(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
モータを有する振動発生装置と、前記振動発生装置からの振動が伝達される振動軸と、前記振動軸に固定されている振動羽根と、前記モータの仕事率を算出する負荷検出装置と、前記モータを制御する制御装置と、具備する振動撹拌装置であって、
前記制御装置は、前記振動羽根の空気中での共振周波数と撹拌する流体の物性とに基づいて定められる目標共振周波数の振動を前記振動発生装置で発生させて前記流体中の前記振動羽根に伝達し、前記負荷検出装置が算出する前記モータの仕事率が所定の値に到達すると前記流体が前記振動羽根によって特定の状態に撹拌されたと判断する振動撹拌装置。
前記制御装置は、前記目標共振周波数の振動を前記振動発生装置で発生させて前記流体中の前記振動羽根に伝達した状態で単位撹拌時間毎に測定した前記モータの仕事率と前記流体の粘度とから構成されるデータベースを有し、
撹拌前の前記流体を撹拌する際、単位撹拌時間毎の前記モータの仕事率を測定し、前記データベースと比較することで前記流体の粘度を推定する請求項1に記載の振動撹拌装置。
前記制御装置は、単位撹拌時間毎の前記モータの仕事率と前記データベースにおける対応する撹拌時間の仕事率とが一致していない場合、正常に撹拌されていないと判断する請求項2に記載の振動撹拌装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
初めに、
図1を用いて、本発明に係る振動撹拌装置の第一実施形態である振動撹拌装置1について説明する。
【0015】
図1に示すように、振動撹拌装置1は、容器Cに貯溜される流体L(液体、気体、またはこれらの混合物等)を所定の撹拌状態まで撹拌する装置である。振動撹拌装置1は、流体Lが貯留されている容器Cの上部架台Caに設けられている。振動撹拌装置1は、振動発生装置2、吸振台4、振動軸8、振動羽根9、負荷検出装置11、インバータ10、制御装置12を備えている。
【0016】
振動発生装置2は、任意の周波数の振動を発生させる装置である。振動発生装置2は、吸振台4に設けられている。振動発生装置2は、振動を発生させる電動モータ3を有している。電動モータ3には、インバータ10で任意の周波数に変換された交流電流が入力される。振動発生装置2は、電動モータ3に任意の周波数の交流電流が入力されることで交流電流の周波数に基づく周波数の振動を発生させる。
【0017】
吸振台4は、振動発生装置2を支持するとともに、振動発生装置2が発生させる振動の容器Cへの伝達を抑制する設置台である。吸振台4は、設置板5、複数の案内軸6および複数の圧縮バネ7を具備する。設置板5には、複数の案内軸6が板面に対して垂直になるように設けられている。案内軸6は、設置板5に対して軸方向に移動自在に支持されている。また、案内軸6には、設置板5に軸方向の力を加える圧縮バネ7が設けられている。案内軸6の一側端部は、容器Cの上部架台Caに固定されている。これにより、吸振台4は、案内軸6の軸方向に移動自在に設けられている設置板5が圧縮バネ7によって支持される。設置板5には、振動発生装置2が設置されている。吸振台4は、振動を発生させている振動発生装置2自体の振動を圧縮バネ7の伸縮によって吸収する。
【0018】
振動軸8は、振動を振動羽根9に伝達する部材である。振動軸8は、ステンレス等の耐食性が高い金属から形成されている。振動軸8は、振動発生装置2に接続され、振動発生装置2が発生させる任意の周波数の振動が伝達するように構成されている。振動軸8は、振動発生装置2から容器Cの内部に向かって延びるように配置されている。つまり、振動軸8は、容器C内に貯留されている流体Lに浸かるように配置されている。
【0019】
振動羽根9は、流体Lを撹拌する部材である、振動羽根9は、ステンレス等の耐食性が高い金属から形成されている。振動羽根9は、略長方形状の板材から形成されている。振動羽根9は、振動軸8に固定されている。振動羽根9は、振動軸8の軸方向に対して板面が略垂直になるように配置されている。振動軸8には、撹拌する流体Lの量や撹拌時間に応じて複数の振動羽根9が所定の間隔で設けられている。振動羽根9は、振動軸8を介して振動発生装置2が発生させた任意の周波数の振動が伝達される。振動羽根9は、伝達される振動によって、固有の振動モードで振動する。なお、本実施形態において、振動羽根9の形状は略長方形状であるがこれに限定するものではなく、円形や多角形でもよい。また、振動羽根9は、固有の振動モードで振動するように振動軸8に固定されていればよい。
