【実施例】
【0020】
以下、本発明の実施例に係る水配管設備の浄化装置について図面を参照して詳細に説明する。
本実施例に係る水配管設備の浄化装置101は、例えば給湯設備、温泉水配管設備、空調設備系の冷却水配管設備等のような各種水配管設備に適用するものである。
【0021】
本実施例に係る水配管設備の浄化装置101は、
図1に示すように、各種水配管設備の配管1の外周に配設される水活性化装置111と、例えば前記水活性化装置111より後段の配管1に連結される水酸化装置121と、フィルター131とを有している。
【0022】
前記水活性化装置111は、
図1乃至
図4に示すように、配管1の外周に配設される2個一対の組立体2A、2Bを具備している。
【0023】
前記組立体2A、2Bは同じ構造よりなるので、同じ部材又は部分には同一番号を付して説明する。
【0024】
前記組立体2A、2Bは、ステンレス製のカバー10内に固定された複数個(本実施例では片側3個ずつ合計6個)の流体活性体20を有している。
【0025】
前記カバー10は、円弧状の外壁部11と、この外壁部11の両側端より配管1側に伸びた側壁部12と、この側壁部12より配管1より外側に直角に突出させた固定部13とから形成されている。
【0026】
前記流体活性体20は、エポキシ樹脂30でカバー10に一体的に固定されている。
【0027】
このような構成よりなる組立体2A、2Bは、配管1の外周に配設され、固定部13に連結具であるボルト31、32を通し、ナット33、34で締め付けることにより組立体2A、2Bは配管1の周りに着脱可能に取り付けられる。
【0028】
前記流体活性体20は、黒体放射焼結体21と、この黒体放射焼結体21より発生した電磁波を特定の波長に収束させる電磁波収束体22とを具備している。
【0029】
前記黒体放射焼結体21は、複種類の金属酸化物を粉体化し、1000〜1400℃で焼結処理して形成されている。
【0030】
前記金属酸化物の原料としては、次の7種の原料であるコバルト(Cobalt)、ニッケル(Nickel)、マンガン(Manganese)、銅(Copper)、鉄(Iron)、ボロン(Boron)、アルミニウム(Aluminium)を主成分としている。
【0031】
そして、これらに、次のネオジウム(Neodymium)、プラセオジウム(Praseodymium)、イットリウム(Yttrium)、ランサニウム(Lanthanum)、セリウム(Cerium)、サマリウム(Samarium)、ユウロピウム(Europium)、ガドリニウム(Gadolinium)、テルビウム(Terbium)、ディスプロシウム(Dysprosium)、ホルミウム(Holmium)、エルビウム(Erbium)、ツリウム(Thulium)、イッテルビウム(Ytterbium)、ルテチウム(Lutetium)、クロミウム(Chromium)の内の5種から選ばれる金属酸化物を混合、すなわち、計12種の金属酸化物を混合して黒体放射焼結体21を形成している。
【0032】
前記電磁波収束体22は、
図2に示すように、リング状の磁石23を2つに分割した分割磁石23a、23bを用いている。
【0033】
この分割磁石23a、23bを多層(実施例では8層)に積層して形成されている。
【0034】
磁石23は、N極とS極を互いに交互に配置し、各磁石23は非磁性体被覆24で一体的に結合されている。
【0035】
また、電磁波収束体22の中央には、直径1mm以下の微細な電磁波通過穴25をその開口端が前記配管1に向かうように形成している。
【0036】
次に水活性化装置111の作用効果について説明する。
【0037】
前記水活性化装置111の黒体放射焼結体21は、幅広い波長の電磁波を放射する。
【0038】
この幅広い波長の電磁波は、位相間の相互作用により、電磁波が減衰すると同時に物質の透過性がなくなる。
【0039】
従って、黒体放射焼結体21を直接水に接触させれば、水を活性化させることができるが、黒体放射焼結体21の電磁波は、配管1の管壁を透過しないので、配管1内に流れる水を活性化させることができない。
