特許第6570470号(P6570470)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6570470電子装置、地図表示システムおよび地図表示方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6570470
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】電子装置、地図表示システムおよび地図表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20190826BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20190826BHJP
   G06T 11/60 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G09B29/00 A
   G09B29/00 F
   G01C21/26 C
   G06T11/60 300
【請求項の数】14
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2016-67405(P2016-67405)
(22)【出願日】2016年3月30日
(65)【公開番号】特開2017-181706(P2017-181706A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年9月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100098497
【弁理士】
【氏名又は名称】片寄 恭三
(72)【発明者】
【氏名】箱崎 智広
(72)【発明者】
【氏名】阿部 誠
(72)【発明者】
【氏名】土屋 信二
(72)【発明者】
【氏名】万膳 正一
(72)【発明者】
【氏名】渡邉 学
【審査官】 鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−075335(JP,A)
【文献】 特開2015−163858(JP,A)
【文献】 特開平06−103496(JP,A)
【文献】 特開2012−127707(JP,A)
【文献】 特開2008−215858(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0375678(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00−10
G01C 21/26
G06T 11/60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
地図表示機能を備えた電子装置であって、
地図データを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段から読み出された地図データを表示可能な表示手段と、
二次元領域を表すための位置および形状に関する情報を含むポリゴン情報を取得する取得手段と、
前記ポリゴン情報に基づいて、ポリゴン図形を生成する生成手段と、
前記ポリゴン情報が取得されたとき、前記表示手段により表示される地図データのスケールに対応する地図データにおいて前記ポリゴン情報と重複する位置関係にある地図データを選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された地図データを仮想的に複数の矩形状領域に分割する分割手段であって、当該分割手段は、前記ポリゴン情報に関連するアイコンを前記矩形状領域に表示させる場合に、前記表示手段の表示可能領域に少なくとも1つのアイコンが表示されるように前記矩形状領域を分割するための格子間隔を決定する、前記分割手段と、
少なくとも1つの矩形状領域内に少なくとも1つのアイコンの表示位置を決定する決定手段とを有し、
前記表示手段は、前記決定手段で決定された表示位置に従い、前記ポリゴン図形および前記アイコンを前記地図データ上に表示する、電子装置。
【請求項2】
前記選択手段は、前記地図データが複数のメッシュから構成されるとき、前記ポリゴン情報と重複する位置関係にあるメッシュを選択し、前記分割手段は、前記メッシュを仮想的に複数の矩形状領域に分割する、請求項に記載の電子装置。
【請求項3】
前記分割手段は、緯度方向および経度方向が等間隔となるように前記地図データを仮想的に分割する、請求項1または2に記載の電子装置。
【請求項4】
前記表示された前記地図データのスケールが変更されたとき、前記決定手段は、当該スケールの変更に応じて前記アイコンの表示位置を変更する、請求項1ないし3いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項5】
前記決定手段は、前記矩形状領域の少なくとも1つの頂点を前記アイコンの表示位置に決定する、請求項1ないし4いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記矩形状領域の各頂点を前記アイコンの表示位置に決定する、請求項1ないし5いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項7】
前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、前記決定手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、当該表示位置を表示位置として決定しない、請求項1ないし6いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項8】
