(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
各々の前記ユニットには、前記紙幣搬送機構を駆動させる駆動力を他の前記ユニットに伝達するための駆動力伝達部が設けられており、一の前記ユニットと他の前記ユニットとが連結されたときに、一の前記ユニットの前記駆動力伝達部と他の前記ユニットの前記駆動力伝達部との間で駆動力が伝達されるようになっている、請求項1または2記載の紙幣搬送システム。
各前記駆動力伝達部は駆動力伝達用ギヤを含み、一の前記ユニットと他の前記ユニットとが連結されたときに、一の前記ユニットの前記駆動力伝達用ギヤと他の前記ユニットの前記駆動力伝達用ギヤとが互いに噛み合うようになっている、請求項3または4記載の紙幣搬送システム。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図14は、本実施の形態による紙幣搬送システムを示す図である。このうち、
図1は、本実施の形態による紙幣搬送システムの各ユニットの構成を示す分解斜視図であり、
図2乃至
図7は、
図1に示す紙幣搬送システムにおける紙幣搬送ユニットを示す図である。また、
図8乃至
図10は、
図2に示す紙幣搬送ユニットおよびこの紙幣搬送ユニットに取り付けられるカバー部の構成を示す縦断面図である。また、
図11は、
図2に示す紙幣搬送ユニットが直列に連結されたときの紙幣の搬送路の構成を示す構成図である。また、
図12および
図13は、
図1に示す紙幣搬送システムにおける駆動ユニットを示す図であり、
図14は、
図1に示す紙幣搬送システムにおける第1取込ユニットおよび第2取込ユニットを示す図である。
【0028】
まず、本実施の形態による紙幣搬送システム10の構成の概略について
図1を用いて説明する。
図1に示すように、本実施の形態による紙幣搬送システム10は、複数のユニット100、200、300、400、500、600、700を組み合わせたものからなり、これらの各ユニット100、200、300、400、500、600、700は互いに着脱自在に連結されるようになっている。具体的には、
図1に示す紙幣搬送システム10は、紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300、第2取込ユニット400、伸縮ユニット500、第1屈曲ユニット600および第2屈曲ユニット700を有しており、紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、伸縮ユニット500にはそれぞれカバー部900、950が取り付けられるようになっている。ここで、紙幣搬送ユニット100とカバー部900との間、駆動ユニット200とカバー部950との間、第1取込ユニット300と第2取込ユニット400との間、伸縮ユニット500とカバー部950との間にはそれぞれ紙幣の搬送路が鉛直面に沿って形成されている。すなわち、紙幣搬送システム10における紙幣の搬送路は、紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300および伸縮ユニット500の各々の一方の側面に形成されるようになっている。また、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700の内部にも紙幣の搬送路が形成されている。なお、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700では、紙幣の搬送の向きを変えるよう紙幣の搬送路が当該紙幣の搬送方向において湾曲するようになっている。このような紙幣搬送システム10では、第2屈曲ユニット700から第1屈曲ユニット600に紙幣が搬送され、この第1屈曲ユニット600から紙幣が
図1の矢印で示す方向に更に搬送されるようになっている。
【0029】
本実施の形態では、各ユニット100、200、300、500、600、700には、紙幣を搬送する紙幣搬送機構がそれぞれ設けられている。具体的には、紙幣搬送ユニット100や駆動ユニット200、伸縮ユニット500には、紙幣搬送機構として搬送ベルト110、210、510がそれぞれ設けられている。また、第1取込ユニット300には、紙幣搬送機構として搬送ローラ312、314が設けられている。また、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700の内部にも、紙幣搬送機構として搬送ローラ(図示せず)が設けられている。そして、本実施の形態では、各々のユニット100、200、300、500、600、700は互いに着脱自在に連結されるとともに、連結された複数のユニット100、200、300、500、600、700間で紙幣搬送機構を駆動させる駆動力が伝達されるようになっている。より詳細には、各々のユニット100、200、300、500、600、700には、紙幣搬送機構を駆動させる駆動力を他のユニットに伝達するための駆動力伝達部(具体的には、駆動力伝達用ギヤ)が設けられており、一のユニットと他のユニットとが連結されたときに、一のユニットの駆動力伝達部と他のユニットの駆動力伝達部との間で駆動力が伝達されるようになっている。このような技術的事項の詳細については後述する。
【0030】
本実施の形態による紙幣搬送システム10において、紙幣搬送ユニット100は、単に紙幣の搬送を行うものからなる。ここで、本実施の形態では、紙幣の搬送方向における長さが異なるような複数の種類の紙幣搬送ユニット100が準備されており、これらの複数の種類の紙幣搬送ユニット100から所定の長さの紙幣搬送ユニット100を選択して用いることができるようになっている。また、駆動ユニット200は、各ユニット100、200、300、500、600、700に設けられた紙幣搬送機構の駆動を行う駆動モータ260(後述)を内蔵している。また、駆動ユニット200には制御基板270(後述)が設けられており、当該制御基板270により各ユニット100、200、300、500、600、700の紙幣搬送機構による紙幣の搬送が制御されるようになっている。また、第1取込ユニット300は、
図1に示す紙幣搬送システム10に接続された紙幣入金装置(図示せず)に入金された紙幣を取り込むものからなる。また、第2取込ユニット400も、第1取込ユニット300と同様に、
図1に示す紙幣搬送システム10に接続された紙幣入金装置(図示せず)に入金された紙幣を取り込むものからなるが、この第2取込ユニット400は、紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300または伸縮ユニット500との間に紙幣の搬送路を形成するようこれらのユニット100、200、300、500のうち任意のユニットに取付可能となっている。また、伸縮ユニット500は、紙幣の搬送方向における長さを変えることができるものからなる。なお、後述するように、駆動ユニット200による駆動力の伝達はこの伸縮ユニット500により遮断されるようになる。また、第1屈曲ユニット600および第2屈曲ユニット700は、それぞれ、紙幣の搬送の向きを変えるよう紙幣の搬送路が当該紙幣の搬送方向において湾曲しているものからなる。
【0031】
また、本実施の形態の紙幣搬送システム10では、大きさが互いに異なる複数の種類のカバー部(具体的には、例えば
図1に示すカバー部900およびカバー部950)が準備されており、各々のユニット100、200、300、500には、複数の種類のカバー部のうち任意の種類のカバー部が取り付け可能となっている。そして、ユニット100、200、300、500とカバー部との間に紙幣の搬送路が形成されるようになっている。
