(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571023
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】骨プレートおよび骨プレートアセンブリ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/80 20060101AFI20190826BHJP
A61B 17/86 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
A61B17/80
A61B17/86
【請求項の数】26
【外国語出願】
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2016-25676(P2016-25676)
(22)【出願日】2016年2月15日
(65)【公開番号】特開2016-150256(P2016-150256A)
(43)【公開日】2016年8月22日
【審査請求日】2018年1月17日
(31)【優先権主張番号】62/117,874
(32)【優先日】2015年2月18日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/150,180
(32)【優先日】2015年4月20日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】62/271,207
(32)【優先日】2015年12月22日
(33)【優先権主張国】US
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】511211737
【氏名又は名称】ビーダーマン・テクノロジーズ・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】BIEDERMANN TECHNOLOGIES GMBH & CO. KG
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】特許業務法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】マルック・ビーダーマン
【審査官】
宮下 浩次
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0068319(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2013/0150900(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2014/0324108(US,A1)
【文献】
特表平11−503351(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00 − 17/94
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨プレートであって、
貫通孔(21,21’,21’’,210)を含むプレート部材(2,2’,2’’,201)と、
ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)とを備え、前記ディスクは前記貫通孔内に設けられかつ前記プレート部材の中で回転可能に支持され、
前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)はスロット(34,34’,34’’,340)を含み、前記スロットは、前記ディスクの回転軸に垂直な面において、前記スロットを通って延在する骨固定具(4)に対して相対的に、前記骨プレート(1,1’,1’’,1’’’)を案内して変位させることができるように成形され、前記スロットは、周囲が閉じており、かつ、前記回転軸に沿って見たときに非円形形状を有し、
前記ディスク(3,3’,3’’,340)は上面(3a)および下面(3b)を有し、工具のための少なくとも1つの係合リセス(35,35’,350)が前記上面(3a)に設けられている、骨プレート。
【請求項2】
前記スロット(34,34’,34’’,340)の幅は、前記骨固定具(4)の頭部(42)の最大幅よりも小さい、請求項1に記載の骨プレート。
【請求項3】
前記スロット(34,34’’,340)は、向かい合う2つの長辺と向かい合う2つの短辺とを有する細長い形状である、請求項1または2に記載の骨プレート。
【請求項4】
前記スロット(34’)の少なくとも一部は実質的にらせん形状の輪郭を有する、請求項1または2に記載の骨プレート。
【請求項5】
前記ディスク(3,3’,3’’,300)は、上から見て実質的に円形の輪郭を有し、前記ディスクのための支持面(22a,22’,22a’,25,220a,250)が前記プレート部材内に設けられている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項6】
前記支持面(22a)は、前記貫通孔(21,21’)を画定する壁に形成された環状の溝(22,22’)によって与えられる、請求項5に記載の骨プレート。
【請求項7】
前記支持面は、前記貫通孔(21’,210)を画定する壁の環状のリム(22a’,220a)によって与えられる、請求項5または6に記載の骨プレート。
【請求項8】
前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)は、紛失防止のために前記貫通孔に固定される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項9】
前記ディスク(3,3’,3’’’,300)は、前記ディスクの外面に設けられた少なくとも1つの突起(32a,32b,32c,32d,321)またはリセスを含み、前記ディスクの突起またはリセスは、前記貫通孔(21,21’,21’’,210)を画定する壁に設けられたリセス(24a,24b,24c,24a’’,221)または突起と協働することで、前記突起と前記リセスが係合しているときには前記ディスクを前記貫通孔に挿入することのみが可能であり前記突起と前記リセスの係合が解除されているときには前記ディスクを取外すことができないようにする、請求項1〜8のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項10】
前記突起(32a,32b,32c,32d)および前記リセス(24a,24b,24c,24a’’)は、前記ディスクの回転軸から径方向に延在している、請求項9に記載の骨プレート。
【請求項11】
前記ディスク(3’’)は、変形することにより前記プレート部材(2’)の一部(26)と係合して前記ディスクの回転を許容しつつ前記ディスクが外れるのを防止する部分(33b)を含む、請求項1〜8のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項12】
前記スロット(34,34’,34’’,340)は、前記骨固定具(4)の頭部(4
2)のための座部(34b)を含む、請求項1〜11のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項13】
