特許第6571021号(P6571021)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571021
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】車両用内装構造
(51)【国際特許分類】
   B60R 13/02 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
   B60R13/02 B
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2016-19058(P2016-19058)
(22)【出願日】2016年2月3日
(65)【公開番号】特開2017-136950(P2017-136950A)
(43)【公開日】2017年8月10日
【審査請求日】2019年1月11日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004765
【氏名又は名称】カルソニックカンセイ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】240000327
【弁護士】
【氏名又は名称】弁護士法人クレオ国際法律特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鳥海 隆浩
(72)【発明者】
【氏名】松田 一宏
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−182170(JP,A)
【文献】 特開2008−62808(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 37/00
B60R 7/06
11/00
11/02
13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車室内に設けられている車体側部材に対して内装部品が、爪係止部を介して係止固定可能とされており、
該爪係止部が、前記車体側部材に設けられている爪孔と、前記内装部品に設けられている爪部と、前記爪部の基部に設けられている台座部とを有する車両用内装構造において、
前記車体側部材に対し、前記爪部の前記爪孔への嵌合係止前に、前記台座部をガイドして、前記内装部品の縁部が前記車体側部材に接触するのを防止可能なガイド部が設けられ
前記ガイド部は、前記爪部の前記爪孔への嵌合係止時には、前記台座部に対するガイド状態が解放されているものであることを特徴とする車両用内装構造。
【請求項2】
求項に記載の車両用内装構造であって、
前記ガイド部は、前記爪孔に対する前記爪部の嵌合方向へ延びると共に、
前記ガイド部は、前記台座部よりも短いものとされていることを特徴とする車両用内装構造。
【請求項3】
求項1または請求項2に記載の車両用内装構造であって、
前記車体側部材が、インストルメントパネルと、該インストルメントパネルの車幅方向中央部に設置されているセンター部材とで構成され、
前記内装部品が、前記センター部材に対して隣接配置されるグローブボックスとされており、
前記ガイド部は、前記グローブボックスの縁部が、前記センター部材の車室内に露出している部分に接触するのを防止可能なものとされていることを特徴とする車両用内装構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、車両用内装構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
自動車などの車両には、車室内の前部にインストルメントパネルなどの車体側部材が設置されている。
【0003】
そして、このインストルメントパネルなどの車体側部材に対し、例えば、グローブボックスなどの内装部品を、爪係止部を介して係止保持させるように取付けることが行われている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
上記した爪係止部は、車体側部材に設けられている爪孔と、内装部品に設けられている爪部と、爪部の基部に設けられている台座部とを有するものなどとされる。そして、爪孔へ爪部を挿入して係止させることでインストルメントパネルに対するグローブボックスの爪固定が行われるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2011−33041号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に記載された車両用内装構造には、以下のような問題があった。
