(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
絶縁性のチューブ部材と、前記チューブ部材の基端に接続されたハンドルと、前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1電極群と、前記第1電極群から基端側に離間して前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第2電極群と、前記第1電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第1リード線群と、前記第2電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第2リード線群とを備えてなり、前記第1電極群と前記第2電極群との間に互いに異なる極性の電圧を印加することにより、心腔内において除細動を行うカテーテルであって、
前記チューブ部材は、ガイドワイヤを挿通可能な中央ルーメンと、前記中央ルーメンを挟んで対向するように配置された少なくとも一対のサブルーメンとを有するマルチルーメン構造体であり、
前記第1リード線群を構成するリード線は、前記一対のサブルーメンの一方に延在し、前記第2リード線群を構成するリード線は、前記一対のサブルーメンの他方に延在しており、かつ、
前記第1リード線群を構成するリード線が複数のサブルーメンに分かれて延在し、前記第2リード線群を構成するリード線が、前記第1リード線群を構成するリード線が延在している複数のサブルーメンの各々に対向する複数のサブルーメンに分かれて延在しており、前記第1リード線群を構成するリード線と、前記第2リード線群を構成するリード線とは、それぞれ、円周方向に隣り合うサブルーメンに延在していないことを特徴とする心腔内除細動カテーテル。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
心腔内除細動カテーテルを、下大静脈から右心房内に挿入して冠状静脈洞口に挿入する手技(下大静脈からのアプローチ)は、上大静脈から右心房内に挿入して冠状静脈洞口に挿入する従来の手技(上大静脈からのアプローチ)と比較して侵襲性が低い。
【0009】
しかしながら、下大静脈からのアプローチにおいては、心腔内除細動カテーテルを冠状静脈洞口に挿入する操作が難しく、また、冠状静脈洞口に挿入してからもトルクをかけてチューブ部材の捩れを戻すなど操作が必要であり煩雑である。
【0010】
このような問題に対して、下大静脈からのアプローチを行うときに、先行して冠状静脈洞口に挿入したガイドワイヤに沿って心腔内除細動カテーテルを挿入することが考えられる。
【0011】
ガイドワイヤに沿って心腔内除細動カテーテルを目的部位に挿入させるためには、当該心腔内除細動カテーテルのチューブ部材に、ガイドワイヤを挿通可能なルーメン(ガイドワイヤルーメン)を形成する必要がある。
【0012】
しかし、リード線や操作用ワイヤを延在させるルーメンに加えてガイドワイヤルーメンを有するチューブ部材は、空間の占める割合が高くなり(樹脂の占める割合が低くなり)、第1リード線群を延在させるルーメンと第2リード線群を延在させるルーメンとを隔てる樹脂の肉厚も薄くなるため、除細動に必要な電圧が印加されたときに、第1リード線群(第1DC電極群)と、第2リード線群(第2DC電極群)との間で短絡を生じるおそれがある。
【0013】
また、ガイドワイヤルーメンを有することにより空間の占める割合が高い(樹脂の占める割合が低い)チューブ部材を備えた除細動カテーテルはトルク伝達性に劣るものとなる。
【0014】
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、ガイドワイヤに沿って心腔内の目的部位に挿入することができ、第1リード線群(第1電極群)と第2リード線群(第2電極群)との間の短絡を確実に防止することができる心腔内除細動カテーテルを提供することにある。
【0015】
本発明の第2の目的は、ガイドワイヤルーメンを有することによりチューブ部材を構成する樹脂の割合が低くなっているにも関わらず、優れたトルク伝達性を発揮することができる心腔内除細動カテーテルを提供することになる。
【課題を解決するための手段】
【0016】
(1)本発明の心腔内除細動カテーテルは、絶縁性のチューブ部材と、前記チューブ部材の基端に接続されたハンドルと、前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第1DC電極群と、前記第1DC電極群から基端側に離間して前記チューブ部材の先端領域に装着された複数のリング状電極からなる第2DC電極群と、前記第1DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第1リード線群と、前記第2DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線からなる第2リード線群とを備えてなり、前記第1DC電極群と前記第2DC電極群との間に互いに異なる極性の電圧を印加することにより、心腔内において除細動を行うカテーテルであって、
前記チューブ部材は、ガイドワイヤを挿通可能な中央ルーメンと、前記中央ルーメンを挟んで対向するように配置された少なくとも一対のサブルーメンとを有するマルチルーメン構造体であり、
前記第1リード線群を構成するリード線は、前記一対のサブルーメンの一方に延在し、前記第2リード線群を構成するリード線は、前記一対のサブルーメンの他方に延在して
おり、かつ、
前記第1リード線群を構成するリード線が複数のサブルーメンに分かれて延在し、前記第2リード線群を構成するリード線が、前記第1リード線群を構成するリード線が延在している複数のサブルーメンの各々に対向する複数のサブルーメンに分かれて延在しており、前記第1リード線群を構成するリード線と、前記第2リード線群を構成するリード線とは、それぞれ、円周方向に隣り合うサブルーメンに延在していないことを特徴とする。
【0017】