前記座部が、さまざまな角度で前記骨固定具を挿入できるように構成された、請求項12に記載の骨プレート。
【請求項14】
前記プレート部材(2,2’,2’’,201)は、他の骨固定具を挿入するための少なくとも1つの他の貫通孔(27,27’)を含む、請求項1〜13のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項15】
前記プレート部材(2’’)に対する相対的な前記ディスクの回転移動を制限する接触部が、前記ディスク(3’’’)と前記貫通孔(21’’)の内壁部(21a,21b)との間に設けられる、請求項1〜14のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項16】
前記プレート部材の中の前記ディスク(300)を覆うカバー部材(500)が設けられている、請求項1〜15のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項17】
前記カバー部材(500)は前記プレート部材(201)に装着可能である、請求項16に記載の骨プレート。
【請求項18】
前記カバー部材(500)は取外し可能である、請求項17に記載の骨プレート。
【請求項19】
前記貫通孔(210)の側壁にねじ切り部(221)が形成されている、請求項1〜18のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項20】
前記ディスク(300)は前記貫通孔(210)にねじ込まれるように構成されている、請求項19に記載の骨プレート。
【請求項21】
前記カバー部材(500)は、前記ディスク(300)の回転位置を固定するために前記ディスク(300)と係合するように構成されている、請求項16〜18のいずれか一項に記載の骨プレート。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれか一項に記載の骨プレート(1,1’,1’’)と、骨固定具(4)とを含む骨プレートアセンブリであって、前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,350)の前記スロット(34,34’,34’’,340)と、前記骨固定具(4)は、前記スロットに挿入された前記骨固定具を基準として前記骨プレートが案内されて変位できるよう、互いに適合するようにされている、骨プレートアセンブリ。
【請求項23】
骨プレートであって、
貫通孔(21,21’,21’’,210)を含むプレート部材(2,2’,2’’,201)と、
ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)とを備え、前記ディスクは前記貫通孔内に設けられかつ前記プレート部材の中で回転可能に支持され、
前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)はスロット(34,34’,34’’,340)を含み、前記スロットは、前記ディスクの回転軸に垂直な面において、前記スロットを通って延在する骨固定具(4)に対して相対的に、前記骨プレート(1,1’,1’’,1’’’)を案内して変位させることができるように成形され、前記スロットは、周囲が閉じており、かつ、前記回転軸に沿って見たときに非円形形状を有し、
前記スロット(34’)の少なくとも一部は実質的にらせん形状の輪郭を有する、骨プレート。
【請求項24】
骨プレートであって、
貫通孔(21,21’,21’’,210)を含むプレート部材(2,2’,2’’,201)と、
ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)とを備え、前記ディスクは前記貫通孔内に設けられかつ前記プレート部材の中で回転可能に支持され、
前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)はスロット(34,34’,34’’,340)を含み、前記スロットは、前記ディスクの回転軸に垂直な面において、前記スロットを通って延在する骨固定具(4)に対して相対的に、前記骨プレート(1,1’,1’’,1’’’)を案内して変位させることができるように成形され、前記スロットは、周囲が閉じており、かつ、前記回転軸に沿って見たときに非円形形状を有し、
前記ディスク(3,3’,3’’,300)は、上から見て実質的に円形の輪郭を有し、前記ディスクのための支持面(22a,22’,22a’,25,220a,250)が前記プレート部材内に設けられており、
前記支持面(22a)は、前記貫通孔(21,21’)を画定する壁に形成された環状の溝(22,22’)によって与えられる、骨プレート。
【請求項25】
骨プレートであって、
貫通孔(21,21’,21’’,210)を含むプレート部材(2,2’,2’’,201)と、
ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)とを備え、前記ディスクは前記貫通孔内に設けられかつ前記プレート部材の中で回転可能に支持され、
前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)はスロット(34,34’,34’’,340)を含み、前記スロットは、前記ディスクの回転軸に垂直な面において、前記スロットを通って延在する骨固定具(4)に対して相対的に、前記骨プレート(1,1’,1’’,1’’’)を案内して変位させることができるように成形され、前記スロットは、周囲が閉じており、かつ、前記回転軸に沿って見たときに非円形形状を有し、
前記ディスク(3,3’,3’’,300)は、上から見て実質的に円形の輪郭を有し、前記ディスクのための支持面(22a,22’,22a’,25,220a,250)が前記プレート部材内に設けられており、
前記支持面は、前記貫通孔(21’,210)を画定する壁の環状のリム(22a’,220a)によって与えられる、骨プレート。
【請求項26】
骨プレートであって、
貫通孔(21,21’,21’’,210)を含むプレート部材(2,2’,2’’,201)と、
ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)とを備え、前記ディスクは前記貫通孔内に設けられかつ前記プレート部材の中で回転可能に支持され、
前記ディスク(3,3’,3’’,3’’’,300)はスロット(34,34’,34’’,340)を含み、前記スロットは、前記ディスクの回転軸に垂直な面において、前記スロットを通って延在する骨固定具(4)に対して相対的に、前記骨プレート(1,1’,1’’,1’’’)を案内して変位させることができるように成形され、前記スロットは、周囲が閉じており、かつ、前記回転軸に沿って見たときに非円形形状を有し、
前記貫通孔(210)の側壁にねじ切り部(221)が形成されており、
前記ディスク(300)は前記貫通孔(210)にねじ込まれるように構成されている、骨プレート。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は骨プレートに関し、この骨プレートは、貫通孔を有するプレート部材と、プレート部材の中で回転可能に支持されかつ貫通孔の中に延在するディスクとを備える。ディスクはスロットを含み、スロットは、骨固定具を挿入できるように、かつ、骨固定具に対して相対的に骨プレートを案内して変位させることができるように構成されている。この骨プレートは、スロットを通って骨の中まで延在する骨固定具によって一時的に固定した後に、骨プレートの位置合わせおよび/または再配置をすることができる。
