特許第6570522号(P6570522)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6570522
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】体外自動診断方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 35/00 20060101AFI20190826BHJP
   G01N 1/00 20060101ALI20190826BHJP
   G01N 30/74 20060101ALI20190826BHJP
   G01N 35/02 20060101ALI20190826BHJP
   G01N 35/10 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G01N35/00 E
   G01N1/00 101K
   G01N30/74 E
   G01N30/74 F
   G01N35/02 D
   G01N35/02 F
   G01N35/10 A
   G01N35/10 G
【請求項の数】7
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-532585(P2016-532585)
(86)(22)【出願日】2014年10月1日
(65)【公表番号】特表2016-538551(P2016-538551A)
(43)【公表日】2016年12月8日
(86)【国際出願番号】KR2014009282
(87)【国際公開番号】WO2015072663
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2016年5月18日
【審判番号】不服2018-5501(P2018-5501/J1)
【審判請求日】2018年4月20日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0140186
(32)【優先日】2013年11月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】514120807
【氏名又は名称】ボディテックメド インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】BODITECHMED. INC
(74)【代理人】
【識別番号】100079049
【弁理士】
【氏名又は名称】中島 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100084995
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 和詳
(72)【発明者】
【氏名】キム ビョンチョル
(72)【発明者】
【氏名】ムン ボンソク
(72)【発明者】
【氏名】リ ヨンヘン
(72)【発明者】
【氏名】チェ グァンウォン
【合議体】
【審判長】 三崎 仁
【審判官】 渡戸 正義
【審判官】 ▲高▼見 重雄
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−340969(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0178204(US,A1)
【文献】 特表2008−537119(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/096776(WO,A1)
【文献】 特開昭61−181968(JP,A)
【文献】 特開2005−009868(JP,A)
【文献】 特開平09−049847(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 35/00-35/10
G01N 30/90-30/95
G01N 33/48-33/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
人体から抽出された検体を分析して診断を自動的に行う体外自動診断方法であって、
ユーザが前記検体、前記検体と混合される試薬、分析ストリップ、及び吸引チップを収納した収納本体をハウジングに供給し、ユーザが制御部と連結された操作表示部で診断の動作を選択する段階と、
前記選択による前記制御部の制御信号によって、自動的に、移送部により直線上に移送される前記収納本体の前記吸引チップを、吸引圧力を提供し、上下方向にのみ移動する吸引部に装着し、装着された前記吸引チップを前記検体の位置に移動させて前記検体を吸引する段階と、
