部の水路構造」を単に「水路構造」と表現することがある。
【0013】
「本願請求項1の発明」
本願請求項1の発明の水路構造において、上記水路3には、溝幅方向に間隔をもって左右つの側壁31A,31Bを有している。又、上記水路3は、道路2に近い側の側壁31Aの上面31Aaが道路2の上面2aと同一高さで連続するように設置されている。
【0014】
ところで、上記のように道路2に近い側の側壁31Aの上面31Aaが道路2の上面2aと同一高さで連続していると、道路2を通行する人Mが不注意で水路3内に転落する危険性が高くなる。そして、人Mが水路3内に転落すると、特に道路2から遠い側の側壁31Bの上面部34に身体(例えば頭部Maや胴部Mb)が強く衝突し易くなる。
【0015】
そこで、本願請求項1の発明の水路構造は、道路2の側部に設けられた上部開放型の水路3において、
道路2から遠い側の水路3の側壁
31Bにおける少なくとも側壁内面32側の上端角部33を含む側壁上面部34に衝撃吸収機能を有した緩衝材1を取付けていることを特徴としている。尚、緩衝材1の衝撃吸収機能とは、身体が強く衝突したときにその衝突力で凹むことで衝撃を吸収する性質のことである。
【0016】
この請求項1の発明の水路構造では、
道路2から遠い側の側壁31Bの上面部34に緩衝材1を取付けているが、この緩衝材1は左右両側の各側壁31A,31B(例えば図4〜図5のもの)にそれぞれ取付けてももよい。
【0017】
本願で使用する緩衝材1としては、例えば半硬質ウレタンフォームや半硬質ゴムのような適度の弾性(自己弾性やバネ性)を有したものや、柔軟な被包材の内部にクッション材(例えば発泡材)を充填したもの等が採用可能である。
【0018】
そして、本願請求項1の発明の水路構造では、上記緩衝材1を、
道路2から遠い側の側壁31Bにおける少なくとも側壁内面32側の上端角部33を含む側壁上面部34を被覆するように取付けている。尚、この請求項1の発明の水路構造では、緩衝材1として、図
10(第
7実施例)に例示するように側壁内面32側の上端角部33を含む側壁上面部34のみを被覆し得る平板材18だけを使用したものでもよいし、例えば
図1〜
図3(第1実施例)に例示するように側壁上面部34と側壁内面32側の上端角部33付近の上部側面部35の両方を被覆し得る形態のものでもよい。
【0019】
緩衝材1を側壁31Bの上部に固定する手段としては、ボルトのような止め具4(
図1〜図
10の各実施例参照)による固定方法のほかに、接着剤5(図
11の第
8実施例)を使用することもできる。
【0020】
上部開放型の水路3では、道路2上を通行する人Mが不注意で水路3内に転落することがある
。特に本願で使用する水路3のように、道路2に近い側の側壁31Aの上面31Aaが道路2の上面2aと同一高さで連続していると、道路2を通行する人Mが不注意で水路3内に転落する危険性が高くなるが、人が水路3内に転落したときには、特に水路3の
道路2から遠い側の側壁31Bの上部が身体衝突の危険が非常に高い部位となる。そして、水路3の側壁
31Bは非常に硬質(コンクリート製)であるので、側壁上面部34が剥き出しのままであると、該側壁上面部34に直接身体(例えば頭部や胴部)が衝突したときに、骨折等の大怪我をしたり打ち所が悪いと死亡することがある。
【0021】
そこで、本願請求項1の発明の水路構造では、水路3
における道路2から遠い側の側壁31Bの上面部34
(身体が衝突し易い部分)に緩衝材1を取付けているので、人が水路3内に転落して身体が側壁
31Bの上部に衝突しても、身体が硬質の側壁上面部34に接触することなしに緩衝材1に衝突するので、該緩衝材1の衝撃吸収機能により身体に対する衝撃の程度(怪我の程度)を軽減できる。
【0022】
「本願請求項2の発明」
人Mが水路3内に転落したときには、上記側壁上面部34とともに側壁内面32側の上端角部33付近の上部側面部35も身体が衝突し易い危険部位となる。
【0023】
そして、本願請求項2の発明の水路構造では、上記請求項1において、上記緩衝材1は、上記側壁上面部34を被覆する上面被覆部1aと上記側壁内面32における上記上端角部33付近の上部側面部35を被覆する側面被覆部1bとを有する形状のものが採用されていることを特徴としている。
【0024】
