(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
該少なくとも1つのベント溝の第1の端部は、該第1と第2の平面の間に位置した第3の平面に沿って存在し、該少なくとも1つのベント溝の第2の端部は、該第3と第2の平面の間に位置する第4の平面に沿って存在し、該他のベント溝は、該第3の平面に沿って存在する第1の端部、および、該第4の平面に沿って存在する第2の端部を有する、請求項5記載のアクチュエーター。
該他のベント溝の長さ方向の軸が、該少なくとも1つのベント溝の長さ方向の軸と共に、共通の面に沿って位置し、前記共通の面は、前記ハウジングの前記中心軸を含む、請求項5記載のアクチュエーター。
該少なくとも1つのベント溝の一部が、該第1と第2の平面の間に位置する第3と第4の平面の間に伸びて、該他のベント溝の一部が、該第3と第4の平面の間に伸びることを特徴とする、請求項5記載のアクチュエーター。
さらにガス発生機、および該ハウジング内に移動可能に配置されたピストンを含み、該ピストンはその内部に、該ガス発生機に面する該ピストンの側に沿って形成されたキャビティを有する、請求項1記載のアクチュエーター。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】
図1は、ベント溝を通ってガスベントが可能となる前の、ベントされた加圧されたガス駆動アクチュエーターの1つの実施態様の横断面図である。
【
図2】
図2は、ベントが可能になった時の、ピストン移動中の、
図1に示されるアクチュエータハウジングの横断面図である。
【
図3】
図3は、ガスベントが不可能になった時の、ベント期間の後の
図1に示されるアクチュエータハウジングの横断面図である。
【
図4】
図4は、
図1−3に示されるベント溝配置を組込むハウジングを含む別のアクチュエーターの一部の断面図である。
図4Aは、
図4に示されるアクチュエータハウジングの横断図である。
【
図5】
図5は、
図1−3に示されるアクチュエーターの端部の横断面図である。
【
図6】
図6は、
図1−3に示されるハウジングの透視図である。
【
図7】
図7は、異なるベント溝配置を示すアクチュエータハウジングの別の実施態様の端部の横断面図である。
図7Aは、
図7に示されるベント溝配置を組込むアクチュエータハウジングについての概要図である。
【
図8】
図8は、異なるベント溝配置を組込むアクチュエータハウジングの別の実施態様についての概要図である。
【
図9】
図9は、変化する横断面積を有するベント溝の実施態様を組込むハウジングの一部の断面図である。
【
図10】
図10は、変化する横断面積を有するベント溝の別の実施態様を組込むハウジングの一部の断面図である。
【
図11】
図11は、変化する横断面積を有するベント溝の別の実施態様を組込むハウジングの一部の断面図である。
【
図12】
図12は、変化する横断面積を有するベント溝の別の実施態様を組込むハウジングの一部の断面図である。
【
図13】
図13は、変化する横断面積を有するベント溝の別の実施態様を組込むハウジングの一部の断面図である。
【
図14】
図14は、
図1−3に示される実施態様についての、マイナスのV方向でのピストンの変位と、ピストンロッドによって加えられた力とのプロットを示す。
【
図15】
図15は、本明細書に記述された実施態様の操作の基本原理を示す典型的なベント溝を組込むハウジングの一部の断面図である。
【
図16】
図16は、異なるベント溝配置を組込むアクチュエータハウジングの別の実施態様についての概要図である。
【
図17】
図17は、異なるベント溝配置を組込むアクチュエータハウジングの別の実施態様についての概要図である。
【
図18】
図18A−Cは、アクチュエータハウジングの壁内のベント溝の形成の進行の1つの実施態様を示す横断面の概要図である。
【
図19】
図19Aは、本明細書に記述された別の実施態様での、ベント溝を組込むアクチュエータハウジングの一部の横断面図である。
図19Bは、
図19Aの中で示されるハウジングの横断面の端面図である。
【
図20】