【背景技術】
【0002】
一時的な再配置が可能な骨プレートが、US2014/0324108A1に記載されている。この骨プレートは、長手方向軸に沿う向きにされた第1のスロットと、第1のスロットに沿って長手方向に変位可能なスライダとを含み、このスライダは、長手方向軸を横断する向きにされた第2のスロットを含む。この骨プレートは、長手方向の調整と回転調整が可能であり、加えて、長手方向軸を横断する軸に沿い、横方向において、骨プレートを一時的に再配置することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】US2014/0324108A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、骨固定具によって一旦一時的に固定した後、簡単に位置合わせおよび/または再配置が可能であり、同時に、負荷時の強度が高い、改良された骨プレートを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的は、請求項1に記載の骨プレートおよび請求項21に記載の骨プレートアセンブリによって達成される。他の発展形は従属請求項に記載されている。
【0006】
この骨プレートは多数の方向において骨プレートの位置合わせ、調整、および/または再配置が可能である。この方向は、骨プレートを直線変位させることにより、および/またはディスクを回転させ、挿入されている骨固定具に対して相対的に骨プレートを変位させることにより、選択できる。
【0007】
ディスクは、プレート部材の中で支持され、かつ貫通孔を通って延在している。したがって、骨プレートは、負荷時に骨プレートの強度を低下させる可能性があるより大きな開口部なしで設計できる。よって、この骨プレートは高い強度を有する。
【0008】
ディスクは、プレート部材の中で回転可能に支持されているので、プレート部材から独立して、骨に対してまたは挿入された骨固定具に対して相対的に回転させることができる。そのため、0°〜360°の範囲でディスクを回転させることによって得られるすべての方向に、ディスクをプレート部材に対して相対的に配置することができる。
【0009】
さらに、ディスクは、軸方向において貫通孔の中に完全に入るように設けてもよい。そうすると、骨プレートは薄くなる。
【0010】
ディスクは、プレート部材に、紛失を防止するように設置される。よって、骨プレートの取扱の安全性が改善される。この紛失防止機構は、ディスクを特定の姿勢の状態でしかプレート部材に挿入できないまたはプレート部材から取出せないように設計することによって得られる。
【0011】
ディスクに設けられたスロットにより、挿入された骨固定具に対して相対的に、骨プレートを案内して変位させることができる。スロットの幅は、骨固定具が挿入されている限り骨プレートを骨から外すことができないようにする幅である。変位している間、骨プレートは、骨固定具とディスクとの協働によって保持されている。一実施形態において、ディスクは、長く実質的に平行な2つの辺を有する細長いスロットを有し、これらの辺により、骨プレートを、スロットの長さに相当する距離に沿って、挿入された骨固定具に対して相対的に、直線変位させることができる。別の実施形態において、ディスクは螺旋形のスロットを有し、このスロットにより、骨プレートを、変位の方向に沿う任意の位置で一時的に保持する。これらに代わるスロットの形状として、骨プレートの調整および/または再配置のためのガイド機能を提供し得るものが考えられる。
【0012】
他の実施形態において、ディスクは、プレート部材の一部と係合するアンダーカット部を有していてもよい。この設計により、ディスクは、プレート部材に作用する力を吸収することができる。ディスクは、ディスクの一部が変形することで紛失を防止するように固定されてもよく、ディスクの変形した部分がプレート部材の部分と協働することで、配置されたディスクが外れないようにする。
【0013】
さらに他の実施形態において、骨プレートは、ディスクを覆うためのカバー部材を含む。カバー部材は任意の部品であってもよい。カバー部材を用いると、ディスクのスロットに既に挿入されている骨固定具を、後退および/または紛失が生じないように固定することができる。加えて、カバー部材を用いると、ディスクの位置を固定することができる。カバー部材を用いると、骨固定具が何らかの理由で緩んだ場合でもディスクは固定された状態で保たれる。カバー部材はまた、骨固定具の頭部の周囲の領域の中に組織、血管等が内方成長することを防止できる。これは、骨プレートを後で取除くことを意図している場合に役立ち得る。これに代えて、骨プレートが患者の体内に残ることになっている場合、スロットまたはディスクの他の部分の空きスペースを骨材料で充填することにより、骨プレートの内方成長を改善してもよい。
【0014】
さらに他の実施形態において、ディスクは、プレート部材にねじ込まれるように構成されていてもよい。これにより、ディスクは一旦プレート部材に挿入されると外れないように固定される。
【0015】
プレート部材は、骨プレートに適していればどのような形状であってもよい。加えて、プレート部材は、骨プレートを骨に固定するために骨固定具の頭部を収容するための1つ以上の貫通孔を有していてもよい。
【0016】
他の局面において、骨プレートと骨固定具とを含む骨プレートアセンブリが提供され、ディスクのスロットと骨固定具は、スロットに挿入された骨固定具を基準として骨プレートが案内されて変位できるよう、互いに適合するようにされている。
【0017】
さらに他の局面に従うと、骨プレートが提供され、貫通孔および/またはディスクは、限られた範囲の角度だけプレート部材がディスクに対して相対的に回転移動できるように構成されている。一実施形態において、ディスクの外側の輪郭は、ディスクの回転移動を制限する接触部分を貫通孔の内壁の少なくとも一部が形成するよう、貫通孔の内側の輪郭と一致していなくてもよい。このような設計により、プレート部材の幅を減じることができる。加えて、貫通孔の総面積を減じてもよく、そうすると骨プレートの強度を高めることができる。ディスクは、下側から挿入してもよく、プレート部材の上側から外れないよう固定してもよい。
【0018】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を用いた実施形態の説明から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】第1の実施形態に従う骨固定具を備えた骨プレートの分解斜視図を示す。
【
図2】骨に装着されている
図1の骨固定具を備えた骨プレートの斜視図を示す。
【
図3】
図1および
図2の骨プレートのプレート部材の上からの斜視図を示す。
【
図5】
図4の線A−Aに沿う、プレート部材の断面図を示す。
【
図6】
図1および
図2の骨プレートのディスクの上からの斜視図を示す。
【
図8】
図7の線B−Bに沿う、ディスクの断面図を示す。
【
図9】第1の実施形態に従う、ディスクをプレート部材に配置する第1のステップの斜視図を示す。
【