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、第1リード線群を構成するリード線と第2リード線群を構成するリード線とが、それぞれ、中央ルーメンを挟んで対向するように配置された一対のサブルーメンの一方および他方に延在していることにより、第1リード線群を構成する当該リード線と第2リード線群を構成する当該リード線とを、十分に離間させた状態で、チューブ部材内において完全に絶縁隔離することができる。
【0021】
また、このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、第1リード線群を構成するリード線および第2リード線群を構成するリード線が、複数のサブルーメンに分かれて延在している場合であっても、第1リード線群を構成するリード線と、第2リード線群を構成するリード線とが、円周方向に隣り合うサブルーメンに延在していないことにより、第1リード線群(第1DC電極群)と第2リード線群(第2DC電極群)との間で短絡が発生することを確実に防止することができる。
【0022】
(2)本発明の心腔内除細動カテーテルにおいて、前記チューブ部材は、その全長にわたり編組によって補強されており、少なくとも前記チューブ部材の先端領域を補強している前記編組が樹脂製であることが好ましい。
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、チューブ部材が全長にわたり編組によって補強されているので、中央ルーメンを有することによって樹脂の割合が低くなっているにも関わらず優れたトルク伝達性を発揮することができる。
また、チューブ部材の先端領域を補強している編組が樹脂製であるので、チューブ部材の先端領域の管壁に電極のリード線を通すための側孔を容易に形成することができ、また、側孔の内周面に露出する樹脂線材によって、当該側孔に挿通されるリード線が損傷を受けることもない。
【0023】
(3)上記(2)の心腔内除細動カテーテルにおいて、前記チューブ部材は、その全長にわたり樹脂製の編組により補強されていることが好ましい。
このような構成の心腔内除細動カテーテルによれば、チューブ部材が全長にわたり編組によって補強されているので、中央ルーメンを有することによって樹脂の割合が低くなっているにも関わらず優れたトルク伝達性を発揮することができる。
また、当該編組が樹脂製であるので、チューブ部材の先端領域の管壁に電極のリード線を通すための側孔を容易に形成することができ、また、側孔の内周面に露出する樹脂線材によって、当該側孔に挿通されるリード線が損傷を受けることもない。
また、当該編組が樹脂製であるので、この編組を介して短絡が起きることもない。
また、全長にわたり樹脂製の編組により補強されているチューブ部材(ブレードチューブ)は、1回の押出成形によって製造することができ、例えば、樹脂製の編組により補強された先端部分と金属製の編組により補強された基端部分とを接合してなるブレードチューブと比較して製造が容易である。また、編組の構成材料が切り替わるチューブ部分で起こりやすいとされるキンクが起こることもない。
【発明の効果】
【0024】
本発明の心腔内除細動カテーテルによれば、ガイドワイヤに沿って心腔内の目的部位に挿入することができ、下大静脈からのアプローチによって冠状静脈洞口に挿入する操作であっても容易に行うことができる。
また、本発明の心腔内除細動カテーテルによれば、第1リード線群(第1DC電極群)と第2リード線群(第2DC電極群)との間の短絡を確実に防止することができる。
【0025】
また、チューブ部材が全長にわたり樹脂製の編組によって補強されている本発明の心腔内除細動カテーテルによれば、中央ルーメンを有することによりチューブ部材を構成する樹脂の割合が低くなっているにも関わらず、優れたトルク伝達性を発揮することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
<
第1参考実施形態>
図1〜
図3(
図3Aおよび
図3B)に示すこの実施形態
(本発明の技術的範囲に属さない参考実施形態)の除細動カテーテル100は、マルチルーメンチューブ10と、その基端に接続されたハンドル20と、マルチルーメンチューブ10の先端領域に装着された8個のリング状電極31からなる第1DC電極群31Gと、第1DC電極群31Gから基端側に離間してマルチルーメンチューブ10の先端領域に装着された8個のリング状電極32からなる第2DC電極群32Gと、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gの間におけるマルチルーメンチューブ10の先端領域に装着された電位測定用の4個のリング状電極33と、マルチルーメンチューブ10の先端に装着された先端チップ35と、第1DC電極群31Gを構成する電極31の各々に接続されたリード線41からなる第1リード線群41Gと、第2DC電極群32Gを構成する電極32の各々に接続されたリード線42からなる第2リード線群42Gと、電位測定用のリング状電極33の各々に接続されたリード線43とを備えてなり、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間に互いに異なる極性の電圧を印加することにより、心腔内において除細動を行うカテーテルであって、マルチルーメンチューブ10は、その全長にわたり樹脂製の編組18によって補強されているとともに、ガイドワイヤルーメンとなる中央ルーメン10Lと、この中央ルーメン10Lを挟んで対向するように配置された第1サブルーメン11Lおよび第2サブルーメン12Lと、中央ルーメン10Lを挟んで対向するように配置された第3サブルーメン13Lおよび第4サブルーメン14Lとを有し、第1リード線群41Gは第1サブルーメン11Lに延在しており、第2リード線群42Gは第2サブルーメン12Lに延在しており、リード線43は第3サブルーメン13Lに延在している。
【0028】
本実施形態の除細動カテーテル100は、マルチルーメンチューブ10と、ハンドル20と、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gと、電位測定用のリング状電極33と、先端チップ35と、第1リード線群41Gと、第2リード線群42Gと、リード線43とを備えてなる。