即ち、インストルメントパネルとグローブボックスとの間には、グローブボックスの取付けを直接案内するような構造が特に設定されていなかったため、グローブボックスをインストルメントパネルに取付ける際に、グローブボックスの縁部がインストルメントパネルに接触してインストルメントパネルを傷付けてしまうおそれがあった。そのため、インストルメントパネルに対するグローブボックスの取付けは、注意深く慎重に行う必要があった。
【0007】
そこで、本発明は、上記した問題点を解決することを、主な目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は、
車室内に設けられている車体側部材に対して内装部品が、爪係止部を介して係止固定可能とされており、
該爪係止部が、前記車体側部材に設けられている爪孔と、前記内装部品に設けられている爪部と、前記爪部の基部に設けられている台座部とを有する車両用内装構造において、
前記車体側部材に対し、前記爪部の前記爪孔への嵌合係止前に、前記台座部をガイドして、前記内装部品の縁部が前記車体側部材に接触するのを防止可能なガイド部が設けられ
前記ガイド部は、前記爪部の前記爪孔への嵌合係止時には、前記台座部に対するガイド状態が解放されているものであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、上記構成によって、内装部品を取付ける際の車体側部材の傷付きを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本実施の形態にかかる車両用内装構造を示す全体図(車両後方側から見た正面図)である。
図2図1のA−A線に沿った断面図(爪係止部の嵌合前の状態)である。
図3】爪係止部の嵌合後の状態を示す図2と同様の断面図である。
図4】ガイド部を備えていない場合の作動図(図1と同様の車両後方側から見た正面図)である。
図5図4の場合における、図2と同様の断面図(爪係止部の嵌合前の状態)である。
図6図4の場合における、図3と同様の断面図(爪係止部の嵌合後の状態)である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本実施の形態を、図面を用いて詳細に説明する。
図1図6は、この実施の形態を説明するためのものである。
【実施例1】
【0012】
<構成>以下、この実施例の構成について説明する。
【0013】
自動車などの車両には、図1に示すように、車室1内に車体側部材2が設けられている。そして、この車体側部材2に対して内装部品3が、図2(および図3)に示すように、爪係止部4を介して係止固定可能とされている。
このような車両用内装構造では、爪係止部4が、上記車体側部材2に設けられている爪孔5と、上記内装部品3に設けられている爪部6と、上記爪部6の基部に設けられている台座部7とを有するものとされている。
【0014】
ここで、車体側部材2および内装部品3については、後述する。爪係止部4は、車体側部材2と内装部品3との間に、単数または複数設けられる。爪部6は、爪孔5に嵌合係止されるものである。爪部6には、樹脂一体爪となっているものや、金属クリップを備えたものなど各種のものが存在しているが、どのようなものであっても良い。爪部6は、係止固定に必要な剛性が得られるように、内装部品3の一般的な肉厚よりは厚肉に構成されるのが一般的である。
【0015】
台座部7は、爪部6の爪孔5に対する嵌合高さの調整用や、内装部品3の表面へのヒケ発生防止用などに設けられる。なお、ヒケなどの成形不良は、射出成形時の樹脂流動などの影響で、肉厚が変化しているような部分などに生じ易い。よって、内装部品3から直接爪部6を立設すると、内装部品3の表面に(厚肉の)爪部6によって肉厚が変化することでヒケが発生し易くなる。そこで、内装部品3と爪部6との間に内装部品3と同じ肉厚の台座部7を介在させることで、内装部品3の表面へのヒケの発生を防止できるようにする。
【0016】
台座部7は、爪部6を内包可能な大きさの頂面8を有するほぼ直方体状のものとされる。台座部7の側面は、三面が壁となっていると共に、残りの一面に、台座部7を射出成形する際にスライド型が出入りするための開口部9が設けられている。なお、台座部7は、型抜きが可能なように、先端側(爪部6側)へ向かって僅かに先細りとされている。
【0017】
以上のような基本的な構成に対し、この実施例では、以下のような構成を備えるようにしている。
【0018】
