(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記センサ部は、前記リング状の磁石と接しないように配置され、前記リング状の磁石の磁力により移動しない、請求項1〜4のいずれか1項に記載の医療機器用の操作装置。
前記センサ部は、前記2相の信号のうちの一方の信号を検出するセンサと、前記2相の信号のうちの他方の信号を検出するセンサとの2つのセンサで構成される、請求項1〜5のいずれか1項に記載の医療機器用の操作装置。
前記処理部は、所定の単位時間における、前記2相の信号のうちの一方の信号の信号レベルの変化数、または、前記2相の信号のうちの他方の信号の信号レベルの変化数を特定し、
特定された信号レベルの変化数に対応する処理速度で処理を実行する、請求項10または11に記載の医療機器用の操作装置。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0011】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本実施形態に係る操作装置
2.本実施形態に係るプログラム
【0012】
(本実施形態に係る操作装置)
本実施形態に係る操作装置は、ユーザの回転操作に応じた、位相が異なる2相の信号を出力することによって、ユーザ操作に応じた処理を行わせる。
【0013】
ここで、本実施形態に係る操作装置が、2相の信号に基づきユーザ操作に応じた処理を行わせる対象としては、例えば、本実施形態に係る操作装置が備える処理部(後述する)や、当該処理部と同様の機能を有する外部の処理装置が挙げられる。本実施形態に係る処理部(後述する)などにおける、2相の信号に基づく処理の一例については、後述する。
【0014】
以下、本実施形態に係る操作装置が、医療用の内視鏡に適用される場合を例に挙げて、本実施形態に係る操作装置の構成、処理について説明する。なお、本実施形態に係る操作装置が適用される医療用の機器は、内視鏡に限られない。本実施形態に係る操作装置は、後述する機構によりユーザ操作に応じた処理を行わせることが可能な、任意の医療用の機器に適用することが可能である。
【0015】
図1は、本実施形態に係る操作装置100の一例を説明するための説明図である。
図1に示す操作装置100は、医療用の内視鏡に適用された操作装置(医療用の内視鏡の制御や調整に用いられる操作装置)を示している。
【0016】
操作装置100は、例えば、ユーザが回転操作を行うことが可能な操作リング102を含む。操作リング102は、時計回り方向、または反時計回り方向に、自由に回転する。操作装置100を用いるユーザは、操作リング102を操作することによって、時計回り方向、または反時計回り方向に、所望の回転操作を行うことができる。操作リング102に対するユーザの回転操作が行われると、操作装置100は、操作リング102に対する回転操作に応じた2相の信号を出力することによって、ユーザ操作に応じた処理を行わせる。
【0017】
ここで、操作リング102に対する回転操作に応じた処理としては、例えば、下記に示すような回転方向に応じたフォーカス(ピント合わせ)に係る処理が挙げられる。回転操作に応じた処理が、回転方向に応じたフォーカスに係る処理である場合、操作リング102は、いわゆるフォーカスリングの役目を果たす。
・回転方向が(術者側(内視鏡)から患者側を見て)時計回りである場合:ピントが手前に近づく
・回転方向が(術者側(内視鏡)から患者側を見て)
反時計回りである場合:ピントが奥に遠ざかる
【0018】
また、操作リング102に対する回転操作により、一定以上の回転速度が検出された場合、フォーカスに係る処理などの行われている処理のキャンセルや、予め設定されている処理が行われてもよい。
【0019】
なお、操作リング102に対する回転操作に応じた処理の例が、上記に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0020】
また、操作リング102は、上記のように自由に回転することが可能であるが、回転操作に応じた処理には、操作リング102の駆動範囲に対応する上限と下限とが設けられていてもよい。駆動範囲に対応する上限と下限とが設けられることによって、例えば、“駆動範囲に対応する上限または下限を超えたときには、例えば、操作リング102は回転するが、フォーカスに係る処理(回転操作に応じた処理の一例)では、ピント位置を、上限または下限に対応するピント位置から変化させないこと”が実現される。
【0021】
また、操作リング102に対する回転操作が行われたときに、当該回転操作に応じた処理以外の他の処理や制御が行われている場合には、当該他の処理や制御よりも、当該回転操作に応じた処理が優先して行われてもよい。例えば、AF(Auto Focus)制御が行われている最中に、ユーザが操作リング102を用いた回転操作を行った場合には、AF制御からMF(Manual Focus)制御へと切り替わり、操作リング102の回転方向に応じたフォーカスに係る処理(回転操作に応じた処理の一例)が行われる。上記のように、操作リング102に対する回転操作
に応じた処理が他の処理や制御よりも優先的に行われることによって、ユーザは、例えば、AF制御中であっても、操作リング102を用いた操作によってピントの微調整を手動で行うことができる。
【0022】
また、回転操作に応じた処理が、回転方向に応じたフォーカスに係る処理であるときに、ユーザが操作リング102を用いたピント合わせを行う場合(いわゆる、MFモードである場合)において、ユーザのリセット操作などによってリセットがされたときには、例えば、最後に操作されたピント位置からフォーカスに係る処理が行われる。一方、自動的にピント合わせが行われる場合(いわゆる、AFモードである場合)において、ユーザのリセット操作などによってリセットがされたときには、例えば、AF制御によりピントがあった位置が、ピント位置を調整する際の起点となる。なお、リセットがされた場合におけるピント位置を調整する際の起点となるピント位置が、上記に示す例に限られないことは、言うまでもない。
【0023】
