(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の中継部及び前記第2の中継部における同期通信部は、確立された同期に従った所定の間隔で開く間欠ウィンドウによって通信を行う間欠通信部を有する請求項1記載の通信システム。
前記第1の中継部及び前記第2の中継部における同期通信部は、1回の間欠ウィンドウで通信できる容量を超えるデータを、まとめて送受信する拡張ウィンドウによって通信を行う拡張通信部を有する請求項2記載の通信システム。
前記第1の中継部及び前記第2の中継部における前記非同期通信部は、前記第1の中継部の同期制御部が同期確認信号を受信できない場合又は前記第2の中継部の同期制御部が同期信号を受信できない場合に、非同期モードでの通信を行う請求項1〜3のいずれか1項に記載の通信システム。
前記同期制御部は、次回の間欠ウィンドウの開始タイミングを、前記同期信号の送信時刻又は受信時刻に、所定のオフセット値を加算又は減算して補正する補正部を有する請求項2又は請求項3記載の通信システム。
前記同期制御部は、同期信号に対する同期確認信号が受信できなかった間欠ウィンドウと同一の間欠ウィンドウ内で、同期信号の再送が可能な場合には、当該間欠ウィンドウ内で再送し、当該間欠ウィンドウを経過した場合には、次回以降の間欠ウィンドウで再送を行う再送制御部を有する請求項6又は請求項7記載のスマートメータ。
前記起動制御部が、前記第2の通信部が情報を受信するために起動状態とした場合に、前記所定のタイミングまで受信した情報を蓄積する蓄積部を有する請求項9記載のゲートウェイ装置。
前記起動制御部が、前記第2の通信部が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングが到来して前記蓄積部が蓄積した情報を送信するまで、継続して起動状態とするように、起動制御部による起動条件を設定する起動設定部を有する請求項10記載のゲートウェイ装置。
前記起動制御部が、前記第2の通信部が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングが到来するまでスリープ状態として、当該タイミングが到来した場合に起動状態として前記蓄積部が蓄積した情報を送信するように、起動制御部による起動条件を設定する起動設定部を有する請求項10記載の通信システム。
前記第2の中継部は、複数のチャネルのうち、周期的に到来する1つのチャネルを、通信に使用するチャネルとして設定するチャネル設定部を有する請求項9〜12のいずれか1項に記載のゲートウェイ装置。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[実施形態の構成]
[概要]
まず、
図1に、本実施形態の通信システムSの構成例を示す。通信システムSは、中継ネットワークN3を介して接続されたスマートメータ100とゲートウェイ装置200とを有する。通信システムSが通信する情報は、各種のデータ及びコマンド等を含む。
【0015】
スマートメータ100は、例えば、電力メータである。各スマートメータ100は、各需要家Cに設置されている。スマートメータ100は、各需要家Cの検出データを収集し、外部に送信する装置である。検出データは、電力に関するデータであり、例えば、各需要家Cの電力使用量を含む。検出データは、検出装置が検出する。検出装置は、各需要家Cの電力設備に接続された電流センサ、電圧センサを含む。検出データは、検出値そのもの及び検出値に基づいて演算されたデータを含む。このように検出データを収集する通信経路は、Bルートと呼ばれる。なお、Bルートには、HEMS(Home Energy Management System)700が含まれる。HEMS700は、各需要家Cにおける個々の電力消費機器の電力消費量を収集、制御するシステムである。
【0016】
スマートメータ100は、第1のネットワークN1、WAN(Wide Area Network)400等を介して、電力を管理するシステムに接続されている。第1のネットワークN1としては、例えば、3G/LTE等の公衆網、920MHz帯を利用した無線マルチホップ、電力線を使ったPLC等を適用することができる。なお、第1のネットワークN1は、一般的なスマートメータ通信システムにおいて、Aルートと呼ばれる通信経路を構成している。
【0017】
WAN400としては、例えば、光回線、3G/LTE等の公衆網を用いることができる。電力を管理するシステムとしては、HES(Head end system)500、MDMS(Meter Data Management System)600がある。HES500は、多数のスマートメータ100からの検出データを収集し、一元管理するサーバ群である。HES500は、MDMS(Meter Data Management System)600との情報の送受信を行う。MDMS600は、スマートメータ100から収集した検出データを分析し、電力料金の設定等、需要家Cに対して効率的なエネルギー利用に関する情報を提供するシステムである。
【0018】
ゲートウェイ装置200は、第2のネットワークN2を介して、各種のデータを収集する装置である。第2のネットワークN2は、Aルートを構成する第1のネットワークN1とは別のネットワークである。第2のネットワークN2を介して収集されるデータは、電力に関するデータであっても、電力以外のデータであってもよい。第2のネットワークN2の一例は、上述のセンサをノードとして含むセンサネットワークである。また、ゲートウェイ装置200は、第1のネットワークN1から送信され、第2のネットワークN2に接続された機器を操作するための各種のコマンドを中継する。
【0019】
スマートメータ100とゲートウェイ装置200は、中継ネットワークN3を介してデータを送受信する。つまり、ゲートウェイ装置200は、異なるネットワークを接続する通信装置である。中継ネットワークN3を介して送受信されるデータは、電力に関するデータであっても、電力以外のデータであってもよい。上記のコマンドも送受信される。
【0020】
