(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の好適な実施の形態を、図面を参照しつつ説明する。
(パチンコ機Pの外部構成)
本実施の形態に係る遊技機は、遊技媒体として遊技球を使用するパチンコ機Pである。特に図示していないが、一般的に、パチンコ機Pが設置される遊技場においては、島と呼ばれる遊技機の設置領域に、複数台のパチンコ機Pが並べて配設されるとともに、遊技球を貸し出すための遊技球貸出装置が各パチンコ機Pに隣接して設置される。また、各パチンコ機Pは対応する遊技球貸出装置R(
図4参照)に接続されている。
遊技球貸出装置Rは、紙幣の投入や遊技球の貸し出しに必要な価値情報が記憶される記憶媒体(カード)の挿入が可能となっている。そして、遊技球貸出装置Rに紙幣を投入(又は、カードを挿入)した上で、パチンコ機Pに対して所定の操作を行うことにより、遊技球貸出装置Rから遊技球の貸し出しを受けることができるようになっている。
【0013】
本実施の形態に係るパチンコ機Pは、
図1又は
図2に示すように、島に固定される四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する機枠1と、この機枠1にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられる四角形状の枠体であって、中空部(特に図示しておらず)を有する本体枠2と、この本体枠2にヒンジ機構(特に図示しておらず)により開閉自在に取り付けられ、正面に開口部(特に図示しておらず)が形成された前扉3と、を備えている。
【0014】
機枠1の左下部には、
図2に示すように、音声出力装置10としてのスピーカが設けられている。また、本体枠2の中空部には、遊技領域12を形成するための遊技盤11が収容されている。また、
図1に示すように、前扉3には、開口部を覆う透明板4と、透明板4の下方に位置し遊技球を受容可能な上皿6及び受皿7と、受皿7の右方に取り付けられ遊技球の発射操作を行うための操作ハンドル5と、透明板4の左右上方にそれぞれ1個ずつ取り付けられた音声出力装置10としてのスピーカと、が設けられている。
また、
図1に示すように、前扉3の外周には、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う演出ランプ23が設けられている。なお、この演出ランプ23は、特に図示していないが、複数色の発光が可能なLEDにより構成されている。
【0015】
このパチンコ機Pでは、機枠1に対して本体枠2を閉じ、さらに、前扉3を閉じると、遊技盤11の前方に間隙を挟んで透明板4が位置することとなる。これにより、透明板4を介して、後方に位置する遊技盤11を視認することができるようになっている。
【0016】
また、上皿6には、遊技球貸出装置により貸し出される遊技球や、パチンコ機Pから払い出される賞球が導かれるようになっている。上皿6は、所定量の遊技球を受容可能となっているが、この上皿6が遊技球で一杯になると、その後に貸し出されたり、払い出されたりする遊技球は受皿7に導かれるようになっている。また、受皿7の底面には、特に図示していないが、貯留されている遊技球を排出するための排出孔と、排出孔を開閉可能な開閉板と、が設けられている。常態において、排出孔は開閉板により閉じられているものの、開閉板と一体に取り付けられた開閉レバー8(
図1参照)を横方向に移動させることで、開閉板も同方向に移動し、排出孔が開放される。これにより、遊技球を排出孔から落下させて、受皿7の外に排出することができるようになっている。
【0017】
また、操作ハンドル5は、遊技者が所定方向へ向けて回転操作できるように形成されている。そして、遊技者が操作ハンドル5を回転操作すると、上皿6に受容されている遊技球が発射装置(特に図示しておらず)に送られ、発射装置によって、操作ハンドル5の回転角度に応じた強度で遊技球が発射される。このように発射された遊技球は、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bに案内されて上昇し、遊技盤11の遊技領域12に到達する。
【0018】
ここで、遊技領域12は、機枠1に対し本体枠2及び前扉3を閉じた状態で遊技盤11と透明板4との間に形成される空間のうち、遊技盤11に固定された一対のレール13a、13bにより略円形状に仕切られた部分であって、遊技球が流下可能な領域である。
この遊技領域12は、
図3に示すように、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て左側の領域である第1遊技領域12aと、パチンコ機Pに対向する遊技者から見て右側の領域である第2遊技領域12bとから構成されている。これら2つの遊技領域12は、発射装置の発射強度により、遊技球の進入可能性が異なるようになっている。具体的には、発射装置の発射強度が所定の強度未満(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達しない程度の強度)の場合には、遊技球は第1遊技領域12aに進入する。これに対して、発射装置の発射強度が所定の強度以上(発射装置により発射される遊技球が遊技領域12の最高地点に到達可能な強度)の場合には、遊技球は第2遊技領域12bに進入する。
【0019】
また、この遊技領域12内には、
図3に示すように、遊技球の流下方向を不規則にするための風車及び多数の釘と、遊技球が入球可能な一般入賞口14と、始動領域としての第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16と、遊技球が通過可能なゲート20と、所定条件を満たすことで作動するアタッカー装置17と、遊技球を遊技領域12外へ導くアウト口19と、遊技の進行等に伴って画像による演出を行う第1画像表示装置40と、第1画像表示装置40の手前側に配置された第2画像表示装置70及び回転灯ユニット80と、が設けられている。
さらに本実施の形態では、第2始動入賞口16として、第1始動入賞口15に隣接して配置される第2始動入賞口16Aと、第2始動入賞口16Aの側方に配置される第2始動入賞口16Bとの2つが設けられ、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16Aの上方には、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16Aに交互に遊技球を振り分ける振分装置150が設けられている。
【0020】
前記一般入賞口14は、
図3に示すように、遊技領域12の左側及び右側の下部に設けられており、当該一般入賞口14へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
なお、一般入賞口14の設置個数や設置位置は特に限定されるものではない。
【0021】
前記振分装置150は、
図3に示すように、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16Aの上方に配置された振分部材153と、遊技領域12を流下する遊技球を受け入れて振分部材153に誘導する導入口151と、第1遊技領域12aから第2遊技領域12bへと遊技球を誘導可能な誘導路152とを備えている。導入口151は、遊技球の直径よりも僅かに大きい開口幅を有しており、導入口151に導かれた遊技球は必ず振分部材153に向けて落下するように形成されている。またこの導入口151へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。振分部材153は、上方から受け入れた遊技球の進路を左右方向に変更することができる部材であり、周知のどのような形態のものであってもよい。誘導路152は、導入口151に受け入れられなかった遊技球を左から右に流下させる傾斜面を有する板部材である。
【0022】
また、振分部材153は誘導路152よりも奥側(遊技盤11の内部側)に配置されており、振分装置150の内部には、図示しないが、振分部材153によって左右に振り分けられた遊技球が流下する球通路が形成されている。これらの球通路は、振分部材153の下方左側の位置に設けられている第1始動入賞口15と、振分部材153の下方右側の位置に設けられている第2始動入賞口16Aにそれぞれ連通しており、振分装置150に進入した遊技球は、振分部材153によって、第1始動入賞口15と、第2始動入賞口16Aとに、交互に振り分けられることとなる。前述したように、振分装置150の導入口151へは、第1遊技領域12aを流下する遊技球が入球可能であるため、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16Aへは、第2遊技領域12bを流下する遊技球はほぼ入球できないようになっている。
なお、第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16Aに入球した遊技球は、遊技盤11の背面側に導出されるようになっている。
【0023】
また、振分装置150の側方に位置する第2始動入賞口16Bには、
図3に示すように、開閉可能な可動片160(普通電動役物)が設けられている。そして、可動片160が閉じているときには第2始動入賞口16Bが閉状態となっており、第2始動入賞口16Bへの遊技球の入球は不可能又は困難である。これに対して、可動片160が開くと、第2始動入賞口16Bが開状態となるとともに、この可動片160が遊技球を第2始動入賞口16Bへ向けて案内するガイド部材として機能することにより、第2始動入賞口16Bへの遊技球の入球が容易となる。そして、第2始動入賞口16Bは、第2遊技領域12bを流下する遊技球を受け入れ可能であるとともに、振分装置150の誘導路152を介して、第1遊技領域12aを流下する遊技球をも受け入れ可能となっている。
なお、可動片160の構成は特に限定されるものではなく、たとえば、遊技盤11に直交する軸を中心に左右方向に回動して第2始動入賞口16Bを開閉する一対の羽根部材や、水平な軸を中心に前後方向に回動して第2始動入賞口16Bを開閉する蓋部材により構成してもよいし、また、上下方向にスライドして第2始動入賞口16Bを開閉するシャッター部材により構成してもよい。
【0024】
そして、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出されるとともに、予め定められた複数の特別図柄の中から1の特別図柄を決定するための抽選(特別図柄の抽選)が行われる。各特別図柄には種々の遊技利益が対応付けられており、決定された特別図柄の種類に応じて、遊技者にとって有利な特別遊技の実行、所定の遊技状態の設定等の遊技利益を受けられるようになっている。
さらに、本実施の形態においては、第2始動入賞口16Aへ遊技球が入球した場合には、特別図柄の抽選とともに、後述する普通図柄の抽選も行われるようになっている。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16Bに設けられた可動片160が所定時間開かれるようになっている。
なお、第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて払い出される賞球は、1個以上であれば特に限定されるものではなく、いかなる個数にしてもよい。また、可動片160が設けられている始動入賞口(第2始動入賞口16B)と可動片160が設けられていない始動入賞口(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16A)とでは、賞球の数を同一にしてもよいし、異ならせてもよい。
【0025】
ゲート20は、
図3に示すように、振分装置150の右側に設けられている。このゲート20を遊技球が通過すると普通図柄の抽選が行われる。そして、当該抽選の結果が当たりであった場合、上述の第2始動入賞口16Bに設けられた可動片160が所定時間開かれるようになっている。ここで、ゲート20へは、第2遊技領域12bを流下する遊技球が入球可能となっているので、本実施の形態では、遊技球を第2遊技領域12bへ向けて打ち出した場合に、普通図柄の抽選が行われる可能性があることとなる。すなわち、遊技球を第2遊技領域12bへ向けて打ち出すと遊技球を第2始動入賞口16Bへ入球させることができ、特別図柄の抽選を受ける機会が増え、遊技球を第1遊技領域12aへ向けて打ち出した場合よりも有利な状態とすることができる。
【0026】
アタッカー装置17は、
図3に示すように、ゲート20の右斜め上方に設けられている。このアタッカー装置17は、遊技球が入球可能な大入賞口18と、この大入賞口18を開閉する開閉扉18bと、を備えている。常態においては、開閉扉18bが閉じられ大入賞口18は閉鎖されているため、当該大入賞口18への遊技球の入球は不可能となっているものの、上述の特別遊技が実行されると、開閉扉18bが開き大入賞口18が開放されるとともに、開閉扉18bが遊技球を大入賞口18へ導く受皿部材として機能することにより、大入賞口18への遊技球の入球が可能となる。
また、当該大入賞口18へ遊技球が入球すると、所定個数の賞球が払い出される。
【0027】
アウト口19は、
図3に示すように、遊技領域12の最下部に設けられており、一般入賞口14、振分装置150(第1始動入賞口15及び第2始動入賞口16A)、第2始動入賞口16B及び大入賞口18のいずれにも入球しなかった遊技球を受け入れるものである。そして、アウト口19に受け入れられた遊技球は、遊技盤11の背面側に導かれ回収される。
【0028】
第1画像表示装置40は、
図3に示すように、遊技領域12の略中央に配置された液晶表示装置である。第1画像表示装置40は、遊技盤11に形成された開口部11Aの内部に設置されており、正面側から動画や静止画等の画像を表示するための表示画面41が視認可能となっている。この表示画面41には、演出画像が表示されるほか、所定の演出態様の一部として、演出図柄50(ダミー図柄)が変動表示されるようになっている。そして、各演出図柄50の停止表示態様により、後述する抽選の結果が遊技者に報知されることとなる。
【0029】
第2画像表示装置70は、
図3に示すように、第1画像表示装置40の正面側に配置された小型の液晶表示装置である。第2画像表示装置70には、動画や静止画等の画像を表示するための表示画面71が設けられており、表示画面71には、通常時において遊技に関する情報や通常の演出画像が表示される他、特定の場合において、第1画像表示装置40による画像演出に合わせた演出画像が表示されるようになっている。また、第2画像表示装置70の裏面(表示画面71の反対側の面)は、種々の色彩で模様が描かれた装飾面72となっている(
図43(B)参照)。
【0030】
また、この第2画像表示装置70は、
図37に示すように、ベース板73と、アーム部74と、支持枠75とを備えた可動機構76に取り付けられている。ベース板73は、板面を前後方向にして配置された板部材であり、アーム部74はベース板73の左右端部から横方向に延設された棒状の部材である。アーム部74の側方端部は、遊技盤11の開口部11Aの縦縁部に支持されている。支持枠75は、ベース板73の正面に、前後方向の水平軸yを中心に回転可能に軸止されており、正面側に張り出す2つの支持片75Aを有している。そして、この2つの支持片75Aの間に、軸止部を介して第2画像表示装置70が取り付けられている。第2画像表示装置70は、2つの支持片75Aの軸止部を結ぶ軸xを中心に回転可能に形成されている。
【0031】
また、図示していないが、可動機構76には、第2画像表示装置70を回転させるための駆動部(駆動モータと駆動モータの動力を伝達する機構を含む。以下同様)、支持枠75を回転させるための駆動部が設けられ、遊技盤11の裏面には、アーム部74を上下動させるための駆動部が設けられている。これらの駆動部をあわせたものを、可動機構駆動部77(
図4参照)とする。そして、アーム部74の上下動により第2画像表示装置70が上下に移動し、支持枠75の回転により第2画像表示装置70が前後方向の水平軸yを中心に左右方向に回転し、加えて、第2画像表示装置70は、支持枠75の支持片75Aの間で、第2画像表示装置70の長手方向の中心軸(軸xと同じ)を中心に回転する。そして、アーム部77を上下動させながら支持枠75や第2画像表示装置70を回転させることにより、複雑な作動態様を作り出せるようになっている。このように、第2画像表示装置70は、画像表示装置として機能するだけでなく、それ自体が演出可動役物装置としても機能するようになっている。
【0032】
回転灯ユニット80は、
図3に示すように、第1画像表示装置40の正面側上方に配置されており、中央から割れてそれぞれが左右に移動可能なカバー部80A及び80Bの内部に、回転灯81を配置してある(
図38参照)。回転灯81は、特に図示していないが、光源である発光体の周囲を旋回可能な回転反射板を備え、発光体の照射光を回転反射板によって水平方向に反射可能に形成されているものである。
また、図示していないが、遊技盤11の裏面には、カバー部80A及び80Bを開閉(左右に移動)させるためのカバー駆動部85(
図4参照)が設けられている。そして、所定のタイミングで、カバー部80A及び80Bを開いたり閉じたりすることができるようになっている。すなわち、回転灯ユニット80は、発光表示装置として機能するだけでなく、演出可動役物装置としても機能するようになっている。
【0033】
なお、カバー部80A及び80Bは、上記した可動機構76のアーム部74よりも手前側に位置しており、回転灯81は、アーム部74に支持された第2画像表示装置70よりも奥側に位置するようになっている。そして、
図42(C)に示すように、第2画像表示装置70を最上位置まで上昇させると、開いた状態のカバー部80A及び80Bの間にすっぽり嵌まり込むように形成されている。第2画像表示装置70と回転灯ユニット80を用いた演出の詳細については後述する。
【0034】
なお、遊技盤11に設けられる演出を行う装置としては、上記したものの他に、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行う遊技盤演出ランプや、種々の色や発光パターンで発光することにより演出を行うとともに、パチンコ機Pの機種名を表示するタイトルランプ等を備えていてもよい。また、複数の演出役物装置を備えてもよい。
【0035】
ここで、
図3に示すように、遊技盤11の右下部であって、かつ、遊技領域12の外側には、遊技についての種々の状況を表示するための装置として、第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39、普通図柄表示装置32及び普通図柄保留表示装置33が設けられている。
【0036】
また、上述の如く、本実施の形態に係るパチンコ機Pには、遊技球貸出装置Rが電気的に接続されているが、遊技球の貸し出しやカードの排出等の遊技球貸出装置Rに対する操作を、パチンコ機Pで受け付けられるようにしている。そのため、パチンコ機Pには、
図1に示すように、カードに記憶されている価値情報(残高情報)を表示する価値情報表示装置35と、押下操作が可能な球貸ボタン36と、押下操作が可能なカード返却ボタン37と、が設けられている。
【0037】
(パチンコ機Pの制御手段の構成)
次に、パチンコ機Pの遊技や演出を制御する制御手段について説明する。
上述の制御手段は各種制御基板により構成されており、具体的には、
図4に示すように、パチンコ機Pの遊技の基本動作を制御する主制御基板100、遊技球の発射及び賞球の払い出しを制御する発射払出制御基板200、各種演出を制御する副制御基板300、及び、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400を備えている。
【0038】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、発射払出制御基板200及び副制御基板300が接続され、また、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400が接続されている。
さらに、主制御基板100及び発射払出制御基板200には、遊技進行上の種々の情報をパチンコ機Pの外部(たとえば、遊技場のホールコンピュータ等)に出力するための外部情報端子基板500が接続されている。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、発射払出制御基板200が遊技球の発射及び賞球の払い出しの双方を制御しているが、遊技球の発射を制御する基板(発射制御基板)と、賞球の払い出しを制御する基板(払出制御基板)とを別個に設けてもよい。
【0039】
また、特に図示していないが、本実施の形態に係るパチンコ機Pが備える各基板には電源基板が接続されている。この電源基板にはバックアップ電源が設けられており、パチンコ機Pに供給される電源の電圧値が所定値以下になった場合に電断と判断し、主制御基板100に電断信号を出力する。
【0040】
主制御基板100は、パチンコ機Pにおいて行われる遊技を制御するものであり、具体的には、遊技球が第1始動入賞口15又は第2始動入賞口16へ入球することを契機に開始される特図遊技、及び、遊技球がゲート20を通過し又は第2始動入賞口16Aへ入球することを契機に開始される普図遊技を制御する。
この主制御基板100は、