【0040】
本実施例においては、黒体放射焼結体21より放射された電磁波は、N極とS極を互いに交互に配置した磁石23の電磁波通過穴25を通過させることにより、波長の位相が揃えられ、特定のレーザー的マイクロ波が得られる。
【0041】
このレーザー的マイクロ波は配管1を透過し、配管1内を流れる水を活性化させることができる。
【0042】
更に詳述すると、レーザー的マイクロ波による磁気共鳴運動により水の水分子の凝集体を細分化し、水和電子を外側に位置させ、これにポンプ等による運動エネルギーを作用させることにより、水和電子を剥離放電させる。
【0043】
これにより、配管1内を流れる水中の鉄分又は配管1から析出する鉄分に起因する赤錆(FeO(OH))を不動体である黒錆(Fe
3O
4)に変化させる。
鉄分を有する
【0044】
すなわち、赤錆は水和電子の還元作用によって水分子と酸素が切り離されることで、硬くて堆積が小さい(赤錆に対して1/10程度)黒錆に変化する。
【0045】
この結果、配管1等の配管系の継手部等に赤錆が庫着し閉塞される等の不都合な事態を防止することができる。
【0046】
このようにして水を活性化することにより、配管1内壁の赤錆が黒錆化され、配管1を含む配管系の閉塞率が改善され、赤錆腐食による配管1等の内壁等の劣化が防止され、配管1等の強度劣化を防止することができる。
【0047】
また、前記流体活性体20は、金属酸化物を焼結した黒体放射焼結体21と、この黒体放射焼結体21より発生した電磁波を特定の波長に収束させる磁石23を用いた電磁波収束体22とからなる簡略構成からなるので、前記水活性化装置111全体として製造コストの低減化を図ることができる。
【0048】
更に、本実施例に係る水配管設備の浄化装置101おける水活性化装置111は、組立体2A、2Bを配管1の周りに着脱可能に取り付ける構成を採用しているので、配管1に対する取り付けや交換時においても配管1を切断したり配管系統を停止したりする手間は全く不要となり、かつ、電力供給等も不要で、取り付け、維持管理の点で極めて簡便であるという利点も存する。
【0049】
次に、本実施例における水活性化装置111の変形例である水活性化装置111Aについて、
図5乃至
図8を参照して説明する。
【0050】
図5乃至
図8に示す水活性化装置111Aにおいて前記実施例1の場合と同じ又は相当部材には同一番号を付し、その詳細な説明は省略する。
【0051】
変形例の水活性化装置111Aは、前記実施例1の水活性化装置111と略同様な構成であるが、流体活性体20を、黒体放射焼結体21と、この黒体放射焼結体21より発生した電磁波を特定の波長に収束させる電磁波収束体22との積層構造としたものである。
【0052】
前記電磁波収束体22は、平板状の磁石23を多層(実施例2は8層)に積層して形成している。
【0053】
磁石23は、N極とS極を互いに交互に配置し、各磁石23は非磁性体被覆24で一体的に結合されている。
【0054】
また、電磁波収束体22には多数の直径1mm以下の微細な電磁波通過穴26が貫通して形成されている。
【0055】
変形例の水活性化装置111Aの場合も、前記実施例と同様に、黒体放射焼結体21より放射された電磁波は、N極とS極を互いに交互に配置した磁石23の電磁波通過穴26を通過させることにより、波長の位相が揃えられ、特定のレーザー的マイクロ波が得られる。
【0056】
このレーザー的マイクロ波は配管1を透過し、配管1内に流れる水を活性化させ、前記実施例の水活性化装置111の場合と同様、配管1自体又は配管1を含む配管系の継手部等が赤錆により閉塞される等の不都合な事態を防止することができる。
【0057】
なお、上記実施例、変形例においては、8個の磁石23を積層させた場合について説明したが、磁石23の積層個数はこれらの例に限らず6個、10個等、特に限定するものではない。
【0058】
次に、本実施例における前記水酸化装置121について、
図1、
図9、
図10を参照して説明する。
【0059】
