(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該ポリオール(A1)が(A1−2)炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸の多量体であり、該多量体はダイマー、トリマー、及びテトラマーから選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の塗料組成物。
該ポリオール(A1)が(A1−3)炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を還元したポリオールであり、該多量体はダイマー、トリマー、及びテトラマーから選択される1種又は2種以上である請求項1に記載の塗料組成物。
該ポリオール(A1)が、(A1−4)炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)及び/又は炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)を水酸基変性したポリオールであり、該水酸基変性したポリオールが、成分(a1−4−1)及び/又は(a1−4−2)中の不飽和基をエポキシ化させて一価又は多価アルコールとを応させたものである請求項1に記載の塗料組成物。
被塗物が、プラスチック若しくは金属の基材、該基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層したもの、該基材にエポキシ樹脂を含むプライマー塗膜を形成したもの、又は該基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層し、該ゲルコート材上にさらにエポキシ樹脂を含むプライマー塗膜を形成したものである、請求項10に記載の塗膜形成方法。
【発明を実施するための形態】
【0032】
塗料組成物
本発明は、(A)ポリオール、(B)ポリイソシアネート化合物及び(C)硬化触媒を含む塗料組成物であって、該成分(A)が、炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール(A1)を含むものであり、かつ該硬化触媒(C)が、少なくとも1つのイミダゾール環を有するイミダゾール化合物であることを特徴とする塗料組成物を提供する。
【0033】
(A)ポリオール
本発明において(A)ポリオールは、炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール(A1)を有するものであれば、特に限定されない。
【0034】
炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール(A1)
本発明において、「炭素数8以上の脂肪酸由来の構成単位を有するポリオール(A1)」とは、脂肪酸由来の構成単位を有するポリオールであって、当該ポリオールを構成する脂肪酸由来の構成単位のうち少なくとも1個が炭素数8以上であるものを示す。
【0035】
成分(A1)としては、例えば、
(A1−1)炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物
(A1−2)炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸の多量体
(A1−3)炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を還元したポリオール
(A1−4)炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)及び/又は炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)を水酸基変性したポリオール
等が挙げられる。
【0036】
成分(A1−1)を構成する炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸としては、例えば、炭素数8〜28、好ましくは10〜20、の水酸基含有脂肪酸が挙げられ、より具体的には、リシノール酸、リシネライジン酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸、12−ヒドロキシステアリン酸、セレブロン酸等の水酸基含有飽和脂肪酸等が挙げられる。これらの水酸基含有脂肪酸は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0037】
成分(A1−1)を構成する多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0038】
炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物としては、上記で列挙した炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸と、上記で列挙した多価アルコールとのエステル化物等が挙げられる。
【0039】
また、本発明の好ましい実施形態において、成分(A1−1)を含むものとしては、ひまし油、水添ひまし油等が挙げられる。ひまし油は、トウゴマの種子を原料とする植物油であって、リシノール酸、オレイン酸等の不飽和脂肪酸及びパルミチン酸等の飽和脂肪酸のグリセリドであることが知られている。ここで、リシノール酸は炭素数8以上の水酸基含有脂肪酸であるため、塗料組成物に成分(A)としてひまし油、又はその変性物である水添ひまし油を配合したものは、成分(A1−1)を含むこととなる。これらの成分(A1−1)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0040】
多量体である成分(A1−2)を構成する炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸としては、例えば、成分(A1−1)を構成する炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸の例として列挙したものを使用することができ、好ましくは、リシノール酸、リシネライジン酸等が挙げられる。
【0041】
多量体としては、特に限定されないが、ダイマー、トリマー、テトラマー等が挙げられ、ダイマーが好ましい。したがって、成分(A1−2)としては、上記で列挙した炭素数8以上の水酸基含有不飽和脂肪酸のダイマー、トリマー、テトラマー等、好ましくはダイマーが挙げられる。これらの成分(A1−2)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0042】
成分(A1−3)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を構成する炭素数8以上の不飽和脂肪酸としては例えば、炭素数8〜28、好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸が挙げられ、より具体的には、リシノール酸、リシネライジン酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレイン酸等の水酸基を有さない不飽和脂肪酸等が挙げられる。
【0043】
成分(A1−3)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体としては、炭素数8以上の不飽和脂肪酸のダイマー、トリマー、テトラマー等が挙げられ、ダイマーが好ましい。したがって、成分(A1−3)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体としては、上記で列挙した、炭素数8以上の不飽和脂肪酸のダイマー、トリマー、テトラマー等、好ましくはダイマーが挙げられる。成分(A1−3)は、上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を自体公知の方法で還元したものが挙げられる。成分(A1−3)としては、代表例として、例えば、リシノール酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸のダイマー酸の還元化物等が挙げられる。
【0044】
また、上記成分(A1−3)の、炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体を構成する炭素数8以上の不飽和脂肪酸の多量体としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、CRODA社のPRIPOL2033等が挙げられる。
【0045】
これらの成分(A1−3)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0046】
成分(A1−4)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)としては、例えば、炭素数8〜28、好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸が挙げられ、より具体的には、リシノール酸、リシネライジン酸等の水酸基含有不飽和脂肪酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エイコセン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、エイコサジエン酸、ドコサジエン酸、リノレン酸、ピノレン酸、エレオステアリン酸、ミード酸、エイコサトリエン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサテトラエン酸、アドレイン酸等の水酸基を有さない不飽和脂肪酸等が挙げられる。成分(a1−4−1)としては、上記炭素数の、水酸基を有さない不飽和脂肪酸を使用することが好ましい。
【0047】
成分(A1−4)の原料となる多価アルコールとしては、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0048】
また、成分(A1−4)の原料となる炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)としては、例えば、上記の炭素数8以上の不飽和脂肪酸と上記の多価アルコールとのエステル化物等が挙げられ、より具体的には、炭素数8〜28、好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸と多価アルコールのエステル化物等が挙げられ、さらに具体的には、炭素数8以上、好ましくは炭素数8〜28、より好ましくは10〜20の不飽和脂肪酸のグリセリドを好適に使用することができる。
【0049】
上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸のグリセリドは、例えば、油脂に含有される。従って、上記成分(A1−4)の原料として、成分(a1−4−2)を用いる場合、炭素数8以上の不飽和脂肪酸のグリセリドを含有する油脂を使用することができる。
【0050】
上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸のグリセリドを含有する油脂としては、例えば、大豆油、ひまし油、パーム油、菜種油等を好適に使用することができる。
【0051】
成分(A1−4)における上記炭素数8以上の不飽和脂肪酸(a1−4−1)及び/又は炭素数8以上の不飽和脂肪酸と多価アルコールとのエステル化物(a1−4−2)の水酸基変性は、それ自体既知の方法で行うことができる。具体的には、例えば、上記成分(a1−4−1)及び/又は(a1−4−2)中の不飽和基を過酸化物でエポキシ化した後、生成したエポキシドと一価又は多価アルコールとを反応させる方法等が挙げられる。
【0052】
上記成分(a1−4−1)及び/又は(a1−4−2)中の不飽和基をエポキシ化するための過酸化物としては、例えば、過酢酸、過酸化水素等が挙げられる。
【0053】
上記エポキシドを水酸基変性するための一価アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール等の直鎖状1級アルコール;イソプロパノール等の2級アルコール;アリルアルコール等の不飽和基含有アルコール;イソブタノール、ネオペンチルアルコール等の分岐状アルコール;シクロヘキサノール、ベンジルアルコール等の環状アルコール;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノプロピルエーテル等のエチレングリコールモノアルキルエーテル;ジエチレングリコールモノメチルエーテル等のジエチレングリコールモノアルキルエーテル;プロピレングリコールモノメチルエーテル等のプロピレングリコールモノアルキルエーテル;ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のジプロピレングリコールモノアルキルエーテル等が挙げられる。これらの一価アルコールは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。上記エポキシドを水酸基変性するための多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0054】