前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、
前記表示手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、前記アイコンがはみ出さないように地図スケールを拡大する、請求項1ないし6いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項9】
前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、
前記表示手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、前記アイコンがはみ出さないように前記アイコンのサイズを小さくする、請求項1ないし6いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項10】
前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、
前記表示手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、前記アイコンを表示しない、請求項1ないし6いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項11】
前記取得手段は、前記ポリゴン情報を通信または放送により取得し、前記ポリゴン情報は、前記アイコンの表示位置情報を含まない、請求項1ないし10いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項12】
前記ポリゴン情報は、気象情報に関する領域または交通情報に関する領域を表すポリゴン情報である、請求項1ないし11いずれか1つに記載の電子装置。
【請求項13】
請求項1ないし12いずれか1つに記載の電子装置と、気象または交通状況の種別及びその領域を少なくとも含むポリゴン情報を配信する配信センターとを含む地図表示システムであって、
前記配信センターは、
前記電子装置と通信する通信手段と、
前記ポリゴン情報を前記通信手段を介して送信する送信手段とを有する、地図表示システム。
【請求項14】
地図データを表示可能な表示手段および地図データを記憶する記憶手段を備えた電子装置における地図表示方法であって、
二次元領域を表すための位置および形状に関する情報を含むポリゴン情報を取得する取得ステップと、
前記ポリゴン情報に基づいて、ポリゴン図形を生成する生成ステップと、
前記ポリゴン情報が取得されたとき、前記表示手段により表示される地図データのスケールに対応する地図データにおいて前記ポリゴン情報と重複する位置関係にある地図データを選択する選択ステップと、
前記選択された地図データを仮想的に複数の矩形状領域に分割する分割ステップであって、当該分割ステップは、前記ポリゴン情報に関連するアイコンを前記矩形状領域に表示させる場合に、前記表示手段の表示可能領域に少なくとも1つのアイコンが表示されるように前記矩形状領域を分割するための格子間隔を決定する、前記分割ステップと、
少なくとも1つの矩形状領域内に少なくとも1つのアイコンの表示位置を決定する決定ステップと、
前記表示位置に従い、前記ポリゴン図形および前記アイコンを前記表示手段の前記地図データ上に表示する表示ステップと、
を有する地図表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、施設や交通情報等の特定の領域を表すポリゴンを地図上に表示する表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ナビゲーション装置は、地図データをディスプレイに表示させ、目的地までの経路案内等を行うことができる。地図データには、交差点等の位置データを示すノードデータや、道路等の区間を示すリンク情報が記憶されているほか、比較的規模の大きな施設(空港、公園、工場等)のエリアを示す情報としてポリゴン情報が記憶されている。ポリゴン情報は、施設のエリアを多角形で示すことで当該エリアを定義し、多角形の頂点座標等のデータを有する。また、地図データには、ポリゴン情報の種別や内容等を示すアイコン情報が含まれ、アイコン情報を表示する位置は、例えば、ポリゴンの中心等に予め決められている。
【0003】
ポリゴン情報が比較的大きなエリアを表す場合、アイコン情報をポリゴン情報のどこに表示するかを考慮する必要があり、このアイコン情報の表示方法に関し、様々の技術が開示されている。特許文献1は、ポリゴン内の複数の位置にポリゴン名を記憶した道路地図データを予め用意し、ポリゴンを表示するとき、複数の位置のいずれかにポリゴン名を表示するナビゲーション装置を開示している。特許文献2は、ポリゴン情報の更新に関し、人の操作によらず、ポリゴン情報を自動的に更新可能な地図表示装置および地図表示システムを開示している。特許文献3は、ポリゴンの表示面積に基づいて、当該表示面積が所定値以上である場合に当該ポリゴンに対してポリゴン名称を表示する車両用ナビゲーション装置を開示している。特許文献4は、POIアイコンをポリゴンの中央部に表示するナビゲーション装置を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−330024号公報
【特許文献2】特開2014−106077号公報
【特許文献3】特許第3428294号公報