【0020】
図2に示すように、インバータ10は、交流電流の周波数を変更する装置である。インバータ10には、交流電源が接続されている。また、インバータ10は、振動発生装置2の電動モータ3に接続されている。インバータ10は、交流電流の周波数を任意の周波数に変更して電動モータ3に供給する。インバータ10は、制御装置12と一体に構成されていてもよい。
【0021】
負荷検出装置11は、振動発生装置2の電動モータ3の負荷を検出する装置である。負荷検出装置11は、電動モータ3とインバータ10とを接続する電力線に接続されている。負荷検出装置11は、電動モータ3にかかる電圧と電動モータ3に流れる電流と電動モータ3に供給される交流電流の力率を検出する。さらに、負荷検出装置11は、検出した電圧、電流、力率から電動モータ3の仕事率Pをリアルタイムで算出することができる。負荷検出装置11は、算出した電動モータ3の仕事率Pを制御装置12に送信するように構成されている。
【0022】
制御装置12は、振動発生装置2を制御する装置である。制御装置12は、実体的には、CPU、ROM、RAM、HDD等がバスで接続される構成であってもよく、あるいはワンチップのLSI等からなる構成であってもよい。制御装置12は、振動発生装置2の電動モータ3等の動作を制御するために種々のプログラムや各流体における電動モータ3の仕事率Pと粘度Vの関係についてのデータが格納されている。
【0023】
制御装置12は、インバータ10に接続され、インバータ10に制御信号を伝達することができる。
【0024】
制御装置12は、負荷検出装置11に接続され、負荷検出装置11から電動モータ3の仕事率Pを取得することができる。
【0025】
制御装置12は、入力装置13に接続され、入力装置13から、撹拌する流体Lの物性、振動羽根9が流体L中で共振する周波数(以下、単に「共振周波数R」と記す)と流体Lの粘度Vとの関係、電動モータ3の仕事率Pと共振周波数Rとの関係および流体Lの目標粘度Vtを取得することができる。
【0026】
このように構成される振動撹拌装置1は、振動羽根9の空気中での共振周波数Rである基準共振周波数Rbと流体Lの物性等に基づいて定められた共振周波数Rで振動羽根9が振動するように、制御装置12からの制御信号によってインバータ10を作動させる。振動発生装置2の電動モータ3は、インバータ10から入力される任意の周波数の交流電流によって振動を発生させて、振動軸8を振動させる(
図1黒塗矢印参照)。振動撹拌装置1は、振動発生装置2から容器Cに伝わる振動を吸振台4によって吸収しつつ、振動軸8を介して振動羽根9に振動を伝達する(
図1二点鎖線参照)。振動撹拌装置1は、電動モータ3の仕事率Pを負荷検出装置11で算出しつつ、振動羽根9を共振させて流体Lに三次元の乱流を発生させる。
【0027】
次に、
図3を用いて、振動羽根9の共振周波数Rと流体Lの粘度Vとの関係について説明する。
【0028】
図3に示すように、振動羽根9の共振周波数Rは、振動羽根9に接触している流体Lの粘度Vによって変動する。流体Lの粘度Vが高くなることで振動羽根9の共振周波数Rは低くなり、流体Lの粘度Vが低くなることで振動羽根9の共振周波数Rは高くなる(基準共振周波数Rbに近づく)。一方、流体Lは、複数種類の流体を撹拌することによる化学変化によって粘度Vが変動したり、一種類の流体を撹拌することで粘度Vが変動したりする(チキソトロピー・レオペクシー)。従って、振動撹拌装置1は、流体Lの粘度Vが変動することにより振動羽根9の共振周波数Rと振動発生装置2から伝達されている振動の周波数との差が小さくなると振動羽根9に共振が発生し、振動羽根9の共振周波数Rと振動発生装置2から伝達されている振動の周波数との差が大きくなると振動羽根9に共振が発生しない。
【0029】
次に、
図4を用いて、周波数と電動モータ3の仕事率Pとの関係について説明する。
【0030】