また、上記成分(A1−4)としては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、BASF社のSovermol750、Sovermol760、Sovermol805、Sovermol815、Sovermol819、等が挙げられる。
【0055】
これらの成分(A1−4)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0056】
また、これらの成分(A1−1)、成分(A1−2)、成分(A1−3)及び成分(A1−4)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0057】
本発明において(A)ポリオールは成分(A1)以外のポリオールを含んでいてもよい。
【0058】
本発明の好ましい実施形態において、成分(A1)以外のポリオールとしては、ポリカプロラクトンジオール、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオール、ポリカーカーボネートジオール、ポリアクリレートポリオールからなる群より選択される少なくとも1種のポリオール(A2)を用いることができる。
【0059】
ポリオール(A2)
ポリカプロラクトンポリオールは、例えば、2価〜4価の多価アルコールを開始剤として、ε−カプロラクトンを開環重合することによって得ることができる。該2価以上の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、ジトリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌル酸、ジメチロールアルカン酸とモノエポキシ化合物(例えばHEXION Specialty Chemicals社製「カージュラE10」、合成高分岐飽和脂肪酸のグリシジルエステル)を反応させて得られた多価アルコール化合物等が挙げられる。これらは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
【0060】
また、上記ポリカプロラクトンポリオールとしては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製のプラクセル200シリーズである「プラクセル205」、「プラクセル205H」、「プラクセルL205AL」、「プラクセルC205U」、「プラクセル208」、「プラクセル210」、「プラクセル210N」、「プラクセル210CP」、「プラクセル212」、「プラクセル212AL」、「プラクセル220」、「プラクセル220N」、「プラクセル220CPB」、「プラクセル220UA」、プラクセル300シリーズである「プラクセル303」、「プラクセル305」、「プラクセル308」、「プラクセル309」、「プラクセル312」、「プラクセル320」、「プラクセル320AL」、「プラクセル410」等や、ダウケミカル社製の「TONE301」、「TONE305」等を挙げることができる。
【0061】
ポリカプロラクトンポリオールの中でも、耐レインエロージョン性の観点から、水酸基価が100〜700mgKOH/g、さらに130〜600mgKOH/g、さらに特に150〜500mgKOH/gの範囲内でありまた、数平均分子量が200〜1,800の範囲内であって、1分子中に2個以上の水酸基を有するものが好ましい。
【0062】
具体的には、ポリカプロラクトンポリオールの中でも、ポリカプロラクトントリオール、ポリカプロラクトンテトラオールが好ましい。
【0063】
ポリカーボネートジオールは、例えば、ジオール成分とカルボニル化剤とを反応させることによって得ることができる。ポリカーボネートジオールを構成するカルボニル化剤としては、例えば、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ジフェニルカーボネート、ホスゲン等を挙げることができる。ポリカーボネートジオールのジオール成分としては、脂肪族ジオール、脂環族ジオール等が挙げられ、具体例としては、1,4−ブタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール等の脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジオール等の脂環族ジオール、ビス(ヒドロキシエチル)テレフタレート等のエステルジオール類やビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオールが挙げられる。
【0064】
上記ポリカーボネートジオールとしては、市販品を使用できる。市販品としては、例えば、ダイセル化学工業(株)製の「プラクセルCD CD205」、「プラクセルCD CD205PL」、「プラクセルCD CD205HL」、「プラクセルCD CD210」、「プラクセルCD CD210PL」、旭化成(株)社製の「デュラノールT5652」、「デュラノール T5651」、「デュラノール T5650J」、「デュラノール 5650E」、「デュラノール G4672」、「デュラノール T4671」、「デュラノール T4692」、「デュラノール T4691」等を挙げることができる。
【0065】
これらのポリカーボネートジオールは、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0066】
ポリカーボネートジオールの中でも、耐レインエロージョン性の観点から、水酸基価が110〜700mgKOH/g、さらに130〜600mgKOH/g、さらに特に150〜500mgKOH/gの範囲内であり、数平均分子量が200〜1,800の範囲内であるものが好ましい。
【0067】
ポリアクリレートポリオールとしては、通常、水酸基含有重合性不飽和モノマー及び該水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーを、それ自体既知の方法、例えば、有機溶媒中での溶液重合法等の方法により共重合させることによって製造することができる。
【0068】
水酸基含有重合性不飽和モノマーは、1分子中に水酸基及び重合性不飽和結合をそれぞれ1個以上有する化合物であって、具体的には、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、5−ヒドロキシペンチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート、7−ヒドロキシヘプチル(メタ)アクリレート、8−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物;該(メタ)アクリル酸と炭素数2〜8の2価アルコールとのモノエステル化物のε−カプロラクトン変性体;N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド;アリルアルコール、さらに、分子末端が水酸基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート等を挙げることができる。尚、本発明においては、後述する2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン等の紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマーは、水酸基含有重合性不飽和モノマーではなく、水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーに包含される。
【0069】
また、水酸基含有重合性不飽和モノマーと共重合可能な他の重合性不飽和モノマーとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、i−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、「イソステアリルアクリレート(商品名、大阪有機化学工業社製)」、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、Vクロドデシル(メタ)アクリレート等のアルキル又はシクロアルキル(メタ)アクリレート;イソボルニル(メタ)アクリレート等のイソボルニル基を有する重合性不飽和モノマー;アダマンチル(メタ)アクリレート等のアダマンチル基を有する重合性不飽和モノマー;スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン等のビニル芳香族化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等のアルコキシシリル基を有する重合性不飽和モノマー;パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等のパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート;フルオロオレフィン等のふっ素化アルキル基を有する重合性不飽和モノマー;マレイミド基等の光重合性官能基を有する重合性不飽和モノマー;N−ビニルピロリドン、エチレン、ブタジエン、クロロプレン、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル等のビニル化合物;(メタ)アクリル酸、マレイン酸、クロトン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等のカルボキシル基含有重合性不飽和モノマー;(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、グリシジル(メタ)アクリレートとアミン化合物との付加物等の含窒素重合性不飽和モノマー;アリル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等の重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する重合性不飽和モノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、β−メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルプロピル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等のエポキシ基含有重合性不飽和モノマー;分子末端がアルコキシ基であるポリオキシエチレン鎖を有する(メタ)アクリレート;2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸ナトリウム塩、スルホエチルメタクリレート及びそのナトリウム塩、アンモニウム塩等のスルホン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−アクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシエチルアシッドホスフェート、2−アクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート、2−メタクリロイルオキシプロピルアシッドホスフェート等のリン酸基を有する重合性不飽和モノマー;2−ヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4−(3−アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)ベンゾフェノン、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収性官能基を有する重合性不飽和モノマー;4−(メタ)アクリロイルオキシ−1,2,2,6,6−ペンタメチルピペリジン、4−(メタ)アクリロイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−(メタ)アクリロイル−4−シアノ−4−(メタ)アクリロイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−クロトノイルアミノ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、1−クロトノイル−4−クロトノイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等の紫外線安定性重合性不飽和モノマー;アクロレイン、ダイアセトンアクリルアミド、ダイアセトンメタクリルアミド、アセトアセトキシエチルメタクリレート、ホルミルスチロール、4〜7個の炭素原子を有するビニルアルキルケトン(例えば、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルブチルケトン)等のカルボニル基を有する重合性不飽和モノマー化合物等が挙げられ、これらはそれぞれ単独で若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0070】
