(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記増幅回路は、前記第1検査モードにおけるゲインの大きさを第1の値に設定し、前記第2検査モードにおけるゲインの大きさを前記第1の値より大きい第2の値に設定する、
請求項1又は2に記載のオープン/ショート検査回路。
前記電流出力回路は、前記第1検査モードにおいて、前記抵抗に第1定電流を出力する前記電流源として動作し、前記第2検査モードにおいて、前記抵抗に前記第1定電流より大きい第2定電流を出力する前記電流源として動作する、
請求項5に記載の負荷駆動装置。
前記第2トランジスタ駆動回路は、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて、前記出力トランジスタと共にカレントミラー回路を構成するカレントミラー用トランジスタを含む、
請求項7に記載の負荷駆動装置。
前記第2トランジスタ駆動回路は、前記第1検査モードにおいて、前記カレントミラー用トランジスタに流れる電流を第1参照電流に設定し、前記第2検査モードにおいて、前記カレントミラー用トランジスタに流れる電流を前記第1参照電流より大きい第2参照電流に設定する参照電流設定回路を含む、
請求項8に記載の負荷駆動装置。
前記増幅回路は、前記第1検査モードにおけるゲインの大きさを第1の値に設定し、前記第2検査モードにおけるゲインの大きさを前記第1の値より大きい第2の値に設定する、
請求項5乃至9の何れか一項に記載の負荷駆動装置。
前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータに入力するしきい電圧を制御するしきい電圧制御回路であって、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて、前記第1コンパレータに前記第1しきい電圧を入力するとともに前記第2コンパレータに前記第2しきい電圧を入力し、前記通常動作モードにおいて、前記第1コンパレータに第3しきい電圧を入力するとともに前記第2コンパレータに第4しきい電圧を入力するしきい電圧制御回路を有し、
前記判定回路は、前記通常動作モードにおいて、前記第1コンパレータの出力信号と前記第2コンパレータの出力信号とに基づいて、前記増幅回路の出力電圧が前記第3しきい電圧から前記第4しきい電圧までの範囲から逸脱した場合に異常状態と判定する、
請求項5乃至11の何れか一項に記載の負荷駆動装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば磁気平衡式電流センサのコイルを駆動する場合など、比較的大きな電流で負荷を駆動する場合、負荷に流れる電流を検出するための抵抗として、抵抗値の小さいシャント抵抗が用いられる。抵抗値の小さい抵抗についてオープン状態とショート状態を検査する場合、上述した従来の方法では、抵抗に生じる電圧がオープン状態とショート状態とで大きく異なるため、それぞれの検査を精度よく行うことが難しい。特に、ショート状態の検査では、正常な抵抗値とショート状態の異常な抵抗値との差が小さいため、抵抗に生じる電圧の差も小さくなり、検査の精度を高め難いという課題がある。オープン状態の検査とショート状態の検査とでそれぞれ専用の検査回路を設ける方法も考えられるが、これでは回路の規模が大きくなるという不利益がある。
【0005】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡易な構成で抵抗のオープン状態及びショート状態を精度よく検査できるオープン/ショート検査回路を提供すること、及び、負荷の駆動によって流れる電流の経路に設けられた抵抗のオープン状態及びショート状態を簡易な構成で精度よく検出することが可能な負荷駆動装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の観点は、抵抗のオープン状態及びショート状態を検査するオープン/ショート検査回路に関する。このオープン/ショート検査回路は、一方向に流れる電流を前記抵抗に出力する電流源と、前記抵抗に生じる電圧を増幅し、当該増幅結果に基準電圧が加算された電圧を出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力電圧と、前記オープン状態の判定条件として設定された第1しきい電圧とを比較する第1コンパレータと、前記増幅回路の出力電圧と、前記ショート状態の判定条件として設定された第2しきい電圧とを比較する第2コンパレータと、前記第1コンパレータの出力信号と前記第2コンパレータの出力信号とに基づいて、第1検査モードでは前記オープン状態の有無を判定し、第2検査モードでは前記ショート状態の有無を判定する判定回路とを有する。前記増幅回路は、前記第1検査モードと前記第2検査モードとでゲインの極性を反転する。前記基準電圧は、前記第1しきい電圧と前記第2しきい電圧との間の電圧である。
【0007】