図20Aは、本明細書に記述された別の実施態様での、ベント溝を組込むアクチュエータハウジングの一部の横断面図である。
図20Bは、
図20Aの中で示されるハウジングの横断面の端面図である。
【
図21】
図21は、乗り物にインストールされ、本明細書に記述された実施態様に従うフードリフティング装置を組込む歩行者保護装置システムの一部についての概要図である。
【0006】
詳細な説明
全ての図面において、類似する参照数字は類似の部分を参照する。さらに、明細書に記載された種々の態様の寸法について目標数値が記載されているが、製造公差のような要因によりこれらの値が変わってもよいことは理解される。そのような変化はここに記述された実施態様の範囲内であると企図される。
【0007】
図1−20Bは、10で示されるベントされた加圧ガス駆動アクチュエーターの様々な実施態様を示す。アクチュエーター10は、装置または機構に力を送るために任意の適切な装置あるいは機構に(以下に詳しく記述されるピストンロッド50によって)動作可能に組み合わされる。駆動力は以下に述べられる方法で、アクチュエーターのハウジングの中への加圧されたガスの導入に反応して生成される。加圧されたガスは、ハウジング内で(例えばハウジングに組み入れられたガス発生機により)生成されてもよい。あるいは、ガスは、ハウジング内部と流体連通された外部ガス源からハウジングへ導入されてもよい。本明細書に記述されるようなアクチュエーターのための可能な1つの用途は、自動車のフードの一部を上げることである。
【0008】
本明細書に記述されたアクチュエーターの任意の実施態様の要素のすべては、任意の適切な材料あるいは物質から形成されることができる。例えば、ハウジング12は、金属材料(例えばステンレススチール)、ポリマーあるいは他の適切な材料または物質から形成されることができる。
【0009】
図1−3に示される実施態様では、アクチュエーター10はハウジング12、ハウジング内にスライド可能に配置したピストン30、およびピストンと共に移動するようにピストンに付けられたピストンロッド50を有する。示された実施態様では、ハウジング12は円筒状であり、第1の端部12a、第2の端部12b、および第1と第2端部を接続するボディー12cを画定する最も外側のハウジング壁12dを有する。壁12dは、さらにハウジングの中空内部12eを画定する。
図1−3に示される実施態様では、ハウジングの第1の端部12aは、クリンピング、接着性アタッチメント、あるいは他の適切な方法によりその内部に挿入され保持される、適切なガス発生機14(例えば既知のミクロガス発生機)を格納するように構成される。あるいは、ガス発生機14は、適切な保持方法を使用して、ハウジングの第1の端部へ取り付けられてもよい。ガス発生機14のガスを放出する部分14aはハウジング内部に配置され、生成されたガスがガス発生機の活性化の後にハウジングの中へ流れ込むようにされる。所望であれば、適切なシール(たとえばエポキシのシール、o−リングシール、あるいは他のシール手段)はガス発生機14とハウジング22の間からの、ハウジングの外部への生成されたガスの漏出を防ぐか最小化するために提供されることができる。
【0010】
壁12dの内側表面12wは、長さ方向の中心軸L1から測定された半径として一定値を有する。また、より以下に詳しく記述されるように、その長さ方向に沿って弾力のあるシール40のスライド可能なかみ合いを可能にするように組み立てられる。シール40はピストン30にマウントされる。ここに示された実施態様では、ハウジング内側表面12wは円筒状の空間を画定し、ここに記述されたベント溝は外側ではあるが、この円筒状の空間に隣接して存在する。
【0011】
図1−3に示される実施態様の中で、ハウジングの第2の端部12bは、ピストン30に取り付けたピストンロッド50を、その内部をピストンロッドが通るように受容するように構成される開口部12fを有する。該ピストン30はハウジング内部12eに、スライド可能に配置される(より詳細に以下に記述される)。開口部12fは、開口12fを通ってハウジングの中への、およびそのハウジングから外へロッドが動く時にピストンロッド50を横に方向に拘束するか支持するようなサイズおよび構成で組み立てられてもよい。
