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特許6571036検索システム、検索方法、検索プログラム、記録媒体
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571036
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】検索システム、検索方法、検索プログラム、記録媒体
(51)【国際特許分類】
   G06F 16/29 20190101AFI20190826BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20190826BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20190826BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G06F16/29
   G01C21/36
   G09B29/00 A
   G09B29/00 F
   G09B29/10 A
【請求項の数】31
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2016-63986(P2016-63986)
(22)【出願日】2016年3月28日
(65)【公開番号】特開2017-182170(P2017-182170A)
(43)【公開日】2017年10月5日
【審査請求日】2018年2月28日
(73)【特許権者】
【識別番号】501271479
【氏名又は名称】株式会社トヨタマップマスター
(74)【代理人】
【識別番号】110002516
【氏名又は名称】特許業務法人白坂
(74)【代理人】
【識別番号】100161322
【弁理士】
【氏名又は名称】白坂 一
(74)【代理人】
【識別番号】100185971
【弁理士】
【氏名又は名称】高梨 玲子
(72)【発明者】
【氏名】出口 悟
(72)【発明者】
【氏名】太田 洋介
(72)【発明者】
【氏名】中西 健太
(72)【発明者】
【氏名】田川 達司
【審査官】 吉田 誠
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−014704(JP,A)
【文献】 特開2010−237112(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/132442(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 16/00−16/958
G01C 21/00−21/36
23/00−25/00
G09B 23/00−29/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の施設に関する施設情報を含み、当該施設情報は当該施設のジャンル情報が関連付けられている地図情報を記憶する記憶部と、
ユーザによる目的地検索のためのキーワード入力を受け付ける受付部と、
前記キーワードに対応する施設を検索する検索部と、
前記検索部が検索した施設各々に対してスコアを算出する算出部と、
前記検索部が検索した施設の名称を、当該施設に対して算出したスコアに基づく順序でモニタに表示させるための情報を出力する表示順序情報出力部とを備え、
前記算出部は、前記検索部が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する出典の評価値に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする検索システム。
【請求項2】
前記記憶部は、ジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典の信頼度を示すポイントを対応付けた出典情報を記憶し、
前記算出部は、前記出典情報において、前記検索部が検索した施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられたポイントに基づいて前記評価値を特定し、特定した評価値に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の検索システム。
【請求項3】
前記施設情報は、さらに、当該施設情報に対応する施設に関連するブランド情報を含み、
前記出典情報は、更に、ブランド情報と、当該ブランド情報で示されるブランドに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典の信頼度を示すポイントを対応付けて記憶しており、
前記算出部は、さらに、前記出典情報において、前記検索部が検索した施設の施設情報に含まれるブランド情報に対応付けられたポイントに対して、前記ジャンル情報のポイントよりもポイントの度合が大きくなるように所定の係数をかけて前記評価値を特定し、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項2に記載の検索システム。
【請求項4】
前記記憶部は、ジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典が当該ジャンルに関する情報を開示する頻度を示すポイントを対応付けた出典情報を記憶し、
前記算出部は、前記出典情報において、前記検索部が検索した施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられたポイントに基づいて前記評価値を特定し、特定した評価値に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1に記載の検索システム。
【請求項5】
前記施設情報は、さらに、当該施設情報に対応する施設に関連するブランド情報を含み、
前記出典情報は、更に、ブランド情報と、当該ブランド情報で示されるブランドに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典が当該ジャンルに関する情報を開示する頻度を示すポイントを対応付けて記憶しており、
前記算出部は、さらに、前記出典情報において、前記検索部が検索した施設の施設情報に含まれるブランド情報に対応付けられたポイントに対して、前記ジャンル情報のポイントよりもポイントの度合が大きくなるように所定の係数をかけて前記評価値を特定し、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項4に記載の検索システム。
【請求項6】
