特許第6570901号(P6570901)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社NTTファシリティーズの特許一覧

特許6570901機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム
<>
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000002
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000003
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000004
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000005
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000006
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000007
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000008
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000009
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000010
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000011
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000012
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000013
  • 特許6570901-機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム 図000014
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6570901
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 13/00 20060101AFI20190826BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20190826BHJP
   H04M 11/00 20060101ALI20190826BHJP
   H04L 12/24 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G06F13/00 351N
   H04Q9/00 301C
   H04M11/00 301
   G06F13/00 530B
   H04L12/24
   G06F13/00 351Z
【請求項の数】9
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2015-133104(P2015-133104)
(22)【出願日】2015年7月1日
(65)【公開番号】特開2017-16438(P2017-16438A)
(43)【公開日】2017年1月19日
【審査請求日】2018年6月26日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年2月26日にインターネットアドレス「(1)https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/?action=pages_view_main&active_action=repository_view_main_item_detail&item_id=113547&item_no=1&page_id=13&block_id=8、 (2)https://ipsj.ixsq.nii.ac.jp/ej/」を通じて公開 [刊行物等] 平成27年3月5日に第162回マルチメディア通信と分散処理(DPS)・第68回コンピュータセキュリティ(CSEC)合同研究発表会にて発表
(73)【特許権者】
【識別番号】593063161
【氏名又は名称】株式会社NTTファシリティーズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】中尾 貢
(72)【発明者】
【氏名】金井 敦
(72)【発明者】
【氏名】本間 将紘
【審査官】 安藤 一道
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−318839(JP,A)
【文献】 特開2013−218452(JP,A)
【文献】 特開2007−122208(JP,A)
【文献】 特開2014−179021(JP,A)
【文献】 特開2005−107788(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 13/00
H04L 12/24
H04M 11/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
監視装置と、前記監視装置のそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置とを含み、前記監視装置がファイアウォールの内部に設けられ、前記管理装置が前記ファイアウォールの外部に設けられる機器情報管理システムであって、
前記監視装置は、
機器の状態を監視する監視手段と、
前記管理装置とコネクションを確立する確立手段と、
前記確立したコネクションを維持した状態で、前記機器の状態を示す情報を前記管理装置に送信する送信手段と、を有し、
前記管理装置は、
前記送信手段により送信された機器の状態を示す情報を管理する管理手段と、
前記監視装置に実行させるコマンドを受け付ける手段と、
前記確立したコネクションを維持した状態で、前記監視装置に前記受け付けたコマンドを送信するコマンド送信手段と、を有し、
前記監視装置は、