図4に示すように、振動発生装置2の電動モータ3の仕事率Pは、振動軸8の振幅が一定の場合、振動羽根9が共振周波数Rで振動(共振)している状態において最大の仕事率Pである最大仕事率Pmになる。電動モータ3の仕事率Pは、振動羽根9が単位時間当たりに外力(電動モータ3)から吸収するエネルギーにほぼ等しい。また、振動羽根9の振動時の振幅は、外力から吸収するエネルギーに比例して大きくなる。従って、電動モータ3の仕事率Pは、振動軸8の振幅が一定の場合、振動している振動羽根9の周波数が共振周波数Rに近づくにつれて増大し、共振時に最大仕事率Pmとなる。
【0031】
次に、
図5を用いて、振動撹拌装置1の制御装置12における流体Lの撹拌状態を表す粘度Vに基づく撹拌制御について説明する。なお、振動撹拌装置1の制御装置12には、流体Lの物性、振動羽根9の共振周波数Rと流体Lの粘度Vとの関係(
図3参照)についてのデータベースが格納されているものとする。
【0032】
振動撹拌装置1の制御装置12(
図2参照)は、撹拌によって達成したい流体Lの粘度Vである目標粘度Vtを入力装置13(
図2参照)から取得すると、目標粘度Vtの流体L中における振動羽根9の共振周波数Rである目標共振周波数Rtを算出する(
図3参照)。制御装置12は、振動発生装置2によって目標共振周波数Rtの振動を発生させる。目標共振周波数Rtの振動は、振動軸8を介して振動羽根9に伝達される。制御装置12は、負荷検出装置11によって振動発生装置2の電動モータ3の仕事率Pを単位撹拌時間毎に算出する。
【0033】
図5に示すように、振動軸8の振幅が一定の場合、電動モータ3の仕事率Pは、流体Lの現在の粘度Vが目標粘度Vtに近づくにつれて増大していく。振動羽根9は、流体Lの現在の粘度Vが目標粘度Vtに一致すると、目標共振周波数Rtで共振する。つまり、電動モータ3の仕事率Pは、流体Lの現在の粘度Vが目標粘度Vtに一致した時点で共振する振動羽根9の影響により最大仕事率Pmとなる。また、電動モータ3は、振動羽根9が共振している間、最大仕事率Pmの状態で運転を継続する。従って、制御装置12は、電動モータ3の仕事率Pの変動幅が所定値ΔP以下になった場合、電動モータ3の仕事率Pが最大仕事率Pmに到達したと判断する。すなわち、制御装置12は、流体Lの現在の粘度Vが目標粘度Vtに到達し、特定の状態に撹拌されたと判断する。
【0034】
図6に示すように、ステップS110において、振動撹拌装置1の制御装置12は、入力装置13から目標粘度Vtを取得し、ステップをステップS120に移行させる。
【0035】
ステップS120において、制御装置12は、目標粘度Vtから目標共振周波数Rtを算出し、ステップをステップS130に移行させる。
【0036】
ステップS130において、制御装置12は、振動発生装置2によって目標共振周波数Rtの振動を発生させる開始信号をインバータ10に送信して、ステップをステップS140に移行させる。
【0037】
ステップS140において、制御装置12は、単位撹拌時間毎に負荷検出装置11が算出した電動モータ3の仕事率Pを取得し、ステップをステップS150に移行させる。
【0038】
ステップS150において、制御装置12は、電動モータ3の仕事率Pの変動幅を算出し、ステップをステップS160に移行させる。
【0039】
ステップS160において、制御装置12は、仕事率Pの変動幅が所定値ΔP以下か否か判定する。
その結果、仕事率Pの変動幅が所定値ΔP以下の場合、制御装置12はステップをステップS170に移行させる。
一方、仕事率Pの変動幅が所定値ΔPよりも大きい場合、制御装置12はステップをステップS140に移行させる。
【0040】
ステップS170において、制御装置12は、流体Lの現在の粘度Vが目標粘度Vtに到達したと判断してインバータに振動を停止させる停止信号を送信し、ステップを終了する。
【0041】
このように、振動撹拌装置1は、振動羽根9の基準共振周波数Rbと撹拌する流体Lの量および流体Lの物性に基づいて、流体Lの目標粘度Vtに対応する目標共振周波数Rtで振動羽根9を振動させる。振動撹拌装置1は、電動モータ3の仕事率Pが最大仕事率Pmになった時点で、流体Lが目標粘度Vtになる特定の状態まで撹拌されたと判断する。このように、流体Lの状態を表す物性値である粘度Vが振動羽根9の共振周波数Rに影響を及ぼすため、電動モータ3の仕事率Pから流体Lの状態が把握される。これにより、振動撹拌装置1は、流体Lの撹拌状態に応じて運転を制御することができる。
