特許第6569993号(P6569993)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6569993
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】着脱可能なインプラント結合補綴物
(51)【国際特許分類】
   A61C 8/00 20060101AFI20190826BHJP
   A61C 13/265 20060101ALI20190826BHJP
   A61C 13/277 20060101ALI20190826BHJP
   F16B 2/16 20060101ALN20190826BHJP
【FI】
   A61C8/00 Z
   A61C13/265
   A61C13/277
   !F16B2/16 A
【請求項の数】3
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2018-545228(P2018-545228)
(86)(22)【出願日】2017年2月23日
(65)【公表番号】特表2019-506257(P2019-506257A)
(43)【公表日】2019年3月7日
(86)【国際出願番号】KR2017001990
(87)【国際公開番号】WO2017146478
(87)【国際公開日】20170831
【審査請求日】2018年9月12日
(31)【優先権主張番号】10-2016-0022364
(32)【優先日】2016年2月25日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】518299677
【氏名又は名称】チェ,ヒジン
(73)【特許権者】
【識別番号】518300087
【氏名又は名称】キム,ユンジャ
(73)【特許権者】
【識別番号】518300098
【氏名又は名称】ジェジュ デンティスト クレジット ユニオン
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】チェ,ヒジン
(72)【発明者】
【氏名】キム,ユンジャ
【審査官】 今関 雅子
(56)【参考文献】
【文献】 韓国登録特許第10−1386560(KR,B1)
【文献】 特開平5−168651(JP,A)
【文献】 特表2001−519687(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0153062(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 8/00−13/38
F16B 2/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インプラント(10)に結合される補綴物であって、
インプラント(10)の上部と結合されるアバットメント(100)と、
前記アバットメント(100)の上部と結合され、上部にクラウン(20)が付着されるクラウン結合構造物(200)とを含んでなり、
前記アバットメント(100)は、
インプラント(10)と結合するインプラント結合部(101)と、
クラウン結合構造物(200)と結合する結合構造体(150)とを含んでなり、
前記結合構造体(150)には、
アバットメント(100)の上部外周面が内側に折り曲げられたボール装着部(151)が形成され、
前記クラウン結合構造物(200)には、
垂直方向に貫設され、一側にネジ部が形成された結合分離道具(1)が導入される結合分離道具導入部(211)と、
クラウン(20)が付着されるクラウン付着部(210)と、
アバットメント(100)と結合するアバットメント結合部(250)とが形成され、
前記アバットメント結合部(250)は、
前記結合構造体(150)が導入されるアバットメント結合部胴体(260)と、
多数のアバットメント固定ボール(270)と、
一側が切開された固定リング(280)とを含んでなり、
前記アバットメント結合部胴体(260)には、
前記結合分離道具導入部(211)と連通する結合分離ネジ部(290)が形成され、
外周面には内方に行くほど半径がますます小さくなるように形成された多数のアバットメント固定ボールホール(261)が形成され、
前記結合分離ネジ部(290)は、
前記結合分離道具(1)の一側に形成されたネジ部と対応するように形成され、
前記アバットメント固定ボールホール(261)は、
前記アバットメント固定ボール(270)をそれぞれ対応して収容し、
前記固定リング(280)は、
前記アバットメント固定ボール(270)が収容された多数のアバットメント固定ボールホール(261)の外部に結合され、
アバットメント(100)と結合するとき、アバットメント固定ボール(270)がボール装着部(151)に固定されるように形成されることを特徴とする、着脱可能なインプラント結合補綴物。
【請求項2】
前記結合構造体(150)は、
ボール装着部(151)の上部に多角形に形成された多角形頭(152)をさらに含んでなり、
前記アバットメント結合部胴体(260)には、