【0032】
以下、本実施の形態の紙幣搬送システム10における各ユニット100、200、300、400、500、600、700の構成の詳細について説明する。
【0033】
まず、紙幣搬送ユニット100の構成の詳細について
図2乃至
図11を用いて説明する。ここで、
図2は、紙幣搬送ユニット100の外観を示す斜視図であり、
図3は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100の分解斜視図であり、
図4は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100を裏側から見たときの外観を示す斜視図である。また、
図5は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100を、鉛直方向における上下を反転させて配置したときの外観を示す斜視図であり、
図6は、
図5に示す紙幣搬送ユニット100を裏側から見たときの外観を示す斜視図である。また、
図7は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100を手前側から見たときの構成を示す正面図である。また、
図8は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100およびこの紙幣搬送ユニット100に取り付けられる前のカバー部900の構成を示す縦断面図であり、
図9は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100およびこの紙幣搬送ユニット100に取り付けられた後のカバー部900の構成を示す縦断面図であり、
図10は、
図9に示す紙幣搬送ユニット100およびカバー部900の一部を拡大して示す拡大縦断面図である。また、
図11は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100が直列に連結されたときの紙幣の搬送路の構成を示す構成図である。
【0034】
図3に示すように、紙幣搬送ユニット100は、本体部102と、ロック部120と、取付部140とを有している。ここで、本体部102の端面(具体的には、
図3における手前側の端面)には上下一対のネジ穴112が設けられており、また、取付部140には本体部102の各ネジ穴112にそれぞれ取付可能な上下一対のネジ部材150が設けられている。そして、取付部140の各ネジ部材150を本体部102の各ネジ穴112に入れて締め付けることにより、ロック部120を挟んで取付部140が本体部102に取り付けられるようになる。この際に、ロック部120は
図3における上下方向に移動可能となるよう当該ロック部120は本体部102と取付部140との間で挟まれるようになる。
【0035】
本体部102には、紙幣を搬送するための無端状の平ベルトからなる搬送ベルト110が設けられている。
図8乃至
図10に示すように、搬送ベルト110は複数のプーリ116に張架されており、複数のプーリ116のうちある一つのプーリ116が回転することにより搬送ベルト110は循環移動を行うようになっている。また、
図2等に示すように、搬送ベルト110の一部は本体部102の側面103から外部に露出しており、このことにより本体部102の側面103に沿って搬送ベルト110により紙幣が搬送されるようになっている。本実施の形態では、このような搬送ベルト110により、紙幣搬送ユニット100における紙幣を搬送するための紙幣搬送機構が構成されている。なお、
図2や
図3において紙幣は搬送ベルト110により紙面の奥側から手前側に向かって搬送されるようになっている。
【0036】
また、
図4に示すように、本体部102におけるロック部120や取付部140が設けられた側とは反対側の端面(具体的には、
図4における手前側の端面)には、後述するロック部120の各ロック部分124が取り付けられる4つの縦方向に細長い長方形形状の開口104や、後述する取付部140の取付ピン144が取り付けられる円形の開口105がそれぞれ設けられている。ここで、各開口104は、別のユニットのロック部(例えば、別の紙幣搬送ユニット100のロック部120)が係合される被ロック部として機能するようになっている。
【0037】
また、本体部102の内部には、後述する駆動ユニット200からの駆動力を伝達するための駆動力伝達部として複数の駆動力伝達用ギヤ106(
図4参照)、108(
図3参照)、118(
図8および
図9参照)が設けられている。具体的には、
図3や
図4等に示すように、各駆動力伝達用ギヤ106、108、118は本体部102の内部における搬送ベルト110よりも下方の箇所に配置されている。ここで、
図3における手前側に配置される駆動力伝達用ギヤ108は、取付部140が本体部102に取り付けられたときに当該取付部140に設けられた駆動力伝達用ギヤ142(後述)と噛み合うようになっている。また、
図3における奥側(すなわち、
図4における手前側)に配置される駆動力伝達用ギヤ106は、他のユニットの駆動力伝達用ギヤと噛み合うようになっている。また、
図8乃至
図10に示すように、搬送ベルト110が張架される複数のプーリ116のうちある一つのプーリ116の回転軸117は駆動力伝達用ギヤ118の回転軸と共用されるようになっており、駆動力伝達用ギヤ118およびプーリ116は同期して回転するようになっている。すなわち、後述する駆動ユニット200からの駆動力が本体部102の各駆動力伝達用ギヤ106、108、118に伝達されると、駆動力伝達用ギヤ118およびプーリ116が同期して回転することにより搬送ベルト110が循環移動を行うようになる。
【0038】
また、
図2や
図3等に示すように、本体部102における一方の側面103(具体的には、搬送ベルト110が外部に露出する側の側面)の上端縁および下端縁には、上下一対の係合部材114が設けられている。後述するように、本体部102の各係合部材114はカバー部900の被係合部材904(後述)に係合するようになっており(
図9参照)、このことによりカバー部900が本体部102に取り付けられてこれらの本体部102とカバー部900との間に紙幣の搬送路が形成されるようになっている。
【0039】
図3に示すように、ロック部120は、板金を折り曲げて形成されたものからなり、当該ロック部120には、第1操作部分122、4つのロック部分124、2つの凹部分126および第2操作部分128がそれぞれ形成されている。ここで、第1操作部分122はロック部120の上端部に形成されており、操作者は
図2において第1操作部分122を押し下げることによりロック部120を
図2や
図3における下方に移動させることができるようになっている。また、ロック部分124は、ロック部120の上部および下部の各々において左右一対となるよう合計4つ設けられている。ここで、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる場合に、一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124を、他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104(
図4参照)に挿入した後、
図2に示す状態において第1操作部分122を押し下げることによりロック部120を
図2や