この構成によれば、前記オープン状態の判定と前記ショート状態の判定とにそれぞれ独立のコンパレータが使用され、この2つの判定が独立の検査モードで個別に行われる。そのため、それぞれの判定に適した条件を設定することが可能となり、判定の精度を高め易くなる。
【0008】
また、この構成によれば、前記第1検査モードと前記第2検査モードとにおいて前記電流源、前記増幅回路及び前記判定回路が共通に使用される。そのため、前記オープン状態の判定と前記ショート状態の判定とにそれぞれ専用の検査回路を設ける場合に比べて、回路構成が簡易になる。
【0009】
更に、この構成によれば、前記抵抗には前記電流源から一方向に電流が流れるのに対し、前記増幅回路のゲインの極性は、前記第1検査モードと前記第2検査モードとで反転する。そのため、この2つの検査モードにおける一方の検査モードでは、前記抵抗の抵抗値が大きくなるにつれて前記増幅回路の出力電圧が前記基準電圧に対して低くなり、前記基準電圧より高くならない。他方の検査モードでは、前記抵抗の抵抗値が大きくなるにつれて前記増幅回路の出力電圧が前記基準電圧に対して高くなり、前記基準電圧より低くならない。この基準電圧は、前記第1しきい電圧と前記第2しきい電圧との間の電圧であるため、前記第1コンパレータの出力信号により前記オープン状態の有無が判定される前記第1検査モードでは、前記増幅回路の出力電圧に関わらず、前記第2コンパレータの出力信号が常に一定の値となる。前記第2コンパレータの出力信号により前記ショート状態の有無が判定される前記第2検査モードでは、前記増幅回路の出力電圧に関わらず、前記第1コンパレータの出力信号が常に一定の値となる。すなわち、各検査モードでは、2つのコンパレータ(第1コンパレータ,第2コンパレータ)の何れか一方の出力信号が常に一定の値となる。従って、前記判定回路では、2つのコンパレータの出力信号に基づいて、簡単な回路構成で2つの検査モードの判定結果が得られる。
【0010】
好適に、前記電流源は、前記第1検査モードにおいて第1定電流を前記抵抗に出力し、前記第2検査モードにおいて前記第1定電流より大きい第2定電流を前記抵抗に出力する。
【0011】
この構成によれば、前記ショート状態の有無が判定される前記第2検査モードにおいて前記抵抗に流れる電流が大きくなり、前記増幅回路の出力電圧の振幅が大きくなるため、前記基準電圧に対する前記第2しきい電圧の差を大きくすることが可能となり、前記ショート状態の判定の精度が向上する。
【0012】
好適に、前記増幅回路は、前記第1検査モードにおけるゲインの大きさを第1の値に設定し、前記第2検査モードにおけるゲインの大きさを前記第1の値より大きい第2の値に設定する。
【0013】
この構成によれば、前記ショート状態の有無が判定される前記第2検査モードにおいて前記増幅回路のゲインが大きくなり、前記増幅回路の出力電圧の振幅が大きくなるため、前記基準電圧に対する前記第2しきい電圧の差を大きくすることが可能となり、前記ショート状態の判定の精度が向上する。
【0014】
好適に、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータは、それぞれヒステリシス特性を持つコンパレータであり、前記第2コンパレータは、比較結果の出力信号の反転に必要な入力の電圧差であるヒステリシス幅が前記第1コンパレータに比べて大きい。
【0015】
この構成によれば、前記第2検査モードにおいて前記増幅回路の出力電圧の振幅が大きくなることによりノイズの振幅が大きくなっても、前記第2コンパレータの前記ヒステリシス幅が大きいため、ノイズに対する前記第2コンパレータの感度が低くなり、前記ショート状態の有無の誤判定が生じ難くなる。
【0016】
本発明の第2の観点は、負荷の駆動により流れる電流の経路に設けられた抵抗のオープン状態及びショート状態を検査可能な負荷駆動装置に関する。この負荷駆動装置は、通常動作モードにおいて、入力信号に応じた電流を前記負荷に出力する電流出力回路と、前記抵抗に生じる電圧を増幅し、当該増幅結果に基準電圧が加算された電圧を出力する増幅回路と、前記増幅回路の出力電圧と、前記オープン状態の判定条件として設定された第1しきい電圧とを比較する第1コンパレータと、前記増幅回路の出力電圧と、前記ショート状態の判定条件として設定された第2しきい電圧とを比較する第2コンパレータと、前記第1コンパレータの出力信号と前記第2コンパレータの出力信号とに基づいて、第1検査モードでは前記オープン状態の有無を判定し、第2検査モードでは前記ショート状態の有無を判定する判定回路とを有する。前記増幅回路は、前記第1検査モードと前記第2検査モードとでゲインの極性を反転する。前記基準電圧は、前記第1しきい電圧と前記第2しきい電圧との間の電圧である。前記電流出力回路は、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて、一方向に流れる電流を前記抵抗に出力する電流源として動作する。
【0017】
この構成によれば、前記通常動作モードにおいて前記負荷に電流を出力する前記電流出力回路が、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて前記負荷に電流を出力する電流源として動作する。そのため、検査モードのために独立の電流源を設ける場合に比べて回路構成を簡易化できる。