スマートメータ100、ゲートウェイ装置200は、CPU、メモリ、インタフェース等を含むマイクロプロセッサ等のコンピュータを、所定のプログラムで制御することによって実現できる。つまり、起動時にメモリから読み出されるプログラムを、CPUが実行することによって、以下に示す各種の処理部が構成される。この場合のプログラムは、コンピュータのハードウェアを物理的に活用することで、以下に示す各種の処理を実現する。このため、以下の説明では、各種の処理を実現するための機能を仮想的にブロック化した機能ブロック図を用いる。
【0021】
共通のCPU、メモリ等が作動する機能であっても、別の処理部として観念できる機能については、別個のブロックで示している。例えば、通信処理については、異なるプロトコルに基いて処理を行う機能や異なるネットワークと接続する機能について、別個の処理部として捉えている。
【0022】
但し、ハードウェアで処理する範囲、プログラムを含むソフトウェアで処理する範囲をどのように設定するかは、特定の態様には限定されない。たとえば、以下に述べる各処理部のいずれかを、それぞれの処理を実現する回路として構成することも可能である。
【0023】
さらに、以下に述べる各処理部の処理を実行する方法、プログラム及びプログラムを記録した記録媒体も、実施形態の一態様である。
【0024】
[スマートメータの構成]
スマートメータ100は、
図2に示すように、第1の接続部110、検出データ取得部120、第1の通信部130、第1の中継部140を有する。
【0025】
[第1の接続部]
第1の接続部110は、常時電力を供給する電源との接続を行う処理部である。第1の接続部110は、接続された電源からの電力を、スマートメータ100に供給する。例えば、第1の接続部110は、交流電力線を介して交流電源に接続されている。この場合、第1の接続部110は、交直変換回路、レギュレータ等を含む。
【0026】
[検出データ取得部]
検出データ取得部120は、外部からの検出データを取得する処理部である。検出データ取得部120は、各需要家Cの電力設備のデータを検出する検出部に接続されている。検出部は、電流を計測する電流センサ、電圧を計測する電圧センサ等の検出装置、検出データから電力使用量を演算する電力演算部等を含む。検出データ取得部120は、検出部から入力された検出データの整理、記憶を制御する。
【0027】
なお、検出データ取得部120は、Bルートの通信経路を介した通信を行う処理部である。このため、検出データ取得部120は、各需要家Cの電力設備、HEMS等との間で、各種のコマンドを送受信できるようにしてもよい。
【0028】
[第1の通信部]
第1の通信部130は、検出データ取得部120が取得した検出データを、第1のネットワークN1を介して送受信する処理部である。つまり、第1の通信部130は、Aルートの通信経路を介した通信を行う処理部である。このため、第1の通信部130は、第1のネットワークN1に応じて適用される各種のプロトコル、例えば、3G/LTE、無線マルチホップ、PLCに従ったプログラムにより、データ及びコマンドを送受信することができる。
【0029】
[第1の中継部]
第1の中継部140は、中継ネットワークN3との接続を行う処理部である。第1の中継部140は、中継ネットワークN3を介して、ゲートウェイ装置200との間で情報の送受信を行う。送受信される情報には、スマートメータ100からのコマンド、ゲートウェイ装置200が収集したデータ等が含まれる。なお、第1の中継部140は、図示はしないが、第1のネットワークN1との通信に使用するチャネルを設定するチャネル設定部を有する。このチャネル設定部は、使用可能なチャネルが複数ある場合に、特定の1つのチャネルを設定する。例えば、無線マルチホップによる通信を行う場合、複数のチャネルのうち、各スマートメータ100との通信に、それぞれ周期的に到来するチャネルを使用する。チャネル設定部は、このようなチャネルを設定する。
【0030】
この第1の中継部140は、非同期通信部141、チャネル設定部142、同期制御部143、同期通信部144を有する。非同期通信部140は、ゲートウェイ装置200との間で常時通信可能な非同期モードで通信を行う処理部である。また、非同期通信部140は、同期制御部143が同期確認信号を受信できない場合に、非同期モードでの通信を行う。
【0031】
チャネル設定部142は、特定のチャネルをゲートウェイ装置200との通信に使用するチャネルとして設定する処理部である。例えば、チャネル設定部142は、使用可能なチャネルが複数ある場合に、特定の1つのチャネルを設定する。このチャネルは、第1の通信部130が通信に使用しているチャネルと異なるチャネルを使用するように構成してもよいし、同じチャネルを用いることもできる。
【0032】
なお、チャネル設定部142は、複数のチャネルのうち、周期的に到来する1つのチャネルを、通信に使用するチャネルとして設定することができる。つまり、第1の通信部130が複数のチャネルを周期的に切り替えて使用している場合、第1の通信部130がそのチャネルを使用していない時間帯に限って、使用することができる。この場合、チャネル設定部142は、周期的に到来するいずれか1つのチャネルのうち、第1の通信部130が使用しないチャネルを設定するか、時間帯を分けて使用することを前提に同じチャネルを設定する。このように、ゲートウェイ装置200との通信に使用するチャネルを、ホームチャネルと呼ぶ。この場合、ホームチャネルも周期的に到来する。
【0033】
同期制御部143は、ゲートウェイ装置200との間で、同期信号及び同期確認信号の送受信により、同期の確立及び維持を行う処理部である。この同期制御部143は、
図3に示すように、同期設定部143a、同期確立部143b、再送制御部143c、補正部143dを有する。
【0034】
同期設定部143aは、同期信号に、間欠ウィンドウの開始タイミング、間欠ウィンドウの継続時間、間欠ウィンドウを繰り返す回数を含めて設定する処理部である。間欠ウィンドウは、データを所定の単位で送受信できるように一定時間通信回路を確保する。
【0035】
同期確立部143bは、同期設定部143aにより設定された設定内容に基いて、ゲートウェイ装置200との同期を確立する処理部である。より具体的には、同期確立部143bは、同期設定部143aが設定した同期信号の送信とこれに対する同期確認信号の受信により同期を確立する。
【0036】