ポリアクリレートポリオールは、低温での硬化性の点、及び得られる塗膜の耐水性の観点から、一般に30`300mgKOH/g、特に40〜250mgKOH/g、さらに特に50〜200mgKOH/gの範囲内の水酸基価を有することが好ましい。
【0071】
ポリアクリレートポリオールは、一般に3,000〜100,000、特に3,000〜50,000、さらに特に4,000〜30,000の範囲内の重量平均分子量を有することが好ましい。
【0072】
本明細書中の「重量平均分子量」、「数平均分子量」は、JIS K 0124−2011に記載の方法に準じ、ゲルパーミエーションクロマトグラフで測定したクロマトグラムから標準ポリスチレンの分子量を基準にして算出した値である。ゲルパーミエーションクロマトグラフは、「HLC8120GPC」(東ソー社製)を使用した。カラムとしては、「TSKgel G−4000HXL」、「TSKgel G−3000HXL」、「TSKgel G−2500HXL」、「TSKgel G−2000HXL」(いずれも東ソー(株)社製、商品名)の4本を用い、移動相;テトラヒドロフラン、測定温度;40℃、流速;1m1/分、検出器;RIの条件で行ったものである。
【0073】
ポリアクリレートポリオールとしては、耐レインエロージョン性の観点から、水酸基含有重合性不飽和モノマーとして、ポリカプロラクトン骨格を有する(メタ)アクリレートを共重合したもの、ヒドロキシブチルアクリレート(HBA)を共重合したものが好ましい。
【0074】
成分(A1)及び成分(A2)の使用割合は、特に限定されないが、仕上がり性及び耐レインエロージョン性の観点から、成分(A1)の配合量が、成分(A)100質量部に対して、10〜80質量部であることが好ましく、10〜70質量部であることがより好ましい。また、仕上がり性及び耐水性の観点から、成分(A2)の配合量が、成分(A)100質量部に対して、20〜90質量部であることが好ましく、30〜90質量部であることがより好ましい。これらの成分(A)は、単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0075】
成分(A1)及び(A2)以外のポリオール(A3)
本発明において(A)ポリオールは、成分(A1)及び(A2)以外のポリオール(A3)を含んでいてもよい。成分(A3)のポリオールとしては、(A1)及び(A2)に分類されないポリオール成分であって、例えば、(A1)及び(A2)以外の多価アルコール、ポリエステルポリオール、ポリアセタールポリオール、ポリエステルアミドポリオール又はポリチオエーテルポリオールやその他の水酸基含有樹脂等が挙げられる。
【0076】
上記(A1)及び(A2)以外の多価アルコールとしては、1分子中に2個の水酸基を有する化合物で、先に例示した脂肪族ジオールや芳香族ジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等のポリエーテルジオール類;グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジグリセリン、トリグリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ソルビトール、糖類、マンニット等の3価以上のアルコール;これらの3価以上のアルコールに酸無水物等を反応させたポリエステルポリオール類等が挙げられる。
【0077】
上記その他の水酸基含有樹脂としては、例えば、水酸基を有する、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキド樹脂等の樹脂が挙げられる。これらはそれぞれ単独で若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0078】
成分(A)以外のポリオール(A3)は、塗膜性能を損なわない範囲であれば含有することができる。ポリオール(A3)を配合する場合、その配合割合は、ポリオール(A)の樹脂固形分の総量を基準として、30質量%以下が好ましい。
【0079】
(B)ポリイソシアネート化合物
ポリイソシアネート化合物(B)は、1分子中に少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物であって、例えば、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、該ポリイソシアネートの誘導体等を挙げることができる。
【0080】
上記脂肪族ポリイソシアネートとしては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、1,2−ブチレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、2,4,4|又は2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、ダイマー酸ジイソシアネート、2,6−ジイソシアナトヘキサン酸メチル(慣用名:リジンジイソシアネート)等の脂肪族ジイソシアネート;2,6−ジイソシアナトヘキサン酸2−イソシアナトエチル、1,6−ジイソシアナト−3−イソシアナトメチルヘキサン、1,4,8−トリイソシアナトオクタン、1,6,11−トリイソシアナトウンデカン、1,8−ジイソシアナト−4−イソシアナトメチルオクタン、1,3,6−トリイソシアナトヘキサン、2,5,7−トリメチル−1,8−ジイソシアナト−5−イソシアナトメチルオクタン等の脂肪族トリイソシアネート等を挙げることができる。
【0081】
前記脂環族ポリイソシアネートとしては、例えば、1,3−シクロペンテンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(慣用名:イソホロンジイソシアネート)、4−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート(慣用名:水添TDI)、2−メチル−1,3−シクロヘキシレンジイソシアネート、1,3−若しくは1,4−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(慣用名:水添キシリレンジイソシアネート)若しくはその混合物、メチレンビス(4,1−シクロヘキサンジイル)ジイソシアネート(慣用名:水添MDI)、ノルボルナンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトシクロヘキサン、1,3,5−トリメチルイソシアナトシクロヘキサン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、2−(3−イソシアナトプロピル)−2,6−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、3−(3−イソシアナトプロピル)−2,5−ジ(イソシアナトメチル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−3−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン、5−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)−ヘプタン、6−(2−イソシアナトエチル)−2−イソシアナトメチル−2−(3−イソシアナトプロピル)−ビシクロ(2.2.1)ヘプタン等の脂環族トリイソシアネート等を挙げることができる。
【0082】
前記芳香族ポリイソシアネートとしては、例えば、メチレンビス(1,4−フェニレン)ジイソシアネート(慣用名:MDI)、1,3−若しくは1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、ω,ω'−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン(慣用名:テトラメチルキシリレンジイソシアネート)若しくはその混合物、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジイソシアネート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,4−TDI)若しくは2,6−トリレンジイソシアネート(慣用名:2,6−TDI)若しくはその混合物、4,4'−トルイジンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルエーテルジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート;1,3,5−トリイソシアナトメチルベンゼン、トリフェニルメタン−4,4',4''−トリイソシアネート、1,3,5−トリイソシアナトベンゼン、2,4,6−トリイソシアナトトルエン等の芳香族トリイソシアネート;4,4'−ジフェニルメタン−2,2',5,5'−テトライソシアネート等の芳香族テトライソシアネート等を挙げることができる。
【0083】
また、前記ポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記したポリイソシアネートのダイマー、トリマー、ビウレット、アロファネート、ウレトジオン、ウレトイミン、イソシアヌレート、オキサジアジントリオン、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(クルードMDI、ポリメリックMDI)、クルードTDI等を挙げることができる。
【0084】
上記ポリイソシアネート及びその誘導体は、それぞれ単独で用いてもよく又は2種以上併用してもよい。また、これらポリイソシアネートのうち、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート及びこれらの誘導体が好ましい。
【0085】
また、前記ポリイソシアネート化合物(B)としては、上記ポリイソシアネート及びその誘導体と、該ポリイソシアネートと反応し得る化合物とを、イソシアネート基過剰の条件で反応させてなるプレポリマーを使用してもよい。該ポリイソシアネートと反応し得る化合物としては、例えば、水酸基、アミノ基等の活性水素基を有する化合物が挙げられ、具体的には、例えば、多価アルコール、低分子量ポリエステル樹脂、アミン、水等を使用することができる。
【0086】
また、前記ポリイソシアネート化合物(B)としては、イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーの重合体、又は該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマーと該イソシアネート基含有重合性不飽和モノマー以外の重合性不飽和モノマーとの共重合体を使用してもよい。
【0087】
上記ポリイソシアネート化合物(B)としては、上記ポリイソシアネート化合物の有するイソシアネート基がブロック化されているブロック化ポリイソシアネート化合物を用いても良い。ブロック剤としては、例えば、フェノール化合物;ラクタム化合物;アルコール化合物;オキシム化合物;メルカプタン化合物;マロン酸ジメチル;マロン酸ジエチル等の活性メチレン化合物等を好適に使用することができる。ブロック化は、ブロックしていないポリイソシアネート化合物とブロック化剤とを混合することによって容易に行うことができる。これらのポリイソシアネート化合物は単独で又は2種以上組み合わせて用いることができ、ブロックしていないポリイソシアネート化合物とブロック化ポリイソシアネート化合物とを併用することもできる。
【0088】
ポリイソシアネート化合物(B)としては、特に耐水性の観点から、ヘキサメチレンジイソシアネート(HDI)及び/又はイソホロンジイソシアネート(IPDI)のイソシアヌレート、ビウレット、アロファネート、トリメチロールプロパン(TMP)アダクト等が好ましい。
【0089】
また、上記ポリイソシアネート化合物(B)は、耐レインエロージョン性の観点から、1分子中の平均イソシアネート官能基数が、1.9〜6、さらには2.5〜5、特に2.6〜6の範囲内であることが好ましい。