[1]本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成
[1−1]ユーザの回転操作を検出することが可能な構成の一例
本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成について説明する前に、ユーザの回転操作を検出することが可能な構成の一例について説明する。
【0024】
図2は、ユーザの回転操作を検出することが可能な構成を有する操作装置の一例を説明するための説明図であり、PI(Photo Interrupter)/PR(Photo Reflector)方式に係る構成を示している。
【0025】
PI/PR方式に係る構成を有する操作装置は、例えば、操作リング10と、外装部品12と、櫛歯形状部材14と、PIセンサ(PRセンサ)16とを備える。
【0026】
PI/PR方式に係る構成を有する操作装置では、操作リング10の回転に応じてPIセンサ(PRセンサ)16により検出される櫛歯に応じたパルス信号が、ユーザの回転操作に応じた信号として用いられる。
【0027】
ここで、医療用の内視鏡などの医療用の機器では、使用後に140[℃]程度の環境下でオートクレーブ滅菌(高温高圧蒸気滅菌)が行われる。そのため、医療用の機器では、オートクレーブ滅菌に対する耐久性を有することが求められている。例えば医療用の内視鏡にオートクレーブ滅菌に対する耐久性を持たせる場合には、レンズユニット(後述する)などを、気密性、防水性が高い密閉構造内に配置する対応がとられる。レンズユニット(後述する)などを、密閉構造内に配置することによって、オートクレーブ滅菌による蒸気の流入が防止され、レンズユニット(後述する)などがオートクレーブ滅菌が行われることにより破損することが防止される。
【0028】
しかしながら、PI/PR方式が用いられる場合には、
図2に示すように、外装部品12に穴を空ける必要があるので、PI/PR方式が用いられる場合には、上記に示すようなオートクレーブ滅菌に対する耐久性は望めない。よって、PI/PR方式に係る構成を有する操作装置を、医療用の機器に適用することは、望ましくない。
【0029】
また、PI/PR方式が用いられる場合には、
図2に示すように、櫛歯形状部材14を設ける必要があるので、小型化にも不利である。
【0030】
図3は、ユーザの回転操作を検出することが可能な構成を有する操作装置の他の例を説明するための説明図であり、可変抵抗方式に係る構成を示している。
【0031】
可変抵抗方式に係る構成を有する操作装置は、例えば、操作リング20と、外装部品22と、N極の磁石24Aと、S極の磁石24Bと、摺動子26と、可変抵抗28とを備える。N極の磁石24Aと、S極の磁石24Bとは、磁界を遮断しない外装部品22により隔てられる。
【0032】
可変抵抗方式に係る構成を有する操作装置では、操作リング20の回転に応じてN極の磁石24Aが移動し、磁気吸引力によってS極の磁石24Bが移動し、摺動子26が、S極の磁石24Bと共に移動する。可変抵抗28の抵抗値は、摺動子26の位置によって変わり、可変抵抗方式に係る構成を有する操作装置では、摺動子26の位置、すなわち可変抵抗28の抵抗値に応じた信号が、ユーザの回転操作に応じた信号として用いられる。
【0033】
ここで、可変抵抗方式が用いられる場合には、長さが有限である可変抵抗において、操作の検出に係る分解能を満たす必要がある。しかしながら、可変抵抗方式が用いられる場合には、メカ設計で工夫を凝らしたとしても、操作の検出に係る分解能を、フォーカスの調整などに用いることができる程、小さくすることは困難である。
【0034】
[1−2]本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成
図4は、本実施形態に係る操作装置100における2相の信号の出力に係る構成の一例を示す説明図である。
図4に示すAは、例えば、
図1に示す操作装置100の操作リング102部分における、
図1における奥行方向の断面を概略的に示している。また、
図4に示すBは、例えば、
図1に示す操作装置100の操作リング102部分における、
図1における垂直方向の断面の一部を概略的に示している。
【0035】
操作装置100は、例えば、リング状の磁石104と、センサ部106とを備える。
【0036】
リング状の磁石104は、N極の磁石とS極の磁石とがリングの円周方向に交互に配置され、ユーザの回転操作に応じて回転する。つまり、リング状の磁石104は、多極に着磁されている、リング状の磁石である。
図4の例では、リング状の磁石104は、操作リング102に対するユーザの回転操作によって、操作リング102と共に移動する。
【0037】
センサ部106は、磁界を検出し、検出される磁界に応じた信号を出力する。また、センサ部106は、位相が異なる2相の信号を出力する。ここで、センサ部106は、例えば
図4に示すように、リング状の磁石104と接しないように配置され、リング状の磁石104の磁力により移動しない。
【0038】
より具体的には、センサ部106は、例えば、2相の信号を出力する1つのセンサで構成される。また、センサ部106は、2相の信号のうちの一方の信号(以下、「A相の信号」、または単に「A相」と示す場合がある。)を出力するセンサと、2相の信号のうちの他方の信号(以下、「B相の信号」、または単に「B相」と示す場合がある。)を出力するセンサとの2つのセンサで構成される。
【0039】
以下では、センサ部106が、A相の信号を出力するセンサと、B相の信号を出力するセンサと
の2つのセンサで構成される場合を例に挙げる。なお、センサ部106が、2相の信号を出力する1つのセンサで構成される場合は、当該センサは、A相の信号を出力するセンサおよびB相の信号を出力するセンサの機能を有していることに相当する。よって、センサ部106が、2相の信号を出力する1つのセンサで構成される場合であっても、センサ部106から出力される2相の信号は、下記に示す例と同様である。
【0040】
センサ部106を構成するセンサとしては、例えば、ホールセンサが挙げられる。なお、センサ部106を構成するセンサは、リング状の磁石104と接しない状態で、リング状の磁石104が発生させる磁界を検出することが可能な、任意の方式のセンサであってもよい。
