特許第6571009号(P6571009)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6571009外科用ステープラーのための組織位置決め及びつかみ具整列統合機構
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571009
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】外科用ステープラーのための組織位置決め及びつかみ具整列統合機構
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
   A61B17/072
【請求項の数】6
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2015-560200(P2015-560200)
(86)(22)【出願日】2014年2月13日
(65)【公表番号】特表2016-508415(P2016-508415A)
(43)【公表日】2016年3月22日
(86)【国際出願番号】US2014016203
(87)【国際公開番号】WO2014133773
(87)【国際公開日】20140904
【審査請求日】2017年2月13日
(31)【優先権主張番号】13/780,106
(32)【優先日】2013年2月28日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】595057890
【氏名又は名称】エシコン・エンド−サージェリィ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Ethicon Endo−Surgery,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】シムズ・ロバート・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホフマン・ダグラス・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ザークル・ジェイソン・イー
(72)【発明者】
【氏名】シャイブ・チャールズ・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】フォルツ・ジャンナ・ビー
【審査官】 宮部 愛子
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第05452837(US,A)
【文献】 特表2006−525090(JP,A)
【文献】 米国特許第05709334(US,A)
【文献】 米国特許第05772099(US,A)
【文献】 特開2007−090070(JP,A)
【文献】 特開2009−018163(JP,A)
【文献】 欧州特許出願公開第1254636(EP,A2)
【文献】 特開2006−218297(JP,A)
【文献】 特開平8−336540(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0248169(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機器であって、
(a)本体と、
(b)前記本体に連通するシャフトと、
(c)前記シャフトに連通するエンドエフェクタであって、前記エンドエフェクタは、連続して位置付けられているステープルを、組織を通して駆動するように構成され、前記エンドエフェクタは、
(i)アンビルと、
(ii)ステープル開口部を備えるカートリッジであって、前記アンビルは、前記カートリッジに対して動くように動作可能であり、前記カートリッジは、ステープルを前記アンビルに向かって前記ステープル開口部を通って上向きに駆動するように位置付けられ、前記カートリッジは、前記アンビルが前記カートリッジ上に閉じた時に、前記アンビルの横方向の揺動を防止するように構成されている少なくとも1つの突起を備え、前記少なくとも1つの突起は、前記アンビルに向いている、カートリッジと、を備える、エンドエフェクタと、を備え、
前記少なくとも1つの突起は、前記カートリッジの遠位端に位置付けられている横方向に離間した一対の隆起を含み、前記一対の隆起は、前記エンドエフェクタの中心を通って延びる長手方向軸に対して横方向に離間しており、前記一対の隆起は、前記ステープル開口部より遠位に配置されており、
前記アンビルは、係合溝部を備えており、
前記カートリッジは、前記係合溝部に係合するように構成されているボール係合部を備えており、
前記係合溝部は、前記ボール係合部の直径よりも長い長さを有する、機器。
【請求項2】
前記アンビルの遠位部分は、前記カートリッジに向かって曲折する形状である、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記アンビルは、前記カートリッジに向かって延在する少なくとも1つのアンビル突起を備え、前記少なくとも1つのアンビル突起は、前記カートリッジの前記少なくとも1つの突起に係合するように構成されている、請求項1に記載の機器。
【請求項4】
前記アンビルは、前記カートリッジに向かって延在する複数の突起を備える、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記アンビル及び前記カートリッジは、前記エンドエフェクタの遠位端に向かって横方向に先細りになる形状である、請求項1に記載の機器。
【請求項6】
前記係合溝部は、前記ボール係合部の湾曲を相補するように動作可能な滑らかな湾曲形状を有する、請求項に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、内視鏡外科用器具は、より小さい切開が、手術後の回復時間及び合併症を低減し得るために、従来の開腹外科用装置よりも好ましい場合がある。したがって、いくつかの内視鏡外科用器具は、トロカールのカニューレを介して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを定置するのに適し得る。これらの遠位エンドエフェクタは、多くの方法で組織に係合し、診断又は治療効果を得ることができる(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラー、クリップアプライヤ(clip applier)、アクセス装置、薬物/遺伝子治療送達装置、及び超音波、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達装置)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含むことがある。かかるシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸線を中心とした回転を可能にし、それにより患者内のエンドエフェクタの位置決めが容易になる。エンドエフェクタの位置決めは、シャフトの長手方向軸線に対してエンドエフェクタを選択的に関節動作ないしは別の方法で偏向することを可能にする1つ又は2つ以上の関節動作ジョイント又は機構を含めることによって、更に容易になる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例として、外科用ステープラーが挙げられる。かかるステープラーのいくつかは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを駆動することによって組織層の切断された端部の近くで切断された組織層を共に実質的に封着するように動作可能である。単なる例示の外科用ステープラーは、1989年2月21日発行の「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題される米国特許第4,805,823号、1995年5月16日発行の「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題される米国特許第5,415,334号、1995年11月14日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題される米国特許第5,465,895号、1997年1月28日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題される米国特許第5,597,107号、1997年5月27日発行の「Surgical Instrument」と題される米国特許第5,632,432号、1997年10月7日発行の「Surgical Instrument」と題される米国特許第5,673,840号、1998年1月6日発行の「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題される米国特許第5,704,534号、1998年9月29日発行の「Surgical Clamping Mechanism」と題される米国特許第5,814,055号、2005年12月27日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E−Beam Firing Mechanism」と題される米国特許第6,978,921号、2006年2月21日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題される米国特許第7,000,818号、2006年12月5日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題される米国特許第7,143,923号、2007年12月4日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi−Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題される米国特許第7,303,108号、2008年5月6日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題される米国特許第7,367,485号、2008年6月3日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題される米国特許第7,380,695号、2008年6月3日発行の「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two−Piece