【0018】
好適に、前記電流出力回路は、前記第1検査モードにおいて、前記抵抗に第1定電流を出力する前記電流源として動作し、前記第2検査モードにおいて、前記抵抗に前記第1定電流より大きい第2定電流を出力する前記電流源として動作する。
【0019】
好適に、前記電流出力回路は、前記通常動作モードにおいて、前記負荷に流れる電流を制御する少なくとも1つの出力トランジスタを含んだ出力段と、前記通常動作モードにおいて、前記出力段に含まれる前記出力トランジスタをそれぞれ駆動する第1トランジスタ駆動回路と、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて、前記出力段の前記出力トランジスタを前記第1トランジスタ駆動回路からそれぞれ切り離し、当該切り離した出力トランジスタの少なくとも一部を前記電流源として動作するように駆動する第2トランジスタ駆動回路とを含む。
【0020】
この構成によれば、前記通常動作モードにおいて前記負荷に流れる電流を制御する前記出力段の前記出力トランジスタが、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて前記電流源として動作するように駆動される。そのため、検査モードのために独立の電流源を設ける場合に比べて回路構成を簡易化できる。
【0021】
好適に、前記第2トランジスタ駆動回路は、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて、前記出力トランジスタと共にカレントミラー回路を構成するカレントミラー用トランジスタを含む。
【0022】
この構成によれば、カレントミラー回路によって正確な電流が前記抵抗に供給される。
【0023】
好適に、前記第2トランジスタ駆動回路は、前記第1検査モードにおいて、前記カレントミラー用トランジスタに流れる電流を第1参照電流に設定し、前記第2検査モードにおいて、前記カレントミラー用トランジスタに流れる電流を前記第1参照電流より大きい第2参照電流に設定する参照電流設定回路を含む。
【0024】
この構成によれば、前記カレントミラー用トランジスタに流れる電流が前記第1参照電流と前記第2参照電流とに切り替わることで、前記抵抗に流れる電流が前記第1定電流と前記第2定電流とに切り替わる。
【0025】
好適に、前記増幅回路は、前記第1検査モードにおけるゲインの大きさを第1の値に設定し、前記第2検査モードにおけるゲインの大きさを前記第1の値より大きい第2の値に設定する。
【0026】
好適に、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータは、それぞれヒステリシス特性を持つコンパレータであり、前記第2コンパレータは、比較結果の出力信号の反転に必要な入力の電圧差であるヒステリシス幅が前記第1コンパレータに比べて大きい。
【0027】
好適に、上記負荷駆動装置は、前記第1コンパレータ及び前記第2コンパレータに入力するしきい電圧を制御するしきい電圧制御回路を有する。前記しきい電圧制御回路は、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて、前記第1コンパレータに前記第1しきい電圧を入力するとともに前記第2コンパレータに前記第2しきい電圧を入力し、前記通常動作モードにおいて、前記第1コンパレータに第3しきい電圧を入力するとともに前記第2コンパレータに第4しきい電圧を入力する。前記判定回路は、前記通常動作モードにおいて、前記第1コンパレータの出力信号と前記第2コンパレータの出力信号とに基づいて、前記増幅回路の出力電圧が前記第3しきい電圧から前記第4しきい電圧までの範囲から逸脱した場合に異常状態と判定する。
【0028】
上記の構成によれば、前記第1検査モード及び前記第2検査モードにおいて前記オープン状態及び前記ショート状態の判定を行う前記判定回路が、前記通常動作モードにおいて前記増幅回路の出力電圧の判定にも兼用される。これにより、前記通常動作モードにおいて前記増幅回路の出力電圧の判定用に専用の回路を設ける場合に比べて構成が簡易になる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、抵抗のオープン状態及びショート状態を簡易な構成で精度よく検査できる。
【発明を実施するための形態】
【0031】
図1及び
図2は、本発明の実施形態に係る負荷駆動装置1の構成の一例を示す図である。
図1及び
図2に示す負荷駆動装置1は、駆動対象の負荷L1に電流ILを供給する装置であり、電流出力回路10と、検出回路20と、抵抗Rsを有する。図示の例において負荷L1はインダクタであるが、他の種類の負荷でもよい。
【0032】
電流出力回路10と検出回路20は、例えば半導体チップ上に形成された集積回路である。電流出力回路10と検出回路20は、同じ半導体チップ上に形成されてもよいし、異なる半導体チップ上に形成されてもよい。
【0033】