図1−3に示される特定の実施態様では、端壁12gはハウジング12の一部から形成される。また開口部12fは壁12gにドリルまたは他の方法で形成される。所望であれば、強化キャップ105(
図4の実施態様を参照)が、ピストン・ストロークの終わりに端壁12gと接触するピストン30によって働かせられた衝撃力に対してハウジング端部を強くするために、溶接あるいは他の適切な手段によりハウジングの端部12bに固定されてもよい。
【0012】
ピストン30は、スライド可能にハウジング内部12eの内部に配置される。
図1および2を参照する。ピストンは外側の壁30bを備えたベース30aを有する。溝30cは壁30bの中に形成され、弾力のあるガスタイトシール(gas-tight seal)40(例えば適切なOリング)をその内部に受け取るように組み立てられる。既知の方法では、シール40はハウジング壁12dの内側表面と弾力的に噛み合うかまたは接触し、それによって、ピストン30と壁12dの間に本質的にガスタイトシールを提供する。ピストン30がハウジング壁内側表面と接触するシール40を備えたハウジング12内に配置される場合、シールとハウジング壁の間の接触部位は、ピストンのより高い圧力側P1とピストンのより低い圧力側P2の間の境界を画定する。したがって、溝に沿って移動するガスがシール40の下(シールとハウジング壁の間で)を通れれば、より高い圧力側P1からピストンのより低い圧力側P2側へ、溝12vを通ってベントが起こるだろう(より詳細に以下に記述される)。
【0013】
図1−3に示される実施態様では、突出部30dはベース30aから伸びる。突出部30dは、締まりばめになるようにピストンロッド50とかみ合うような構造にされるかまたは適当な方法により取り付けられるか、または他の方法でピストン30へピストンロッド50の取り付けを容易にする。
【0014】
特定の実施態様では、キャビィティ30eはピストンベース30aの中に形成される。キャビィティ30eはピストン中に空間を提供する。この空間はその内部にガス発生機の活性化および生成されたガスの噴出に起因するガス発生機14(たとえばガス発生機の弁の部分(petalled portions))のデブリあるいは放出物をそこに格納するように組み立てられ、生成されたガスの最初の膨張を制限する。これは所定の効果を生むためにガス発生機の中で使用されなければならないガス発生剤の量を比較的少なくすることを可能にできる。
【0015】
ピストンロッド50は、それを介してピストンロッドに接続されたエレメント(例えば乗り物のフードの一部(
図21にエレメント902として模式的に示される))に推進力を伝える機構である。ピストンロッド50はピストンと連結して移動するようにピストンに取り付けられた第1の端部50aを有する。第1の端部の反対側の第2の端部50bは、アクチュエーター力が伝えられるべきエレメントまたは機構へのアタッチメントのために構成されてもよい。
図1−3に示される実施態様では、ピストンロッド50は中空である。あるいは、ピストンロッドは中実であることができる(例えば
図4に示されるピストンロッド50’)。あるいは、ピストンとピストンロッドは単一ピースとして、互いに一体に作られてもよい。ピストンロッドはさらに任意の特定の長さ、直径、形状および/または特定用途に適しているか必要である他の特性を有することができる。
【0016】
図1−3を参照する。少なくとも1つのベント溝12vは、ハウジング壁12dの内側表面に沿って形成される。
図1−3に示される実施態様では、溝12vは、壁の部分12xを外側、つまり軸L1から離れる方向に壁の一部12xを押し、壁の内側表面12wを壁の厚み方向に押す成形加工オペレーションにより形成され、壁の関連する部分を伸ばすか変形するようにして形成される。壁12dの伸ばされた部分12xが外側に押され、溝12vが形成される。実施態様では、ベント溝(
図19A−20Bの中で示される溝12kの実施態様を除く)は、ハウジングの長さ方向の軸L1と平行に伸びる。
図1−3に示される実施態様では、溝12vは、軸L1に垂直に伸びる第1の平面s1と距離を置いた第1の端部12v−a、および軸に垂直に伸びる第2の平面s2と距離を置いた第2の端部12v−bを有する。
