(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記凸形状は、前記操作ノブに形成された上下一対の第1凸形状及び第2凸形状と、前記保持部材に形成されて前記第1凸形状と干渉可能な第3凸形状とを有するとともに、前記凹形状は、前記保持部材に形成されて前記第2凸形状を嵌合可能な第1凹形状及び第2凹形状を有し、且つ、前記操作ノブがオン位置にあるとき、前記第1凸形状と第3凸形状とが干渉して当該操作ノブの押圧操作を規制し、前記操作ノブがオフ位置又はロック位置にあるとき、前記第2凸形状と第1凹形状又は第2凹形状とが嵌合し、前記操作ノブを押圧操作することにより当該オフ位置及びロック位置の間の回動操作を許容することを特徴とする請求項1記載のエンジン始動装置。
前記挿通孔は、前記第2凸形状と合致して挿通させ得る切欠き部が形成され、当該切欠き部に前記第2凸形状を挿通させて前記操作ノブを前記保持部材に組み付け可能とされるとともに、前記保持部材に前記操作ノブが組み付けられた状態で、当該操作ノブが前記第2凸形状と切欠き部とが合致する位置まで回動するのを規制する抜け止め部材を具備したことを特徴とする請求項2記載のエンジン始動装置。
前記規制手段は、通電により変位可能な作動子を有したソレノイドから成り、前記操作ノブ又は該操作ノブと連結された連結部材に形成された凹部に当該作動子が係合することにより、当該操作ノブの回動を規制し得るとともに、当該作動子の先端部がテーパ状に形成されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1つに記載のエンジン始動装置。
前記アクセススイッチは、前記保持部材の外側に設けられるとともに、前記操作ノブの押圧操作に伴って変位して当該アクセススイッチをオンし得るアーム部が形成された作動部材を具備したことを特徴とする請求項1〜4の何れか1つに記載のエンジン始動装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来技術においては、例えばオフ位置とロック位置との間で回動操作するとき、操作ノブを押圧操作しつつ回動操作する必要がないため、スマートエントリーシステム固有の操作となっていた。すなわち、イグニッションキー(メカキー)を用いたシリンダによるイグニッションスイッチにおいては、オフ位置とロック位置との間の回動操作は、イグニッションキーを押圧操作しながら行う必要があるのに対し、スマートエントリーシステムにおいては押圧操作を必要としないことから、運転者にとって却って慣れない操作となってしまうのである。
【0006】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、スマートエントリーシステムにおいて、イグニッションキーにてエンジン始動させるものと同様の操作とすることができ、操作性を向上させることができるエンジン始動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段と、該発信手段から発信されたIDコードを受信し得る受信手段と、該受信手段で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段と、車両のエンジンを停止させるオフ位置、当該エンジンを駆動させるオン位置、及び車両が具備するステアリングをロックさせるロック位置の間で回動操作可能な操作ノブと、前記操作ノブを挿通して組み付け可能な挿通孔が形成されるとともに、当該操作ノブを回動可能に保持する保持部材と、前記操作ノブを前記保持部材に対して上方に付勢する付勢手段と、前記操作ノブが押圧操作されることによりオンして前記判定手段による判定を行わせるアクセススイッチと、前記操作ノブの回動操作を規制するとともに、前記判定手段により前記受信手段で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該操作ノブの回動の規制を解除する規制手段とを具備したエンジン始動装置において、前記操作ノブ及び保持部材は、それぞれ凸形状又は凹形状が形成されるとともに、当該凸形状及び凹形状の干渉又は嵌合によって前記操作ノブの押圧操作又は回動操作を当該操作ノブの位置に応じて規制又は許容し得る