図3における下方に移動させると、ロック部120の各ロック部分124が本体部102の各開口104に係合するようになり、よって一対の紙幣搬送ユニット100が直列に連結されるようになる。
【0040】
また、
図3に示すように、ロック部120における一方の側縁には2つの凹部分126が上下に並ぶよう形成されている。各凹部分126には、後述する取付部140のロック部位置決めピン146の先端部分が挿入されるようになっている。また、ロック部120における他方の側縁(すなわち、各凹部分126が形成された側とは反対側の側縁)には第2操作部分128が形成されており、操作者はこの第2操作部分128を押し上げることによりロック部120を
図2や
図3における上方に移動させることができるようになっている。なお、
図2に示すように、第2操作部分128は本体部102の側面103から側方(すなわち、
図2における右方)に突出するような形状となっており、また、この第2操作部分128は搬送ベルト110による紙幣の搬送方向において当該側面103に対して傾斜している。
【0041】
図3に示すように、取付部140は、駆動力伝達部としての駆動力伝達用ギヤ142と、突起形状の取付ピン144と、ロック部位置決めピン146と、上下一対のネジ部材150とを有している。駆動力伝達用ギヤ142は、上述したように、取付部140が本体部102に取り付けられたときにこの本体部102に設けられた駆動力伝達用ギヤ108と噛み合うようになっている。また、紙幣搬送ユニット100が他のユニットと連結されたときに、この紙幣搬送ユニット100の取付部140に設けられた駆動力伝達用ギヤ142が他のユニットに設けられた駆動力伝達用ギヤと噛み合うようになっている。また、突起形状の取付ピン144はプラスチック等の弾性体から形成されている。そして、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる場合に、一方の紙幣搬送ユニット100における取付部140の取付ピン144を、他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の開口105(
図4参照)に挿入することにより、ロック部120の各ロック部分124が本体部102の各開口104に係合するまでの間、一対の紙幣搬送ユニット100同士を仮固定することができるようになる。また、取付部140の取付ピン144が本体部102の開口105に挿入されると、一対の紙幣搬送ユニット100の間での上下左右のずれが抑制されるようになる。
【0042】
また、ロック部位置決めピン146は、ロック部120の側縁に設けられた各凹部分126に入り込むことができる略円形の先端部分と、この先端部分を支持する棒状の支持部分とから構成されており、当該ロック部位置決めピン146はプラスチック等の弾性体から形成されている。ここで、ロック部120を挟んで取付部140が本体部102に取り付けられたときに、この取付部140のロック部位置決めピン146は、ロック部120における上下一対の凹部分126のうち一方の凹部分126に入り込むようになる。そして、操作者が第1操作部分122や第2操作部分128を移動させることによりロック部120が
図2における上下に移動すると、ロック部位置決めピン146の支持部分が弾性変形することにより当該ロック部位置決めピン146の略円形の先端部分は一方の凹部分126から飛び出して他方の凹部分126に入り込むようになる。より詳細には、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる場合に、
図3における下方の凹部分126にロック部位置決めピン146の先端部分が入り込んでいるときには、一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124は他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104にまだ係合していない状態となる。このような状態で操作者が
図2において第1操作部分122を押し下げることによりロック部120を
図2や
図3における下方に移動させると、
図3における上方の凹部分126にロック部位置決めピン146の先端部分が入り込むようになり(
図7参照)、一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124が他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104に係合する。このようにして、2つの紙幣搬送ユニット100が直列に連結されるようになる。ここで、操作者が
図2において第1操作部分122を押し下げることによりロック部120を
図2や
図3における下方に移動させると、
図7に示すようにこの第1操作部分122は本体部102の上面から上方に突出しないようになるため、紙幣搬送ユニット100の設置スペースの高さを小さくすることができるようになる。
【0043】
また、2つの紙幣搬送ユニット100の連結を解除する場合には、操作者が第2操作部分128を押し上げることによりロック部120を
図2や
図3における上方に移動させる。このことにより、
図3における下方の凹部分126にロック部位置決めピン146の先端部分が入り込むようになり、一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124が他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104から解放される。このようにして、一方の紙幣搬送ユニット100を他方の紙幣搬送ユニット100から取り外すことができるようになる。ここで、本実施の形態では、
図2に示すように第2操作部分128は紙幣搬送ユニット100の側面103(すなわち、紙幣の搬送面)に沿って移動するよう配設されているため、操作者は後述するカバー部900を紙幣搬送ユニット100から取り外した後、指でこの第2操作部分128の操作を容易に行うことができるようになる。
【0044】
また、本実施の形態では、ロック部位置決めピン146の先端部分が入り込む凹部分126を変えることにより2つの紙幣搬送ユニット100の連結および解除を行うことができるようになっているため、紙幣搬送ユニット100は、鉛直方向における上下を反転させて配置することができる。このことについて
図5および
図6を用いて詳述する。なお、上述したように、
図5は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100を、鉛直方向における上下を反転させて配置したときの外観を示す斜視図であり、
図6は、
図5に示す紙幣搬送ユニット100を裏側から見たときの外観を示す斜視図である。
【0045】
図2に示す紙幣搬送ユニット100を、鉛直方向における上下を反転させて配置した場合には、
図5に示すようにロック部120の第1操作部分122は当該ロック部120の下端部に位置するようになる。ここで、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる場合には、まず、一方の紙幣搬送ユニット100における取付部140の取付ピン144を他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の開口105に取り付けるとともに一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124を他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104に挿入する。このような状態で操作者が第1操作部分122を押し上げることによりロック部120を