(1)上記車体側部材2に対し、上記爪部6の上記爪孔5への嵌合係止前に、上記台座部7をガイドして、上記内装部品3の縁部11が上記車体側部材2に接触するのを防止可能なガイド部12が設けられるようにする。
【0019】
ここで、内装部品3の縁部11には、車体側部材2に対する位置合わせ用のフランジ部15が設けられている。これに対し、車体側部材2には、内装部品3のフランジ部15を受けるためのリブ16が設けられている。そして、フランジ部15とリブ16とは、爪部6の爪孔5への嵌合係止時に互いに係止されることになる。そして、ガイド部12を設けていない場合には、このフランジ部15が、車体側部材2に接触する可能性が高い。
【0020】
上記したガイド部12は、(爪係止部4が複数設けられている場合には、)少なくとも1つの爪係止部4に対してその台座部7(被案内部)をガイドするように設けられる。この場合には、内装部品3の縁部11に近い爪係止部4に対してガイド部12を設けるようにしている。
【0021】
ガイド部12は、どのようなものであっても良いが、爪部6の爪孔5への嵌合係止前にのみ台座部7をガイドするものとされる。また、ガイド部12は、内装部品3の縁部11が、少なくとも、車体側部材2の車室1内に露出する部分に接触するのを防止可能なものとされる。
【0022】
(2)上記ガイド部12は、上記爪部6の上記爪孔5への嵌合係止時には、上記台座部7に対するガイド状態が解放されているものとされる。
【0023】
ここで、ガイド状態が解放とは、爪部6が爪孔5へ嵌合係止される直前までガイド部12によるガイドが行われると共に、爪部6が爪孔5へ嵌合係止される時点では、ガイド部12によるガイド機能が終了した状態になることである。または、ガイド状態が解放とは、上記した時点に、ガイド部12が(爪部6の基部の)台座部7に対して非接触状態となることである。
【0024】
(3)より具体的には、上記ガイド部12は、上記爪孔5に対する上記爪部6の嵌合方向21へ延びるものとされる。
また、上記ガイド部12は、上記台座部7よりも短いものとされる。
【0025】
ここで、ガイド部12は、ほぼ嵌合方向21へ延びるガイドリブ25とされる。但し、ガイドリブ25は、ガイド機能に支障が生じない範囲で嵌合方向21と若干ズレた方向へ延びるようにしても良い。ガイドリブ25の先端のガイド面25aは、嵌合方向21と平行にするのが好ましい。但し、ガイド面25aは、内装部品3の縁部11が車体側部材2に接触しない範囲内で、嵌合方向21から若干傾斜するようにしても良い。例えば、ガイドリブ25のガイド面25aは、嵌合方向21へ進むに従って、内装部品3の縁部11が車体側部材2へ徐々に近付いて行くような傾斜部を有するようにしても良い。
【0026】
そして、台座部7を、ガイドリブ25の側に側面の開口部9が向くように設置することで、台座部7の頂面8の縁部8aが、ガイドリブ25にガイドされるようにする。更に、ガイド部12(の延設方向または上記した嵌合方向21の長さ)を、台座部7の開口部9の高さ寸法よりも短くする。これによって、ガイドリブ25のガイド面25aが、開口部9の位置と重なることで、または、ガイドリブ25のガイド面25aが、開口部9の位置と重なって開口部9から台座部7の内側(内部空間)へ入ることで、ガイド状態が解放されるようにする。
【0027】
なお、ガイドリブ25の両端部には、必要に応じて、台座部7の頂面8の縁部8aに対するガイドがスムーズに開始されるようにするための導入用のテーパ部26,27などを設けることができる。
【0028】
(4)具体的な適用例としては、上記車体側部材2が、インストルメントパネル31と、このインストルメントパネル31の車幅方向中央部に設置されているセンター部材33とで構成される。
そして、上記内装部品3が、上記センター部材33に対して隣接配置されるグローブボックス34とされる。
上記ガイド部12は、上記グローブボックス34の縁部11が、上記センター部材33に接触するのを防止可能なものとされる。
【0029】
ここで、インストルメントパネル31は、車室1の前部に設置される樹脂製の大型の内装パネルのことである。また、センター部材33は、インストルメントパネル31に取付けられる樹脂製の小型のサブパネルのことである。なお、インストルメントパネル31にセンター部材33を取付ける前には、インストルメントパネル31が車体側部材2となり、センター部材33が内装部品3となる。即ち、車体側部材2と内装部品3との関係は、相対的なものである。よって、インストルメントパネル31とセンター部材33との間に、上記したガイド部12を適用することも、構造的には可能である。また、車体側部材2や内装部品3は、上記したインストルメントパネル31やセンター部材33やグローブボックス34などに限るものではない。