本願請求項2の発明においては、緩衝材1における上記上面被覆部1aと上記側面被覆部1bとは、一体に連続するもの(
図1〜図
8の第1実施例〜第
5実施例)でもよいし、上面被覆部1aと側面被覆部1bとを分割したもの(図
9の第
6実施例)でもよい。
【0025】
この請求項2の発明の水路構造では、緩衝材1が上記上面被覆部1aと上記側面被覆部1bを有しているので、上記緩衝材1により水路側壁31における上記上端角部33を含む側壁上面部34と側壁内面32における上端角部33付近の上部側面部35とを被覆することができる。
【0026】
「本願請求項3の発明」
本願請求項3の発明の水路構造は、上記請求項2において、上記緩衝材1は、図
9(第
6実施例)に例示するように、上記上面被覆部1aを構成する上面側平板材16と上記側面被覆部1bを構成する側面側平板材17とに2分割したものであることを特徴としている。
【0027】
ところで、上記請求項2の発明において、例えば
図1〜
図3(第1実施例)のように、単一の緩衝材1に上面被覆部1aと側面被覆部1bと
を一体に設けたものでは、該緩衝材1をL形に一体加工する必要があるので、その成形が面倒であるが、この請求項3の発明のように、緩衝材1として2つに分割した各平板材(側面側平板材16、側面側平板材17)を使用したものでは、該各平板材16,17を横向き姿勢と縦向き姿勢のL形に接合させることで、側壁3における側壁上面部34と上部側面部35とを被覆できる。
【0028】
そして、この請求項3の発明では、緩衝材1として2つに分割された各平面材(上面側平板材16と側面側平板材17)を使用しているが、この2つの平面材(上面側平板材16と側面側平板材17)は、例えば広面積の半硬質ウレタンフォーム(市販のもの)をそれぞれ所定幅ずつ切断するだけで形成できる。
【0029】
「本願請求項4の発明」
人Mが道路2上から水路3内に転落したときには、道路2から遠い側の側壁上面部34に身体が衝突することが多いが、道路2に近い側の側壁上面部34に身体が衝突することもある。
【0030】
そこで、本願請求項4の発明の水路構造では、図
4及び図
5(第
2実施例)に例示するように、上記請求項1から3のいずれか1項において
、上記緩衝材1は、左右2つの側壁
31A,31Bの各側壁上面部34,34にそれぞれ取付けていることを特徴としている。
【0031】
この請求項4の発明のように、左右両側の側壁上面部34,34にそれぞれ緩衝材1,1を取付けていると、人が水路内に転落したときにどちら側の側壁上部に身体が衝突しても、各側の緩衝材1,1でそれぞれ衝撃の程度を軽減できる。
【発明の効果】
【0032】
「本願請求項1の発明の効果」
本願請求項1の発明の水路構造では、
人Mが水路3内に転落したときに身体が衝突する危険性が高い道路2から遠い側の側壁上面部34に衝撃吸収機能を有した緩衝材1を取付けているので、道路2上を通行する人Mが不注意で水路3内に転落して身体が側壁
31Bの上部に衝突しても、該身体が硬質の側壁上面部34に接触することなしに緩衝材1に衝突することになるが、このとき緩衝材1は身体に押圧されて凹むことで衝撃吸収機能を発揮する。
【0033】
このように、本願請求項1の発明の水路構造では、人Mが不注意で上部開放型の水路3内に転落して身体が側壁3の上部に衝突しても、上記緩衝材1の衝撃吸収機能により身体に対する衝撃の程度(怪我の程度)を軽減できるという効果がある。
【0034】
「本願請求項2の発明の効果」
本願請求項2の発明の水路構造では、上記緩衝材1として、側壁上面部34を被覆する上面被覆部1aと側壁内面32側の上端角部33付近の上部側面部35を被覆する側面被覆部1bとを有する形状のものが採用されている。
【0035】
従って、この請求項2の発明では、上記請求項1の効果に加えて、緩衝材1により水路側壁31における上記上端角部33を含む側壁上面部34と上端角部33付近の側壁側面部35とを被覆することができるので、水路内転落時の衝突危険部位(硬質の剥き出し部分)を広くカバーできるという効果がある。
【0036】
「本願請求項3の発明の効果」
本願請求項3の発明の水路構造は、図
9(第