【0042】
なお、本実施形態において、振動撹拌装置1は、目標粘度Vtにおける流体L中での振動羽根9の共振周波数Rを目標共振周波数Rtとしているが、撹拌前の流体L中での振動羽根9の共振周波数Rの振動を目標共振周波数Rtとしてもよい。つまり、振動撹拌装置1は、撹拌前の流体L中での目標共振周波数Rtの振動を振動羽根9に伝達して、電動モータ3の仕事率Pが所定の仕事率P(目標仕事率)になった時点で流体Lが目標粘度Vtになる特定の状態まで撹拌されたと判断する構成でもよい。
【0043】
次に、
図7と
図8を用いて、本発明に係る振動撹拌装置の第二実施形態である振動撹拌装置14について説明する。なお、以下の実施形態に係る振動撹拌装置14は、
図1から
図6に示す振動撹拌装置1において、振動撹拌装置1に替えて適用されるものとして、その説明で用いた名称、図番、符号を用いることで、同じものを指すこととし、以下の実施形態において、既に説明した実施形態と同様の点に関してはその具体的説明を省略し、相違する部分を中心に説明する。
【0044】
撹拌時間Tと流体Lの粘度Vの変動について説明する。
【0045】
振動撹拌装置14で撹拌される流体Lは、振動撹拌装置14による撹拌時間Tの経過に伴って現在の粘度Vが変動する。また、振動撹拌装置14は、流体Lの粘度Vの変動に伴って流体L中での振動羽根9の共振周波数Rが変動するので、振動軸8の振幅が一定の場合、撹拌時間Tの経過に伴って振動発生装置2の電動モータ3の仕事率Pが変動する。つまり、振動撹拌装置14は、所定の条件において適切に流体Lを撹拌する場合、撹拌時間Tから流体Lの現在の粘度Vに対応する電動モータ3の仕事率Pが推定される。
【0046】
図7に示すように、振動撹拌装置14は、撹拌によって流体Lの粘度Vが安定した(変動しない)状態の粘度である安定粘度Vsに到達するまでに必要な安定撹拌時間Tsと、安定粘度Vsの流体L中での振動羽根9の共振周波数Rである安定共振周波数Rsと、安定共振周波数Rsで振動羽根9を振動させた際の電動モータ3の最大仕事率Pmと、を予め測定する。さらに、振動撹拌装置14は、単位撹拌時間毎に安定共振周波数Rsの振動を振動羽根9に伝達している際の電動モータ3の仕事率Pを予め測定した基準仕事率Poと、単位撹拌時間毎に流体Lの粘度Vを予め測定した基準粘度Voとをデータベースとして保持している。これにより、振動撹拌装置は、振動軸8の振幅が一定の場合、基準仕事率Poと基準粘度Voに基づいて、任意の撹拌時間Tにおける電動モータ3の仕事率Pから流体Lの粘度Vを推定することができる。つまり、振動撹拌装置14は、流体Lを所定の条件で撹拌する場合、撹拌時間Tとその時点での電動モータ3の仕事率Pとデータベースの基準仕事率Poとを比較することで流体Lが推定される粘度Vに撹拌されているか判断することができる。
【0047】
振動撹拌装置14は、単位撹拌時間毎に電動モータ3の仕事率Pを測定する。振動撹拌装置14は、任意の撹拌時間T1での電動モータ3の仕事率Pが、基準仕事率Poにおいて対応する撹拌時間Tでの仕事率P1を中心とする所定の範囲内(許容範囲内)に含まれている場合、流体Lが適切に撹拌されていると判断する。また、振動撹拌装置14は、その時点での流体Lの粘度Vを基準粘度Voから粘度V1であると判断することができる。一方、振動撹拌装置14は、任意の撹拌時間T1での電動モータ3の仕事率Pが基準仕事率Poにおいて対応する撹拌時間Tでの仕事率P1の許容範囲内に含まれていない仕事率P2である場合(黒点参照)、流体Lが適切に撹拌されていない、または、流体Lの物性(流体の混合割合や含有成分)が適正でないと判断する。
【0048】
図8に示すように、ステップS230において、振動撹拌装置14の制御装置12は、振動発生装置2によって目標共振周波数Rtの振動を発生させる開始信号をインバータ10に送信するとともに、撹拌時間Tの測定を開始して、ステップをステップS140に移行させる。
【0049】
ステップS140において、制御装置12は、単位撹拌時間毎に負荷検出装置11が算出した電動モータ3の仕事率Pを取得し、ステップをステップS250に移行させる。
【0050】
