(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第2のプロセッサを更に備え、前記第2のプロセッサが、前記第1のセンサから前記第1の信号を受信し、前記第2のプロセッサが、前記第2のセンサから前記第2の信号を受信し、前記第2のプロセッサが、前記第1の信号及び前記第2の信号を使用して前記状態を判定するように構成されている、請求項1または2に記載の外科用器具。
【発明を実施するための形態】
【0003】
本願の出願人は、2013年3月1日に出願された以下の特許出願を所有し、これらはそれぞれの全体が参照することによって本明細書に組み込まれる:
−米国特許出願第13/782,295号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS WITH CONDUCTIVE PATHWAYS FOR SIGNAL COMMUNICATION」、
−米国特許出願第13/782,323号、名称「ROTARY POWERED ARTICULATION JOINTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
−米国特許出願第13/782,338号、名称「THUMBWHEEL SWITCH ARRANGEMENTS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
−米国特許出願第13/782,499号、名称「ELECTROMECHANICAL SURGICAL DEVICE WITH SIGNAL RELAY ARRANGEMENT」、
−米国特許出願第13/782,460号、名称「MULTIPLE PROCESSOR MOTOR CONTROL FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS」、
−米国特許出願第13/782,358号、名称「JOYSTICK SWITCH ASSEMBLIES FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
−米国特許出願第13/782,481号、名称「SENSOR STRAIGHTENED END EFFECTOR DURING REMOVAL THROUGH TROCAR」、
−米国特許出願第13/782,518号、名称「CONTROL METHODS FOR SURGICAL INSTRUMENTS WITH REMOVABLE IMPLEMENT PORTIONS」、
−米国特許出願第13/782,375号、名称「ROTARY POWERED SURGICAL INSTRUMENTS WITH MULTIPLE DEGREES OF FREEDOM」、及び
−米国特許出願第13/782,536号、名称「SURGICAL INSTRUMENT SOFT STOP」が、参照によってそれらすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0004】
本願の出願人は、2013年3月14日に出願され、各々のすべての内容が参照によって本明細書に組み込まれる以下の特許出願を所有している:
米国特許出願第13/803097号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」
「外科用器具用の駆動部材用の制御装置(CONTROL ARRANGEMENTS FOR A DRIVE MEMBER OF A SURGICAL INSTRUMENT)」と題された米国特許出願第13/803,193号、
「外科用器具用と共に使用するための交換式シャフト装置(INTERCHANGEABLE SHAFT ASSEMBLIES FOR USE WITH A SURGICAL INSTRUMENT)」と題された米国特許出願第13/803,053号、
「関節ロックを備える関節屈曲可能な外科用器具(ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK)」と題された米国特許出願第13/803,086号、
「外科用器具用の絶対位置調節システム用のセンサ装置(SENSOR ARRANGEMENTS FOR ABSOLUTE POSITIONING SYSTEM FOR SURGICAL INSTRUMENTS)」と題された米国特許出願第13/803,210号、
「外科用器具用の複数機能モーター(MULTI-FUNCTION MOTOR FOR A SURGICAL INSTRUMENT)」と題された米国特許出願第13/803,148号、
「モジュラー外科用器具用の駆動システムロックアウト装置(DRIVE SYSTEM LOCKOUT ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS)」と題された米国特許出願第13/803,066号、
「位関節屈曲可能外科用器具用の関節屈曲制御システム(ARTICULATION CONTROL SYSTEM FOR ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENTS)」と題された米国特許出願第13/803,117号、
「モジュラー外科用器具用の駆動列制御装置(DRIVE TRAIN CONTROL ARRANGEMENTS FOR MODULAR SURGICAL INSTRUMENTS)」と題された米国特許出願第13/803,130号、及び
米国特許出願第13/803159号、名称「METHOD AND SYSTEM FOR OPERATING A SURGICAL INSTRUMENT」。
【0005】
本願の出願人はまた、本願と同日に出願され、それぞれすべての内容が参照することによって本明細書に組み込まれる以下の特許出願を所有している:
米国特許出願第_______________号、名称「POWER MANAGEMENT CONTROL SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END7387USNP/130459号、
米国特許出願第_______________号、名称「STERILIZATION VERIFICATION CIRCUIT」、代理人整理番号第END7388USNP/130460号、
米国特許出願第_______________号、名称「VERIFICATION OF NUMBER OF BATTERY EXCHANGES/PROCEDURE COUNT」、代理人整理番号第END7389USNP/130461号、
米国特許出願第_______________号、名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SLEEP OPTIONS OF SEGMENTED CIRCUIT AND WAKE UP CONTROL」、代理人整理番号第END7390USNP/130462号、
米国特許出願第_______________号、名称「MODULAR POWERED SURGICAL INSTRUMENT WITH DETACHABLE SHAFT ASSEMBLIES」、代理人整理番号第END7391USNP/130463号、
米国特許出願第_______________号、名称「FEEDBACK ALGORITHMS FOR MANUAL BAILOUT SYSTEMS FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END7392USNP/130464号、
米国特許出願第_______________号、名称「SURGICAL INSTRUMENT UTILIZING SENSOR ADAPTATION」、代理人整理番号第END7393USNP/130465号、
米国特許出願第_______________号、名称「SURGICAL INSTRUMENT CONTROL CIRCUIT HAVING A SAFETY PROCESSOR」、代理人整理番号第END7394USNP/130466号、
米国特許出願第_______________号、名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING INTERACTIVE SYSTEMS」、代理人整理番号第END7395USNP/130467号、
米国特許出願第_______________号、名称「INTERFACE SYSTEMS FOR USE WITH SURGICAL INSTRUMENTS」、代理人整理番号第END7396USNP/130468号、
米国特許出願第_______________号、名称「MODULAR SURGICAL INSTRUMENT SYSTEM」、代理人整理番号第END7397USNP/130469号、
米国特許出願第_______________号、名称「SYSTEMS AND METHODS FOR CONTROLLING A SEGMENTED CIRCUIT」、代理人整理番号第END7399USNP/130471号、
米国特許出願第_______________号、名称「POWER MANAGEMENT THROUGH SEGMENTED CIRCUIT AND VARIABLE VOLTAGE PROTECTION」、代理人整理番号第END7400USNP/130472号、
米国特許出願第_______________号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT SYSTEM」、代理人整理番号第END7401USNP/130473号、及び
米国特許出願第_______________号、名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A ROTATABLE SHAFT」、代理人整理番号第END7402USNP/130474号。
【0006】
本明細書に開示される装置及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理を総合的に理解するために、ある特定の例示的実施形態がこれから記載される。これらの実施形態の1つ又は2つ以上の実施例が、添付の図面に例示されている。当業者であれば、本明細書に詳細に述べられ、添付の図面に示される装置及び方法は、非限定的かつ例示的な実施形態である点は理解されるであろう。1つの例示的な実施形態との関連において例示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わせられる場合がある。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0007】
本明細書の全体を通じて、「異なる実施形態」、「特定の実施形態」、「一実施形態」、又は「実施形態」などへの参照は、その実施形態との関連において述べられる特定の特徴、構造、又は特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書の全体を通じて適所において、「様々な実施形態において」、「いくつかの実施形態において」、「一実施形態において」、又は「ある実施形態において」などの語句が出現するが、これらは必ずしもすべてが同じ実施形態を指すわけではない。更に、特定の機構、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の実施形態において任意の好適な方法で組み合わされてもよい。故に、一実施形態に関して例示又は説明される特定の特徴、構造、又は特性は、1つ又は2つ以上の他の実施形態の特徴、構造、又は特性と、全体として又は部分的に、制限なしに組み合わせられてもよい。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。
【0008】
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書において、手術器具のハンドル部分を操作する医師を基準にして用いられる。「近位」なる用語は、医師に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は、医師から離れた位置にある部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語は、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的及び/又は絶対的であることを意図するものではない。
【0009】
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な代表的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、当業者は、本明細書に開示される様々な方法及び装置が、例えば、開腹外科手術含めて、多数の外科手術及び用途で用いられ得ることを容易に理解するであろう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読むにつれ、本明細書に開示される様々な器具を、例えば、天然のオリフィスから、又は組織に形成された切開口若しくは穿刺穴から、といったように任意の方法で体内に挿入することが可能である点は当業者には更に認識されるところであろう。これらの器具の作動部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入されてもよく、又は、手術器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作業通路を有するアクセス装置を介して挿入されてもよい。
【0010】
図1〜6は、再利用され得る、又は再利用され得ない、モーター駆動の外科用切断及び締結器具10を示す。図示の実施形態において、器具10は、ハンドル14を備えるハウジング12を含み、ハンドル14は、臨床医によって握持、操作、及び作動されるように構成されている。ハウジング12は、交換式シャフト組立体200に動作可能に装着されるように構成され、交換式シャフト組立体200は、1つ、又は2つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され、そこに動作可能に結合されている外科用エンドエフェクタ300を有する。この詳細な説明が進むにつれて、本明細書で開示する様々な形態の交換式シャフト組立体の、様々な独自で新規な構成が、ロボット制御される手術システムと関連させて効果的に用いられることができることが理解されよう。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書で開示する交換式シャフト組立体及びそれらに対応する等価物を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御運動を生成し加えるように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか、ないしは別様に支持するロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含することができる。「フレーム」という用語は、手持型外科用器具の一部分を指すことができる。「フレーム」という用語はまた、ロボット制御式の外科用器具の一部分及び/又は外科用器具を動作可能に制御するために利用できるロボットシステムの一部分を表すことができる。例えば、本明細書で開示する交換式シャフト組立体は、米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられ得る。米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0011】
図1〜3に示すハウジング12は、エンドエフェクタ300を含む交換式シャフト組立体200に関連して示されており、エンドエフェクタ300は、その中に外科用ステープルカートリッジ304を動作可能に支持するように構成されている、外科用切断及び締結装置を備える。ハウジング12は、交換式シャフト組立体と関連して使用するように構成されてよく、交換式シャフト組立体は、異なる寸法及び種類のステープルカートリッジを支持するように適合されるエンドエフェクタを含み、異なるシャフトの長さ、寸法、及び種類を有する。加えて、ハウジング12はまた、他の動作及びエネルギー形態、例えば、無線周波数(RF)エネルギー、超音波エネルギーなど、並びに/又は様々な外科的用途及び処置に関連して使用するために適合されているエンドエフェクタ装置に対する動作などを加えるように構成されているこれらの組立体など、様々な他の交換式シャフト組立体で効果的に用いられてよい。更に、エンドエフェクタ、シャフト組立体、ハンドル、外科用器具、及び/又は外科用器具システムは、任意の好適な締結具を利用して組織を締結することができる。例えば、中に着脱可能に格納された複数のファスナーを備えるファスナーカートリッジが、シャフト組立体のエンドエフェクタに着脱可能に挿入及び/又は装着され得る。
【0012】
図1は、交換式シャフト組立体200を動作可能に結合された外科用器具10を示している。
図2及び3は、ハウジング12又はハンドル14への交換式シャフト組立体200の装着を示す。
図4で分かるように、ハンドル14は、ねじ、スナップ機構、接着剤などで相互連結されてよい、1対の相互接続可能なハウジング部分16及び18を備えてよい。図示の構成において、ハンドルハウジング部分16、18は、臨床医に握持及び操作され得るピストルグリップ部分19を形成するように協働する。以下で更に詳細に議論するように、ハンドル14は、その中に複数の駆動システムを動作可能に支持し、それら駆動システムは、ハンドル1042に動作可能に装着された交換式シャフト組立体の対応部分に、様々な制御動作を生成して加えるように構成されている。
【0013】
ここで
図4を参照すると、ハンドル14は、複数の駆動システムを動作可能に支持するフレーム20を更に有してよい。例えば、フレーム20は、概して30と示される「第1の」、つまり閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、そこに動作可能に装着される、又は結合される交換式シャフト組立体200に閉鎖及び開放動作を加えるために用いられ得る。少なくとも1つの形式において、閉鎖駆動システム30は、フレーム20によって旋回式で支持される閉鎖トリガー32の形態をなすアクチュエータを含んでもよい。より具体的には、
図4に示すように、閉鎖トリガー32は、ピン33によってハウジング14に枢動可能に結合される。かかる構成により、閉鎖トリガー32は、臨床医がハンドル14のピストルグリップ部分19を握持するとき、閉鎖トリガー32は開始、つまり「非作動」位置から「作動」位置へ、より具体的には完全圧縮、つまり完全作動位置へと容易に旋回できるように、臨床医によって操作されることができる。閉鎖トリガー32は、ばね又は他の偏向装置(図示せず)によって、非作動位置へと偏向させられてもよい。様々な形態において、閉鎖駆動システム30は、閉鎖トリガー32に旋回式で結合された閉鎖リンク機構組立体34を更に有する。
図4で分かるように、閉鎖リンク機構組立体34は、第1の閉鎖リンク36と、ピン35によって閉鎖トリガー32に枢動可能に結合された第2の閉鎖リンク38と、を含んでよい。閉鎖リンク38はまた、本明細書において「装着部材」とも呼ばれることがあり、横方向装着ピン37を含む。
【0014】
更に
図4を参照すると、第1の閉鎖リンク36は、フレーム20に枢動可能に結合された閉鎖解放組立体60と協働するように構成されているロック壁、つまり端部39を有してよいことが観察できる。少なくとも1つの形態において、閉鎖解放組立体60は解放ボタン組立体62を備えてもよく、解放ボタン組立体62は、その上に形成された遠位突出係止爪64を有する。解放ボタン組立体62は、解放ばね(図示なし)によって反時計回り方向に旋回されてよい。臨床医が閉鎖トリガー32を非作動位置からハンドル14のピストルグリップ部19に向かって押下すると、係止爪64が第1の閉鎖リンク36上のロック壁39との保持係合に移る点に向かって、第1の閉鎖リンク36が上向きに旋回し、それによって、閉鎖トリガー32が非作動位置に復帰することが防止される。これについては、
図18を参照されたい。したがって、閉鎖解放組立体60は、閉鎖トリガー32を完全作動位置にロックするように働く。臨床医が閉鎖トリガー32をロック解除して非作動位置に偏向させるように望むとき、臨床医は単純に、係止爪64が移動して第1の閉鎖リンク36上のロック壁39との係合から逃れるように、閉鎖解放ボタン組立体62を旋回させる。係止爪64が移動させられて第1の閉鎖リンク36との係合から逃れると、閉鎖トリガー32は再び非作動位置に旋回してよい。他の閉鎖トリガーロック及び解放装置が用いられてよい。
【0015】
上記に加えて、
図13〜15は、組織がシャフト組立体200の顎部の間に位置し得る、シャフト組立体200の開放、つまりアンクランプ状態と関連付けられる、非作動位置にある閉鎖トリガー32を示す。
図16〜18は、組織がシャフト組立体200の顎部の間にクランプされている、シャフト組立体200の閉鎖、つまりクランプ構成と関連付けられる、作動位置にある閉鎖トリガー32を示す。
図14と17とを比較すると、読者は、閉鎖トリガー32がその非作動位置(
図14)からその作動位置(
図17)へと移動するとき、閉鎖解放ボタン62は、第1の位置(
図14)と第2の位置(
図17)との間を旋回することを理解するであろう。閉鎖解放ボタン62の回転は、上向き回転と呼ばれてよいが、閉鎖解放ボタン62の少なくとも一部は、回路基板100に向かって回転する。
図4を参照すると、閉鎖解放ボタン62は、そこから延びるアーム61と、例えば、アーム61に取り付けられた磁気素子63(永久磁石など)と、を含み得る。閉鎖解放ボタン62がその第1の位置からその第2の位置へと回転させられると、磁気素子63は、回路基板100に向かって移動し得る。回路基板100は、磁気素子63の移動を検知するように構成されている、少なくとも1つのセンサを含み得る。少なくとも1つの実施形態において、例えば、ホール効果センサ65が、回路基板100の底面に取り付けられ得る。ホール効果センサ65は、磁気素子63の移動によって生じた、ホール効果センサ65の周囲の磁場の変化を検知するように構成され得る。ホール効果センサ65は、例えば、マイクロコントローラ7004(
図59)と信号通信し得、マイクロコントローラ7004は、閉鎖解放ボタン62が、閉鎖トリガー32の非作動位置及びエンドエフェクタの開放構成に関連付けられる、その第1の位置、閉鎖トリガー32の作動位置及びエンドエフェクタの閉鎖構成に関連付けられる、その第2の位置、並びに/又は第1の位置と第2の位置との間の任意の位置にあるかどうかを判定できる。
【0016】
少なくとも1つの形態において、ハンドル14及びフレーム20は、本明細書で発射駆動システム80と呼ばれる別の駆動システムを動作可能に支持してよく、発射駆動システム80は、それに装着された交換式シャフト組立体の対応部分に発射動作を加えるように構成されている。発射駆動システム80はまた、本明細書において「第2の駆動システム」と呼ばれることもある。発射駆動システム80は、ハンドル14のピストルグリップ部分19に設置された電気モーター82を用いてもよい。様々な形態において、モーター82は、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モーターであってもよい。他の構成において、モーターには、ブラシレスモーター、コードレスモーター、同期モーター、ステッパモーター、又は任意の他の好適な電気モーターを挙げることができる。モーター82は電源90によって電力供給されてもよく、電源84は一形態において、取り外し可能な電源パック92を備えてよい。
図4で分かるように、例えば、電源パック92は、遠位ハウジング部96に装着するように構成されている近位ハウジング部94を備えてよい。近位ハウジング部94及び遠位ハウジング部96は、その中に複数の電池98を動作可能に支持するように構成されている。電池98はそれぞれ、例えば、リチウムイオン(「LI」)又は他の好適な電池を含んでよい。遠位ハウジング部96は、制御回路基板組立体100に取り外し可能かつ動作可能に装着されるように構成され、制御回路基板組立体100はまた、モーター82に動作可能に結合される。直列に接続された多数の電池98は、外科用器具10の電源として使用されてもよい。加えて、電源は交換可能及び/又は再充電可能であってよい。
【0017】
他の様々な形態に関連して上に概説したように、電気モーター82は、回転式シャフト(図示せず)を有することができ、その回転式シャフトは、縦移動式駆動部材120上の駆動歯122の組又はラックとの噛合い係合をなして取り付けられる歯車減速機組立体84と動作可能に連係する。使用の際、電源90によって与えられる電圧極性により、電気モーター82を時計回りに動作させることができるが、電池によって電気モーターに加えられる電圧極性は、電気モーター82を反時計回りに動作させるために、逆転され得る。電気モーター82がある方向に回転されるとき、駆動部材120は遠位方向「DD」に軸方向に駆動される。モーター82が反対の回転方向に駆動されるとき、駆動部材120は近位方向「PD」に軸方向に駆動される。ハンドル14は、電源90によって電気モーター82に加えられる極性を逆転させるように構成され得るスイッチを備え得る。本明細書で説明する他の形態と同様に、ハンドル14はまた、駆動部材120の位置及び/又は駆動部材120が移動させられている方向を検出するように構成されたセンサを有することもできる。
【0018】
モーター82の作動は、ハンドル14上に旋回式で支持される発射トリガー130によって制御されることができる。発射トリガー130は、非作動位置と作動位置との間で旋回され得る。発射トリガー130は、ばね132又は他の偏向装置によって非作動位置へと偏向させられてもよく、そのため、臨床医が発射トリガー130を解放すると、発射トリガー130は、ばね132又は偏向装置によって非作動位置に旋回されるか、又は別様に復帰され得る。少なくとも1つの形式において、発射トリガー130は、上で議論したように、閉鎖トリガー32の「外側」に定置され得る。少なくとも1つの形態において、発射トリガー安全ボタン134は、ピン35で閉鎖トリガー32に枢動可能に取り付けられてよい。安全ボタン134は、発射トリガー130と閉鎖トリガー32との間に位置し、そこから突出する旋回アーム136を有してよい。これについては、
図4を参照されたい。閉鎖トリガー32が非作動位置にあるとき、安全ボタン134はハンドル14内で拘束され、臨床医は容易には安全ボタン134に触れることができず、発射トリガー130の作動を阻止する安全位置と、発射トリガー130が発射され得る発射位置との間で移動することもできない。臨床医が閉鎖トリガー32を押下すると、安全ボタン134及び発射トリガー130が下に旋回し、それらは次いで臨床医によって操作されることが可能となる。
【0019】
上で議論したように、ハンドル14は、閉鎖トリガー32と、発射トリガー130と、を含み得る。
図14〜18Aを参照すると、発射トリガー130は、閉鎖トリガー32に枢動可能に取り付けられ得る。閉鎖トリガー32は、そこから延びるアーム31を含み得、発射トリガー130は、枢動ピン33の周りを枢動可能にアーム31に取り付けられる。閉鎖トリガー32がその非作動位置(
図14)からその作動位置(
図17)へと移動するとき、発射トリガー130は、上に概説したように、下向きに下げられ得る。安全ボタン134がその発射位置に移動した後、主として
図18Aを参照すると、発射トリガー130を押下して、外科用器具発射システムのモーターを動作させることができる。様々な例において、ハンドル14は、例えば、閉鎖トリガー32の位置及び/又は発射トリガー130の位置を判定するように構成されている、システム800など追跡システムを含み得る。主として
図14、17、及び18Aを参照すると、追跡システム800は、例えば、発射トリガー130から延びるアーム801に取り付けられる、永久磁石802など磁気素子を含み得る。追跡システム800は、例えば、磁石802の位置を追跡するように構成され得る、第1のホール効果センサ803及び第2のホール効果センサ804など1つ、又は2つ以上のセンサを備え得る。
図14及び17を比較すると、読者は、閉鎖トリガー32がその非作動位置からその作動位置へと移動するとき、磁石802は、第1のホール効果センサ803に隣接する第1の位置と、第2のホール効果センサ804に隣接する第2の位置との間を移動し得ることを理解するであろう。
図17及び18Aを比較すると、読者は、発射トリガー130がその未発射位置(
図17)から発射済み位置(
図18A)へと移動するとき、磁石802が第2のホール効果センサ804に対して移動できることを更に理解するであろう。センサ803及び804は、磁石802の移動を追跡でき、回路基板100上のマイクロコントローラと信号通信できる。第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804からのデータを使用して、マイクロコントローラは、所定の経路に沿って磁石802の位置を判定でき、マイクロコントローラは、この位置に基づいて、閉鎖トリガー32がその非作動位置、その作動位置、又はそれらの間の位置にあるかどうかを判定できる。同様に、第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804からのデータを使用して、マイクロコントローラは、所定の経路に沿って磁石802の位置を判定でき、マイクロコントローラは、この位置に基づいて、閉鎖トリガー130がその未発射位置、その完全発射済み位置、又はそれらの間の位置にあるかどうかを判定できる。
【0020】
上に示したように、少なくとも1つの形式において、長手方向移動式駆動部材120はその上に、歯車減速機組立体84の対応する歯車86と噛合い係合するための歯122のラックを有している。また、モーター82が故障した場合に臨床医が手動で縦移動式駆動部材120を後退させられるように構成されている手動作動式「脱出」組立体140が、少なくとも1つの形態に含まれてもよい。この脱出組立体140は、手動で枢動されて駆動部材120内にも設けられた歯124とのラチェット係合をなすように構成されたレバー、つまり脱出ハンドル組立体142を有してよい。したがって、臨床医は、脱出ハンドル組立体142を使用して駆動部材120を近位方向「PD」にラチェットで駆動させることによって、駆動部材120を手動で後退させることができる。米国特許出願公開第2010/0089970号には、本明細書で開示する様々な器具と共に同様に用いられることもできる脱出装置、並びに他の構成要素、装置、及びシステムが開示されている。米国特許出願第12/249,117号、名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(現在の米国特許出願公開第2010/0089970号)は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0021】
ここで
図1及び7を参照すると、交換式シャフト組立体200は、細長いチャネル302を備える外科用エンドエフェクタ300を含み、細長いチャネル302は、その中にステープルカートリッジ304を動作可能に支持するように構成されている。エンドエフェクタ300は、細長いチャネル302に対して枢動可能に支持されるアンビル306を更に備えてよい。交換式シャフト組立体200は、関節継手270と、関節ロック350(
図8)と、を更に含んでよく、関節ロック350は、シャフト軸SA−SAに対して所望の位置にエンドエフェクタ300を解放可能に保持するように構成され得る。エンドエフェクタ300、関節継手270、及び関節ロック350の構築及び操作に関する詳細は、2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/803,086号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」に記載されている。2013年3月14日に出願された米国特許出願第13/803,086号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」のすべての開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる。
図7及び8で分かるように、交換式シャフト組立体200は、ノズル部202及び203からなる近位ハウジング、つまりノズル201を更に含み得る。交換式シャフト組立体200は、閉鎖チューブ260を更に有することができ、閉鎖チューブ260は、エンドエフェクタ300のアンビル306を閉鎖及び/又は開放するために利用され得る。ここで主として
図8及び9を参照すると、シャフト組立体200はスパイン210を含み得、スパイン210は、関節ロック350のシャフトフレーム部212を固定可能に支持するように構成され得る。これについては、
図8を参照されたい。スパイン210は、(1)その中に発射部材220をスライド可能に支持し、(2)スパイン210の周りに延びる閉鎖チューブ260をスライド可能に支持するように構成され得る。スパイン210はまた、近位関節駆動器230をスライド可能に支持するように構成され得る。関節屈曲駆動部230は、関節ロック350を動作可能に係合するように構成されている遠位端231を有する。関節ロック350は関節フレーム352と係合をなし、関節フレーム352は、エンドエフェクタフレーム(図示なし)上の駆動ピン(図示なし)を動作可能に係合するように適合される。上に示したように、関節ロック350及び関節フレームの動作に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見い出され得る。様々な状況において、スパイン210は、シャーシ240内で回転可能に支持される近位端211を備え得る。例えば、ある構成において、スパイン210の近位端211は、シャーシ240内で支持されるように構成されているスパインベアリング216にねじ込み装着するためにその上に形成された、ねじ山214を有する。これについては、
図7を参照されたい。かかる構成により、シャーシ240へのスパイン210の回転可能な装着が容易になり、スパイン210は、シャーシ240に対してシャフト軸SA−SAの周りを選択的に回転されてよい。
【0022】
主として
図7を参照すると、交換式シャフト組立体200は閉鎖シャトル250を含み、閉鎖シャトル250は、シャーシ240に対して軸方向に移動してよいように、その中でスライド可能に支持される。
図3及び7で分かるように、閉鎖シャトル250は1対の近位突出フック252を含み、近位突出フック252は、以下で更に詳細に議論するように、第2の閉鎖リンク38に装着される装着ピン37に装着されるように構成されている。閉鎖チューブ260の近位端261は閉鎖シャトル250に結合され、そこに対して相対回転する。例えば、U字形コネクタ263は、閉鎖チューブ260の近位端261にある環状スロット262に挿入され、閉鎖シャトル250の垂直スロット253内に保持される。これについては、
図7を参照されたい。かかる構成は、閉鎖チューブ260を閉鎖シャトル250に装着して共に軸方向移動するのに役立つが、一方では、閉鎖チューブ260がシャフト軸SA−SAの周りを閉鎖シャトル250に対して回転できるようにする。閉鎖ばね268は、閉鎖チューブ260上で軸支され、近位方向「PD」に閉鎖チューブ260を偏向させるのに役立ち、これにより、シャフト組立体がハンドル14動作可能に取り付けられるとき、閉鎖トリガーを非作動位置へと枢動させるのに役立つ。
【0023】
少なくとも1つの形式において、交換式シャフト組立体200は、関節継手270を更に有してもよい。しかしながら、他の交換式シャフト組立体が、関節屈曲可能でなくてもよい。
図7で分かるように、例えば、関節継手270は二重旋回閉鎖スリーブ組立体271を有する。種々の形態によれば、二重旋回閉鎖スリーブ組立体271は、上部及び下部遠位突出タング273、274を有するエンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体272を含む。エンドエフェクタ閉鎖スリーブ組立体272は、2013年3月14日出願に出願された、米国特許出願第13/803,086号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING AN ARTICULATION LOCK」(このすべての開示内容は、参照によって本明細書に組み込まれる)に記載の様々な方法で、アンビル306上の開口タブを係合するために、馬蹄形アパーチャ275と、タブ276と、を含む。この特許に更に詳細が記載されるように、アンビル306が開放状態のとき、馬蹄形アパーチャ275及びタブ276はアンビル上のタブを係合する。上部二重旋回リンク277は、上向きに突出する遠位及び近位旋回ピンを備え、これら遠位及び近位旋回ピンはそれぞれ、閉鎖チューブ260上で、上部近位突出タング273内の上部遠位ピンホール、及び上部遠位突出タング264内の上部近位ピンホールと係合する。下部二重旋回リンク278は、上向きに突出する遠位及び近位旋回ピンを備え、これら遠位及び近位旋回ピンはそれぞれ、下部近位突出タング274の下部遠位ピンホール、及び下部遠位突出タング265の下部近位ピンホールと係合する。
図8も参照されたい。
【0024】
使用の際、閉鎖チューブ260は、例えば閉鎖トリガー32の作動に応答してアンビル306を閉鎖するために遠位側(方向「DD」)に並進する。アンビル306は、閉鎖チューブ260を、したがってシャフト閉鎖スリーブ組立体272を遠位側に並進させて、上述の文献(米国特許出願第13/803,086号)に記載した方式でアンビル360の近位表面に衝突させることによって閉鎖される。この文献で同様に詳述したように、アンビル306は、閉鎖チューブ260及びシャフト閉鎖スリーブ組立体272を近位側に並進させて、タブ276及び馬蹄形アパーチャ275をアンビルタブに対して接触及び押圧させてアンビル306を持ち上げることによって開放される。アンビル開放位置において、シャフト閉鎖チューブ260はその近位位置に移動させられる。
【0025】
上に示したように、外科用器具10は、米国特許出願第13/803,086号に更に詳述される種類及び構造の関節ロック350を更に含んでよく、関節ロック350は、エンドエフェクタ300を所定の位置に選択的にロックするように構成され、操作され得る。かかる構成により、エンドエフェクタ300は、関節ロックがロック解除状態にあるときに、シャフト閉鎖チューブ260に対して回転又は関節屈曲することができる。かかるロック解除状態において、エンドエフェクタ300を閉鎖チューブ260に対して関節屈曲させるために、エンドエフェクタ300は、例えば、患者の体内の手術部位の周囲にある軟組織及び/又は骨に隣接され、押し当てられることができる。エンドエフェクタ300はまた、関節屈曲駆動部230によって、閉鎖チューブ260に対して関節屈曲させられてよい。
【0026】
同様に上で示したように、交換式シャフト組立体200は、シャフトスパイン210内での軸方向移動に関して支持される発射部材220を更に含む。発射部材220は、遠位切断部、つまりナイフバー280に装着されるように構成されている中間発射シャフト部222を含む。発射部材220はまた、本明細書において「第2のシャフト」及び/又は「第2のシャフト組立体」と呼ばれることもある。
図8及び9で分かるように、中間発射シャフト部222は、その遠位端に長手スロット223を有してもよく、長手スロット223は、遠位ナイフバー280の近位端282上のタブ284を受容するように構成され得る。長手スロット223及び近位端部282は、それら同士の相対運動が可能となるように寸法を定められ、構成されることができ、またスリップ継手286を備えることができる。スリップ継手286は、ナイフバー280を移動させることなく、又は少なくとも実質的に移動させることなく、発射駆動部220の中間発射シャフト部分222を移動させてエンドエフェクタ300を関節屈曲させることができる。エンドエフェクタ300が好適に方向付けられると、中間発射シャフト部222は、ナイフバー280を前進させ、チャネル302内に位置付けられているステープルカートリッジを発射するために、長手スロット223の近位側壁がタブ284と接触するまで遠位側に前進させることができる。
図8及び9から更に分かるように、シャフトスパイン210は、その中に細長い開口部、つまり窓213を有して、中間発射シャフト部222の組み立て及びシャフトフレーム210への挿入を容易にする。中間発射シャフト部222がシャフトフレーム212に挿入されると、頂部フレーム部分215がシャフトフレーム212と係合して、それらの中に中間発射シャフト部222及びナイフバー280を封入することができる。発射部材220の操作については、米国特許出願第13/803,086号に更に見い出され得る。
【0027】
上記に加えて、シャフト組立体200はクラッチ組立体400を有することができ、クラッチ組立体400は、関節屈曲駆動部230を発射部材220に選択的かつ解放可能に結合するように構成され得る。一形態では、クラッチ組立体400は、発射部材220の周りに位置するロックカラー、つまりスリーブ402を備え、ロックスリーブ402は、ロックスリーブ402が関節屈曲駆動部360を発射部材220に結合する係合位置と、関節屈曲駆動部360が発射部材200に動作可能に結合されない係合解除位置との間で回転し得る。ロックスリーブ402が係合位置にあるとき、発射部材220が遠位側に移動することにより、関節屈曲駆動部360を遠位側に移動させることができ、またそれに対応して、発射部材220が近位側に移動することにより、関節屈曲駆動部230を近位側に移動させることができる。ロックスリーブ402が係合解除位置にあるとき、発射部材220の移動は関節屈曲駆動部230に伝達されず、その結果、発射部材220は関節屈曲駆動部230とは独立して移動することができる。様々な状況において、関節屈曲駆動部230が発射部材220によって近位又は遠位方向に移動させられていないとき、関節屈曲駆動部230は関節ロック350によって所定位置に保持され得る。
【0028】
主として
図9を参照すると、ロックスリーブ402は、円筒状の、又は少なくとも実質的に円筒状の本体を備えることができ、この本体は、その中に画定された、発射部材220を受容するように構成されている長手アパーチャ403を有する。ロックスリーブ402は、正反対である内向きの第1のロック突出部404と、外向きの第2のロック部材406と、を備えることができる。ロック突出部404は、発射部材220と選択的に係合されるように構成され得る。より具体的には、ロックスリーブ402がその係合位置にあるとき、第1のロック突出部404は、発射部材220に画定された駆動ノッチ224内に位置付けられ、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材220からロックスリーブ402に伝達され得るようになっている。ロックスリーブ402が係合位置にあるとき、第2のロック部材406は、関節屈曲駆動部232に画定された駆動ノッチ230内に受容され、ロックスリーブ402に加えられた遠位押力及び/又は近位引張力が関節屈曲駆動部230に伝達され得るようになっている。実質的に、発射部材220、ロックスリーブ402、及び関節屈曲駆動部230は、ロックスリーブ402が係合位置にあるとき、共に移動することになる。他方で、ロックスリーブ402が係合解除位置にあるとき、ロック突出部404は、発射部材220の駆動ノッチ224内に位置付けられなくてよく、その結果、遠位押力及び/又は近位引張力が発射部材220からロックスリーブ402に伝達されなくてよい。それに応じて、遠位押力及び/又は近位引張力は関節屈曲駆動部230に伝達されなくてよい。そのような状況において、発射部材220は、ロックスリーブ402及び近位関節駆動器230に対して近位側及び/又は遠位側にスライドされ得る。
【0029】
図8〜12で分かるように、シャフト組立体200はスイッチドラム500を更に含み、スイッチドラム500は、閉鎖チューブ260上で回転可能に受容される。スイッチドラム500は中空シャフト部分502を備え、中空シャフト部分502は、外側に突出する関節ピン410を中に受容するためにその上に形成されたシャフトボス504を有する。様々な状況において、関節ピン410は、スロット267を通って、長手スロット408へと延び、長手スロット408は、関節屈曲駆動部230と係合するときにロックスリーブ402の軸方向移動を容易にするようにロックスリーブ402に設けられる。回転ねじりばね420は、
図10に示すように、スイッチドラム500上のボス504及びノズルハウジング203の一部と係合して、スイッチドラム500に付勢力を加えるように構成されている。スイッチドラム500は、それに画定された、少なくとも部分的に環状の開口部506を更に備えることができ、その開口部506は、
図5及び6を参照すると、ノズル半部202及び203から延びる環状マウント204、205を受容し、スイッチドラム500とシャフトハウジングとの間の相対的な回転は許容するが、並進は許容しないように構成され得る。これらの図で分かるように、マウント204及び205はまた、閉鎖チューブ260の開口部266を通って延びて、シャフトスパイン210の陥凹211に着座する。しかしながら、マウント204、205がスイッチドラム500内のそれぞれの対応スロット506の端部に達する位置までノズル201が回転すると、スイッチドラム500がシャフト軸SA−SAの周りを回転する。スイッチドラム500が回転すると、最終的には、関節ピン410が回転し、ロックスリーブ402が係合位置と非係合位置との間に位置付けられる。したがって、実質的には、ノズル201は、米国特許出願第13/803,086号に更に詳述されている様々な方式で、関節駆動システム及び発射駆動システムを動作可能に係合し、係合解除するために用いられてよい。
【0030】
同様に
図8〜12に示すように、シャフト組立体200は、スリップリング組立体600を備え得、スリップリング組立体600は、例えば、エンドエフェクタ300にかつ/若しくはエンドエフェクタ300から電力を伝導し、及び/又はエンドエフェクタ300にかつ/若しくはエンドエフェクタ300から信号を伝えるように構成され得る。スリップリング組立体600は、シャーシ240から延びるシャーシフランジ242に取り付けられた近位コネクタフランジ604と、シャフトハウジング202、203に画定されたスロット内に位置付けられている遠位コネクタフランジ601と、を備え得る。近位コネクタフランジ604は第1の表面を備え得、遠位コネクタフランジ601は第2の表面を備え得、第2の表面は、第1の表面に隣接して位置付けられ、これに対して移動可能である。遠位コネクタフランジ601は、シャフト軸SA−SAの周りを近位コネクタフランジ604に対して回転し得る。近位コネクタフランジ604は、その第1の表面に画定された、複数の同心の、又は少なくとも実質的に同心の導体602を備え得る。コネクタ607は、コネクタフランジ601の近位側に取り付けられ得、複数の接点(図示なし)を有してよく、各接点は、導体602のうちの1つに対応し、それと電気的に接続する。かかる構成により、近位コネクタフランジ604と遠位コネクタフランジ601との間での電気的接続を維持しつつ、これらの間での相対回転が可能になる。近位コネクタフランジ604は、電気コネクタ606を含み得、電気コネクタ606は、例えば、導体602が、シャフトシャーシ240に取り付けられたシャフト回路基板610と信号通信するようにさせ得る。少なくとも1つの例において、複数の導体を備えるワイヤハーネスは、電気コネクタ606とシャフト回路基板610との間に延在し得る。電気コネクタ606は、シャーシ取り付けフランジ242に画定されたコネクタ開口部243を通って近位に延びてよい。これについては、
図7を参照されたい。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,067号、名称「ステープルカートリッジ型組織厚さセンサシステム(STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM)」は、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる。2013年3月13日出願の米国特許出願第13/800,025号、名称「ステープルカートリッジ型組織厚さセンサシステム(STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM)」は、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる。スリップリング組立体600に関する更なる詳細は、米国特許出願第13/803,086号に見い出され得る。
【0031】
上で議論したように、シャフト組立体200は、ハンドル14に固定可能に取り付けられた近位部と、長手軸の周りを回転可能である遠位部と、を含み得る。回転可能な遠位シャフト部は、上で議論したように、近位部に対してスリップリング組立体600の周りを回転し得る。スリップリング組立体600の遠位コネクタフランジ601は、回転可能な遠位シャフト部内に位置付けられ得る。更に、上記に加えて、スイッチドラム500も、回転可能な遠位シャフト部内に位置付けられ得る。回転可能な遠位シャフト部が回転するとき、遠位コネクタフランジ601及びスイッチドラム500は、互いに同期して回転し得る。加えて、スイッチドラム500は、遠位コネクタフランジ601に対して第1の位置と第2の位置との間で回転し得る。スイッチドラム500がその第1の位置にあるとき、関節駆動システムは、発射駆動システムから動作可能に係合解除されてよく、したがって、発射駆動システムの動作は、シャフト組立体200のエンドエフェクタ300を関節屈曲させなくてよい。スイッチドラム500がその第2の位置にあるとき、関節駆動システムは、発射駆動システムと動作可能に係合され、したがって、発射駆動システムの動作は、シャフト組立体200のエンドエフェクタ300を関節屈曲させてよい。スイッチドラム500がその第1の位置とその第2の位置との間で移動するとき、スイッチドラム500は遠位コネクタフランジ601に対して移動する。様々な例において、シャフト組立体200は、スイッチドラム500の位置を検知するように構成されている、少なくとも1つセンサを備え得る。ここで
図11及び12を参照すると、遠位コネクタフランジ601は、例えば、ホール効果センサ605を備え得、スイッチドラム500は、例えば、永久磁石505など磁気素子を備え得る。ホール効果センサ605は、永久磁石505の位置を検知するように構成され得る。スイッチドラム500がその第1の位置とその第2の位置との間で回転するとき、永久磁石505は、ホール効果センサ605に対して移動し得る。様々な例において、ホール効果センサ605は、永久磁石505が移動するときに生じる磁場の変化を検知できる。ホール効果センサ605は、例えば、シャフト回路基板610及び/又はハンドル回路基板100と信号連通し得る。シャフト回路基板610及び/又はハンドル回路基板100上のマイクロコントローラは、ホール効果センサ605からの信号に基づいて、関節駆動システムが発射駆動システムと係合しているか、係合解除しているかを判定できる。
【0032】
再び
図3及び7を参照すると、シャーシ240は、その上に形成された、少なくとも1つ、好ましくは2つのテーパ状装着部244を含み、テーパ状装着部244は、フレーム20の遠位装着フランジ部700内に形成された、対応するダブテールスロット702内に受容されるように適合される。各ダブテールスロット702はテーパ状、換言すれば、多少V形であってよくて、その中に着座するように装着部244を受容する。
図3及び7から更に分かるように、シャフト装着ラグ226は、中間発射シャフト222の近位端に形成される。以下で更に詳細に議論するように、交換式シャフト組立体200がハンドル14に結合されると、シャフト装着ラグ226は、長手駆動部材120の遠位端部125に形成された発射シャフト装着クレードル126に受容される。これについては、
図3及び6を参照されたい。
【0033】
様々なシャフト組立体の実施形態では、シャフト組立体200をハウジング12に、より具体的には、フレーム20に着脱可能に結合するためにラッチシステム710が用いられる。
図7で分かるように、例えば、少なくとも1つの形態において、ラッチシステム710は、シャーシ240に移動可能に結合されているロック部材、つまりロックヨーク712を含む。図示の実施形態において、例えば、ロックヨーク712はU字形を有し、離間して下向きに延びる2つの脚部714を備える。脚部714のそれぞれは、その上に形成された旋回ラグ716を有し、旋回ラグ716は、シャーシ240に形成された、対応する孔245に受容されるように適合されている。かかる構成により、シャーシ240へのロックヨーク712の枢着が容易になる。ロックヨーク712は、2つの近位突出ロックラグ714を含んでよく、近位突出ロックラグ714は、フレーム20の遠位装着フランジ700内の対応するロック移動止め、つまり溝704と解放可能に係合するように構成されている。これについては、
図3を参照されたい。様々な形態において、ロックヨーク712はばね又は偏向部材(図示せず)によって近位方向に偏向させられる。ロックヨーク712の作動は、ラッチボタン722によって行われてよく、ラッチボタン722は、シャーシ240に取り付けられているラッチアクチュエータ組立体720にスライド可能に取り付けられている。ラッチボタン722は、ロックヨーク712に対して近位方向に偏向させられてよい。以下で更に詳細に議論するように、ロックヨーク712は、ラッチボタンを遠位方向に偏向させることによってロック解除位置まで移動し、これにより、ロックヨーク712も枢動させて、フレーム20の遠位装着フランジ700との保持係合を解除してよい。ロックヨーク712がフレーム20の遠位装着フランジ700と「保持係合」状態にあるとき、ロックラグ716は、遠位装着フランジ700内の対応するロック移動止め、つまり溝704内に保持するように着座される。
【0034】
組織を切断し締結するように適合されている、本明細書に記載の種類のエンドエフェクタ、並びに他の種類のエンドエフェクタを含む、交換式シャフト組立体を用いるとき、エンドエフェクタの作動中に不注意でハウジングから交換式シャフト組立体が脱離しないことが望ましい場合がある。例えば、使用の際、臨床医は、閉鎖トリガー32を作動させて、標的組織を握持し、所望の位置へと操作してよい。標的組織がエンドエフェクタ300内で所望の方向に位置付けられると、次いで臨床医は、閉鎖トリガー32を完全に作動させて、アンビル306を閉鎖し、切断及びステープル留めする位置に標的組織をクランプしてよい。この例では、第1の駆動システム30は、完全に作動している。標的組織がエンドエフェクタ300内でクランプされた後は、シャフト組立体200が不注意によりハウジング12から脱離しないようにすることが望ましい場合がある。ラッチシステム710の一形態は、かかる不注意による脱離を防止するように構成されている。
【0035】
図7で最も詳細に分かるように、ロックヨーク712は、少なくとも1つ、好ましくは2つのロックフック718を含み、ロックフック718は、閉鎖シャトル250上に形成される、対応のロックラグ部256に接触するように適合されている。
図13〜15を参照すると、閉鎖シャトル250が非作動位置(すなわち、第1の駆動システム30は非作動であり、アンビル306は開放状態である)にあるとき、ロックヨーク712は遠位方向に旋回して、ハウジング12から交換式シャフト組立体200をロック解除してよい。その位置では、ロックフック718は、閉鎖シャトル250上のロックラグ部256と接触しない。しかしながら、閉鎖シャトル250が作動位置(すなわち、第1の駆動システム30が作動し、アンビル306が閉鎖位置にある)に移動すると、ロックヨーク712は、ロック解除位置へと旋回しないようになる。
図16〜18を参照されたい。換言すると、臨床医がロックヨーク712をロック解除位置へと旋回させようとした場合、例えば、不注意で(in advertently)ロックヨーク712にぶつかった、又は、別様に遠位に旋回し得る方式で接触した場合、ロックヨーク712上のロックフック718は、閉鎖シャトル250上のロックラグ256と接触し、ロックヨーク712がロック解除位置に移動しないようにする。
【0036】
ハンドル14への交換式シャフト組立体200の装着について、これから、
図3を参照して説明する。結合プロセスを開始するために、臨床医は、シャーシ240上に形成されたテーパ状装着部244がフレーム20内のダブテールスロット702と揃うように、交換式シャフト組立体200のシャーシ240をフレーム20の遠位装着フランジ700の上に、又はそれに隣接して位置付けてよい。次いで、臨床医は、シャフト軸SA−SAに垂直である取り付け軸IAに沿ってシャフト組立体200を移動させて、装着部244を対応するダブテール受容スロット702と「動作可能な係合」をなすように着座させてよい。その際に、中間発射シャフト222上のシャフト装着ラグ226も縦移動式駆動部材120内のクレードル126に着座され、第2の閉鎖リンク38上のピン37の一部は、閉鎖ヨーク250内の対応するフック252に着座される。本明細書で用いられるとき、2つの構成要素の状況における「動作可能な係合」という用語は、それら2つの構成要素が互いに十分に係合し、そのため、作動運動をそれらに加えると、それらの構成要素が目的の行為、機能及び/又は手順を実行できることを意味する。
【0037】
上で議論したように、交換式シャフト組立体200の少なくとも5つのシステムは、少なくとも5つの、ハンドル14の対応するシステムと動作可能に結合し得る。第1のシステムは、シャフト組立体200のフレーム、つまりスパインをハンドル14のフレーム20と結合する、及び/又は揃えるフレームシステムを含み得る。別のシステムは、ハンドル14の閉鎖トリガー32、閉鎖チューブ260、及びシャフト組立体200のアンビル306を動作可能に連結することができる閉鎖駆動システム30を含み得る。上に概説したように、シャフト組立体200の閉鎖チューブ装着ヨーク250は、第2の閉鎖リンク38上のピン37と係合し得る。別のシステムは、ハンドル14の発射トリガー130をシャフト組立体200の中間発射シャフト222と動作可能に連結することができる発射駆動システム80を備え得る。上で概説したように、シャフト装着ラグ226は、長手駆動部材120のクレードル126に動作可能に連結され得る。別のシステムは、(1)例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル14と動作可能に係合されていることを、例えばマイクロコントローラ7004などのハンドル14内のコントローラに伝えることができ、並びに/又は(2)電力及び/若しくは通信信号をシャフト組立体200とハンドル14との間で伝達することができる電気システムを含み得る。例えば、シャフト組立体200は、シャフト回路基板610に動作可能に取り付けられている電気コネクタ4010を含み得る。電気コネクタ4010は、ハンドル制御基板100上で対応する電気コネクタ4000と噛合い係合するように構成されている。回路及び制御システムに関する更なる詳細は、米国特許出願公開第13/803,086号に見い出され得、この開示全体が、参照することにより本明細書に組み込まれる。第5のシステムは、シャフト組立体200をハンドル14に解放可能にロックするためのラッチングシステムを構成してよい。
【0038】
図2及び3を再び参照すると、ハンドル14は、複数の電気接点を備える電気コネクタ4000を含み得る。ここで
図59を参照すると、電気コネクタ4000は例えば、第1の接点4001aと、第2の接点4001bと、第3の接点4001cと、第4の接点4001dと、第5の接点4001eと、第6の接点4001fとを備えることができる。図示の実施形態は6つの接点を利用しているが、6つを超える接点又は6つ未満の接点を利用できる他の実施形態も考えられる。
図59に示すように、第1の接点4001aはトランジスタ4008と電気通信することができ、接点4001b〜4001eはマイクロコントローラ7004と電気通信することができ、第6の接点4001fは接地と電気通信することができる。特定の状況下で、ハンドル1042が給電状態にあるとき、電気接点4001b〜4001eのうちの1つ又は2つ以上が、マイクロコントローラ7004の1つ又は2つ以上の出力チャネルと電気通信してもよく、また、給電されるか、電位を印加され得る。いくつかの状況下で、電気接点4001b〜4001eのうちの1つ又は2つ以上が、マイクロコントローラ7004の1つ又は2つ以上の入力チャネルと電気通信してもよく、また、ハンドル14が給電状態にあるとき、マイクロコントローラ7004は、そのような電気接点に電位が印加されたことを検知するように構成され得る。例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル14に組み付けられるとき、電気接点4001a〜4001fは互いに通信しなくてもよい。しかしながら、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられていない場合、電気コネクタ4000の電気接点4001a〜4001fは露出していてもよく、またいくつかの状況下で、接点4001a〜4001fのうちの1つ又は2つ以上が、偶発的に互いに電気通信状態にされることもある。かかる状況は、例えば接点4001a〜4001fのうちの1つ又は2つ以上が導電性材料と接触する場合に生じ得る。これが生じると、例えば、マイクロコントローラ7004が誤り入力を受信することがあり、及び/又はシャフト組立体200が誤り出力を受信することがある。この問題に対処するために、様々な状況下で、ハンドル14は、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル14に装着されていないとき、給電されなくてもよい。他の状況下で、ハンドル1042は、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体がハンドル1042に装着されていないときに給電され得る。そのような状況下で、マイクロコントローラ7004は、シャフト組立体がハンドル14に装着されるまで、例えば、マイクロコントローラ7004、すなわち接点4001b〜4001eと電気通信する接点に加えられる入力又は電位を無視するように構成され得る。マイクロコントローラ7004は、そのような状況下でハンドル14の他の機能を操作するために電力を供給されてもよいが、ハンドル14は非給電状態にあってもよい。ある意味で、電気接点4001b〜4001eに加えられる電位がハンドル14の動作に影響することがないので、電気コネクタ4000は非給電状態にあってもよい。読者は、接点4001b〜4001eは非給電状態にあってもよいが、マイクロコントローラ7004と電気通信していない電気接点4001a及び4001fは、非給電状態にあってもなくてもよいことを理解するであろう。例えば、6つの接点4001fは、ハンドル14が給電状態にあるか非給電状態にあるかに関わらず、アースと依然として電気通信することができる。更に、トランジスタ4008、及び/又は例えばトランジスタ4010などの任意の他の好適なトランジスタの配列、及び/又はスイッチは、ハンドル14が給電状態にあるか非給電状態にあるかに関わらず、例えばハンドル14内の電池90などの電源4004から第1の電気接点4001aへの電力の供給を制御するように構成され得る。様々な状況において、例えば、シャフト組立体200は、シャフト組立体200がハンドル14と係合されたときにトランジスタ4008の状態を変化させるように構成され得る。特定の状況において、以下に加えて、ホール効果センサ4002が、トランジスタ4010の状態を切り替えるように構成されることができ、トランジスタ4010はその結果として、トランジスタ4008の状態を切り替え、最終的に電源4004から第1の接点4001aに電力を供給することができる。このようにして、電源回路とコネクタ4000までの信号回路の両方が、シャフト組立体がハンドル14に据え付けられていないときには給電停止され、シャフト組立体がハンドル14に据え付けられているときには給電され得る。
【0039】
様々な状況において、
図59を再び参照すると、ハンドル14は、例えばホール効果センサ4002を含み得、ホール効果センサ4002は、シャフト組立体がハンドル14に結合されるとき、例えばシャフト組立体200などのシャフト組立体上の、例えば磁気素子4007(
図3)などの検知可能な素子を検知するように構成され得る。ホール効果センサ4002は、例えば電池などの電源4006によって給電されることができ、電源4006は実際に、ホール効果センサ4002の検知信号を増幅し、
図59に示す回路を介してマイクロコントローラ7004の入力チャネルと通信する。シャフト組立体がハンドル14に少なくとも部分的に結合されていること、そしてその結果として、電気接点4001a〜4001fが露出しなくなったことを示す入力をマイクロコントローラ7004が受信すると、マイクロコントローラ7004は、通常の、つまり給電動作状態に入ることができる。そのような動作状態において、マイクロコントローラ7004は、その通常の使用時に、シャフト組立体から接点4001b〜4001eのうちの1つ又は2つ以上に伝送された信号を評価し、及び/又は、接点4001b〜4001eのうちの1つ又は2つ以上を通ってシャフト組立体に信号を伝送する。様々な状況において、ホール効果センサ4002が磁気素子4007を検知できるまでに、シャフト組立体1200が完全に着座されなければならない場合がある。ホール効果センサ4002は、シャフト組立体200の存在を検知するために利用され得るが、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられているか否かを検知するために、センサ及び/又はスイッチの任意の好適なシステムが利用され得る。このようにして、上記に加えて、電源回路とコネクタ4000までの信号回路の両方が、シャフト組立体がハンドル14に据え付けられていないときには給電停止され、シャフト組立体がハンドル14に据え付けられているときには給電され得る。
【0040】
様々な実施形態において、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられているか否かを検知するために、任意の個数の磁気検出要素が用いられてよい。例えば、磁場検出に用いられる技術にはとりわけ、探りコイル、フラックスゲート、光ポンピング、核摂動(nuclear precession)、SQUID、ホール効果、異方性磁気抵抗、巨大磁気抵抗、磁気トンネル接合、巨大磁気インピーダンス、磁歪/圧電複合材、磁気ダイオード、磁気トランジスタ、光ファイバ、光磁気、及び微小電気機械システム系の磁気センサが挙げられる。
【0041】
図59を参照すると、マイクロコントローラ7004は一般に、マイクロプロセッサ(「プロセッサ」)と、このプロセッサに動作可能に結合されている、1つ、又は2つ以上のメモリユニットと、を備えてよい。メモリに記憶された命令コードを実行することにより、プロセッサは、例えば、モーター、様々な駆動システム、及び/又はユーザーディスプレイなど、外科用器具の様々な構成要素を制御してよい。マイクロコントローラ7004は、集積型及び/若しくは個々のハードウェア素子、ソフトウェア素子、並びに/又は両者の組み合わせを用いて実装されてよい。集積型のハードウェア素子の例には、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、専用集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を挙げることができる。個々のハードウェア素子の例には、回路及び/又は回路素子(論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、及び/又はリレーなど)を挙げることができる。特定の例において、マイクロコントローラ7004は、例えば、1枚又は2枚以上の基板上に個々の回路素子又は部品と集積型の回路素子又は部品とを備えるハイブリッド回路を有してよい。
【0042】
図59を参照すると、マイクロコントローラ7004は、例えば、Texas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。特定の例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示で容易に代用されてよい。したがって、本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0043】
上で議論したように、ハンドル14及び/又はシャフト組立体200は、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられていない、又は完全には組み付けられていないときに、ハンドル電気コネクタ4000の接点及び/若しくはシャフト電気コネクタ4010の接点がショートしないようにするように構成されているシステムと、構成と、を含み得る。
図3を参照すると、ハンドル電気コネクタ4000は、ハンドルフレーム20に画定された空洞4009内で少なくとも部分的に窪み得る。電気コネクタ4000の6つの接点4001a〜4001fは、空洞4009内で完全に窪み得る。かかる構成により、ある物体が、1つ、又は2つ以上の接点4001a〜4001fと偶発的に接触する可能性を低減できる。同様に、シャフト電気コネクタ4010は、シャフトシャーシ240内に画定された陥凹部内に位置付けられ得、これにより、ある物体が、シャフト電気コネクタ4010の接点4001a〜4001fのうちの1つ、又は2つ以上と偶発的に接触する可能性を低減できる。