6実施例)に例示するように、緩衝材1として、上面被覆部1aと側面被覆部1bとに2分割された2つの平面材(上面側分割平板材16と側面側分割平板材17)を使用している。このように、緩衝材1を構成する2つの部材(16と17)にそれぞれ平面材を使用したものでは、上面側平板材16と側面側平板材17を、例えば広面積の半硬質ウレタンフォーム(市販のもの)を所定幅ずつ切断するだけで形成できる(それぞれ簡単に製作できる)。
【0037】
従って、この請求項3の発明では、上記請求項2の効果に加えて、緩衝材1を構成する上面被覆部1aと側面被覆部1bとがそれぞれ平板材製であるので、上面被覆部1aと側面被覆部1bとが一体のもの(L形成形材)に比して緩衝材1を簡単に製作できるという効果がある。
【0038】
「本願請求項4の発明の効果」
本願請求項4の発明の水路構造では、水路3における左右2つの側壁
31A,31Bの上面部34,34にそれぞれ緩衝材1,1を取付けている。
【0039】
従って、この請求項4の発明では、上記請求項1〜3の効果に加えて、人が水路3内に転落したときに、身体が左右どちらの側壁31A,31Bの上部に衝突しても、それぞれ緩衝材1,1で衝撃の程度(怪我の程度)を軽減できるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0041】
道路の側部に設けられた上部開放型の水路(側溝とも称される)では、水路内に人が転落する事故が発生し易く、人が水路内に転落したときには身体(例えば頭部や胴部)が水路側壁(コンクリート製で非常に硬質)の上部に強く衝突して、骨折等の大怪我を負ったり、打ち所が悪いと死亡することがあるという背景がある。
【0042】
そこで、本願は、人が不注意で水路内に転落して身体が水路の側壁上部に衝突しても、怪我の程度を軽減できるようにした道路側部の水路構造を提供するものである。尚、以下の各実施例の説明においても、本願の「道路側部の水路構造」を単に「水路構造」ということがある。
【0043】
以下、添付の
図1〜図
12を参照して本願のいくつかの実施例を説明すると、
図1〜
図3には本願の第1実施例を示し、
図4〜図5には同第2実施例を示し、
図6には同第3実施例を示し、
図7には同第4実施例を示し、
図8には同第5実施例を示し、
図9には同第6実施例を示し、
図10には同第7実施例を示し、
図11には同第8実施例を示し、
図12には同第9実施例を示している。
【0044】
本願の各実施例の水路構造に共通する基本構成は、水路3の側壁上面部34に衝撃吸収機能を有した緩衝材1を取付けていることである。
【0045】
本願の各実施例で採用する水路3は、コンクリート製で、左右2つの側壁
31A,31Bを有したU型のものである。この水路3の大きさは、特に限定するものでないが、例えば水路幅が50cm〜150cm程度、深さが50cm〜100cm程度で、人Mが水路3内に転落したときに身体が水路の側壁上部に衝突するおそれがあるような構造のものである。
【0046】
又、本願各実施例の水路構造で適用される水路3は、道路2に近い側の側壁31Aの上面31Aaが道路2の上面2aと同高さで連続するように構成されたものである。
【0047】
以下、本願の各実施例の水路構造について個別に説明する。
【0048】
「
図1〜
図3に示す第1実施例」
この第1実施例の水路構造は、
図1〜
図2に示すように、道路2の側部に設けられた水路3において、該水路3の
道路2から遠い側の側壁31Aにおける少なくとも側壁内面32側の上端角部33を含む側壁上面部34に衝撃吸収機能を有した緩衝材1を取付けたものである。尚、この第1実施例の水路構造は、本願の請求項1及び2に対応するものである。
【0049】
この第1実施例では、緩衝材1を取付ける側壁
31Bは、道路2から遠い側の片側だけであるが、この道路2から遠い側の側壁
31Bは、人Mが道路2側から水路3内に転落したときに身体(例えば頭部Maや胴部Mb)が衝突し易い部位となるものである。
【0050】
第1実施例(
図1〜
図3)の水路構造では、緩衝材1として、例えば半硬質ウレタンフォームや半硬質ゴムのような適度の弾性を有した材料製であって側壁上面部34を被覆する上面被覆部1aと側壁内面32側の上端角部33付近の上部側面部35を被覆する側面被覆部1bとを一体成形したL形成形材11を使用している。
【0051】