前記コマンド送信手段により送信されたコマンドを実行する実行手段をさらに有
前記コマンドが再起動コマンドである場合に、前記確立手段は、前記再起動コマンドによる再起動の実行後に前記管理装置とコネクションを確立する
機器情報管理システム。
【請求項2】
前記管理装置又は前記監視装置が前記コネクションの切断の指示を受け付けた場合に、前記コネクションを切断する切断手段を含み、
前記確立したコネクションは、前記切断手段により切断されるまで維持される
請求項1に記載の機器情報管理システム。
【請求項3】
前記機器情報管理システムは、複数の前記監視装置を含み、
前記管理装置は、
前記複数の前記監視装置の中から1以上の前記監視装置を選択する選択手段と、
前記選択手段により選択された前記1以上の前記監視装置にデータを一斉送信する一斉送信手段と、をさらに含む
請求項1又は2に記載の機器情報管理システム。
【請求項4】
前記複数の前記監視装置にはそれぞれプログラムのバージョン情報が関連付けられ、
前記選択手段は、所定の条件を満足するバージョン情報が関連付けられた前記監視装置を選択し、
前記一斉送信手段は、前記選択手段により選択された前記監視装置に前記プログラムの更新データを一斉送信する
請求項3に記載の機器情報管理システム。
【請求項5】
前記確立手段は、前記監視装置が起動されるごとに、前記管理装置とコネクションを確立する
請求項1乃至のいずれかに記載の機器情報管理システム。
【請求項6】
前記送信手段は、予め定められたタイミングで、前記機器の状態を示す情報を送信し、
前記送信手段は、前記監視手段が、前記機器の異常を検知した場合には、前記予め定められたタイミングによらず、当該異常を前記管理装置に通知する
請求項1乃至のいずれかに記載の機器情報管理システム。
【請求項7】
監視装置と、前記監視装置のそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置とを含み、前記監視装置がファイアウォールの内部に設けられ、前記管理装置が前記ファイアウォールの外部に設けられる機器情報管理システムの制御方法であって、
前記監視装置は、
機器の状態を監視する監視ステップと、
前記管理装置とコネクションを確立する確立ステップと、
前記確立したコネクションを維持した状態で、前記機器の状態を示す情報を前記管理装置に送信する送信ステップと、を実行し、
前記管理装置は、
前記送信ステップにより送信された機器の状態を示す情報を管理する管理ステップと、
前記監視装置に実行させるコマンドを受け付けるステップと、
前記確立したコネクションを維持した状態で、前記監視装置に前記受け付けたコマンドを送信するコマンド送信ステップと、を実行し、
前記監視装置は、
前記コマンド送信ステップにより送信されたコマンドを実行する実行ステップをさらに実行
前記コマンドが再起動コマンドである場合に、前記再起動コマンドによる再起動の実行後に前記確立ステップを実行する
機器情報管理システムの制御方法。
【請求項8】
前記請求項1乃至のいずれかに記載の前記管理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項9】
前記請求項1乃至のいずれかに記載の前記監視装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
建物内の機器の状態を監視する監視装置から機器の状態情報をセンターサーバ(以下、中央管理装置)に送信して、機器の状態を中央管理装置で集中的に管理するシステムがある(例えば下記の特許文献1を参照)。こうしたシステムでは、機器は建物のイントラネットに接続されているため、中央管理装置から監視装置にデータを送信する場合には、監視装置から定期的に中央管理装置にポーリングを行わせ、そのポーリングに対応する応答として監視装置にデータを送信することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−34983号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、中央管理装置と監視装置との通信をポーリング方式で行う場合には、中央管理装置から監視装置への通信のタイミングが制限されているため、中央管理装置から監視装置を制御する上で制約が多く、柔軟な制御が困難である。
【0005】
本発明の目的は、中央管理装置が監視装置を遠隔から柔軟に制御することができる機器情報管理システム、機器情報管理システムの制御方法及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
(1)本発明の一態様に係る機器情報管理システムは、監視装置と、前記監視装置のそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置とを含み、前記監視装置がファイアウォールの内部に設けられ、前記管理装置が前記ファイアウォールの外部に設けられる機器情報管理システムであって、前記監視装置は、機器の状態を監視する監視手段と、前記管理装置とコネクションを確立する確立手段と、前記確立したコネクションを維持した状態で、前記機器の状態を示す情報を前記管理装置に送信する送信手段と、を有し、前記管理装置は、前記送信手段により送信された機器の状態を示す情報を管理する管理手段と、前記監視装置に実行させるコマンドを受け付ける手段と、前記確立したコネクションを維持した状態で、前記管理装置に前記受け付けたコマンドを送信するコマンド送信手段と、を有し、前記監視装置は、前記コマンド送信手段により送信されたコマンドを実行する実行手段をさらに有する。
【0007】
(2)本発明の一態様では、(1)において、前記管理装置又は前記監視装置が前記コネクションの切断の指示を受け付けた場合に、前記コネクションを切断する切断手段を含み、前記確立したコネクションは、前記切断手段により切断されるまで維持される。
【0008】
(3)本発明の一態様では、(1)又は(2)において、前記機器情報管理システムは、複数の前記監視装置を含み、前記管理装置は、前記複数の前記監視装置の中から1以上の前記監視装置を選択する選択手段と、前記選択手段により選択された前記1以上の前記監視装置にデータを一斉送信する一斉送信手段と、をさらに含む。
【0009】