自動的に、前記検体が吸引された前記吸引チップを前記試薬の位置に移動させて吸引された前記検体と前記試薬を吸引と排出を連続的に行って混合する段階と、
自動的に、前記検体と前記試薬が混合された混合液を前記収納本体に収納された前記分析ストリップに滴下し、滴下を終了した前記吸引チップを上方に移動させ、前記移送部が滴下を終了した前記吸引チップから離間した位置に直線方向に移動した後に、前記吸引チップが下降し、さらに前記移送部が下降した前記吸引チップが存在する位置に直線方向に移動し、前記移送部の端部が前記吸引チップを係止して、前記吸引が上昇することにより、下方に前記吸引チップを脱去する段階と、
自動的に、混合液が滴下された前記分析ストリップを前記移送部の動作により光学的に分析診断する分析診断部に移動させて診断する段階と、
診断が終了すれば、自動的に、前記移送部の動作により前記収納本体を外部に排出する段階と、を含み、
前記移送部は、前記収納本体を直線方向に移送すること、を特徴とする体外自動診断方法。
【請求項2】
前記診断の動作を選択する段階で、
前記ハウジングの一側面に備えられている前記操作表示部を通じて使用モードが表示され、前記使用モードが選択されれば、前記使用モードに対応する処理信号が前記制御部に転送されて診断作業を自動的に行うことを特徴とする請求項1に記載の体外自動診断方法。
【請求項3】
前記吸引部は、
前記移送部の移動範囲の一端側上方に備えられ、吸引圧力を提供すること及び上下に移動することができ、前記検体の吸引、前記検体と前記試薬の混合及び前記分析ストリップへの滴下時に吸引圧力を提供しながら、上下に移動することを特徴とする請求項1に記載の体外自動診断方法。
【請求項4】
前記診断する段階で、
前記分析診断部で診断された結果に対してユーザが結果を認識するように前記ハウジングの一側面に備えられた前記操作表示部に表示することを特徴とする請求項1に記載の体外自動診断方法。
【請求項5】
前記診断する段階で、
前記分析診断部で診断された結果を前記ハウジングの上部に備えられたプリンタ部で紙形態で出力して表示することを特徴とする請求項1に記載の体外自動診断方法。
【請求項6】
前記検体を吸引する段階で、
前記吸引チップが前記吸引部に装着された後、前記検体の吸引前に、前記移送部の動作により前記収納本体を移動させることで、前記収納本体に密閉された状態で保管されている前記試薬の位置前記吸引チップを位置づけて、下降しながらの穿孔により密閉された状態を解除することを特徴とする請求項1に記載の体外自動診断方法。
【請求項7】
前記診断する段階で、
前記分析診断部は、クロマトグラフィ分析方法を用いて蛍光、化学発光又は吸光度の測定を行うことを特徴とする請求項1に記載の体外自動診断方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は体外自動診断方法に関し、より詳しくは、人体から採取した検体で診断対象者の状態を診断するために必要な量の検体と試薬を自動的に混合した後に診断に必要な試薬と検体が混合された溶液を分析ストリップに予め設定された時間に吸収させた後、分析による診断を実施することによって診断の信頼性を向上させると共に、診断速度を向上させることができる体外自動診断方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、体外診断(IVD、In vitro Diagnostics)とは、人体から採取できる血液、小便、大便、脳脊髄液、各種組織、胃液、関節液などを検体として採取し、これに反応する試薬を通じて化学的な性質を利用して光学的に検出する診断方法をいう。
【0003】
通常の病院で実施する体外診断検査方法は、人体から必要な検体を抽出した後に実験室で培養や分離のような後処理を施し、後処理された検体を医学的な知識のある実験者が顕微鏡のような拡大道具又は各種分析道具を通じて解析して診断を行うものであって、高価な装備と人的資源が必要なことから、多くの費用が発生した。
【0004】
このような体外診断検査方法は、病院で特定疾患や患者の状態を点検するために、診断検査医学科や病理科で検体を抽出した後、これに対する検査を実施して診断の内容を決定するのに用いられる。
【0005】
これにより、近年は一部の診断検査を実施する方法の場合、抽出された検体に化学的反応を起こす特定の試薬を開発して検体と試薬の化学反応により発生する特性を光学的に分析する体外診断を実施している。
【0006】