【0090】
ポリイソシアネート化合物(B)とポリオール(A)との配合割合は、仕上り性及び耐レインエロージョン性の観点から、ポリイソシアネート化合物(B)が有するイソシアネート基(NCO)とポリオール(A)が有する水酸基(OH)とのモル比が、NCO/OH=0.5/1.0〜1.5/1.0、さらに0.7/1.0〜1.3/1.0の範囲内がより好ましい。
【0091】
(C)硬化触媒
本発明は、(C)硬化触媒の少なくとも一部として、少なくとも1つのイミダゾール環を有するイミダゾール化合物を用いることを特徴とする。
【0092】
硬化触媒として、少なくとも1つのイミダゾール環を有するイミダゾール化合物を含むことにより、湿気が存在する場合においても、耐衝撃性、特に耐レインエロージョン性に優れる塗膜を形成することができる。
【0093】
上記イミダゾール化合物としては、例えば、前記一般式(I)において、R
1が、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、炭素数6〜10のアリール基又はアシル基を示し、R
2及びR
3が、各々独立して水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基、又はハロゲンを示し、R
4が、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数2〜4のアルケニル基、アリールアルキル基、置換基を有していてもよいアリール基又は下記式(II)
【0095】
(式中、R
5は、水素原子又は炭素数1〜4のアルキル基を表し、pは1〜3の整数を表す。)で示される官能基を有するものが好ましい。
【0096】
一般式(I)に含まれるR
1、R
2、R
3、R
4及びR
5は前記した通りの意味を有する。
【0097】
R
1、R
2、R
3及びR
5における、炭素数1〜4のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基等を挙げることができる。
【0098】
R
1における炭素数3〜8のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基及びシクロオクチル基が挙げられ、炭素数5〜7のシクロアルキル基が好ましい。
【0099】
R
1、R
2及びR
3における炭素数1〜4のヒドロキシアルキル基としては、例えば、上記に例示した炭素数1〜4のアルキル基に、1〜3個、好ましくは1個の水酸基が置換したもの等を挙げることができる。具体的には、例えば、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、1−メチル−2−ヒドロキシエチル基、3,3,3−トリヒドロキシプロピル基、4−ヒドロキシブチル基等が挙げられる。
【0100】
R
1における炭素数6〜10のアリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基が挙げられる。
【0101】
R
1、R
2及びR
3におけるアシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ベンゾイル基、(メタ)アクリロイル基等の炭素数1〜7のアシル基等を挙げることができる。
【0102】
R
2及びR
3におけるアルコキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、n−プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等の、カルボニル基の炭素原子に炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルコキシ基が結合した構造を挙げることができる。
【0103】
R
2及びR
3におけるハロゲンとしては、ふっ素、塩素、ホウ素、ヨウ素等を挙げることができ、好ましくは塩素等を挙げることができる。
【0104】
また、R
2とR
3が結合して芳香環構造を形成したものでもよく、具体的には、R
2とR
3が、これらの置換基が結合するイミダゾールと共に、ベンゾイミダゾールを形成すること等が挙げられる。
【0105】
R
4における炭素数1〜12のアルキル基としては、例えば、炭素数1〜4の直鎖又は分岐鎖状のアルキル基が挙げられ、より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基等を挙げることができる。
【0106】
R
4における炭素数2〜4のアルケニル基としては、ビニル基、アリル基、3−ブテニル基、2−ブテニル基等を挙げることができる。
【0107】
R
4におけるアリールアルキル基としては、例えば、上記に例示した炭素数6〜10のアリール基を1〜3個、好ましくは1個有する、上記に例示した炭素数1〜4のアルキル基等を挙げることができる。より具体的にはベンジル基、2−フェニルエチル基、3,3,3−トリフェニルプロピル基、4,4,4−トリフェニルブチル基等を挙げることができる。
【0108】
R
4における置換基を有していてもよいアリール基としては、上記に例示した炭素数6〜10のアリール基であって、置換基を有するもの及び未置換のもの等を挙げることができる。アリール基の置換基としては特に限定されないが、ハロゲン、水酸基、オキソ基、アルキル基、カルボニル基、さらにその先にウレタン結合やカルボニル結合等を介して複素環を有していても良い。複素環としては、フラン、チオフェン、ピロール、ピリジン、チアゾール、イミダゾール、ピリミジン等を挙げることができる。また、この複素環は前記置換基を有していても良い。
【0109】
前記一般式(I)で表されるイミダゾール化合物として、より具体的には、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−n−ブチルイミダゾール、1−tert−ブチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1,4−ジエチルイミダゾール、1,5−ジエチルイミダゾール、2−ウンデシルイミダゾール、2−ヘプタデシルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−n−ブチル−2−メチルイミダゾール、2−ヒドロキシメチルイミダゾール、4−ヒドロキシメチル−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−イミダゾール、4−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−シクロヘキシルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−イソプロピルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−(3−ジメチルアミノプロピ求jイミダゾール、1−アミノエチル−2−メチルイミダゾール、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、メチルイミダゾール−4−カルボキシレート、エチルイミダゾール−4−カルボキシレート、4−イミダゾールカルボン酸、2−ブチル−4−ホルミルイミダゾール、4−ブチル−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−ブチル−4−クロロ−5−ホルミルイミダゾール、4−ホルミル−1−メチルイミダゾール、5−ホルミル−1−メチルイミダゾール、4−ホルミル−1−トリチルイミダゾール、1−ベンジル−2−ホルミルイミダゾール、1−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、1−ベンジル−4−ヒドロキシイミダゾール、2−ヒドロキシメチル−1−ベンジルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、4−エチル−5−(4−イミダゾール−イルベンゾイル)−1,3−ジヒドロイミダゾール−2−オン、ベンゾイミダゾール、1−メチルベンゾイミダゾール等の1分子中にイミダゾール環を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0110】
特に好ましいイミダゾール化合物として、具体的には、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−エチル−4−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノエチル−2−イソプロピルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(3−ジメチルアミノプロピル)イミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−n−ブチル−2−メチルイミダゾール、1−ビニルイミダゾール、1−アリルイミダゾール、2−メチル−1−ビニルイミダゾール、1,2−ジエチルイミダゾール、1,4−ジエチルイミダゾール、1,5−ジエチルイミダゾール、1−ドデシル−2−メチルイミダゾール、1−tert−ブチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。さらに特に、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−(3−ジメチルアミノプロピル)イミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−n−ブチル−2−メチルイミダゾール及び1−ベンジル−2−メチルイミダゾールが好ましい。
【0111】
少なくとも1つのイミダゾール環を有するイミダゾール化合物としては、上記以外にも、2,4−ジアミノ−6−〔2’−メチルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−エチル−4−メチルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−〔2’−ウンデシルイミダゾリル−(1)’〕−エチル−s−トリアジン、2−メチルイミダゾリウムイソシアヌル酸付加物、2−フェニルイミダゾリウムイソシアヌル酸付加物、4,4’−メチレン−ビス−(2−エチル−5−メチルイミダゾール)、1,4−ビス[(1H−イミダゾール−1−イル)メチル]ベンゼン、1,1’−カルボニルジイミダゾール、1,1’−オキサリルジイミダゾール、1,1’−(オキシジエチレン)ビス(2−メチル−イミダゾリール)、1,1’−(オキシジ−iso−プロピレン)ビス(2−メチル−イミダゾール)、1,1’−(オキシジエチレン)ビス〔2−エチル−4(5)−メチル−イミダゾール〕、1,1’−(オキシジ−iso−プロピレン)ビス〔2−エチル−4(5)−メチル−イミダゾール;2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−ベンジル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール等のヒドロキシメチル基含有イミダゾール化合物を脱水、脱ホルムアルデヒド反応により縮合させてなる1分子中にイミダゾール環を2個以上有する化合物等の1分子中にイミダゾール環を2個以上有する化合物等を挙げることができる。
【0112】
本発明において、イミダゾール化合物の配合量は、成分(A)固形分100質量部に対して、0.005〜8質量部の範囲内が望ましい。
【0113】
本発明の塗料組成物において、硬化触媒(C)としては、上記イミダゾール化合物に加えて、その他の硬化触媒を併用することができる。その他の硬化触媒としては、例えば、ビスマス化合物、有機酸、炭素数1〜20のカルボン酸金属塩、第三級アミン等が挙げられる。
【0114】
これらはそれぞれ単独で若しくは2種以上組み合わせて使用することができる。特に、耐レインエロージョン性、環境対応の観点から、ビスマス化合物を併用することが特に好ましい。
【0115】
前記ビスマス化合物としては、例えば、カルボン酸ビスマスが挙げられる。具体的には、例えば、ヘキサン酸ビスマス(3価)、オクタン酸ビスマス(3価)、2−エチルヘキサン酸ビスマス(3価)、オレイン酸ビスマス(3価)、ネオデカン酸ビスマス(3価)、バーサチック酸ビスマス(3価)、ナフテン酸ビスマス(3価)等が挙げられる。
【0116】
本発明において、硬化触媒(C)として、ビスマス化合物を併用する場合には、ビスマス化合物の配合量は、固形分量でポリオール(A)100質量部に対して、4質量部以下、0.005〜4質量部、の範囲内がより望ましい。
【0117】