本実施例における水酸化装置121は、
図9に示すように、例えば、ステンレス等の腐食しにくい材料で作った円筒状の本体41を具備し、本体41の水の流入口を継手42を用いて前記水活性化装置111の後段の配管1に接続するとともに、本体41の水の流出口側を継手43を用いて金属イオンを補足するフィルター131に連なる配管1Aに接続している。
【0060】
前記フィルター131の後段には、例えばボイラーのような熱源装置等からなる水設備141が接続されるようになっている。
【0061】
前記本体41内には、
図9に示すように、水の流入口から流出口に向かって第1合金プレート51、第2合金プレート52及び第3合金プレート53の3種類を1組として、これらの第1、第2、第3合金プレート51、52、53を複数組(本実施例では3組)配設して合金プレート群としている。
【0062】
前記第1、第2、第3合金プレート51、52、53の各形状は、
図10に示すように、いずれも略半円板状としている。
【0063】
前記第1合金プレート51は、少なくとも銅、錫を含んだ合金よりなっている。
本実施例においては、銅、錫の他にニッケル、亜鉛、鉄を加えた5種の金属の合金プレートとした。このように銅、錫を有することにより、水中を流れるレジオネラ菌等の細菌や、カルシウム成分の電子を奪う合金プレートとして機能する。
【0064】
前記第2合金プレート52は、少なくとも珪素、チタンを含んだ合金よりなっている。
本実施例においては、珪素、チタンの他にニッケル、亜鉛、銅、銀を加えた6種の金属を含む合金プレートとした。このように珪素、チタンを有することにより、例えばレジオネラ菌等を電気的に吸着する合金プレートとして機能する。
【0065】
前記第3合金プレート53は、少なくとも鉄、モリブデン、マンガンを含んだ合金よりなっている。
本実施例においては、鉄、モリブデン、マンガンの他にニッケル、亜鉛、銅、錫、アルミニウムを加えた8種の金属を含む合金プレートとした。このように鉄、モリブデン、マンガンを有することにより、例えばレジオネラ菌等に電荷を与えて帯電させる合金プレートとして機能する。
【0066】
これら第1、第2、第3合金プレート51、52、53の機能により、全体として本体41内を流れる水に含まれるカルシウムなどのスケール発生成分に対する酸化作用をも発揮する。
【0067】
前記第1、第2、第3合金プレート51、52、53の大きさは、本体2の内径断面積の1/4以上で2/3以下の表面積を有する寸法とし、本体41内の水の流れを確保する構成としている。しかし、圧力損失の関係から1/3以上で1/2以下が好ましい。
【0068】
また、前記第1、第2、第3合金プレート51、52、53は、水が接触し易いように、それぞれ本体2内において、同一配置ではなく、
図10に示すように、本体2内を水流が曲折して流れるように位置ずれさせた配置としている。
【0069】
なお、前記第1、第2、第3合金プレート51、52、53を半円形形状に形成したが、この形状は特に限定されるものではなく、例えば合金円板に穴を明けた形状でもよい。
【0070】
一般に、カルシウムイオン等の水中のカチオンは、pHや温度変化等の物理的環境変化で水中の遊離炭酸と結合し、炭酸カルシウム等の結晶となり徐々に析出して巨大結晶に成長し、スケールとなって配管系統(ボイラー内・熱交換器内等)の内壁等に沈殿付着する。
【0071】
これに対して、本実施例における水酸化装置121によれば、水中のカルシウムイオン等のカチオンは、水中の遊離炭酸等と強制的に反応し、ミクロン以下の微粒子状の結晶となり、水中に分散(ナノサスペンション化)して水酸化装置121より後段における配管系統(ボイラーや熱交換器等)にカルシウムスケールの沈殿成長を防ぎつつ流れるようになる。
【0072】
この場合のカルシウム成分の化学変化は、下記化学式で表すことができる。
【0073】
Ca
++ + (OH)
2 → CaCO
3
【0074】
ここに、Ca
++は溶解性、CaCO
3は不溶性である。
【0075】