【0041】
また、センサ部106は、例えばコンパレータ(図示せず)を有し、ホールセンサから出力される、検出された磁界に応じたアナログ信号を、ハイレベルの信号またはローレベルの信号という検出された磁界に対応する信号レベルの信号(デジタル信号)に変換して、当該検出された磁界に対応する信号レベルの信号を出力する。ここで、リング状の磁石104が、
図4のAに示すようにN極の磁石とS極の磁石とが円周方向に交互に配置される構成である場合には、センサ部106は、磁極に応じた信号レベルの信号(デジタル信号)を出力する。センサ部106は、例えばラッチ回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。
【0042】
なお、本実施形態に係るセンサ部106の構成は、コンパレータ(図示せず)などを有する構成に限られない。例えば、本実施形態に係るセンサ部106は、コンパレータ(図示せず)などを有さずに、ホールセンサなどにより検出された磁界に応じたアナログ信号を出力する構成であってもよい。本実施形態に係るセンサ部106がコンパレータ(図示せず)を有さない場合には、例えば、センサ部106の外部のコンパレータ(図示せず)においてアナログ信号が変換されることによって、検出された磁界に対応する信号レベルの信号が得られることとなる。
【0043】
以下では、本実施形態に係るリング状の磁石が、
図4のAに示すようなN極の磁石とS極の磁石とが円周方向に交互に配置される構成であり、本実施形態に係るセンサ部106が、検出された磁界に対応する信号レベルの信号として、磁極に応じた信号レベルの信号を出力する場合を主に例に挙げる。なお、本実施形態に係るリング状の磁石が、後述する他の構成をとる場合であっても、センサ部106は、下記に示す例と同様に、検出される磁界に応じた信号に基づく信号レベルの信号を、2相の信号として出力することが可能である。
【0044】
図5、
図6は、本実施形態に係る操作装置100が備えるセンサ部106から出力される2相の信号の一例を説明するための説明図である。
図5は、センサ部106から出力されるA相の信号およびB相の信号(2相の信号)の一例を示している。また、
図6は、
図5に示す“I”、“II”、“III”、“IV”それぞれにおける、リング状の磁石104と、センサ部106との位置関係の一例を示している。
【0045】
センサ部106は、例えば
図5に示すように、90度位相がずれた2相の信号を出力する。なお、A相の信号とB相の信号との位相差が、90度に限られないことは、言うまでもない。
【0046】
また、センサ部106を構成する2つのセンサは、例えば
図6のA、
図6のCに示すように、同一磁極の磁界を同時に検出されるように、または、例えば
図6のB、
図6のDに示すように、異なる磁極の磁界を同時に検出されるように、配置される。
【0047】
図7は、本実施形態に係る操作装置100が備えるセンサ部106から出力される2相の信号の他の例を説明するための説明図である。
図7のAに示す信号と、
図7のBに示す信号とは、2相の信号のうちの片方の信号(A相の信号またはB相の信号)の一例を示している。
【0048】
センサ部106は、例えば、構成するセンサにより検出された磁界に応じたアナログ信号をラッチして、磁極に応じた信号レベルの信号を出力する。よって、センサ部106からは、回転操作に応じた磁極の変化数に対応する波形の信号が出力される。例えば、
図7のA、および
図7のBに示すように、ユーザが操作リング102をゆっくり回した場合における、センサ部106から出力される信号における信号レベルの変化数(
図7のA)は、ユーザが操作リング102を早く回した場合における当該信号レベルの変化数(
図7のB)よりも少なくなる。
【0049】
センサ部106からは、例えば
図5に示すような、位相が異なる2相の信号が出力され、また、各相の信号は、
図7に示すように、ユーザの回転操作に応じた波形を有する。センサ部106が、例えば上記のような2相の信号を出力し、処理部(後述する)や外部の処理装置において、当該2相の信号が処理されることによって、ユーザ操作に応じた処理が実現される。なお、処理部(後述する)や外部の処理装置における処理の一例については、後述する。
【0050】
再度
図4を参照して、操作装置100における2相の信号の出力に係る構成の一例について説明する。操作装置100は、例えば、
図4のBに示すように、リング状の磁石104とセンサ部106とを隔てる隔壁108を備えていてもよい。隔壁108は、例えばチタンなどの、リング状の磁石104から発生される磁界を遮断しない、任意の物質で構成される。また、隔壁108は、操作装置100の外装部品であってもよい。
【0051】
センサ部106は、上述したように、例えばホールセンサなどの、リング状の磁石104と接しない状態で、リング状の磁石104が発生させる磁界を検出することが可能なセンサで構成される。よって、操作装置100が隔壁108を備える場合であっても、センサ部106は、検出される磁極に応じた2相の信号を出力することが可能である。なお、仮に、操作装置100が隔壁108を備えない場合であっても、センサ部106は、検出される磁極に応じた2相の信号を出力することが可能であることは、言うまでもない。
【0052】
また、操作装置100が隔壁108を備える場合には、リング状の磁石104とセンサ部106とが、別空間に隔離される。よって、隔壁108を備えることによって、操作装置100では、センサ部106や後述するレンズユニットなどを、気密性、防水性が高い密閉構造内に配置することが可能となる。したがって、隔壁108を備えることによって、操作装置100では、オートクレーブ滅菌が行われる場合においても、センサ部106や後述するレンズユニットなどが破損することを防止することが可能な構成が実現される。つまり、隔壁108を備えることによって、操作装置100は、例えばオートクレーブ滅菌に対する耐久性を有することが可能となる。
【0053】
操作装置100は、例えば