前記算出部は、前記検索部が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられている出典ごとのポイントの合計値に基づいて前記評価値を特定する
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の検索システム。
【請求項7】
前記算出部は、前記検索部が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられている出典ごとのポイントのうち、最も高いポイントに基づいて前記評価値を特定する
ことを特徴とする請求項2〜5のいずれか1項に記載の検索システム。
【請求項8】
前記算出部は、前記検索部が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報が複数ある場合に、複数のジャンルのうち、最も高い評価値をジャンルの評価値を基礎点とし、その他のジャンルの評価値に対して当該評価値が小さくなるように所定の係数がかけられた評価値を付加点とし、前記基礎点に前記付加点を付加して前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の検索システム。
【請求項9】
前記算出部は、さらに、前記検索部が検索した施設の名称と、前記キーワードとの一致率に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の検索システム。
【請求項10】
前記検索システムは、さらに、
自機の現在位置情報を取得する取得部を備え、
前記算出部は、さらに、前記取得部が取得した現在位置情報から、前記検索部により検索された施設までの距離に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の検索システム。
【請求項11】
検索システムによる施設の検索方法であって、
複数の施設に関する施設情報を含み、当該施設情報は当該施設のジャンル情報を含む地図情報を記憶部に記憶する記憶ステップと、
ユーザによる目的地検索のためのキーワード入力を受け付ける受付ステップと、
前記キーワードに対応する施設を検索する検索ステップと、
前記検索ステップにおいて検索した施設各々に対してスコアを算出する算出ステップと、
前記検索ステップにおいて検索した施設の名称を、当該施設に対して算出したスコアに基づく順序でモニタに表示させるための情報を出力する表示順序情報出力ステップとを含み、
前記算出ステップは、検索ステップにおいて検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する出典の評価値に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする検索方法。
【請求項12】
前記記憶ステップは、ジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典の信頼度を示すポイントを対応付けた出典情報を前記記憶部に記憶し、
前記算出ステップは、前記出典情報において、前記検索ステップにおいて検索した施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられたポイントに基づいて前記評価値を特定し、特定した評価値に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項11に記載の検索方法。
【請求項13】
前記施設情報は、さらに、当該施設情報に対応する施設に関連するブランド情報を含み、
前記出典情報は、更に、ブランド情報と、当該ブランド情報で示されるブランドに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典の信頼度を示すポイントを対応付けて記憶しており、
前記算出ステップは、さらに、前記出典情報において、前記検索ステップにおいて検索した施設の施設情報に含まれるブランド情報に対応付けられたポイントに対して、前記ジャンル情報のポイントよりもポイントの度合が大きくなるように所定の係数をかけて前記評価値を特定し、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項12に記載の検索方法。
【請求項14】
前記記憶ステップは、ジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典が当該ジャンルに関する情報を開示する頻度を示すポイントを対応付けた出典情報を前記記憶部に記憶し、
前記算出ステップは、前記出典情報において、前記検索ステップにおいて検索した施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられたポイントに基づいて前記評価値を特定し、特定した評価値に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項11に記載の検索方法。
【請求項15】
前記施設情報は、さらに、当該施設情報に対応する施設に関連するブランド情報を含み、
前記出典情報は、更に、ブランド情報と、当該ブランド情報で示されるブランドに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典が当該ジャンルに関する情報を開示する頻度を示すポイントを対応付けて記憶しており、
前記算出ステップは、さらに、前記出典情報において、前記検索ステップにおいて検索した施設の施設情報に含まれるブランド情報に対応付けられたポイントに対して、前記ジャンル情報のポイントよりもポイントの度合が大きくなるように所定の係数をかけて前記評価値を特定し、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項14に記載の検索方法。
【請求項16】
前記算出ステップは、前記検索ステップにおいて検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられている出典ごとのポイントの合計値に基づいて前記評価値を特定する
ことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の検索方法。
【請求項17】
前記算出ステップは、前記検索ステップにおいて検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられている出典ごとのポイントのうち、最も高いポイントに基づいて前記評価値を特定する
ことを特徴とする請求項12〜15のいずれか1項に記載の検索方法。
【請求項18】