(4)本発明の一態様では、(3)において、前記複数の前記監視装置にはそれぞれプログラムのバージョン情報が関連付けられ、前記選択手段は、所定の条件を満足するバージョン情報が関連付けられた前記監視装置を選択し、前記一斉送信手段は、前記選択手段により選択された前記監視装置に前記プログラムの更新データを一斉送信する。
【0010】
(5)本発明の一態様では、(1)〜(4)のいずれかにおいて、前記コマンドは、再起動コマンドであり、前記確立手段は、前記再起動コマンドによる再起動の実行後に前記管理装置とコネクションを確立する。
【0011】
(6)本発明の一態様では、(1)〜(5)のいずれかにおいて、前記確立手段は、前記監視装置が起動されるごとに、前記管理装置とコネクションを確立する。
【0012】
(7)本発明の一態様では、(1)〜(6)のいずれかにおいて、前記送信手段は、予め定められたタイミングで、前記機器の状態を示す情報を送信し、前記送信手段は、前記監視手段が、前記機器の異常を検知した場合には、前記予め定められたタイミングによらず、当該異常を前記管理装置に通知する。
【0013】
(8)本発明の一態様に係る機器情報管理システムの制御方法は、監視装置と、前記監視装置のそれぞれとネットワークを介して通信する管理装置とを含み、前記監視装置がファイアウォールの内部に設けられ、前記管理装置が前記ファイアウォールの外部に設けられる機器情報管理システムの制御方法であって、前記監視装置は、機器の状態を監視する監視ステップと、前記管理装置とコネクションを確立する確立ステップと、前記確立したコネクションを維持した状態で、前記機器の状態を示す情報を前記管理装置に送信する送信ステップと、を実行し、前記管理装置は、前記送信ステップにより送信された機器の状態を示す情報を管理する管理ステップと、前記監視装置に実行させるコマンドを受け付けるステップと、前記確立したコネクションを維持した状態で、前記管理装置に前記受け付けたコマンドを送信するコマンド送信ステップと、を実行し、前記監視装置は、前記コマンド送信ステップにより送信されたコマンドを実行する実行ステップをさらに実行する。
【0014】
(9)本発明の一態様に係るプログラムは、(1)〜(7)のいずれかに記載の前記管理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
(10)本発明の一態様に係るプログラムは、(1)〜(7)のいずれかに記載の前記監視装置としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0016】
本発明の一態様によれば、管理装置が監視装置を遠隔から柔軟に制御することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1】本実施形態に係る機器情報管理システムの構成例を示す図である。
図2】管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図3】管理装置のハードウェア構成例を示す図である。
図4】機器情報管理システムにおいて実現される機能の一例を示す図である。
図5】監視先情報テーブルの一例を示す図である。
図6】デバイス情報管理テーブルの一例を示す図である。
図7】状態管理テーブルの一例を示す図である。
図8】設定情報テーブルの一例を示す図である。
図9】状態情報記憶テーブルの一例を示す図である。
図10】コネクション確立処理のシーケンス図である。
図11】コマンド実行制御処理のシーケンス図である。
図12】設定情報の確認、更新処理のシーケンス図である。
図13】プログラムの一斉更新処理のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に基づき説明する。
【0019】
[1.機器情報管理システム1の全体構成例]
図1には、本実施形態に係る機器情報管理システム1の構成例を示す。図1に示されるように、機器情報管理システム1は、管理装置10と、ビルB1〜Bn(nは1以上の整数)のそれぞれのデバイス50の状態を監視する監視装置30−1〜nを含む。そして、監視装置30−i(iは1〜nのいずれか)は、ファイアウォール3−iを介してネットワーク2に接続し、同じくネットワーク2に接続する管理装置10と通信可能となっている。なお、ファイアウォール3−iに対して、ネットワーク側をファイアウォール外部(インターネット側)、監視装置30−i側をファイアウォール内部(イントラネット側)とする。なお、以下においてビルBi、監視装置30−1〜n、ファイアウォール3−iについて共通する内容については、ビルB、監視装置30、ファイアウォール3と表記して説明することがある。
【0020】
デバイス50は、例えば受電設備、無停電電源装置、空調機器、パワーコンディショナー等のビルの設備機器である。監視装置30は、監視対象とするそれぞれのデバイスの状態情報を収集し、収集した状態情報を管理装置10に送信する。なお、監視装置30は、予め定められた時間間隔ごとにデバイス50の状態情報を収集し、収集した状態情報を定期的に管理装置10に送信することとしてよく、さらにデバイス50に異常が発生したことが検知された場合には、その検知したタイミングで状態情報を管理装置10に送信することとしてよい。
【0021】
管理装置10は、それぞれのビルの監視装置30から送信される状態情報を受信し、それぞれのビルの設備機器の状態を集中的に管理するサーバ(オペレーションセンターサーバ:OPC)である。例えば、管理装置10は、それぞれのビル3の設備機器の異常の発生を検知した場合にはアラームを管理者に対して通知したり、設備機器の状態の推移を示すデータを管理者に提供したりする。
【0022】
ファイアウォール外部からファイアウォール内部への通信は遮断されるため、管理装置10から監視装置30に対してデータを送る際には、監視装置30から管理装置10にポーリングを行い、ポーリングに対する応答としてデータを送信することがある。こうしたポーリング方式を採用した場合には、監視装置30側に障害が発生し監視装置30側から管理装置10へのポーリングが行われなくなると、管理装置10が監視装置30の制御を行うことができなくなってしまう。そのため、監視装置30の再起動や簡単な操作で障害が復旧するような場合であっても、管理者が監視装置30を操作するために監視装置30が設置されているビル3に出向き対応する必要がある。また、ポーリングの方式を用いた場合には、管理装置10側の任意のタイミングで監視装置30を制御することが困難となるほか、管理装置10が複数の監視装置30を同時に制御しようとした場合にも複数の監視装置30からのポーリングのタイミングが合わなければならないため、制約が大きい。