【0029】
除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10は、マルチルーメン構造を有する絶縁性のチューブ部材である。
マルチルーメンチューブ10の外径は、例えば1.2〜3.3mmとされ、好適な一例を示せば2.0mmである。
【0030】
なお、
図1および
図2においては、マルチルーメンチューブ10の先端領域を直線的に示しているが、当該先端領域は、通常、特定のカーブ形状を有している。
そのような先端領域のカーブ形状としては、特開2012−50673号公報、特開2012−192124号公報などに開示された形状を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
なお、そのような先端領域のカーブ形状は、外部から何も力も受けていないときの形状であり、例えば、マルチルーメンチューブ10を直線状の管腔内に通したときには直線状に変形し、マルチルーメンチューブ10を湾曲する管腔内に通したときには、当該管腔の形状に従って湾曲する。また、先端領域の形状は、後述するハンドル20の操作によって変化させることができる。
【0031】
図3Aおよび
図3Bに示すように、この実施形態の除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10は、樹脂からなるインナー部16と、このインナー部16を被覆する樹脂からなるアウター部17と、マルチルーメンチューブ10の全長にわたって、アウター部17の内部に埋設された樹脂製の編組18とを備えてなるブレードチューブである。
【0032】
マルチルーメンチューブ10(インナー部16)には、ガイドワイヤルーメンとしての中央ルーメン10Lと、この中央ルーメン10Lの周囲において4つのサブルーメン(第1サブルーメン11L、第2サブルーメン12L、第3サブルーメン13L、第4サブルーメン14L)とが、それぞれ、樹脂チューブ15によって区画されることにより形成されている。
【0033】
中央ルーメン10Lの径は、例えば0.4〜1.0mmとされ、好適な一例を示せば0.75mmである。
マルチルーメンチューブ10の外径に対する中央ルーメン10Lの径の比は0.2以上であることが好ましく、好適な一例を示せば0.375(0.75/2.0)である。
【0034】
第1サブルーメン11Lと第2サブルーメン12Lとは、中央ルーメン10Lを挟んで対向するように配置されている。
また、第3サブルーメン13Lと第4サブルーメン14Lとは、中央ルーメン10Lを挟んで対向するように配置されている。
【0035】
第1サブルーメン11L、第2サブルーメン12Lおよび第3サブルーメン13Lの横断面は、それぞれ、カプセル形(小判形)であり、これにより、マルチルーメンチューブ10の外径を必要以上に拡大することなく、ルーメン内腔の面積を広く確保することができ、組付作業の簡略化も可能となる。
【0036】
インナー部16およびアウター部17を構成する樹脂としては、熱可塑性ポリアミド系エラストマーを挙げることができ、特に、ポリエーテルブロックアミド(PEBAX)が好ましい。
【0037】
インナー部16を構成する樹脂の硬度は25D〜40Dであることが好ましい。
アウター部17を構成する樹脂の硬度は35D〜72Dであることが好ましい。なお、アウター部17を構成する樹脂は、通常、軸方向によって異なる硬度のものが用いられている。
【0038】
ルーメンを区画形成する樹脂チューブ15は、パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などの絶縁性の高いフッ素樹脂により構成されている。
【0039】
図3Aおよび
図3Bに示すように、アウター部17の内部には、マルチルーメンチューブ10の全長にわたり、補強材である樹脂製の編組18が埋設されている。
図3Aおよび
図3Bに示す断面視において、編組18は、16組(32本)の樹脂線材が円周方向に等角度間隔で配置されてなる。
【0040】
このように、マルチルーメンチューブ10が全長にわたり編組18で補強されている(ブレードチューブとなっている)ことにより、中央ルーメン10Lを有することで樹脂の割合が低くなっているにも関わらず、優れたトルク伝達性を発揮することができる。
【0041】
また、編組18が樹脂製であるので、この編組18を介して短絡が起きることはない。 また、編組18が樹脂製であるので、マルチルーメンチューブ10の先端領域の管壁に電極のリード線(リード線41、42および43)を通すための側孔を容易に形成することができ、また、側孔の内周面に露出する樹脂線材によって当該側孔に挿通されるリード線が損傷を受けることもない。
【0042】
樹脂製の編組18に代えて金属製の編組を埋設すると、マルチルーメンチューブ10の先端領域の管壁に電極のリード線を通すための側孔を形成することが困難となり、側孔を形成できたとしても、当該側孔の内周面において編組を構成する金属線材が露出するために、除細動カテーテルの製造時および使用時において、電極のリード線が当該金属線材に接触し、リード線を構成する樹脂被覆層が損傷を受けて当該リード線の絶縁性が損なわれることが考えられる。このため、マルチルーメンチューブ10の先端領域を含む全長にわたり、金属製の編組を埋設することはできない。
【0043】
編組18(樹脂線材)の構成材料としては、埋設されることによって補強効果を発揮できる樹脂の中から選択される。
編組18の構成材料の硬度としては、72D以上であることが好ましい。この硬度が過小である場合には、十分な補強効果、延いては良好なトルク伝達性を発揮できない場合がある。
また、編組18の構成材料の曲げ弾性率(ISO178またはJIS K7171)としては、通常500〜19,000MPaとされ、好ましくは2,000〜7,000MPa、更に好ましくは3,500〜4,200とされ、好適な一例を示せば4,200MPaとされる。
【0044】