図5や
図6における上方に移動させると、ロック部位置決めピン146の先端部分が一方の凹部分126から飛び出して他方の凹部分126に入り込むようになり、一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124が他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104に係合する。このようにして、2つの紙幣搬送ユニット100が直列に連結されるようになる。また、2つの紙幣搬送ユニット100の連結を解除する場合には、操作者が第2操作部分128を押し下げることによりロック部120を
図5や
図6における下方に移動させる。このことにより、ロック部位置決めピン146の先端部分が元の凹部分126に入り込むようになり、一方の紙幣搬送ユニット100におけるロック部120の各ロック部分124が他方の紙幣搬送ユニット100における本体部102の各開口104から解放される。このようにして、一方の紙幣搬送ユニット100を他方の紙幣搬送ユニット100から取り外すことができるようになる。
【0046】
以上のように、本実施の形態では、紙幣搬送ユニット100を、鉛直方向における上下を反転させて配置した場合でも、他の紙幣搬送ユニット100との着脱を同様に行うことができるようになる。また、ロック部位置決めピン146の先端部分が各凹部分126に入り込むことにより、第1操作部分122を押し上げることによりロック部120を
図5や
図6における上方に移動させた場合でも、ロック部120が自重により下方に移動してしまうことを防止することができるようになる。
【0047】
次に、このような紙幣搬送ユニット100にカバー部900を取り付けたときの状態について
図8乃至
図10を用いて説明する。なお、上述したように、
図8は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100およびこの紙幣搬送ユニット100に取り付けられる前のカバー部900の構成を示す縦断面図であり、
図9は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100およびこの紙幣搬送ユニット100に取り付けられた後のカバー部900の構成を示す縦断面図であり、
図10は、
図9に示す紙幣搬送ユニット100およびカバー部900の一部を拡大して示す拡大縦断面図である。なお、紙幣搬送ユニット100とカバー部900との間に形成される搬送路に沿って搬送される紙幣を
図9および
図10では参照符号Pで示している。
【0048】
図9に示すように、紙幣搬送ユニット100にカバー部900が取り付けられると、紙幣搬送ユニット100における一方の側面103と、カバー部900におけるこの側面103に対向する側面914との間に、紙幣の搬送路となる空間が形成される。また、カバー部900の上端部および下端部にはそれぞれ被係合部材904が設けられており、各被係合部材904には紙幣搬送ユニット100の本体部102に設けられた各係合部材114が係合するようになっている。そして紙幣搬送ユニット100の本体部102に設けられた各係合部材114がカバー部900の各被係合部材904に係合することにより、カバー部900が紙幣搬送ユニット100に取り付けられるようになる。
【0049】
また、
図8乃至
図10に示すように、カバー部900における紙幣搬送ユニット100に対向する面には、搬送ベルト110を受け入れる凹部分912が形成されている。より詳細には、凹部分912の両端には突起部分910が形成されており、カバー部900が紙幣搬送ユニット100に取り付けられたときに紙幣の搬送路においてカバー部900の各突起部分910と搬送ベルト110とが互いに入り組み合うようになっている。このことにより、紙幣搬送ユニット100とカバー部900との間に形成される搬送路に沿って搬送される紙幣(
図9および
図10において参照符号Pで表示)は、搬送ベルト110とカバー部900の凹部分912との間で湾曲された状態で搬送されるようになる。このように、搬送ベルト110とカバー部900の凹部分912との間で湾曲された状態で紙幣が搬送される場合には、当該紙幣における湾曲された状態からの復元力によってこの紙幣は搬送ベルト110に押し付けられるようになり、紙幣と搬送ベルト110との間で働く摩擦力を大きくすることができるため、搬送ベルト110により紙幣をより安定的にかつスムーズに搬送することができるようになる。また、本実施の形態では、
図9に示すように、搬送ベルト110と凹部分912の底面との間の距離(すなわち、
図9における左右方向の距離)は、本体部102の側面103とカバー部900の側面914との間の距離よりも小さくなっている。このことにより、搬送ベルト110の近傍における紙幣の膨らみが抑制されるようになる。
【0050】
なお、
図1に示すカバー部950は、カバー部900と比較して紙幣の搬送方向における長さが異なっているのみであり、当該カバー部950に設けられる各構成部材はカバー部900に設けられる各構成部材(例えば、突起部分910や凹部分912等)と略同一の構成となっている。
【0051】
また、
図11は、
図2に示す紙幣搬送ユニット100が直列に連結されたときの紙幣の搬送路の構成を示す構成図である。なお、
図11において紙幣の搬送方向を矢印で示している。
図2に示す紙幣搬送ユニット100にカバー部900が取り付けられた後、2つの紙幣搬送ユニット100が直列に連結されると、
図11における右側の紙幣搬送ユニット100とカバー部900との間の搬送路を通るよう紙幣が当該紙幣搬送ユニット100の搬送ベルト110により搬送され、この紙幣は
図11における左側の紙幣搬送ユニット100とカバー部900との間の搬送路に受け渡されるようになり、引き続き
図11における左側の紙幣搬送ユニット100の搬送ベルト110により搬送されるようになる。また、上述したように、ロック部120の第2操作部分128は本体部102の側面103から突出するような形状となっており、また、
図11に示すようにこの第2操作部分128は搬送ベルト110による紙幣の搬送方向(
図11における矢印方向)において当該側面103に対して傾斜している。具体的には、第2操作部分128とカバー部900との間の距離が、紙幣の搬送方向における下流側に向かうに従って狭くなるよう第2操作部分128は本体部102の側面103に対して傾斜している。このことにより、
図11における右側の紙幣搬送ユニット100から左側の紙幣搬送ユニット100に紙幣が受け渡される際に、紙幣が所定の搬送方向(すなわち、
図11における矢印方向)とは逆方向に移動してしまうことが当該第2操作部分128により規制されるようになり、紙幣を所定の搬送方向に安定的に搬送することができるようになる。
【0052】
このように、本実施の形態では、ロック部120は、当該ロック部120が設けられた紙幣搬送ユニット100を他のユニットにロックして連結するためのロック機能、他のユニットに連結された紙幣搬送ユニット100のロック状態を解除して当該紙幣搬送ユニット100を取り外すためのロック解除機能、および搬送される紙幣のガイドを行うガイド機能を兼ね備えたものとなり、シンプルな構成の部品により様々な機能を果たすことができるようになる。
【0053】
なお、
図11に示すように、カバー部900における端部にも傾斜部分940が形成されており、