図4に示すように、各種演算処理を行うメインCPU101と、遊技を進行するための制御プログラム、遊技に必要なデータやテーブル等を格納するメインROM102と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるメインRAM103と、を備えている。
そして、メインCPU101は、後述する各検出センサやタイマからの信号に基づき、メインROM102に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、メインCPU101に接続されている各種装置の制御や、演算処理の結果に基づく他の基板へのコマンド送信等を行う。
【0041】
また、
図4に示すように、主制御基板100には、一般入賞口14へ遊技球が入球したことを検出する一般入賞口検出センサ14aと、第1始動入賞口15へ遊技球が入球したことを検出する第1始動入賞口検出センサ15aと、第2始動入賞口16Aへ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口第1検出センサ16aと、第2始動入賞口16Bへ遊技球が入球したことを検出する第2始動入賞口第2検出センサ16bと、大入賞口18へ遊技球が入球したことを検出する大入賞口検出センサ18aと、ゲート20を遊技球が通過したことを検出するゲート検出センサ20aと、遊技盤11に向けられる磁気や電波等を検出する不正検出センサ35と、が接続されている。そして、これらの各検出センサから出力される検出信号が、主制御基板100に入力されるようになっている。
【0042】
さらに、主制御基板100には、制御の対象となる機器として、第2始動入賞口16Bの可動片160を開閉駆動する始動入賞口ソレノイド16dと、大入賞口18の開閉扉18bを開閉駆動する大入賞口ソレノイド18cと、第1特別図柄表示装置30と、第2特別図柄表示装置31と、普通図柄表示装置32と、第1特図保留表示装置38と、第2特図保留表示装置39と、普通図柄保留表示装置33と、が接続されている。
そして、主制御基板100によって、各ソレノイドが駆動されることで第2始動入賞口16Bや大入賞口18の開閉制御がなされ、また、各表示装置の表示制御がなされるようになっている。
【0043】
発射払出制御基板200は、特に図示していないが、主制御基板100と同様に、CPU、ROM及びRAMを備えており、主制御基板100と双方向に通信可能となるように接続されている。
【0044】
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球の発射を制御するための機器として、操作ハンドル5に遊技者が触れたことを検出するタッチセンサ5aと、操作ハンドル5の操作角度(回転角度)を検出する操作ボリューム5bと、遊技球の発射を停止する発射停止スイッチ5cと、上皿6に受容されている遊技球を発射装置(図示しておらず)に送る球送りソレノイド60と、遊技球を発射する発射モータ61と、が接続されている。また、タッチセンサ5a、操作ボリューム5b及び発射停止スイッチ5cから出力される制御信号が、発射払出制御基板200に入力されるようになっている。
【0045】
そして、タッチセンサ5a及び操作ボリューム5bからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61を通電して遊技球を発射させる制御がなされる。これに対して、発射停止スイッチ5cからの制御信号が発射払出制御基板200に入力されると、球送りソレノイド60及び発射モータ61の通電を止めて遊技球の発射を停止させる制御がなされる。
なお、遊技球を発射する装置としては、発射モータ61ではなく、ロータリーソレノイドを用いてもよい。
【0046】
また、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、遊技球の払い出しを制御するための機器として、遊技球貯留部(特に図示しておらず)に貯留されている遊技球を賞球として払い出す払出モータ62と、払い出された遊技球を検出して計数する払出計数スイッチ63と、が接続されている。そして、主制御基板100から送信される払出数コマンドを発射払出制御基板200が受信すると、当該発射払出制御基板200は、この払出数コマンドに基づいて所定個数の遊技球(賞球)を払い出すように払出モータ62を制御する。このとき、払い出された遊技球の個数が払出計数スイッチ63によって計数され、所定個数の遊技球(賞球)が払い出されたか否かの判定が可能となっている。
【0047】
さらに、発射払出制御基板200には、
図4に示すように、前扉3の開放状態を検出する前扉開放検出センサ3aと、受皿7の満タン状態を検出する受皿満タン検出センサ7aと、が接続されている。
前扉開放検出センサ3aは、前扉3が開放されていることを検出すると開放検出信号を発射払出制御基板200に出力するようになっており、前扉3の開放中は、開放検出信号が連続して出力される。そして、発射払出制御基板200は、開放検出信号が入力されると、扉開放コマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、開放検出信号の入力が止まると、前扉3が閉じられたと判断し、扉閉鎖コマンドを主制御基板100に送信する。
【0048】
受皿満タン検出センサ7aは、賞球として払い出される遊技球を上皿6から受皿7に導く案内通路の所定位置に設けられており、遊技球が当該所定位置を通過するたびに、検出信号が発射払出制御基板200に出力されるようになっている。そして、受皿7に所定量以上の遊技球が貯留されて満タン状態になると、案内通路内に遊技球が滞留し、検出信号が発射払出制御基板200に対して連続的に出力されることとなる。発射払出制御基板200は、検出信号が所定時間連続して入力されることにより、受皿7が満タン状態であると判断して、受皿満タンコマンドを主制御基板100に送信する。これに対して、発射払出制御基板200への検出信号の連続的な入力が途絶えると、受皿7の満タン状態が解除されたものと判断し、受皿満タン解除コマンドを主制御基板100に送信する。
【0049】
また、本実施の形態では、上述の如く、発射払出制御基板200には、遊技球貸出装置Rへの操作を中継する遊技球貸出制御基板400が接続されている。換言すれば、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、発射払出制御基板200が、遊技球貸出制御基板400を介して遊技球貸出装置Rに接続されている。
また、
図4に示すように、発射払出制御基板200には、遊技球貸出制御基板400を介して、価値情報表示装置35と、球貸ボタン36の押下操作を検出する球貸スイッチ36aと、カード返却ボタン37の押下操作を検出するカード返却スイッチ37aと、が接続されている。
【0050】
球貸ボタン36が押下操作されると、球貸スイッチ36aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、遊技球の貸し出しを要求する貸出要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが貸出要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rにより、記憶されている価値情報から所定の価値情報を減算する処理がなされるとともに、減算された価値情報に対応する個数の遊技球を払い出す制御がなされる。
また、カード返却ボタン37が押下操作されると、カード返却スイッチ37aから出力される検出信号が発射払出制御基板200に入力され、当該発射払出制御基板200は、遊技球貸出装置Rに対して、カードの返却を要求する返却要求信号を送信する。そして、遊技球貸出装置Rが返却要求信号を受信すると、当該遊技球貸出装置Rによりカードを排出する制御がなされる。
【0051】
副制御基板300は、遊技中や待機中等に実行される演出を制御するものである。
この副制御基板300は、
図4に示すように、各種演算処理を行うサブCPU301と、演出を実行するための制御プログラム、演出の実行に必要なデータやテーブル等を格納するサブROM302と、演算処理時の一時記憶領域等として用いられるサブRAM303と、を備えており、主制御基板100から副制御基板300への一方向に通信可能となるように接続されている。
そして、サブCPU301は、主制御基板100から送信されるコマンドやタイマからの信号に基づき、サブROM302に格納されている制御プログラムを読み出して演算処理を行うとともに、画像表示を制御するための画像制御基板(特に図示しておらず)、音声出力を制御するための音声制御基板(特に図示しておらず)、回転灯81や演出ランプ23や照明の点灯を制御するための電飾制御基板(特に図示しておらず)、可動機構駆動部77やカバー駆動部85を制御するための役物駆動基板(特に図示しておらず)に、演出実行用のコマンドを送信する。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、音声制御基板と電飾制御基板とを別個に設けているが、これらの基板の機能を集約した1枚の基板(音声電飾制御基板)を設け、当該基板により、音声出力及び照明の点灯のいずれをも制御するようにしてもよい。
【0052】
また、副制御基板300には、画像制御基板を介して第1画像表示装置40、第2画像表示装置70が接続され、音声制御基板を介して音声出力装置10が接続されている。また、この副制御基板300には、電飾制御基板を介して、回転灯81、演出ランプ23が接続され、役物駆動基板を介して可動機構駆動部77、カバー駆動部85が接続されている。
【0053】
画像制御基板は、特に図示していないが、CPU、ROM、RAM及びVRAM等を備えている。この画像制御基板のROMには、第1画像表示装置40及び第2画像表示装置70に表示される図柄、背景等の画像データが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、CPUが、ROMから読み出した画像データをVRAMに記憶することによって、第1画像表示装置40及び第2画像表示装置70による画像表示を制御する。
【0054】
音声制御基板は、特に図示していないが、サウンドチップ(CPU)、サウンドROM及びサウンドRAM等を備えている。サウンドROMには、音声出力装置10から出力される音声、BGM等のサウンドデータが格納されている。そして、副制御基板300から送信されたコマンドに基づき、サウンドROMから読み出したサウンドデータをサウンドRAMに記憶することによって、音声出力装置10からの音声出力を制御する。
電飾制御基板は、副制御基板300から送信された演出の実行に関するコマンドを受信すると、対応する発光装置を所定の色や発光パターンで発光させる制御を実行可能となっている。
役物駆動基板は、副制御基板300から送信された演出の実行に関するコマンドを受信すると、対応する駆動部を所定の態様で駆動させる制御を実行可能となっている。
【0055】
(パチンコ機Pの遊技の概要)
次に、本実施の形態のパチンコ機Pにおける遊技について、メインROM102に格納されている各種テーブルに基づいて説明する。
上述の如く、本実施の形態のパチンコ機Pは、特図遊技と普図遊技の遊技が並行して進行するものである。これら両遊技を進行する際の遊技状態としては、低確率遊技状態(いわゆる非確変状態)又は高確率遊技状態(いわゆる確変状態)のいずれかの遊技状態と、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれかの遊技状態と、これらが組み合わされたいずれかの遊技状態が設定されるようになっている。
【0056】
ここで、低確率遊技状態は、後述する大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が所定の値に設定された遊技状態である。また、高確率遊技状態は、大当たりの抽選によって大当たりに当選する確率が低確率遊技状態よりも高い値に設定された遊技状態である。すなわち、低確率遊技状態中よりも高確率遊技状態中のほうが、大当たりの抽選によって大当たりに当選しやすくなっている。
また、非時短遊技状態は、可動片160が開きにくく(すなわち、第2始動入賞口16Bが開状態となりにくく)、第2始動入賞口16Bへ遊技球が入球しにくい遊技状態である。また、時短遊技状態は、非時短遊技状態よりも可動片160が開きやすく(すなわち、第2始動入賞口16Bが開状態となりやすく)、第2始動入賞口16Bへ遊技球が入球しやすい遊技状態である。
本実施の形態においては、遊技状態は、低確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合せた遊技状態(以下通常状態という)、高確率遊技状態及び時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下高確時短状態という)、高確率遊技状態及び非時短遊技状態を組み合わせた遊技状態(以下高確非時短状態という)のいずれかに設定されるようになっている。そして、工場出荷直後やリセット後の初期状態においては、通常状態が設定されるようになっている。
【0057】
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が、第1始動入賞口15に入球し第1始動入賞口検出センサ15aに検出された場合、第2始動入賞口16Aに入球し第2始動入賞口第1検出センサ16aに検出された場合、及び第2始動入賞口16Bに入球し第2始動入賞口第2センサ16bに検出された場合に、遊技者に遊技利益を付与するか否かを決定する大当たりの抽選が行われる。そして、この大当たりの抽選によって大当たりに当選すると、大入賞口18が開放され当該大入賞口18へ遊技球を入球させることが可能となる特別遊技が実行され、さらに、当該特別遊技の終了後の遊技状態が、高確時短状態又は高確率非時短状態のいずれかの遊技状態に設定されるようになっている。
【0058】
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機Pにおいては、上述のように、第1遊技領域12aを流下する遊技球は振分装置150(第1始動入賞口15、第2始動入賞口16A)への入球及び第2始動入賞口16Bへの入球が可能となっており、第2遊技領域12bを流下する遊技球はゲート20の通過、第2始動入賞口16Bへの入球、大入賞口18への入球が可能となっている。そして、非時短遊技中(すなわち、通常遊技状態中、又は、高確率非時短状態中)は、振分装置150及び第2始動入賞口16Bへ遊技球を入球させるべく、遊技者に第1遊技領域12a内への遊技球の打ち出し(いわゆる左打ち)を行わせ、時短遊技状態中(すなわち、高確時短状態中)、及び、特別遊技中は、ゲート20及び第2始動入賞口16B又は大入賞口18へ遊技球を入球させるべく、遊技者に第2遊技領域12b内への遊技球の打ち出し(いわゆる右打ち)を行わせるようになっている。具体的には、特別遊技中及び時短遊技状態中は、第1画像表示装置40において、第2遊技領域12b内へ遊技球を打ち出す旨を指示する表示が行われ、非時短遊技状態が設定されると、第1画像表示装置40において、第1遊技領域12a内への遊技球の打ち出しに戻す旨を指示する表示が行われる。
【0059】
前記大当たりの抽選は、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bにより遊技球が検出されることを契機に取得される種々の乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための各種テーブルに基づいて、行われる。
ここで、本実施の形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係る乱数として、大当たりの判定に用いられる大当たり決定乱数、特別図柄の種別の決定に用いられる当たり図柄乱数、並びに、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出パターン(変動演出の態様、変動時間の組み合わせ)の決定に用いられるリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数を有している。
【0060】
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pにおいて、上述の大当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この大当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、変動演出パターンは、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせにより構成されるものである。すなわち、変動演出の態様及び変動時間の組み合わせを決定することによって、変動演出パターンが決定されるようになっている。この変動演出パターンの決定に用いられる乱数は上述の3種類に限定されるものではなく、たとえば、これらの乱数に加えて他の乱数を用いてもよいし、これらの乱数のうちいずれか1又は複数の乱数を用いてもよい。
【0061】
そして、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出したタイミングで、すなわち各検出センサの検出信号を受信したタイミングで、上述の各乱数値が取得されるとともに、各乱数値がメインRAM103の保留記憶領域に記憶されるようになっている。
この保留記憶領域は、第1始動入賞口検出センサ15aによる遊技球の検出に基づき取得される各乱数値(以下、第1特図乱数という)を記憶するための第1保留記憶領域、及び、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bによる遊技球の検出に基づき取得される各乱数値(以下、第2特図乱数という)を記憶するための第2保留記憶領域から構成されている。そして、これらの保留記憶領域は、それぞれ第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、第1特図乱数を計4組、第2特図乱数を計4組記憶可能となっている。
【0062】
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口検出センサ15aが遊技球を検出することに基づいて、第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。たとえば、第1保留記憶領域のいずれの記憶部にも第1特図乱数が記憶されていない状態において、第1始動入賞口検出センサ15aが遊技球を検出した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第1記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口検出センサ15aが遊技球を検出した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第2記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部及び第2記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口検出センサ15aが遊技球を検出した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第3記憶部に記憶される。また、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第3記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口検出センサ15aが遊技球を検出した場合には、これを契機に取得される第1特図乱数が、第1保留記憶領域の第4記憶部に記憶される。そして、第1保留記憶領域の第1記憶部〜第4記憶部に第1特図乱数が記憶されている状態において、第1始動入賞口検出センサ15aが遊技球を検出しても、第1特図乱数は記憶されない。
【0063】
同様に、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出すると、第2特図乱数が、第2保留記憶領域の第1記憶部から順に記憶されるようになっている。具体的な記憶の処理については、上述の第1特図乱数の記憶と同様であるため、説明を省略する。
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数の組数(以下、第1特図保留数という)は、第1特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶され、第2保留記憶領域に記憶されている第2特図乱数の組数(以下、第2特図保留数という)は、第2特図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0064】
さらに、本実施の形態では、第1保留記憶部及び第2保留記憶部の各記憶部に、第1保留記憶部及び第2保留記憶部をあわせて各記憶部に記憶された順番(すなわち乱数が取得された順番)に関する情報を記憶するようになっている。例えば、パチンコ機Pの初期状態において最初に記憶された乱数値については1番目に係る順番の情報が記憶され、その次に記憶された乱数値については2番目に係る順番の情報が記憶され、8番目に記憶された乱数値については8番目に係る順番の情報が記憶される。その後、9番目に記憶された乱数値については1番目に係る順番の情報が記憶され、以下これを繰り返す。