本発明において、硬化触媒(C)としては、上記イミダゾール化合物を単独で用いても、当該イミダゾール化合物とその他の硬化触媒とを組み合わせて用いてもよい。本発明において、硬化触媒(C)の総量に対するイミダゾール化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、99質量%以上、95質量%以上、90質量%以上、80質量%以上、70質量%以上、60質量%以上、50質量%以上等に適宜設定できる。
【0118】
(D)着色成分
本発明の塗料組成物における、着色成分としては、塗料分野において公知の着色顔料や着色染料を、1種又は2種以上混合して、使用することができる。
【0119】
着色顔料として、例えば、酸化チタン、亜鉛華、カーボンブラック、黒鉛、酸化鉄、モリブデンレッド、プルシアンブルー、コバルトブルー、アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、スレン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサジン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料等が挙げられる。
【0120】
その他着色顔料としては、アルミニウム等の金属フレーク粉末やペースト、パール粉、グラファイト、MIO等の光輝顔料等が代表的な例として挙げられる。該金属フレーク粉末としては、例えばアルミニウムフレーク、ニッケルフレーク、銅フレーク、ステンレスフレーク、真鍮フレーク及びクロムフレーク等が挙げられ、また、マイカ粉末としては、例えばパールマイカ、着色パールマイカ等が挙げられる。
【0121】
これらの着色成分は直接塗料組成物中に添加してもよく、分散剤、分散樹脂と混合して分散し、ペースト化してから塗料に配合してもよい。分散剤、分散樹脂、分散方法は公知のものを使用することができる。これらの成分(D)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0122】
(E)撥水剤
本発明の塗料組成物は、撥水剤を含むことができる。撥水剤としては、シリコン系撥水剤、ふっ素系撥水剤、天然ワックス、合成ワックス等のワックス類等が挙げられる。
【0123】
シリコン系撥水剤としては、例えば、ジメチルポリシロキサン等のオルガノポリシロキサン、オルガノポリシロキサンを変性した変性シリコン等が挙げられる。変性シリコンとしては、具体的には、アルキル変性ポリシロキサン、フェニル変性ポリシロキサン、ポリエステル変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン等が挙げられ、ポリエステル変性ポリシロキサン等が好ましい。これらは単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
【0124】
具体的には例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ポリエーテル変性ジメチルポリシロキサン、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサン、ポリメチルアルキルシロキサン、ポリエステル変性メチルアルキルポリシロキサン、アラルキル変性メチルアルキルポリシロキサン、ポリエーテル変性アクリル基含有ジメチルポリシロキサン、ポリエステル変性(メタ)アクリロイル基含有ジメチルポリシロキサン等が挙げられ、ポリエステル変性ジメチルポリシロキサンが好ましい。また、シリコン含有重合性不飽和モノマー単独若しくは該モノマーと共重合可能なその他の不飽和モノマーとの共重合体であるシリコン系樹脂;ヘキシルトリメトキシシラン等のアルキルアルコキシシラン;ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン等の含ふっ素シリコン化合物等を有効成分とし、有機溶媒や水性媒体に溶解又は分散したもの等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0125】
ふっ素系撥水剤としては、後記(F)、ふっ素樹脂以外であって、例えば、パーフルオロカルボン酸等のパーフルオロアルキル基含有化合物等が挙げられる。
【0126】
天然ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナバワックス、ライスワックス、木ろう等の植物系ワックス;みつろう、ラノリン、鯨ろう等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン等の鉱物系ワックス等が挙げられる。
【0127】
また、合成ワックスとしては、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等の合成炭化水素類;モンタンワックス誘導体、塩素化パラフィン、固形パラフィン等のパラフィンワックス誘導体、マイクロクリスタリンワックス誘導体等の変性ワックス;12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド等が挙げられる。これらは1種又は2種以上併用して使用できる。
【0128】
(F)ふっ素樹脂
本発明の塗料組成物は、ふっ素樹脂を含むことができる。ふっ素樹脂としては、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やポリフッ化ビニリデン樹脂、フルオロオレフィンとビニルエーテル等の不飽和モノマーとの共重合体、ふっ素含有アクリル樹脂、ふっ素含有ポリエステル樹脂等が挙げられる。
【0129】
PTFEとしては、市販品として、例えば、テフロン(登録商標)(三井・デュポンフロロケミカル(株)社製)等が挙げられる。ポリフッ化ビニリデン樹脂としては、市販品を挙げることができ、例えば、「カイナー710」、「カイナー711」、「カイナー720」、「カイナー721」、「カイナー740」、「カイナー760」、「カイナー761」、「カイナー761A」、「カイナーHSV900」、「カイナー460」、「カイナー461」、「カイナー301F」、「カイナー900HD」、「カイナー1000HD」(以上、製品名、カイナーシリーズ、アルケマ社製)等を挙げることができる。
【0130】
前記、フルオロオレフィンとビニルエーテル等の不飽和モノマーとの共重合体は、公知の方法で得ることができる。フルオロオレフィンとしては、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン、ヘキサフルオロプロピレン、ペンタフルオロプロピレン等の炭素数2又は3のフルオロオレフィンが挙げられる。なかでも、他の不飽和モノマーとの交互共重合性が良好であることから、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンが好ましく、クロロトリフルオロエチレンがより好ましい。
【0131】
上記フルオロオレフィンと共重合可能な不飽和モノマーとしては、例えば、ビニルエーテル類、アリルエーテル類、イソプロペニルエーテル類、カルボン酸ビニルエステル類、カルボン酸アリルエステル類、カルボン酸イソプロペニルエーテル類、α−オレフィン類、(メタ)アクリル酸エステル類、ヒドロキシアルキルビニルエステル類、ヒドロキシアルキルアリルエステル類、(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステル類等が挙げられる。
【0132】
ビニルエーテル類としては、例えば、エチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、フルオロアルキルビニルエーテル、パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)等のアルキルビニルエーテル類や、ヒドロキシアルキルビニルエーテル類、エチレングリコールモノビニルエーテル類等が挙げられる。
【0133】
ヒドロキシアルキルビニルエーテルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、3−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、4−ヒドロキシ−2−メチルブチルビニルエーテル、5−ヒドロキシペンチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等が挙げられる。
【0134】
エチレングリコールモノビニルエーテルとしては、例えば、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、トリエチレングリコールモノビニルエーテル、テトラエチレングリコールモノビニルエーテル等が挙げられる。
【0135】
アリルエーテル類としては、例えば、エチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類や、ヒドロキシアルキルアリルエーテル類が挙げられる。
【0136】
ヒドロキシアルキルアリルエーテルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル、4−ヒドロキシブチルアリルエーテル、グリセロールモノアリルエーテル等が挙げられる。
【0137】
イソプロペニルエーテル類としては、例えば、メチルイソプロペニルエーテル等のアルキルイソプペニルエーテル類が挙げられる。
【0138】
カルボン酸ビニルエステル類としては、例えば、分岐状のアルキル基を有する脂肪酸ビニルエステルであるベオバー10(商品名、シェル化学(株)製)、酪酸ビニル、酢酸ビニル、ピバリン酸ビニ求Aバーサチック酸ビニル等の脂肪酸ビニルエステル類が挙げられる。
【0139】
カルボン酸アリルエステル類としては、例えば、プロピオン酸アリル、酢酸アリル等の脂肪酸アリルエステル類が挙げられる。
【0140】
α−オレフィン類としては、例えば、エチレン、プロピレン、イソブチレン等が挙げられる。
【0141】
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、(メタ)アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸ブチルエステル等が挙げられる。
【0142】
ヒドロキシアルキルビニルエステルとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルビニルエステル、4−ヒドロキシブチルビニルエステル等が挙げられる。
【0143】
ヒドロキシアルキルアリルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチルアリルエステル、ヒドロキシブチルアリルエステル等が挙げられる。
【0144】
(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキルエステルとしては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0145】
フルオロオレフィンとビニルエーテルとの共重合体の市販品としては、例えば、ルミフロンシリーズ(旭硝子社製)、ゼッフルシリーズ(ダイキン工業社製)、等を挙げることができる。
【0146】
前記ふっ素含有アクリル樹脂は、パーフルオロアルキル基及び重合性不飽和基を1分子中に有するふっ素原子を有する重合性不飽和モノマーを、単独若しくはその他の不飽和モノマーと共重合させてなる樹脂である。上記ふっ素原子を有する重合性不飽和モノマーとしては、ヘキサフルオロプロペンやパーフルオロシクロヘキシル(メタ)アクリレート、パーフルオロノニルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルエチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロブチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロデシルメチル(メタ)アクリレート、パーフルオロメチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロプロピルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルアミル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルウンデシル(メタ)アクリレート等のC1〜20のパーフルオロアルキル基を有するパーフルオロアルキル(メタ)アクリレート等が挙げられる。パーフルオロアルキル基を有する(メタ)アクリレート類としては、製品を用いることができ、例えば、「ビスコート8F」、「ビスコート8FM」、「ビスコート3F」、「ビスコート3FM」(いずれも大阪有機化学(株)製)等が挙げられる。
【0147】
上記フッ素原子を有する重合性不飽和モノマーと共重合可能なその他の不飽和モノマーとしては、前記(A2)のポリアクリレートポリオールの製造において使用可能なものであれば、特に制限なく使用することができる。