【0023】
そこで、本実施形態に係る機器情報管理システム1では、管理装置10からリモートで1以上の監視装置30を制御することを容易とし、管理装置10における管理作業を効率化するようにしている。以下では、上記の事項を実現するために機器情報管理システム1に備えられる構成について説明する。
【0024】
[1.1.管理装置10のハードウェア構成例]
また、図2に示されるように、管理装置10は、ハードウェア構成として、制御部11、記憶部12、通信部13、表示インターフェース14、入力インターフェース15を備える。
【0025】
制御部11は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部12に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに管理装置10の各部を制御する。
【0026】
記憶部12は、管理装置10のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部11のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で管理装置10に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して管理装置10に供給されてもよい。
【0027】
通信部13は、例えばネットワークインターフェースカード(NIC)又は無線通信用のアンテナ等の通信用インターフェースを含み、通信用インターフェースを介して、ネットワークに接続し、ネットワークに接続する装置(例えば監視装置30)と通信する。
【0028】
表示インターフェース14は、例えばグラフィックカードを含み、グラフィックカードを介して液晶ディスプレイ装置等の表示装置4に接続する。そして、表示インターフェースは、制御部11による制御に応じて、表示装置4に画面を表示させる。
【0029】
入力インターフェース15は、キーボード、マウス、操作パネル等の入力装置5と接続し、入力装置5に入力された操作情報を受け付ける。
【0030】
[1.2.監視装置30のハードウェア構成例]
また、図3に示されるように、監視装置30は、ハードウェア構成として、制御部31、記憶部32、通信部33、表示インターフェース34、入力インターフェース35を備える。
【0031】
制御部31は、例えばCPU(Central Processing Unit)を含み、記憶部32に記憶されたプログラムに基づいて、各種の演算処理を実行するとともに監視装置30の各部を制御する。
【0032】
記憶部32は、監視装置30のオペレーティングシステム等の制御プログラムやデータを記憶するほか、制御部31のワークメモリとしても用いられる。プログラムは、光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体に格納された状態で監視装置30に供給されてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して監視装置30に供給されてもよい。
【0033】
通信部33は、例えばネットワークインターフェースカード(NIC)又は無線通信用のアンテナ等の通信用インターフェースを含み、通信用インターフェースを介して、イントラネットに接続し、イントラネット及びネットワーク2を介して他の装置(例えば管理装置10)と通信するほか、イントラネットを介して、ビル内のデバイス50と通信する。
【0034】
表示インターフェース34は、例えばグラフィックカードを含み、グラフィックカードを介して液晶ディスプレイ装置等の表示装置54に接続する。そして、表示インターフェース34は、制御部31による制御に応じて、表示装置54に画面を表示させる。
【0035】
入力インターフェース35は、キーボード、マウス、操作パネル等の入力装置55と接続し、入力装置55に入力された操作情報を受け付ける。
【0036】
[2.機器情報管理システム1が備える機能の説明]
次に、図4に基づいて、上記のハードウェア構成を備える管理装置10と監視装置30を含む機器情報管理システム1において実現される機能の一例について説明する。
【0037】
図4に示されるように、管理装置10は、データ記憶部100、コネクション制御部110、送信先選択受付部120、送信先選択部130、コマンド受付部140、通信制御部150、情報提供部160を備える。なお、管理装置10に備えられる上記の各部の機能は、管理装置10の制御部11が、記憶部12に記憶されるプログラム又は管理装置10が読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されるプログラムに基づいて管理装置10のハードウェアを動作させることにより実現されるものである。
【0038】
また、図4に示されるように、監視装置30は、データ記憶部300、コネクション制御部310、状態情報取得部320、通信制御部330、コマンド実行部340、状態監視部350を備える。なお、監視装置30に備えられる上記の各部の機能は、監視装置30の制御部31が、記憶部32に記憶されるプログラム又は監視装置30が読み取り可能な情報記憶媒体に記憶されるプログラムに基づいて監視装置30のハードウェアを動作させることにより実現されるものである。
【0039】
[2.1.管理装置10に備えられる機能]
まず、管理装置10に備えられる機能の詳細について説明する。
【0040】
[データ記憶部100]
データ記憶部100は、主に管理装置10の記憶部12により実現され、各種のデータを記憶する。以下では、データ記憶部100に記憶されるデータの一例について説明する。
【0041】
図5には、データ記憶部100に記憶される監視先情報テーブルTBL101の一例を示す。監視先情報テーブルTBL101とは、管理装置10が管理する対象とする監視装置30の情報を管理するテーブルである。