ステップS250において、制御装置12は、取得した仕事率Pが撹拌時間Tにおける基準仕事率Poを基準とする許容範囲内に含まれているか否か判定する。
その結果、取得した仕事率Pが撹拌時間Tにおける基準仕事率Poを基準とする許容範囲内に含まれている場合、制御装置12はステップをステップS260に移行させる。
一方、取得した仕事率Pが撹拌時間Tにおける基準仕事率Poを基準とする許容範囲内に含まれていない場合、制御装置12はステップをステップS270に移行させる。
【0051】
ステップS260において、制御装置12は、流体Lが正常に撹拌されていると判断し、取得した仕事率Pに対応する基準粘度Voを流体Lの撹拌時間Tにおける粘度Vと推定し、ステップをステップS110に移行させる。
【0052】
ステップS270において、制御装置12は、流体Lが正常に撹拌されていないと判断し、インバータ10に停止信号を送信し、ステップを終了する。
【0053】
このように、振動撹拌装置14は、予め単位撹拌時間毎に測定した基準仕事率Poと基準粘度Voから構成されるデータベースに基づいて、撹拌時間Tと電動モータ3の仕事率Pとから流体Lの粘度Vを推定する。また、振動撹拌装置14は、測定した仕事率Pと基準仕事率Poとの比較によって流体Lの状態を判断する。これにより、振動撹拌装置14は、流体Lの撹拌状態に応じて運転を制御することができる。
【0054】
次に、
図9を用いて、本発明に係る振動撹拌装置の第三実施形態である振動撹拌装置15について説明する。
【0055】
図9に示すように、振動撹拌装置15は、振動羽根9、振動軸16を備えている。
【0056】
振動軸16は、振動を振動羽根9に伝達する部材である。振動軸16は、ステンレス等の耐食性が高い金属から形成されている。振動軸16は、有底中空状に形成されている。振動軸16の内部には、カートリッジヒーターであるヒーター17が設けられている(薄墨部分参照)。振動軸16および振動軸16に固定されている振動羽根9は、振動軸16内のヒーター17によって加熱されるように構成されている。本実施形態において、ヒーター17は、カートリッジヒーターとして構成されているが、振動羽根9と振動軸16とを加熱できるヒーターであれば特に限定しない。
【0057】
このように構成することで、振動撹拌装置15は、流体Lに接触している振動軸16および振動羽根9の温度を流体Lの温度に応じた温度に調節することができる。例えば、流体Lが温度低下によって硬化する溶融金属や軟化状態の熱可塑性樹脂等である場合、振動撹拌装置15は、振動軸16と振動羽根9とを流体Lの溶融温度以上に加熱することで流体Lの硬化を防ぐことができる。つまり、振動撹拌装置15で撹拌される流体Lは、振動軸16および振動羽根9との温度差による撹拌状態の変動が抑制される。また、振動撹拌装置15は、振動軸8および振動軸16への流体Lの固着を防止することができる。これにより、振動撹拌装置15は、流体Lの撹拌状態に応じて運転を制御することができる。
【0058】
なお、上述の各実施形態において、振動撹拌装置1・14・15による撹拌には、単一種類の流体の撹拌だけでなく、複数種類の流体の撹拌や異なる相の流体の撹拌が含まれる。例えば、水分と油分を界面活性剤で乳化させるような、複数種類の流体同士の混合、溶融金属中に気体を混合するような、気相と液相とからなる流体同士の混合などが含まれる。
【0059】
上述の実施形態は、代表的な形態を示したに過ぎず、一実施形態の骨子を逸脱しない範囲で種々変形して実施することができる。さらに種々なる形態で実施し得ることは勿論のことであり、本発明の範囲は、特許請求の範囲の記載によって示され、さらに特許請求の範囲に記載の均等の意味、および範囲内のすべての変更を含む。
【解決手段】電動モータ3を有する振動発生装置2と、振動発生装置2からの振動が伝達される振動軸8と、振動軸8に固定されている振動羽根9と、電動モータ3の仕事率Pを算出する負荷検出装置11と、電動モータ3を制御する制御装置12と、具備する振動撹拌装置1であって、制御装置12は、振動羽根9の空気中での共振周波数Rと撹拌する流体Lの物性とに基づいて定められる目標共振周波数Rtの振動を振動発生装置2で発生させて流体L中の振動羽根9に伝達し、負荷検出装置11が算出する電動モータ3の仕事率Pが所定の値に到達すると流体Lが振動羽根9によって特定の状態に撹拌されたと判断する。