【0148】
これらの成分(F)は、溶剤に予め溶解してから添加してもよく、前記ポリオール(A)等の樹脂溶液中に分散して塗料化してもよい。
【0149】
これらの成分(F)は、1種単独で若しくは2種以上を組み合せて使用することができる。
【0150】
その他の成分
本発明の塗料組成物は、さらに、塗膜性能を損なわない範囲で、成分(A)以外の水酸基含有樹脂、イソシアネート基との反応性を有する化合物(例えばアミノ化合物等)、紫外線吸収剤(例えばベンゾトリアゾール系吸収剤、トリアジン系吸収剤、サリチル酸誘導体系吸収剤、ベンゾフェノン系吸収剤等)、光安定剤(例えば、ヒンダードアミン類等)、体質顔料(タルク、クレー、カオリン、バリタ、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、アルミナホワイト等)、樹脂粒子、増粘剤、消泡剤、防錆剤、キレート剤(アセチルアセトン等)可塑剤、溶剤、顔料分散剤、表面調整剤、沈降防止剤等の公知の塗料用添加剤を含むことができる。
【0151】
本発明の塗料組成物
本発明の塗料組成物において、成分(D)を用いる場合、その配合割合は、成分(A)100質量部に対して、通常、1〜500質量部、好ましくは2〜300質量部、より好ましくは3〜200質量部の範囲で適宜設定できる。
【0152】
本発明の塗料組成物において、成分(E)を用いる場合、その配合割合は、成分(A)100質量部に対して、通常、0.1〜50質量部、好ましくは0.2〜30質量部の範囲で適宜設定できる。
【0153】
本発明の塗料組成物において、成分(F)を用いる場合、その配合割合は、成分(A)100質量部に対して、通常、1〜50質量部、好ましくは2〜30質量部の範囲で適宜設定できる。
【0154】
塗料組成物の調整
本発明の塗料組成物の形態は、特に限定されるものではなく、水性塗料、有機溶剤型塗料及び無溶剤型塗料のいずれの形態であってもよい。尚、本明細書において、水性塗料とは、有機溶剤型塗料と対比される用語であって、一般に、水又は水を主成分とする媒体(水性媒体)に、塗膜形成性樹脂、顔料等を分散及び/又は溶解させた塗料を意味する。本発明の塗料組成物が水性塗料である場合、該塗料組成物中における水の含有量は、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%、さらに好ましくは30〜70質量%の範囲内であることが好適である。また、上記有機溶剤型塗料とは、溶媒として実質的に水を含有しない又は溶剤の全て又はほとんどが有機溶剤である塗料である。本発明の塗料組成物は、塗料の貯蔵安定性の観点から、有機溶剤型塗料又は非水分散液型塗料であることが好適である。
【0155】
有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル、エトキシプロピオン酸エチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸メチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジメトキシエタン等のエーテル類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のグリコールエーテル類;芳香族炭化水素類、脂肪族炭化水素類等が挙げられる。有機溶剤としては、特に限定されず使用することができるが、人体や環境への影響の観点から、トルエンやキシレン等を含まないことが好ましい。
【0156】
上記有機溶剤は、粘度の調整、塗布性の調整等の目的に応じて適宜組み合わせて使用することができる。
【0157】
本発明の塗料組成物の固形分は、固形分含有率を15質量%以上、特に好ましくは35〜90質量%の範囲内に調整して塗装することが塗装作業性と排出される有機溶剤量削減の点から好ましい。
【0158】
本明細書において固形分とは、揮発成分を除いた残存物を意味するものであり、残存物としては常温で固形状であっても液状であっても差し支えない。固形分質量は、乾燥前質量に対する乾燥させた後の残存物質量の割合を固形分率とし、固形分率を乾燥前の試料質量に乗じることで算出することができる。
【0159】
本発明の塗料組成物は、一液型塗料であってもよいし、二液型塗料等の多液型塗料であってもよい。本発明の塗料組成物において、貯蔵安定性及び塗装作業性の観点から、ポリオール(A)を含む主剤及びポリイソシアネート化合物(B)を含む架橋剤からなる二液型塗料が好ましく、使用直前に両者を混合して使用することが好適であり、(C)〜(F)成分や水あるいは有機溶剤等の溶媒、顔料分散剤、沈降防止剤、消泡剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等の各種添加剤等を主剤又は硬化剤のいずれかに適宜含ませることができる。本発明の塗料組成物が、一液型塗料である場合には、ブロック化されたポリイソシアネート化合物を使用することが好ましい。
【0160】
塗膜形成方法
本発明は、被塗物に前記塗料組成物を塗装して塗膜を形成する塗膜形成方法を提供する。
【0161】
被塗物としては、プラスチック若しくは金属の基材、該基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層したもの、該基材にエポキシ樹脂を含むプライマー塗膜を形成したもの、又は該基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層し、該ゲルコート材上にさらにエポキシ樹脂を含むプライマー塗膜を形成したものを好適に使用することができる。
【0162】
<金属基材>
金属基材としては、金属であればとくに制限なく、例えば、マグネシウム、アルミニウム、亜鉛、チタン、鉄、ニッケル、クロム、金、銀、銅、錫、白金、パラジウム、ジルコニウム、タングステン等の金属そのもの及びこれらの金属の少なくとも2種類以上の合金等の金属材料が挙げられる。2種以上の金属材料としては、Zn−Al、Zn−Ni、Zn−Fe等の合金化亜鉛、ステンレス鋼、上記金属材料でメッキした鋼等が挙げられる。
【0163】
<プラスチック基材>
プラスチック基材としては、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン樹脂;ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレート/イソフタレート等のポリエステル樹脂;スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−アクリロニトリル、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン(ABS)、ポリスチレン、アクリロニトリル−スチレン−アクリレート等のスチレン系樹脂、ナイロン6、ナイロン6,6、ナイロン6,10、メタキシリレンアジパミド等のポリアミド樹脂、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレート・エチルアクリレート等のアクリル樹脂;ポリ塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル等の塩化ビニリデン樹脂や、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリオキシメチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の樹脂及び各種の繊維強化プラスチック(FRP)等のプラスチック材料を挙げることができる。上記プラスチック基材は、樹脂2種以上のハイブリッド樹脂であっても構わない。
【0164】
上記繊維強化プラスチック(FRP)とは、強化繊維をプラスチックの中に含めることでその強度を向上させたものを意味する。
【0165】
FRPに用いる強化繊維は、ガラス繊維、アラミド繊維、炭素繊維等任意の公知の強化繊維が使用可能であり、複数種の強化繊維の併用も可能である。特に、ガラス繊維及び炭素繊維を含めることにより、プラスチック基材そのものにくらべ、比強度、比弾性率が優れる。軽量で優れた機械物性をもつFRP材料を得るためには、該強化繊維を単独で、あるいは2種以上の強化繊維を用いることが好ましいが、特に安価で強度が高いことから、ガラス繊維が含まれていることが好ましい。強化繊維中にしめるガラス繊維の比率は10〜100質量%であることが好ましい。
【0166】
FRPのマトリックス樹脂(基体樹脂ともいい、母材となるプラスチックで、成形後に基材となる樹脂のことである)としては、上記のプラスチック基材の項で挙げた樹脂や不飽和ポリエステル樹脂やフェノール樹脂等が用いられる。特に、強化繊維との付着性の点からエポキシ樹脂が好適であり、エポキシ樹脂としてはFRP成形に適したものであれば、あらゆる任意のものが適用できる。硬化剤を使用してもよく、硬化剤としては、例えば、アミン化合物、酸無水物化合物、ポリイミド化合物及びイミダゾール化合物等が挙げられる。
【0167】
FRPの成形方法としては、公知のものを使用することができ、金型を用いて製造するシートモールディングコンパウンド(SMC)成形法、レジンインフュージョン(RIMP)成形法、プリプレグ/オートクレーブプレス法等が挙げられる。
【0168】
上記金属基材若しくは各種プラスチック基材、それから成形された部品等はその表面が洗剤や溶剤を用いた脱脂、リン酸塩処理、クロメート処理、複合酸化物処理、洗浄、研磨等の表面処理が施されたものであってもよく、さらに、その上に下塗り塗膜(ゲルコート材で形成された被膜も含有する)が形成されたものであってもよい。
【0169】
<下塗り塗膜>
下塗り塗膜とは、本発明の塗料組成物により形成される塗膜の下に形成される塗膜であり、下塗り塗膜を形成するための下塗り塗料は、被塗面の種類や状態等に応じて塗装される。本発明の塗料組成物により形成される塗膜との間に膜を設けることで、被塗面との付着性と、耐衝撃性を向上させることができる。さらに、下塗り塗膜は、付着性を向上させるために、2層以上の複層であってもよい。下塗り塗膜として、例えば、基材が金属基材である場合には、塗料分野で公知のプライマー塗料及び/又は中塗り塗料と呼ばれる塗料組成物を塗装し、硬化させることによって得ることができる塗膜が挙げられる。また、基材がFRP基材である場合には、ゲルコート材と呼ばれるFRP製品の表面に塗装し硬化させることにより得られる被膜等も挙げられる。
【0170】
上記下塗り塗膜を構成する下塗り塗料の構成成分としては、具体的には、例えば、被膜形成性樹脂、架橋剤、着色顔料、体質顔料、光輝性顔料、防錆顔料、導電性顔料等を含有する塗料組成物を好適に使用でき、さらに、該下塗り塗料組成物は、紫外線吸収剤、光安定剤、硬化触媒、可塑剤、付着付与剤、相溶化剤、消泡剤、粘性調整剤、防錆剤、表面調整剤等の塗料添加剤を適宜含有させることができる。
【0171】
被膜形成性樹脂の種類としては、例えば、ポリオール、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ウレタン樹脂、ポリオレフィン樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ポリアミド樹脂及びこれらの水酸基含有樹脂等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0172】
架橋剤を配合することによって架橋させてもよく、架橋剤を配合せず実質的に未架橋でもよい。また、上層の塗膜に含有される架橋剤の染み込みにより架橋させてもよい。
【0173】
架橋剤としては、例えば、メラミン樹脂、尿素樹脂等のアミノ樹脂、ポリイソシアネート化合物、ブロック化ポリイソシアlート化合物等を好適に使用することができる。上記下塗り塗料組成物としては、有機溶剤型塗料組成物、水性塗料組成物のいずれを用いてもよく、無溶剤であってもよい。
【0174】
耐衝撃性と被塗面との付着性の点から、好ましくは、本発明の塗料組成物は、下塗り塗膜がエポキシ樹脂を含む塗料組成物及び/又はエポキシ樹脂を含むゲルコート材で形成された下塗り塗膜を有する被塗物上に塗装することが好ましい。具体的には、前記基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層したもの、該基材にエポキシ樹脂を含むプライマー塗膜を形成したもの、又は該基材にエポキシ樹脂を含むゲルコート材を積層し、該ゲルコート材上にさらにエポキシ樹脂を含むプライマー塗膜を形成したものを好適に使用することができる。
【0175】