このような体外診断は、血液や小便のように人体に由来する物質を検体として抽出し、検体の種類と診断の目的に応じて化学反応を発生する試薬を検体と混合した後、混合液を分析機で分析する方法を提示するものであって、免疫学的診断、臨床化学的診断、臨床微生物診断、組織診断、分子診断、自己血糖測定、臨床現場即時検査、血液診断、止血検査などの診断に用いられる。
【0007】
このように、体外診断方法は、人体に由来する物質である血液、小便などの検体のうち検査方法に適した1つの検体を選定し、各検体と検査方法による試薬を準備して互いに混合した後に分析ストリップに吸引させた状態でレーザビームを用いた蛍光診断装置のような診断装置で診断を実施した。
【0008】
しかしながら、従来技術の体外診断装置は、混合される検体と試薬を供給し、混合するにおいて手動で操作される吸引装置であるスポイトを用いて作業者が手作業で混合作業を行うことにより、作業者の熟練度と作業状態によって検体と試薬の供給量に差が発生し、診断に対する信頼性が低下するという問題があった。
【0009】
また、検体と試薬が混合された混合液を吸引材質で備えられた分析ストリップに滴下時にも手作業で滴下し、分析ストリップに混合液が吸引される既に設定された時間待った後に分析を実施しなければならないが、作業者の熟練度と作業状態によって検体と試薬の滴下量に差が発生するおそれがあり、分析ストリップに混合液が吸引される時間に差が発生して診断方法が同一の分析でも異なる結果が導き出され得るため、診断に対する信頼性が大きく低下するという問題があった。
【0010】
そして、人体から抽出された検体は人体から抽出したものであって、時間が遅延すれば、温度、異物の流入、湿度などの外部要因によって汚染したり、内部成分が変形されるため、検体の抽出後に迅速な診断を実施しなければならないが、手作業で診断を実施する場合、診断される時間が遅延して診断途中に検体の汚染や成分変形が発生するおそれがあり、診断結果の正確度が低下するという問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、人体から採取した検体で診断対象者の状態を診断するために、検体と試薬を自動的に正確な量で混合し、予め設定された時間に分析ストリップに吸収させた後に診断を実施することによって診断の信頼性を向上させると共に、診断速度を向上させることができる体外自動診断方法を提供することにある。
【0012】
本発明の技術的課題は、以上で言及したものなどに制限されず、言及していない他の技術的課題は、以下の記載から当業者に明確に理解され得る。
【課題を解決するための手段】
【0013】
前記課題を達成するために、本発明の一実施形態に係る体外自動診断方法は、人体から抽出された検体を分析して診断を自動的に行う体外自動診断方法であって、前記検体、前記検体と混合される試薬、分析ストリップ、及び吸引チップを収納した収納本体をハウジングに供給し、ユーザが制御部と連結された操作表示部で診断の動作を操作する段階と、前記操作による前記制御部の制御信号によって移送部に移送される前記収納本体の前記吸引チップを、吸引圧力を提供する吸引部に装着し、装着された前記吸引チップを前記検体の位置に移動して前記検体を吸引する段階と、前記検体が吸引された前記吸引チップを前記試薬の位置に移動して吸引された前記検体と前記試薬を吸引と排出を連続的に行って混合する段階と、前記検体と前記試薬が混合された混合液を前記収納本体に収納された前記分析ストリップに滴下し、滴下を終了した前記吸引チップを上下に移動しながら、前記移送部と係止されて外部に前記吸引チップを脱去する段階と、混合液が滴下された前記分析ストリップを前記移送部の動作により光学的に分析診断する分析診断部に移動させて診断する段階と、診断を終了すれば、前記移送部の動作により前記収納本体を外部に排出する段階とを含むことを特徴とする。
【0014】
また、前記診断の動作を操作する段階で、前記ハウジングの一側面に備えられている前記操作表示部を通じて表示される使用モードが表示され、前記使用モードが選択されれば、前記使用モードに対応する処理信号が前記制御部に転送されて診断作業を自動的に行えることを特徴とする。
【0015】
そして、前記吸引部は、前記移送部の一側上部に吸引圧力を提供しながら、上下に移動するように備えられて前記検体の吸引、前記検体と前記試薬の混合及び前記分析ストリップに滴下時に上下に移動しながら、吸引圧力を提供できることを特徴とする。
【0016】
更に、前記診断する段階で、前記分析診断部で診断された結果に対してユーザが結果を認識するように前記ハウジングの一側面に備えられた前記操作表示部に表示できることを特徴とする。