編組18(樹脂線材)を構成する好適な補強樹脂としては、PEEK樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエステル樹脂などを挙げることができ、これらのうち、PEEK樹脂が特に好ましい。
【0045】
編組18を構成する樹脂線材の線径としては、通常30〜100μmとされ、好適な一例を示せば60μmとされる。
また、編組18の打ち数としては、通常8〜32とされ、好適な一例を示せば16とされる。
また、編組18の持ち数としては、通常1〜4とされ、好適な一例を示せば2とされる。
【0046】
図1に示すように、本実施形態の除細動カテーテル100を構成するハンドル20は、ハンドル本体21と、摘まみ22と、ストレインリリーフ24とを備えている。
摘まみ22を回転操作することにより、マルチルーメンチューブ10の先端領域の形状を変化させることができる。
【0047】
マルチルーメンチューブ10の先端領域の外周には、第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群32Gが装着されている。
本発明において、「電極群」とは、同一の極を構成し(同一の極性を有し)、または、同一の目的を持って、狭い間隔(例えば5mm以下)で装着された複数の電極の集合体をいう。
【0048】
第1DC電極群は、チューブ部材の先端領域において、同一の極(−極または+極)を構成する複数の電極が狭い間隔で装着されてなる。ここに、第1DC電極群を構成する電極の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4〜13個とされ、好ましくは8〜10個とされる。
【0049】
本実施形態において、第1DC電極群31Gは8個のリング状電極31から構成されている。第1DC電極群31Gを構成する電極31はリード線(
図3Aおよび
図3Bに示す第1リード線群41Gを構成するリード線41)およびハンドル20の基端部に内蔵されたコネクタを介して、直流電源装置における同一の極の端子に接続されている。
【0050】
ここに、電極31の幅(軸方向の長さW1)は、2〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば4mmである。
電極31の幅が狭過ぎると、電圧印加時の発熱量が過大となって、周辺組織に損傷を与える虞がある。一方、電極31の幅が広過ぎると、マルチルーメンチューブ10における第1DC電極群31Gが装着された部分の可撓性・柔軟性が損なわれることがある。
【0051】
電極31の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば2mmである。
心腔内除細動カテーテル100の使用時(心腔内に配置されるとき)において、第1DC電極群31Gは冠状静脈洞内に位置する。
【0052】
第2DC電極群は、第1DC電極群の装着位置から基端側に離間したチューブ部材の先端領域において、第1DC電極群とは逆の極(+極または−極)を構成する複数の電極が狭い間隔で装着されてなる。ここに、第2DC電極群を構成する電極の個数は、電極の幅や配置間隔によっても異なるが、例えば4〜13個とされ、好ましくは8〜10個とされる。
【0053】
本実施形態において、第2DC電極群32Gは8個のリング状電極32から構成されている。第2DC電極群32Gを構成する電極32はリード線(
図3Bに示す第2リード線群42Gを構成するリード線42)およびハンドル20の基端部に内蔵されたコネクタを介して、直流電源装置における同一の極の端子(第1DC電極群31Gが接続されているものとは逆の極の端子)に接続される。
これにより、第1DC電極群31G(電極31)と、第2DC電極群32G(電極32)とに、互いに異なる極性の電圧が印加され、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとは、互いに極性の異なる電極群(一方の電極群が−極のときに、他方の電極群は+極)となる。
【0054】
ここに、電極32の幅(軸方向の長さW2)は、2〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば4mmである。
電極32の幅が狭過ぎると、電圧印加時の発熱量が過大となって、周辺組織に損傷を与える虞がある。一方、電極32の幅が広過ぎると、マルチルーメンチューブ10における第2DC電極群32Gが装着された部分の可撓性・柔軟性が損なわれることがある。
【0055】
電極32の装着間隔(隣り合う電極の離間距離)は、1〜5mmであることが好ましく、好適な一例を示せば2mmである。
心腔内除細動カテーテル100の使用時(心腔内に配置されるとき)において、第2DC電極群32Gは右心房内に位置する。
【0056】
なお、第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群を構成する電極は、電位を測定するために使用することもできる。
【0057】
マルチルーメンチューブ10の外周(第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間)には、電位測定に用いる4個のリング状電極33が装着されている。
電極33は、リード線(
図3Aおよび
図3Bに示すリード線43)およびハンドル20の基端部に内蔵されたコネクタを介して心電図計に接続される。
【0058】
ここに、電極33の幅(軸方向の長さW3)は0.5〜2.0mmであることが好ましく、好適な一例を示せば1.2mmである。
電極33の幅が広過ぎると、心電位の測定精度が低下したり、異常電位の発生部位の特定が困難となったりする。
【0059】
心腔内除細動カテーテル100の先端には、先端チップ35が装着されている。
この先端チップ35にはリード線は接続されておらず、本実施形態では先端チップ35を電極として使用していない。但し、リード線を接続させることにより、電極として使用することも可能である。先端チップ35の構成材料は、白金、ステンレスなどの金属材料、各種の樹脂材料など、特に限定されるものではない。