前記算出ステップは、前記検索ステップにおいて検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報が複数ある場合に、複数のジャンルのうち、最も高い評価値をジャンルの評価値を基礎点とし、その他のジャンルの評価値に対して当該評価値が小さくなるように所定の係数がかけられた評価値を付加点とし、前記基礎点に前記付加点を付加して前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項11〜17のいずれか1項に記載の検索方法。
【請求項19】
前記算出ステップは、さらに、前記検索ステップにおいて検索した施設の名称と、前記キーワードとの一致率に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項11〜18のいずれか1項に記載の検索方法。
【請求項20】
前記検索方法は、さらに、
自機の現在位置情報を取得する取得ステップを備え、
前記算出ステップは、さらに、前記取得ステップにおいて取得した現在位置情報から、前記検索ステップにより検索された施設までの距離に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項11〜19のいずれか1項に記載の検索方法。
【請求項21】
コンピュータに、
複数の施設に関する施設情報を含み、当該施設情報は当該施設のジャンル情報を含む地図情報を記憶部に記憶する記憶機能と、
ユーザによる目的地検索のためのキーワード入力を受け付ける受付機能と、
前記キーワードに対応する施設を検索する検索機能と、
前記検索機能が検索した施設各々に対してスコアを算出する算出機能と、
前記検索機能が検索した施設の名称を、当該施設に対して算出したスコアに基づく順序でモニタに表示させるための情報を出力する表示順序情報出力機能とを実現させ、
前記算出機能は、検索機能が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する出典の評価値に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする検索プログラム。
【請求項22】
前記記憶機能は、ジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典の信頼度を示すポイントを対応付けた出典情報を前記記憶部に記憶し、
前記算出機能は、前記出典情報において、前記検索機能が検索した施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられたポイントに基づいて前記評価値を特定し、特定した評価値に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項21に記載の検索プログラム。
【請求項23】
前記施設情報は、さらに、当該施設情報に対応する施設に関連するブランド情報を含み、
前記出典情報は、更に、ブランド情報と、当該ブランド情報で示されるブランドに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典の信頼度を示すポイントを対応付けて記憶しており、
前記算出機能は、さらに、前記出典情報において、前記検索機能が検索した施設の施設情報に含まれるブランド情報に対応付けられたポイントに対して、前記ジャンル情報のポイントよりもポイントの度合が大きくなるように所定の係数をかけて前記評価値を特定し、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項22に記載の検索プログラム。
【請求項24】
前記記憶機能は、ジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典が当該ジャンルに関する情報を開示する頻度を示すポイントを対応付けた出典情報を前記記憶部に記憶し、
前記算出機能は、前記出典情報において、前記検索機能が検索した施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられたポイントに基づいて前記評価値を特定し、特定した評価値に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項21に記載の検索プログラム。
【請求項25】
前記施設情報は、さらに、当該施設情報に対応する施設に関連するブランド情報を含み、
前記出典情報は、更に、ブランド情報と、当該ブランド情報で示されるブランドに関する情報を開示する複数の出典各々について、当該出典が当該ジャンルに関する情報を開示する頻度を示すポイントを対応付けて記憶しており、
前記算出機能は、さらに、前記出典情報において、前記検索機能が検索した施設の施設情報に含まれるブランド情報に対応付けられたポイントに対して、前記ジャンル情報のポイントよりもポイントの度合が大きくなるように所定の係数をかけて前記評価値を特定し、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項24に記載の検索プログラム。
【請求項26】
前記算出機能は、前記検索機能が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられている出典ごとのポイントの合計値に基づいて前記評価値を特定する
ことを特徴とする請求項22〜25のいずれか1項に記載の検索プログラム。
【請求項27】
前記算出機能は、前記検索機能が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報に対応付けられている出典ごとのポイントのうち、最も高いポイントに基づいて前記評価値を特定する
ことを特徴とする請求項22〜25のいずれか1項に記載の検索プログラム。
【請求項28】
前記算出機能は、前記検索機能が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報が複数ある場合に、複数のジャンルのうち、最も高い評価値をジャンルの評価値を基礎点とし、その他のジャンルの評価値に対して当該評価値が小さくなるように所定の係数がかけられた評価値を付加点とし、前記基礎点に前記付加点を付加して前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項21〜27のいずれか1項に記載の検索プログラム。
【請求項29】
前記算出機能は、さらに、前記検索機能が検索した施設の名称と、前記キーワードとの一致率に基づいて前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項21〜28のいずれか1項に記載の検索プログラム。
【請求項30】
前記検索プログラムは、さらに、
