(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記特許文献1に開示されたレセプタクルでは、接合用舌片が形成されていることで、半田付けの強度は向上されているが、上下方向に外力が加わる、いわゆる、こじりに対しては、接合用舌片自体が変形してしまう課題がある。また、上記特許文献2に開示されたコネクタでは、保持部と、台座部とからなる補強金具を備えているため、製造コストが高くなると共に、コネクタ自体が大型化する課題がある。
【0006】
本発明は上述のような従来技術の課題を解決するためになされたものであって、本発明の目的は、基板に取り付けられるリード部の変形を抑制し、こじり等の外力に対して高い強度を有するコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の第1の態様にかかるコネクタは、内部に複数のコンタクトが収容される筒状のシェルを有するコネクタであって、
前記シェルには、補強部材が前記シェルを覆うように取り付けられており、
前記補強部材には、基板に取り付けられるリード部が、前記シェルが配置される側とは反対側に向かってそれぞれ対向する位置から延設されており、
前記シェルの外周と前記補強部材の前記リード部の根本部分が、溶接されていることを特徴とする。
【0008】
また、第2の態様のコネクタは、第1の態様のコネクタにおいて、前記シェルは、上面部と、前記上面部と対向する底面部と、前記上面部と前記底面部の両端部が繋がれた一対の側面部を有する筒状体で形成され、
前記補強部材は、前記シェルの前記上面部又は前記底面部の少なくともいずれかが覆われる部分と、前記シェルの各側面部がそれぞれ覆われる一対の側部とを有し、
前記リード部は、前記一対の側部からそれぞれ延設されており、
前記補強部材の前記リード部の根本部分と前記シェルの各側面部の外側とがそれぞれ溶接されていることを特徴とする。
【0009】
また、第3の態様のコネクタは、第1又は第2の態様のコネクタにおいて、前記補強部材の前記リード部が形成された根本部分には、前記シェル側に向かうように突出された突起部がそれぞれ形成され、
前記突起部と前記シェルの外周側が溶接されて取り付けられていることを特徴とする。
【0010】
また、第4の態様のコネクタは、第1又は第2の態様のコネクタにおいて、前記シェルの外側の対向する位置には、一部が隆起した一対の隆起部が形成されており、
前記隆起部と前記補強部材の
前記リード部の根本部分の内側とが溶接されていることを特徴とする。
【0011】
また、第5の態様のコネクタは、第3の態様のコネクタにおいて、前記シェルの外周側の対向する位置には、一部が隆起した一対の隆起部が形成されており、
前記隆起部と前記突起部とがそれぞれ溶接されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様のコネクタによれば、基板に取り付けられる補強部材のリード部の根本部分がシェルと溶接されているため、こじり等の外力がシェルに加わっても補強部材のリード部の変形を抑制することができる。
【0013】
また、第2の態様のコネクタによれば、シェルの両側面部と補強部材の一対の側部に形成されたリード部の根本部分が溶接されることで、より強固にシェルと補強部材を固定することができる。
【0014】
また、第3の態様のコネクタによれば、補強部材のリード部の根本部分に溶接される突起部が形成されることで、溶接を行いやすくなる。
【0015】
また、第4の態様のコネクタによれば、シェルの外側に隆起した隆起部が形成されることで、溶接を行いやすくなる。
【0016】
また、第5の態様のコネクタによれば、補強部材のリード部の根本部分に溶接される突起部が形成され、また、シェルの外側に隆起した隆起部が形成されることで、より溶接を行いやすくなる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するためのコネクタを例示するものであって、本発明をこれに特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものにも等しく適応し得るものである。
【0019】
[実施形態]
まず、
図1〜
図14を参照して、実施形態に係るコネクタ10について説明する。実施形態のコネクタ10は、回路基板に実装されるものであり、
図1〜