図10】ディスクをプレート部材に配置する第2のステップを示す。
【
図11】ディスクをプレート部材に配置する第3のステップを示す。
【
図12a】骨プレートを骨に一時的に固定した後の骨プレートの第1の位置を示す。
【
図12b】骨プレートを骨に一時的に固定した後の骨プレートの第2の位置を示す。
【
図13a】ディスクをプレート部材に対して相対的に回転させて一時的に骨に固定した後の骨プレートの第3の位置を示す。
【
図13b】ディスクをプレート部材に対して相対的に回転させて一時的に骨に固定した後の骨プレートの第4の位置を示す。
【
図14】第2の実施形態に従う骨プレートのディスクの上からの斜視図を示す。
【
図16a】第2の実施形態に従うディスクによる一時的な固定後の骨プレートの第1の位置を示す。
【
図16b】第2の実施形態に従うディスクによる一時的な固定後の骨プレートの第2の位置を示す。
【
図16c】第2の実施形態に従うディスクによる一時的な固定後の骨プレートの第3の位置を示す。
【
図17】第3の実施形態に従う骨プレートの分解斜視図を示す。
【
図19】第4の実施形態に従う骨プレートの分解斜視図を示す。
【
図20】組立てられた状態の
図19の骨プレートの斜視図を示す。
【
図24】
図23の線D−Dに沿う、ディスクが挿入された状態のプレート部材の断面図を示す。
【
図26】骨固定具を用いて骨に適用された
図19〜
図25の骨プレートの上からの斜視図を示す。
【
図27】第5の実施形態に従う骨固定具を備えた骨プレートの分解斜視図を示す。
【
図28】組立てられた状態の
図27の骨プレートの斜視図を示す。
【
図31】
図27および
図28に示される第5の実施形態に従う骨プレートのディスクの平面図を示す。
【
図35】組立てられた状態の第5の実施形態に従う骨プレートアセンブリの断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1〜
図5を参照して、第1の実施形態に従う骨プレート1は、プレート部材2と、プレート部材2に搭載可能なディスク3とを含む。骨プレート1は、骨または骨の一部100に1つ以上の骨固定具4を介して固定されるように構成されている。プレート部材2は、上面2aおよびその反対側の下面2bを有する。下面2bは通常、骨接触部分を含む。示されているプレート部材の形状は細長い形状であり、これは、全長が全幅よりも長いことを意味する。しかしながら、プレート部材の形状は細長い形状に限定されない。加えて、プレート部材2は、角度が付けられた部分または屈曲部分を有していてもよい、すなわち完全に平坦でなくてもよい。代わりにプレート部材2は完全に平坦であってもよい。骨固定具4は、典型的には、骨ねじ等の骨係合構造を有する軸41と、頭部42とを含む。
【0021】
プレート部材2のほぼ中央の領域に、プレート部材2の上面2aから下面2bまで貫通する貫通孔21が設けられる。貫通孔21の大きさは、ディスク3をこの貫通孔の中に収容できるような大きさである。特に
図5からわかるように、貫通孔21の中心軸Mは、上面2aと下面2bに対して実質的に垂直である。軸方向においてプレート部材のほぼ中間に、貫通孔21の内壁に形成された溝22がある。溝の底面22aはディスク3に対する支持面を形成する。溝22と上面2aとの間において、貫通孔21は上部分23を含み、この上部分23の内径は、溝22の内径よりも小さいが、ディスク3の外径と同一かまたはそれよりもわずかに大きい。少なくとも1つの、好ましくは複数の、たとえば3つのリセス24a、24b、24cが、貫通孔の上部分23から径方向にプレート部材2の内部に延在している。
図3および
図4に示されるように、第1のリセス24aは、プレート部材の長手方向軸Lについて対称形であり、他の2つのリセス24b、24cは、長手方向軸Lに対して角度をなすように設けられている。リセス24a、24b、24cは、ディスク3を挿入するときにディスク3を位置合わせするためのガイド構造の役割を果たす。溝22の、下面2bに面する側における、貫通孔の下部分25は、下面2bに向かって細くなっているテーパ状の内壁を含む。
【0022】
プレート部材は、挿入する骨固定具の頭部の収容空間を各々が形成する他の貫通孔27を有していてもよい。
図1〜
図5に従う実施形態において、他の貫通孔27は、骨固定具の頭部を支持するための座部27aと、ロック要素(図示せず)を挿入するためのねじ切りボア27bとを有していてもよい。プレート部材は、少なくとも1つの、好ましくは複数の、骨固定具のための貫通孔27を有していてもよい。これら貫通孔27の形状は同一であっても異なっていてもよい。ディスク3用の貫通孔21は、プレート部材の他の貫通孔27と比較して大きなサイズを有する1つの貫通孔である。
【0023】
図6〜
図8に示されるように、ディスク3は、上面3aおよびその反対側にある下面3bを有する。上面3aを含む第1の部分31は、実質的に円筒形であり、この円筒形の外径は、貫通孔21の上部分23の内径よりもわずかに小さいだけである。さらに、円筒部分31から延在し下面3bに向かって細くなっているテーパ部33が設けられている。テーパ部33の寸法は、貫通孔21のテーパ部25にテーパ部33を嵌めることができる寸法である。貫通孔の中のテーパ部25とディスク3のテーパ部33が接触面をなすことにより、ディスク3を貫通孔21の中に嵌めることができる。テーパ形状は、ディスク3の回転をよりスムーズにすることができる。しかしながら、接触面の形状はテーパ形状に限定される訳ではない。互いに一致する形状であればどのような形状も可能である。一例として、90°の段差を含む接触面が挙げられるであろう。
【0024】
細長いスロット34は、ディスク3の上面3aから下面3bまで貫通している。向かい合う2つの長辺と向かい合う2つの短辺がこの細長いスロット34を形成している。細長いスロット34の、このスロットの長手方向における中心は、ディスク3の実質的に中心に配置される。長手方向軸lは、細長いスロット34の長辺の向きによって定められる。上面3aから一定の距離をおいた場所における、円筒部31の外面に、少なくとも1つの突起、好ましくは2つ以上の突起32a、32b、32cが径方向外向きに突出している。これら突起は丸くされていてもよい。1つの突起32aは、長手方向軸1について対称形であり、細長いスロット34の一端において円筒部31の外面に設けられている。その他2つの突起32b、32cは、一定の角度をつけて設けられてもよく、ディスク3の、第1の突起32aと反対側において、長手方向軸lについて対称形であってもよい。突起32a、32b、32cは、プレート部材2のリセス24a、24b、24cと協働するように成形されて配置されている。
【0025】
細長いスロット34は、上面3aに隣接する、上面3aに向かって拡大している部分34aを含む。下面3bと拡大部分34aとの間に、長手方向軸lに対して垂直な方向において球形の一部の形状の断面を有する座部34bが設けられている。座部34bは、骨固定具の頭部42、好ましくは球形の頭部を収容するように構成されている。座部34bが球形であることにより、骨固定具を、プレート部材2に対して骨固定具の軸をさまざまな角度にして挿入することができる。座部34bの底部における細長いスロット34の幅は、骨固定具4の頭部42の幅よりも小さいが、軸41の直径よりも大きいので、一旦骨固定具を骨に挿入すると、骨プレート1は一時的に骨固定具4によって固定されて取外すことができなくなる。なお、座部34bは球形である必要はないが、骨固定具4の挿入後に骨プレート1が外れないようにする形状であれば他の任意の形状であってもよい。細長いスロット34は、一旦骨固定具4が細長いスロット34に挿入された後に、骨プレート1を、骨固定具4に対して相対的に、長手方向軸lに沿って案内して変位させるように構成されている。