図11における右側の紙幣搬送ユニット100から左側の紙幣搬送ユニット100に受け渡される紙幣は当該傾斜部分940に沿って案内されるようになっている。このような傾斜部分940が設けられていることにより、紙幣が所定の搬送方向(すなわち、
図11における矢印方向)とは逆方向に移動してしまうことが更に規制されるようになり、紙幣を所定の搬送方向により一層安定的に搬送することができるようになる。
【0054】
次に、駆動ユニット200の構成の詳細について
図12および
図13を用いて説明する。
図12は、駆動ユニット200の外観を示す斜視図であり、
図13は、
図12に示す駆動ユニット200の側面図である。
【0055】
図12および
図13に示すように、駆動ユニット200は本体部202と、ロック部220と、取付部240とを有しており、ロック部220を挟んで取付部240が本体部202に取り付けられるようになっている。この際に、ロック部220は
図12における上下方向に移動可能となるよう当該ロック部220は本体部202と取付部240との間で挟まれるようになる。ここで、駆動ユニット200に設けられたロック部220および取付部240の構成は、紙幣搬送ユニット100のロック部120および取付部140の構成と略同一となっている。すなわち、ロック部220は、板金を折り曲げて形成されたものからなり、当該ロック部220には、
図3等に示す第1操作部分122と同様の構成の第1操作部分222、
図3等に示す各ロック部分124と同様の構成の4つのロック部分224、
図3等に示す各凹部分126と同様の構成の2つの凹部分(図示せず)および
図3等に示す第2操作部分128と同様の構成の第2操作部分(図示せず)がそれぞれ形成されている。また、取付部240は、
図3等に示す駆動力伝達用ギヤ142と同様の構成の駆動力伝達用ギヤ242と、
図3等に示す取付ピン144と同様の構成の取付ピン244と、
図3等に示すロック部位置決めピン146と同様の構成のロック部位置決めピン(図示せず)と、
図3等に示す各ネジ部材150と同様の構成の上下一対のネジ部材(図示せず)とを有している。また、駆動ユニット200において、本体部202におけるロック部220や取付部240が設けられた側とは反対側の端面には、紙幣搬送ユニット100のロック部120の各ロック部分124が取り付けられる4つの開口204や、紙幣搬送ユニット100の取付部140の取付ピン144が取り付けられる円形の開口205がそれぞれ設けられている。このため、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる方法と同様の方法にて、駆動ユニット200の下流側や上流側に紙幣搬送ユニット100を取り付けることができるようになっている。
【0056】
図12に示すように、本体部202には、紙幣を搬送するための無端状の平ベルトからなる搬送ベルト210が設けられている。搬送ベルト210は複数のプーリ(図示せず)に張架されており、複数のプーリのうちある一つのプーリが回転することにより搬送ベルト210は循環移動を行うようになっている。本実施の形態では、このような搬送ベルト210により、駆動ユニット200における紙幣を搬送するための紙幣搬送機構が構成されている。また、
図12に示すように、本体部202における一方の側面(具体的には、搬送ベルト210が外部に露出する側の側面)の上端縁および下端縁には、上下一対の係合部材214が設けられている。この本体部202の各係合部材214はカバー部950の被係合部材(図示せず)に係合するようになっており、このことによりカバー部950が本体部202に取り付けられてこれらの本体部202とカバー部950との間に紙幣の搬送路が形成されるようになっている。
【0057】
また、本体部202の内部には、駆動モータ260およびこの駆動モータ260により生成される駆動力を他のユニットに伝達するための駆動力伝達部としての複数の駆動力伝達用ギヤ262、264、266が設けられている。具体的には、
図12に示すように、駆動モータ260および各駆動力伝達用ギヤ262、264、266は本体部202の内部における搬送ベルト210よりも下方の箇所に配置されている。ここで、
図12における奥側に配置される駆動力伝達用ギヤ264は、取付部240が本体部202に取り付けられたときに当該取付部240に設けられた駆動力伝達用ギヤ242と噛み合うようになっている。また、
図12における手前側に配置される駆動力伝達用ギヤ262は、他のユニットの駆動力伝達用ギヤと噛み合うようになっている。また、搬送ベルト210が張架される複数のプーリのうちある一つのプーリの回転軸は駆動力伝達用ギヤ264の回転軸と共用されるようになっており、駆動力伝達用ギヤ264および当該プーリは同期して回転するようになっている。すなわち、駆動モータ260により生成された駆動力が駆動力伝達用ギヤ262に伝達されると、この駆動力伝達用ギヤ262およびプーリが同期して回転することにより搬送ベルト210が循環移動を行うようになる。
【0058】
また、本体部202の内部には、各ユニット100、200、300、500、600、700の紙幣搬送機構による紙幣の搬送を制御するための制御基板270が設けられている。また、
図13に示すように、制御基板270にはLEDランプ272が設けられており、紙幣の詰まり(ジャム)等によって各ユニット100、200、500に設けられた搬送ベルト110、210、510がロックしてしまい駆動モータ260が過負荷となるとこのLEDランプ272が点灯することにより操作者に対して警告表示がなされるようになっている。
【0059】
また、本実施の形態では、駆動ユニット200の本体部202に設けられた複数の駆動力伝達用ギヤ262、264、266のうち他のユニットの駆動力伝達用ギヤと噛み合うこととなる駆動力伝達用ギヤ262は、紙幣搬送ユニット100に設けられた駆動力伝達用ギヤ106(
図4参照)と同一の構成となっている。このことにより、駆動ユニット200と紙幣搬送ユニット100とが直列に連結されてこの駆動ユニット200の駆動力伝達用ギヤ262と紙幣搬送ユニット100の駆動力伝達用ギヤ142とが噛み合った場合でも、駆動ユニット200から紙幣搬送ユニット100に駆動力を確実に伝達することができるようになる。
【0060】
次に、第1取込ユニット300および第2取込ユニット400の構成の詳細について
図1および
図14を用いて説明する。
図14は、第1取込ユニット300に第2取込ユニット400が取り付けられたときの構成を示す構成図である。なお、
図14において、紙幣の搬送方向を矢印で示している。
【0061】
第1取込ユニット300は本体部302を有しており、この本体部302には、紙幣入金装置(図示せず)に入金された紙幣を取り込む紙幣取込口304が設けられている。また、本体部302の内部には一対のローラ306、308および案内通路310がそれぞれ設けられており、紙幣取込口304により紙幣入金装置から取り込まれた紙幣は一対のローラ306、308の間を通って案内通路310により案内されるようになっている。また、本体部302には一対の搬送ローラ312、314が設けられており、第1取込ユニット300においてこれらの搬送ローラ312、314により紙幣が