前記多角形頭(152)に対応する多数の溝が形成された多角形頭収容部(262)が形成され、クラウン結合構造物(200)との結合後にクラウン結合構造物(200)が回転することを防止するように形成されることを特徴とする、請求項1に記載の着脱可能なインプラント結合補綴物。
【請求項3】
前記アバットメント結合部(250)は、
前記固定リング(280)の切開部に位置する固定リング回転防止ボール(275)をさらに含んでなり、
前記アバットメント結合部胴体(260)には前記固定リング回転防止ボール(275)と対応する回転防止ボール収容穴(265)が形成され、
前記クラウン結合構造物(200)との結合後に固定リング(280)が回転することを防止するように形成されることを特徴とする、請求項1又は2記載の着脱可能なインプラント結合補綴物に関するものである。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は着脱可能なインプラント結合補綴物に関し、より詳しくは移植されたインプラントに結合する結合補綴物であって、着脱可能に設計してインプラント及び結合補綴物を補正及び再施術時に易しく分離及び結合することができる着脱可能なインプラント結合補綴物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯牙用インプラントは欠損した歯牙の修復のための補綴物支持用途に顎骨内又は上に植え込まれる固定体である。
【0003】
インプラントは普通歯茎と歯茎骨に植え込まれる人工歯牙又は第3の歯牙とも言う。
【0004】
歯牙の欠損がある部位又は歯牙を抜いた部位の顎骨に骨移植、仮骨延長術などの付加的な施術によって、十分に包むように体積を増やした顎骨に生体適合的インプラント本体を植え込んで自然歯の機能を回復させる歯科治療技術である。
【0005】
正常機能が維持されている顎骨と植え込まれたインプラント本体の表面との形態的、生理的、直接的結合である骨結合がなされた後、インプラントの周りの顎骨の骨改造の過程を経ることになる。
【0006】
このようなインプラントは一般的にネジ状の骨内インプラントが主に使われ、インプラント上部構造物(アバットメント)をネジで締結する方式である。
【0007】
このように、ネジ締結方式で締結される従来の方式はネジの緩み現象が発生し、ネジが折れる場合が発生する。
【0008】
また、歯牙をインプラントに固定するために歯牙に穴を開けなければならないため、審美的な効果と耐久性が低下し、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙(クラウン又は金属)を破壊しなければならない。
【0009】
このように、ネジ締結方式で締結する従来の方式は、追加費用の発生、追加の治療及び施術に浪費される時間によって患者に不便を与え、クラウンと結合構造体の結合時、接着剤を口腔内で接着しなければならない不便と、残存の接着剤によって炎症及び歯周炎がたびたび発生することが現実情である。
【0010】
このような点を改善するために、本発明はネジ締結方式を用いず、易しく結合することができる特有の特徴的構造によって、緩み及び破折が発生しなく、歯牙に穴を開ける必要がなくて審美的な効果と耐久性が低下することも防止することができる。
【0011】
また、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙を破壊せずに易しく分離されることができるようにすることにより、患者の不便を解消する着脱可能なインプラント結合補綴物を開発することになった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記問題点を解決するための本発明の目的は、既存に使ったネジ締結方式によって発生したネジの緩み現象及びネジが折れる場合と、歯牙をインプラントに固定するために歯牙に穴を開けなければならないため、審美的な効果と耐久性が低下する欠点を解決し、インプラントの植込み後に問題が発生のとき、歯牙(クラウン又は金属)を破壊しなければならない欠点を解決するために、ネジ締結方式を用いず、易しく結合することができる特有の特徴的構造によって緩み及び破折が発生しない結合補綴物を提供し、またインプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙を破壊せずに易しく分離することができる着脱可能なインプラント結合補綴物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記のような目的を達成するための本発明の解決手段を提示しようとする。
【0014】
すなわち、インプラント10に結合される補綴物であって、インプラント10の上部と結合されるアバットメント100と、前記アバットメント100の上部と結合され、上部にクラウン20が付着されるクラウン結合構造物200とを含んでなり、
【0015】
前記アバットメント100は、インプラント10と結合するインプラント結合部101と、クラウン結合構造物200と結合する結合構造体150とを含んでなり、
【0016】