図3に示すように、複数のコンタクト46、72が所定の間隔となるように配置された状態で一体に形成されたハウジングユニット12と、このハウジングユニット12が内部に収容される金属製のシェル90と、シェル90を覆うように装着されている金属製の補強部材124とを有している。そして、複数のコンタクト46,72及び補強部材124の一部が基板にはんだ付け等により固定されて、コネクタ10が実装されるようになる。このとき、実施形態のコネクタ10は、シェル90と補強部材124は溶接部143が溶接されて固定されている。
【0020】
まず、
図1〜
図5を参照して実施形態のハウジングユニット12について説明する。実施形態のハウジングユニット12は、複数の第1コンタクト46と、金属製の板状部材42とを有し、これらと一体となるように形成された第1ハウジング14と、複数の第2コンタクト72を有し、これらと一体となるように形成された第2ハウジング52が組み合わされた構成となっている。また、ハウジングユニット12には、第1ハウジング14と第2ハウジング52とが組み合わされて固定される金属製の環状部材78が装着されている。なお、この環状部材78は、電磁波等のノイズを遮蔽するためにも用いられる。さらに、組み合わされた第1ハウジング14と第2ハウジング52との外周を囲うように、樹脂製のOリング88が取り付けられている。
【0021】
第1ハウジング14は、板状部材42と複数の第1コンタクト46が一体となるように、例えば、モールド形成により形成されている。
【0022】
第1ハウジング14に設けられる板状部材42は、
図3及び
図5に示すように、第1ハウジング14のベースとなるベース部43を有し、ハウジングユニット12の補強を行う部材である。この板状部材42は、平板状の金属板を打ち抜き、所定の形状に屈曲させることで形成されている。なお、板状部材42には、基板に接続される板状部材接続部44が形成されている。
【0023】
また、第1ハウジング14の第1コンタクト46は、
図5に示すように、複数の金属製の棒状体が所定の間隔及び、形状にて並べられて配置されている。この各第1コンタクト46の一方側が、相手側のコネクタのコンタクト部と接触される第1接触部48となり、他方側が、基板の接点等にはんだ付け等により接続される第1接続部50となっている。なお、第1コンタクト46は、それぞれ金属製の板体を打ち抜き、所定の形状に屈曲させることで形成されている。なお、板状部材42と第1コンタクト46の形状は、対応するように屈曲されて形成されている。
【0024】
そして、第1ハウジング14は、
図3及び
図4に示すように、シェル90の開口部102側に配置される第1前面16側の第1上面20には、第1コンタクト46の第1接触部48が露出される第1接触領域30を有し、シェル90の挿入口106側に配置される第1後面18側の第1上面20から一方の第1側面24及び他方の第1側面26に亘っては、シェル90に装着される第1装着領域34を有し、さらに、第1後面18側の第1底面22には、第1コンタクト46の第1接続部50が露出される第1接続領域40を有している。
【0025】
第1接触領域30には、複数の第1コンタクト46の第1接触部48が所定の間隔に整列するように露出されている。また、第1接触領域30の第1装着領域34側には、環状部材78が取り付けられる環状部材取付部32を有している。なお、第1ハウジング14には、環状部材取付部32の第1接触領域30側には、複数の凸部39が形成されており、また、環状部材取付部32の第1装着領域34には、複数の嵌入部38が形成されている。
【0026】
第1装着領域34は、シェル90の内面に沿うように、一方の第1側面24及び他方の第1側面26側が曲面状であって、第1上面20側が平面状となるように形成されている。
【0027】
また、第1装着領域34の一方の第1側面24及び他方の第1側面26側であって、第1上面20側には、ハウジングユニット12がシェル90に装着された場合に、シェル90に形成された係止片118が係止される係止部28がそれぞれ形成されている。
【0028】
さらに、第1装着領域34の第1接触領域30側には、Oリング88が取り付けられる溝状のOリング取付部36が形成されている。
【0029】
また、第1接続領域40には、複数の第1コンタクト46の第1接続部50が所定の間隔に整列するように露出されている。なお、この第1接続領域40には、板状部材42に形成された板状部材接続部44も露出するようにされており、この露出された板状部材接続部44が第1コンタクト46の第1接続部50とともに基板に接続されるようになる。この板状部材接続部44はアースとなっている。
【0030】
また、第1ハウジング14の一方の第1側面24及び他方の第1側面26の第1底面22側には、第2ハウジング52と嵌合される嵌合部41が形成されている。