【特許文献4】特許第4183426号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来の車載装置における地図表示方法には、次のような課題がある。従来のポリゴン情報は、車載装置等に予め記憶されている場合が多かったが、昨今では、VICS(登録商標)等に代表されるように、施設等以外にも、リアルタイムで発生する渋滞、事故、交通規制等の領域を表す道路交通情報、雨、降雪などの気象状況の領域を表す気象情報として、ポリゴン情報が提供されつつある。このようなポリゴン情報は、随時、大きさや形状を変更し得るものであり、ポリゴン情報の種別等を表すアイコン情報を一義的に決定することができず、すなわち、アイコン情報の表示位置が決定されていないことがある。このような場合、車載装置側では、ポリゴン情報に関連するアイコン情報を表示する場合、例えば、特許文献4のように、ポリゴンの中心座標や重心座標にアイコン情報を表示させる方法が考えられる。しかしながら、画面表示範囲とポリゴンの大きさとの関係によっては、表示画面にアイコン情報を適切に表示できない場合がある。
【0006】
図19は、道路地図データ、ポリゴンおよび画面表示範囲との関係を表す図面である。あるスケールの道路地図データ上に、雨の領域を表すポリゴン(斜線領域)1と、ポリゴン1の中心に雨を表すアイコン2とが描画されるものとする。自車Mが道路2に沿って走行するとき、車載装置の画面表示範囲3よりもポリゴン1が大きいと、表示画面には、ポリゴン1の一部が表示されるものの、アイコン2が表示されず、ユーザーは、ポリゴン1が何を表わすべきものかを認識することができない。また、アイコン2を確認するためには、画面をスクロールさせてアイコン2を探したり、あるいは地図スケールを変更しなければならず、アイコンの確認後には画面を元に戻す操作も必要となり、そのような操作は、ユーザーにとって非常に煩わしい。
【0007】
本発明は、このような従来の課題を解決するものであり、ポリゴン情報に関連するアイコン情報を容易に認識することができる電子装置、地図表示システムおよび地図表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る地図表示機能を備えた電子装置は、地図データを記憶する記憶手段と、特定の領域を表すためのポリゴン情報を取得する取得手段と、前記ポリゴン情報に基づいて、ポリゴン図形を生成する生成手段と、前記地図データを仮想的に複数の領域に分割する分割手段と、前記ポリゴン図形と重複する前記分割された少なくとも1つの領域内に少なくとも1つの前記ポリゴン情報に関連するアイコンの表示位置を決定する決定手段と、前記表示位置に従い、前記ポリゴン図形および前記アイコンを前記地図データ上に表示する表示手段と、を有する。
【0009】
好ましくは前記分割手段は、前記地図データを仮想的に複数の矩形状領域に分割する。好ましくは前記分割手段は、前記地図データが複数のメッシュから構成されるとき、前記メッシュを仮想的に複数の矩形状領域に分割する。好ましくは前記分割手段は、前記地図データのスケールに応じて矩形状領域に分割する大きさを変更する。好ましくは前記分割手段は、緯度方向および経度方向が等間隔となるように前記地図データを仮想的に分割する。好ましくは前記表示された前記地図データのスケールが変更されたとき、前記決定手段は、当該スケールの変更に応じて前記アイコンの表示位置を変更する。好ましくは前記決定手段は、前記矩形状領域の少なくとも1つの頂点を前記アイコンの表示位置に決定する。好ましくは前記決定手段は、前記矩形状領域の各頂点を前記アイコンの表示位置に決定する。
【0010】
好ましくは前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、前記決定手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、当該表示位置を表示位置として決定しない。好ましくは前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、前記表示手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、前記アイコンがはみ出さないように地図スケールを拡大する。好ましくは前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、前記表示手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、前記アイコンがはみ出さないように前記アイコンのサイズを小さくする。好ましくは前記決定手段により決定された表示位置に前記アイコンを表示した場合に、前記アイコンが前記ポリゴン図形からはみ出すか否かを判定する判定手段を含み、前記表示手段は、前記アイコンがはみ出すと判定された場合には、前記アイコンを表示しない。好ましくは前記取得手段は、前記ポリゴン情報を通信または放送により取得し、前記ポリゴン情報は、前記アイコンの表示位置情報を含まない。好ましくは前記ポリゴン情報は、気象情報に関する領域または交通情報に関する領域を表すポリゴン情報である。
【0011】
本発明に係る地図表示システムは、電子装置と、気象または交通状況の種別及びその領域を少なくとも含むポリゴン情報を配信する配信センターとを含むものであって、前記配信センターは、前記電子装置と通信する通信手段と、前記ポリゴン情報を前記通信手段を介して送信する送信手段と、を有し、前記電子装置は、地図データを記憶する記憶手段と、前記ポリゴン情報を受信する受信手段と、前記ポリゴン情報に基づいて、ポリゴン図形を生成する生成手段と、前記地図データを仮想的に複数の領域に分割する分割手段と、前記ポリゴン図形と重複する前記分割された少なくとも1つの領域内に少なくとも1つの前記ポリゴン情報に関連するアイコンの表示位置を決定する決定手段と、前記表示位置に従い、前記ポリゴン図形および前記アイコンを前記地図データ上に表示する表示手段と、を有する。