自機の現在位置情報を取得する取得機能を備え、
前記算出機能は、さらに、前記取得機能が取得した現在位置情報から、前記検索機能により検索された施設までの距離に基づいて、前記スコアを算出する
ことを特徴とする請求項21〜29のいずれか1項に記載の検索プログラム。
【請求項31】
請求項21〜請求項30のいずれか1項に記載の検索プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、検索システム、検索方法、検索プログラム、記録媒体に関し、特に、情報の検索を実行する検索システム、検索方法、検索プログラム、記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、検索クエリの入力を受けて、ユーザが所望する情報を提供する検索システムが様々に提供されている。例えば、特許文献1には、入力文字列に基づいて検索を行う検索装置が開示されている。この検索装置は、入力文字列と、検索対象施設名とを比較照合し、マッチした単語や音節の数に基づいて検索対象施設名の検索スコアを算出し、スコアの高い順に候補を提示する。
【0003】
また、特許文献2には、地点候補と、地点候補を評価する複数の評価項目の評価値を対応付けて記憶し、ある評価項目における評価が低くても、他の評価項目で評価が高い地点候補を提示する地点検索装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−059126号公報
【特許文献2】特開2008−262279号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、上述のような検索装置にあっては、ユーザの期待する検索とは異なる検索結果を提示する可能性があるという問題があった。例えば、ユーザが「表参道」と入力した際に、ユーザとしては、「表参道ヒルズ(登録商標)」や「表参道駅」が検索結果として上位に提示されることを期待するのに対し、実際には、美容院「表参道」やスナック「表参道」を検索結果として提示されることがあった。このように、従来の検索装置では、ユーザ期待値にそぐわない検索結果を返す可能性があった。
【0006】
そこで、本発明は、上述のような問題に鑑みてなされたものであり、従来よりもユーザ期待値に沿う検索結果を提示し得る検索システム、検索方法、検索プログラム、記録媒体、を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一実施態様に係る検索システムは、複数の施設に関する施設情報を含み、当該施設情報は当該施設のジャンル情報が関連付けられている地図情報を記憶する記憶部と、ユーザによる目的地検索のためのキーワード入力を受け付ける受付部と、キーワードに対応する施設を検索する検索部と、検索部が検索した施設各々に対してスコアを算出する算出部と、検索部が検索した施設の名称を、当該施設に対して算出したスコアに基づく順序でモニタに表示させるための情報を出力する表示順序情報出力部とを備え、算出部は、検索部が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する出典の評価値に基づいて、スコアを算出する。
【発明の効果】
【0008】
これにより、検索システムは、検索により得られる各情報それぞれについて、各情報を開示する出典ごとの情報の信頼性に基づく検索結果に関連する情報を出力することができる。情報を開示する出典の信頼性が高いと、ユーザの期待する情報を開示している可能性が高いので、従来よりもユーザ期待値に沿う検索結果を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る検索システムの構成を示すブロック図である。
図2】ジャンル出典情報のデータ概念図である。
図3】ブランド出典情報のデータ概念図である。
図4】POI情報のデータ概念図である。
図5】検索システムによる検索処理を示すフローチャートである。
図6】検索システムによる検索結果の表示例である。
図7】実施の形態に係る検索システムの構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施態様に係る検索システムについて、図面を参照しながら、詳細に説明する。
【0011】
<実施の形態>
<構成>
本発明の一実施の形態に係る検索システム(図1の100に相当)は、複数の施設に関する施設情報を含み、当該施設情報は当該施設のジャンル情報が関連付けられている地図情報を記憶する記憶部(図1の104に相当)と、ユーザによる目的地検索のためのキーワード入力を受け付ける受付部(図1の103に相当)と、キーワードに対応する施設を検索する検索部(図1の105に相当)と、検索部が検索した施設各々に対してスコアを算出する算出部(図1の105に相当)と、検索部が検索した施設の名称を、当該施設に対して算出したスコアに基づく順序でモニタに表示させるための情報を出力する表示順序情報出力部(図1の105に相当)とを備え、算出部は、検索部が検索した施設の施設情報に含まれるジャンル情報と、当該ジャンル情報で示されるジャンルに関する情報を開示する出典の評価値に基づいて、スコアを算出する。
【0012】
図1に示すように検索システム100は、受信部102と、位置情報検出センサ101と、入力受付部103と、記憶部104と、CPU105と、を備える。検索システム100は、例えば、車両に搭載するナビゲーションシステムに搭載して用いる。検索システム100は、表示装置110に接続され、検索システム100による検索結果は表示装置110に表示される。
【0013】
受信部102は、位置情報検出センサ101から伝達された現在位置情報を受信し、CPU105に現在位置情報を伝達する機能を有する。また、受信部102は、外部の装置と通信を実行して、新たな施設情報や、ジャンル情報、ブランド情報についての追加の情報を受信して、CPU105に伝達する機能も有する。
【0014】
位置情報検出センサ101は、検索システム100が搭載されている車両の現在位置情報を取得するセンサである。具体的には、GPSやGNSS等の各種衛星電波を利用した測位システム、ジャイロスコープ等の自律航法システムを用いることによって実現される。この際、現在位置情報は、少なくとも自車両が存在する位置の緯度情報及び経度情報を含み、高度情報を含んでもよい。なお、位置情報検出センサ101による現在位置情報の取得は、例えば、走行道路上に設置されて設置位置情報を取得することができるビーコン等を用いるなどして取得してもよく、上記測位システムに限定されるものではない。位置情報検出センサ101は、これらの外部からの位置情報あるいは測位システムにより測位された現在位置情報を逐次(又は適時)取得し、取得した位置情報を現在位置情報として受信部102に伝達する。