ものとされ、且つ、前記操作ノブ及び保持部材に形成された凸形状及び凹形状の干渉又は嵌合によって、前記操作ノブがオン位置にあるとき、当該操作ノブの押圧操作を規制し、前記操作ノブがオフ位置又はロック位置にあるとき、前記操作ノブを押圧操作することにより当該オフ位置及びロック位置の間の回動操作を許容することを特徴とする。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載のエンジン始動装置において、前記凸形状は、前記操作ノブに形成された上下一対の第1凸形状及び第2凸形状と、前記保持部材に形成されて前記第1凸形状と干渉可能な第3凸形状とを有するとともに、前記凹形状は、前記保持部材に形成されて前記第2凸形状を嵌合可能な第1凹形状及び第2凹形状を有し、且つ、前記操作ノブがオン位置にあるとき、前記第1凸形状と第3凸形状とが干渉して当該操作ノブの押圧操作を規制し、前記操作ノブがオフ位置又はロック位置にあるとき、前記第2凸形状と第1凹形状又は第2凹形状とが嵌合し、前記操作ノブを押圧操作することにより当該オフ位置及びロック位置の間の回動操作を許容することを特徴とする。
【0009】
請求項3記載の発明は、請求項2記載のエンジン始動装置において、前記挿通孔は、前記第2凸形状と合致して挿通させ得る切欠き部が形成され、当該切欠き部に前記第2凸形状を挿通させて前記操作ノブを前記保持部材に組み付け可能とされるとともに、前記保持部材に前記操作ノブが組み付けられた状態で、当該操作ノブが前記第2凸形状と切欠き部とが合致する位置まで回動するのを規制する抜け止め部材を具備したことを特徴とする。
【0010】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1つに記載のエンジン始動装置において、前記規制手段は、通電により変位可能な作動子を有したソレノイドから成り、前記操作ノブ又は該操作ノブと連結された連結部材に形成された凹部に当該作動子が係合することにより、当該操作ノブの回動を規制し得るとともに、当該作動子の先端部がテーパ状に形成されたことを特徴とする。
【0011】
請求項5記載の発明は、請求項1〜4の何れか1つに記載のエンジン始動装置において、前記アクセススイッチは、前記保持部材の外側に設けられるとともに、前記操作ノブの押圧操作に伴って変位して当該アクセススイッチをオンし得るアーム部が形成された作動部材を具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、操作ノブ及び保持部材は、それぞれ凸形状又は凹形状が形成されるとともに、当該凸形状及び凹形状の干渉又は嵌合によって操作ノブの押圧操作又は回動操作を当該操作ノブの位置に応じて規制又は許容し得るので、スマートエントリーシステムにおいて、イグニッションキーにてエンジン始動させるものと同様の操作とすることができ、操作性を向上させることができる。
【0013】
請求項2の発明によれば、凸形状は、操作ノブに形成された上下一対の第1凸形状及び第2凸形状と、保持部材に形成されて第1凸形状と干渉可能な第3凸形状とを有するとともに、凹形状は、保持部材に形成されて第2凸形状を嵌合可能な第1凹形状及び第2凹形状を有し、且つ、操作ノブがオン位置にあるとき、第1凸形状と第3凸形状とが干渉して当該操作ノブの押圧操作を規制し、操作ノブがオフ位置又はロック位置にあるとき、第2凸形状と第1凹形状又は第2凹形状とが嵌合し、操作ノブを押圧操作することにより当該オフ位置及びロック位置の間の回動操作を許容するので、凸形状及び凹形状にて操作ノブによる操作を円滑に行わせることができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、挿通孔は、第2凸形状と合致して挿通させ得る切欠き部が形成され、当該切欠き部に第2凸形状を挿通させて操作ノブを保持部材に組み付け可能とされるとともに、保持部材に操作ノブが組み付けられた状態で、当該操作ノブが第2凸形状と切欠き部とが合致する位置まで回動するのを規制する抜け止め部材を具備したので、操作ノブの保持部材に対する組み付け性を向上させることができる。
【0015】
請求項4の発明によれば、規制手段は、通電により変位可能な作動子を有したソレノイドから成り、操作ノブ又は該操作ノブと連結された連結部材に形成された凹部に当該作動子が係合することにより、当該操作ノブの回動を規制し得るとともに、当該作動子の先端部がテーパ状に形成されたので、連結部材を大型化することなく確実に操作ノブの回動を規制しつつ作動子の凹部に対する係合時のガタを抑制することができる。