【0012】
本発明に係る地図表示方法は、地図表示機能および地図データを記憶する記憶手段を備えた電子装置におけるものであって、特定の領域を表すためのポリゴン情報を取得する取得ステップと、前記ポリゴン情報に基づいて、ポリゴン図形を生成する生成ステップと、前記地図データを仮想的に複数の領域に分割する分割ステップと、前記ポリゴン図形と重複する前記分割された少なくとも1つの領域内に少なくとも1つの前記ポリゴン情報に関連するアイコンの表示位置を決定する決定ステップと、前記表示位置に従い、前記ポリゴン図形および前記アイコンを前記地図データ上に表示する表示ステップと、を有する。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、ポリゴン情報を表示する場合に、ポリゴン情報に関連するアイコン情報の表示位置を算出し、算出された表示位置にアイコン情報を表示するようにしたので、表示画面よりも大きいポリゴン情報が表示されるような場合であってもアイコン情報を視認し易くなる。また、アイコン情報の表示位置が決められていないポリゴン情報、あるいはアイコン情報の表示位置が固定であるポリゴン情報と比較して、アイコン情報を適切な位置に自動で配置し、これを表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施例による車載装置の構成を示すブロック図である。
図2】本実施例のナビゲーション部による道路地図の表示例を示す図である。
図3】本実施例による他の配信サイトから情報を取得する例を示す図である。
図4】路側機からポリゴン情報を含む道路交通情報や気象情報が提供される様子を示す図である。
図5】道路交通情報や気象情報を配信する配信センターの構成を説明する図である。
図6】配信センターから配信されるポリゴン情報を説明する図である。
図7図7(A)は、地図データとポリゴン情報との関係を示し、図7(B)は、地図データの表示可能領域にポリゴン情報が含まれるときの表示例である。
図8】地図データの構成例を示す図である。
図9】アイコン情報の構成例を示す図である。
図10】本発明の第1の実施例に係る地図表示制御プログラムの機能的な構成を示す図である。
図11図10に示すアイコン表示位置算出部の機能的な構成を示す図である。
図12】本発明の第1の実施例によるアイコン表示位置算出部の具体的な算出例を示す図である。
図13】本発明の第1の実施例に係る地図表示制御の動作を示すフローである。
図14】本発明の第1の実施例に係るアイコン表示位置算出部の動作を示すフローである。
図15】本発明の第1の実施例に係る地図表示制御による地図表示例である。
図16】アイコン情報がポリゴン情報の外郭からはみ出す例を示す図である。
図17】本発明の第2の実施例に係る地図表示制御プログラムの機能的な構成を示す図である。
図18】本発明の第2の実施例に係るアイコン表示位置決定の動作を示すフローである。
図19】従来の車載装置におけるポリゴンの表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。本発明の実施の形態に係る電子装置は、自動車等の移動体上に固定的に搭載されるナビゲーション装置等の車載装置、あるいは移動体内に持ち込み可能なポータブルタイプのコンピュータ装置、タブレット型のコンピュータ装置であることができる。本発明の電子装置は、地図表示機能を搭載し、運転者のドライブアシストのために、地図上に道路交通情報、気象情報、イベント情報などを表示することができる。道路交通情報、気象情報、イベント情報等は、好ましくは、外部の配信センター、道路上に設置された路側機、放送等などから取得することができる。さらには、車々間通信によりそのような情報を取得しても良い。電子装置はさらに、これ以外の機能として、例えばオーディオ・ビデオデータを再生する機能、テレビ・ラジオ放送を受信する機能、アプリケーションソフトウエアを実行する機能などを統合的に備えるものであってもよい。さらに本発明の電子装置は、それ自身がナビゲーション機能を実行するための道路地図データを記憶装置に蓄積するものであってもよいし、無線等のデータ通信手段を介してインターネット上の配信サイトもしくは配信サーバなどから必要な道路地図データを取得するものであってもよい。
【実施例】
【0016】
図1は、本実施例の車載装置の構成を示すブロック図である。車載装置10は、一例として、入力部100、位置情報算出部110、ナビゲーション部120、表示部130、音声出力部140、通信部150、記憶部160、および制御部170を含んで構成される。
【0017】
入力部100は、入力キーデバイス、音声入力認識装置、タッチパネルなどにより、ユーザーからの指示を受け取り、これを制御部170へ提供する。位置情報算出部110は、GPS衛星から送信されるGPS信号、ジャイロセンサ等の相対方位センサ、地磁気センサ等の絶対方位センサからの出力に基づき自車の現在地を算出する。
【0018】
ナビゲーション部120は、例えば、位置情報算出部110によって算出された現在地から目的地までの案内経路を算出し、算出された案内経路の音声案内を音声出力部140から出力したり、自車位置周辺の道路地図を表示部130に表示させたりする。ナビゲーション部120に用いられる目的地は、例えば、入力部100からユーザー操作によって入力される。