なお、本明細書においては、上述のように、第1特図乱数や第2特図乱数が保留記憶領域に記憶されることを「保留」というものとし、保留記憶領域に記憶されている第1特図乱数や第2特図乱数の組数を「保留数」というものとする。
【0065】
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pは、大当たりの抽選に係るテーブルとして、大当たり決定乱数判定テーブル110、当たり図柄乱数判定テーブル111、リーチグループ決定乱数判定テーブル112、リーチモード決定乱数判定テーブル113、及び、変動パターン抽選テーブル114を有している。
なお、大当たりの抽選に係るテーブルはこれらに限定されるものではなく、他に、乱数に基づく判定や決定を行う必要がある場合には、適宜、テーブルを設けてもよい。
【0066】
大当たり決定乱数判定テーブル110は、大当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図5に示すように、低確率遊技状態において参照される低確率判定テーブル110aと、高確率遊技状態において参照される高確率判定テーブル110bと、を備えている。
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出すると、0〜65535の数値範囲内で1個の大当たり決定乱数が取得される。そして、大当たりの抽選を行う時点の遊技状態に応じて、低確率判定テーブル110a又は高確率判定テーブル110bのいずれかの大当たり決定乱数判定テーブル110が選択され、取得された大当たり決定乱数と選択された大当たり決定乱数判定テーブル110とに基づいて大当たりの抽選が行われる。
【0067】
図5(a)に示すように、低確率判定テーブル110aによれば、大当たり決定乱数が10001〜10220であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、10221〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この低確率判定テーブル110aにおける大当たりの当選確率はおよそ1/298となる。
【0068】
また、
図5(b)に示すように、高確率判定テーブル110bによれば、大当たり決定乱数が10001〜11119であった場合に大当たりと判定され、これ以外の大当たり決定乱数(0〜10000、11120〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この高確率判定テーブル110bにおける大当たりの当選確率はおよそ1/59となる。
すなわち、高確率判定テーブル110bは、低確率判定テーブル110aに比べて、大当たりの当選確率がおよそ5倍となるように設定されている。
【0069】
なお、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜10220)は、高確率判定テーブル110bにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数(10001〜11119)に含まれるように設定されている。すなわち、低確率判定テーブル110aにおいて大当たりと判定される大当たり決定乱数は、高確率判定テーブル110bにおいても大当たりと判定されることとなる。
【0070】
当たり図柄乱数判定テーブル111は、特別図柄の種別を決定するためのものであって、
図6に示すように、第1特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第1始動入賞口判定テーブル111aと、第2特図乱数によって大当たりに当選した場合に参照される第2始動入賞口判定テーブル111bと、を備えている。
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出すると、0〜199の数値範囲内で1個の当たり図柄乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によって大当たりに当選した場合に、遊技球が入球した始動入賞口に応じて、第1始動入賞口判定テーブル111a又は第2始動入賞口判定テーブル111bのいずれかの当たり図柄乱数判定テーブル111が選択され、取得された当たり図柄乱数と選択された当たり図柄乱数判定テーブル111とに基づいて、特別図柄の種別が決定される。
【0071】
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選した場合に決定される特別図柄(以下、大当たり図柄という)として3種類の特別図柄(X1、X2、X3)が設けられており、また、ハズレの場合に決定される特別図柄(以下、ハズレ図柄という)として2種類の特別図柄(Y1、Y2)が設けられている。
【0072】
図6(a)に示すように、第1始動入賞口判定テーブル111aによれば、当たり図柄乱数が0〜59であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が60〜179であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が180〜199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第1始動入賞口判定テーブル111aにおいては、特別図柄X1が決定される確率は30%、特別図柄X2が決定される確率は60%、特別図柄X3が決定される確率は10%となっている。
【0073】
また、
図6(b)に示すように、第2始動入賞口判定テーブル111bによれば、当たり図柄乱数が0〜119であった場合に特別図柄X1が決定され、当たり図柄乱数が120〜179であった場合に特別図柄X2が決定され、当たり図柄乱数が180〜199であった場合に特別図柄X3が決定される。すなわち、この第2始動入賞口判定テーブル111bにおいては、特別図柄X1が決定される確率は60%、特別図柄X2が決定される確率は30%、特別図柄X3が決定される確率は10%となっている。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、いずれの当たり図柄乱数判定テーブル111であっても、同一の大当たり図柄が決定されるようになっているが、これに限定されるものではなく、各テーブルにおいて異なる大当たり図柄が決定されるようにしてもよい。
【0074】
また、第1特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y1が決定される。また、第2特図乱数に基づく大当たりの抽選によりハズレとなった場合には、当たり図柄乱数に基づく上述の抽選を行わずに、ハズレ図柄として特別図柄Y2が決定される。
すなわち、当たり図柄乱数判定テーブル111は、大当たりに当選した場合にのみ参照され、ハズレの場合には参照されないようになっている。
【0075】
リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、変動演出パターン(変動態様、変動時間)の決定に用いられるリーチモード決定乱数判定テーブル113が属するグループを決定するためのものである。本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に、当該結果を報知する変動演出パターンを決定するにあたり、その前段階として、リーチグループ決定乱数とリーチグループ決定乱数判定テーブル112により、グループの種別が決定される。
このリーチグループ決定乱数判定テーブル112は、遊技状態ごと、及び、保留数ごとに複数設けられている。ここでは、
図7に示すように、遊技状態が非時短遊技状態であってかつ大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に選択されるリーチグループ決定乱数判定テーブル112についてのみ詳述し、他のリーチグループ決定乱数判定テーブル112の説明は省略する。
【0076】
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出すると、0〜10006の数値範囲内で1個のリーチグループ決定乱数が取得される。そして、上述の大当たりの抽選によってハズレとなった場合に、当該大当たりの抽選を行う時点の遊技状態、及び、保留数に応じて、リーチグループ決定乱数判定テーブル112が選択され、取得されたリーチグループ決定乱数と選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別が決定される。
【0077】
具体的には、遊技状態が非時短遊技状態であり、かつ、第1特図乱数又は第2特図乱数に基づく大当たりの抽選の結果がハズレとなったときにおいて、当該抽選時の第1特図乱数及び第2特図乱数を合わせた保留数が0〜3であった場合、すなわち、第1特図保留数カウンタに記憶されている保留数と第2特図保留数カウンタに記憶されている保留数の合計値が0〜3であった場合には、第1判定テーブル112aが選択され、当該抽選時の第1特図乱数及び第2特図乱数を合わせた保留数が4〜7であった場合には、第2判定テーブル112bが選択される(
図7(a)及び(b)参照)。
【0078】
そして、
図7(a)に示すように、第1判定テーブル112aによれば、リーチグループ決定乱数が0〜3999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が4000〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
また、
図7(b)に示すように、第2判定テーブル112bによれば、リーチグループ決定乱数が0〜5999であった場合に「第1グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が6000〜8999であった場合に「第2グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9000〜9899であった場合に「第3グループ」が決定され、リーチグループ決定乱数が9900〜10006であった場合に「第4グループ」が決定される。
【0079】
また、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、グループの種別を決定することなく、リーチモード決定乱数判定テーブル113が決定されるようになっている。すなわち、リーチグループ決定乱数判定テーブル112は、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合にのみ参照され、大当たりであった場合には参照されない。
【0080】
リーチモード決定乱数判定テーブル113は、変動演出パターン(変動演出の態様及び変動時間)の決定に用いられる変動モード番号を決定するとともに、後述する変動パターン番号の決定に用いられる変動パターン抽選テーブル114を決定するためのものである。
このリーチモード決定乱数判定テーブル113は、大別して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に参照されるハズレ用判定テーブルと、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に参照される大当たり用判定テーブルと、を備えている。
【0081】
また、ハズレ用判定テーブルは、上述のように決定されたグループの種別ごとに複数設けられている。ここでは、
図8(a)〜(d)に示すように、「第1グループ」が決定された場合に参照される第1グループ用判定テーブル113a、「第2グループ」が決定された場合に参照される第2グループ用判定テーブル113b、「第3グループ」が決定された場合に参照される第3グループ用判定テーブル113c、「第4グループ」が決定された場合に参照される第4グループ用判定テーブル113dについて説明し、他のハズレ用判定テーブルの説明は省略する。
【0082】
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出すると、0〜2038の数値範囲内で1個のリーチモード決定乱数が取得される。そして、上述したグループの種別の抽選によりグループが決定された場合に、この決定されたグループの種別に対応するハズレ用判定テーブルが選択され、取得されたリーチモード決定乱数と選択されたハズレ用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号、及び、変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0083】
具体的には、たとえば、上述したグループの種別の抽選により「第1グループ」が決定された場合に第1グループ用判定テーブル113aが選択され、「第2グループ」が決定された場合に第2グループ用判定テーブル113bが選択され、「第3グループ」が決定された場合に第3グループ用判定テーブル113cが選択され、「第4グループ」が決定された場合に第4グループ用判定テーブル113dが選択される(
図8(a)〜(d)参照)。
【0084】
そして、
図8(a)に示すように、第1グループ用判定テーブル113aによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「00H」(最後尾に「H」が付された英数字は16進数表記。以下、同様)という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第1変動テーブル114aが選択される。
また、
図8(b)に示すように、第2グループ用判定テーブル113bによれば、リーチモード決定乱数が0〜1999であった場合に、「00H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。また、リーチモード決定乱数が2000〜2038であった場合に、「01H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第2変動テーブル114bが選択される。
また、
図8(c)に示すように、第3グループ用判定テーブル113cによれば、リーチモード決定乱数が0〜2038であった場合に(すなわち、リーチモード決定乱数がいかなる値であっても)、「02H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。
さらに、
図8(d)に示すように、第4グループ用判定テーブル113dによれば、リーチモード決定乱数が0〜1899であった場合に、「03H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第3変動テーブル114cが選択される。また、リーチモード決定乱数が1900〜2038であった場合に、「04H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第4変動テーブル114dが選択される。
【0085】
また、大当たり用判定テーブルは、大当たりの抽選時(すなわち、大当たりの当選時)の遊技状態ごと、及び、大当たりとなった場合に決定された大当たり図柄の種別ごとに複数設けられている。
ここでは、
図9(a)及び(b)に示すように、非時短遊技状態において特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合に参照される第1大当たり用判定テーブル113e、及び、非時短遊技状態において特別図柄X3が決定された場合に参照される第2大当たり用判定テーブル113fについて説明し、他の大当たり用判定テーブルの説明は省略する。
【0086】
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、大当たりに当選し特別図柄の種別が決定された場合に、決定された特別図柄の種別、及び、大当たりの抽選時の遊技状態に対応する大当たり用判定テーブルが選択される。そして、上述したハズレ用判定テーブルに基づく決定の場合と同様に、取得されたリーチモード決定乱数と選択された大当たり用判定テーブルとに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114が決定される。
【0087】
具体的には、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合に、第1大当たり用判定テーブル113eが選択され、非時短遊技状態において大当たりに当選し特別図柄X3が決定された場合に、第2大当たり用判定テーブル113fが選択される(
図9(a)及び(b)参照)。
【0088】
そして、
図9(a)に示すように、第1大当たり用判定テーブル113eによれば、リーチモード決定乱数が0〜199であった場合に、「30H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が200〜1299であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第30変動テーブル114eが選択される。また、リーチモード決定乱数が1300〜2038であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第31変動テーブル114fが選択される。
また、第2大当たり用判定テーブル113fによれば、リーチモード決定乱数が0〜1399であった場合に、「31H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。また、リーチモード決定乱数が1400〜2038であった場合に、「32H」という変動モード番号が決定されるとともに、変動パターン抽選テーブル114として第32変動テーブル114gが選択される。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルが設けられているが、始動入賞口の種別を考慮して、大当たりの抽選時の遊技状態ごと、始動入賞口の種別ごと、及び、大当たり図柄の種別ごとに大当たり用判定テーブルを設けるようにしてもよい。
【0089】
変動パターン抽選テーブル114は、変動演出パターン(変動演出の態様及び変動時間)の決定に用いられる変動パターン番号を決定するためのものであり、多数設けられている。
ここでは、
図10(a)〜(g)に示すように、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合に決定される第1変動テーブル114a、第2変動テーブル114b、第3変動テーブル114c及び第4変動テーブル114d、並びに、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合に決定される第30変動テーブル114e、第31変動テーブル114f及び第32テーブル114gについて説明し、他の変動パターン抽選テーブル114の説明は省略する。
【0090】
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bが遊技球を検出すると、0〜249の数値範囲内で1個の変動パターン乱数が取得される。そして、取得された変動パターン乱数と、上述の変動モード番号とともに決定された変動パターン抽選テーブル114とに基づいて、変動パターン番号が決定される。
たとえば、
図10(a)に示すように、第1変動テーブル114aによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「00H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「01H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(d)に示すように、第4変動テーブル114dによれば、変動パターン乱数が0〜119であった場合に「03H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が120〜249であった場合に「04H」という変動パターン番号が決定される。
【0091】
また、
図10(e)に示すように、第30変動テーブル114eによれば、変動パターン乱数が0〜124であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が125〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。また、
図10(g)に示すように、第32変動テーブル114gによれば、変動パターン乱数が0〜59であった場合に「30H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が60〜149であった場合に「31H」という変動パターン番号が決定され、変動パターン乱数が150〜249であった場合に「32H」という変動パターン番号が決定される。
なお、同様に、他の変動パターン抽選テーブル114によっても、所定の変動パターン乱数に対応して、所定の変動パターン番号が決定されるようになっている(
図10参照)。
【0092】