E−Beam Firing Mechanism」と題される米国特許第7,380,696号、2008年7月29日発行の「Surgical Stapling and Cutting Device」と題される米国特許第7,404,508号、2008年10月14日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題される米国特許第7,434,715号、2010年5月25日発行の「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題される米国特許第7,721,930号、2010年10月21日公開の「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題される米国特許公開第2010/0264193号、及び2012年9月20日公開の「Motor−Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題される米国特許公開第2012/0239012号に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許公報のそれぞれの開示内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
参考として上述した外科用ステープラーは、内視鏡手技において使用されるものとして記載されているが、かかる外科用ステープラーは、開口処置及び/又は他の非内視鏡処置においても使用することができることを理解されたい。単なる例示として、トロカールをステープラー用導管として使用しない胸部の外科的処置において、外科用ステープラーを、開胸を介して患者の肋骨の間に挿入し、1つ又は2つ以上の器官に到達させてもよい。かかる処置では、肺につながる血管を切断及び閉塞するためにステープラーを使用してもよい。例えば、器官につながる血管は、胸腔から器官を切除する前に、ステープラーによって切断及び閉塞されてもよい。勿論、外科用ステープラーは、様々な他の状況及び処置において使用されてもよい。
【0004】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連する構成部品が作製及び使用されてきたが、本発明者(ら)以前には、添付された特許請求の範囲に記載されている本発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれると共にその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明するのに役立つものである。
図1】例示の関節動作外科用ステープル留め器具の斜視図である。
図2図1の器具の側面立面図である。
図3図1の器具の開放されたエンドエフェクタの斜視図である。
図4A】発射ビームが近位位置にある、図3の線4−4に沿って取られた、図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
図4B】発射ビームが遠位位置にある、図3の線4−4に沿って取られた、図3のエンドエフェクタの側面断面図である。
図5図3の線5−5に沿って取られた、図3のエンドエフェクタの端部断面図である。
図6図3のエンドエフェクタの分解斜視図である。
図7】組織に位置付けられ、かつ組織内で1回作動された後の、図3のエンドエフェクタの斜視図である。
図8図1の器具に使用するための例示の制御回路の概略図である。
図9】ハウジングが半分取り外された状態の、図1の器具のハンドル組立体の斜視図である。
図10図9のハンドル組立体からの駆動組立体の構成要素の斜視図である。
図11図10の駆動組立体からの細長部材の斜視図である。
図12図1の器具に組み込むのに好適な、例示の代替の形態のエンドエフェクタの側面立面図である。
図13】横方向に離隔し、上向きに延在している突起を示している、図12のエンドエフェクタの拡大側面図である。
図14図13の線14−14に沿って取られた、横方向の突起を示している、図12のエンドエフェクタの断面図である。
図15】アンビルの横方向の横揺れ角を示している、図12のエンドエフェクタの端面図である。
図16】係合溝部を有する、図12のアンビルの拡大斜視図である。
図17】1つの突起及び横方向に離隔し、上向きに延在している複数の突起を有する、図12のカートリッジの拡大斜視図である。
図18】アンビルの偏向角度を示している、図12のエンドエフェクタの上面図である。
図19】整列部材及び横方向安定化部材を有する、代替の例示の形態のエンドエフェクタの側面立面図である。
図20図19の線20−20に沿って取られた、横方向安定化部材を示している断面図である。
【0006】
図面は、いかなる意味においても限定的なものではなく、図に必ずしも示されていないものを含め、本発明の様々な実施形態を様々な他の方法で実施し得ることが考えられる。本明細書に組み込まれその一部をなす添付の図面は、本発明のいくつかの態様を示すものであり、説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明は図に示される正確な配置に限定されない点が理解されるべきである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために用いられるべきではない。本発明の他の例、特徴、態様、実施形態、及び利点が以下の説明から当業者には明らかとなろう。以下の説明は、実例として、本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである。明らかになるように、本発明は、本発明から逸脱することなく、他の様々な明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、制限的なものではなく、例示的な性質のものとしてみなすべきである。
【0008】
I.例示の外科用ステープラー
図1図7は、外科的処置を行うために、図1に描写されるような非関節動作状態で、トロカールカニューレを通って患者内の手術部位まで挿入するように寸法決めされている、例示の外科用ステープル留め及び切断器具(10)を示している。単なる例示として、患者の腹部内に、患者の2本の肋骨の間に、又はその他の部位に、かかるトロカールを挿入してもよい。一部の状況では、器具(10)は、トロカールなしで使用される。例えば、開胸又は他の種類の切開によって、器具(10)を直接挿入してもよい。本発明の例の器具(10)は、シャフト(22)に結合しているハンドル部分(20)を含む。シャフト(22)は、関節動作ジョイント(11)内で遠位方向に終端し、関節動作ジョイント(11)は、エンドエフェクタ(12)と更に連結されている。本明細書では、「近位」及び「遠位」といった用語は、器具(10)のハンドル部分(20)を握っている臨床医を基準として使用されていることを理解されたい。したがって、エンドエフェクタ(12)は、より近位にあるハンドル部分(20)に対して遠位である。便宜上、また説明を明確にするため、本明細書では「垂直」及び「水平」といった空間的な用語を図面に対して使用する点も更に認識されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの配向及び姿勢で使用され、これらの用語は、制限的かつ絶対的でないことが意図されている。
【0009】
一部の形態においては、シャフト(22)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Instrument with Multi−Diameter Shaft」と題される米国特許出願第号[代理人整理番号END7181USNP.0599180]の少なくとも一部の教示に従って構築される。シャフト(22)の他の好適な構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0010】
関節動作ジョイント(11)及びエンドエフェクタ(12)が、トロカールのカニューレ通路を通って一旦挿入されると、関節動作ジョイント(11)は、図1に幻影で描写されるように、関節動作制御部(13)によって遠隔に操作され、関節動作することができ、エンドエフェクタ(12)を、シャフト(22)の長手方向軸線(LA)から所望の角度(α)に偏向することができる。エンドエフェクタ(12)は、そのようにして、所望の角度から又は他の理由のために、臓器の背後に到達する又は組織に近付くことができる。一部の形態においては、関節動作ジョイント(11)は、単一の平面に沿ってエンドエフェクタ(12)を偏向することができる。その他の形態においては、関節動作ジョイント(11)は、2つ以上の平面に沿ってエンドエフェクタを偏向することができる。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)は、本明細書で引用される多数の引用文献のうちのいずれかの教示に従って構成されてもよい。あるいは、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、他の任意の好適な構成を有していてもよい。単なる例示として、関節動作制御部(13)は、シャフト(22)の長手方向軸線(LA)に直交する軸を中心に回転するノブとして代わりに構成されてもよい。
【0011】