【0017】
なお、前記診断する段階で、前記分析診断部で診断された結果を前記ハウジングの上部に備えられたプリンタ部で紙形態で出力して表示できることを特徴とする。
【0018】
また、前記検体を吸引する段階で、前記吸引チップが前記吸引部に装着された後、前記検体の吸引前に前記収納本体に密閉された状態で保管される前記試薬の位置に前記移送部の動作により前記吸引チップが位置すれば、下降しながら穿孔により密閉された状態を解除できることを特徴とする。
【0019】
そして、前記診断する段階で、前記分析診断部は、クロマトグラフィ分析方法を用いて蛍光、化学発光又は吸光度の測定を行えることを特徴とする。
【0020】
その他の実施形態の具体的な事項は、詳細な説明及び図面に含まれている。
【発明の効果】
【0021】
本発明の一実施形態に係る体外自動診断方法によれば、人体に由来する物質を診断するための検体と試薬を自動的に正確な量で供給混合して予め設定された時間に分析ストリップに吸収させた後に分析による診断を実施することによって診断の信頼性を向上させると共に、診断速度を向上させることができるという効果を奏する。
【0022】
また、本発明の体外自動診断方法は、診断のために混合される検体と試薬を正確な吸引圧力により自動的に正確に供給し、検体と試薬を吸引と噴射の繰り返しにより正確に混合することによって検体と試薬を混合した混合液が正確な比率と診断に必要な量で供給されることから、診断の信頼性を向上させることができる。
【0023】
そして、本発明の体外自動診断方法は、検体と試薬が混合された混合液を分析ストリップの正確な位置で自動的に滴下し、予め設定された時間待った後に自動的に分析診断部に供給することで、分析ストリップに混合液が正確な滴下量で吸引される正確な時間待つことから、診断の信頼性を向上させることができる。
【0024】
更に、本発明の体外自動診断方法は、検体、試薬、及び分析ストリップを移送部に移動させると共に、吸引圧力を提供しながら上下に移送される吸引部が診断時ごとに交換される吸引チップに挿入支持されて移送部の側面移動と吸引部の上下移動により自動的に吸引、混合、滴下、及び分析診断が行われることによって診断時ごとに吸引される吸引チップを交換して使用し、衛生的、かつ自動的に行われることによって診断による時間を短縮して診断速度を向上させることができる。
【0025】
本発明の効果は、以上で言及した効果などに制限されず、言及していない他の効果は、請求範囲の記載から当業者に明確に理解され得る。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本発明の一実施形態に係る体外自動診断方法を示す工程図である。
図2図1の体外自動診断方法に用いられる体外診断装置を示す斜視図である。
図3図1の体外自動診断方法の収納本体供給段階による収納本体が供給されて移送部に移送される状態を示す使用状態図である。
図4図1の体外自動診断方法の収納本体が供給されて移送部に移送された後に吸引部の下部に吸引チップが位置する状態を示す使用状態図である。
図5図1の体外自動診断方法の吸引チップ装着段階による吸引チップが装着される状態を示す使用状態図である。
図6図1の体外自動診断方法の検体吸引段階による検体が吸引される状態を示す使用状態図である。
図7図1の体外自動診断方法の検体と試薬の混合段階による検体と試薬が混合された状態を示す使用状態図である。
図8図1の体外自動診断方法の混合液滴下段階による混合液を分析ストリップに滴下する状態を示す使用状態図である。
図9図1の体外自動診断方法の吸引チップ脱去段階による吸引チップが脱去位置に下降する状態を示す使用状態図である。
図10図1の体外自動診断方法の吸引チップ脱去段階による吸引チップが脱去位置で上昇しながら吸引チップを係止脱去する状態を示す使用状態図である。
図11図1の体外自動診断方法の診断段階による分析診断部に収納本体を供給して診断を実施する状態を示す使用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者が本発明を容易に実施できる程度に本発明の好適な実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明すれば、以下の通りである。
【0028】
実施形態を説明するにおいて本発明の属する技術分野に周知されており、本発明と直接的に関係ない技術内容については説明を省略する。これは不要な説明を省略することによって本発明の要旨を曖昧にせず、更に明確に伝えるためである。
【0029】