【0026】
細長いスロット34の長辺の両側に、2つの細長い係合リセス35が設けられている。これらリセスは長手方向軸lに対して実質的に平行に延びている。細長いリセス35は、ディスク3をプレート部材2に挿入するためおよび/またはディスク3をプレート部材2において回転させるための工具(図示せず)と係合するように構成されている。
【0027】
プレート部材2およびディスク3は、生体適合性金属または生体適合性金属合金、たとえばステンレス鋼、チタン、ニチノール(登録商標)等のNiTi合金、マグネシウムまたはマグネシウム合金で作られたものであってもよく、または、たとえばポリエーテルエーテルケトン(PEEK)もしくはポリL乳酸(PLLA)等の生体適合性プラスチック材料から作られたものであってもよい。プレート部材2、ディスク3、および骨固定具4は、同一の材料からなるものであっても異なる材料からなるものであってもよい。
【0028】
図9〜
図11を参照して、骨プレートを組立てる工程について説明する。最初に、
図9に示されるように、プレート部材2に対するディスク3の向きを、ディスクの下面3bがプレート部材の上面2aに面する向きにする。さらに、ディスク3の突起32a、32b、32cは、プレート部材2のリセス24a、24b、24cに対応する位置にある。次に、
図10に示されるように、このように位置合わせされたディスク3を貫通孔21に挿入する。そうすると、突起32a、32b、32cはリセス24a、24b、24cと係合する。したがって、ディスクは、突起32a、32b、32cがリセス24a、24b、24cと係合する1つの位置でしか挿入することができない。ディスク3をさらに下方に移動させると、突起32a、32b、32cは、溝22によって与えられる、リセス24a、24b、24cの下の空間に入る。溝22の底面22aは貫通孔21の内部に突出しており、内径が、突起32a、32b、32cの位置におけるディスク3の外径よりも小さいので、ディスク3はプレート部材の中で支持面22aによって支持されかつ自在に回転できる。
【0029】
その後、
図11に示されるように、ディスク3を180°回転させると、突起32a、32b、32cはリセス24a、24b、24cの位置から外れる。このようにして、ディスク3をプレート部材2の溝22の中で保持すると、ディスクを取外すことはできない。ディスクの下部のテーパ部33はさらに、貫通孔21の下部のテーパ部25において支持される。工具(図示せず)を用いてこの工具とリセス35と係合させてプレート部材2の中のディスク3を回転させてもよい。
【0030】
使用時は、
図12a〜
図13bに示されるように、最初に骨プレート1を、骨プレートを介して安定させるおよび/または接続することになっている骨または骨の部分に適用する。骨プレート1を、骨プレート1の長手方向軸Lが骨100の長い方の部分に沿って延在するように、骨100に対して位置合わせしてもよい。次に、予め開けておいてもよい骨の穴に骨固定具4を挿入する。このとき、骨固定具4は完全に締めない。骨固定具4を挿入するときは、骨固定具4が骨プレート1を一時的に保持するものの骨プレート1が骨固定具4に対して相対的に細長いスロット34の長手方向軸lに沿って変位できるような、骨の深さまで、挿入する。より詳しくは、骨固定具4の頭部42を、細長いスロット34の座部34bに嵌っているが骨プレート1を骨に対して完全に固定しないようにする。さもなければ骨プレート1は骨100を加圧して骨プレート1の移動が不可能になるであろう。一旦骨固定具4を骨100に挿入したら、骨プレート1の位置は、いくつかのやり方で調整できる。
図12aでは、矢印aが示すように、骨プレート1を、骨固定具の頭部42が細長いスロット34の最も左端に位置するまで、右側にシフトさせている。同時に、両矢印bが示す回転のように、骨プレート1を、一時的に固定されている骨固定具4を中心として回転させてもよい。縦の点線は、骨上の固定位置を示す。骨に対する相対的な骨プレート1の位置変化は、これら縦の点線を基準にして理解することができる。
【0031】
図12bに示されるように、矢印a’が示すように、骨プレートを、骨固定具4の頭部42が細長いスロット34の最も右端に接触するまで、左側に移動させてもよい。同時に、両矢印bの方向に骨プレート1を骨固定具を中心として回転させることができる。
図12aおよび
図12bからわかるように、骨プレートの長手方向軸Lに沿う長手方向において、骨プレートの位置を、細長いスロット34の長さに相当する範囲の中で修正および/または調整することができる。また、骨プレート1を、示されている2つの端位置の間の中間位置に位置するように調整してもよく、この位置で回転させてもよい。骨プレートは変位している間細長いスロット34によって案内される。
【0032】
加えて、
図13aおよび
図13bに示されるように、細長いスロット34の長手方向軸lがプレート部材の長手方向軸Lに対して角度、たとえば45°またはそれ以外の任意の角度をなすように、工具(図示せず)を用いて、ディスク3を、予め、または調整もしくは再配置処置の間に、回転させてもよい。図に示されるようにディスクを回転させることで、骨プレート1を、骨固定具4が、細長いスロット34の最も左端(
図13a)もしくは最も右端(
図13b)に位置するように、またはその中間の任意の場所に位置するように、変位させることができる。同時に、骨プレート1を、両矢印bのそれぞれの方向に、骨固定具4を中心として回転させることができる。骨100に対する相対的な骨プレート1の複数の位置を、骨プレート1の直線変位と回転との組合わせを用いて得ることができる。この回転とは、挿入された骨固定具4を中心とする、プレート部材2とディスク3の一体的な回転であってもよく、または、挿入された骨固定具4を中心とする、プレート部材2に対するディスク3の独立した回転であってもよい。
【0033】
骨100に対する骨プレート1の最適位置が判明したら、スロット34を通って延在する骨固定具4を完全に締め、1つ以上の他の骨固定具4を他の貫通孔27を通して骨プレート1に挿入してもよい。必要なすべての骨固定具4が挿入されて完全に締められたとき、骨プレート1は骨100に固定される。
【0034】
骨プレート1の調整および再配置が可能なので、骨プレートを正しい位置により正確に配置することができる。特に、骨プレート1が完全に平坦ではなく少なくともその一部がわずかに角度が付けられている場合、または複雑な手術部位の場合、この処置によってより簡単に配置できる。
【0035】
次に
図14および
図15を参照して、骨プレートの第2の実施形態について説明する。