この緩衝材1の1体当たりの長さは1〜2m程度が適当である。又、緩衝材1の上面被覆部1aは、その幅が8〜10cm程度で厚さが2〜4cm程度が適当である。さらに緩衝材1の側面被覆部1bは、高さが6〜8cm程度で厚さが2〜4cm程度が適当である。尚、緩衝材1におけるこれらの寸法は、特に限定するものではなく、適宜に設計変更できるものである。
【0052】
そして、この緩衝材1は、
図1及び
図2に示すように、側壁
31Bの側壁上面部34と上記上部側面部35にそれぞれ上面被覆部1aと側面被覆部1bをあてがった状態で、該上面被覆部1aと側面被覆部1bを側壁上面部34と上部側面部34にそれぞれ複数個の止め具(ボルト)4,4・・で固定している。尚、緩衝材1の上面被覆部1aと側面被覆部1bには、予め止め具4を挿入させるための複数個の挿入穴10,10・・を形成しておくとよい。
【0053】
この第1実施例では、緩衝材1として上面被覆部1aと側面被覆部1bを有したL形成形材11を使用しているので、該L形成形材11の製作が若干面倒となるものの、上面被覆部1aと側面被覆部1bとを一体に取り扱えるので、側壁
31B上部への取付けは簡単となる。
【0054】
ところで、
図1〜
図2に示す第1実施例の水路構造でも、水路3の上部が開放したままであるので、道路2側から水路3内に人Mが不用意に転落することが多々ある。そして、人Mが水路3内に転落すると、身体が側壁(特に道路2から遠い側の側壁
31B)の上部に衝突する危険が高いが、身体Mが緩衝材1付きの側壁
31B上部に衝突したときには、緩衝材1は身体に押圧されて凹むことで衝撃吸収機能を発揮する。
【0055】
このように、第1実施例の水路構造では、人Mが不注意で上部開放型の水路3内に転落して身体が側壁3の上部に衝突しても、上記緩衝材1の衝撃吸収機能により身体に対する衝撃の程度(怪我の程度)を軽減できるという機能がある。
【0056】
「図
4〜図
5に示す第
2実施例」
ところで、人Mが道路2上から水路3内に転落したときには、道路2から遠い側の側壁上面部34に身体が衝突することが多いが、道路2に近い側の側壁上面部34に身体が衝突することもある。
【0057】
そこで、図
4〜図
5に示す第
2実施例の水路構造では、水路3における左右2つの側壁
31A,31Bの上部にそれぞれ第1実施例(
図1〜
図3)の緩衝材1と同じL形成形材11からなる緩衝材1,1を取付けている。尚、この第
2実施例の水路構造は、特許請求の範囲中の請求項4にのみ対応するものである。
【0058】
この第
2実施例(図
4〜図
5)で採用している水路3部分及び各緩衝材1,1部分については、上記第1実施例(
図1〜
図3)のものと同じである。又、この第
2実施例(図
4〜図
5)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、相互に同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
2実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0059】
この第
2実施例(図
4〜図
5)のように、左右両側の側壁上面部34,34にそれぞれ緩衝材1,1を取付けていると、人が水路3内に転落したときに左右どちらの側壁
31A,31Bの上部に身体が衝突しても、それぞれ緩衝材1,1で衝撃の程度を軽減できる。
【0060】
又、この第
2実施例(図
4〜図
5)のように、道路2側の側壁上部にも緩衝材1を取付けたものでは、該道路2側の各緩衝材1,1において各緩衝材1,1の繋ぎ目の所々に若干間隔(例えば1〜2cm程度)の隙間を設けておくことができる。このように緩衝材1,1間の繋ぎ目に隙間を設けておくと、道路2上に降った雨水を該隙間から水路3内に自動で排出できる。つまり、道路2側の側壁上面部34に緩衝材1を取付けると、道路2の側部に緩衝材1の厚さの段上げ部ができて、該段上げ部で道路2上に降った雨水を堰止める(水溜りができる)ことがあるが、緩衝材1,1間の繋ぎ目に若干間隔の隙間設けておくことで、道路2上に降った雨水を該隙間を通して水路3内に自動排水できる。
【0061】
「図
6に示す第
3実施例」
図
6に示す第
3実施例の水路構造は、使用する緩衝材1の変形例を示すものである。即ち、上記第1実施例(
図1〜
図3)では、緩衝材1として予めL型に成形したL形成形材11を使用しているが、この第