【0015】
入力受付部103は、車両に搭乗するユーザからの入力を受け付ける。入力受付部103は、ナビゲーションシステムに対して、ユーザが入力した検索クエリを受け付ける。そして、受け付けた検索クエリをCPU105に伝達する。入力受付部103は、ユーザから車両の目的地に関する目的地情報を受け付けて、CPU105に伝達する。
【0016】
記憶部104は、検索システム100が動作するうえで必要とする各種のプログラム及び地図情報を含む各種のデータを記憶する記録媒体である。記憶部104は、例えば、HDD(Hard Disc Drive)、SSD(Solid State Drive)等により実現される。記憶部104は、ジャンル出典情報200と、ブランド出典情報300と、POI(Points Of Interest)情報400と、地図情報とを記憶している。ジャンル出典情報200は、POIの種別を示すジャンル情報に対して、各ジャンルに関する情報を開示する各出典の信頼度を示すポイントを含む情報である。ブランド出典情報300は、ブランドと、各ブランドに関する情報を開示する各出典の信頼度を示すポイントを含む情報である。POI情報400は、各POIに関する位置情報や、説明など、POIに関する一連の情報であり、各種の施設や場所(地名)に関する情報である。ジャンル出典情報200と、ブランド出典情報300と、POI情報400とのそれぞれの詳細については、後述する。地図情報は、道路の接続関係や距離、形状を示す情報を含むとともに、各POIの位置を示す情報を含み、POI情報400と関連付けられる。
【0017】
CPU105は、記憶部104に記憶されているプログラム及び各種データを利用して、検索システム100が実行すべき処理を実行するプロセッサである。CPU105は、入力受付部103から検索クエリを受け付けてPOIを検索し、検索されたPOIを所定の順序で表示するための情報を表示装置110に出力する機能を有する。
【0018】
CPU105は、入力受付部103から、検索クエリを受け取ると、検索クエリに合致するPOIを特定する。具体的には、検索クエリを含む、または、文字の一致率が高いPOIをPOI情報400のPOI名称401を参照して特定する。CPU105は、特定したPOI(POI候補)それぞれについて、その表示順序を決定する基準となるスコアSを算出する。CPU105は、当該スコアを、ジャンルと出典に基づく評価値(GE)と、ブランドと出典に基づく評価値(BE)と、検索クエリとPOI候補の文字の一致率(CR)と、現在位置からPOI候補までの距離(D)とに基づいて算出する。
【0019】
CPU105は、ジャンルと出典に基づく評価値GEを以下のように算出する。CPU105は、POI情報400を参照してPOI候補に対応付けられているジャンル情報を特定する。そして、POI候補のジャンルに対応する評価値を決定する。CPU105は、対応付けられているジャンルが一つの場合と、複数の場合とで、ジャンル出典情報200に基づくスコアを算出する方法を異ならせる。
【0020】
まず、対応付けられているジャンルが一つである場合には、CPU105は、当該ジャンルに対応する各出典の評価値の合計値を算出して、ジャンルに基づく評価値とする。
【0021】
対応付けられているジャンルが複数である場合には、まず、対応付けられているジャンルのうち、出典ごとに対応付けられたポイントのうち、最も高いポイントを有するジャンルを特定する。そして、最も高いポイントを有するジャンルに対応付けられている各出典ごとのポイントの合計値(以下、第1合計値)を算出する。一方、POIに対応付けられている他のジャンルについては、出典ごとに対応付けられたポイントの合計値(第2合計値)に対して所定の係数を乗じる。当該所定の係数は、乗じることで第2合計値が、小さくなる値であるとする。ここで、所定の係数は、一定値であるとする。例えば、あるPOI候補に対して、ジャンルA、B、C、Dの4つのジャンルが対応付けられていたとする。ここで、出典ごとのポイントのうち、最も高い数値を有するジャンルがA、次点がB、その次がCで、最後にDとなっていたとする。すると、このとき、ジャンルAの各出典のポイントの合計値(第1合計値)をPAとし、ジャンルBの各出典のポイントの合計値(第2合計値)をPB、ジャンルCの各出典のポイントの合計値(第2合計値)をPC、ジャンルDの各出典のポイントの合計値(第2合計値)をPDとする。また、所定の係数をα(α<1)とする。すると、ジャンルと出典に基づく評価値GEは、GE=PA+α×PB+α×PC+α×PDとなる。なお、POI候補に対して、ジャンルが対応付けられていない場合にはGE=1とする。
【0022】
次に、CPU105は、ブランドと出典に基づく評価値BEを算出する。CPU105は、POI候補に対応付けられているブランドをPOI情報400を参照して特定する。CPU105は、特定したブランドに対応するポイントの合計値を、ブランド出典情報300を参照して算出する。CPU105は、当該合計値を、ブランドと出典に基づく評価値BEとする。なお、POI候補に対して、ブランドが対応付けられていない場合には、BE=1とする。
【0023】
CPU105は、POI候補と、検索クエリとの文字の一致率CRを算出する。CPU105は、POI候補を構成する文字列と、検索クエリを構成する文字列との、文字数を比較し、文字数の多い方に対して、文字数の少ない方の文字の一致率CRを算出する。例えば、検索クエリが「表参道」であり、POI候補が「表参道ヒルズ」である場合には、一致率は、3/6となる。
【0024】
CPU105は、検索クエリを受け付けた時点で、受信部102を介して、位置情報検出センサ101から、現在位置情報を取得する。CPU105は、POI候補の位置情報をPOI情報400から取得する。そして、CPU105は、現在位置情報からPOI候補までの距離Dを算出する。スコアは、現在位置からPOI候補までの距離が短いほど高くなり、長いほど低くなるようにして算出される。
【0025】
そして、CPU105は、POI候補のスコアSを、S=Cg×GE+Cb×BE+Cc×CR+Cd×1/Dとして算出する。Cgは、ジャンルと出典に基づく評価値に乗じる所定の係数であり、Cbは、ブランドと出典に基づく評価値に乗じる所定の係数であり、Ccは、検索クエリとPOI候補の文字の一致率に乗じる所定の係数であり、Cdは、距離Dの逆数に対して乗じる所定の係数である。なお、Cb>Cgとする。これは、ブランドに関する検索の方が、ジャンルに関する検索よりも、総じてユーザの期待値が高くなると想定されるためである。
【0026】