再送制御部143cは、同期が確立できない場合やデータが送信できない場合に、同期信号又はデータの再送を制御する処理部である。例えば、再送制御部143cは、同期信号に対する同期確認信号が受信できなかった間欠ウィンドウと同一の間欠ウィンドウ内で、同期信号の再送が可能な場合には、当該間欠ウィンドウ内で再送し、当該間欠ウィンドウを経過した場合には、次回以降の間欠ウィンドウで再送を行う。
【0037】
補正部143dは、次回の間欠ウィンドウの開始タイミングを、同期信号の送信時刻又は受信時刻に、所定のオフセット値を加算又は減算して補正する処理部である。補正部143dは、例えば、再送制御部143cによる再送の場合に、次回の間欠ウィンドウの開始タイミングを補正する。
【0038】
同期通信部144は、ゲートウェイ装置200との間で、ゲートウェイ装置200が起動状態であり、且つ確立された同期に従った所定のタイミングで通信する同期モードで通信を行う処理部である。
【0039】
同期通信部144は、間欠通信部144a、拡張通信部144bを有する。間欠通信部144aは、確立された同期に従った所定の間隔で開く間欠ウィンドウによって通信を行う処理部である。拡張通信部144bは、1回の間欠ウィンドウで受信できるデータ量を超えるデータをまとめて送受信する拡張ウィンドウによって、データを送受信する処理部である。
【0040】
[ゲートウェイ装置の構成]
ゲートウェイ装置200は、
図2に示すように、第2の接続部210、第2の通信部220、第2の中継部230、起動制御部240、起動設定部250、蓄積部260を有する。
【0041】
[第2の接続部]
第2の接続部210は、定容量の電源との接続を行う処理部である。第2の接続部210は、電源からの電力をゲートウェイ装置200に供給する。第2の接続部210に接続される電源は、電池である。電池としては、一次電池、二次電池を含む。
【0042】
[第2の通信部]
第2の通信部220は、第2のネットワークN2を介して通信する処理部である。第2の通信部220が、第2のネットワークN2を介したデータを送受信するには、後述する起動制御部240が、ゲートウェイ装置200を起動しているタイミングで行う必要がある。
【0043】
[第2の中継部]
第2の中継部230は、中継ネットワークN3を介してスマートメータ100の第1の中継部140に接続された処理部である。第2の中継部230は、非同期通信部231、チャネル設定部232、同期制御部233、同期通信部234を有する。非同期通信部231は、スマートメータ100との間で常時通信可能な非同期モードで通信を行う処理部である。また、非同期通信部231は、第2の中継部230の同期制御部233が同期信号を受信できない場合に、非同期モードでの通信を行う。
【0044】
チャネル設定部232は、特定のチャネルをスマートメータ100との通信に使用するチャネルとして設定する処理部である。このチャネルは、例えば、スマートメータ100側が待ち受けている特定のチャネルとする。つまり、スマートメータ100のチャネル設定部142が設定した特定のチャネルに合わせる。
【0045】
なお、チャネル設定部232は、複数のチャネルのうち、周期的に到来する1つのチャネルを、通信に使用するチャネルとして設定することができる。スマートメータ100の第1の通信部130が複数のチャネルを周期的に切り替えて使用している場合、チャネル設定部232が設定するチャネルは、ホームチャネルである。
【0046】
同期制御部233は、スマートメータ100との間で、同期信号及び同期確認信号の送受信により、同期の確立及び維持を行う処理部である。同期制御部233は、
図3に示すように、同期設定部233a、同期確立部233b、再送制御部233c、補正部233dを有する。
【0047】
同期設定部233aは、スマートメータ100から受信した同期信号に基いて、間欠ウィンドウの開始タイミング、間欠ウィンドウの継続時間、間欠ウィンドウを繰り返す回数を設定する処理部である。間欠ウィンドウは、上記のように、データを所定の単位で送受信できるように確保するバッファである。
【0048】
同期確立部233bは、同期設定部233aにより設定された設定内容に基いて、スマートメータ100との同期を確立する処理部である。より具体的には、同期確立部233bは、同期信号の受信とこれに対する同期確認信号の送信により同期を確立する。
【0049】
再送制御部233cは、同期が確立できない場合やデータが送信できない場合に、同期確認信号又はデータの再送を制御する処理部である。例えば、再送制御部233cは、同期確認信号が送信できなかった間欠ウィンドウと同一の間欠ウィンドウ内で再送が可能な場合には、当該間欠ウィンドウ内で再送し、当該間欠ウィンドウを経過した場合には、次回以降の間欠ウィンドウで再送を行う。
【0050】
補正部233dは、次回の間欠ウィンドウの開始タイミングを、同期信号の送信時刻又は受信時刻に、所定のオフセット値を加算又は減算して補正する処理部である。補正部233dは、例えば、第1の中継部140の再送制御部143cによる同期信号の再送の場合に、次回の間欠ウィンドウの開始タイミングを補正する。
【0051】
同期通信部234は、スマートメータ100との間で、ゲートウェイ装置200が起動状態であり、且つ確立された同期に従った所定タイミングで通信する同期モードで通信を行う処理部である。
【0052】
同期通信部234は、間欠通信部234a、拡張通信部234bを有する。間欠通信部234aは、確立された同期に従った所定の間隔で開く間欠ウィンドウによって通信を行う処理部である。拡張通信部234bは、1回の間欠ウィンドウで受信できるデータ量を超えるデータをまとめて送受信する拡張ウィンドウによって、データを送受信する処理部である。
【0053】
[起動制御部]
起動制御部240は、ゲートウェイ装置200、つまり第2の通信部220及び第2の中継部230を、消費電力が高く通信が可能な起動状態とするか、消費電力が低く通信をしないスリープ状態とするかを制御する処理部である。スリープ状態には、電池の節約のために、消費電力を抑えた状態を広く含む。
【0054】
[起動設定部]
起動設定部250は、起動制御部240を起動状態、スリープ状態とするかの起動条件を設定する処理部である。起動設定部250は、例えば、第2のネットワークN2からのデータを受信するタイミングを、あらかじめ設定する。このタイミングが到来したら、起動制御部240がゲートウェイ装置200を起動して、データを受信すると、再度、スリープ状態とする。このタイミングは、上記の間欠ウィンドウのタイミングとは関連付けられていない。