以上のように、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、変動開始時に、上述のような大当たりの抽選が行われるとともに、大当たりの抽選が行われると、大当たりの抽選の結果、大当たりの抽選時の遊技状態及び保留数等に応じて、変動モード番号及び変動パターン番号が決定される。
そして、変動モード番号及び変動パターン番号は、変動演出パターンを特定するためのものであり、上述の如く、変動モード番号及び変動パターン番号により、変動演出の態様及び変動時間が定められるようになっている。
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、変動演出が前半部分と後半部分に分けられている。そして、変動演出の前半部分の態様及び変動時間は、変動モード番号により決定され、変動演出の後半部分の態様及び変動時間は、変動パターン番号により決定されるようになっている。
【0093】
次に、特図遊技における変動演出の変動時間の決定処理や特別遊技の制御について説明する。
本実施の形態に係るパチンコ機Pは、上述の各種処理や特別遊技の制御を行うためのテーブルとして、変動時間決定テーブル115、特別電動役物作動テーブル116、及び、遊技状態設定テーブル117等を備えている。
【0094】
変動時間決定テーブル115は、変動演出の変動時間を決定するためのものである。本実施の形態に係るパチンコ機Pは、この変動時間決定テーブル115として、各変動モード番号に対応する変動演出の前半部分の変動時間(以下、前半変動時間という)が定められた第1変動時間決定テーブル115a、及び、各変動パターン番号に対応する変動演出の後半部分の変動時間(以下、後半変動時間という)が定められた第2変動時間決定テーブル115bを備えている(
図11(a)及び(b)参照)。
そして、変動モード番号が決定されると、この決定された変動モード番号及び第1変動時間決定テーブル115aに基づき、対応する前半変動時間が決定される。また、変動パターン番号が決定されると、この決定された変動パターン番号及び第2変動時間決定テーブル115bに基づき、対応する後半変動時間が決定される。そして、このように決定された前半変動時間と後半変動時間の合計値が、大当たりの抽選の結果を報知する変動演出の変動時間に相当する。
たとえば、決定された変動モード番号が「03H」及び変動パターン番号が「04H」であった場合には、変動モード番号「03H」に対応して「13秒」の前半変動時間が決定され、変動パターン番号「04H」に対応して「60秒」の後半変動時間が決定される。そして、これらの合計値「73秒(=13秒+60秒)」が、変動演出の変動時間となる。
【0095】
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、変動モード番号及び変動パターン番号が決定されると、この決定された変動モード番号に対応する変動モードコマンド、及び、この決定された変動パターン番号に対応する変動パターンコマンドが、副制御基板300に送信される。そして、副制御基板300においては、受信した変動モードコマンド及び変動パターンコマンドに基づいて、変動演出の態様が決定されるようになっている。具体的には、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様が決定されるようになっている。
【0096】
なお、変動演出の態様については、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するのではなく、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様を決定し、変動モードコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出は、前半部分と後半部分とに分けるのではなく、より多くの部分に分けて、変動モードコマンドや変動パターンコマンドに基づいて、それぞれの部分の態様を決定するようにしてもよい。
また、変動演出の態様は、変動モードコマンド及び変動パターンコマンドのみならず、他のコマンドに基づいて決定してもよい。また、変動モードコマンド又は変動パターンコマンドのいずれかのみに基づいて決定してもよい。
【0097】
また、上述のように決定された変動時間に基づいて、第1画像表示装置40では変動演出が行われるとともに、特別図柄表示装置(第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31)では特別図柄の変動表示が行われる。具体的には、遊技球が第1始動入賞口検出センサ15aにより検出された場合には、決定された変動時間の間、第1特別図柄表示装置30が点滅表示され、遊技球が第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bにより検出された場合には、決定された変動時間の間、第2特別図柄表示装置31が点滅表示される。そして、変動時間の経過後、決定された特別図柄が停止表示される。
【0098】
特別電動役物作動テーブル116は、大当たりに当選した場合に実行される特別遊技を制御するためのものであり、特別遊技の実行中に大入賞口ソレノイド18cを作動させるために参照されるものである。本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、
図12に示すように、特別電動役物作動テーブル116として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1作動テーブル116aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2作動テーブル116bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3作動テーブル116cと、が設けられている。
【0099】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図12(a)に示すように、第1作動テーブル116aを参照して特別遊技が実行される。この第1作動テーブル116aによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球する(大入賞口検出センサ18aにより10個の遊技球が検出されること。以下同様)かのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が16回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
そして、この特別遊技においては、遊技者は、所定個数の期待値の賞球を獲得可能となる。
【0100】
また、特別図柄X2が決定されると、
図12(b)に示すように、第2作動テーブル116bを参照して特別遊技が実行される。この第2作動テーブル116bによれば、大入賞口18が29.0秒開放するか又は大入賞口18に10個の遊技球が入球するかのいずれかの条件が成立することで終了するラウンド遊技が4回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は2.0秒に設定されている。
そして、この特別遊技においては、遊技者は、特別図柄X1が決定された場合の特別遊技よりも少ない期待値の賞球を獲得可能となる。
【0101】
また、特別図柄X3が決定されると、
図12(c)に示すように、第3作動テーブル116cを参照して特別遊技が実行される。この第3作動テーブル116cによれば、大入賞口18が0.1秒開放することで終了するラウンド遊技が2回実行される。また、各ラウンド遊技の実行中、大入賞口18は1回のみ開放され、各ラウンド遊技間に大入賞口18が閉鎖する時間(すなわち、インターバル時間)は0.1秒に設定されている。
そして、この特別遊技においては、ラウンド遊技中に大入賞口18へ遊技球を入球させることが極めて困難であるため、遊技者は賞球を獲得することができない。
【0102】
遊技状態設定テーブル117は、特別遊技が実行された場合に、当該特別遊技の終了後の遊技状態を設定するためのものである。本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、特別遊技の終了後の遊技状態が、大当たりの抽選によって決定された特別図柄の種別により決定されるようになっている。
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、
図13に示すように、遊技状態設定テーブル117として、特別図柄X1が決定された場合に参照される第1状態設定テーブル117aと、特別図柄X2が決定された場合に参照される第2状態設定テーブル117bと、特別図柄X3が決定された場合に参照される第3状態設定テーブル117cと、が設けられている。
【0103】
具体的には、特別図柄X1が決定されると、
図13(a)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確率遊技状態の継続回数(以下、高確回数という)は70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確率遊技状態が継続する。また、高確率遊技状態の継続中に大当たりに当選した場合には、再度、高確回数が設定されるようになっている。したがって、特別遊技の終了後に遊技状態が高確率遊技状態に設定された場合、この高確率遊技状態の継続中に大当たりに当選することなく、70回の抽選の結果がすべてハズレとなると、遊技状態は低確率遊技状態に変更されることとなる。
また、特別図柄X2又は特別図柄X3が決定された場合も、
図13(b)又は(c)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定され、高確回数が70回に設定される。
【0104】
さらに、特別図柄X1又は特別図柄X2が決定された場合には、
図13(a)又は(b)に示すように、特別遊技の終了後の遊技状態が高確率遊技状態に設定されるとともに、必ず時短遊技状態に設定され、時短遊技状態の継続回数(以下、時短回数という)は70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確時短状態が継続する。
【0105】
これに対して、特別図柄X3が決定された場合には、
図13(c)に示すように、大当たりに当選した時点の遊技状態に応じて、異なった時短遊技状態の設定が行われる。具体的には、大当たりに当選した時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が時短遊技状態に設定され、時短回数が70回に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確時短状態が継続する。一方、大当たりに当選した時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、特別遊技の終了後の遊技状態が非時短遊技状態に設定される。すなわち、特別遊技の終了後、大当たりの抽選の結果が70回導出されるまで、高確非時短状態が継続する。
【0106】
次に、普図遊技に関する処理について説明する。
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、発射装置(図示しておらず)により発射され遊技領域12を流下する遊技球が、ゲート20を通過してゲート検出センサ20aに検出された場合に、第2始動入賞口16Bの可動片160を作動させて当該可動片160を開くか否かを決定する開放抽選としての普通図柄の抽選が行われる。そして、この普通図柄の抽選によって当たりとなると、可動片160が開き、第2始動入賞口16Bが開状態となるため、第2始動入賞口16Bへの遊技球の入球が容易となる。
この普通図柄の抽選は、ゲート検出センサ20aが遊技球を検出することを契機に取得される当たり決定乱数、及び、メインROM102に格納されており当該乱数を判定するための当たり決定乱数判定テーブル118に基づいて、行われる。
【0107】
そして、ゲート検出センサ20aが遊技球を検出すると、上述の当たり決定乱数が取得されるとともに、当該乱数値がメインRAM103の普図保留記憶領域に4個を上限として記憶されるようになっている。具体的には、この普図保留記憶領域は、第1記憶部から第4記憶部までの計4つの記憶部から構成されており、ゲート検出センサ20aによる遊技球の検出順に、第1記憶部から記憶されるようになっている。また、既にいくつかの記憶部に当たり決定乱数が記憶されている場合には、空きの記憶部のうち最も番号の小さい記憶部に当たり決定乱数が記憶されるようになっている。そして、普図保留記憶領域に既に4個の当たり決定乱数が記憶されている場合に、ゲート検出センサ20aが遊技球を検出しても、当たり決定乱数は普図保留記憶領域に記憶されない。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pにおいて、当たり決定乱数には、主制御基板100に内蔵されたハードウェア乱数を用いている。この当たり決定乱数は、一定の規則に従って更新され、乱数列が一巡するごとに自動的に乱数列が変更されるとともに、システムリセット毎にスタート値が変更されるようになっている。
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、普図保留記憶領域に記憶されている当たり決定乱数の組数(以下、普図保留数という)は、普図保留数カウンタ(特に図示しておらず)に記憶されるようになっている。
【0108】
また、当たり決定乱数判定テーブル118は、普通図柄の抽選により当たりか否かの判定を行うためのものであって、
図14に示すように、非時短遊技状態において参照される非時短判定テーブル118aと、時短遊技状態において参照される時短判定テーブル118bと、を備えている。
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、ゲート検出センサ20aが遊技球を検出すると、0〜65535の数値範囲内で1個の当たり決定乱数が取得される。そして、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が非時短遊技状態であれば、非時短判定テーブル118aが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された非時短判定テーブル118aとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。また、普通図柄の抽選を行う時点の遊技状態が時短遊技状態であれば、時短判定テーブル118bが選択され、取得された当たり決定乱数と選択された時短判定テーブル118bとに基づいて普通図柄の抽選が行われる。
【0109】
この非時短判定テーブル118aによれば、当たり決定乱数が1であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、2〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この非時短判定テーブル118aにおいて当たりとなる確率は1/65536となる。
また、時短判定テーブル118bによれば、当たり決定乱数が1〜65000であった場合に当たりと判定され、これ以外の当たり決定乱数(0、65001〜65535)であった場合にハズレと判定される。したがって、この時短判定テーブル118bにおいて当たりとなる確率は65000/65536、すなわち、およそ99/100となる。
なお、普通図柄の抽選によって当たりとなった場合には当たり図柄が決定され、ハズレとなった場合にはハズレ図柄が決定される。
【0110】
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pは、普通図柄の変動パターンの決定や、第2始動入賞口16Bの可動片160の開閉の制御を行うためのテーブルとして、普通図柄変動パターン決定テーブル119、及び、第2始動入賞口開放制御テーブル120等を備えている。
【0111】
普通図柄変動パターン決定テーブル119は、普通図柄の変動パターンを決定するためのものである。上述のように、ゲート検出センサ20aが遊技球を検出することにより普通図柄の抽選が行われると、この普通図柄変動パターン決定テーブル119に基づいて普通図柄の変動パターンが決定される。
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、
図15に示すように、遊技状態が非時短遊技状態の場合には変動時間が3秒に決定され、遊技状態が時短遊技状態の場合には変動時間が0.6秒に決定される。そして、変動時間が決定されると、この決定された変動時間の間、普通図柄表示装置32(
図3参照)が点滅表示される。そして、普通図柄の抽選により当たりとなって当たり図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が点灯し、ハズレとなってハズレ図柄が決定された場合には、普通図柄表示装置32が消灯する。
【0112】
また、第2始動入賞口開放制御テーブル120は、第2始動入賞口16Bに設けられた可動片160の作動を制御するために参照されるものである。
本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、普通図柄表示装置32が点灯すると、第2始動入賞口16Bの可動片160が、第2始動入賞口開放制御テーブル120に定められた態様で開閉するようになっている。具体的には、遊技状態が非時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16dが0.2秒(=0.2秒×1回)通電されるため、第2始動入賞口16Bの可動片160が0.2秒開放される。また、遊技状態が時短遊技状態の場合には、
図16に示すように、始動入賞口ソレノイド16dが2.4秒(=1.2秒×2回)通電されるため、第2始動入賞口16Bの可動片160が合計2.4秒開放される。
【0113】
以上のように、非時短遊技状態と時短遊技状態とには、それぞれ、第2始動入賞口16Bを開閉するための条件が定められており、この条件の内容により、時短遊技状態においては、非時短遊技状態よりも第2始動入賞口16Bに遊技球が入球しやすくなっている。すなわち、時短遊技状態においては、遊技球がゲート20を通過する限りにおいて、次々と普通図柄の抽選が行われ、第2始動入賞口16Bが頻繁に開放されるため、遊技の進行に伴う遊技球の減少を抑えながら、大当たりの抽選の機会を獲得できることとなる。
【0114】
(パチンコ機Pにおける遊技の進行の概要)
次に、上述の特図遊技、普図遊技及び特別遊技の進行について、フローチャートを用いて説明する。
まず、主制御基板100のメイン処理を説明する。
電源基板により電源が供給されると、メインCPU101にシステムリセットが発生し、メインCPU101は、
図17のフローチャートに示すメイン処理を実行する。
【0115】
ステップ100において、メインCPU101は、初期化処理として、電源投入に応じて、メインROM102から起動プログラムを読み込むとともに、メインRAM103に記憶されるフラグなどを初期化したり、副制御基板300に送信する各種のコマンドを、メインRAM103に設けられた演出用伝送データ格納領域に記憶したりする。そして、次のステップ101に進む。
ステップ101において、メインCPU101は、当たり図柄乱数を更新する際に参照される当たり図柄乱数用初期値更新乱数の更新を行う。この当たり図柄乱数用初期値更新乱数は、当たり図柄乱数の初期値を決定するためのものである。すなわち、当たり図柄乱数は、更新を開始する時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として更新が行われる。そして、この乱数範囲を1周すると、その時点における当たり図柄乱数用初期値更新乱数を初期値として、当たり図柄乱数の更新が継続されるようになっている。そして、次のステップ102に進む。
【0116】
ステップ102において、メインCPU101は、変動演出パターンを決定するための乱数(以下、変動演出用乱数という)である、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数、及び、変動パターン乱数を更新する。そして、ステップ102の処理が終了すると、以降は、所定の割込み処理が行われるまで、ステップ101とステップ102の処理を繰り返し実行する。
【0117】
次に、主制御基板100のタイマ割込処理を説明する。
主制御基板100に設けられたリセット用クロックパルス発生回路により、所定の周期(本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、4ミリ秒)毎にクロックパルスが発生されることで、
図18のフローチャートに示すタイマ割込処理が実行される。
【0118】
ステップ200において、メインCPU101は、各種タイマカウンタを更新するタイマ更新処理を実行する。そして、次のステップ201に進む。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、主制御基板100のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ201において、メインCPU101は、当たり図柄乱数の更新を行う。具体的には、乱数カウンタを「1」加算して更新し、加算した結果が乱数範囲の最大値を超えた場合には、乱数カウンタを「0」に戻し、乱数カウンタが1周した場合には、その時点の当たり図柄乱数用初期値更新乱数の値から乱数を更新する。そして、次のステップ202に進む。