骨プレート1’と第1の実施形態との違いは、ディスクの設計にある。ディスク3’が第1の実施形態のディスク3と異なるのは、スロット34’の形状のみである。ディスク3’の他のすべての部分およびプレート部材2は、第1の実施形態のものと同一であるかまたは非常に似ており、その説明は繰返さない。スロット34’は湾曲した輪郭を有する。より詳細には、スロット34’の内側の輪郭は、一定の幅を有する螺旋に似ている。この形状は、円形領域を、円の中心点が螺旋状の経路に沿って移動するように切断することによって、得ることができる。このようにして、畝部分38によって互いに隔てられた2つの端部分37が形成される。スロット34’は、畝部分38に面する湾曲した長い側部39を有する。このスロット34’の特殊な形状により、骨プレートを端部分37の任意の位置で保持することができる。スロット34’の向きは、この場合は突起32a、32b、32cと係合リセス35によって定められる長手方向軸lに実質的に垂直な方向に畝部分38が突出しているときの向きである。
【0036】
第2の実施形態に従う骨プレート1’の使用は
図16a〜
図16cに示される。骨プレート1’をスロット34’に沿って変位させるためには、ディスク3’を回転させる必要がある。
図16aにおいて、ディスク3’は、畝部分38が、概ね骨プレートの長手方向軸Lの方向に突出するように配置されている。骨固定具4の頭部42は、端部分37のうち上側の端部分にある。加えて、骨プレートを、両矢印b1の方向に骨固定具4を中心として回転させることができる。
【0037】
図16bおよび
図16cは、プレート部材2に対する相対的なディスク3’の他の2つの回転位置を示す。ディスク3’の回転にともなって、骨プレート1は、縦方向の点線に対する相対的な骨プレート1の位置からわかるように、変位する。加えて、骨プレートを、両矢印b1(
図16b)およびb1(
図16c)に沿って回転させることができる。この実施形態において、骨または挿入された骨固定具4に対する相対的な骨プレート1の変位とディスク3’の回転は、相互依存する。したがって、骨プレート1’は、特定の位置から意図せずして移動できないように案内される。
【0038】
骨プレートの第3の実施形態について、
図17および
図18を参照しながら説明する。第3の実施形態に従う骨プレート1’’と前述の実施形態の骨プレートとの違いは、貫通孔およびディスクの設計にある。貫通孔21’は上部分23’を含み、この上部分の内径は、ディスク3’’の最大の外径と一致する。第1の部分23’の底部は、環状のリム22a’によって貫通孔21’の内側から隔てられた溝22’を含む。貫通孔21’の第1の部分23’は貫通孔21’の円筒形部分25に続いており、円筒形部分は骨プレート1の下面2bに向かって拡大する円錐形部分26につながっている。
【0039】
ディスク3’’は、上面3aに隣接する第1の円筒形部分31’を有し、その外側フランジ31aは、溝22’および環状リム22a’と係合するように大きさと形状が定められている。溝22’および環状リム22a’は、ディスク3’’のための支持面を形成する。ディスク3’’はさらに下部分33’を含み、この下部分は、実質的に円筒形であり、ディスク3’’がプレート部材2に挿入されたときプレート部材の下面2bまで延在する。一対のブラインドボア33aが、円筒形部分33’の外壁近くにおいてディスク3’’の下面3bに設けられている。ブラインドボア33aとディスクの外面との間の壁部分33bは、ブラインドボア33aを拡大する工具が適用されたときにわずかに変形するように構成された薄い部分である。
【0040】
細長いスロット34’’は、第1の実施形態の細長いスロット34と同一であるかまたは非常に似ている。しかしながら、この実施形態において、係合リセス35’は、
図17に示されるように細長いスロット34’’まで延在している。これによって工具を係合させ易くなる。
【0041】
ディスク3’’は次のようにして組付けられる。工具を用いてリセス35’と係合させる。このような工具は、ばねによって広げられる2つのアームを有するものであってもよく、この工具のアームを広げてリセス35’と係合させることができる。ディスク3’’は、フランジ31aが溝22’および環状リム22a’と係合するように、貫通孔21’に挿入される。その後、たとえば円錐ダイス等の工具を、壁部分33bが外向きに変形するよう、ブラインドボア33aに挿入する。こうすると、これらは貫通孔21’の円錐状に拡大する部分26と係合して、ディスク3’’が外れるのを防止する。次に、ディスクを貫通孔21’の中で所望の回転位置まで回転させることができる。壁部分33bの変形量に応じて、ディスク3’’を、ディスク3’’とプレート部材2’との摩擦により、特定の回転位置で、プレート部材2’の中で保持することが可能である。ディスク3’’の回転位置は、摩擦力を克服することによって変えることができる。
【0042】
外側フランジ31aが溝22’および環状リム22a’と係合するので、ディスク3’’は、骨プレートの使用中に骨プレートに作用する力を吸収するように構成される。ディスク3’’は簡単なやり方で製造できる。
【0043】
骨プレートの第4の実施形態について、
図19〜
図26を参照しながら説明する。第4の実施形態に従う骨プレート1’’’と前述の実施形態の骨プレートとの違いは、貫通孔およびディスクの設計にある。他のすべての部品および部分は、前述の実施形態の対応する部品および部分と同一であるかまたは非常に似ており、その説明は繰返さない。特に
図19および
図20に示されるように、プレート部材2’’に形成された貫通孔21’’は、細長い形状、より具体的には実質的に長円形状を有し、この長円形状は、向かい合う2つの直線状の長辺21aと向かい合う2つの凸状に丸い短辺21bとを有する。特に
図19および
図24からわかるように、溝22’’は、短辺21bの領域において貫通孔21’’の内壁に形成されている。溝22’’の底面22aは、この実施形態のディスク3’’’のための支持面の少なくとも一部を形成する。プレート部材2’’の下面2bに向いている側において、貫通孔の下部分25’’は、特に
図19および
図24に示されるように下面2bに向かって細くなっているテーパ状の内壁部分25’’を含む。テーパ状の内壁部分25’’は、短辺21bの領域にありディスク3’’’に対するその他の支持面を形成する。なお、ディスク3’’’を支持する下部分の他の任意の形状を使用してもよい。貫通孔21’’の上部分23’’は、長手方向軸Lの方向の幅を有し、この幅は、溝22’’の内径よりも小さいが長手方向におけるディスク3’’’の長さよりもわずかに大きい。少なくとも1つの、好ましくは2つの対向するリセス24a’’がテーパ状部分25’’を通って延在している。リセス24a’’は、長手方向軸Lを含む面に配置される。リセス24a’’の目的は、ディスク3’’’の位置合わせおよび挿入のための案内構造を提供することである。
【0044】
次に
図21および
図22を参照して、ディスク3’’’は、向かい合う長辺31aと向かい合う短辺31bとを有する実質的に細長い形状を有する。短辺31bは、実質的に円筒形の一部の形状の外形を有する。長辺31aは凸状に丸くされていてもよい。短辺31bの外面に、対向する2つの突起32dが設けられており、これら突起は、貫通孔21’’のリセス24a’’と係合し、かつ、一旦ディスク3’’’が貫通孔21’’に挿入されて回転されると、貫通孔21’’の溝22’’の支持面22aの上に載るように、構成されている。短辺31bの上の、突起32dの下方において、テーパ部33’’が各辺に設けられている。テーパ部33’’は、貫通孔21’’のテーパ部25’’と協働するように構成されている。テーパ部33’の代わりに、貫通孔21’’に設けられた対応する支持面によって支持されるように構成されている他の任意の形状を使用してもよい。ディスク3’’’の高さは、挿入後にディスク3’’’が完全に貫通孔21’’の中に入るような、または、上面2aもしくは下面2bからほんのわずか突出するような、高さである。