【0042】
図5に示されるように、監視先情報テーブルTBL101には、監視装置30を識別する監視装置ID、監視装置30のIPアドレス、監視装置30の機種、監視装置30にインストールされているプログラムのバージョン情報、監視装置30の認証情報(例えばIDとパスワード)、監視装置30に設定されるグループを識別するグループID、監視装置30がオンラインであるか否かを示すオンラインフラグの情報が関連づけて記憶される。なお、監視装置30に対してグループIDを複数関連づけてもよい。また、オンラインフラグは、管理装置10と監視装置30とが持続的コネクションを張っている状態の場合に真(T)、持続的コネクションが張られていない状態の場合に偽(F)としてよい。
【0043】
図6には、データ記憶部100に記憶されるデバイス情報管理テーブルの一例を示す。デバイス情報管理テーブルとは、監視装置30が監視するデバイス50の情報を管理するテーブルである。
【0044】
図6に示されるように、デバイス情報管理テーブルには、監視装置30を識別する監視装置ID、監視装置30が監視するデバイス50を識別するデバイスID、デバイスの分類、デバイスの属性情報が関連づけて記憶される。なお、デバイスの分類には、受電装置、UPS、空調機器、パワーコンディショナー等のデバイスの区分を示す情報が格納され、デバイスの属性情報には、デバイスの機種、デバイス名等の情報が格納されることとしてよい。
【0045】
図7には、データ記憶部100に記憶される状態管理テーブルTBL102の一例を示す。状態管理テーブルTBL102とは、管理装置10が管理するそれぞれの監視装置30で監視しているデバイス50の状態を管理するテーブルである。
【0046】
図7に示されるように、状態管理テーブルTBL102には、監視装置30を識別する監視装置ID、監視装置30で記録されたデバイス50の状態情報を識別する記録ID、状態情報が記録されたデバイス50を識別するデバイスID、デバイス50の状態を示す状態情報、状態情報の記録日時が関連づけて記憶される。なお、状態情報は、デバイス50の状態を定める複数のパラメータのそれぞれ状態値を含むこととしてよい。
【0047】
[コネクション制御部110]
コネクション制御部110は、主に管理装置10の制御部11、記憶部12、通信部13及び入力インターフェース15により実現され、管理装置10と監視装置30との間に張られるコネクションを制御する。
【0048】
コネクション制御部110は、監視装置30とのコネクションを確立する確立部111と、監視装置30との間で確立されているコネクションを切断する切断部112とを含む。
【0049】
例えば、確立部111は、監視装置30からのコネクション確立要求を受け付けると、監視装置30に対して認証を要求する。そして、確立部111は、監視装置30から上記要求に応じて送信される認証情報が、監視先情報テーブルTBL101に記憶される認証情報に一致する場合には、監視装置30の認証を成功として、監視装置30と管理装置10との間に持続的なコネクションを確立する。一方で、確立部111は、監視装置30から上記要求に応じて送信される認証情報が、監視先情報テーブルTBL101に記憶される認証情報に一致しない場合には、監視装置30の認証を失敗として、監視装置30と管理装置10との間に持続的なコネクションを確立しない。
【0050】
なお、上記の持続的なコネクションが確立されている間においては、監視装置30と管理装置10のいずれの側からも通信を開始することができる。また、上記の持続的なコネクションは、後述する切断部112又は切断部312により切断されない限りは接続状態が維持されており、監視装置30と管理装置10は任意のタイミングにより通信を行うことができる。例えば、確立部111は、上記の持続的なコネクションを、WebSocketを用いて実現することとしてよい。
【0051】
例えば、切断部112は、通信部13又は入力インターフェース15を介して監視装置30と管理装置10の間で確立されている持続的なコネクションの切断要求を受け付けた場合に、コネクションの切断を実行する。
【0052】
[送信先選択受付部120]
送信先選択受付部120は、主に管理装置10の制御部11、記憶部12、通信部13及び入力インターフェース15により実現され、管理装置10がコマンドやデータを送信する相手(送信先)の選択を受け付ける。
【0053】
例えば、送信先選択受付部120は、通信部13又は入力インターフェース15を介して、監視装置30を選択するための条件の指定を受け付けることで、送信先の選択を受け付けることとしてよい。例えば、上記の条件は、監視装置30を識別する監視装置IDであってもよいし、グループID、機種等であってもよい。
【0054】
[送信先選択部130]
送信先選択部130は、主に管理装置10の制御部11、及び記憶部12により実現され、管理装置10がコマンドやデータを送信する相手(送信先)を選択する。
【0055】
例えば、送信先選択部130は、送信先選択受付部120により受け付けた条件に基づいて、監視先情報テーブルTBL101の中から、当該条件を満足する監視装置30を選択する。ここで、送信先選択部130は、監視先情報テーブルTBL101に格納される監視装置IDであって、オンラインフラグがT、すなわち持続的コネクションが張られている監視装置IDの中から、上記条件を満足する監視装置30を選択することとしてよい。
【0056】
例えば、上記受け付けた条件が監視装置IDである場合には、送信先選択部130は、上記の監視装置IDに関連づけられるオンラインフラグがTである場合に、上記の監視装置IDにより識別される監視装置30を送信先として選択することとしてよい。
【0057】
また例えば、上記受け付けた条件がグループID(又は機種)である場合には、送信先選択部130は、上記のグループID(又は機種)に関連づけられる監視装置IDのうち、オンラインフラグがTである監視装置IDにより識別される監視装置30を送信先として選択することとしてよい。
【0058】
[コマンド受付部140]
コマンド受付部140は、主に管理装置10の制御部11、記憶部12、通信部13及び入力インターフェース15により実現され、送信先選択部130により選択される送信先に対して送信するコマンドを受け付ける。
