特許第6570009号(P6570009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6570009印刷法によるエピタキシャルリフトオフ太陽電池の小型放物面型集光器との統合
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6570009
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】印刷法によるエピタキシャルリフトオフ太陽電池の小型放物面型集光器との統合
(51)【国際特許分類】
   H01L 31/18 20060101AFI20190826BHJP
   H01L 31/0693 20120101ALI20190826BHJP
   H02S 40/22 20140101ALI20190826BHJP
【FI】
   H01L31/04 460
   H01L31/06 320
   H02S40/22
【請求項の数】48
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-546508(P2016-546508)
(86)(22)【出願日】2015年1月15日
(65)【公表番号】特表2017-505989(P2017-505989A)
(43)【公表日】2017年2月23日
(86)【国際出願番号】US2015011601
(87)【国際公開番号】WO2015156874
(87)【国際公開日】20151015
【審査請求日】2018年1月12日
(31)【優先権主張番号】61/947,120
(32)【優先日】2014年3月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/927,932
(32)【優先日】2014年1月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】509009692
【氏名又は名称】ザ リージェンツ オブ ザ ユニヴァシティ オブ ミシガン
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】フォレスト,ステファン,アール.
(72)【発明者】
【氏名】リー,キュサン
(72)【発明者】
【氏名】ファン,デジュ
(72)【発明者】
【氏名】ツィマーマン,ジェラミー
【審査官】 小林 幹
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2013/006803(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0043214(US,A1)
【文献】 国際公開第2013/119728(WO,A2)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0037095(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0273815(US,A1)
【文献】 Ray-Hua Horng et al.,"Thin Film Solar Cells Fabricated Using Cross-Shaped Pattern Epilayer Lift-Off Technology for Substrate Recycling Applications",IEEE Transactions on Electron Devices,2012年,Vol.59,pp.666-672
【文献】 JONGSEUNG YOON et al.,"Ultrathin silicon solar microcells for semitransparent, mechanically flexible and microconcentrator module designs",nature materials,2008年,Vol.7,pp.907-915
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L31/02−31/078
H01L31/18−31/20
H01L51/42−51/48
H02S10/00−10/40
H02S30/00−99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
エピタキシャルリフトオフを行う非破壊的な方法であって、
成長基板を準備することと、
前記成長基板上に少なくとも一つの保護層を堆積することと、
前記保護層上に少なくとも一つの犠牲層を堆積することと、
前記犠牲層上に光活性セルを堆積することと、
前記少なくとも一つの光活性セル上に金属マスクを堆積することと、
前記金属マスクを通して第1のエッチング工程を行い、前記光活性セルにパターンを形成することと、ここで、前記パターンは、前記犠牲層まで延び、
前記光活性セルをエラストマー材料を含むホスト基板に接合することと、
一つ以上の第2のエッチング工程を用いて、前記犠牲層を除去することと、
を含む方法。
【請求項2】
前記成長基板は、GaAsまたはInPを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記少なくとも一つの保護層は、前記成長基板と格子整合する請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも一つの保護層は、GaAs、InP、InGaAs、AlInP、GaInP、InAs、InSb、GaP、AlP、GaSb、AlSbおよびそれらの組み合わせから選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記少なくとも一つの保護層は、GaAsおよびInGaPが交互に重なる少なくとも三つの層を含む請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記少なくとも一つの保護層は、ガスソース分子線エピタキシー法(GSMBE)、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)、固体ソース分子線エピタキシー法(SSMBE)および化学ビームエピタキシー法から選択される少なくとも一つの方法によって堆積される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記少なくとも一つの保護層は、緩衝層、エッチング停止層またはそれらの組み合わせを含む請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記一つ以上の第2のエッチング工程は、ウェットエッチャント、ドライエッチャントまたはそれらの組み合わせを用いて、前記犠牲層に接触することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記ウェットエッチャントは、HF、HPO、HCl、HSO、H、HNO、Cおよびそれらの組み合わせ、ならびにHOとの組み合わせを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記ドライエッチャントは、プラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を含む請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記第1のエッチング工程は、プラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記犠牲層は、AlAsを含み、前記一つ以上の第2のエッチング工程は、HFを用いて前記AlAsに接触することを含む請求項8に記載の方法。
【請求項13】