【0016】
請求項5の発明によれば、アクセススイッチは、保持部材の外側に設けられるとともに、操作ノブの押圧操作に伴って変位して当該アクセススイッチをオンし得るアーム部が形成された作動部材を具備したので、保持部材の外側にアクセススイッチを設けても当該アクセススイッチに対する操作を円滑且つ正確に行わせることができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら具体的に説明する。
本実施形態に係るエンジン始動装置は、二輪車におけるエンジン始動及び停止を制御するためのものであり、
図1〜3、
図5、6等に示すように、操作ノブ4と、保持部材5と、コイルスプリングから成る付勢手段6と、アクセススイッチ7と、規制手段8と、抜け止め部材9と、作動部材10と、連結部材11とから主に外観が構成されている。このうち操作ノブ4は、
図1に示すように、車両のエンジンを停止させるオフ位置、当該エンジンを駆動させるオン位置、及び車両が具備するステアリングをロックさせるロック位置の間で回動操作可能とされている。
【0019】
また、本実施形態に係るエンジン始動装置は、
図4に示すように、運転者が携帯し得るとともに車両固有のIDコードを発信し得る発信手段1と、車両側に配設されて発信手段1からのIDコードを受信し得るアンテナから成る受信手段2と、該受信手段2で受信したIDコードが予め登録した正規のものであるか否かを判定する判定手段3とを有している。なお、本実施形態においては、これら発信手段1、受信手段2及び判定手段3は、ケース部材M内に配設された基板17に形成されており、当該ケース部材M内が所定の樹脂で充填されることにより防水されている。
【0020】
発信手段1は、電波などにより常時IDコードを発信し得るもので、かかる発信手段1を携帯した運転者が車両に近づいて所定の認証開始操作(本実施形態においては操作ノブ4を押圧操作してアクセススイッチ7をオンさせる操作)を行うと、車両側のアンテナ等から成る受信手段2が当該IDコードを受信し得るよう構成されている。判定手段3は、予め登録されたIDコードと受信手段2にて受信したIDコードとを比較して、これらが合致していれば正規のIDコードを受信したと判定するものである。
【0021】
本実施形態に係る操作ノブ4は、
図5、6に示すように、つまみ部4aと、操作部4bとを組み付けて構成されており、これらつまみ部4aと操作部4bとの間には、スプリング4c及びボール4dを有したトルクリミット構造が配設されている。具体的には、つまみ部4aは、
図7、8に示すように、操作部4bの上面と対向する面に一対の収容穴4aaが形成されるとともに、操作部4bは、
図9、10に示すように、つまみ部4aの収容穴4aaと対向する部位に一対の溝4baが形成されている。
【0022】
そして、つまみ部4aの収容穴4aaにそれぞれスプリング4c及びボール4dが挿通された状態で当該つまみ部4aに操作部4bを組み付けることにより、スプリング4cで付勢されたボール4dが溝4ba内に位置するようになっている。しかして、操作ノブ4の回動が規制された状態で、つまみ部4aを過大な力で回動操作しようとすると、ボール4dが溝4baを乗り上げ、つまみ部4aが操作部4bに対して空回りするようになっている。これにより、規制手段8にて回動が規制された状態の操作ノブ4が過大な力によって回動操作されてしまうのを防止することができる。
【0023】
なお、つまみ部4aにおける一対の収容穴4aaが形成された面の略中央には、組み付け用穴4ab(
図7、8参照)が形成されるとともに、操作部4bにおける組み付け用穴4abと対向する部位には、組み付け用凸部4bb(
図9、10参照)が形成されており、つまみ部4aと操作部4bとを組み付ける際、組み付け用穴4abに組み付け用凸部4bbが挿通するようになっている。
【0024】
保持部材5は、
図12、13に示すように、操作ノブ4を挿通して組み付け可能な挿通孔5aが形成されるとともに、当該操作ノブ4を回動可能に保持する筐体から成るもので、
図5、6に示すように、その外側にアクセススイッチ7、規制手段8及びケース部材M等が組み付けられるとともに、イグニッションスイッチを構成する部品が収容された収容部材Hに取り付けられる。
【0025】
連結部材11は、操作ノブ4と連結されて当該操作ノブ4と共に回動し得るもので、