【0055】
例えば、起動設定部250は、起動制御部240が、第2の通信部220が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングが到来して、後述する蓄積部260が蓄積した情報を送信するまで、継続して起動状態とするように、起動制御部240による起動条件を設定する。
【0056】
また、起動設定部250は、起動制御部240が、第2の通信部220が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングが到来するまでスリープ状態として、当該タイミングが到来した場合に起動状態として蓄積部260が蓄積した情報を送信するように、起動制御部240による起動条件を設定する。
【0057】
[蓄積部]
蓄積部260は、起動制御部240が、第2の通信部220が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングまで受信したデータを蓄積する処理部である。ここでいう所定のタイミングは、同期モードで通信を行う間欠ウィンドウのタイミングである。
【0058】
なお、スマートメータ100、ゲートウェイ装置200は、記憶部を有する。記憶部は、スマートメータ100、ゲートウェイ装置200の処理に必要な各種の情報を記憶する処理部である。記憶部としては、半導体メモリ等を使用できる。スマートメータ100、ゲートウェイ装置200に着脱自在な記憶媒体を記憶部として構成してもよい。
【0059】
記憶部には、プログラム等を格納する主メモリ、一時的な記憶領域として使用されるキャッシュメモリ、バッファメモリ、レジスタ等も含まれる。検出装置、第1のネットワークN1、第2のネットワークN2、中継ネットワークN3を介して入力されるデータ、コマンド等の情報の記憶領域、各部の間での処理タイミングの相違を吸収するための記憶領域も、記憶部として捉えることができる。
【0060】
記憶部に記憶される情報は、上記のデータ、コマンドの他、スマートメータ100、ゲートウェイ装置200の各部により生成される情報が含まれる。また、チャネル、タイミング、同期信号、起動条件、ID、認証鍵、タイムアウトの時間等の各種の設定も、記憶部に記憶される情報に含まれる。
【0061】
さらに、スマートメータ100、ゲートウェイ装置200は、現在時刻を示すシステム時刻を設定するシステム時刻設定部を有している。例えば、プログラムの起動時に、内蔵されたハードウェアクロックを参照して、システム時刻をメモリ上に設定する。このシステム時刻が、スマートメータ100、ゲートウェイ装置200の時間情報源となる。
【0062】
システム時刻設定部は、所定のタイミングで時刻合わせを行う。例えば、1日に1回、SNTP(Simple network time protocol)によりシステム時刻とを同期させる。また、システム時刻設定部は、システム時刻が、SNTPによりずれが大きく有効でないと判定した場合にも同期させることができる。同期させた時刻を、ハードウェアクロックに反映させてもよい。
【0063】
[作用]
以上のような本実施形態の作用を、
図4〜
図13を参照して説明する。なお、図中、SMは、スマートメータ100、GWは、ゲートウェイ200である。
(同期の確立)
まず、同期を確立する処理を、
図4を参照して説明する。スマートメータ100は、基本的には常時起動しており、第1の中継部140における非同期通信部141が常時外部と通信できる状態にある。そして、ゲートウェイ装置200の起動時には、第2の中継部230の非同期通信部231が、常時外部と通信できる状態となる。但し、スマートメータ100とゲートウェイ装置200は、ゲートウェイ装置200の起動時には、お互いを認識していない状態である。
【0064】
この状態から、非同期通信部141と非同期通信部231とは、互いの接続認証を行う。この接続認証には、例えば、PANAを用いることができる。つまり、非同期通信部231は、拡張ビーコンリクエスト(EBR:Enhanced Beacon Req)を送信する。各スマートメータ100の記憶部には、電力を管理するシステムから付与されたゲートウェイ装置200を識別できるIDが登録されている。このIDは、どのゲートウェイ装置200と通信するかを特定するIDである。認証鍵等も、スマートメータ100の記憶部に登録されている。
【0065】
多数のスマートメータ100のうち、ゲートウェイ装置200側から送信される拡張ビーコンリクエスト(EBR)に含まれるIDを登録しているスマートメータ100の非同期通信部231は、拡張ビーコンを当該ゲートウェイ装置200に送信する。つまり、複数のスマートメータ100のうちのいずれか1つが、ゲートウェイ装置200と通信する地位にある。
【0066】
なお、スマートメータ100における第1の通信部130が、無線マルチホップ等により、複数のチャネルを周期的に切り替えながら通信を行う場合には、チャネル設定部142、232がホームチャネルの設定を行う。つまり、スマートメータ100のチャネル設定部142は、第1の通信部130が使用しない特定のチャネルで待ち受ける。あるいは使用時間が重複しないようにすることで、第1の通信部130が使用するチャネルと同じチャネルで待ち受けることも可能である。ゲートウェイ装置200のチャネル設定部232は、EBRに対する応答があるまで、チャネルを切り替えて順次サーチする。応答があった場合に、チャネル設定部232は、そのチャネルをホームチャネルに設定する。
【0067】
拡張ビーコンリクエスト(EBR)に対する応答である拡張ビーコンを受信したゲートウェイ装置200の非同期通信部231は、拡張ビーコンを送信したスマートメータ100の非同期通信部141と、PCI、PAR、PANの信号をやり取りすることにより、接続認証を行い、暗号鍵を共有する。このようにして、ゲートウェイ装置200と通信するスマートメータ100が1対1で決まる。
【0068】