【0031】
また、第2ハウジング52は、
図3、
図6及び
図7に示すように、第2コンタクト72が一体となるように、例えば、モールド形成により形成されている。
【0032】
第2ハウジング52の第2コンタクト72は、
図6及び
図7に示すように、複数の金属製の棒状体が所定の間隔及び、形状にて並べられて配置されている。この第2コンタクト72の一方側が、相手側のコネクタのコンタクト部と接触される第2接触部74となり、他方側が、基板にはんだ付け等により接続される第2接続部76となっている。なお、第2コンタクト72は、金属製の板体を打ち抜き、所定の形状に屈曲させることで形成されている。
【0033】
そして、この第2ハウジング52には、シェル90の開口部102側に配置される第2前面54側の第2上面58に第2コンタクト72の第2接触部74が露出される第2接触領域66を有し、シェル90の挿入口106側に配置される第2後面56側の第2上面58から一方の第2側面62及び他方の第2側面64に亘っては、シェル90に装着される第2装着領域68を有し、さらに、第2後面56側の第2底面60には、第2コンタクト72の第2接続部76が露出される第2接続領域70を有している。
【0034】
第2接触領域66には、複数の第2コンタクト72の第2接触部74が所定の間隔に整列するように露出されている。また、第2接触領域66の第2装着領域68側には、環状部材78が取り付けられる環状部材取付部32を有している。なお、第2ハウジング52には、環状部材取付部32の第2接触領域66側には、複数の凸部39が形成されている。
【0035】
第2装着領域68は、シェル90の内面に沿うように、一方の第2側面62及び他方の第2側面64側が曲面状であって、第2底面60側が平面状となるように形成されている。
【0036】
また、第2装着領域68の第2接触領域66側には、Oリング88が取り付けられる溝状のOリング取付部36が形成されている。
【0037】
第2接続領域70には、第2コンタクト72の第2接続部76が所定の間隔に整列するように露出されている。
【0038】
また、第2ハウジング52の一方の第2側面62及び他方の第2側面64の第2上面58側には、第1ハウジング14の係合部86と嵌合される嵌合突起部71が形成されている。
【0039】
次に、
図3及び
図10を参照して、環状部材78について説明する。環状部材78は、電磁波等のノイズを遮蔽すると共に、第1ハウジング14と第2ハウジング52を組み合わせた状態に固定する部材である。環状部材78は、同一の構造で形成されたものを、2つ用い、それぞれ向き合わせて、一方を第1ハウジング14側から装着させ、他方を第2ハウジング52側から装着させ、互いに結合させることで第1ハウジング及び第2ハウジングに装着される。この環状部材78は、それぞれ、コの字状に形成されており、第1ハウジング14の第1上面20、又は第2ハウジング52の第2底面60の各環状部材取付部32に設けられる広い面積を有する平面部80と、この平面部80の両端が折り曲げられて形成され、互いに係合される係合部86が形成された腕部84とで構成されている。
【0040】
そして、環状部材78は、第1ハウジング14と第2ハウジング52が組み合わされた状態で、第1ハウジング14及び第2ハウジング52の環状部材取付部32に対応するように装着させ、それぞれの環状部材78の各係合部86を係合させることで、第1ハウジング14と第2ハウジング52が固定されるようになる。
【0041】
なお、環状部材78は、第1ハウジング14の第1装着領域34側及び第2ハウジング52の第2装着領域68側に配置される部分に、複数の取付片82が形成されている。また、環状部材78の取付片82が形成された側とは反対側には、複数の溝部83が形成されている。そして、環状部材78の取付片82が第1ハウジング14に形成された嵌入部38に嵌め合わされ、また、環状部材78の溝部83が第1ハウジング14及び第2ハウジング52に形成された凸部39にそれぞれ嵌め合わされることで、環状部材78と第1ハウジング14及び第2ハウジング52の位置決め固定がされるようになる。
【0042】
Oリング88は、
図3に示すように、ゴム等の樹脂材料で環状に形成されており、第1ハウジング14と第2ハウジング52が組み合わされた状態で、各Oリング取付部36の溝に取り付けられる。このOリング88は、ハウジングユニット12がシェル90の内側に装着される際に、シェル90の内面とハウジングユニット12の第1装着領域34及び第2装着領域68との隙間を埋めるものである。
【0043】
次に、
図9及び