一部の形態においては、関節動作ジョイント(11)及び/又は関節動作制御部(13)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題される米国特許出願第号[代理人整理番号END7174USNP.0599176]の少なくとも一部の教示に従って、構築され、動作可能である。関節動作ジョイント(11)はまた、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第号[代理人整理番号END7181USNP.0599180]の少なくとも一部の教示に従って、構築され、動作可能である。関節動作ジョイント(11)及び関節動作制御部(13)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0012】
本発明の例のエンドエフェクタ(12)は、下部つかみ具(16)及び枢動可能アンビル(18)を含む。一部の形態においては、下部つかみ具(16)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題される米国特許出願第号[代理人整理番号END7182USNP.0599227]の少なくとも一部の教示に従って構築することができる。アンビル(18)に組み込むことができる種々の例示の代替の機構、構成、及び操作性は、以下により詳細に記載される。更に、アンビル(18)は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題される米国特許出願第号[代理人整理番号END7180USNP.0599175]の少なくとも一部の教示に従って構築することができる。下部つかみ具(16)及びアンビル(18)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0013】
ハンドル部分(20)は、ピストル把持部(24)及び閉鎖トリガー(26)を含む。閉鎖トリガー(26)は、ピストル把持部(24)に向かって枢動可能であり、エンドエフェクタ(12)の下部つかみ具(16)に向かってアンビル(18)のクランプ又は閉鎖を行うことができる。かかるアンビル(18)の閉鎖は、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を介してもたらされ、その両方とも、ピストル把持部(24)に対する閉鎖トリガー(26)の枢動に応じてハンドル部分(20)に対して長手方向に移動する。閉鎖管(32)は、シャフト(22)の長さに沿って延在し、閉鎖用リング(33)は、関節動作ジョイント(11)より遠位に位置付けられる。関節動作ジョイント(11)は、閉鎖管(32)から閉鎖用リング(33)までの長手方向の運動を伝達/伝動するように動作可能である。
【0014】
ハンドル部分(20)はまた、発射トリガー(28)を含む。細長部材(136)(図11に図示)は、シャフト(22)を通って長手方向に延在し、発射トリガー(28)の作動に応じて、ハンドル部分(20)から発射ビーム(14)まで長手方向の発射動作を伝達する。以下で更に詳細に説明されるように、発射ビーム(14)が遠位に移動することにより、エンドエフェクタ(12)においてクランプされた組織のステープル留め及び切断が行われる。その後、トリガー(26、28)を解放し、エンドエフェクタ(12)から組織を解放することができる。
【0015】
図3図6は、数多くの機能を実行するためにEビーム形態の発射ビーム(14)を取り入れているエンドエフェクタ(12)を示す。Eビーム形態は、単なる例示としての一例であることを理解されたい。発射ビーム(14)は、他の好適な形態を有していてもよく、非Eビーム形態も含まれるが、これに限定されるものではない。図4A及び図4Bに最もわかりやすく示されるように、発射ビーム(14)は、横断方向に配向された上方ピン(38)と、発射ビームキャップ(44)と、横断方向に配向された中間ピン(46)と、遠位方向に提示された切断縁部(48)と、を含む。上方ピン(38)は、アンビル(18)の長手方向アンビルスロット(42)内に位置付けられ、長手方向アンビルスロット(42)内を移動可能である。発射ビームキャップ(44)は、下部つかみ具(16)を通って形成された下部つかみ具スロット(45)(図4Bに図示)を通って延在する発射ビーム(14)を有することによって、下部つかみ具(16)の下面に摺動可能に係合する。中間ピン(46)は、発射ビームキャップ(44)と協働する下部つかみ具(16)の上面に摺動可能に係合する。これにより、発射ビーム(14)は、発射中に、エンドエフェクタ(12)の間隔を肯定的に取る。
【0016】
一部の非Eビーム形態の発射ビーム(14)は、上方ピン(38)、中間ピン(46)、及び/又は発射ビームキャップ(44)が欠けていてもよい。器具(10)のかかる形態のいくつかは、閉鎖用リング(33)又はその他の機構に単に依存し、発射ビーム(14)が遠位位置へと前進する間、閉鎖位置までアンビル(18)を枢動させ、閉鎖位置でアンビル(18)を留めておいてもよい。単なる例示として、発射ビーム(14)及び/又は関連するロックアウト機構は、本件と同日に出願され、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題される米国特許出願第号[代理人整理番号END7175USNP.0599231]の少なくとも一部の教示に従って、構築され、動作可能である。発射ビーム(14)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0017】
図3は、近位に位置付けられている本発明の例の発射ビーム(14)と、開放位置まで枢動され、下部つかみ具(16)のチャネル内に、未使用のステープルカートリッジ(37)を着脱可能に装着できるようにするアンビル(18)と、を示す。図5及び図6に最もわかりやすく示されるように、この例のステープルカートリッジ(37)は、上部デッキ(72)を提示し、下部カートリッジトレー(74)と連結されている、カートリッジ本体(70)を含む。図3に最もわかりやすく示されるように、垂直スロット(49)は、ステープルカートリッジ(37)の一部を通って形成されている。図3にまた最もわかりやすく示されるように、3列のステープル開口部(51)は、垂直スロット(49)の片側の上部デッキ(72)を通って形成され、垂直スロット(49)の他方の側の上部デッキ(72)を通って、他の1組の3列のステープル開口部(51)が形成される。勿論、任意の他の好適なステープルの列数(例えば、2列、4列、その他の列数)が提供されてもよい。再度、図4A図6を参照すると、楔形スレッド(41)及び複数のステープルドライバ(43)は、カートリッジ本体(70)とトレー(74)との間に捕捉されており、楔形スレッド(41)は、ステープルドライバ(43)よりも近位に位置する。楔形スレッド(41)は、ステープルカートリッジ(37)内を長手方向に可動であり、一方、ステープルドライバ(43)は、ステープルカートリッジ(37)内を垂直方向に可動である。ステープル(47)もまた、カートリッジ本体(70)内に、対応するステープルドライバ(43)の上に位置付けられる。特に、それぞれのステープル(47)は、ステープルドライバ(43)によってカートリッジ本体(70)内を垂直方向に駆動され、関連するステープル開口部(51)を通ってステープル(47)を外へと駆動する。図4A図4B、及び図6に最もわかりやすく示されるように、楔形スレッド(41)は、楔形スレッド(41)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に駆動されるにつれてステープルドライバ(43)を上方に促す、傾斜したカム表面を提示する。
【0018】
ステープルカートリッジ(37)に組み込むことができる種々の例示の構成要素、構成、及び操作性は、以下により詳細に記載される。ステープルカートリッジ(37)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許出願第号[代理人整理番号END7182USNP.0599227]の少なくとも一部の教示に従って、構築され、動作可能である。ステープルカートリッジ(37)が取り得る他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0019】
図4A及び図4Bに描写されるように、閉鎖管(32)及び閉鎖用リング(33)を遠位方向に前進させることによってエンドエフェクタ(12)が閉鎖された状態で、発射ビーム(14)は、次いで、上方ピン(38)を長手方向アンビルスロット(42)に入れることによって、アンビル(18)と係合して前進する。プッシャブロック(80)(図5に図示)は、発射ビーム(14)の遠位端に位置し、かつ、発射トリガー(28)が作動した際、発射ビーム(14)がステープルカートリッジ(37)を通って遠位方向に前進するにつれてプッシャブロック(80)が楔形スレッド(41)を遠位方向に押すように、楔形スレッド(41)と係合するように構成されている。かかる発射中に、発射ビーム(14)の切断縁部(48)は、ステープルカートリッジ(37)の垂直スロット(49)に入り、ステープルカートリッジ(37)とアンビル(18)との間にクランプされている組織を切断する。図4A及び図4Bに示すように、中間ピン(46)及びプッシャブロック(80)は共に、ステープルカートリッジ(37)内の垂直スロット(49)内に入ることによって、ステープルカートリッジ(37)を作動させ、楔形スレッド(41)をステープルドライバ(43)との上向きのカム接触へと駆動すると、ステープル(47)は、ステープル開口部(51)を通って外へと駆動され、アンビル(18)の内面のステープル成形ポケット(53)(図3に図示)との成形接触へと駆動される。図4Bは、組織の切断及びステープル留めが完了した後、遠位方向に完全に移動した発射ビーム(14)を示す。ステープル成形ポケット(53)は、図4A及び図4Bの図から意図的に省略されているが、図3に図示されていることを理解されたい。また、アンビル(18)は、図5の図から意図的に省略されていることも理解されたい。
【0020】