抵抗Rsは、負荷L1の駆動により流れる電流ILの経路上に設けられている。負荷駆動装置1は、この抵抗Rsに生じる電圧に基づいて、電流ILを検出する。負荷駆動装置1は、負荷L1の駆動を行う通常動作モードに加えて、抵抗Rsの状態を検査する2つの検査モード(第1検査モード,第2検査モード)を持つ。負荷駆動装置1は、第1検査モードにおいて抵抗Rsのオープン状態を検査し、第2検査モードにおいて抵抗Rsのショート状態を検査する。
図1は第1検査モード及び第2検査モードにおける回路の状態(スイッチ,しきい電圧など)を示し、
図2は通常動作モードにおける回路の状態を示す。
【0034】
電流出力回路10は、通常動作モードにおいて、入力信号Vinに応じた電流ILを負荷L1に出力し、第1検査モード及び第2検査モードにおいて、一方向に流れる電流を抵抗Rsに出力する。電流出力回路10は、抵抗Rsのオープン状態を検査する第1検査モードにおいて第1定電流I1を出力し、抵抗Rsのショート状態を検査する第2検査モードにおいて第2定電流I2を出力する。第2定電流I2は第1定電流I1よりも大きい。ショート状態の検査時には、オープン状態の検査時よりも大きな電流ILが抵抗Rsに流れる。
【0035】
図示の例において、電流出力回路10は、出力段11と、第1トランジスタ駆動回路12と、第2トランジスタ駆動回路13を有する。
【0036】
出力段11は、通常動作モードにおいて負荷L1に流れる電流を制御する4つの出力トランジスタM1〜M4を含む。図示の例において、出力トランジスタM1〜M4はHブリッジを構成しており、負荷L1に双方向の電流ILを流すことができる。出力トランジスタM1及びM3はp型MOSトランジスタであり、出力トランジスタM2及びM4はn型MOSトランジスタである。出力トランジスタM1及びM2が電源VDDとグランドとの間に直列接続され、その接続中点(出力トランジスタM1及びM2のドレイン)が端子T3に接続される。出力トランジスタM1のソースが電源VDDに接続され、出力トランジスタM2のソースがグランドに接続される。出力トランジスタM3及びM4が電源VDDとグランドとの間に直列接続され、その接続中点(出力トランジスタM3及びM4のドレイン)が端子T4に接続される。出力トランジスタM3のソースが電源VDDに接続され、出力トランジスタM4のソースがグランドに接続される。端子T3と端子T4との間に、負荷L1と抵抗Rが直列接続される。
【0037】
第1トランジスタ駆動回路12は、通常動作モードにおいて、出力段11に含まれる4つの出力トランジスタM1〜M4をそれぞれ駆動する。第1トランジスタ駆動回路12は、Hブリッジを構成する出力トランジスタM1〜M4の各ゲートに駆動電圧を供給する。第1トランジスタ駆動回路12は、端子T1−T2間に入力される信号Viに応じた電流が負荷L1に流れるように、出力トランジスタM1〜M4を制御する。
【0038】
第2トランジスタ駆動回路13は、第1検査モード及び第2検査モードにおいて、出力段11の出力トランジスタM1〜M4を第1トランジスタ駆動回路12からそれぞれ切り離す。そして第2トランジスタ駆動回路13は、第1トランジスタ駆動回路12から切り離した出力トランジスタM1及びM4が抵抗Rsに一方向の電流を流す電流源として動作するように、この2つのトランジスタを駆動する。
【0039】
第2トランジスタ駆動回路13は、図示の例において、スイッチSW1〜SW6と、カレントミラー用トランジスタM5と、参照電流設定回路121を有する。
【0040】
スイッチSW1〜SW4は、第1トランジスタ駆動回路12から出力トランジスタM1〜M4へ駆動電圧を入力する経路に設けられており、第1検査モード及び第2検査モードにおいてオフし(
図1)、通常動作モードにおいてオンする(
図2)。
【0041】
カレントミラー用トランジスタM5は、第1検査モード及び第2検査モードにおいて、出力トランジスタM1と共にカレントミラー回路を構成する。図示の例において、カレントミラー用トランジスタM5はp型MOSトランジスタであり、ソースが電源VDDに接続され、ドレインとゲートがスイッチSW5を介して出力トランジスタM1のゲートに接続される。スイッチSW5は、第1検査モード及び第2検査モードにおいてオンし(
図1)、通常動作モードにおいてオフする(
図2)。
【0042】
参照電流設定回路121は、第1検査モードにおいて、カレントミラー用トランジスタM5に流れる電流を第1参照電流Ir1に設定し、第2検査モードにおいて、カレントミラー用トランジスタM5に流れる電流を第1参照電流Ir1より大きい第2参照電流Ir2に設定する。参照電流設定回路121は、例えば、カレントミラー用トランジスタM5のドレインに第1参照電流Ir1又は第2参照電流Ir2を流す定電流回路を含んで構成される。
【0043】
スイッチSW6は、出力トランジスタM4のゲートと電源VDDとの間に接続されており、第1検査モード及び第2検査モードにおいてオンし(
図1)、通常動作モードにおいてオフする(
図2)。
【0044】