【0119】
ステップ202において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a、第2始動入賞口第2検出センサ16bに入力があったか否かを判定し、これに基づいて所定の処理を行うセンサ検出時処理を実行する。そして、次のステップ203に進む。
ステップ203において、メインCPU101は、特図遊技及び特別遊技に関する制御を行うための特図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ204に進む。
【0120】
ステップ204において、メインCPU101は、普図遊技に関する制御を行うための普図関連制御処理を実行する。そして、次のステップ205に進む。
ステップ205において、メインCPU101は、各種エラーの発生や解除に関する制御を行うためのエラー関連処理を実行する。具体的には、前扉3の開放に基づく扉開放コマンドや、受皿7の満タン状態に基づく受皿満タンコマンド等を、主制御基板100が受信した場合に、メインCPU101は、対応するエラー指定コマンド(たとえば、扉開放指定コマンド、満タン状態指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)する。また、上述のコマンドを主制御基板100が受信しなくなった場合に、メインCPU101は、対応するエラー解除指定コマンド(たとえば、扉閉鎖指定コマンド、満タン解除指定コマンド等)を生成して演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、次のステップ206に進む。
【0121】
ステップ206において、一般入賞口検出センサ14a、第1始動入賞口検出センサ15a、第2始動入賞口第1検出センサ16a、第2始動入賞口第2検出センサ16b、大入賞口検出センサ18aからの検出信号がメインCPU101に入力された場合に、当該メインCPU101は、それぞれの検出信号に対応して設けられている賞球カウンタを更新するとともに、それぞれの検出信号に対応する払出個数指定コマンドを発射払出制御基板200に送信する。なお、発射払出制御基板200により賞球の払い出しが行われると、当該払い出しごとに主制御基板100に払い出しコマンドが送信され、メインCPU101は、当該払い出しコマンドを受信すると、賞球カウンタを減算する。そして、次のステップ207に進む。
ステップ207において、メインCPU101は、パチンコ機Pの遊技状態を当該パチンコ機Pの外部に出力するための外部情報データ、第2始動入賞口16Bの可動片160を開閉するための始動入賞口ソレノイドデータ、大入賞口18の開閉を制御するための大入賞口ソレノイドデータ、各種表示装置(第1特別図柄表示装置30、第2特別図柄表示装置31、普通図柄表示装置32、第1特図保留表示装置38、第2特図保留表示装置39及び普通図柄保留表示装置33)の表示データ等の作成を実行する。そして、次のステップ208に進む。
【0122】
ステップ208において、メインCPU101は、上述のステップ207で作成した各データの信号を出力するポート出力処理、及び、演出用伝送データ格納領域に記憶されたコマンドを送信するコマンド送信処理を実行する。そして、主制御基板100のタイマ割込処理を終了する。
【0123】
次に、上述したステップ202のセンサ検出時処理について、
図19のフローチャートを参照して説明する。
ステップ300において、メインCPU101は、遊技球がゲート20又は第2始動入賞口16Aの第2始動入賞口第2センサ16bを通過したことに基づいて、普通図柄の抽選を行うためのゲート検出時処理を実行する。そして、次のステップ301に進む。
ステップ301において、メインCPU101は、遊技球が第1始動入賞口15を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第1始動入賞口検出時処理を実行する。そして、次のステップ302に進む。
ステップ302において、メインCPU101は、遊技球が第2始動入賞口16(第2始動入賞口第1センサ16a及び第2始動入賞口第2センサ16b)を通過したことに基づいて、大当たりの抽選を行うための第2始動入賞口検出時処理を実行する。そして、センサ検出時処理を終了する。
【0124】
次に、上述したステップ300のゲート検出時処理について、
図20のフローチャートを参照して説明する。
ステップ400において、メインCPU101は、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、ゲート検出センサ20aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ401に進む。
ステップ401において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における普図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、ゲート検出時処理を終了する。一方、当該値が4未満であると判定した場合、次のステップ402に進む。
【0125】
ステップ402において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ403に進む。
ステップ403において、メインCPU101は、現時点の当たり決定乱数を取得して普図保留記憶領域に記憶する。そして、次のステップ404に進む。
ステップ404において、メインCPU101は、当たり決定乱数が記憶されたことを示すゲート検出コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域に記憶(セット)し、ゲート検出時処理を終了する。
【0126】
次に、上述したステップ301の第1始動入賞口検出時処理について、
図21のフローチャートを参照して説明する。
ステップ500において、メインCPU101は、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第1始動入賞口検出センサ15aからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ501に進む。
ステップ501において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第1特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第1始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ502に進む。
【0127】
ステップ502において、メインCPU101は、第1特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ503に進む。
ステップ503において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ504に進む。
【0128】
ステップ504において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ505に進む。
ステップ505において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ506に進む。
【0129】
ステップ506において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ507に進む。
ステップ507において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ503で大当たり決定乱数を記憶した第1保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第1保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ508に進む。
【0130】
ステップ508において、メインCPU101は、第1特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットし、第1始動入賞口検出時処理を終了する。
【0131】
次に、上述したステップ302の第2始動入賞口検出時処理について、
図22のフローチャートを参照して説明する。
ステップ600において、メインCPU101は、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bからの検出信号が入力されたか否かを判定する。そして、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bからの検出信号が入力されていないと判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、第2始動入賞口第1検出センサ16a又は第2始動入賞口第2検出センサ16bからの検出信号が入力されたと判定した場合、次のステップ601に進む。
ステップ601において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値(すなわち、現時点における第2特図保留数)が「4」未満であるか否かを判定する。そして、当該値が「4」未満でない(すなわち、「4」)と判定した場合、第2始動入賞口検出時処理を終了する。一方、当該値が「4」未満であると判定した場合、次のステップ602に進む。
【0132】
ステップ602において、メインCPU101は、第2特図保留数カウンタの値を「1」インクリメントする。そして、次のステップ603に進む。
ステップ603において、メインCPU101は、現時点の大当たり決定乱数を取得して第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ604に進む。
【0133】
ステップ604において、メインCPU101は、上述のステップ201で更新された当たり図柄乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ605に進む。
ステップ605において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチグループ決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ606に進む。
【0134】
ステップ606において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新されたリーチモード決定乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。そして、次のステップ607に進む。
ステップ607において、メインCPU101は、上述のステップ102で更新された変動パターン乱数を取得して、上述のステップ603で大当たり決定乱数を記憶した第2保留記憶領域の記憶部に記憶する。以上より、取得された大当たり決定乱数、当たり図柄乱数、リーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数はすべて同じ第2保留記憶領域の記憶部に記憶されることとなる。そして、次のステップ608に進む。
【0135】
ステップ608において、メインCPU101は、第2特図乱数が記憶されたことを示す始動入賞コマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットし、第2始動入賞口検出時処理を終了する。
【0136】
次に、上述したステップ203の特図関連制御処理について、
図23のフローチャートを参照して説明する。
ステップ700において、メインCPU101は、実行フェーズデータの値をロードする。この実行フェーズデータは、当該特図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この実行フェーズデータは、後述する特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」と、後述する特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」と、後述する停止後処理の実行を示すデータ「02」と、後述する特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」と、後述する特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ700でロードした実行フェーズデータの値に基づき、特別図柄変動開始処理(ステップ701)、特別図柄変動停止処理(ステップ702)、停止後処理(ステップ703)、特別遊技制御処理(ステップ704)又は特別遊技終了処理(ステップ705)のいずれかを実行する。そして、特図関連制御処理を終了する。
【0137】
次に、上述したステップ701の特別図柄変動開始処理について、
図24のフローチャートを参照して説明する。
ステップ800において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動開始処理の実行を示すデータ「00」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「00」でないと判定した場合、特別図柄変動開始処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「00」であると判定した場合、次のステップ801に進む。
ステップ801において、メインCPU101は、第1保留記領域又は第2保留記憶領域(以下あわせて保留記憶領域という)の記憶部に第1又は第2特図乱数(以下あわせて特図乱数という)が記憶されているか否か、すなわち、第1特図保留数カウンタと第2特図保留数カウンタ(以下あわせて特図保留数カウンタという)の合計値が「1」以上であるか否かを判定する。そして、第1又は第2いずれかの特図乱数が記憶されていると判定した場合、ステップ802に進む。
【0138】
ステップ802において、メインCPU101は、特図保留数カウンタの値を「1」デクリメントするとともに、保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1保留記憶領域の第1記憶部、第2保留記憶領域の第1記憶部に記憶されている特図乱数について、記憶された順番に関する情報を参照して最も先に記憶されている特図乱数を特定し、当該記憶部に記憶されている特図乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶する(読み出す)とともに、当該特図乱数が記憶されていた保留記憶領域の第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている各乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、各保留記憶領域に記憶された各乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、かつ記憶された順番(取得された順番)で、後述の大当たり判定処理に用いられるようになっている。さらに、メインCPU101は、第1保留記憶領域又は第2保留記憶領域のいずれかの保留記憶領域についてシフト処理が行われたことを示す特図シフトコマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、ステップ803に進む。
【0139】
ステップ803において、メインCPU101は、大当たり決定乱数判定テーブル110のうち、現時点の遊技状態に対応するいずれかを選択し、選択したテーブルと、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された大当たり決定乱数とに基づいて、大当たりの抽選の結果を導出する大当たり判定処理を実行する。そして、次のステップ804に進む。
【0140】
ステップ804において、メインCPU101は、特別図柄の種別を決定する特別図柄決定処理を実行する。具体的には、上述のステップ803における抽選の結果が大当たりであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数がいずれ(すなわち、第1始動入賞口15か、又は、第2始動入賞口16か)の始動入賞口への遊技球の入球に基づいて取得されたものかを確認した上で、これに応じた当たり図柄乱数判定テーブル111を選択し、選択したテーブルと、上述のステップ802で処理領域に記憶された当たり図柄乱数とに基づいて、特別図柄の種別を決定する。一方、上述のステップ803における抽選の結果がハズレであった場合には、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第1始動入賞口15への遊技球の入球に基づいて取得されたものであれば特別図柄Y1を決定し、当該抽選の判定に用いられた大当たり決定乱数が第2始動入賞口16への遊技球の入球に基づいて取得されたものであれば特別図柄Y2を決定する。そして、決定した特別図柄に対応するデータを、メインRAM103の所定の領域に記憶する。また、この特別図柄決定処理においては、現時点の遊技状態、すなわち、特別図柄を決定した時点の遊技状態が遊技状態バッファに記憶される。そして、次のステップ805に進む。
【0141】
ステップ805において、メインCPU101は、上述のステップ804で決定された特別図柄の種別を示す図柄決定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。これにより、決定された特別図柄の種別に係る情報が、変動演出の開始時に副制御基板300に送信されることとなる。そして、次のステップ806に進む。
ステップ806において、メインCPU101は、上述のステップ802で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数、リーチモード決定乱数及び変動パターン乱数に基づいて、変動演出パターンの決定に係る変動演出パターン決定処理を実行する。そして、次のステップ807に進む。
【0142】
ステップ807において、メインCPU101は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31で特別図柄の変動表示を開始するための変動表示データをメインRAM103の所定の領域にセットする。これにより、第1特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第1特別図柄表示装置30が点滅表示を開始し、また、第2特図乱数に基づいて特別図柄の変動表示が行われる場合には、第2特別図柄表示装置31が点滅表示を開始する。ここで、点滅表示とは、各表示装置において「−」が所定の間隔で点滅することをいうものである。
【0143】
またここで、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、第1特図乱数が第1保留記憶領域に記憶されている場合には、第1特図保留数を認識できる態様で第1特図保留表示装置38が表示され、第2特図乱数が第2保留記憶領域に記憶されている場合には、第2特図保留数を認識できる態様で第2特図保留表示装置39が表示されるようになっている。そして、第1特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第1特図保留数が1つ減ることを示すように、第1特図保留表示装置38が表示制御され、第2特図乱数に基づいて上述の特別図柄の変動表示が行われる場合には、変動表示の開始と同時に、第2特図保留数が1つ減ることを示すように、第2特図保留表示装置39が表示制御される。
そして、次のステップ808に進む。
ステップ808において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動停止処理が実行されるように、実行フェーズデータに「01」をセットし、特別図柄変動開始処理を終了する。
【0144】
また、上述のステップ801で保留記憶領域に特図乱数が記憶されていないと判定した場合に進むステップ809において、メインCPU101は、特別図柄の変動表示が行われていない待機状態の開始を示す待機状態開始コマンドを副制御基板300へ送信するための待機状態開始コマンド判定処理を実行する。本実施の形態における主制御基板100は、特に図示していないが、待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されたか否かを示す記憶フラグを備えている。そして、メインCPU101は、記憶フラグがオフのときに待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶し、記憶フラグがオンのときには待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶しないようになっている。また、メインCPU101は、待機状態開始コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶すると記憶フラグをオンにし、始動入賞コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶すると(上述のステップ508又はステップ608を参照)、記憶フラグをオフにするようになっている。すなわち、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、待機状態の開始に基づいて待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されると、当該待機状態中に再度、待機状態開始コマンドが記憶されることはなく、いずれかの始動入賞口へ遊技球が入球して特別図柄の変動表示が開始された後、再度、待機状態が開始すると、待機状態開始コマンドが演出用伝送データ格納領域に記憶されることとなる。