図7は、組織(90)を貫通する1回のストロークを介して作動しているエンドエフェクタ(12)を示す。図示されるように、切断縁部(48)(図7では不明瞭)は、組織(90)を切断しており、一方、ステープルドライバ(43)は、切断縁部(48)が作り出した切断線の各側で、組織(90)を通してステープル(47)の3本の交互の列を駆動している。この例では、全てのステープル(47)が切断線とほぼ平行に配向されているが、ステープル(47)は、任意の好適な配向で位置付けられてもよいことを理解されたい。本発明の例では、第1のストロークが完了した後にエンドエフェクタ(12)をトロカールから後退させ、使用済みのステープルカートリッジ(37)を新しいステープルカートリッジと交換し、その後に、エンドエフェクタ(12)を再びトロカールを通って挿入して、ステープル留めする部位に到達し、更なる切断及びステープル留めを行う。所望の量の切断及びステープル(47)が提供されるまで、このプロセスを繰り返すことができる。トロカールを通って挿入及び後退を可能にするためにアンビル(18)を閉鎖する必要があり得、ステープルカートリッジ(37)の交換を可能にするためにアンビル(18)を開放する必要があり得る。
【0021】
各作動ストローク中に、ステープル(47)が組織を通して駆動されるのとほぼ同時に、切断縁部(48)が組織を切断することができることを理解されたい。本発明の例では、切断縁部(48)は、ステープル(47)の駆動にごくわずかに遅れて進むので、ステープル(47)は、切断縁部(48)が組織の同じ領域を通過する直前に組織を通して駆動されるが、この順序を逆にすることができること、又は、切断縁部(48)が、隣接するステープルと直接同期されてもよいことを理解されたい。図7は、2層(92、94)の組織(90)で作動しているエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)は、単層の組織(90)を通して作動してもよく、又は2層(92、94)以上の組織を通して作動してもよいことを理解されたい。また、切断縁部(48)が作り出した切断線に隣接するステープル(47)の成形及び位置決めにより、切断線で組織を実質的に封着することができ、したがってその切断線での出血及び/又は他の体液の漏出を低減又は防止することができることも理解されたい。また、図7は、ほぼ扁平で、付着された平面な2層(92、94)の組織で作動しているエンドエフェクタ(12)を示しているが、エンドエフェクタ(12)は、血管、胃腸管の一部分などの筒状構造に交差して作動してもよいことを理解されたい。したがって、図7は、エンドエフェクタ(12)の企図される使用方法の制限について説明しているものとして考慮されるべきではない。器具(10)が使用され得る種々の好適な状況及び処置は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0022】
器具(10)は、米国特許第4,805,823号、米国特許第5,415,334号、米国特許第5,465,895号、米国特許第5,597,107号、米国特許第5,632,432号、米国特許第5,673,840号、米国特許第5,704,534号、米国特許第5,814,055号、米国特許第6,978,921号、米国特許第7,000,818号、米国特許第7,143,923号、米国特許第7,303,108号、米国特許第7,367,485号、米国特許第7,380,695号、米国特許第7,380,696号、米国特許第7,404,508号、米国特許第7,434,715号、米国特許第7,721,930号、米国特許公開第2010/0264193号、及び/又は同第2012/0239012号のうちいずれかの教示に従って構成され、動作可能であることを理解されたい。上述のように、それらの特許及び公報のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれている。器具(10)に提供することができる更なる例示の修正例は、以下により詳細に記載する。以下の教示が器具(10)に組み込むことができる種々の好適な方法は、当業者には明らかであろう。同様に、以下の教示を本明細書で引用される特許/公報の様々な教示と組み合わせることができる種々の好適な方法は、当業者には明らかであろう。また、以下の教示が、本明細書で引用される特許に教示された器具(10)又は装置に限定されないことも理解されたい。以下の教示は、外科用ステープラーとして分類されない器具を含む様々な他の種類の器具に容易に適用することができる。以下の教示を適用することができる種々の他の好適な装置及び状況は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0023】
II.例示の電動駆動機構
本発明の例では、器具(10)は、発射ビーム(14)の電動制御を提供する。図8図11は、発射ビーム(14)の電動制御を提供するために使用されてもよい、例示の構成要素を示す。特に、図8は、電池パック(104)(図1及び図2にも図示)からの電力を電動モーター(102)に供給するために使用されてもよい、例示の制御回路(100)を示す。以下で更に詳細に説明されるように、電動モーター(102)は、発射ビーム(14)を長手方向に移動させるように動作可能である。モーター(102)及び電池パック(104)を含む制御回路(100)全体を、ハンドル部分(20)内に収容することが可能であることを理解されたい。図8は、オープンスイッチとして発射トリガー(28)を示しているが、このスイッチは、発射トリガー(28)が作動しているときは閉じられていることを理解されたい。この例の回路(100)はまた、回路(100)を完了するために閉じられなければならない安全スイッチ(106)を含むが、安全スイッチ(106)は単なる任意選択的な構成要素であることを理解されたい。安全スイッチ(106)は、別装のボタン、スライダ、又はハンドル部分(20)の他の機構を作動することによって閉じることができる。
【0024】
本発明の例の回路(100)はまた、ロックアウトスイッチ(108)を含み、そのスイッチは、初期設定では閉じられているが、ロックアウト状態に応じて自動的に開くように構成されている。単なる例示として、ロックアウト状態は、下部つかみ具(16)にカートリッジ(37)がない状態、下部つかみ具(16)に使用済み(例えば、以前に発射された)カートリッジ(37)がある状態、アンビル(18)が十分に閉鎖されていない状態、器具(10)がすでに何度も発射されていると判断された状態、及び/又は任意の他の好適な状態のうち、1つ又は2つ以上の状態を含んでいてもよい。ロックアウト状態を検知するために使用されてもよい様々なセンサ、アルゴリズム、及び他の機構は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。同様に、本明細書の教示を鑑みれば、他の好適な種類のロックアウト状態も、当業者には明らかになるであろう。回路(100)が開いており、ロックアウトスイッチ(108)が開いている際は、モーター(102)は動作不可能であることを理解されたい。ロックアウト指示器(110)(例えば、LEDなど)は、ロックアウトスイッチ(108)の状態の視覚的指標を提供するように動作可能である。単なる例示として、ロックアウトスイッチ(108)、ロックアウト指示器(110)、及び関連する構成要素/機能性は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2010年1月12日発行の「Electronic Lockouts and Surgical Instrument Including Same」と題される米国特許第7,644,848号の少なくとも一部の教示に従って構成することができる。
【0025】
一旦発射ビーム(14)が最遠位位置(例えば、切断ストロークの終わり)に到達すると、ストローク終了スイッチ(112)は自動的に閉鎖位置に切り替わり、モーター(102)に適用される電圧の極性を反転させる。これにより、モーター(102)の回転方向は反転するが、操作者は動作のこの段階で、発射トリガー(28)を解放しているだろう点が理解されるべきである。この動作状態において、電流は、逆方向指示器(114)(例えば、LEDなど)を通って流れ、モーター(102)の回転が反転したことを操作者に伝える視覚的指標を提供する。発射ビーム(14)が最遠位位置に到達した際、ストローク終了スイッチ(112)が自動的に閉鎖位置に切り替わる種々の好適な方法は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。同様に、逆方向指示器(114)が取り得る種々の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。
【0026】
本発明の例のハンドル部分(20)はまた、手動戻りスイッチ(116)を含んでおり、そのスイッチは、回路(100)内にも図示されている。手動戻りスイッチ(116)は、「緊急救済(bailout)」機能として動作するように構成されており、操作者は、発射ストローク中、発射ビーム(14)の近位方向への縮退を即座に開始することができる。つまり、手動戻りスイッチ(116)は、発射ビーム(14)が部分的にしか遠位方向に前進していない場合、手動で作動できる。手動戻りスイッチ(116)は、ストローク終了スイッチ(112)と同様の機能性を提供し、モーター(102)に適用される電圧の極性を反転させ、それにより、モーター(102)の回転方向を反転させてもよい。この場合もまた、反転したことは、逆方向指示器(114)を通じて視覚的に表示される。
【0027】
一部の形態においては、1つ又は2つ以上のスイッチ(28、106、108、112、116)は、マイクロスイッチの形態をしている。他の好適な形態は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。前述に加えて又は前述の代わりに、少なくとも回路(100)の一部は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年7月3日発行の「Motor−Driven Surgical Instrument」と題される米国特許第8,210,411号の少なくとも一部の教示に従って構成することができる。