図4に示す構成によって、位相が異なる2相の信号を出力する。
【0054】
なお、本実施形態に係る2相の信号を出力することが可能な構成は、
図4に示す構成に限られない。
【0055】
例えば、オートクレーブ滅菌に対する耐久性が求められない機器へ適用される場合には、操作装置100は、隔壁108を備えない構成をとることも可能である。
【0056】
また、操作装置100は、
図4のAに示す構成(N極の磁石とS極の磁石とが円周方向に交互に配置される構成)とは異なる構成のリング状の磁石を備えていてもよい。
【0057】
図8は、本実施形態に係る操作装置100における2相の信号の出力に係る構成の他の例を示す説明図である。
図8に示すAは、例えば
図1に示す操作装置100の操作リング102を構成するリング状の磁石の他の例を示しており、
図8に示すBは、
図8に示すAに示すリング状の磁石の断面の一部を概略的に示している。
【0058】
図8に示すリング状の磁石は、着磁部110と空隙112とがリングの円周方向に交互に配置される。空隙112は、例えば、リング状の磁石を構成する部材に穴を空けることによって、形成される。
【0059】
着磁部110は、
図8のBに示すように、リングの径方向にN極とS極とが着磁された構成を有する。なお、
図8のBでは、着磁部110の磁極が、リングの外側がS極であり、リングの内側がN極である例を示しているが、本実施形態に係る着磁部の構成は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る着磁部の磁極は、リングの外側がN極であり、リングの内側がS極であってもよい。
【0060】
リング状の磁石が
図8に示す構成(着磁部110と空隙112とがリングの円周方向に交互に配置される構成)をとる場合、センサ部106は、磁界を検出し、検出される磁界に応じた信号を出力する。また、センサ部106は、上述したように、位相が異なる信号を出力することによって、2相の信号を出力する。
【0061】
図9は、本実施形態に係る操作装置100が備えるセンサ部106から出力される信号の一例を説明するための説明図である。
図9は、リング状の磁石が
図8に示す構成をとる場合においてセンサ部106から出力される信号の一例を示しており、
図9では、センサ部106が出力する2相の信号のうちの1相の信号を代表的に示している。
【0062】
センサ部106では、磁界を検出することによって、検出範囲内に位置する着磁部110または空隙112に応じて、例えば
図9のAに示すような波形の信号(アナログ信号)が得られる。
図9に示す例では、
図9に示す“極”が、検出範囲内に着磁部110が位置する場合を示しており、
図9に示す“空”が、検出範囲内に空隙112が位置する場合を示している。
【0063】
センサ部106は、例えば、閾値THが設定されているコンパレータ(図示せず)によって、検出された磁界に応じたアナログ信号を、例えば
図9のBに示すような、ハイレベルの信号またはローレベルの信号という検出された磁界に対応する信号レベルの信号(デジタル信号)に変換する。そして、センサ部106は、検出された磁界に対応する信号レベルの信号を出力する。
【0064】
なお、上述したように、本実施形態に係るセンサ部106の構成は、コンパレータ(図示せず)などを有する構成に限られない。例えば、本実施形態に係るセンサ部106は、コンパレータ(図示せず)などを有さず、例えば
図9のAに示すようなアナログ信号を出力する構成であってもよい。
【0065】
上記のように、本実施形態に係る操作装置100が、
図8に示す構成のリング状の磁石(着磁部110と空隙112とがリングの円周方向に交互に配置される構成のリング状の磁石)を備える場合であっても、操作装置100は、
図4に示す構成のリング状の磁石(N極の磁石とS極の磁石とが円周方向に交互に配置される構成)を備える場合と同様に、位相が異なる2相の信号を出力することができる。つまり、本実施形態に係る操作装置100は、例えば、リングの円周方向に着磁された構成を有するリング状の磁石(
図4に示す構成のリング状の磁石)と、リングの径方向に着磁された構成を有するリング状の磁石(
図8に示す構成のリング状の磁石)とを、備えることが可能である。
【0066】
[2]本実施形態に係る2相の信号に基づく処理
次に、本実施形態に係る2相の信号に基づく処理の一例について、説明する。以下では、本実施形態に係る2相の信号に基づく処理を、操作装置100が備える処理部(図示せず)が行う場合を例に挙げる。なお、後述する本実施形態に係る2相の信号に基づく処理が、外部の処理装置において行われる場合であっても、外部の処理装置では、後述する処理部(図示せず)が行う処理と同様の処理が行われる。
【0067】
また、以下では、本実施形態に係るリング状の磁石が、
図4のAに示すようなN極の磁石とS極の磁石とが円周方向に交互に配置される構成であり、センサ部106が、検出された磁界に対応する信号レベルの信号として、磁極に応じた信号レベルの信号を出力する場合を例に挙げる。
【0068】
本実施形態に係る処理部は、センサ部106から出力される2相の信号に基づいて、処理を実行する。ここで、センサ部106から出力される2相の信号が、例えば
図5に示すような、磁極に応じた信号レベルの信号(デジタル信号)である場合には、本実施形態に係る処理部は、センサ部106から出力される2相の信号をそのまま処理に用いる。また、センサ部106から出力される2相の信号が、例えばホールセンサなどから出力される、検出される磁界に応じた信号(アナログ信号)である場合には、本実施形態に係る処理部は、例えば、コンパレータにより当該磁界に応じた信号が変換された、当該磁界に応じた信号に基づく磁極に応じた信号レベルの信号を、処理する。
【0069】
本実施形態に係る処理部は、例えば、MPU(Micro Processing Unit)などの演算回路で構成されるプロセッサで構成される。また、本実施形態に係る処理部は、コンパレータやラッチ回路などの各種回路を備えていてもよい。
【0070】
[2−1]本実施形態に係る処理部における処理の第1の例