【0019】
ナビゲーション部120は、表示部130に道路地図を表示する際、位置情報算出部110によって算出された自車の現在地を地図に重畳させて表示する。図2は、ナビゲーション部120による道路地図の表示例を示す図である。図2(A)は、後述する記憶部160に記憶された地図データを平面的に表した図であり、Mは自車を表わしている。また、Xは、車載装置10の表示部130による表示範囲である。図2(B)に示すように、表示範囲Xの地図データが表示部130に表示される。ナビゲーション部120による地図表示は、地図データの縮尺(スケール)を変更することで、表示される領域を変えることができる。
【0020】
表示部130は、液晶ディスプレイや有機EL等の表示装置を含み、例えば、ナビゲーション部120によって生成された道路地図の画像を表示したり(図2参照)、ユーザー設定を行うための設定画面やメニュー画面を表示したりする。音声出力部140は、ナビゲーション部120によって算出された経路を案内する音声案内を出力したり、運転者に対して運転支援情報の音声案内を行ったりする。
【0021】
通信部150は、種々の外部装置との間でデータの送受を可能にする。通信部150は、例えば、図3に示すように、ネットワークNWを介して、位置情報配信サイト152にアクセスし、そこから自車位置情報を取得したり、地図データ配信サイト154にアクセスし、そこから必要な地図データを取得したり、道路交通情報配信サイト156にアクセスし、そこから道路交通情報に関する詳細な情報を取得することができる。さらには、ここには図示しないが、気象情報やイベント情報を配信するサイトにアクセスし、そこから天気情報やイベント情報を取得することができる。位置情報配信サイト152から得られる自車位置情報は、位置情報算出部110によって算出される自車位置情報の代わりに用いることができる。また、地図データ配信サイト154を利用することで、車載装置10は、記憶部160に必要最低限の地図データを記憶するようにしてもよい。
【0022】
通信部150はさらに、道路に設置されたビーコン等の路側機やその他の施設等との間で無線通信を行ったり、VICS(登録商標)等が配信する情報を取得することができる。図4は、1つの例として、路側機Hが配信する情報を車載装置10が受信する様子を示している。車載装置10を備えた自車Mが路側機H付近を走行すると、通信部150は、路側機Hから情報を受信する。情報は、渋滞、事故、交通規制等の道路交通情報、雨、強風、雷雨、降雪、竜巻等の気象情報、広範囲のエリアで行われるイベント情報を含み、さらにこれらの情報は、領域(エリア)を特定するための位置情報としてポリゴン情報を含むことができる。車載装置10は、ポリゴン情報を受信した場合には、地図上にポリゴン情報とそれに関連するアイコン情報を表示し、運転者に注意を喚起させる。
【0023】
図5は、道路交通情報や気象情報を配信する配信センターの構成および機能を説明する図である。配信センター180は、各部を制御する制御部182、車載装置10との通信を可能にする通信部184、道路交通情報、気象情報、イベント情報等を格納する記憶部186を含んで構成される。
【0024】
制御部182は、情報送信部182Aと情報更新部182Bとを含む。情報送信部182Aは、記憶部186に格納されたポリゴン情報を含む道路交通情報、気象情報、イベント等を通信部184を介して車載装置10に送信する。情報更新部182Bは、記憶部186に保持されたポリゴン情報を含む情報を最新の情報に更新する。
【0025】
図6は、道路交通情報や気象情報に含まれるポリゴン情報を説明する図である。ポリゴン情報は、種別情報、中心点、半径、長軸、短軸、頂点1、頂点2・・・頂点nの情報を含む面情報(二次元情報)である。種別情報は、ポリゴン情報の種別を示す情報であり、図6には、気象情報の一例として「雨」、「雷雨」が示され、イベント情報の一例として「集会」が示され、道路交通情報の一例として、「進入禁止」が示されている。なお、種別情報は、ここでは分かり易くするため具体的な名称を記載するが、一般には、それぞれの種別情報はコード値によって表される。ポリゴン情報は、任意の形状であり、例えば、ポリゴンが円形、楕円形であれば、その中心点、半径、長軸、短軸等によってポリゴンの形状および大きさが表される。また、ポリゴンが多角形であれば、複数の頂点1、頂点2・・・頂点nの座標(緯度、経度)によって表される(nは、3以上の自然数である)。ここには図示しないが、ポリゴン情報は、ポリゴンの色情報を含むことができる。ポリゴンは、通常、地図上に重畳して描画されるため、半透明の色である。さらにポリゴン情報は、ポリゴン情報に関連するアイコン情報を含むことも可能である。例えば、雨のポリゴン情報であれば、雨を表わすアイコン情報が一緒に包含され、この場合、ポリゴン情報が表示されるとき、一緒に包含されたアイコン情報が表示される。
【0026】
図7(A)は、ポリゴン情報と地図データとの関係を表している。ポリゴン情報は、その位置情報に基づき地図データ上に重畳するように描画される。図中、Poly1は、図6に示す「雨」のポリゴン、Poly2は、「雷雨」のポリゴン、Poly3は、集会のポリゴンを例示している。Xは、表示部130の表示可能領域であり、図7(B)に示すように、表示可能領域X内にポリゴンPoly2が含まれるとき、ポリゴンPoly2が地図上に表示される。
【0027】