図2で見られるように、溝の第2の端部12v−bは、第1の平面s1よりも第2の平面s2に接近している。
【0017】
図18A−Cは、1つの可能な溝形成方法を使用して、ハウジング本体部分の端部12cからスタートするベント溝12vの形成の進行を示す。示された実施態様では、成形加工工具800は所望形状および寸法を有する溝を生産するように形作られる。矢印Wによって示された方向(ハウジング中心軸から遠ざかってハウジング壁内へ伸びる方向)にハウジング壁の材料を移動させることによって、ツールは方向V1でハウジングの端部からハウジング内部へ差し込まれる。ハウジング壁の外側に沿って移動されたハウジング壁材料の部分12zは、方向Wに流れ、伴われた成形型D100のキャビィティC100へ流れる。
【0018】
溝あるいは溝の一部を形成する代替方法では、ハウジング12は長さ方向のベースの上に置かれ、成形型キャビィティ(上に記述されたキャビィティC100のような)の上に配置された内部の溝12vの反対側に存在するハウジング外側の一部と共に伸びるように、ハウジング12は配置される。その後、プレス工具がハウジングの端部へ差し込まれる。プレス工具は、溝成形加工部分がハウジング壁12dの内部の表面へ押された時に、望まれた形(深さと幅を含む)および長さを有する溝または溝部分を生産する、溝形成部分を有する。ツールの溝形成部分は、ハウジング12の長さ方向の軸L1に垂直な方向で壁12d内に押され、それによって、溝を形成し、以前に記述されたように成形型キャビィティ内へハウジング壁の一部を変形させる。この方法を使用すると、溝の異なる部分が、軸L1に垂直にハウジング12を通して得られた異なる平面に沿って異なる横断面を持つように成形することができる。これは、溝に沿った全ての箇所で、それを通ってシールのまわりをガスが流れる溝の部分の横断面をコントロールすることを可能にする(たとえば
図9−13を参照)。この方法は、さらにハウジング12の一方の端から一定間隔で配置される溝の形成を可能にする。
【0019】
別の代替方法では、溝12vは、ハウジング壁内側表面上で行なわれる、ブローチング(broaching)操作によって形成される。既知の方法で、ブローチング操作は、ハウジングの壁内側表面から材料の所望量を取り除き、それによって、溝に相対するハウジング壁の厚さtを低減する。
【0020】
溝あるいは溝の一部を形成する別の代替方法では、ハウジング12は適切なポリマーから形成される。溝12vのうちの全ては先に記述された方法のうちの1つによって形成されることができる。あるいは、溝は、たとえば重合体のハウジングの壁に希望の溝プロフィール形(例えばここに示された溝形状の1つ)へ作り上げられた挿入物と成型することにより形成されてもよい。その後、挿入物は、成型されたハウジングが十分な程度に冷えた後、ハウジング壁に成型された溝から取り除かれてもよい。
【0021】
図15は、実施態様に従って、ベント溝12v’を組込むハウジングの一部の断面図であり、溝の操作の基本原理を示している。図は、活性化の後にその活性化前の位置から表面12wに沿って方向Vに進んだ、ピストンにマウントされたシール40を示す。位置1では、シールはまだ溝12v’に達していない。したがって、より高い圧力側P1のガスは、シールとハウジング壁内側表面12wの間の接触によってピストンのより低い圧力側P2に達することはシールによって防がれる。位置2では、シール40は溝12v’の端部12v’−aを通過している。ピストンのP1側のガスは、ピストンのより低い圧力側P2への溝に沿ったシールのまわりのルートを持っている。ガスは矢印Zで示されるように、ベント溝12v’に沿って、シールが溝端部12v’−bに達するまで流れ続ける。シールの位置3では、シールは溝端部12v’−bを通過している。溝はもはやシールの外部または下には存在しない。したがって、溝を通るガスフロー・パスは閉鎖される。
【0022】
溝に沿った流体の流量(したがってアクチュエーター力のプロフィール)は、溝端部の横断面積および端部間の溝の部分の寸法をコントロールすることによりコントロールされる。これらのパラメーターは希望の力のプロフィールを達成するために、本明細書に記述されるように溝に沿って様々な位置で変えられてもよい。