検出回路20は、抵抗Rsの電圧に基づいて電流ILを検出するとともに、この抵抗Rsの電圧に基づいて抵抗Rsのオープン状態やショート状態などの異常の有無を判定する。検出回路20は、図示の例において、増幅回路21と、第1コンパレータCP1と、第2コンパレータCP2と、判定回路22と、しきい電圧制御回路23を有する。
【0045】
増幅回路21は、抵抗Rsに生じる電圧を増幅し、この増幅結果に所定の基準電圧が加算された電圧Vampを出力する。一例において、増幅回路21は、第1検査モード及び第2検査モードの基準電圧を「Vref」とし、通常動作モードの基準電圧を「Vcom」とする。基準電圧VrefとVcomは同じ値でもよい。
【0046】
増幅回路21は、第1検査モードと第2検査モードとでゲインの極性を反転するとともに、第2検査モードにおけるゲインの大きさ「A2」を第1検査モードにおけるゲインの大きさ「A1」より大きい値に設定する。増幅回路21は、通常動作モードにおけるゲインの大きさを「An」に設定する。
【0047】
各動作モードにおける増幅回路21の出力電圧Vampは、例えば次の式で表される。ただし、「Rs」は抵抗Rsの抵抗値を示し、「IL」は通常動作モードにおいて抵抗Rsに流れる電流を示す。
【0048】
第1検査モード(オープン状態の検査モード):
Vamp = Vref−A1・I1・Rs …(1)
【0049】
第2検査モード(ショート状態の検査モード):
Vamp = Vref+A2・I2・Rs …(2)
【0050】
通常動作モード:
Vamp = Vcom+An・IL・Rs …(3)
【0051】
図3及び
図4は、増幅回路21の構成の一例を示す図である。
図3は第1検査モード及び第2検査モードにおける回路の状態を示し、
図4は通常動作モードにおける回路の状態を示す。図示の例において、増幅回路21は、オペアンプOP1と、極性反転回路X1と、抵抗R1〜R6と、スイッチSW7〜SW12を有する。
【0052】
オペアンプOP1の反転入力端子(−)と出力端子との間に、抵抗R3とスイッチSW7が直列接続されるとともに、抵抗R4とスイッチSW8が直列接続される。
【0053】
オペアンプOP1の非反転入力端子(+)とノードN1との間に、抵抗R5とスイッチSW9が直列接続されるとともに、抵抗R6とスイッチSW10が直列接続される。
【0054】
ノードN1には、スイッチSW11を介して基準電圧Vrefが印加されるか、又は、スイッチSW12を介して基準電圧Vcomが印加される。
【0055】
オペアンプOP1の反転入力端子(−)は、抵抗R1及び極性反転回路X1を介して、端子T5又はT6に接続される。オペアンプOP1の非反転入力端子(+)は、抵抗R2及び極性反転回路X1を介して、端子T5又はT6に接続される。端子T5及びT6は、抵抗Rsの両端に接続される。
【0056】
極性反転回路X1は、端子T5及びT6と抵抗R1及びR2の一端とを一対一に接続するスイッチであり、第1検査モードと第2検査モードとで接続関係を反転させる。
【0057】
極性反転回路X1は、第1検査モード(オープン状態の検査モード)において、抵抗R1の一端を端子T5に接続するとともに、抵抗R2の一端を端子T6に接続する。他方、極性反転回路X1は、第2検査モード(ショート状態の検査モード)において、抵抗R1の一端を端子T6に接続するとともに、抵抗R2の一端を端子T5に接続する。また極性反転回路X1は、通常動作モードにおいて、抵抗R1の一端を端子T6に接続するとともに、抵抗R2の一端を端子T5に接続する。
【0058】
第1検査モード及び第2検査モードでは、
図3に示すように、スイッチSW7,SW9,SW11がオンし、スイッチSW8,SW10,SW12がオフする。この場合、ノードN1に基準電圧Vrefが印加され、オペアンプOP1には抵抗R3,R5が接続される。抵抗R3,R5は可変抵抗であり、第2検査モードのときの抵抗値が第1検査モードに比べて大きくなる。これにより、第2検査モードにおけるゲインの大きさ「A2」は第1検査モードにおけるゲインの大きさ「A1」より大きい値となる。
【0059】
図3,
図4の例では、端子T6の電位を基準として抵抗Rsの電圧Vrが規定されている。第1検査モードでは、極性反転回路X1によって抵抗R1の一端が端子T5に接続されるとともに、抵抗R2の一端が端子T6に接続されるため、電圧Vrを増幅する増幅回路21のゲインの極性は負となり、極性を含むゲインは「−A1」となる(式(1))。一方、第2検査モードでは、極性反転回路X1によって抵抗R1の一端が端子T6に接続されるとともに、抵抗R2の一端が端子T5に接続されるため、電圧Vrを増幅する増幅回路21のゲインの極性は正となり、極性を含むゲインは「+A2」となる(式(2))。
【0060】
通常動作モードでは、
図4に示すように、スイッチSW7,SW9,SW11がオフし、スイッチSW8,SW10,SW12がオンする。この場合、ノードN1に基準電圧Vcomが印加され、オペアンプOP1には一定の抵抗値を持つ抵抗R4,R6が接続される。抵抗R4,R6の抵抗値は、例えば、増幅回路21のゲインの大きさが「A1」から「A2」までの範囲に含まれるように設定される。通常動作モードでは、極性反転回路X1によって抵抗R1の一端が端子T6に接続されるとともに、抵抗R2の一端が端子T5に接続されるため、電圧Vrを増幅する増幅回路21のゲインの極性は正となり、極性を含むゲインは「+An」となる(式(3))。