記憶部160は、制御部170が実行するアプリケーションソフトウエアやプログラム、ナビゲーション部120が必要とする地図データ等を記憶することができる。地図データは、交差点等を示すノードデータ、ノード間の道路を示すリンクデータ等、ナビゲーション部の動作に必要な情報を含むことができる。また、地図データは、一定の緯度経度の間隔で矩形に分離されたメッシュ(図葉)単位で管理され、さらに1つのメッシュは、複数の階層から構成され得る。例えば、図8に示すように、地図データ190は、地図1、地図2、地図3、地図4からなる粗いメッシュに分離され、さらに粗いメッシュの各々は、4分割の細かいメッシュに分離される。例えば、ナビゲーション部120による自車位置周辺の地図が表示されるとき、自車位置に該当するメッシュが記憶部160から読み出され、表示部130に地図が表示される。地図データをメッシュ単位で管理することで、記憶部160から読み出す地図データのサイズを小さくし、表示部130による地図データの処理量を少なくし、地図を高速に描画することができる。なお、地図データは、複数のスケール毎に用意され、表示部130により表示される地図のスケールが変更された場合には、該当する地図データが記憶部160から読み出される。
【0028】
また、記憶部160は、ポリゴン情報を表示するときに必要なアイコン情報を記憶することができる。図9は、アイコン情報を説明する図である。アイコン情報は、図6に示すポリゴン情報の種別情報と対応する種別情報、アイコン形状、およびアイコン色を含むことができる。アイコン形状は、アイコンの枠とその中に含まれるイメージとを含む。アイコン形状のサイズは、縦×横の画素数によって規定される。アイコン色は、アイコン形状のデフォルト状態の色を特定する。但し、アイコン色は、ポリゴン情報に重畳して描画されるので、ポリゴン情報と同一色とならないように変更することが可能である。
【0029】
制御部170は、好ましい態様では、ROM、RAMなどを含むマイクロコントローラ等から構成され、ROMまたはRAMは、車載装置10の各部の動作を制御するための種々のプログラムを格納することができる。本実施例では、制御部170は、外部から取得された、あるいは記憶部160に記憶されたポリゴン情報を地図データ上に表示する地図表示制御プログラム200を含む。
【0030】
図10は、本実施例の地図表示制御プログラムの機能的な構成例を示す図である。地図表示制御プログラム200は、ポリゴン情報取得部210、ポリゴン図形生成部215、アイコン情報取得部220、アイコン表示位置算出部230、アイコン表示部240を含む。
【0031】
ポリゴン情報取得部210は、例えば、配信センター180から配信されるポリゴン情報を取得する。ポリゴン情報は、配信センター180に限られず、例えば、FM多重放送、路側機等から取得するものであってもよいし、あるいは記憶部160に保持されたポリゴン情報を取得するものであってもよい。ポリゴン図形生成部215は、ポリゴン情報取得部210によって取得されたポリゴン情報に基づき二次元的なエリアを表すポリゴン図形を生成する。生成されるポリゴン図形は、例えば、図7に示すようなポリゴン図形Poly1、Poly2、Poly3である。
【0032】
アイコン情報取得部220は、ポリゴン情報取得部210によってポリゴン情報が取得するとき、ポリゴン情報にアイコン情報が包含されていなければ、取得されたポリゴン情報に対応するアイコン情報を取得する。例えば、ポリゴン情報に含まれる種別情報に基づき該当するアイコン情報を記憶部160から取得する。また、双方向通信が可能な路側機からアイコン情報が提供されている場合は、路側機からアイコン情報を取得するようにしても良い。
【0033】
アイコン表示位置算出部230は、アイコン情報取得部220で取得されたアイコンの表示位置を算出する。リアルタイムな情報を表すポリゴン情報を取得したとき、ポリゴン情報のどの位置にアイコン情報を表示させるのか特定されていない場合が多い。仮に、ポリゴン情報にアイコン情報を表示させる位置が特定されていたとしても、ポリゴン情報のサイズが、表示部130による表示可能領域Xを超える場合には、その特定された位置にアイコン情報を表示させることが必ずしも適切とは限らない。そこで、本実施例のアイコン表示位置算出部230は、好ましくは、アイコン情報の表示位置が特定されていないポリゴン情報が取得されたときのアイコンの表示位置を算出するが、これに限らず、ポリゴン情報にアイコン情報の表示位置が特定されているものであっても、アイコンの表示位置を算出するようにしてもよい。
【0034】
図11は、アイコン表示位置算出部230の詳細な構成を示すブロック図である。アイコン表示位置算出部230は、メッシュ選択部232、地図データ分割部234、表示位置決定部236を含む。
【0035】
メッシュ選択部232は、後述する地図データ分割部234の対象となる地図データのメッシュを選択する。言い換えれば、ポリゴン情報ないしアイコン情報を表示する可能性がある地図データのメッシュを選択する。図12は、アイコン表示位置算出部の具体的な算出方法を説明する図である。同図には、4つのメッシュM1、M2、M3、M4が示され、4つのメッシュM1〜M4は、頂点P1ないし頂点P9を通るメッシュ枠300によって分離される。メッシュ選択部232は、表示すべきポリゴン情報310の位置座標に基づき、重複する位置関係にある4つのメッシュM1〜M4を選択する。なお、地図データがスケール毎に複数用意されている場合には、表示部130による地図表示のスケールに該当するスケールの地図データにおいてメッシュが選択される。
【0036】