図10を参照してシェル90について説明する。シェル90は、一方に相手側コネクタが挿入される開口部102と、他方に、コネクタ10を組み立てる際に、ハウジングユニット12が挿入されるための挿入口106を有し、上面部92、底面部96、一方の側面部112及び他方の側面部114で囲まれた平坦な筒状体で構成されている。
【0044】
開口部102は、シェル90の前面部104に形成されており、相手方のコネクタが挿入される部分となる。また、挿入口106は、シェル90の開口部102とは反対側の後面部108に形成されており、ハウジングユニット12が挿入される部分となる。なお、シェル90の挿入口106の底面部96側は、切り欠かれており、第1コンタクト46の第1接続部50、第2コンタクト72の第2接続部76及び板状部材42の板状部材接続部44が配置され、これらが基板と接続されるために解放された部分となっている。
【0045】
シェルの上面部92は、平坦な板状体となっており、開口部102側には、一部が凹んだ凹部94が形成されており、また、挿入口106側には、一部が切り掛かれた切り欠き部110が形成され、また、この切り欠き部110の間に突出部111が形成されている。この凹部94は、後述するガスケット122が設けられる部分となり、また、切り欠き部110及び突出部111は、第1ハウジング14の上面20に形成されたシェル嵌合部21と嵌め合わされるとなる。
【0046】
底面部96は、上面部92と平行な平面となっている。なお、底面部96は、シェル90を製造する際に、金属製の板体を打ち抜き、折り曲げされた板体のそれぞれの端部が繋ぎ合わされる部分となっており、鉤状のつなぎ目100が形成されている。また、底面部96には、上面部92と同様に、ガスケット122が設けられる凹部94が形成されている。
【0047】
なお、底面部96には、上述した挿入口106と共に、第1コンタクト46の第1接続部50、第2コンタクト72の第2接続部76及び板状部材42の板状部材接続部44が配置され、これらが基板と接続されるために開放された開放部98が形成されている。
【0048】
また、一方の側面部112及び他方の側面部114は、それぞれ曲面状に形成されている。この一方の側面部112及び他方の側面部114の上面部92側には、ハウジングユニット12に形成された係止部28と係止される係止片118がそれぞれ形成されており、ハウジングユニット12が装着された際に係止される部分となる。
【0049】
また、一方の側面部112及び他方の側面部114には、後述する補強部材124が溶接されて固定される部分がそれぞれ形成されている。この溶接される部分は、一方の側面部112及び他方の側面部114の曲面状に形成された外周の一部が盛り上がり隆起された隆起部120となっている。このとき、曲面状に形成されたシェル90の一方の側面分112及び他方の側面部114に隆起部120が形成されることで、一部が平面状となっている。なお、この隆起部120は、シェル90の隆起部120が形成される反対側、すなわち、シェル90の内側の面となる側を凹ますように押圧させることで、シェル90の外側の隆起部120が隆起されるようになる。
【0050】
また、一方の側面部112及び他方の側面部114の挿入口106側には、補強部材124と係止される係止突起116がそれぞれ形成されている。この係止突起116は、一方の側面部112及び他方の側面部114の曲面状に対して、平面状の板体が底面部96側に垂下されて延設された部分に形成されている。
【0051】
また、シェル90の開口部102側の外周には、環状にガスケット122が設けられている(
図3参照)。このガスケット122は、樹脂材料で形成されており、モールド成形によりシェル90と一体となるように形成されている。なお、ガスケット122は、シェル90の上面部92及び底面部96に形成された凹部94と対応する位置に形成されるようになる。
【0052】
次に、
図11及び
図12を参照して補強部材について説明する。補強部材124は、コネクタ10が組み立てられたときに、シェル90が覆われるような構成とされており、金属製の板体を打ち抜き、折り曲げることで形成されている。補強部材124は、シェル90の上面部92側が覆われる上部126と、シェル90の一方の側面部112及び他方の側面部114が覆われる一方の側部138及び他方の側部140と、シェル90の挿入口106側が覆われる後部128とで構成されている。なお、上部126と対向する底部152及び後部128と対向する前部150は解放されている。
【0053】
補強部材124の上部126は、シェル90の上面部92が覆われる大きさの平面状に形成されている。なお、実施形態では、この上部126の一部が開口されている。