そして、次のステップ810に進む。
【0145】
ステップ810において、メインCPU101は、変動表示が行われていないことに基づき、第1画像表示装置40においてデモ表示を行うためのデモ判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は特別図柄の変動表示が行われていない時間を計時するとともに、所定時間の間、特別図柄の変動表示が行われない場合に、第1画像表示装置40にデモ画面を表示するためのデモコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、特別変動開始処理を終了する。
【0146】
なお、メインCPU101がデモ判定処理を実行するのではなく、サブCPU301が上述の待機状態開始コマンドを受信してからの経過時間に基づき、サブCPU301がデモ表示の実行を決定してもよい。
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pの特別図柄変動開始処理では、第1特図乱数及び第2特図乱数の両方が記憶されている場合には、保留記憶領域に記憶された順に第1特図乱数及び第2特図乱数が処理されるようになっているが、これに限定されるものではなく、第1特図乱数に優先して第2特図乱数が処理されるようにしてもよい。
また、本実施の形態においては、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動表示と第2特図乱数に基づく特別図柄の変動表示が別個に行われる(いずれか一方のみが変動表示される)ようになっているが、第1特図乱数に基づく特別図柄の変動表示と第2特図乱数に基づく特別図柄の変動表示を同時に行うようにしてもよい。
【0147】
次に、上述したステップ806の変動演出パターン決定処理について、
図25のフローチャートを参照して説明する。
ステップ900において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ903に進む。一方、大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ901に進む。
ステップ901において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された大当たり図柄、及び、現時点の遊技状態を確認する。そして、次のステップ902に進む。
【0148】
ステップ902において、メインCPU101は、上述のステップ901で確認した大当たり図柄、及び、遊技状態に基づいて、対応するリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)を選択する。そして、ステップ907に進む。
また、上述のステップ900で大当たり図柄でないと判定した場合に進むステップ903において、メインCPU101は、現時点の遊技状態、及び、現時点の保留数を確認する。そして、次のステップ904に進む。
【0149】
ステップ904において、メインCPU101は、上述のステップ903で確認した遊技状態及び保留数に基づいて、対応するリーチグループ決定乱数判定テーブル112を選択する。そして、次のステップ905に進む。
ステップ905において、メインCPU101は、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチグループ決定乱数と、上述のステップ904で選択されたリーチグループ決定乱数判定テーブル112とに基づいて、グループの種別を決定し、当該グループの種別を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ906に進む。
【0150】
ステップ906において、メインCPU101は、上述のステップ905で決定されたグループの種別に基づいて、リーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)を選択する。そして、次のステップ907に進む。
ステップ907において、メインCPU101は、上述のステップ902で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(大当たり用判定テーブル)、又は、上述のステップ906で選択されたリーチモード決定乱数判定テーブル113(ハズレ用判定テーブル)と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶されたリーチモード決定乱数とに基づいて、変動モード番号及び変動パターン抽選テーブル114を決定し、この決定された変動モード番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ908に進む。
【0151】
ステップ908において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動パターン抽選テーブル114を取得する。そして、次のステップ909に進む。
ステップ909において、メインCPU101は、上述のステップ908で取得された変動パターン抽選テーブル114と、上述のステップ803又はステップ804で処理領域に記憶された変動パターン乱数とに基づいて、変動パターン番号を決定し、この決定された変動パターン番号を所定の処理領域に記憶する。そして、次のステップ910に進む。
【0152】
ステップ910において、メインCPU101は、変動時間決定テーブル115と、上述のステップ907で決定された変動モード番号、及び、上述のステップ909で決定された変動パターン番号とに基づいて、変動演出の変動時間を決定する。また、メインCPU101は、この決定された変動時間を変動時間タイマカウンタにセットする。そして、次のステップ911に進む。
ステップ911において、メインCPU101は、上述のステップ907で決定された変動モード番号に基づいて変動モードコマンドを生成し、上述のステップ909で決定された変動パターン番号に基づいて変動パターンコマンドを生成する。さらに、メインCPU101は、生成された変動モードコマンド及び変動パターンコマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、変動演出パターン決定処理を終了する。
【0153】
次に、上述したステップ702の特別図柄変動停止処理について、
図26のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1000において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別図柄変動停止処理の実行を示すデータ「01」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「01」でないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「01」であると判定した場合、次のステップ1001に進む。
【0154】
ステップ1001において、メインCPU101は、ステップ910で変動時間タイマカウンタにセットされた変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、特別図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1002に進む。
ステップ1002において、メインCPU101は、上述のステップ806で決定された特別図柄を、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に停止表示するための停止表示データをメインRAM103の所定の領域にセットし、特別図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1003に進む。
【0155】
ステップ1003において、メインCPU101は、特別図柄が確定したことを示す図柄確定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、次のステップ1004に進む。
ステップ1004において、メインCPU101は、特別図柄を停止表示する停止表示時間を停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1005に進む。
【0156】
ステップ1005において、メインCPU101は、特図関連制御処理において停止後処理が実行されるように、実行フェーズデータに「02」をセットする。そしてし、特別図柄変動停止処理を終了する。
【0157】
次に、上述したステップ703の停止後処理について、
図27のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1100において、メインCPU101は、実行フェーズデータが停止後処理の実行を示すデータ「02」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「02」でないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「02」であると判定した場合、次のステップ1101に進む。
ステップ1101において、メインCPU101は、上述のステップ1004で停止表示時間カウンタにセットされた停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、停止表示時間が経過していないと判定した場合、停止後処理を終了する。一方、停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1102に進む。
【0158】
ステップ1102において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1103に進む。
ステップ1103において、メインCPU101は、時短回数更新処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が時短遊技状態であることを示す時短遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、時短遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた時短回数記憶領域を更新する。この時短回数記憶領域には、時短遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、時短遊技フラグをオフにする処理も実行する。また、時短遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1104に進む。
【0159】
ステップ1104において、メインCPU101は、高確回数更新処理を行う。ここでは、メインCPU101は、現時点の遊技状態が高確率遊技状態であることを示す高確遊技フラグがオンとなっているか否かを判定する。そして、高確遊技フラグがオンとなっていると判定した場合、メインRAM103に設けられた高確回数記憶領域を更新する。この高確回数記憶領域には、高確率遊技状態が終了するまでの残りの変動回数が記憶されている。そして、この記憶されている残りの変動回数を「1」デクリメントする。また、残りの変動回数の更新により当該残りの変動回数が「0」となった場合には、高確遊技フラグをオフにする処理も実行される。また、高確遊技フラグがオンとなっていないと判定した場合、メインCPU101は、何も処理は行わない。そして、次のステップ1105に進む。
ステップ1105において、メインCPU101は、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1112に進む。
一方、停止表示されている特別図柄が大当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1106に進む。
【0160】
ステップ1106において、メインCPU101は、大当たり当選時の遊技状態が非時短遊技状態であるか、又は、時短遊技状態であるかを副制御基板300に伝達するための大当たり当選時遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、ステップ1107に進む。
ステップ1107において、メインCPU101は、現時点の遊技状態をリセットする。そして、次のステップ1108に進む。
【0161】
ステップ1108において、メインCPU101は、特別遊技の開始時に設定される待機時間であるオープニング時間をオープニング時間タイマカウンタにセットするとともに、オープニング処理が開始されることを示すオープニングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、次のステップ1109に進む。
ステップ1109において、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄の種別に基づいて、メインRAM103にラウンド数をセットする。具体的には、メインCPU101は、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X1であれば、ラウンド数として「16」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X2であれば、ラウンド数として「4」をセットし、停止表示されている大当たり図柄が特別図柄X3であれば、ラウンド数として「2」をセットする。そして、次のステップ1110に進む。
【0162】
ステップ1110において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技制御処理が実行されるように、実行フェーズデータに「03」をセットする。そして、次のステップ1111に進む。
ステップ1111において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を確認し、遊技状態コマンドを演出用伝送データ格納領域に記憶する。そして、停止後処理を終了する。
【0163】
また、上述のステップ1105で停止表示されている特別図柄が大当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1112において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、ステップ1111に進む。
【0164】
次に、上述したステップ704の特別遊技制御処理について、
図28のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1200において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技制御処理の実行を示すデータ「03」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「03」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「03」であると判定した場合、次のステップ1201に進む。
ステップ1201において、メインCPU101は、上述のステップ1108でオープニング時間タイマカウンタにセットされたオープニング時間が経過したか否かを判定する。そして、オープニング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、オープニング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1202に進む。
【0165】
ステップ1202において、メインCPU101は、この特別遊技制御処理において全ラウンド遊技が終了した後に行われる待機処理であるエンディング処理中であるか否かを判定する。そして、エンディング処理中であると判定した場合、ステップ1210に進む。一方、エンディング処理中でないと判定した場合、次のステップ1203に進む。
ステップ1203において、メインCPU101は、大当たり図柄の種別に応じた特別電動役物作動テーブル116に基づいて、大入賞口18の開閉を行う大入賞口開閉制御処理を実行する。そして、次のステップ1204に進む。
【0166】
ステップ1204において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が開始された時点であるか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が開始された時点ではないと判定した場合、ステップ1206に進む。一方、ラウンド遊技が開始された時点であると判定した場合、次のステップ1205に進む。
ステップ1205において、メインCPU101は、ラウンド遊技の開始を示すラウンド遊技開始コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、次のステップ1206に進む。
なお、ラウンド遊技開始コマンドは、ラウンド遊技の回数ごとに設けられており、これにより、何回目のラウンド遊技が開始されたかを副制御基板300に伝達できるようになっている。
【0167】
ステップ1206において、メインCPU101は、上述のステップ1203の大入賞口開閉制御に基づいてラウンド遊技が終了したか否かを判定する。そして、ラウンド遊技が終了していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、ラウンド遊技が終了したと判定した場合、次のステップ1207に進む。
ステップ1207において、メインCPU101は、メインRAM103に記憶されているラウンド数を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1208に進む。
【0168】
ステップ1208において、メインCPU101は、上述のステップ1207でデクリメントしたラウンド数が「0」であるか否かを判定する。そして、当該ラウンド数が「0」でないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該ラウンド数が「0」であると判定した場合、次のステップ1209に進む。
ステップ1209において、メインCPU101は、特別遊技の終了時に設定される待機時間であるエンディング時間をエンディング時間タイマカウンタにセットし、エンディング処理が開始されることを示すエンディングコマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0169】
また、上述のステップ1202でエンディング処理中であると判定した場合に進むステップ1210において、メインCPU101は、上述のステップ1209でエンディング時間タイマカウンタにセットしたエンディング時間が経過したか否かを判定する。そして、当該エンディング時間が経過していないと判定した場合、特別遊技制御処理を終了する。一方、当該エンディング時間が経過したと判定した場合、次のステップ1211に進む。
ステップ1211において、メインCPU101は、特別遊技が終了したことを示す特別遊技終了コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、次のステップ1212に進む。
【0170】
ステップ1212において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別遊技終了処理が実行されるように、実行フェーズデータに「04」をセットする。そして、特別遊技制御処理を終了する。
【0171】
次に、上述したステップ705の特別遊技終了処理について、
図29のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1300において、メインCPU101は、実行フェーズデータが特別遊技終了処理の実行を示すデータ「04」であるか否かを判定する。そして、実行フェーズデータが「04」でないと判定した場合、特別遊技終了処理を終了する。一方、実行フェーズデータが「04」であると判定した場合、次のステップ1301に進む。