本実施形態に係る処理部は、A相の信号(2相の信号のうちの一方の信号)と、B相の信号(2相の信号のうちの他方の信号)とのうち、先に信号レベルが変化した信号に基づいて、回転方向を特定する。
【0071】
図5に示す2相の信号を例に挙げて説明する。例えば、
図5に示す“I”の状態または
図5に示す“III”の状態から、A相の信号が、B相の信号よりも先に信号レベルが、LowレベルからHighレベル、または、HighレベルからLowレベルに変化した場合には、本実施形態に係る処理部は、回転方向が、
図5に示す“1”の方向であると特定する。また、例えば、
図5に示す“I”の状態または
図5に示す“III”の状態から、B相の信号が、A相の信号よりも先に信号レベルが、LowレベルからHighレベル、または、HighレベルからLowレベルに変化した場合には、本実施形態に係る処理部は、回転方向が、
図5に示す“2”の方向であると特定する。なお、上記では、
図5に示す“I”の状態または
図5に示す“III”の状態を起点とした例を示したが、
図5に示す“II”の状態または
図5に示す“IV”の状態が起点となる場合でも、本実施形態に係る処理部は、先に信号レベルが変化した信号に基づき、回転方向を特定することが可能である。
【0072】
そして、本実施形態に係る処理部は、特定された回転方向に対応する処理を実行する。例えば、本実施形態に係る処理部は、“回転方向”と、“実行する処理の内容やパラメータ”とが対応付けられているテーブル(またはデータベース)などを参照し、特定された回転方向に対応付けられている処理を、特定された回転方向に対応付けられているパラメータで実行する。
【0073】
例えば、
図5に示す“1”の方向であると特定された場合には、本実施形態に係る処理部は、ズームイン処理を行い、
図5に示す“2”の方向であると特定された場合には、本実施形態に係る処理部は、ズームアウト処理を行う。ズームイン処理や、ズームアウト処理を行う場合、本実施形態に係る処理部は、例えば、撮像に係るレンズを制御するアクチュエータに対して、制御信号を伝達し、当該アクチュエータの動作を制御する。
【0074】
また、例えば、
図5に示す“1”の方向であると特定された場合には、本実施形態に係る処理部は、画像の逆再生に係る処理(画像を、時間を巻き戻す方向に再生させる処理)を行い、
図5に示す“2”の方向であると特定された場合には、本実施形態に係る処理部は、画像の順再生(画像を時間を進める方向に再生させる処理)を行う。
【0075】
第1の例に係る処理を行う本実施形態に係る処理部は、本実施形態に係る処理部の外部のデバイスの動作を制御こと、または、本実施形態に係る処理部において処理を行うことによって、ユーザ操作に応じた2相の信号に基づく処理を行う。なお、第1の例に係る処理の例が、ズームに係る処理や、画像の再生に係る処理に限られないことは、言うまでもない。
【0076】
ここで、上記特定された回転方向に対応付けられている処理としては、予め設定されている処理が挙げられる。
【0077】
なお、上記特定された回転方向に対応付けられている処理は、上記に限られない。例えば、上記特定された回転方向に対応付けられている処理は、処理を選択するユーザ操作に基づき設定された処理であってもよい。例えば、操作装置100が備える、処理を選択するユーザ操作が可能な操作部(後述する)や、リモート・コントローラなどの操作装置100の外部の操作装置に対する、処理を選択するユーザ操作に応じた操作信号に基づいて、本実施形態に係る処理部は、上記テーブルなどに処理を設定する。
【0078】
つまり、本実施形態に係る処理部は、予め設定されている処理、または、処理を選択するユーザ操作に基づき設定された処理を、特定された回転方向に対応する処理として実行することができる。また、本実施形態に係る処理部が、処理を選択するユーザ操作に応じた操作信号に基づく処理を、特定された回転方向に対応する処理として実行する場合には、ユーザは、例えば操作リング102などの回転操作が可能な1つの操作デバイスを用いて、本実施形態に係る処理部などに複数の機能に対応する処理を行わせることが可能となる。
【0079】
[2−2]本実施形態に係る処理部における処理の第2の例
本実施形態に係る処理部は、所定の単位時間における、A相の信号(2相の信号のうちの一方の信号)の信号レベルの変化数、または、B相の信号(2相の信号のうちの他方の信号)の信号レベルの変化数を特定する。所定の単位時間は、予め設定された固定の時間であってもよいし、ユーザ操作などに基づいて設定可能な可変の時間であってもよい。
【0080】
そして、本実施形態に係る処理部は、特定された信号レベルの変化数に対応する処理速度で処理を実行する。例えば、本実施形態に係る処理部は、“信号レベルの変化数”と、“実行する処理のパラメータ”とが対応付けられているテーブル(またはデータベース)などを参照し、特定された信号レベルの変化数に対応付けられているパラメータで、設定されている処理を実行する。
【0081】
ここで、本実施形態に係る処理部が実行する処理としては、例えば、予め設定されている処理、または、処理を選択するユーザ操作に基づき設定された処理が挙げられる。本実施形態に係る処理部は、例えば、操作装置100が備える、処理を選択するユーザ操作が可能な操作部(後述する)や、リモート・コントローラなどの操作装置100の外部の操作装置に対する、処理を選択するユーザ操作に応じた操作信号に基づいて、実行する処理を設定する。本実施形態に係る処理部が、処理を選択するユーザ操作に応じた操作信号に基づく処理を、設定して実行する場合には、ユーザは、例えば操作リング102などの回転操作が可能な1つの操作デバイスを用いて、本実施形態に係る処理部などに複数の機能に対応する処理を行わせることが可能となる。
【0082】
また、第2の例に係る処理を行う本実施形態に係る処理部は、第1の例に係る処理を行う場合と同様に、例えば、本実施形態に係る処理部の外部のデバイスの動作を制御こと、または、本実施形態に係る処理部において処理を行うことによって、ユーザ操作に応じた2相の信号に基づく処理を行う。
【0083】
図7に示す信号を例に挙げて説明する。本実施形態に係る処理部は、
図7のAに示すように信号レベルの変化数が少ない場合と、