【0059】
例えば、コマンド受付部140は、通信部13又は入力インターフェース15を介して、送信先選択部130により選択される送信先に対して送信するコマンドを受け付ける。例えば、コマンドは、監視装置30を再起動させるための再起動コマンド、監視装置30の設定を確認するための設定確認コマンド、監視装置30の設定を変更するための設定変更コマンド、監視装置30にプログラムの更新を実行させるためのプログラム更新コマンド等であってよい。
【0060】
[通信制御部150]
通信制御部150は、主に管理装置10の制御部11、記憶部12、及び通信部13により実現され、コマンド送信部151、データ送信部152、データ受信部153を含み、監視装置30との間に確立されているコネクションを用いて通信を行う。
【0061】
コマンド送信部151は、コマンド受付部140により受け付けたコマンドを、送信先選択部130により選択された送信先の監視装置30に対して、監視装置30との間でコネクション制御部110により確立されたコネクションを用いて送信する。
【0062】
データ送信部152は、通信部13又は入力インターフェース15を介して指定されたデータ(例えばプログラムの更新データ)を、送信先選択部130により選択された送信先の監視装置30に対して、監視装置30との間でコネクション制御部110により確立されたコネクションを用いて送信する。例えば、データ送信部152は、送信先選択部130により複数の送信先が選択されている場合には、当該複数の送信先に対してデータを一斉送信することとしてもよい。また、データ送信部152は、複数の送信先に対してデータを送信する際に、IRC(Internet Relay Chat)を利用することとしてよい。
【0063】
データ受信部153は、監視装置30との間でコネクション制御部110により確立されたコネクションを用いて、監視装置30が送信するデータを受信する。例えば、データ受信部153が、監視装置30から受信するデータには、例えば監視装置30が監視するデバイス50の状態情報を含む。
【0064】
また、通信制御部150は、データ受信部153により受信したデータをデータ記憶部100に記憶することとしてよい。
【0065】
[情報提供部160]
情報提供部160は、主に管理装置10の制御部11、記憶部12、通信部13、入力インターフェース15及び表示インターフェース14により実現され、データ記憶部100に記憶されるデータに基づいて情報を提供する。
【0066】
例えば、情報提供部160は、通信部13又は入力インターフェース15を介して、情報の提供要求を受け付けた場合に、データ記憶部100から取得した情報に基づいて表示データを生成し、生成した表示データを通信部13又は表示インターフェース15を介して出力する。
【0067】
例えば、情報提供部160は、監視装置IDで識別される監視装置により監視しているデバイス50の状態を確認する要求を受け付けた場合には、状態管理テーブルTBL102の中から上記の監視装置IDに関連づけられるレコードを取得し、取得したレコードに基づいてデバイス50の状態を表示する表示データを生成して提供することとしてよい。
【0068】
[2.2.監視装置30に備えられる機能]
次に、監視装置30に備えられる機能の詳細について説明する。
【0069】
[データ記憶部300]
データ記憶部300は、主に監視装置30の記憶部32により実現され、各種のデータを記憶する。以下では、データ記憶部300に記憶されるデータの一例について説明する。
【0070】
図8には、データ記憶部300に記憶される設定情報テーブルTBL301の一例を示す。設定情報テーブルTBL301とは、監視装置30の設定情報を管理するテーブルである。
【0071】
図8に示されるように、設定情報テーブルTBL301には、設定項目を識別する設定項目ID、設定項目の設定値が関連づけて記憶される。設定情報テーブルTBL301の設定値は、監視装置30が管理装置10又は管理者から受け付けた情報に基づいて登録、更新されることとしてよい。
【0072】
図9には、データ記憶部300に記憶される状態情報記憶テーブルTBL302の一例を示す。状態情報記憶テーブルTBL302とは、監視装置30が監視するデバイス50の情報を記憶するテーブルである。
【0073】
図9に示されるように、状態情報記憶テーブルTBL302には、監視装置30で記録されたデバイス50の状態情報を識別する記録ID、状態情報が記録されたデバイス50を識別するデバイスID、デバイス50の状態を示す状態情報、状態情報の記録日時が関連づけて記憶される。
【0074】
なお、状態情報記憶テーブルTBL302に記憶される状態情報は、後述する状態情報取得部320により取得される。
【0075】
[状態情報取得部320]
状態情報取得部320は、主に監視装置30の制御部31、記憶部32、及び通信部33により実現され、監視装置30が監視するそれぞれのデバイス50の状態情報を取得する。
【0076】
状態情報取得部320は、例えば予め定められた時間間隔ごとに通信部33を介してそれぞれのデバイス50にアクセスして、それぞれのデバイス50から状態情報を取得することとしてもよいし、定期的又はイベント(例えばエラー)の発生によってデバイス50から送信される状態情報を受信して取得することとしてもよい。なお、状態情報は、デバイス50の動作状態(正常又は異常、異常時にはエラーコード等)を含むこととしてよい。
【0077】
また、状態情報取得部320は、各デバイスの状態情報を取得するごとに、取得した状態情報に対して新たな記録IDを付与し、記録IDに関連づけて状態情報を状態情報記憶テーブルTBL302に記憶することとしてよい。
【0078】
[コネクション制御部310]
コネクション制御部310は、主に監視装置30の制御部31、記憶部32、通信部33及び入力インターフェース35により実現され、管理装置10と監視装置30との間に張られるコネクションを制御する。
【0079】
コネクション制御部310は、管理装置10とのコネクションを確立する確立部311と、管理装置10との間で確立されているコネクションを切断する切断部312とを含む。
【0080】