図3に示す特定の実施形態に関しては、シャフト接点4011a〜4011fは雄型接点を備え得る。少なくとも1つの実施形態において、各シャフト節点4011a〜4011fは、そこから延びる可撓性突起を備え得、この可撓性突起は、例えば、対応するハンドル接点4001a〜4001fを係合するように構成され得る。ハンドル接点4001a〜4001fは、雌型接点を備え得る。少なくとも1つの実施形態において、各ハンドル接点4001a〜4001fは、例えば平面を備え得、雄型シャフト接点4001a〜4001fは、この平面に接触してこするように移動する、つまりスライドし、これらの間の導電性インターフェイスを維持することができる。様々な例において、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられる方向は、ハンドル接点4001a〜4001fと平行であり得る、又は少なくとも実質的にこれらと並行であり得、シャフト組立体200がハンドル14に組み付けられるとき、シャフト接点4011a〜4011fはハンドル接点4001a〜4001fに接触してスライドする。様々な代替的な実施形態において、ハンドル接点4001a〜4001fは雄型接点を備え得、シャフト接点4011a〜4011fは雌型接点を備え得る。特定の代替的な実施形態において、ハンドル接点4001a〜4001f及びシャフト接点4011a〜4011fは、任意の好適な節点構成を備え得る。
【0044】
様々な例において、ハンドル14は、ハンドル電気コネクタ4000を少なくとも部分的に被覆するように構成されているコネクタガード、及び/又はシャフト電気コネクタ4010を少なくとも部分的に被覆するように構成されているコネクタガードを備え得る。シャフト組立体がハンドルに組み付けられていない、又は部分的にだけ組み付けられているとき、コネクタガードは、ある物体が、電気コネクタの接点と偶発的に接触しないようにし得る、又は少なくともかかる可能性を低減し得る。コネクタガードは可動式である。例えば、コネクタガードは、少なくとも部分的にコネクタを保護する保護位置と、コネクタを保護しない、又は少なくともそれほど保護しない非保護位置との間を移動し得る。少なくとも1つの実施形態において、コネクタガードは、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるときに移動し得る。例えば、ハンドルがハンドルコネクタガードを備える場合、シャフト組立体は、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるときに、ハンドルコネクタガードと接触し、これを移動させ得る。同様に、シャフト組立体がシャフトコネクタガードを備えるとき、ハンドルは、シャフト組立体がハンドルに組み付けられるときに、シャフトコネクタガードと接触し、これを移動させ得る。様々な例において、コネクタガードは、例えばドアを備え得る。少なくとも1つの例において、ドアは、ハンドル又はシャフトと接触すると、特定の方向にドアを移動させやすくできる傾斜面を備え得る。様々な例において、コネクタガードは、例えば、移動できる、及び/又は回転できる。特定の例において、コネクタガードは、電気コネクタの接点を被覆する、少なくとも1つのフィルムを備え得る。シャフト組立体がハンドルに組み付けられると、フィルムは破断し得る。少なくとも1つの例において、コネクタの雄型接点は、フィルムの下に位置する対応接点を係合する前に、フィルムを貫通し得る。
【0045】
上述したように、外科用器具は、選択的に電気コネクタの接点、例えば電気コネクタ4000などに給電する、つまり起動できるシステムを含み得る。様々な例において、接点は、非起動状態と停止状態との間を移行し得る。特定の例において、接点は、監視状態、停止状態、及び起動状態の間を移行し得る。例えば、マイクロコントローラ7004は接点4001a〜4001fを監視して、例えば、シャフト組立体がハンドル14に組み付けられていないときに、接点4001a〜4001fのうちの1つ、又は2つ以上がショートしているかどうかを判定できる。マイクロコントローラ7004は、接点4001a〜4001fのそれぞれに低電位を加え、各接点において最小抵抗のみが存在するかどうかを評価するように構成され得る。かかる動作状態は、監視状態を含み得る。接点において検知された抵抗が高い、つまり閾値抵抗を超える場合、マイクロコントローラ7004は、その接点、1つ以上の接点、あるいは、すべての接点を停止することができる。かかる動作状態は、停止状態を含み得る。シャフト組立体がハンドル14に組み付けられ、上で議論したように、マイクロコントローラ7004によって検知される場合、マイクロコントローラ7004は、接点4001a〜4001fに対する電位を増大させることができる。かかる動作状態は、起動状態を含み得る。
【0046】
本明細書で開示する様々なシャフト組立体はセンサ及びハウジング内のコントローラとの電気通信を必要とする、様々な他の構成要素を用いてよい。これらのシャフト組立体は、一般に、ハウジングに対して回転できるように構成されており、互いに対して回転してよい2つ以上の構成要素間でのかかる電気通信を容易にする接続を必要とする。本明細書で開示する種類のエンドエフェクタを用いるとき、コネクタ装置は、本質的に比較的堅牢である必要があり、一方では、シャフト組立体のコネクタ部に適合するようにやや小型でもある。
【0047】
図19〜22は、例えば、交換式シャフト組立体1200又は互いに対して回転する構成要素間での電気的接続を必要とする様々な他の用途で使用され得る電気連結器、つまりスリップリングコネクタ1600の一形態を示す。シャフト組立体1200は、本明細書に記載のシャフト組立体200に類似し、閉鎖チューブ、つまり外側シャフト1260と、近位ノズル1201(ノズル1201の上半分は明確にするために省略した)と、を含んでよい。例示の実施例において、外側シャフト1260は、シャフトスパイン1210上に取り付けられ、外側チューブ1260は、その上で選択的に軸方向に移動可能であってよい。シャフトスパイン1210の近位端及び外側チューブ1260は、シャーシ1240に回転可能に結合されて、それに対してシャフト軸SA−SAの周りを回転してよい。上で議論したように、近位ノズル1201は、取り付け具、つまり取り付けラグ1204(
図20)を含んでよく、取り付けラグ1204は、ノズル部から内向きに突出し、外側チューブ1260の対応する開口部1266を通って延びて、シャフトスパイン1210の対応する陥凹部1211に着座される。したがって、外側シャフト1260及びスパインシャフト1210、そして恐らくこれらに結合されたエンドエフェクタ(図示なし)をシャーシ1240に対してシャフト軸SA−SAの周りを回転させるには、臨床医は、
図19の矢印「R」で示すように、ノズル1201を単純に回転させる。
【0048】
例えば、エンドエフェクタ又はシャフト組立体内若しくはその上の位置においてセンサが用いられるとき、導線及び/又はトレース(図示なし)など導体は、外側チューブ1260内に受容されるか、取り付けられてよく、又は更には、センサから、ノズル1201内に取り付けられた遠位電気部品1800まで外側チューブ1260に沿って配策され得る。したがって、遠位電気部品1800は、シャフト軸SA−SAの周りをノズル1201と共に回転可能である。
図20に示す実施形態では、電気部品1800は、互いから横方向に変位した、接点1802、1804、1806、及び1808を含む、コネクタ、電池などを備える。
【0049】
スリップリングコネクタ1600は取り付け部材1610を更に含み、取り付け部材1610は、環状取り付け面1613を画定する円筒状本体部1612を含む。遠位フランジ1614は、円筒状本体部1612の少なくとも一端に形成されてよい。取り付け部材1610の本体部1612は、シャーシ1240上の取り付けハブ1241に回転不能に取り付けられる寸法である。図示の実施形態において、1つの遠位フランジ1614が、本体部1612の一端に設けられる。第2のフランジ1243は、本体部1612がシャーシ1240の上に固定して(回転不能に)取り付けられるとき、第2のフランジ1243が本体部1612の近位端に隣接するように、シャーシ1240上に形成される。
【0050】
スリップリングコネクタ1600はまた、独自で新規な環状回路トレース組立体1620を用い、環状回路トレース組立体1620は、第1のフランジ1614と第2のフランジ1243との間に受容されるように、本体部1612の環状取り付け面1613に巻き付けられている。ここで
図21及び22を参照すると、回路トレース組立体1620は、本体部1612の外周(すなわち、環状取り付け面1613)に巻き付けられてよい、接着剤付きの可撓性基板1622を備えてよい。本体部1612への巻き付けに先立って、可撓性基板1622は、第1の環状部1624と、リード部1626と、を備える「T字形」を有してよい。
図19〜21でも分かるように、回路トレース組立体1620は、回路トレース1630、1640、1650、1660を更に含んでよく、これらの回路トレースは、例えば、導電性金メッキトレースを含んでよい。しかしながら、他の導電性金属を用いてもよい。各導電性回路トレースは、環状部から横方向に延びる、つまり垂直に延びる別の「リード部」と同様に、本体部1612に基板が巻き付けられるときにトレースの環状部分を形成する「環状部」を含む。より具体的には、
図22を参照すると、第1の導電性回路トレース1630は、第1の環状部1632と、第1のリード部1634と、を有する。第2の導電性回路トレース1640は、第2の環状部1642と、そこから横方向、つまり垂直に延びる第2のリード部1644と、を有する。第3の導電性回路トレース1650は、第3の環状部1652と、そこから横方向、つまり垂直に延びる第3のリード部1654と、を有する。第4の導電性回路トレースは、第4の環状部1662と、そこから横方向、つまり垂直に延びる第4のリード部1664と、を有する。導電性回路トレース1630、1640、1650、1660は、基板が平面配向にあるときに(すなわち、取り付け部材1610の環状本体部1612への巻き付けに先立って)従来の製造技術を使用して、可撓性基板1622に適用されてよい。
図22で分かるように、環状部1632、1642、1652、1662は、互いから横方向に変位している。同様に、リード部1634、1644、1654、1664は、互いから横方向に変位している。
【0051】
回路トレース組立体1620が環状取り付け面1613に巻き付けられ、接着剤、両面テープなどで貼り付けられるとき、環状部1632、1642、1652、1664を含む基材部分の端部は、環状部1632、1642、1652、1664がシャフト軸SA−SAの周囲に延びる個々の連続環状導電経路1636、1646、1656、1666をそれぞれ形成するように、共に接合される。したがって、導電経路1636、1646、1656、及び1666は、シャフト軸SA−SAに沿って互いから横方向、つまり軸方向に変位している。リード部1626は、フランジ1243のスロット1245を通って延びて、回路基板(例えば、
図7−回路基板610を参照)又は他の好適な電気部品と電気的に結合してよい。
【0052】
例えば、図示した実施形態において、電気部品1800は、取り付け部材1610の周りを回転するためにノズル1261内に取り付けられて、接点1802が第1の環状導電経路1636と常に電気的に接続し、接点1804が第2の環状導電経路1646と常に電気的に接続し、接点1806が第3の環状導電経路1656と常に電気的に接続し、接点1808が第4の環状導電経路1666と常に電気的に接続するようにする。しかしながら、スリップリングコネクタ1600の様々な利点は、取り付け部材1610がシャフト軸SA−SAの周りを回転するために支持されて、電気部品1800がそれに対して固定して取り付けられる用途においても得られてよいことが理解されるであろう。更に、スリップリングコネクタ1600は、様々な異なる構成要素及び互いに対して回転する構成要素の間に電気的接続をもたらすことが望ましい、外科以外の分野での用途に関連して効果的に用いられてよいことが理解されるであろう。
【0053】
スリップリングコネクタ1600は、シャフト回転後の任意の径方向位置とやり取りする通過信号及び電力の導電性接触手段を提供する、径方向スリップリングを備える。電気部品が電池接点を備える用途において、電池接点の位置は、取り付け部材に対して位置付けられて、これらの構成要素間で積み重なる任意の公差を最低限に抑え得る。連結器装置は、最小の製造コストで組み立てられ得る、低コストの連結装置を示してよい。金メッキトレースはまた、腐食の可能性を最低限に抑えてよい。独自で新規な接点構成により、対応する環状導電経路との電気的接続を維持しつつ、シャフト軸SA−SAの周りでの完全な時計回り及び反時計回りが容易になる。
【0054】
図23〜25は、例えば、交換式シャフト組立体1200’又は互いに対して回転する構成要素間での電気的接続を必要とする様々な他の用途で使用され得る電気連結器、つまりスリップリングコネクタ1600’の一形態を示す。シャフト組立体1200’は、本明細書に記載のシャフト組立体1200に類似して、閉鎖チューブ、つまり外側シャフト1260と、近位ノズル1201(ノズル1201の上半分は明確にするために省略した)と、を含んでよい。例示の実施例において、外側シャフト1260は、シャフトスパイン1210上に取り付けられ、外側チューブ1260は、その上で選択的に軸方向に移動可能であってよい。シャフトスパイン1210の近位端及び外側チューブ1260は、シャーシ1240’に回転可能に結合されて、それに対してシャフト軸SA−SAの周りを回転してよい。上で議論したように、近位ノズル1201は、取り付け具、つまり取り付けラグを含んでよく、取り付けラグは、ノズル部から内向きに突出し、外側チューブ1260の対応する開口部1266を通って延びて、シャフトスパイン1210の対応する陥凹部1211に着座される。したがって、外側シャフト1260及びスパインシャフト1210、恐らくこれらに結合されたエンドエフェクタ(図示なし)をシャーシ1240’に対してシャフト軸SA−SAの周りを回転させるには、臨床医は、
図23の矢印「R」で示すように、ノズル1201を単純に回転させる。
【0055】
例えば、エンドエフェクタ又はシャフト組立体内若しくはその上の位置においてセンサが用いられるとき、導線及び/又はトレース(図示なし)など導体は、外側チューブ1260内に受容されるか、取り付けられてよく、又は更には、センサからノズル1201内に取り付けられた遠位電気部品1800’まで外側チューブ1260に沿って配策され得る。したがって、遠位電気部品1800’は、ノズル1201及びそこに装着された導線/トレースと共に回転可能である。
図23に示す実施形態では、電気部品1800は、互いから横方向に変位した、接点1802’、1804’、1806’、及び1808’を含む、コネクタ、電池などを備える。
【0056】
スリップリングコネクタ1600’は、共に積層された複数の導電リングから製造された、積層スリップリング組立体1610’を更に含む。より具体的には、
図25を参照すると、スリップリング組立体1610’の一形態は、スリップリング組立体1610’の遠位端を形成する、第1の非導電性フランジ1670を備えてよい。フランジ1670は、例えば、高耐熱性材料から製造されてよい。第1の導電リング1680は、第1のフランジ1670に直ぐ隣接して位置付けられている。第1の導電リング1680は、上に第1の金メッキ1682を有する第1の銅リング1681を備えてよい。第2の非導電リング1672は、第1の導電リング1680に隣接している。第2の導電リング1684は、第2の非導電リング1672に隣接している。第2の導電リング1684は、上に第2の金メッキ1686を有する第2の銅リング1685を備えてよい。第3の非導電リング1674は、第3の導電リング1684に隣接している。第3の導電リング1688は、第3の非導電リング1674に隣接している。第3の導電リング1688は、上に第3の金メッキ1690を有する第3の銅リング1689を備えてよい。第4の非導電リング1676は、第3の導電リング1688に隣接している。第4の導電リング1692は、第4の非導電リング1676に隣接している。第4の導電リング1692は、第4の非導電リング1676に隣接している。第5の非導電リング1678は、第4の導電リング1692に隣接し、取り付け部材1610’の近位端を形成する。非導電リング、1670、1672、1674、1676、及び1678は、同一材料から製造されてよい。第1の導電リング1680は、第1の環状導電経路1700を形成する。第2の導電リング1682は、第2の環状導電経路1702を形成し、第2の環状導電経路1702は、第1の環状導電経路1700から横方向、つまり軸方向に離隔されている。第3の導電リング1688は、第3の環状導電経路1704を形成し、第3の環状導電経路1704は、第2の環状導電経路1702から横方向、つまり軸方向に離隔されている。第4の導電リング1692は、第4の環状導電経路1706を形成し、第4の環状導電経路1706は、第3の環状導電経路1704から横方向、つまり軸方向に離隔されている。スリップリング組立体1610’は、電磁成形(EMF−電磁成形された)銅リング用のチャネル内で成型された、一体形成の高耐熱非導電材料を含む。
【0057】
図24で分かるように、スリップリングコネクタ1600’は、非導電横方向取り付け部材1720を更に含み、横方向取り付け部材1720は、リング1670、1680、1672、1684、1674、1688、1676、1692及び、1678のそれぞれの、軸方向に整列したノッチに挿入されるように適合されている。横方向取り付け部材1720は、その上に第1の回路トレース1722を有し、第1の回路トレース1722は、横方向取り付け部材1672がノッチ1710内に取り付けられたとき、第1の環状導電経路1700と電気的に接続するように適合されている。同様に、第2の回路トレース1724は、横方向取り付け部材1720上に印刷され、第2の環状導電経路1702と電気的に接続するように構成されている。第3の回路トレース1726は、横方向取り付け部材1720上に印刷され、第3の環状導電経路1704と電気的に接続するように構成されている。第4の回路トレース1728は、横方向取り付け部材1720上に印刷され、第4の環状導電経路1706と電気的に接続するように構成されている。
【0058】
図23〜25に示す構成において、スリップリング組立体1610’は、シャーシ1240’上の取り付けハブ1241’に固定して(非回転可能に)受容されるように構成されている。横方向取り付け部材1720は、取り付けハブ1241’に形成された溝1243’内に受容され、溝1243’は横方向取り付け部材1720のキー溝として機能し、スリップリング組立体1610’が取り付けハブ1241’に対して回転しないようにするのに役立つ。
【0059】
例えば、図示した実施形態において、電気部品1800’は、スリップリング組立体1610’の周りを回転するためにノズル1201内に取り付けられて、接点1802’が第1の環状導電経路1700と常に電気的に接続し、接点1804’が第2の環状導電経路1702と常に電気的に接続し、接点1806’が第3の環状導電経路1704と常に電気的に接続し、接点1808’が第4の環状導電経路1706と常に電気的に接続するようにする。しかしながら、スリップリングコネクタ1600’の様々な利点は、スリップリング組立体1610’がシャフト軸SA−SAの周りを回転するために支持されて、電気部品1800’がそれに対して固定して取り付けられる用途においても得られてよいことが理解されるであろう。更に、スリップリングコネクタ1600’は、様々な異なる構成要素及び互いに対して回転する構成要素の間に電気的接続をもたらすことが望ましい、外科以外の分野での用途に関連して効果的に用いられてよいことが理解されるであろう。
【0060】
スリップリングコネクタ1600’は、シャフト回転後の任意の径方向位置とやり取りする通過信号及び電力の導電性接触手段を提供する、径方向スリップリングを備える。電気部品が電池接点を備える用途において、電池接点の位置は、取り付け部材に対して位置付けられて、これらの構成要素間で積み重なる任意の公差を最低限に抑え得る。スリップリングコネクタ1600’は、最小の製造コストで組み立てられ得る、低コストの連結装置を示してよい。金メッキトレースはまた、腐食の可能性を最低限に抑えてよい。独自で新規な接点構成により、対応する環状導電経路との電気的接続を維持しつつ、シャフト軸の周りでの完全な時計回り及び反時計回りが容易になる。
【0061】
図26〜30は、例えば、交換式シャフト組立体1200’’又は互いに対して回転する構成要素間での電気的接続を必要とする様々な他の用途で使用され得る電気連結器、つまりスリップリングコネクタ1600’’の一形態を示す。シャフト組立体1200’’は、以下に記載する相違点以外は本明細書に記載のシャフト組立体1200及び/又は1200’に類似してよい。シャフト組立体1200’’は、閉鎖チューブ、つまり外側シャフト1260と、近位ノズル1201(ノズル1201の上半分は明確にするために省略した)と、を含んでよい。例示の実施例において、外側シャフト1260は、シャフトスパイン1210上に取り付けられ、外側チューブ1260は、その上で選択的に軸方向に移動可能であってよい。シャフトスパイン1210の近位端及び外側チューブ1260は、シャーシ1240’’に回転可能に結合されて、それに対してシャフト軸SA−SAの周りを回転してよい。上で議論したように、近位ノズル1201は、取り付け具、つまり取り付けラグを含んでよく、取り付けラグは、ノズル部から内向きに突出し、外側チューブ1260の対応する開口部1266を通って延びて、シャフトスパイン1210の対応する陥凹部1211に着座される。したがって、外側シャフト1260及びスパインシャフト1210、そして恐らくこれらに結合されたエンドエフェクタ(図示なし)をシャーシ1240’’に対してシャフト軸SA−SAの周りを回転させるには、臨床医は、ノズル1201を単純に回転させる。
【0062】
例えば、エンドエフェクタ又はシャフト組立体内若しくはその上の位置においてセンサが用いられるとき、導線及び/又はトレース(図示なし)など導体は、外側チューブ1260内に受容されるか、取り付けられてよく、又は更には、センサから、ノズル1201内に取り付けられた遠位電気部品1800’’まで外側チューブ1260に沿って配策され得る。図示の実施形態において、例えば、電気部品180’’は、シャフト軸SA−SAと実質的に揃うようにノズル1201内に取り付けられる。遠位電気部品1800’’は、ノズル1201及びそこに装着された導線/トレースと共にシャフト軸SA−SAの周りを回転可能である。電気部品1800’’は、互いから横方向に変位した、接点1802’’、1804’’、1806’’、及び1808’’を含む、コネクタ、電池などを備える。
【0063】
スリップリングコネクタ1600’’はスリップリング組立体1610’’を更に含み、スリップリング組立体1610’’は、非導電材料から製造され、貫通する中央取り付け孔1902を有するベースリング1900を含む。取り付け孔1902は平面1904を有し、シャーシ1240’’の遠位端において支持される取り付けフランジ組立体1930に回転しないように装着されるように構成されている。ベースリング1900の遠位側1905は、そこに装着された、つまり積層された、一連の同心導電リング1906、1908、1910、及び1912を有する。リング1906、1908、1910、及び1912は、任意の好適な方法でベースリング1900に装着されてよい。
【0064】
ベースリング1900は、そこを通って延びる回路トレースを更に含んでよく、回路トレースは、導電リング1906、1908、1910、及び1912のそれぞれに結合される。ここで
図28〜30を参照すると、第1の回路トレース1922はベースリング1900内の第1の孔1920を通って延び、第1の導電リング1906に結合される。第1の回路トレース1922は、ベースリング1900の近位側1907にある第1の近位接点部1924で終結する。これについては、
図30を参照されたい。同様に、第2の回路トレース1928はベースリング1900内の第2の孔1926を通って延び、第2の導電リング1908に結合される。第2の回路トレース1928は、ベースリング1900の近位側1907にある第2の近位接点部1930で終結する。第3の回路トレース1934はベースリング内の第3の孔1932を通って延び、第3の導電リング1910に装着される。第3の回路トレース1934は、ベースリングの近位側1907にある第3の近位接点1936で終結する。第4の回路トレース1940はベースリング1900内の第4の孔1938を通って延び、第4の導電リング1912に結合される。第4の回路トレース1940は、ベースリング1900の近位側1907にある第4の近位接点部1942で終結する。
【0065】
ここで
図27を参照すると、ベースリング1900は、取り付けフランジ1950によってノズル1201内に非回転可能に支持されるように構成され、取り付けフランジ1950は、シャーシ1240’’の取り付けハブ部1241’’に非回転可能に結合されている。取り付けハブ部1241’’は、平面1243’’と共に形成されてよく、一定種類の横方向取り付け部材、例えば、回路基板又は本明細書及び米国特許出願公開第13/803,086号に記載の様々な方式及び構成でシャーシ上に支持される他の対応する電気部品に結合されてよい、例えば、複数(好ましくは4つ)のリード部を含む上記に記載の種類の横方向取り付け部材を支持する。横方向取り付け部材は、明確にするために
図26及び27で省略した。しかしながら、
図26及び27で分かるように、取り付けフランジ1950はその中にノッチ1952を有し、ノッチ1952は、取り付けハブ部1241’’上で平面1243’’の一部を係合するように適合されている。
図27で分かるように、取り付けフランジ1950は、フランジハブ部1954を更に含んでよく、フランジハブ部1954は、ベースリング1900を取り付けフランジ1950に固定して装着するように機能する、一連のばねタブ1956を備える。閉鎖チューブ1260及びスパイン1210は、フランジハブ1954を通って延び、これらに対してノズル1201と共に回転可能であることを理解されたい。
【0066】
例えば、図示した実施形態において、電気部品1800’’は、例えば、ノズル1201がシャーシ1240’’に対して回転するときでも、部品1800’’中の接点1802’’がリング1906と常に電気的に接続し、接点1804’’がリング1908と接続し、接点1806’’がリング1910と接続し、接点1808’’がリング1912と接続するように、ノズル1201内に取り付けられてスリップリング組立体1610’’の周りを回転する。しかしながら、スリップリングコネクタ1600’’の様々な利点は、スリップリング組立体1610’’がシャフト軸SA−SAの周りを回転するために支持されて、電気部品1800’’がそれに対して固定して取り付けられる用途においても得られてよいことが理解されるであろう。更に、スリップリングコネクタ1600’’は、様々な異なる構成要素及び互いに対して回転する構成要素の間に電気的接続をもたらすことが望ましい、外科以外の分野での用途に関連して効果的に用いられてよいことが理解されるであろう。
【0067】
スリップリングコネクタ1600’’は、シャフトの回転後の任意の径方向位置とやり取りする通過信号及び電力の導電性接触手段を提供する、径方向スリップリングを備える。電気部品が電池接点を備える用途において、電池接点の位置は、取り付け部材に対して位置付けられて、これらの構成要素間で積み重なる任意の公差を最低限に抑え得る。スリップリングコネクタ1600’’は、最小の製造コストで組み立てられ得る、低コストの連結装置を示してよい。独自で新規な接点構成により、対応する環状導電リングとの電気的接続を維持しつつ、シャフト軸の周りでの完全な時計回り及び反時計回りが容易になる。
【0068】
図31〜36は、モーター駆動の外科用締結及び切断器具2000を概して示す。
図31及び32に示すように、外科用器具2000は、ハンドル組立体2002と、シャフト組立体2004と、電源組立体2006(つまり「電源」又は「電源パック」)と、を含んでよい。シャフト組立体2004は、特定の状況において、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得る、エンドエフェクタ2008を含んでよいが、他の例においては、他の種類の外科用装置、把持具、カッター、ステープラー、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療用装置、超音波装置、RF装置、及び/又はレーザー装置などのためのエンドエフェクタなど、異なる種類のエンドエフェクタが使用されてよい。いくつかのRF装置が、1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」に見い出され得る。1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」のすべての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0069】
主として
図32及び33を参照すると、ハンドル組立体2002は、例えば、シャフト組立体2004など複数の交換式シャフト組立体で用いることができる。かかる交換式シャフト組立体は、1つ、又は2つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2008など、外科用エンドエフェクタを備えてよい。好適な交換式シャフト組立体の例は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に開示されている。2013年3月14日出願の米国特許仮出願61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0070】
主として
図32を参照すると、ハンドル組立体2002は、ハンドル2012からなるハウジング2010を備えてよく、ハンドル2012は、臨床医によって握持、操作、及び作動されるように構成されてよい。しかしながら、本明細書で開示する様々な形態の交換式シャフト組立体の、様々な独自で新規な構成が、ロボット制御される外科用システムと関連させて効果的に用いられてもよいことを理解されたい。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書で開示する交換式シャフト組立体及びそれらに対応する等価物を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御動作を生成し加えるように構成されている、少なくとも1つの駆動システムを収容するか、ないしは別様に動作可能に支持するロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してよい。例えば、本明細書で開示する交換式シャフト組立体は、米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられ得る。米国特許出願第13/118,241、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0071】
再び
図32を参照すると、ハンドル組立体2002は、その中に複数の駆動システムを動作可能に支持してよく、それらの駆動システムは、ハンドル1042に動作可能に装着された交換式シャフト組立体の対応部分に、様々な制御動作を生成し、加えるように構成され得る。例えば、ハンドル組立体2002は、第1の、つまり閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、ハンドル組立体2002に動作可能に装着される、又は結合されるシャフト組立体2004に閉鎖及び開放動作を加えるために用いられてよい。少なくとも1つの形態において、ハンドル組立体2002は、発射駆動システムを動作可能に支持してよく、この発射駆動システムは、それに装着された交換式シャフト組立体の対応部分に発射動作を加えるように構成され得る。
【0072】
主として
図33を参照すると、ハンドル組立体2002はモーター2014を含んでよく、モーター2014は、モーター駆動部2015によって制御され得、外科用器具2000の発射システムによって用いられ得る。様々な形態において、モーター2014は、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モーターであってもよい。他の構成において、モーター2014には、ブラシレスモーター、コードレスモーター、同期モーター、ステッパモーター、又は任意の他の好適な電気モーターを挙げることができる。特定の状況において、モーター駆動部2015は、例えば、
図33に示すように、HブリッジFETを備えてよい。モーター2014は、解放可能にハンドル組立体2002に取り付けられ得る電源組立体2006(
図35)によって電力供給され得、電源組立体2006は、外科用器具2000に制御電力を供給するように構成されている。電源組立体2006は、電池2007(
図36)を備えてよく、電池2007は、外科用器具2000に電力を供給する電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池を含んでよい。かかる構成において、電源組立体2006は、電池パックと呼ばれてよい。特定の状況において、電源組立体2006の電池は、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例において、電池は、分離可能に電源組立体2006に結合可能なリチウムイオン電池である。
【0073】
外科用器具2000で使用するのに好適な駆動システム及び閉鎖システムの例は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に開示されており、この特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。例えば、電気モーター2014は、回転可能なシャフト(図示なし)を含み得、この回転可能なシャフトは、縦移動式駆動部材上の駆動歯の組、つまりラックとの噛合い係合をなして取り付けられ得る歯車減速機組立体と動作可能に連係してよい。使用の際、電池2007(
図36)によって与えられる電圧極性は、縦移動式駆動部材を駆動してエンドエフェクタ2008を作動させるように、電気モーター2014を動作させ得る。例えば、モーター2014は、例えば、縦移動式駆動部材を駆動して、発射機構を前進させ、エンドエフェクタ2008に組み込まれたステープルカートリッジからエンドエフェクタ2008によって捕捉された組織に向けてステープルを発射し、及び/又は切断部材2011を前進させ(
図34)、エンドエフェクタ2008によって捕捉された組織を切断するように構成され得る。
【0074】
特定の状況において、外科用器具2000はロックアウト機構を備えて、ユーザーが、不適合なハンドル組立体及び電源組立体を結合しないようにしてよい。例えば、
図35に示すように、電源組立体2006は、嵌合素子2011を含んでよい。特定の状況において、嵌合素子2011は、電源組立体2006からの延びるタブであり得る。特定の例において、ハンドル組立体2002は、嵌合素子2011と噛合い係合するための、対応する嵌合素子(図示なし)を備えてよい。かかる構成は、不適合のハンドル組立体及び電源組立体を結合しないようにするのに有用であり得る。
【0075】
読者は、異なる交換式シャフト組立体が異なる電力要件を有することを理解するであろう。エンドエフェクタを通って切断部材を前進させるため、及び/又はステープルを発射させるために必要な電力は、例えば、切断部材の移動距離、使用するステープルカートリッジ、及び/又は処置する組織の種類に応じて異なってよい。つまり、電源組立体2006は、様々な交換式シャフト組立体の電力要件を満たすように構成され得る。例えば、
図34に示すように、シャフト組立体2004の切断部材2011は、エンドエフェクタ2008に沿って距離D1を移動するように構成され得る。他方では、別の交換式シャフト組立体2004’は切断部材2011’を含んでよく、切断部材2011は、交換式シャフト組立体2004’のエンドエフェクタ2008’に沿って、距離D1とは異なる距離D2を移動するように構成され得る。電源組立体2006は、例えば、モーター2014に電力を供給して切断部材2011に距離D1を前進させるために十分である第1の電力出力をもたらすように構成され得、一方、交換式シャフト組立体2004はハンドル組立体2002に結合されており、また、例えば、モーター2014に電力を供給して切断部材2011’に距離D2を前進させるために十分である、第1の電力出力とは異なる第2の電力出力をもたらすように構成され得、一方、交換式シャフト組立体2004はハンドル組立体2002に結合されている。
図33に示し、以下で更に詳細に説明するように、電源組立体2006は、電力管理コントローラ2016(
図36)を含んでよく、電力管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力を変調して、例えば、モーター2014に電力を供給して切断部材2011に距離D1を前進させる第1の電力出力を伝達し、一方、交換式シャフト組立体2004はハンドル組立体2002に結合されており、例えば、モーター2014に電力を供給して切断部材2011‘に距離D2を前進させる第2の電力出力を伝達し、一方、交換式シャフト組立体2004’はハンドル組立体2002に結合されているように構成され得る。かかる変調は、ハンドル組立体2002に結合されている交換式シャフト組立体の要件を超えてモーター2014に過剰電力が伝送されないようにするのに有用であり得る。
【0076】
再び
図32〜36を参照すると、ハンドル組立体2002は、交換式シャフト組立体、例えば、シャフト組立体2004などに解放可能に結合され得る、又は装着され得る。特定の例において、ハンドル組立体2002は、電源組立体2006に解放可能に結合され得る、又は装着され得る。様々な結合手段を用いて、ハンドル組立体2002をシャフト組立体2004及び/又は電源組立体2006に解放可能に結合し得る。例示的な結合機構は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に説明されている。例えば、シャフト組立体2004はシャフト装着モジュール2018(
図32)を含んでよく、シャフト装着モジュール2018は、シャフト装着モジュール2018に枢動可能に結合されていて、それに対して選択的に枢動移動するロックヨークと協働するように構成されてよい、ラッチアクチュエータ組立体を更に含んでよく、ロックヨークは、ハンドル組立体2002のハンドル組立体装着モジュール(hand assembly attachment module)2020の対応するロック移動止め、つまり溝と解放可能に係合するように構成されている、近位突出ロックラグを含んでよい。
【0077】
ここで主として
図33〜36を参照すると、シャフト組立体2004はシャフト組立体コントローラ2022を含んでよく、シャフト組立体コントローラ2022は、インターフェイス2024を介して電力管理コントローラ2016と通信でき、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。例えば、インターフェイス2024は、対応するシャフト組立体電気コネクタ2028と連結係合するための1つ、又は2つ以上の電気コネクタ2026を含んでよい、第1のインターフェイス部2025と、対応する電源組立体電気コネクタ2032と連結係合するための1つ、又は2つ以上の電気コネクタ2030を含んでよい、第2のインターフェイス部2027と、を備えて、シャフト組立体コントローラ2022と電力管理コントローラ2016との間の電気通信を可能にしてよく、一方、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。1つ、又は2つ以上の通信信号は、インターフェイス2024を介して送信されて、電力管理コントローラ2016に装着された交換式シャフト組立体2004の電力要件のうちの1つ、又は2つ以上を通信できる。それに応答して、電力管理コントローラは、以下でより詳細に説明するように、装着されたシャフト組立体2004の電力要件に従って、電源組立体2006の電池2007の電力出力を変調してよい。特定の状況において、電気コネクタ2026、2028、2030、及び/又は2032のうちのうちの1つ、又は2つ以上は、スイッチを備えてよく、このスイッチは、ハンドル組立体2002のシャフト組立体2004への機械的な連結係合後、及び/又は電源組立体2006への連結係合後に起動して、シャフト組立体コントローラ2022と電力管理コントローラ2016との間の電気通信を可能することができる。
【0078】
特定の状況において、インターフェイス2024は、電力管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間での1つ、又は2つ以上の通信信号を、例えば、ハンドル組立体2002に存在する主コントローラ2017(
図33)を経由してかかる通信信号を送信することによって、容易に送信し得る。他の状況において、インターフェイス2024は、ハンドル組立体2002を介した電力管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間の通信の直通化を容易にし、一方、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。
【0079】
1つの例において、主マイクロコントローラ2017は、ARM Cortex(Texas Instruments)という商標名で既知のものなど任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。1つの例において、外科用器具2000は、例えば、Hercules ARM Cortex R4(これもTexas Instruments)という商標名で既知のTMS570及びRM4xなど2つのマイクロコントローラベースファミリを備える安全マイクロコントローラプラットフォームなど電力管理コントローラ2016を備えてよい。しかしながら、マイクロコントローラ及び安全プロセッサの他の好適な代用物が制限なく用いられてよい。1つの例において、安全プロセッサ1004は、特にIEC 61508及びISO 26262の安全を最重要視する用途向けに構成されていてよく、とりわけ、拡張可能な性能、接続性、及びメモリオプションを提供しつつ、高度な統合安全機能を提供する。
【0080】
特定の例において、マイクロコントローラ2017は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。少なくとも1つの例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、製品データシートから容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0081】
ここで主として
図36及び37を参照すると、電源組立体2006は電力管理回路2034を備えてよく、電力管理回路2034は、電力管理コントローラ2016と、電力変調器2038と、電流検出回路2036と、を備えてよい。電力管理回路2034は、シャフト組立体2004の電力要件に基づいて電池2007の電力出力を変調するように構成され得、一方、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。例えば、電力管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力の電力変調器2038を制御するようにプログラミングされ得、電流検出回路2036は、
図37に示すように、電力管理コントローラ2016が電源組立体2006の電力出力を調整して所望の出力を維持し得るように、電源組立体2006の電力出力を監視して、電池2007の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ2016に提供するために用いられ得る。
【0082】
注目するべきは、電力管理コントローラ2016及び/又はシャフト組立体コントローラ2022が、多数のソフトウェアモジュールを記憶してよい、プロセッサ及び/又はメモリユニットをそれぞれ1つ、又は2つ以上備えてよいことである。外科用器具2000の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されよう。更に、様々な例は、記述を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記述され得るが、かかるモジュール及び/又はブロックは、1つ、又は2つ以上の、例えばプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタのような、ハードウェアコンポーネント、及び/又は、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックのようなソフトウェアコンポーネント、及び/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
【0083】
特定の例において、外科用器具2000は出力装置2042を備えてよく、出力装置2042は、感覚フィードバックをユーザーに提供するために1つ、又は2つ以上の装置を含んでよい。このような装置は、例えば、視覚フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。特定の状況において、出力装置2042はディスプレイ2043を備えてよく、ディスプレイ2043は、
図36に示すように、ハンドル組立体2002に含まれてよい。シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016は、出力装置2042を介して外科用器具2000のユーザーにフィードバックを提供し得る。インターフェイス2024は、シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016を出力装置2042に接続するように構成され得る。読者は、出力装置2042が、代わりに電源組立体2006と一体化され得ることを理解するであろう。かかる状況において、出力装置2042とシャフト組立体コントローラ2022との通信は、インターフェイス2024を介して行われてよく、一方、シャフト組立体2004はハンドル組立体2002に結合されている。
【0084】
図38及び39を参照すると、外科用器具2050が示されている。外科用器具2050は、多くの点において、外科用締結及び切断器具2000(
図31)に類似している。例えば、外科用器具2050は、多くの点においてエンドエフェクタ2008に類似しているエンドエフェクタ2052を含んでよい。例えば、エンドエフェクタ2052は、組織をクランピング、切断、及びステープル留めするためのエンドカッターとして作用するように構成され得る。
【0085】
上記に加えて、外科用器具2050は交換式動作組立体2054を含んでよく、交換式動作組立体2054は、
図38に示すように、ハンドル組立体2053と、ハンドル組立体2053とエンドエフェクタ2052との間を延びるシャフト2055と、を含んでよい。特定の例において、外科用器具2050は電源組立体2056を含んでよく、電源組立体2056は、複数の交換式動作組立体、例えば、交換式動作組立体2054などで用いられ得る。かかる交換式動作組立体は、1つ、又は2つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2052など、外科用エンドエフェクタを含んでよい。特定の状況において、ハンドル組立体2053及びシャフト2055は、単一ユニットに組み込まれてよい。他の状況において、ハンドル組立体2053及びシャフト2055は、互いに対して分離可能に結合可能であってよい。
【0086】
外科用器具2000と同様に、外科用器具2050は、複数の駆動システムを動作可能に支持してよい。これらの複数の駆動システムは、電源組立体2056によって電力供給され得、一方、電源組立体2056は交換式動作組立体2054に結合されている。例えば、交換式動作組立体2054は、閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、エンドエフェクタ2052に閉鎖及び開放動作を加えるために用いられてよい。少なくとも1つ形態において、交換式動作組立体2054は、発射駆動システムを動作可能に支持してよく、この発射駆動システムは、エンドエフェクタ2052に発射動作を加えるように構成され得る。外科用器具2050で使用するのに好適な駆動システムの例は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に説明されており、この特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0087】
図39を参照すると、外科用器具2050の電源組立体2056は、例えば、交換式動作組立体2054など交換式動作組立体に分離可能に結合され得る。様々な結合手段を用いて、電源組立体2056を交換式動作組立体2054に解放可能に結合し得る。例示的な結合機構は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に説明されており、この特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0088】
更に
図39を参照すると、電源組立体2056は、電源2058、例えば、電池を含んでよく、電源2058は、交換式動作組立体2054に電力を供給するように構成され得、その一方では、電源組立体2056に結合されている。特定の例において、電源組立体2056はメモリ2060を含んでよく、メモリ2060は、例えば、電池2058の充電状態、電池2058を使用して実行された治療サイクル数、及び/又は電池2058の寿命中に電源組立体2056に結合された交換式動作組立体の識別情報など電池2058及び/又は交換式動作組立体2054に関する情報を受信し、記憶するように構成され得る。上記に加えて、交換式動作組立体2054はコントローラ2062を含んでよく、コントローラ2062は、電池2058及び/又は交換式動作組立体2054に関するかかる情報をメモリ2060に提供するように構成され得る。
【0089】
更に
図39を参照すると、電源組立体2056は、インターフェイス2064を含んでよく、インターフェイス2064は、電源組立体2056のメモリ2060と、電源組立体2056に結合されている交換式動作組立体のコントローラ、例えば、交換式動作組立体2054のコントローラ2062との電気通信を容易にするように構成され得る。例えば、インターフェイス2064は、対応する動作組立体コネクタ2068と連結係合して、コントローラ2062とメモリ2060との電気通信を可能にするために、1つ、又は2つ以上のコネクタ2066を備えてよく、一方、交換式動作組立体2054が電源組立体2056に結合されている。特定の状況において、電気コネクタ2066及び/又は2068のうちの1つ、又は2つ以上は、交換式動作組立体2054と電源組立体2056との連結係合後に起動して、コントローラ2062とメモリ2060との電気通信を可能にし得るスイッチを備えてよい。
【0090】
更に
図39を参照すると、電源組立体2056は、充電状態監視回路2070を含んでよい。特定の状況において、充電状態監視回路2070は、クーロンカウンタを備えてよい。コントローラ2062は、充電状態監視回路2070と通信でき、一方、交換式動作組立体2054は電源組立体2056に結合されている。充電状態監視回路2070は、電池2058の充電状態を正確に監視するために動作可能であり得る。
【0091】
図40は、電源組立体2056に結合される一方で、例えば、交換式動作組立体2054のコントローラ2062など交換式動作組立体のコントローラで用いる例示的なモジュール2072を示す。例えば、コントローラ2062は、1つ、又は2つ以上のプロセッサ及び/又は、例えば、モジュール2072など多数のソフトウェアモジュールを記憶してよい、メモリユニットを備えてよい。外科用器具2050の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されよう。更に、様々な例は、記述を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記述され得るが、かかるモジュール及び/又はブロックは、1つ、又は2つ以上の、例えばプロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタなど、ハードウェアコンポーネント、及び/又は、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックなどソフトウェアコンポーネント、及び/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施されてよい。
【0092】
いずれにしても、交換式動作組立体2054を電源組立体2056に結合すると、インターフェイス2064は、
図40に示すように、コントローラ2062とメモリ2060及び/又は充電状態監視回路2070との通信を容易にして、モジュール2072を実行してよい。例えば、交換式動作組立体2054のコントローラ2062は、充電状態監視回路2070を用いて、電池2058の充電状態を測定してよい。次いで、コントローラ2062は、メモリ2060にアクセスし、電池2058の充電状態の以前の値がメモリ2060に記憶されているかどうかを判定してよい。以前の値が検知されると、コントローラ2060は、測定値と以前に記憶された値とを比較してよい。測定値が以前に記憶された値とは異なる場合、コントローラ2060は以前に記憶された値を更新してよい。以前に値が記録されていない場合、コントローラ2060は、メモリ2060に測定値を記憶してよい。特定の状況において、コントローラ2060は、外科用器具2050のユーザーに対して、電池2058の測定した充電状態に関する視覚フィードバックを提供してよい。例えば、コントローラ2060は、電池2058の充電状態の測定値をLCDディスプレイスクリーンに表示してよく、いくつかの状況において、このLCDディスプレイスクリーンは、交換式動作組立体2054に一体化され得る。
【0093】
上記に加えて、モジュール2072はまた、他のコントローラの交換式動作組立体が電源組立体2056に結合されると、かかる他のコントローラによって実行され得る。例えば、ユーザーは、電源組立体2056から交換式動作組立体2054を取り外してよい。次いで、ユーザーは、別のコントローラを備える別の交換式動作組立体を電源組立体2056に接続してよい。かかるコントローラは、次に、クーロンカウント回路2070を用いて電池2058の充電状態を測定してよく、次いで、メモリ2060にアクセスし、電池の充電状態2058の以前の値が、例えば、コントローラ2060によって入力された値がメモリ2060に記憶されているかどうかを判定してよく、一方、交換式動作組立体2054は電源組立体2056に結合されている。以前の値が検知されると、コントローラは、測定値と以前に記憶された値とを比較してよい。測定値が以前に記憶された値とは異なる場合、コントローラは以前に記憶された値を更新してよい。
【0094】
図41は、多くの点において外科用器具2000(
図31)及び/又は外科用器具2050(
図38)に類似している外科用器具2090を示している。例えば、外科用器具2090は、多くの点においてエンドエフェクタ2008に類似しているエンドエフェクタ2008及び/又はエンドエフェクタ2052を含んでよい。例えば、エンドエフェクタ2092は、組織をクランピング、切断、及びステープル留めするためのエンドカッターとして作用するように構成され得る。
【0095】
上記に加えて、外科用器具2090は交換式動作組立体2094を含んでよく、交換式動作組立体2094は、ハンドル組立体2093と、ハンドル組立体2093とエンドエフェクタ2052との間を延びてよいシャフト2095と、を含んでよい。特定の例において、外科用器具2090は電源組立体2096を含んでよく、電源組立体2056は、複数の交換式動作組立体、例えば、交換式動作組立体2094などで用いられ得る。かかる交換式動作組立体は、1つ、又は2つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2092など、外科用エンドエフェクタを含んでよい。特定の状況において、ハンドル組立体2093及びシャフト2095は、単一ユニットに組み込まれてよい。他の状況において、ハンドル組立体2093及びシャフト2095は、互いに対して分離可能に結合可能であり得る。
【0096】
更に、外科用器具2090の電源組立体2096は、例えば、交換式動作組立体2094など交換式動作組立体に分離可能に結合可能であり得る。様々な結合手段を用いて、電源組立体2096を交換式動作組立体2094に解放可能に結合し得る。外科用器具2050及び/又は外科用器具2000と同様に、外科用器具2090は、1つ、又は2つ以上の駆動システムを動作可能に支持してよい。これらの駆動システムは、電源組立体2096によって電力供給され得、一方、電源組立体2096は交換式動作組立体2094に結合されている。例えば、交換式動作組立体2094は、閉鎖駆動システムを動作可能に支持してよく、この閉鎖駆動システムは、エンドエフェクタ2092に閉鎖及び/又は開放動作を加えるために用いられてよい。少なくとも1つ形態において、交換式動作組立体2094は、発射駆動システムを動作可能に支持してよく、この発射駆動システムは、エンドエフェクタ2092に発射動作を加えるように構成され得る。外科用器具2090で使用する例示的な駆動システム及び結合機構は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に更に詳細に説明されており、この特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0097】
図41〜45を参照すると、交換式動作組立体2094は、例えば、モーター2014(
図44)などモーターと、例えば、モーター駆動部2015(
図44)などモーター駆動部と、を含んでよく、これらを用いて、例えば、交換式動作組立体2094の閉鎖駆動システム及び/又は発射駆動システムを動かし得る。モーター2014は、電源組立体2096に存在してよい電池2098(
図42)によって電力供給され得る。
図42及び43に示すように、電池2098は、モーター2014に電力を供給する電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池を含んでよい。特定の例において、電源組立体2096の電池は、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。電池は、例えば、電源組立体2096に分離可能に結合可能なリチウムイオン電池である。使用の際、電源組立体2096によって与えられる電圧極性は、縦移動式駆動部材を駆動してエンドエフェクタ2092を作動させるように、モーター2014を動作させ得る。例えば、モーター2014は、例えば、縦移動式駆動部材を駆動して切断部材を前進させ、エンドエフェクタ2092によって捕捉された組織を切断する、及び/又は発射機構を前進させ、エンドエフェクタ2092に組み込まれたステープルカートリッジからステープルを発射するように構成され得る。ステープルは、例えば、エンドエフェクタ2092によって捕捉された組織に向けて発射され得る。
【0098】
ここで
図41〜45を参照すると、交換式動作組立体2094は、動作組立体コントローラ2102(
図44及び45)を含んでよく、電源組立体2096は、電源組立体コントローラ2100(
図42及び43)を含んでよい。動作組立体コントローラ2102は、1つ、又は2つ以上の信号を生成し、電源組立体コントローラ2100と通信するように構成され得る。特定の例において、動作組立体コントローラ2102は、電源組立体2096から交換式動作組立体2094への送電を変調することによって1つ、又は2つ以上の信号を生成して、電源組立体コントローラ2100と通信してよく、一方、電源組立体2096は交換式動作組立体2094に結合されている。
【0099】
更に、電源組立体コントローラ2100は、動作組立体コントローラ2102によって生成された1つ、又は2つ以上の信号の受信に応答して、1つ、又は2つ以上の機能を実行するように構成され得る。例えば、交換式動作組立体2094は電力要件を備えてよく、動作組立体コントローラ2102は、交換式動作組立体2094の電力要件に従って電池2098の電力出力を選択するように電源組立体コントローラ2100に支持する信号を生成するように構成されてよい。この信号は、上述したように、電源組立体2096から交換式動作組立体2094への送電を変調することによって生成され得、一方、電源組立体2096は交換式動作組立体2094に結合されている。信号の受信に応答して、電源組立体コントローラ2100は、交換式動作組立体2094の電力要件に応えるように電池2098の電力出力を設定してよい。読者は、電源組立体2096で様々な交換式動作組立体を用いてよいことを理解するであろう。様々な交換式動作組立体は、様々な電力要件を備えてよく、電源組立体2096との連結係合にその電力要件に固有の信号を生成して、その電力要件に従って電池2098の電力出力を設定するように電源組立体コントローラ2100に通知してよい。
【0100】
ここで主として
図42及び43を参照すると、電源組立体2096は電力変調器制御装置2106を含んでよく、電力変調器制御装置2106は、例えば、1つ、又は2つ以上の電界効果トランジスタ(FET)、ダーリントンアレイ、可調増幅器、及び/又は任意の他の電力変調器を備えてよい。電源組立体コントローラ2100は、動作組立体コントローラ2102によって生成された信号に応答して電力変調器制御装置2106を作動させて、電池2098の電力出力を交換式動作組立体2094の電力要件に設定してよく、一方、交換式動作組立体2094は電源組立体2096に結合されている。
【0101】
更に主として
図42及び43を参照すると、電源組立体コントローラ2100は、交換式動作組立体2094の動作組立体コントローラ2102によって生成された、1つ、又は2つ以上の信号について、電源組立体2096から交換式動作組立体2094への送電を監視するように構成され得、一方、交換式動作組立体2094は電源組立体2096に結合されている。
図42に示すように、電源組立体コントローラ2100は、電池2098の電圧を監視するための電圧監視機構を用いて、例えば、動作組立体コントローラ2102によって生成された、1つ、又は2つ以上の信号を検知してよい。特定の例において、電圧調整器を用いて、電源組立体コントローラ2100のアナログデジタル変換器(ADC)で読み取り可能になるように電池2098の電圧を増減し得る。
図42に示すように、電圧調整器は分圧器2108を備えてよく、分圧器2108は、電池2098の電圧に比例した基準電圧信号、つまり低電圧信号を生成してよく、この信号は測定され、例えば、ADCを介して電源組立体コントローラ2100に報告され得る。
【0102】
他の状況において、
図43に示すように、電源組立体2096は、交換式動作組立体2094に送電された電流を監視するための電流監視機構を備えて、例えば、動作組立体コントローラ2102によって生成された1つ、又は2つ以上の信号を検知してよい。特定の例において、電源組立体2096は電流センサ2110を備えてよく、電流センサ2110は、交換式動作組立体2094に送電された電流の監視に用いられ得る。監視された電流は、例えば、ADCを介して電源組立体コントローラ2100に報告され得る。他の状況において、電源組立体コントローラ2100は、交換式動作組立体2094に送電された電流及び電池2098の対応する電圧の両方を同時に監視して、動作組立体コントローラ2102によって生成された1つ、又は2つ以上の信号を検知するように構成されてよい。読者は、動作組立体コントローラ2102によって生成された1つ、又は2つ以上の信号を検知するために電流及び/又は電圧を監視するための様々な他の機構が電源組立体コントローラ2100で用いられ、かかるすべての機構が本開示によって想到されることを理解するであろう。
【0103】
図44に示すように、動作組立体コントローラ2102は、モーター駆動部2015を作動させることによって電源組立体コントローラ2100と通信するための1つ、又は2つ以上の信号を生成して、電池2098からモーター2014に送電された電力を変調するように構成され得る。その結果、モーター2014に電力を供給するための電池2098の電圧及び/又は電池2098からの電流引き込みは、1つ、又は2つ以上の信号を示すパターン、つまり波形を形成してよい。上述したように、電源組立体コントローラ2100は、動作組立体コントローラ2102によって生成された1つ、又は2つ以上の信号について電池2098の電圧及び/又は電池2098からの電流引き込みを監視するように構成され得る。
【0104】
信号を検知すると、電源組立体コントローラ2100は、検知した信号に応答して1つ、又は2つ以上の機能を実行するように構成され得る。少なくとも1つの例において、第1の信号を検知すると、電源組立体コントローラ2100は、電力変調器制御装置2106を作動させて、第1のデューティサイクルに電池2098の電力出力を設定するように構成され得る。少なくとも1つの例において、第2の信号を検知すると、電源組立体コントローラ2100は、電力変調器制御装置2106を作動させて、第1のデューティサイクルとは異なる第2のデューティサイクルに電池2098の電力出力を設定するように構成され得る。
【0105】
特定の状況において、
図45に示すように、交換式動作組立体2094は電力変調回路2012を含んでよく、電力変調回路2012は、動作組立体コントローラ2102によって制御されて、電源組立体コントローラ2100で認識可能な信号、つまり波形を生成し得る、1つ、又は2つ以上の電界効果トランジスタ(FET)を備えてよい。例えば、特定の状況において、動作組立体コントローラ2102は、電力変調回路2012を動作させて、例えば、電池2098の電圧よりも高い電圧を増幅して、電源組立体2096の新しい電力モードをもたらしてよい。
【0106】
ここで主として
図42及び43を参照すると、電源組立体2096はスイッチ2104を備えてよく、スイッチ2104は、開放位置と閉鎖位置とを切り替え可能であり得る。スイッチ2104は、例えば、電源組立体2096が交換式動作組立体2094と結合されると、開放位置から閉鎖位置へと移行し得る。特定の例において、スイッチ2104は、例えば、電源組立体2096が交換式動作組立体2094と結合された後で、開放位置から閉鎖位置へと手動で移行し得る。スイッチ2104が開放位置にあるとき、電源組立体2096の構成要素は、十分に低い電力を引き込んで、又は電力を全く引き込まずに、臨床用途の電池2098の容量を保持してよい。スイッチ2104は、機械的機構、リード機構、ホール機構、又は任意の他の好適なスイッチング機構であり得る。更に、特定の状況において、電源組立体2096は任意の電源2105を含んでよく、電源2105は、電池2098の使用中に、電源組立体2096の様々な構成要素に十分な電力を提供するように構成されてよい。同様に、交換式動作組立体2094はまた、任意の電源2107を含んでよく、電源2107は、交換式動作組立体2094の様々な構成要素に十分な電力を提供するように構成され得る。
【0107】
使用の際、
図46に示すように、電源組立体2096は、交換式動作組立体2094に結合され得る。特定の例において、上述したように、スイッチ2104は閉鎖構成に移行して、交換式動作組立体2094を電源組立体2096に電気的に接続し得る。それに応答して、交換式動作組立体2094は起動してよく、少なくとも当初は、電池2098から比較的低い電流を引き込んでよい。例えば、交換式動作組立体2094は、1アンペア以下を引き込んで、交換式動作組立体2094の様々な構成要素に電力を供給してよい。特定の例において、電源組立体2096はまた、スイッチ2014が閉鎖位置に移行するときに起動してよい。それに応答して、電源組立体コントローラ2100は、上記で更に詳細に説明したように、例えば、電池2098の電圧及び/又は電池2098から交換式動作組立体2094への送電を監視することによって、交換式動作組立体2094からの電流引き込みの監視を開始してよい。
【0108】
通信信号を生成し、電流変調を用いて電源組立体コントローラ2100に通信信号を送信するには、動作組立体コントローラ2102はモーター駆動部2015を用いて、例えば、出力スパイクパターン、つまり波形で、モーター2014に電力パルスを発してよい。特定の状況において、動作組立体コントローラ2102は、モーター駆動部2015と通信して、モーター2014の巻き線全体で電圧極性を速やかに切り替えることによってモーター2014の動作方向を速やかに切り替えて、出力スパイクから生じたモーター2014への実効電流の送電を制限するように構成され得る。その結果、
図47Cに示すように、出力スパイクから生じる有効モーター変位は低減して、出力スパイクに応答してモーター2014に結合される、外科用器具2090の駆動システムの有効変位を最小限に抑え得る。
【0109】
上記に加えて、動作組立体コントローラ2102は、モーター駆動部2015を用いることによって電源組立体コントローラ2100と通信して、所定の期間にわたって繰り返して、電源組立体コントローラ2100で検知可能なパターンを形成し得る、所定のパケット、つまり群で配置されたスパイクで電池2098から電力を引き込んでよい。例えば、
図47A及び47Bに示すように、電源組立体コントローラ2100は、上記で更に詳細に説明したように、電圧及び/又は電流監視機構を使用して、所定の電圧パターン、例えば、電圧パターン2103(
図47A)及び/又は所定の電流パターン、例えば、電流パターン2109(