スマートメータ100における同期確立部143bは、決定したゲートウェイ装置200に対して同期信号を送信する。ゲートウェイ装置200における同期確立部233bは、同期確認信号を、スマートメータ100に送信する。同期確認信号を送信したゲートウェイ装置200の同期確立部233b、同期確認信号を受信したスマートメータ100の同期確立部143bは、同期信号で設定された内容で、スマートメータ100と同期通信を開始する。つまり、非同期モードから同期モードへ遷移する。なお、同期確立以降のメッセージは、MAC層で暗号化される。
【0069】
(間欠ウィンドウ制御)
以上のような同期確立後に、スマートメータ100の間欠通信部144aと、ゲートウェイ装置200の間欠通信部234aが、スマートメータ100からゲートウェイ装置200への下り方向の間欠通信を行う処理を、
図5を参照して説明する。なお、基本的にはスマートメータ100は常時起動している。このため、ゲートウェイ装置200からスマートメータ100への上り方向の通信については、ゲートウェイ装置200が起動している時に、いつでも送信可能である。つまり、同期を確立した後は、上り方向と下り方向の双方向の送受信が可能となる。
【0070】
スマートメータ100の間欠通信部144aは、同期確立時から、数秒ごとに、数百ミリ秒の間欠ウィンドウを開く。この間欠ウィンドウは、送信用の送信ウィンドウである。また、ゲートウェイ装置200の間欠通信部234aは、同期確立時から、間欠ウィンドウと同じ間隔で、やや長めの間欠ウィンドウを開く。この間欠ウィンドウは、受信用の受信ウィンドウである。受信側が長めの時間となるのはスマートメータ100とゲートウェイ装置200間のクロック誤差によるタイミングずれを吸収するためである。
【0071】
スマートメータ100の間欠通信部144aは、この送信ウィンドウ及び受信ウィンドウが開いている時間に、下り方向のデータ又はコマンド等の情報を送信する。ゲートウェイ装置200の間欠通信部234aは、データを受信すると、MAC ACK等の応答メッセージを送信する。このようなスマートメータ100とゲートウェイ装置200との間の送受信を、送信ウィンドウ及び受信ウィンドウが到来する度に繰り返し行う。
【0072】
スマートメータ100の間欠通信部144aは、送信ウィンドウを閉じている間は、データを記憶部に保持して送信を待っている送信待機中とする。ゲートウェイ装置200の起動制御部240は、受信ウィンドウを閉じている間は、スリープ状態とすることにより、電源である電池の節約をする。
【0073】
スマートメータ100、ゲートウェイ装置200のCPUのクロックは若干の相違がある。このため、同期通信開始から時間が経過すると、同期が外れる程度のズレが生じる。そこで、スマートメータ100の同期確立部143b、ゲートウェイ装置200の同期確立部233bは、数分〜10分程度の一定周期で、同期信号と同期確認信号をやり取りすることにより、同期を維持する。
【0074】
(拡張ウィンドウ処理)
上記のような間欠通信においては、送信ウィンドウ及び受信ウィンドウが開く数秒おきに、一定の単位のデータを送信することしかできない。そこで、同期通信中に拡張通信を行う場合を、
図6を参照して説明する。スマートメータ100の第1の通信部130は、下りデータ1として、複数単位のデータをまとめたブロックデータが行くことを示すフラグが立ったブロックデータ要求を送信し、下りデータ2として、ブロックデータである汎用メッセージを送信する。
【0075】
すると、スマートメータ100の拡張通信部144bは、ブロックデータ要求をゲートウェイ200に送信して、拡張ウィンドウを開く。この拡張ウィンドウは、連続送信ウィンドウである。ゲートウェイ装置200の拡張通信部234bは、ブロックデータ要求を受信すると、拡張ウィンドウを開き、常時受信できる状態とする。この拡張ウィンドウは、連続受信ウィンドウである。つまり、拡張通信部144b、拡張通信部234bは、間欠通信の送信ウィンドウ、受信ウィンドウのタイミングを無視したウィンドウ制御をする。
【0076】
拡張通信部144bは、ブロックデータの最後であることを示す汎用メッセージを送信する。送信を終えると、拡張通信部144bは、拡張ウィンドウを閉じる。ゲートウェイ装置200の拡張通信部234bは、ブロックデータの最後である汎用メッセージを受信し終えると、拡張ウィンドウを閉じる。ゲートウェイ装置200の起動制御部240は、連続受信ウィンドウが開いている間は、起動状態を維持する。なお、スマートメータ100の拡張通信部144bが、ブロックデータ要求を送信した後、データの送信がなくなってから所定時間が経過すると、タイムアウトとなり、間欠通信部144a、間欠通信部234aによる間欠通信に戻る。
【0077】
なお、ブロック化については、スマートメータ100とゲートウェイ200の拡張通信部144b、234b間で適切なプロトコルによって実現されればよく、例えば、MAC層で行うか、ネットワーク層で行うか、アプリケーション層で行うかは限定されない。
【0078】
(同期外れからの復帰処理)
同期外れをした場合の復帰処理を、
図7を参照して説明する。まず、同期外れの検出処理を説明する。スマートメータ100の同期確立部143bは、同期信号を送信しているにもかかわらず、同期確認を受信できないと、数秒後に再送する。同期確立部143bは、再送から数秒後までに、同期確認信号を受信しない場合、同期が外れたと判断して、同期信号の送信を止める。
【0079】
同期信号には、同期信号を受信する周期が含まれているため、ゲートウェイ装置200の同期確立部233bは、その周期が複数回到来しても同期信号を受信できない場合に、同期が外れたと判断する。例えば、
図7では、2回受信できない場合に、同期外れを検出している。
【0080】
次に、同期外れから同期状態に復帰させる再引き込み処理を説明する。同期が外れたと判断した同期確立部233bは、同期要求を送信する。例えば、
図7では、現在のPANAセッション情報に基づく同期要求を送信する。スマートメータ100は、上記のように常時起動しているため、同期確立部233bが同期要求をいつ送信しても、同期確立部143bが受信できる。
【0081】
ゲートウェイ装置200の非同期通信部231は、非同期通信を行う。つまり、所定時間連続して同期信号の受信待ちする連続受信待ち状態を、複数回繰り返して、同期信号を待つ。この時間内に、スマートメータ100の同期確立部143bが、同期要求に応じた同期信号を送信する場合がある。この場合、送信された同期信号をゲートウェイ装置200の同期確立部233bが受信して、同期確認信号を送信すると、再度、同期が確立され、間欠通信が再開する。よって、それ以降は、同期通信が再開する。