図6、11に示すように、基端部11a、カム部11b及び先端部11cを有して構成されている。基端部11aは、操作ノブ4の操作部4bに組み付けられるとともに、付勢手段6の一端を受けるよう構成されており、当該付勢手段6の他端が操作ノブ4の操作部4bに当接して組み付けられている。かかる付勢手段6により、操作ノブ4を保持部材5に対して上方に付勢することができる。
【0026】
また、カム部11bには、
図5、6に示すように、スライダ12が組み付けられており、当該スライダ12には、ロックバーRが組み付けられている。かかるロックバーRは、操作ノブ4がオン位置又はオフ位置にあるとき、保持部材5内に没入した状態とされるとともに、操作ノブ4をロック位置まで回動操作すると、保持部材5から突出して車両のステアリングに形成された穴に挿通することにより、当該ステアリングをロックし得るものである。
【0027】
先端部11cは、イグニッションスイッチを構成する可動部材13に組み付けられており、当該可動部材13には、可動接点14が取り付けられている。かかる可動部材13の可動接点14と対向する部位には、固定接点(不図示)が形成された端子台15が組み付けられており、操作ノブ4の回動操作に伴って連結部材11が回動すると、可動部材13が回動し、可動接点14と固定接点とが接触又は離間し得るようになっている。なお、図中符号16は、イグニッションスイッチを構成する部品をケース部材Mの下部にて覆うためのカバーを示している。
【0028】
そして、操作ノブ4がオフ位置にあるとき、可動接点14と固定接点とが離間した状態とされてエンジンが停止するとともに、操作ノブ4をオン位置に回動操作すると、可動接点14と固定接点とが接触して所定の電気回路が形成され、エンジンが始動するようになっている。なお、可動部材13、可動接点14、端子台15及び固定接点は、イグニッションスイッチを構成し、ケース部材M内に配設されている。このイグニッションスイッチは、車両のエンジン(具体的にはエンジンを制御するECU)と電気的に接続されており、当該イグニッションスイッチにて所定回路が形成されると、エンジンが始動するよう構成されている。
【0029】
アクセススイッチ7は、操作ノブ4が押圧操作されることによりオンして判定手段3による判定を行わせるもので、保持部材5の外側に取り付けられている。また、本実施形態においては、
図16に示すように、操作ノブ4の押圧操作に伴って変位して当該アクセススイッチ7をオンし得るアーム部10aが形成された作動部材10を具備している。すなわち、作動部材10は、保持部材5内に配設され、操作ノブ4の押圧操作に伴って下方(付勢手段6の付勢力に抗する方向)に変位するよう構成されているとともに、アーム部10aは、保持部材5の外側のアクセススイッチ7まで延設されており、作動部材10が下方に変位すると、アクセススイッチ7をオンするよう構成されているのである。しかして、アクセススイッチ7がオンすると、判定システムが起動し、判定手段3による判定が行われる。
【0030】
規制手段8は、操作ノブ4の回動操作を規制するとともに、判定手段3により受信手段2で受信したIDコードが正規のものと判定されたことを条件として当該操作ノブ4の回動の規制を解除するもので、本実施形態においては、
図5、6に示すように、通電により変位可能な作動子8aを有したソレノイドから成る。具体的には、連結部材11の基端部11aには、その周方向に2つの凹部11aaが形成されており、何れかの凹部11aaに作動子8aが係合することにより、操作ノブ4の回動を規制し得るよう構成されている。そして、判定手段3によって正規のIDを受信したと判定されると、ソレノイドから成る規制手段8に通電され、作動子8aが凹部11aaから後退して係止が解除されるようになっている。
【0031】
さらに、本実施形態に係る規制手段8は、その作動子8aの先端部がテーパ状に形成されており、当該テーパ状の先端部が凹部11aaに挿通して係止可能とされている。なお、操作ノブ4がオフ位置のとき、作動子8aが一方の凹部11aaに係止するとともに、操作ノブ4がロック位置のとき、作動子8aが他方の凹部11aaに係止するようになっている。本実施形態に係る規制手段8は、その作動子8aが連結部材11に係止するものとされているが、操作ノブ4の所定部位に凹部11aaと同様の一対の凹部を形成し、それら凹部に規制手段8の作動子8aが係止するよう構成してもよい。
【0032】