【0060】
第1DC電極群31G(基端側の電極31)と、第2DC電極群32G(先端側の電極32)との離間距離は40〜100mmであることが好ましく、更に好ましくは50〜90mmである。
【0061】
第1DC電極群31Gを構成する電極31、第2DC電極群32Gを構成する電極32、電位測定用の電極33としては、X線に対する造影性を良好なものとするために、白金または白金系の合金からなることが好ましい。
【0062】
図3Aおよび
図3Bに示される第1リード線群41Gは、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々に接続された8本のリード線41の集合体である。
第1リード線群41G(リード線41)により、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
【0063】
第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31は、それぞれ、異なるリード線41に接続される。リード線41の各々は、その先端部分において電極31の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ10の管壁に形成された側孔から第1サブルーメン11Lに進入する。第1サブルーメン11Lに進入した8本のリード線41は、第1リード線群41Gとして、当該第1サブルーメン11Lに延在する。
【0064】
図3Bに示される第2リード線群42Gは、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々に接続された8本のリード線42の集合体である。
第2リード線群42G(リード線42)により、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
【0065】
第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32は、それぞれ、異なるリード線42に接続される。リード線42の各々は、その先端部分において電極32の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ10の管壁に形成された側孔から第2サブルーメン12Lに進入する。第2サブルーメン12Lに進入した8本のリード線42は、第2リード線群42Gとして、当該第2サブルーメン12Lに延在する。
【0066】
上記のように、第1リード線群41G(8本のリード線41)が第1サブルーメン11Lに延在し、第2リード線群42G(8本のリード線42)が第2サブルーメン12Lに延在し、第1リード線群41Gが延在している第1サブルーメン11Lと、第2リード線群42Gが延在している第2サブルーメン12Lとが、中央ルーメン10Lを挟んで、互いに対向するように配置されていることにより、第1リード線群41Gと、第2リード線群42Gとの離間距離を十分に確保することができる。
【0067】
図3Aおよび
図3Bに示される4本のリード線43は、電位測定用の電極33の各々に接続されている。リード線43により、電極33の各々を、心電図計に接続することができる。
【0068】
電位測定に用いる4個の電極33は、それぞれ、異なるリード線43に接続されている。リード線43の各々は、その先端部分において電極33の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ10の管壁に形成された側孔から第3サブルーメン13Lに進入し、当該第3サブルーメン13Lに延在する。
【0069】
リード線41、リード線42およびリード線43は、何れも、ポリイミドなどの樹脂によって金属導線の外周面が被覆された樹脂被覆線からなる。ここに、被覆樹脂の膜厚としては2〜30μm程度とされる。
【0070】
図3Aおよび
図3Bにおいて51は操作用ワイヤである。
操作用ワイヤ51は、第4サブルーメン14Lに延在し、マルチルーメンチューブ10の中心軸に対して偏心して延びている。
【0071】
操作用ワイヤ51の先端部分は、例えば、はんだによって先端チップ35に固定されている。
一方、操作用ワイヤ51の基端部分は、ハンドル20の摘まみ22に接続されており、摘まみ22を操作することによって操作用ワイヤ51が引っ張られる。これにより、マルチルーメンチューブ10の先端領域の形状を変化させることができる。
【0072】
操作用ワイヤ51は、ステンレスやNi−Ti系超弾性合金製で構成してあるが、必ずしも金属で構成する必要はない。操作用ワイヤ51は、たとえば高強度の非導電性ワイヤなどで構成してもよい。
なお、マルチルーメンチューブの先端部を偏向させる機構は、これに限定されるものではなく、例えば、板バネを備えてなるものであってもよい。
【0073】
マルチルーメンチューブ10の第4サブルーメン14Lには、操作用ワイヤ51のみが延在しており、リード線(群)は延在していない。これにより、マルチルーメンチューブ10の先端部の偏向操作時において、軸方向に移動する操作用ワイヤ51によってリード線が損傷(例えば、擦過傷)を受けることを防止することができる。
【0074】
本実施形態の除細動カテーテル100では、ハンドル20の内部においても、第1リード線群41G(リード線41)と、第2リード線群42G(リード線42)と、リード線43とが絶縁隔離されていることが好ましい。
【0075】
本実施形態の除細動カテーテル100は、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間に直流電圧を印加することにより、細動を起こしている心臓に直接的に電気エネルギーを与えて除細動治療を行うためのカテーテルである。
【0076】
本実施形態の除細動カテーテル100は、第1DC電極群31Gが冠状静脈洞内に位置し、第2DC電極群32Gが右心房内に位置するようにして心腔内に配置される。これにより、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとによって心臓が挟み込まれるような状態となる。