次に、前記水酸化装置121において、水中のレジオネラ菌に対する作用について概説する。
【0076】
水中のレジオネラ菌は、先ず第1合金プレート51で電子が奪われ、次に第2合金プレート52に電気的に吸着し、続いて第3合金プレート53で電荷が与えられて帯電する。
【0077】
この第1、第2、第3合金プレート51、52、53の組に接触するステップを繰り返すことによりレジオネラ菌は体力を失い、やがて死滅する。
【0078】
このように、性能の異なる3種類の第1、第2、第3合金プレート51、52、53を組合せ、複数組に接触させつつ流通させることで、従来におけるよりも短い時間で効果的に殺菌を行うことができる。
【0079】
また、第1、第2、第3合金プレート51、52、53は、全く水に溶けたりイオン化しないため、例えば20年以上水酸化装置121の機能は保持される。
【0080】
この他、生活水が流れる配管系統に用いた場合には、塩素系殺菌剤を使用しなく、人体への影響及び水質を変化させることがなく、ランニングコストは全くかからなく、またメンテナンスは完全に不要であるという効果が得られる。
【0081】
次に前記水酸化装置121によるレジオネラ菌の殺菌試験結果について概説する。
【0082】
図11に示す試験装置によって財団法人日本食品分析センターに試験を依頼した。試験装置は、配管61に水酸化装置121を設置したものである。
【0083】
配管61は亜鉛メッキ鋼管で管径20A、配管61の延長は1845mmとした。ポンプ62は能力29リットル/分を用いた。
【0084】
室温21〜23℃で、試験液投入口63より2.8×10
6個/m
3のレジオネラ培養液を循環装置内に充填し、ポンプ62により1.5m/秒の流速で48時間連続運転(循環)した。
【0085】
試験の結果、
図12に示す結果が得られた。
図12より明らかなように、当初280万個/m
3 存在したレジオネラ菌は、24時間後にほぼ全て死滅した。
【0086】
次に、前記水酸化装置121及び前記フィルター131による金属イオンの除去作用について説明する。
【0087】
鉄やマンガンなどの金属イオンの溶けた水が前記水酸化装置121内を通過すると、全ての金属イオンを金属酸化物に変化させる。
そして、フィルター131で、その水を濾過し、水中に分散している金属酸化物をフィルター除去することができる。
【0088】
これにより、水中の全ての金属イオンは水中より除去され、金属イオンが完全に除去された水を水設備141に流すことができる。
【0089】
すなわち、前記水酸化装置121により強制的に金属イオンの酸化を促して水中に結晶化させ、その溶液を次のフィルター131の段階でろ過することにより金属酸化物を除去することができるのである。
【0090】
従来の薬剤を使用して水中に溶解している金属イオンを金属塩に変化させてからフィターで除去する技術の場合には、反応池の建設等、設備費、薬剤費等の費用が高く経済的面で問題が存在していた。
【0091】
これに対して、前記水酸化装置121及びフィルター131によれば、電源及びランニングコストを必要とせず、フィルター131の汚れたろ過要素を交換する費用がかかるだけで済み、維持管理コストを大幅に低減することが可能となる。
【0092】
図13に前記水酸化装置121及び前記フィルター131についての金属イオン除去に関する水質検査の結果を示す。
前記水酸化装置121を通過した水を採水し水質検査を行った結果、マンガンイオン値は0.005mg/l(リットル)未満、鉄イオン値は0.03mg/l(リットル)未満と両方とも測定限界以下の非常に低い数値を示した。
【0093】
一方、前記フィルター131のろ過素子を洗浄した水の水質検査では、マンガンイオン値は0.17mg/lに、鉄イオン値は1.7mg/lと両方とも非常に高い値であった。
【0094】
以上の結果は、前記水酸化装置121の作用により水に溶けていた金属イオンが金属酸化物へと変化し、その後フィルター131で捕捉されたことを表している。
【0095】
このことにより、前記水酸化装置121の水中の金属イオン除去効果が実証されたことになる。