またさらに、規制手段8は、
図5、6に示すように、カバー部材18によって覆われている。かかるカバー部材18は、
図17に示すように、規制手段8を収容可能なカップ状の成形部品から成り、所定部位に突起部18aが一体形成されているとともに、他の部位にネジ孔18bが形成されている。しかるに、
図6に示すネジNaは、ネジ孔18bに挿通してカバー部材18を保持部材5に固定させるもので、ネジNbは、保持部材5にケース部材Mを固定させるためのものである。
【0033】
そして、保持部材5にケース部材Mを固定させる際、突起部18aを当該保持部材5とケース部材Mとの間に介在させることにより、カバー部材18を保持部材5に固定させ得るようになっている。これにより、カバー部材18を保持部材5に固定するためのネジの本数を削減することができるとともに、突起部18aを保持部材5とケース部材Mとの間に介在させることにより、より確実にカバー部材18を固定させることができる。
【0034】
ここで、本実施形態に係る操作ノブ4及び保持部材5は、それぞれ凸形状又は凹形状が形成されるとともに、当該凸形状及び凹形状の干渉又は嵌合によって操作ノブ4の押圧操作又は回動操作を当該操作ノブ4の位置に応じて規制又は許容し得るよう構成されている。具体的には、凸形状は、
図9、10に示すように、操作ノブ4に形成された上下一対の第1凸形状A及び第2凸形状Bと、
図12に示すように、保持部材5に形成されて第1凸形状Aと干渉可能な第3凸形状Cとを有するとともに、凹形状は、
図14に示すように、保持部材5に形成されて第2凸形状Bを嵌合可能な第1凹形状D1及び第2凹形状D2を有して構成されている。
【0035】
また、第1凸形状A及び第2凸形状Bは、操作ノブ4の軸方向に対して所定寸法離間しつつ周方向に所定角度ずれて形成されるとともに、第3凸形状Cは、保持部材5の上面における挿通孔5aの開口縁部に一体形成されている。さらに、第1凹形状D1及び第2凹形状D2は、保持部材5の裏面側における挿通孔5aの開口縁部に沿って所定寸法離間して円弧状に形成されている。
【0036】
そして、操作ノブ4がオン位置にあるとき、第1凸形状Aの突端面Aa(
図10参照)と第3凸形状Cの突端面Ca(
図12参照)とが干渉して当該操作ノブ4の押圧操作を規制し、操作ノブ4がオフ位置又はロック位置にあるとき、第2凸形状Bと第1凹形状D1又は第2凹形状D2とが嵌合し、操作ノブ4を押圧操作することにより当該オフ位置及びロック位置の間の回動操作を許容するようになっている。
【0037】
すなわち、操作ノブ4がオン位置にあるとき、
図19(a)に示すように、操作ノブ4に形成された第1凸形状Aが保持部材5に形成された第3凸形状Cと合致する位置となって押圧操作が規制される。また、操作ノブ4がオフ位置にあるとき、同図(b)に示すように、操作ノブ4に形成された第2凸形状Bが保持部材5に形成された第1凹形状D1と合致する位置となり、操作ノブ4が付勢手段6にて付勢されているため、当該第1凹形状D1に第2凸形状Bが嵌合することとなる。さらに、操作ノブ4がロック位置にあるとき、同図(c)に示すように、操作ノブ4に形成された第2凸形状Bが保持部材5に形成された第2凹形状D2と合致する位置となり、操作ノブ4が付勢手段6にて付勢されているため、当該第2凹形状D1に第2凸形状D2が嵌合することとなる。
【0038】
しかして、操作ノブ4がオフ位置にあるとき、当該操作ノブ4を押圧操作することによって第2凸形状Bを下方に変位させて第1凹形状D1に対する嵌合を解くことができ、ロック位置まで回動操作が可能とされるとともに、操作ノブ4がロック位置にあるとき、当該操作ノブ4を押圧操作することによって第2凸形状Bを下方に変位させて第2凹形状D2に対する嵌合を解くことができ、オフ位置まで回動操作が可能とされる。なお、操作ノブ4は、押圧操作によって、第2凸形状Bの突端面Baが挿通孔5aの裏面側開口縁部に当接した状態から第1凸形状Aの突端面Aaが挿通孔5aの表面側開口縁部に当接した状態まで変位可能とされている。
【0039】
さらに、本実施形態においては、保持部材5に形成された挿通孔5aは、
図12、14に示すように、第2凸形状Bと合致して挿通させ得る切欠き部5aaが形成され、当該切欠き部5aaに第2凸形状Bを挿通させて操作ノブ4を保持部材5に組み付け可能とされるとともに、保持部材5に操作ノブ4が組み付けられた状態で、当該操作ノブ4が第2凸形状Bと切欠き部5aaとが合致する位置まで回動するのを規制する抜け止め部材9を具備している。かかる抜け止め部材9は、