エッチングされた前記パターンは、前記少なくとも一つの光活性セルにエッチングされた二つ以上の平行な溝を含む請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記基板は、GaAsを含み、前記保護層を含む構成は、GaAs基板/InAlP/InGaP/GaAs/InAlP/AlAsを含む請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記少なくとも一つの光活性セルは、単一接合セルまたは多接合セルを含む請求項1に記載の方法。
【請求項16】
エピタキシャルリフトオフのための成長構造であって、
成長基板と、
前記成長基板上の少なくとも一つの保護層と、
前記保護層上の少なくとも一つの犠牲層と、
前記犠牲層上の少なくとも一つの光活性セルと、
前記光活性セルから前記犠牲層までエッチングされた少なくとも一つのパターンと、
エラストマー材料を含むホスト基板に接合した、少なくとも一つの光活性セル上の少なくとも一つの金属と、
を含み、
前記エッチングされたパターンは、二つ以上の平行な溝を含む成長構造。
【請求項17】
前記成長基板は、GaAsを含み、前記少なくとも一つの保護層は、InP、InGaAs、AlInP、GaInP、InAs、InSb、GaP、AlP、GaSb、AlSbおよびそれらの組み合わせから選択される請求項16に記載の成長構造。
【請求項18】
前記少なくとも一つの保護層は、GaAsおよびInGaPが交互に重なる少なくとも三つの層を含む請求項17に記載の成長構造。
【請求項19】
前記犠牲層は、AlAsを含む請求項16に記載の成長構造。
【請求項20】
前記光活性セルは、光起電性デバイスを形成するための活性半導体層を含む請求項16に記載の成長構造。
【請求項21】
前記少なくとも一つの光活性セルは、単一接合セルまたは多接合セルを含む請求項16に記載の成長構造。
【請求項22】
前記少なくとも一つの保護層は、緩衝層、エッチング停止層またはそれらの組み合わせを含む請求項16に記載の成長構造。
【請求項23】
前記基板は、GaAsを含み、前記保護層を含む構成は、GaAs基板/InAlP/InGaP/GaAs/InAlP/AlAsを含む請求項16に記載の成長構造。
【請求項24】
光起電性デバイス構造を作製する方法であって
成長基板を準備することと、
前記成長基板上に少なくとも一つの保護層を堆積することと、
前記保護層上に少なくとも一つの犠牲層を堆積することと、
前記犠牲層上に少なくとも一つの光活性セルを堆積することと、
前記少なくとも一つの光活性セルから前記犠牲層まで延びる少なくとも二つの平行な溝のパターンをエッチングすることと、この際、前記エッチングすることにより、前記構造の表面に、前記犠牲層と、前記光活性セルを含む平坦部とに延びる並んだ溝が形成され、
前記少なくとも一つの光活性セルに少なくとも一つの金属を堆積することと、
前記平坦部に位置する前記光活性セルをホスト基板に接合することと、この際、前記ホスト基板は、エラストマー材料を含み、
一つ以上のエッチング工程を用いて前記少なくとも一つの犠牲層を除去して、前記ホスト基板上に薄膜太陽電池の帯状アレイを形成することと、
を含み、
前記エッチングすることにより、前記構造の表面に、前記犠牲層と、前記光活性セルを含む平坦部とに延びる並んだ溝が形成される方法。
【請求項25】
前記接合することは、冷間圧接、熱アシスト冷間圧接および熱圧着から選択される直接接合方法を含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記ホスト基板は、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属を用いて金属化されたエラストマー材料を含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
前記エラストマー材料は、ポリジメチルシロキサンを含む請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記エラストマー材料を、前記犠牲層までエッチングされた前記光活性セルの、平行に隆起した帯を含む前記平坦部を露出させるように、円形のスタンプに丸めることをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項29】
前記エラストマー材料は、円形のスタンプに丸められる前に、二倍のサイズまで引き伸ばされる請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記一つ以上のエッチング工程は、ウェットエッチャント、ドライエッチャントまたはそれらの組み合わせを用いて、前記犠牲層に接触することを含む請求項24に記載の方法。
【請求項31】
前記ウェットエッチャントは、HF、HPO、HCl、HSO、H、HNO、Cおよびそれらの組み合わせ、ならびにHOとの組み合わせを含む請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記ドライエッチャントは、プラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を含む請求項30に記載の方法。
【請求項33】
パターン形成すること、金属化すること、およびそれらの組み合わせから選択される、前記光活性セルの表面上に行われる追加の処理工程をさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項34】
少なくとも一つの円筒状の放物面型小型集光器アレイを、直線状の搬送台に載せることをさらに含む請求項28に記載の方法。
【請求項35】
前記小型集光器アレイおよび太陽電池は、当該集光器アレイおよび当該太陽電池の両方の上にある、カソードおよびアノード用の導体パッドをそれぞれ含み、当該導体パッドは、前記エラストマースタンプの回転速度と、前記集光器アレイの搬送速度との制御の下、位置合わせされて互いに接触する請求項34に記載の方法。
【請求項36】
前記円筒状の放物面型小型集光器アレイは、25〜100μmの範囲の厚さを有する、プラスチック材料またはフレキシブル性のある金属を含む請求項34に記載の方法。
【請求項37】
前記プラスチック材料は、真空および熱の下で成形されて、円筒状の放物面型小型集光器アレイを形成するアミドを含み、当該アミドは、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属を用いて金属化される請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記円形のスタンプ上に位置する前記少なくとも一つの光活性セルを、前記円筒状の放物面型小型集光器アレイに接合して、統合された太陽電池アレイを形成することをさらに含む請求項34に記載の方法。
【請求項39】
円筒状の放物面型小型集光器アレイは、放物面の凹形のデザインを有する請求項38に記載の方法。
【請求項40】
前記放物面の凹形は、直線状の放物面反射鏡を含み、当該反射鏡の焦線に沿って配置される前記光活性セル上に光を集中させる請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記光活性セルおよび前記直線状の放物面反射鏡は、同一の曲率半径を有する請求項40に記載の方法。
【請求項42】
パターンをエッチングすることの前に、前記光活性セル上に金属マスクを堆積することをさらに含み、前記パターンをエッチングすることは、前記金属マスクを通して、プラズマを用いて反応性イオンエッチング(RIE)をすることを含む請求項24に記載の方法。
【請求項43】
前記犠牲層は、AlAsを含む請求項24に記載の方法。
【請求項44】
前記少なくとも一つの保護層を堆積する前に、前記基板を長方形および/または正方形の複数の区分に分割することをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項45】