3実施例では、緩衝材1として自然状態で
図6(A)に示すような厚型平面材12を使用する。
【0062】
図
6(A)の緩衝材1として使用される厚型平面材12は、例えば半硬質ウレタンフォーム製で適度の弾性と可撓性を有し、自然状態で厚型平板形状のものである。尚、この厚型平面材12の大きさは、限定するものではないが、自然状態で厚さが2〜4cm、幅が15〜20cm、長さが1〜2m程度のものが適当である。
【0063】
そして、図
6(A)の厚型平面材12を図
6(B)に示すように側壁
31Bの上部に取付けるには、図
6(A)の厚型平面材12の幅を略L形に撓ませて、一方の上面被覆部1aで側壁上面部34を被覆し、他方の側面被覆部1bで上部側面部35を被覆した状態で、該上面被覆部1aと側面被覆部1bをそれぞれ止め具4,4で側壁上面部34と上部側面部35に固定する。
【0064】
この第
3実施例の図
6(B)には、水路の側壁
31Bの一部のみを記載しているが、この第
3実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
3実施例(図
6)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、相互に同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
3実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0065】
この第
3実施例(図
6)では、緩衝材1として、自然状態で平板形状の厚型平面材12を使用しているが、該厚型平面材12は、例えば広面積の半硬質ウレタンフォームを所定幅ずつ切断するだけで形成できるので、該厚型平面材12を簡単に製作できる。又、この厚型平面材12を側壁
31Bの上部に取付ける際に、該厚型平面材12の幅を略L形に撓ませることで、簡単に使用形態(L形)に加工できる。
【0066】
「図
7に示す第
4実施例」
図
7に示す第
4実施例の水路構造は、使用する緩衝材1の変形例を示すもので、この第
4実施例では、緩衝材1として自然状態で図
7(A)に示すような薄型平面材13を使用している。
【0067】
図
7(A)の緩衝材1として使用される薄型平面材13は、バネ性を有した材質製(例えば硬めの半硬質ゴム板や硬めの半硬質プラスチック板製)で、自然状態で薄型平板形状のものである。尚、この薄型平面材13の大きさは、限定するものではないが、自然状態で厚さが3〜5mm、幅が15〜20cm、長さが1〜2m程度が適当である。
【0068】
そして、図
7(A)の薄型平面材13を図
7(B)に示すように側壁
31Bの上部に取付けるには、図
7(A)の薄型平面材13を略半円形状に撓ませて、一方の上面被覆部1aで側壁上面部34を被覆し、他方の側面被覆部1bで上部側面部35を被覆した状態で、該上面被覆部1aと側面被覆部1bの各端部付近をそれぞれ止め具4,4で側壁上面部34と上部側面部35に固定する。
【0069】
図
7(B)に示す緩衝材取付状態では、薄板材からなる緩衝材1の半円形状部1cに弾力(バネ性)を有しており、該半円形状部1cに外圧(身体が衝突)が加われば、該半円形状部1cが内方に撓む(衝撃吸収機能を発揮する)ようになっている。
【0070】
この第
4実施例の図
7(B)も、図
6(B)と同様に、水路の側壁
31Bの一部のみを記載しているが、この第
4実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
4実施例(図
7)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、相互に同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
4実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0071】
この第
4実施例(図
7)では、緩衝材1として、バネ性を有し、自然状態で平板形状の薄型平面材13を使用しているが、該薄型平面材13は、例えば広面積の薄板を所定幅ずつ切断するだけで形成できるので、該薄型平面材13を簡単に製作できる。又、この薄型平面材13を側壁31Bの上部に取付ける際に、該薄型平面材13を略半円形状に撓ませた状態で固定することによって、緩衝材1の半円形状部1c(図