【0030】
この実施例の場合、センター部材33は、例えば、その上部に空調コントローラを取付けるための取付枠部35を有するセンタークラスターパネルなどとされている。取付枠部35は、例えば、(大型の)空調コントローラを取付けられるようにしたり、デザイン性を向上したり、または、目立ち易くしたりするなどのために、センター部材33の下側の部分(センター部材本体33a)と比べて横へ大きく張り出したような形状とされている。これに対し、グローブボックス34の縁部11の上部には、取付枠部35の側面を避けるように迂回する切欠状の部分が設けられている(図1参照)。
【0031】
このセンター部材33は、インストルメントパネル31に対し、爪係止部36を介して係止固定可能とされている。この爪係止部36が、インストルメントパネル31に設けられている爪孔37と、センター部材33に設けられている爪部38とを有している。なお、爪部38の基部に対し、爪係止部4と同様の台座部は、設けるようにしても良いし、または、設けないようにしても良い。この場合には、爪係止部36の部分で、センター部材33がグローブボックス34で隠されるため、高さ調整の必要がなく、また、ヒケが問題にならないので、爪係止部36は台座部を備えていないものとされている。
【0032】
グローブボックス34は、リッド開閉型のものやバケット型のものなど各種のものが存在しているが、どのようなタイプのでも良い。この場合、グローブボックス34は、固定部41(例えば、グローブボックス本体など)と、可動部42(例えば、リッド部やバケット部など、図1参照)とを備えており、上記した爪係止部4(の爪部6)は、固定部41に設けられたものとされている。なお、グローブボックス34は、インストルメントパネル31に取付けられる内装部品3としては、最も大きく重いものの1つであり、取付け時の取扱いには特に注意を要するものとなっている。
【0033】
そして、上記した爪係止部4(の爪部6)や爪係止部36(の爪部38)は、例えば、グローブボックス34(の固定部41)やセンター部材33における、上下のコーナー部や、コーナー部間の中間部などに対して適宜設けられるのが一般的である。そして、この実施例の場合には、グローブボックス34とセンター部材33とは、上部の位置をほぼ揃えて設置されるようになっているので、上側のコーナー部の位置については、ほぼ同じ高さとなっている。
【0034】
そのため、グローブボックス34とセンター部材33の上側のコーナー部に設けられる爪係止部4(の爪部6)と爪係止部36(の爪部38)とは、互いに近接した位置となっている。また、上記したようにセンター部材33の上側の取付枠部35の側面は、目立ち易い位置に設けられると共に、目立ち易いように横へ大きく出っ張った形状とされているため、グローブボックス34の取付けに対して最も傷付き易く、しかも、最も傷が目立ち易い部位となっている。そこで、少なくとも、センター部材33の上側の爪部38の基部に対して、グローブボックス34の上側の台座部7をガイドするガイド部12を設けるようにしている。
【0035】
<作用>以下、この実施例の作用について説明する。
【0036】
車体側部材2に対して、内装部品3は、爪係止部4によって係止固定される。この際、車体側部材2の爪孔5に内装部品3の爪部6が嵌合されることで、爪係止部4は係止状態となる。また、爪部6の基部に台座部7を設けることによって、台座部7で、爪孔5に対する爪部6の嵌合高さを調整して、車体側部材2に対し最適な状態で内装部品3を取付けることができるようになる。また、爪部6と内装部品3との間に台座部7を介在させることにより、内装部品3の表面に爪部6によるヒケなどの成形不良が発生し難くすることができる。
【0037】
この際、図4図5図6も併せて参照)に示すように、車体側部材2に対して内装部品3を取付ける際に、内装部品3の縁部11(フランジ部15)が車体側部材2(の車室1内に露出する部分)に接触すると(接触部45)、車体側部材2に擦り傷46(図6参照)などが付いてしまい、製品品質が保てなくなる。
【0038】
<効果>この実施例によれば、以下のような効果を得ることができる。
【0039】
(効果1)車体側部材2にガイド部12を設けた。そして、このガイド部12を、図2図3に示すように、爪部6の台座部7をガイドするものとした。このようにガイド部12に台座部7をガイドさせることで、爪部6の爪孔5への嵌合係止前に、内装部品3の縁部11(フランジ部15)が車体側部材2(の車室1内に露出する部分)と接触するのを防止することが可能となる。
【0040】