前記基板は、ウエハーを含む請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記接合することは、冷間圧接、熱アシスト冷間圧接および熱圧着から選択される直接接合方法を含む請求項1に記載の方法。
【請求項47】
前記ホスト基板は、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属を用いて金属化されたエラストマー材料を含む請求項1に記載の方法。
【請求項48】
前記エラストマー材料は、ポリジメチルシロキサンを含む請求項1に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2014年1月15日に出願された米国仮出願第61/927,932号、および、2014年3月3日に出願された米国仮出願第61/947,120号に対する優先権を主張し、それら両方の全体が参照により本願に包含される。
【0002】
(連邦支援研究に関する声明)
本発明は、米陸軍研究局によって授与された授与番号W911NF−08−2−0004の下で、米国政府の支援を受けてなされた。本発明において、政府は、一定の権利を有する。
【0003】
(共同研究契約)
本開示の主題は、合同大学法人研究協定に対する一つ以上の団体である、ミシガン大学およびナノフレックス電力会社(Nanoflex Power Corporation)を代表して、および/または、これらに関連してなされた。本協定は、本開示の主題が準備された日以前に有効であり、本協定の範囲内で行われた活動の結果としてなされた。
【0004】
本開示は、概して、エピタキシャルリフトオフ(ELO)を用いる、フレキシブル光起電性デバイスなどの薄膜の電子デバイスおよび光電子デバイスを作製する方法および成長構造に関する。特に、本開示は、太陽光の集光器を薄膜セルと統合するための唯一の機会を提供する、フレキシブル基板上に接合された薄膜ELOセルに関する。
【背景技術】
【0005】
エピタキシャルリフトオフ(ELO)は、28%より大きい記録効率を有する、薄い単結晶のGaAs太陽電池を生み出した。印象的である一方で、ELOにおいて、セル活性層と基板との間の「犠牲層」の化学エッチングを用いる方法は、他の太陽電池の活性領域のエピタキシャル成長のために、親ウエハーをウエハー研磨して、再度準備することを必要とする。残念ながら、ウエハー研磨は、ウエハー材料のかなりの量を除去し、わずか数回のサイクル後にはウエハーにさらなる損傷を与えるため、非常に高い製造コストにつながる。
【0006】
単結晶半導体ベースのデバイスなどの薄膜技術は、その柔軟性、軽量性および高い性能特性により、電子工学の分野で望まれている。ELOは、薄膜デバイス領域を成長基板またはウエハーから「リフトオフ」し、ホスト基板に移しうる技術である。デバイス領域は、犠牲層を選択的にエッチングすることによって、ウエハーから分離される。ELO法の重要な利点は、デバイス領域のリフトオフ後にウエハーを再利用可能な点にあり、高価なウエハーの消費を最小限にすることによって、製造コストを大きく減少できる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、従来のELO法は、ウエハーの表面の著しい粗面化や、汚染物質の蓄積をもたらす。次のエピタキシャル成長のための準備では、これらの欠陥をなくすために、一般的に研磨エッチング法を用いる。しかし、この方法は通常、高品質な再成長面を提供しないため、ELOの後、化学研磨された表面上に成長するデバイス層は、次の作製デバイスを著しく低下した性能にする。Bauhuis,G.J.らの“Wafer reuse for repated growth of III−V solar cells”Prof.Photovolt.18,155−159(2010)がある。この問題を解決するために、化学−機械的なウエハーの再研磨を用いているが、このような処理は、ウエハーの上面から材料の数十ミクロンを消耗するため、ウエハーの再利用可能な回数を制限してしまう。
【0008】
上述した結果として、成長基板を保護し、再利用可能にするために、犠牲層に依存する改良されたELO法に対する需要がある。また、著しい追加コストを生じることなく、太陽光の集光器を薄膜セル内に統合することを可能にする、改良方法に対する需要もある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明者らは、エピタキシャルリフトオフを行う非破壊的な(non−destructive)方法を発見した。したがって、成長基板を準備することと、前記成長基板上に少なくとも一つの保護層を堆積することと、前記保護層上に少なくとも一つの犠牲層を堆積することと、前記犠牲層上に光活性セルを堆積することと、前記少なくとも一つの光活性セル上に金属マスクを堆積することと、前記金属マスクを通して第1のエッチング工程を行い、前記光活性セルにパターンを形成することと、ここで、前記パターンは、前記犠牲層まで延び、一つ以上の第2のエッチング工程を用いて、前記犠牲層を除去することと、を含む方法を開示する。
【0010】
また、発明者らは、エピタキシャルリフトオフのための改良された成長構造を発見した。したがって、成長基板と、前記成長基板上の少なくとも一つの保護層と、前記保護層上の少なくとも一つの犠牲層と、前記犠牲層上の少なくとも一つの光活性セルと、前記光活性セルから前記犠牲層までエッチングされた少なくとも一つのパターンと、を含み、前記エッチングされたパターンは、前記少なくとも一つの光活性セルにエッチングされた二つ以上の平行な溝を含む成長構造を開示する。
【0011】
また、発明者らは、改良された非破壊的なELO法を利用する光起電性デバイスを作製する方法と、結果として得られる成長構造とを発見した。特に、印刷法によって、エピタキシャルリフトオフ太陽電池を小型放物面型集光器アレイに統合することを含む方法を開示する。開示された方法は、成長基板を準備することと、前記成長基板上に少なくとも一つの保護層を堆積することと、前記保護層上に少なくとも一つの犠牲層を堆積することと、前記犠牲層上に少なくとも一つの光活性セルを堆積することと、前記少なくとも一つの光活性セルから前記犠牲層まで延びる少なくとも二つの平行な溝のパターンをエッチングすることと、前記少なくとも一つの光活性セル上に金属を堆積することと、当該金属をホスト基板に接合することと、一つ以上のエッチング工程を用いて前記犠牲層を除去することと、を含む。この方法は、スタンプに丸められ、印刷法において使用されうるエラストマー材料などのホスト基板を提供し、成長基板上に成長した太陽電池を、小型集光器アレイに統合する。
【0012】
上述した主題以外にも、本開示は、後述するようないくつかの他の例示する特性を含む。上述した説明および後述する説明は共に、一例にすぎないことを理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
添付する図面は、本明細書に組み込まれ、本明細書の一部を構成する。
図1】非破壊的なエピタキシャルリフトオフ(ND−ELO)において使用される汎用ウエハーの構造を示す概略図である。
図2】ELO前後のウエハーの表面形態の比較を示す図である。
図3】ホスト基板上の薄膜GaAs太陽電池の帯の作製のフローチャートを示す図である。
図4】(a)は、放物面型集光器の作製のために作製される真空成形を示す概略図であり、(b)は、放物面型集光器の作製のために作製される真空成形の写真である。
図5】(a)は、真空成形を用いて変形されたプラスチックの写真であり、(b)は、最大の光反射のために、高反射性の材料(Ag)で覆われた、金属化されたプラスチックのホストプラットフォームの写真である。
図6】(a)は、エラストマースタンプ上に接合された薄膜リフトオフ太陽電池の帯を示す概略図であり、(b)は、その後の統合処理のための準備がなされた、引き伸ばされ、円筒の周囲に巻き付けられたエラストマースタンプを示す概略図である。