図47B)について電池2100の電圧を監視するように構成され得る。更に、電源組立体コントローラ2100は、パターンを検知すると、1つ、又は2つ以上の機能を実行するように構成され得る。読者は、送電の変調を用いた電源組立体コントローラ2100と動作組立体コントローラ2102との通信によって、交換式動作組立体2094と電源組立体2096との間で必要な接続線の数が低減されてよいことを理解するであろう。
【0110】
特定の状況において、電源組立体2096は、異なる電力要件を備えてよい、多世代の様々な交換式動作組立体で用いられ得る。様々な交換式動作組立体の一部は、上述したように、通信システムを備えてよく、一方、他の交換式動作組立体は、かかる通信システムを備えなくてよい。例えば、電源組立体2096は、上述の通信システムを備えていない、第1世代の交換式動作組立体で用いられ得る。あるいは、電源組立体2096は、例えば、上述したように通信システムを備える交換式動作組立体2094など第2世代の交換式動作組立体で用いられ得る。
【0111】
上記に加えて、第1世代の交換式動作組立体は第1の電力要件を備えてよく、第2世代の交換式動作組立体は、第1の電力要件とは異なり得る第2の電力要件を備えてよい。例えば、第1の電力要件は、第2の電力要件よりも少なくてよい。第1世代の交換式動作組立体の第1の電力要件及び第2世代の交換式動作組立体の第2の電力要件に応えるために、電源組立体2096は、第1世代の交換式動作組立体で使用する第1の電力モードと、第2世代の交換式動作組立体で使用する第2の電力モードと、を備えてよい。特定の例において、電源組立体2096は、第1世代の交換式動作組立体の電力要件に対応するデフォルトの第1の電力モードで動作するように構成され得る。したがって、第1世代の交換式動作組立体が電源組立体2096に接続されるとき、電源組立体2096のデフォルトの第1の電力モードは、第1世代の交換式動作組立体の第1の電力要件に応じてよい。しかしながら、第2世代の交換式動作組立体、例えば、交換式動作組立体2094が電源組立体2096に接続されるとき、交換式動作組立体2094の動作組立体コントローラ2102は、上述したように、電源組立体2096の電源組立体コントローラ2100と通信して電源組立体2096を第2の電力モードに切り替え、交換式動作組立体2094の第2の電力要件に応じてよい。読者は、第1世代の交換式動作組立体が通信信号を生成する機能を有さないため、電源組立体2096は、デフォルトの第1の電力モードにとどまり、その一方では、第1世代の交換式動作組立体に接続されていることを理解するであろう。
【0112】
上述したように、電池2098は充電可能であり得る。特定の状況において、電源組立体2096の出荷に先立って、電池2098を放電することが望ましい場合がある。専用放電回路は、電源組立体2096の出荷に備えて電池2098を放電するために起動され得る。最終目的地に到着すると、電池2098は、外科的処置中に使用するために再充電され得る。しかしながら、放電回路は、臨床での使用中に電池2098からエネルギーを消費し続けてよい。特定の状況において、交換式動作組立体コントローラ2102は、上で更に詳細に説明したように、電池2098からモーター2014への送電を変調することによって放電回路停止信号を電源組立体コントローラ2100に送信するように構成され得る。電源組立体コントローラ2100は、放電回路を停止させて、例えば、放電回路停止信号に応答した、放電回路による電池2098の放電を阻止するようにプログラミングされ得る。読者は、様々な通信信号が動作組立体コントローラ2102によって生成されて、様々な機能を実行するように電源組立体コントローラ2100に指示し得、一方、電源組立体2096は交換式動作組立体2094に結合されていることを理解するであろう。
【0113】
再び
図42〜45を参照すると、電源組立体コントローラ2100及び/又は動作組立体コントローラ2102は、1つ、又は2つ以上のプロセッサ及び/又は多数のソフトウェアモジュールを記憶してよい、メモリユニットを備えてよい。外科用器具2050の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されよう。更に、様々な例は、記述を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記述され得るが、かかるモジュール及び/又はブロックは、1つ、又は2つ以上の、例えばプロセッサ、DSP、PLD、ASIC、回路、レジスタなど、ハードウェアコンポーネント、及び/又は、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックなどソフトウェアコンポーネント、及び/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施されてよい。
【0114】
図48は、モーター駆動の外科用器具2200を概して示す。特定の状況において、外科用器具2200は、ハンドル組立体2202と、シャフト組立体2204と、電源組立体2206(つまり「電源」又は「電源パック」)と、を含んでよい。シャフト組立体2204はエンドエフェクタ2208を含んでよく、エンドエフェクタ2208は、特定の状況において、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得るが、他の状況において、他の種類の外科用装置、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置などのためのエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用されてもよい。いくつかのRF装置が、1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」に見い出され得、これらの特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0115】
特定の状況において、ハンドル組立体2202は、例えば、シャフト組立体2204に分離可能に結合可能であり得る。かかる状況において、ハンドル組立体2202は複数の交換式シャフト組立体で用いられ得、これらの交換式シャフト組立体は、1つ、又は2つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2008など、外科用エンドエフェクタを備えてよい。例えば、1つ、又は2つ以上の交換式シャフト組立体は、異なる寸法及び種類のステープルカートリッジを支持するように適合され、異なるシャフトの長さ、寸法、及び種類などを有するエンドエフェクタを用いてよい。好適な交換式シャフト組立体の例は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に説明されており、この特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0116】
更に
図48を参照すると、ハンドル組立体2202は、ハンドル2212からなるハウジング2210を備えてよく、ハンドル2012は、臨床医によって握持、操作、及び/又は作動されるように構成されてよい。しかしながら、ハウジング2210の様々な独自で新規な構成が、ロボット制御される外科用システムと関連させて効果的に用いられてもよいことを理解されたい。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書で開示するシャフト組立体2204及びそれらに対応する等価物を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御動作を生成し加えるように構成されている少なくとも1つの駆動システムを収容するか、ないしは別様に動作可能に支持するロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してよい。例えば、本明細書に開示するハウジング2210は、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/118241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法で用いられてよい。
【0117】
少なくとも1つの形態において、外科用器具2200は、外科用締結及び切断器具であってよい。更に、ハウジング2210は、1つ、又は2つ以上の駆動システムを動作可能に支持してよい。例えば、
図50に示すように、ハウジング2210は、本明細書で発射駆動システム2214と呼ばれる駆動システムを支持してよく、発射駆動システム2214は、エンドエフェクタ2208に発射動作を加えるように構成されている。発射駆動システム2214は、例えば、ハンドル2212に位置し得る電気モーター2216を用いてよい。様々な形態において、モーター2216は、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モーターであってもよい。他の構成において、モーターには、ブラシレスモーター、コードレスモーター、同期モーター、ステッパモーター、又は任意の他の好適な電気モーターを挙げることができる。制御回路基板組立体2220に、そして最終的にモーター2216に電力を供給するために、例えばリチウムイオン電池などの電池2218(又は「電源」又は「電源函」)がハンドル2212に結合されてもよい。
【0118】
特定の状況において、更に
図50を参照すると、電気モーター2216は回転可能なシャフト(図示なし)を含み得、この回転可能なシャフトは、縦移動式駆動部材2226上の駆動歯2224の組、つまりラックとの噛合い係合をなして取り付けられてよい歯車減速機組立体2222と動作可能に連係してよい。使用の際、電池2218によって与えられる電圧極性により、電気モーター2216を時計回り方向に動作させることができるが、電池2218によって電気モーターに加えられる電圧極性は、電気モーター2216を反時計回り方向に動作させるために、逆転され得る。
図50に示すように、電気モーター2216がある方向に回転するとき、駆動部材2226は、例えば、遠位方向「D」に軸方向に駆動され、モーター2216が反対の回転方向に駆動されるとき、駆動部材2226は、例えば、近位方向「P」に軸方向に駆動される。ハンドル2212は、電池2218によって電気モーター2216に加えられる極性を逆転させるように構成され得るスイッチを備えることができる。本明細書で説明する他の形態と同様に、ハンドル2212はまた、駆動部材2226の位置及び/又は駆動部材2226の移動方向を検知するように構成されているセンサを有し得る。
【0119】
上に示したように、少なくとも1つの形態において、縦移動式駆動部材2226は、その上に形成された、歯車減速組立体2222と噛合い係合する駆動歯2224のラックを含んでよい。特定の状況において、
図50に示すように、外科用器具2200は、手動作動式「脱出」組立体2228を含んでよく、脱出組立体2228は、例えば、エンドエフェクタ2208によって捕捉された組織を閉じ込め得る、外科用器具2200の操作中にモーター2216が故障したときなど脱出エラーが検知されたときに、臨床医が手動で縦移動式駆動部材2226を後退させられるように構成され得る。
【0120】
上記に加えて、
図50に示すように、脱出組立体2228は、手動で移動又は枢動されて駆動部材2226内の歯とラチェット係合をなすように構成されている、レバー、つまり脱出ハンドル2230を含んでよい。かかる状況において、臨床医は、脱出ハンドル2230を使用して駆動部材2226を手動で後退させて、例えば、駆動部材2226を近位方向「P」にラチェットで駆動させて、エンドエフェクタ2208から閉じ込められた組織を解放し得る。本明細書に開示した様々な器具で用いてよい例示的な脱出装置、並びに他の構成要素、装置、及びシステムは、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願公開第12/249,117号、名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(現在の米国特許出願公開第2010/0089970号)に開示されている。
【0121】
上記に加えて、ここで主として
図48及び50を参照すると、脱出組立体2228の脱出ハンドル2230は、ハンドル組立体2202のハウジング2210内に存在してよい。特定の状況において、脱出ハンドル2230へのアクセスは、脱出ドア2232によって制御され得る。脱出ドア2232はハウジング2210に解放可能にロックされて、脱出ハンドル2230へのアクセスを制御し得る。
図48に示すように、脱出ドア2232は、ハウジング2210とロック係合するために、例えば、スナップ式ロック機構2234などロック機構を含んでよい。脱出ドア2232をハウジング2210にロックするための他のロック機構は、本開示によって想到される。使用の際、臨床医は、ロック機構2234をロック解除し、脱出ドア2232を開放することによって脱出ハンドル2230へのアクセスを得てよい。少なくとも1つの例において、脱出ドア2232は、ハウジング2232に分離可能に結合され得、ハウジング2210から取り外されて、例えば、脱出ハンドル2230へのアクセスを提供し得る。別の例において、脱出ドア2232は、ヒンジ(図示なし)を介してハウジング2210に枢動可能に結合され得、ハウジング2210に対して枢動されて、例えば、脱出ハンドル2230へのアクセスを提供し得る。更に別の例において、脱出ドア2232は、ハウジング2210に対してスライド可能に移動できて、脱出ハンドル2230へのアクセスを提供し得る、スライドドアである。
【0122】
ここで
図51を参照すると、外科用器具2200は、脱出フィードバックシステム2236を含んでよく、脱出フィードバックシステム2236は、以下でより詳細に説明するように、脱出組立体2228を用いる様々な工程を経て臨床医にフィードバックを導く、及び/又は提供するように構成され得る。特定の例において、脱出フィードバックシステム2236は、マイクロコントローラ2238及び/又は1つ、若しくは2つ以上の脱出フィードバック阻止を含んでよい。脱出フィードバックシステム2236に関連付けられる電気及び電子回路素子並びに/又は脱出フィードバック素子は、例えば、制御回路基板組立体2220によって支持されてよい。マイクロコントローラ2238は、メモリ2240と、メモリ2240に動作可能に結合されたマイクロプロセッサ2242(「プロセッサ」)と、を概ね備えてよい。プロセッサ2242は、モーター2216の位置及び速度の制御に概ね用いられる、モーター駆動部2244の回路を制御してよい。特定の例において、プロセッサ2242は、以下でより詳細に説明するように、モーター駆動部2244にモーター2216を停止させる、及び/又は無効化するように伝えることができる。特定の例において、プロセッサ2242は、独立したモーターオーバーライド回路を制御してよく、このモーターオーバーライド回路は、プロセッサ2242からのオーバーライド信号に応答して、外科用器具2200の操作中にモーター2216を停止させ得る、及び/又は無効化し得るモーターオーバーライドスイッチを備えてよい。本明細書で用いるとき、用語「プロセッサ」は、任意の好適なマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は集積回路若しくは多くともいくつかの集積回路にコンピュータの中央演算処理装置(CPU)を組み込む、他の基本的なコンピューティング装置を含むことを理解されたい。プロセッサは、デジタルデータを入力として受け取り、メモリに記憶されている命令に従って処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブル素子である。これは内部メモリを有するため、順序デジタル論理の例である。プロセッサは、2進法で表された数字及び記号で動作する。
【0123】
1つの例において、プロセッサ2242は、ARM Cortex(Texas Instruments)という商標名で既知のものなど任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。1つの例において、外科用器具2200は、例えば、Hercules ARM Cortex R4(これもTexas Instruments)という商標名で既知のTMS570及びRM4xなど2つのマイクロコントローラベースファミリを備える安全マイクロコントローラプラットフォームなど安全プロセッサを備えてよい。しかしながら、マイクロコントローラ及び安全プロセッサの他の好適な代用物が制限なく用いられてよい。1つの例において、安全プロセッサ1004は、特にIEC 61508及びISO 26262の安全を最重要視する用途向けに構成されていてよく、とりわけ、拡張可能な性能、接続性、及びメモリオプションを提供しつつ、高度な統合安全機能を提供する。
【0124】
特定の例において、マイクロコントローラ2238は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。少なくとも1つの例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、製品データシートから容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリ2240と、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、脱出フィードバックシステム2236で容易に代用されてよい。したがって、本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0125】
再び
図51を参照すると、脱出フィードバックシステム2236は、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246を含んでよい。特定の例において、脱出ドアフィードバック素子2246は、ロック機構2234がロック解除されていることをプロセッサ2242に通知するように構成され得る。少なくとも1つの例において、脱出ドアフィードバック素子2246は、プロセッサ2242に動作可能に取り付けられたスイッチ回路(図示なし)を備えてよく、このスイッチ回路は、例えば、臨床医によってロック機構2234がロック解除されたときに開放構成に移行し、かつ/又は臨床医によってロック機構2234がロックされたときに閉鎖構成に移行するように構成され得る。少なくとも1つの例において、脱出ドアフィードバック素子2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合された少なくとも1つのセンサ(図示なし)を備えてよく、このセンサは、例えば、ロック機構2234が、臨床医によってロック解除構成及び/又はロック構成に移行されるときに動作するように構成され得る。読者は、脱出ドアフィードバック素子2246が、臨床医によるロック機構2234のロック及び/又はロック解除を検知する他の手段を含んでよいことを理解するであろう。
【0126】
特定の例において、脱出ドアフィードバック素子2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合されられたスイッチ回路(図示なし)を備えてよく、このスイッチ回路は、例えば、脱出ドア2232が取り外されたか、開放されたときに開放構成に移行し、及び/又は、例えば、脱出ドア2232が取り付けられたか、閉鎖されたときに閉鎖構成に移行するように構成され得る。少なくとも1つの例において、脱出ドアフィードバック素子2246は、プロセッサ2242に動作可能に結合された少なくとも1つのセンサ(図示なし)を備えてよく、このセンサは、例えば、脱出ドア2232が取り外されたか、開放されたとき、及び/又は例えば、脱出ドア2232が閉鎖されたか、取り付けられたときに動作するように構成され得る。読者は、脱出ドアフィードバック素子2246が、臨床医によるロック機構2234のロック及び/若しくはロック解除、並びに/又は脱出ドアの開放及び/若しく閉鎖を検知する他の手段を含んでよいことを理解するであろう。
【0127】
特定の例において、
図51に示すように、脱出フィードバックシステム2236は1つ、又は2つ以上の追加のフィードバック素子2248を備えてよく、フィードバック素子2248は、プロセッサ2242と動作可能に通信する追加のスイッチ回路及び/又はセンサを備えてよく、追加のスイッチ回路及び/又はセンサは、プロセッサ2242によって用いられて、脱出フィードバックシステム2236に関連付けられる他のパラメータを測定してよい。特定の例において、脱出フィードバックシステム2236は、1つ、又は2つ以上のインターフェイスを備えてよく、これらのインターフェイスは、感覚フィードバックをユーザーに提供する1つ、又は2つ以上の装置を含んでよい。かかる装置は、例えば、ディスプレイスクリーン及び/又はLEDインジケータなど、視覚フィードバック装置を備えてよい。特定の例において、かかる装置は、例えば、スピーカー及び/又はブザーなど音声フィードバックを備えてよい。特定の例において、例えば、触覚作動装置など触覚フィードバック装置を備えてよい。特定の例において、かかる装置は、視覚フィードバック装置、音声フィードバック装置、及び/又は触覚フィードバック装置の組み合わせを備えてよい。特定の状況において、
図48に示すように、1つ、又は2つ以上のインターフェイスはディスプレイ2250を備えてよく、ディスプレイ2250は、例えば、ハンドル組立体2202に含まれてよい。特定の例において、プロセッサ2242はディスプレイ2250を用いて、脱出組立体2228を使用して外科用器具2200の手動脱出を実行することに関するフィードバックを外科用器具2200のユーザーに通知してよい、導いてよい、及び/又は提供してよい。
【0128】
特定の例において、脱出フィードバックシステム2236は、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして実現された1つ以上の組込みアプリケーションを備え得る。特定の例において、脱出フィードバックシステム2236は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、及び/又はアプリケーションプログラムインターフェイス(API)など様々な実行可能モジュールを備えてよい。
図52は、例えば、メモリ2240に記憶され得る、例示的なモジュール2252を示す。モジュール2252は、プロセッサ2242によって実行されて、例えば、脱出組立体2228を使用して外科用器具2200の手動脱出を実行することに関するフィードバックを外科用器具2200のユーザーに通知し得る、導き得る、及び/又は提供し得る。
【0129】
図52に示すように、モジュール2252は、プロセッサ2242によって実行されて、例えば、外科用器具2200の手動脱出を実行するために脱出組立体2228にアクセスする方法、及び/又はこれを使用する方法に関する指示をユーザーに提供してよい。様々な例において、モジュール2252は、例えば、外科用器具2200の手動脱出を要求する、1つ、又は2つ以上のエラーの検知に関する意思決定工程2254など、1つ、又は2つ以上の意思決定工程を含んでよい。
【0130】
様々な例において、プロセッサ2242は、例えば、外科用器具2200の通常動作中の1つ、又は2つ以上の介入イベントの発生に応答して、脱出エラーを検知するように構成されてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、プロセッサ2242で1つ、又は2つ以上の脱出エラー信号が受信されたときに脱出エラーを検知するように構成されてよく、この脱出エラー信号は、例えば、外科用器具2200の他のプロセッサ及び/又はセンサによってプロセッサ2242に伝えられ得る。特定の例において、脱出エラーは、例えば、センサ(図示なし)によって検知された外科用器具2200の温度が閾値を超えるとき、プロセッサ2242によって検知され得る。特定の例において、外科用器具2200は、発射駆動システム2214の発射ストローク中に縦移動式駆動部材2226の位置を検出し、記録するための位置調整システム(図示なし)を備えてよい。少なくとも1つの例において、プロセッサ2242は、例えば、縦移動式駆動部材2226の記録された位置のうちの1つ、又は2つ以上が所定の閾値に従っていないとき、脱出エラーを検知するように構成され得る。
【0131】
いずれにしても、再び
図52を参照すると、プロセッサ2242が意思決定工程2254において脱出エラーを検知するとき、プロセッサ2242は、例えば、モーター2216の停止、及び/又は無効化によって応答してよい。加えて、特定の例において、プロセッサ2242はまた、
図52に示すように、脱出エラーの検知後に、メモリ2240に脱出状態を記憶してよい。換言すると、プロセッサ2242は、脱出エラーが検知されたことを示すステータスをメモリ2240に記憶してよい。上述したように、メモリ2240は、例えば、外科用器具2200がユーザーによってリセットされたときに、脱出エラーが検知されたという記憶されたステータスを保存してよい、不揮発性メモリであり得る。
【0132】
様々な例において、モーター2216は、例えば、モーター2216から電池2218を外すことによって停止及び/又は無効化され得る。様々な例において、プロセッサ2242は、駆動部2244を用いて、モーター2216を停止及び/又は無効化してよい。特定の例において、モーターオーバーライド回路が用いられるとき、プロセッサ2242はモーターオーバーライド回路を用いて、モーター2216を停止及び/又は無効化してよい。特定の例において、モーター2216の停止及び/又は無効化により、例えば、少なくとも手動脱出が実行されるまで、外科用器具2200のユーザーがモーター2216を使用できなくなってよい。読者は、脱出エラーの検知に応答したモーター2216の停止及び/又は無効化は、外科用器具2200によって捕捉された組織を保護するうえで有利であり得ることを理解するであろう。
【0133】
上記に加えて、
図52を参照すると、モジュール2252は、脱出ドア2232が取り外されているかどうかを検知するための意思決定工程2256が含まれてよい。上述したように、プロセッサ2242は、脱出ドアフィードバック素子2246に動作可能に結合され得、脱出ドアフィードバック素子2246は、脱出ドア2232が取り外されているかどうかに関してプロセッサ2242に通知するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246が、ロック機構2234がロック解除されていると報告するときに、脱出ドア2232が取り外されていることを検知するようにプログラミングされ得る。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246が、脱出ドア2232が開放されていると報告するときに、脱出ドア2232が取り外されていることを検知するようにプログラミングされ得る。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246が、ロック機構がロック解除されており、脱出ドア2232が開放されていると報告するときに、脱出ドア2232が取り外されていることを検知するようにプログラミングされ得る。
【0134】
様々な例において、更に
図52を参照すると、プロセッサ2242が意思決定工程2254において脱出エラーを検知せず、意思決定工程2256において脱出ドア2232が取り外されていることを検知しないとき、プロセッサ2242は、外科用器具2200の通常動作を中断しなくてよく、様々な臨床アルゴリズムを続行してよい。特定の例において、プロセッサ2242が意思決定工程2254において脱出エラーを検知しないものの、意思決定工程2256において脱出ドア2232が取り外されていることを検知するとき、プロセッサ2242は、上述したように、モーター2216の停止及び/又は無効化によって応答してよい。加えて、特定の例において、プロセッサ2242はまた、以下でより詳細に説明するように、脱出ドア2232を取り付け直すようにユーザーに指示を提供してよい。特定の例において、脱出エラーは検知されていないものの、プロセッサ2242が脱出ドア2232が取り付け直されたことを検知するとき、プロセッサ2242は、モーター2216に電源を再接続するように構成され得、
図52に示すように、ユーザーが臨床アルゴリズムを続行できるようにする。
【0135】
特定の例において、ユーザーが脱出ドア2232を取り付け直さないとき、プロセッサ2242は、モーター2216に電源を再接続しなくてよく、脱出ドア2232を取り付け直すようにユーザーに指示を出し続けてよい。特定の例において、ユーザーが脱出ドア2232を取り付け直さないとき、プロセッサ2242は、外科用器具2200の通常動作を続行するためには、脱出ドア2232を取り付け直す必要があるという警告をユーザーに提供してよい。特定の例において、外科用器具2200は、オーバーライド機構(図示なし)を備えて、脱出ドア2216が取り付けられていないときでも、ユーザーがモーター2216に電源を再接続でき得る。
【0136】
様々な例において、プロセッサ2242は、脱出ドア2232が取り外されていることをプロセッサ2242が検知するときにユーザーに感覚フィードバックを提供するように構成され得る。様々な例において、プロセッサ2242は、脱出ドア2232が取り付け直されたことをプロセッサ2242が検知するときにユーザーに感覚フィードバックを提供するように構成され得る。プロセッサ2242は、様々な装置を用いてユーザーに感覚フィードバックを提供し得る。かかる装置は、例えば、ディスプレイスクリーン及び/又はLEDインジケータなど、視覚フィードバック装置を備えてよい。特定の例において、かかる装置は、例えば、スピーカー及び/又はブザーなど音声フィードバックを備えてよい。特定の例において、かかる装置は、例えば、触覚作動装置など触覚フィードバック装置を備えてよい。特定の例において、かかる装置は、視覚フィードバック装置、音声フィードバック装置、及び/又は触覚フィードバック装置の組み合わせを備えてよい。特定の例において、プロセッサ2242はディスプレイ2250を用いて、脱出ドア2232を取り付け直すようにユーザーに指示してよい。例えば、プロセッサ2242は、例えば、ディスプレイ2250を使用してユーザーに対して脱出ドア2232の画像の隣に警告記号を表示してよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドア2232が取り付けられている動画を表示してよい。ディスプレイ2250を使用して他の画像、記号、及び/又は単語を表示して、脱出ドア2232を取り付け直すように外科用器具2200のユーザーに警告し得る。
【0137】
再び
図52を参照すると、脱出エラーが検知されると、プロセッサ2242は、外科用器具2200のユーザーに脱出ハンドル2230を使用して手動脱出を実行するように伝えてよい。様々な例において、プロセッサ2242は、例えば、視覚、音声、及び/又は触覚フィードバックをユーザーに提供することによって、ユーザーに手動脱出を実行するように伝え得る。特定の例において、
図52に示すように、プロセッサ2242は、ディスプレイ2250のバックライトを点滅させることによって、外科用器具2200のユーザーに手動脱出を実行するように伝え得る。いずれにしても、プロセッサ2242は、次いで、手動脱出を実行するようにユーザーに指示を出してよい。様々な例において、
図52に示すように、この支持は、脱出ドア2232取り付けられているかどうかによって異なってよく、意思決定工程2258は、ユーザーに出された指示の種類を判定してよい。特定の例において、脱出ドア2232が取り付けられていることをプロセッサ2242が検知するとき、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドア2232を取り外す指示及び脱出ハンドル2230を動作させる指示をユーザーに出してよい。しかしながら、脱出ドア2232が取り外されていることをプロセッサ2242が検知するとき、プロセッサ2242は、例えば、脱出ハンドル2230を動作させる指示をユーザーに出してよいが、脱出ドア2232を取り外す指示は出さない。
【0138】
再び
図52を参照すると、様々な例において、プロセッサ2242によってユーザーに出される、脱出ドア2232を取り外す指示、及び/又は脱出ハンドル2230を操作する指示は、1つ、又は2つ以上の工程を含んでよく、これらの工程は、時系列でユーザーに示されてよい。特定の例において、これらの工程は、ユーザーによって実行される動作を含んでよい。かかる例において、ユーザーは、各工程で示される動作を実行することによって、手動脱出の工程を進んでよい。特定の例において、1つ、又は2つ以上の工程で要求される動作は、例えば、ディスプレイ2250に動画の形態でユーザーに示され得る。特定の例において、1つ、又は2つ以上の工程は、ユーザーを誘導して手動脱出を完了させる、単語、記号、及び/又は画像を含んでよいメッセージとしてユーザーに示され得る。特定の例において、手動脱出を実行する、1つ、又は2つ以上の工程は、例えば、1つ、又は2つ以上のメッセージに組み込まれ得る。特定の例において、各メッセージは、例えば、別個の工程を含んでよい。
【0139】
特定の例において、手動脱出に関する指示を出す工程及び/又はメッセージは、所定の時間間隔でユーザーに示されて、例えば、ユーザーが示された工程及び/又はメッセージに従うのに十分な時間を与え得る。特定の例において、プロセッサ2242は、プロセッサ2242が工程が実行されたというフィードバックを受信するまで、工程及び/又はメッセージを示し続けるようにプログラミングされ得る。特定の例において、フィードバックは、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246によってプロセッサ2242に提供され得る。プロセッサ2242は、他の機構及び/又はセンサを用いて工程が完了したというフィードバックを得ることができる。少なくとも1つの例において、ユーザーは、例えば、工程を完了したときに警告ボタンを押すことによってプロセッサ2242に通知するように指示され得る。特定の例において、ディスプレイ2250は、工程が完了したときにプロセッサ2242に通知するインターフェイスをユーザーに提供してよい、容量性スクリーンを備えてよい。例えば、ユーザーは、電流工程の完了後に、容量性スクリーンを押して、次工程の手動脱出の指示に移動してよい。
【0140】
特定の例において、
図52に示すように、脱出ドア2232が取り付けられたことを検知した後に、プロセッサ2242は、ディスプレイ2250を用いて、脱出ドア2232に向けて手を動かすことを示す動画2260を示すように構成され得る。プロセッサ2242は、例えば、ユーザーが脱出ドア2232を係合するのに十分な期間にわたって動画2260を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、次いで、動画2260を、例えば、脱出ドアロック機構2234を係合している指を示す動画2262に代えてよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザーがロック機構2234をロック解除するのに十分な期間にわたって動画2262を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246がロック機構2234のロック解除を報告するまで、動画2262を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、ユーザーが、ロック機構2234のロック解除工程が完了したことをプロセッサ2242に通知するまで、動画2262を表示し続けてよい。
【0141】
いずれにしても、プロセッサ2242は、次いで、動画2262を、例えば、脱出ドア2232を取り外している指を示す動画2264に代えてよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザーが脱出ドア2232を取り外すのに十分な期間にわたって動画2264を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、脱出ドアフィードバック素子2246が脱出ドア2232が取り外されていることを報告するまで、動画2264を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、ユーザーが、脱出ドア2232の取り外し工程が完了したことをプロセッサ2242に通知するまで、動画2264を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、例えば、意思決定工程2258において、プロセッサ2242が、脱出ドアが取り付けられていることを検知し続けるとき、動画2260、2262、及び2246をそれぞれ順番に繰り返し表示し続けるように構成され得る。
【0142】
上記に加えて、脱出ドア2232が取り外されたことを検知した後、プロセッサ2242は、次いで、ユーザーを誘導して脱出ハンドル2230の操作工程を完了させてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、脱出ハンドル2230を持ち上げて、例えば、上述したように駆動部材2226内の歯2224とラチェット係合をなしている指を示す動画2266に代えてよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザーが脱出ハンドル2230を持ち上げるのに十分な期間にわたって動画2266を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、脱出ハンドル2230が持ち上げられたというフィードバックをプロセッサが受信するまで、動画2266を表示し続けてよい。例えば、プロセッサ2242は、ユーザーが、脱出ハンドル2230の持ち上げ工程が完了したことをプロセッサ2242に通知するまで、動画2266を表示し続けてよい。
【0143】
特定の例において、上述したように、ユーザーは、脱出ハンドル2230を使用して駆動部材2226を手動で後退させて、例えば、駆動部材2226を近位方向「P」にラチェットで駆動させ、エンドエフェクタ2208によって捕捉された組織を解放することができる。かかる例において、プロセッサ2242は、動画2266を、例えば、脱出ハンドル2230のラチェット駆動をシミュレーションするために、脱出ハンドル2230を引いてから押すことを繰り返す指を示す動画2268に代えてよい。プロセッサ2242は、例えば、ユーザーが駆動部材2226をデフォルトの位置までラチェットで駆動させるのに十分な期間にわたって動画2268を表示し続けてよい。特定の例において、プロセッサ2242は、駆動部材2226が後退したというフィードバックをプロセッサが受信するまで、動画2268を表示し続けてよい。
【0144】
図53は、多くの点でモジュール2258と類似しているモジュール2270を示す。例えば、モジュール2252は、メモリ2240に記憶され、及び/又はプロセッサ2242によって実行されて、例えば、外科用器具2200の手動脱出を実行することに関するフィードバックを外科用器具2200のユーザーに通知し得る、導き得る、及び/又は提供し得る。特定の例において、外科用器具2200は、脱出ドアを備えなくてよい。かかる状況において、モジュール2270はプロセッサ2242によって使用されて、例えば、脱出ハンドル2230の操作に関する指示をユーザーに出し得る。
【0145】
再び
図53に示すモジュール2270を参照すると、プロセッサ2242がモジュール2270の意思決定工程2254において脱出エラーを検知しないとき、プロセッサ2242は、外科用器具2200の通常動作を中断しなくてよく、様々な臨床アルゴリズムを続行してよい。しかしながら、プロセッサ2242がモジュール2270の意思決定工程2254において脱出エラーを検知するとき、プロセッサ2242は、例えば、モーター2216の停止、及び/又は無効化によって応答してよい。加えて、特定の例において、プロセッサ2242はまた、
図53に示すように、脱出エラーの検知後に、メモリ2240に脱出状態を記憶してよい。脱出ドアがない場合、プロセッサ2242は、例えば、ディスプレイ2250のバックライトを点滅させることによって、外科用器具2200のユーザーに手動脱出を実行するように伝えてよく、次いで、プロセッサ2242は、上述したように、脱出ハンドル2230を操作するように直接ユーザーに指示を出し続けてよい。
【0146】
読者は、
図52及び/又は53に示す工程が、手動脱出を実行するように外科用器具2200のユーザーに出され得る指示の例示の実施例であることを理解するであろう。モジュール2252及び/又は2270は、
図52及び53に示す工程よりも多い、又は少ない工程を提供するように構成され得る。読者はまた、モジュール2252及び/又は2270は例示的なモジュールであり、プロセッサ2242が様々な他のモジュールを実行して、手動脱出を実行するように外科用器具2200のユーザーに指示を出し得ることを理解するであろう。
【0147】
様々な例において、上述したように、プロセッサ2242は、手動脱出を実行するための工程及び/又はメッセージを所定の時間間隔で外科用器具2200のユーザーに示すように構成され得る。かかる時間間隔は同一であってよく、又は、例えば、ユーザーが実行する作業の複雑性に基づいて異なってよい。特定の例において、かかる時間間隔は、例えば、約1秒〜約10分の範囲の任意の時間間隔であり得る。特定の例において、かかる時間間隔は、例えば、約1秒〜約1分の範囲の任意の時間間隔であり得る。他の時間間隔は、本開示によって想到される。
【0148】
一部の例において、電源組立体、例えば、
図31〜33に示す電源組立体2006などは、電源組立体2006及び/又は電源組立体2006に結合された外科用器具2000の使用回数を監視するように構成されている。電源組立体2006は、使用回数に対応する使用サイクルカウントを維持する。電源組立体2006及び/又は外科用器具2000は、使用サイクルカウントに基づいて1つ、又は2つ以上の動作を実行する。例えば、一部の例において、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えたとき、電源組立体2006及び/又は外科用器具2000は、電源組立体2006を無効化し、外科用器具2000を無効化し、再調整又はサービスサイクルが必要なことを示し、操作者及び/若しくはリモートシステムに使用サイクルカウントを提供し、並びに/又は任意の好適な動作を実行してよい。使用サイクルカウントは、例えば、機械的リミッタ、使用サイクル回路、並びに/又は電池2006及び/若しくは外科用器具2000に結合された、任意の他の好適なシステムなど任意の好適なシステムによって測定されてよい。
【0149】
図54は、電源組立体2400の使用サイクルカウントを監視するように構成されている、使用サイクル回路2402を備える電源組立体2400の1つの例を示す。電源組立体2400は、外科用器具2410に結合されてよい。使用サイクル回路2402は、プロセッサ2404と、使用インジケータ2406と、を備える。使用インジケータ2406は、プロセッサ2404に信号を提供して、電池パック2400及び/又は電源組立体2400に結合された外科用器具2410を示すように構成されている。「使用」は、任意の好適な動作、状態、並びに/又は、例えば、外科用器具2410のモジュール式構成要素の変更、外科用器具2410に結合された使い捨て構成要素の配備若しくは発射、外科用器具2410からの電気外科用エネルギーの伝達、外科用器具2410及び/若しくは電源組立体2400の再調整、電源組立体2400の交換、電源組立体2400の再充電、並びに/又は外科用器具2410及び/又は電池バック2400の安全限度の超過などパラメータを含んでよい。
【0150】
一部の例において、使用サイクル、つまり使用は、電源組立体2400の1つ、又は2つ以上のパラメータによって定義される。例えば、1つの例において、使用サイクルは、電源組立体2400が満充電レベルにあるとき、電源組立体2400からの使用可能な総エネルギーの5%超を使用することを含む。別の例において、使用サイクルは、所定の制限時間を超えた電源組立体2400からの連続的なエネルギー放出を含む。例えば、使用サイクルは、連続及び/又は合計5分間の電源組立体2400からのエネルギーの引き込みに対応してよい一部の例において、電源組立体2400は、例えば、アクティブ状態の使用インジケータ2406及び/又はカウンタ2408など使用サイクル回路2402の1つ、又は2つ以上の構成要素を維持するための連続的な電力引き込みを有する使用サイクル回路2402を備える。
【0151】
プロセッサ2404は、使用サイクルカウントを維持する。使用サイクルカウントは、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410の使用インジケータ2406によって検知された使用回数を示す。プロセッサ2404は、使用インジケータ2406からの入力に基づいて、使用サイクルカウントを増加させてよい、及び/又は減少させてよい。使用サイクルカウントは、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410の1つ、又は2つ以上の操作を制限するために使用される。例えば、一部の例において、電源組立体2400は、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えると、無効化される。本明細書で説明する例は、所定の使用限度を超えた使用サイクルカウントを増加させる例であるが、当業者は、使用サイクルカウントが所定の量から開始されてよく、プロセッサ2404によって減少させられてもよいことを理解されたい。この例において、プロセッサ2404は、使用サイクルカウントが所定の使用限度を下回るとき、電源組立体2400の1つ、又は2つ以上の操作を開始する、及び/又は操作を阻止する。
【0152】
使用サイクルカウントは、カウンタ2408によって維持される。カウンタ2408は、例えば、メモリモジュール、アナログカウンタ、及び/又は使用サイクルカウントを維持するように構成されている任意の回路など任意の好適な回路を備える。一部の例において、カウンタ2408は、プロセッサ2404と一体的に形成される。他の例において、カウンタ2408は、例えば、ソリッドステートメモリモジュールなど別個の構成要素を備える。一部の例において、使用サイクルカウントは、例えば、中央データベースなどリモートシステムに提供される。使用サイクルカウントは、通信モジュール2412によってリモートシステムに伝達される。通信モジュール2412は、例えば、有線通信、及び/又は無線通信など、任意の好適な通信媒体を使用するように構成される。一部の例において、通信モジュール2412は、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えたときに、例えば、制御信号など1つ、又は2つ以上の命令をリモートシステムから受信するように構成されている。
【0153】
一部の例において、使用インジケータ2406は、電源組立体2400に結合された外科用器具2410で使用される、多数のモジュール式構成要素を監視するように構成されている。モジュール式構成要素は、例えば、モジュール式シャフト、モジュール式エンドエフェクタ、及び/又は任意の他のモジュール式構成要素を備えてよい。一部の例において、使用インジケータ2406は、例えば、外科用器具2410に結合されたエンドエフェクタ内のステープルカートリッジの挿入及び/又は配備など、1つ、又は2つ以上の使い捨て構成要素の使用を監視する。使用インジケータ2406は、外科用器具2410の1つ、又は2つ以上のモジュール式構成要素及び/又は使い捨て構成要素の交換を検知するための1つ、又は2つ以上のセンサを備える。
【0154】
一部の例において、使用インジケータ2406は、電源組立体2400が取り付けられている間に実行される、1人の患者の外科的処置を監視するように構成されている。例えば、使用インジケータ2406は、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されている間の外科用器具2410の発射を監視するように構成されてよい。発射は、ステープルカートリッジの配備、電気外科用エネルギーの印加、及び/又は任意の他の好適な外科的イベントに対応してよい。使用インジケータ2406は、電源組立体2400が取り付けられている間の発射回数を測定するために1つ、又は2つ以上の回路を備えてよい。使用インジケータ2406は、単一の患者処置が実行され、プロセッサ2404が使用サイクルカウントを増加させたときに、プロセッサ2404に信号を提供する。
【0155】
一部の例において、使用インジケータ2406は、例えば、電源2414からの電流引き込みなど、電源2414の1つ、又は2つ以上のパラメータを監視するように構成されている回路を備える。電源2414の1つ、又は2つ以上のパラメータは、例えば、切断及び封止動作など外科用器具2410によって実行可能な1つ、又は2つ以上の動作に対応する。使用インジケータ2406は、プロセッサ2404に1つ、又は2つ以上のパラメータを提供し、1つ、又は2つ以上のパラメータが処置が実行されたことを示すときに、プロセッサ2404は使用サイクルカウントを増加させる。
【0156】
一部の例において、使用インジケータ2406は、所定の期間後に使用サイクルカウントを増加させるように構成されている、タイミング回路を備える。所定の期間は、単一の患者処置時間に対応する。単一の患者処置時間とは、手術者が、例えば、切断及び封止処置などの処置を実行するのに要する時間である。電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、プロセッサ2404は使用インジケータ2406をポーリングして、単一の患者処置時間が終了した時間を判定する。所定の期間が経過した場合、プロセッサ2404は、使用サイクルカウントを増加させる。使用サイクルカウントを増加させた後、プロセッサ2404は、使用インジケータ2406のタイミング回路をリセットする。
【0157】
一部の例において、使用インジケータ2406は、単一の患者処置時間を概算する時間定数を含む。
図55は、レジスタ−コンデンサ(RC)タイミング回路2506を有する使用サイクル回路2502を備える、電源組立体2500の1つの例を示す。RCタイミング回路2506は、レジスタ−コンデンサペアによって定められる時間定数を含む。時間定数は、レジスタ2518及びコンデンサ2516の値によって定められる。電源組立体2500が外科用器具に取り付けられると、プロセッサ2504は、RCタイミング回路2506をポーリングする。RCタイミング回路2506の1つ、又は2つ以上のパラメータが所定の閾値を下回るとき、プロセッサ2504は、使用サイクルカウントを増加させる。例えば、プロセッサ2504は、レジスタ−コンデンサペア2506のコンデンサ2518の電圧をポーリングしてよい。コンデンサ2518の電圧が所定の閾値を下回るとき、プロセッサ2504は、使用サイクルカウントを増加させる。プロセッサ2504は、例えば、ADC 2520によってRCタイミング回路2506に結合されてよい。使用サイクルカウントを増加させた後、プロセッサ2504は、トランジスタ2522をオンにして、RCタイミング回路2506を電源2514に接続し、RCタイミング回路2506のコンデンサ2518を充電する。コンデンサ2518がフル充電されると、トランジスタ2522は開放され、RCタイミング回路2506は、時間定数によって制御されるように放電して、次の単一の患者処置を示すことができる。
【0158】
図56は、再充電可能電池2564と、クロック2560と、を有する使用サイクル回路2552を備える電源組立体2550の1つの例を示す。電源組立体2550が外科用器具に取り付けられると、再充電可能電池2564は、電源2558によって充電される。再充電可能電池2564は、少なくとも単一の患者処置時間にわたってクロック2560を実行するのに十分な電力を備える。クロック2560は、リアルタイムクロック、時間機能を実行するように構成されているプロセッサ、又は任意の他の好適なタイミング回路を備えてよい。単一の患者処置時間を超えたことをクロック2560が示すと、プロセッサ2554はクロック2560から信号を受信し、使用サイクルカウントを増加させる。プロセッサ2554は、使用サイクルカウントを増加させた後で、クロック2560をリセットする。例えば、1つの例において、プロセッサ2554は、トランジスタ2562を閉じて、再充電可能電池2564を再充電する。再充電可能電池2564が完全に充電されると、プロセッサ2554はトランジスタ2562を開き、再充電可能電池2564が放電する間、クロック2560を実行できるようにする。
【0159】
戻って
図54を参照すると、一部の例において、使用インジケータ2406は、電源組立体2400が経験する1つ、又は2つ以上の環境状態を監視するように構成されているセンサを備える。例えば、使用インジケータ2406は、加速度計を備えてよい。加速度計は、電源組立体2400の加速度を監視するように構成されてよい。電源組立体2400は、最大加速度耐性を備える。所定の閾値を超える加速度は、例えば、電源組立体2400が脱落していることを示す。使用インジケータ2406が、最大加速度耐性を超える加速度を検出したとき、プロセッサ2404は使用サイクルカウントを増加させる。一部の例において、使用インジケータ2406は、水分センサを備える。水分センサは、電源組立体2400が水分に曝されているときに、それを示すように構成されている。水分センサは、例えば、電源組立体2400が洗浄液に完全に浸ったときに、それを示すように構成されている浸水センサ、使用中に、水分が電源組立体2400と接触したときに、それを示すように構成されている水分センサ、及び/又は他の好適な水分センサなどを備えてよい。
【0160】
一部の例において、使用インジケータ2406は、化学物質曝露センサを備える。化学物質品曝露センサは、電源組立体2400が有害化学物質、及び/又は危険化学物質と接触したときに、それを示すように構成されている。例えば、滅菌処置中に、不適切な化学物質が使用されて、電源組立体2400の劣化をもたらすことがある。プロセッサ2404は、使用インジケータ2406が不適切な化学物質を検知するときに、使用サイクルカウントを増加させる。
【0161】
一部の例において、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が受けた再調整サイクルの数を監視するように構成されている。再調整サイクルは、例えば、洗浄サイクル、滅菌サイクル、充電サイクル、日常及び/若しくは予防保守、並びに/又は任意の他の好適な再調整サイクルを含んでよい。使用インジケータ2406は、再調整サイクルを検知するように構成されている。例えば、使用インジケータ2406は、水分センサを備えて、洗浄及び/又は滅菌サイクルを含んでよい。一部の例において、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が受ける再調整サイクルの数を監視し、再調整サイクルの数が所定の閾値を超えた後で電源組立体2400を無効化する。
【0162】
使用サイクル回路2402は、電源組立体2400の交換回数を監視するように構成されてよい。使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が交換されるたびに使用サイクルカウントを増加させる。交換最大回数を超えたとき、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410を締め出す。一部の例において、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されているとき、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400のシリアル番号を識別し、電源組立体2400が外科用器具2410のみで使用できるように、電源組立体2400をロックする。一部の例において、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が外科用器具2410から取り外される、及び/又は外科用器具2410に結合されるたびに、使用サイクルを増加させる。
【0163】
一部の例において、使用サイクルカウントは、電源組立体2400の滅菌に対応する。使用インジケータ2406は、例えば、温度パラメータ、化学物質パラメータ、水分パラメータ、及び/又は任意の他の好適なパラメータなど滅菌サイクルの1つ、又は2つ以上のパラメータを検知するように構成されているセンサを備える。プロセッサ2404は、滅菌パラメータが検知されると、使用サイクルカウントを増加させる。使用サイクル回路2402は、所定の滅菌回数後に電源組立体2400を無効化する。一部の例において、使用サイクル回路2402は、滅菌サイクル中に、再充電サイクルを検知する電圧センサ、及び/又は任意の好適なセンサをリセットする。プロセッサ2404は、再調整サイクルが検知されると、使用サイクルカウントを増加させる。使用サイクル回路2402は、滅菌サイクルが検知されると、無効化される。使用サイクル回路2402は、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、再起動される、及び/又はリセットされる。一部の例において、使用インジケータは、ゼロパワーインジケータを備える。ゼロパワーインジケータは、滅菌サイクル中の状態を変更し、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、プロセッサ2404によってチェックされる。滅菌サイクルが発生したことをゼロパワーインジケータが示すと、プロセッサ2404は、使用サイクルカウントを増加させる。
【0164】
カウンタ2408は、使用サイクルカウントを維持する。一部の例において、カウンタ2408は、不揮発性メモリモジュールを備える。プロセッサ2404は、使用サイクルが検知されるたびに、不揮発性メモリモジュールに記憶された使用サイクルカウントを増加させる。このメモリモジュールは、プロセッサ2404、及び/又は、例えば、制御回路1100など制御回路によってアクセスされてよい。使用サイクルカウントが所定の閾値を超えると、プロセッサ2404は電源組立体2400を無効化する。一部の例において、使用サイクルカウントは、複数の回路素子によって維持される。例えば、1つの例において、カウンタ2408は、レジスタ(つまり、ヒューズ)パックを備える。電源組立体2400の各使用後に、レジスタ(つまり、ヒューズ)が開放位置まで燃やされて、レジスタパックの抵抗を変化させる。電源組立体2400及び/又は外科用器具2410は、残りの抵抗を読み取る。レジスタパックの最後のレジスタが燃えきるとレジスタパックは、例えば、開回路に対応する無限大の抵抗など所定の抵抗を有し、無限大の抵抗は、電源組立体2400がその使用限度に達したことを示す。一部の例において、レジスタパックの抵抗を使用して、残使用回数を導き出す。
【0165】
一部の例において、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えると、使用サイクル回路2402は、電源組立体2400及び/又は外科用器具2410の更なる使用を阻止する。1つの例において、電源組立体2400に関連付けられる使用サイクルカウントが、例えば、外科用器具2410と一体的に形成されたスクリーンを用いて、操作者に提供される。外科用器具2410は、使用サイクルカウントが電源組立体2400の所定の上限を超えたことを操作者に示し、外科用器具2410の更なる動作を阻止する。
【0166】
一部の例において、使用サイクル回路2402は、所定の使用限度に達すると、物理的に動作を阻止するように構成されている。例えば、電源組立体2400は、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えると、電源組立体2400の接点の上に配備するように構成されているシールドを備えてよい。シールドは、電源組立体2400の電気的接続を被覆することにより、電源組立体2400の再充電及び使用を阻止する。
【0167】
一部の例において、使用サイクル回路2402は、少なくとも部分的に外科用器具2410内に位置付けられ、外科用器具2410の使用サイクルカウントを維持するように構成されている。
図54は、外科用器具2410内の使用サイクル回路2402の1つ、又は2つ以上の構成要素を仮想線で示しており、使用サイクル回路2402の別の位置付けを示している。外科用器具2410の所定の使用限度を超えると、使用サイクル回路2402は、外科用器具2410を無効化する、及び/又はその動作を阻止する。使用インジケータ2406が、1つ、又は2つ以上の所定の閾値及び/又は任意の他の好適な要件が満たされたことを示すシステム診断に応答して、外科用器具2410の1つ、又は2つ以上のモーターパラメータに基づいて、特定のイベント及び/又は要件、例えば、外科用器具2410の発射、単一の患者処置時間に対応する所定の期間などを検知すると、使用サイクル回路2402は、使用サイクルカウントを増加させる。上で議論したように、一部の例において、使用インジケータ2406は、単一の患者処置時間に対応するタイミング回路を備える。他の例において、使用インジケータ2406は、外科用器具2410の特定のイベント及び/又は状態を検知するように構成されている、1つ、又は2つ以上のセンサを備える。
【0168】
一部の例において、使用サイクル回路2402は、所定の使用限度の到達後に、外科用器具2410の動作を阻止するように構成されている。一部の例において、外科用器具2410は、所定の使用限度に到達した、及び/又はこれを超えたときに、それを示す可視インジケータを備える。例えば、赤色フラグなどフラグが、ハンドルからなど外科用器具2410からポップアップ表示されて、外科用器具2410が所定の使用限度を超えたことを操作者に視覚的に示してよい。別の例として、使用サイクル回路2402は、外科用器具2410と一体的に形成されたディスプレイに結合されてよい。使用サイクル回路2402は、所定の使用限度を超えたことを示すメッセージを表示する。外科用器具2410は、所定の使用限度を超えたことを操作者に示す、可聴表示を提供してよい。例えば、1つの例において、外科用器具2410は、所定の使用限度を超え、電源組立体2400が外科用器具2410から取り外されるときに可聴音を出す。可聴音は、外科用器具2410の最終使用回を示し、外科用器具2410は、廃棄するか、再調整するべきであること示す。
【0169】
一部の例において、使用サイクル回路2402は、外科用器具2410の使用サイクルカウントをリモート位置、例えば、中央データベースに伝送するように構成されている。使用サイクル回路2402は、使用サイクルカウントをリモート位置に伝送するように構成されている通信モジュール2412を備える。通信モジュール2412は、任意の好適な通信システム、例えば、有線又は無線通信システムを用いてよい。リモート位置は、使用情報を維持するように構成されている中央データベースを備えてよい。一部の例において、電源組立体2400が外科用器具2410に結合されると、電源組立体2400は、外科用器具2410のシリアル番号を記録する。シリアル番号は、例えば、電源組立体2400が充電器に結合されると、中央データベースに伝送される。一部の例において、中央データベースは、外科用器具2410の各使用に対応するカウントを維持する。例えば、外科用器具2410に関連付けられるバーコードは、外科用器具2410が使用されるたびにスキャンされてよい。使用カウントが所定の使用限度を超えると、中央データベースは、外科用器具2410を廃棄するべきであることを示す信号を外科用器具2410に提供する。
【0170】
外科用器具2410は、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えると、外科用器具2410をロックする、及び/又はこの動作を阻止するように構成されてよい。一部の例において、外科用器具2410は使い捨て器具を備え、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えた後に廃棄される。他の例において、外科用器具2410は、使用サイクルカウントが所定の使用限度を超えた後に再調整されてよい、再利用可能な外科用器具であってよい。外科用器具2410は、所定の使用限度を満たした後に、可逆的ロックアウトを開始する。技術者は外科用器具2410を再調整し、例えば、使用サイクル回路2402をリセットするように構成されている専用技術者キーを用いて、ロックアウトを解放する。
【0171】
一部の例において、電源組立体2400は、使用に先立って、充電及び滅菌が同時に行われる。
図57は、電池2602の充電及び滅菌を同時に行うように構成されている、滅菌及び充電統合システム2600の1つの例を示す。滅菌及び充電統合システム2600は、滅菌チャンバ2604を備える。電池2602は、滅菌チャンバ2604内に配置される。一部の例において、電池2602は、外科用器具に結合されている。充電ケーブル2606は、滅菌チャンバ2604の壁2608を介して取り付けられる。壁2608は、充電ケーブル2606を密封し、滅菌中に滅菌チャンバ2604内の無菌環境を維持する。充電ケーブル2606は、滅菌チャンバ2604内の電源組立体2602に結合するように構成されている第1の端部と、滅菌チャンバ2604の外に位置付けられている充電器2610に結合する第2の端部と、を備える。充電ケーブル2606は、滅菌チャンバ2604内の無菌環境を維持しつつ、滅菌チャンバ2604の壁2608を通過するため、電源組立体2602では、充電及び滅菌が同時に行われてよい。
【0172】
充電器2610によって印加される充電プロファイルは、滅菌チャンバ2604の滅菌サイクルと一致するように構成されている。例えば、1つの例において、滅菌処置時間は、約28〜38分である。充電器2610は、滅菌処置時間中に電池を充電する充電プロファイルを提供するように構成されている。一部の例において、充電プロファイルは、滅菌処置後の冷却期間に及んでよい。充電プロファイルは、電源組立体2602及び/又は滅菌チャンバ2604からのフィードバックに基づいて充電器2610によって調整されてよい。例えば、1つの例において、センサ2612は、滅菌チャンバ2604内に位置付けられている。センサ2612は、例えば、滅菌チャンバ2604に存在する化学物質、滅菌チャンバ2604の温度、及び/又は滅菌チャンバ2604の任意の他の好適な特性など滅菌チャンバ2604の1つ、又は2つ以上の特性を監視するように構成されている。センサ2612は、滅菌チャンバ2604の壁2608を介して延びるケーブル2614によって、充電器2610に結合されている。ケーブル2614は、滅菌チャンバ2604が無菌環境を維持し得るように封止される。充電器2610は、センサ2614からのフィードバックに基づいて充電プロファイルを調整する。例えば、1つの例において、滅菌チャンバ2604及び/又は電源組立体2602の温度が所定の温度を超えると、充電器2610はセンサ2612から温度データを受信し、充電プロファイルを調整する。別の例として、充電器2610は、化学物質、例えば、H
2O
2が爆発限界に近づくと、センサ2612から化学成分情報を受信し、電源組立体2602の充電を阻止する。
【0173】
図58は、一体的に形成された充電器2660を有する電源組立体2652用に構成されている、滅菌及び充電統合システム2650の1つの例を示す。交流(AC)電源2666は滅菌チャンバ2654の外に位置付けられ、滅菌チャンバ2654の壁2658を介して取り付けられたACケーブル2656によって充電器2660に結合される。壁2658は、ACケーブル2656を密封する。充電器2660は、
図57に示した充電器2610と同様に動作する。一部の例において、充電器2660は、滅菌チャンバ2654内に位置付けられているセンサ2662からフィードバックを受信し、ケーブル2664によって充電器2660に結合される。
【0174】
様々な例において、外科用システムは、磁石と、センサと、を含み得る。これらを組み合わせると、磁石及びセンサは協働して、例えば、外科用器具のエンドエフェクタ内のファスナーカートリッジの存在、エンドエフェクタに装着したファスナーカートリッジの種類、及び/又は装着したファスナーカートリッジの発射状態などファスナーカートリッジの様々な状態を検知できる。ここで
図62を参照すると、エンドエフェクタ900の顎部902は、例えば、磁石910を備え得、ファスナーカートリッジ920は、例えば、センサ930を備え得る。様々な例において、磁石910は、ファスナーカートリッジ920を受容するように寸法が設定され、構成されている細長いチャネル904の遠位端906に位置付けられ得る。更に、センサ930は、例えば、ファスナーカートリッジ920の鼻部924の遠位端926に少なくとも部分的に埋め込まれ得る、又は保持され得る。様々な例において、センサ924は、外科用器具のマイクロコントローラと信号通信し得る。
【0175】
様々な状況において、ファスナーカートリッジ920が顎部902の細長いチャネル904に位置付けられているとき、センサ930は磁石910の存在を検知し得る。センサ930は、ファスナーカートリッジ920が、例えば、細長いチャネル904に不適切に位置付けられているとき、及び/又は細長いチャネル904に挿入されていないときに検知でき、例えば、外科用システムのマイクロコントローラにカートリッジの装着状態を伝えることができる。特定の例において、磁石910は、例えば、ファスナーカートリッジ920内に位置付けられ得、センサ930は、例えば、エンドエフェクタ900内に位置付けられ得る。様々な例において、センサ930は、エンドエフェクタ900に装着されたファスナーカートリッジ920の種類を検知し得る。例えば、異なる種類のファスナーカートリッジは、カートリッジ本体若しくは他のカートリッジ構成要素に対する異なる配置、異なる極性、及び/又は異なる磁気強度など異なる種類の磁気構成を有し得る。かかる例において、センサ930は、検知した時期信号に基づいて、例えば、カートリッジの長さ、ファスナーの数、及び/又はファスナーの高さなど、顎部902内に位置付けられているカートリッジの種類を検知し得る。加えて、又はその代わりに、センサ930は、ファスナーカートリッジ920がエンドエフェクタ900内に適切に着座されていることを検知し得る。例えば、エンドエフェクタ900及びファスナーカートリッジ920は、複数の磁石及び/又は複数のセンサを備え得、特定の例において、センサは、例えば、センサに対する複数の磁石の位置に基づいて、ファスナーカートリッジ920が適切に位置付けられているか、及び/又は整列しているかを検知し得る。