CPU105は、このようにして、検索されたPOI候補全てについて、スコアを算出し、当該スコアを表示装置110に対して出力する。表示装置110は、受け付けたスコアの高い順に、POIを並べて表示する。これにより、検索システム100は、各種の情報を開示する出典各々について、出典ごとのジャンルの情報の信頼度をスコアの基準としているので、ユーザの期待値に近いPOIを提示することができる。
【0027】
<データ>
図2は、ジャンル出典情報200の一構成例を示すデータ概念図である。
【0028】
ジャンル出典情報200は、POIの種別を示すジャンルについて、それぞれのジャンルに関する情報を開示する出典の、そのジャンルに関する情報についての信頼度を示す情報である。
【0029】
図2に示すように、ジャンル出典情報200は、出典情報201と、ジャンル名称202とのそれぞれに対応付けて、各ジャンルの情報の出典それぞれの信頼度を示すポイントが対応付けられた情報である。
【0030】
出典情報201は、各種の情報を開示する出典を示す情報であり、例えば、各種の書籍、雑誌や、インターネットのウェブページ、ブログ、新聞など、さまざまな出典が含まれる。出典情報201には、ここでは、各種の出典A201a〜出典E201e、…が含まれる。
【0031】
ジャンル名称202は、各POIがどのような施設あるいは場所であるかを示す種別である情報である。ここでは、ジャンル名称202として、公園202a、遺跡・史跡202b、美術館202c、公共施設202d、医療機関202e…を示している。
【0032】
そして、各出典ごとに、各ジャンルに関する情報についての信頼度を定性的に数値化したポイントが対応付けられる。当該ポイントは、検索システム100のオペレータにより、適宜、設定、入力される。
【0033】
図2によれば、例えば、出典A201aの場合、ジャンル名称「公園」に関する信頼度(ポイント)は、「1.6」であるのに対して、ジャンル名称「医療機関」に関する信頼度(ポイント)は、「6.2」と比較的高めに設定されている。つまり、出典A201aの場合、「公園」に関する情報の信頼度は低いものの、「医療機関」に関する情報の信頼度は高いことが理解できる。
【0034】
ジャンル出典情報200は、検索システム100のCPU105が、検索したPOIの表示順序を決定するためのスコアを算出するのに用いられる。
【0035】
ブランド出典情報300は、各種のブランドについて、それぞれのブランドに関する情報を開示する出典の、そのブランドに関する情報についての信頼度を示す情報である。
【0036】
図3に示すように、ブランド出典情報300は、出典情報301と、ブランド名称302とのそれぞれに対応付けて、各ブランドの情報の出典それぞれの信頼度を示すポイントが対応付けられた情報である。
【0037】
出典情報301は、各種の情報を開示する出典を示す情報であり、例えば、各種の書籍、雑誌や、インターネットのウェブページ、ブログ、新聞など、さまざまな出典が含まれる。出典情報301には、ここでは、各種の出典A301a〜出典E301e、…が含まれる。ブランド出典情報300の出典情報301は、ジャンル出典情報200の出典情報201と同じであってもよいし、別であってもよいが、同じであることが望ましい。
【0038】
ブランド名称302は、各ブランドの名称、呼称を示す情報である。ここでは、ブランド名称302として、T自動車302aと、Aスポーツ302bと、D雑貨302cと、S化粧302dと、D化粧302e…を示している。
【0039】
図3によれば、例えば、出典A201aの場合、ブランド名称「T自動車」に関する信頼度(ポイント)は、「3.8」であるのに対して、ブランド名称「Aスポーツ」に関する信頼度(ポイント)は、「1.1」となっている。つまり、出典A301aの場合、「Aスポーツ」に関する情報よりも、「T自動車」に関する情報の方が信頼度が高いことを示す。
【0040】
ブランド出典情報300は、検索システム100のCPU105により、検索したPOIの表示順序を決定するためのスコアを算出するのに用いられる。
【0041】
図4に示すように、POI情報400は、POI名称401と、位置情報402と、ジャンル情報403と、ブランド情報404と、説明情報405とが対応付けられた情報である。
【0042】
POI名称401は、POIの名称を示す情報である。
【0043】
位置情報402は、対応するPOIの位置を示す情報であり、経度と緯度とからなる。
【0044】
ジャンル情報403は、対応するPOIが分類されるジャンルを示す情報である。ジャンル情報403として、POIには、複数のジャンルが対応付けられてもよい。
【0045】
ブランド情報404は、対応するPOIが何等かのブランドに関連する場合に、そのブランド名を示す情報である。何らかのブランドに関連しない場合には、何の情報も対応付けられない。
【0046】
説明情報405は、対応するPOIに関する説明文であり、検索結果として提示される場合の説明としての文章である。
【0047】
POI情報400には、ここに示した情報以外の情報が含まれてよく、その他には、例えば、対応するPOIを示すアイコン情報や、対応するPOIの写真などが対応付けられてもよい。
【0048】
<動作>
図5は、検索システム100の検索に係る動作を示すフローチャートである。図5に示すように、検索システム100の入力受付部103は、検索クエリを受け付ける(ステップS501)。当該検索クエリは、ユーザが検索したいPOIに関するキーワードである。入力受付部103は、受け付けた検索クエリを、CPU105に伝達する。
【0049】
CPU105は、入力受付部103から検索クエリを伝達されると、POIを検索する(ステップS502)。CPU105は、入力された検索クエリが名称に含まれる、または、名称の一部が一致するPOIをPOI情報400から検索し、提示するPOI候補として特定する。
【0050】
CPU105は、特定されたPOI候補各々について、それぞれのPOIを表示する順序を決定するためのスコアを算出する。
【0051】
CPU105は、特定したPOI候補について、POI情報400のジャンル情報403を参照して、対応するジャンルを特定する(ステップS503)。そして、特定したジャンルに対応するポイントを、ジャンル出典情報200を参照して、特定する(ステップS504)。このとき、POI候補に複数のジャンルが対応付けられている場合には、各ジャンルごとのポイントを特定する。
【0052】
次にCPU105は、特定したPOI候補について、POI情報400のブランド情報404を参照して、対応するブランドを特定する(ステップS505)。そして、特定したブランドに対応するポイントを、ブランド出典情報300を参照して、特定する(ステップS506)。