【0028】
図9図11は、発射ビーム(14)の電動移動を提供するために使用されてもよい種々の機械的構成要素を示す。特に、図9は、ハンドル部分(20)のピストル把持部(24)に収容されたモーター(102)を示す。電池パック(104)(図1及び図2に図示)は、ピストル把持部(24)(例えば、モーター(102)の下)及び/又はハンドル部分(20)内の他の場所に位置していてもよいことを理解されたい。モーター(102)は、歯車組立体(122)と連結されている駆動軸(120)を有する。歯車組立体(122)は、外部筐体(図示せず)を有しており、図10に示すように、上部歯車(126)を駆動するように動作可能である。上部歯車(126)は、ハンドル部分(20)に固定されたピン(129)に回転可能に支持されているピニオン(128)に噛合する。それゆえに、モーター(102)の起動により、最終的にハンドル部分(20)内でピニオン(128)が回転することを理解されたい。
【0029】
図9及び図10にも示すように、移動ラック(130)は、ピニオン(128)に噛合する歯(132)を含み、ラック(130)は、ピニオン(128)が回転する際、長手方向に移動する。図11に示すように、ラック(130)は、細長部材(136)に連結されており、細長部材(136)は、シャフト(22)を通って延在し、発射ビーム(14)の近位端に連結する遠位端(138)を含む。細長部材(136)は、シャフト(22)内を移動し、細長部材(136)は、ラック(130)の長手方向動作を発射ビーム(14)に伝達する。それゆえに、モーター(102)の起動により、最終的に発射ビーム(14)がエンドエフェクタ(12)内を移動することを理解されたい。特に、モーター(102)は、発射ビーム(14)を遠位方向に駆動し、組織(90)を切断、かつ組織(90)内にステープル(47)を駆動させてもよい。スイッチ作動アーム(134)は、ラック(130)から横方向に延在し、かつ、発射ビーム(14)が最遠位位置(例えば、組織(90)が切断され、ステープル(47)が組織(90)内に駆動された後)に到達した際、ストローク終了スイッチ(112)に係合するように位置付けられる。上述のように、このストローク終了スイッチ(112)の係合により、モーター(102)は自動的に反転して、発射ビーム(14)を最遠位位置から近位位置へと戻し、それにより、アンビル(18)は、下部つかみ具(16)から離れるように枢動され、組織(90)を解放する。
【0030】
「枢動する」という用語(及び「枢動」を基体とした類義語)の使用は、必ずしも固定軸を中心とした枢動運動を必要とすると理解されるべきではない。一部の形態においては、アンビル(18)は、アンビル(18)が下部つかみ具(16)に向かって動く際、細長スロット又はチャネルに沿ってスライドするピン(又は同様の機構)によって画定される軸を中心として枢動する。かかる形態においては、枢軸がスロット又はチャネルによって画定される経路に沿って移動する一方で、アンビル(18)も同時にその枢軸を中心として枢動する。追加的にあるいは代替的に、まず枢軸がスロット/チャネルに沿ってスライドし、次いで枢軸がスロット/チャネルに沿ってある一定の距離をスライドした後、アンビル(18)が枢軸を中心として枢動してもよい。かかるスライドする/移動するという枢動運動は、「枢動する(pivot、pivots)」、「枢動の(pivotal)」、「枢動可能な(pivotable)」、「枢動している(pivoting)」などの用語に包含されていることを理解されたい。勿論、一部の形態は、固定かつスロット又はチャネル内を移動しない軸を中心としたアンビル(18)の枢動運動を提供してもよい。
【0031】
前述に加えて又は前述の代わりに、発射ビーム(14)を駆動するように動作可能な機構は、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公開第2012/0239012号の少なくとも一部の教示に従って、かつ/又はその開示もまた参照により本明細書に組み込まれている、米国特許公報第2012/0239012号の少なくとも一部の教示に従って構成することができる。発射ビーム(14)の電動化を提供するための他の好適な構成要素、機構、及び構成は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。また、他の形態において、発射ビーム(14)のマニュアル駆動が提供され、モーターが省かれてもよいことも理解されたい。単なる例示として、発射ビーム(14)は、本明細書で引用されるその他の特許/特許公報の参照の少なくとも一部の教示に従って作動することができる。
【0032】
III.安定化機構を有する例示のエンドエフェクタ
場合によっては、ステープル(47)を組織(90)内に発射する前に、アンビル(18)が、カートリッジ(37)に対して直角に、かつカートリッジ(37)に対して適切な高さで、確実にクランプするための機構を提供することが望まれ得る。例えば、アンビル(18)及びカートリッジ(37)が、一部の区域は異常に厚く、その他の区域はその一部の領域よりも薄い可能性のある組織に対してクランプする場合、アンビル(18)とカートリッジ(37)との間にクランプされている組織が平らでなくても、アンビル(18)をカートリッジ(37)に対して整列させることが望まれ得る。組織をクランプするにあたり、カートリッジ(37)に対するアンビル(18)の横方向の軸転偏向及び/又は横方向の枢動偏向を防止することもまた、望まれ得る。
【0033】
図12は、図1に示される器具(10)などの器具での使用のために動作可能な例示のエンドエフェクタ(212)を示す。例えば、エンドエフェクタ(212)は、エンドエフェクタ(12)の代わりに使用されてもよい。エンドエフェクタ(212)は、関節動作機構(11)と一体に形成されていてもよく、若しくは関節動作機構(11)と別体に形成され、関節動作機構(11)に着脱可能に結合されていてもよいことが理解されよう。他の好適な変更例は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかになるであろう。エンドエフェクタ(212)は、アンビル(218)及び下部つかみ具(216)を備える。下部つかみ具(216)は、ステープルカートリッジ(237)を保持するように動作可能である。一般に、アンビル(218)は、カートリッジ(237)に対してクランプし、その間の組織をクランプする。その後、カートリッジ(237)内のステープルは、組織内に発射され、ステープルがアンビル(218)に対して曲折した結果、組織内で固定することができる。組織のクランプ及びステープルの発射に関して、エンドエフェクタ(212)は、図1のエンドエフェクタ(12)と実質的に類似している。アンビル(218)がカートリッジ(237)に接触する際、アンビル(218)を横方向に安定化するために、以下で更に論じられる機構を使用することができる。その結果、アンビル(218)がカートリッジ(237)に対して横方向に傾くことなく、ステープル(例えば、ステープル(47))は、カートリッジ(237)から組織を通してアンビル(218)に対して発射され得る。
【0034】
図13は、エンドエフェクタ(212)の拡大図を示す。カートリッジ(237)は、横方向に離隔し、上向きに延在している複数の突起(250)を備える。図14に示すように、横方向の突起(250)は、横方向に離間した2つの突起(250)を備える。突起(250)は、アンビル(218)がカートリッジ(237)の上に閉鎖する際、アンビル(218)がカートリッジ(237)と関連して横方向に揺動しないように離間している。図示された形態において、突起(250)は、浅く丸い形状を有しているが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、突起(250)の任意の好適な形状が使用されてもよいことが理解されよう。例えば、突起(250)は、尖った台地形状又は高い台地形状を有していてもよい。場合によっては、突起(250)は、カートリッジ(237)の長さに沿って位置付けられるだろう。
【0035】
図15は、エンドエフェクタ(212)の中心を通って延在する長手方向軸線(260)に対するアンビル(218)の横揺れ角θ(213)を図示している、エンドエフェクタ(212)の端面図を示す。横揺れ角θ(213)は、アンビル(218)がカートリッジ(237)に対してクランプしている間に、組織(90)によってアンビル(218)が軸転する場合の、0°の角度から正の角度又は負の角度のいずれかへの横方向の軸転を表していることが理解されよう。横方向の突起(250)は、アンビル(218)とカートリッジ(237)との間の2つの接点を提供するように動作可能であり、アンビル(218)が横方向の突起(250)に接触する際、アンビル(218)の横揺れ角θ(213)は、ほぼ0°に近い角度であり続ける。アンビル(218)とカートリッジ(237)との間に組織をクランプするため、横揺れ角θ(213)は、突起(250)によって提供される2つの接点によって、ほんのわずかだが、0°からずれてもよいことが理解されよう。つまり、アンビル(218)がカートリッジ(237)の上に閉鎖する際、アンビル(218)は、カートリッジ(237)の上に閉鎖する動作中に横方向に軸転してもよいが、アンビル(218)と突起(250)との接触は、アンビル(218)の任意の横方向の軸転を補正するように動作可能である。その結果、ステープル成形ポケット(253)(図16参照)は、ステープルを発射する前に、開口部(251)(図17参照)と整列する。また、突起(250)は、アンビル(218)からの前負荷がカートリッジ(237)の上部デッキに対して付与されることとなる場所を一貫して確立している。例示の形態では、突起(250)は、カートリッジ(237)上に位置しているが、追加的にあるいは代替的に、突起(250)は、アンビル(218)上に位置付けられてもよいことが理解されよう。アンビル(218)を横方向に安定化するための突起(250)の他の好適な位置は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかとなるであろう。図13は、突起(250)に係合するように動作可能な突起(219)を有し、それにより、カートリッジ(237)とアンビル(218)との間の更なる接触を促進するアンビル(218)を更に示す。突起(219)は、概ね平坦な表面の形状をしているが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、他の好適な形状が使用されてもよい。突起(219)は、図16にも示されている。