【0077】
このような状態に配置するためには、先ず、ガイドワイヤを、下大静脈から右心房内に挿入し、更に、右心房の後下壁にある冠状静脈洞口に挿入する。
次に、このガイドワイヤに沿って、除細動カテーテル100を下大静脈から右心房内に挿入し、更に、右心房の後下壁にある冠状静脈洞口に挿入し、冠状静脈洞内を挿通(前進)させる。
ここに、除細動カテーテル100を、下大静脈から右心房内に挿入して冠状静脈洞口に挿入する手技(下大静脈からのアプローチ)は、上大静脈からのアプローチと比較して、侵襲性が低いので好ましい。
【0078】
本実施形態の除細動カテーテル100は、心房細動が生じやすい心臓カテーテル術を行う際に好適に使用される。特に好ましくは、心腔内除細動カテーテル100を患者の心腔内に予め挿入してから、心臓カテーテル術を行う。
【0079】
心臓カテーテル術中において、第1DC電極群31Gおよび/または第2DC電極群32Gの構成電極、あるいは電位測定用の電極33により測定される心電図を監視(モニタリング)し、心房細動が発生した場合には、心臓カテーテル術を中断して、除細動カテーテル100による除細動治療を行う。具体的には、第1リード線群41Gおよび第2リード線群42Gを介して、第1DC電極群31Gと、第2DC電極群32Gとの間で直流電圧を印加して、細動を起こしている心臓に直接的に電気エネルギーを与える。
【0080】
ここに、除細動カテーテル100により心臓に供給される電気エネルギーとしては10〜30Jであることが好ましい。
電気エネルギーが過少である場合には、十分な除細動治療を行うことができない。一方、電気エネルギーが過剰である場合には、第1DC電極群31Gおよび第2DC電極群32Gが位置する周辺の組織が損傷を受ける虞がある。
【0081】
本実施形態の心腔内除細動カテーテル100によれば、ガイドワイヤに沿って心腔内の目的部位に挿入することができ、下大静脈からのアプローチによって冠状静脈洞口に挿入する操作であっても容易に実施することができる。
【0082】
また、この心腔内除細動カテーテル100によれば、第1リード線群41Gが延在している第1サブルーメン11Lと、第2リード線群42Gが延在している第2サブルーメン12Lとが、中央ルーメン10Lを挟んで、互いに対向するように配置されていることにより、第1リード線群41Gと、第2リード線群42Gとを、十分に離間させた状態で、マルチルーメンチューブ10内において完全に絶縁隔離することができる。これにより、心腔内除細動に必要な電圧が印加されたときに、第1リード線群41G(第1DC電極群31G)と第2リード線群42G(第2DC電極群32G)との間で短絡が発生することを確実に防止することができる。
【0083】
また、心腔内除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10が、全長にわたって樹脂製の編組18によって補強されていることにより、優れたトルク伝達性を発揮することができる。また、編組18が樹脂製であることにより、この編組18を介して短絡が起きることはない。
【0084】
<
第2参考実施形態>
図4は、本実施形態
(本発明の技術的範囲に属さない参考実施形態)の除細動カテーテル200を示す平面図であり、
図5は、この除細動カテーテル
200の先端領域の横断面図(
図4のC−C断面図)である。
【0085】
本実施形態の除細動カテーテル200は、先端可撓部分を有するマルチルーメンチューブ60と、マルチルーメンチューブ60の基端に接続された制御ハンドル80と、マルチルーメンチューブ60の先端可撓部分に装着された8個のリング状電極31からなる第1DC電極群31Gと、第1DC電極群31Gから基端側に離間して、マルチルーメンチューブ60の先端可撓部分に装着された8個のリング状電極32からなる第2DC電極群32Gと、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gの間におけるマルチルーメンチューブ60の先端可撓部分に装着された電位測定用の4個のリング状電極33と、マルチルーメンチューブ60の先端に装着された先端チップ35と、第1DC電極群31Gを構成する電極31の各々に接続されたリード線41からなる第1リード線群41Gと、第2DC電極群32Gを構成する電極32の各々に接続されたリード線42からなる第2リード線群42Gと、電位測定用のリング状電極33の各々に接続されたリード線43と、マルチルーメンチューブ60の先端可撓部分を第1方向(
図4において矢印Aで示す方向)に撓ませるために、その基端を引張操作できる第1操作用ワイヤ511と、マルチルーメンチューブ60の先端可撓部分を第2方向(
図4において矢印Bで示す方向)に撓ませるために、その基端を引張操作できる第2操作用ワイヤ512とを備えてなり、第1DC電極群31Gと第2DC電極群32Gとの間に互いに異なる極性の電圧を印加することにより、心腔内において除細動を行うカテーテルである。
【0086】
図5に示すように、この実施形態の除細動カテーテル200を構成するマルチルーメンチューブ60は、樹脂からなるインナー部68と、このインナー部68を被覆する樹脂からなるアウター部69と、マルチルーメンチューブ60の全長にわたってアウター部69の内部に埋設された樹脂製の編組18とを備えてなるブレードチューブである。
【0087】
マルチルーメンチューブ60(インナー部68)には、ガイドワイヤルーメンとしての中央ルーメン60Lと、この中央ルーメン60Lの周囲において6つのサブルーメン61L〜66Lとが、それぞれ、樹脂チューブ67によって区画されることにより形成されている。
【0088】
第1サブルーメン61Lと第2サブルーメン62Lとは、中央ルーメン60Lを挟んで対向するように配置されている。
また、第3サブルーメン63Lと第4サブルーメン64Lとは、中央ルーメン60Lを挟んで対向するように配置されている。
また、第5サブルーメン65Lと第6サブルーメン66Lとは、中央ルーメン60Lを挟んで対向するように配置されている。
【0089】