前記結合構造体150には、アバットメント100の上部外周面が内側に折り曲げられたボール装着部151が形成され、
【0017】
前記クラウン結合構造物200には、垂直方向に貫設され、一側にネジ部が形成された結合分離道具1が導入される結合分離道具導入部211と、クラウン20が付着されるクラウン付着部210と、アバットメント100と結合するアバットメント結合部250とが形成され、
【0018】
前記アバットメント結合部250は、前記結合構造体150が導入されるアバットメント結合部胴体260と、多数のアバットメント固定ボール270と、
【0019】
一側が切開された固定リング280とを含んでなり、
【0020】
前記アバットメント結合部胴体260には、前記結合分離道具導入部211と連通する結合分離ネジ部290が形成され、外周面には内方に行くほど半径がますます小さくなるように形成された多数のアバットメント固定ボールホール261が形成され、
【0021】
前記結合分離ネジ部290は、前記結合分離道具1の一側に形成されたネジ部と対応するように形成され、
【0022】
前記アバットメント固定ボールホール261は、前記アバットメント固定ボール270をそれぞれ対応して収容し、
【0023】
前記固定リング280は、前記アバットメント固定ボール270が収容された多数のアバットメント固定ボールホール261の外部に結合され、アバットメント100と結合するとき、アバットメント固定ボール270がボール装着部151に固定されるように形成されることを特徴とすることによって本発明の課題を解決する。
【発明の効果】
【0024】
本発明は次のような効果を発揮する。
【0025】
すなわち、ネジ締結方式を用いず、易しく結合することができる特有の特徴的構造によって、緩み及び破折が発生しなく、歯牙に穴を開ける必要がなくて審美的な効果と耐久性が低下することも防止することができる。
【0026】
また、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙を破壊せずに易しく分離することができるようにすることにより、炎症又は歯周炎の治療時に患者の不便を改善させる効果と費用を節減する効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成を示す部分断面図である。
図2】本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成を分解して示す分解図である。
図3】本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物のクラウン結合構造物200の全体的な構成を示す斜視図である。
図4】本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物のクラウン結合構造物200の全体的な構成を分解して示す分解図である。
図5】アバットメント結合部胴体260にアバットメント固定ボール270が結合された構成を示す斜視図である。
図6】アバットメント結合部胴体260にアバットメント固定ボール270と固定リング280が結合された構成を示す斜視図である。
図7】クラウン結合構造物200をC方向に切断した切断面を示す断面図である。
図8】本発明の実施例によるアバットメント100の全体的な構成を示す斜視図である。
図9】アバットメント100とクラウン結合構造物200の結合過程を示した図である。
図10】アバットメント100とクラウン結合構造物200の結合過程を示した図である。
図11】アバットメント100とクラウン結合構造物200の分離過程を示した図である。
図12】アバットメント100とクラウン結合構造物200の分離過程を示した図である。
図13】アバットメント100とクラウン結合構造物200の分離過程を示した図である。
図14】本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成を示す斜視図である。
図15】クラウン20が付着されたクラウン結合構造物200の施術場面を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
発明の実施のための最善の形態は次のようである。
【0029】
インプラント10に結合される補綴物は、インプラント10の上部と結合されるアバットメント100と、前記アバットメント100の上部と結合され、上部にクラウン20が付着されるクラウン結合構造物200とを含んでなり、
【0030】
前記アバットメント100は、インプラント10と結合するインプラント結合部101と、クラウン結合構造物200と結合する結合構造体150とを含んでなり、
【0031】
前記結合構造体150には、アバットメント100の上部外周面が内側に折り曲げられたボール装着部151が形成され、
【0032】
前記クラウン結合構造物200には、垂直方向に貫設され、一側にネジ部が形成された結合分離道具1が導入される結合分離道具導入部211と、クラウン20が付着されるクラウン付着部210と、アバットメント100と結合するアバットメント結合部250とが形成され、
【0033】