図7】集光器アレイに押し付けるエラストマースタンプを示す概略図である。
図8】小型集光器アレイに統合された太陽電池の帯を示す概略図である。
図9】約77%の充填率をもたらすように、七つのウエハーを丸いサセプタにどのように敷かれるかを示す概略図である。
図10】一つの100mm(4インチ)のウエハーから、18個の1cm×3.5cmの長方形がどのように切り出されるかを示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(定義)
本明細書で使用される用語「III−V材料」は、周期表のIIIA族およびVA族からの元素を含む化合物結晶を表すために使用されうる。より具体的には、用語「III−V材料」は、本明細書では、ガリウム(Ga)、インジウム(In)およびアルミニウム(Al)の族と、ヒ素(As)、リン(P)、窒素(N)およびアンチモン(Sb)の族との組み合わせである化合物を表すために使用されうる。
【0015】
本明細書におけるIII−V化合物は、省略形式で命名されることに留意すべきである。二成分材料は、III:V族の化合物のモル比が、約1:1であるとみなされる。三以上の成分の系(たとえば、InGaAlAsP)では、III族種(すなわち、In、GaおよびAl)の合計が約1であり、V族の成分(すなわち、AsおよびP)の合計が約1であり、V族に対するIII族の比が約1である。
【0016】
III−V化合物の名称は、周囲の文章から推測されるように、格子整合または格子不整合(ひずみ)を実現するために必要とされる、化学量論比であるとみなされる。また、名称は、ある程度まで入れ替えられる。たとえば、AlGaAsおよびGaAlAsは、同じ材料である。
【0017】
本明細書で使用および記載される「層」は、主な次元がX−Yである、すなわち、その長さおよび幅に沿うデバイスの部材または構成要素を意味する。層の用語は、単層または材料の単一のシートに必ずしも限定されないことを理解すべきである。また、特定の層の表面(このような層と、他の材料または層との界面を含む)は、不完全であってもよく、当該表面は、他の材料または層と浸透したり、混在されたり、入り組んだりするネットワークを示すことを理解すべきである。同様に、層は不連続であってもよく、たとえば、X−Y次元に沿う当該層の連続が乱れていたり、他の層または材料によって妨げられたりしてもよいことも、理解すべきである。
【0018】
第1の層が、第2の層の「上方に(over)」または「上側に(above)」配置または堆積されると記載される場合、第1の層は、第2の層よりも、基板からさらに離れて配置される。第1の層は、第2の層の上に直接堆積されてもよいが、第1の層が、第2の層の「上に(on)」、または、第2の層と「物理的に接触して」配置または堆積されると指定されない限り、第1の層と第2の層との間には、他の層があってもよい。たとえば、エピ層は、様々な層が間にあったとしても、犠牲層の「上方に」または「上側に」配置されると記載されうる。同様に、保護層は、様々な層が間にあったとしても、成長基板の「上方に」または「上側に」配置されると記載されうる。同様に、第1の層が、第2の層と第3の層との「間に」配置または堆積されると記載される場合、第1の層が、第2の層および/または第3の層の「上に」、または、第2の層および/または第3の層と「物理的に接触して」配置または堆積されると指定されない限り、第1の層と第2の層との間、および/または、第1の層と第3の層との間には、他の層があってもよい。
【0019】
本明細書で使用される用語「半導体」は、電荷キャリアが熱的または電磁的な励起によって誘起される際に、導電できる材料を示す。用語「光伝導性」は、一般に、電磁放射エネルギーが吸収され、それにより電荷キャリアの励起エネルギーに変換され、その結果、キャリアが材料中の電荷を伝導(すなわち輸送)できる過程に関連する。用語「光伝導体」および「光伝導性材料」は、本明細書では、電磁放射を吸収して、電荷キャリアを生成する特性について選択される半導体材料を表すために使用される。
【0020】
本明細書で使用される用語「ウエハー」および「成長基板」は、同じ意味で使用されうる。
【0021】
本明細書で使用される用語「エッチャント選択性」は、特定のエッチャントが特定の材料を除去する速度を、他の材料をエッチングする速度と比較して表す。XおよびYのエッチング選択性は、特定のエッチャントについて、Yのエッチング速度に対するXのエッチング速度の比として定量化される。したがって、本明細書で使用される「高選択性」は、一つの材料が急速にエッチングされる一方で、他の材料が非常にゆっくりとエッチングされるか全くエッチングされない場合を表し、たとえば、10:1、100:1、1000:1、10000:1またはより大きい比率より大きい。
【0022】
SiまたはGeなどの元素半導体と比較して、化合物半導体は、しばしば、高効率の太陽電池に有用な優れた特性を有する。しかし、活性デバイス領域を成長させるウエハーは、非常に高価(たとえば、GaAsウエハーの価格は〜$20k/m)であり、実際の太陽電池におけるそれらの使用を制限する。そのため、本明細書では、III−V半導体の太陽電池を、ウエハーとセルエピ(光活性セルとも呼ばれる)との間のAlAs「犠牲層」を選択的にエッチングすることによって、基板から取り外すというエピタキシャルリフトオフ(ELO)が、ウエハーの再利用を可能にすることによって、コストを減少させるように記載される。
【0023】
本明細書に記載される、性能の低下のない、非破壊的な基板の再利用の方法は、製造コストの著しい低減の可能性をもたらす。また、開示された方法は、分厚い、二次元の基板ベースのプラットフォームから、共形でフレキシブルな、軽量の薄膜デバイスに移すことによって、高性能のIII−V族の光電子デバイスの適用を広げる。さらに、プラスチック製の放物面型集光器などの低コストの集光器との薄膜太陽電池の直接的な統合は、太陽光を電気エネルギーに変換するためのコストを、さらに低減できる。
【0024】
(薄膜の無機太陽電池の作製)
出願人らは、ウエハーとエピタキシーとの間に挟まれる表面保護層を用いることによって、ウエハーの損傷をなくす、完全に非破壊的なELO(ND−ELO)法を本明細書に開示する。出願人らは、この表面保護層を除去するとき、全ての固有の表面損傷も除去できることを発見した。本方法は、プラズマ法と組み合わせられた、化学的な選択性のあるエッチャントを用いる。
【0025】
本明細書に記載される一態様によれば、エピタキシャル構造は、一連の、保護層、犠牲層および活性デバイス層を含む多層構造から成る。保護層は、保護層および緩衝層を含み、一般に、5〜200nm、たとえば、10〜150nm、または20〜100nmの範囲の厚さを有する格子整合層である。これらの層は、一般に、ガスソース分子線エピタキシー法(GSMBE)などのガスソースによって成長する。成長構造を作製するための他の適切な堆積技術としては、有機金属化学気相成長法(MOCVD)、ハイドライド気相エピタキシー法(HVPE)、固体ソース分子線エピタキシー法(SSMBE)および化学ビームエピタキシー法が挙げられるが、これらに限定されない。
【0026】
一実施形態では、基板はGaAsを含んでもよく、基板の保護層およびデバイス構造の保護層は、GaAs、AlInP、GaInP、AlGaAs、GaPSb、AIPSbおよびそれらの組み合わせなどの格子整合した化合物であってもよい。他の実施形態では、基板はGaAsを含んでもよく、基板の保護層およびデバイス構造の保護層は、InP、InGaAs、InAlAs、AlInP、GaInP、InAs、InSb、GaP、AlP、GaSb、AlSbおよびそれらの組み合わせなどのひずみ層であってもよく、格子整合した化合物との組み合わせを含んでもよい。
【0027】