【0054】
また、補強部材124の一方の側部138及び他方の側部140は、上部126の両端側から略直角に屈曲されて形成されている。なお、実施形態では、上部126と一方の側部138及び他方の側部140との間は傾斜して形成されている。このように、傾斜した部分を形成することで、シェルとの隙間を少なくすることができ、小型化することができる。
【0055】
また、実施形態では、補強部材124の一方の側部138及び他方の側部140は、シェル90の一方の側面部112及び他方の側面部114の略中間部分までが覆われるように形成されている。なお、この一方の側部138及び他方の側部140の高さは、コネクタ10の基板への実装のされ方により任意に変更するようにしてもよい。すなわち、基板の表面に実装する場合は、一方の側部及び他方の側部の高さをシェルの高さに相当する高さとすることができる。
【0056】
また、一方の側部138及び他方の側部140の上部126とは反対側の端部からは、この一方の側部138及び他方の側部140に対して略直角に屈曲されたリード部142が、外側に向かうようにそれぞれ形成されている。このリード部142は、基板にはんだ付け等で取り付けられ、コネクタ10の実装を強固にする部分である。なお、実施形態では、リード部142は、一方の側部138及び他方の側部140に長手方向に沿うように幅広に形成されている。
【0057】
さらに、リード部142には、このリード部142に対して略直角に屈曲され、上部126とは反対方向に形成された固定部144がそれぞれ形成されている。この固定部144は、コネクタ10が基板に実装される際に、基板の切れ込みに挿入され、コネクタをより強固に固定させる部分である。
【0058】
また、一方の側部138及び他方の側部140と、各リード部142との屈曲された部分には、一部が貫通された貫通口146がそれぞれ形成されており、この貫通口146のリード部142側の端部には、補強部材124の内側に延設され、また、上部126とは反対側に屈曲された、溶接突起部148が形成されている。なお、溶接突起部148は、リード部142の根本部分、すなわち、一方の側部138及び他方の側部140と各リード部142が繋がれた部分に形成されている。この溶接突起部148は、シェル90に形成された隆起部120と溶接されて固定される部分となる。
【0059】
また、補強部材124の後部128は、上部126の後部128側の端部から屈曲された板体で一方の側部138及び他方の側部140と略同じ高さで形成されている。なお、上部126と後部128とが繋がれた部分は、一方の側部138及び他方の側部140と異なり、2枚の板状の繋ぎ部で繋がれている。
【0060】
また、後部128の一方の側部138側及び他方の側部140側の端部は、それぞれ前部150側に向かうように屈曲された屈曲部134となっており、一方の側部138及び他方の側部140と沿うように形成される。また、この屈曲部134には、シェルの一方の側面部112及び他方の側面部114に形成された係止突起116と係止される係止孔136がそれぞれ形成されている。
【0061】
次に、主に
図1〜
図3、
図13及び
図14を参照して実施形態のコネクタ10の組み立てについて説明する。コネクタ10の組み立ては、まず、組み立てられたハウジングユニット12をシェル90に装着させる。ハウジングユニット12の組み立ては、上述したように、板状部材42と第1コンタクト46とが一体に形成された第1ハウジング14と第2コンタクト72と一体に形成された第2ハウジング52を、第1ハウジング14の第1底面22側と第2ハウジング52の第2上面58側とが対向するように配置させ、組み合わせる。このとき、第1ハウジング14の一方の第1側面24及び他方の第1側面26の第1底面22側にそれぞれ形成された嵌合部41と、第2ハウジング52の一方の第2側面62及び他方の第2側面64の第2上面58側にそれぞれ形成された嵌合突起部71が嵌め合わされる。
【0062】
そして、各環状部材78が第1ハウジング14及び第2ハウジング52の環状部材取付部32に取り付けられ、環状部材78のそれぞれの係合部86が係合されて固定される。このとき、環状部材78に形成された取付片82が第1ハウジング14の上面20及び第2ハウジング52の底面60にそれぞれ形成された嵌入部38に嵌ることで、環状部材78と第1ハウジング14及び第2ハウジング52が固定されるようになる。また、Oリング88が第1ハウジング14及び第2ハウジング52のOリング取付部36に取り付けられて、ハウジングユニット12が組み立てられる(