【0023】
アクチュエーター力のプロフィール(時間の関数として、ピストンロッド50によってピストンロッドに接続しているエレメントに及ぼされる力として定義される)は、アクチュエーターの構造上の特徴をコントロールすることよりコントロールされることができる。構造上の特徴としては、たとえばベント溝の数、1または複数のベント溝の面積(それぞれのベント溝について、たとえば
図5に領域Aとして示される、ハウジングの任意の断面で溝の端を定義する、ハウジング壁12dの部分と、溝の上を滑るシール40によって囲まれる面積として定義される)、ベント溝の長さ、ガス発生機のガス出力特性および他の適切な要因があげられる。これらの構成要素の寸法は、ベント溝に沿ったガスの全流量、およびベント可能な時間のような特性をコントロールするために修正することができる。
【0024】
例えば、
図1−3に示された実施態様では、溝12vがハウジング壁内側表面の外部へ、または残りの部分を越えて伸び、シールが
図2に示されるようなベント溝上に位置する場合に、溝12vはより高い圧力側P1からより低い圧力側P2への、シール40を過ぎた加圧されたガスのためのフローパスまたはベントを提供する。ピストン30のより低い圧力側へ溝12vに沿って流れるガスは、次いでハウジングの開口12fを通ってハウジングから流れることができる。
【0025】
溝がシール40のより高い圧力側P1およびシールのより低い圧力側P2の両方に及ぶ限り、溝の一部を通ったベントがシールの下で可能になる。別の言い方をすれば、実施態様では、溝に沿ったベントは、溝に沿っておよびシール40を過ぎて、より高い圧力ピストン側P1からより低い圧力側P2までガスフロー通路が存在する限り可能になるだろう。
【0026】
ここに記述された実施態様では、ベントがピストンのストロークの一部だけに沿って可能になるように、ベント溝の長さおよび位置が特定されてもよい。そのような実施態様では、ベントに沿った、およびシール40を過ぎた生成されたガスの一部のフローは、ベント溝の長さおよび位置に対応するピストン・ストロークの一部においてのみ可能になるだろう。溝の他の実施態様では、ベントがハウジングの一定の内部半径部分の全長に沿って(つまり基本的にピストンの全ストローク長さに沿って)可能になるように、ベント溝の長さおよび位置が特定されてもよい。
【0027】
特定の実施態様では、1つまたは複数の溝の端部の位置は、ピストン・ストロークでのベントが開始する位置および/または終わる位置を制御するように指定されてもよい。
例えば、
図1−3に示されるアクチュエータハウジングの実施態様では、ハウジング内の所定距離を移動した後にピストンによって到達されたポイント12v−aでベントが始まることを可能にするように溝12vが構成される。ピストンが溝12vの12v−aに達した後、溝12vの端部である12v−bをシールが通過するまで、溝を通ってベントが可能になる。
【0028】
図4Aは、
図4に示されるハウジングの特別の実施態様を示す。この実施態様では、溝端部12’v−bがハウジング端壁12’g(これはこの実施態様で平面s2を定義する)の内側表面から30mmの距離D1に存在し、溝の端12’v−aは平面s1から30ミリメートルの距離D2にあるように溝12’vはハウジングの長さ方向に沿って形成される。
【0029】
図1−3および
図15に示される実施態様では、1つの溝12vがハウジングに組み入れられる。ピストンが12v−aで溝12vに達するまでベントは遅れて、次に、ピストンが溝の反対側の端部12v−bに達するまで、途中ずっと可能になる。
【0030】
他の実施態様では、多数のベント溝が、ハウジング壁内側表面に沿って間隔を置いて配置されてもよい。例えば
図7、7A、16および17は、複数の間隔を置いて配置された溝12v−1および12v−2を有するアクチュエータハウジングについての概要図を示す。平面s1およびs2は、ハウジング内側表面12wの一定半径部分の範囲あるいは長さ方向の端を表わす。ハウジングに沿ってベント溝を提供することにより、より高い圧力ピストン側P1からより低い圧力側P2までのベントが可能になる。