一つ以上の保護層のための適切なIII−V材料の例としては、AlInP、GaInP、AlGaAs、GaPSb、AIPSb、InP、InGaAs、InAs、InSb、GaP、AlP、GaSb、AlSb、InAlAs、GaAsSb、AIAsSbおよびGaAsが挙げられるが、これに限定されない。いくつかの実施形態では、成長基板がGaAsである場合、一つ以上の保護層は、格子整合したAlInP、GaInP、AlGaAs、GaPSbおよびAIPSb、ならびに、ひずんだInP、InGaAs、AlInP、GaInP、InAs、InSb、GaP、AlP、GaSbおよびAlSbから選択される。いくつかの実施形態では、成長基板がInPである場合、一つ以上の保護層は、格子整合したInGaAs、InAlAs、GaAsSbおよびAIAsSb、ならびに、ひずんだInGaAs、InAlAs、GaAsSb、AIAsSb、InAs、GaSb、AISb、GaAs、GaPおよびAlPから選択される。米国特許第8,378,385号および米国特許出願公開第2013/0043214号は、保護層の構成を開示しており、参照により本願に包含される。
【0028】
保護層は、記載されるように、一つ以上の保護性層をさらに含んでもよい。いくつかの実施形態では、保護層は、一つの保護性層をさらに含む。他の実施形態では、保護層は、二つの保護性層をさらに含む。他の実施形態では、保護層は、三つ以上の保護性層をさらに含む。保護性層は、成長基板と犠牲層との間に配置されてもよい。
【0029】
そして、犠牲剥離層を、保護層上に成長させる。このような層の一つの限定しない例としては、AlAsがある。この材料を犠牲層として使用する場合、酸化ヒ素の蓄積が、リフトオフ間のAlAsのエッチングを減速させうる。したがって、AlAsを、ゆっくりエッチングされるIII−V材料(たとえば、InAlP、AlGaAs、InAlGaP)で被覆することによって、酸化ヒ素の蓄積を減少できるため、リフトオフ処理を促進できる。米国特許出願公開第2010/0047959号は、単結晶基板からエピタキシャル層を選択的に分離する方法を記載しており、参照により本願に包含される。
【0030】
一実施形態では、活性薄膜デバイス領域は、周知の酸を用いて犠牲層を選択的にエッチングすることによって、リフトオフされうる。成長構造の犠牲層は、ELOの間、成長基板からエピ層を剥離するための剥離層として作用する。犠牲層は、ELOの間、エピ層および/または成長基板を損傷する可能性を最小化または排除するために、エピ層および/または成長基板に対して、相対的に高いエッチング選択性を有するように選択されてもよい。また、ELOの間、エピ層を保護するために、犠牲層とエピ層との間に保護層を用いることもできる。いくつかの実施形態では、犠牲層は、III−V材料を含む。いくつかの実施形態では、III−V材料は、AlAs、AlInPおよびAlGaInPから選択される。一実施形態では、犠牲層は、AlAsを含む。いくつかの実施形態では、犠牲層は、約2nm〜約200nm、たとえば、約4nm〜約100nm、約4nm〜約80nmまたは約4nm〜約25nmの範囲の厚さを有する。
【0031】
エッチングによって犠牲層を剥離する工程は、たとえばスポーリング(spalling)などの、他の技術と組み合わせられてもよい。PCT特許出願第PCT/US14/52642号は、エッチングおよびスポーリングの組み合わせによって、エピ層を剥離することを開示しており、参照により本願に包含される。
【0032】
続いて、デバイスを第2のプラスチック基板に接合した後、デバイスを従来の向きで作製できるように、エピ層(または、活性デバイス領域)を一般的に反転した順序で成長させ、これにより、ELOデバイス処理においてしばしば用いられる第2の移動工程をなくす。成長構造のエピ層は、成長基板からリフトオフされることが望まれる、任意の数の層を表す。エピ層は、たとえば、電子デバイスまたは光電子デバイスを作製するための、任意の数の活性半導体層を含んでもよい。したがって、エピ層は、「活性デバイス領域」と呼ばれることがある。エピ層は、太陽電池、フォトダイオード、発光ダイオード、ならびに、金属−半導体電界効果トランジスタおよび高電子移動度トランジスタなどの電界効果トランジスタを含むデバイスを作製するための層を含んでもよいが、これらに限定されないデバイスを作製するための層を含んでもよい。いくつかの実施形態では、エピ層は、少なくとも一つのIII−V材料を含む。
【0033】
本開示に係る完全なエピ成長構造の一例を、図1に示す。当業者には明らかなように、図における反転型のGaAs太陽電池の構造は、他の反転型の高効率III−V半導体太陽電池の構造によって、置換されうる。図1において、この構造に背面鏡を設置すると、活性吸収領域に光子を反射でき、二重吸収を実現できるため、この手段によれば、一回吸収のデバイスと比較して、同じ外部量子効率を維持しつつ、活性領域の厚さを半分に減少できる。
【0034】
一実施形態では、基板をプラスチック基板に接合した後、活性デバイス領域を、酸などを用いて浸漬エッチングすることによって、親ウエハーからリフトオフしてもよい。
【0035】
他の実施形態では、出願人らは、ウエハーの再利用のために基板ウエハーの元の表面品質を取り戻すため、非破壊的な二つの工程による洗浄手順を発見した。この手順は、まず、誘導結合プラズマなどによるドライエッチング工程によって、基板の表面を予備洗浄して、汚染物質の大部分を除去することを含む。そして、エッチングがエッチング停止層で停止するまで、様々な保護層を、酸をベースにしたエッチャントを用いて除去する。そして、エッチング停止層を、強酸(たとえば、保護層用のリン酸エッチャントに対して、エッチング停止層には希釈したHCl酸(HCl:HO(1:1)))を用いて除去する。最終的に完全なエッチングが実現され、この最後の表面洗浄の工程が、高品質の再成長面を提供することを可能にする。図2の原子間力顕微鏡(AFM)の図で示すように、GaAs親ウエハー基板の表面は、各工程後の二乗平均平方根(RMS)の表面粗さに変化したことを示し、これにより、この非破壊的な二つの工程による洗浄手順の有効性の証拠を示す。
【0036】
一実施形態では、太陽電池は、フレキシブル結晶半導体セルを含む、活性光起電性領域を含む。単一接合の半導体セルの限定しない例としては、InGaP、GaAs、InGaAs、InPまたはInAlPが挙げられる。フレキシブル結晶半導体セルは、一般的に、2〜10μm、たとえば3〜6μmの範囲の厚さを有する。
【0037】
他の実施形態では、太陽電池は、直列の(二つのサブセルを用いた)光起電性セル、三重接合セル(三つのサブセル)または四重接合セル(四つのサブセル)などの多接合セルを含む、活性光起電性領域を含む。
【0038】
一実施形態では、超高効率の多接合(GaAs/InGaP)太陽電池が用いられる。この実施形態についての設計は、接着剤を用いない冷間圧接法において用いられる「上下逆の」接合配置に対応するため、従来の多接合セルの成長順序に対して相対的に反転させられてもよく、当該構造は、25%のGaAsセル構造を含む。この場合、反射性の、全体を覆うオーミック接触が、デバイス活性領域を通して入射光を2回通過させるため、GaAsセルの厚さは、(従来の基板ベースのセルの約50%である2μmなどに)減少されうる。主な焦点は、直列のPV構造を最大効率となるように最適化すること、InGapセルの設計(層の厚さ、窓層、層の構成など)を含むこと、積み重ねられた構成要素間の広ギャップトンネル接合(TJ)を改善すること、および、この多接合セルについての大面積にわたる多数のリフトオフ処理を仕上げることにある。
【0039】
太陽電池が、p型層の上にn型材料を含んで成長する一方で、トンネル接合は、反対の極性で成長しなければならない。炭素は、従来のp−ドーパントであるBeのように、成長表面に容易に移動しないため、セルは、p型層の全てまたはいくつかにおいて、炭素ドーピングを用いてもよい。直列のセルは、一般に、GaAsセルにおける電流によって制限されるため、InGaPセルの厚さは、InGaPセルとGaAsセルとの電流の適合に対して、調整される必要がある。