図7のBに示すように信号レベルの変化数が多い場合とで、処理速度を変える。設定されている処理が、フォーカス処理である場合を例に挙げると、
図7のAに示すように信号レベルの変化数が少ない場合には、フォーカスの調整速度は、
図7のBに示すように信号レベルの変化数が多い場合よりも、遅くなる。逆に、
図7のBに示すように信号レベルの変化数が多い場合には、フォーカスの調整速度は、
図7のAに示すように信号レベルの変化数が少ない場合よりも、早くなる。
【0084】
よって、大きく画像がボケている場合は、ユーザは、操作リング102を早く回転させることによってピント位置を大きく変えさせ、より短時間にフォーカスを調整させることができる。また、フォーカスを細やかに調整する場合には、ユーザは、操作リング102をゆっくり回転させることによってピント位置を少しずつ変えさせ、所望の位置に正確にフォーカス調整を行うことが可能となる。
【0085】
したがって、本実施形態に係る処理部が、第2の例に係る処理を行うことによって、ユーザの回転操作のスピードに応じた可変の処理速度で処理が行われるので、迅速と精緻という相反する制御が両立した、より操作性の高い操作感覚を、ユーザに対して与えることが可能となる。
【0086】
[2−3]本実施形態に係る処理部における処理の第3の例
本実施形態に係る処理部は、上記第1の例に係る処理と上記第2の例に係る処理とを組み合わせた処理を行うことも可能である。
【0087】
[2−4]本実施形態に係る処理部における処理の第4の例
本実施形態に係る処理部は、上記第1の例に係る処理〜上記第3の例に係る処理のいずれかの処理に加え、さらに、実行している処理に関する情報をユーザに対して通知させてもよい。
【0088】
本実施形態に係る処理部は、例えば、ズーム倍率やフォーカス領域などの処理の状態(通知される実行している処理に関する情報の一例)を、文字やインジケータ、任意のユーザインタフ
ェースによって、視覚的にユーザに通知する。また、本実施形態に係る処理部は、例えば、ズーム倍率などの処理の状態(通知される実行している処理に関する情報の一例)を、スピーカなどの音声出力デバイスから音声(音楽も含む。)を出力させることによって、聴覚的にユーザに通知してもよい。また、本実施形態に係る処理部は、視覚的および聴覚的に、実行している処理に関する情報をユーザに通知することも可能である。
【0089】
なお、本実施形態に係る実行している処理に関する情報の例は、上記に限られない。また、本実施形態に係る実行している処理に関する情報の通知方法は、上記に示す例に限られず、本実施形態に係る処理部は、実行している処理に関する情報をユーザに対して通知させることが可能な、任意の方法を用いることが可能である。
【0090】
[3]本実施形態に係る操作装置の構成
次に、上述した本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成を含む、本実施形態に係る操作装置の構成の一例について、
図1に示す操作装置100(医療用の内視鏡の制御や調整に用いられる操作装置)を例に挙げて、説明する。
【0091】
図10、
図11は、本実施形態に係る操作装置100の構成の一例を示す説明図である。
図10は、
図1に示す操作装置100の一部分の分解斜視図を示している。また、
図11は、
図1に示す操作装置100における垂直方向の断面図を示している。
【0092】
操作装置100は、例えば、操作リング102と、リング状の磁石104と、センサ部106と、ヨーク114と、レンズユニット116と、イメージセンサ118と、操作ボタン120A、120B、120Cとを備える。ここで、例えば、リング状の磁石104、およびセンサ部106が、上述した本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成に相当する。
【0093】
また、操作装置100は、上述した本実施形態に係る2相の信号に基づく処理を行うことが可能な処理部(図示せず)を備えていてもよい。なお、処理部(図示せず)は、例えばレンズユニット116に含まれるなど、他の構成要素に含まれていてもよい。また、操作装置100が、処理部(図示せず)を備えない場合、処理部(図示せず)と同様の機能を有する外部の処理装置において、本実施形態に係る2相の信号に基づく処理が行われてもよい。
【0094】
また、操作装置100は、例えば、画像データを記憶することが可能な記録媒体や、外部装置と無線または有線で通信を行うことが可能な、任意の通信方式の通信デバイスなどを備えていてもよい。
【0095】
操作リング102は、上述したように、時計回り方向、または反時計回り方向に、自由に回転する。また、操作リング102とリング状の磁石104とは結合され、操作リング102に対する回転操作に応じた操作リング102の回転に伴い、リング状の磁石104も回転する。
【0096】
リング状の磁石104は、例えば
図4のAに示すように、N極の磁石とS極の磁石とが交互に配置され、ユーザの回転操作に応じて回転する。
【0097】
センサ部106は、磁界を検出し、例えば90度位相がずれた2つの信号など、位相が異なる2相の信号を出力する。センサ部106は、例えば
図5に示すように、検出される磁界に応じた信号に基づく磁極に応じた信号レベルの信号を、2相の信号として出力する。センサ部106から出力される、磁極に応じた信号レベルの2相の信号は、HighレベルとLowレベルとの間の信号レベルの変化によって、磁極の変化を示す。
【0098】
センサ部106は、例えば、2相の信号を出力可能な1つのセンサ、または、1相の信号をそれぞれ出力する2つのセンサを含む。また、センサ部106は、コンパレータやラッチ回路などをさらに備えていてもよい。
【0099】
ヨーク114は、リング状の磁石104から発生される磁界を遮断する素材で構成され、リング状の磁石104の磁力が、操作装置100の外に漏れることを防ぐ役目を果たす。ヨーク114を備えることによって、操作装置100が、磁気の影響を受けやすい機器に接近しても、リング状の磁石104から発生される磁界が当該機器に影響を与えてしまうことが防止される。