【0082】
しかし、これによっても同期信号が受信できない場合には、新たなPANAセッション情報で、ゲートウェイ装置200の同期確立部233bは、同期要求を送信する。そして、スマートメータ100の同期確立部143bからの同期信号の受信、ゲートウェイ装置200の同期確立部233bからの同期確認信号の送信を経て、再度同期が確立する。それ以降は、同期通信が再開する。
【0083】
(チャネル切替通信の場合の下り通信)
次に、チャネル切替通信の場合の処理を、
図8〜
図12を参照して説明する。なお、
図8〜
図12において、上段はスマートメータ100の時間軸に沿った受信ウィンドウの開閉を示す。下段はゲートウェイ装置200の時間軸に沿った受信ウィンドウ(上側)と、送信のための起動状態(下側)の変遷を示す。なお、スマートメータ100は常時起動状態であるため、自らの受信ウィンドウとは関係なく、ゲートウェイ装置200の受信ウィンドウに合わせたタイミングで送信ができる。
【0084】
上記の例は、スマートメータ100の第1の通信部130による通信のうち、Aルートにおける通信が、3G/LTE等の公衆網を利用した回線のように、常時接続状態にある場合である。但し、例えば、第1の通信部130が、Aルートとして、無線マルチホップを利用している場合、ホッピングにより複数のチャネルを切り替えながら通信している。
【0085】
この場合、上記のように、第1の中継部140は、ゲートウェイ装置200との通信には、ホームチャネルのみを用いることができるが、このホームチャネルとして第1の通信部130が使用しているチャネルを使用することも可能である。ホームチャネルも周期的に到来するため、データを送信できるタイミングは間欠的に到来する。このため、スマートメータ100の第1の中継部140も、ゲートウェイ装置200との関係では、いつでもデータを受信できるわけではなく、間欠通信をすることになる。
【0086】
例えば、スマートメータ100側で、1番、2番、3番、…とチャネルを切り替えて通信している場合に、他のスマートメータ100との通信のために2番、3番のチャネルを使用していると、ゲートウェイ装置200側でチャネル1番を固定的に使用するように設定されていると、2番、3番のチャネルでは通信できない。
【0087】
スマートメータ100との通信に用いるホームチャネルを決めるために、ゲートウェイ装置200の非同期通信部141は、チャネルを変化させながら拡張ビーコンリクエストを送信する。切り替わるチャネルは、一定時間ごとに同じチャネルが戻ってくる。スマートメータ100の非同期通信部141が、ホームチャネルで拡張ビーコンリクエストを受信した場合に、拡張ビーコンを送信すると、ホームチャネルでの通信が決まる。その後の接続認証は、上記の通りである。
【0088】
そして、
図8に示すように、スマートメータ100の同期確立部143bは、一定時間Tsyncごとに、同期信号をゲートウェイ装置200に送信する。同期信号には、スマートメータ100がどのタイミングで、ホームチャネルに戻るかを示す情報が含まれる。
【0089】
この情報は、例えば、T0、T1、Nである。T0は、次のホームチャネルが到来するタイミングである。T0は、同期信号の送信タイミング毎に可変値をとる。T1は、ホームチャネルが到来する一定の周期である。Nは、ホームチャネルが戻ってくる周期が何回分まで同期が維持されていると考えるかの回数である。クロックがずれても通信できる最大秒を、チャネルの周期T1で割った数がNとなる。周期T1ごとにN回カウントすると、同期が維持できる最大時間になる。すると、T0、T1として通知した情報は、期限切れとなるので、スマートメータ100の同期確立部143bは、新しい同期信号を送信する。新たな同期信号により同期した後は、N回カウントするまでは、同期が維持されているものとみなされる。
【0090】
同期信号を受信したゲートウェイ装置200の同期確立部233bは、同期確認信号を、次のタイミングで送信する。そして、ゲートウェイ装置200の間欠通信部234は、所定の時間Tpごとに、一定時間Tr、間欠ウィンドウを開く。この間欠ウィンドウは受信ウィンドウである。この受信ウィンドウが開いているときに、スマートメータ100の間欠通信部144aは、データを送信する。同期信号も、受信ウィンドウが開いているときに送信する。スマートメータ100の同期確立部143bが、同期確認を受信できない場合、再送制御部143cは、次の受信ウィンドウに同期信号を再送する。
【0091】
(エラー時の再送処理)
スマートメータ100側の同期確立部143bが、同期信号を送信するときにCCA(Clear Channel Assessment)エラーとなった場合、又は同期信号を送信したがMAC ACK受信エラーとなった場合の再送処理について、
図9を参照して説明する。CCAエラーは、空きチャネル判定で、チャネルがビジーでデータを出せなかったというエラーである。MAC ACKエラーは、データを送信したが、送信相手からの応答であるACKが受信できなかったというエラーである。
【0092】
上記のようなエラーとなった場合、再送制御部143cは、同じ受信ウィンドウ内で再送できるタイミングであれば、同期信号の再送を行う。また、同じ受信ウィンドウ内で再送できない場合には、次の受信ウィンドウが開くタイミングで、再送を行う。
【0093】
いずれの再送の場合にも、同期信号における受信ウィンドウの開始タイミングを補正する。まず、ゲートウェイ装置200における同期確立部233bが同期信号を受信した時には、補正部233dは、次の受信ウィンドウの開始タイミングを、以下のようにオフセット値を加減することにより再計算して求める。
【0094】
送信データの受信終了タイミングと、送信すべきヘッダを含むパケット長は把握されている。送信データの受信終了タイミングは、送信データの最終オクテットの受信タイミング(時刻)である。パケット長は、PHYヘッダ(SHR、PHR)及びPHYペイロード(PSDU)の長さである。この受信終了タイミングに、クロックのずれを示すドリフトマージンを加えて、パケット長と受信ウィンドウ間隔Tpを引いた値を、次の受信ウィンドウ開始タイミングとして求める。同様に、スマートメータ100における同期確立部143bも、同期確認信号を受信した時には、補正部143dが、次の受信ウィンドウの開始タイミングを再計算して求める。