ステップ1301において、メインCPU101は、終了した特別遊技の実行契機となった大当たり図柄(メインRAM103の記憶領域に記憶)、及び、大当たり当選時の遊技状態(遊技状態バッファの記憶)を確認するとともに、上述の大当たり図柄に応じた遊技状態設定テーブル117に基づいて、特別遊技の終了後の遊技状態を設定する。具体的には、メインCPU101は、高確遊技フラグ、時短遊技フラグ、高確回数、時短回数を設定する。たとえば、上述の大当たり図柄が特別図柄X1であった場合には、高確遊技フラグ及び時短遊技フラグをいずれもオンとするとともに、高確回数及び時短回数のいずれにも「70」をセットする。そして、次のステップ1302に進む。
【0172】
ステップ1302において、メインCPU101は、上述のステップ1301で設定された遊技状態に応じて、遊技状態指定コマンドを演出用伝送データ格納領域にセットする。この遊技状態指定コマンドには、ステップ1301で設定された高確遊技フラグのオン又はオフの情報、時短遊技フラグのオン又はオフの情報、高確回数の情報、時短回数の情報が含まれている。そして、次のステップ1303に進む。
ステップ1303において、メインCPU101は、特図関連制御処理において特別図柄変動開始処理が実行されるように、実行フェーズデータに「00」をセットする。そして、特別遊技終了処理を終了する。
【0173】
次に、上述したステップ204の普図関連制御処理について、
図30のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1400において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータの値をロードする。この普図実行フェーズデータは、当該普図関連制御処理を構成する複数の機能モジュール(サブルーチン)のうちいずれを実行するかを示すものである。具体的には、この普図実行フェーズデータは、後述する普通図柄変動開始処理の実行を示すデータ「10」と、後述する普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」と、後述する普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」と、後述する可動片制御処理の実行を示すデータ「13」と、を有している。
そして、メインCPU101は、上述のステップ1400でロードした普図実行フェーズデータの値に基づき、普通図柄変動開始処理(ステップ1401)、普通図柄変動停止処理(ステップ1402)、普通図柄停止後処理(ステップ1403)又は可動片制御処理(ステップ1404)のいずれかを実行する。そして、普図関連制御処理を終了する。
【0174】
次に、上述したステップ1401の普通図柄変動開始処理について、
図31のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1500において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動開始処理の実行を示す「10」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「10」でないと判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「10」と判定した場合、次のステップ1501に進む。
ステップ1501において、メインCPU101は、普図保留記憶領域に当たり決定乱数が記憶されているか否か、すなわち、普図保留数カウンタが「1」以上であるか否かを判定する。そして、普図保留数カウンタが「1」以上でない(すなわち、「0」)と判定した場合、普通図柄変動開始処理を終了する。一方、普図保留数カウンタが「1」以上であると判定した場合、次のステップ1502に進む。
【0175】
ステップ1502において、メインCPU101は、普図保留数カウンタの値を「1」デクリメントする。そして、次のステップ1503に進む。
ステップ1503において、メインCPU101は、普図保留記憶領域のシフト処理を実行する。具体的には、第1記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、メインRAM103に設けられている所定の処理領域に記憶するとともに、第2記憶部〜第4記憶部に記憶されている当たり決定乱数を、1つ番号の小さい記憶部にシフトさせる。これにより、普図保留記憶領域に記憶された当たり決定乱数は、いわゆる先入れ先出し(FIFO)で、後述の当選判定処理に用いられるようになっている。また、メインCPU101は、普図保留記憶領域についてシフト処理が行われたことを示す普図シフトコマンドを生成して演出用伝送データ格納領域にセットする。そして、次のステップ1504に進む。
【0176】
ステップ1504において、メインCPU101は、現時点の遊技状態に対応する当たり決定乱数判定テーブル118(非時短判定テーブル118a又は時短判定テーブル118bのいずれか)を選択し、当該選択したテーブルと、上述のステップ1503で処理領域に記憶された当たり決定乱数とに基づいて、普通図柄の抽選の結果を導出する当選判定処理を実行する。具体的には、メインCPU101は、現在の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、非時短判定テーブル118aを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。これに対して、現在の遊技状態が時短遊技状態である場合には、時短判定テーブル118bを参照して、処理領域に記憶された当たり決定乱数を判定する。そして、次のステップ1505に進む。
ステップ1505において、メインCPU101は、上述のステップ1504における当選判定処理の結果が当たりであるか否かを判定する。そして、当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合、ステップ1507に進む。一方、当たりであると判定した場合、次のステップ1506に進む。
【0177】
ステップ1506において、メインCPU101は、当たり図柄データをメインRAM103の所定の領域にセットする。そして、ステップ1508に進む。
また、上述のステップ1505で当選判定処理の結果が当たりでない(すなわち、ハズレ)と判定した場合に進むステップ1507において、メインCPU101は、ハズレ図柄データをメインRAM103の所定の領域にセットする。そして、次のステップ1508に進む。
【0178】
ステップ1508において、メインCPU101は、現時点の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれに設定されているかを確認するとともに、普通図柄変動パターン決定テーブル119を参照して、現時点の遊技状態に応じた普通図柄の変動時間を普図変動時間タイマカウンタにセットする。具体的には、メインCPU101は、現時点の遊技状態が非時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「3秒」をセットし、時短遊技状態である場合には、普図変動時間カウンタに「0.6秒」をセットする。そして、次のステップ1509に進む。
ステップ1509において、メインCPU101は、普通図柄の変動表示を開始するための変動表示データをメインRAM103の所定の領域にセットする。これにより、普通図柄の変動表示が行われる場合には、普通図柄表示装置32が点滅表示を開始する。また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、当たり決定乱数が普図保留記憶領域に記憶されている場合には、普図保留数を認識できる態様で普通図柄保留表示装置33が表示されるようになっている。そして、普通図柄の変動表示が行われる場合には、当該変動表示の開始と同時に、普図保留数が1つ減ることを示すように、普通図柄保留表示装置33が表示制御される。そして、次のステップ1510に進む。
【0179】
ステップ1510において、メインCPU101は、現時点の遊技状態を変動開始時の遊技状態として遊技状態バッファに記憶する。そして、次のステップ1511に進む。
ステップ1511において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動停止処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「11」をセットする。そして、普通図柄変動開始処理を終了する。
【0180】
次に、上述したステップ1402の普通図柄変動停止処理について、
図32のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1600において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄変動停止処理の実行を示すデータ「11」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「11」でないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「11」であると判定した場合、次のステップ1601に進む。
ステップ1601において、メインCPU101は、ステップ1508で普図変動時間タイマカウンタにセットされた普通図柄の変動時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動時間が経過していないと判定した場合、普通図柄変動停止処理を終了する。一方、当該変動時間が経過したと判定した場合、次のステップ1602に進む。
【0181】
ステップ1602において、メインCPU101は、普通図柄を普通図柄表示装置32に停止表示するための停止表示データをセットし、普通図柄の停止表示を実行する。そして、次のステップ1603に進む。
ステップ1603において、メインCPU101は、普通図柄を停止表示する変動停止表示時間を普図停止表示時間カウンタにセットする。そして、次のステップ1604に進む。
【0182】
ステップ1604において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄停止後処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「12」をセットする。そして、普通図柄変動停止処理を終了する。
【0183】
次に、上述したステップ1403の普通図柄停止後処理について、
図33のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1700において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが普通図柄停止後処理の実行を示すデータ「12」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「12」でないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「12」であると判定した場合、次のステップ1701に進む。
ステップ1701において、メインCPU101は、上述のステップ1603で普図停止表示時間カウンタにセットされた変動停止表示時間が経過したか否かを判定する。そして、当該変動停止表示時間が経過していないと判定した場合、普通図柄停止後処理を終了する。一方、当該変動停止表示時間が経過したと判定した場合、次のステップ1702に進む。
【0184】
ステップ1702において、メインCPU101は、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であるか否かを判定する。そして、停止表示されている普通図柄が当たり図柄であると判定した場合、次のステップ1703に進む。一方、停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合、ステップ1704に進む。
ステップ1703において、メインCPU101は、普図関連制御処理において可動片制御処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「13」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0185】
また、上述のステップ1702で停止表示されている普通図柄が当たり図柄でない(すなわち、ハズレ図柄である)と判定した場合に進むステップ1704において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、普通図柄停止後処理を終了する。
【0186】
次に、上述したステップ1404の可動片制御処理について、
図34のフローチャートを参照して説明する。
ステップ1800において、メインCPU101は、普図実行フェーズデータが可動片制御処理の実行を示すデータ「13」であるか否かを判定する。そして、普図実行フェーズデータが「13」でないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、普図実行フェーズデータが「13」であると判定した場合、次のステップ1801に進む。
ステップ1801において、メインCPU101は、可動片160が作動制御中であるか否か、すなわち、始動入賞口ソレノイド16dが通電されているか否かを判定する。そして、可動片160が作動制御中であると判定した場合、ステップ1804に進む。一方、可動片160が作動制御中でないと判定した場合、次のステップ1802に進む。
【0187】
ステップ1802において、メインCPU101は、普通図柄の変動開始時の遊技状態が、非時短遊技状態又は時短遊技状態のいずれであったかを確認する。そして、次のステップ1803に進む。
ステップ1803において、メインCPU101は、第2始動入賞口開放制御テーブル120を参照し、上述のステップ1802で確認した遊技状態に応じて、始動入賞口ソレノイド16dの通電制御データ(開放データ)として、通電回数(開放回数)及び通電時間(開放時間)をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0188】
また、上述のステップ1801で可動片160が作動制御中であると判定した場合に進むステップ1804において、メインCPU101は、上述のステップ1803でセットされた通電時間(開放時間)を経過したか否かを判定する。そして、通電時間(開放時間)を経過していないと判定した場合、可動片制御処理を終了する。一方、通電時間(開放時間)を経過したと判定した場合、次のステップ1805に進む。
ステップ1805において、メインCPU101は、可動片160の作動の停止、すなわち、始動入賞口ソレノイド16dの通電の停止を実行する。そして、次のステップ1806に進む。
【0189】
ステップ1806において、メインCPU101は、普図関連制御処理において普通図柄変動開始処理が実行されるように、普図実行フェーズデータに「10」をセットする。そして、可動片制御処理を終了する。
【0190】
(パチンコ機Pにおける演出の概要)
上述の如く、主制御基板100において各種処理が実行されることにより、特図遊技及び普図遊技、並びに、特別遊技が進行することとなる。そして、これら遊技の進行中には、主制御基板100から種々のコマンドを副制御基板300に送信し、このコマンドを副制御基板300が受信することにより、当該副制御基板300において、遊技の進行に伴う演出の制御が行われる。
以下では、特別図柄の変動表示中に実行される、大当たりの抽選の結果を第1画像表示部40により報知する変動演出と、当該変動演出の実行中等、所定のタイミングで実行される、可動体(第2画像表示装置70及び回転灯ユニット80)を用いた可動演出について説明する。
【0191】
(変動演出の概要)
本実施の形態に係るパチンコ機Pで実行される変動演出では、第1画像表示装置40に表示される背景画像に重ねて、演出図柄50(ダミー図柄)の変動表示が行われる。そして、変動表示した後に停止表示された演出図柄50の組み合わせ(停止表示態様)により、大当たりの抽選の結果が遊技者に報知されるようになっている。
具体的には、特別図柄の変動表示の開始とともに、すべての演出図柄50が停止表示された状態から、すべての演出図柄50の変動表示が開始される(
図35(a)〜(b)参照)。なお、図中の下向き矢印は、演出図柄50が上方から下方へ向けてスクロールする表示がなされていることを示す。
その後、左側に位置する演出図柄50(以下、第1停止図柄という)、右側に位置する演出図柄50(以下、第2停止図柄という)、中央に位置する演出図柄50(以下、第3停止図柄)という順番で停止表示される(
図35(c)〜(e)及び
図36(c)〜(e)参照)。
【0192】
そして、大当たりの抽選の結果が大当たりであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示される(
図36(e)参照)。すなわち、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果が大当たりであることが報知される。
これに対して、大当たりの抽選の結果がハズレであった場合には、すべての演出図柄50が同一の図柄で停止表示されることはない(
図35(e)参照)。すなわち、少なくとも一の演出図柄50が他の演出図柄50とは異なる図柄で停止表示されることにより、大当たりの抽選の結果がハズレであることが報知される。
【0193】
また、第3停止図柄は、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示するのとほぼ同時に停止表示されるようになっている。これにより、演出図柄50の停止表示に先んじて、第1特別図柄表示装置30又は第2特別図柄表示装置31に特別図柄が停止表示され、特別図柄の種別で大当たりの抽選の結果が把握されてしまうことを防止している。
【0194】
本実施の形態に係るパチンコ機Pには、変動演出の態様として、第1停止図柄と第2停止図柄とが異なる図柄で停止表示されるリーチなし変動パターン、及び、第1停止図柄と第2停止図柄とが同一の図柄で停止表示される(いわゆるリーチ表示が行われる)リーチ変動パターンが設けられている。これらの変動演出の態様はそれぞれ複数の態様を有しており、各態様には、変動の仕方や演出図柄50の表示内容等が種々設定されている。
また、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、特に図示していないが、リーチ表示後に第1画像表示装置40に所定の発展演出画像等を表示するリーチ発展演出が実行され、その後大当たりの抽選の結果を報知する発展あり変動パターン、リーチ表示後にリーチ発展演出が実行されることなく、大当たりの抽選の結果を報知する発展なし変動パターンが設けられている。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、演出図柄50の変動表示が開始されてからリーチ表示の有無が報知されるまでが、変動演出の前半部分に相当し、リーチ表示の有無が報知されてから第3停止図柄が停止表示されるまで(すなわち、演出図柄50の変動が終了するまで)が、変動演出の後半部分に相当する。
【0195】
また、大当たりに対する遊技者の期待感を高めるべく、演出図柄50の変動表示中に第1画像表示装置40の背景画像に重ねて所定の表示を行うカットイン演出等を実行するようにしてもよい。さらに、上述の演出においては、画像の表示のみならず、画像の表示に併せて、音声出力装置10(スピーカ)から所定のBGMや音声等を出力してもよい。
【0196】
また、特に図示していないが、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、変動演出の態様を決定するための種々の変動演出決定テーブルが記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、所定の条件に応じた変動演出決定テーブルを選択するとともに、当該選択された変動演出決定テーブル、主制御基板100のメインCPU101から受信した変動モードコマンド、変動パターンコマンド及び任意で用いられる演出乱数に基づいて、変動演出の態様を決定する。
具体的には、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、上述の如く、変動モードコマンドに基づいて変動演出の前半部分の態様が決定され、変動パターンコマンドに基づいて変動演出の後半部分の態様(リーチ発展演出の有無等)が決定されるようになっている。これにより、決定された態様に基づいた変動演出が、第1画像表示装置40において実行されることとなる。
【0197】
さらに、本実施の形態においては、発展あり変動パターンが選択された場合に、第1画像表示装置40での発展演出画像と同期した第2画像表示装置70による画像演出、及び第2画像表示装置70と回転灯ユニット80とによる可動演出が実行される、役物作動リーチ発展演出が行われるようになっている。
特に図示していないが、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、副制御基板300のサブROM302に、複数種類の役物作動リーチ発展演出を実行させるための演出データが記憶されている。そして、副制御基板300のサブCPU301は、所定の役物作動リーチ発展演出の実行を決定した場合には、当該役物作動リーチ発展演出に対応した演出データに基づいて、第1画像表示装置40及び第2画像表示装置70による画像表示や、可動機構駆動部77及びカバー駆動部85の駆動を制御する。