前記アバットメント結合部250は、前記結合構造体150が導入されるアバットメント結合部胴体260と、多数のアバットメント固定ボール270と、一側が切開された固定リング280とを含んでなり、
【0034】
前記アバットメント結合部胴体260には、前記結合分離道具導入部211と連通する結合分離ネジ部290が形成され、外周面には内方に行くほど半径がますます小さくなるように形成された多数のアバットメント固定ボールホール261が形成され、
【0035】
前記結合分離ネジ部290は、前記結合分離道具1の一側に形成されたネジ部と対応するように形成され、
【0036】
前記アバットメント固定ボールホール261は、前記アバットメント固定ボール270をそれぞれ対応して収容し、
【0037】
前記固定リング280は、前記アバットメント固定ボール270が収容された多数のアバットメント固定ボールホール261の外部に結合され、アバットメント100と結合するとき、アバットメント固定ボール270がボール装着部151に固定されるように形成されることを特徴とする着脱可能なインプラント結合補綴物である。
【0038】
以下、本発明に添付された図面に基づいて発明の実施のための具体的な内容において本発明の好適な一実施例を詳細に説明する。
【0039】
まず、図面で、同じ構成要素又は部品はできるだけ同じ参照符号で示していることに留意しなければならない。
【0040】
本発明の説明において、関連の公知機能又は構成についての具体的な説明は本発明の要旨をあいまいにしないように省略する。
【0041】
本明細書で使う程度を示す用語“約”、“実質的に”などは言及した意味に固有の製造及び物質許容誤差が提示されるとき、その数値に近い意味として使われ、本発明の理解を助けるために正確であるとか絶対的な数値が言及された開示内容を非良心的な侵害者が不当に用いることを防止するために使われる。
【0042】
まず、本発明をまとめると次のようである。
【0043】
すなわち、インプラント10に結合される補綴物は、インプラント10に結合される補綴物は、インプラント10の上部と結合されるアバットメント100と、前記アバットメント100の上部と結合され、上部にクラウン20が付着されるクラウン結合構造物200とを含んでなり、前記アバットメント100は、インプラント10と結合するインプラント結合部101と、クラウン結合構造物200と結合する結合構造体150とを含んでなり、前記結合構造体150には、アバットメント100の上部外周面が内側に折り曲げられたボール装着部151が形成され、前記クラウン結合構造物200には、垂直方向に貫設され、一側にネジ部が形成された結合分離道具1が導入される結合分離道具導入部211と、クラウン20が付着されるクラウン付着部210と、アバットメント100と結合するアバットメント結合部250とが形成され、前記アバットメント結合部250は、前記結合構造体150が導入されるアバットメント結合部胴体260と、多数のアバットメント固定ボール270と、一側が切開された固定リング280とを含んでなり、前記アバットメント結合部胴体260には、前記結合分離道具導入部211と連通する結合分離ネジ部290が形成され、外周面には内方に行くほど半径がますます小さくなるように形成された多数のアバットメント固定ボールホール261が形成され、前記結合分離ネジ部290は、前記結合分離道具1の一側に形成されたネジ部と対応するように形成され、前記アバットメント固定ボールホール261は、前記アバットメント固定ボール270をそれぞれ対応して収容し、前記固定リング280は、前記アバットメント固定ボール270が収容された多数のアバットメント固定ボールホール261の外部に結合され、アバットメント100と結合するとき、アバットメント固定ボール270がボール装着部151に固定されるように形成され、前記結合構造体150はボール装着部151の上部に多角形に形成された多角形頭152をさらに含んでなり、前記アバットメント結合部胴体260には前記多角形頭152に対応する多数の溝が形成された多角形頭収容部262が形成され、クラウン結合構造物200との結合後にクラウン結合構造物200が回転することを防止するように形成され、前記アバットメント結合部250は前記固定リング280の切開部に位置する固定リング回転防止ボール275をさらに含んでなり、前記アバットメント結合部胴体260には前記固定リング回転防止ボール275と対応する回転防止ボール収容穴265が形成され、前記クラウン結合構造物200との結合後に固定リング280が回転することを防止するように形成されることを特徴とする着脱可能なインプラント結合補綴物に関するものである。
【0044】
本発明は一般的に従来に使ったネジ締結方式によって発生したネジの緩み現象及びネジが折れる現象と、インプラントに固定するために歯牙に穴を開けなければならないため耐久性が低下する欠点と、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙(クラウン又は金属)を破壊しなければならない欠点を改善し、ネジ締結方式を用いず、易しく結合することができる特有の特徴的構造によって緩み及び破折が発生しなく、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙を破壊せずに易しく分離することができる着脱可能なインプラント結合補綴物である。