ここで、ゲルコート材とは、金型を用いてFRP基材の表面に成形するための塗料組成物のことをいう。ゲルコート材の積層方法としては、型の内面に予め外板の表面となりうる被膜形成樹脂をコーティングして被膜を形成し、強化繊維基材を該ゲルコート材の上に配して型を閉じ、次に、FRP用樹脂を注入、硬化させ、脱型して、FRP外板の表面に該コーティングを転写する方法や、金型内に予め繊維強化プラスチック材料(以下FRP材料と略すことがある)を加熱・成形せしめ、次いで得られた成形物と金型内壁との間に上記ゲルコート材を注入し、該ゲルコート材を硬化させた後、被覆された成形物を金型から取り出す方法等が挙げられる。
【0176】
ゲルコート材の構成成分としては、先の下塗り塗膜の項で挙げたものを使用することができる。また被膜形成樹脂としては、先の下塗り塗膜の項で挙げた樹脂に加え、ポリカーボネート樹脂、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ビスマレイミド樹脂、ポリウレア樹脂等あらゆる公知のものを使用することができる。これらの樹脂は1種以上組合せて用いることができるが、付着性の観点から、構成成分の一部としてエポキシ樹脂を含むことが好ましく、耐レインエロージョン性の観点から、ポリオールと芳香族イソシアネート等の硬化剤を使用したウレタン硬化系組成物にエポキシ樹脂を含ませたゲルコート材が好ましい。
【0177】
上記下塗り塗料(ゲルコート材も含む)に含まれるエポキシ樹脂としては、特に限定されるものではなく、種々のものを使用することができる。例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ビスクレゾールフルオレン型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、t−ブチルカテコール型エポキシ樹脂等の二官能型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ノニルフェノールノボラック型エポキシ樹脂等の多価エポキシ樹脂、これらエポキシ樹脂を二塩基酸等で変性したエポキシエステル樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ポリグリコール型エポキシ樹脂、エポキシ基含有アクリル樹脂等を挙げることができる。
【0178】
ゲルコート材以外の下塗り塗料の塗装方法としては、特に制限されず、それ自体既知の塗装手段を用いて行うことができ、例えば、ローラー、エアスプレー、エアレススプレー、リシンガン、万能ガン、ハケ、ロールコーター等基材の用途等に応じて適宜選択することができる。乾燥条件は、用いた下塗り塗料の種類等に応じて、加熱乾燥、強制乾燥又は常温乾燥のいずれかの方法で行うことができる。
【0179】
<その他の被塗物>
また、上記以外の被塗物としては、付着性が満足する範囲であれば、ガラス、セメント、コンクリート等の無機材料;木材;繊維材料(紙、布等)等であってもよい。
【0180】
これらの被塗物に応じて適宜、脱脂処理や表面処理等することができる。
【0181】
本発明の方法においては、上記被塗物に対し、例えば、静電塗装、エアスプレー、エアレススプレー、ローラー、ハケ等の方法で本発明の塗料組成物を塗装することができる。その際、膜厚は、耐レインエロージョン性の観点から、硬化塗膜に基づいて30〜500μmの範囲内とするのが好ましく、50〜300μmの範囲内とするのがより好ましい。本発明の方法において、通常、所定の膜厚となるように塗装した後に、塗膜を例えば、常温(5〜35℃)で、乾燥硬化することにより硬化塗膜を得ることができる。塗装時における相対湿度(以下RHと略すことがある)は70%以下、60%以下が好ましい。常温乾燥の硬化時間としては、1日以上、さらには3日以上が好ましい。塗膜の乾燥硬化は加熱を行ってもよく、加熱の際の温度としては、例えば、30〜100℃が好ましく、35〜90℃がより好ましい。加熱時間としては、例えば、5〜120分が好ましく、10〜100分がより好ましい。
【0182】
本発明の塗料組成物が塗装された被塗物の用途としては、特に限定されず、強い雨風・砂等にさらされる物品又はその部品が特に好ましい。例えば、風力発電機のブレード、航空機やヘリコプターの翼、自動車や自転車、建機の車体等が挙げられる。
【実施例】
【0183】
以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明する。尚、「部」及び「%」は、特記しない限り「質量部」及び「質量%」を示す。
【0184】
≪塗料組成物の作成≫
(実施例1)
ひまし油(注1) 50部、TIPAQUE CR−95(注22) 100部、酢酸ブチル 37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、プラクセル410(注14) 50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、水酸基に対し1当量のスミジュール N3300(注34)を混合し固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、塗料組成物No.1を得た。得られた塗料組成物No.1について、後記塗装作業性(ポットライフ及びタレ抵抗性)の試験を行った。表1に評価結果を示す。
【0185】
(実施例2〜77、83〜87、比較例1〜14)
表1〜7に記載の組成とする以外は、上記実施例1と同様にして、塗料組成物No.2〜77、83〜101を得た。得られた上記塗料組成物を、表1〜7における配合量は固形分による表示である。得られた塗料組成物について、後記塗装作業性(ポットライフ及びタレ抵抗性)の試験を行った。表1〜7に評価結果を示す。
【0186】
(実施例78)
ひまし油(注1) 50部、TIPAQUE CR−95(注22) 80部、タンカル300(注43) 20部、酢酸ブチル 37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、プラクセル410(注14) 50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、水酸基に対し1当量のスミジュール N3300(注34)を混合し固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、塗料組成物No.78を得た。
【0187】
(実施例79)
ひまし油(注1) 50部、TIPAQUE CR−95(注22) 80部、KAOLIN HA−90T(注44) 20部、酢酸ブチル 37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、プラクセル410(注14) 50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、水酸基に対し1当量のスミジュール N3300(注34)を混合し固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、塗料組成物No.79を得た。
【0188】
(実施例80)
ひまし油(注1) 50部、TIPAQUE CR−95(注22) 80部、BARIFINE BF−20(注45) 20部、酢酸ブチル 37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、プラクセル410(注14) 50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、水酸基に対し1当量のスミジュール N3300(注34)を混合し固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、塗料組成物No.80を得た。
【0189】
(実施例81)
ひまし油(注1) 50部、TIPAQUE CR−95(注22) 80部、サイロホービック200(注46) 20部、酢酸ブチル 37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、プラクセル410(注14) 50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、水酸基に対し1当量のスミジュール N3300(注34)を混合し固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、塗料組成物No.81を得た。
【0190】
(実施例82)
ひまし油(注1) 50部、TIPAQUE CR−95(注22) 80部、サイロホービック200(46) 20部、BYK−161 0.5部、酢酸ブチル 37.5部を混合し、サンドミルで分散を行い、分散ペーストを得た。得られた分散ペーストに、プラクセル410(注14) 50部、1,2−ジメチルイミダゾール0.5部、水酸基に対し1当量のスミジュール N3300(注34)を混合し固形分が80%となるように酢酸ブチルを加えて攪拌することにより、塗料組成物No.82を得た。
【0191】
(試験例1〜71及び比較試験例1〜14)
<試験板の作製方法>
表1〜7の「被塗物」の欄に示す被塗物に、上記塗料組成物を、エアレススプレーで乾燥膜厚150μmとなるように塗装した。得られた塗膜を、表1〜7の「乾燥・硬化条件」欄に記載の条件で乾燥して試験板を得た。これらの試験板を、後記試験に供した。表1〜7に評価結果を示す。
【0192】
尚、表1〜7の「乾燥・硬化条件」欄において、
乾燥・硬化条件1は、20℃、RH60%で7日間放置することにより乾燥、
乾燥・硬化条件2は、20℃、RH90%で7日間放置することにより乾燥、
乾燥・硬化条件3は、80℃で30分間加熱した後、20℃、RH60%で7日間放置することにより乾燥することを示す。
【0193】
ここで、表1〜7の「被塗物」の欄において、被塗物1〜5は下記のものを使用した。
【0194】
被塗物1:FRP
エピコート828(製品名、ジャパンエポキシレジン(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形分100%) 82部、セイカキュア−S(製品名、和歌山精化(株)製、ジアミノジフェニルスルフォン、固形分100%) 6部、フェニルジメチルウレア(平均粒径 50μm、固形分100%) 5.0部、ジシアンジアミド(平均粒径 7μm)7部加えて、均一になるまで混合し、マトリックス樹脂用のエポキシ樹脂組成物を得た。
【0195】
このエポキシ樹脂組成物をロールコーターで離型紙上30g/m
2の塗布量となるように均一に塗布し樹脂層を形成した。ガラス繊維125g/m
2の両面をこの樹脂層ではさみ、ローラーで100℃、2kg/cm
2の条件で加圧加熱してプリプレグを得た。
【0196】
このプリプレグを繊維方向が交互に直交するように16枚積層し、金型で130℃に加熱しながら10kg/cm
2の圧力を15分間かけてガラス繊維強化プラスチック(被塗物1)を得た。
【0197】
被塗物2:FRP+ゲルコート
上記プリプレグを繊維方向が交互直交するように16枚積層して金型に設置し、プリプレグと金型の隙間を500μmに設定した。下記組成のゲルコート材を金型とプリプレグの間に注入した後に130℃に加熱しながら10kg/cm
2の圧力を15分間かけてゲルコート層の積層されたガラス繊維強化プラスチック(被塗物2)を得た。
【0198】
〔ゲルコート材〕
ひまし油 50部、
エピコート828(製品名、エピコートは登録商標、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ジャパンエポキシレジン(株)製、) 30部、
NNカオリンクレー(製品名、クレー、竹原化学社製) 50部、
を均一になるまで混合撹拌した後に、
ジフェニルメタンジイソシアネート 20部を加え、さらに均一になるまで混合撹拌した。
【0199】
被塗物3:FRP+プライマー 上記「被塗物1:FRP」で示すガラス繊維強化プラスチックの板に「エポマリンGX製品名、二液型エポキシプライマー、関西ペイント社製)」を用いてエアスプ戟[法にて厚さ50μmのプライマー層を形成したものを被塗物3とした。
【0200】
被塗物4:FRP+ゲルコート+プライマー
上記「被塗物2:FRP+ゲルコート」に示すゲルコートをした繊維強化プラスチック板上に(エポマリンGX 製品名、二液型エポキシプライマー、関西ペイント社製)を用いてエアスプレー法で厚さ50μmのプライマー層を形成したものを被塗物4とした。
【0201】
被塗物5:Al
アルミニウム板
【0202】
試験板の大きさ
後述するレインエロージョンテスト(以下、「RET」と略す)に供する場合は、後記
図1のブレード形状になるように成形した上記1〜5の被塗物に、エアレススプレーを用いて乾燥膜厚150μmとなるように本発明の塗料組成物を塗装し、表1〜7の「乾燥・硬化条件」で硬化したものを試験板とした。
【0203】
RET以外の試験に供する場合は、上記1〜5の被塗物を10cm×20cmの平板に裁断して、本発明の塗料組成物を塗装し、表1〜7の「乾燥・硬化」条件で硬化したものを試験板とした。
【0204】
【表1】
【0205】
【表2】