すなわち、内側表面12w(ベント溝に沿った部分を除く)は、平面s1とs2の間で軸L1からの一定半径に位置する。ピストンは、平面s1あるいはs1近傍で始まり、平面s2あるいはs2の近傍で終了するピストン・ストロークで、方向Vに移動する。
【0031】
図7は、2つの半径方向で相対するベント溝12v−1および12v−2(つまり、第2の溝12v−2は、第1の溝12v−1の半径方向で反対側のハウジング壁12dに作られる)を有するアクチュエータハウジングの一部の平面断面図を示す。
図7Aは、
図7に示されるベント溝配置を組込むハウジングについての概要図を示す。
図7Aの中で示される特別の実施態様では、溝12v−1および12v−2は等しい長さを持っており、ハウジング(溝の始まりは、ハウジング長さ方向の軸L1に垂直に伸びる共通の平面s3に沿って位置する。また、溝の終わりは、ハウジング長さ方向の軸L1に垂直に伸びて、第1の平面とは別に一定間隔で配置された別の共通の平面s4に沿って位置する)に沿って共に伸びる。したがって、この実施態様では、ピストンが方向Vに移動する際に両方の溝によってベントは同時に始まり、ピストンが方向Vで移動し、同時に終了する。さらに、第1の溝12v−1は、平面s1から離れて配置された第1の端部12v−1aと、平面s2から離れて配置された第2の端部12v−1bを有する。第2の溝12v−2は、平面s1から離れて配置された第1の端部12v−2aと、平面s2から離れて配置された第2の端部12v−2bを有する。第1の平面s1よりも、第2の平面s2に、第2の溝の第2の端部が接近していることが理解される。
【0032】
図8を参照する別の特別の実施態様では、第2の溝12v−2は第1の平面s1と交差する第1の端部12v−2a、および第2の平面s2と交差する第2の端部12v−2bを有する。したがって、ベントはハウジング内側表面12wに沿ったピストンの本質的に全ストロークの間、溝12v−2に沿って可能になる。さらに、シール40が平面s3と平面s4の間を移動している間、ベントは溝12v−1に沿って可能になる。平面s3およびs4は軸L1に垂直に伸びて、平面s1とs2の間に位置する。
【0033】
多数の溝を組込む任意の実施態様では、それぞれの溝はハウジング12の長さに沿って任意の所望の長さおよび相対的位置を有することができる。すなわち、溝は特定用途の駆動力の要求により、同じ長さを持っていてもよいし、持っていなくてもよいし、互いに同一空間に広がって(coextensive)もよいし、そうでなくともよい。さらに、ベント溝は任意の所望な数で使用されてもよい。さらに、溝12v−1および12v−2は180度の角度をなして間隔を置かれるが、溝の任意の組の任意のペアの溝の間の距離および/または角度間隔は、等しいかまたは不等であることができる。
【0034】
別の実施態様(
図16に示される)では、オーバーラップする端部を備えた、少なくとも2の溝12v−1および12v−2を含んでいる。したがって、
図16に示される実施態様では、第1の溝12v−1の一部は、軸L1に垂直に伸びる第1と第2の平面s1とs2の間に位置する、第3の平面s3と第4の平面s4の間に伸びる。さらに、第2の溝12v−2の一部は第3と第4の平面の間に伸びる。溝12v−1はハウジング内の所定距離を移動した後にピストンが到達したポイント12v−1aでベントが始まることを可能にするように組み立てられる。ピストンが溝12v−1で12v−1aに達した後、シールが溝12v−1の端部で、平面s3に沿って存在する12v−1bを通過するまで、溝12v−1を通って可能になる。しかしながら、溝12v−1に沿ったポイント12v−1aから12v−1bまでのシールの通過中に、シールはポイント12v−2a(溝12v−2の中で第1またはより低い端で、平面s4に沿って位置する)を通り、それによって、溝12v−1と同様に溝12v−2に沿ったベントを可能にする。ベントは溝12v−1に沿ってシールがポイント12v−1bを通過するまで、両方の溝に沿って可能になり、その後この溝の端部12v−2bまで溝12v−2に沿ってのみベントが可能になる。
【0035】