【0061】
第1コンパレータCP1及びCP2は、しきい電圧制御回路23から入力されるしきい電圧と増幅回路21の出力電圧Vampとを比較し、その比較結果に応じた信号を出力する。
【0062】
第1コンパレータCP1は、第1検査モード及び第2検査モードにおいて、増幅回路21の出力電圧Vampと、抵抗Rsのオープン状態の判定条件として設定された第1しきい電圧Voとを比較する(
図1)。第1コンパレータCP1は、電圧Vampが第1しきい電圧Voに比べて高い場合にハイレベルの信号を出力し、電圧Vampが第1しきい電圧Voに比べて低い場合にローレベルの信号を出力する。抵抗Rsがオープン状態の場合、第1検査モードにおいて第1コンパレータCP1の出力信号がローレベルとなる。
【0063】
第1コンパレータCP1は、通常動作モードにおいて、増幅回路21の出力電圧Vampと、低電圧側の第3しきい電圧VLとを比較する(
図2)。第1コンパレータCP1は、電圧Vampが第3しきい電圧VLに比べて高い場合にハイレベルの信号を出力し、電圧Vampが第3しきい電圧VLに比べて低い場合にローレベルの信号を出力する。通常動作モードにおいて電圧Vampが正常範囲を逸脱して低くなった場合、第1コンパレータCP1の出力信号がローレベルとなる。
【0064】
第2コンパレータCP2は、第1検査モード及び第2検査モードにおいて、増幅回路21の出力電圧Vampと、抵抗Rsのショート状態の判定条件として設定された第2しきい電圧Vsとを比較する(
図1)。第2コンパレータCP2は、電圧Vampが第2しきい電圧Vsに比べて低い場合にハイレベルの信号を出力し、電圧Vampが第2しきい電圧Vsに比べて高い場合にローレベルの信号を出力する。抵抗Rsがショート状態の場合、第2検査モードにおいて第2コンパレータCP2の出力信号がハイレベルとなる。
【0065】
第2コンパレータCP2は、通常動作モードにおいて、増幅回路21の出力電圧Vampと、高電圧側の第4しきい電圧VHとを比較する(
図2)。第2コンパレータCP2は、電圧Vampが第4しきい電圧VHに比べて低い場合にハイレベルの信号を出力し、電圧Vampが第4しきい電圧VHに比べて高い場合にローレベルの信号を出力する。通常動作モードにおいて電圧Vampが正常範囲を逸脱して高くなった場合、第2コンパレータCP2の出力信号がローレベルとなる。
【0066】
本実施形態において、第1コンパレータCP1及び第2コンパレータCP2は、それぞれヒステリシス特性を持つコンパレータである。ショート状態の判定を行う第2コンパレータCP2は、比較結果の出力信号の反転に必要な入力の電圧差であるヒステリシス幅が第1コンパレータCP1に比べて大きい。第2コンパレータCP2は第1コンパレータCP1に比べてヒステリシス幅が大きいため、ノイズに対する感度が低い。
【0067】
しきい電圧制御回路23は、第1コンパレータCP1及び第2コンパレータCP2に入力するしきい電圧を制御する。しきい電圧制御回路23は、第1検査モード及び第2検査モードにおいて、第1コンパレータCP1に第1しきい電圧Voを入力するとともに第2コンパレータCP2に第2しきい電圧Vsを入力し、通常動作モードにおいて、第1コンパレータCP1に第3しきい電圧VLを入力するとともに第2コンパレータCP2に第4しきい電圧VHを入力する。
【0068】
判定回路22は、第1コンパレータCP1の出力信号と第2コンパレータCP2の出力信号とに基づいて、第1検査モードでは抵抗Rsのオープン状態の有無を判定し、第2検査モードでは抵抗Rsのショート状態の有無を判定する。具体的には、判定回路22は、第1検査モードにおいて第1コンパレータCP1の出力信号がローレベルの場合に抵抗Rsがオープン状態であると判定し、第2検査モードにおいて第2コンパレータCP2の出力信号がハイレベルの場合に抵抗Rsがショート状態であると判定する。
【0069】
また、判定回路22は、通常動作モードにおいて、第1コンパレータCP1の出力信号と第2コンパレータCP2の出力信号とに基づいて、増幅回路21の出力電圧Vampが第3しきい電圧VLから第4しきい電圧VHまでの範囲から逸脱した場合に異常状態と判定する。具体的には、判定回路22は、第1コンパレータCP1の出力信号及び第2コンパレータCP2の出力信号の少なくとも一方がローレベルの場合に異常状態と判定する。
【0070】
判定回路22は、例えば、第1コンパレータCP1の出力信号と第2コンパレータCP2の出力信号との否定論理積を演算するNAND回路によって構成される。NAND回路の出力信号Sfは、第1検査モードにおいてハイレベルの場合に抵抗Rsのオープン状態を示し、第2検査モードにおいてローレベルの場合に抵抗Rsのショート状態を示し、通常動作モードにおいてハイレベルの場合に電圧Vampの異常を示す。
【0071】
ここで、上述した構成を有する本実施形態に係る負荷駆動装置1の動作を説明する。