【0100】
レンズユニット116は、例えば、レンズや、レンズを制御するアクチュエータを含む。アクチュエータには、例えば、本実施形態に係る2相の信号に基づく処理結果に基づく制御信号が処理部(図示せず)から伝達され、当該制御信号に基づき駆動する。処理部(図示せず)が、例えば上記のように、本実施形態に係る2相の信号に基づく処理結果に基づく制御信号をアクチュエータに伝達することによって、ユーザの回転操作に応じたズームなどが実現される。
【0101】
イメージセンサ118は、受光した光を光電変換して、画像を生成する。イメージセンサ118は、例えば、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)やCCD(Charge Coupled Device)などの撮像素子で構成される。
【0102】
操作ボタン120A、120B、120Cは、処理を選択するユーザ操作など、ユーザが操作可能な操作部の役目を果たす。ユーザが、例えば、操作ボタン120A、120B、120Cを用いた処理の選択操作を行うことによって、実行させる処理が設定される。また、ユーザは、操作リング102を用いて回転操作を行うことによって、設定された処理に係る機能の制御や調整を行うことができる。
【0103】
操作ボタン120A、120B、120Cを用いた処理の選択操作としては、例えば、AFモードとMFモードとを切り替えるモード切替操作や、各種「処理の状態」を切り替える状態切替操作などが挙げられる。操作ボタン120A、120B、120Cが、
図11に示すように操作リング102の近傍(例えば、操作リング102を操作しながら、人差し指や親指によって操作ボタン120A、120B、120Cを操作できる位置)に設けられることによって、ユーザは、片手で操作リング102を用いた回転操作と、操作ボタン120A、120B、120Cを用いた操作とを行うことが可能となる。一例を挙げると、ユーザは、操作リング102と、操作ボタン120A、120B、120Cとを用いることによって、モード切替操作と操作リング102の操作とを、片手で行うことができる。
【0104】
上記のように、例えば操作ボタン120A、120B、120Cを用いたユーザの処理の選択操作によって、操作リング102を用いたユーザの回転操作に応じて実行させる処理を設定することが可能であるので、操作装置100では、操作リング102を用いたユーザの回転操作により実行される処理の切り替えが、実現される。つまり、ユーザは、操作リング102を用いて複数の機能の制御や調整を行うことができる。
【0105】
よって、例えば、操作装置100が用いられる場合には、下記のようなことを実現することができるので、操作装置100は、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
・手術中の医者(ユーザの一例)が、処理の選択操作によって、“撮像機能に係る処理(例えば、ズームやフォーカスなどに係る処理)”から“撮像された画像の再生機能に係る処理(例えば、撮像された画像の選択や、再生開始、巻き戻し、早送りなどに係る処理)”へと切り替えることによって、操作装置100を、画像再生に係る別の操作機器に持ち替えることなく、撮像された画像を確認することができる。
【0106】
また、操作リング102を用いて複数の機能の制御や調整を行うことが可能となることによって、機能の制御や調整に係る操作デバイスの数を削減することができ、本実施形態に係る操作装置の小型化を図ることができる。
【0107】
操作装置100は、例えば
図11に示すように、上述した本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成(リング状の磁石104、およびセンサ部106)を有する。ここで、上述した本実施形態に係る2相の信号に基づく処理に示すように、本実施形態に係る2相の信号に基づいて、ユーザの回転操作に応じた処理が行われる。よって、操作装置100は、例えば
図11に示す構成によって、ユーザ操作に応じた処理を行わせることができる。
【0108】
また、操作装置100は、例えば操作ボタン120A、120B、120Cを用いたユーザの処理の選択操作によって、操作リング102を用いたユーザの回転操作により実行される処理を切り替えることができる。よって、ユーザは、操作リング102を用いて複数の機能の制御や調整を行うことができるので、操作装置100は、ユーザの利便性を向上させることができ、また、操作装置100の小型化を図ることができる。
【0109】
また、操作装置100は、処理部(図示せず)において上記[2−2]に示す第2の例に係る処理を行うことによって、迅速と精緻という相反する制御が両立した、より操作性の高い操作感覚を、ユーザに対して与えることができる。
【0110】
なお、本実施形態に係る操作装置の構成は、
図10、
図11に示す構成に限られない。
【0111】
例えば、本実施形態に係る操作装置は、レンズユニット116や、イメージセンサ118、操作ボタン120A、120B、120Cなどの、上述した本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成(リング状の磁石104、およびセンサ部106)以外の構成を備えず、当該上述した本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成以外の構成が、操作装置の外部装置であってもよい。また、本実施形態に係る操作装置は、操作リング102や、ヨーク114を備えない構成をとることも可能である。
【0112】
また、本実施形態に係る操作装置は、処理部(図示せず)を備えず、処理部(図示せず)と同様の機能を有する外部の処理装置において、本実施形態に係る2相の信号に基づく処理が行われてもよい。上記の場合には、上述した本実施形態に係る2相の信号の出力に係る構成を有する本実施形態に係る操作装置と、上述した本実施形態に係る2相の信号に基づく処理を行う外部の処理装置とを有する、操作システムによって、上述した操作装置100が奏する効果と同様の効果が、奏される。
【0113】