図14における矢印方向に搬送されるようになっている。より詳細には、第1取込ユニット300の上流側に設けられた紙幣搬送ユニット100から当該第1取込ユニット300に送られた紙幣は、搬送ローラ312および搬送ローラ314により順に搬送され、この第1取込ユニット300の下流側に設けられた紙幣搬送ユニット100に送られるようになる。本実施の形態では、これらの搬送ローラ312、314により、第1取込ユニット300における紙幣を搬送するための紙幣搬送機構が構成されている。また、本体部302の内部には、上記の駆動ユニット200からの駆動力を伝達するための駆動力伝達部として複数の駆動力伝達用ギヤ(図示せず)が設けられている。
【0062】
また、本実施の形態では、第1取込ユニット300には、本体部302とは別にロック部(図示せず)および取付部(図示せず)が設けられている。ここで、第1取込ユニット300に設けられたロック部および取付部の構成は、紙幣搬送ユニット100のロック部120および取付部140の構成と略同一となっている。また、第1取込ユニット300において、本体部302におけるロック部や取付部が設けられた側とは反対側の端面には、紙幣搬送ユニット100のロック部120の各ロック部分124が取り付けられる4つの開口(図示せず)や、紙幣搬送ユニット100の取付部140の取付ピン144が取り付けられる円形の開口(図示せず)がそれぞれ設けられている。このため、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる方法と同様の方法にて、第1取込ユニット300の下流側や上流側に紙幣搬送ユニット100や駆動ユニット200を取り付けることができるようになっている。
【0063】
また、本実施の形態では、
図14に示すように、第2取込ユニット400は第1取込ユニット300に取り付けることができるようになっている。第2取込ユニット400が第1取込ユニット300に取り付けられた場合には、これらの第1取込ユニット300と第2取込ユニット400との間に紙幣の搬送路となる空間316が形成されるようになる。また、第2取込ユニット400は本体部402を有しており、この本体部402には、紙幣入金装置(図示せず)に入金された紙幣を取り込む紙幣取込口404が設けられている。また、本体部402の内部には一対のローラ406、408および案内通路410がそれぞれ設けられており、紙幣取込口404により紙幣入金装置から取り込まれた紙幣は一対のローラ406、408の間を通って案内通路310により案内され、第1取込ユニット300と第2取込ユニット400との間に形成された紙幣の搬送路となる空間316に送られるようになっている。また、本体部402の内部には、各ローラ406、408の駆動を行う駆動モータ460が設けられている。
【0064】
また、
図14に示すように、第2取込ユニット400における端部には傾斜部分440が形成されており、
図14における右側の紙幣搬送ユニット100から第1取込ユニット300と第2取込ユニット400との間に形成された搬送路に受け渡される紙幣は当該傾斜部分440に沿って案内されるようになっている。このような傾斜部分440が第2取込ユニット400に設けられていることにより、紙幣が所定の搬送方向(すなわち、
図14における矢印方向)とは逆方向に移動してしまうことが規制されるようになり、紙幣を所定の搬送方向に安定的に搬送することができるようになる。
【0065】
また、本実施の形態では、第1取込ユニット300の本体部302に設けられた複数の駆動力伝達用ギヤのうち他のユニットの駆動力伝達用ギヤと噛み合うこととなる駆動力伝達用ギヤは、紙幣搬送ユニット100に設けられた駆動力伝達用ギヤ106(
図4参照)と同一の構成となっている。このことにより、第1取込ユニット300と紙幣搬送ユニット100や駆動ユニット200とが直列に連結されてこの第1取込ユニット300の駆動力伝達用ギヤと紙幣搬送ユニット100の駆動力伝達用ギヤ142や駆動ユニット200の駆動力伝達用ギヤ242とが噛み合った場合でも、第1取込ユニット300と紙幣搬送ユニット100や駆動ユニット200との間で駆動力を確実に伝達することができるようになる。
【0066】
なお、本実施の形態では、第2取込ユニット400は第1取込ユニット300以外にも紙幣搬送ユニット100や駆動ユニット200、伸縮ユニット500に取り付けることができるようになっている。
【0067】
次に、伸縮ユニット500の構成の詳細について
図1を用いて説明する。上述したように、伸縮ユニット500は、紙幣の搬送方向における長さを変えることができるものからなる。具体的には、
図1に示すように、伸縮ユニット500は、本体部502と、当該本体部502に対して移動自在に設けられた可動部504とを有しており、本体部502における
図1の手前側の側面および可動部504における
図1の手前側の側面により紙幣の搬送路が構成されている。ここで、可動部504は、本体部502に対して紙幣の搬送方向(すなわち、
図1における矢印の方向)およびその逆方向の双方向に移動自在となっている。
【0068】
また、
図1に示すように、本体部502には、紙幣を搬送するための無端状の平ベルトからなる搬送ベルト510が設けられている。搬送ベルト510は複数のプーリ(図示せず)に張架されており、複数のプーリのうちある一つのプーリが回転することにより搬送ベルト510は循環移動を行うようになっている。本実施の形態では、このような搬送ベルト510により、伸縮ユニット500における紙幣を搬送するための紙幣搬送機構が構成されている。また、本体部502の内部には、上記の駆動ユニット200からの駆動力を伝達するための駆動力伝達部として複数の駆動力伝達用ギヤ(図示せず)が設けられている。なお、可動部504には、搬送ベルトや駆動力伝達用ギヤが設けられていない。このため、駆動ユニット200からの駆動力は、伸縮ユニット500の可動部504において遮断されるようになる。すなわち、伸縮ユニット500の下流側に他のユニットが接続されている場合でも、この伸縮ユニット500の上流側に設けられた駆動ユニット200からの駆動力は、当該伸縮ユニット500の下流側に設けられた他のユニットに伝達されることはない。
【0069】
また、本実施の形態では、伸縮ユニット500には、本体部502や可動部504とは別にロック部(図示せず)および取付部(図示せず)が設けられている。具体的には、可動部504の端部(具体的には、
図1の紙面における手前側の端部)にロック部および取付部が設けられている。ここで、伸縮ユニット500に設けられたロック部および取付部の構成は、紙幣搬送ユニット100のロック部120および取付部140の構成と略同一となっている。また、伸縮ユニット500において、本体部502の端面(具体的には、
図1の紙面における奥側の端面)には、紙幣搬送ユニット100のロック部120の各ロック部分124が取り付けられる4つの開口(図示せず)や、紙幣搬送ユニット100の取付部140の取付ピン144が取り付けられる円形の開口(図示せず)がそれぞれ設けられている。このため、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる方法と同様の方法にて、伸縮ユニット500の下流側や上流側に紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200または第1取込ユニット300を取り付けることができるようになる。
【0070】
また、本体部502における一方の側面(具体的には、搬送ベルト510が外部に露出する側の側面)の上端縁および下端縁には、上下一対の係合部材が設けられている。この本体部502の各係合部材はカバー部950の被係合部材に係合するようになっており、このことによりカバー部950が本体部202に取り付けられてこれらの本体部202とカバー部950との間に紙幣の搬送路が形成されるようになっている。