地図データ分割部234は、メッシュ選択部232により選択されたメッシュを仮想的に分割する。好ましくは、地図データ分割部234は、1つのメッシュを複数の矩形状領域に分割する。図12の例で示せば、選択された左下のメッシュM1の左下頂点を基準点とし、等間隔となるように緯度方向の水平線(Q1ないしQ6)および経度方向の垂直線(R1ないしR4)によって格子状に線を引き、これらの線が交差する点によって規定される矩形状領域が求められる。図の例では、1つのメッシュは9つのる矩形状領域に仮想的に分割される。この1つの矩形状領域は、アイコン情報を表示するための表示位置を提供する。
【0037】
水平線および垂直線により格子間隔は、地図データのスケールに応じて決定され、例えば、地図データのスケールが大きくなるにつれ(表示可能範囲Xによる表示面積が小さくなるにつれ)、相対的に大きく、反対に、地図スケールが小さくなるにつれ(表示可能領域Xによる表示面積が大きくなるにつれ)、相対的に小さくなる。好ましくは、表示部130がポリゴン情報を表示する場合に、表示可能領域Xに少なくとも1つのアイコン情報が表示され易くなるように格子間隔が決定される。他方、格子間隔を狭くし過ぎると、アイコン情報が必要以上に多く表示されてしまうので、1つの例として表示可能領域Xに表示されるアイコン情報が2個以下となるように格子間隔が設定されるようにしてもよい。
【0038】
表示位置決定部236は、地図データ分割部234によって分割された矩形状領域に基づき、ポリゴン情報を表示する場合のアイコン情報の表示位置を決定する。好ましい1つの例では、表示位置決定部236は、ポリゴン図形生成部215によって生成されたポリゴン図形と重複する領域において、1つの矩形状領域内に少なくとも1つの表示位置を決定する。なお、以下の説明において、ポリゴン情報は、ポリゴン図形を含む総称として用いられることがある。表示位置の決定は、例えば、矩形状領域の中心点、重心、あるいは4つの頂点のうちのいずれか1つの頂点を表示位置と決定する。他の例として、1つの矩形領域の各頂点を表示位置に決定してもよいし、各頂点と矩形状領域の中心点を表示位置に決定してもよい。
【0039】
アイコン表示部240は、ポリゴン情報が地図上に表示されるときに、アイコン表示位置算出部230で算出された表示位置にアイコン情報を表示させる。図12は、矩形状領域の各頂点が表示位置に決定されたときの表示例である。すなわち、ポリゴン310と重複する矩形状領域の各頂点が表示位置に決定され、そこにアイコン情報320が表示されることになる。図12には、表示部130による表示可能領域Xが示されていないが、表示可能領域Xによりポリゴン情報310が表示されるとき、少なくとも1つのアイコン情報320が表示されることが望ましい。
【0040】
図13は、本実施例の車載装置の地図表示動作を示すフローチャート、図14は、表示位置決定の動作を示すフローチャートである。まず、ポリゴン情報取得部210によってポリゴン情報が取得されると(S100)、ポリゴン図形生成部215は、取得されたポリゴン情報に基づきポリゴン図形を生成し(S101)、アイコン情報取得部220は、取得されたポリゴン情報に対応するアイコン情報を取得する(S102)。次に、アイコン表示位置算出部230は、取得されたポリゴン情報に、取得されたアイコン情報を表示するための表示位置を算出する(S104)。
【0041】
メッシュ選択部232は、表示部130により表示されている地図スケールを参照し、取得されたポリゴン情報の位置情報(例えば、各頂点の座標)に重複する位置関係にあるメッシュを選択する(S1040)。次に、地図データ分割部234は、選択されたメッシュの中から基準位置を決定する(S1042)。基準位置は、例えば、選択されたメッシュ枠を構成する頂点のいずれかである。次に、地図データ分割部234は、メッシュを複数の矩形状領域に仮想的に分割するための格子間隔を決定する(S1044)。格子間隔は、上記したように、表示部130により表示されている地図スケールに応じて決定されるが、地図スケールと格子間隔との関係を予め規定したテーブルを用意しておき、これを参照することが望ましい。格子間隔が決定されると、地図データ分割部234は、基準位置から等間隔で格子線を仮想的に引き、選択されたメッシュを矩形状領域に分割する(S1046)。次に、表示位置決定部236は、分割された矩形状領域に基づきアイコン情報の表示位置を決定する(S1048)。表示位置は、上記したように、頂点を含む矩形状領域内に少なくとも1つ決定され、この決定された表示位置がレジスタ等に保持される。
【0042】
次に、アイコン表示部240は、算出されたアイコン情報の表示位置に従い、ポリゴン情報に重なるようにアイコン情報を表示する(S106)。図15は、本実施例のポリゴン情報およびアイコン情報の表示例である。自車Mが道路2に沿って走行するとき、自車の移動とともに表示可能領域Xに表示される地図データが相対的に移動する。表示可能領域Xにポリゴン情報310が表示されたとき、アイコン情報の表示位置を最適化することで、表示可能領域X内に少なくとも1つのアイコン情報320が表示される。なお、ポリゴン図形生成部215によって生成されたポリゴン図形は、表示部130によって道路地図上に重畳するように描画され、アイコン表示部240は、ポリゴン図形に重畳するようにアイコン情報を表示部130に描画させる。また、ポリゴン図形生成部215によるポリゴン図形の生成は、必ずしもS101のタイミングで行う必要はなく、表示位置決定部236によって表示位置が決定される際に生成されていれば良い。
【0043】