【0095】
(チャネル切替通信の場合の上り通信)
上記のチャネル切替通信で、ゲートウェイ装置200からスマートメータ100への上り通信を行う場合を、
図10を参照して説明する。スマートメータ100の同期確立部143bは、上記のように、同期信号によって、ホームチャネルのタイミングをゲートウェイ装置200に通知している。
【0096】
ゲートウェイ装置200の起動制御部240は、起動設定部250の設定に従ったタイミングで、第2のネットワークN2から第2の通信部220がデータを受信するために、ゲートウェイ装置200を起動状態とする。このとき、さらに、データをスマートメータ100に送信するためには、起動制御部240は、次のホームチャネルのタイミングまで起動状態で待って送信してからスリープ状態とする。若しくは、起動制御部240は、一旦スリープ状態としてから、次のホームチャネルのタイミングで起動状態として送信してもよい。この態様のタイミング制御の詳細については、後述する。
【0097】
(上り通信の再送制御)
図11に示すように、同期通信部234の間欠通信部234aは、上りデータを送信する場合、初回送信の場合でも、待ち時間を経るバックオフを行う。間欠通信部234aは、中継ネットワークN3上にキャリアを検出した場合には、さらにバックオフを行う。さらに連続してキャリアを検出した場合には、次のホームチャネルのタイミングで再送を行う。
図12に示すように、MAC ACKエラーの場合にも、次のホームチャネルのタイミングで再送を行う。
【0098】
(チャネル制御の具体例)
さらに、上述のチャネル制御の具体例を、
図13を参照して説明する。送信方法1〜3は、それぞれ上段がスマートメータ100が使用する受信チャネルの時系列での変遷を示す。上段は、個々のマス目が個々の受信チャネルである。例えば、受信チャネルは、20チャネル周期でホームチャネルが到来するものとする。その他のチャネルは、第1の通信部130が、Aルートで使用するいずれかのチャネルである。このいずれかのチャネルを使用するか及びその周期は、スマートメータ100毎に決まっている。下段がゲートウェイ装置200の起動状態、スリープ状態の時系列での変遷を示す。
【0099】
まず、送信方法1は、スマートメータ100のホームチャネルが到来する周期に合わせたタイミングで、ゲートウェイ装置200の起動制御部240が、定期的にゲートウェイ装置200を起動した後、スリープ状態とすることを繰り返す方法である。例えば、1番、21番、41番、…といったタイミングで起動する。起動時に、スマートメータ100への送信データがある場合には、データを送信する。送信データが無い場合には、データを送信しない。また、起動制御部240は、定期的な起動の他に、第2のネットワークN2からのデータを受信するためにもゲートウェイ装置200を起動して、データを受信する。このタイミングは、ゲートウェイ装置200側の第2のネットワークN2からのデータの定期的な受信タイミングとして、起動設定部250に設定されている。なお、以下の起動条件も、起動設定部250にあらかじめ設定されている。受信したデータは、蓄積部260が蓄積し、その後、起動制御部240はスリープ状態とする。蓄積したデータは、定期的な起動の際に、スマートメータ100に送信する。
【0100】
この送信方法1の場合、起動は間欠的であるため、ゲートウェイ装置200の電源の消費電力を節約できる。但し、送信データが少ない場合、起動しても送信がないケースが多くなる。
【0101】
次に、送信方法2では、ゲートウェイ装置200の起動制御部240は、定期的な起動はしない。そして、起動制御部240は、第2のネットワークN2からデータを受信するためにゲートウェイ装置200を起動した場合に、ホームチャネルのタイミングまで起動した状態として、データをスマートメータ100に送信した後にスリープ状態とする。この場合、スマートメータ100へのデータ送信まで起動を継続する待ち時間が必要になるが、データ送信しない定期的な起動がなくなるため、消費電力をより節約できる。これは、データが比較的少ない場合に有効である。
【0102】
さらに、送信方法3は、ゲートウェイ装置200の起動制御部240は、定期的な起動をしない点は、送信方法2と同様である。但し、起動制御部240は、第2のネットワークN2からデータを受信するためにゲートウェイ装置200を起動した場合、データ受信後はスリープ状態とする。そして、起動制御部240は、次のホームチャネルのタイミングが来たら再度起動して、データをスマートメータ100に送信した後に再度スリープ状態とする。この場合、スマートメータ100へのデータ送信まで起動を継続する待ち時間も不要になるので、消費電力をより一層節約できる。
【0103】
[効果]
(1)本実施形態の通信システムSは、常時電力を供給する電源との第1の接続部110と、外部からの検出データを取得する検出データ取得部120と、検出データ取得部120が取得した検出データを第1のネットワークN1を介して送受信する第1の通信部130と、中継ネットワークN3との接続を行う第1の中継部140と、を有するスマートメータ100を有する。
【0104】
また、定容量の電源との第2の接続部210と、第2のネットワークN2を介して通信する第2の通信部220と、中継ネットワークN3を介して、第1の中継部140に接続された第2の中継部230と、第2の通信部220及び第2の中継部230を、消費電力が高く通信が可能な起動状態とするか、消費電力が低く通信をしないスリープ状態とするかを制御する起動制御部240と、を有するゲートウェイ装置200を有する。
【0105】
さらに、第1の中継部140及び第2の中継部230は、ゲートウェイ装置200とスマートメータ100との間で、常時通信可能な非同期モードで通信を行う非同期通信部141、231と、ゲートウェイ装置200とスマートメータ100との間で、同期信号及び同期確認信号の送受信により、同期の確立及び維持を行う同期制御部143、233と、ゲートウェイ装置200とスマートメータ100との間で、起動状態であり、且つ確立された同期に従った所定のタイミングで通信する同期モードで通信を行う同期通信部144、234と、を有する。