【0045】
ディスク3’’’の長手方向の長さは、突起32dがリセス24a’’と係合した状態でプレート部材2’’の貫通孔21’’にディスク3’’’を挿入できるような長さである。挿入された状態で、ディスク3’’’の短辺31bは、貫通孔21’’の短辺21bの内壁からほんのわずかだけ隔てられている。長手方向に垂直な方向におけるディスク3’’’の外側の幅は、この方向における貫通孔21’’の幅よりも小さい。ディスク3’’’を貫通孔21’’の中で回転させるとき、ディスクは、
図26に示されるように貫通孔の長辺21aのうちの一方に接触するまでしか回転させることができない。したがって、回転は、貫通孔21’’の内壁部分によって与えられる接触によって制限される。より一般的には、ディスク3’’’の外形と貫通孔21’’の内形が一致していないので、これらが接触することで、ディスクの回転を制限する。ディスク3’’’と貫通孔21’’の内壁との間の横方向の空間を、ディスクを回転させるための器具を適用するために使用してもよい。
【0046】
ディスク3’’’はさらに、第1の実施形態の細長いスロット34と実質的に同一の細長いスロット34’’を含み、このスロットは、上部分34aと、骨固定具の頭部のための座部34bと、下面3bに向かって拡大している下部分34cとを有する。
【0047】
図19に示されるように、ディスク3’’’は、プレート部材2’’の下面2bから挿入することができる。そのために、ディスク3’’’を、突起32dがリセス24a’’と位置合わせされる向きにする。ディスク3’’’を挿入した後、ディスクを、突起32dが溝22’’と係合するように、かつ、ディスク3’’’の短辺31bが細長い貫通孔21’’の内側の縁に接触するまで、回転させる。本実施形態において、寸法は、ディスクを長円の貫通孔21’’において延在する対角線に位置するまで回転させることができる寸法である。ディスクの回転の角度範囲は、たとえば、長手方向軸Lから測定して約±10〜15度である。形状および/または寸法を変えることで、特定の角度範囲が得られるであろう。ディスクは、一旦回転させると、ディスク3’’’はプレート部材2’’の中で保持され、落下することはない。
【0048】
骨プレートの使用は前述の実施形態と同様である。
図26に示されるように、骨固定具4によってプレート部材2’’を予め固定した後、プレート部材2’’の位置を、プレート部材2’’を挿入された骨固定具4に対して相対的に回転させるおよび/または変位させることにより、調整することができる。さらに、ディスク3’’’をプレート部材2’’’に対して相対的に回転させることにより、骨固定具4に対する相対的なプレート部材2’’の配置の自由度を高めることができる。ディスク3’’’は、溝22’’の中で突起32dによって保持されているので、ディスク3’’’が上面2aを通ってプレート部材2’’から外れることはない。
【0049】
貫通孔およびディスクが細長い形状であるため、プレート部材のスリムな設計を実現することができる。よって、プレート部材の幅を、頸管、小児科、または手の手術等の特定の応用例では、非常に小さくすることができる。同時に、プレート部材の総面積に対する孔の面積を減じることができ、そうすれば骨プレートの機械的強度が増す。
【0050】
骨プレートの第5の実施形態について、
図27〜
図35を参照しながら説明する。第5の実施形態に従う骨プレート101と前述の実施形態の骨プレートとの違いは、貫通孔およびディスクの設計にある。他のすべての部品または部分は、前述の実施形態の対応する部品および部分と同一であるかまたは非常に似ており、その説明は繰返さない。特に
図27および
図28に示されるように、骨プレート101は、プレート部材201と、ディスク300と、カバー部材500とを含む。
図29および
図30により詳細に示されるように、貫通孔210は、実質的に円筒形でねじ切りされていない部分220を含み、その底部220aは、上面2aと下面2bとの間に位置している。内ねじを有するねじ切り部221は、上面2aと非ねじきり部220との間に設けられている。この内ねじは、ねじ山一本のみで構成されていてもよく、一本のねじ山の一部であってもよく、または数本のねじ山の一部であってもよい。加えて、この内ねじは、プレート部材201の上面2aまで達していてもよい。ねじ切りされていない円筒部分220の内径は、少なくともねじ切り部分の内ねじのねじ径と同じである。貫通孔の下部分250は、下面220aから、プレート部材201の下面2bに向かって細くなっているテーパ状の内壁を含む。
【0051】
さらに、前述の実施形態と同様、さまざまな大きさの貫通孔27、27’を設けてもよい。ディスク300用の貫通孔210は、プレート部材201の他の貫通孔27、27’よりも大きい1つの貫通孔である。
【0052】
特に
図27、
図31、および
図32に示されるように、ディスク300は、上面3a、反対側の下面3b、および実質的に円形の輪郭を有する。上面3aに隣接する第1の部分310は円筒形の外形を有する。第1の部分310の外径は、プレート部材201の上面2aに隣接する貫通孔210の内径よりも小さいので、貫通孔210のねじ切り部221とディスク300の第1の部分310との間には隙間が生じている。この隙間により、カバー部材500の一部が貫通孔210の中に位置するようにすることができる。第1の部分310の次には第2の円筒形部分320があり、この第2の円筒形の部分は、第1の部分310よりも大きな外径を有し、貫通孔210のねじ切り部221の内ねじと協働する、外ねじ321を含む。ねじ切り部321は、1つのねじ山、または1つのねじ山の少なくとも一部、または数本のねじ山の少なくとも一部を含む。貫通孔210の、ねじ山がない部分220に第2の部分320を収容するために、第2の部分320の軸方向の長さを短く保つ必要があり、このことは、ねじ山は1つで十分であろうことを意味する。
【0053】
第2の部分320と下面3bとの間に、下面3bに向かって細くなっているテーパ状の外側部分330がある。このテーパ部330は、貫通孔のテーパ部250の上に載るように構成されている。第1の実施形態と同様、接触面の形状はテーパ形状に限定される訳ではない。整合する任意の形状が可能である。
【0054】
ディスク300はさらに、ディスク300の上面3aから下面3bまで貫通している細長いスロット340を含む。細長いスロット340は、向かい合う2つの長辺と向かい合う2つの短辺とを有する。細長いスロット340の、このスロットの長手方向における中心は、実質的にディスク300の中心に配置されている。細長いスロット340は、上面3aに隣接する、上面3aに向かって拡大している拡大部分340aを含む。下面3bと拡大部分340aとの間に、長手方向軸lに対して垂直な方向における、実質的に球形の一部の形状の断面を有する座部340bが設けられている。座部340bは、第1の実施形態と同様、骨固定具の頭部42を収容するように構成されている。座部340bの底部における細長いスロット340の幅は、骨固定具4の頭部42の幅よりも小さいが軸41の直径よりも大きいので、骨固定具が一旦骨に挿入されると、骨プレート101は骨固定具4によって一時的に固定され外すことができなくなる。前述の実施形態と同様、座部340bは球形である必要はないが、骨固定具4の挿入後に骨プレート101が外れないようにする形状であれば他の任意の形状であってもよい。細長いスロット340は、一旦骨固定具4が細長いスロット340に挿入されたら、骨固定具4に対して相対的に、長手方向軸lに沿って骨プレート101が変位するよう案内するように構成されている。