【0036】
また、場合によっては、アンビル(218)がカートリッジ(237)に対して閉鎖する際、カートリッジ(237)に対するアンビル(218)の横方向の枢動偏向を防止又は補正することが望まれ得ることが理解されよう。
【0037】
図16は、係合溝部(270)を示しているアンビル(218)の下面図である。係合溝部(270)は、アンビル(218)の内部で、細長の半球状の溝形状をしているが、以下でより詳細に論じられるように、係合溝部(270)は、突起(272)(図17に図示)を受け入れるための任意の好適な形状を有していてもよいことが理解されよう。図示された形態の溝部(270)は、真っ直ぐな湾曲部分(271)と、真っ直ぐな湾曲部分の両側に接している球状の湾曲部分(273)と、を備え、溝部(270)を形成する。例示の形態の溝部(270)は、アンビル(218)に沿って横方向に中央に位置するが、他の好適な溝部(270)の位置が使用されてもよい。図示された形態において、係合溝部(270)は、アンビル(218)がカートリッジ(237)に対して閉鎖する際、係合溝部(270)及び突起(250)が概ね三角形状となるように位置付けられる。勿論、この構成は単なる例示としての一例であり、これらの形体は、種々の好適な代替の配置に左右され得る。本発明の例では、アンビル(218)は、係合溝部(270)に向かって横方向に先細りになる形状をなしているが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、アンビル(218)の任意の好適な形状が使用されてもよい。
【0038】
図17は、突起(272)を有するエンドエフェクタ(212)のカートリッジ(237)を示す。アンビル(218)がカートリッジ(237)に対して閉鎖する際、突起(272)は、係合溝部(270)内に嵌合することが理解されよう。特に、アンビル(218)がカートリッジ(237)に向かって押圧する際、突起(272)は、まず球状の湾曲部分(273)に接触してから真っ直ぐな湾曲部分(271)へとスライドしてもよい。係合溝部(270)は、突起(272)よりも大きく寸法決めされていることが理解されよう。その結果、突起(272)は、係合溝部(270)が突起(272)を捕えられるように、必ずしも係合溝部(270)と完全に整列する必要はない。例示の形態のカートリッジ(237)は、突起(272)に向かって横方向かつ垂直方向に先細りになり、幅狭な先端を形成するが、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、カートリッジ(237)の任意の好適な形状が使用されてもよいことが理解されよう。
【0039】
突起(272)は、球状の湾曲部分(273)などの係合溝部(270)の一部分を捕えるように動作可能であり、そこでその後、係合溝部(270)の湾曲した輪郭によって、突起(272)は、真っ直ぐな湾曲部分(271)などの係合溝部(270)のより中心部分へとスライドすることができ、それにより、突起(272)と係合溝部(270)との嵌合を提供する。一旦、突起(272)及び係合溝部(270)が互いに完全に係合すると、アンビル(218)は、カートリッジ(237)に対して横方向に偏向できないことが理解されよう。例えば、例示の形態において、係合溝部(270)の幅は、突起(272)の直径を相補し、それにより、アンビル(218)の偏向を防止し、アンビル(218)とカートリッジ(237)との整列を促進させる。しかしながら、係合溝部(270)の長さは、突起(272)の直径よりも長く、それにより、突起(272)と係合溝部(270)との係合を促進させ、係合溝部(270)の真っ直ぐな湾曲部分(271)への突起(272)のスライドを更に促進させる。また、アンビル(218)が閉鎖時に、横方向に枢動的に偏向する場合、係合溝部(270)及び突起(272)は、協調し、アンビル(218)が整列するように誘導することを理解されたい。
【0040】
図18は、エンドエフェクタ(212)の中心を通って延在している長手方向軸線(260)を示す。偏向角β(262)は、使用中の一部のシナリオにおいてアンビル(218)が経験するであろう長手方向軸線(260)の左右への偏向量を表している。例えば、アンビル(218)の偏向は、アンビル(218)がカートリッジ(237)に対してクランプする際、厚い組織若しくは特に緻密な組織がアンビル(218)とカートリッジ(237)との間に位置付けられる場合に、又はアンビル(218)と下部つかみ具(216)との間の区域における組織の密度及び/又は厚さが、アンビル(218)及び下部つかみ具(216)の幅に亘って変化する場合に、発生し得る。勿論、上で論じた通り、係合溝部(270)を突起(272)と係合させることによって、アンビル(218)は、偏向に対して抵抗し、それにより、偏向角β(262)を長手方向軸線(260)に対してほぼ0°に保てることが理解されよう。場合によっては、わずかな偏向が発生し得るが、総じて、突起(272)及び係合溝部(270)により、偏向角β(262)は、長手方向軸線(260)に対して0°又は0°近くに維持されることが理解されよう。
【0041】
また、図16に示すように、アンビル(218)は、アンビル先端(220)を有しており、アンビル先端(220)は、カートリッジ(237)に向かって角度付けられた、曲折かつ傾斜形状を有している。アンビル先端(220)の曲折形状は、カートリッジ(237)の形状を相補し、アンビル(218)は、カートリッジ(237)に対する偏向に対して更に抵抗することが理解されよう。例示の形態は、曲折形状を有するアンビル先端(220)を示しているが、アンビル先端(220)は、必ずしも曲折形状を有している必要はなく、アンビル先端(220)がアンビル(218)の残りの部分に対して真っ直ぐに配向された状況において、係合溝部(270)及び突起(272)が使用されてもよいことが理解されよう。実際、係合溝部(270)及び突起(272)はまた、例えば、図12に示すような角度のある先端を有するカートリッジ(237)ではなく真っ直ぐなカートリッジ(237)と共に使用されてもよい。
【0042】
図19は、代替の例示の形態のエンドエフェクタ(312)を示す。エンドエフェクタ(312)は、図1及び図12に示されるエンドエフェクタ(12、212)と互換性を持って、あるいはエンドエフェクタ(12、212)の代わりに、使用されてもよいことが理解されよう。エンドエフェクタ(312)は、アンビル(318)及び下部つかみ具(316)を備える。下部つかみ具(316)は、図3に示される下部つかみ具(16)及びカートリッジ(37)に対してほぼ同様の方法で複数のステープルを保持するように動作可能なカートリッジ(337)に連通している。アンビル先端(320)は、曲折し、カートリッジ(237)の形状を概ね相補するが、アンビル先端(320)は、他の好適な形状を有していてもよいことが理解されよう。
【0043】
エンドエフェクタ(312)は、遠位に位置付けられているアンビルの整列部材(370)及び横方向安定化部材(372)を更に備える。整列部材(370)は、エンドエフェクタ(312)の遠位端で、アンビル(318)とカートリッジ(337)との間の間隔を画定するように動作可能であることが理解されよう。また、横方向安定化部材(372)は、以下に更に詳細に記載するように、アンビル(318)をカートリッジ(337)に対して横方向に安定化させるように動作可能である。
【0044】
本発明の例の整列部材(370)は、断面三角形状の楔形状を有する。整列部材(370)の三角形状の楔形状は、アンビル(318)及びカートリッジ(337)の輪郭を相補するように構成されていることが理解されよう。例えば、場合によっては、アンビル(318)とカートリッジ(337)との間に置かれている組織のタイプ及び/又は厚さに基づいて、アンビル(318)とカートリッジ(337)との間に特定の距離を維持することが望まれ得る。整列部材(370)は、したがって、アンビル(318)の一部分とカートリッジ(337)との間に位置付けられ、ユーザーが所望する以上にアンビル(318)がカートリッジ(337)に対して閉鎖されることを防止することができる。また、整列部材(370)は、アンビル(318)がカートリッジ(337)に対して閉鎖されすぎることを防止するだけではなく、整列部材(370)によって、アンビル(318)は、カートリッジ(337)から一定の距離を維持することができる。更に、整列部材(370)は、アンビル(318)とカートリッジ(337)との間隙を埋め、アンビル(318)の遠位端及びアンビル(318)の遠位端との間に設置された整列部材(370)を有するカートリッジ(337)は、アンビル(318)又はカートリッジ(337)のいずれかが不用意に組織を捕えることなしに、エンドエフェクタ(312)を組織へと促すために使用することができる非外傷性の鈍端を形成する。例示の形態においては、アンビル(318)及びカートリッジ(337)は、平面外形を有しており、そこで、アンビル(318)及びカートリッジ(337)は、整列部材(370)と接触する。しかしながら、アンビル(318)及びカートリッジ(337)は、本明細書の教示を鑑みれば当業者には明らかであるように、他の好適な形状を有していてもよいことが理解されよう。したがって、整列部材(370)はまた、アンビル(318)及びカートリッジ(337)を相補するような任意の好適な形状を有していてもよい。一部の形態においては、整列部材(370)は、アンビル(318)又はカートリッジ(337)のいずれかと関連して着脱可能であってもよいこと、あるいは、アンビル(318)又はカートリッジ(337)のいずれかと一体に形成されていてもよいことが理解されよう。更に他の例示の形態においては、整列部材(370)は、分割され、一部分がアンビル(318)と結合し、その他の部分がカートリッジ(337)と結合してもよいことが理解されよう。場合によっては、エンドエフェクタ(312)は、異なる形状及びサイズを有する複数のモジュール式の整列部材(370)が提供され、ユーザーは、例えば、ある種類の組織においては整列部材(370)のある形状を使用し、他の種類の組織においては他の形状若しくはサイズの整列部材(370)を使用してもよいだろう。