【0045】
図1は本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成を示す部分断面図である。
【0046】
図1に示すように、本発明は着脱可能なインプラント結合補綴物であって、インプラント施術のために移植されたインプラント10に結合するアバットメント100と、クラウン20が付着され、前記アバットメント100に結合されるクラウン結合構造物200とを含んでなる。
【0047】
前記アバットメント100はインプラント10に結合されるインプラント結合部101が形成されており、前記インプラント結合部101はインプラント10と対応するネジ部が形成されている。
【0048】
前記クラウン結合構造物200はアバットメント100と結合されるもので、上端部に結合分離道具導入部211が貫設され、クラウン20が付着されるクラウン付着部210が形成される。
【0049】
前記クラウン20は一般的な方法である接着剤などを用いてクラウン付着部210の外部に付着する方式を用いることが好ましいが、クラウン20を付着する方法を接着剤で付着する方法に限定されない。
【0050】
前記アバットメント100とクラウン結合構造物200の結合部位を詳細に説明すると次のようである。
【0051】
図1に結合部位を詳細に説明するために結合部位を部分断面図で示した。
【0052】
アバットメント100とクラウン結合構造物200の結合は、アバットメント固定ボール270が結合構造体150に形成されたボール装着部151に対応して装着されることにより、アバットメント100とクラウン結合構造物200が結合される。
【0053】
前記ボール装着部151は、図9から把握することができるように、アバットメント固定ボール270が装着されることができるように凹設される。
【0054】
また、前記アバットメント100とクラウン結合構造物200の結合がなかなか分離されないように固定リング280が形成され、前記固定リング280はアバットメント固定ボール270がボール装着部151の表面に密着するためにアバットメント結合部胴体260の外部面を取り囲むように形成される。
【0055】
図2は本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成を分解して示す分解図である。
【0056】
図2に示すように、着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成は次のようである。
【0057】
着脱可能なインプラント結合補綴物はクラウン結合構造物200とアバットメント100の結合によって構成される。
【0058】
前記クラウン結合構造物200は、クラウン20が付着されるクラウン付着部210と、前記アバットメント100と結合する役割をするアバットメント結合部250とを含んでなる。
【0059】
前記クラウン付着部210は外周面にクラウン20が付着され、上端部の内部には結合分離道具導入部211が貫設される。
【0060】
図2を参照すると、6個のアバットメント固定ボール270と1個の固定リング回転防止ボール275が備えられている。前記アバットメント固定ボール270はアバットメント固定ボールホール261にそれぞれ一つずつ収容され、固定リング回転防止ボール275は回転防止ボール収容穴265に装着される。また、前記アバットメント固定ボール270は7個又は8個が形成されることができ、固定リング回転防止ボール275も2個又は3個が形成されることができるので、前述した個数に限定されない。
【0061】
具体的に説明すると、前記アバットメント結合部250は、アバットメント100の上部に形成された結合構造体150が導入されるアバットメント結合部胴体260と、多数のアバットメント固定ボール270と、一側が切開された固定リング280とが形成され、アバットメント結合部胴体260にアバットメント固定ボール270と固定リング280が結合する。
【0062】
また、前記固定リング280の切開部に固定リング回転防止ボール275が形成されることが好ましい。その理由は、固定リング280が前記結合後に回転することを防止するためである。
【0063】
前記アバットメント結合部胴体260は内方に半径が減少する多数のアバットメント固定ボールホール261が形成されて前記アバットメント固定ボール270のそれぞれを収容する。
【0064】
前記固定リング280は前記アバットメント固定ボール270が収容された多数のアバットメント固定ボールホール261の外部と結合され、前記アバットメント100との結合時、アバットメント固定ボール270をボール装着部151に固定させる。
【0065】
前記固定リング280は一側が切開された形態に形成されて所定の弾性を有する。
【0066】
このような固定リング280は、アバットメント100との結合時、アバットメント固定ボール270の外部に形成された固定リング280がちょっと広がってアバットメント固定ボール270に空間を与えることによって結合構造体150が導入されるようにする。