【0072】
(第1検査モード、第2検査モード)
第1検査モード及び第2検査モードでは、
図1に示すように、スイッチSW1〜SW4がオフし、スイッチSW5及びSW6がオンする。これにより、カレントミラー用トランジスタM5と出力トランジスタM1によるカレントミラー回路が構成され、出力トランジスタM4がオン状態となる。カレントミラー回路による電流ILは一方向であり、電源VDDから負荷L1及び抵抗Rsを通ってグランドに流れる。増幅回路21では、この電流ILによって抵抗Rsに生じた電圧Vrが増幅され、その増幅結果に基準電圧Vrefを加算した電圧Vampが出力される。
【0073】
図5は、第1検査モード及び第2検査モードにおける増幅回路21の出力電圧Vampと判定結果との関係を説明するための図である。横軸は抵抗Rsの抵抗値を示し、縦軸は増幅回路21の出力電圧Vampを示す。直線W1は、第1検査モードにおける抵抗値Rsと電圧Vampとの比例関係を示し、直線W2は、第2検査モードにおける抵抗値Rsと電圧Vampとの比例関係を示す。
【0074】
第1検査モードでは、増幅回路21のゲインの極性が負となるため、
図5の直線W1に示すように、抵抗値Rsが大きくなるほど電圧Vampは基準電圧Vrefに対して低下する。電圧Vampは基準電圧Vrefより常に低い電圧となり、第2コンパレータCP2の出力信号は常にハイレベルとなる。電圧Vampが第1しきい電圧Voより低くなると、抵抗値Rsは「Ropen」より大きくなる。この場合、第1コンパレータCP1の出力信号がローレベルとなるため、判定回路22からオープン状態を示すハイレベルの信号Sfが出力される。
【0075】
第2検査モードでは、増幅回路21のゲインの極性が正となるため、
図5の直線W2に示すように、抵抗値Rsが大きくなるほど電圧Vampは基準電圧Vrefに対して上昇する。電圧Vampは基準電圧Vrefより常に高い電圧となり、第1コンパレータCP1の出力信号は常にハイレベルとなる。電圧Vampが第2しきい電圧Vsより低くなると、抵抗値Rsは「Rshort」より小さくなる。この場合、第2コンパレータCP2の出力信号がハイレベルとなるため、判定回路22からショート状態を示すローレベルの信号Sfが出力される。
【0076】
第2検査モードにおいて電流出力回路10から出力される第2定電流I2は第1検査モードの第1定電流I1より大きく、また、第2検査モードにおける増幅回路21のゲインの大きさ「A2」は第2検査モードの「A1」より大きい。そのため、
図5に示すように、直線W1の傾きは直線W2より大きくなる。すなわち、第2検査モードでは微小な抵抗値Rsの判定を行うため、増幅回路21の出力電圧Vampの振幅(電圧Vrの増幅結果の成分)が大きくなるように、増幅回路21のゲインや電流出力回路10の電流値が設定される。
【0077】
(通常動作モード)
通常動作モードでは、
図2に示すように、スイッチSW1〜SW4がオンし、スイッチSW5及びSW6がオフする。これにより、第1トランジスタ駆動回路12から出力トランジスタM1〜M4へそれぞれ駆動電圧が入力され、負荷L1には入力信号Viに応じた双方向の電流ILが流れる。増幅回路21では、この電流ILによって抵抗Rsに生じた電圧Vrが増幅され、その増幅結果に基準電圧Vcomを加算した電圧Vampが出力される。
【0078】
図6は、通常動作モードにおける増幅回路21の出力電圧Vampと判定結果との関係を説明するための図である。横軸は時間を示し、縦軸は増幅回路21の出力電圧Vampを示す。
図6に示すように、電圧Vampが第3しきい電圧VLより低くなる場合や第4しきい電圧VHより高くなる場合、判定回路22から電圧Vampの異常を示すハイレベルの信号Sfが出力される。
【0079】
以上説明したように、本実施形態によれば、オープン状態の判定とショート状態の判定とにそれぞれ独立のコンパレータが使用され、この2つの判定が独立の検査モードで個別に行われる。これにより、それぞれの判定に適した条件を設定できるため、判定の精度を高め易くなる。
【0080】
本実施形態によれば、第1検査モードと第2検査モードとにおいて電流出力回路10(電流ILの電流源)、増幅回路21及び判定回路22が共通に使用される。そのため、オープン状態の判定とショート状態の判定とにそれぞれ専用の検査回路を設ける場合に比べて、回路構成を簡易化できる。
【0081】
本実施形態によれば、第1検査モード及び第2検査モードにおいて抵抗Rsには一方向に電流ILが流れるのに対し、増幅回路21のゲインの極性は、この2つの検査モードにおいて反転する。すなわち、第1検査モードでは、抵抗Rsの抵抗値が大きくなるにつれて増幅回路21の出力電圧Vampが基準電圧Vrefに対して低くなり、基準電圧Vrefより高くならない。第2検査モードでは、抵抗Rsの抵抗値が大きくなるにつれて増幅回路21の出力電圧Vampが基準電圧Vrefに対して高くなり、基準電圧Vrefより低くならない。基準電圧Vrefは、第1しきい電圧Voと第2しきい電圧Vsとの間の電圧であるため、第1コンパレータCP1の出力信号によりオープン状態の有無が判定される第1検査モードでは、増幅回路21の出力電圧Vampに関わらず、第2コンパレータCP2の出力信号が常にハイレベルとなる。第2コンパレータCP2の出力信号によりショート状態の有無が判定される第2検査モードでは、増幅回路21の出力電圧Vampに関わらず、第1コンパレータCP1の出力信号が常にハイレベルとなる。すなわち、各検査モードでは、2つのコンパレータ(第1コンパレータCP1,第2コンパレータCP2)の何れか一方の出力信号が常にハイレベルとなる。従って、判定回路22では、2つのコンパレータの出力信号に基づいて、簡単な回路構成で(