同様の理由により添付の図面において一部の構成要素は誇張、又は省略、又は概略に示している。また、各構成要素の大きさは、実際の大きさを全的に反映するものではない。各図面において同一又は対応する構成要素には、同一の参照番号を付した。
【0030】
以下、本発明の実施形態によって体外自動診断方法を説明するための図面を参照して本発明について説明する。
【0031】
図1は、本発明の一実施形態に係る体外自動診断方法を示す工程図であり、図2は、図1の体外自動診断方法に用いられる体外診断装置を示す斜視図であり、図3は、図1の体外自動診断方法の収納本体供給段階による収納本体が供給されて移送部に移送される状態を示す使用状態図であり、図4は、図1の体外自動診断方法の収納本体が供給されて移送部に移送された後に吸引部の下部に吸引チップが位置する状態を示す使用状態図であり、図5は、図1の体外自動診断方法の吸引チップ装着段階による吸引チップが装着される状態を示す使用状態図であり、図6は、図1の体外自動診断方法の検体吸引段階による検体が吸引される状態を示す使用状態図であり、図7は、図1の体外自動診断方法の検体と試薬の混合段階による検体と試薬が混合された状態を示す使用状態図であり、図8は、図1の体外自動診断方法の混合液滴下段階による混合液を分析ストリップに滴下する状態を示す使用状態図であり、図9は、図1の体外自動診断方法の吸引チップ脱去段階による吸引チップが脱去位置に下降する状態を示す使用状態図であり、図10は、図1の体外自動診断方法の吸引チップ脱去段階による吸引チップが脱去位置で上昇しながら吸引チップを係止脱去する状態を示す使用状態図であり、図11は、図1の体外自動診断方法の診断段階による分析診断部に収納本体を供給して診断を実施する状態を示す使用状態図である。
【0032】
図1図11を参照すれば、本発明の一実施形態に係る体外自動診断方法は、人体から排出される小便と大便などのような分泌物や採取時に健康に異常がなく、再生が可能な血液、脳脊髄液、各種組織、胃液、関節液などの体液を検体として抽出して検体の種類と診断される目的に応じて化学的に分析可能な反応を起こす試薬を混合し、混合された混合液を光学的に分析して診断を自動的に行う方法である。
【0033】
前述した体外自動診断方法は、収納本体供給段階(S10)、操作表示部操作段階(S20)、吸引チップ装着段階(S30)、検体吸引段階(S40)、検体と試薬の混合段階(S50)、混合液滴下段階(S60)、吸引チップ脱去段階(S70)、診断段階(S80)、及び排出段階(S90)を含む。
【0034】
収納本体供給段階(S10)は、検体、検体と混合される試薬、分析ストリップ、及び吸引チップ141を収納した収納本体120をハウジング110に供給する段階である。
【0035】
まず、診断を実施する検体と検体に化学反応を起こす試薬、及び検体と試薬の混合液の滴下により分析を実施する分析ストリップを収納本体120に収納した状態でハウジング110の一側面から内側へ挿入供給する。
【0036】
操作表示部操作段階(S20)は、ユーザが制御部112と連結された操作表示部111で診断の動作を操作する段階である。
【0037】
収納本体120を挿入供給した後にユーザが操作表示部111を通じて表示される使用モードが表示され、使用モードが選択されれば、使用モードに対応する処理信号が制御部112に転送されて診断作業を自動的に行える。
【0038】
使用モードは、検体の種類と診断の目的に応じて制御部112で動作させるための互いに異なる処理信号を有する複数数量で備えてユーザの選択によりこれに対応する処理信号を制御部112に転送して診断作業を自動的に行える。
【0039】
吸引チップ装着段階(S30)は、操作による制御部112の信号によって移送部130に移送される収納本体120の吸引チップ141を、吸引圧力を提供する吸引部140に装着する段階である。ここで、吸引部140は、移送部130の一側上部に吸引圧力を提供しながら、上下に移動するように備えられる。
【0040】
制御部112の信号によって移送部130を動作しながら収納本体120に収納された液体が吸引される吸引チップ141が吸引部140の下部に位置するように移送し、吸引部140が下降しながら吸引チップ141が挿入されて共に上下に移動しながら、吸引圧力が伝達されるように装着される。
【0041】
ここで、吸引チップ141が吸引部140に装着された後、収納本体120に密閉された状態で保管される試薬の位置に移送部130の動作により吸引チップ141が位置すれば、下降しながら穿孔により密閉された状態を解除できる。
【0042】