7(B)参照)に衝撃吸収機能を持たせることができる。
【0072】
「図
8に示す第
5実施例」
図
8に示す第
5実施例の水路構造は、図
7(B)の変形例を示すものである。この図
8の第
5実施例では、緩衝材1として、可撓性のある薄型被覆材14を略半円形状に撓ませて、その略半円形状の内部に発泡材15を充填したものを使用している。
【0073】
この第
5実施例(図
8)の緩衝材1では、薄型被覆材14として可撓性があるものであれば適宜の材料(例えばビニール板やゴム板等)を使用できる。そして、この第
5実施例(図
8)の緩衝材1は、薄型被覆材14を側壁
31B上部の側壁上面部34と上部側面部35に跨がって内部に余裕(空間部)ができる状態で取付ける一方、該薄型被覆材14の内部空所を発泡材15で充填することによって完成させる。
【0074】
この第
5実施例の図
8も、図
6(B)と同様に、水路の側壁
31Bの一部のみを記載しているが、この第
5実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
5実施例(図
8)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、相互に同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
5実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0075】
図
8の第
5実施例の水路構造でも、緩衝材1の薄型被覆材14に外圧が加われば(身体が衝突すれば)、内部の発泡材15がクッション材となって凹むので、緩衝材1に衝撃吸収機能を付与できる。
【0076】
「図
9に示す第
6実施例」
図
9に示す第
6実施例の水路構造は、
図2の変形例を示すものである。この第
6実施例では、図
9(A),(B)に示すように、緩衝材1として、上面被覆部1aを構成する上面側平板材16と側面被覆部1bを構成する側面側平板材17とに2分割したものを使用している。尚、この図
9(第
6実施例)の水路構造は、特許請求の範囲中の請求項3にのみ対応するものである。
【0077】
ところで、上記
図1〜
図3(第1実施例)に示すように、単一の緩衝材1に上面被覆部1aと側面被覆部1bとを一体に設けたもの(L形成形材11)では、該緩衝材1をL形に加工する必要があるが、この図
9の第
6実施例のように、緩衝材1として2つの平板材(上面側平板材16,側面側平板材17)に分割したものでは、それぞれの平板材(上面側平板材16,側面側平板材17)を例えば広面積の半硬質ウレタンフォームを所定幅ずつ切断するだけで形成できる。
【0078】
尚、緩衝材1を構成する2つの平面材(上面側平板材16と側面側平板材17)は、図
9(B)に示すように、上面側平板材16を側壁上面部34にあてがい、側面側平板材17を上部側面部35にあてがって、それぞれ側壁上部に止め具(ボルト)4,4で固定している。
【0079】
この第
6実施例の図
9(B)も、図
6(B)と同様に、水路の側壁31の一部のみを記載しているが、この第
6実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
6実施例(図
9)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、相互に同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
6実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0080】
図
9の第
6実施例では、緩衝材1を構成する上面被覆部1aと側面被覆部1bとがそれぞれ平板材製であるので、上面被覆部1aと側面被覆部1bとが一体のものに比して緩衝材1を簡単に製作できる。
【0081】
「図
10に示す第
7実施例」
図
10に示す第
7実施例の水路構造は、図
9(第
6実施例)の変形例を示すものである。この第
7実施例では、図
10(A),(B)に示すように、緩衝材1として、上面被覆部1aからなる上面側平板材18のみで構成している。尚、この図
10(第