図15に示すように、中央に貫通孔9aが形成された板状部材から成り、その貫通孔9aの所定位置には、段部9aa、9abが形成されている。
【0040】
すなわち、操作ノブ4の保持部材5に対する組み付け時、
図18(a)に示すように、第2凸形状Bを切欠き部5aaに合致させつつ操作ノブ4を挿通孔5aに挿通させ、同図(b)に示すように、操作ノブ4を所定角度(本実施形態においては約180°)回動させた後、操作ノブ4に連結部材11を組み付ける。そして、同図(c)に示すように、保持部材5に抜け止め部材9を固定させることにより、第2凸形状Bが切欠き部5aaに合致する位置まで操作ノブ4を回動しようとすると、連結部材11のカム部11bが抜け止め部材9の一方の段部9aa又は他方の段部9abに干渉して当該位置までの回動が規制されるのである。
【0041】
本実施形態によれば、操作ノブ4及び保持部材5は、それぞれ凸形状(第1凸形状A、第2凸形状B及び第3凸形状C)又は凹形状(第1凹形状D1及び第2凹形状D2)が形成されるとともに、当該凸形状及び凹形状の干渉又は嵌合によって操作ノブ4の押圧操作又は回動操作を当該操作ノブ4の位置に応じて規制又は許容し得るので、スマートエントリーシステムにおいて、イグニッションキーにてエンジン始動させるものと同様の操作とすることができ、操作性を向上させることができる。
【0042】
また、凸形状は、操作ノブに形成された上下一対の第1凸形状A及び第2凸形状Bと、保持部材5に形成されて第1凸形状Aと干渉可能な第3凸形状Cとを有するとともに、凹形状は、保持部材5に形成されて第2凸形状Bを嵌合可能な第1凹形状D1及び第2凹形状D2を有し、且つ、操作ノブ4がオン位置にあるとき、第1凸形状Aと第3凸形状Cとが干渉して当該操作ノブ4の押圧操作を規制し、操作ノブ4がオフ位置又はロック位置にあるとき、第2凸形状Bと第1凹形状D1又は第2凹形状D2とが嵌合し、操作ノブ4を押圧操作することにより当該オフ位置及びロック位置の間の回動操作を許容するので、凸形状及び凹形状にて操作ノブ4による操作を円滑に行わせることができる。
【0043】
さらに、挿通孔5aは、第2凸形状Bと合致して挿通させ得る切欠き部5aaが形成され、当該切欠き部5aaに第2凸形状Bを挿通させて操作ノブ4を保持部材5に組み付け可能とされるとともに、保持部材5に操作ノブ4が組み付けられた状態で、当該操作ノブ4が第2凸形状Bと切欠き部5aaとが合致する位置まで回動するのを規制する抜け止め部材9を具備したので、操作ノブ4の保持部材5に対する組み付け性を向上させることができる。
【0044】
またさらに、本実施形態に係る規制手段8は、通電により変位可能な作動子8aを有したソレノイドから成り、操作ノブ4又は該操作ノブ4と連結された連結部材11に形成された凹部(本実施形態においては凹部11aa)に当該作動子8aが係合することにより、当該操作ノブ4の回動を規制し得るとともに、当該作動子8aの先端部がテーパ状に形成されたので、連結部材11を大型化することなく確実に操作ノブ4の回動を規制しつつ作動子8aの凹部11aaに対する係合時のガタを抑制することができる。なお、連結部材11を小型化することにより、保持部材5の小型化を図ることができる。
【0045】
また、本実施形態に係るアクセススイッチ7は、保持部材5の外側に設けられるとともに、操作ノブ4の押圧操作に伴って変位して当該アクセススイッチ7をオンし得るアーム部10aが形成された作動部材10を具備したので、保持部材5の外側にアクセススイッチ7を設けても当該アクセススイッチ7に対する操作を円滑且つ正確に行わせることができる。
【0046】
以上、本実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されず、操作ノブ4及び保持部材5が、上記実施形態と異なる位置に凸形状及び凹形状を有し、それら凸形状及び凹形状の干渉又は嵌合によって操作ノブ4の押圧操作又は回動操作を当該操作ノブ4の位置に応じて規制又は許容し得るものであってもよい。また、アクセススイッチ7又は規制手段8が他の位置に配設されたもの、抜け止め部材9又は作動部材10を具備しないもの等であってもよい。さらに、操作ノブ4は、スプリング4c及びボール4dを有して成るトルクリミット構造が形成されないものとしてもよい。