【0067】
前記結合構造体150の導入後、アバットメント固定ボール270は結合構造体150に形成されたボール装着部151に対応して装着され、易しく分離されしないように固定リング280がアバットメント固定ボール270をボール装着部151に密着させる。
【0068】
アバットメント100は結合構造体150とインプラント結合部101からなる。
【0069】
前記結合構造体150は、アバットメント固定ボール270が装着されるように外周面が折り曲げられたボール装着部151が形成されており、
【0070】
前記ボール装着部151の上部に多角形の多角形頭152がさらに形成され、図示されてはいないが、前記アバットメント結合部胴体260の内部に形成された多数の溝が備えられた前記多角形頭収容部262に結合することにより、クラウン結合構造物200がアバットメント100と結合した後に回転することを防止する。
【0071】
このように結合されたクラウン結合構造物200とアバットメント100は、アバットメント結合部胴体260の内部に形成された結合分離ネジ部290とクラウン付着部210の上部に形成された結合分離道具導入部211を通して結合分離道具1を導入することによって易しく分離することができる。
【0072】
すなわち、結合分離ネジ部290と連通するように形成された結合分離道具導入部211に、一側に前記結合分離ネジ部290と対応するネジ部が形成された結合分離道具1を導入して回転させることによってアバットメント100を押し出してアバットメント100とクラウン結合構造物200を易しく分離することができるものである。
【0073】
前記多角形頭152は、アバットメント100と結合したクラウン結合構造物200が回転することを防止するために、多角形に形成されることが好ましいが、
【0074】
2個以上の歯牙を施術する場合、2個の歯牙が連結されて施術されるから、回転することを防止しなくても良いので、円形及び他の図形に自由に変形して形成することができる。
【0075】
図3は本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物のクラウン結合構造物200の全体的な構成を示す斜視図である。
【0076】
図3に示すように、クラウン結合構造物200を下側から見た形態を示すもので、アバットメント結合部胴体260の内部に多数の溝が形成された多角形頭収容部262によって、クラウン結合構造物200がアバットメント100と結合した後に回転することを防止するように形成されたものである。
【0077】
図4は本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物のクラウン結合構造物200の全体的な構成を分解して示す分解図である。
【0078】
図4はクラウン結合構造物200の分解された全体的な構成を示した図である。
【0079】
図示のように、固定リング回転防止ボール275は固定リング280の切開部分に位置するように形成される。
【0080】
前記固定リング回転防止ボール275はアバットメント結合部胴体260に形成された回転防止ボール収容穴265に装着されて固定され、アバットメント結合部胴体260と固定リング280が締結するとき、固定リング280の切開部に固定リング回転防止ボール275が位置することによって固定リング280が回転することを防止する役割をする。
【0081】
図5は本発明の実施例によるクラウン結合構造物200を示すもので、アバットメント結合部胴体260にアバットメント固定ボール270が結合された構成を示す斜視図である。
【0082】
図5に示すように、アバットメント固定ボール270がアバットメント固定ボールホール261に収容され、固定リング回転防止ボール275は回転防止ボール収容穴256に位置する。
【0083】
図6は本発明の実施例によるアバットメント結合部胴体260にアバットメント固定ボール270と固定リング280が結合された構成を示す斜視図である。
【0084】
図5及び図6に示すように、固定リング280はアバットメント固定ボールホール261とアバットメント固定ボール270が収容された回転防止ボール収容穴265が位置するアバットメント結合部胴体260の外部面に結合され、固定リング280の切開部の間に固定リング回転防止ボール275が結合される。
【0085】
図7は本発明の実施例によるクラウン結合構造物200をC方向に切断した切断面を示す断面図である。
【0086】
図7に示すように、クラウン結合構造物200をC方向に切断して示した内部切断面であって、アバットメント固定ボールホール261、アバットメント固定ボール270、固定リング回転防止ボール275及び固定リング280の結合関係を示した図である。
【0087】
図8は本発明の実施例によるアバットメント100の全体的な構成を示す斜視図である。
【0088】
図8に示すように、アバットメント100は、インプラント10と結合するインプラント結合部101と、クラウン結合構造物200と結合する結合構造体150とが形成され、前記結合構造体150は、アバットメント100の上部に、外周面が折り曲げられたボール装着部151とボール装着部151の上部の多角形頭152が形成されたものを示した図である。