また、本実施形態に係る操作装置は、ユーザが操作リング102を用いて回転操作を行う際に、ユーザに対して所定の操作感を与えるための部材(例えば、回転のしやすさを調整するための部材など)をさらに備えていてもよい。本実施形態に係る操作装置は、センサ部106が、リング状の磁石104と接しないように配置されるので、上記所定の操作感を与えるための部材をさらに設けることが可能である。
【0114】
(本実施形態に係るプログラム)
コンピュータを、本実施形態に係る処理部(または、本実施形態に係る処理装置)として機能させるためのプログラム(例えば、上記[2−1]に示す第1の例に係る処理〜上記[2−4]に示す第4の例に係る処理など、上述した本実施形態に係る2相の信号に基づく処理を実行することが可能なプログラム)が、コンピュータにおいてプロセッサなどにより実行されることによって、ユーザ操作に応じた本実施形態に係る2相の信号に基づく処理を行うことができる。
【0115】
また、コンピュータを、本実施形態に係る処理部(または、本実施形態に係る処理装置)として機能させるためのプログラムが、コンピュータにおいてプロセッサなどにより実行されることによって、上述した本実施形態に係る2相の信号に基づく処理によって奏される効果を、奏することができる。
【0116】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0117】
例えば、上記では、コンピュータを、本実施形態に係る処理部(または、本実施形態に係る処理装置)として機能させるためのプログラム(コンピュータプログラム)が提供されることを示したが、本実施形態は、さらに、上記プログラムを記憶させた記録媒体も併せて提供することができる。
【0118】
上述した構成は、本実施形態の一例を示すものであり、当然に、本開示の技術的範囲に属するものである。
【0119】
また、本明細書に記載された効果は、あくまで説明的または例示的なものであって限定的ではない。つまり、本開示に係る技術は、上記の効果とともに、または上記の効果に代えて、本明細書の記載から当業者には明らかな他の効果を奏しうる。
【0120】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
円周方向、または径方向に着磁され、ユーザの回転操作に応じて回転するリング状の磁石と、
磁界を検出し、検出される磁界に応じた信号を出力するセンサ部と、
を備え、
前記センサ部は、位相が異なる2相の信号を出力する、医療機器用の操作装置。
(2)
前記センサ部は、検出される磁界に応じた信号に基づく信号レベルの信号を、前記2相の信号として出力する、(1)に記載の医療機器用の操作装置。
(3)
前記リング状の磁石では、N極の磁石とS極の磁石とが前記円周方向に交互に配置される、(1)に記載の医療機器用の操作装置。
(4)
前記リング状の磁石では、前記径方向にN極とS極とが着磁された着磁部と、空隙とが前記円周方向に交互に配置される、(1)に記載の医療機器用の操作装置。
(5)
前記センサ部は、前記リング状の磁石と接しないように配置され、前記リング状の磁石の磁力により移動しない、(1)〜(4)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(6)
前記リング状の磁石と前記センサ部とを隔て、磁界を遮断しない隔壁をさらに備える、(1)〜(5)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(7)
前記センサ部は、前記2相の信号を出力する1つのセンサで構成される、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(8)
前記センサ部は、前記2相の信号のうちの一方の信号を検出するセンサと、前記2相の信号のうちの他方の信号を検出するセンサとの2つのセンサで構成される、(1)〜(6)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(9)
前記リング状の磁石では、N極の磁石とS極の磁石とが前記円周方向に交互に配置され、
前記センサ部を構成する2つのセンサは、同一磁極の磁界、または、異なる磁極の磁界を同時に検出する、(8)に記載の医療機器用の操作装置。
(10)
前記センサ部は、90度位相がずれた前記2相の信号を出力する、(1)〜(9)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(11)
前記2相の信号に基づいて、処理を実行する処理部をさらに備え、
前記2相の信号が、前記検出される磁界に応じた信号である場合には、前記検出される磁界に応じた信号に基づく信号レベルの信号を処理する、(1)〜(10)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(12)
前記処理部は、
前記2相の信号のうちの一方の信号と、前記2相の信号のうちの他方の信号とのうち、先に信号レベルが変化した信号に基づいて、回転方向を特定し、
特定された回転方向に対応する処理を実行する、(11)に記載の医療機器用の操作装置。
(13)
前記処理部は、所定の単位時間における、前記2相の信号のうちの一方の信号の信号レベルの変化数、または、前記2相の信号のうちの他方の信号の信号レベルの変化数を特定し、
特定された信号レベルの変化数に対応する処理速度で処理を実行する、(11)、または(12)に記載の医療機器用の操作装置。
(14)
前記処理部は、予め設定されている処理、または、処理を選択するユーザ操作に基づき設定された処理を実行する、(11)〜(13)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。
(15)
前記処理を選択するユーザ操作が可能な操作部をさらに備え、
前記処理部は、前記操作部に対する前記処理を選択するユーザ操作に応じた操作信号に対応する処理を設定し、設定された処理を実行する、(14)に記載の医療機器用の操作装置。
(16)
前記処理部は、実行している処理に関する情報を、ユーザに対して通知させる、(11)〜(15)のいずれか1つに記載の医療機器用の操作装置。