【0040】
光起電性セルを形成した後、一表面上を導電性の金属被膜で覆う。金属被膜の限定しない例としては、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属が挙げられ、特にAuが重視される。一実施形態では、支持基板上のAu層は、100〜500μm、たとえば200〜400μmの範囲の厚さを有する。
【0041】
光起電性セルを、上述した非破壊的なELO法によって成長基板から取り除き、様々な接合方法によって、支持構造上に載せる。たとえば、活性光起電性領域は、単一接合セルであるか多接合セルであるかに関わらず、直接接合方法によって、ホスト基板に適用されてもよい。この方法は、活性領域とフレキシブルホスト基板との隣接面に金属層を追加することと、冷間圧接を用いてそれらを接合することと、を含む。冷間圧接による接合方法は、一般的に、室温で二つの表面を押し付け合い、均一に接合された界面を実現することを含む。
【0042】
単一接合セルの場合のように、多接合セルを、成長−ELO−再利用のサイクルをそれぞれ繰り返した後、顕微鏡で化学的に観察できる。反射防止膜を含む完成されたセルを、標準照射条件(AM1.5Gスペクトル)を用いて、10sunまでの強度の範囲にわたって、電気的に試験できる。測定されるパラメーターは、単一接合セルの場合のように、PCE、曲線因子、開回路電圧、閉回路電流、直列抵抗および並列抵抗を含む。
【0043】
他の直接接合方法としては、一般的に、より低い圧力だが高温(すなわち、金属の再結晶温度より高温)での適用を含む、熱圧着を含んでもよい。この方法は、一般的に、フレキシブル基板が、直接接合方法において用いられる金属層の再結晶温度より低いガラス転移温度および/または溶融温度を有する場合には、用いられない。
【0044】
ELO法に関連する、金属層を接合するために使用できる直接接合の技術として、一般的な冷間圧接法よる低い圧力と、一般的な熱圧着法よる低い温度とを用いる、熱アシスト冷間圧接法がある。具体的には、熱アシスト冷間圧接は、半導体ウエハーを損傷する可能性を減少でき、その結果、さらなる活性領域を成長させるためのウエハーの再利用率を増加できる。
【0045】
本明細書で使用できる直接接合方法の限定しない例としては、冷間圧接、熱アシスト冷間圧接または熱圧着による接合が挙げられる。米国特許出願公開第US2013/0037095号は、冷間圧接を記載しており、参照により本願に包含される。
【0046】
さらなるコスト削減は、Auで覆われたCu箔などの金属箔の基板に接合したり、冷間圧接により安価な金属(たとえば、Auの代わりにAg)を使用したり、HFの消費を減少させたり、保護層の厚さを減少させたり、リフトオフ処理を加速させたりすることによって、可能になりうる。AlAs犠牲層を溶解させるために用いられるHFへの長時間の暴露は、使用できる金属のホスト基板の選択を制限する。一実施形態では、Cu箔の使用は、Auなどの貴金属で当該箔を覆うよりも単純になりうるため、冷間圧接に使用できるCu箔が、HFへの暴露における耐性を増加させるために使用される。Cu箔を使用するさらなる利点は、集光したセルから熱を取り出すために有効な、その高い熱伝導率(〜4W cm−1−1)にある。
【0047】
(ELO処理を加速させるための、太陽電池の帯の作製)
本明細書に記載されるELO処理を加速させるために、出願人らは、エッチング工程を用いた。特に、出願人らは、AlAs犠牲層までのエピタキシャル層内に、パターンがエッチングされた場合、ELOを達成する時間が、著しく改善されることを発見した。一実施形態では、出願人らは、光活性セルを形成した後、上述した冷間圧接処理の前に、金属マスクのパターンを通した反応性イオンエッチングを用いて、平行な溝を犠牲層まで形成した場合、ELO処理が加速されることを示した。特に、この改良されたND−ELO法を用いると、ウエハー全体のエッチングを必要としないため、リフトオフのエッチング時間は、著しく減少される。むしろ、エッチャントは、狭い帯(stripe)の間の溝に入ってAlAs犠牲層をエッチングでき、本処理は、帯の幅に依存して、ウエハー全体をエッチングするより5X〜10X速くなりうる。
【0048】
図3は、太陽電池の帯を加工するELOの作製手順を示す。帯状の薄膜太陽電池は、大面積にわたって集められる光をより小面積のデバイスに集中させる、単軸追跡の二次放物面型の集光器と、都合よく統合されるように用いられる。それは、鏡またはレンズにより、入射する平行な太陽光線の焦点を、点または線に合わせる。さらに、この処理は、様々な形状の太陽電池(たとえば、円形、長方形および六角形など)を用いることによって、二軸追跡の三次放物面型の集光器に適合するように変更されうる。
【0049】
(放物面型集光器の作製)
従来の複合放物面型集光器(CPC)は、設計されたCPCの受光角に依存して、約4X〜10Xという限定された集光係数を提供できるのみである。また、これらの集光器は、真空成形を用いる塑性変形技術では作製されることが困難である、高いアスペクト比を必要とする。
【0050】
低いアスペクト比で高い集光係数を実現するために、一実施形態では、CPCの代わりに放物面型集光器アレイの設計を用いた。集光係数は、放物面型集光器の開口面積と、太陽電池の帯の面積との比率を変更することによって、調整されうる。
【0051】
放物面型集光器アレイを作製するために、真空成形および炉を用いて、変形可能な媒質(たとえばポリマー)を、円筒状の放物面型小型集光器に成形できる。帯状の薄膜太陽電池の代わりに、帯状のSi太陽電池またはPoly−Si太陽電池も、単軸追跡の二次放物面型の集光器と、都合よく統合されるように用いられる。集光器の設計は、従来の放物面型集光器と同様であるが、安価なプラスチックによって作製される。なぜなら、従来の大型の集光器と比較して、小型版であるためである。これらのデザインは2D形状であるため、単軸に対する追跡を必要とするのみである。
【0052】
一実施形態では、このような集光器を作製するために、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PETG)シートを、その底部に孔を有する金型の上部にわたって、カプトン(登録商標)テープを用いて固定する。0.75mm厚のPETGシートは、その低いガラス遷移転移(81℃)に起因して、熱および真空状態を同時に与えることによって成形できるため、集光器に用いられる。孔を通して真空状態を与えながら、部品を60℃の炉に置く。〜15分間で、炉の温度を96℃に上昇させるにつれて、PETGは金型に引き込まれ、複合放物面形状を形成する。そして、集光器を金型から取り出した後、冷却する。
【0053】
図4(a)および(b)は、真空金型の概略図および写真を示し、図5(a)は、真空金型と同じ形状に変形されたプラスチックを示す。そして、Agなどの高反射性の金属格子を、円筒状の放物面型小型集光器の表面上に堆積させうる。この実施形態を、図5(b)に示す。カソードおよびアノード用の導体パッドも、後のデバイス統合のために、この表面のエッジ上にパターン形成されうる。
【0054】
この実施形態の成形されたアレイ全体は、(プラスチックおよび薄い金属膜を含んで完全に作製されうるため)非常に軽量であり、完成されると、多少限定されたフレキシブル性を有することができる。集光器は、反射性の表面を上にすると、焦点の線が集光器の開口面のちょうど中心に位置するように設計され、円筒状の放物面型小型集光器に入射する光を、完全に集光することを可能にする。
【0055】
フレキシブル材料は、一実施形態では、ポリイミドなどのプラスチック材料、または金属箔を含む。支持構造は、一般的に、25〜100μm、たとえば40〜60μmの範囲の厚さを有する。
【0056】