図16は、1組のオーバーラップする溝を有する実施態様を示すが、任意の数のオーバーラップした溝を、求められる希望の駆動力プロフィールを達成するために使用することができる。例えば、ピストン・ストロークの最初の部分中にベントを可能にするひとつの第1の溝は、ピストン・ストロークの後の部分中で第2の溝によってベントを可能にするために、
図16に示される方法で多数の第2の溝とオーバーラップしてもよい。同様に、ピストン・ストロークの最初の部分中にベントを可能にする多数の第1の溝は、ピストン・ストロークの後の部分中でこの第2の溝によってベントを可能にするために、
図16に示される方法でひとつの第2の溝とオーバーラップしてもよい。
【0036】
別の実施態様(
図17に示される)は、共通の面X’に沿って配置され、中心軸L1と平行に伸びる少なくとも2つの溝12v−1および12v−2を、隣接した端部12v−1bと12v−2aの間にスペースD’を備えて有する。
図17に示されるように、両方の溝の長さ方向の軸は、ハウジング長さ方向の軸L1からハウジングの側まで及ぶ、平面X’に沿って位置する。溝12v−1はこの溝によってハウジング内の所定距離を移動した後にピストンが到達したポイント12v−1aでベントを始めることを可能にするように組み立てられる。ピストンが溝12v−1の12v−1aに達した後、シールが溝12v−1の端部で、軸L1に垂直に伸びる平面s3に沿って位置する12v−1bを通るまで、ベントは溝を通って可能になる。その後、軸L1に垂直に伸びる平面s4に沿って位置する溝12v−2の端部12v−2aにシールが達するまで、ベントはできなくなる。その後、溝12v−2の端部12v−2bに到達するまで、ベントは溝12v−2を通って可能になる。
【0037】
図1−3に示される実施態様では、溝12vはその全長に沿って(製造公差の範囲内で)一定の横断面積を持っている。ここに記述された実施態様のうちの全てにおいて、多数の溝がハウジングに組み入れられる場合には溝は同じ横断面積あるいは異なる横断面積を有してもよい。
【0038】
さらに、任意の特定の溝の横断面積は、アクチュエーター力のプロフィールに影響する別の手段としてその長さに沿って変えられてもよい。ガスが流れてもよい面積のコントロールは、ピストンが溝に沿って移動する時の、ガスフローまたはベント速度のコントロールされた変化を可能にする。
【0039】
例えば、
図9に示される実施態様では、溝112vの深さd’は溝の長さに沿って変わる。溝の深さd’の変化は、溝の長さに沿った溝横断面積の対応する変化を生ずる。
図9に示される実施態様では、溝の深さd’が溝の長さに沿って一定の割合で変わるように、溝112vは先細りである。しかしながら、溝の横断面積は、作ることができるあらゆる希望の方法で変えることができる。
【0040】
さらに(あるいは別法として)、成形加工工具はツールの幅が変わるように形成されてもよい。これは、ハウジングの組立てに対応し、ハウジング壁に形成された溝の幅を変えることを可能にする。
【0041】
他の実施態様では、全ての溝は、隣接した部分あるいは異なる特性を有する「ゾーン」のセクションを有するように作られてもよい。
【0042】
例えば、
図10および11に示される実施態様では、溝112vの第1の部分R1は一定の横断面積を有し、第1の部分に隣接する溝の第2の部分R2では溝の長さに沿って横断面積が変化する。
【0043】
図12に示される実施態様では、溝112vの第1の部分R1は一定の横断面積を有し、第1の部分に隣接する溝の第2の部分R2では、溝の長さに沿って第1の部分の横断面積横断面積とは異なる一定の横断面積を有する。
【0044】
図13に示される実施態様では、溝112vの第1の部分R1は溝の長さに沿って変わる横断面積を有し、溝の第2の部分R2は溝の長さに沿って変わる横断面積を有する。
【0045】
上記を考慮して、本明細書に記載された方法および構造を使用して、種々様々のアクチュエーター力のプロフィールを提供するために、多数のオプションが存在することが理解される。
【0046】