【0071】
また、本実施の形態では、伸縮ユニット500の本体部502に設けられた複数の駆動力伝達用ギヤのうち他のユニットの駆動力伝達用ギヤと噛み合うこととなる駆動力伝達用ギヤは、紙幣搬送ユニット100に設けられた駆動力伝達用ギヤ106(
図4参照)と同一の構成となっている。このことにより、伸縮ユニット500と紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200または第1取込ユニット300とが直列に連結されてこの伸縮ユニット500の駆動力伝達用ギヤと紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200または第1取込ユニット300の駆動力伝達用ギヤとが噛み合った場合でも、第1取込ユニット300と紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200または第1取込ユニット300との間で駆動力を確実に伝達することができるようになる。
【0072】
次に、第1屈曲ユニット600および第2屈曲ユニット700の構成の詳細について
図1を用いて説明する。上述したように、第1屈曲ユニット600および第2屈曲ユニット700は、それぞれ、紙幣の搬送の向きを変えるよう紙幣の搬送路が当該紙幣の搬送方向において湾曲しているものからなる。具体的には、
図1に示すように、第1屈曲ユニット600は、第1本体部602と、鉛直方向に延びる軸606を中心として第1本体部602に対して回転自在となっている第2本体部604とを有している。具体的には、軸606を中心とした第1本体部602と第2本体部604との間の角度が所定の範囲内の大きさ(例えば、90°〜180°の範囲内の大きさ)となるよう、第2本体部604は軸606を中心として第1本体部602に対して回転自在となっている。同様に、第2屈曲ユニット700は、第1本体部702と、鉛直方向に延びる軸706を中心として第1本体部702に対して回転自在となっている第2本体部704とを有している。
【0073】
また、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700において、第1本体部602、702および第2本体部604、704の内部にはそれぞれ紙幣の搬送路が形成されているとともに、紙幣搬送機構としての搬送ローラ(図示せず)が第1本体部602、702および第2本体部604、704の内部にそれぞれ設けられている。また、第1本体部602、702および第2本体部604、704の内部には、上記の駆動ユニット200からの駆動力を伝達するための駆動力伝達部として複数の駆動力伝達用ギヤ(図示せず)が設けられている。
【0074】
また、本実施の形態では、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700には、第1本体部602、702や第2本体部604、704とは別にロック部(図示せず)および取付部(図示せず)が設けられている。具体的には、第1本体部602、702の端部にロック部および取付部が設けられている。ここで、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700に設けられたロック部および取付部の構成は、紙幣搬送ユニット100のロック部120および取付部140の構成と略同一となっている。また、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700において、第2本体部604、704の端面には、紙幣搬送ユニット100のロック部120の各ロック部分124が取り付けられる4つの開口(図示せず)や、紙幣搬送ユニット100の取付部140の取付ピン144が取り付けられる円形の開口(図示せず)がそれぞれ設けられている。このため、2つの紙幣搬送ユニット100を直列に連結させる方法と同様の方法にて、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700の下流側や上流側に紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300または伸縮ユニット500を取り付けることができるようになっている。
【0075】
また、本実施の形態では、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700の第2本体部604、704に設けられた複数の駆動力伝達用ギヤのうち他のユニットの駆動力伝達用ギヤと噛み合うこととなる駆動力伝達用ギヤは、紙幣搬送ユニット100に設けられた駆動力伝達用ギヤ106(
図4参照)と同一の構成となっている。このことにより、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700と紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300または伸縮ユニット500とが直列に連結されて第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700の駆動力伝達用ギヤと紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300または伸縮ユニット500の駆動力伝達用ギヤとが噛み合った場合でも、第1屈曲ユニット600や第2屈曲ユニット700と紙幣搬送ユニット100、駆動ユニット200、第1取込ユニット300または伸縮ユニット500との間で駆動力を確実に伝達することができるようになる。
【0076】
また、本実施の形態では、各ユニット100、200、300、500、600、700において本体部の色とロック部や取付部の色とを互いに異なるようになっている。具体的には、例えば本体部の色調を透明とするとともに、ロック部や取付部の色を本体部の色とは異なる色としている。この場合には、紙幣搬送システム10において各ユニット100、200、300、500、600、700のロック部や取付部を外観から目視にて容易に確認することができるようになる。
【0077】
以上のような構成からなる本実施の形態の紙幣搬送システム10によれば、紙幣を搬送する紙幣搬送機構がそれぞれ設けられた複数のユニット100、200、300、500、600、700を備え、各々のユニット100、200、300、500、600、700は互いに着脱自在に連結されるとともに、連結された複数のユニット100、200、300、500、600、700間で紙幣搬送機構を駆動させる駆動力が伝達されるようになっている。このため、各々が所定の機能を有する複数の種類のユニット100、200、300、500、600、700を遊技島の必要箇所に配置することにより、遊技島の様々なレイアウト構成に対して柔軟に対応することができるようになる。
【0078】
また、本実施の形態の紙幣搬送システム10においては、上述したように、各々のユニット100、200、300、500、600、700には、紙幣搬送機構を駆動させる駆動力を他のユニットに伝達するための駆動力伝達部が設けられており、一のユニットと他のユニットとが連結されたときに、一のユニットの駆動力伝達部と他のユニットの駆動力伝達部との間で駆動力が伝達されるようになっている。より詳細には、各駆動力伝達部は駆動力伝達用ギヤを含み、一のユニットと他のユニットとが連結されたときに、一のユニットの駆動力伝達用ギヤと他のユニットの駆動力伝達用ギヤとが互いに噛み合うようになっている。また、本実施の形態では、複数のユニットの各々における駆動力伝達部(具体的には、他のユニットの駆動力伝達用ギヤとの間で駆動力の伝達を行う駆動力伝達用ギヤ)は同一の構成となっている。このことにより、様々な種類のユニットを連結させた場合でも、連結された複数のユニットの駆動力伝達部間で駆動力の伝達を確実に行うことができるようになる。