【0176】
ここで
図63を参照すると、特定の例において、エンドエフェクタ3000は、複数の磁石と、複数のセンサと、を含み得る。例えば、顎部3002は、その遠位端3006に位置付けられている、複数の磁石3010、3012を含み得る。更に、ファスナーカートリッジ3020は、例えば、鼻部3024の遠位端3026に位置付けられている、複数のセンサ3030、3032を含み得る。特定の例において、センサ3030、3032は、顎部3002の細長いチャネル3004内のファスナーカートリッジ3020の存在を検出し得る。様々な例において、センサ3030、3032は、例えば、ホール効果センサを備え得る。様々なセンサは、2008年9月23日出願の米国特許第8,210,411号、名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」に説明されている。2008年9月23日出願の米国特許第8,210,411号、名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。追加センサを追加することにより、例えば外科用器具のマイクロコントローラに更なる、及び/又は改善された情報を提供できるなど、より多くの帯域幅信号を提供できる。加えて、又はその代わりに、追加センサは、ファスナーカートリッジ3020が、例えば、顎部3002の細長いチャネル内に適切に着座されているかどうかを判定できる。
【0177】
様々な例において、磁石は、ファスナーカートリッジの可動構成要素上に位置付けられ得る。例えば、磁石は、発射ストローク中に移動するファスナーカートリッジの構成要素上に位置付けられ得る。かかる例において、エンドエフェクタ内のセンサは、ファスナーカートリッジの発射状態を検知できる。例えば、ここで
図64を参照すると、磁石3130は、ファスナーカートリッジ3120のスレッド3122に位置付けられ得る。更に、センサ1110は、エンドエフェクタ3100の顎部3102に位置付けられ得る。様々な状況において、スレッド3122は、発射ストローク中に移動し得る。更に、特定の例において、スレッド3120は、発射ストローク後に、ファスナーカートリッジ3120の遠位端に留まり得る。換言すると、カートリッジが発射された後で、スレッド3120は、ファスナーカートリッジ3120の遠位端に留まり得る。したがって、センサ3110は、磁石3130及び対応するスレッド3120の位置を検知して、ファスナーカートリッジ3120の発射状態を判定できる。例えば、センサ3110が磁石3130の近位位置を検知するときは、ファスナーカートリッジ3120は未発射であり、発射準備が整っていてよく、センサ3110が磁石3130の遠位位置を検知するときは、例えば、ファスナーカートリッジ3120は使用済みであり得る。ここで
図65を参照すると、様々な例において、エンドエフェクタ3200の顎部3202は、複数のセンサ3210、3212を含み得る。例えば、近位センサ3212は、顎部3202の近位部に位置付けられ得、例えば、遠位センサ3210は、顎部3202の遠位部に位置付けられ得る。かかる例において、センサ3210、3212は、例えば、発射ストローク中にスレッド3122が移動するとき、スレッド3122の位置を検知できる。様々な例において、センサ3210、3212は、例えば、ホール効果センサを備え得る。
【0178】
加えて、又はその代わりに、エンドエフェクタは、ファスナーカートリッジの存在及び/又は発射状態を検知できる、複数の電気接点を含み得る。ここで
図66を参照すると、エンドエフェクタ3300は、ファスナーカートリッジ3320を受容するように構成されているチャネル3304を画定する顎部3302を含み得る。様々な例において、顎部3302及びファスナーカートリッジ3320は、電気接点を備え得る。例えば、細長いチャネル3304は、底面3306を画定し得、電気接点3310は、底面3306に位置付けられ得る。様々な例において、複数の電気接点3310は、細長いチャネル3304内に画定され得る。電気接点3310は、発射状態回路3340の一部を形成し得、発射状態回路3340は、外科用システムのマイクロコントローラと信号通信し得る。例えば、電気接点3310は、電源に電気的に結合され得、及び/又はこれと通信し得、例えば、開回路の電気活性端部を形成し得る。一部の例において、電気接点3310のうちの1つは、電気接点3310の中間で電位が生成されるように、電力供給され得る。特定の例において、接点のうちの1つは、例えば、接点に電位を供給し得る、マイクロプロセッサの出力チャネルに結合され得る。別の接点は、例えば、マイクロプロセッサの入力チャネルに結合され得る。特定の例において、電気接点3310は、顎部3302のフレーム3306から絶縁され得る。
図66を参照すると、ファスナーカートリッジ3320はまた、例えば、電気接点3330又は複数の電気接点を含み得る。様々な例において、電気接点3330は、ファスナーカートリッジ3320の可動素子上に位置付けられ得る。例えば、電気接点3330は、ファスナーカートリッジ3320のスレッド3322上に位置付けられて得、したがって、電気接点3330は、発射ストローク中にファスナーカートリッジ3320内で移動し得る。
【0179】
様々な例において、電気接点3330は、例えば、スレッド3320上に金属バー又はプレートを備え得る。ファスナーカートリッジ3320内の電気接点3330は、例えば、エンドエフェクタ3300内の電気接点3310と協働し得る。特定の状況において、電気接点3330は、スレッド3322がファスナーカートリッジ3320内の特定の位置又はある範囲の位置に位置付けられるときに、電気接点3310と接触し得る。例えば、電気接点3330は、スレッド3322が未発射であり、したがって、ファスナーカートリッジ3320の近位位置に位置付けられているときに、電気接点3310と接触し得る。かかる状況において、電気接点3330は、例えば、電気接点3310間の回路を閉じ得る。更に、発射状態回路3340は、閉回路(すなわち、未発射カートリッジを示す)を外科用システムのマイクロコントローラに伝え得る。かかる例において、スレッド3322が発射ストローク中に遠位で発射すると、電気接点3330は、例えば、移動して、電気接点3310との電気的接続から離脱し得る。したがって、発射状態回路3340は、開回路(すなわち、発射済みカートリッジを示す)を外科用システムのマイクロコントローラに伝え得る。特定の状況において、マイクロコントローラは、例えば、発射状態回路3340によって未使用のカートリッジが示されたときにのみ、発射ストロークストロークを開始してよい。様々な例において、電気接点3330は、電気機械式ヒューズを備え得る。かかる例において、ヒューズは、例えば、スレッド3322が発射ストロークを経て発射されると、切れ得る、つまりショートし得る。
【0180】
加えて、又はその代わりに、ここで
図67を参照すると、エンドエフェクタ3400は、顎部3402と、カートリッジ存在回路3440と、を含み得る。様々な例において、顎部3402は、例えば、その細長いチャネル3404内に電気接点3410、又は複数の電気接点3410を備え得る。更に、ファスナーカートリッジ3420は、ファスナーカートリッジ3420の外側表面に電気接点3430又は複数の電気接点3430を含み得る。様々な例において、電気接点3430は、例えば、ファスナーカートリッジ3420の固定、つまり据置構成要素上に位置付けられ得る、及び/又は取り付けられ得る。様々な状況において、ファスナーカートリッジ3420の電気接点3430は、例えば、ファスナーカートリッジ3420が細長いチャネル3404に装着されると、エンドエフェクタ3400の電気接点3410と接触し得る。細長いチャネル3404へのファスナーカートリッジ3420の配置に先立って、カートリッジ存在回路3440は、例えば、開回路であり得る。ファスナーカートリッジ3420が顎部3402に適切に着座されるとき、電気接点3410及び3430は、閉じた、カートリッジ存在回路3440を形成し得る。顎部3402及び/又はファスナーカートリッジ3420が複数の電気接点3410、3430を備える例において、カートリッジ存在回路3440は、複数の回路を含み得る。更に、特定の例において、カートリッジ存在回路3440は、例えば、ファスナーカートリッジ3420上の電気接点3430の数及び/又は構成、並びに、例えば、カートリッジ存在回路3440の対応する開回路及び/又は閉回路に基づいて、顎部3402に装着されたカートリッジの種類を識別できる。
【0181】
更に、顎部3402内の電気接点3410は、外科用システムのマイクロコントローラと信号通信し得る。電気接点3410は、例えば、電源に配線され得、並びに/又は例えば、有線接続及び/若しくは無線接続でマイクロコントローラと通信し得る。様々な例において、カートリッジ存在回路3440は、カートリッジの有無を外科用システムのマイクロコントローラに伝え得る。様々な例において、例えば、カートリッジ存在回路3440がエンドエフェクタ顎部3402におけるファスナーカートリッジの不在を示すとき、発射ストロークは阻止されてよい。更に、カートリッジ存在回路3440がエンドエフェクタ顎部3402におけるファスナーカートリッジ3420の存在を示すとき、発射ストロークは許可されてよい。
【0182】
本開示を通して説明するように、様々なセンサ、プログラム、及び回路は、外科用器具及び/若しくはその構成要素、外科的使用若しくは手術、並びに/又は組織及び/若しくは手術部位の多数の特性を検知し、測定し得る。例えば、組織厚さ、器具構成要素の識別、外科的機能からの使用及びフィードバックデータ、並びにエラー又は不良のインジケータは、外科用器具によって検知され得る。特定の例において、ファスナーカートリッジは不揮発性メモリユニットを含み得、この不揮発性メモリユニットは、例えば、ファスナーカートリッジに埋め込まれ得る、又は着脱可能に結合され得る。かかる不揮発性メモリユニットは、本明細書に記載の電気接点、無線周波数、又は様々な他の好適なデータ伝送形態などハードウェアを介してマイクロコントローラと信号通信し得る。かかる例において、マイクロコントローラは、データ及びフィードバックをファスナーカートリッジ内の不揮発性メモリユニットに伝えることができ、したがって、ファスナーカートリッジは情報を記憶できる。様々な例において、この情報は安全に記憶され得、この情報へのアクセスは、状況に好適かつ適切なように限定され得る。
【0183】
特定の例において、不揮発性メモリユニットは、ファスナーカートリッジ特性及び/又はモジュール式外科用システムの様々な他の構成要素との適合性に関する情報を含み得る。例えば、ファスナーカートリッジがエンドエフェクタに装着されるとき、不揮発性メモリユニットは、外科用システムのマイクロコントローラに適合性情報を提供し得る。かかる例において、マイクロコントローラは、モジュール式組立体の妥当性、つまり適合性を確認し得る。例えば、マイクロコントローラは、例えば、ハンドル構成要素がファスナーカートリッジを発射できること、及び/又はファスナーカートリッジがエンドエフェクタに適切に適合することを確認し得る。特定の状況において、マイクロコントローラは、例えば、その適合性の有無を外科用システムの操作者に伝え得、及び/又はモジュール式構成要素が不適合である場合は、外科的機能を阻止してよい。
【0184】
本明細書に記載するように、外科用器具はセンサを含み得、このセンサは、磁石と協働して、様々な外科用器具、操作、及び手術部位の特性を検知し得る。特定の例において、センサは、ホール効果センサを備え得、他の例において、センサは、例えば、
図68(A)〜68(C)に示すように、磁気抵抗センサを備え得る。本明細書で更に詳細に説明するように、外科用エンドエフェクタは、ファスナーカートリッジを受容するように構成され得る第1の顎部と、第2の顎部と、を備え得る。第1の顎部及び/又はファスナーカートリッジは、例えば、永久磁石など磁気素子を備え得、第2の顎部は、例えば、磁気抵抗センサを備え得る。他の例において、第1の顎部及び/又はファスナーカートリッジは、例えば、磁気抵抗センサを備え得、第2の顎部は磁気素子を備え得る。磁気抵抗センサは、例えば、
図68(C)の表に示す様々な特性、及び/又は、例えば類似の仕様を有してよい。特定の例において、磁気抵抗センサに対する磁気素子の移動によって生じる抵抗の変化は、例えば、
図68(B)に示す時期回路のプロパティに影響し得る、及び/又はこれらを変化させ得る。
【0185】
様々な例において、磁気抵抗センサは磁気素子の位置を検知でき、したがって、例えば、対向する第1の顎部と第2の顎部との間にクランプされた組織の厚さを検知できる。磁気抵抗センサは、マイクロコントローラと信号通信し得、磁気抵抗センサは、例えば、マイクロコントローラとの信号通信でデータをアンテナに無線伝送し得る。様々な例において、受動回路は、磁気抵抗センサを備え得る。更に、アンテナはエンドエフェクタ内に位置付けられ得、例えば、磁気抵抗センサ及び/又は動作可能にそこに結合されたマイクロプロセッサからの無線信号を検知し得る。かかる状況において、例えば、アンテナを備えるエンドエフェクタと、例えば、磁気抵抗センサを備えるファスナーカートリッジとの間の露出した電気接続は回避され得る。更に、様々な例において、アンテナは、外科用器具のマイクロコントローラと有線通信及び/又は無線通信し得る。
【0186】
組織は体液を含み得、組織が圧縮されるとき、体液は、圧縮された組織から押し出されてよい。例えば、外科用エンドエフェクタの対向する顎部の間に組織がクランプされるとき、体液は、クランプされた組織から流出してよい、及び/又は移動してよい。クランプされた組織における体液の流出、つまり移動は、組織の厚さ及び/又は種類など様々な組織の特性、並びに、例えば、所望の組織圧縮、及び/又は経過クランプ時間など外科手術の様々な特性に応じて異なり得る。様々な例において、エンドエフェクタの対向する顎部間での体液移動は、対向する顎部の間で形成されたステープルの変形に寄与し得る。例えば、ステープル形成中及び/又はステープル形成後の体液の移動は、その所望の、つまり意図した形成から離れるようなステープルの屈曲及び/又は他の制御されない移動を含み得る。したがって、様々な例において、検知した体液流、体液流の不在、外科用エンドエフェクタの、中間の対向する顎部に関連して、発射ストロークを制御すること、例えば、発射速度を制御することが望ましい。
【0187】
様々な例において、クランプした組織内での体液移動は、様々な測定可能、かつ/又は検知可能な組織特性によって測定され得る、又は概算され得る。例えば、組織の圧縮度は、クランプした組織内での体液移動の程度に対応し得る。様々な例において、例えば、組織圧縮度が高いほど、体液流出量は多くなり得、例えば、組織圧縮度を低下させると、より少ない流体流に対応し得る。様々な状況において、エンドエフェクタ顎部に位置付けられているセンサは、圧縮された組織によって顎部にもたらされる力を検知できる。加えて、又はその代わりに、切断素子上の、又はこれに動作可能に関連付けられるセンサは、切断素子がクランプした組織を通過し、横断するとき、切断素子上の抵抗を検知できる。かかる状況において、検知された切断及び/又は発射抵抗は、組織の圧縮度に対応し得る。例えば、組織の圧縮度が高いとき、切断素子の抵抗はより大きく、例えば、組織の圧縮度が低いとき、切断素子の抵抗は低減され得る。それに応じて、切断素子の抵抗は、体液の移動量を示し得る。
【0188】
特定の例において、クランプした組織中の体液移動は、切断素子に必要な力、すなわち、発射力によって測定され得る、又は概算され得る。発射力は、例えば、切断素子の抵抗に対応し得る。更に、発射力は、切断素子を駆動する電気モーターと信号通信するマイクロコントローラによって測定され得る、又は概算され得る。例えば、切断素子の抵抗が高いとき、電気モーターは、組織を通って切断素子を駆動させるのにより多くの電流を必要とし得る。同様に、切断素子の抵抗が低い場合、電気モーターは、組織を通って切断素子を駆動させるのにより少ない電流を必要とし得る。かかる例において、マイクロコントローラは、発射ストローク中に電気モーターによって引き込まれる電流量を検知し得る。例えば、マイクロコントローラは電流センサを含み得、この電流センサは、例えば、組織を通って切断素子を発射するために用いられる電流を検知できる。
【0189】
ここで
図60を参照すると、外科用器具組立体、つまりシステムは、クランプした組織の圧縮力を検知するように構成され得る。例えば、様々な例において、電気モーターは発射素子を駆動し得、マイクロコントローラは、モーターと信号通信し得る。電気モーターが発射素子を駆動するとき、マイクロコントローラは、例えば、電気モーターによる電流引き込みを測定し得る。かかる例において、発射力は、上述したように、発射ストローク中の電気モーターによる電流引き込みに対応し得る。更に
図60を参照すると、工程3501において、外科用器具のマイクロコントローラは、発射ストローク中に電気モーターによる電流引き込みが増加するかどうかを判定でき、増加する場合には、電流の増加割合を計算できる。
【0190】
様々な例において、マイクロコントローラは、発射ストローク中の電流引き込みの増加を所定の閾値と比較できる。例えば、所定の閾値は、例えば、5%、10%、25%、50%、及び/又は100%であり得、マイクロコントローラは、発射ストローク中の電流増加を所定の閾値と比較し得る。他の例において、閾値の増加は、5%〜100%の値、又はその範囲であり得、更に他の例において、閾値の増加は、例えば、5%未満、又は100%超であり得る。例えば、所定の閾値が50%である場合、マイクロコントローラは、例えば、電流引き込みの変化割合を50%と比較し得る。特定の例において、マイクロコントローラは、発射ストローク中の電気モーターによる電流引き込みが最大電流割合、又はベースライン値を超えたかどうかを判定できる。例えば、マイクロコントローラは、電流が、最大モーター電流の5%、10%、25%、50%、及び/又は100%を超えたかどうかを判定できる。他の例において、マイクロコントローラは、発射ストローク中の電気モーターによる電流引き込みを、例えば、所定のベースライン値と比較できる。
【0191】
様々な例において、マイクロコントローラは、アルゴリズムを用いて、発射ストローク中の電気モーターによる電流引き込みの変化を判定することができる。例えば、電流センサは、発射ストローク中に様々な時点及び/又は間隔で電気モーターによる電流引き込みを検知できる。電流センサは、電気モーターによる電流引き込みを連続的に検知できる、及び/又は電気モーターによる電流引き込みを間欠的に検知できる。様々な例において、アルゴリズムは、例えば、最新の電流読み取り値を直前の(immediately proceeding)電流読み取り値と比較し得る。加えて、又はその代わりに、アルゴリズムは、期間X内のサンプル読み取り値を以前の電流読み取り値と比較できる。例えば、アルゴリズムは、サンプル読み取り値を、例えば、直前の期間Xなど以前の期間X内の以前のサンプル読み取り値と比較し得る。他の例において、アルゴリズムは、モーターによる電流引き込みのトレンド平均を計算し得る。アルゴリズムは、例えば、最新の電流読み取り値を含む期間X中の平均電流引き込みを計算し得、例えば、平均電流引き込みを直前の期間X中の平均電流引き込みと比較し得る。
【0192】
更に
図60を参照すると、マイクロコントローラが閾値変化、つまり閾値よりも大きい電流の増加を検知する場合、マイクロコントローラは工程3503に進むことができ、発射素子の発射速度を低減できる。例えば、マイクロコントローラは、電気モーターと通信して、発射素子の発射速度を低減できる。例えば、発射速度は、所定の工程単位及び/又は所定の割合で低減され得る。様々な例において、マイクロコントローラは速度制御装置モジュールを備え得、この速度制御装置モジュールは、切断素子速度に影響を及し得る、及び/又は切断素子速度を維持し得る。速度制御装置モジュールは、例えば、レジスタ、可変レジスタ、パルス幅変調回路、及び/又は周波数変調回路を備え得る。更に
図60を参照すると、電流の増加が閾値を下回る場合、マイクロコントローラは工程3505に進むことができ、この工程では、例えば、発射素子の発射速度が維持され得る。様々な状況において、マイクロコントローラは、電気モーターによる電流引き込みを引き続き監視でき、発射ストロークの少なくとも一部においてこれを変更する。更に、マイクロコントローラ及び/又はその速度制御装置モジュールは、検知した電流引き込みに従って、発射ストローク中に発射素子速度を調整できる。かかる例において、例えば、クランプした組織における概算流量、つまり移動に基づいて発射速度を制御することにより、クランプした組織におけるステープルの変形の発生を低減できる。
【0193】
ここで
図61を参照すると、様々な例において、マイクロコントローラは、所定の期間にわたって発射素子を一時停止させることによって発射素子の速度を調整できる。例えば、
図60に示す実施形態と同様に、マイクロコントローラが、工程3511において所定の閾値を超える電流引き込みを検知する場合、マイクロコントローラは工程3513に進むことができ、発射素子は一時停止され得る。例えば、マイクロコントローラによって測定された電流の増加が閾値を超えた場合、マイクロコントローラは、発射素子の動作及び/又は移動を1秒間一時停止させることができる。他の例において、発射ストロークは、例えば、1秒の何分の1、及び/又は1秒超にわたって一時停止し得る。上述のプロセスと同様に、電流引き込みの増加が閾値を下回る場合、マイクロコントローラは工程3515に進むことができ、発射素子は、発射素子の速度を調整せずに、発射ストロークを実行し続けることができる。特定の例において、マイクロコントローラは発射ストローク中に発射素子を一時停止させ、速度を低減するように構成され得る。例えば、電流引き込みの第1の増加では、発射素子は一時停止させられ得、電流引き込みの第2の、異なる増加では、発射素子の速度は低減され得る。更に他の状況において、例えば、電流引き込みの減少が閾値を下回る場合、マイクロコントローラは、発射素子の速度の増加を命じることができる。
【0194】
本明細書に記載するように、例えば、外科用ステープル留め器具など外科用器具は、例えば、プロセッサ、コンピュータ、及び/又はコントローラ(本明細書において、「プロセッサ」と総称する)と、プロセッサ、コンピュータ、及び/又はコントローラと信号通信する1つ、若しくは2つ以上のセンサと、を含み得る。様々な例において、プロセッサは、マイクロコントローラと、マイクロコントローラに動作可能に結合された、1つ、又は2つ以上のメモリユニットと、を備え得る。メモリに記憶された命令コードを実行することにより、プロセッサは、例えば、モーター、様々な駆動システム、及び/又はユーザーディスプレイなど、外科用器具の様々な構成要素を制御してよい。プロセッサは、集積型及び/若しくは個々のハードウェア素子、ソフトウェア素子、並びに/又はそれら両者の組み合わせを用いて実装されてよい。集積型のハードウェア素子の例には、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、専用集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を挙げることができる。個々のハードウェア素子の例には、回路及び/又は回路素子(論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、及び/又はリレーなど)を挙げることができる。特定の例において、プロセッサは、例えば、1枚又は2枚以上の基板上に個々の回路素子又は部品と集積型の回路素子又は部品とを備えるハイブリッド回路を有してよい。
【0195】
プロセッサは、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。特定の例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示で容易に代用されてよい。したがって、本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0196】
信号通信は、センサとプロセッサとの間で情報が伝達される、任意の好適な形態の通信を含み得る。かかる通信は、例えば、1つ、若しくは2つ以上の導体を用いる有線通信及び/又は無線送信機及び受信機を用いる無線通信を含み得る。様々な例において、外科用器具は、外科用器具の第1の状態を検知するように構成されている第1のセンサと、外科用器具の第2の状態を検知するように構成されている第2のセンサと、を含み得る。例えば、外科用器具は、例えば、外科用器具の閉鎖トリガーが作動したかどうかを検知するように構成されている第1のセンサと、外科用器の発射トリガーが作動したかどうかを検知するように構成されている第2のセンサと、を含み得る。
【0197】
外科用器具が、同一の状態を検知するように構成されている2つ以上のセンサを含み得る、様々な実施形態が考えられる。少なくとも1つのかかる実施形態において、外科用器具は、プロセッサと、このプロセッサと信号通信する第1のセンサと、このプロセッサと信号通信する第2のセンサと、を備え得る。第1のセンサは、プロセッサに第1の信号を伝えるように構成され得、第2のセンサは、プロセッサに第2の信号を伝えるように構成され得る。様々な例において、プロセッサは、第1のセンサから第1の信号を受信する第1の入力チャネルと、第2のセンサから第2の信号を受信する第2の入力チャネルと、を含み得る。他の例において、マルチプレクサ装置は、第1の信号及び第2の信号を受信し、例えば、単一の合成信号の一部として、第1の信号及び第2の信号のデータをプロセッサに伝えることができる。一部の例において、例えば、第1の絶縁線など第1の導体は、第1のセンサを第1の入力チャネルに接続でき、例えば、第2の絶縁線など第2の導体は、第2のセンサを第2の入力チャネルに接続できる。上に概説したように、第1のセンサ及び/又は第2のセンサは、プロセッサと無線通信できる。少なくとも1つのかかる例において、第1のセンサは第1の無線送信機を含み得、第2のセンサは第2の無線送信機を含み得、プロセッサは、第1の信号及び/又は第2の信号を受信し、これらの信号をプロセッサに伝送するように構成されている、少なくとも1つの無線信号受信機を含み得る、及び/又はこれと通信し得る。
【0198】
以下でより詳細に説明するように、外科用器具のプロセッサは、センサと協働して、外科用器具が正常に動作していることを確認できる。第1の信号は、外科用器具の状態に関するデータを含み得、第2の信号は、同一の状態に関するデータを含み得る。プロセッサは、第1の信号からのデータを第2の信号からのデータと比較し、2つの信号が同一であるか、異なるかを判定するように構成されているアルゴリズムを含み得る。2つの信号からのデータが同一である場合、プロセッサは、このデータを使用して外科用器具を動作させてよい。かかる状況において、プロセッサは不良状態が存在しないと見なし得る。様々な例において、プロセッサは、第1の信号からのデータ及び第2の信号からのデータが許容可能な、つまり認められるデータ範囲内であるかどうかを判定しできる。2つの信号からのデータが認められるデータ範囲内である場合、プロセッサは、信号のうちの1つ又はその両方を使用して外科用器具を動作させてよい。かかる状況において、プロセッサは不良状態が存在しないと見なし得る。第1の信号からのデータが認められるデータ範囲外である場合、プロセッサは、第1のセンサに関して不良状態が存在すると見なしてよく、第1の信号を無視し、第2の信号からのデータに応答して外科用器具を動作させる。同様に、第2の信号からのデータが認められるデータ範囲外である場合、プロセッサは、第2のセンサに関して不良状態が存在すると見なしてよく、第2の信号を無視し、第1の信号からのデータに応答して外科用器具を動作させる。プロセッサは、1つ、又は2つ以上のセンサからの入力を選択的に無視するように構成され得る。
【0199】
様々な例において、上記に加えて、プロセッサは、第1の信号からのデータが第1の値と第2の値との間にあるかどうかを評価するように構成されているアルゴリズムを実装するように構成されているモジュールを含み得る。同様に、アルゴリズムは、第2の信号からのデータが第1の値と第2の値との間にあるかどうかを評価するように構成され得る。特定の例において、外科用器具は、少なくとも1つの記憶装置を含み得る。記憶装置は、プロセッサと一体であり得、プロセッサと信号連通し得る、及び/又はプロセッサによってアクセス可能であり得る。特定の例において、記憶装置は、記憶されたデータを含むメモリチップを含み得る。メモリチップに記憶されたデータは、例えば、ルックアップテーブルの形態であり得、プロセッサはルックアップテーブルにアクセスして、許容可能な、つまり認められるデータ範囲を確立できる。特定の例において、記憶装置は、不揮発性メモリ、例えば、ビットマスクされた読出し専用メモリメモリ(ROM)又はフラッシュメモリなどを備え得る。不揮発性メモリ(NVM)は、例えば、プログラマブルROM(PROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能PROM(EEPROM)、又は、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくはシンクロナスDRAM(SDRAM)などのバッテリバックアップ型のランダムアクセスメモリ(RAM)など、他の種類のメモリを備えてよい。
【0200】
上記に加えて、第1のセンサ及び第2のセンサは冗長であり得る。プロセッサは、第1のセンサからの第1の信号を第2のセンサからの第2の信号と比較して、行うべき動作がある場合は、どの動作を行うかを判定するように構成されて得る。上記に加えて、又はその代わりに、プロセッサは、第1の信号及び/又は第2の信号からのデータを記憶装置内に記憶されたアルゴリズム及び/又はデータによって確立された限界と比較するように構成されて得る。様々な状況において、プロセッサは、例えば、第1の信号及び/又は第2の信号など受信する信号にゲインを適用するように構成され得る。例えば、プロセッサは、第1の信号に第1のゲインを適用し得、第2の信号に第2のゲインを適用し得る。特定の例において、第1のゲインは、第2のゲインと同一であり得る。他の例において、第1のゲインと第2のゲインとは、異なり得る。いくつかの状況において、プロセッサは、第1のゲイン及び/又は第2のゲインを較正するように構成され得る。少なくとも1つのかかる状況において、プロセッサは、増幅された信号が所望の、つまり許容可能な範囲内になるように、ゲインを修正できる。様々な例において、未修整ゲイン及び/又は修正済みゲインは、プロセッサと一体の記憶装置及び/又はプロセッサによってアクセス可能な記憶装置内に記憶され得る。特定の実施形態において、記憶装置は、信号に適用されたゲインの履歴を追跡できる。いずれにしても、プロセッサは、外科的処置前、外科的処置中、及び/又は外科的処置後にこの較正を提供するように構成され得る。
【0201】
様々な実施形態において、第1のセンサは第1の信号に第1のゲインを適用し得、第2のセンサは第2の信号に第2のゲインを適用し得る。特定の実施形態において、プロセッサは、1つ、又は2つ以上の出力チャネルを含み得、第1及び第2のセンサと通信し得る。例えば、プロセッサは、第1のセンサと信号通信する第1の出力チャネルと、第2のセンサと信号通信する第2の出力チャネルと、を含み得る。上記に加えて、プロセッサは、第1のセンサ及び/又は第2のセンサを較正するように構成され得る。プロセッサは、第1のセンサが第1の信号に適用している第1のゲインを修正するために、前記第1の出力チャネルを介して第1の較正信号を送信できる。同様に、プロセッサは、第2のセンサが第2の信号に適用している第2のゲインを修正するために、前記第2の出力チャネルを介して第2の較正信号を送信できる。
【0202】
上で議論したように、プロセッサは、第1の信号及び/又は第2の信号から受信したデータを考慮して外科用器具の動作を修正できる。いくつかの状況において、プロセッサは、プロセッサが不良であると判断する冗長センサからの信号を無視できる。いくつかの状況において、プロセッサは安全状態を外科用器具に復帰させ得る、及び/又はセンサの一方若しくは両方が不良であることを外科用器具のユーザーに警告し得る。特定の状況において、プロセッサは、外科用器具を無効化し得る。様々な状況において、プロセッサがセンサのうちの1つ、又は2つ以上が不良であると検知したとき、プロセッサは、外科用器具の特定機能を停止させ得る、及び/又は修正し得る。少なくとも1つかかる状況において、プロセッサがセンサのうちの1つ、又は2つ以上が不良であると検知したとき、プロセッサは、例えば、手術部位から外科用器具を安全に取り外すことができるようにし得る制御装置に動作可能な制御装置を制限してよい。少なくとも1つの状況において、プロセッサは、センサのうちの1つ、又は2つ以上が不良であると検知する。特定の状況において、プロセッサがセンサのうちの1つ、又は2つ以上が不良であると検知したとき、プロセッサは、例えば、外科用器具のモーターによって伝達され得る最大速度、電力、及び/又はトルクを制限してよい。様々な状況において、プロセッサがセンサのうちの1つ、又は2つ以上が不良であると検知したとき、プロセッサは、外科用器具のユーザーが、不完全に稼働するセンサ又は稼働しないセンサを再較正できるようにしてよい再較正制御装置を有効にしてよい。2つのセンサを用いて同一の状態を検知する様々な例示的な実施形態を本明細書で説明するが、2つよりも多くのセンサを用いる様々な他の実施形態が考えられる。本明細書で説明する、2センサシステムに適用される原則は、3つ以上のセンサを含むシステムに適合され得る。
【0203】
上で議論したように、第1のセンサ及び第2のセンサは、外科用器具の同一の状態を検知するように構成され得る。例えば、第1のセンサ及び第2のセンサは、例えば、外科用器具のアンビルが開放状態にあるかどうかを検知するように構成され得る。少なくとも1つのかかる例において、第1のセンサは、閉鎖トリガーの作動位置への移動を検知し得、第2のセンサは、例えば、アンビルのクランプ位置への移動を検知し得る。一部の例において、第1のセンサ及び第2のセンサは、外科用器具のエンドエフェクタからステープルを配備するように構成されている発射部材の位置を検知するように構成され得る。少なくとも1つのかかる例において、例えば、第1のセンサは、外科用器具のハンドル内のモーター駆動のラックの位置を検知するように構成され得、第2のセンサは、モーター駆動のラックと動作可能に結合されている外科用器具のシャフト又はエンドエフェクタ内の発射部材の位置を検知するように構成され得る。様々な例において、第1及び第2のセンサは、同一のイベントが発生していることを確認し得る。第1及び第2のセンサは、外科用器具の同一部分及び/又は外科用器具の異なる部分に位置付けられ得る。第1のセンサは、例えば、ハンドルに位置付けられ得、第2のセンサは、例えば、シャフト又はエンドエフェクタに位置付けられ得る。
【0204】
上記に加えて、第1及び第2のセンサを使用して、2つのイベントが同時に発生したかどうかを判定できる。例えば、閉鎖トリガー及びアンビルが同時に移動しているか、又は移動したかを判断できる。特定の例において、第1及び第2のセンサを使用して、2つのイベントが同時に発生していないかどうかを判定できる。例えば、外科用器具の発射部材が前進して、エンドエフェクタからステープルを配備する間に、エンドエフェクタのアンビルが開放することは望ましくないことがある。第1のセンサは、アンビルがクランプ位置にあるかどうかを判定するように構成され得、第2のセンサは、発射部材が前進しているかどうかを判定するように構成されている。第1のセンサが、アンビルはアンクランプ位置にあることを検出し、第2のセンサが、発射部材は前進していることを検出する場合、プロセッサは、例えば、外科用器具のモーターへの電力の供給を中断し得る。同様に、第1のセンサは、エンドエフェクタのクランプを解除するように構成されているアンクランプアクチュエータが押下されているかどうかを検知するように構成され得、第2のセンサは、外科用器具のモーターを動作させるように構成されている発射アクチュエータが押下されているかどうかを検知するように構成され得る。外科用器具のプロセッサは、例えば、モーターを停止すること、モーターを逆転させて発射部材を後退させること、及び/又はアンクランプアクチュエータからの命令を無視することによってこれらの矛盾する命令を解決するように構成され得る。
【0205】
一部の例において、上記に加えて、検知された状態は、外科用器具によって消費された電力を含み得る。少なくとも1つのかかる例において、第1のセンサは、外科用器具の電池からの電流引き込みを監視するように構成され得、第2のセンサは、電池の電圧を監視するように構成され得る。上で議論したように、かかる情報は、第1のセンサ及び第2のセンサからプロセッサに伝えられ得る。この情報を使用して、プロセッサは、外科用器具の電力引き込みを計算できる。かかるシステムは、「供給側」の電力監視と呼ばれ得る。特定の例において、例えば、第1のセンサは、外科用器具のモーターによる電流引き込みを検知するように構成されて得、第2のセンサは、外科用器具のプロセッサによる電流引き込みを検知するように構成され得る。上で議論したように、かかる情報は、第1のセンサ及び第2のセンサからプロセッサに伝えられ得る。この情報を使用して、プロセッサは、外科用器具の電力引き込みを計算できる。外科用器具の他の構成要素が電力を引き込む範囲内において、センサを用いて、各構成要素の電流引き込みを検知し、その情報をプロセッサに伝え得る。かかるシステムは、「使用側」の電力監視と呼ばれ得る。供給側の電力監視及び使用側の電力監視を用いる様々な実施形態が考えられる。様々な例において、プロセッサ及び/又はプロセッサによって実行されるアルゴリズムは、1つのセンサのみによっては直接感知されない装置の状態を、複数のセンサを使用して計算するように構成され得る。この計算に基づいて、プロセッサは、外科用器具の機能の有効化、ブロック、及び/又は修正を実行できる。
【0206】
様々な状況において、プロセッサ及びセンサシステムによって検知され得る外科用器具の状態には、外科用器具の向きが挙げられ得る。少なくとも1つの実施形態において、外科用器具は、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を含み得る。例えば、第1のセンサは、ハンドル内に位置付けられ得、第2のセンサは、シャフト内に位置付けられ得る。例えば、第1のセンサは第1の傾きセンサを備え得、第2のセンサは第2の傾きセンサを備え得る。第1の傾きセンサは、第1の平面に対する器具の向きを検知するように構成され得、第2の傾きセンサは、第2の平面に対する器具の向きを検知するように構成され得る。第1の平面及び第2の平面は、直交しても、直交しなくてもよい。第1のセンサは、例えば、加速度計、及び/又ジャイロスコープを備え得る。第2のセンサは、例えば、加速度計、及び/又ジャイロスコープを備え得る。3つ以上のセンサを備え、かかる各センサが、例えば、加速度計、及び/又はジャイロスコープを備え得る様々な実施形態が考えられる。少なくとも1つの実現形態において、第1のセンサは、第1の軸に沿って配置された第1の加速度計を備え得、第2のセンサは、第1の軸とは異なる第2の軸に沿って配置された第2の加速度計を備え得る。少なくとも1つのかかる例において、第1の軸は、第2の軸に対して横方向であり得る。
【0207】
上記に加えて、プロセッサは、第1及び第2の加速度計からのデータを用いて、機器に対して重力が作用する方向、すなわち、外科用器具に対する地面の方向を判定できる。特定の例において、外科用器具の周囲の環境で生成される磁場は、加速度計のうちの1つに影響を及ぼしてよい。上記に加えて、プロセッサは、加速度計からのデータに一貫性がない場合、加速度計からのデータを無視するように構成され得る。更に、プロセッサは、例えば、加速度計が2つ以上の強力な極性配向で判断に迷う場合、加速度計からのデータを無視するように構成され得る。外部磁場が2つ以上、及び/又はすべての外科用器具の加速度計に影響を及ぼす範囲内において、プロセッサは、加速度計からのデータに依存する、外科用器具の特定機能を停止させ得る。様々な例において、外科用器具は、プロセッサによってスクリーンに伝えられる画像を表示するように構成されているスクリーンを含み得、プロセッサは、外科用器具のハンドルが再方向付けされるとき、又は加速度計によって少なくともハンドルの再方向付けが検知されるときに、スクリーンに表示される画像の向きを変更するように構成され得る。少なくとも1つの例において、スクリーン上のディスプレイは、ハンドルの上下逆に方向付けられるとき、上下反転し得る。プロセッサが、加速度計のうちの1つ、又は2つ以上からの向きデータが不良であり得ると判定する場合、プロセッサは、例えば、ディスプレイがそのデフォルトの位置から離れて再方向付けされないようにしてよい。
【0208】
上記に加えて、外科用器具の向きは、単一のセンサから検知可能であっても、検知不能であってもよい。少なくとも1つの例において、例えば、外科用器具のハンドルは第1のセンサを含み得、シャフトは第2のセンサを含み得る。プロセッサは、第1のセンサ及び第2のセンサからのデータ、並びに/又は任意の他のセンサからのデータを用いて、外科用器具の向きを判断できる。一部の例において、プロセッサは、第1のセンサ信号、第2のセンサ信号、及び/又は任意の好適な数のセンサ信号からのデータを組み合わせて外科用器具の向きを判定するように構成されているアルゴリズムを用い得る。少なくとも1つの例において、ハンドル内に位置付けられているハンドルセンサは、重力に対してハンドルの向きを判定できる。シャフト内に位置付けられているシャフトセンサは、重力に対してシャフトの向きを判定できる。シャフト又はシャフトの少なくとも一部がハンドルに対して関節屈曲しない実施形態において、プロセッサは、シャフト、つまり非関節屈曲シャフト部が指している方向を判定できる。一部の例において、外科用器具は、シャフトに対して関節屈曲し得るエンドエフェクタを含み得る。外科用器具は、例えば、エンドエフェクタがシャフトに対して関節屈曲している方向及び程度を判定できる関節センサを含み得る。プロセッサは、ハンドルセンサ、シャフトセンサ、及び関節センサからのデータを用いて、エンドエフェクタが指している方向を判定できる。プロセッサは、ハンドル、シャフト及び/又はエンドエフェクタの長さなど追加データを使用して、例えば、エンドエフェクタの遠位端の位置を判定できる。プロセッサは、かかる情報を使用して、外科用器具の機能の有効化、ブロック、及び/又は修正を実行できる。
【0209】
様々な例において、外科用器具は、第1のプロセッサに加えて、冗長プロセッサを含み得る。冗長プロセッサは、第1のプロセッサと信号通信している、一部又はすべてのセンサと信号通信できる。冗長プロセッサは、第1のプロセッサが実行するのと同一の計算の一部又はすべてを実行できる。冗長プロセッサは、第1のプロセッサと信号通信できる。第1のプロセッサは、第1のプロセッサが実行した計算と冗長プロセッサが実行した計算とを比較するように構成され得る。同様に、冗長プロセッサは、冗長プロセッサが実行した計算と第1のプロセッサが実行した計算とを比較するように構成され得る。様々な例において、第1のプロセッサ及び冗長プロセッサは、それぞれ独立して外科用器具を動作させるように構成され得る。一部の例において、第1のプロセッサ及び/又は冗長プロセッサは、他のプロセッサが不良であるかどうかを判定する、並びに/又は他のプロセッサ及び/若しくは外科用器具内で不良を検知した場合に他のプロセッサを停止するように構成され得る。第1のプロセッサ及び冗長プロセッサは、例えばプロセッサのうちの一方が、他のプロセッサは不良であると判定した場合、不良ではないプロセッサが、操作者に不良状態の存在を伝えることができるようにいずれも構成され得る。
【0210】
様々な実施形態において、外科用器具は、プロセッサと、プロセッサと信号通信する1つ、又は2つ以上のセンサと、を含み得る。センサは、デジタルセンサ及び/又はアナログセンサを備え得る。デジタルセンサは測定信号を生成でき、電子チップを含み得る。電子チップは、測定信号をデジタル出力信号に変換できる。次いで、デジタル出力信号は、例えば、導電ケーブル、光ファイバケーブル、及び/又は無線エミッタなど好適な伝送手段を用いてプロセッサに伝達され得る。アナログセンサは測定信号を生成し、アナログ出力信号を使用して、この測定信号をプロセッサに伝えることができる。アナログセンサは、例えば、ホール効果センサ、磁気抵抗センサ、光センサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを含み得る。外科用器具は、アナログ出力信号がプロセッサに達する前にアナログ出力信号を受信する、及び/又は調整するように構成され得る信号フィルタを含み得る。信号フィルタは、例えば、カットオフ周波数である、及び/又はカットオフ周波数よりも低い低周波数を有するプロセッサに対して信号を送出し、カットオフ周波数よりも高い高周波数を有する信号の振幅を減衰させる、つまり低減する低域フィルタを備え得る。一部の例において、低域フィルタは、受信する特定の高周波数又は受信するすべての高周波数を除外してよい。低域フィルタはまた、特定の、又はすべての低周波数信号の振幅を減衰させる、つまり低減してよいが、かかる減衰は、高周波数信号に対して適用される減衰とは異なってよい。任意の好適な信号フィルタが使用され得る。例えば、高域フィルタが使用され得る。ロングパスフィルタを用いて、光センサからの信号を受信し、調整し得る。様々な例において、プロセッサは、一体型信号フィルタを含み得る。一部の例において、プロセッサは、信号フィルタと信号通信し得る。いずれにしても、信号フィルタは、アナログ出力信号又は受信する信号内のノイズを低減するように構成され得る。
【0211】
上記に加えて、センサからのアナログ出力信号は、プロセッサの入力チャネルに印加される一連の電位を備え得る。様々な例において、アナログセンサの出力信号の電位は、定められた範囲内であり得る。例えば、電位は、例えば、約0V〜約12V、約0V〜約6V、約0V〜約3V、及び/又は約0V〜約1Vであり得る。一部の例において、電位は、例えば、12V以下、6V以下、3V以下、及び/又は1V以下であり得る。一部の例において、電位は、例えば、約0V〜約−12V、約0V〜約−6V、約0V〜約−3V、及び/又は約0V〜約−1Vであり得る。一部の例において、電位は、例えば、−12V以上、−6V以上、−3V以上、及び/又は−1V以上であり得る。一部の例において、電位は、例えば、約12V〜約−12V、約6V〜約−6V、約3V〜約−3V、及び/又は約1V〜約−1Vであり得る。様々な例において、センサは、プロセッサの入力チャネルに連続ストリームで電位を供給し得る。プロセッサは、データがプロセッサに伝達される速度よりも低い速度で、このデータ流をサンプリングしてよい。一部の例において、センサは、間欠的又は定期的にプロセスの入力チャネルに電位を供給し得る。いずれにしても、プロセッサは、入力チャネル又はそのチャネルに印加された電位を評価し、以下でより詳細に説明するように、電位に応じて外科用器具を動作させるように構成され得る。
【0212】
上記に加えて、プロセッサは、センサからのアナログ出力信号を評価するように構成され得る。様々な例において、プロセッサは、アナログ出力信号の各電位を評価する、及び/又はアナログ出力信号をサンプリングするように構成され得る。アナログ出力信号をサンプリングするとき、プロセッサは、アナログ出力信号から定期的に電位を得るために信号の定期的評価を実行し得る。各評価について、プロセッサは、評価から得た電位を基準値に対して比較し得る。様々な状況において、プロセッサは、例えば、0若しくは1、又はオン若しくはオフなどデジタル値をこの比較から計算し得る。例えば、評価した電位及び基準値が等しい場合、プロセッサは、デジタル値1を計算し得る。あるいは、評価した電位が基準値と等しい場合、プロセッサは、デジタル値0を計算し得る。第1の実施形態に関して、プロセッサは、評価した電位が基準値未満である場合にデジタル値1を計算し得、評価した電位が基準値を超える場合にデジタル値0を計算し得る。第2の実施形態に関して、プロセッサは、評価した電位が基準値未満である場合にデジタル値0を計算し得、評価した電位が基準値を超える場合にデジタル値1を計算し得る。いずれにしても、プロセッサは、アナログ信号をデジタル信号に変換できる。プロセッサがセンサ出力信号の電位を連続的に評価しているとき、プロセッサは、連続的に電位を基準値と評価し、連続的にデジタル値を計算できる。プロセッサがセンサ出力信号の電位を定期的に評価しているとき、プロセッサは、定期的に電位を基準値と評価し、定期的にデジタル値を計算できる。
【0213】
上記に加えて、基準値は、プロセッサによって用いられるアルゴリズムの一部であり得る。基準値は、アルゴリズムに予めプログラミングされ得る。一部の例において、プロセッサは、アルゴリズム内の基準値の取得、計算、及び/又は修正を実行できる。一部の例において、基準値は、プロセッサがアクセス可能である、及び/又はプロセッサと一体である、記憶装置に記憶され得る。基準値は、記憶装置に予めプログラミングされ得る。一部の例において、プロセッサは、記憶装置内の基準値の取得、計算、及び/又は修正を実行できる。少なくとも1つの例において、基準値は、不揮発性メモリに記憶されてよい。一部の例において、基準値は、揮発性メモリに記憶されてよい。基準値は、一定値からなってよい。基準値は、可変である、つまり上書きされても、されなくてもよい。特定の例において、基準値は、記憶され得る、変更され得る、及び/又は別様に構成手順の結果として測定され得る。較正手順は、例えば、外科用器具の製造時、器具の初期化時若しくは初回起動時、スリープモードからの器具の起動時、器具の使用時、器具のスリープモードへの投入時、及び/又は器具の完全給電停止時に実行され得る。
【0214】
また、上記に加えて、プロセッサは、デジタル値を記憶するように構成され得る。デジタル値は、電子論理ゲートにおいて記憶され得る。様々な例において、電子論理ゲートはバイナリ出力を供給でき、このバイナリ出力は、以下でより詳細に説明するように、センサによって検知された状態を評価するためにプロセッサによって参照され得る。プロセッサは、電子論理ゲートを含み得る。電子論理ゲートのバイナリ出力は更新され得る。様々な例において、プロセッサは、1つ、又は2つ以上の出力チャネルを含み得る。プロセッサは、出力チャネルのうちの少なくとも1つにバイナリ出力を供給し得る。プロセッサは、かかる出力チャネルに低電圧を印加してオフビットを示し得る、又は、出力チャネルに高電圧を印加してオンビットを示し得る。低電圧及び高電圧は、閾値に対して評価され得る。少なくとも1つの例において、低電圧は、例えば、電圧を含み得ない。少なくとも1つの他の例において、例えば、低電圧は、第1の極性を有する電圧を含み得、高電圧は、反対の極性を有する電圧を含み得る。
【0215】
少なくとも1つの例において、プロセッサによって評価された電位が、一貫して基準値であるか、それを下回る場合、電子論理ゲートは、出力を「オン」に維持し得る。評価した電位が基準値を超えると、論理ゲートの出力は、「オフ」に切り替わり得る。プロセッサによって評価された電位が、一貫して基準値を上回る場合、電子論理ゲートは、出力を「オフ」に維持し得る。評価した電位が、その後に基準値以下に測定されると、論理ゲートの出力は、「オン」に切り替わるなどし得る。様々な例において、電子論理ゲートは、その出力履歴を維持しなくてよい。一部の例において、プロセッサは、電子論理ゲートの出力履歴を記録する、すなわち、計算されたデジタル値の履歴を記録するように構成されている記憶装置を含み得る。様々な例において、プロセッサは、例えば、記憶装置にアクセスして、現在のデジタル値及び/又は少なくとも1つの以前から存在するデジタル値を確認するように構成され得る。
【0216】
様々な例において、プロセッサは、計算されたデジタル値の変化に対する即時型応答を提供し得る。例えば、計算されたデジタル値が「オン」から「オフ」へ又は「オフ」から「オン」へと変更されたことをプロセッサが最初に検知したとき、プロセッサは、外科用器具の動作を即時に修正できる。特定の例において、例えば、計算されたデジタル値が「オン」から「オフ」へ又は「オフ」から「オン」へと変更されたことを検知したとき、プロセッサは、外科用器具の動作を即時に修正しなくてよい。プロセッサは、ヒステリシスアルゴリズムを用いてよい。例えば、プロセッサは、デジタル値が一定回数を連続して同様に計算されるまで、外科用器具の動作を修正しなくてよい。少なくとも1つのかかる例において、プロセッサは、1つ、又は2つ以上の外科用器具センサから受信したデータに基づいて「オン」値を計算し、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルに「オン」バイナリ値を表示してよく、その後のある時点において、プロセッサは、外科用器具センサのうちの1つ、又は2つ以上から受信したデータに基づいて「オフ」値を計算してよいが、プロセッサは、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルに「オフ」バイナリ値を即時に表示しなくてもよい。それどころか、プロセッサは、プロセッサが、例えば、10回など特定回数連続して「オフ」値を計算するまで、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルでのバイナリ値の変更を遅延させてよい。プロセッサが出力論理ゲート及び/又は出力チャネルでバイナリ値を変更すると、プロセッサは、プロセッサが、例えば、10回など特定回数連続して「オン」値を計算するまで、出力論理ゲート及び/又は出力チャネルでのバイナリ値の変更を遅延させてよい。
【0217】
ヒステリシスアルゴリズムは、スイッチのデバウンスを処理するのに好適であってよい。外科用器具は、コンデンサを用いて、信号応答の任意の急変を除去する、スイッチデバウンサ回路を含み得る。
【0218】
上記の例において、「オン」から「オフ」へのサンプリング遅延は、「オフ」から「オン」へのサンプリング遅延と同じであった。サンプリング遅延が等しくない実施形態が考えられる。例えば、出力チャネルの「オン」値が外科用器具のモーターを起動し、出力チャネルの「オフ」値がモーターを停止させる場合、例えば、「オン」遅延は「オフ」遅延よりも長くてよい。かかる例において、プロセッサは、発射トリガーの予想外の、つまり偶発的な移動に応答してモーターを突然起動することがなく、他方では、プロセッサは、発射トリガーの解放に素早く反応してモーターを停止させてよい。少なくとも1つのかかる例において、プロセッサは、例えば、発射トリガーの解放直後にモーターが停止され得るように、「オン」遅延を有するが、「オフ」遅延は有さなくてよい。上で議論したように、プロセッサは、特定回数連続してバイナリ出力計算が行われるのを待機してから、バイナリ出力値を変更してよい。他のアルゴリズムも想到される。例えば、プロセッサは、特定回数連続したバイナリ出力計算を要求しなくてよく、それどころか、プロセッサは、バイナリ出力を変更するためには、一定回数、又は一定割合の連続した計算が一貫していることだけを要求してよい。
【0219】
上で議論したように、プロセッサは、基準値を用いてアナログ入力信号をデジタル出力信号に変換できる。これも上で議論したように、プロセッサは、基準値を用いて、アナログ入力データ又はアナログ入力データのサンプルを、デジタル出力信号の一部として「オン」値又は「オフ」値に変換できる。様々な例において、プロセッサは、出力が「オン」値であるか、「オフ」値であるかを判定するために、複数の基準値を用いることができる。1つの基準値は、基準値よりも下の範囲及び基準値よりも上の範囲という2つの範囲を定義し得る。基準値自体は、状況に応じて、第1の範囲又は第2の範囲の一部であり得る。追加基準値を使用することにより、追加範囲を定義できる。例えば、第1の基準値及び第2の基準値は、第1の基準値よりも下の第1の範囲、第1の基準値と第2の基準値との間の第2の範囲、及び第2の基準値よりも上の第3の範囲という3つの範囲を定義し得る。この場合も、状況に応じて、第1の基準値は、第1の範囲又は第2の範囲の一部であり得、同様に、第2の基準値は、第2の範囲又は第3の範囲の一部であり得る。アナログ信号からのデータの所与のサンプルでは、プロセッサは、サンプルが、第1の範囲、第2の範囲、又は第3の範囲にあるかを判定できる。少なくとも1つの例示的な実施形態において、プロセッサは、サンプルが第1の範囲にある場合にはバイナリ出力に「オン」値を割り当て、サンプルが第3の範囲にある場合にはバイナリ出力に「オフ」値を割り当て得る。あるいは、プロセッサは、サンプルが第1の範囲にある場合にはバイナリ出力に「オフ」値を割り当て、サンプルが第3の範囲にある場合にはバイナリ出力に「オン」値を割り当て得る。
【0220】
上記に加えて、プロセッサは、データサンプルが第2の範囲にある場合、バイナリ出力に「オン」値又は「オフ」値を割り当て得る。様々な例において、第2の範囲内のアナログデータサンプルは、バイナリ出力値を変更しなくてよい。例えば、プロセッサが第2の基準値を上回るアナログデータを受信し、特定のバイナリ出力を生成しており、したがって、プロセッサが第1の基準値と第2の基準値との間のアナログデータを受信する場合、プロセッサは、バイナリ出力を変更しなくてよい。この例において、プロセッサが第1の基準値を下回るアナログデータを受信する場合、プロセッサはバイナリ出力を変更してよい。それに応じて、この例において、プロセッサが第1の基準値を下回るアナログデータを受信し、特定のバイナリ出力を生成しており、したがって、プロセッサが第1の基準値と第2の基準値との間のアナログデータを受信する場合、プロセッサは、バイナリ出力を変更しなくてよい。この例において、プロセッサが第2の基準値を上回るアナログデータを受信する場合、次いで、プロセッサはバイナリ出力を変更してよい。様々な例において、第1の基準値と第2の基準値との間の第2の範囲は、プロセッサがバイナリ出力信号を変更しなくてよい、観察期間を含んでよい。特定の例において、プロセッサは、アナログ入力データが第1の範囲と第3の範囲との間を直接移動するかどうか、又はアナログ入力データが第2の範囲に移行してから第3の範囲に移行するかどうかに応じて、異なるサンプリング遅延を用いてよい。例えば、サンプリング遅延は、アナログ入力データが第1の範囲と第3の範囲との間を直接移動するときと比較して、アナログ入力データが第2の範囲に移行してから、第1の範囲又は第3の範囲に移行する場合、より短くてよい。
【0221】
上で議論したように、例えば、ホール効果センサなどアナログセンサを用いて、外科用器具の状態を検知することができる。様々な例において、ホール効果センサは、正極性及び負極性を含み得る線形アナログ出力を生成し得、特定の例において、広範囲のアナログ出力値を生成する。かかる広範囲の値は常に有用であるわけではなく、外科用器具で実際に起こり得るイベントに対応しないこともある。例えば、ホール効果センサを用いてエンドエフェクタのアンビルの向きを追跡できるものの、アンビルの動作の特定の物理的制約により、例えば、約30度など狭い動作範囲しか移動しないことがある。ホール効果センサはこの動作範囲外のアンビルの動作を検知できるものの、実際問題として、ホール効果センサは不要であり、その結果、ホール効果センサの出力範囲の一部は用いられないことがある。プロセッサは、アンビルの動作可能範囲に対応する、ホール効果センサからの出力範囲のみを認識するようにプログラミングされてよく、プロセッサが、この出力範囲外である(範囲を上回るか、範囲を下回る)データをホール効果センサから受信する範囲内において、プロセッサは、例えば、かかるデータを無視し得る、不良状態を生成し得る、外科用器具の動作を修正し得る、及び/又は外科用器具のユーザーに通知し得る。かかる例において、プロセッサは、センサからの有効範囲のデータを認識してよく、この範囲外である、センサから受信したすべてのデータは、プロセッサによって無効と判断されてよい。有効範囲のデータは、第1の基準値、つまり閾値及び第2の基準値、つまり閾値によって定義されてよい。有効範囲のデータは、正極性及び負極性を有するデータを含んでよい。あるいは、有効範囲のデータは、正極性からのデータ又は負極性からのデータのみを含んでよい。
【0222】
上記に加えて、第1の基準値及び第2の基準値は、固定値を含み得る。特定の状況において、第1の基準値及び/又は第2の基準値は、較正され得る。第1の基準値及び/又は第2の基準値は、外科用器具の当初製造時及び/又は以降の再製造時に較正され得る。例えば、閉鎖トリガーなどトリガーは、較正手順中に全動作範囲にわたって動かされ得、例えば、外科用器具ハンドル内に位置付けられたホール効果センサは、閉鎖トリガーの動作、又は少なくとも例えば、閉鎖トリガー上に位置付けられている永久磁石など磁気素子の動作を検知できる。閉鎖トリガーがそのアンクランプ位置にあるとき、ホール効果センサによる読み取り値は、閉鎖トリガーのアンクランプ位置に対応する第1の設定点として記憶され得る。同様に、閉鎖トリガーがそのフルクランプ位置にあるとき、ホール効果センサによる読み取り値は、閉鎖トリガーのフルクランプ位置に対応する第2の設定点として記憶され得る。したがって、第1の設定点は第1の基準値を定義でき、第2の設定点は第2の基準値を定義できる。アンクランプ位置とフルクランプ位置との間の閉鎖トリガーの位置は、第1の基準値と第2の基準値との間のデータ範囲に対応し得る。上に概説したように、プロセッサは、アナログセンサから受信したデータに応答してデジタル出力値を生成できる。少なくとも1つの例において、アナログセンサから受信したデータが第1の基準値と等しい、又はそれを上回るとき、プロセッサは、デジタル出力に「オフ」値を割り当てることができる。あるいは、アナログセンサから受信したデータが第1の基準値を上回る、これと等しい、又は、例えば、第1の基準値よりも約20%の範囲内で小さいとき、プロセッサは、デジタル出力に「オフ」値を割り当てることができる。第1の基準値と第1の基準値を約20%下回る範囲との間であるアナログセンサからのデータは、そのアンクランプ位置に好適に近い、閉鎖トリガーの位置に対応し得る。少なくとも1つの例において、アナログセンサから受信したデータが第1を下回るとき、プロセッサは、デジタル出力に「オン」値を割り当てることができる。あるいは、アナログセンサから受信したデータが第2の基準値と等しい、これを下回る、又は第2の基準値を約40%上回る範囲内であるとき、プロセッサは、そのデジタル出力に「オン」値を割り当てることができ、例えば、動作範囲の約3/4を引き出されたときの閉鎖トリガーの位置に対応し得る。同一又は同様の属性は、例えば、外科用器具の発射トリガーに適用され得る。
【0223】
上記に加えて、センサは、基準値を考慮して較正され得る。例えば、+2Vの基準値が、例えば、閉鎖トリガーのアンクランプ位置に関連付けられ、閉鎖トリガーがアンクランプ位置にあるときにプロセッサが+2Vとは異なるセンサ出力値を検知するとき、プロセッサは、センサ出力が基準値と一致するか、少なくとも実質的に一致するように、センサ又はセンサのゲインを再較正できる。プロセッサは、閉鎖トリガーがそのアンクランプ位置にあることを確認する、非依存的な方法を用いる。少なくとも1つのかかる例において、外科用器具は、プロセッサと信号通信する第2のセンサを含み得、第2のセンサは、閉鎖トリガーがそのアンクランプ位置にあることを非依存的に確認できる。第2のセンサはまた、例えば、ホール効果センサなどアナログセンサを備え得る。第2のセンサは、例えば、近接センサ、抵抗ベースのセンサ、及び/又は任意の他の好適なセンサを含み得る。同一又は同様の属性は、例えば、外科用器具の発射トリガーに適用され得る。
【0224】
上で議論したように、
図14〜18Aを参照すると、追跡システム800は、例えば、磁石802の位置を追跡するように構成され得る、第1のホール効果センサ803及び第2のホール効果センサ804など1つ、又は2つ以上のセンサを備え得る。
図14及び17を比較すると、読者は、閉鎖トリガー32がその非作動位置からその作動位置へと移動するとき、磁石802は、第1のホール効果センサ803に隣接する第1の位置と、第2のホール効果センサ804に隣接する第2の位置との間を移動し得ることを理解するであろう。磁石802がその第1の位置にあるとき、磁石802の位置は、第1のホール効果センサ803及び/又は第2のホール効果センサ804によって検知され得る。外科用器具のプロセッサは、第1のセンサ803からのデータを使用して磁石802の位置を判定でき、第2のセンサ804からのデータを使用して、磁石802の位置を独立して判定できる。かかる例において、プロセッサは、第2のセンサ804からのデータを用いて、第1のセンサ803からのデータの整合性を確認できる。あるいは、プロセッサは、第1のセンサ803からのデータを用いて、第2のセンサ804からのデータの整合性を確認できる。プロセッサは、センサからのデータを使用して、磁石802の位置の一次判定又は二次判定を提供するべきかどうかを判定するために任意の好適な階層を用いることができる。例えば、磁石802がその第1の位置にあるとき、磁石802は、第2のセンサ804の周囲の磁場よりも第1のセンサ803の周囲により大きい外乱をもたらしてよく、その結果、プロセッサは、磁石802の位置の一次判定として第1のセンサ803からのデータを用いてよい。磁石802が第1のセンサ803よりも第2のセンサ804に近い時、磁石802は、第1のセンサ803の周囲の磁場よりも第2のセンサ804の周囲の磁場により大きい外乱をもたらしてよく、その結果、プロセッサは、磁石802の位置の一次判定として第2のセンサ804からのデータを用いてよい。
【0225】
上記に加えて、第1のセンサ803に対する磁石802の経路は、閉鎖トリガー32がそのアンクランプ位置とそのクランプ位置との間を移動する際に磁石802が第1の経路部分に沿って移動するときを判定し得、発射トリガー130がその未発射位置とその発射済み位置との間を移動する際に、磁石802が第2の経路部分に沿って移動するときを判定し得る。磁石802がその第1の経路部分に沿って移動するときに磁石802を追跡しつつ、第1のセンサ803が生成する出力の範囲は第1の有効範囲のデータを定義し得、磁石802がその第2の経路部分を移動するときに磁石802を追跡しつつ、第1のセンサ803が生成する出力の範囲は第2の有効範囲のデータを定義し得る。第1の有効範囲のデータは、第2の有効範囲のデータと連続していても、連続していなくてもよい。いずれにしても、第2のセンサ804に対する磁石802の経路はまた、磁石802がその第1の経路部分及びその第2の経路部分に沿って移動するときに判定され得る。磁石802がその第1の経路部分に沿って移動するときに磁石802を追跡しつつ、第2のセンサ804が生成する出力の範囲は第1の有効範囲のデータを定義し得、磁石802がその第2の経路部分を移動するときに磁石802を追跡しつつ、第2のセンサ804が生成する出力の範囲は第2の有効範囲のデータを定義し得る。第1のセンサ803及び/又は第2のセンサ804が、それぞれ第1の有効範囲外のデータ及び第2の有効範囲外のデータを受信するとき、プロセッサは、エラーが発生したと見なしてよく、外科用器具の動作を修正する、及び/又は外科用器具の操作者に通知する。特定の例において、プロセッサは、第1のセンサ803及び第2のセンサ804からのデータを用いて、外科用器具が、外科用器具の動作に影響し得る、強力な外部磁場内に位置付けられているかどうかを判定するように構成され得る。例えば、磁石802は、第1のセンサ803及び第2のセンサ804が同時に同一の出力を生成しないように経路に沿って移動してよく、第1のセンサ803及び第2のセンサ804が同時に同一の出力を生成する場合、プロセッサは、例えば、不良状態が存在すると判定し得る。
【0226】
図69〜71は、モーター駆動の外科用締結及び切断器具2000を概して示す。
図69及び70に示すように、外科用器具2000は、ハンドル組立体2002と、シャフト組立体2004と、電源組立体2006(「電源」、「電源パック」、又は「電池パック」)と、を含んでよい。シャフト組立体2004は、特定の状況において、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得る、エンドエフェクタ2008を含んでよいが、他の実施形態においては、他の種類の外科用装置用エンドエフェクタ、把持具、カッター、ステープラー、クリップアプライヤ、アクセス装置、薬物/遺伝子治療用装置、超音波装置、RF装置、及び/又はレーザー装置などのための異なる種類のエンドエフェクタが使用されてよい。いくつかのRF装置が、1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」に見い出され得、これらの特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0227】
主として
図70及び71を参照すると、ハンドル組立体2002は、例えば、シャフト組立体2004など複数の交換式シャフト組立体で用いることができる。かかる交換式シャフト組立体は、1つ、又は2つ以上の外科的作業又は処置を実行するように構成され得るエンドエフェクタ2008など、外科用エンドエフェクタを備えてよい。好適な交換式シャフト組立体の例は、2013年3月14日出願の米国特許仮出願第61/782,866号、名称「CONTROL SYSTEM OF A SURGICAL INSTRUMENT」に説明されており、この特許のすべての開示内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0228】
主として