図1の例では1つのNAND回路で)2つの検査モードの判定結果を得ることができる。
【0082】
本実施形態によれば、ショート状態の有無が判定される第2検査モードにおいて抵抗Rsに流れる電流が大きくなり、増幅回路21の出力電圧Vampの振幅が大きくなる。そのため、基準電圧Vrefに対する第2しきい電圧Vsの差を大きくすることが可能となり、ショート状態の判定の精度を向上できる。
【0083】
本実施形態によれば、ショート状態の有無が判定される第2検査モードにおいて増幅回路21のゲインが大きくなり、増幅回路21の出力電圧Vampの振幅が大きくなるため、基準電圧Vrefに対する第2しきい電圧Vsの差を大きくすることが可能となり、ショート状態の判定の精度を向上できる。
【0084】
本実施形態によれば、第2検査モードにおいて増幅回路21の出力電圧Vampの振幅が大きくなる(増幅回路21の感度が高くなる)ことによりノイズの振幅が大きくなっても、第2コンパレータCP2には比較的大きなヒステリシス幅が設定されているため、ノイズに対する第2コンパレータCP2の感度が低くなる。これにより、ショート状態の有無の誤判定を生じ難くすることができる。
【0085】
本実施形態によれば、通常動作モードにおいて負荷L1に電流ILを出力する電流出力回路10が、第1検査モード及び第2検査モードにおいて負荷L1に検査用の電流ILを出力する電流源として動作する。そのため、検査モードのために独立の電流源を設ける場合に比べて回路構成を簡易化できる。
【0086】
本実施形態によれば、通常動作モードにおいて負荷L1に流れる電流ILを制御する出力段11の出力トランジスタM1及びM4が、第1検査モード及び第2検査モードにおいて負荷L1に一方向の定電流(I1又はI2)を出力する電流源として動作するように駆動される。そのため、検査モードのために独立の電流源を設ける場合に比べて回路構成を簡易化できる。また、電流出力回路10を半導体チップ上に集積回路として形成した場合、通常動作モードで電流ILの制御に使用される出力トランジスタM1,M4には、高いESD耐性が得られるように比較的大きなサイズを持つトランジスタが使用される。もし検査モードのために独立の電流源を設けたとすると、この大きなサイズのトランジスタを別途追加しなければならなくなる。これに対し、本実施形態によれば、出力トランジスタM1,M4が検査モードの電流源として兼用されるため、回路サイズの大型化を抑制できる。
【0087】
本実施形態によれば、第1検査モード及び第2検査モードにおいてオープン状態及びショート状態の判定を行う判定回路22が、通常動作モードにおいて増幅回路21の出力電圧Vampの判定にも兼用される。これにより、通常動作モードにおいて電圧Vampの判定用に専用の回路を設ける場合に比べて回路構成を簡易化できる。
【0088】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、種々のバリエーションを含んでいる。
【0089】
上述した実施形態では、負荷駆動装置1の電流出力回路10が第1検査モード及び第2検査モードにおける電流源として使用されているが、本発明はこの例に限定されない。すなわち本発明は、独立した電流源を持ち、任意の装置において抵抗のオープン状態及びショート状態の検査を行うオープン/ショート検査回路にも適用可能である。
【0090】
図7は、本発明の実施形態に係るオープン/ショート検出回路2の構成の一例を示す図である。
図7に示すオープン/ショート検出回路2は、負荷L1と直列に接続された抵抗Rsのオープン状態及びショート状態を検出する。このオープン/ショート検出回路2は、通常動作モードにおいて入力信号Viに応じた電流ILを負荷L1に出力する電流出力回路5とは独立に、第1検査モード及び第2検査モードにおいて負荷L1に電流ILを出力する電流源I5を備える。電流源I5は、第1検査モードにおいて第1定電流I1を出力し、第2検査モードにおいて第2定電流I2を出力する。オープン/ショート検出回路2は、この電流源I5の他に、
図1及び
図2に示す負荷駆動装置1と同様な構成要素(増幅回路21、第1コンパレータCP1、第2コンパレータCP2、しきい電圧制御回路23、判定回路22)を備える。
図7に示すオープン/ショート検出回路2においても、上述した実施形態と同様の効果を奏することができる。
【0091】
上述した実施形態における回路構成は一例であり、同等の機能を持つ別の回路に置き換えてもよい。