【0106】
このため、ゲートウェイ装置200は、起動制御部240がスリープ状態のときには通信をせずに、起動状態の時にスマートメータと同期モードで通信を行うので、定容量の電源の消費電力を節約しつつ、常時起動しているとは限らないゲートウェイ装置200と、常時起動しているスマートメータ100との通信を確保できる。
【0107】
(2)第1の中継部140及び第2の中継部230における同期通信部144、234は、確立された同期に従った所定の間隔で開く間欠ウィンドウによって通信を行う間欠通信部144a、234aを有する。
【0108】
このように、間欠ウィンドウによって通信を行うので、データの大小にかかわらず、送受信の機会を必ず確保できるとともに、間欠ウィンドウ以外の時間をスリープ状態として消費電力を節約できる。
【0109】
(3)第1の中継部140及び前記第2の中継部230における同期通信部144、234は、1回の間欠ウィンドウで通信できる容量を超える情報を、まとめて送受信する拡張ウィンドウによって通信を行う拡張通信部144b、234bを有する。
【0110】
このため、間欠ウィンドウによって送受信の機会を確保しつつ、大容量の情報については、拡張ウィンドウによって速やかに送受信することができる。
【0111】
(4)第1の中継部140及び第2の中継部230における非同期通信部141は、第1の中継部140の同期制御部143が同期確認信号を受信できない場合又は第2の中継部230の同期制御部233が同期信号を受信できない場合に、非同期モードでの通信を行う。
【0112】
このため、同期が確立できない場合に、互いに常時通信可能な状態として、必要な通信を確保することができる。
【0113】
(5)同期制御部143、233は、次回の間欠ウィンドウの開始タイミングを、同期信号の送信時刻又は受信時刻に、所定のオフセット値を加算又は減算して補正する補正部143d、233dを有する。
【0114】
このため、クロックのずれや送受信する情報量等、種々の要素を考慮して、開始タイミングを補正することにより、開始タイミングを正確に設定することができる。
【0115】
(6)第1の中継部140における同期制御部143は、同期信号に、間欠ウィンドウの開始タイミング、間欠ウィンドウの継続時間、間欠ウィンドウを繰り返す回数を含めて設定する同期設定部143aと、同期設定部143aにより設定された設定内容に基いて、ゲートウェイ装置200との同期を確立する同期確立部143bと、を有する。
【0116】
このため、スマートメータ100側からゲートウェイ装置200側へ、同期に必要な最低限の情報を通知することにより、同期を確立することができる。
【0117】
(7)第1の中継部140における同期制御部143は、同期信号に対する同期確認信号が受信できなかった間欠ウィンドウと同一の間欠ウィンドウ内で、同期信号の再送が可能な場合には、当該間欠ウィンドウ内で再送し、当該間欠ウィンドウを経過した場合には、次回以降の間欠ウィンドウで再送を行う再送制御部143cを有する。
【0118】
このため、送信の機会を有効利用して、高速に且つ確実にデータを送信することができる。
【0119】
(8)ゲートウェイ装置230は、起動制御部240が、第2の通信部220が情報を受信するために起動状態とした場合に、所定のタイミングまで受信した情報を蓄積する蓄積部260を有する。
【0120】
このため、受信した情報を蓄積しておき、状況に応じた種々のタイミングで情報を送信することができる。
【0121】
(9)ゲートウェイ装置230は、起動制御部240が、第2の通信部220が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングが到来して蓄積部260が蓄積した情報を送信するまで、継続して起動状態とするように、起動制御部240による起動条件を設定する起動設定部250を有する。
【0122】
このため、蓄積した情報がある場合のみ、次回の所定のタイミングを待って起動して送信することにより、消費電力を節約できる。
【0123】
(10)ゲートウェイ装置230は、起動制御部240が、第2の通信部220が情報を受信するために起動状態としてから、次回の所定のタイミングが到来するまでスリープ状態として、当該タイミングが到来した場合に起動状態として蓄積部260が蓄積した情報を送信するように、起動制御部240による起動条件を設定する起動設定部250を有する。
【0124】
このため、データを受信して蓄積部に蓄積したデータを、それに次ぐ所定のタイミングが到来するまでスリープ状態とするので、消費電力をより一層節約できる。
【0125】
(11)第2の中継部230は、複数のチャネルのうち、周期的に到来する1つのチャネルを、通信に使用するチャネルとして設定するチャネル設定部232を有する。
【0126】
このため、スマートメータ100が、第1の通信部130により、複数のチャネルを周期的に利用してデータを送受信している場合に、第2の中継部230も、これに合わせてウィンドウを制御することにより、異なるネットワーク同士の整合性を図ることができる。
【0127】
[他の実施形態]
本実施形態は、上記の態様には限定されない。
(1)上記の実施形態は、電力用のスマートメータの適用例である。但し、スマートメータ及びゲートウェイ装置が送受信する情報は、上記で例示したものには限定されない。
【0128】
(2)情報の送受信用のネットワークは、情報の送受信が可能なネットワークであれば、現在又は将来において利用可能なあらゆるネットワークを利用可能である。上記の通信方式、プロトコルは例示であり、有線か無線か、どのような通信方式、プロトコルを用いるかは問わない。
【0129】
(3)上記の処理手順は一例であり、本実施形態の技術思想に反しない限り、処理の省略、追加、順序の変更は可能である。また、実施形態に用いられる情報の具体的な内容、値は自由であり、特定の内容、数値には限定されない。
【0130】
(4)実施形態において、値に対する大小判断、一致不一致の判断等において、以上、以下として値を含めるように判断するか、より大きい、上回る、超える、より小さい、下回るとして値を含めないように判断するかの設定も自由である。
【0131】
(5)以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。