アクチュエーターのオペレーション中に、ガス発生機あるいは他の加圧されたガス源がピストンのより高圧の側P1でハウジングへ加圧されたガスを導入して活性化される。加圧されたガスは、方向Vにピストンを移動させ、それによって力がピストンロッド50によってピストンロッドに取り付けられたエレメントあるいは機構に加えられる。アクチュエーター力のプロフィールは、ピストンのより高い圧力側P1からより低い圧力側P2までの溝によってベントされた、加圧されたガスの量と関係する。ピストン・ストロークの終了および/または弾力のあるシールが溝を通過し、ハウジング壁の溝が彫られていない表面との平坦な接触にある場合、より高圧のエリアの圧力が大気圧とほとんど等しくなるまで、より高い圧力側の残りのガスはハウジング壁と弾力のあるシールの間から、より高圧のエリアからより低い圧力エリアへある程度逃げ続けることができる。結果としてアクチュエーター展開の数秒以内の完全に減圧されたアクチュエーターをもたらす。
【0047】
特定の実施態様中では、アクチュエーターの活性化に先立って、少なくとも1つのベント溝の一部がより高い圧力側P1(つまりガス発生機側)、および弾力のあるシール40のより低い圧力側(つまりピストンロッド50がハウジング12を出るピストンの側)の両方に存在するように、ピストン30を配置する。これによってピストンのP1側およびP2側のハウジング内圧は、アクチュエーターのアセンブリ中およびアクチュエーター活性化に先立って、等しくなることができる。
【0048】
図14は、アクチュエーターが完全に展開した(つまりピストンの最大の移動時)後、
図1−3に示される実施態様における図面中のマイナスVの方向におけるピストンの変位対ピストンロッドによって加えられた力とのプロットを示す。
図14に示されるように、ピストンロッド50がハウジング内で後ろに押されるので、−V方向へのピストン30の変位に抵抗する力は、弾力のあるシール40が溝12vに沿ったポイント12v−bを通過したポイントにピストンが到達するまでどんどん増加する。このポイントで、ピストンのP1側に格納された加圧されたガスのベントは、もう一度可能になる。溝12vを通るガス・ベントは、
図14に示されるように−Vの方向へのピストンの一層の移動に抵抗する力の迅速な低下を引き起こす。
【0049】
図19A−20Bを参照する。ベント溝の別の実施態様12kでは、溝はハウジング軸L1に垂直な平面に存在する軸Kに沿って伸びる。溝の横断面の寸法は、シール40が溝を通る時、高圧側P1からより低い圧力側P2に比較的速いか、あるいは「脈を打った」所望量のガスのベントを提供するようにコントロールされてもよい。
図20Aおよび20Bに示されるように、溝12kは壁12wの360度の表面に沿って伸び、それによって、連続的な「輪」を形成することができる。あるいは
図19Aおよび19Bに示されるように、溝12kは、特定の部分あるいは表面の12wの角度範囲Mだけに沿って伸びてもよい。これらの変化は、アクチュエーター力のプロフィールのコントロールでの増加した柔軟性を可能にする。溝12kはここに記述された溝形成方法のうちの1つを使用して形成されてもよい。
【0050】
図21は、乗り物880にインストールされ、明細書に記述された実施態様に従うフードリフティング装置10を組込む、歩行者保護装置システム900の一部についての概要図である。歩行者保護装置システム900のこの実施態様では、乗り物にマウントされたセンサー810は、乗り物と歩行者(図示せず)の間の接触を検知する。この検知された接触に反応して、活性化信号はフードリフティング機構10へ送られ、ガス発生機の活性化あるいは他の方法による加圧されたガスの開放により、ハウジング22の内部へガスを送り、ハウジングからのピストンロッド50の伸張を起こす。その後、伸びたピストンロッド50は、フード902の後部を上げる。フード・リフター活性化信号は、センサー810あるいは、センサー810から乗り物歩行者接触信号を受け取り、それに反応して活性化信号を生成する適切に構成されたコントローラー(図示せず)から送られてもよい。
【0051】
様々な実施態様の先の記述が説明の目的だけのためにあることが理解されるだろう。 そのため、ここに開示した様々な構造・操作上の特徴は、請求項に記載された範囲から逸脱することなく変更することができる。