【0055】
細長いスロット340の長辺の両側に、2つの係合リセス350が設けられており、これらリセスの内側の輪郭は円形であってもよい。リセス350は、ディスク300をプレート部材201に挿入するためおよび/またはディスク300をプレート部材201において回転させるための工具(図示せず)と係合するように構成されている。係合リセスはさまざまな外形を有することができ、他の位置に設けられていてもよい。1つの係合リセスだけで十分な場合もある。
【0056】
ディスク300の高さは、好ましくは、
図35に示されるように、一旦ディスク300が貫通孔に挿入されて貫通孔のテーパ部250の支持面上に載ると、上面3aがプレート部材201の上面2aから突出しないような高さであればよい。
【0057】
次に、カバー部材500について、特に
図27、
図28、および
図33〜
図35を参照しながら説明する。カバー部材500は実質的に円筒形の部材であり、上面5aとその反対側の下面5bとを有する。外側のねじ切り部521が設けられており、この部分は、貫通孔210のねじ切り部221と協働するように構成されている。上面5aは閉じられている。下面から、第1の円筒形のリセス522が上面5aに向かって延在しており、次に、内径がそれよりも小さな第2の円筒形のリセス523がある。第1の円筒形のリセス522の直径は、
図35に示されるように、カバー部材500が貫通孔210のねじ切り部221にねじ込まれたときに、カバー部材500が貫通孔210の内壁とディスクの第1の部分310との間の隙間に入るような、直径である。上面5aとねじ切りされた外側部分521との間に、ねじ切り部521と比較して最大外径が小さい部分524が形成されており、これは、径方向に延在する複数の係合リセス525を有する。示されている係合リセスの輪郭は球形の一部の形状である。しかしながら、工具との係合に適した輪郭であればその他の任意の輪郭も可能であろう。係合リセス525の数は変更することができる。係合リセスの数が多いほど、カバー部材500を取外し易くなる。なぜなら、器具がカバー部材500と係合する位置が数ヵ所あるからである。
【0058】
カバー部材の高さは、カバー部材500が貫通孔に挿入されたときに係合リセス525を含む上部分524がプレート部材201の上面2aからわずかに突出するような高さである。そうすると、工具を係合リセス525と容易に係合させることができる。カバー部材500がプレート部材101にねじ込まれると、カバー部材500の下面5bが、ディスクの第2の部分320の上面と接触してこれを押圧することにより、ディスク300を固定する。
【0059】
骨プレート101は以下のようにして組立てる。最初に、ディスク300を、外側のねじ切り部分321が非ねじ切り部分220の中に入りテーパ部330がテーパ部250の上に載るまで、貫通孔210にねじ込む。この状態において、ディスク300はプレート部材201に対して相対的に自在に回転可能である。そうすると、骨プレート101を、第1の実施形態について説明したのと同じやり方で使用することができる。骨プレート101の最終位置が判明し安定させるべき骨または骨の部分に骨プレート101を固定した後、
図35に示されるように、カバー部材500を、その底面5bがディスク300の第2の部分320の上部分に接触するまで、貫通孔210にねじ込めばよい。よって、カバー部材500は骨固定具4の後退を防止する。同時に、ディスク300はその回転位置で固定されている。カバー部材がディスクを上から押圧しているからである。カバー部材500は、骨固定具の頭部42の周囲における骨材料、血管、または組織の内方成長を防止することで、骨固定具の頭部42を保護する。このことは、骨の治癒後に骨プレート101を取出すことが意図されている場合に有利であろう。骨プレート101を取外すには、カバー部材500を緩めて外し、そうすると骨固定具4も緩めて外すことができる。
【0060】
代替の使用法では、骨プレート101を埋め込んだ後に、骨グラフト等の骨材料を、スロット340内部における頭部42の周囲に充填し、その後カバー部材500を貫通孔210にねじ込む。このようにして、骨プレート101を体内に残すことになっている場合は、骨プレートの内方成長を促進することができる。何らかの理由で骨固定具4が緩んだ場合でも、ディスク300はカバー部材500によって固定されたままである。
【0061】
ディスク300とプレート部材201とのねじ接続が示されているが、たとえば差込み構造のような同様の前進構造を使用することもできる。カバー部材500とプレート部材201とのねじ接続が示されているが、たとえばこれも差込み構造のような別の接続も可能である。
【0062】
なお、他の手段を用いてプレート部材に対する相対的なディスクの回転移動を制限することが考えられる。たとえば、ディスクの外形および貫通孔の内側の輪郭を、他の、一致しない形状にして、プレート部材に対して相対的にディスクを回転させたときに接触が生じて回転移動の範囲を制限するようにしてもよい。
【0063】
上記実施形態の変形が考えられる。プレート部材におけるディスクの紛失防止機構を実現するために、互いに係合する突起とリセスに代えて、ディスクに外ねじを設け貫通孔に内ねじを設けることも可能である。このようなねじは、たとえば1.5個のねじ山のみといったように、最小数のねじ山のみを有していてもよい。この場合は、ディスクを、貫通孔に、第1の部分を通して、ディスクが溝に達してねじとねじの係合が外れるまで、ねじ込めばよい。
【0064】
細長いスロットは、さまざまな形状および輪郭を有することができ、たとえば、L字形の輪郭、波形の輪郭、または、同じ目的を達成し得るそれ以外の任意の輪郭を有することができる。
【0065】
貫通孔の軸を、プレート部材の上面および/または下面に対して傾斜させることも考えられる。
【0066】
プレート部材は任意の形状を有することができる。上面と下面は平行である必要はない。プレート部材は、さまざまな厚みを有することができ、屈曲していてもよく、またはそれ以外の方法で成形されてもよい。
【0067】
たった1つのディスクと対応する貫通孔を示したが、調整の他の選択肢のために、2つ以上のディスクと貫通孔を設けることも考えられる。
【0068】
骨固定具として、ねじ、釘、ペグ等のすべての種類の骨固定具を使用し得る。これらはすべて、カニューレ状であってもなくてもよい。骨固定具の頭部は、スロットによって案内されるのに適した形状であればどのような形状であってもよい。骨固定具の頭部と軸は、互いに接続することができる別々の部品であってもよい。そうすれば、最初に軸を骨に挿入し、次に骨プレートを骨に配置し、その後頭部を軸に接続することができる。
【0069】
記載されているさまざまな実施形態の特徴は、これら実施形態にのみ限定される訳ではない。これらの特徴を組合わせて調和させることにより、さらに他の複数の実施形態を提供することができる。