その結果、車体側部材2に対して内装部品3を取付ける際に、内装部品3の縁部11が車体側部材2に接触して車体側部材2に擦り傷46が発生するのを防止して、製品品質を保持することが可能となる。
【0041】
この際、台座部7は、爪部6と関連性があるため、ガイド部12によってガイドさせるのに適しているである。
【0042】
しかも、台座部7は、構造的に爪部6よりも一回り大きくなっている(または、爪部6を内包可能な大きさの頂面8を有している)ため、ガイド部12が台座部7をガイドすることで、車体側部材2と内装部品3は自然と接触を起こさない間隔に保たれるので、被案内部としては最適である。
【0043】
更に、上記したように、ガイド部12を設けることによって、車体側部材2の傷付きを確実に防止できるようになるため、車体側部材2に対する内装部品3の取付けを必要以上に慎重に行う必要がなくなるので、内装部品3の取付けを容易化することが可能になる。
【0044】
(効果2)ガイド部12を、爪部6の爪孔5への嵌合係止時に、台座部7に対するガイド状態が解放されているようなものとした。これにより、内装部品3の取付けの前半は、ガイド部12のガイド機能が有効に機能し、取付けの後半は、ガイド部12のガイド機能がなくなって、爪係止部4による係止固定の機能が有効に働くように切り替わるので、取付けの後半に台座部7に対するガイド部12のガイド機能が邪魔にならないようにすることができ、即ち、ガイド部12と爪係止部4とによる二重規制が起こらないようにして、爪部6の爪孔5への嵌合係止機能を確実に行わせることが可能となる。
【0045】
また、ガイド部12が、爪部6の基部に設けられた台座部7をガイドするようにしたことで、ガイド部12のガイド機能と爪係止部4の嵌合係止との切り替えのタイミングの設定・調整を容易化および確実化することができる。
【0046】
(効果3)ガイド部12を、爪孔5に対する爪部6の嵌合方向21へ延びると共に、台座部7の内側(内部空間)の高さよりも短いもの(ガイドリブ25)とした。これにより、ガイド部12は、ガイドリブ25のガイド面25aが、開口部9の位置と重なる、または、ガイドリブ25のガイド面25aが、開口部9から台座部7の内側(内部空間)へ入るようになる。その結果、ガイド部12が台座部7の開口部9へ退避されることで、ガイド状態を解放させることができるようになり、台座部7の内部空間を上記した二重規制の防止のために有効活用することができる。
【0047】
(効果4)車体側部材2を、インストルメントパネル31と、センター部材33とし、内装部品3を、センター部材33に隣接配置されるグローブボックス34とした。これにより、センター部材33が先に設置されているインストルメントパネル31に対して、グローブボックス34を後から取付ける際に、グローブボックス34の縁部11がインストルメントパネル31に設置されたセンター部材33に接触してセンター部材33が傷付くのを、ガイド部12によって確実に防止することができる。よって、センター部材33の傷付きを気にすることなくインストルメントパネル31にグローブボックス34を容易に取付けることができるようになる。
【0048】
更に、センター部材33をインストルメントパネル31へ取付けるための爪部38の基部またはその周辺にガイド部12を設けることによって、車体側部材2(センター部材33の爪部38)を補強する効果を得ることもできる。
【0049】
以上、実施例を図面により詳述してきたが、実施例は例示にしか過ぎないものである。よって、本発明は、実施例にのみ限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれることは勿論である。また、例えば、各実施例に複数の構成が含まれている場合には、特に記載がなくとも、これらの構成の可能な組合せが含まれることは勿論である。また、複数の実施例や変形例が開示されている場合には、特に記載がなくとも、これらに跨がった構成の組合せのうちの可能なものが含まれることは勿論である。また、図面に描かれている構成については、特に記載がなくとも、含まれることは勿論である。更に、「等」の用語がある場合には、同等のものを含むという意味で用いられている。また、「ほぼ」「約」「程度」などの用語がある場合には、常識的に認められる範囲や精度のものを含むという意味で用いられている。
【符号の説明】
【0050】
1 車室
2 車体側部材
3 内装部品
4 爪係止部
5 爪孔
6 爪部
7 台座部
11 縁部
12 ガイド部
21 嵌合方向
31 インストルメントパネル
33 センター部材
34 グローブボックス
図1
図2
図3
図4
図5
図6