7実施例)の水路構造は、特許請求の範囲中の請求項1にのみ対応するものである。
【0082】
この第
7実施例の図
10(B)も、図
6(B)と同様に、水路の側壁31の一部のみを記載しているが、この第
7実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
7実施例(
図10)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、それと同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
7実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0083】
第
7実施例(図
10)の水路構造では、緩衝材1として、側壁内面32側の上端角部33を含む側壁上面部34を被覆する単一の上面側平板材18(上面被覆部1a)のみで構成しているので、側壁31の上部側面部35は被覆していないものの、緩衝材1の製作が簡単である(例えば広面積の半硬質ウレタンフォームを所定幅ずつ切断するだけで形成できる)。
【0084】
「図
11に示す第
8実施例」
図
11に示す第
8実施例の水路構造は、緩衝材1を側壁上部に取付けるための変形例を示したものである。即ち、
図1〜図
10に示す各実施例(第1〜第
7実施例)では、緩衝材1を側壁上部に取付けるのに、いずれも止め具(ボルト)4を使用していたが、図
11に示す第
8実施例では、該緩衝材1を側壁上部(側壁上面部34及び上部側面部35)に接着剤5で固着している。
【0085】
この第
8実施例(
図11)のように、緩衝材1を側壁上部に接着剤5で固定したものでは、上記の第1〜第8実施例のように、緩衝材1に止め具挿通用の挿入穴10の加工が不要であるとともに、止め具(ボルト)4による固定方法に比して緩衝材1の取付けが簡単になる。
【0086】
この第
8実施例の図
11も、図
6(B)と同様に、水路の側壁31の一部のみを記載しているが、この第
8実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
8実施例(図
11)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、相互に同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
8実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0087】
尚、図
11(第
8実施例)に示す接着剤5による緩衝材1の固着方法は、上記第1〜第
7実施例(
図1〜図
10)の各緩衝材1に対しても適用することができる。即ち、第1〜第
7実施例の各緩衝材1は、それぞれ止め具(ボルト)4で固定しているが、止め具4に代えて接着剤で接着(固定)させてもよい。
【0088】
「図
12に示す第
9実施例」
図
12に示す第
9実施例の水路構造は、図
12(A)に示す緩衝材1を使用するが、この図
12(A)の緩衝材1は、帯状のシート19の上面にビニールホースのような弾性筒体20を適数本(図示例では5本)並列状態で接着したものを使用できる。
【0089】
そして、この第
9実施例の水路構造では、図
12(A)に示す弾性筒体付きシートからなる緩衝材1を、図
12(B)に示すように、シート裏面を側壁上面部34と上部側面部35に跨がって接着剤5で貼付することで側壁上部に取付けている。
【0090】
この第
9実施例の図
12(B)も、図
6(B)と同様に、水路の側壁31の一部のみを記載しているが、この第
9実施例で適用される水路は、第1実施例(
図1〜
図3)の水路3と同じものである。又、この第
9実施例(図
12)において、上記第1実施例(
図1〜
図3)と同じ符号を付したものは、それと同じもの(又は同じ機能をするもの)であって、第
9実施例で説明を省略した部分は第1実施例の説明を援用する。
【0091】
この第
9実施例の水路構造に使用している緩衝材1では、主材がビニールホースのような弾性筒体20であるので、安価に製作できる。
【0092】
又、本願発明の水路構造は、上記第1〜第
9の各実施例のものを適宜に組み合わせて構成することができるものである。