検体吸引段階(S40)は、装着された吸引チップ141を検体の位置に移動して検体を吸引する段階である。
【0043】
吸引チップ141を吸引部140に装着した後、吸引部140の動作により吸引チップ141を上部に移動し、移送部130の動作により収納本体120の検体収納位置を吸引チップ141の下部に位置するように移送すれば、吸引部140の動作により吸引チップ141が下降した後、吸引部140が吸引圧力を提供して吸引チップ141の内部に検体を吸引する。このとき、吸引部140は、制御部112に信号により検体の使用量に合う吸引圧力を提供して検体を正確な量で供給するように備えられる。
【0044】
検体と試薬の混合段階(S50)は、検体が吸引された吸引チップ141を試薬の位置に移動して吸引された検体と試薬を吸引と排出を連続的に行って混合する段階である。
【0045】
吸引チップ141に検体を吸引させた状態で吸引部140を上部に移動し、移送部130の動作により収納本体120を移送させて試薬の位置の上部に吸引チップ141が位置すれば、吸引部140の動作により吸引チップ141を下降させ、吸引圧力により吸引と排出を連続的に行って収納されている検体と試薬を混合する。
【0046】
混合液滴下段階(S60)は、検体と試薬が混合された混合液を収納本体120に収納された分析ストリップに滴下する段階である。
【0047】
検体と試薬を混合して吸引チップ141の内部に収納した状態で吸引部140の動作により上部に移動し、移送部130の動作により収納本体120を移送させて分析ストリップの滴下位置の上部に吸引チップ141が位置すれば、吸引部140の動作により吸引チップ141を下降させ、吸引チップ141が下降により分析ストリップの滴下位置に到達すれば、吸引圧力を除去して混合液を分析ストリップに滴下する。
【0048】
吸引チップ脱去段階(S70)は、滴下を終了した吸引チップ141を上下に移動しながら移送部130と係止されて外部に吸引チップ141を脱去する段階である。
【0049】
滴下を終了した吸引チップ141を上昇させた後に移送部130を他側に移動した後、吸引チップ141が移送部130の一側端部と係止される位置まで下降し、移送部130が、吸引チップ141が係止される一側に移動した後、吸引チップ141を上昇させて吸引チップ141が係止されながら下部に脱去して除去する。
【0050】
診断段階(S80)は、混合液が滴下した分析ストリップを移送部130の動作により光学的に分析診断する分析診断部150に移動させて診断する段階である。
【0051】
ここで、分析診断部150は、クロマトグラフィ分析方法を用いて蛍光、化学発光又は吸光度の測定を行うことが好ましい。
【0052】
また、分析診断部150で診断された結果に対してユーザが結果を認識するようにハウジング110の一側面に備えられた操作表示部111に表示できる。
【0053】
そして、分析診断部150で診断された結果に対してハウジング110の上部に備えられたプリンタ部113で紙形態で出力して表示できる。
【0054】
吸引チップ141を除去した後、移送部130の動作により光学的に診断を実施する分析診断部150の方向に混合液が吸引された分析ストリップが位置するように移送して分析による診断を実施する。診断を実施した後、診断結果は、操作表示部111で画像で表示するか、プリンタ部113を通じて紙形態で出力して表示できる。
【0055】
排出段階(S90)は、分析及び診断を終了すれば、移送部の動作により収納本体120を外部に排出する段階である。
【0056】
診断を終了した収納本体120は、移送部130の動作により外部に排出されて検査を終了する。
【0057】
一方、本明細書と図面には、本発明の好適な実施形態について開示し、たとえ特定用語が用いられていても、これは単に本発明の技術内容を容易に説明し、発明の理解を促進するための一般的な意味で用いられたものであって、本発明の範囲を限定しようとするものではない。ここに開示された実施形態以外にも本発明の技術的思想に基づく他の変形例が実施可能であることは、本発明の属する技術分野において通常の知識を有する者に自明である。
【産業上の利用可能性】
【0058】
人体から採取した検体で診断対象者の状態を診断するために検体を試薬と自動的に正確な量で混合し、予め設定された時間に分析ストリップに吸収させた後に診断を実施することによって診断の信頼性を向上させると共に、診断速度を向上させることができる体外自動診断方法を用いるものであって、体外診断産業において有用に使用できる。
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