【0053】
CPU105は、特定したPOI候補と、検索クエリの文字の一致率を算出する(ステップS507)。
【0054】
CPU105は、位置情報検出センサ101から受信部102を介して受け取った現在位置情報と、POI候補のPOI情報400における位置情報402で示される位置までの距離を算出する(ステップS508)。
【0055】
CPU105は、ステップS504で算出した、ジャンルと出典に基づく評価値GEと、ステップS506で算出したブランドと出典に基づく評価値BEと、ステップS507で算出した一致率CRと、ステップS508で算出した現在位置情報で示される現在位置からPOI候補の位置情報で示される位置までの距離Dとを用いて、上述した数式により、スコアSを算出する(ステップS509)。
【0056】
CPU105は、ステップS502において特定したPOI候補全てについてスコアを算出したか否かを判定する(ステップS510)。全てのPOI候補のスコアを算出している場合には(ステップS510のYES)、ステップS511に移行し、全てのPOI候補のスコアを算出していない場合には(ステップS510のNO)、ステップS503に戻る。
【0057】
CPU105は、算出した全てのPOI候補を示す識別情報に対応付けて、算出したスコアを表示装置110に出力する(ステップS511)。
【0058】
これにより、表示装置110は、伝達されたスコアを降順で、対応するPOI候補を示す識別情報(POIの名称)を表示する。
【0059】
以上が、本実施の形態に係る検索システム100の動作である。
【0060】
<表示装置による表示例>
図6は、表示装置110による検索結果の表示例を示す図である。図6に示すように、表示装置110は、検索システム100から出力されたスコアの降順に並べた検索結果を表示する。図6に示すように、表示装置110の表示画面600には、検索されたPOIの周辺の地図のほか、キーワードを入力するためのボックス601と、検索されたPOIの検索結果602と、検索結果602で示されるPOIの位置を示すアイコン603a、603bが示される。図6の例では、キーワードとして、「Aスポーツ」と入力した場合の例を示している。
【0061】
<まとめ>
本実施の形態に係る検索システム100は、ユーザから受け付けた検索クエリに基づく検索結果を、POIに対応付けられたジャンル又はブランドと当該ジャンル又はブランドに関する情報を提供する出典の信頼度に基づいて算出したスコアに応じた表示順序に関する情報を出力することができる。したがって、様々な出典における信頼度が高いジャンルやブランドに関する情報については、ユーザのニーズに合致しやすくなることから、ユーザの期待値に高い確率で沿った検索結果を出力することができる。
【0062】
<参考例>
上記実施の形態に、本発明の一実施態様に係る検索システムについて説明したが、本発明の思想はこれに限定されるものではない。以下、本発明の思想として含まれる各種参考例について説明する。
【0063】
(1)上記実施の形態において、第2合計値に対して乗じる所定の係数は一定値であるとしているが、これは、一定値でなくともよい。具体的には、複数のジャンルそれぞれについて、順番に最も高いポイントを有するジャンルから順に、所定の係数が小さくなるようにしてもよい。例えば、あるPOI候補に対して、ジャンルA、B、C、Dの4つのジャンルが対応付けられていたとする。ここで、出典ごとのポイントのうち、最も高い数値を有するジャンルがA、次点がB、その次がCで、最後にDとなっていたとする。すると、このとき、ジャンルAの各出典のポイントの合計値(第1合計値)をPAとし、ジャンルBの各出典のポイントの合計値(第2合計値)をPB、ジャンルCの各出典のポイントの合計値(第2合計値)をPC、ジャンルDの各出典のポイントの合計値(第2合計値)をPDとする。そして、所定の係数を高い順に、β、γ、δであるとする。ここで、δ<γ<β<1であるとする。すると、この場合のPOI候補のジャンルと出典に基づく評価値は、PA×β×PB+γ×PC+δ×PDとなる。例えば、POI候補に対応付けられているジャンル名称が、図2に示す「公園」、「遺跡・史跡」、「公共施設」であったとする。すると、この場合、最も高いポイントは、「公園」に対する「出典B」のポイント「6.4」となる。すなわち、PA=6.4となる。次に、最も高いポイントを有するのは、「遺跡・史跡」に対する「出典B」のポイント「5.9」となる。すなわち、PB=5.9となる。そして、残った「公共施設」に対する「出典E」のポイント「5.2」がPCとなる。仮に、β=0.5、γ=0.3であった場合、このPOI候補に対するジャンルと出典に基づく評価値は、6.4+5.9×0.5+5.2×0.3=9.91となる。
【0064】
(2)上記ジャンルと出典に基づく評価値として、POI候補に対応付けられているジャンルに対して出典ごとの評価値の合計値を用いることとしたが、これはその限りではない。POI候補に対応付けられているジャンルに対して対応付けられている出典ごとのポイントのうち最も高いポイントを、そのPOI候補のジャンルと出典に基づく評価値としてもよい。例えば、POI候補に対応付けられているジャンル名称が、図2に示す「公園」であった場合には、当該POI候補のジャンルと出典に基づく評価値は、「6.4」となる。
【0065】
あるいは、POI候補に対応付けられているジャンルに対して対応付けられている出典ごとのポイントの平均値を、そのPOI候補のジャンルと出典に基づく評価値としてもよい。例えば、POI候補に対応付けられているジャンル名称が、図2に示す「公園」であった場合には、当該POI候補のジャンルと出典に基づく評価値は、「3.14(=(1.6+6.4+4.0+1.6+2.1)/5)」となる。
【0066】
(3)上記実施の形態においては、距離の逆数を用いてスコアを算出することとしているが、これはその限りではない。距離が近いほどPOIのスコアが高くなる関数であればその他の計算式を用いてもよい。例えば、対数を用いてもよい。
【0067】
(4)上記実施の形態においては、検索システム100は、算出したスコアをそのまま表示装置110に出力することとしたが、これはその限りではない。表示装置110が、検索システム100が検索したPOI候補をそのスコアの降順に表示できるのであれば、その他の手法をとってもよい。
【0068】
例えば、検索システム100は、検索したPOI候補をスコアの降順に並べて、各POI候補に対して順位情報を対応付ける。そして、検索システム100は、POI候補の識別情報に対応付けた順位情報を表示装置110に出力することとしてもよい。表示装置110は、対応付けられている順位情報にしたがって、POI候補の識別情報を並べて表示すればよい。