例えば、確立部311は、起動時(再起動時を含む)又は入力インターフェース35を介してコネクション確立操作を受け付けたときに、管理装置10に対してコネクションの確立要求を送信する。そして、確立部311は、管理装置10から上記確立要求に応じて認証の要求を受信すると、管理装置10に対して記憶部32に記憶される認証情報を送信する。なお、記憶部32に記憶される認証情報は、入力インターフェース35を介して管理者から入力されることとしてよい。そして、確立部311が送信した認証情報に基づく認証が成功した場合には、監視装置30と管理装置10との間に持続的なコネクションが確立される。一方で、確立部が送信した認証情報に基づく認証が失敗した場合には、監視装置30と管理装置10との間に持続的なコネクションが確立されない。
【0081】
なお、上記の持続的なコネクションが確立されている間においては、監視装置30と管理装置10のいずれの側からも通信を開始することができる。また、上記の持続的なコネクションは、切断部312又は切断部112により切断されない限りは接続状態が維持されており、監視装置30と管理装置10は任意のタイミングにより通信を行うことができる。例えば、確立部311は、上記の持続的なコネクションを、WebSocketを用いて実現することとしてよい。
【0082】
例えば、切断部312は、通信部33又は入力インターフェース35を介して、監視装置30と管理装置10の間で確立されている持続的なコネクションの切断要求を受け付けた場合に、コネクションの切断を実行する。
【0083】
[通信制御部310]
通信制御部は、主に監視装置30の制御部31、記憶部32、及び通信部33により実現され、コマンド受信部331、データ受信部332、データ送信部333を含み、管理装置10との間に確立されているコネクションを用いて通信を行う。
【0084】
コマンド受信部331は、管理装置10のコマンド送信部151により送信されたコマンドを受信する。
【0085】
データ受信部332は、管理装置10のデータ送信部152により送信されたデータ(例えばプログラムの更新データ)を受信する。また、データ受信部332は、管理装置10から受信したデータをデータ記憶部300に記憶することとしてよい。
【0086】
データ送信部333は、管理装置10との間でコネクション制御部310により確立されたコネクションを用いて、管理装置10に対してデータを送信する。例えば、データ送信部333は、予め定められたタイミングで、監視装置30が状態情報記憶テーブルTBL302に記憶されるレコードのうち、未送信のレコードを管理装置10に対して送信することとしてよい。
【0087】
[コマンド実行部340]
コマンド実行部340は、主に監視装置30の制御部31、記憶部32により実現され、コマンド受信部331で受信したコマンドを実行する。
【0088】
例えば、コマンド実行部340は、コマンド受信部331で受信したコマンドが再起動コマンドである場合には再起動を実行する。また例えば、コマンド実行部340は、コマンド受信部331で受信したコマンドが設定確認コマンドである場合には、設定情報テーブルTBL301の記憶内容を参照し、その記憶内容を管理装置10に対して送信する。また例えば、コマンド実行部340は、コマンド受信部331で受信したコマンドが設定変更コマンドである場合には、管理装置10から受信した情報に基づいて設定情報テーブルTBL301の記憶内容を更新する。また例えば、コマンド受信部331で受信したコマンドがプログラム更新コマンドである場合には、データ受信部332により受信した更新プログラムに基づくプログラム更新処理を実行するとともに、再起動を実行する。
【0089】
[状態監視部350]
状態監視部350は、主に監視装置30の制御部31、記憶部32により実現され、状態情報記憶テーブルTBL302に記憶される各デバイスの状態情報を監視する。
【0090】
例えば、状態監視部350は、状態情報記憶テーブルTBL302に記憶されるそれぞれのデバイスの状態情報に基づいて、監視するデバイスの中に異常が発生したと判断した場合には、少なくとも異常の発生に係るデバイスの状態情報をデータ送信部333により管理装置10に送信することとしてよい。
【0091】
[3.機器情報管理システム1において実行される処理の例]
次に、図10図13に基づいて、本実施形態に係る機器情報管理システム1において実行される処理の一例について説明する。
【0092】
[3.1.コネクション確立処理]
図10に示されるシーケンス図に基づいて、管理装置10と監視装置30がコネクションを確立する際の処理について説明する。
【0093】
図10に示されるように、監視装置30は起動した後に(S300)、管理装置10に対してコネクションの確立を要求する(S302)。なお、監視装置30には、予め管理装置10のアドレスが記憶されていることとしてよい。
【0094】
管理装置10は、監視装置30からコネクションの確立要求を受け付けると(S100)、監視装置30に対して認証の実行を要求する(S102)。
【0095】
監視装置30は、管理装置10から認証の要求を受け付けると(S304)、監視装置30に記憶されている認証情報(ID、パスワード)を管理装置10に対して送信する(S306)。
【0096】
管理装置10は、監視装置30から認証情報を受信すると(S104)、受信した認証情報に基づく認証処理を実行する(S106)。
【0097】
管理装置10と監視装置30とは、S106の認証処理の結果、認証が成功した場合には(S108:Y)、コネクションを確立する(S110,S308)。
【0098】
一方で、S106において認証が成功しなかった場合には(S108:N)、管理装置10は認証エラー処理を実行し(S112)、監視装置30との間のコネクションを確立しないように制御する。
【0099】
なお、上記のコネクションの確立処理において、監視装置30はSSLを用いて管理装置10の正当性を確認後に暗号化通信を用いて認証情報を送信するようにしてよい。また、上記確立したコネクションでは、管理装置10と監視装置30とはSSLを用いた暗号化通信を行うこととしてよい。
【0100】
[3.2.コマンド実行制御処理]