【0198】
具体的には、サブCPU301は、後半部分の変動時間が60秒の変動パターン(
図11(b)参照)に係る変動パターンコマンドを受信した場合に、抽選により、役物作動リーチ発展演出の実行を決定する。役物作動リーチ発展演出の演出パターンには、大当たりの抽選の結果が当たりであることを報知する当たりパターンと、大当たりの抽選の結果がハズレであることを報知するハズレパターンとがあり、当たりパターンには、当たりであることをそのまま報知する成功パターンと、ハズレであることを示唆した後に当たりであることを報知する逆転パターンとが設けられている。そして、サブCPU301は、役物作動リーチ発展演出の実行を決定した場合には、大当たりの抽選の結果に基づいて、役物作動リーチ発展演出の態様を、成功パターンとするか、逆転パターンとするか、ハズレパターンとするかを決定する。なお、パターンごとに、複数種類の演出態様が設けられていてもよい。
【0199】
また、役物作動リーチ発展演出の各パターンを実行させるための演出データには、第1画像表示装置40及び第2画像表示装置70に所定の画像を表示させるためのデータと、可動機構駆動部77及びカバー駆動部85を所定の態様で駆動させるためのデータとが含まれる。各データは、タイマ管理によって画像表示制御基板や役物駆動基板に出力されるようにプログラムされており、第1画像表示装置40と第2画像表示装置70の画像表示、可動機構駆動部77とカバー駆動部85の駆動をそれぞれ同期させることができるとともに、第1画像表示装置40及び第2画像表示装置70の画像表示と、可動機構駆動部77及びカバー駆動部85の駆動をそれぞれ同期させることができるようになっている。
【0200】
(役物作動リーチ発展演出)
次に、役物作動リーチ発展演出について詳述する。
ここで、
図38(A)に示すように、可動機構76は、常態において、遊技盤11の開口部11Aの下縁部(第1画像表示装置40の表示画面41の下端部)に位置し(
図3参照)、第2画像表示装置70は表示画面71を正面側に向けて配置されている。この位置を第2画像表示装置70の初期位置とする。そして、第2画像表示装置70は、
図38(C)に示すように、開口部11Aの上縁部(第1画像表示装置40の表示画面41の上端部)まで上昇移動可能となっている。この位置を第2画像表示装置70の最大可変位置とする。
また、回転灯ユニット80は、
図38(A)に示すように、常態において、カバー部80A及び80Bが閉じた状態となっている。そして、
図38(C)に示すように、カバー部80A及び80Bが全開すると、第2画像表示装置70が最大可変位置に位置するようになっている。既述したように、第2画像表示装置70を支持する可動機構76のアーム部74はカバー部80A及び80Bの奥側に位置し、回転灯81はさらにその奥側に位置しているので、第2画像表示装置70及び可動機構76と回転灯ユニット80が互いに干渉することはない。
【0201】
以下、役物作動リーチ発展演出の流れを説明する。
変動演出の前半部分でリーチ表示(例えば7・−・7)がされた後、まず、
図38(A)に示すように、第1画像表示装置40の表示画面41に所定の発展演出画像が表示される。発展演出画像は、例えば、画面上で主人公と敵キャラクタとのバトルが開始されるようなものとすることができる。可動機構76に支持された第2画像表示装置70(以下単に第2画像表示装置70という)は初期位置にあり、回転灯ユニット80のカバー部80A及び80Bは閉じた状態である。第2画像表示装置70の表示画面71には、図示していないが、発展演出画像に対応した所定の画像が表示される。
【0202】
次に、
図38(B)に示すように、第2画像表示装置70が上昇移動しつつ、回転灯ユニット80のカバー部80A及び80Bが左右に開いていくように、可動機構駆動部77及びカバー機構部85の駆動が制御される。なお、可動機構76を上昇させながら支持枠75を左右方向に回転させ、支持枠75の内部で第2画像表示装置70を回転させることにより、第2画像表示装置70を横方向にひねりながら縦方向に回転させているように見せることができる。また、第1画像表示装置40の表示画面41には所定の背景画像が表示され、第2画像表示装置70の表示画面71にも同様の背景画像が表示される。表示画面71に、表示画面41の背景画像の一部が映り込むようにしてもよい。
【0203】
そして、
図38(C)に示すように、回転灯ユニット80のカバー部80A及び80Bが全開状態になると第2画像表示装置70が最大可変位置に到達し、第1画像表示装置40の表示画面41には所定のジャッジ演出画像が表示される。ジャッジ演出画像は、例えば、バトルの勝敗(大当たり抽選の結果)がこれから明らかにされることを遊技者に示唆する画像である。
ここまでの流れは、成功パターン、ハズレパターン、逆転パターンに共通したものである。以下、各パターンに応じた流れに沿って説明する。
【0204】
役物作動リーチ発展演出の態様として、成功パターンが選択されている場合には、前記したジャッジ演出画像の表示後、
図39(A)に示すように、第2画像表示装置70が初期位置まで急降下するように、可動機構駆動部77の駆動が制御される。この際、第2画像表示装置70を初期位置に戻すため、上昇させるときに行った回転と同じ回数だけ反対方向に回転させるようになっている。また、第2画像表示装置70の下降移動に伴い、回転灯ユニット80のカバー部80A及び80Bが閉じた状態に戻るように、カバー駆動部85の駆動が制御される。そして、第1画像表示装置40の表示画面41及び第2画像表示装置70の表示画面71には所定の成功演出画像(例えば主人公がバトルに勝利した場面を表す画像)が表示される。第2画像表示装置70においては、初期位置に戻るまでの間も、成功演出画像を表示させるようにしてもよい。
【0205】
その後、
図39(B)に示すように、支持枠75を回転させることにより第2画像表示装置70を縦向きにするとともに、第2画像表示装置70を回転させて装飾面72が正面側となるように、可動機構駆動部77の駆動が制御され、第1画像表示装置40の表示画面41に派手な背景画像が表示されて成功の雰囲気を盛り上げる演出が行われる。そして、
図39(C)に示すように、第2画像表示装置70が初期位置に戻ると、表示画面71において大当たりの報知が行われるとともに、第1画像表示装置40の表示画面41に所定の大当たり図柄に対応する演出図柄50が停止表示される大当たり確定画像が表示される。そして、変動演出としての役物作動リーチ発展演出が終了する。
【0206】
役物作動リーチ発展演出の態様として、ハズレパターン又は逆転パターンが選択されている場合には、前記したジャッジ演出画像の表示後、
図40(A)に示すように、第2画像表示装置70が最大可変位置を維持したまま、表示画面71が暗転するように、可動機構駆動部77の駆動及び第2画像表示装置70の表示が制御される。第2画像表示装置70を最大可変位置に維持させたまま前後方向の僅かな回動を繰り返し、第2画像表示装置70が振動しているように見せてもよい。また、第1画像表示装置40の表示画面41には、所定のハズレ演出画像(例えば背景画面が暗くなり、リーチ状態となっている演出図柄50とは異なる演出図柄50が表示される画像)が表示される。
その後、
図40(B)に示すように、第2画像表示装置70が初期位置に向かって下降を開始する。この際、成功パターンの場合よりも遅い速度で下降させるように、可動機構駆動部77の駆動が制御される。そして、ハズレパターンが選択されている場合には、
図40(C)に示すように、表示画面71を暗転させたまま、第1画像表示装置40の表示画面41に所定のハズレ図柄に対応する演出図柄50が停止表示されるハズレ確定画像が表示され、変動演出としての役物作動リーチ発展演出が終了する。
【0207】
一方、逆転パターンが選択されている場合には、
図40(D)に示すように、第2画像表示装置70が初期位置に戻ったあと、表示画面71に回転灯81が点灯する画像が表示されるとともに、第1画像表示装置40の表示画面41に所定の逆転演出画像(例えばバトルに負けたと思われた主人公が復活する場面を表す画像)が表示される。そして、逆転演出画像が表示された場合には、その後、
図39(C)に示す大当たりの報知と大当たり確定画像の表示が行われる。
【0208】
さらに、本実施の形態では、ハズレパターン又は逆転パターンが選択されている場合、
図40(C)に示すように、第2画像表示装置70が初期位置に戻るまでの間に、表示画面71に、逆転示唆演出画像が表示される場合があるようになっている。本実施の形態では、逆転示唆演出画像として、逆転パターンにおいて表示画面71に表示される回転灯81の画像を一瞬だけ表示させている。表示画面71にこのような逆転示唆演出画像を表示させることにより、遊技者に「逆転パターンに移行するかもしれない」という期待感を抱かせることができる。第2画像表示装置70は成功パターンの場合よりも遅い速度で下降しているので、表示画面71の逆転示唆演出画像が見やすくなっている。
【0209】
なお、逆転示唆演出画像は、逆転パターンにおいて表示画面71に表示される回転灯81そのものの画像に限られず、例えば回転灯81の照射光を連想させる光線の画像や、第1画像表示装置40の表示画面41に表示される逆転演出画像の一部や、逆転演出画像を連想させる形状や色彩の所定の画像が表示されるものであってもよい。また、逆転示唆演出画像を複数種類設け、画像の違いによって逆転パターンへ移行する期待度が異なるようにしてもよい。
【0210】
また、
図38(C)に示すジャッジ演出画像の表示後、
図39(A)に示す成功演出画像や、
図40(A)に示すハズレ演出画像を表示させる場合に、遊技者に所定の操作手段の操作を要求してもよい。例えば、図示しない演出スイッチを設け、第1画像表示装置40の表示画面41や第2画像表示装置70の表示画面71に、演出スイッチの操作を促す表示を行わせるようにしてもよい。この場合には、演出スイッチが操作されてもされなくても、所定時間の経過後に、次の演出ステップ(第2画像表示装置70を降下させて成功演出画像を表示する演出ステップ、又は第2画像表示装置70を最大可動位置に保持したままハズレ演出画像を表示する演出ステップ)に移行させる。
【0211】
なお、以上説明した役物作動リーチ発展演出の内容は一例であって、上記した態様に限定されるものではない。例えば、後半部分の変動時間が45秒の変動パターンに係る変動パターンコマンドを受信した場合にも役物作動リーチ発展演出を行う場合があるように形成し、60秒の変動パターンの場合と、45秒の変動パターンとで、可動機構駆動部77の駆動パターンやカバー駆動部85の駆動パターンを異ならせてもよい。
また、上記した例では、成功パターンの場合とそれ以外の場合とで、第2画像表示装置70が最大可変位置に達した後(ジャッジ演出画像の表示後)の作動態様(第2画像表示装置70が初期位置に戻るまでの時間)が異なるようになっていたが、成功パターンの場合もそれ以外の場合も、同じタイミングかつ同じ態様で第2画像表示装置70を初期位置に戻すようにしてもよい。そして第2画像表示装置70を下降させている間に、成功パターンの場合には表示画面71に成功演出画像やそれを示唆する演出画像を表示させ、ハズレパターンや逆転パターンの場合には表示画面71にハズレ演出画像(何も表示させないことも含む)やそれを示唆する演出画像を表示させるようにしてもよい。そして、ハズレパターンや逆転パターンの場合に、所定の逆転示唆演出画像が表示される場合があるように形成することができる。
【0212】
次に、上述の変動演出を実行するための副制御基板300における制御処理について説明する。
まず、副制御基板300のメイン処理について、
図41に示すフローチャートを参照して説明する。
ステップ2000において、電源投入に応じて、サブROM302からメイン処理プログラムを読み込むとともに、サブRAM303に記憶されるフラグなどの初期化、設定処理を実行する。そして、次のステップ2001に進む。
ステップ2001において、サブCPU301は、各演出乱数を更新する処理を行うとともに、以後は、割込処理が行われるまでステップ2001の処理を繰り返し実行する。なお、演出乱数は複数種類設けられており、ここでは、それぞれの演出乱数が非同期的に更新されている。
【0213】
次に、副制御基板300のタイマ割込処理について、
図42に示すフローチャートを参照して説明する。
副制御基板300には、所定の周期(4ミリ秒)でクロックパルスを発生するリセット用クロックパルス発生回路(特に図示しておらず)が設けられている。そして、このリセット用クロックパルス発生回路によるクロックパルスの発生により、サブCPU301は
タイマ割込処理プログラムを読み込んで、
図42に示すタイマ割込処理を開始する。
【0214】
ステップ2100において、サブCPU301は、副制御基板300で用いられる各種タイマカウンタの更新処理を実行する。そして、次のステップ2101に進む。
なお、本実施の形態に係るパチンコ機Pでは、減算タイマを採用しており、副制御基板300のタイマ割込処理が実行されるたびにタイマカウンタが1ずつ減算され、0になると減算を停止するようになっている。
ステップ2101において、サブCPU301は、サブRAM303の受信バッファに格納されているコマンドを解析するとともに、受信したコマンドに応じた種々の処理を実行する。具体的には、副制御基板300においては、主制御基板100からコマンドが送信されると、コマンド受信割込処理が行われ、主制御基板100から送信されたコマンドが受信バッファに格納される。そして、サブCPU301は、コマンド受信割込処理によって受信バッファに格納されたコマンドを解析する。そして、次のステップ2102に進む。
【0215】
ステップ2102において、サブCPU301は、サブRAM303の送信バッファにセットされているコマンドを、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、電飾制御基板(特に図示しておらず)、役物駆動基板(特に図示しておらず)へ送信する。そして、副制御基板300のタイマ割込処理を終了する。
【0216】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動モードコマンドを受信した場合に実行される変動モードコマンド受信処理について、
図43のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動モードコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911でセットされた後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0217】
ステップ2200において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得する。そして、次のステップ2201に進む。
ステップ2201において、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じた変動演出決定テーブルを選択し、この選択された変動演出決定テーブル、受信した変動モードコマンド、及び、上述のステップ2200で取得した演出乱数に基づいて、変動演出の前半部分の態様を決定する。そして、次のステップ2202に進む。
【0218】
ステップ2202において、サブCPU301は、上述のステップ2201で決定した変動演出の前半部分の態様に対応する前半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた前半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2107において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)へ送信され、これらの制御基板において、受信した前半変動演出実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。そして、変動モードコマンド受信処理を終了する。
【0219】
次に、上述したステップ2101のコマンド解析処理のうち、変動パターンコマンドを受信した場合に実行される変動パターンコマンド受信処理について、
図44のフローチャートを参照して説明する。なお、上述の如く、変動パターンコマンドは、主制御基板100において、変動演出パターン決定処理のステップ911でセットされた後、ステップ208の出力制御処理によって副制御基板300に送信される。
【0220】
ステップ2400において、サブCPU301は、上述のステップ2001で更新された演出乱数を取得する。そして、次のステップ2401に進む。
ステップ2401において、サブCPU301は、大当たりの抽選の結果に応じた変動演出決定テーブルを選択し、この選択された変動演出決定テーブル、受信した変動パターンコマンド、及び、上述のステップ2400で取得した演出乱数に基づいて、変動演出の後半部分の態様を決定する。例えば、変動演出の前半部分でリーチ変動パターンが実行されており、60秒の変動時間に係る変動パターンコマンドを受信している場合には、役物作動リーチ発展演出の実行の有無を抽選により決定し、役物作動リーチ発展演出の実行を決定した場合には、大当たりの抽選の結果に応じた役物作動リーチ発展演出の演出データを取得する。そして、次のステップ2402に進む。
【0221】
ステップ2402において、サブCPU301は、上述のステップ2401で決定した変動演出の後半部分の態様に対応する後半変動演出実行コマンドを送信バッファにセットする。ここでセットされた後半変動演出実行コマンドは、上述のステップ2107において、画像制御基板(特に図示しておらず)、音声制御基板(特に図示しておらず)、役物駆動基板(特に図示しておらず)へ送信され、これらの制御基板において、受信した後半変動演出実行コマンドに対応する演出の実行制御が行われることとなる。例えば、役物作動リーチ発展演出に係る変動演出実行コマンドが送信された場合には、役物作動リーチ発展演出の演出データに基づいて、画像制御基板による第1画像表示装置40及び第2画像表示装置70の画像表示と、役物駆動基板による可動機構駆動部77及びカバー駆動部85の駆動が、同期して実行されるように制御される。そして、変動パターンコマンド受信処理を終了する。
【0222】
(総括)
以上のように、本実施の形態においては、第2画像表示装置70を演出様可動役物として機能させ、第2画像表示装置70をいったん最大可動位置に移動させた後に、大当たりの抽選結果が当たりかハズレかを報知するようにしている。抽選結果に関わらず第2画像表示装置70を最大可動位置に移動させることにより、途中で上昇が止まってしまうハズレパターンと比べて、遊技者の期待感をより高めることができる。しかし、このような仕様においては、ハズレの報知がされた後、第2画像表示装置70を初期位置に戻すまで(役物駆動基板によって可動機構76の復帰処理が行われている間)にある程度の時間を要することとなる。特に、成功パターンもハズレパターンも演出時間が一定の場合、成功パターンでは種々の態様の演出を行って時間を埋めても不自然ではないが、ハズレパターンではどうしても演出の内容が地味になってしまい、第2画像表示装置70を初期位置に戻すまでの間、残念感が助長されてしまう。この点、本実施の形態によれば、第2画像表示装置70を初期位置に戻すまでの間に、表示画面71に逆転示唆演出画像を表示させるようにしたので、遊技者の期待感を演出終了時まで持続させることができるものである。
【0223】
なお、上記した実施の形態では、成功パターンでない場合には、原則として第2画像表示装置70を初期位置に戻すまでの間に表示画面71には何も表示させていないものの、逆転示唆演出画像(特定の画像)が表示される場合があるように形成してあったが、成功パターンでない場合には、表示画面71に、逆転示唆演出画像とは異なる画像、例えばタイトルロゴなどを表示させるようにしてもよい。
また、上記した実施の形態では、第2画像表示装置70が初期位置に戻るまでの間に、表示画面71に逆転示唆演出画像を表示させていたが、本発明はかかる内容に限定されるものではない。例えば、第2画像表示装置70が所定の移動位置(最大可動位置でなくてもよい)まで移動した状態で、第1画像表示部40の表示画面や第2画像表示装置70の表示画面71で抽選結果の報知を行い、その後第2画像表示装置70を初期位置に戻すまでの間に、何らかの画像、例えば、一連の演出が終了したことを知らせるタイトルロゴや、次回の変動について予告する内容の画像等を表示させるようにしてもよい。このように形成しても、第2画像表示装置70(演出可動役物装置)を初期位置に戻すまでの時間を有効利用して、表示態様の多様化を図ることができる。
【0224】
さらに、上記した実施の形態では、第2画像表示装置70(演出可動役物装置の画像表示部)を液晶表示装置としていたが、第2画像表示装置70は液晶表示装置に限られず、ドットマトリックス表示器やその他の表示器であってもよい。
なお、上述の実施の形態における第2画像表示装置70及び可動機構76は本発明の演出役物装置に相当し、述の実施の形態における第2画像表示装置70の表示画面71は本発明の画像表示部に相当する。また、上述の実施の形態におけるサブCPUの役物駆動基板は本発明の役物駆動制御手段に相当し、上述の実施の形態におけるサブCPUの画像制御基板は本発明の画像制御手段に相当する。