【0069】
また、あるいは、検索システム100は、検索したPOI候補をスコアの降順に並べた表示情報を生成し、その表示情報を表示装置110に出力することとしてもよい。表示装置110は、検索システム100から出力された表示情報を受け取って、表示すればよい。
【0070】
(5)上記実施の形態においては、検索システム100は、検索結果を外部の表示装置110に出力することとしたが、これは、その限りではない。検索システム100が、表示装置を備えて、検索結果を表示することとしてもよい。また、その場合には、入力受付部103と併せて、タッチパネルとして構成することとしてもよい。
【0071】
(6)上記実施の形態においては、ジャンルと出典の信頼度を示すポイント、ならびに、ブランドと出典の信頼度を示すポイントに基づいてPOI候補のスコアを算出することとしている。当該信頼度を示すポイントは、検索システム100のオペレータが設定する数値であるが、以下のようにして、CPU105がポイントを自動的に設定することとしてもよい。
【0072】
例えば、ある情報に対して、ユーザからの意見を受け付けて、当該意見が肯定的な意見が多い場合には、信頼度のポイントが高くなるように、否定的な意見が多い場合には、信頼度のポイントを低くなるように、設定してもよい。具体的には、肯定的意見の数と、否定的意見の数と、基準値とから、設定するとよい。
【0073】
また、あるいは、信頼度に換えて、各出典が各ジャンルの情報あるいは各ブランドの情報を開示した頻度を、上記実施の形態に示したポイントとしてもよい。当該頻度は、例えば、出典が冊子の場合には、その冊子内で各ジャンルを開示している文章量に基づいて算出してもよいし、インターネット記事であれば、同サイト内の所定期間内に各ジャンルを開示している文章量に基づいて算出してもよい。ブランドの場合も同様とする。
【0074】
(7)上記実施の形態において、各ジャンルのうち、利用客が多いと目されるジャンルやブランドに対して、設定するポイントに加点を行うこととしてもよい。例えば、駅や空港などのジャンルに対して加点を行ってもよい。
【0075】
同様に、知名度が高いジャンルやブランドに対して加点を行うこととしてもよい。
【0076】
また、逆に、検索の統計をとって、検索に係る頻度が低いジャンルのポイントを減点することとしてもよい。
【0077】
(8)上記実施の形態においては、ジャンルと出典に基づく評価値と、ブランドと出典に基づく評価値とを組み合わせてスコアを算出することとしたが、これは別々のスコアとして算出することとしてもよい。すなわち、POI候補について、ジャンルと出典に基づく評価値を含むジャンルスコアと、ブランドと出典に基づく評価値を含むブランドスコアとを算出し、双方を表示装置110に出力することとしてもよい。そして、表示装置110は、ジャンルに基づく順番と、ブランドに基づく順番の二つの順序での検索結果を表示することとしてもよい。
【0078】
(9)上記実施の形態においては、検索システム100は、車両に搭載して使用する所謂カーナビゲーションシステムであるとして説明したがこれはその限りではない。検索システム100は、例えば、車両に接続して使用する携帯型端末(例えば、スマートフォン、携帯電話機、携帯型ゲーム機など)により実現されてもよい。
【0079】
(10)上記実施の形態において、検索システム100の各機能部は、各部の機能を実現する集積回路(IC(Integrated Circuit)チップ、LSI(Large Scale Integration))等に形成された論理回路(ハードウェア)や専用回路によって実現してもよいし、CPU(Central Processing Unit)およびメモリを用いてソフトウェアによって実現してもよい。また、各機能部は、1または複数の集積回路により実現されてよく、複数の機能部の機能を1つの集積回路により実現されることとしてもよい。LSIは、集積度の違いにより、VLSI、スーパーLSI、ウルトラLSIなどと呼称されることもある。例えば、図7に示すように、検索システム100は、位置情報検出回路101aと、受信回路102aと、入力受付回路103aと、記憶回路104aと、制御回路105aとを含んで構成されてよい。そして、各回路は、上記実施の形態における同名の各部に対応し、同様の機能を有するように構成されてよい。
【0080】
検索システム100の各機能部をソフトウェアにより実現する場合、検索システム100は、各機能を実現するソフトウェアである検索プログラムの命令を実行するCPU、上記検索プログラムおよび各種データがコンピュータ(またはCPU)で読み取り可能に記録されたROM(Read Only Memory)または記憶装置(これらを「記録媒体」と称する)、上記検索プログラムを展開するRAM(Random Access Memory)などを備えている。そして、コンピュータ(またはCPU)が上記検索プログラムを上記記録媒体から読み取って実行することにより、本発明の目的が達成される。上記記録媒体としては、「一時的でない有形の媒体」、例えば、テープ、ディスク、カード、半導体メモリ、プログラマブルな論理回路などを用いることができる。また、上記検索プログラムは、当該検索プログラムを伝送可能な任意の伝送媒体(通信ネットワークや放送波等)を介して上記コンピュータに供給されてもよい。本発明は、上記検索プログラムが電子的な伝送によって具現化された、搬送波に埋め込まれたデータ信号の形態でも実現され得る。
【0081】
なお、上記検索プログラムは、例えば、ActionScript、JavaScript(登録商標)などのスクリプト言語、Objective-C、Java(登録商標)などのオブジェクト指向プログラミング言語、HTML5などのマークアップ言語などを用いて実装できる。
【0082】
(11)本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各手段、各ステップ等に含まれる機能等は論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の手段やステップ等を1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
【0083】
(12)上記実施の形態および各種変形例に示す構成を適宜組み合わせることとしてもよい。
【符号の説明】
【0084】
100 検索システム
101 位置情報検出センサ
102 受信部
103 入力受付部
104 記憶部
105 CPU(検索部、算出部、表示順序出力部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7