また、表示部130の地図スケールが、ユーザー入力によって変更された場合には(S108)、アイコン表示位置算出部230は、再度、地図スケールに応じたアイコンの表示位置が算出され(S104)、アイコン表示部240は、再計算された表示位置にアイコン情報を表示する。ステップS100からS108までの処理は、地図の表示が終了したとき、あるいは、表示すべきポリゴン情報が無くなったとき、終了する(S110)。
【0044】
このように本実施例によれば、地図上にポリゴン情報を表示するとき、ポリゴン情報に関連するアイコン情報を表示するための表示位置を算出し、算出された表示位置にアイコン情報を表示するようにしたので、ポリゴン情報が表示されるときにアイコン情報を見易い位置に自動的に配置させることができる。特に、ポリゴン情報の形状等が逐次変更されたり、あるいはポリゴン情報にアイコンの表示位置が設定されていない場合には、本実施例の方法を適用することは有益である。また、ポリゴン情報が表す領域が大きい場合にも、表示可能領域内に少なくとも1つのアイコン情報が表示されるようになるので、ユーザーはポリゴン情報の内容を容易に認識でき、安全運転をすることができる。
【0045】
次に、本発明の第2の実施例について説明する。第1の実施例では、水平線と垂直線とが交差する格子点にアイコン情報を表示するようにしたが、図16に示すように、ポリゴン情報310(またはポリゴン図形)の輪郭よりもアイコン情報320の輪郭が外にはみ出てしまうことがある。アイコン情報320が必要以上にポリゴン情報310をはみ出すと、アイコン情報320によって地図データが隠されてしまい、好ましくない。そこで、第2の実施例では、アイコン情報の一部がポリゴン情報の輪郭を超える場合には、いくつの表示制御を実施する。
【0046】
図17は、第2の実施例の地図表示制御プログラム200Aの機能的な構成を示すブロック図である。第2の実施例では、地図表示制御プログラム200Aは、第1の実施例のときに加えて、逸脱判定部250を含む。逸脱判定部250は、アイコン表示位置算出部230の表示位置決定部236によって決定された表示位置に、アイコン表示部240によってアイコン情報が表示されたならば、アイコン情報がポリゴン情報(またはポリゴン図形)の輪郭からはみ出すか否かを判定する。アイコン情報は、図9に示すように、その形状またはサイズは既知であり、アイコン情報が表示されるときのアイコン情報(例えば、アイコンが矩形状である場合)の各頂点の座標位置は容易に求めることができる。逸脱判定部250は、アイコン情報の各頂点の座標が、ポリゴン情報の輪郭をはみ出す場合には、その判定結果をアイコン表示位置算出部230へフィードバックし、表示位置決定部236は、決定されている表示位置を非表示位置に変更する。
【0047】
第2の実施例によるアイコン情報の表示位置の決定方法のフローを図18に示す。第1の実施例のときと同様にアイコン表示位置算出部230の表示位置決定部236によってアイコン情報の表示位置が決定され(S200)、次に、逸脱判定部250は、決定された表示位置にアイコン情報を表示した場合にアイコン情報がポリゴン情報の輪郭から逸脱するか否かを判定し(S202)、逸脱する場合には(S204)、表示位置決定部236は、決定された表示位置を非表示位置に変更する(S206)。これにより、ポリゴン情報から逸脱するような位置にはアイコン情報は表示されない。
【0048】
次に、第2の実施例の変形例について説明する。第1の変形例では、アイコン情報がポリゴン情報の輪郭から逸脱すると判定された場合に、決定された表示位置を非表示位置に変更するのではなく、アイコン情報のサイズを小さくする。すなわち、逸脱すると判定された場合、その判定結果がアイコン表示部240に提供され、アイコン表示部240は、規定のアイコンのサイズを小さくし(例えば、画素数を間引く)、アイコン情報を表示したときに、アイコン情報がポリゴン情報の輪郭からはみ出さないようにするか、あるいは仮にはみ出したとしても、そのはみ出す度合いを小さくする。
【0049】
第2の変形例では、アイコン情報がポリゴン情報の輪郭から逸脱すると判定された場合に、当該判定結果を受けたアイコン表示部240は、決定された表示位置にアイコン情報を非表示にする。また、第3の変形例では、アイコン情報がポリゴン情報の輪郭から逸脱すると判定された場合に、地図スケールを拡大させる。すなわち、地図スケールを拡大することで、ポリゴン情報の表示領域も拡大されることになるため、アイコン情報がポリゴン情報からはみ出さないか、はみ出したとしてもその度合いを小さくすることができる。
【0050】
以上、本発明の好ましい実施の形態について詳述したが、本発明は、特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された発明の要旨の範囲において、種々の変形、変更が可能である。
【符号の説明】
【0051】
10:車載装置 100:入力部
110:位置情報算出部 120:ナビゲーション部
130:表示部 140:音声出力部
150:通信部 152:位置情報配信サイト
154:地図データ配信サイト 156:道路交通情報配信サイト
160:記憶部 170:制御部
200:地図表示制御プログラム 210:ポリゴン情報取得部
215:ポリゴン図形生成部 220:アイコン情報取得部
230:アイコン表示位置算出部 232:メッシュ選択部
234:地図データ分割部 236:表示位置決定部
240:アイコン表示部 250:逸脱判定部
M:自車 NW:ネットワーク
X:表示可能領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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