図4〜
図8参照)。
【0063】
次に、組み立てられたハウジングユニット12をシェル90の挿入口106から挿入させる。なお、シェル90の開口部102側には、あらかじめガスケット122が設けられている。このとき、挿入口106からはハウジングユニット12の第1接触領域30及び第2接触領域66側から挿入させる。挿入されたハウジングユニット12は、シェル90の開口部102側に第1接触領域30及び第2接触領域66が配置されると共に、第1コンタクト46の第1接触部48及び第2コンタクト72の第2接触部74が配置される。また、シェル90の挿入口106側に第1接続領域40及び第2接続領域70が配置されると共に、シェル90の開放部98に、第1コンタクト46の第1接続部50、第2コンタクト72の第2接続部76及び板状部材42の板状部材接続部44が配置される(
図4〜
図12参照)。
【0064】
さらに、ハウジングユニット12がシェル90に挿入された際に、ハウジングユニット12の第1ハウジング14に形成された係止部28と、シェル90に形成された係止片118とが係止され、位置決め固定されるようになる。
【0065】
さらにまた、シェル90の挿入口106側の後面部108に形成された切り欠き部110及び突出部111が、第1ハウジング14の上面20に形成されたシェル嵌合部21に嵌まり込み、位置決め固定されるようになる。
【0066】
また、ハウジングユニット12に取り付けられたOリング88がシェル90の内面に密着することで、ハウジングユニット12がシェル90内で移動することを抑制するようになる。
【0067】
次に、補強部材124をシェル90に取り付ける。このシェル90への補強部材124の取り付けは、シェル90の上面部92側と補強部材124の上部126、シェル90の後面部108と補強部材124の後部128、シェル90の一方の側面部112と補強部材124の一方の側部138及び、シェル90の他方の側面部114と補強部材124の他方の側部140とが対応するように行われる。そして、補強部材124は、シェル90の上面部92側から下方に移動させ、シェル90の一方の側面部112及び他方の側面部114に形成された係止突起116と、補強部材124の一方の側部138側及び他方の側部140側に形成された係止孔136とが係止される。
【0068】
なお、係止突起116と係止孔136が係止された状態では、シェル90の一方の側面部112及び他方の側面部114に形成された各隆起部120と、補強部材124の一方の側部138及び他方の側部140と各リード部142との間の貫通口146部分に形成された各溶接突起部148とが相対する位置に配置されるようになっている(
図9〜
図12参照)。
【0069】
その後、シェル90と補強部材124は、溶接部143が溶接されて固定されるようになる。この溶接は、
図14に示すように、シェル90の隆起部120と補強部材124の溶接突起部148とが下側、すなわち、シェル90の底面部96側及び補強部材124の底部152側から行われる。なお、
図14はコネクタ10の上下を反転して示している。また、シェル90と補強部材124の溶接は、補強部材124のリード部142の根本部分がシェル90と溶接されるため、より強固にシェル90と補強部材124を固定することができる。そして、シェル90と補強部材124が溶接により固定されることで、コネクタ10の組み立てが完了する。
【0070】
また、実施形態のコネクタ10の基板(不図示)への取り付けは、基板に形成された接点に第1コンタクト46の第1接続部50、第2コンタクト72の第2接続部76及び板状部材42の板状部材接続部44をはんだ付け等で取り付けると共に、補強部材124の各リード部142を基板にはんだ付け等で取り付ける。このとき、補強部材124に形成された固定部144が基板に形成された固定孔等に接することで、強固に固定をすることができる(
図11及び
図12参照)。
【0071】
なお、実施形態では、ハウジングユニットを用いたが、これに限らず、シェル内に装着される従来のコンタクトを備えたハウジングを用いることもできる。また、実施形態では、シェルに溶接のための隆起部を形成したが、これに限らず、隆起部を形成していない従来のシェルを用いて溶接突起部が形成された補強部材と溶接するようにしてもよい。
【0072】
また、実施形態の補強部材は、シェルの上面部側が覆われる場合を説明したが、これに限らず、シェルの全体が覆われる補強部材を用いてもよい。このような構成であっても、補強部材のリード部の根本部分とシェルを溶接することで、リード部の変形を抑制することができる。