第1サブルーメン61L、第2サブルーメン62L、第3サブルーメン63Lおよび第4サブルーメン64Lの横断面は、それぞれ、カプセル形(小判形)である。
また、第5サブルーメン65Lおよび第6サブルーメン66Lの横断面は、それぞれ、円形である。
【0090】
また、マルチルーメンチューブ60は、
第1参考実施形態に係る除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10と同様に、その全長にわたって樹脂製の編組18によって補強されている。
【0091】
図5に示される第1リード線群41Gは、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々に接続された8本のリード線41の集合体である。
第1リード線群41G(リード線41)により、第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
【0092】
第1DC電極群31Gを構成する8個の電極31は、それぞれ、異なるリード線41に接続される。リード線41の各々は、その先端部分において電極31の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ60の管壁に形成された側孔から第1サブルーメン61Lに進入する。第1サブルーメン61Lに進入した8本のリード線41は、第1リード線群41Gとして、当該第1サブルーメン61Lに延在する。
【0093】
図5に示される第2リード線群42Gは、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々に接続された8本のリード線42の集合体である。
第2リード線群42G(リード線42)により、第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32の各々を直流電源装置に電気的に接続することができる。
【0094】
第2DC電極群32Gを構成する8個の電極32は、それぞれ、異なるリード線42に接続される。リード線42の各々は、その先端部分において電極32の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ60の管壁に形成された側孔から第2サブルーメン62Lに進入する。第2サブルーメン62Lに進入した8本のリード線42は、第2リード線群42Gとして、当該第2サブルーメン62Lに延在する。
【0095】
上記のように、第1リード線群41G(8本のリード線41)が第1サブルーメン61Lに延在し、第2リード線群42G(8本のリード線42)が第2サブルーメン62Lに延在し、第1リード線群41Gが延在している第1サブルーメン61Lと、第2リード線群42Gが延在している第2サブルーメン62Lとが、中央ルーメン60Lを挟んで、互いに対向するように配置されていることにより、第1リード線群41Gと、第2リード線群42Gとの離間距離を十分に確保することができる。
【0096】
図5に示される4本のリード線43は、電位測定用の電極33の各々に接続されている。リード線43により、電極33の各々を、心電図計に接続することができる。
【0097】
電位測定に用いる4個の電極33は、それぞれ、異なるリード線43に接続されている。リード線43の各々は、その先端部分において電極33の内周面に溶接されるとともに、マルチルーメンチューブ60の管壁に形成された側孔から第3サブルーメン63Lに進入し、当該第3サブルーメン63Lに延在する。
【0098】
本実施形態の除細動カテーテル200は、マルチルーメンチューブ60の先端可撓部分を第1方向(矢印Aで示す方向)に撓ませるための第1操作用ワイヤ511と、この先端可撓部分を第2方向(矢印Bで示す方向)に撓ませるための第2操作用ワイヤ512とを備えている。
ここに、「先端可撓部分」とは、操作用ワイヤ(第1操作用ワイヤ511,第2操作用ワイヤ512)を引張操作することによって撓むことのできるマルチルーメンチューブの先端領域をいう。
【0099】
第1操作用ワイヤ511は、マルチルーメンチューブ60の第5サブルーメン65Lにおいて管軸方向に移動可能に挿通されている。第1操作用ワイヤ511の先端部分は、例えば、先端チップ35の内部空間に充填されたはんだによって先端チップ35に接続固定されている。また、第1操作用ワイヤ511の基端は、制御ハンドル80の摘まみ85に接続されて、引張操作可能になっている。
【0100】
一方、第2操作用ワイヤ512は、マルチルーメンチューブ60の第6サブルーメン66Lにおいて管軸方向に移動可能に挿通されている。第2操作用ワイヤ512の先端部分は、例えば、先端チップ35の内部空間に充填されたはんだによって先端チップ35に接続固定されている。また、第2操作用ワイヤ512の基端は、制御ハンドル80の摘まみ85に接続されて引張操作可能になっている。
【0101】
制御ハンドル80の摘まみ85を
図4に示すA1方向に回転させると、第1操作用ワイヤ511が引っ張られて第5サブルーメン65Lの基端側に移動し、先端可撓部分を第1方向(矢印Aで示す方向)に撓ませることができる。
一方、制御ハンドル80の摘まみ85を
図4に示すB1方向に回転させると、第2操作用ワイヤ512が引っ張られて第6サブルーメン66Lの基端側に移動し、先端可撓部分を第2方向(矢印Bで示す方向)に撓ませることができる。
【0102】
図5に示すように、マルチルーメンチューブ60の第4サブルーメン64Lにはリード線が挿通されておらず、空きルーメンとなっている。
【0103】
この実施形態の除細動カテーテル200によれば、第1リード線群41Gが延在している第1サブルーメン61Lと、第2リード線群42Gが延在している第2サブルーメン62Lとが、中央ルーメン60Lを挟んで互いに対向するように配置されていることにより、第1リード線群41Gと第2リード線群42Gとを、十分に離間させた状態で、マルチルーメンチューブ60内において完全に絶縁隔離することができる。これにより、心腔内除細動に必要な電圧が印加されたときに、第1リード線群41G(第1DC電極群31G)と第2リード線群42G(第2DC電極群32G)との間で短絡が発生することを確実に防止することができる。