【0045】
横方向安定化部材(372)は、図19にも見られ、更に、横方向安定化部材(372)の正面断面図は、図20に見られる。横方向安定化部材(372)は、アンビル(318)とカートリッジ(337)との間に横方向の接触を提供するように動作可能な複数片の材料を備える。図20に示すように、横方向安定化部材(372)は、2つの接触部材を含み、それらの間には間隙が提供されている。横方向安定化部材(372)をアンビル(318)及びカートリッジ(337)の横方向の両側面に設置することによって、使用中にアンビル(318)がカートリッジ(337)を閉鎖する際、アンビル(318)は、横方向安定化部材(372)と接触することが理解されよう。横方向安定化部材(372)と接触する際、アンビル(318)は、横方向に安定化され、アンビル(318)は、カートリッジ(337)に対して左右に揺動しない。特に、横方向安定化部材(372)は、アンビル(318)が係合できるように、横方向安定化部材(372)に沿う接触面を提供する。その結果、アンビル(318)がカートリッジ(337)を閉鎖する際、種々の厚さ又は密度の組織に対する押圧によってアンビル(318)が横方向に軸転し得るとしても、一旦アンビル(318)が横方向安定化部材(372)に対して閉鎖すると、アンビル(318)は、横方向に真っ直ぐになることが理解されよう。したがって、横方向安定化部材(372)は、図13の突起(250)と同様の機能を果たす。一部の例示の形態においては、横方向安定化部材(372)は、カートリッジ(337)の上よりもアンビル(318)の上に位置付けられてもよい。更に他の例示の形態においては、横方向安定化部材(372)は、アンビル(318)及びカートリッジ(337)の両方の上に設置されてもよい。横方向安定化部材(372)の他の好適な形態は、本明細書の教示を考慮すれば当業者に明らかとなるであろう。一部の形態においては、横方向安定化部材(372)及び/又は整列部材(370)は、図13に示されるエンドエフェクタ(212)と共に使用されてもよく、それにより、更に安定化が付加されることが理解されよう。
【0046】
IV.その他
本明細書で述べる教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書で述べるその他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して分離して考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法は、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかであろう。かかる修正及び変形は、特許請求の範囲内に含まれることを意図する。
【0047】
理解されたいこととして、参照により本明細書に組み込まれると述べられた任意の特許、公報、又は他の開示資料は、部分的にあるいは全体的に、その組み込まれた資料が既存の定義、記載内容、又は本開示に示した他の開示資料と矛盾しない範囲で本明細書に組み込まれる。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に援用される任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。本明細書に参照により組み込まれるものとされているが、既存の定義、見解、又は本明細書に記載された他の開示内容と矛盾する全ての内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と既存の開示内容との間にあくまで矛盾が生じない範囲でのみ援用するものとする。
【0048】
上述の装置の変形例は、医療専門家によって行われる従来の治療及び医療処置での用途だけでなく、ロボット支援された治療及び医療処置での用途も有することができる。単なる例示として、本明細書の様々な教示は、ロボットによる外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、本明細書の様々な教示は、以下の様々な教示のいずれかと容易に組み合わせることができることが当業者には理解されるであろう。その開示が参照により本明細書に組み込まれている、1998年8月11日発行の「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題される米国特許第5,792,135号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、1998年10月6日発行の「Remote Center Positioning Device with Flexible Drive」と題される米国特許第5,817,084号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、1999年3月2日発行の「Automated Endoscope System for Optimal Positioning」と題される米国特許第5,878,193号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2001年5月15日発行の「Robotic Arm DLUS for Performing Surgical Tasks」と題される米国特許第6,231,565号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2004年8月31日発行の「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」と題される米国特許第6,783,524号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2002年4月2日発行の「Alignment of Master and Slave in a Minimally Invasive Surgical Apparatus」と題される米国特許第6,364,888号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2009年4月28日発行の「Mechanical Actuator Interface System for Robotic Surgical Tools」と題される米国特許第7,524,320号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2010年4月6日発行の「Platform Link Wrist Mechanism」と題される米国特許第7,691,098号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2010年10月5日発行の「Repositioning and Reorientation of Master/Slave Relationship in Minimally Invasive Telesurgery」と題される米国特許第7,806,891号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2013年1月10日公開の「Automated End Effector Component Reloading System for Use with a Robotic System」と題される米国特許公開第2013/0012957号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年8月9日公開の「Robotically−Controlled Surgical Instrument with Force−Feedback Capabilities」と題される米国特許公開第2012/0199630号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年5月31日公開の「Shiftable Drive Interface for Robotically−Controlled Surgical Tool」と題される米国特許公開第2012/0132450号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年8月9日公開の「Surgical Stapling Instruments with Cam−Driven Staple Deployment Arrangements」と題される米国特許公開第2012/0199633号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年8月9日公開の「Robotically−Controlled Motorized Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems Having Variable Actuation Speeds」と題される米国特許公開第2012/0199631号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年8月9日公開の「Robotically−Controlled Surgical Instrument with Selectively Articulatable End Effector」と題される米国特許公開第2012/0199632号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年8月9日公開の「Robotically−Controlled Surgical End Effector System」と題される米国特許公開第2012/0203247号、2012年8月23日公開の「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題される米国特許公開第2012/0211546号、その開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年6月7日公開の「Robotically−Controlled Cable−Based Surgical End Effectors」と題される米国特許公開第2012/0138660号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれている、2012年8月16日公開の「Robotically−Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題される米国特許公開第2012/0205421号。