図70を参照すると、ハンドル組立体2002は、ハンドル2012からなるハウジング2010を備えてよく、ハンドル2012は、臨床医によって握持、操作、及び作動されるように構成されてよい。しかしながら、本明細書で開示する様々な形態の交換式シャフト組立体の、様々な独自で新規な構成が、ロボット制御される外科用システムと関連させて効果的に用いられてもよいことを理解されたい。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書で開示する交換式シャフト組立体及びそれらに対応する等価物を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御運動を生成し加えるように構成された少なくとも1つの駆動システムを収容するか、ないしは別様に支持するロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含することができる。例えば、本明細書に開示する交換式シャフト組立体は、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/118241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法で用いられてよい。
【0229】
再び
図70を参照すると、ハンドル組立体2002は、その中に複数の駆動システムを動作可能に支持してよく、それらの駆動システムは、ハンドル1042に動作可能に装着された交換式シャフト組立体の対応部分に、様々な制御動作を生成し、加えるように構成され得る。例えば、ハンドル組立体2002は、第1の、つまり閉鎖駆動システムを動作可能に支持することができ、この閉鎖駆動システムは、ハンドル組立体2002に動作可能に装着されている、又は結合されている間に、シャフト組立体2004に閉鎖及び開放動作を加えるために用いられてよい。少なくとも1つの形態において、ハンドル組立体2002は、発射駆動システムを動作可能に支持してよく、この発射駆動システムは、それに装着された交換式シャフト組立体の対応部分に発射動作を加えるように構成され得る。
【0230】
主として
図71を参照すると、ハンドル組立体2002はモーター2014を含んでよく、モーター2014は、モーター駆動部2015によって制御され得、外科用器具2000の発射システムによって用いられ得る。様々な形態において、モーター2014は、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モーターであってもよい。他の構成において、モーター2014には、ブラシレスモーター、コードレスモーター、同期モーター、ステッパモーター、又は任意の他の好適な電気モーターを挙げることができる。特定の状況において、モーター駆動部2015は、例えば、
図71に示すように、Hブリッジの電界効果トランジスタ(FET)2019を備えてよい。モーター2014は、外科用器具2000に制御電力を供給するために解放可能にハンドル組立体2002に取り付けられ得る電源組立体2006(
図71)によって電力供給され得る。電源組立体2006は、電池を備えてよく、この電池は、外科用器具2000に電力を供給する電源として使用され得る、直列に接続された多数の電池を含んでよい。特定の状況において、電源組立体2006の電池は、交換可能及び/又は再充電可能であってよい。少なくとも1つの例において、電池は、分離可能に電源組立体2006に結合可能なリチウムイオン電池である。
【0231】
シャフト組立体2004はシャフト組立体コントローラ2022を含んでよく、シャフト組立体コントローラ2022は、インターフェイスを介して電力管理コントローラ2016と通信でき、一方、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。例えば、インターフェイスは、対応するシャフト組立体の電気コネクタと連結係合するための1つ、又は2つ以上の電気コネクタを含んでよい、第1のインターフェイス部2025と、対応する電源組立体の電気コネクタと連結係合するための1つ、又は2つ以上の電気コネクタを含んでよい、第2のインターフェイス部2027と、を含んでよくて、シャフト組立体コントローラ2022と電力管理コントローラ2016との間の電気通信を可能にし、一方、シャフト組立体2004及び電源組立体2006がハンドル組立体2002に結合されている。1つ、又は2つ以上の通信信号は、インターフェイスを介して送信されて、電力管理コントローラ2016に装着された交換式シャフト組立体2004の電力要件のうちの1つ、又は2つ以上を伝えることができる。それに応答して、電力管理コントローラは、以下でより詳細に説明するように、装着されたシャフト組立体2004の電力要件に従って、電源組立体2006の電池の電力出力を変調してよい。特定の状況において、電気コネクタのうちの1つ、又は2つ以上はスイッチを備えてよく、このスイッチは、ハンドル組立体2002のシャフト組立体2004への機械的な連結係合後、及び/又は電源組立体2006への連結係合後に起動して、シャフト組立体コントローラ2022と電力管理コントローラ2016との間の電気通信を可能にし得る。
【0232】
特定の状況において、インターフェイスは、電力管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間での1つ、又は2つ以上の通信信号を、例えば、ハンドル組立体2002に存在する主コントローラ2017(
図33)を経由してかかる通信信号を送信することによって、容易に送信し得る。他の状況において、インターフェイスは、ハンドル組立体2002を介した電力管理コントローラ2016とシャフト組立体コントローラ2022との間の通信の直通化を容易にし、一方では、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。
【0233】
1つの例において、主マイクロコントローラ2017は、ARM Cortex(Texas Instruments)という商標名で既知のものなど任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。1つの例において、外科用器具2000は、例えば、Hercules ARM Cortex R4(これもTexas Instruments)という商標名で既知のTMS570及びRM4xなど2つのマイクロコントローラベースファミリを備える安全マイクロコントローラプラットフォームなど電力管理コントローラ2016を備えてよい。しかしながら、マイクロコントローラ及び安全プロセッサの他の好適な代用物が制限なく用いられてよい。1つの例において、安全プロセッサは、特にIEC 61508及びISO 26262の安全を最重要視する用途向けに構成されてよくて、とりわけ、拡張可能な性能、接続性、及びメモリオプションを提供しつつ、高度な統合安全機能を提供する。
【0234】
特定の例において、マイクロコントローラ2017は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。少なくとも1つの例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、製品データシートから容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0235】
電源組立体2006は電力管理回路を備えてよく、この電力管理回路は、電力管理コントローラ2016と、電力変調器2038と、電流検出回路2036と、を備えてよい。電力管理回路は、シャフト組立体2004の電力要件に基づいて電池の電力出力を変調するように構成され得、一方、シャフト組立体2004及び電源組立体2006はハンドル組立体2002に結合されている。例えば、電力管理コントローラ2016は、電源組立体2006の電力出力の電力変調器2038を制御するようにプログラミングされ得、電流検出回路2036は、電力管理コントローラ2016が電源組立体2006の電力出力を調整して所望の出力を維持し得るように、電源組立体2006の電力出力を監視して、電池の電力出力に関するフィードバックを電力管理コントローラ2016に提供するために用いられ得る。
【0236】
注目するべきは、電力管理コントローラ2016及び/又はシャフト組立体コントローラ2022が、多数のソフトウェアモジュールを記憶してよい、プロセッサ及び/又はメモリユニットをそれぞれ1つ、又は2つ以上備えてよいことである。外科用器具2000の特定のモジュール及び/又はブロックが例として記載され得るが、より多くの又はより少ない数のモジュール及び/又はブロックが使用され得ることが理解されよう。更に、様々な例は、記述を容易にするためにモジュール及び/又はブロックとして記述され得るが、かかるモジュール及び/又はブロックは、1つ、又は2つ以上の、例えばプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、特定用途向け集積回路(ASIC)、回路、レジスタのような、ハードウェアコンポーネント、及び/又は、例えばプログラム、サブルーチン、ロジックのようなソフトウェアコンポーネント、及び/又は、ハードウェアコンポーネントとソフトウェアコンポーネントとの組み合わせ、によって実施され得る。
【0237】
特定の例において、外科用器具2000は出力装置2042を備えてよく、出力装置2042は、感覚フィードバックをユーザーに提供するために1つ、又は2つ以上の装置を含んでよい。このような装置は、例えば、視覚フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。特定の状況において、出力装置2042はディスプレイ2043を備えてよく、ディスプレイ2043は、ハンドル組立体2002に含まれてよい。シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016は、出力装置2042を介して外科用器具2000のユーザーにフィードバックを提供し得る。インターフェイス2024は、シャフト組立体コントローラ2022及び/又は電力管理コントローラ2016を出力装置2042に接続するように構成され得る。読者は、出力装置2042が、代わりに電源組立体2006と一体化され得ることを理解するであろう。かかる状況において、出力装置2042とシャフト組立体コントローラ2022との間の通信は、インターフェイス2024を介して行われてよく、一方、シャフト組立体2004はハンドル組立体2002に結合されている。
【0238】
一般的な用語で外科用器具2000について説明してきたが、これより、外科用器具2000の様々な電気/電子部品を詳細に説明することとする。便宜上、外科用器具2000に関する以降のすべての言及は、
図69〜71に関連して示す外科用器具2000に対する言及であると解釈されるべきである。ここで
図72を参照すると、複数の回路部分11002a〜11002gを備える分割回路11000の一実施形態を示す。複数の回路部分11002a〜11002gを備える分割回路11000は、例えば、
図69〜71に示す外科用器具2000など動力付き外科用器具を制限なく制御するように構成されている。複数の回路部分11002a〜11002gは、動力付き外科用器具2000の1つ、又は2つ以上の動作を制御するように構成されている。安全プロセッサ部分11002a(第1部分)は、安全プロセッサ11004を備える。プライマリプロセッサ部分11002b(第2部分)は、プライマリプロセッサ11006を備える。安全プロセッサ11004及び/又はプライマリプロセッサ11006は、1つ、又は2つ以上の追加回路部分11002c〜11002gと相互作用して、動力付き外科用器具2000の動作を制御するように構成されている。プライマリプロセッサ11006は、例えば、1つ、又は2つ以上の回路部分11002c〜11002g、電池11008、及び/又は複数のスイッチ11058a〜11070に結合された複数の入力部を含む。分割回路11000は、例えば、動力付き外科用器具2000内のプリント回路基板組立体(PCBA)など任意の好適な回路によって実施されてよい。本明細書で用いるとき、用語「プロセッサ」は、任意のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、又は集積回路若しくは多くともいくつかの集積回路にコンピュータの中央演算処理装置(CPU)を組み込む、他の基本的なコンピューティング装置を含むことを理解されたい。プロセッサは、デジタルデータを入力として受け取り、メモリに記憶されている命令に従って処理し、結果を出力として提供する、多目的のプログラマブル素子である。これは内部メモリを有するため、順序デジタル論理の例である。プロセッサは、2進法で表された数字及び記号で動作する。
【0239】
1つの実施形態において、主プロセッサ11006は、ARM Cortex(Texas Instruments)という商標名で既知のものなど任意のシングルコア又はマルチコアプロセッサであってよい。1つの実施形態において、安全プロセッサ11004は、Hercules ARM Cortex R4(これもTexas Instruments)という商標名で既知のTMS570及びRM4xなど2つのマイクロコントローラベースファミリを備える安全マイクロコントローラプラットフォームであってよい。しかしながら、マイクロコントローラ及び安全プロセッサの他の好適な代用物が制限なく用いられてよい。1つの実施形態において、安全プロセッサ11004は、特にIEC 61508及びISO 26262の安全を最重要視する用途向けに構成されてよくて、とりわけ、拡張可能な性能、接続性、及びメモリオプションを提供しつつ、高度な統合安全機能を提供する。
【0240】
特定の例において、主プロセッサ11006は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。少なくとも1つの例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、製品データシートから容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のプロセッサが容易に代用されてよく、したがって、本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0241】
1つの実施形態において、分割回路11000は、加速度部分11002c(第3部分)を備える。加速度部分11002cは、加速度センサ11022を備える。加速度センサ11022は、例えば、加速度計を備えてよい。加速度センサ11022は、動力付き外科用器具2000の移動又は加速を検知するように構成されている。いくつかの実施形態において、加速度センサ11022からの入力を使用して、例えば、スリープモードから、若しくはスリープモードに移行する、動力付き外科用器具の向きを識別する、及び/又は外科用器具が脱落したかどうかを識別する。いくつかの実施形態において、加速度部分11002cは、安全プロセッサ11004及び/又はプライマリプロセッサ11006に結合される。
【0242】
1つの実施形態において、分割回路11000は、ディスプレイ部分11002d(第4部分)を備える。ディスプレイ部分11002dは、プライマリプロセッサ11006に結合されたディスプレイコネクタ11024を備える。ディスプレイコネクタ11024は、1つ、又は2つ以上のディスプレイ駆動部集積回路11026を介してプライマリプロセッサ11006をディスプレイ11028に結合する。ディスプレイ駆動部集積回路11026は、ディスプレイ11028と一体化されてよく、及び/又はディスプレイ11028から分離して位置付けられてよい。ディスプレイ11028は、例えば、有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイ、液晶ディスプレイ(LCD)、及び/又は任意の他の好適なディスプレイなど任意の好適なディスプレイを備えてよい。いくつかの実施形態において、ディスプレイ部分11002dは、安全プロセッサ11004に結合される。
【0243】
いくつかの実施形態において、分割回路11000は、シャフト部分11002e(第5部分)を備える。シャフト部分11002eは、外科用器具2000に結合されたシャフト2004用の1つ、又は2つ以上の制御装置、及び/又はシャフト2004に結合されたエンドエフェクタ2006用の1つ、又は2つ以上の制御装置を備える。シャフト部分11002eは、プライマリプロセッサ11006をシャフトPCBA11031に結合するように構成されているシャフトコネクタ11030を備える。シャフトPCBA11031は、第1の関節屈曲スイッチ11036と、第2の関節屈曲スイッチ11032と、シャフトPCBAの電気的消去可能なPROM(EEPROM)11034と、を備える。いくつかの実施形態において、シャフトPCBAのEEPROM 11034は、1つ、又は2つ以上のパラメータ、ルーチン、並びに/又はシャフト2004及び/若しくはシャフトPCBA 11031専用のプログラムを備える。シャフトPCBA 11031は、シャフト2004に結合されてよい、及び/又は外科用器具2000と一体であってよい。いくつかの実施形態において、シャフト部分11002eは、第2のシャフトEEPROM 11038を備える。第2のシャフトEEPROM 11038は、複数のアルゴリズム、ルーチン、パラメータ、並びに/又は動力付き外科用器具2000と連携してよいエンドエフェクタ2006及び/若しくは1つ、又は2つ以上のシャフト2004に対応する他のデータを備える。
【0244】
いくつかの実施形態において、分割回路11000は、位置エンコーダ部分11002f(第6部分)を備える。位置エンコーダ部分11002fは、1つ、又は2つ以上の磁気式ロータリ位置エンコーダ11040a〜11040bを備える。1つ、又は2つ以上の磁気式ロータリ位置エンコーダ11040a〜11040bは、外科用器具2000のモーター11048、シャフト2004、及び/又はエンドエフェクタ2006の回転位置を識別するように構成されている。いくつかの実施形態において、磁気式ロータリ位置エンコーダ11040a〜11040bは、安全プロセッサ11004及び/又はプライマリプロセッサ11006に結合されてよい。
【0245】
いくつかの実施形態において、分割回路11000は、モーター部分11002g(第7部分)を備える。モーター部分11002gは、動力付き外科用器具2000の1つ、又は2つ以上の移動を制御するように構成されているモーター11048を備える。モーター11048は、Hブリッジ駆動部11042及び1つ、又は2つ以上のHブリッジ電界効果トランジスタ(FET)11044によってプライマリプロセッサ11006に結合されている。HブリッジFET 11044は、安全プロセッサ11004に結合されている。モーター電流センサ11046は、モーター11048と直列に結合されていて、モーター11048の電流引き込みを測定する。モーター電流センサ11046は、プライマリプロセッサ11006及び/又は安全プロセッサ11004と信号通信する。いくつかの実施形態において、モーター11048は、電磁干渉(EMI)モーターフィルタ11050に結合されている。
【0246】
分割回路11000は、電源部分11002h(第8部分)を備える。電池11008は、安全プロセッサ11004、プライマリプロセッサ11006、及び回路部分11002c〜11002gのうちの1つ、又は2つ以上に結合されている。電池11008は、電池コネクタ11010及び電流センサ11012によって分割回路11000に結合されている。電流センサ11012は、分割回路11000の総電流引き込みを測定するように構成されている。いくつかの実施形態において、1つ、又は2つ以上の電圧変換器11014a、11014b、11016は、所定の電圧値を1つ、又は2つ以上の回路部分11002a〜11002gに提供するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、分割回路11000は、3.3V電圧変換器11014a〜11014b及び/又は5V電圧変換器11016を備えてよい。ブースト変換器11018は、最大で所定の量、例えば、最大13Vなどのブースト電圧を提供するように構成されている。ブースト変換器11018は、電力を大量に消費する動作中に追加の電圧及び/又は電流を提供し、電圧低下又は低電力状態を阻止するように構成されている。
【0247】
いくつかの実施形態において、安全部分11002aは、モーター電源遮断装置11020を備える。モーター電源遮断装置11020は、電源部分11002hとモーター部分11002gとの間に結合されている。安全部分11002aは、本明細書で更に詳細に議論するように、安全プロセッサ11004及び/又はプライマリプロセッサ11006によってエラー又は不良状態が検知されたときに、モーター部分11002gへの電源を遮断するように構成されている。回路部分11002a〜11002gは、回路部分11002a〜11002hの全構成要素が物理的に近接して位置付けられるように示されているが、当業者は、回路部分11002a〜11002hが、同一の回路部分11002a〜11002gの他の構成要素から物理的に、及び/又は電気的に分離している構成要素を備えてよいことを理解するであろう。いくつかの実施形態において、1つ、又は2つ以上の構成要素は、2つ以上の回路部分11002a〜11002gで共有されてよい。
【0248】
いくつかの実施形態において、複数のスイッチ11056〜11070は、安全プロセッサ11004及び/又はプライマリプロセッサ11006に結合されている。複数のスイッチ11056〜11070は、外科用器具2000の1つ、若しくは2つ以上の動作を制御する、分割回路11100の1つ、若しくは2つ以上の動作を制御する、及び/又は外科用器具2000のステータスを示すように構成されてよい。例えば、脱出ドアスイッチ11056は、脱出ドアのステータスを示すように構成されている。例えば、左側の左関節屈曲スイッチ11058a、左側の右関節屈曲スイッチ11060a、左側の中央関節屈曲スイッチ11062a、右側の左関節屈曲スイッチ11058b、右側の右関節屈曲スイッチ11060b、及び右側の中央関節屈曲スイッチ11062bなど複数の関節屈曲スイッチは、シャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節屈曲を制御するように構成されている。左側のリバーススイッチ11064a及び右側のリバーススイッチ11064bは、プライマリプロセッサ11006に結合されている。いくつかの実施形態において、左側の左関節屈曲スイッチ11058aと、左側の右関節屈曲スイッチ11060aと、左側の中央関節屈曲スイッチ11062aと、左側のリバーススイッチ11064aと、を備える左側スイッチは、左フレックスコネクタ11072aによってプライマリプロセッサ11006に結合されている。右側の左関節屈曲スイッチ11058bと、右側の右関節屈曲スイッチ11060bと、右側の中央関節屈曲スイッチ11062bと、右側のリバーススイッチ11064bと、を備える右側スイッチは、右フレックスコネクタ11072bによってプライマリプロセッサ11006に結合されている。いくつかの実施形態において、発射スイッチ11066、クランプ解放スイッチ11068、及びスイッチ11070に係合されたシャフトは、プライマリプロセッサ11006に結合されている。
【0249】
複数のスイッチ11056〜11070は、例えば、外科用器具2000のハンドルに取り付けられた複数のハンドル制御装置、複数のインジケータスイッチ、及び/又は任意のこれらの組み合わせを備えてよい。様々な実施形態において、複数のスイッチ11056〜11070によって、外科医は、外科用器具を操作すること、外科用器具の位置及び/若しくは動作に関するフィードバックを分割回路11000に提供すること、並びに/又は外科用器具2000の危険な動作を示すことができる。いくつかの実施形態において、より多い、又はより少ない数のスイッチが分割回路11000に結合されてよく、1つ、又は2つ以上のスイッチ11056〜11070は、単一のスイッチに統合されてよい、及び/又は複数のスイッチに拡張されてよい。例えば、1つの実施形態において、1つ、又は2つ以上の左側及び/又は右側の関節屈曲スイッチ11058a〜11064bは、単一の多位置スイッチに統合されてよい。
【0250】
図73は、安全動作の中でも、とりわけ監視機能を実行するように構成されている安全プロセッサ11104の一実施形態を備える分割回路11100を示す。分割回路11100の安全プロセッサ11004及びプライマリプロセッサ11106は、信号通信している。複数の回路部分11102c〜11102hはプライマリプロセッサ11106に結合され、例えば、
図1〜3に示す外科用器具2000など外科用器具の1つ、又は2つ以上の動作を制御するように構成されている。例えば、図示の実施形態において、分割回路11100は、加速度部分11102cと、ディスプレイ部分11102dと、シャフト部分11102eと、エンコーダ部分11102fと、モーター部分11102gと、電源部分11102hと、を備える。各回路部分11102c〜11102gは、安全プロセッサ11004及び/又はプライマリプロセッサ11006に結合されてよい。プライマリプロセッサはまた、フラッシュメモリ11186に結合されている。マイクロプロセッサアライブ心拍信号は、出力部11196で提供される。
【0251】
加速度部分11102cは、外科用器具2000の移動を監視するように構成されている加速度計11122を備える。様々な実施形態において、加速度計11122は、単軸、2軸、又は3軸加速度計であってよい。加速度計11122を用いて、必ずしも座標加速度ではない適正な加速度(速度の変化率)を測定してよい。その代わりに、加速度計は、加速度計11122の基準系にある試験質量が経験する重量現象に関連付けられる加速度を測定する。例えば、地表面にある加速度計11122は、その重量により、上に向かって一直線の加速度g=9.8m/s
2(重力)を測定する。加速度計11122が測定できる別の種類の加速度は、重力加速度である。様々な他の実施形態において、加速度計11122は、単軸、2軸、又は3軸加速度計を備えてよい。更に、加速度部分11102cは、加速度、傾斜、衝撃、振動、回転、及び多自由度(DoF)を検知し、測定する、1つ、又は2つ以上の慣性センサを備えてよい。好適な慣性センサは、加速度計(単軸、2軸、又は3軸)、地球の磁場など磁場を測定する磁力計、及び/又は角速度を測定するジャイロスコープを備えてよい。
【0252】
ディスプレイ部分11102dは、外科用器具2000に埋め込まれたディスプレイ、例えば、OLEDディスプレイなどを備える。特定の実施形態において、外科用器具2000は出力装置を備えてよく、この出力装置は、感覚フィードバックをユーザーに提供するために1つ、又は2つ以上の装置を含んでよい。このような装置は、例えば、視覚フィードバック装置(例えば、LCDディスプレイスクリーン、LEDインジケータ)、可聴フィードバック装置(例えば、スピーカー、ブザー)又は触覚フィードバック装置(例えば、触覚作動装置)を含んでもよい。いくつかの態様において、出力装置は、
図69に示すように、ハンドル組立体2002に含まれてよいディスプレイを備えてよい。シャフト組立体コントローラ及び/又は電力管理コントローラは、出力装置を介して外科用器具2000のユーザーにフィードバックを提供し得る。インターフェイスは、シャフト組立体コントローラ及び/又は電力管理コントローラを出力装置に接続するように構成され得る。
【0253】
シャフト部分11102eは、例えば、シャフト2004及び/又はシャフト2004に結合されているエンドエフェクタ2006の1つ、又は2つ以上の動作を制御するように構成されているシャフトPCB、並びにシャフトの係合を示すホール効果スイッチ1170などシャフト回路基板11131を備える。シャフト回路基板1131はまた、強誘電体ランダムアクセスメモリ(FRAM)技術を使用した低電力マイクロプロセッサ1190と、機械的関節屈曲スイッチ1192と、シャフト解放ホール効果スイッチ1194と、フラッシュメモリ1134と、を含む。エンコーダ部分11102fは、モーター11048、シャフト2004、及び/又はエンドエフェクタ2006の回転位置情報を提供するように構成されている、複数のモーターエンコーダ11140a、11140bを備える。
【0254】
モーター部分11102gは、例えば、ブラシ付きDCモーターなどモーター11048を備える。モーター11048は、複数のHブリッジ駆動部11142及びモーターコントローラ11143を介してプライマリプロセッサ11106に結合されている。モーターコントローラ11143は、第1のモーターフラグ11174a及び第2のモーターフラグ11174bを制御して、モーター11048のステータス及び位置をプライマリプロセッサ11106に示す。プライマリプロセッサ11106は、バッファ11184を介してモーターコントローラ11143にパルス幅変調(PWM)高信号11176a、PWM低信号11176b、方向信号11178、同期信号11180、及びモーターリセット信号11182を提供する。電源部分11102hは、各回路部分11102a〜11102gに部分電圧を提供するように構成されている。
【0255】
1つの実施形態において、安全プロセッサ11104は、例えば、モーター部分11102gなど1つ、又は2つ以上の回路部分11102c〜11102hに対して監視機能を実行するように構成されている。この点において、安全プロセッサ11104はこの監視機能を用いて、プライマリプロセッサ10006の故障を検知し、故障から回復させる。通常動作中、安全プロセッサ11104は、ハードウェアの不良又はプライマリプロセッサ11104のプログラムエラーがないかどうかを監視し、是正措置を開始する。是正措置としては、プライマリプロセッサ10006を安全状態にすること、及び通常のシステム動作を回復させることが挙げられてよい。1つの実施形態において、安全プロセッサ11104は、少なくとも第1のセンサに結合されている。第1のセンサは、外科用器具2000の第1のプロパティを測定する。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は、外科用器具2000の測定したプロパティを所定の値と比較するように構成されている。例えば、1つの実施形態において、モーターセンサ11140aは、安全プロセッサ11104に結合されている。モーターセンサ11140aは、モーター速度及び位置情報を安全プロセッサ11104に提供する。安全プロセッサ11104は、モーターセンサ11140aを監視し、この値を最大速度及び/又は位置値と比較し、モーター11048の動作が所定の値を超えないようにする。いくつかの実施形態において、所定の値は、モーター11048の実時間速度及び/又は位置に基づいている、プライマリプロセッサ11106と通信する第2のモーターセンサ11140bによって提供された値から計算される、及び/又は、例えば、安全プロセッサ11104に結合されたメモリモジュールから安全プロセッサ11104に提供される。
【0256】
いくつかの実施形態において、第2のセンサは、プライマリプロセッサ11106に結合されている。第2のセンサは、第1の物理プロパティを測定するように構成されている。安全プロセッサ11104及びプライマリプロセッサ11106は、第1のセンサ及第2のセンサの値をそれぞれ示す信号を提供するように構成されている。安全プロセッサ11104又はプライマリプロセッサ11106のいずれかが、許容範囲外の値を示すとき、分割回路11100は、例えば、モーター部分11102gなど回路部分11102c〜11102hのうちの少なくとも1つの動作を阻止する。例えば、
図73に示す実施形態では、安全プロセッサ11104は第1のモーター位置センサ11140aに結合されており、プライマリプロセッサ11106は第2のモーター位置センサ11140bに結合されている。モーター位置センサ11140a、11140bは、例えば、サインコサイン出力部を備える、磁気式角回転入力部など任意の好適なモーター位置センサを備えてよい。モーター位置センサ11140a、11140bは、モーター11048の位置を示す、それぞれの信号を安全プロセッサ11104及びプライマリプロセッサ11106に提供する。
【0257】
安全プロセッサ11104及びプライマリプロセッサ11106は、第1のモーターセンサ11140a及び第2のモーターセンサ11140bの値が所定の範囲内であるときに起動信号を生成する。プライマリプロセッサ11106又は安全プロセッサ11104のいずれかが所定の範囲外の値を検知するとき、起動信号は終了し、例えば、モーター部分11102gなど、少なくとも1つの回路部分11102c〜11102hの動作は中断される、及び/又は阻止される。例えば、いくつかの実施形態において、プライマリプロセッサ11106からの起動信号及び安全プロセッサ11104からの起動信号は、ANDゲートに結合されている。ANDゲートは、モーター電源スイッチ11120に結合されている。ANDゲートは、安全プロセッサ11104及びプライマリプロセッサ11106の両方からの起動信号が高く、モーターセンサ11140a、11140bの値が所定の範囲内であることを示すとき、モーター電源スイッチ11120を閉鎖、つまりオン位置に維持する。モーターセンサ11140a、11140bのいずれかが所定の範囲外の値を検知するとき、モーターセンサ11140a、11140bからの起動信号は低く設定され、ANDゲートの出力は低く設定され、モーター電源スイッチ11120を開放する。いくつかの実施形態において、第1のセンサ11140a及び第2のセンサ11140bの値は、例えば、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106によって比較される。第1のセンサ及び第2のセンサの値が異なるとき、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106は、モーター部分11102gの動作を阻止してよい。
【0258】
いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は、第2のセンサ11140bの値を示す信号を受信し、第2のセンサ値を第1のセンサ値と比較する。例えば、1つの実施形態において、安全プロセッサ11104は、第1のモーターセンサ11140aに直接結合されている。第2のモーターセンサ11140bはプライマリプロセッサ11106に結合されており、プライマリプロセッサ11106は、第2のモーターセンサ11140bの値を安全プロセッサ11104に提供する、及び/又は安全プロセッサ11104に直接結合されている。安全プロセッサ11104は、第1のモーターセンサ11140の値を第2のモーターセンサ11140bの値と比較する。安全プロセッサ11104が第1のモーターセンサ11140aと第2のモーターセンサ11140bとの不一致を検知すると、安全プロセッサ11104は、例えば、モーター部分11102gへの電力を遮断して、モーター部分11102gの動作を中断させてよい。
【0259】
いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106は、外科用器具の第1のプロパティを測定するように構成されている第1のセンサ11140a及び外科用器具の第2のプロパティを測定するように構成されている第2のセンサ11140bに結合されている。外科用器具が通常に動作しているとき、第1のプロパティ及び第2のプロパティは所定の関係を有する。安全プロセッサ11104は、第1のプロパティ及び第2のプロパティを監視する。所定の関係と矛盾する第1のプロパティ及び/又は第2のプロパティの値が検知されると、不良状態が発生する。不良状態が発生すると、安全プロセッサ11104は、例えば、回路部分のうちの少なくとも1つの動作を阻止する、所定の動作を実行する、及び/又はプライマリプロセッサ11106をリセットするなど少なくとも1つの措置を講じる。例えば、不良状態が検知されると、安全プロセッサ11104は、モーター電源スイッチ11120を開放してモーター回路部分11102gへの電力を切断してよい。
【0260】
図74は、例えば、
図1〜3に示す、外科用器具2000など外科用器具の第1のプロパティ及び第2のプロパティを監視し、これらを比較するように構成されている安全プロセッサ11204を備える分割回路11200の一実施形態のブロック図を示す。安全プロセッサ11204は、第1のセンサ11246及び第2のセンサ11266に結合されている。第1のセンサ11246は、外科用器具2000の第1の物理プロパティを監視するように構成されている。第2のセンサ11266は、外科用器具2000の第2の物理プロパティを監視するように構成されている。外科用器具2000が通常に動作しているとき、第1及び第2のプロパティは所定の関係を有する。例えば、1つの実施形態において、第1のセンサ11246は、電源からのモーターの電流引き込みを監視するように構成されているモーター電流センサを備える。モーターの電流引き込みは、モーターの速度を示してよい。第2のセンサは、例えば、外科用器具2000に連結されたエンドエフェクタ2006などエンドエフェクタ内での切断部材の位置を監視するように構成されている線形ホールセンサを備える。切断部材の位置は、エンドエフェクタ2006内での切断部材の速度を計算するために使用される。切断部材の速度は、外科用器具2000が通常に動作しているとき、モーターの速度と所定の関係を有する。
【0261】
安全プロセッサ11204は、主プロセッサ11206に信号を提供し、第1のセンサ11246及び第2のセンサ11266が所定の関係と一致する値を生成していることを示す。安全プロセッサ11204が、所定の関係と矛盾する第1のセンサ11246及び/又は第2のセンサ11266の値を検知すると、安全プロセッサ11206は、プライマリプロセッサ11206に危険状態を示す。プライマリプロセッサ11206は、少なくとも1つの回路部分の動作を中断させる、及び/又は阻止する。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11204は、1つ、又は2つ以上の回路部分の動作を制御するように構成されているスイッチに直接結合されている。例えば、
図73を参照すると、1つの実施形態において、安全プロセッサ11104は、モーター電源スイッチ11120に直接結合されている。不良状態が検知されると、安全プロセッサ11104は、モーター電源スイッチ11120を開放して、モーター部分11102gの動作を阻止する。
【0262】
戻って
図73を参照すると、1つの実施形態において、安全プロセッサ11104は、独立した制御アルゴリズムを実行するように構成されている。動作中は、安全プロセッサ11104は分割回路11100を監視し、例えば、プライマリプロセッサ11106など他の回路素子からの信号を独立して制御する、及び/又は無効にするように構成されている。安全プロセッサ11104は、予めプログラミングされたアルゴリズムを実行してよい、並びに/又は外科用器具2000の1つ、又は2つ以上の動作及び/若しくは位置に基づいて、動作中にオンザフライでアップデートされてよい、若しくはプログラミングされてよい。例えば、1つの実施形態において、安全プロセッサ11104は、新しいシャフト及び/又はエンドエフェクタが外科用器具2000に結合されるたびに、新しいパラメータ及び/又は安全アルゴリズムを使用して再プログラミングされる。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104によって記憶された1つ、又は2つ以上の安全値は、プライマリプロセッサ11106によって複製される。プロセッサ11104、11106のいずれかによって記憶された値及び/又はパラメータが正しいことを確認するためには、双方向のエラー検知が実行される。
【0263】
いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104及びプライマリプロセッサ11106は、冗長安全チェックを実行する。安全プロセッサ11104及びプライマリプロセッサ11106は、通常動作を示す、周期信号を提供する。例えば、動作中に、安全プロセッサ11104は、安全プロセッサ11104がコードを実行しており、通常通り動作していることをプライマリプロセッサ11106に示してよい。プライマリプロセッサ11106は、同様に、プライマリプロセッサ11106がコードを実行しており、通常通り動作していることを安全プロセッサ11104に示してよい。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104とプライマリプロセッサ11106との間の通信は、所定の間隔で発生する。所定の間隔は、一定であってよい、又は外科用器具2000の回路状態及び/若しくは動作に基づいて可変であってよい。
【0264】
図75は、例えば、
図73に示す安全プロセス11104など、安全プロセッサによって実行されるように構成されている安全プロセス11250を示すブロック図である。1つの実施形態において、外科用器具2000の複数のプロパティに対応する値が、安全プロセッサ11104に提供される。複数のプロパティは、複数の独立したセンサ及び/又はシステムによって監視される。例えば、図示の実施形態において、測定された切断部材速度11252、推定モーター速度11254、意図したモーター信号の方向11256が安全プロセッサ11104に提供される。切断部材速度11252及び推定モーター速度11254は、例えば、線形ホールセンサ及び電流センサなど独立したセンサによってそれぞれ提供されてよい。意図したモーター信号の方向11256は、プライマリプロセッサ、例えば、
図73に示すプライマリプロセッサ11106によって提供されてよい。安全プロセッサ11104は複数のプロパティを比較し(11258)、プロパティが所定の関係と一致するときは、それを判定する。複数のプロパティが、所定の関係と一致する値を含むとき(11260a)、措置は講じられない(11262)。複数のプロパティが所定の関係と矛盾する値を含むとき(11260b)、安全プロセッサ11104は、例えば、機能を遮断する、機能を実行する、及び/又はプロセッサをリセットするなど1つ、又は2つ以上の措置を講じる。例えば、
図75に示すプロセス11250において、安全プロセッサ11104は、例えば、モーター部分への電力を遮断する(11264)ことによってなど、1つ、又は2つ以上の回路部分の動作を中断する。
【0265】
戻って
図73を参照すると、分割回路11100は、外科用器具2000の1つ、又は2つ以上の動作を制御するように構成されている複数のスイッチ11156〜11170を備える。例えば、図示の実施形態において、分割回路11100は、クランプ解放スイッチ11168と、発射トリガー11166と、外科用器具2000に結合されたシャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節屈曲を制御するように構成されている複数のスイッチ11158a〜11164bと、を備える。クランプ解放スイッチ11168、発射トリガー11166、及び複数の関節屈曲スイッチ11158a〜11164bは、アナログ及び/又はデジタルスイッチを備えてよい。具体的には、スイッチ11156は、機械的スイッチリフターダウン位置、スイッチ11158aを示し、11158bは、左関節屈曲(1)及び(2)を示し、スイッチ11160a、1160bは、右関節屈曲(1)及び(2)を示し、スイッチ11162a、11162bは、中央関節屈曲(1)及び(2)を示し、スイッチ11164a、11164bは、リバース/左及びリバース/右を示す。例えば、
図76は、1つ、又は2つ以上の外科用器具の動作を制御するように構成されている複数のスイッチSW1〜SW16を備える、スイッチバンク11300の一実施形態を示す。スイッチバンク11300は、例えば、プライマリプロセッサ11106などプライマリプロセッサに結合されていてよい。いくつかの実施形態において、1つ、又は2つ以上のダイオードD1〜D8は、複数のスイッチSW1〜SW16に結合されている。任意の好適な機械的、電気機械的、又はソリッドステートスイッチが用いられて、任意の組み合わせで複数のスイッチ11156〜11170を実行してよい。例えば、スイッチ11156〜11170は、外科用器具2000に関連付けられる構成要素の移動又は物体の存在によって操作されるスイッチを制限してよい。かかるスイッチが用いられて、外科用器具2000に関連付けられる様々な機能を制御してよい。リミットスイッチは、一連の接点に機械的に連結されたアクチュエータからなる電気機械装置である。物体がアクチュエータと接触すると、この装置は、接点を動作させて、電気的接続を行う、又は切断する。リミットスイッチは、その耐久性、取り付けやすさ、及び動作の信頼性のために様々な用途及び環境で使用される。リミットスイッチは、物体の有無、通過、位置付け、及び移動の終了を測定できる。他の実施形態において、スイッチ11156〜11170は、とりわけ、ホール効果装置、磁気抵抗(MR)装置、巨大磁気抵抗(GMR)装置、磁力計など磁場の影響下で動作するソリッドステートスイッチであってよい。他の実施形態において、スイッチ11156〜11170は、とりわけ、光センサ、赤外線センサ、紫外線センサなど光の影響下で動作するソリッドステートスイッチであってよい。更に、スイッチ11156〜11170は、トランジスタ(例えば、FET、接合型FET、金属酸化物半導体FET(MOSFET)、双極など)などソリッドステート装置であってよい。他のスイッチには、とりわけ、無線スイッチ、超音波スイッチ、加速度計、慣性センサが挙げられてよい。
【0266】
図77は、複数のスイッチを備えるスイッチバンク11350の一実施形態を示す。様々な実施形態において、1つ、又は2つ以上のスイッチは、例えば、
図69〜71に示す外科用器具2000など外科用器具の1つ、又は2つ以上の動作を制御するように構成されている。複数の関節屈曲スイッチSW1〜SW16は、外科用器具2000に結合されたシャフト2004及び/又はエンドエフェクタ2006の関節屈曲を制御するように構成されている。発射トリガー11366は、外科用器具2000を発射して、例えば、複数のステープルを配備する、エンドエフェクタ2006内で切断部材を移動させる、及び/又は電気外科用エネルギーをエンドエフェクタ2006に伝達するように構成されている。いくつかの実施形態において、スイッチバンク11350は、外科用器具2000の動作を阻止するように構成されている、1つ、又は2つ以上の安全スイッチを備える。例えば、脱出スイッチ11356は、脱出ドアに結合されており、脱出ドアが開放位置にあるとき、外科用器具2000の動作を阻止する。
【0267】
図78は、プライマリプロセッサ11406に結合されたスイッチバンク11450を備える分割回路11400の一実施形態を示す。スイッチバンク11450は、
図77に示すスイッチバンク11350と同様である。スイッチバンク11450は、例えば、
図69〜71に示す外科用器具2000など、外科用器具の1つ、又は2つ以上の動作を制御するように構成されている複数のスイッチSW1〜SW16を備える。スイッチバンク11450は、プライマリプロセッサ11406のアナログ入力部に結合されている。スイッチバンク11450内の各スイッチは、プライマリプロセッサ11406のデジタル入力部に結合された入力/出力エキスパンダ11463に更に結合されている。プライマリプロセッサ11406は、スイッチバンク11450からの入力を受信し、スイッチバンク11450の1つ、又は2つ以上のスイッチの操作に応答して、分割回路11400の1つ、又は2つ以上の追加部分、例えば、モーター部分11402gを制御する。
【0268】
いくつかの実施形態において、ポテンショメータ11469は、プライマリプロセッサ11406に結合されていて、外科用器具2000に結合されたエンドエフェクタ2006のクランプ位置を示す信号を提供する。ポテンショメータ11469は、プライマリプロセッサ11106によって使用される、クランプの開放/閉鎖位置を示す信号を提供して、1つ、又は2つ以上の回路部分、例えば、モーター部分11102gの動作を制御することにより、安全プロセッサ(図示なし)の代わりに使用されてよい、及び/又はこれを補完してよい。例えば、ポテンショメータ11469が、エンドエフェクタはフルクランプ位置及び/又はフル開放位置にあることを示すとき、プライマリプロセッサ11406はモーター電源スイッチ11420を開放し、モーター部分11402gが特定方向に更に動作しないようにしてよい。いくつかの実施形態において、プライマリプロセッサ11406は、ポテンショメータ11469から受信した信号に応答して、モーター部分11402gに供給される電流を制御する。例えば、プライマリプロセッサ11406は、ポテンショメータ11469が、エンドエフェクタは所定の位置を超えて閉鎖していることを示すとき、モーター部分11402gに供給され得るエネルギーを制限してよい。
【0269】
戻って
図73を参照すると、分割回路11100は加速度部分11102cを備える。加速度部分は、加速度計11122を備える。加速度計11122は、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106に結合されてよい。加速度計11122は、外科用器具2000の移動を監視するように構成されている。加速度計11122は、1つ、又は2つ以上の方向への移動を示す、1つ、又は2つ以上の信号を生成するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、加速度計11122は、3方向への外科用器具2000の移動を監視するように構成されている。他の実施形態において、加速度部分11102cは、信号方向への移動を監視するようにそれぞれ構成されている、複数の加速度計11122を備える。
【0270】
いくつかの実施形態において、加速度計11122は、スリープモードへの移行、及び/又はスリープモードからの移行、例えば、スリープモードからウェイクアップモードへの移行、及びその逆の移行を開始するように構成されている。スリープモードは、回路部分11102a〜11102gのうちの1つ、又は2つ以上が停止するか、低電力状態になる低電力モードを含んでよい。例えば、1つの実施形態において、加速度計11122はスリープモードで起動状態を維持し、安全プロセッサ11104は低電力モードにされ、安全プロセッサ11104は、加速度計11122を監視するが、それ以外の機能は実行しない。残りの回路部分11102b〜11102gの電源はオフである。様々な実施形態において、プライマリプロセッサ11104及び/又は安全プロセッサ11106は、加速度計11122を監視し、例えば、所定の期間内に移動が検知されないと、分割回路11100をスリープモードに移行させるように構成されている。加速度計11122を監視する安全プロセッサ11104に関連して説明したが、スリープモード/ウェイクアップモードは、センサ、スイッチ、又は本明細書に記載するように外科用器具2000に関連付けられる他のインジケータのいずれかを監視する安全プロセッサ11104によって実行されてよい。例えば、安全プロセッサ11104は、慣性センサ、又は1つ、若しくは2つ以上のスイッチを監視してよい。
【0271】
いくつかの実施形態において、分割回路11100は、所定の休止期間後にスリープモードに移行する。タイマーは、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106と信号通信している。タイマーは、安全プロセッサ11104と一体であってよく、及び/又はプライマリプロセッサ11106は独立した回路素子であってよい。タイマーは、外科用器具2000の最後の移動が加速度計11122によって検知されてからの期間を監視するように構成されている。カウンタが所定の閾値を超えると、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106は、分割回路11100をスリープモードに移行させる。いくつかの実施形態において、タイマーは、加速度計11122が移動を検知するたびにリセットされる。
【0272】
いくつかの実施形態において、加速度計11122、又は他の指定されたセンサ及び/若しくはスイッチ以外の全回路部分、並びに安全プロセッサ11104は、スリープモードになると、停止する。安全プロセッサ11104は、加速度計11122又は他の指定されたセンサ及び/若しくはスイッチを監視する。加速度計11122が外科用器具2000の移動を示すとき、安全プロセッサ11104は、スリープモードから動作モードへの移行を開始する。動作モードでは、回路部分11102a〜11102hのすべてがフル給電され、外科用器具2000の使用準備が整う。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は、プライマリプロセッサ11106をスリープモードからフル電力モードに移行させる信号をプライマリプロセッサ11106に提供することによって、分割回路11100を動作モードに移行させる。次いで、プライマリプロセッサ11106は、残りの各回路部分11102d〜11102hを動作モードに移行させる。
【0273】
スリープモードへの移行及び/又はスリープモードからの移行は、複数の段階を含んでよい。例えば、1つの実施形態において、分割回路11100は、4段階で動作モードからスリープモードに移行する。第1の段階は、加速度計11122が第1の所定の期間に外科用器具の移動を検知しなかった後に開始される。第1の所定の期間後に、分割回路11100は、ディスプレイ部分11102dのバックライトを暗くする。第2の所定の期間内に移動が検知されないと、安全プロセッサ11104は第2の段階に移行する。第2の段階では、ディスプレイ部分11102dのバックライトが消灯する。第3の所定の期間内に移動が検知されないと、安全プロセッサ11104は第3の段階に移行する。第3の段階では、加速度計11122のポーリング速度が低下する。第4の所定の期間内に移動が検知されないと、ディスプレイ部分11102dは停止し、分割回路11100はスリープモードになる。スリープモードでは、加速度計11122及び安全プロセッサ11104以外のすべての回路部分が停止する。安全プロセッサ11104は、安全プロセッサ11104が加速度計11122のポーリングのみを行う、低電力モードになる。安全プロセッサ11104は、加速度計11122が移動を検知するまで加速度計11122を監視し、移動を検知した時点で、安全プロセッサ11104は分割回路11100をスリープモードから動作モードに移行させる。
【0274】
いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は、加速度計11122が所定の閾値を超える外科用器具2000の移動を検知したときのみ、分割回路11100を動作モードに移行させる。所定の閾値を超える移動にのみ応答することによって、安全プロセッサ11104は、外科用器具2000が保管中にぶつけられたり、移動したりしたときに、不注意により分割回路11100を動作モードに移行させないようにする。いくつかの実施形態において、加速度計11122は、複数の方向への移動を監視するように構成されている。例えば、加速度計11122は、第1の方向及び第2の方向への移動を検知するように構成されてよい。安全プロセッサ11104は、加速度計11122を監視し、第1の方向及び第2の方向の両方への所定の閾値を超える移動を検知すると、分割回路11100をスリープモードから動作モードへと移行させる。少なくとも2方向への所定の閾値を超えた移動を要求することにより、安全プロセッサ11104は、保管中の偶発的な移動によって、分割回路11100が不注意によりスリープモードに移行しないように構成されている。
【0275】
いくつかの実施形態において、加速度計11122は、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向への移動を検知するように構成されている。安全プロセッサ11104は加速度計11122を監視し、加速度計11122が、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向のそれぞれへの揺動移動を検知するときのみ、分割回路11100をスリープモードから移行させるように構成されている。いくつかの実施形態において、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向のそれぞれへの揺動移動は、操作者による外科用器具2000の移動に対応する。したがって、加速度計11122が3方向への揺動移動を検知すると、動作モードに移行することが望ましい。
【0276】
いくつかの実施形態において、最後に移動が検知されてからの時間が増加するにつれて、分割回路11100をスリープモードから移行させるのに必要な移動の所定の閾値も増加する。例えば、いくつかの実施形態において、タイマーは、スリープモード中も動作し続ける。タイマーカウントが増加するにつれて、安全プロセッサ11104は、分割回路11100を動作モードに移行させるために必要な移動の所定の閾値を増加させる。安全プロセッサ11104は、所定の閾値を上限まで増加させてよい。例えば、いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は分割回路11100をスリープモードに移行させて、タイマーをリセットする。移動の所定の閾値は、当初低い値に設定され、分割回路11100をスリープモードから移行させるのに、外科用器具2000のわずかな移動しか必要としない。タイマーによって測定される、スリープモードに移行してからの時間が増加するにつれて、安全プロセッサ11104は、移動の所定の閾値を増加させる。時間Tにおいて、安全プロセッサ11104は、所定の閾値を上限まで増加させる。時間T+においては常に、所定の閾値は一定値(上限)を維持する。
【0277】
いくつかの実施形態において、1つ、又は2つ以上の追加及び/又は別のセンサを使用して、分割回路11100をスリープモードと動作モードとの間で移行させる。例えば、1つの実施形態において、タッチセンサが外科用器具2000に位置付けられている。タッチセンサは、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセッサ11106に結合されている。タッチセンサは、ユーザーが外科用器具2000と接触したことを検知するように構成されている。例えば、タッチセンサは、外科用器具2000のハンドルに位置付けられて、操作者が外科用器具2000を持ち上げたときに、それを検知してよい。安全プロセッサ11104は、加速度計11122が移動を検知することなく所定の期間が経過した後で、分割回路11100をスリープモードに移行させる。安全プロセッサ11104は、タッチセンサを監視し、ユーザーが外科用器具2000と接触したことをタッチセンサが検知すると、分割回路11100を動作モードに移行させる。タッチセンサは、例えば、容量性タッチセンサ、温度センサ、及び/又は任意の他の好適なタッチセンサを含んでよい。いくつかの実施形態において、タッチセンサ及び加速度計11122を使用して、装置をスリープモードと動作モードとの間で移行させてよい。例えば、加速度計11122が所定の期間内に移動を検知せず、ユーザーが外科用器具2000と接触したことをタッチセンサが示さないとき、安全プロセッサ11104は、装置をスリープモードに移行させるのみであってよい。当業者は、1つ、又は2つ以上の追加センサを使用して、分割回路11100にスリープモードと動作モードとの間を移行させてよいことを認識するであろう。いくつかの実施形態において、タッチセンサは、分割回路11100がスリープモードのときのみ、安全プロセッサ11104によって監視される。
【0278】
いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は、1つ、又は2つ以上のハンドル制御装置が作動すると、分割回路11100をスリープモードから動作モードに移行させるように構成されている。例えば、加速度計11122が所定の期間にわたって移動を検知しない後など、スリープモードへの移行後、安全プロセッサ11104は、例えば、複数の関節屈曲スイッチ11158a〜11164bなど1つ、又は2つ以上のハンドル制御装置を監視する。他の実施形態において、1つ、又は2つ以上のハンドル制御装置は、例えば、クランプ制御装置11166、解放ボタン11168、及び/又は任意の他の好適なハンドル制御装置を含む。外科用器具2000の操作者は、ハンドル制御装置のうちの1つ、又は2つ以上を作動させて、分割回路11100を動作モードに移行させてよい。安全プロセッサ11104がハンドル制御装置の作動を検知すると、安全プロセッサ11104は、分割回路11100の動作モードへの移行を開始する。ハンドル制御装置の作動時にはプライマリプロセッサ11106は作動していないため、操作者は、外科用器具2000の対応動作を行わずにハンドル制御装置を作動させることができる。
【0279】
図84は、例えば、
図69〜71に示す外科用器具2000など外科用器具の移動を監視するように構成されている加速度計11922を備える分割回路11900の一実施形態を示す。電源部分11902は、例えば、加速度計11922など1つ、又は2つ以上の回路部分に電池11908から電力を提供する。加速度計11922は、プロセッサ11906に結合されている。加速度計11922は、外科用器具2000の移動を監視するように構成されている。加速度計11922は、1つ、又は2つ以上の方向への移動を示す1つ、又は2つ以上の信号を生成するように構成されている。例えば、いくつかの実施形態において、加速度計11922は、3方向への外科用器具2000の移動を監視するように構成されている。
【0280】
特定の例において、プロセッサ11906は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。プロセッサ11906は、加速度計11922を監視し、例えば、所定の期間内に移動が検知されないと、分割回路11900をスリープモードに移行させるように構成されている。いくつかの実施形態において、分割回路11900は、所定の休止期間後にスリープモードに移行する。例えば、安全プロセッサ11904は、加速度計11922が移動を検知することなく所定の期間が経過した後で、分割回路11900をスリープモードに移行させる。特定の例において、加速度計11922は、例えば、STMicroelectronicsから入手可能なLIS331DLMであってよい。タイマーは、プロセッサ11906と信号通信している。タイマーは、プロセッサ11906と一体であってよく、及び/又は独立した回路素子であってよい。タイマーは、外科用器具2000の最後の移動が加速度計11922によって検知されてからの時間をカウントするように構成されている。カウンタが所定の閾値を超えると、プロセッサ11906は、分割回路11900をスリープモードに移行させる。いくつかの実施形態において、タイマーは、加速度計11922が移動を検知するたびにリセットされる。
【0281】
いくつかの実施形態において、加速度計11922は、衝突イベントを検知するように構成されている。例えば、外科用器具2000が落下すると、加速度計11922は、第1の方向への重力による加速度、次いで、第2の方向への加速度の変化(床及び/又は他の表面との衝突による)を検知する。別の例としては、外科用器具2000が壁に衝突すると、加速度計11922は、1つ、又は2つ以上の方向への加速度のスパイクを検知する。加速度計11922が衝突イベントを検知すると、衝突イベントにより、機械部品及び/又電気部品が緩み得るため、プロセッサ11906は、外科用器具2000の動作を阻止してよい。いくつかの実施形態において、所定の閾値を超えた衝突のみが動作を阻止する。他の実施形態において、すべての衝突が監視され、所定の閾値を超えた累積衝突が外科用器具2000の動作を阻止してよい。
【0282】
戻って
図73を参照すると、1つの実施形態において、分割回路11100は、電源部分11102hを備える。電源部分11102hは、各回路部分11102a〜11102gに部分電圧を提供するように構成されている。電源部分11102hは、電池11108を備える。電池11108は、電池コネクタ11110を介して、例えば、12ボルトなど所定の電圧をもたらすように構成されている。1つ、又は2つ以上の電力変換器11114a、11114b、11116は電池11108に結合されていて、特定の電圧をもたらす。例えば、図示の実施形態において、電源部分11102hは、補助スイッチング変換器(axillary switching converter)11114a、スイッチング変換器11114b、及び低ドロップアウト(LDO)変換器11116を備える。スイッチング変換器11114a、11114bは、1つ、又は2つ以上の回路素子に3.3ボルトをもたらすように構成されている。LDO変換器11116は、1つ、又は2つ以上の回路素子に5.0ボルトをもたらすように構成されている。いくつかの実施形態において、電源部分11102hはブースト変換器11118を備える。トランジスタスイッチ(例えば、NチャネルMOSFET)11115は、電力変換器11114b、11116に結合されている。ブースト変換器11118は、例えば、13ボルトなど電池11108によってもたらされた電圧よりも増加した電圧をもたらすように構成されている。ブースト変換器11118は、例えば、コンデンサ、インダクタ、電池、再充電可能電池、及び/又は増加した電圧をもたらす、任意の他の好適なブースト変換器を含んでよい。ブースト変換器11118は、ブーストされた電圧をもたらして、外科用器具2000の電力を大量に消費する動作中に1つ、又は2つ以上の回路部分11102a〜11102gの電圧低下及び/又は低電力状態を阻止する。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する電圧範囲に限定されない。
【0283】
いくつかの実施形態において、分割回路11100は、順次起動するように構成されている。次の順次回路部分11102a〜11102gへの給電に先立って、各回路部分11102a〜11102gによるエラーチェックが実行される。
図79は、例えば、分割回路11100など分割回路11270に順次給電するプロセスの一実施形態を示す。電池11108が分割回路11100に結合されているとき、安全プロセッサ11104は給電される(11272)。安全プロセッサ11104は、自己エラーチェックを実行する(11274)。エラーが検知される(11276a)と、安全プロセッサは分割回路11100への給電を停止し、エラーコードを生成する(11278a)。エラーが検出されない(11276b)と、安全プロセッサ11104は、プライマリプロセッサ11106の起動を開始する(11278b)。プライマリプロセッサ11106は、自己エラーチェックを実行する。エラーが検出されないと、プライマリプロセッサ11106は、残りの各回路部分11278bの順次起動を開始する。各回路部分は給電され、プライマリプロセッサ11106によるエラーチェックを受ける。エラーが検知されないと、次の回路部分が給電される(11278b)。エラーが検知されると、安全プロセッサ11104及び/又はプライマリプロセスは、現在の部分への給電を停止し、エラーを生成する(11278a)。順次起動は、回路部分11102a〜11102gのすべてが給電されるまで続く。いくつかの実施形態において、分割回路11100は、同様の順次起動プロセス11250に続いてスリープモードから移行する。
【0284】
図80は、複数のデイジーチェーン接続された電力変換器11514、11516、11518を備える電力部分11502の一実施形態を示す。電源部分11502は、電池11508を備える。電池11508は、例えば、12Vなど電源電圧をもたらすように構成されている。電流センサ11512は電池11508に結合されていて、分割回路及び/又は1つ、若しくは2つ以上の回路部分の電流引き込みを監視する。電流センサ11512は、FETスイッチ11513に結合されている。電池11508は、1つ、又は2つ以上の電圧変換器11509、11514、11516に結合されている。常時オン変換器11509は、例えば、移動センサ11522など1つ、又は2つ以上の回路素子に一定電圧をもたらす。常時オン変換器11509は、例えば、3.3V変換器を含む。常時オン変換器11509は、例えば、安全プロセッサ(図示なし)など追加回路素子に一定電圧をもたらしてよい。電池11508は、ブースト変換器11518に結合されている。ブースト変換器11518は、電池11508によってもたらされる電圧を上回るブーストされた電圧をもたらすように構成されている。例えば、図示の実施形態において、電池11508は12Vの電圧をもたらす。ブースト変換器11518は、13Vまで電圧をブーストさせるように構成されている。ブースト変換器11518は、例えば、
図69〜71に示す外科用器具2000など外科用器具の動作中に、最低電圧を維持するように構成されている。モーターの動作は、プライマリプロセッサ11506にもたらされる電力が最低閾値を下回り、プライマリプロセッサ11506に電圧低下又はリセット状態をもたらし得る。ブースト変換器11518は、外科用器具2000の動作中に、プライマリプロセッサ11506及び/又はモーターコントローラ11543など他の回路素子が十分な電力を使用できるようにする。いくつかの実施形態において、ブースト変換器11518は、例えば、OLEDディスプレイ11588など1つ、又は2つ以上の回路素子に直接結合されている。
【0285】