【0104】
<
本発明の実施形態>
図6は、本実施形態の除細動カテーテル300の先端領域を示す横断面図である。
この除細動カテーテル300の外観形状は、
図1および
図2に示した
第1参考実施形態に係る除細動カテーテル100と同様であるため、その図示を省略するが、
図6に示した横断面は、
図2のB−B断面図と同じ位置における横断面である。
【0105】
本実施形態の除細動カテーテル300は、マルチルーメンチューブ70と、その基端に接続されたハンドルと、マルチルーメンチューブ70の先端領域に装着された8個のリング状電極からなる第1DC電極群と、第1DC電極群から基端側に離間してマルチルーメンチューブ70の先端領域に装着された8個のリング状電極からなる第2DC電極群と、第1DC電極群と第2DC電極群の間におけるマルチルーメンチューブ70の先端領域に装着された電位測定用の4個のリング状電極と、マルチルーメンチューブ70の先端に装着された先端チップと、第1DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線41からなる第1リード線群41Gと、第2DC電極群を構成する電極の各々に接続されたリード線42からなる第2リード線群42Gと、電位測定用のリング状電極の各々に接続されたリード線43とを備えてなり、第1DC電極群と第2DC電極群との間に互いに異なる極性の電圧を印加することにより、心腔内において除細動を行うカテーテルである。
【0106】
図6に示すように、この実施形態の除細動カテーテル300を構成するマルチルーメンチューブ70は、樹脂からなるインナー部701と、インナー部701を被覆する樹脂からなるアウター部702と、マルチルーメンチューブ70の全長にわたってアウター部702の内部に埋設された樹脂製の編組18とを備えてなるブレードチューブである。
【0107】
マルチルーメンチューブ70(インナー部701)には、ガイドワイヤルーメンとしての中央ルーメン70Lと、この中央ルーメン70Lの周囲において8つのサブルーメン71L〜78Lとが、それぞれ、樹脂チューブによって区画されることにより形成されている。
【0108】
図6に示すように、8つのサブルーメン71L〜78Lの横断面は、それぞれ、中央ルーメン70Lより小径の円形である。
また、マルチルーメンチューブ70は、
第1参考実施形態に係る除細動カテーテル100を構成するマルチルーメンチューブ10と同様に、その全長にわたって樹脂製の編組18によって補強されている。
【0109】
マルチルーメンチューブ70において、第1サブルーメン71Lと、第5サブルーメン75Lとは、中央ルーメン70Lを挟んで対向するように配置されている。
第1サブルーメン71Lには、第1リード線群41Gを構成する3本のリード線41が延在し、第5サブルーメン75Lには、第2リード線群42Gを構成する3本のリード線42が延在している。
【0110】
また、第2サブルーメン72Lと、第6サブルーメン76Lとは、中央ルーメン70Lを挟んで対向するように配置されている。
第2サブルーメン72Lには、第1リード線群41Gを構成する3本のリード線41が延在し、第6サブルーメン76Lには、第2リード線群42Gを構成する3本のリード線42が延在している。
【0111】
また、第3サブルーメン73Lと、第7サブルーメン77Lとは、中央ルーメン70Lを挟んで対向するように配置されている。
第3サブルーメン73Lには、第1リード線群41Gを構成する2本のリード線41が延在し、第7サブルーメン77Lには、第2リード線群42Gを構成する2本のリード線42が延在している。
【0112】
また、第4サブルーメン74Lと、第8サブルーメン78Lとは、中央ルーメン70Lを挟んで対向するように配置されている。
第4サブルーメン74Lには、電位測定用のリング状電極の各々に接続された4本のリード線43が延在し、第8サブルーメン78Lには操作用ワイヤ51が延在している。
【0113】
この実施形態の除細動カテーテル300によれば、第1リード線群41Gを構成する8本のリード線41がサブルーメン71L〜73Lに分かれて延在し、第2リード線群42Gを構成する8本のリード線42が、サブルーメン71L〜73Lの各々に対向するサブルーメン75L〜77Lに分かれて延在しており、リード線41が延在する第1サブルーメン71Lとリード線42が延在する第7サブルーメン77Lとの間には、操作用ワイヤ51が延在する第8サブルーメン78Lが形成され、リード線41が延在する第3サブルーメン73Lとリード線42が延在する第5サブルーメン75Lとの間には、リード線43が延在する第4サブルーメン74Lが形成されていて、リード線41とリード線42とが、円周方向に隣り合うサブルーメンには延在していないので、第1リード線群41Gを構成するリード線41と、第2リード線群42Gを構成するリード線42とを、十分に離間させた状態で、マルチルーメンチューブ70内において完全に絶縁隔離することができる。これにより、心腔内除細動に必要な電圧が印加されたときに、第1リード線群41G(第1DC電極群)と第2リード線群42G(第2DC電極群)との間で短絡が発生することを確実に防止することができる。
【0114】
なお、本実施形態の変形例として、第3サブルーメン73Lに延在している2本のリード線41を、それぞれ、第1サブルーメン71Lおよび第2サブルーメン72Lに延在させるとともに、第7サブルーメン77Lに延在している2本のリード線42を、それぞれ、第5サブルーメン75Lおよび第6サブルーメン76Lに延在させることにより、第3サブルーメン73Lおよび第7サブルーメン77Lを空きルーメンとしてもよい。
【0115】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
例えば、電極が装着されるマルチルーメンチューブの先端領域を補強する編組を樹脂製(編組18と同様の編組)とし、電極が装着されていないマルチルーメンチューブの基端領域を補強する編組をステンレスなどの金属製としてもよい。