【0049】
上述の装置の変形例は、1回の使用後に処分するように設計されることができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。諸変形例は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整されることは、装置を分解する工程、それに続いて特定の部片を洗浄又は交換する工程、並びにその後に再組み立てする工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、装置の変形例によっては分解されてもよく、また、装置の任意の数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の変形例によっては、再調整用の施設で、又は処置の直前にユーザーによって、その後の使用のために再組み立てされてよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は理解されるであろう。かかる技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、すべて、本出願の範囲内にある。
【0050】
単なる例示として、本明細書で説明した形態は、処置の前及び/又は後に滅菌してもよい。1つの滅菌技術では、装置は、プラスチック又はTYVEKバッグなど、閉じて密閉された容器に入れられる。次いで、容器及び装置は、γ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を貫通することができる放射線場に設置されてよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させることができる。次に、滅菌された装置は、後の使用のために、滅菌した容器内に保管されてもよい。装置はまた、限定されるものではないが、β若しくはγ放射線、エチレンオキシド、又は蒸気を含む、当該技術分野で既知の他の任意の手法を使用して滅菌されてもよい。
【0051】
本発明の様々な実施形態について図示し説明したが、本明細書で説明した方法及びシステムの更なる改変が、当業者による適切な変更により、本発明の範囲を逸脱することなく達成され得る。そのような考えられる修正のいくつかが述べられており、また、その他の修正が当業者には明らかであろう。例えば、上で議論した例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは、例示的なものであり、必須ではない。したがって、本発明の範囲は以下の特許請求の範囲において考慮されるべきものであり、本明細書及び図面において図示及び説明した構造及び動作の細部に限定されないものとして理解されるべきである。
【0052】
〔実施の態様〕
(1) 機器であって、
(a)本体と、
(b)該本体に連通するシャフトと、
(c)該シャフトに連通するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、連続して位置付けられているステープルを、組織を通して駆動するように構成され、該エンドエフェクタは、
(i)アンビルと、
(ii)カートリッジであって、該アンビルは、該カートリッジに対して動くように動作可能であり、該カートリッジは、ステープルを該アンビルに向かって上向きに駆動するように位置付けられ、該カートリッジは、該アンビルの横方向の揺動を防止するように構成されている少なくとも1つの突起を備え、該少なくとも1つの突起は、該アンビルに向いている、カートリッジと、を備える、エンドエフェクタと、を備える、機器。
(2) 前記アンビルの遠位部分は、前記カートリッジに向かって曲折する形状である、実施態様1に記載の機器。
(3) 前記少なくとも1つの突起は、前記カートリッジの遠位端に位置付けられている横方向に離間した一対の隆起を含む、実施態様1に記載の機器。
(4) 前記アンビルは、前記カートリッジに向かって延在する少なくとも1つのアンビル突起を備え、該少なくとも1つのアンビル突起は、前記カートリッジの前記少なくとも1つの突起に係合するように構成されている、実施態様1に記載の機器。
(5) 前記アンビルは、前記カートリッジに向かって延在する複数の突起を備え、前記カートリッジは、前記アンビルに向かって延在している突起を1つだけ有する、実施態様4に記載の機器。
【0053】
(6) 前記アンビル及び前記カートリッジは、前記エンドエフェクタの遠位端に向かって横方向に先細りになる形状である、実施態様1に記載の機器。
(7) 前記アンビルは、係合溝部を備える、実施態様1に記載の機器。
(8) 前記係合溝部は、その直径よりも長い長さを有する、実施態様7に記載の機器。
(9) 前記カートリッジは、前記係合溝部に係合するように構成されている突起を備える、実施態様7に記載の機器。
(10) 前記係合溝部は、ボール係合部の湾曲を相補するように動作可能な滑らかな湾曲形状(contoured curved shape)を有する、実施態様9に記載の機器。
【0054】
(11) 前記係合溝部は、ボール係合部よりも長い長さを有する、実施態様9に記載の機器。
(12) 前記アンビル及び前記カートリッジに係合するように構成されている整列部材を更に備え、該整列部材は、楔状形状を有する、実施態様1に記載の機器。
(13) 前記アンビル及び前記カートリッジに係合するように構成されている整列部材を更に備え、該整列部材は、前記アンビル及び前記カートリッジに平面の接触表面を提供するように構成されている、実施態様1に記載の機器。
(14) 前記アンビル及び前記カートリッジに係合するように構成されている整列部材を更に備え、該整列部材は、前記アンビルの輪郭及び前記カートリッジの輪郭を相補する形状である、実施態様1に記載の機器。
(15) 前記アンビルと前記カートリッジとの間に、横方向に離間する一対の横方向安定化部材を更に備える、実施態様1に記載の機器。
【0055】
(16) 機器であって、
(a)本体と、
(b)該本体に連通するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、アンビル及びカートリッジを備え、該アンビルは、該カートリッジに対して閉鎖するように構成され、該アンビル及び該カートリッジは、組織に対してクランプするように構成されている、エンドエフェクタと、
(c)該アンビルと該カートリッジとの間に位置付けられている横方向安定化機構であって、該横方向安定化機構は、該アンビルの中央平面と該カートリッジの中央平面との間の平行な整列を維持する、横方向安定化機構と、を備える、機器。
(17) 前記横方向安定化機構は、前記アンビルと前記カートリッジとの間に位置付けられている複数の横方向に整列した突起を含む、実施態様16に記載の機器。
(18) 前記エンドエフェクタは、前記エンドエフェクタを通って延在している長手方向軸線を画定し、横揺れ角は、該長手方向軸線に対する前記アンビルの横方向の軸転(lateral roll)として定義され、前記横方向安定化機構は、前記アンビルが組織及び前記カートリッジに対してクランプする際、ほぼ0°の横揺れ角を維持するように構成されている、実施態様16に記載の機器。
(19) 前記アンビルは、溝部を備え、前記カートリッジは、該溝部に嵌合する形状であるボール部を備え、該溝部及び該ボール部は、前記長手方向軸線に対する前記アンビルの横方向の枢動偏向を防止するように係合するように構成されている、実施態様18に記載の機器。
(20) 機器であって、
(a)本体と、
(b)該本体に連通するエンドエフェクタであって、該エンドエフェクタは、
(i)アンビルと、
(ii)カートリッジであって、該アンビルは、該カートリッジに対して閉鎖するように構成され、該カートリッジは、横方向に位置付けられている複数の突起を備え、該横方向に位置付けられている複数の突起は、該アンビルが該カートリッジに対して閉鎖する際、該横方向に位置付けられている複数の突起のそれぞれにおいて該アンビルと接触するように構成され、該横方向に位置付けられている複数の突起は、該アンビルが該カートリッジに対して横方向に安定化するように構成されている、カートリッジと、を備える、エンドエフェクタと、
(c)該アンビルと該カートリッジとの間に位置付けられている整列部材であって、該整列部材は、該アンビルが該カートリッジに対して閉鎖するように位置付けられている場合、該アンビルの遠位端と該カートリッジの遠位端とを同時に係合するように構成されている、整列部材と、を備える、機器。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20