【0089】
図9及び図10はアバットメント100とクラウン結合構造物200の結合過程を示した図である。
【0090】
アバットメント100とクラウン結合構造物200の結合過程は次のようである。
【0091】
前記アバットメント100の上部、すなわち結合構造体150がクラウン結合構造物200に形成されたアバットメント結合部胴体260の下部にR3の方向に導入される。
【0092】
このとき、結合構造体150がアバットメント固定ボール270をR1及びR2の方向に押し出しながら結合される。
【0093】
前記R1及びR2の方向に押し出されたアバットメント固定ボール270は固定リング280の弾力によって再びR4及びR5の方向に移動し、この過程で結合されたアバットメント100に形成されたボール装着部151に収容されて固定される。
【0094】
この構造によって易い結合が可能になる。
【0095】
図11図13はアバットメント100とクラウン結合構造物200の分離過程を示した図である。
【0096】
アバットメント100とクラウン結合構造物200の分離過程は次のようである。
【0097】
前記結合されたアバットメント100とクラウン結合構造物200は一側にネジ部が形成された結合分離道具1を用いて分離することが好ましい。
【0098】
前記結合分離道具1のネジ部は前記アバットメント結合部胴体260に形成された結合分離ネジ部290と対応するように形成され、他側には把持して回しやすい取っ手が形成されることが好ましい。
【0099】
その理由は、結合分離道具1を回転させてアバットメント100とクラウン結合構造物200を手軽く分離するためである。
【0100】
前記結合分離道具1を結合分離道具導入部211に、すなわちR6の方向(図11参照)に導入し、前記結合分離ネジ部290に結合分離道具1のネジ部を対応させてR7の方向(図12参照)に回転させる。
【0101】
このとき、結合分離道具1は結合分離ネジ部290と締結されるとともに、アバットメント100の上部、すなわち多角形頭152を押し出すことになる。
【0102】
したがって、アバットメント100はR8の方向(図13参照)に押し出されることにより、クラウン結合構造物200とアバットメント100の結合が手軽く分離される。
【0103】
図14は本発明の実施例による着脱可能なインプラント結合補綴物の全体的な構成を示す斜視図である。
【0104】
図14は着脱可能なインプラント結合補綴物の結合された形態を示した斜視図である。
【0105】
図15はクラウン20が付着されたクラウン結合構造物200を施術する場面を示した図である。
【0106】
図15に示すように、歯茎Aに移植されたインプラント10にアバットメント100を結合し、アバットメント100の上部に、クラウンが付着されたクラウン結合構造物200を結合するものである。
【0107】
この方式は、クラウンを回転させてネジ結合方式で施術する従来の技術とは違い、易しく押して締結することができる方式であり、施術が比較的簡単であり、結合構造体150を上部に行くほど細くなる構造にも形成することができるので、施術の際にB領域内で自由に締結することができる利点がある。
【0108】
このように、本発明は、既存に使ったネジ締結方式によって発生したネジの緩み現象及びネジの折れと、歯牙をインプラントに固定するために歯牙に穴を開けなければならないため耐久性が低下する欠点と、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙(
クラウン又は金属)を破壊しなければならない欠点を全て改善することができる特有の特徴的構造によって手軽い方法で締結及び分離することができるから、インプラントの植込み後に問題が発生するときに歯牙を破壊せずに易しく分離することができ、再施術及び補正が可能であり、ネジ締結方式を用いないので、緩み及び破折が発生しなく、歯牙に穴を開けなくても良いので、強い耐久性を提供することができる着脱可能なインプラント結合補綴物である。
【0109】
以上で説明した本発明は前述した実施例及び添付図面に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範疇内でさまざまな置換、変形及び変更が可能であるのは本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に明らかであろう。
【産業上の利用可能性】
【0110】
本発明は着脱が可能に設計してインプラント及び結合補綴物の補正及び再施術時に易しく分離及び結合することができる着脱可能なインプラント結合補綴物に関するもので、インプラントの植込み後に問題が発生するとき、歯牙を破壊せずに易しく分離することができるようにすることにより、炎症又は歯周炎の治療時に患者の不便を改善させる効果と費用節減の効果を発揮し、インプラントの治療時に適用可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15