【0079】
また、本実施の形態の紙幣搬送システム10においては、上述したように、各々のユニット100、200、300、500、600、700には、別のユニットと連結するためのロック部(例えば、ロック部120、220等)と、別のユニットのロック部が係合される被ロック部(例えば、開口104、204)とがそれぞれ設けられている。また、複数のユニット100、200、300、500、600、700のロック部は同一の構成となっており、複数のユニット100、200、300、500、600、700の被ロック部も同一の構成となっている。この場合には、ある種類のユニットのロック部を別の種類の被ロック部に係合させることができるようになるため、様々な種類のユニットを確実に連結させることができるようになる。
【0080】
また、本実施の形態の紙幣搬送システム10においては、上述したように、大きさが互いに異なる複数の種類のカバー部(具体的には、例えば
図1に示すカバー部900およびカバー部950)が準備されており、各々のユニット100、200、300、500には、複数の種類のカバー部のうち任意の種類のカバー部が取り付け可能となっており、ユニット100、200、300、500とカバー部との間に紙幣の搬送路が形成されるようになっている。このことにより、様々な種類のユニット100、200、300、500を組み合わせて紙幣搬送システム10を形成した場合でも、各ユニット100、200、300、500に適合するカバー部を用いることにより各ユニット100、200、300、500とカバー部との間で紙幣の搬送路を確実に形成することができるようになる。また、このような構成によれば、各ユニット100、200、300、500において紙幣の詰まり(ジャム)が発生した場合でも、カバー部を各ユニット100、200、300、500から取り外すだけで各ユニット100、200、300、500から紙幣を除去することができるようになるため、紙幣の詰まり等のトラブルを容易に解除することができるようになる。
【0081】
また、本実施の形態では、各ユニット100、200、300、500とカバー部との間に形成される搬送路は鉛直面に沿って延びるようになっており、各ユニット100、200、300、500は鉛直方向における上下を反転させて配置することができるよう構成されている。具体的には、例えば紙幣搬送ユニット100においてロック部位置決めピン146の先端部分が各凹部分126に入り込むことにより、第1操作部分122を押し上げることによりロック部120を
図5や
図6における上方に移動させた場合でも、ロック部120が自重により下方に移動してしまうことを防止することができるようになる。
【0082】
また、本実施の形態の紙幣搬送システム10においては、上述したように、各ユニット100、200、500に設けられた紙幣搬送機構は搬送ベルト110、210、510を含み、カバー部におけるユニット100、200、500に対向する面には、搬送ベルト110、210、510を受け入れる凹部分(例えば、カバー部900に設けられた凹部分912)が形成されており、ユニット100、200、500とカバー部との間に形成される搬送路に沿って搬送される紙幣は、紙幣搬送機構の搬送ベルト110、210、510とカバー部の凹部分との間で湾曲された状態で搬送されるようになっている。この場合には、湾曲された状態で搬送される紙幣における湾曲された状態からの復元力によってこの紙幣は搬送ベルト110、210、510に押し付けられるようになり、紙幣と搬送ベルト110、210、510との間で働く摩擦力を大きくすることができるため、搬送ベルト110、210、510により紙幣をより安定的にかつスムーズに搬送することができるようになる。また、この場合には、カバー部において抑えローラ等の設置を省略することができるようになり、このため各ユニット100、200、500の搬送ベルト110、210、510が張架されるプーリの径を大きくすることができるようになる。このことにより、搬送ベルト110、210、510がプーリに対してスリップしてしまうことを抑制することができるため、各ユニット100、200、500において紙幣をより確実に搬送することができるようになる。また、カバー部において、凹部分の両端には突起部分(例えば、カバー部900に設けられた突起部分910)が形成されており、カバー部がユニット100、200、500に取り付けられたときに搬送路においてカバー部の各突起部分と紙幣搬送機構の搬送ベルト110、210、510とが互いに入り組み合うようになっている。この場合には、ユニット100、200、500とカバー部との間に形成される搬送路に沿って搬送される紙幣を、紙幣搬送機構の搬送ベルト110、210、510とカバー部の凹部分との間でより確実に湾曲させることができ、湾曲された状態からの復元力によってこの紙幣を搬送ベルト110、210、510に確実に押し付けることができるようになる。
【0083】
また、本実施の形態の紙幣搬送システム10においては、上述したように、当該紙幣搬送システム10に接続された紙幣入金装置(図示せず)に入金された紙幣を取り込む第2取込ユニット400は、複数のユニット100、200、300、500のうち少なくとも一つのユニット100、200、300、500との間に紙幣の搬送路を形成するよう当該ユニットに取付可能となっている。また、このような第2取込ユニット400は、複数のユニット100、200、300、500のうち任意のユニットに取付可能となっている。ここで、従来の紙幣搬送システムでは、台間機等の紙幣入金装置から紙幣を取り込むための紙幣取込口が搬送路レールの両面に設けられている場合には、遊技島の両面に設けられた紙幣入金装置の位置が大きくずれているときに、遊技島の長手方向における2つの紙幣取込口の間の距離には制限があるため、従来の紙幣搬送システムを遊技島に設置することが困難となる場合があった。これに対し、本実施の形態では、第2取込ユニット400は、複数のユニット100、200、300、500のうち任意のユニットに取付可能となっているため、紙幣搬送システム10において第1取込ユニット300および第2取込ユニット400を設置することにより紙幣取込口304、404を紙幣の搬送路の両面に設ける場合でも、紙幣の搬送方向におけるこれらの紙幣取込口304、404の間の距離を自在に変えることができるため、遊技島の両面に設けられた紙幣入金装置の位置が大きくずれている場合でも本実施の形態の紙幣搬送システム10を設置することができるようになる。
【0084】
なお、本実施の形態による紙幣搬送システム10は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0085】
例えば、紙幣搬送システム10を構成するユニットとして、連結された複数のユニット間で紙幣搬送機構を駆動させる駆動力が伝達されるものであれば、上記の各ユニット100、200、300、500、600、700以外の構成のものを用いてもよい。また、各ユニット100、200、300、500、600、700に設けられる紙幣搬送機構として、循環移動を行う無端状の搬送ベルトや搬送ローラ以外の構成のものが用いられてもよい。