ブースト変換器11518は、1つ、又は2つ以上の降圧変換器に結合されて、ブーストされた電圧レベルを下回る電圧をもたらす。第1の電圧変換器11516はブースト変換器11518に結合されており、1つ、又は2つ以上の回路素子に第1の降圧電圧をもたらす。図示の実施形態において、第1の電圧変換器11516は5Vの電圧をもたらす。第1の電圧変換器11516は、回転位置エンコーダ11540に結合されている。FETスイッチ11517は、第1の電圧変換器11516と回転位置エンコーダ11540との間に結合されている。FETスイッチ11517は、プロセッサ11506によって制御される。プロセッサ11506はFETスイッチ11517を開放して、例えば、電力を大量に消費する動作中に、位置エンコーダ11540を停止させる。第1の電圧変換器11516は、第2の降圧電圧を提供するように構成されている第2の電圧変換器11514に結合されている。第2の降圧電圧は、例えば、3.3Vを含む。第2の電圧変換器11514は、プロセッサ11506に結合されている。いくつかの実施形態において、ブースト変換器11518、第1の電圧変換器11516、及び第2の電圧変換器11514は、デイジーチェーン構成で結合されている。デイジーチェーン構成によって、より小型の、より効率的な変換器を使用して、ブーストされた電圧レベルを下回る電圧レベルを生成できるようになる。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0286】
図81は、重要機能及び/又は電力集約的機能に使用可能な電力を最大化するように構成されている分割回路11600の一実施形態を示す。分割回路11600は、電池11608を備える。電池11608は、例えば、12Vなど電源電圧をもたらすように構成されている。電源電圧は、複数の電圧変換器11609、11618にもたらされる。常時オン電圧変換器11609は、例えば、移動センサ11622及び安全プロセッサ11604など1つ、又は2つ以上の回路素子に一定電圧をもたらす。常時オン電圧変換器11609は、電池11608に直接結合されている。常時オン変換器11609は、例えば、3.3Vの電圧をもたらす。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0287】
分割回路11600は、ブースト変換器11618を備える。ブースト変換器11618は、例えば、13Vなど電池11608によってもたらされた電源電圧を上回る、ブーストされた電圧をもたらす。ブースト変換器11618は、例えば、OLEDディスプレイ11688及びモーターコントローラ11643など1つ、又は2つ以上の回路素子にブーストされた電圧を直接もたらす。OLEDディスプレイ11688をブースト変換器11618に直接結合することによって、分割回路11600は、OLEDディスプレイ11688専用の電力変換器を不要にする。ブースト変換器11618は、例えば、切断動作など、1つ、又は2つ以上の電力を大量に消費するモーター11648の動作中に、モーターコントローラ11643及びモーター11648にブーストされた電圧をもたらす。ブースト変換器11618は、降圧変換器11616に結合されている。降圧変換器11616は、ブーストされた電圧を下回る電圧、例えば、5Vを1つ、又は2つ以上の回路素子にもたらすように構成されている。降圧変換器11616は、例えば、FETスイッチ11651及び位置エンコーダ11640に結合されている。FETスイッチ11651は、プライマリプロセッサ11606に結合されている。プライマリプロセッサ11606は、分割回路11600をスリープモードに移行させるとき、及び/又はモーター11648への追加電圧の供給を必要とする、電力を大量に消費する機能中に、FETスイッチ11651を開放する。FETスイッチ11651を開放すると、位置エンコーダ11640が停止し、位置エンコーダ11640の電力引き込みが排除される。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0288】
降圧変換器11616は、線形変換器11614に結合されている。線形変換器11614は、例えば、3.3Vの電圧をもたらすように構成されている。線形変換器11614は、プライマリプロセッサ11606に結合されている。線形変換器11614は、動作電圧をプライマリプロセッサ11606にもたらす。線形変換器11614は、1つ、又は2つ以上の追加回路素子に結合されてよい。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0289】
分割回路11600は、脱出スイッチ11656を備える。脱出スイッチ11656は、外科用器具2000の脱出ドアに結合されている。脱出スイッチ11656及び安全プロセッサ11604は、ANDゲート11619に結合されている。ANDゲート11619は、FETスイッチ11613に入力を提供する。脱出スイッチ11656が脱出状態を検知すると、脱出スイッチ11656は、ANDゲート11619に脱出シャットダウン信号を提供する。安全プロセッサ11604が、例えば、センサの不一致により危険状態を検知すると、安全プロセッサ11604は、ANDゲート11619にシャットダウン信号を提供する。いくつかの実施形態において、脱出シャットダウン信号及びシャットダウン信号の両方は、通常動作中に高く、脱出状態又は危険状態が検知されると、低い。ANDゲート11619の出力が低いとき、FETスイッチ11613は開放され、モーター11648の動作は阻止される。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11604は、シャットダウン信号を使用して、スリープモードのオフ状態にモーター11648を移行させる。FETスイッチ11613への第3の入力は、電池11608に結合された電流センサ11612によって提供される。電流センサ11612は、回路11600によって引き込まれた電流を監視し、一定の閾値を上回る電流を検知すると、FETスイッチ11613を開放して、モーター11648への電力を遮断する。FETスイッチ11613及びモーターコントローラ11643は、モーター11648の動作を制御するように構成されているFETスイッチのバンク11645に結合されている。
【0290】
モーター電流センサ11646は、モーター11648と直列に結合されていて、モーター電流センサの読み取り値を電流モニタ11647に提供する。電流モニタ11647は、プライマリプロセッサ11606に結合されている。電流モニタ11647は、モーター11648の電流引き込みを示す信号を提供する。プライマリプロセッサ11606は、例えば、モーター11648の電流引き込みが許容範囲内であることを確認する、モーター11648の電流引き込みを、例えば、位置エンコーダ11640など回路11600の1つ、若しくは2つ以上の他のパラメータと比較する、及び/又は治療部位の1つ、若しくは2つ以上のパラメータを測定するために、モーター電流11647からの信号を用いてモーターの動作を制御してよい。いくつかの実施形態において、電流モニタ11647は、安全プロセッサ11604に結合されてよい。
【0291】
いくつかの実施形態において、例えば、発射トリガーなど1つ、又は2つ以上のハンドル制御装置の作動により、ハンドル制御装置の作動中に、プライマリプロセッサ11606に1つ、又は2つ以上の構成要素への電力を低減させ得る。例えば、1つの実施形態において、発射トリガーは、切断部材の発射ストロークを制御する。切断部材は、モーター11648によって駆動される。発射トリガーの作動により、モーター11648の送り操作及び切断部材の前進が生じる。発射中、プライマリプロセッサ11606はFETスイッチ11651を閉鎖して、位置エンコーダ11640から電力を除去する。1つ、又は2つ以上の回路素子の停止により、モーター11648により高い電力を供給できる。発射トリガーが解放され、例えば、FETスイッチ11651を閉鎖し、位置エンコーダ11640を再起動することにより、停止した構成要素にフル電力が取り戻される。
【0292】
いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11604は、分割回路11600の動作を制御する。例えば、安全プロセッサ11604は、分割回路11600の順次起動、分割回路11600のスリープモードへの移行及びスリープモードからの移行を開始してよく、並びに/又はプライマリプロセッサ11606からの1つ、若しくは2つ以上の制御装置信号をオーバーライドしてよい。例えば、図示の実施形態において、安全プロセッサ11604は、降圧変換器11616に結合されている。安全プロセッサ11604は、降圧変換器11616を起動又は停止させて、残りの分割回路11600に電力を供給することによって、分割回路11600の動作を制御する。
【0293】
図82は、順次給電されるように構成されている複数のデイジーチェーン接続された電力変換器11714、11716、11718を備える電力システム11700の一実施形態を示す。複数のデイジーチェーン接続された電力変換器11714、11716、11718は、初期起動及び/又はスリープモードからの移行中に、例えば、安全プロセッサによって順次起動されてよい。安全プロセッサは、独立した電力変換器(図示なし)によって電力供給されてよい。例えば、1つの実施形態において、電池電圧V
電池が電源システム11700に結合されていて、及び/又は加速度計がスリープモードで移動を検知するとき、安全プロセッサは、デイジーチェーン接続された電力変換器11714、11716、11718の順次起動を開始する。安全プロセッサは、13Vブースト部11718を起動する。ブースト部11718は給電され、自己チェックを実行する。いくつかの実施形態において、ブースト部11718は、電源電圧をブーストし、自己チェックを実行するように構成されている集積回路11720を備える。ダイオードDは、ブースト部11718が自己チェックを完了し、ブースト部11718がエラーを識別しなかったことを示す信号をダイオードDに提供するまで、5V供給部11716の起動を阻止する。いくつかの実施形態において、この信号は、安全プロセッサによって提供される。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0294】
5V供給部11716は、ブースト部11718の後に、順次起動される。5V供給部11716は、起動中に自己チェックを実行して、5V供給部11716内でのエラーを識別する。5V供給部11716は、ブースト電圧からの降圧電圧を提供し、エラーチェックを実行するように構成されている集積回路11715を備える。エラーが検知されないとき、5V供給部11716は順次起動を完了し、3.3V供給部11714に起動信号を提供する。いくつかの実施形態において、安全プロセッサは、3.3V供給部11714に起動信号を提供する。3.3V供給部は、5V供給部11716から降圧電圧を提供し、起動中に自己エラーチェックを実行するように構成されている集積回路11713を備える。自己チェック中にエラーが検知されないとき、3.3V供給部11714は、プライマリプロセッサに電力を提供する。プライマリプロセッサは、残りの各回路部分に順次給電するように構成されている。電源システム11700及び/又は残りの分割回路に順次給電することによって、電源システム11700はエラーのリスクを低減し、負荷をかける前に電圧レベルを安定化できるようにし、制御されない方法で、同時にオンになるすべてのハードウェアからの大量の電流引き込みを阻止する。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0295】
1つの実施形態において、電源システム11700は、過電圧識別及び低減回路を備える。過電圧識別及び低減回路は、外科用器具内で単極の戻り電流を検知するように構成されていて、単極の戻り電流を検知すると、電源部分からの電力を遮断する。過電圧識別及び低減回路は、電源システムの接地浮遊を識別するように構成されている。過電圧識別及び低減回路は、金属酸化物バリスタを含む。過電圧識別及び低減回路は、少なくとも1つの過渡電圧抑制ダイオードを含む。
【0296】
図83は、分離制御部11802を備える分割回路11800の一実施形態を示す。分離制御部11802は、分割回路11800の制御ハードウェアを分割回路11800の電源部(図示なし)から分離する。制御部11802は、例えば、プライマリプロセッサ11806、安全プロセッサ(図示なし)、及び/又は追加制御ハードウェア、例えば、FETスイッチ11817を備える。電源部は、例えば、モーター、モーター駆動部、及び/又は複数のモーターMOSFETを備える。分離制御部11802は、充電回路11803と、5V電力変換器11816に結合された再充電可能電池11808と、を備える。充電回路11803及び再充電可能電池11808は、プライマリプロセッサ11806を電源部から分離する。いくつかの実施形態において、再充電可能電池11808は、安全プロセッサ及び任意の追加サポートハードウェアに結合されている。制御部11802を電源部から分離することにより、制御部11802、例えば、プライマリプロセッサ11806は、主電源が取り外されても起動し続けることができ、再充電可能電池11808を介してフィルタを提供して、制御部11802からノイズを締め出し、制御部11802を電池電圧の大幅な変化から分離して、モーターの負荷が大きい間でも適切な動作を確保し、及び/又は分割回路11800でリアルタイムオペレーティングシステム(RTOS)を使用できるようになる。いくつかの実施形態において、再充電可能電池11808は、プライマリプロセッサに、例えば、3.3Vなど降圧電圧をもたらす。しかしながら、実施形態は、本明細書の内容で説明する特定の電圧範囲に限定されない。
【0297】
図85は、例えば、
図73に示す分割回路11100など分割回路の順次起動プロセスの一実施形態を示す。1つ、又は2つ以上のセンサがスリープモードから動作モードへの移行を開始すると、順次起動プロセス11820が開始される。1つ、又は2つ以上のセンサが状態の変化を検知する(11822)と、タイマーがスタートする(11824)。タイマーは、1つ、又は2つ以上のセンサによって最後の移動/外科用器具2000との相互作用が検知されてからの時間をカウントする。タイマーカウントは、例えば、安全プロセッサ11104によって、スリープモード段階のテーブルと比較される(11826)。タイマーカウントが、スリープモード段階への移行に関する1つ、又は2つ以上のカウントを超える(11828a)と、安全プロセッサ11104は分割回路11100への給電を停止し(11830)、分割回路11100を対応するスリープモード段階に移行させる。タイマーカウントがすべてのスリープモード段階に関する閾値を下回る(11828b)と、分割回路11100は、次の回路部分11832の順次給電を続行する。
【0298】
戻って
図73を参照すると、いくつかの実施形態において、分割回路11100は、1つ、又は2つ以上の環境センサを備えて、外科用器具の不適切な保管及び/又は取り扱いを検知する。例えば、1つの実施形態において、分割回路11100は、温度センサを備える。温度センサは、分割回路11100が曝露される最高及び/又は最低温度を検知するように構成されている。外科用器具2000及び分割回路11100は、最高及び/又は最低温度の設計限界曝露を含む。外科用器具2000がこの限度を超える温度、例えば、滅菌技術中の上限を超える温度に曝露されると、温度センサは過剰曝露を検知し、装置の動作を阻止する。温度センサは、例えば、所定の閾値を超える温度に曝露されると、外科用器具2000を停止させるように構成されているバイメタルストリップ、温度データを記憶し、安全プロセッサ11104、及び/又は任意の他の好適な温度センサに温度データを提供するように構成されているソリッドステート温度センサを含んでよい。
【0299】
いくつかの実施形態において、加速度計11122は、環境安全センサとして構成されている。加速度計11122は、外科用器具2000が経験した加速度を記録する。所定の閾値を超える加速度は、例えば、外科用器具が脱落していることを示してよい。外科用器具は、最大加速度耐性を備える。加速度計11122が最大加速度耐性を超える加速度を検知すると、安全プロセッサ11104は外科用器具2000の動作を阻止する。
【0300】
いくつかの実施形態において、分割回路11100は、水分センサを備える。水分センサは、分割回路11100が水分に曝露されたときに、それを示すように構成されている。水分センサは、例えば、外科用器具2000が洗浄液に完全に浸されたときに、それを示すように構成されている浸水センサ、分離回路11100の給電中に、水分が分割回路11100と接触したときに、それを示すように構成されている水分センサ、及び/又は他の好適な水分センサなどを含んでよい。
【0301】
いくつかの実施形態において、分割回路11100は、化学物質曝露センサを備えてよい。化学物質曝露センサは、外科用器具2000が有害化学物質、及び/又は危険化学物質と接触したときに、それを示すように構成されている。例えば、滅菌処置中に、不適切な化学物質が使用されて、外科用器具2000の劣化をもたらすことがある。化学物質曝露センサは、不適切な化学物質曝露を安全プロセッサ11104に示してよく、安全プロセッサ11104は、外科用器具2000の動作を阻止してよい。
【0302】
分割回路11100は、使用サイクル回数を監視するように構成されている。例えば、1つの実施形態において、電池11108は、使用サイクルカウントを監視するように構成されている回路を備える。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11104は、使用サイクルカウントを監視するように構成されている。使用サイクルは、例えば、外科用器具2000で使用されたシャフト2004の数、外科用器具2000によって挿入された、及び/若しくは配備されたカートリッジの数、並びに/又は外科用器具2000の発射回数など外科用器具によって開始された外科的イベントを含んでよい。いくつかの実施形態において、使用サイクルは、例えば、衝突イベントなど環境イベント、不適切な保管状態及び/若しくは不適切な化学物質への曝露、滅菌プロセス、洗浄プロセス、並びに/又は再調整プロセスを含んでよい。いくつかの実施形態において、使用サイクルは、電源組立体(例えば電池パック)の交換及び/又は充電サイクルを含んでよい。
【0303】
分割回路11100は、すべての定義済み使用サイクルの総使用サイクルカウントを維持してよく、及び/又は1つ、若しくは2つ以上の定義済み使用サイクルの個々の使用サイクルカウントを維持してよい。例えば、1つの実施形態において、分割回路11100は、外科用器具2000によって開始されたすべての外科的イベントの単一の使用サイクルカウント及び外科用器具2000が経験した各環境イベントの個々の使用サイクルカウントを維持してよい。使用サイクルカウントは、分割回路11100によって1つ、又は2つ以上の動作を実行するために使用される。例えば、使用サイクルカウントを使用して、使用サイクル数が所定の閾値を超えたか、不適切な環境への曝露イベントが検知されると、例えば、電池11108を停止させることによって、分割回路11100を停止させてよい。いくつかの実施形態において、使用サイクルカウントは、外科用器具2000の提案された点検及び/又は必須の点検が必要なときに、それを示すために使用される。
【0304】
図86は、例えば、
図80に示す分割制御回路11602など分割回路を備える外科用器具を制御する方法11950の一実施形態を示す。11952において、電源組立体11608は、外科用器具に結合されている。電源組立体11608は、任意の好適な電池、例えば、
図69〜71に示す電源組立体2006などを備えてよい。電源組立体11608は、分割制御回路11602に電源電圧をもたらすように構成されている。電源電圧は、任意の好適な電圧、例えば、12Vなどを含んでよい。11954において、電源組立体11608は、電圧ブースト変換器11618に給電する。電圧ブースト変換器11618は、設定電圧をもたらすように構成されている。設定電圧は、電源組立体11608によってもたらされる電源電圧よりも高い電圧を含む。例えば、いくつかの実施形態において、設定電圧は、13Vの電圧を含む。第3の工程11956において、電圧ブースト変換器11618は、1つ、又は2つ以上の電圧レギュレータに給電して、1つ、又は2つ以上の動作電圧を1つ、又は2つ以上の回路素子にもたらす。動作電圧は、電圧ブースト変換器によってもたらされる設定電圧よりも低い電圧を含む。
【0305】
いくつかの実施形態において、ブースト変換器11618は、第1の動作電圧をもたらすように構成されている第1の電圧レギュレータ11616に結合されている。第1の電圧レギュレータ11616によってもたらされる第1の動作電圧は、電圧ブースト変換器によってもたらされる設定電圧よりも低い。例えば、いくつかの実施形態において、第1の動作電圧は、5Vの電圧を含む。いくつかの実施形態において、ブースト変換器は、第2の電圧レギュレータ11614に結合されている。第2の電圧レギュレータ11614は、第2の動作電圧をもたらすように構成されている。第2の動作電圧は、設定電圧及び第1の動作電圧よりも低い電圧を含む。例えば、いくつかの実施形態において、第2の動作電圧は、3.3Vの電圧を含む。いくつかの実施形態において、電池11608、電圧ブースト変換器11618、第1の電圧レギュレータ11616、及び第2の電圧レギュレータ11614は、デイジーチェーン構成で構成されている。電池11608は、電圧ブースト変換器11618に電源電圧をもたらす。電圧ブースト変換器11618は、電源電圧を設定電圧にブーストする。電圧ブースト変換器11618は、第1の電圧レギュレータ11616に設定電圧をもたらす。第1の電圧レギュレータ11616は第1の動作電圧を生成し、第1の動作電圧を第2の電圧レギュレータ11614にもたらす。第2の電圧レギュレータ11614は、第2の動作電圧を生成する。
【0306】
いくつかの実施形態において、1つ、又は2つ以上の回路素子は、電圧ブースト変換器11618によって直接給電される。例えば、いくつかの実施形態において、OLEDディスプレイ11688は、電圧ブースト変換器11618に直接結合されている。電圧ブースト変換器11618は、OLEDディスプレイ11688に設定電圧を提供し、OLEDが一体の発電機を有する必要性を排除する。いくつかの実施形態において、プロセッサ、例えば、
図73に示す安全プロセッサ11604などは、電圧ブースト変換器11618及び/又は1つ、若しくは2つ以上の電圧レギュレータ11616、11614によってもたらされる電圧を確認する。安全プロセッサ11604は、電圧ブースト変換器11618及び電圧レギュレータ11616、11614のそれぞれによってもたらされる電圧を確認するように構成されている。いくつかの実施形態において、安全プロセッサ11604は、設定電圧を確認する。設定電圧が第1の所定の値以上であるとき、安全プロセッサ11604は、第1の電圧レギュレータ11616に給電する。安全プロセッサ11604は、第1の電圧レギュレータ11616によってもたらされる第1の動作電圧を確認する。第1の動作電圧が第2の所定の値以上であるとき、安全プロセッサ11604は、第2の電圧レギュレータ11614に給電する。次いで、安全プロセッサ11604は、第2の動作電圧を確認する。第2の動作電圧が第3の所定の値以上であるとき、安全プロセッサ11604は、分割回路11600の残りの各回路素子に給電する。
【0307】
本明細書に記載の主題の様々な態様は、分割回路及び可変電圧保護による外科用器具の電力管理の制御方法に関する。1つの実施形態において、プライマリプロセッサと、安全プロセッサと、プライマリプロセッサと信号通信する複数の回路部分を備える分割回路と、を備え、複数の回路部分が電源部分を備える、外科用器具における電力管理の制御方法は、電源部分、各部分の可変電圧制御装置によって提供されることを含む。1つの実施形態において、この方法は、ブースト変換器を備える電源部分によって、部分電圧のうちの少なくとも1つに電力安定化をもたらすことを含む。この方法はまた、ブースト変換器によって、プライマリプロセッサ及び安全プロセッサに電力安定化をもたらすことを含む。この方法はまた、複数の回路部分の電力引き込みとは独立して、ブースト変換器によって、所定の閾値を超える一定電圧をプライマリプロセッサ及び安全プロセッサにもたらすことを含む。この方法はまた、過電圧識別及び低減回路によって、外科用器具内での単極の戻り電流を検知することと、単極の戻り電流が検知されると、電源部分からの電力を遮断することと、を含む。この方法はまた、過電圧識別及び低減回路によって、電源システムの接地浮遊を識別することを含む。
【0308】
別の実施形態において、この方法はまた、電源部分によって複数の回路部分のそれぞれに順次給電することと、順次回路部分に給電するのに先立って、各回路部分のエラーチェックを実行することと、を含む。この方法はまた、電源部分に結合された電源によって安全プロセッサに給電することと、安全プロセッサの給電時に安全プロセッサによってエラーチェックを実行することと、エラーチェック時にエラーが検知されなければ、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサに給電することと、を含む。この方法はまた、プライマリプロセッサの通電時に、プライマリプロセッサによってエラーチェックを実行することと、エラーチェック中にエラーが検知されなければ、プライマリプロセッサによって複数の回路部分のそれぞれに順次給電することと、を含む。この方法はまた、プライマリプロセッサによって、複数の回路部分のそれぞれのエラーチェックを実行することを含む。
【0309】
別の実施形態において、この方法は、電源が電源部分に接続されているときに、ブースト変換器によって安全プロセッサに給電することと、安全プロセッサによってエラーチェックを実行することと、エラーチェック中にエラーが検知されないと、安全プロセッサによってプライマリプロセッサに給電することと、を含む。この方法はまた、プライマリプロセッサ(primary process)によってエラーチェックを実行することと、エラーチェック中にエラーが検知されないと、プライマリプロセッサによって複数の回路部分のそれぞれに順次給電することと、を含む。この方法はまた、プライマリプロセッサによって、複数の回路部分のそれぞれのエラーチェックを実行することを含む。
【0310】
別の実施形態において、この方法はまた、電源部分によって、部分電圧をプライマリプロセッサにもたらすことと、各部分に可変電圧保護を提供することと、ブースト変換器によって、部分電圧、過電圧識別、及び低減回路のうちの少なくとも1つに電力安定化をもたらすことと、電源部分によって、複数の回路部分のそれぞれに順次給電することと、順次回路部分の給電に先立って各回路部分のエラーチェックを実行することと、を含む。
【0311】
本明細書に記載の主題の様々な態様は、安全プロセッサを有する外科用器具の制御回路の制御方法に関する。1つの実施形態において、プライマリプロセッサと、プライマリプロセッサと信号連通する安全プロセッサと、プライマリプロセッサと信号連通する複数の回路部分を備える分割回路と、を備える制御回路、を備える外科用器具の制御方法は、安全プロセッサによって、複数の回路部分の1つ、又は2つ以上のパラメータを監視することを含む。この方法は、安全プロセッサによって、複数の回路部分の1つ、又は2つ以上のパラメータを確認することと、プライマリプロセッサによって生成された1つ、又は2つ以上の制御装置信号とは独立して、1つ、又は2つ以上のパラメータを確認することと、を含む。この方法は、安全プロセッサによって、切断素子の速度を確認することを更に含む。この方法はまた、第1のセンサによって外科用器具の第1のプロパティを監視することと、第2のセンサによって外科用器具の第2のプロパティを監視することと、を含み、第1のプロパティ及び第2のプロパティは所定の関係を有し、第1のセンサ及び第2のセンサは安全プロセッサと信号通信している。この方法はまた、不良が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分のうちの少なくとも1つの動作を阻止することを含み、不良は、所定の関係と矛盾する値を有する第1のプロパティ及び第2のプロパティを含む。この方法はまた、ホール効果センサによって切断部材位置を監視することと、モーター電流センサによってモーター電流を監視することと、を含む。
【0312】
別の実施形態において、この方法は、1つ、又は2つ以上のパラメータと、プライマリプロセッサによって生成された1つ、又は2つ以上の制御装置信号との確認で矛盾が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分のうちの少なくとも1つを停止させることを含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モーター部分の動作を阻止することと、電源部分からモーター部分への電力潮流を遮断することと、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モーター部分の送り動作を阻止することと、不良が検知されると、安全プロセッサによるモーター部分の逆動作を可能にすることと、を含む。
【0313】
別の実施形態において、分割回路は、モーター部分と、電源部分と、を備え、この方法は、モーター部分によって、1つ、又は2つ以上の、外科用器具の機械的動作を制御することと、安全プロセッサによって、複数の回路部分の1つ、又は2つ以上のパラメータを監視することと、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、複数の回路部分の1つ、又は2つ以上のパラメータを確認することと、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサによって生成された1つ、又は2つ以上の制御装置信号とは独立した1つ、又は2つ以上のパラメータを、独立して確認することと、を含む。
【0314】
別の実施形態において、この方法はまた、安全プロセッサによって、切断素子の速度を独立して確認することを含む。この方法はまた、第1のセンサによって、外科用器具の第1のプロパティを監視することと、第2のセンサによって、外科用器具の第2のプロパティを監視することであって、第1のプロパティ及び第2のプロパティは所定の関係を有し、第1のセンサ及び第2のセンサは安全プロセッサと信号通信しており、不良は、所定の関係と矛盾する値を有する第1のプロパティ及び第2のプロパティを含むことと、安全プロセッサによって不良が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分のうちの少なくとも1つの動作を阻止することと、を含む。この方法はまた、ホール効果センサによって切断部材位置を監視することと、モーター電流センサによってモーター電流を監視することと、を含む。
【0315】
別の実施形態において、この方法は、1つ、又は2つ以上のパラメータと、プライマリプロセッサによって生成された1つ、又は2つ以上の制御装置信号との確認で矛盾が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分のうちの少なくとも1つを停止させることを含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モーター部分の動作を阻止することと、電源部分からモーター部分への電力潮流を遮断することと、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、モーター部分の送り動作を阻止することと、不良が検知されると、安全プロセッサによるモーター部分の逆動作を可能にすることと、を含む。
【0316】
別の実施形態において、この方法は、安全プロセッサによって、複数の回路部分の1つ、又は2つ以上のパラメータを監視することと、安全プロセッサによって、複数の回路部分の1つ、又は2つ以上のパラメータを確認することと、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサによって生成された1つ、又は2つ以上の制御装置信号とは独立して1つ、又は2つ以上のパラメータを確認することと、1つ、又は2つ以上のパラメータとプライマリプロセッサによって生成された1つ、又は2つ以上の制御装置信号との確認で矛盾が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分のうちの少なくとも1つを停止させることと、を含む。この方法はまた、第1のセンサによって、外科用器具の第1のプロパティを監視することと、第2のセンサによって、外科用器具の第2のプロパティを監視することであって、第1のプロパティ及び第2のプロパティは所定の関係を有し、第1のセンサ及び第2のセンサは安全プロセッサと信号通信しており、不良は、所定の関係と矛盾する値を有する第1のプロパティ及び第2のプロパティを含むことと、不良が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分のうちの少なくとも1つの動作を阻止することと、を含む。この方法はまた、不良が検知されると、モーター部分から電源部分への電力潮流を遮断することによって、安全プロセッサがモーター部分の動作を阻止することを含む。
【0317】
本明細書に記載の主題の様々な態様は、分割回路のスリープオプション及びウェイクアップ制御装置を使用して外科用器具の電力管理を制御する方法に関し、外科用器具は、プライマリプロセッサと、プライマリプロセッサと信号連通する安全プロセッサと、プライマリプロセッサと信号連通する複数の回路部分を備える分割回路と、を備える制御回路、を備え、複数の回路部分は電源部分を備え、この方法は、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサ及び複数の回路部分のうちの少なくとも1つを起動モードからスリープモードに、及びスリープモードから起動モードに移行させることを含む。この方法はまた、タイマーによって、最後にユーザーがイベントを開始してからの時間を追跡することと、最後にユーザーがイベントを開始してからの時間が所定の閾値を超えると、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサ及び複数の回路部分のうちの少なくとも1つをスリープモードに移行させることを含む。この方法はまた、加速度計を備える加速度部分によって、外科用器具の1つ、又は2つ以上の移動を検知することを含む。この方法はまた、加速度部分によって検知された最後の移動からの時間をタイマーによって追跡することを含む。この方法はまた、複数の回路部分をスリープモードに移行させるときに、安全プロセッサによって、加速度部分を起動モードに維持することを含む。
【0318】
別の実施形態において、この方法はまた、複数の段階でスリープモードに移行することを含む。この方法はまた、第1の所定の期間後に分割回路を第1の段階に移行させ、ディスプレイ部分のバックライトを暗くすることと、第2の所定の期間後に分割回路を第2の段階に移行させ、バックライトを消灯することと、第3の所定の期間後に分割回路を第3の段階に移行させ、加速度計のポーリング速度を低下させることと、第4の所定の期間後に分割回路を第4の段階に移行させ、ディスプレイをオフにし、外科用器具をスリープモードに移行させることと、を含む。
【0319】
別の実施形態において、タッチセンサによって、ユーザーが外科用器具と接触していることを検知することと、タッチセンサが、ユーザーが外科用器具と接触していることを検知すると、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサ及び複数の回路部分をスリープモードから起動モードに移行させることと、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、少なくとも1つのハンドル制御装置を監視することと、少なくとも1つのハンドル制御装置が作動していると、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサ及び複数の回路部分をスリープモードから起動モードに移行させることと、を含む。
【0320】
別の実施形態において、この方法は、安全プロセッサによって、加速度計が所定の閾値を超える外科用器具の移動を検知すると、外科用器具を起動モードに移行させることを含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、少なくとも第1の方向及び第2の方向への移動に関して加速度計を監視することと、少なくとも第1の方向及び第2の方向への所定の閾値を超える移動を検知すると、安全プロセッサによって、外科用器具をスリープモードから動作モードに移行させることと、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向への所定の閾値を超える揺動移動に関して加速度計を監視することと、第1の方向、第2の方向、及び第3の方向への所定の閾値を超える揺動移動を検知すると、安全プロセッサによって、外科用器具をスリープモードから動作モードに移行させることと、を含む。この方法はまた、以前の移動からの時間が増加するにつれて、所定の閾値を増加させることを含む。
【0321】
別の実施形態において、この方法は、最後にユーザーがイベントを開始してからの時間が所定の閾値を超えると、安全プロセッサによって、プライマリプロセッサ及び複数の回路部分のうちの少なくとも1つを起動モードからスリープモードに、及びスリープモードから起動モードに移行させることと、加速度部分によって検知された最後の移動からの時間をタイマーによって追跡することと、加速度部分が所定の閾値を超える外科用器具の移動を検知すると、安全プロセッサによって外科用器具を起動モードに移行させることと、を含む。
【0322】
別の実施形態において、外科用器具の制御方法は、最後にユーザーがイベントを開始してからの時間を追跡することと、最後にユーザーがイベントを開始してからの時間が所定の閾値を超えると、安全プロセッサによってディスプレイのバックライトをオフにすることと、を含む。この方法はまた、安全プロセッサによって、ディスプレイのバックライトを点滅させて、ユーザーにディスプレイを見るように示すことを含む。
【0323】
本明細書に記載の主題の様々な態様は、滅菌確認回路を使用して外科用器具の滅菌を確認する方法に関し、外科用器具は、プライマリプロセッサと、プライマリプロセッサと信号通信する安全プロセッサと、プライマリプロセッサと信号通信する複数の回路部分を備える分割回路と、を備える制御回路を備え、複数の回路部分は保管確認部分を備え、この方法は、外科用器具が適切に保管され、滅菌されているときに、それを示すことを含む。この方法はまた、少なくとも1つのセンサによって、1つ、又は2つ以上の不適切な保管パラメータ又は滅菌パラメータを検知することを含む。この方法はまた、器具が落下したときに落下保護センサによって検出されることと、落下保護センサが外科用器具の落下を検知すると、安全プロセッサによって、複数の回路部分の少なくとも1つの動作を阻止することと、を含む。この方法はまた、所定の閾値を超える温度が温度センサによって検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分の少なくとも1つの動作を阻止することを含む。この方法はまた、温度センサが所定の閾値を超える温度を検知すると、安全プロセッサによって、複数の回路部分の少なくとも1つの動作を阻止することを含む。
【0324】
別の実施形態において、この方法は、水分検知センサが水分を検知すると、安全プロセッサによって、複数の回路部分の少なくとも1つの動作を制御することを含む。この方法はまた、水分検知センサによってオートクレーブサイクルを検知することと、オートクレーブサイクルが検知されなければ、安全プロセッサによって外科用器具の動作を阻止することと、を含む。この方法はまた、段階的な回路の起動中に水分が検知されると、安全プロセッサによって、複数の回路部分の少なくとも1つの動作を阻止することを含む。
【0325】
別の実施形態において、この方法は、滅菌確認部分を備える複数の回路部分によって、外科用器具が適切に滅菌されているときに、それを示すことを含む。この方法はまた、滅菌確認部分の少なくとも1つのセンサによって、外科用器具の滅菌を検知することを含む。この方法はまた、保管確認部分によって、外科用器具が適切に保管されているときに、それを示すことを含む。この方法はまた、保管確認部分の少なくとも1つのセンサによって、外科用器具の不適切な保管を検知することを含む。
【0326】
図87は、モーター駆動の外科用器具12200を概して示す。特定の状況において、外科用器具12200は、ハンドル組立体12202と、シャフト組立体12204と、電源組立体12206(つまり「電源」又は「電源パック」)と、を含んでよい。シャフト組立体12204はエンドエフェクタ12208を含んでよく、エンドエフェクタ12208は、特定の状況において、組織をクランピング、切断、及び/又はステープル留めするためのエンドカッターとして機能するように構成され得るが、他の状況において、他の種類の外科用装置、把持具、カッター、ステープラー、クリップ適用器具、アクセス装置、薬物/遺伝子治療装置、超音波、RF、及び/又はレーザー装置などのためのエンドエフェクタなど、様々な種類のエンドエフェクタが使用されてもよい。いくつかのRF装置が、1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」に見い出され得る。1995年4月4日発行の米国特許第5,403,312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」、及び2008年2月14日出願の米国特許出願第12/031,573号、名称「SURGICAL FASTENING AND CUTTING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」のすべての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0327】
再び
図87を参照すると、ハンドル組立体12202は、ハンドル12212を含むハウジング12210を備えてよく、ハンドル12212は、臨床医によって握持、操作、及び/又は作動されるように構成されてよい。しかしながら、ハウジング12210の様々な独自で新規な構成が、ロボット制御される外科用システムと関連させて効果的に用いられてもよいことを理解されたい。したがって、「ハウジング」という用語はまた、本明細書で開示するシャフト組立体12204及びそれらに対応する等価物を作動させるために利用できる少なくとも1つの制御動作を生成し加えるように構成されている少なくとも1つの駆動システムを収容するか、ないしは別様に動作可能に支持するロボットシステムのハウジング又は類似の部分を包含してよい。例えば、本明細書で開示するハウジング12210は、米国特許出願第13/118,241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)で開示されている様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法と共に用いられ得る。米国特許出願第13/118,241、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)の開示は、参照によってそのすべての内容が本明細書に組み込まれる。
【0328】
特定の例において、外科用器具12200は、少なくとも部分的にシャフト12204を通って延び、エンドエフェクタ12208と動作可能な係合をなす、いくつかの動作可能なシステムを有してもよい。例えば、外科用器具12200は、開放構成と閉鎖構成との間でエンドエフェクタ12208を遷移させることができる閉鎖組立体、エンドエフェクタ12208をシャフト12204に対して関節屈曲させることができる関節組立体、並びに/又は、エンドエフェクタ12208によって捕捉された組織を締結及び/若しくは切断することができる発射組立体を有してもよい。加えて、ハウジング12210は、シャフト12204に分離可能に結合可能であってよく、閉鎖組立体、関節組立体、及び発射組立体をそれぞれ操作するための補完的な(complimenting)閉鎖システム、関節システム、及び/又は発射駆動システムを含んでよい。
【0329】
使用の際、外科用器具12200の操作者は、外科用器具12200をリセットし、外科用器具12200の各組立体のうちの1つ又は2つ以上を初期の姿勢(default position)に復帰させることを望む場合がある。例えば、操作者は、アクセスポートを通じて患者の体内の手術部位へとエンドエフェクタ12208を挿入することができ、次いでエンドエフェクタ12208を関節屈曲及び/又は閉鎖して腔内の組織を捕捉することができる。操作者は次いで、これまでの処置のうちの一部又はすべてを元に戻すことができ、例えば、外科用器具12200を腔から取り出すことを選択することができる。外科用器具12200は、操作者による最小限の労力で、上述した組立体のうちの1つ又は2つ以上をホーム状態に確実に復帰させることを容易にするように構成されたもう1つのシステムを有してもよく、それにより、操作者は外科用器具を腔から取り出すことができる。
【0330】
図87及び89を参照すると、外科用器具12200は、制御システム13000を含んでよい。術者はシステム13000を用いて、例えば、関節ホーム状態位置と関節屈曲位置との間でエンドエフェクタ12208をシャフト12204に対して関節屈曲させてよい。特定の例において、術者は制御システム13000を用いて、関節屈曲したエンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置にリセットしたり、復帰させたりしてよい。制御システム13000は、少なくとも部分的にハンドル12210内に位置付けられ得る。特定の例において、
図89に示すように、制御システム13000は、マイクロコントローラ13002(「コントローラ」)を備えてよく、マイクロコントローラ13002は、入力信号を受信し、それに応答して、例えば、モーター12216を起動させて、かかる入力信号に従ってエンドエフェクタ12208を関節屈曲させるように構成され得る。
【0331】
上記に加えて、エンドエフェクタ12208は、本明細書において非関節屈曲位置とも呼ばれる、関節ホーム状態位置で、シャフト12204と十分に揃って位置付けられ得、そのため、エンドエフェクタ12208及びシャフト12204の少なくとも一部分は、アクセスポートに損傷を与えることなく、例えば内腔の壁に位置付けられているトロカールなどのアクセスポートを通じて、患者の内腔に挿入され得る、又はその内腔から後退させられ得る。特定の例において、エンドエフェクタ12208は、
図87に示すように、エンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置にあるとき、シャフト12204を通過する長手軸「LL」と揃い得る、又は少なくとも実質的に揃い得る。少なくとも1つの例において、関節ホーム状態位置は、長手軸「LL」の両側で長手軸「LL」に対して、例えば5°を含むそれ以下の任意の角度をなし得る。別の例において、関節ホーム状態位置は、長手軸「LL」の両側で長手軸「LL」に対して、例えば3°を含むそれ以下の任意の角度をなし得る。更に別の例において、関節ホーム状態位置は、長手軸「LL」の両側で長手軸「LL」に対して、例えば7°を含むそれ以下の任意の角度をなし得る。
【0332】
制御システム13000は、例えば時計回りなどの第1の方向、及び/又は例えば反時計回りなどの第2の方向に、長手軸「LL」に沿って延びる平面内で、シャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を関節屈曲させるように操作され得る。少なくとも1つの例において、制御システム13000は、例えば、関節ホーム状態位置から、長手軸「LL」の右側に10°の角度をなす関節屈曲位置へと、エンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節屈曲させるように操作され得る。別の例において、制御システム13000は、長手軸「LL」の右側に10°の角度をなす関節屈曲位置から、関節ホーム状態位置へと、エンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節屈曲させるように操作され得る。更に別の例において、制御システム13000は、例えば、関節ホーム状態位置から、長手軸「LL」の左側に10°の角度をなす関節屈曲位置へと、シャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節屈曲させるように操作され得る。読者は、エンドエフェクタが、時計回りの方向及び/又は反時計回りの方向に、種々の角度へ関節屈曲され得ることを理解するであろう。
【0333】
図87及び88を参照すると、外科用器具12200のハウジング12210は、インターフェイス13001を備えてよく、インターフェイス13001は、操作者が用いて外科用器具12200を操作できる複数の制御装置を含んでよい。特定の例において、インターフェイス13001は、例えば電気回路を介してコントローラ13002に結合され得る複数のスイッチを備えてよい。特定の例において、
図89に示すように、インターフェイス13001は、3つのスイッチ13004A〜Cを備え、スイッチ13004A〜Cのそれぞれは、例えば、電気回路13006A〜Cなど電気回路をそれぞれ介してコントローラ13002に結合されている。読者は、スイッチと回路との他の組み合わせが、インターフェイス13001と共に利用され得ることを理解するであろう。
【0334】
図89を参照すると、コントローラ13002は一般に、マイクロプロセッサ13008(「プロセッサ」)と、プロセッサ13008に動作可能に結合されている、1つ、又は2つ以上のメモリユニット13010と、を備えてよい。メモリ13010に記憶された命令コードを実行することにより、プロセッサ13008は、例えば、モーター12216、様々な駆動システム、及び/又はユーザーディスプレイなど、外科用器具12200の様々な構成要素を制御してよい。コントローラ13002は、集積型及び/若しくは個々のハードウェア要素、ソフトウェア要素、並びに/又はそれら両者の組み合わせを用いて実装され得る。集積型のハードウェア素子の例には、プロセッサ、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、集積回路、専用集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体素子、チップ、マイクロチップ、チップセット、マイクロコントローラ、システムオンチップ(SoC)、及び/又はシステムインパッケージ(SIP)を挙げることができる。個々のハードウェア素子の例には、回路及び/又は回路素子(論理ゲート、電界効果トランジスタ、バイポーラトランジスタ、レジスタ、コンデンサ、インダクタ、及び/又はリレーなど)を挙げることができる。特定の例において、コントローラ13002は、例えば、1枚又は2枚以上の基板上に個々の回路素子又は部品と、集積型の回路素子又は部品と、を備えるハイブリッド回路を有してよい。
【0335】
特定の例において、マイクロコントローラ13002は、例えばTexas Instrumentsから入手可能なLM 4F230H5QRであってよい。特定の例において、Texas InstrumentsのLM 4F230H5QRは、容易に確認可能な他の特徴の中でも、最大40MHz、256KBの単一サイクルフラッシュメモリ若しくは他の不揮発性メモリのオンチップメモリと、40MHz超の性能を改善するためのプリフェッチバッファと、32KBの単一サイクルシリアルランダムアクセスメモリ(SRAM)と、StellarisWare(登録商標)ソフトウェアを搭載した内部リードオンリメモリ(ROM)と、2KBの電気的消去可能なPROM(EEPROM)と、1つ、又は2つ以上のパルス幅変調(PWM)モジュールと、1つ、又は2つ以上のアナログ直交エンコーダ入力部(QEI)と、12のアナログ入力チャネルを備えた、1つ、又は2つ以上の12ビットアナログデジタル変換器(ADC)と、を備えたARM Cortex−M4Fプロセッサコアである。他のマイクロコントローラが、本開示で容易に代用されてよい。したがって、本開示はこの文脈条件に限定されるべきではない。
【0336】
様々な形態において、モーター12216は、例えば約25,000RPMの最大回転数を有するブラシ付きDC駆動モーターであってもよい。他の構成において、モーター12216には、ブラシレスモーター、コードレスモーター、同期モーター、ステッパモーター、又は任意の他の好適な電気モーターを挙げることができる。例えば、リチウムイオン電池など電池12218(つまり「電源」又は「電源パック」)は、ハウジング12212に結合されて、例えば、モーター12216に電力を供給してよい。
【0337】
再び
図89を参照すると、手術器具12200は、コントローラ13002と動作可能に通信するモーターコントローラ13005を有してもよい。モーターコントローラ13005は、モーター12216の回転方向を制御するように構成されることができる。特定の例において、モーターコントローラ13005は、電池12218によってモーター12216に加えられる電圧極性を判定し、次に、コントローラ13002から入力に基づいてモーター12216の回転方向を判定するように構成されてよい。例えば、電池12218によってモーター12216に加えられる電圧極性が、コントローラ13002からの入力に基づいてモーターコントローラ13005によって逆転されるとき、モーター12216は、その回転方向を時計回りの方向から反時計回りの方向へと逆転させることができる。加えて、モーター12216は関節屈曲駆動部に動作可能に結合され得、関節屈曲駆動部は、例えば、モーター12216が回転する方向に応じて、モーター12216によって遠位又は近位に駆動され得る。更に、関節屈曲駆動部はエンドエフェクタ12208に動作可能に結合されることができ、例えば、関節屈曲駆動部が近位側へ軸方向に並進することで、例えばエンドエフェクタ12208を反時計回りの方向に関節屈曲させることができ、及び/又は、関節屈曲駆動部が遠位側へ軸方向に並進することで、例えばエンドエフェクタ12208を時計回りの方向に関節屈曲させることができる。
【0338】
様々な例において、
図87〜89を参照すると、インターフェイス13001は、例えば、スイッチ13004Aをエンドエフェクタ12208の時計回りの関節屈曲用にすることができ、例えば、スイッチ13004Bをエンドエフェクタ12208の反時計回りの関節屈曲用にすることができるように構成され得る。かかる例において、操作者は、スイッチ13004Aを閉鎖することによってエンドエフェクタ12208を時計回り方向に関節屈曲させてよく、スイッチ13004Bを閉鎖することによってエンドエフェクタ12208を反時計回り方向に関節屈曲させてよい。様々な例において、スイッチ13004A〜Cは、
図93に示すように、開放偏向式のドームスイッチを備えることができる。例えば容量性スイッチなど、他の種類のスイッチも用いられることができる。
【0339】
図93を参照すると、ドームスイッチ13004A及び13004Bは、ロッカー13012によって制御され得る。スイッチ13004A及び13004Bを制御するための他の手段は、本開示によって想到される。
図93に示す中立位置において、スイッチ13004A及び13004Bの両方が開放位置に偏向させられている。
図94に示すように、操作者は例えば、ロッカーを前方に傾斜させ、それによってドームスイッチ13004Aを押下することによって、エンドエフェクタ12208を時計回り方向に関節屈曲させてよい。その結果、上述したように、回路13006A(
図89)が閉鎖されて、モーター12216を起動してエンドエフェクタ12208を時計回り方向に関節屈曲させるように、コントローラ13002に信号を送ってよい。操作者がロッカー13012を解放し、それによってドームスイッチ13004Aを開放位置に、ロッカー13012を中立位置に復帰させるまで、モーター12216は、引き続きエンドエフェクタ12208を関節屈曲させてよい。いくつかの状況において、コントローラ13002は、所定の最大関節屈曲度にエンドエフェクタ12208がいつ到達したときに、それを確認し、かかる時点で、ドームスイッチ3004Aが押下されているか否かに関わらずモーター12216への給電を中断することが可能となってよい。ある意味では、コントローラ13002は、最大安全関節屈曲度が達成されたときに、操作者の入力をオーバーライドし、モーター12216を停止するように構成されることができる。あるいは、操作者は、例えば、ロッカー13012を後方に傾斜させ、それによってドームスイッチ13004Bを押下することによって、エンドエフェクタ12208を反時計回り方向に関節屈曲させてよい。その結果、上述したように、回路13006Bが閉鎖されて、モーター12216を起動してエンドエフェクタ12208を反時計回り方向に関節屈曲させるように、コントローラ13002に信号を送ってよい。操作者がロッカー13012を解放し、それによってドームスイッチ13004Bを開放位置に、ロッカー13012を中立位置に復帰させるまで、モーター12216は、引き続きエンドエフェクタ12208を関節屈曲させてよい。いくつかの状況において、コントローラ13002は、所定の最大関節屈曲度にエンドエフェクタ12208が到達したときに、それを確認し、かかる時点で、ドームスイッチ3004Aが押下されているか否かに関わらずモーター12216への給電を中断することが可能となってよい。ある意味では、コントローラ13002は、最大安全関節屈曲度が達成されたときに、操作者の入力をオーバーライドし、モーター12216を停止するように構成されることができる。
【0340】
上記で更に詳細に説明するように、操作者は、例えば、患者の内腔から外科用器具12200を後退させるために、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に復帰させて、エンドエフェクタ12208をシャフト12204と揃える、又は少なくとも実質的に揃えることを望む場合がある。様々な例において、制御システム13000は、エンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置に達したときに操作者に通知してよい、仮想的な移動止めを含んでよい。特定の例において、制御システム13000は、例えば、関節ホーム状態位置に達すると、エンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止させるように構成されてよい。特定の例において、制御システム13000は、例えば、エンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置に達すると、操作者にフィードバックを提供するように構成されてよい。
【0341】
特定の例において、制御システム13000は、例えば、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、及び/又はアプリケーションプログラムインターフェイス(API)など様々な実行可能モジュールを備えてよい。
図90は、例えば、メモリ13010に記憶され得る、例示的な仮想的な移動止めモジュール10000を示す。モジュール10000はプログラム命令を含んでよく、このプログラム命令は、実行時に、例えば、プロセッサ13008に、例えば、関節屈曲位置からのエンドエフェクタ12208の関節屈曲中にエンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置に達したときに、それを外科用器具12200の操作者に対して通知させてよい。
【0342】
上述したように、主として
図89、93、及び94を参照すると、操作者は、ロッカー13012を使用して、例えば、エンドエフェクタ12208を関節屈曲させてよい。特定の例において、操作者は、例えば、ロッカー13012のドームスイッチ13004Aを押下して、エンドエフェクタ12208を時計回り方向など第1の方向で右に関節屈曲させてよく、例えば、ドームスイッチ13004Bを押下して、エンドエフェクタ12208を反時計回り方向など第2の方向で左に関節屈曲させてよい。様々な例において、
図90に示すように、モジュール10000は、ドームスイッチ13004A及び/又は13004Bからの入力信号に対するプロセッサ13008の応答を変調してよい。例えば、プロセッサ13008は、例えば、ドームスイッチ13004Aの押下中に、モーター12216を起動して、エンドエフェクタ12208を右に関節屈曲させるように構成され得、プロセッサ13008は、例えば、ドームスイッチ13004Bの押下中に、モーター12216を起動して、エンドエフェクタ12208を左に関節屈曲させるように構成され得る。加えて、プロセッサ13008は、例えば、操作者がドームスイッチ13004A及び/又は13004Bをそれぞれ解放したときなど、ドームスイッチ13004A及び/又は13004Bからの入力信号が停止するときにモーター12216を停止させることによって、エンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止させるように構成されてよい。
【0343】
様々な例において、上述したように、関節ホーム状態位置は、位置の範囲を含んでよい。特定の例において、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置を定める位置の範囲に入ったときに、それを検知するように構成され得る。特定の例において、外科用器具12200は、エンドエフェクタ12208の関節屈曲位置を検出し、記録するための1つ、又は2つ以上の位置調整システム(図示なし)を備えてよい。プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置になるとき、1つ、又は2つ以上の位置調整システムを用いてそれを検知するように構成され得る。
【0344】
図90に示すように、特定の例において、関節ホーム状態位置に達すると、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止させて、関節ホーム状態位置に達したことを操作者に通知してよく、プロセッサ13008は、特定の例において、操作者がロッカー13012を押下し続けても、関節屈曲を関節ホーム状態位置に留めてよい。特定の例において、引き続き関節ホーム状態位置を越えるために、操作者はロッカー13012を解放し、次いでロッカー13012を再び傾斜させて関節屈曲を再始動させてもよい。少なくとも1つのかかる例において、操作者は、例えば、ロッカー13012を押してドームスイッチ13004Aを押下し、エンドエフェクタ12208がそのホーム状態位置に達し、プロセッサ13008がエンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止するまで、そのホーム状態位置に向けてエンドエフェクタ12208を回転させてよく、次いで、操作者は、同方向へのエンドエフェクタ12208の関節屈曲を続行するために、ロッカー13012を解放してからロッカー13012を押して、もう一度ドームスイッチ13004Aを押下できる。
【0345】
特定の例において、
図91に示すように、モジュール10000は、フィードバック機構を備えて、関節ホーム状態位置に達したときに、それを操作者に通知してよい。プロセッサ13008は、様々なフィードバック装置12248(
図89)を用いて、操作者に感覚フィードバックを提供し得る。特定の例において、装置12248は、例えば、ディスプレイスクリーン及び/又はLEDインジケータなど、視覚フィードバック装置を備えてよい。特定の例において、装置12248は、例えば、スピーカー及び/又はブザーなど音声フィードバックを備えてよい。特定の例において、装置12248は、例えば、機械的な移動止めなど触覚フィードバック装置を備えてよく、機械的な移動止めは、例えば、触覚フィードバックを提供し得る。一部の例において、触覚フィードバックは、例えば、外科用器具のハンドルにパルス振動を提供できる振動モーターによって提供され得る。特定の例において、装置12248は、例えば、視覚フィードバック装置、音声フィードバック装置、及び/又触覚フィードバック装置の組み合わせを備えてよい。
【0346】
特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、関節ホーム状態位置に達すると、エンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止させ、操作者にフィードバックを提供するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、操作者にフィードバックを提供してよいが、関節ホーム状態位置に達したときに、エンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止させないことがある。少なくとも1つの例において、エンドエフェクタ12208は、ホーム状態位置の第1の側の位置からホーム状態位置に向かって移動し、ホーム状態位置を通過し、ホーム状態位置の他の側で同一方向に向かって移動し続け得る。かかる移動中、操作者は、エンドエフェクタ12208がホーム状態位置を通過した時点で、何らかの形態のフィードバックを提供されてよい。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、関節ホーム状態位置に達すると、エンドエフェクタ12208の関節屈曲を停止させてよいが、操作者にフィードバックを提供しないことがある。特定の例において、プロセッサ13008は、その中央位置を通過するときにエンドエフェクタ12208を一時停止させ、次いでその中央位置を通過し続けてよい。少なくとも1つの例において、エンドエフェクタ12208は、中央位置に一時的に、例えば、約2秒間留まり、次いで、関節屈曲スイッチ13012が押下された状態である限り、関節屈曲を続行し得る。
【0347】
様々な例において、外科用器具12200の操作者は、ロッカースイッチ13012を用いて、エンドエフェクタ12208を関節屈曲させて、非関節屈曲位置に戻そうとしてよい。当然のことながら、操作者は、エンドエフェクタ12208を外科用器具のシャフトの長手軸と正確に及び/又は反復可能に揃えることができなくてよい。しかしながら、様々な例において、操作者は、中央位置の特定範囲内にエンドエフェクタ12208を容易に位置付けることができる。例えば、操作者は、ロッカースイッチ13012を押してエンドエフェクタ12208をその中央位置に向けて回転させ、次いで、操作者がエンドエフェクタ12208がその中央位置に達した、又は中央位置に近い位置にあると考えたときに、ロッカースイッチ13012を解放してよい。プロセッサ13008は、かかる状況を、エンドエフェクタ12208を中央位置に再配置する試みであると解釈でき、エンドエフェクタ12208がその中央位置にない場合、プロセッサ13008は、自動的にエンドエフェクタ12208を中央に配置することができる。少なくとも1つの例において、例えば、エンドエフェクタ12208が中央位置の両側で約10°内にあるときに外科用器具の操作者がロッカースイッチ13012を解放する場合、プロセッサ13008は、自動的にエンドエフェクタ12208を中央に再配置してよい。
【0348】
様々な例において、主として
図89、92、及び95を参照すると、モジュール10000は、関節屈曲リセット、つまりセンタリング機構を備えてよい。特定の例において、制御システム13000は、エンドエフェクタ12208が関節屈曲位置にある場合にエンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置にリセット又は復帰させてよいリセット入力部を有してよい。例えば、リセット入力信号を受信すると、プロセッサ13008はエンドエフェクタ12208の関節屈曲位置を判定することができ、エンドエフェクタ12208が関節ホーム状態位置にある場合、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208の関節屈曲位置を変更するために、何の処置も行わなくてよい。しかしながら、プロセッサ13008がリセット入力信号を受信したときにエンドエフェクタ12208が、関節屈曲位置にある場合、プロセッサ13008はモーター12216を起動して、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に復帰させてよい。
図95に示すように、操作者はロッカー13012を下向きに押下してドームスイッチ13004A及び13004Bを、同時に又は少なくとも互いに対して短い間隔で閉鎖してよく、それにより、リセット入力信号をプロセッサ13008に伝送して、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置にリセット又は復帰させてよい。操作者は次いでロッカー13012を解放し、それによってロッカー13012を中立位置に、スイッチ13004A及び13004Bを開放位置に復帰できるようにしてよい。あるいは、制御システム13000のインターフェイス13001は、操作者によって独立に閉鎖されて関節屈曲リセット入力信号をプロセッサ13008に伝送することができる、例えば、別のドームスイッチなどの別個のリセットスイッチを含んでよい。
【0349】
再び
図87を参照すると、外科用器具12200のエンドエフェクタ12208は、アンビル10002を備える第1の顎部と、複数のステープルを含んでよいステープルカートリッジ10006を受容するように構成されているチャネル10004を備える第2の顎部と、を含んでよい。特定の例において、エンドエフェクタ12208は、開放構成と閉鎖構成との間を移動して、例えば、アンビル10002とステープルカートリッジ10006との間で組織を捕捉し得る。更に、外科用器具12200は、発射ホーム状態位置と発射済み位置との間を軸方向に移動して、ステープルカートリッジ10006からステープルを配備し得る発射部材を含んでよい、及び/又はエンドエフェクタ12208が閉鎖構成にあるときに、アンビル10002とステープルカートリッジ10006との間で捕捉した組織を切断してよい。
【0350】