【0206】
【表3】
【0207】
【表4】
【0208】
【表5】
【0209】
【表6】
【0210】
【表7】
【0211】
(注1)ひまし油:水酸基価160mgKOH/g
(注2)URIC Y−406:製品名、脂肪族系化合物変性ひまし油 水酸基価165mgKOH/g 伊藤製油社製
(注3)POLYCASTOR#10:製品名、ひまし油重合体、水酸基価160mgKOH/g 伊藤製油社製
(注4)Pripol 2033:製品名、ダイマージオール 水酸基価207mgKOH/g、CRODA社製
(注5)Sovermol 750:製品名、植物油由来のポリオール 水酸基価315mgKOH/g BASF社製
(注6)Sovermol 760:製品名、植物油由来のポリオール 水酸基価390mgKOH/g BASF社製
(注7)Sovermol 815:製品名、植物油由来のポリオール 水酸基価215mgKOH/g BASF社製
(注8)Sovermol 819:製品名、植物油由来のポリオール 水酸基価240mgKOH/g BASF社製
(注9)プラクセル 205:製品名、ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量530、水酸基価212mgKOH/g、ダイセル社製
(注10)プラクセル 208:製品名、ポリカプロラクトンジオール、数平均分子量830、水酸基価135mgKOH/g、ダイセル社製
(注11)プラクセル 303:製品名、ポリカプロラクトントリオール、数平均分子量300、水酸基価540mgKOH/g、ダイセル社製
(注12)プラクセル 305:製品名、ポリカプロラクトントリオール、数平均分子550、水酸基価305mgKOH/g、ダイセル社製
(注13)プラクセル 309:製品名、ポリカプロラクトントリオール、数平均分子900、水酸基価187mgKOH/g、ダイセル社製
(注14)プラクセル 410:製品名、ポリカプロラクトンテトラオール、数平均分子量1,000、水酸基価224mgKOH/g、ダイセル社製
(注15)Capa 4801:製品名、ポリカプロラクトンテトラオール、数平均分子量8,000、水酸基価28mgKOH/g、Solvay Chemicals,Inc.製
(注16)デュラノール T5650J:ポリカーボネートジオール、旭化成ケミカルズ社製、数平均分子量800、水酸基価140mgKOH/g
(注17)デュラノール T5650E:ポリカーボネートジオール、旭化成ケミカルズ社製、数平均分子量500、水酸基価225mgKOH/g
(注18)ポリアクリレートポリオールNo.1: 攪拌機、温度計、還流冷却器、及び滴下装置を備えた反応容器に、酢酸ブチル40部、メトキシプロピルアセテート40部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃で攪拌し、この中に、
スチレン 5.0部
n−ブチルアクリレート 54.0部
2−ヒドロキシエチルメタクリレート15.0部
プラクセル FM−3X(製品名、ダイセル社製、ε−カプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート)25.0部、
アクリル酸 1.0部、
及びV−59(商品名、和光純薬株式会社製、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル、重合開始剤)の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成した。
【0212】
その後、さらに酢酸ブチル10部及びV−59(0.5部の混合物を1時間かけて反応容器に滴下し、滴下終了後1時間熟成させ、固形分54%のポリアクリレートポリオールNo.1溶液を得た。得られた樹脂固形分の水酸基価は94.4mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注19)ポリアクリレートポリオールNo.2:攪拌機、温度計、還流冷却器、及び滴下装置を備えた反応容器に、酢酸ブチル40部、メトキシプロピルアセテート40部を仕込み、窒素ガスを吹き込みながら130℃で攪拌し、
この中に、
スチレン 5.0部、
メチルメタクリレート 15.0部、
n−ブチルアクリレート 50.0部、
4−ヒドロキシブチルアクリレート 29.0部、
アクリル酸 1.0部
及びV−59(開始剤)5.0部の混合物を3時間かけて均一速度で滴下し、さらに同温度で2時間熟成した。
【0213】
その後、さらに酢酸ブチル10部及びV−59(開始剤)0.5部の混合物を1時間かけて反応容器に滴下し、滴下終了後1時間熟成させ、固形分54%のポリアクリレートポリオールNo.2溶液を得た。得られた樹脂固形分の水酸基価は113mgKOH/g、重量平均分子量は10,000であった。
(注20)デスモフェン 670:製品名、ポリエステルポリオール、固形分100質量%、水酸基価142mgKOH/g、数平均分子量約2,000。住化バイエルウレタン社製
(注21)ニッポラン 800:製品名、ポリエステルポリオール、数平均分子量700、水酸基価290mgKOH/g、固形分100%、日本ポリウレタン工業社製。
(注22)TIPAQUE CR−95:製品名、チタン白、石原産業社製
(注23)ハイワックス200PF:製品名、ポリエチレンワックス、三井化学社製
(注24)BYK−333:製品名、変性ジメチルシロキサン、ビックケミー社製
(注25)モレスコホワイトP−80:製品名、流動パラフィン、MORESCO社製
(注26)2−エチルヘキサノール
(注27)メガファックF−562:製品名、パーフルオロアルキル基含有化合物、DIC社製
(注28)60%ルミフロンLF200:商品名、水酸基を有するフルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体、水酸基価31、固形分60%、旭硝子社製。
(注29)60%ルミフロンLF800:水酸基を有するフルオロオレフィン・ビニルエーテル共重合体、水酸基価23mgKOH/g、固形分60%、旭硝子社製、
(注30)ふっ素樹脂No.1 3−エトキシプロピオン酸エチルの600部、エタノールの170部、シクロへキシルビニルエーテル(CHVE)の60部、エチルビニルエーテル(EVE)の90部、ヒドロキシブチルビニルエーテル(HBVE)の400部、炭酸カリウムの5.0部、及びパーブチルPV(日油(株)製、有機過酸化物)の10部を、オートクレーブ内に入れて、密閉、脱気操作を行った後に、クロロトリフルオロエチレン(CTFE)の680部をオートクレーブ内に仕込み、75℃で17時間重合を行った。反応後、ろ過により炭酸カリウムを除去し、濃度調整を行うことで、ふっ素樹脂No.1の3−エトキシプロピオン酸エチル溶液(不揮発分70質量%)を得た。
【0214】
得られた含ふっ素重合体No.1の組成は、CTFEに基づく重合単位/CHVEに基づく重合単位/EVEに基づく重合単位/HBVEに基づく重合単位(モル%)=50/5/10/35であった。また、ふっ素樹脂No.1は、水酸基価が160mgKOH/gであり、数平均分子量は5,000であった。
(注31)50%ゼッフルGK−510:製品名、PTFE、ダイキン社製、水酸基価60mgKOH/g
(注32)ダイニオンTF9205: ポリテトラフルオロエチレンパウダー、3M社製
(注33)カイナー711:製品名、ポリフッ化ビニリデン、アルケマ社製
(注34)スミジュールN3300:製品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(略:HDIヌレート) 固形分100%、NCO含有量=21.8%、住化バイエルウレタン社製
(注35)デスモジュールZ4470BA:製品名、イソホロンジイソシアネートのヌレート体(略:IPDIヌレート)、固形分70%、NCO含有量=11.9%、住化バイエルウレタン社製
(注36)デュラネート24A−90E:製品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのビュレット体(略:HDIビュレット)固形分90%、NCO含有量=21.2%、旭化成社製
(注37)デスモジュールXP2565:製品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのアロファネート体(略:HDIアロファネート)、固形分80%、NCO含有量=12%、Bayer社製
(注38)タケネートD−160N:製品名、トリメチロールプロパン/ヘキサメチレンジイソシアネートアダクト体(略:TMP/HDIアダクト)、固形分75% NCO含有量=12.8%三井武田ケミカル社製
(注39)タケネートD−140NF製品名、トリメチロールプロパン/イソホロンジイソシアネートアダクト体(略:TMP/IPDIアダクト)、固形分75% NCO含有量=10.6%、三井武田ケミカル社製
(注40)デスモジュールN3400:製品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのウレトジオン体(略:HDIウレトジオン)、固形分:100%、NCO含有量:21.8%、住化バイエルウレタン社製
(注41)TLA−100:製品名、ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート体(略:HDIヌレート) 固形分100%、NCO含有量=23.4%、旭化成ケミカルズ社製
(注42)デスモジュールN3800:製品名、脂肪族ポリイソシアネートウレタンプレポリマー、固形分:100重量%、NCO含有量:11.0%、住化バイエルウレタン社製
(注43)タンカル300:製品名、炭酸カルシウム、竹原化学工業社製
(注44)KAOLIN HA−90T:製品名、焼成カオリン、SHANXI JINYANG CALCINED KAOLIN製
(注45)BARIFINE BF−20:製品名、硫酸バリウム、堺化学工業社製
(注46)サイロホービック200:製品名、シリカ、富士シリシア化学社製
(注47)BYK−161:製品名、顔料分散剤、BYK社製
(注48)BYK−410:製品名、増粘剤、BYK社製
(注49)Desmophen NH−1220:製品名、アミノ化合物、Bayer MaterialScience社製
(注50)HALS 292:製品名、光安定剤、BASF社製
(注51)BYK−057:製品名、シリコンフリーのポリマー系消泡剤、BYK社製
(注52)BYK−066N:製品名、シリコン系消泡剤、BYK社製
【0215】
≪試験方法≫
(注53)塗装作業性(硬化速度)
〔ポットライフ〕
全成分を均一に混合した前記実施例及び比較例で得た各塗料組成物を20℃で放置して、ゲル化するまでの時間を測定し、下記評価基準で評価した。
S:30分以上
A:20分以上30分未満
B:10分以上20分未満
C:10分未満
【0216】
〔タレ抵抗性〕
前記実施例及び比較例で得た塗料組成物を「被塗物2:FRP+ゲルコート」に、エアレススプレーで乾燥膜厚を変動させて塗装を行い、各塗装板を水平に対して60°の角度で保持したまま20℃―RH90%で乾燥・硬化させた。タレが発生する限界乾燥膜厚を目視で評価した。
S:250μm以上
A:200μm以上250μm未満
B:150μm以上200μm未満
C:150μm未満
【0217】
(注54)外観
各試験板を目視で観察し、泡跡、シワ、フクレの発生度合いを下記基準で評価した。
S:泡跡、シワ、フクレが全くない
A:微細な泡跡、シワ、フクレのいずれかが少量認められる
B:泡跡、シワ、フクレのいずれかがかなり認められる
C:泡跡、シワ、フクレのいずれかが著しく認められる。
【0218】
(注55)耐レインエロージョン試験;RET
風車ブレード(曲率半径9mm)の前縁を模擬した23cmの長さの被塗物に、前述のように各塗料組成物を塗布乾燥し、試験板を作成した。
【0219】
同様の試験板3枚を作成しブレードをもつ水平ローターに搭載させた。ローターは、ローター軸から最も遠いところが160m/秒であり、ローター軸から最も近い部分が120m/秒の速度となるように回転させた。
【0220】
直径1〜2mmの試験水滴を、回転する塗布表面に均等に30〜35mm/時の降水量に相当する水を噴霧した。30分毎に回転をとめて、試験板の前縁の塗布表面を目視で観察し、塗膜の削れが先端から5cm以上になる平均時間を記録した。
S:5時間以上
A:4時間以上5時間未満
B:3時間以上4時間未満
C:3時間未満。
【0221】
(注56)耐水性
各試験板について、40℃の温水に30日間浸漬した後、水洗いした試験板の外観を下記基準で評価した。
外観〔耐水試験後〕
S:試験前の塗膜に対して、全く外観の変化のないもの
A:試験前の塗膜に対して、わずかにツヤびけ、フクレ又は変色が見られるが、製品とした時に問題ないレベル
B:試験前の塗膜に対して、若干ツヤびけ、フクレ又は変色が見られる
C:試験前の塗膜に対して、著しくツヤびけ、フクレ又は変色が見られる。