次に、図11に示すシーケンス図に基づいて、管理装置10が監視装置30にコマンドを実行させる際の処理について説明する。なお、図11に示すシーケンス図においては、図10に示すコネクションの確立処理が既に実行されており、確立したコネクションが維持されている状態とする。
【0101】
図11に示すように、管理装置10は通信部13又は入力インターフェース15を介してコマンドの指定を受け付けると(S120)、監視装置30との間で確立しているコネクションを用いて受け付けたコマンドを監視装置30に対して送信する(S122)。
【0102】
監視装置30は、管理装置10からコマンドを受信すると(S320)、受信したコマンドを実行し(S322)、コマンドの実行結果を管理装置10に対して送信する(S324)。
【0103】
そして管理装置10は、監視装置30からコマンドの実行結果を受信する(S124)。このように、本実施形態では、管理装置10と監視装置30との間に持続的なコネクションが確立されているため、管理装置10の任意のタイミングで監視装置30に処理を実行させることができる。以下においては、管理装置10が監視装置30に実行させる処理の具体例について説明する。
【0104】
[3.3.設定情報の確認、更新処理]
次に、図12に示すシーケンス図に基づいて、管理装置10が監視装置30の設定情報を確認、更新する際の処理について説明する。なお、図12に示すシーケンス図においても、図10に示すコネクションの確立処理が既に実行されており、確立したコネクションが維持されている状態とする。
【0105】
管理装置10は、通信部又は入力インターフェースを介して監視装置30の設定確認要求コマンドを受け付けると、監視装置30との間で確立しているコネクションを用いて、監視装置30に対して設定確認を要求する(S130)。
【0106】
監視装置30は、管理装置10から設定確認要求を受け付けると(S330)、設定情報テーブルTBL301を参照して監視装置30の設定情報を取得し(S332)、取得した設定情報を管理装置10に対して送信する(S334)。
【0107】
管理装置10は、監視装置30から設定情報を受信すると(S132)、受信した設定情報を表示装置4に表示させる(S134)。そして、管理装置10は、通信部13又は入力インターフェース15を介して、設定情報の変更を受け付けると(S136)、監視装置30に対して設定情報の変更を要求する(S138)。例えば、管理装置10は、上記の設定情報の変更要求においては、変更に係る設定情報の項目及び設定値を監視装置30に送信することとしてよい。
【0108】
監視装置30は、管理装置10から設定情報の変更要求を受け付けると(S336)、変更要求に基づいて設定情報を変更し(S338)、その処理の結果を管理装置10に送信する(S340)。例えば、監視装置30は、管理情報から上記の変更要求において受信した設定情報の項目及び設定値に基づいて、設定情報テーブルTBL301の該当するレコードを上書きすることとしてよい。また、上記の処理の結果とは、例えば変更後の設定情報としてよい。
【0109】
管理装置10は、監視装置30から設定情報の変更処理の結果を受信する(S140)。このように、本実施形態では、管理装置10と監視装置30との間に持続的なコネクションが確立されているため、管理装置10の任意のタイミングで監視装置30の設定情報の確認及び変更を行うことができる。これにより、例えば設定のミスによる不具合の発生を管理装置10からリモートで解消することができる。
【0110】
[3.4.プログラムの一斉更新処理]
次に、図13に示すシーケンス図に基づいて、管理装置10が1以上の監視装置30のプログラムをまとめて更新する際の処理について説明する。なお、図13に示すシーケンス図においても、図10に示すコネクションの確立処理が既に実行されており、確立したコネクションが維持されている状態とする。
【0111】
図13に示すように、管理装置10は通信部13又は入力インターフェース15を介して監視装置30に更新プログラムの配信指示を受け付けると(S150)、更新プログラムの配信先となる監視装置30を選択する(S152)。例えば、管理装置10は、監視先情報テーブルTBL101において、プログラムのバージョンが所定のバージョンの範囲にある監視装置30を、上記の配信先として選択することとしてよい。
【0112】
管理装置10は、上記選択した監視装置30に対して更新プログラムを送信する(S154)。
【0113】
監視装置30は、管理装置10から更新プログラムを受信すると(S350)、受信した更新プログラムに基づく更新処理を実行する(S352)。そして、監視装置30は、更新プログラムによる更新処理を終えると再起動を実行し(S354)、更新後のプログラムを有効化する。なお、監視装置30は再起動を終えると、図10のシーケンス図において説明したようい、管理装置10とのコネクションを確立する処理を実行することとしてよい。
【0114】
また、図13では、説明のため1つの監視装置30を表示しているが、S152で監視装置30が複数選択された場合には、それぞれの監視装置30に対して図13に示す同様の処理が実行されることはいうまでもない。
【0115】
以上説明した本実施形態に係る機器情報管理システム1では、管理装置10と1以上の監視装置30との間にコネクションが確立している状態を維持することで、管理装置10が1以上の監視装置30を遠隔から柔軟に制御することができる。
【0116】
また、本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、管理装置10は、管理者が操作する管理者端末と通信し、管理者端末からコマンド、データを受け付けることとしてよい。またこの場合に、管理者端末に、監視装置30の設定情報、状態情報を提供するようにしてよい。
【符号の説明】
【0117】
1 機器情報管理システム、10 管理装置、100 データ記憶部、110 コネクション制御部、120 送信先選択受付部、130 送信先選択部、140 コマンド受付部、150 通信制御部、160 情報提供部、30 監視装置、300 データ記憶部、310 コネクション制御部、320 状態情報取得部、330 通信制御部、340 コマンド実行部、350 状態監視部。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13