上で議論したように、エンドエフェクタ12208は、開放構成と閉鎖構成との間で移動して、そこに組織をクランプできる。少なくとも1つの実施形態において、アンビル10002は、開放位置と閉鎖位置との間を移動して、ステープルカートリッジ10006に組織を押し付けて圧縮できる。様々な例において、アンビル10002が組織に加える圧力、つまり力は、組織の厚さに応じて異なってよい。アンビル10002とステープルカートリッジ10006との間の所定の間隙距離では、アンビル10002は、薄い組織よりも厚い組織に対してより大きい圧力、つまり力を加えてよい。外科用器具は、例えば、組織に加えられた圧力、つまり力を検知できるロードセルなどセンサを含み得る。特定の例において、組織の厚さ及び/又は組成は、圧力、つまり力が加えられている間に変化してよい。例えば、圧縮された組織に含まれる体液、例えば、血液は、隣接組織に流出してよい。かかる状況において、組織は、更に薄くなってよい、及び/又は組織に加えられる圧縮圧力、つまり力は低減されてよい。組織に加えられている圧力を検知するように構成されているセンサは、この変化を検知してよい。センサは、プロセッサ13008と信号通信でき、プロセッサ13008は、組織に加えられている圧力つまり力、及び/又は組織に加えられている圧力の変化を監視できる。少なくとも1つの例において、プロセッサ13008は、圧力、つまり力の変化を評価し、圧力つまり力が定常状態条件に達し、それ以上変化しないとき、外科用器具の操作者にそれを伝えることができる。プロセッサ13008はまた、圧力、つまり力の変化が閾値若しくは閾値割合に等しい、及び/又はそれを下回るときに、それを判定できる。例えば、圧力、つまり力の変化が1秒あたり約10%を超えるとき、プロセッサ13008は、例えば、発射アクチュエータに関連付けられる警告インジケータを点灯し得、圧力、つまり力の変化が1秒あたり約10%以下であるとき、プロセッサは、例えば、発射アクチュエータに関連付けられる発射準備完了インジケータを点灯し得る。いくつかの状況において、外科用器具は、例えば、圧力、つまり力の変化が閾値割合に等しい、及び/又はそれを下回るときまで、発射部材がエンドエフェクタ12208を通って遠位側に前進できないようにしてよい。
【0351】
特定の例において、外科用器具の操作者は、エンドエフェクタ12208内に保管されているステープルの一部のみを配備することを選択してよい。発射部材が十分に前進した後、かかる状況において、発射部材は後退できる。様々な他の例において、外科用器具の操作者は、エンドエフェクタ12208内に保管されているすべてのステープルを配備することを選択してよい。いずれにしても、外科用器具の操作者は、ハンドル組立体12210から延びる発射アクチュエータを押下して、モーター12216を作動させ、発射部材を遠位側に前進させることができる。モーター12216は、発射アクチュエータが十分に押下されると、作動し得る。少なくとも1つの動作モードにおいて、発射アクチュエータを更に押下しても、モーター12216の動作に影響を及ぼさなくてよい。モーター12216は、発射アクチュエータが解放されるまで、プロセッサ13008が命令する方式で動作してよい。少なくとも1つ他の動作モードにおいて、発射アクチュエータが押下される程度、つまり量は、モーター12216が動作する方式に影響を及ぼしてよい。例えば、発射アクチュエータを最初に押下すると、プロセッサ13008によって検知され得、これに応答して、プロセッサ13008は第1の速度でモーター12216を動作させ得る。発射アクチュエータを更に押下すると、プロセッサ13008によって検知され得、これに応答して、プロセッサ13008は、例えば、より速い速度など第2の速度でモーター12216を動作させ得る。特定の例において、発射アクチュエータの押下の変化は、モーター速度の変化に比例し得る。少なくとも1つの例において、発射アクチュエータの押下の変化は、モーター速度の変化に線形的に比例し得る。様々な状況において、発射アクチュエータを引けば引くほど、モーター12216は早く動作する。特定の実施形態において、発射アクチュエータに加えられる圧力、つまり力の量は、モーター12216が動作する方式に影響を及ぼしてよい。例えば、発射アクチュエータに最初に加えられた圧力、つまり力は、プロセッサ13008によって検知され得、これに応答して、プロセッサ13008は第1の速度でモーター12216を動作させ得る。発射アクチュエータに更に加えられた圧力、つまり力は、プロセッサ13008によって検知され得、これに応答して、プロセッサ13008は、例えば、より速い速度など第2の速度でモーター12216を動作させ得る。特定の例において、発射アクチュエータに加えられた圧力、つまり力の変化は、モーター速度の変化に比例し得る。少なくとも1つの例において、発射アクチュエータに加えられた圧力、つまり力の変化は、モーター速度の変化に線形的に比例し得る。2010年12月7に発行された米国特許第7,845,537号、名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」のすべての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0352】
上で議論したように、外科用器具の操作者は、エンドエフェクタ12208内に保管されているすべてのステープルを配備することを選択してよい。かかる状況において、操作者は、発射アクチュエータを押下し、次いで、発射部材の発射ストローク中にすべてのステープルが配備されたと考えたら、アクチュエータを解放する。一部の例において、外科用器具はインジケータを備え得、このインジケータは、発射ストロークが完了すると、プロセッサ13008によって点灯され得る。好適なインジケータは、例えば、発光ダイオード(LED)を備え得る。特定の例において、操作者は、発射ストロークがほぼ完了しただけでも、完了したと考えることがある。外科用器具は、その発射ストローク内での発射部材の位置を検知するように構成されている、少なくとも1つのセンサを備え得、このセンサは、プロセッサ13008と信号通信し得る。発射ストロークが完了位置に近い位置で停止する場合、プロセッサ13008はモーター12216に命令して、発射部材の発射ストロークを終了させることができる。例えば、発射部材が、例えば、発射ストロークの最後の5mmを除いて完了すると、プロセッサ13008は、操作者が発射ストロークを完了したつもりであると見なして、発射ストロークを自動的に完了させ得る。
【0353】
再び
図87を参照すると、外科用器具12200のインターフェイス13001は、ホーム状態入力部13014を有することができる。操作者は、ホーム状態入力部を利用してホーム状態入力信号をプロセッサ13008に伝送し、外科用器具12200をホーム状態に復帰させてもよく、これには、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に、及び/又は発射部材10060を発射ホーム状態位置に復帰させることが含まれてよい。
図89及び
図93に示すように、ホーム状態入力部13014は、例えば、キャップ、つまりカバーを含んでよく、このキャップ、つまりカバーが操作者によって押下されると、スイッチ13004Cを閉鎖し、回路13006Cを通じてホーム状態入力信号をプロセッサ13008に伝送することができる。特定の例において、ホーム状態入力部13014は、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に復帰させるように構成され得、別個の入力部を用いて、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させ得る。特定の例において、ホーム状態入力部13014は、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させるように構成され得、別個の入力部を用いて、エンドエフェクタ12208を、例えば、ロッカー13012など関節ホーム状態位置に復帰させ得る。
【0354】
様々な例において、プロセッサ13008は、ホーム状態入力部13014からホーム状態入力信号を受信すると、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させ、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に復帰させるように構成され得る。特定の例において、ホーム状態入力信号に対するプロセッサ13008の応答は、外科用器具12200が発射モードであるか、関節屈曲モードであるかに応じて異なってよく、例えば、プロセッサ13008が、外科用器具12200は関節屈曲モードであると判定すると、プロセッサ13008は、ホーム状態入力信号に応答して、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に復帰させてよく、例えば、プロセッサ13008が、外科用器具12200は発射モードであると判定すると、プロセッサ13008は、ホーム状態入力信号に応答して、発射部材を発射ホーム状態位置に復帰させてよい。特定の例において、発射部材は、エンドエフェクタ12208が閉鎖構成であるときのみ、軸方向に前進して、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射し得る。かかる例において、外科用器具12200は、エンドエフェクタ12208が閉鎖構成であるときのみ、発射モードであり得る。特定の例において、エンドエフェクタ12208は、エンドエフェクタ12208が開放構成であるときのみ、関節屈曲し得る。かかる例において、外科用器具12200は、エンドエフェクタ12208が開放構成であるときのみ、関節屈曲モードであり得る。したがって、特定の例において、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208が開放構成であるか、閉鎖構成であるかを判定することによって、外科用器具12200が関節屈曲モードであるか、発射モードであるかを判定するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008によって1つ、又は2つ以上のセンサ13016(
図89)が用いられて、エンドエフェクタ12208が開放構成であるか、閉鎖構成であるかが判定され得る。
【0355】
ここで
図87及び96を参照すると、外科用器具12200は、例えば、ハンドル組立体12202に含まれてよいスクリーン12251を含んでよい。スクリーン12251は、本明細書に記載のマイクロコントローラのうちの1つ、又は2つ以上によって用いられて、例えば、外科用器具12200の操作者にフィードバックを通知し得る、導き得る、かつ/又は提供し得る。スクリーン12251は、出力ディスプレイ12250を生み出し得る。使用の際、操作者は、例えば、ハンドル組立体12202を傾斜させてよい、反転させてよい、及び/又は回転させてよい。それに応答して、マイクロコントローラは、出力ディスプレイ12250の向きを変更して、外科用器具12200の操作者の視界、及び/又は慣性の、若しくは少なくとも実質的に慣性の基準座標系など任意の好適な基準座標系に対して出力ディスプレイ12250の方向を改善し得る、揃え得る、及び/又は調整し得る。固定の基準座標系は、少なくとも部分的に、重力によって定められ得る。一部の例において、地球の重力の下向き加速度は、
図96のベクトル−gによって示され得る。特定の例において、例えば、プロセッサ13008などプロセッサは、基準座標系に対するハンドル組立体12202の位置の変化を検知し、基準座標系に対するスクリーン12251の相対位置に従って、スクリーン12251の複数の向きのうちの1つを選択するように構成されてよい。
【0356】
特定の例において、
図96に示すように、スクリーン12251は、ハンドル組立体12202の上面10008に配置され得る。様々な例において、表面10008は、ハンドル組立体12202を示す第1の組のデカルト座標の座標X1及びY1によって画定される第1の平面内で広がってよい。様々な例において、スクリーン12251は、第1の平面内に位置付けられてよい。一部の例において、スクリーン12251は、第1の平面及び/又は第1の平面に対して固定関係にある任意の好適な平面と平行に延びる平面内に位置付けられてよい。本明細書では便宜上、ハンドル組立体を示す第1の組のデカルト座標は、スクリーン12251と揃っていると見なされており、したがって、スクリーンの組のデカルト座標と呼ばれる。出力ディスプレイ12250は、第2の、つまりディスプレイの組のデカルト座標の座標X2及びY2によって画定される第2の平面内にあり得る。特定の例において、
図96に示すように、第1の平面は、例えば、第2の平面と同一平面上にあり得る。更に、少なくとも一部の例において、第1の、つまりスクリーンの組のデカルト座標は、第2の、つまりディスプレイの組のデカルト座標と揃い得る。例えば、+X1は、+X2と揃い得るか、平行であり得、+Y1は、+Y2と揃い得るか、平行であり得、+Z1は、+Z2と揃い得るか、平行であり得る。それに応じて、かかる例において、−X1は、−X2と揃い得るか、平行であり得、−Y1は、−Y2と揃い得るか、平行であり得、−Z1は、−Z2と揃い得るか、平行であり得る。以下で更に詳細に説明するように、特定の例において、第2の、つまりディスプレイの組のデカルト座標は、第1の、つまりスクリーンの組のデカルト座標に対して再び揃えられ得る。様々な例において、ディスプレイデカルト座標の特定の配置が好まれることがある。例えば、外科用器具12200の中立位置は、+gベクトルと揃っているスクリーン座標の+Z1軸と一致し得る。以下で更に詳細に説明するように、プロセッサ13008は、ディスプレイ座標間の配列を変更することなく、基準座標系におけるスクリーン座標間の特定のずれを許容することができるが、基準座標系におけるスクリーン座標間で特定のずれを超えると、プロセッサは、スクリーン座標に対するディスプレイ座標の配列を変更し得る。
【0357】
図97〜98Dを参照すると、モジュール10010は、ハンドル組立体12202の位置の変化に応答して、複数の向きの間で出力ディスプレイ12250の向きを変更するように構成され得、ハンドル組立体12202の位置の変化は、例えば、ハンドル組立体12202内に収容され得る1つ、又は2つ以上の加速度計(図示なし)からの入力を通して監視され得る。上で議論し、
図98Aに示すように、出力ディスプレイ12250は第1の向きを選択してよく、外科用器具が中立位置にあるとき、ディスプレイの組のデカルト座標の+X2及び+Y2ベクトルは、スクリーンの組のデカルト座標の+X1及び+Y1ベクトルとそれぞれ揃っている、又は少なくとも実質的に揃っている。特定の例において、
図98Bに示すように、出力ディスプレイ12250は第2の向きを選択してよく、ディスプレイの組のデカルト座標の+Y2及び+X2ベクトルは、例えば、スクリーンの組のデカルト座標の+Y1及び−X1ベクトルとそれぞれ揃っている、又は少なくとも実質的に揃っている。特定の例において、
図98Cに示すように、出力ディスプレイ12250は第3の向きを選択してよく、ディスプレイの組のデカルト座標の+X2及び+Y2ベクトルは、例えば、スクリーンの組のデカルト座標の−X1及び−Y1ベクトルとそれぞれ揃っている、又は少なくとも実質的に揃っている。特定の例において、
図98Dに示すように、出力ディスプレイ12250は第4の向きを選択してよく、第2の組のデカルト座標の+X2及び+Y2ベクトルは、例えば、スクリーンの組のデカルト座標−Y1及び+X1ベクトルとそれぞれ揃っている、又は少なくとも実質的に揃っている。他の向きも可能である。
【0358】
図97〜98Dを参照すると、プロセッサ13008は、例えば、第1の向き、第2の向き、第3の向き、及び/又は第4の向きなど複数の方向間で出力ディスプレイ12250の向きを切り替えて、例えば、ハンドル組立体12202の位置の変化に応じるように構成され得る。特定の例において、モジュール10010は、ヒステリシス制御アルゴリズムを含んで、例えば、第1、第2、第3、及び/又は第4の向きの間での切り替え中に向きの揺れを阻止してよい。ヒステリシス制御アルゴリズムは、ディスプレイ方向の変更をもたらすイベントの初期検知と、ディスプレイの向きを変更させるプロセッサ命令との間に時間差を生じさせ得る。したがって、ヒステリシス制御アルゴリズムは、一時的であり得る向きをもたらすイベントを無視し、定常状態又は十分に定常状態の条件に達するまで最適に待機して、ディスプレイの再方向付けを行い得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、Z1軸の+Z1ベクトルと重力軸gの−gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるとき、出力ディスプレイ12250を第1の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトルと重力軸gの+gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるとき、出力ディスプレイ12250を第2の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、Y1軸の+Y1ベクトルと重力軸gの+gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるとき、出力ディスプレイ12250を第3の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトルと重力軸gの−gベクトルとの間の角度が最大角度以下であるとき、出力ディスプレイ12250を第4の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、最大角度は、例えば約0°〜例えば約10°の範囲から選択される任意の角度であり得る。特定の例において、最大角度は、例えば約0°〜例えば約5°の範囲から選択される任意の角度であり得る。特定の例において、最大角度は、例えば約5°であり得る。上記の最大角度は例示であり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。
【0359】
図97〜98Dを参照すると、特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、Z1軸の+Z1ベクトル及び重力軸gの−gベクトルが揃っているか、少なくとも実質的に互いに揃っているとき、出力ディスプレイ12250を第1の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトル及び重力軸gの+gベクトルが揃っているか、少なくとも実質的に互いに揃っているとき、出力ディスプレイ12250を第2の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、Y1軸の+Y1ベクトル及び重力軸gの+gベクトルが揃っているか、少なくとも実質的に互いに揃っているとき、出力ディスプレイ12250を第3の向きに方向付けるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、X1軸の+X1ベクトル及び重力軸gの−gベクトルが揃っているか、少なくとも実質的に互いに揃っているとき、出力ディスプレイ12250を第4の向きに方向付けるように構成され得る。
【0360】
図97〜98Dを参照すると、特定の例において、ハンドル12212が、例えば約80°〜例えば約100°の範囲から選択された角度で、長手軸LL(
図87)の周りを時計回りに回転する場合、プロセッサ13008は、出力ディスプレイ12250を第1の向きから第2の向きに回転させるように構成され得る。ハンドル12212が長手軸LLの周りを時計回りに80°未満回転する場合、この例では、プロセッサ13008は、出力ディスプレイ12250の再方向付けを行わなくてよい。特定の例において、ハンドル12212が、例えば約80°〜例えば約100°の範囲から選択された角度で、長手軸LLの周りを反時計回りに回転する場合、プロセッサ13008は、出力ディスプレイ12250を第1の向きから第4の向きに回転させるように構成され得る。ハンドル12212が長手軸LLの周りを反時計回りに80°未満回転する場合、この例では、プロセッサ13008は、出力ディスプレイ12250の再方向付けを行わなくてよい。
【0361】
上述したように、操作者は、ロッカー13012を使用して、例えば、エンドエフェクタ12208を関節屈曲させてよい。特定の例において、操作者は、例えば、第1の方向に指を移動させてロッカー13012を傾斜させ、ドームスイッチ13004Aを押下してエンドエフェクタ12208を時計回り方向で右に関節屈曲させてよく、操作者は、例えば、第1の方向と反対の第2の方向に指を移動させて、ドームスイッチ13004Bを押下してエンドエフェクタ12208を反時計回り方向で左に関節屈曲させてよい。
【0362】
インターフェイス13001及び/又はハンドル組立体12202に対するロッカー13012の位置及び/又は向きに応じて、特定の例において、
図87及び100Aに示すように、ハンドル組立体12202の第1の、つまり中立位置では、例えば、第1の方向は上向き方向であり得、例えば、第2の方向下向き方向であり得る。かかる例において、外科用器具12200の操作者は、例えば、自分の指を上方に移動させて、例えば、エンドエフェクタ12208を右に関節屈曲させることに慣れてよく、操作者は、例えば、自分の指を下方に移動させて、例えば、エンドエフェクタ12208を左に関節屈曲させることに慣れてよい。しかしながら、特定の例において、
図100Bに示すように、操作者は、ハンドル組立体12202の位置を、例えば、倒立位など第2の位置に変更してよい。かかる例において、操作者が指の移動方向を逆にすることを覚えていない場合、操作者は、操作者が意図した方向とは反対方向にエンドエフェクタ12208を意図せずに関節屈曲させることがある。
【0363】
図99を参照すると、外科用器具12200はモジュール10012を備えてよく、モジュール10012によって、操作者は、外科用器具12200の操作に関して外科医が慣れている移動方向を維持することができる。上で議論したように、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202の位置及び/又は向きの変化に応答して、複数の構成を切り替えるように構成され得る。特定の例において、
図99に示すように、プロセッサ13008は、ハンドル組立体12202の第1の位置及び/又は向きに関連付けられるインターフェイス13001の第1の構成と、ハンドル組立体12202の第2の位置及び/又は向きに関連付けられるインターフェイス13001の第2の構成と、を切り替えるように構成され得る。
【0364】
特定の例において、第1の構成では、例えば、ドームスイッチ13004Aが押下されるとき、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208を右に関節屈曲させるように関節屈曲モーターに命令するように構成され得、例えば、ドームスイッチ13004Bが押下されるとき、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208を左に関節屈曲させるように関節屈曲モーターに命令するように構成され得る。第2の構成では、例えば、ドームスイッチ13004Aが押下されるとき、プロセッサ3008は、エンドエフェクタ12208を左に関節屈曲させるように関節屈曲モーターに命令し得、例えば、ドームスイッチ13004Bが押下されるとき、プロセッサ13008は、エンドエフェクタ12208を右に関節屈曲させるように関節屈曲モーターに命令し得る。様々な実施形態において、外科用器具は、エンドエフェクタ12208を両方向に関節屈曲させる、1つのモーターを備え得、その一方、他の実施形態において、外科用器具は、エンドエフェクタ12208を第1の方向に関節屈曲させるように構成されている第1のモーターと、エンドエフェクタ12208を第2の方向に関節屈曲させるように構成されている第2のモーターと、を備え得る。
【0365】
図99〜100Bを参照すると、プロセッサ13008は、例えば、ハンドル組立体12202が第1の位置及び/又は向きにある間は、第1の構成を採用し、例えば、ハンドル組立体12202が第2の位置及び/向きにある間は、第2の構成を採用するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、1つ、又は2つ以上の加速度計(図示なし)からの入力を通してハンドル組立体12202の向き及び/又は位置を検知するように構成され得、この加速度計は、例えば、ハンドル組立体12202内に収容され得る。かかる加速度計は、様々な例において、重力に対するハンドル組立体12202の向き、すなわち、上向き及び/又は下向きを検知できる。
【0366】
特定の例において、プロセッサ13008は、ハンドル組立体12202を通って延びるベクトルD(
図87)と、重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約0°〜例えば約100°の範囲の任意の角度である間は、第1の構成を採用するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、ベクトルDと、重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約0°〜例えば約90°の範囲の任意の角度である間は、第1の構成を採用するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、ベクトルDと、重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約80°以下である間は、第1の構成を採用するように構成され得る。
【0367】
特定の例において、プロセッサ13008は、ベクトルDと、重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約80°以上である間は、第2の構成を採用するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、ベクトルDと、重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約90°以上である間は、第2の構成を採用するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008は、ベクトルDと、重力ベクトルgとの間の角度が、例えば約100°以上である間は、第2の構成を採用するように構成され得る。
【0368】
読者は、説明したハンドル組立体12202の向き及び/又は位置、並びにプロセッサ13008によって採用される対応する構成は、本質的に例示であり、本開示の範囲を限定することを意図しないことを理解するであろう。プロセッサ13008は、ハンドル組立体12202の様々な他の向き及び/又は位置に関連して様々な他の構成を採用するように構成され得る。
【0369】
図101を参照すると、特定の例において、外科用器具12200は、例えば、ディスプレイ12250などディスプレイを介して受信した操作者からの入力によって、制御され得る、少なくとも部分的に制御され得る、及び/又は操作され得、ディスプレイ12250は、1つ、又は2つ以上のタッチジェスチャーの形態であり得る、操作者からの入力を受信するように適合されるタッチスクリーンを備えてよい。様々な例において、ディスプレイ12250は、例えば、プロセッサ13008などプロセッサに結合されてよく、プロセッサ13008は、操作者によって提供されたタッチジェスチャーに応答して、様々な機能を外科用器具12200に実行させるように構成され得る。特定の例において、ディスプレイ12250は、例えば、容量性タッチスクリーン、抵抗性タッチスクリーン、又は任意の好適なタッチスクリーンを備えてよい。
【0370】
再び
図101を参照すると、ディスプレイ12250は、外科用器具12200によって実行され得る複数の機能に関連付けられ得る複数のアイコンを含んでよい。特定の例において、プロセッサ13008は、外科用器具12200の操作者によって、かかる機能を示すアイコンが選択された、タッチされた、及び/又は押されたときに、外科用器具12200に機能を実行させるように構成され得る。特定の例において、例えば、メモリ13010などメモリは、複数のアイコンを複数の機能に関連付ける1つ、又は2つ以上のモジュールを備えてよい。
【0371】
特定の例において、
図101に示すように、ディスプレイ12250は、例えば、発射アイコン10014を含んでよい。プロセッサ13008は、操作者が発射アイコン10014にタッチする、及び/又は押すと、発射入力信号を検知するように構成され得る。発射入力信号に応答して、プロセッサ13008は、モーター12216を起動して外科用器具12200の発射部材を動かし、例えば、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射する、及び/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織を切断するように構成され得る。特定の例において、
図101に示すように、ディスプレイ12250は、例えば時計回り方向など第1の方向にエンドエフェクタ12208を関節屈曲させる関節屈曲アイコン10016を含んでよく、ディスプレイ12250はまた、例えば反時計回り方向など第2の方向にエンドエフェクタ12208を関節屈曲させる関節屈曲アイコン10018を含んでよい。読者は、プロセッサ13008が、例えば、外科用器具12200の操作者によって、かかるアイコンが選択された、タッチされた、及び/又は押されたときに、外科用器具12200に実行させてよい様々な他の機能に関連付けられる様々な他のアイコンを備えてよいことを理解するであろう。
【0372】
特定の例において、ディスプレイ12250のアイコンのうちの1つ、又は2つ以上は、例えば、アイコンにタッチするか、押すことによって実行され得る機能を示す単語、記号、及び/又は画像を含んでよい。特定の例において、関節屈曲アイコン10016は、時計回り方向に関節屈曲したエンドエフェクタ12208の画像を示してよい。特定の例において、関節屈曲アイコン10018は、反時計回り方向に関節屈曲したエンドエフェクタ12208の画像を示してよい。特定の例において、発射アイコン10014は、ステープルカートリッジ10006から発射されているステープルの画像を示してよい。
【0373】
図87及び102を参照すると、外科用器具12200のインターフェイス13001は、例えば、閉鎖トリガー10020、回転ノブ10022、関節屈曲ロッカー13012、及び/又は発射入力部13017(
図103)など複数の動作制御部を備えてよい。特定の例において、外科用器具12200のインターフェイス13001の様々な動作制御部は、その動作機能に加えて、ナビゲーション機能としても機能してよい。特定の例において、外科用器具12200は、動作モードと、ナビゲーションモードと、を備えてよい。動作モードにおいて、外科用器具12200の一部又はすべての制御部は、動作機能を実行するように構成されてよく、ナビゲーションモードにおいて、外科用器具12200の一部又はすべての制御部は、ナビゲーション機能を実行するように構成されてよい。様々な例において、外科用器具12200の一部又はすべての制御部によって実行されるナビゲーション機能は、これらの制御部によって実行される動作機能に関し得る、これらに関連付けられ得る、及び/又はこれらに結び付けられ得る。換言すると、外科用器具12200の制御部によって実行される動作機能は、かかる制御部によって実行されるナビゲーション機能を定めてよい。
【0374】
図87及び102を参照すると、特定の例において、例えば、プロセッサ13008などプロセッサは、外科用器具12200が動作モードにあるときのプライマリインターフェイス構成と、外科用器具12200がナビゲーションモードにあるときのセカンダリインターフェイス構成と、を切り替えるように構成され得、プロセッサ13008は、例えば、動作モードでは、インターフェイス13001の一部又はすべての制御部に動作機能を割り当て、ナビゲーションモードでは、かかる制御部にナビゲーション機能を割り当てるように構成され得る。特定の例において、セカンダリインターフェイス構成での制御部のナビゲーション機能は、例えば、プライマリインターフェイス構成での制御部の動作機能によって定められる。
【0375】
図102を参照すると、特定の例において、外科用器具12200の操作者は、例えば、ディスプレイ12250でナビゲーションメニュー10024を開く、つまり起動することによって、ナビゲーションモードを起動してよい。特定の例において、外科用器具12200は、ナビゲーションモードを起動するためのナビゲーションモードボタン又はスイッチ(図示なし)を備えてよい。いずれにしても、プロセッサ13008は、ナビゲーションモード入力信号を受信するとインターフェイス13001の制御部をプライマリインターフェイス構成からセカンダリインターフェイス構成に切り替えてよい。
【0376】
図102に示すように、ナビゲーションメニュー10024は、様々な選択可能カテゴリ、メニュー、及び/若しくはフォルダ、並びに/又は様々なサブカテゴリ、サブメニュー、及び/若しくはサブフォルダを含んでよい。特定の例において、ナビゲーションメニュー10024は、例えば、関節屈曲カテゴリ、発射カテゴリ、閉鎖カテゴリ、電池カテゴリ、及び/又は回転カテゴリを含んでよい。
【0377】
特定の例において、関節屈曲ロッカー13012を用いて、上述したように、エンドエフェクタ12208を動作モードで関節屈曲させ得、また、これを用いて、例えば、ナビゲーションモードで関節屈曲カテゴリを選択し得る、並びに/又は関節屈曲メニューを起動し得る、及び/若しくはナビゲートし得る。特定の例において、発射入力部13017(
図103)を用いて、上述したように、動作モードでステープルを発射し得、また、これを用いて、例えば、ナビゲーションモードで発射カテゴリを選択し得る、並びに/又は発射メニューを起動し得る、及び/若しくはナビゲートし得る。特定の例において、閉鎖トリガー10020を用いて、上述したように、動作モードでエンドエフェクタ12208を開放構成と接近構成との間を移行させ得、また、これを用いて、例えば、ナビゲーションモードで閉鎖カテゴリを選択し得る、並びに/又は閉鎖メニューを起動し得る、及び/若しくはナビゲートし得る。特定の例において、回転ノブ10022を用いて、動作モードで細長いシャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を回転させ得、また、これを用いて、例えば、ナビゲーションモードで回転カテゴリを選択し得る、並びに/又は回転メニューを起動し得る、及び/若しくはナビゲートし得る。
【0378】
主として
図87及び103を参照すると、外科用器具12200の操作は、一連の、つまり連続した工程、動作、イベント、及び/又はこれらの組み合わせを含んでよい。様々な状況において、
図103に示すように、外科用器具12200はインジケータシステム10030を含んでよく、インジケータシステム10030は、様々な工程、動作、及び/又はイベントに対して外科用器具12200の操作者にフィードバックを導く、通知する、及び/又は提供するように構成され得る。
【0379】
様々な例において、インジケータシステム10030は、複数のインジケータ10032を含んでよい。特定の例において、インジケータ10032は、例えば、ディスプレイスクリーン、バックライト、及び/又はLEDなど、視覚インジケータを備えてよい。特定の例において、インジケータ10032は、例えば、スピーカー及び/又はブザーなど音声インジケータを備えてよい。特定の例において、インジケータ10032は、例えば、触覚作動装置など触覚インジケータを備えてよい。特定の例において、インジケータ10032は、例えば、視覚インジケータ、音声インジケータ、及び/又は触覚インジケータの組み合わせを備えてよい。
【0380】
図103を参照すると、インジケータシステム10030は、例えば、マイクロコントローラ13002など1つ、又は2つ以上のマイクロコントローラを含んでよく、マイクロコントローラ13002は、例えば、プロセッサ13008など1つ、又は2つ以上のプロセッサ、及び/又は、例えば(fore example)、メモリ13010など1つ、又は2つ以上のメモリユニットを備えてよい。様々な例において、プロセッサ13008は、様々なセンサ10035、並びに/又は例えば、外科用器具12200のステータス並びに/又は外科用器具12200の操作に関する工程、動作、及び/若しくはイベントの進捗状況に関するフィードバックをプロセッサ13008に提供するように構成されてよいフィードバックシステムに結合されてよい。
【0381】
様々な例において、外科用器具12200の操作は、例えば、関節屈曲工程、閉鎖工程、発射工程、発射リセット工程、閉鎖リセット工程、関節屈曲リセット工程、及び/又はこれらの組み合わせなど様々な工程を含んでよい。様々な例において、関節屈曲工程は、例えば、細長いシャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を関節屈曲位置へと関節屈曲させることを含んでよく、関節屈曲リセット工程は、例えば、エンドエフェクタ12208を関節ホーム状態位置に復帰させることを含んでよい。様々な例において、閉鎖工程は、例えば、エンドエフェクタ12208を閉鎖構成に移行させることを含んでよく、閉鎖リセット工程は、例えば、エンドエフェクタ12208を開放構成に移行させることを含んでよい。様々な例において、発射工程は、例えば、発射部材を前進させて、ステープルカートリッジ10006からステープルを配備すること、及び/又はエンドエフェクタ12208によって捕捉された組織を切断することを含んでよい。様々な例において、発射リセット工程は、例えば、発射部材を発射ホーム状態位置に後退させることを含んでよい。
【0382】
図103を参照すると、インジケータシステム10030のインジケータ10032のうちの1つ、又は2つ以上は、外科用器具12200の操作に関連して実行される様々な工程のうちの1つ、又は2つ以上に関連付けられ得る。様々な例において、
図103に示すように、インジケータ10032は、例えば、脱出組立体12228に関連付けられる脱出インジケータ10033、関節屈曲工程に関連付けられる関節屈曲インジケータ10034、閉鎖工程に関連付けられる閉鎖インジケータ10036、発射工程に関連付けられる発射インジケータ10038、関節屈曲リセット工程に関連付けられる関節屈曲リセットインジケータ10040、閉鎖リセット工程に関連付けられる閉鎖リセットインジケータ10042、及び/又は発射リセット工程に関連付けられる発射リセットインジケータ10044を含んでよい。読者は、上述した工程及び/又はインジケータは、本質的に例示であり、本開示の範囲を限定することを意図しないことを理解するであろう。本開示では、様々な他の工程及び/又はインジケータが想到される。
【0383】
図87を参照すると、様々な例において、インターフェイス13001の制御部のうちの1つ、又は2つ以上は、外科用器具12200の操作の工程のうちの1つ、又は2つ以上で用いられ得る。特定の例において、閉鎖トリガー10020は、例えば、閉鎖工程で用いられ得る。特定の例において、発射入力部13017(
図103)は、例えば、発射工程で用いられ得る。特定の例において、関節屈曲ロッカー13012は、例えば、関節屈曲工程及び/又は関節屈曲リセット工程で用いられ得る。特定の例において、ホーム状態入力部13014は、例えば、発射リセット工程で用いられ得る。
【0384】
図103を参照すると、様々な例において、外科用器具10030の操作の工程のうちの1つに関連付けられるインジケータ10032はまた、かかる工程で用いられる制御部に関連付けられてよい。例えば、関節屈曲インジケータ10034は関節屈曲ロッカー13012に関連付けられ得、閉鎖インジケータ10036は閉鎖トリガー10020に関連付けられ得、発射インジケータ10038は発射入力部13017に関連付けられ得、及び/又は発射リセットインジケータ10044はホーム状態入力部13014に関連付けられ得る。特定の例において、インジケータをインターフェイス13001の制御部と関連付けることは、例えば、インジケータを制御部上に、制御部内に、部分的に制御部内に、制御部付近に、及び/又は制御部にごく接近して配置するか、位置付けて、操作者がインジケータを制御部に関連付けやすくすることを含んでよい。読者は、上述した制御部及び/又はかかる制御部に関連付けられるインジケータは、本質的に例示であり、本開示の範囲を限定することを意図しないことを理解するであろう。本開示では、様々な他の制御部及びかかる制御部に関連付けられるインジケータが想到される。
【0385】
様々な例において、プロセッサ13008は、インジケータ10032に関連付けられる工程の順序によって定められる1つ、又は2つ以上の順序でインジケータ10032を起動するように構成され得る。例えば、操作者は、関節屈曲工程で始まり、次に閉鎖工程が続き、更に発射工程が続く、一連の工程で外科用器具12200を操作する必要があってよい。かかる例において、プロセッサ13008は、対応する関節屈曲インジケータ10034、閉鎖インジケータ10036、及び発射インジケータ10038を工程の順序と同一の順序で起動することにより、操作者に一連の工程を導くように構成され得る。換言すると、プロセッサ13008は、例えば、最初に関節屈曲インジケータ10034を起動し、続いて閉鎖インジケータ10036を起動し、更に続いて発射インジケータ10038を起動するように構成され得る。特定の例において、外科用器具12200はバイパススイッチ(図示なし)を備えてよく、このバイパススイッチは、操作者が、例えば、推奨されるが、必須ではない工程を回避できるように構成されてよい。かかる例において、バイパススイッチを押すと、この順序で次のインジケータを起動するようにプロセッサ13008に伝えてよい。
【0386】
様々な例において、プロセッサ13008は、インジケータ10032を複数のインジケータ構成間で切り替えて、外科用器具12200の操作者にフィードバックを導く、通知する、及び/又は提供するように構成され得る。様々な例において、プロセッサ13008は、例えば、起動された、及び/又は停止された構成を含んでよい、複数のインジケータ構成間でインジケータ10032を切り替えることによって、外科用器具12200の操作者に視覚的合図を提供してよい。特定の例において、インジケータ10032のうちの1つ、又は2つ以上は光源を備えてよく、この光源は、例えば、第1のインジケータ構成で起動して、例えば、インジケータ10032に関連付けられる工程を実行するように操作者に警告し得、この光源は、例えば、第2のインジケータ構成で停止して、例えば、工程が完了したときに、操作者にそれを通知し得る。
【0387】
特定の例において、光源は、プロセッサ13008によって、点滅構成と非点滅構成との間を移行し得る、点滅光であり得る。特定の例において、非点滅構成の点滅光は、例えば、点灯又は消灯に移行してよい。特定の例において、点滅構成の点滅光は、例えば、工程が進行中の間の待機期間を示してよい。特定の例において、点滅光の点滅回数は変更されて、様々な視覚的合図を提供してよい。例えば、待機期間を示す点滅光の点滅回数は、待機期間が終了に近づくにつれて増減してよい。読者は、待機期間が、例えば、強制待機期間、及び/又は推奨待機期間であり得ることを理解するであろう。特定の例において、強制待機期間は、推奨待機期間とは異なる点滅構成によって示され得る。特定の例において、点滅光は、強制待機期間を示す第1の色と、推奨待機期間を示す第2の色と、を含んでよく、第1の色は、第2の色とは異なる。特定の例において、例えば、第1の色は赤色であり得、例えば、第2の色は黄色であり得る。
【0388】
様々な例において、インジケータ10032の1つ、又は2つ以上は、プロセッサ13008によって、例えば、外科用器具12200の操作工程の標準的な次の工程で使用できる制御部を示す第1のインジケータ構成、外科用器具12200の操作工程の非標準的な次の工程で使用できる制御部を示す第2のインジケータ構成、及び/又は外科用器具12200の操作工程の次の工程で使用できない制御部を示す第3のインジケータ構成を切り替えられ得る。例えば、外科用器具12000のエンドエフェクタ12208が開放構成にあるとき、関節屈曲インジケータ10034及び閉鎖インジケータ10036は点灯されて、外科用器具12200の操作者が、この時点においてこれらの2つの機能、すなわち、エンドエフェクタの関節屈曲及びエンドエフェクタの閉鎖を使用できることを操作者に示し得る。かかる状態において、発射インジケータ10038は点灯されないで、操作者が、この時点において発射機能を使用できないことを操作者に示してよい。エンドエフェクタ12208が閉鎖及び/又はクランプ留め構成になると、関節屈曲インジケータ10034は消灯されて、この時点において関節屈曲機能を使用できないことを操作者に示してよい。かかる状態において、閉鎖インジケータ10036の点灯は低減されて、この時点において閉鎖機能を逆転させ得ることを操作者に示してよい。更に、かかる状態において、発射インジケータ10038は点灯されて、操作者がこの時点において発射機能を使用できることを操作者に示し得る。発射部材が少なくとも部分的に前進すると、閉鎖インジケータ10036は消灯されて、この時点において閉鎖機能を逆転させることはできないことを示してよい。発射部材がその未発射位置まで後退すると、発射インジケータ10038の点灯は低減されて、必要に応じて発射部材を再び前進させ得ることを操作者に示してよい。あるいは、発射部材が後退すると、発射インジケータ10038は消灯されて、この時点において発射部材を再び前進させることはできないことを操作者に示してよい。いずれにしても、閉鎖インジケータ10036は、発射部材がその未発射位置に後退した後で再点灯されて、この時点において閉鎖機能を逆転させ得ることを操作者に示し得る。関節屈曲インジケータ10034は消灯されたままであって、この時点において関節屈曲機能を使用できないことを示してよい。エンドエフェクタ12208が開放されると、発射インジケータ10038がまだ消灯されていなければ消灯され、この時点において発射機能を使用できないことを操作者に示し得、閉鎖インジケータ10036は、点灯されたままである、又はその点灯が低減されて、この時点において閉鎖機能をまだ使用できることを操作者に示し得、関節屈曲インジケータ10034は、再点灯されて、この時点において関節屈曲機能を使用できることを操作者に示し得る。上記の例は例示であり、他の実施形態も可能である。
【0389】
特定の例において、インジケータ10032のうちの1つ、又は2つ以上は光源を含んでよく、この光源は、プロセッサ13008によって、例えば、第1のインジケータ構成の第1の色、第2のインジケータ構成の第2の色、及び/又は第3のインジケータ構成の第3の色を切り替えられ得る。特定の例において、インジケータ10032は、例えば、光源の光度を変化させることにより、又は色スペクトルを使用してスキャンすることにより、プロセッサ13008によって第1のインジケータ構成、第2のインジケータ構成、及び/又は第3のインジケータ構成を切り替えられ得る。特定の例において、第1のインジケータ構成は、例えば、第1の光度を備えてよく、第2のインジケータ構成は、例えば、第2の光度を備えてよく、及び/又は第3のインジケータ構成は、例えば、第3のインジケータ構成を備えてよい。
【0390】
様々な例において、外科用器具12200の操作の発射工程では、発射部材を動かして、ステープルカートリッジ10006から、アンビル10002とステープルカートリッジ10006との間に捕捉された組織へと複数のステープルを配備し、切断部材(図示なし)を前進させて、捕捉された組織を切断し得る。読者は、切断部材を前進させて、ステープルカートリッジの不在時に、又は使用済みステープルカートリッジの存在時に捕捉された組織を切断することが望ましくないことを理解するであろう。したがって、様々な例において、外科用器具12200は、ロックアウト機構(図示なし)を備えてよく、このロックアウト機構は、例えば、ステープルカートリッジの不在時に、又は使用済みステープルカートリッジの存在時に切断部材を前進させないように起動し得る。
【0391】
図104を参照すると、モジュール10046は、例えば、インジケータシステム10030(
図103)などインジケータシステムによって用いられ得る。様々な例において、モジュール10046は、例えば、メモリ13010など1つ、又は2つ以上のメモリユニットに記憶されたプログラム命令を含んでよく、これらのプログラム命令は、実行時に、プロセッサ13008がインジケータ10032を用いて、例えば、外科用器具12200の操作の発射工程中に、外科用器具12200の操作者にフィードバックを通知させてよい、導いてよい、及び/又は提供してよい。特定の例において、例えば、発射インジケータ10038及び/又は発射リセットインジケータ10044などインジケータ10032のうちの1つ、又は2つ以上は、プロセッサ13008によって第1のインジケータ構成、第2のインジケータ構成、及び/又は第3のインジケータ構成を切り替えられて、例えば、外科用器具12200の操作の発射工程中に、外科用器具12200の操作者にフィードバックを通知し得る、導き得る、及び/又は提供し得る。
【0392】
図103及び104を参照すると、外科用器具12200の操作者は、発射入力部13017を作動させて、例えば、プロセッサ13008がモーター12216を起動して発射部材を動かし、捕捉された組織にステープルカートリッジ10006から複数のステープルを配備し、切断部材を前進させて捕捉された組織を切断するようにさせてよい。特定の例において、発射インジケータ10038は第1のインジケータ構成に設定されて、発射入力部13017が使用可能であること、及び/又は発射工程を完了するために使用可能である、標準的な制御オプションのうちの1つであることを操作者に通知し得る。
【0393】
特定の例において、
図103及び104に示すように、プロセッサ13008がロックアウト機構の起動を検知すると、プロセッサ13008は、例えば、モーター12216を中断させることにより、及び/又は停止させることにより切断部材の前進を中断させてよい。加えて、プロセッサ13008は、発射インジケータ10038を第1のインジケータ構成から第3のインジケータ構成へと移行させて、発射入力部13017を使用できないことを操作者に警告するように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008はまた、ディスプレイ12250を点灯し、例えば、欠落しているステープルカートリッジの画像を表示するように構成されてよい。特定の例において、プロセッサ13008はまた、例えば、発射リセットインジケータ10044を第1のインジケータ構成に設定して、例えば、発射部材を動かして切断部材を発射ホーム状態位置に後退させるためにホーム状態入力部13014が使用可能であることを操作者に通知してよい。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、センサ10035を介して新しいステープルカートリッジの取り付けを検知し、それに応答して、例えば、発射インジケータ10038を第1のインジケータ構成に復帰させるように構成され得る。
【0394】
特定の例において、
図104に示すように、操作者が発射工程の完了前に発射入力部13017を解放する場合、プロセッサ13008は、モーター12216を停止させるように構成され得る。特定の例において、プロセッサ13008はまた、例えば、発射インジケータ10038を第1のインジケータ構成に維持して、発射入力部13017は、例えば、外科用器具12200の操作の発射工程を完了させるために使用できる標準的な制御オプションとして使用できることを操作者に通知してよい。特定の例において、プロセッサ13008はまた、例えば、発射リセットインジケータ10044を第2のインジケータ構成に設定して、例えば、操作者が外科用器具12200の操作の発射工程の中止を決めた場合、ホーム状態入力部13014は、例えば、切断部材を発射ホーム状態位置に後退させるために使用できる、非標準的な制御オプションとして使用できることを操作者に通知してよい。
【0395】
上記に加えて、
図104に示すように、発射入力部13017が操作者によって再起動される場合、プロセッサ13008は、それに応答して、モーター12216を再起動して、切断部材が完全に前進するまで切断部材を前進させ続けてよい。特定の例において、プロセッサ13008は、センサ10035を用いて、切断部材が完全に前進したときに、それを検知してよく、プロセッサ13008は、次いで、例えば、モーター12216の回転方向を逆方向にし、例えば、発射部材を動かして切断部材を発射ホーム状態位置に後退させてよい。特定の例において、プロセッサ13008は、例えば、切断部材が発射ホーム状態位置に達したことをプロセッサが検知した場合、例えば、モーター12216を停止させる、及び/又は例えば、閉鎖リセットインジケータ10042を第1のインジケータ構成に設定するように構成され得る。
【0396】
本明細書に記載するように、外科用器具は、様々な動作状態、モード、及び/又は構成になり得る。特定の例において、外科用器具は、操作者にとって望ましくない動作状態、モード、及び/又は構成になることがあり、操作者は、望ましくない状態、モード、及び/又は構成から外科用器具を脱出させる方法が分からないことがある。少なくとも1つの例において、外科用器具はリセットボタンを含んでよく、このリセットボタンが作動すると、外科用器具をデフォルトの状態、モード、及び/又は構成にすることができる。例えば、デフォルトの状態、モード、及び/又は構成は、ナビゲーションモードではなく、動作モードであり得る。少なくとも1つの例において、デフォルトの状態及び/又は構成は、例えば、特定の向きのディスプレイ出力部12250を備え得る。リセットボタンはプロセッサ13008と信号通信し得、プロセッサ13008は、外科用器具をデフォルトの状態、モード、及び/又は構成にし得る。特定の例において、プロセッサ13008は、外科用器具をデフォルトの状態、モード、及び/又は構成に維持するように構成され得る。少なくとも1つの例において、外科用器具はロックボタンを含んでよく、このロックボタンが作動すると、外科用器具をデフォルトの状態、モード、及び/又は構成にロックできる。特定の例において、ロックボタンは、外科用器具をその現在の状態、モード、及び/又は構成にロックできる。動作状態、モード、及び/又は構成は、ロックボタンをもう一度作動させることによりロック解除され得る。様々な実施形態において、外科用器具は、プロセッサ13008と信号通信する少なくとも1つの加速度計を含み得、プロセッサ13008は、外科用器具のハンドルが振盪した、つまり前後に素早く動かされたときに、それを判定できる。かかる振盪を検知すると、プロセッサ13008は、外科用器具をデフォルトの動作状態、モード、及び/又は構成にし得る。
【0397】
図105を参照すると、様々な例において、外科用組立体10050は、例えば、外科用器具12200など外科用器具と、リモート操作ユニット10052と、を含んでよい。特定の例において、外科用器具12200は、例えば、インターフェイス13001などプライマリインターフェイスを備えてよく、インターフェイス13001は、
図87示すように、ハンドル組立体12202内にあってよい。特定の例において、インターフェイス13001は、例えば、閉鎖トリガー10020(
図87)、回転ノブ10022、関節屈曲ロッカー13012、ホーム状態入力部13014、及び/又は発射入力部13017(
図103)など複数のプライマリ制御部を含んでよい。
【0398】
様々な例において、外科用器具12200の操作者は、インターフェイス13001のプライマリ制御部を手動で操作して、例えば、外科的処置を実行してよい。上述したように、操作者は、関節屈曲ロッカー13012を作動させてモーター12216を起動し、例えば、非関節屈曲位置と関節屈曲位置との間でエンドエフェクタ12208を関節屈曲させてよい。特定の例において、操作者は、閉鎖トリガー10020を作動させて、例えば、エンドエフェクタ12208を開放構成と閉鎖構成との間で移行させてよい。特定の例において、操作者は、発射入力部13017を作動させてモーター12216を起動し、外科用器具12200の発射部材を移動して、例えば、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射してよい、及び/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間で捕捉された組織を切断してよい。
【0399】
様々な例において、外科用器具12200の操作者は、インターフェイス13001を手動で操作できるほど十分にハンドル組立体12202に接近していないことがある。例えば、操作者は、ロボット制御される外科用システムと共に外科用器具12200を操作していることがあり、ロボット制御される外科用システムはリモート位置から制御されることがある。かかる例において、操作者は、例えば、操作者がロボット制御される外科用システムを操作するリモート位置からの外科用器具12200の操作を必要とする場合があり、操作者は、例えば、リモート操作ユニット10052を用いて、外科用器具12200をリモート操作することがある。様々なロボットシステム、器具、構成要素、及び方法は、参照によってすべての内容が本明細書に組み込まれる、米国特許出願第13/118241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)に開示されている。
【0400】
図105及び106を参照すると、リモート操作ユニット10052は、例えば、セカンダリインターフェイス13001’、ディスプレイ12250’、及び/又は電源組立体12206’(つまり「電源」又は「電源パック」)を含んでよい。様々な例において、セカンダリインターフェイス13001’は、複数のセカンダリ制御部を含んでよく、セカンダリ制御部は、プライマリインターフェイス13001’のプライマリ制御部に対応してよい。特定の例において、リモート操作ユニット10052は、例えば、関節屈曲ロッカー13012に対応するリモート関節屈曲ロッカー13012’を含んでよい。特定の例において、リモート操作ユニット10052は、例えば、外科用器具12200の発射入力部13017に対応するリモート発射入力部13017’を含んでよい。特定の例において、リモート操作ユニット10052は、例えば、外科用器具12200のホーム状態入力部13014に対応するリモートホーム状態入力部13014’を含んでよい。
【0401】
特定の例において、
図105に示すように、リモート操作ユニット10052、インターフェイス13001’、及び/又は複数のセカンダリ制御部は、ハンドル組立体12202、インターフェイス13001、及び/又は複数のプライマリ制御部とはそれぞれ異なる形状及び/又は設計を備えてよい。特定の例において、
図106に示すように、リモート操作ユニット10052、インターフェイス13001’、及び/又は複数のセカンダリ制御部は、ハンドル組立体12202、インターフェイス13001、及び/又は複数のプライマリ制御部と同一、又は実質的に同一の形状及び/又は設計を備えてよい。
【0402】
様々な例において、
図105及び106に示すように、リモート操作ユニット10052は、例えば、細長い可撓ケーブル10054を介して外科用器具12200のハンドル組立体12202に結合され得、細長い可撓ケーブル10054は、例えば、様々な作動信号を外科用器具12200のプロセッサ13008に伝送するように構成され得、様々な作動信号は、例えば、インターフェイス13001’の複数のセカンダリ制御部を作動させることによって生成され得る。特定の例において、
図107に示すように、リモート操作ユニット10052は送信機10056を備えてよく、送信機10056は、例えば、セカンダリインターフェイス13001’のセカンダリ制御部によって生成された作動信号を、例えば、ハンドル組立体12202内に位置付けられ得る受信機10058を介してリモート操作ユニット10052からプロセッサ13001に無線伝送するように構成され得る。
【0403】
様々な例において、外科用器具12200及び/又はリモート操作ユニット10052は、通信起動入力部(図示なし)を含んでよい。特定の例において、通信起動入力部を作動させることは、例えば、外科用器具12200とリモート操作ユニット10052との間に通信を確立することに先行する工程であってよく、通信が確立されると、操作者は、リモート操作ユニット10052を用いて、例えば、外科用器具12200をリモート制御してよい。
【0404】
様々な例において、メモリ13010はパペットモードに関するプログラム命令を含んでよく、これらが実行されると、プロセッサ13008は、プライマリインターフェイス13001の複数のプライマリ制御部によって生成された作動信号に対するプロセッサ13008の応答と同一、少なくとも同様の方式で、セカンダリインターフェイス13001’の複数のセカンダリ制御部によって生成された作動信号に応答させられてよい。換言すると、複数のセカンダリ制御部によって生成された作動信号に対するプロセッサ13008の応答は、例えば、複数のプライマリ制御部によって生成された作動信号に対するプロセッサ13008の応答を模倣するように構成され得る。
【0405】
特定の例において、リモート発射入力部13017’の作動は、発射入力部13017の作動時のプロセッサ13008からの応答と同一、又は少なくとも同様の応答を求めてよく、この求められた応答は、例えば、発射部材を動かして、ステープルカートリッジ10006からステープルを発射するためにモーター12216を起動すること、及び/又はアンビル10002とステープルカートリッジ10006との間で捕捉された組織を切断することを含んでよい。特定の例において、リモート関節屈曲ロッカー13012’の作動は、関節屈曲ロッカー13012の作動時のプロセッサ13008からの応答と同一、又は少なくとも同様の応答を求めてよく、この求められた応答は、例えば、細長いシャフト12204に対してエンドエフェクタ12208を関節屈曲させるためにモーター12216を起動することを含んでよい。
【0406】
特定の例において、プロセッサ13008は、プライマリインターフェイス13001のプライマリ制御部及びセカンダリインターフェイス13001’の対応するセカンダリ制御部の両方からの入力作動信号を要求して、かかる制御部によって求められる機能を実行するように構成され得る。かかる例において、リモート操作ユニット10052のリモート操作者は、追加操作者の支援を必要とすることがあり、例えば、追加操作者は、プライマリインターフェイス13001のプライマリ制御部を手動で作動させるために利用され得、一方、リモート操作者は、セカンダリインターフェイス13001’のセカンダリ制御部を作動させる。
【0407】
様々な例において、上述したように、操作者は、ロボット制御される外科用システムと共に外科用器具12200を操作することがあり、ロボット制御される外科用システムはリモート位置からロボット制御システムによって制御されることがある。特定の例において、リモート操作ユニット10052は、ロボット制御システムと連携して機能するように構成され得る。特定の例において、ロボット制御システムは1つ、又は2つ以上の制御ポートを含んでよく、リモート操作ユニット10052は、ロボット制御システムの制御ポートと連結係合するための接続手段を備えてよい。かかる例において、操作者は、例えば、ロボット制御システムのインターフェイスを使用して外科用器具12200を操作してよい。様々な例において、制御ポートは、固有の機械的及び/又は電気的構成を備えてよく、これらの構成には、例えば、一貫性のある製品品質及び性能を確保するために、相手先商標製品の製造会社の部品を使用することが必要な場合がある。
【0408】
様々な例において、リモート操作ユニット10052は、様々なインジケータ10032’を備えてよく、インジケータ10032’は、多くの点においてハンドル組立体12202のインジケータ10032に類似し得る。特定の例において、リモート操作ユニット10052のインジケータ10032’は、インジケータ10032と同一、又は少なくとも実質的に同一の方式でプロセッサ13008によって用いられて、外科用器具12200の操作の様々な工程について操作者にフィードバックを導き得る、通知し得る、及び/又は提供し得る。
【0409】
様々な例において、リモート操作ユニット10052は、様々なフィードバック装置12248’を備えてよく、フィードバック装置12248’は、多くの点においてハンドル組立体12202のフィードバック装置12248に類似し得る。特定の例において、リモート操作ユニット10052のフィードバック装置12248’は、フィードバック装置12248と同一、又は少なくとも実質的に同一の方式でプロセッサ13008によって用いられて、外科用器具12200の操作の様々な工程について操作者に感覚フィードバックを提供し得る。フィードバック装置12248と同様に、フィードバック装置12248’は、例えば、視覚フィードバック装置、音声フィードバック装置、触覚フィードバック装置、及び/又はこれらの組み合わせを含んでよい。
【0410】
様々な例において、
図108に示すように、リモート操作ユニット10052は、第1の外科用器具10060に含まれ得る、つまり一体化され得、例えば、第2の外科用器具10062を操作するために用いられ得る。特定の例において、第1の外科用器具10060は、手術野10065にあり得、例えば、操作者によって手術野10065内から手動操作され得、第2の外科用器具10062は、手術野10065の外にあり得る。特定の例において、手術野10065から出ないようにするために、操作者は、例えば、リモート操作ユニット10052を使用して、手術野10065内で第2の外科用器具10062をリモート操作してよい。特定の例において、第2の外科用器具10062は、例えば、円状ステープラーであってよい。2013年1月29日に発行された米国特許第8,360,297号、名称「SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT WITH SELF ADJUSTING ANVIL」のすべての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
【0411】
様々な例において、第1の外科用器具10060及び/又は第2の外科用器具10062は、通信起動入力部(図示なし)を含んでよい。かかる例において、通信起動入力部を作動させることは、例えば、第1の外科用器具10060と第2の外科用器具10062との間に通信を確立することに先行する工程であってよく、通信が確立されると、操作者は、リモート操作ユニット10052を用いて、例えば、第2の外科用器具10062をリモート制御してよい。
【0412】
様々な例において、外科用システムはモジュール式構成要素を含み得、このモジュール式構成要素は、合わせて装着されて、及び/又は結合されて、外科用器具を形成し得る。特定の例において、モジュール式構成要素は、時々において、並びに/又は異なるソフトウェア、及び/若しくはファームウェアの改訂とアップデートに従って、設計され得る、製造され得る、プログラミングされ得る、並びに/又は更新され得る。例えば、主として
図109及び110を参照すると、外科用器具14100は、例えば、ハンドルなど第1のモジュール式構成要素14110と、例えば、シャフト14122及びエンドエフェクタ14124など第2のモジュール式構成要素14120と、を含み得、これらについては、本明細書で更に詳細に説明する。様々な状況において、第1のモジュール式構成要素14110及び第2のモジュール式構成要素14120は、組み付けられて、モジュール式外科用器具14100又は少なくともその一部を形成し得る。任意追加的に、異なるモジュール式構成要素が、例えば、第2のモジュール式構成要素14120のシャフトとは異なる寸法及び/又は特徴を有するシャフトなど第1のモジュール式構成要素14110に結合されてよい。様々な例において、外科用器具は、例えば、モジュール式電池など追加モジュール式構成要素を含み得る。モジュール式外科用器具14100の構成要素は、外科用器具14100の様々な素子及び/又は機能を制御するように設計され、構成されている制御システムを含み得る。例えば、第1のモジュール式構成要素14110及び第2のモジュール式構成要素14120は、それぞれ制御システムを備え得、モジュール式構成要素14110、14120のそれぞれの制御システムは、通信し得る、及び/又は協働し得る。様々な例において、第1のモジュール式構成要素14110は、時々において、並びに/又は例えば、第2のモジュール式構成要素14120とは異なるソフトウェア、及び/若しくはファームウェアを使用して、設計されてよい、製造されてよい、プログラムされてよい、並びに/又は更新されてよい。
【0413】
ここで