フレキシブル材料は、プラスチック材料を含む場合、一般的に、一表面上に導電性の金属被膜を有する。金属被膜の限定しない例としては、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属が挙げられ、特にAuが重視される。一実施形態では、支持基板上のAu層は、100〜500μm、たとえば200〜400μmの範囲の厚さを有する。
【0057】
(薄膜太陽電池の集光器との統合)
一実施形態では、高分子有機ケイ素、たとえばポリジメチルシロキサン(PDMS)などのエラストマースタンプを、本明細書で上述した方法を用いて作製できる。たとえば、金属化されてエピタキシャルに接合され、AlAs犠牲層までエッチングされて平行に隆起した帯を有する表面を金属化した、エラストマースタンプを作製できる。そして、上述した、改良されたELO法は、このエラストマースタンプ上に薄膜太陽電池の帯状のアレイを形成するために用いられる。この実施形態を、図6(a)に示す。続いて、太陽電池の上面にパターン形成し、太陽電池の上面を金属化して、当該表面からの照射および接触を可能にする。そして、カソードおよびアノード用の導体パッドを、当該表面上にパターン形成し、太陽電池のアレイを、後のデバイス統合のために冷間圧接で接合する。
【0058】
そして、エラストマーを約二倍の長さに引き伸ばし、円筒の周囲に巻き付ける。この実施形態を図6(b)に示す。最後に、円筒状の放物面型小型集光器アレイを直線状の(linear)搬送台に載せ、円筒を円筒状の放物面型小型集光器アレイに押し付けて(図7)、統合を完了する。
【0059】
直線状の搬送台は、円筒状の放物面型小型集光器アレイを保持できる台である。一実施形態では、この台は、図7に示すように、円筒の回転方向に沿って、制御された速度で搬送する。
【0060】
図7に示すように、集光器アレイおよび太陽電池の両方の接合表面上にある、カソードおよびアノード用の導体パッドを、エラストマースタンプの回転速度と、集光器アレイの搬送速度との正確な制御の下、位置合わせして互いに接触させる。
【0061】
そして、帯状の太陽電池のエッジを、円筒状の放物面型小型集光器アレイの側方の水平面に押し付ける。機械的圧力を加えることによる冷間圧接によって、太陽電池および小型集光器アレイを接合する。
【0062】
結果として得られる小型集光器アレイと統合された太陽電池の帯を、図8に示す。この統合されたデバイスは、円筒状の放物面型小型集光器内に通常入射する全ての光を集光でき、太陽電池の帯上に集中させる。個々の集光器の集光係数は、放物面型集光器の開口面積と、太陽電池の帯の面積との比率である。
【0063】
反射性のフレキシブル基板上に接合された薄膜多接合セルは、著しい追加コストを生じることなく、太陽光の集光器を薄膜セルと統合するための唯一の機会を提供する。一実施形態では、大きな、フレキシブル性および反射性のある膜の中心に接合された、ELOの単一接合セルまたは多接合セルからなる帯を開示する。そして、当該膜を、(熱伝導または能動冷却のプリフォームに配置することによって)複合放物面型集光器(たとえば、CPCまたはウィンストン集光器)の形状に成形する。この形状は、平行な太陽光をその焦点においてセルの帯上に集中させ、さらに、受光コーン内の拡散光を集める。
【0064】
小さな集光器を用いるさらなる利点としては、(集光器の向きに応じた日々または季節的な)単軸追跡の使用を可能にし、より高い集光に必要な受動冷却を簡単にする点が挙げられる。実際に、使用される非常に薄い基板は、熱の伝達をかなり簡単にし、計算は、受動冷却のCuヒートシンクに配置された、10Xの集光で、25mm厚のカプトン(登録商標)基板が、わずか5〜20℃の温度上昇をもたらし、より能動的な冷却方法を不要にすることを示す。
【0065】
一実施形態では、光起電性デバイス構造を作製する方法を開示し、本方法は、成長基板を準備することと、成長基板上に少なくとも一つの保護層を堆積することと、保護層上に少なくとも一つの犠牲層を堆積することと、犠牲層上に少なくとも一つの光活性セルを堆積することと、少なくとも一つの光活性セルから犠牲層まで延びる少なくとも二つの平行な溝のパターンをエッチングすることと、を含み、当該エッチングすることにより、当該構造の表面に、犠牲層と、光活性セルを含む平坦部とに延びる並んだ溝が形成される。
【0066】
開示された方法は、少なくとも一つの光活性セル上に少なくとも一つの金属を堆積することと、平坦部上に位置する光活性セルをホスト基板に接合することと、をさらに含んでもよい。これらの表面を接合するために用いられる方法の限定しない例としては、冷間圧接、熱アシスト冷間圧接または熱圧着から選択される直接接合方法が挙げられる。
【0067】
一実施形態では、ホスト基板は、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属を用いて金属化された、ポリジメチルシロキサン(PDMS)などのエラストマー材料を含む。
【0068】
上述したように、エラストマー材料を円形のスタンプに丸めて、犠牲層までエッチングされた光活性セルの平行に隆起した帯を含む平坦部を露出させてもよい。エラストマー材料を、円形のスタンプに丸める前に、二倍のサイズまで引き伸ばしてもよい。
【0069】
開示された方法は、犠牲層をエッチングして、薄膜太陽電池の帯状アレイを円形のスタンプ上に形成することをさらに含む。エッチングする方法の限定しない例としては、ウェットエッチャント、ドライエッチャントまたはそれらの組み合わせを用いて、犠牲層に接触することが挙げられる。
【0070】
たとえば、ウェットエッチャントは、HF、HPO、HCl、HSO、H、HNO、Cおよびそれらの組み合わせ、ならびにHOとの組み合わせを含んでもよい。ドライエッチャントは、プラズマを用いた反応性イオンエッチング(RIE)を含んでもよい。
【0071】
本方法は、パターン形成すること、金属化すること、およびそれらの組み合わせから選択される光活性セルの表面上に行われる追加の処理工程をさらに含んでもよい。当該処理工程は、フォトリソグラフィーの技術分野で既知である。
【0072】
一実施形態では、本方法は、少なくとも一つの円筒状の放物面型小型集光器アレイを、直線状の搬送台に載せることをさらに含む。円筒状の放物面型小型集光器アレイは、一般的に、真空および熱の下で成形されて、円筒状の放物面型小型集光器アレイを形成できるアミドなどのプラスチック材料を含む。また、円筒状の放物面型小型集光器アレイは、フレキシブル性のある金属を含んでもよい。プラスチックであるか金属であるかに関わらず、円筒状の放物面型小型集光器アレイは、10〜250μm、たとえば、15〜200μmもしくは20〜150μm、または25〜100μmの範囲の厚さを有してもよい。
【0073】
さらに、円筒状の放物面型小型集光器アレイは、プラスチックであるか金属であるかに関わらず、Au、Ag、Pt、Pd、NiおよびCuから選択される少なくとも一つの金属を用いて金属化されうる。
【0074】
太陽電池の集光器アレイへの統合に役立つように、小型集光器アレイおよび太陽電池は、カソードおよびアノード用の導体パッドをそれぞれ含んでもよく、当該導体パッドを、エラストマースタンプの回転速度と、集光器アレイの搬送速度との制御の下、位置合わせして互いに接触させる。
【0075】
エラストマースタンプの回転速度と、集光器アレイの搬送速度とを調整した後、本方法は、続いて、円形のスタンプ上に位置する少なくとも一つの光活性セルを、円筒状の放物面型小型集光器アレイに接合して、統合された太陽電池アレイを形成することを含む。
【0076】
こうして得られる円筒状の放物面型小型集光器アレイは、直線状の(linear)放物面反射鏡(当該反射鏡の焦線に沿って配置される光活性セル上に光を集中させる)を含む、放物面の凹形のデザインを有する。一実施形態では、光活性セルおよび直線状の放物面反射鏡は、反射損失を最小化するために、同一の曲率半径を有する。
【0077】
(薄膜の帯のELO)
エピタキシャルリフトオフ(ELO)において直面する様々な困難があるが、本開示に記載された方法が解決する。たとえば、ELOは、しばしば、説明したように遅い処理であり、非常に長い時間(現在、2”のウエハーにつき6時間〜10日)がかかる。ウエハーが、(HFなどの)リフトオフエッチャントに長時間位置すればするほど、除去することが困難な表面の酸化(すなわち酸化ヒ素)が発生する。したがって、エピタキシャルリフトオフの時間を短縮することによって、ウエハー表面を過度に損傷することを防止する。商業化によって、好ましくはより大きいウエハーが使用され、ELO時間は、ウエハーの直径と共におよそ線形的に増加する。ELOは、製造環境のボトルネックを提示しうる。
【0078】
また、原材料の利用率は、結局のところ、対象の反応炉(すなわち、MOCVDまたはMBE)の成長領域のプラテンにおける、ウエハーによる占有面積に関連し、一般的に、対象のサイズのプラテン上の円の充填によって制限される。この効率の上限は、円についての最大充填率である90.7%(すなわちn/12)であるが、ウエハーは、反応炉において通常接せず、また、周辺効果を説明すべきであるため、実用的には75%という値がより生じやすい。たとえば、図9に示すように、六角形配列に敷かれた7つの円形のウエハーに適合する円形のサセプタは、サセプタ面積の約77%を充填する。二つ目の例としては、サセプタの周囲に19個のウエハーを充填することであり、76%の充填率をもたらす。一般に、堆積技術において直面する、他の材料の使用損失があることに留意すべきである。
【0079】
パネルの領域を効率的に充填できる四角形のタイルを作り出すためにウエハーの一部を捨てる必要があったり、材料利用率を最大化するためにウエハー全体を使用すべきであったり、ウエハーの利用率とパネルの効率との最適化のバランスを取るために、ウエハーのエッジを部分的に切り捨てる(丸い角を有する四角形をもたらす)という妥協案を使用すべきであったりという理由から、円形のウエハーは、太陽電池パネルアレイを作製するには適さない形状である。大きなウエハーは壊れやすく、破損を考慮すると、小さいウエハーまたはウエハー部分より高いリスクを示す。
【0080】
減少した帯の幅は、リフトオフの速度を大幅に増加させる。帯は、(より小さいサイズおよび質量によって)本質的に破損しにくくなり、一つの帯が壊れても、ウエハー全体が壊れるより著しく安価であるため、より小さいリスクを示す。
【0081】
帯とは異なる他の最適な形状は、正方形である。一実施形態では、2”の正方形を一緒に配置してプラテンを充填すると、5時間というエッチング時間がかかった。しかし、終了時、正方形は箔基板上にぎっしりと充填され、効率的なモジュールアレイを形成していた。この場合、集光は必要なく、使用もされなかった。
【0082】
一実施形態では、上述した方法の組み合わせを包含する光起電性デバイスを作製する方法を記載する。たとえば、光起電性デバイスを作製する方法は、ウエハーなどの成長基板を準備することと、基板を複数の区分に分割することと、基板上に複数の薄膜層を堆積することと、本明細書に記載されるエピタキシャルリフトオフ処理を用いて、少なくとも一つの薄膜層から基板を剥離することと、を含んでもよい。
【0083】
一実施形態では、複数の区分は、図10に示すように、長方形および正方形から選択される形状を有する。
【0084】
本明細書に記載されるシステム、デバイスおよび方法は、単なる例示を目的とする、以下の限定しない例によってさらに説明される。
【0085】
(実施例)
以下の例は、ウエハーとエピタキシーとの間に挟まれる表面保護層を用いることによって、ウエハーの損傷をなくす、完全に非破壊的なELO(ND−ELO)法を示す。全ての固有の表面損傷と共に、表面保護層をどのように除去できたかを示すために、図1に示す構造を作製し、本発明の方法を用いて、プラズマ法と組み合わせられた、化学的な選択性のあるエッチャントを用いた。
【0086】
特に、希釈したフッ化水素酸を用いてAlAs犠牲層を選択的にエッチングすることによって、活性薄膜デバイス領域をリフトオフする。GaAs−InGaPが交互に重なる保護層と、AlAs犠牲層とを含む、エピタキシャル層の詳細を、以下でより詳細に説明する。
【0087】
図1に示すように、エピタキシャル構造を、一連の、保護層、犠牲層および活性デバイス層から構成した。格子整合したInGaP(100nm)およびGaAs(100nm)の保護層および緩衝層を、直径2インチの(100)GaAs親ウエハー上に、ガスソース分子線エピタキシー法(GSMBE)によって成長させ、AlAs犠牲剥離層を、保護層上に成長させた。続いて、デバイスを第2のプラスチック基板に接合した後、デバイスを従来の向きで作製できるように、活性デバイス領域を反転した順序で成長させ、これにより、ELOデバイス処理においてしばしば用いられる第2の移動工程をなくした。
【0088】
エピ成長構造の全体を図1に示すが、図における反転型のGaAs太陽電池の構造は、他の反転型の高効率III−V半導体太陽電池の構造によって、置換されうる。この構造に背面鏡を設置すると、活性吸収領域に光子を反射でき、二重吸収を実現できるため、この手段によれば、一回吸収のデバイスと比較して、同じ外部量子効率を維持しつつ、活性領域の厚さを半分に減少できた。
【0089】
GaAs基板をプラスチック基板に接合した後、HFに約5時間浸漬することによって、活性デバイス領域を親ウエハーからリフトオフした。ウエハーの再利用のために基板ウエハーの元の表面品質を取り戻すため、後述する、完全に非破壊的な二つの工程による洗浄手順を開発して用いた。
【0090】
まず、誘導結合プラズマによって表面を予備洗浄して、汚染物質の大部分を除去した。この洗浄手順を、基板だけでなく、ELO処理後に同様に汚染されるリフトオフ薄膜にも適用した。そして、エッチングがInGaP層で停止するまで、下のGaAs保護層を、リン酸をベースにしたエッチャント(HPO:H:HO(3:1:25))を用いて除去した。続いて、InGaP層を、希釈したHCl酸(HCl:HO(1:1))においてエッチングすることによって除去し、GaAs成長緩衝層を含む完全なエッチング選択性を提供した。希釈したHClによるエッチングは、自然酸化物を除去することによって、エピ準備の表面を作製するものとして周知であり、この最後の表面洗浄の工程が、高品質の再成長面を提供することを可能にした。
【0091】
各工程後の二乗平均平方根(RMS)の表面粗さを図2に示し、洗浄後に、元の表面形態に回復したことを確認する。そして、分離されたエピタキシャル膜は、太陽電池に組み立てられる。特に、図2は、GaAs親ウエハー基板の表面の原子間力顕微鏡(AFM)の図であり、(カラーバーによって示された)各工程後の二乗平均平方根(RMS)の表面粗さを示す。成長は、サブ−ナノメートルの表面粗さから始まった。しかし、犠牲層をエッチングすることによって、ELOの直後、粗さは一桁分増加した。プラズマ洗浄は、粒子を除去することによって、表面粗さを減少させる一方で、小さな物理的損傷は、下のGaAs保護層によって負担された。湿式化学洗浄を、残存するInGaPを除去するために用いた。
【0092】
本明細書の実施例の記載は、図示および説明の目的のために提供されている。本開示を網羅したり、限定することは意図されていない。特定の実施形態の、個々の構成要素または特徴は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、具体的に示されたり記載されたりしない場合でも、適用可能であれば置き換え可能であり、選択された実施形態において使用されうる。また、同様に、多くの方法で変更されてもよい。このような変更は、本開示から逸脱するとみなされるべきではなく、このような全ての改良は、本開示の範囲に含まれるように意図される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10