図111を参照すると、組み立てられた外科用システムは、第1の制御システム14150’と、第2の制御システム14150と、を含み得る。制御システム14150’、14150は、例えば、信号通信し得る。様々な例において、第2のモジュール式構成要素14120は、例えば、複数の制御モジュール14152を含み得る、制御システム14150を備え得る。制御モジュール14152は、例えば、外科用器具14100の素子若しくはサブシステムを使用した、及び/又はこれらによる外科的機能に影響を及ぼし得る。制御モジュール14152は、例えば、予めプログラミングされたルーチン、操作者による入力、及び/又はシステムフィードバックに基づいて外科的機能に影響を及ぼし得る。様々な例において、第1のモジュール式構成要素14110は、例えば、複数の制御モジュール14152’を含み得る、制御システム14150’を備え得る。制御システム14150’、及び/又は第1のモジュール式構成要素14110の制御モジュール14152’のうちの1つは、制御システム14150及び/又は第2のモジュール式構成要素14120の制御モジュール14152のうちの1つと異なっていてよい。制御システム14150及び14150’は異なり得るが、制御システム14150及び14150’は、対応する機能を制御するように構成され得る。例えば、制御モジュール14152(a)及び制御モジュール14152(a)’は、例えば、いずれもファームウェアモジュール14158に対してコマンドを発行して、発射ストロークを実行する。様々な例において、制御システム14150、14150’のうちの1つ、並びに/又はその制御モジュール14152、14152’は、本明細書で更に詳細に説明するように、更新済みのソフトウェア及び/若しくはファームウェアを含んでよい、並びに/又はより最新の有効日を有し得る。
【0414】
制御モジュール14152、14152’は、例えばソフトウェア、ファームウェア、プログラム、モジュール、及び/若しくはルーチンを備え得、並びに/又は例えば、複数のソフトウェア、ファームウェア、プログラム、制御モジュール、及び/若しくはルーチンを含み得る。様々な状況において、制御システム14150、14150’は、複数のコマンドの階層及び/又はレベルを含み得る。例えば、制御システム14150は、制御モジュール14152の第1の階層14144、制御モジュール14152の第2の階層14146、及び/又は制御モジュール14152の第3の階層14148を含み得る。第1の階層14144の制御モジュール14152は、例えば、第2の階層14146の制御モジュール14152に対してコマンドを発行するように構成され得、第2の階層14146の制御モジュール14152は、第3の階層14148の制御モジュール14152に対してコマンドを発行するように構成され得る。様々な例において、制御システム14150、14150’は、例えば、3層未満、及び/又は3層超を含み得る。
【0415】
更に
図111を参照すると、第1の階層14144の制御モジュール14152は、高レベルのソフトウェア、つまり臨床アルゴリズム14154を含み得る。臨床アルゴリズム14154は、例えば、外科用器具14100の高レベルの機能を制御できる。特定の例において、第2の階層14146の制御モジュール1415は、中間ソフトウェア、つまりフレームワークモジュール14156を含み得、フレームワークモジュール14156は、例えば、外科用器具14100の中間レベルの機能を制御できる。特定の例において、第1の階層14144の臨床アルゴリズム14154は、第2の階層14146のフレームワークモジュール14156に対して抽象的なコマンドを発行して、外科用器具14100を制御できる。更に、第3の階層14148の制御モジュール14152は、例えば、ファームウェアモジュール14158を含んでよく、ファームウェアモジュール14158は、外科用器具14100の特定のハードウェア構成要素14160又は複数のハードウェア構成要素14160に固有であり得る。例えば、ファームウェアモジュール14158は、例えば、外科用器具14100の特定の切断素子、発射バー、トリガー、センサ、及び/若しくはモーターに対応し得、並びに/又は、外科用器具14100の特定サブシステムに対応し得る。様々な例において、フレームワークモジュール14156は、ファームウェアモジュール14158に対してコマンドを発行して、対応するハードウェア構成要素14160を使用して外科的機能を実行し得る。したがって、外科用システム14100の様々な制御モジュール14152は、外科的処置中に通信し得る、及び/又は協働し得る。
【0416】
更に
図111を参照すると、第2の構成要素14120の制御システム14150は、第1の構成要素14110の制御システム14150’に対応し得、第2の構成要素14120の様々な制御モジュール14152は、第1の構成要素14110の制御モジュール14152’に対応し得る。換言すると、各制御モジュール14152は、平行の、つまり対応する制御モジュール14152’を含み得、制御モジュール14152及び14152’の両方は、同一、類似、及び/若しくは関連機能を実行し、並びに/又は同一、類似、及び/若しくは関連コマンドを提供するように構成され得る。更に
図111を参照すると、制御モジュール14152aは、制御モジュール14152a’に対応し得る。例えば、制御モジュール14152a及び14152a’は、どちらも切断素子の発射ストロークを制御するが、例えば、制御モジュール14152aは、第1の切断素子の設計、つまりモデル番号を制御するように構成され得、制御モジュール14152a’は、異なる切断素子の設計、つまりモデル番号を制御するように構成され得る。他の例において、制御モジュール14152a’はソフトウェアプログラムを含み得、制御モジュール14152aは、例えば、更新された、つまり改訂されたバージョンのソフトウェアプログラムを含み得る。
【0417】
様々な例において、外科用器具14100の第1の構成要素14110は、第2の構成要素14120の臨床アルゴリズム14154とは異なる臨床アルゴリズム14154’を含み得る。加えて、及び/又はあるいは、第1の構成要素14110は、第2の構成要素14120の対応するフレームワークモジュール14156とは異なるフレームワークモジュール14156’を含み得、及び/又は第1の構成要素14110は、第2の構成要素14120の対応するファームウェアモジュール14158とは異なるファームウェアモジュール14158’を含み得る。
【0418】
様々な例において、対応する制御モジュール14152、14152’は異なる有効日を含み得る。当業者は、制御モジュール14152、14152’の有効日が、例えば、制御モジュール14152、14152’が設計された、作製された、プログラミングされた、及び/又は更新された日付に対応し得ることを理解するであろう。制御モジュールの有効日は、例えば、制御モジュールのプログラムコードに記録され得る、つまり記憶され得る。特定の例において、外科用器具14100の制御モジュールは、古くなり得る。更に、古い、つまり最近更新されたものではない制御モジュールは、最新の、及び/又はより最近更新された制御モジュールと適合しない、解離している、及び/又は分離されていることがある。したがって、特定の例において、古い制御モジュールを更新して、外科用器具14100の適切かつ有効な操作を確保することが望ましいだろう。
【0419】
様々な例において、外科用システムのモジュール式構成要素は、所定のデフォルトの、つまりマスタ制御システムを含んでよい。かかる例において、組み立てられたモジュール式構成要素の制御システムが異なる場合、デフォルト制御システムは、非デフォルト制御システムを更新、上書き、改訂、及び/又は置換し得る。換言すると、対応する制御モジュールが、例えば、異なる、不適合である、又は矛盾する場合、非デフォルト制御モジュールを更新し得、デフォルト制御モジュールを保ち得る。例えば、ハンドル14110が非デフォルト制御システムである制御システム14150’を備え、シャフト14120がマスタ制御システムである制御システム14150を備える場合、ハンドル14110の制御システム14150’は、シャフト14120の制御システム14150に基づいて更新され得る。
【0420】
シャフト構成要素が、ハンドル構成要素よりも頻繁に更新される、及び/又は修正される状況では、外科用器具のシャフト構成要素14120をデフォルト制御システムに含めるようにプログラミングすることが望ましい場合がある。例えば、シャフト構成要素14120の新世代、及び/又はバージョンが、ハンドル構成要素14110の新世代、及び/又はバージョンよりも頻繁に導入される場合、デフォルトの、つまりマスタ制御システムをモジュール式外科用器具14100のシャフト構成要素14120に含めることが有利であってよい。本開示を通して説明した様々な状況は、シャフト構成要素の制御モジュールに基づいてハンドル構成要素の制御モジュールを更新することに関するが、当業者は、他の想到される状況において、シャフト構成要素及び/又は異なるモジュール式構成要素の制御モジュールは、ハンドル構成要素の制御モジュールの代わりに、又はこれに加えて更新されてよいことを容易に理解するであろう。
【0421】
様々な例において、外科用器具14100(
図109及び110)は、制御システム14150’の各階層、つまりレベルの制御モジュール14152’を、制御システム14150の対応する各階層、つまりレベルの制御モジュール14152と比較し得る。対応する階層の制御モジュール14152及び14152’が異なる場合、制御システム14150、14150’は、例えば、非デフォルトの制御モジュールを更新し得る。
図112を参照すると、工程14201において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の構成要素14110の第1の階層14144’の制御モジュール14152’を第2の構成要素14120の第1の階層14144の制御モジュール14152と比較できる。第1の階層14144、14144’が高レベルの臨床アルゴリズム14154、14154’をそれぞれ含む場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、例えば、臨床アルゴリズム14154及び14154’を比較し得る。更に、工程14203において、第1の階層14144、14144’の制御モジュール14152、14152’が異なる場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、例えば、第1の階層14144のデフォルトのモジュール14152で第1の階層14144の’モジュール14152’を更新できる。様々な例において、制御システム14150は、制御システム及び/又は制御モジュールを比較し得る、及び/又は更新し得る。他の状況において、制御システム14150’は、例えば、制御システム及び/又は制御モジュールを比較し、更新し得る。様々な例において、制御システム14150、14150’のうちの1つは、制御システム及び/又は制御モジュールを比較する、及び/又は更新するように構成され得る。他の例において、両制御システム14150、14150’は、制御システム及び/又は制御モジュールを比較する、及び/又は更新するように構成され得る。
【0422】
工程14205において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の構成要素14110の第2の階層14146の制御モジュール14152’を第2の構成要素14120の第2の階層14146の制御モジュール14152と比較できる。例えば、第2の階層14146、14146’が中間レベルのフレームワークアルゴリズム14156、14156’を含む場合、制御システム14150、14150’は、例えば、フレームワークアルゴリズム14156及び14156’を比較できる。工程14207において、第2の階層14146、14146’のモジュール14152、14152’が異なる場合、制御システム14150、14150’は、第2の階層14146’の制御モジュール14152’を第2の階層14146のデフォルトの制御モジュール14152で更新できる。様々な例において、第2の階層14146’の制御モジュール14152’のうちの1つ、又は2つ以上は、第2の階層14146の対応するモジュール14152と同一であり得るが、対応する第2の階層モジュール14152、14152’のいずれかが異なっている場合、第2の階層14146’のすべての制御モジュール14152’を更新できる。他の例において、本明細書で更に詳細に説明するように、対応するモジュール14152と異なる制御モジュール14152’のみが更新されてよい。
【0423】
工程14209において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の構成要素14110の第3の階層14148’の制御モジュール14152’を第2の構成要素14120の第3の階層14148の制御モジュール14152と比較できる。例えば、第3の階層14148、14148’がファームウェアモジュール14158、14158’をそれぞれ含む場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、例えば、ファームウェアモジュール14158及び14158’を比較できる。第3の階層14148、14148’のモジュール14152、14152’が異なる場合、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、工程211において、第3の階層14148’の制御モジュール14152’を第3の階層14148のデフォルトの制御モジュール14152で更新できる。様々な例において、第3の階層14148’の制御モジュール14152’のうちの1つ、又は2つ以上は、第3の階層14148の対応する制御モジュール14152と同一であり得るが、対応する第3の階層モジュール14152、14152’のいずれかが異なっている場合、第3の階層14148’のすべての制御モジュール14152’を更新できる。他の例において、本明細書で更に詳細に説明するように、対応するモジュール14152と異なる制御モジュール14152’のみが更新されてよい。更に
図112を参照すると、第1の階層の制御モジュール14154、14154’は、例えば、第2の階層の制御モジュール14156、14156’に先立って更新され得、第2の階層の制御モジュール14156、14156’は、例えば、第3の階層の制御モジュール14158、14158’に先立って更新され得る。他の例において、本明細書で更に詳細に説明するように、第3の階層の制御モジュール14158、14158’は、例えば、第2の階層の制御モジュール14156、14156’に先立って更新され得、第2の階層の制御モジュール14156、14156’は、例えば、第1の階層の制御モジュール14154、14154’に先立って更新され得る。
【0424】
上述したように、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、古い制御モジュール14152、14152’及び/又は制御システム14150、14150’の更新、置換、及び/又は上書きに先立って、制御システム14150、14150’及び/又はその制御モジュール14152、14152’を比較してよい。読者は、ソフトウェアの更新及び/又はアップグレードが不要である、又はこれらに値しないときに、この工程が器具の起動時間を短縮し得ることを理解するであろう。あるいは、比較工程14201、14205、及び14209は省略され得、制御システム14150、14150’は、例えば、第1のモジュール式構成要素14110の制御モジュール14152’、及び/又は第1のモジュール式構成要素14110の特定の、所定の制御モジュール14152を自動的に更新してよい、置換してよい、改訂してよい、及び/又は上書きしてよい。
【0425】
様々な例において、制御モジュール14152、14152’は、階層ごとに比較され、更新され得る。他の例において、制御システム14150、14150’は、システムごとに比較され、更新され得る。更に他の例において、制御モジュール14152、14152’は、モジュールごとに更新され得る。例えば、ここで
図113を参照すると、工程14221において、第1の制御システム14150’の第3の階層モジュール14158’は、第2の制御システム14150の対応する第3の階層モジュール14158と比較され得る。様々な例において、第3の階層モジュール14158’の有効日は、対応する第3の階層モジュール14158の有効日と比較され得る。更に、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第3の階層モジュール14158’の有効日が第3の階層モジュール14158の有効日よりも後かどうかを判定され得る。例えば、第3の階層モジュール14158’が第3の階層モジュール14158よりも新しい場合、工程14225において、第3の階層モジュール14158’が保存され得る。その反対に、第3の階層モジュール14158’が第3の階層モジュール14158よりも新しくない場合、すなわち、第3の階層モジュール14158の有効日が対応する第3の階層モジュール14158よりも前であるか、第3の階層モジュール14158及び対応する第3の階層モジュール14158’が同一の有効日を有する場合、第3の階層モジュール14158’は、例えば、対応する第3の階層モジュール14158によって更新され得る、置換され得る、改訂され得る、及び/又は上書きされ得る。更に、様々な例において、工程14221、及び14223又は14225のいずれかは、制御システム14150、14150’の第3の階層の各モジュール14158、14158’に対して繰り返され得る。したがって、第3の階層14148’のモジュール14158’はモジュールごとに更新されてよく、様々な例において、古いモジュール14158’のみが、例えば、更新され得る、及び/又は上書きされ得る。
【0426】
更に
図113を参照すると、第3の階層モジュール14158、14158’のすべてが比較され、場合によっては更新された後、制御システム14150、14150’は工程14227に進むことができる。工程14227において、制御システム14150及び/又は制御システム14150’は、第1の制御システム14150’の第3の階層モジュール14158’が制御システム14150’の第2の階層モジュール14156’と接続している、及び/又は適切に通信していることを確認できる。例えば、第3の階層モジュール14158’が工程14223において更新された状況では、第2の階層モジュール14156’は、更新された第3の階層モジュール14158’から切断されていてよい。第3の階層モジュール14158’が、例えば、第2の階層モジュール14156’から切断されている場合、第2の階層モジュール14156’は、工程14229において、更新され得る、置換され得る、改訂され得る、及び/又は上書きされ得る。第2の階層モジュール14156’は、例えば、第2の制御システム14150の対応する第2の階層モジュール14156によって置換され得る。その反対に、第3の階層モジュール14158’が第2の階層モジュール14156’と適切に接続されている、及び/又は通信している場合、第2の階層モジュール14156’は保存され得る。更に、様々な例において、工程14227、及び14229又は14231のいずれかは、制御システム14150、14150’の第3の階層の各モジュール14158、14158’に対して繰り返され得る。したがって、第2の階層14146’のモジュール14156’はモジュールごとに更新されてよく、様々な例において、切断されたモジュール14156’のみが、例えば、更新され得る、又は上書きされ得る。
【0427】
古い第3の階層モジュール14158’(工程14221及び14223)を更新し、すべての更新された第3の階層モジュール14158’(存在する場合)が第1のモジュール式構成要素14110の適切な第2の階層モジュール14156’に接続された(工程14227、14229、及び14231)後で、制御システム14150、14150’は工程14233に進むことができる。この工程では、第1の制御システム14150’の第1の階層モジュール14154’が、第2の制御システム14150の対応する第1の階層モジュール14154と比較され得る。第1の階層モジュール14154、14154’が同一である場合、更新及び/又は修正プロセスは完了し得る。その反対に、第1の階層モジュール14154、14154’が異なっている場合、第1の制御システム14150’の第1の階層モジュール14154’は、第2の制御システム14150の第1の階層モジュール14154によって更新され得る、置換され得る、改訂され得る、及び/又は上書きされ得る。
【0428】
本明細書に記載するように、モジュール式構成要素14110、14120のソフトウェア及び/又はファームウェアモジュールは、モジュールごと、階層ごと、及び/又はシステムごとに、更新され得る、改訂され得る、及び/又は置換され得る。特定の例において、モジュール式構成要素が装着されている、及び/又は動作可能に結合されているとき、更新及び/又は改訂プロセスは自動的であり得る。他の状況において、外科用器具14100の操作者は、本明細書に記載の更新及び/又は改訂プロセスを開始できる、又は引き起こすことができる。
【0429】
様々な例において、例えば、モジュール式外科用器具14100(
図109及び110)などモジュール式外科用器具は、係合センサ及びディスプレイと信号通信するマイクロコントローラを含み得る。様々な例において、係合センサは、外科用システムのモジュール式構成要素の相対位置を検知できる。再び
図109及び110を参照すると、例えば、第1のモジュール式構成要素14110がハンドルを備え、第2のモジュール式構成要素14120がシャフトを備える場合、係合センサは、シャフト14120がハンドル14110と係合しているか、及び/又は動作可能に結合しているかを検知できる。様々な例において、シャフト14120は、ハンドル14110(
図109)との係合とハンドル14110からの係合解除(
図110)との間を移動できる。
【0430】
主として
図114(A)及び114(B)を参照すると、例えば、係合センサ14602など係合センサは、例えば、外科用システムのマイクロコントローラ14604などマイクロコントローラと信号通信し得る。様々な例において、係合センサ14602は、モジュール式構成要素14110、14120が、例えば、係合しているか、係合解除しているかを検知し得、例えば、係合又はその不在をマイクロコントローラ14604に伝え得る。係合センサ14602が、例えば、シャフト14120がハンドル14110と係合していることを示すとき、マイクロコントローラ14604は、モジュール式外科用器具14100(
図109)による外科的機能を許可し得る。例えば、モジュール式構成要素14110、14120が動作可能に結合している場合、ハンドル14110での発射トリガー14112(
図109)の作動は、例えば、シャフト14120における発射動作に影響を及ぼし得る、又は少なくとも影響を及ぼそうとする。その反対に、係合センサ14602が、シャフト14120はハンドル14110と係合解除していることを示す場合、マイクロコントローラ14604は外科的機能を阻止し得る。例えば、モジュール式構成要素14110、14120が切断されている場合、発射トリガー14612の作動は、シャフト14120における発射動作に影響を及ぼさなくてよい、又は影響を及ぼそうとしなくてよい。
【0431】
様々な例において、モジュール式外科用器具14100は、例えば、ディスプレイ14606(
図114(B))などディスプレイを含み得る。ディスプレイ14606は、外科用器具14100のモジュール式構成要素14110、14120のうちの1つに組み込まれ得る、及び/又はモジュール式構成要素14110、14120の外部にあり、外科用器具14100のマイクロコントローラ14604と信号通信し得る。様々な例において、マイクロコントローラ14604は、係合センサ14602によって検知された情報をディスプレイ14606に伝えることができる。例えば、ディスプレイ14606は、モジュール式構成要素14110、14120の係合及び/又は非係合を示すことができる。更に、様々な例において、ディスプレイ14606は、(a)外科用器具14100の係合解除された構成要素14110、14120の適切な装着方法、結合方法、及び/若しくは係合方法、並びに/又は(b)外科用器具14100の係合された構成要素14110、14120の適切な装着解除方法、分離方法、及び/若しくは係合解除方法に関する指示並びに/又は助言を提供できる。再び
図114(A)を参照すると、様々な例において、係合センサ14604は、ホール効果スイッチを備え得、他の例において、係合センサは、例えば、異なる、及び/又は追加のセンサ及び/又はスイッチを備え得る。
【0432】
特定の状況において、係合センサ14604は、外科用器具のモジュール式構成要素間での係合の程度を検知できる。例えば、第1の構成要素がハンドル14110を備え、例えば、第2の構成要素がシャフト14120を備える例において、ハンドル14110及びシャフト14120は、係合解除位置、部分的係合位置、及び係合位置の間を移動できる。部分的係合位置は、例えば、係合解除位置と、係合位置との中間であり得、例えば、係合位置と係合解除位置との中間には、複数の部分的係合が存在してよい。様々な例において、係合センサ14604は複数のセンサを含み得、これらのセンサは、構成要素14110、14120の部分的係合位置を検知できる。例えば、係合センサ14606は、例えば、複数のセンサ及び/又は電気接点を備え得、これらは、例えば、モジュール式構成要素14110、14120のうちの少なくとも1つの装着部に沿ってずれて配置され得る。様々な例において、例えば、係合センサ14604はホール効果センサを備え得る。
【0433】
特定の例において、主として
図115(A)及び115(B)を参照すると、外科用システム14100は、例えば、マイクロコントローラ14614などマイクロコントローラと信号通信する、複数のセンサを含み得る。複数のセンサは、第1のセンサ14612(
図115(A))を含み得、第1のセンサ14612は、第1の構成要素14120の存在を検知でき、例えば、第1の構成要素14120の存在をマイクロコントローラ14614に伝えることができる。様々な例において、第1のセンサ14612は、例えば、第1の構成要素14110と第2の構成要素14120との係合の程度を検知しなくてよい、及び/又はこの程度を伝えなくてよい。様々な例において、第2のセンサ14613(
図115(A))はまた、マイクロコントローラ14614と信号通信できる。第2のセンサ14613は、例えば、モジュール式構成要素14110と14120との係合の程度を検知できる。
【0434】
図114(A)及び114(B)に示す制御システムと同様に、マイクロコントローラ14614は、センサ14612及び14613から受信したフィードバックに基づいてコマンドを発行できる、並びに/又はディスプレイと信号通信してフィードバックを表示できる、及び/若しくは別様に外科用システムの操作者に伝えることができる。例えば、マイクロコントローラ14614は、モジュール式構成要素14110、14120が係合位置になるまで外科的機能を阻止でき、モジュール式構成要素14110、14120が、例えば、部分的に係合すると、外科的機能を阻止できる。更に、マイクロコントローラ14614は、係合センサによって検知された情報をディスプレイに伝えることができる。例えば、ディスプレイは、モジュール式構成要素14110、14120の係合、部分的係合、及び/又は非係合を示すことができる。更に、様々な例において、ディスプレイは、例えば、外科用器具の係合解除された、及び/又は部分的に係合された構成要素14110、14120の適切な装着方法、結合方法、及び/又は係合方法に関する指示及び/又は助言を提供できる。
【0435】
様々な例において、外科用器具は、例えば、マイクロプロセッサ14604(
図114(A)及び114(B))又は14614(
図115(A)及び115(B))などマイクロプロセッサを含み得、これらのマイクロプロセッサは、メモリチップ又はメモリユニットと信号通信し得る。マイクロプロセッサは、外科用器具の様々なセンサ、プログラム、及び/又は回路によって検知された及び/又は計算されたデータ及び/又はフィードバックを、例えば、メモリチップに伝えることができる。様々な例において、記録されたデータは、例えば、外科的処置の時間及び/又は継続期間、並びに様々な機能及び/又は外科的処置の一部の時間及び/又は継続期間に関し得る。加えて、又はその代わりに、記録されたデータは、例えば、治療部位における状態及び/又は外科用器具内の状態に関し得る。特定の例において、データの記録は自動的であり得、他の例において、マイクロプロセッサは、データの記録を指示されない限り、及び/又は指示されるまではデータを記録しなくてよい。例えば、外科的処置中にデータを記録し、記録したデータをメモリチップに保持する、つまり記憶する、及び/又は記録したデータを安全な場所に転送することが望ましい場合がある。他の状況において、例えば、外科的処置にデータを記録し、記録したデータをその後削除することが望ましい場合がある。
【0436】
外科用器具及び/又はそのマイクロコントローラは、データ記憶プロトコルを含み得る。データ記憶プロトコルは、例えば、データの記録、処理、記憶、伝送、及び/又は削除の規則を提供し得る。様々な例において、データ記憶プロトコルは、外科用器具のライフサイクル中にプログラミングされ得る、及び/又は更新され得る。様々な例において、データ記憶プロトコルは、外科的機能及び/又は外科手術の完了後に記録されたデータの削除を命令し得、他の例において、データ記憶プロトコルは、所定の期間の経過後に記録されたデータの削除を命令し得る。例えば、記録されたデータは、データ記憶プロトコルに従って、外科的機能の1分後、1時間後、1日後、1週間後、1か月後、又は1年後に削除され得る。所定の期間は、その状況下で許される、任意の好適かつ適切な期間であり得る。
【0437】
特定の状況において、データ記憶プロトコルは、例えば、発射ストロークなど外科的機能の所定の回数後に、記録されたデータの削除を命令し得る。更に他の例において、データ記憶プロトコルは、外科用器具の電源がオフになると、記録されたデータの削除を命令し得る。例えば、
図117を参照すると、外科用器具の電源がオフの場合、マイクロコントローラは工程14709に進むことができ、この工程では、マイクロコントローラは、例えば、器具、構成要素、又はサブシステムの不具合などエラー又は重大な問題が外科的処置中に生じたかどうかを判定できる。様々な例において、エラーが検知されると、マイクロコントローラは工程14713に進むことができ、この工程では、データは、例えば、メモリチップに記憶され得る。更に、特定の例において、エラーが検知されないと、マイクロコントローラは工程14711に進むことができ、この工程では、データは、例えば、削除され得る。他の例において、データ記憶プロトコルは工程14709を含まなくてよく、データ記憶プロトコルは、例えば、重大なエラー又は不具合をチェックせずに続行し得る。
【0438】
更に他の例において、データ記憶プロトコルは、外科用器具の所定の期間の休止、つまり静止後に、記録されたデータの削除を命令し得る。例えば、外科用器具が下に置かれる、及び/又は保管される場合、データ記憶プロトコルは、外科用器具の所定期間の静止、つまりアイドル状態後に、記録されたデータの削除を命令し得る。必要な静止期間は、例えば、1分、1時間、1日、1週間、1か月、又は1年であり得る。所定の静止期間は、その状況下で許される、任意の好適かつ適切な期間であり得る。様々な例において、外科用器具は、例えば、外科用器具の動作及び静止を検知できる、加速度計を含み得る。再び
図117を参照すると、工程14701において、外科用器具の電源がオフになっていないとき、加速度計は、外科用器具の動作を検知するように設定され得る。工程14707における所定のアイドル状態期間の経過よりも前に、工程14703において動作が検知されると、工程14705において、所定のアイドル時間カウントが再び開始され得る。その反対に、工程14707における所定のアイドル状態期間の経過よりも前に、加速度計によって動作が検知されない場合、マイクロプロセッサは、例えば、工程14709に進むことができる。他の状況において、マイクロプロセッサは、データ記憶プロトコルに応じて、例えば、器具エラー又は不具合をチェックせずに工程14711又は14713に直接進むことができる。
【0439】
本明細書に記載するように、データ記憶プロトコルは、記録されたデータの削除に関する1つ、又は2つ以上の(one of more)デフォルトの規則を含み得る。しかしながら、特定の例において、デフォルトの規則又は手順をオーバーライドすることが望ましいことがある。例えば、研究及び/又は開発を目的として、記録されたデータをより長い期間にわたって記憶することが望ましい場合がある。加えて、又はその代わりに、教育及び/又は長鎖を目的として記録されたデータを記憶することが望ましい場合がある。更に、様々な例において、データ記憶プロトコルはエラーチェック工程を含まなくてよく、かかる例において、例えば、外科的処置中に操作者がエラー及び/又は異常を検知する、又は疑うとき、データ記憶プロトコルをオーバーライドし、データを確実に記憶することが望ましい場合がある。復元されたデータは、例えば、手順の再検討、及び/又はエラー原因の判定を容易にし得る。様々な例において、標準的なデータ記憶プロトコルを克服する、つまりオーバーライドするために、キー、又は入力が必要であってよい。様々な例において、キーは、外科用器具及び/又はリモート記憶装置に入力でき、例えば、操作者及び/又は外科用器具のユーザーが入力できる。
【0440】
様々な例において、外科用システムは、ユーザー又は器具操作者に対して、各外科的処置又は機能についてデータの削除又はデータの記憶のいずれかを選択するように指示してよい。例えば、データ記憶プロトコルは、ユーザーからの指示を求めるように命令してよく、ユーザーの指示に従って次の動作を命令してよい。外科用システムは、特定のトリガーイベント、例えば、器具の電源切断、所定の期間の経過、又は特定の外科的機能の完了などの発生時に、ユーザーからの指示を求めてよい。
【0441】
特定の例において、外科用システムは、例えば、外科用器具の電源切断時にユーザーからの入力を要求し得る。
図116を参照すると、ユーザーが、例えば、工程14801において、外科用器具の電源切断を開始するとき、外科用システムは、ユーザーからのデータ記憶指示を要求し得る。例えば、工程14803において、外科用システムのディスプレイは、「データの保存Y/N?」と質問し得る。様々な例において、外科用システムのマイクロコントローラは、工程14805において、ユーザー入力を読み取り得る。ユーザーがデータの記憶を要求する場合、マイクロコントローラは工程14809に進むことができ、この工程では、データは、外科用システムのメモリユニット又はメモリチップに記憶される。ユーザーがデータの削除を要求する場合、マイクロコントローラは工程14811に進むことができ、この工程では、データが消去される。様々な例において、ユーザーは、入力を行わなくてよい。かかる例において、データ記憶プロトコルは、工程14813において特定のプロセスを命令し得る。例えば、データ記憶プロトコルは、例えば、「プロセスI」、「プロセスII」、又は別のプロセスを命令してよい。特定の例において、例えば、「プロセスI」は、工程14813(a)においてデータの削除を命令し得、「プロセスII」は、工程14813(b)においてデータの記憶を命令し得る。様々な状況において、ユーザーは、例えば、指示を求められる前に、外科用器具に指示を提供できる。加えて、又はその代わりに、外科用システムに関連付けられるディスプレイは、例えば、外科的機能の開始に先立って、及び/又は機器の使用中の時々において、ユーザーからの指示を要求できる。
【0442】
データが外科用器具のメモリに記憶される場合、データは、安全に記憶され得る。例えば、記憶されたデータにアクセスするには、コード又はキーが要求されてよい。特定の例において、アクセスキーは、識別コードを含み得る。例えば、識別コードは、外科用器具の操作者、ユーザー、又は所有者に固有であり得る。かかる例において、権限保持者のみが許可された識別コードを得ることができ、したがって、関係者のみが記憶されたデータにアクセスできる。加えて、又はその代わりに、アクセスキーは、例えば、器具に固有であり得る、及び/又は製造業者のコードであり得る。特定の例において、アクセスキーは、安全なサーバーを含み得、データは、例えば、認可されたBluetooth及び/又は無線周波数(RF)通信によって転送され得る、及び/又はアクセスされ得る。更に他の状況において、アクセスキーは、外科用器具のデータ交換ポートに物理的に結合され得る、メモリキー及び/又はデータ交換ポートコネクタなど物理的キーを含み得る。かかる例において、アクセスキーは、例えば、安全なデータへのアクセスを得るように、並びにデータを安全に保管するように、及び/又は安全に転送するように、予めプログラミングされ得る。様々な状況において、アクセスキーは、例えば、特定の外科用器具に対応し得る。
【0443】
様々な例において、外科用器具のメモリ装置からのデータ抽出は、様々なセキュリティ対策によって限定され得る。特定の例において、外科用器具のメモリ装置は、安全なデータ接続、つまり、データ交換ポートを備え得る。例えば、データ交換ポートは、独自の幾何学形状、つまり形状を有し得、関係者のみが、例えば、独自の幾何学形状、つまり形状に適合するように設計され、構築された対応するポートキーを得ることができる。様々な例において、データ交換ポートは、機械的ロックを備え得、この機械的ロックは、例えば、プラグ、複数のピン、及び/又は複数のばねを備え得る。様々な例において、物理的キー又は抽出装置は、データ交換ポートの機械的ロックをロック解除できる。例えば、物理的キーは、例えば、複数のピンに接触し、複数のばねを変形させ、及び/又はロックされた向きからロック解除された向きにプラグを偏向させて、データ交換ポートをロック解除できる。
【0444】
様々な例において、データ交換ポートは、少なくとも1つの接続ピンを備え得、この接続ピンは、偏向され得る、及び/又は第1の位置に保持され得る。物理的キーがデータ交換ポートに挿入される、及び/又はデータ交換ポートと係合すると、例えば、物理的キーは、接続ピンを第1の位置から第2の位置に偏向させる。様々な例において、第1の位置は、例えば、後退位置を含み得、第2の位置は、例えば、延出位置を含み得る。更に、接続ピンが第2の位置に移動すると、接続ピンは、例えば、物理的キー内のデータ接続ポートと動作可能に連係し得る。したがって、メモリ装置のデータ交換ポートは、例えば、接続ピンを介して物理的キーのデータ交換ポートと信号通信を開始することができ、データは、これらの間で交換され得る、及び/又は転送され得る。様々な例において、物理的キーは、例えば、モジュール式構成要素を備え得、これらの構成要素は、モジュール式外科用器具に着脱可能に装着するように構成され得る。特定の例において、物理的キーは、外科用器具14100のモジュール式構成要素14110、14120(
図109及び110)の代わりに使用され得る、又は模倣し得る。例えば、物理的キーは、ハンドル14120内のメモリ装置からデータを転送するために、例えば、シャフト装着具14120の代わりにハンドル14110の装着部に装着され得る。
【0445】
加えて、又はその代わりに、キー又は抽出装置は、セキュリティトークンを含み得る。様々な例において、データ交換ポートは、例えば、暗号化され得る、並びに/又はキーは、データ交換ポートに情報若しくはコードを提供して、キーは、データ交換ポートからデータを抽出する権限を与えられている、及び/若しくはこれを承認されていることを確認し得る。特定の状況において、キーは、例えば、特殊なデータ読み取り装置を備え得、データは、例えば、光データ伝送装置を介して転送され得る。
【0446】
ここで
図118(A)〜118(C)を参照すると、データアクセスが提案されたデータ読み取り装置に与えられる前に、データ読み取り装置は、外科用器具による検証、及び/又は確認を必要とすることがある。例えば、工程14821において、提案されたデータ読み取り装置は、外科用器具のチェックサム値を要求し、読み取り得る。
図118(C)に示す外科用器具のフローチャートに示すように、外科用器具は、工程14841において、まず提案されたデータ読み取り装置の要求を受信し得、次いで、工程14843において、提案されたデータ読み取り装置にチェックサム値を送信し得る。再び
図118(A)を参照すると、工程14823において、提案されたデータ読み取り装置は、外科用器具によって提供されたチェックサム値に基づいて、適切な戻りコードを計算し得る、又は判定し得る。提案されたデータ読み取り装置は、例えば、コードテーブルへのアクセスを有し、提案されたデータ読み取り装置が適切にデータにアクセスしようとする場合、コードテーブルで適切な戻りコードを入手できる。かかる例において、提案されたデータ読み取り装置は、工程14823において戻りコードを引き出すか、計算することができ、工程14825において、その戻りコードを外科用器具に送信できる。再び
図118(C)を参照すると、工程14845において、提案されたデータ読み取り装置から戻りコードを受信すると、外科用器具は、工程14847においてその戻りコードが正しいことを検証できる。コードが正しくない場合、例えば、外科用器具のマイクロプロセッサは工程14849に進むことができ、外科用器具はシャットダウンし得るか、記憶されたデータへのアクセスは別様に拒否され得る。しかしながら、コードが正しい場合、例えば、マイクロプロセッサは工程14851に進むことができ、外科用器具は、提案されたデータ読み取り装置にデータアクセスを提供し得る。例えば、データは、工程14851において、データ読み取り装置に安全に転送され得る。その後、工程14827(
図118(A))において、提案されたデータ読み取り装置は、例えば、外科用器具からデータを読み取ることができる。様々な例において、転送されたデータは、例えば、暗号化され得、データ読み取り装置は、例えば、そのデータの読み取りに先立って、理解できないデータを復号する必要があってよい。
【0447】
主として
図118(B)を参照すると、別のデータ抽出セキュリティ法は、例えば、
図118(A)に示す方法と類似し得、これもまた読み取り装置固有のコードを考慮する必要があり得る。読み取り装置は、工程14831において装置のチェックサムを読み取ることができ、戻りコードはこのチェックサムに基づき得るが、様々な状況において、提案されたデータ読み取り装置は読み取り装置固有のコードを有し得、コードテーブルからの適切な戻りコードは、読み取り装置固有のコードに基づき得る。例えば、提案されたデータ読み取り装置は、工程14832において、読み取り装置固有のコードを考慮し得、工程14833において、例えば、読み取り装置固有のコード及びコードテーブルに基づいて、戻りコードを決定し得る。提案されたデータ読み取り装置は、例えば、工程14835において、読み取り装置固有のコード及び戻りコードを外科用器具に提供できる。かかる例において、再び
図118(C)を参照すると、外科用器具のマイクロコントローラは、工程14845において、戻りコード及び読み取り装置固有のコードを検証できる。更に、これらのコードが正しい場合、外科用器具は、提案されたデータ読み取り装置へのアクセスを提供できる。その後、工程14827(A)において、提案されたデータ読み取り装置は、例えば、外科用器具からデータを読み取ることができる。コードのいずれか、又は両方が正しくない場合、外科用器具は、読み取り装置によるデータの読み取りを阻止することができる。例えば、外科用器具はシャットダウンするか、別様に読み取り装置へのデータの転送を制限する。
【0448】
ここで
図119を参照すると、様々な例において、外科用システムは外科用器具21600を備え得、外科用器具21600は、複数のモジュール式構成要素で形成され得る。本明細書で更に詳細に説明するように、ハンドル構成要素は、例えば、複数の異なるシャフト構成要素に適合し得、例えば、ハンドル構成要素及び/又はシャフト構成要素は再利用可能である。更に、外科用器具21600のマイクロコントローラは、例えば、ロック回路を含み得る。様々な例において、ロック回路は、例えば、ロック回路がロック解除されるまで、外科用器具の作動を阻止できる。様々な状況において、操作者は、一時的なアクセスコードを外科用システムに入力して、例えば、マイクロコントローラのロック回路をロック解除できる。
【0449】
様々な状況において、操作者は、一時的なアクセスコードを購入するか、別様に得て、外科用システムに入力することができる。例えば、器具の製造者又は販売者は、アクセスコードを販売することができ、かかるアクセスコードは、外科用器具21660をロック解除し、したがってこれを使用するために必要であり得る。様々な例において、アクセスコードは、所定の期間にわたってロック回路をロック解除できる。器具の製造者又は販売者は、異なる使用期間を購入用に提供でき、ユーザーは、所望の、つまり好ましい使用期間を選択し、購入又は入手することができる。例えば、ユーザーは、10分間の使用、1時間の使用、又は1日の使用を取得してよい。他の例において、追加の、及び/又は異なる好適な使用期間が、販売又は許可用に提供される。様々な例において、取得した使用期間が切れると、ロック回路は再ロックされ得る。他の例において、アクセスコードは、所定の外科的機能の回数に対して、ロック回路をロック解除し得る。例えば、ユーザーは、例えば、単回の器具の発射若しくは複数回の発射を購入してよい、又は別様に入手してよい。更に、ユーザーが購入した、つまり許可された回数だけ器具を発射すると、ロック回路は再びロックされ得る。更に他の例において、アクセスコードは、例えば、永久にロック回路をロック解除し得る。
【0450】
様々な例において、操作者は、キーパッド又は他の好適な入力装置を介して、一時的なアクセスコードを外科用システムに直接入力できる。他の例において、ロック回路は、不揮発性メモリユニットを外科用器具21600に結合することによってロック解除され得、この不揮発性メモリユニットは、予めプログラミングされたアクセスコードを含む。様々な例において、不揮発性メモリユニットは、例えば、外科用器具21660の電池21650に装着され得る。更に、不揮発性メモリユニットは、再装着され得る、及び/又は交換され得る。例えば、ユーザーは、交換用不揮発性メモリユニットを購入できる。加えて、又はその代わりに、以前に入手したアクセスコードの期限が切れたか、経過した後で、例えば、新しいコードを購入し、不揮発性メモリユニットにアップロードすることができる。様々な例において、新しいコードは、例えば、電池1650が電源及び/又は外部コンピュータ21670に結合されると、不揮発性メモリユニットにロードされ得る。
【0451】
他の例において、一時的アクセスコードは、ディスプレイスクリーン、コンピュータ、及び/又はヘッドアップディスプレイなど外部、つまりリモートアクセスコード入力部に入力され得る。例えば、一時的アクセスコードは、コンピュータ21660を介して購入され得、コンピュータ21660に結合された無線周波数(RF)装置21680に伝送され得る。様々な例において、外科用器具21600は、例えば、無線周波数装置21680と信号通し得る、受信機又はアンテナを備え得る。かかる例において、無線周波数装置21680は、例えば、取得した一時的アクセスコードを外科用器具21600の受信機に伝送できる。したがって、ロック回路をロック解除することができ、操作者は、例えば、購入した期間及び/又は外科的機能の回数の間、外科用器具21600を使用できる。
【0452】
様々な例において、モジュール式外科用器具は、外科用器具からのデータ及び/又はフィードバックを示す、外部ディスプレイに適合してよい。例えば、外科用器具は、外科的処置からのフィードバックを表示するための器具用ディスプレイを備え得る。様々な例において、器具用ディスプレイは、例えば、器具のハンドルに位置付けられ得る。特定の例において、器具用ディスプレイは、例えば、内視鏡から見たビデオ画像を示し得る。加えて、又はその代わりに、ディスプレイは、例えば、感知した、測定した、概算した、及び/又は計算した、外科用器具、外科手術、及び/又は手術部位の特徴を検知できる。様々な例において、フィードバックを外部ディスプレイ伝送することは望ましいことがある。外部ディスプレイは、例えば、複製された、及び/又は再生されたフィードバックの拡大図を提供でき、これにより、複数の操作者及び/又は助手がフィードバックを同時に確認できる。様々な例において、例えば、外部ディスプレイに接続するために外科用器具を選択してよく、他の例において、外科用器具は自動的に選択されてよい。
【0453】
図120を参照すると、外部ディスプレイ21700は、例えば、外科用器具のエンドエフェクタ21720及び/又は手術部位を示し得る。外部ディスプレイ21700はまた、例えば、外科用器具によって感知された、及び/又は測定されたフィードバック及び/又はデータを示し得る。様々な例において、外部ディスプレイ21700は、外科用器具のディスプレイに提供されたフィードバックを複製し得る。特定の状況において、外科用器具は、例えば、外部ディスプレイ21700及び/又は外部、つまり手術室のディスプレイ21700と信号通信する無線受信機と自動的に接続し得る。かかる例において、操作者は、複数の外科用器具が外部ディスプレイ21700に接続しようとしている場合に通知され得る。本明細書に記載するように、操作者は、例えば、外部ディスプレイ21700のメニューから所望の外科用器具を選択できる。更に他の例において、操作者は、外科用器具に入力することによって、所望の外科用器具を選択できる。例えば、操作者は、コマンドの発行、シーケンスの制御、又はコードの入力を行って、外科用器具を選択できる。様々な例において、操作者は、外科用器具で特定の制御シーケンスを完了して、この外科用器具を選択してよい。例えば、操作者は、外科用器具の電源を投入し、所定の期間内に、例えば、リバースボタンを所定の期間押し続けて、外科用器具を選択してよい。器具が選択されると、選択された器具用ディスプレイ上のフィードバックが、例えば、外部ディスプレイ21700に再送信され得る、又は複製され得る。
【0454】
特定の例において、外科用システムは、近接センサを含み得る。例えば、外部ディスプレイ及び/又は無線受信機は近接センサを備え得、この近接センサは、外科用器具がその所定の範囲内に接近するとき、それを検知できる。主として
図121及び122を参照すると、ディスプレイ21700及び/又は無線受信機が外科用器具を検知すると、ディスプレイはユーザーに通知できる。特定の状況において、ディスプレイ及び/又は無線受信機は、複数の外科用器具を検知してよい。
図121を参照すると、ディスプレイ21700は、例えば、目立たない通知21704を含み得、通知21704は、外科用器具又は複数の外科用器具がディスプレイ21700の近くで検知されていることをユーザーに伝え得る。したがって、ディスプレイ21700の制御部、例えばコンピュータなどを使用するとき、ユーザーは、通知21704をクリックして、器具の選択メニュー(
図122)を開くことができる。メニュー21706は、例えば、使用可能な外科用器具を示し得、ユーザーは、ディスプレイ21700上に送信する、好ましい外科用器具を選択できる。例えば、メニュー21706は、使用可能な外科用器具のシリアル番号及び/又は名前を示し得る。
【0455】
特定の例において、選択された外科用器具は、その選択内容を確認するために、操作者にフィードバックを提供し得る。例えば、選択された外科用器具は、例えば、聴覚フィードバック又は触覚フィードバックを提供し得る。加えて、選択された外科用器具は、そのフィードバックの少なくとも一部を外部ディスプレイ21700に送信し得る。特定の例において、操作者は複数の外科用器具を選択でき、ディスプレイ21700は、選択された外科用器具で共有され得る。加えて、又はその代わりに、手術室は、複数のディスプレイを含み得、例えば、各ディスプレイに対して少なくとも1つの外科用器具が選択され得る。様々な外科用システムの特徴及び/又は構成要素は、2013年8月23日出願の米国特許出願第13/974,166号、名称「FIRING MEMBER RETRACTION DEVICES FOR POWERED SURGICAL INSTRUMENTS」に説明されており、この特許のすべての内容が、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0456】
以下のすべての開示内容が参照によって本明細書に組み込まれる。
1995年4月4日に発行された米国特許第5403312号、名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」
2006年2月21日に発行された米国特許第7000818号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」
2008年9月9日に発行された米国特許第7422139号、名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」
2008年12月16日に発行された米国特許第7464849号、名称「ELECTRO−MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」
2010年3月2日に発行された米国特許第7670334号、名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」
2010年7月13日に発行された米国特許第7753245号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」
2013年3月12日に発行された米国特許第8393514号、名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」
米国特許出願第11/343,803号、名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」
2008年2月14日に出願された米国特許出願第12/031573号、名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」
2008年2月15日に出願された、米国特許出願第12/031873号、名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」(現在の米国特許第7980443号)
米国特許出願第12/235782号、名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」(現在の米国特許第8,210,411号)
米国特許出願第12/249,117号、名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」(現在の米国特許出願公開第2010/0089970号)
米国特許出願第12/647100号、名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」(現在の米国特許第8220688号)
2012年9月29日に出願された、米国特許出願第12/893461号、名称「STAPLE CARTRIDGE」(現在の米国特許出願公開第2012/0074198号)
2011年2月28日に出願された、米国特許出願第13/036,647号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」(現在の米国特許出願公開第2011/0226837号)
米国特許出願第13/118241号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」(現在の米国特許出願公開第2012/0298719号)
2012年6月15日に出願された、米国特許出願第13/524,049号、名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800025号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」
2006年1月31日に出願された、米国特許出願公開第2007/0175955号、名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」及び
2010年4月22日に出願された、米国特許出願公開第2010/0264194号、名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」。
【0457】
様々な実施形態に従って、本明細書に記載の外科用器具は、様々なセンサに結合された1つ、又は2つ以上のプロセッサ(例えば、マイクロプロセッサ又はマイクロコントローラ)を備えてよい。プロセッサに加えて、記憶装置(動作論理を有する)及び通信インターフェイスは互いに結合されている。
【0458】
プロセッサは、動作論理を実行するように構成されてよい。プロセッサは、当該技術分野で知られている多数のシングル又はマルチコアプロセッサのうちの任意の1つであってよい。記憶装置は、動作論理の永久及び一時(ワーキング)コピーを記憶するように構成された揮発性及び不揮発性記憶媒体を備え得る。
【0459】
様々な実施形態において、上述のように、動作論理は、ユーザーの動作データに関連付けられた収集済みの生体認証を処理するように構成され得る。様々な実施形態において、動作論理は、初期の処理を実施し、アプリケーションをホストするコンピュータにデータを伝送して命令を判断及び生成するように構成され得る。これらの実施形態の場合、動作論理は、ホストコンピュータから情報を受信し、ホストコンピュータにフィードバックを提供するように更に構成され得る。別の実施形態において、動作論理は、情報を受信しフィードバックを判定する上でより大きな役割を負うように構成され得る。いずれの場合も、それ自体で判定するか、ホストコンピュータからの命令に応答するかにかかわらず、動作論理は、ユーザーへのフィードバックを制御及び提供するように更に構成され得る。
【0460】
様々な実施形態において、動作論理は、プロセッサの命令セットアーキテクチャ(ISA)によってサポートされる命令によって、あるいは、高水準言語によって、そしてサポートされるISAにコンパイルして実装され得る。動作論理は、1つ以上の論理ユニット又はモジュールを含み得る。動作論理は、オブジェクト指向の方式で実装され得る。動作論理は、マルチタスキング及び/又はマルチスレッド方式で実行されるように構成されてもよい。他の実施形態において、動作論理は、ゲートアレイなどのハードウェアに実装されてもよい。
【0461】
様々な実施形態において、通信インターフェイスは、周辺装置とコンピューティングシステムとの間の通信を促進するように構成され得る。この通信は、ユーザーの身体部位の位置、姿勢、及び/又は運動データに関連する収集済みの生体データをホストコンピュータに伝送すること、並びに、触覚フィードバックに関連するデータをホストコンピュータから周辺装置へ伝送することを含み得る。様々な実施形態において、通信インターフェイスは、有線通信インターフェイスであっても、無線通信インターフェイスであってもよい。有線通信インターフェイスの例には、限定するものではないが、ユニバーサルシリアルバス(USB)インターフェイスを挙げることができる。無線通信インターフェイスの例には、限定するものではないが、Bluetoothインターフェイスを挙げることができる。
【0462】
様々な実施形態に対し、プロセッサは動作論理と共にパッケージ化されてもよい。様々な実施形態において、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてシステムインパッケージ(SiP)を形成してもよい。様々な実施形態において、プロセッサは、同じダイで動作論理と統合されてもよい。様々な実施形態において、プロセッサは、動作論理と共にパッケージ化されてシステムオンチップ(SoC)を形成してもよい。
【0463】
様々な実施形態が、本明細書では、プロセッサによって実行されているソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンなど、コンピュータ実行可能な命令の一般的状況において説明され得る。一般的に、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定の動作を行う又は特定の抽象データタイプを実現するように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、特定のタスクを行う又は特定の抽象データタイプを実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンコンポーネント並びに方法の実現は、コンピュータ読取可能媒体のいくつかの形態にわたって記憶及び/又は送信され得る。この点において、コンピュータ読取可能媒体は、計算機が情報を記憶してアクセスできるように使用可能な任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態は更に、動作が通信ネットワークを通して接続される1つ以上の遠隔処理装置によって行われる分散コンピューティング環境にて実行されてもよい。分散コンピューティング環境では、ソフトウェア、プログラムモジュール、及び/又はエンジンは、メモリ記憶デバイスを含むローカル及び遠隔コンピュータ記憶媒体の両方に配されていてもよい。情報及びプロセッサで実行される命令を記憶するために、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的記憶装置などのメモリが用いられ得る。メモリはまた、プロセッサによって命令を実行する間、一時変数又は他の中間情報を記憶するために使用されてもよい。
【0464】
いくつかの実施形態は様々な動作を行う機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールを備えるように示されて記載されるが、このようなコンポーネント又はモジュールは1つ以上のハードウェアコンポーネント、ソフトウェアコンポーネント、及び/又はその組み合わせから実現されてもよいように認識されるであろう。機能コンポーネント、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールは、例えば、ロジックデバイス(例えば、プロセッサ)によって実行されるように、論理(例えば、指示、データ、及び/又はコード)によって実現されてもよい。このような論理は、1つ以上の種類のコンピュータ読取可能記憶媒体上に、ロジックデバイスの中又は外に記憶されてもよい。他の実施形態では、ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールなどの機能コンポーネントは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、回路、回路要素(例えば、トランジスタ、抵抗器、コンデンサ、インダクタなど)、集積回路、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブルロジックデバイス(PLD)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、論理ゲート、レジスタ、半導体装置、チップ、マイクロチップ、チップセットなどを含み得るハードウェア要素によって実現されてもよい。
【0465】
ソフトウェア、エンジン、及び/又はモジュールの例としては、ソフトウェアコンポーネント、プログラム、アプリケーション、コンピュータプログラム、アプリケーションプログラム、システムプログラム、機械プログラム、オペレーションシステムソフトウェア、ミドルウェア、ファームウェア、ソフトウェアモジュール、ルーチン、サブルーチン、機能、方法、手順、ソフトウェアインターフェース、アプリケーションプログラムインターフェース(API)、指示セット、計算コード、コンピュータコード、コードセグメント、コンピュータコードセグメント、文字、値、記号、又はその任意の組み合わせが挙げられる。実施形態がハードウェア要素及び/又はソフトウェア要素によって実現されているかの判定は、所望の計算率、動力レベル、耐熱性、処理サイクル予算、入力データレート、出力データレート、メモリリソース、データバス速度及びその他の設計又は性能上の制限などの、任意の数の要因によって変動し得る。
【0466】
本明細書で説明したモジュールのうちの1つ以上が、ファームウェア、ソフトウェア、ハードウェア、又はそれらの任意の組み合わせとして実現された1つ以上の組込みアプリケーションを備え得る。本明細書で記述したモジュールのうちの1つ以上が、ソフトウェア、プログラム、データ、ドライバ、アプリケーションプログラムインターフェイス(API)など、様々な実行可能モジュールを含み得る。ファームウェアは、ビットマスクされた読出し専用メモリ(ROM)又はフラッシュメモリ内など、不揮発性メモリ(NVM)を含み得る制御器2016及び/又は制御器2022のメモリ内に記憶されてもよい。様々な実現形態において、ファームウェアをROM内に記憶することで、フラッシュメモリを保護することができる。不揮発性メモリ(NVM)は、例えば、プログラム可能ROM(PROM)、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、又は、ダイナミックRAM(DRAM)、ダブルデータレートDRAM(DDRAM)、及び/若しくはシンクロナスDRAM(SDRAM)などのバッテリバックアップ型のランダムアクセスメモリ(RAM)を含め、他の種類のメモリを含み得る。
【0467】
いくつかの場合では、様々な実施形態は製品として実現されてもよい。製品は、1つ以上の実施形態の様々な動作を行うための論理、指示及び/又はデータを記憶するように構成されるコンピュータ読取可能記憶媒体を含んでいてもよい。様々な実施形態では、例えば、製品は、汎用プロセッサ又は特定用途向けプロセッサによって実行されるのに好適な、コンピュータプログラム指示を含む磁気ディスク、光学ディスク、フラッシュメモリ又はファームウェアを備えていてもよい。それらの実施形態はしかしながら、この状況に限定される。
【0468】
本明細書で開示する実施形態に関連して説明した各種の機能的要素、論理ブロック、モジュール及び回路素子の各機能は、処理装置で実行されるソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールなど、コンピュータ実行可能な命令の一般的な状況で実現され得る。一般に、ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、特定の動作を実施するように構成された任意のソフトウェア要素を含む。ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、特定のタスクを実施するかあるいは特定の抽象データ型を実現するルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含み得る。ソフトウェア、制御モジュール、論理、並びに/又は論理モジュール及び技術の実現形態が、何らかの形態のコンピュータ可読媒体に記憶され、かつ/又はそのコンピュータ可読媒体を介して渡され得る。この点において、コンピュータ読取可能媒体は、計算機が情報を記憶してアクセスできるように使用可能な任意の入手可能な媒体であることができる。いくつかの実施形態は更に、動作が通信ネットワークを通して接続される1つ以上の遠隔処理装置によって行われる分散コンピューティング環境にて実行されてもよい。分散コンピューティング環境において、ソフトウェア、制御モジュール、論理、及び/又は論理モジュールは、メモリ記憶デバイスを含めてローカル及びリモートコンピュータの記憶媒体の双方に配置され得る。
【0469】
それに加えて、本明細書で説明した実施形態は例示的な実現形態を示すものであり、また、機能要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子は、説明した実施形態と調和する様々な他の方式で実現され得ることが明らかとなろう。更に、そのような機能要素、論理ブロック、モジュール、及び回路素子によって実施される動作は、所与の実現形態のために、結合及び/又は分離されてもよく、また、より多数の又はより少数の構成要素又はモジュールによって実施されてもよい。当業者には本開示を読むと明らかとなるように、本明細書で説明及び図示した個々の実施形態はそれぞれ、本開示の範囲から逸脱することなく、容易に他のいくつかの態様のいずれかの特徴から分離され、またそれらの特徴と結合され得る、別個の構成要素及び特徴を有する。説明したいずれの方法も、説明した事象の順序で、あるいは論理的に可能な任意の他の順序で実行され得る。
【0470】
特筆すべきこととして、「一実施形態」又は「ある実施形態」に言及することは、その実施形態に関連して記述された特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。「一実施形態において」又は「一態様において」という語句が本明細書に出現するが、これは必ずしも同じ実施形態を指すものではない。
【0471】
別段の定めがない限り、「処理する(processing)」、「計算する(computing)」、「算出する(calculating)」、「判定する(determining)」などの用語は、レジスタ内に物理量(例えば電子)として表現されるデータを、メモリ、レジスタ又は他のそのような情報記憶装置、伝送又は表示装置内に物理量として同様に表現される他のデータへと、操作及び/又は変換する、汎用プロセッサ、DSP、ASIC、FPGA又は他のプログラマブル論理デバイス、個別のゲート若しくはトランジスタ論理、個別のハードウェア構成要素、又は本明細書で説明した各機能を実施するように設計されたそれらの任意の組み合わせなどの、コンピュータ若しくはコンピューティングシステム、又は同様の電子コンピューティングデバイスの動作及び/又はプロセスを指すものであることが明らかとなろう。
【0472】
特筆すべきこととして、いくつかの実施形態は、「結合された」及び「連結された」という表現を、それらの派生語と共に用いて説明され得る。これらの用語は、互いに同義語となるように意図されたものではない。例えば、いくつかの実施形態は、2つ以上の要素が互いに直接、物理的又は電気的接触をなすことを示すために、「連結された」及び/又は「結合された」という用語を用いて説明され得る。「結合された」という用語はまた、しかしながら、2つ以上の要素が互いに直接、接触をなさないが、依然として互いに協働又は相互作用することをも意味し得る。例えばソフトウェア要素に関して言えば、「結合された」という用語は、インターフェイス、メッセージインターフェイス、アプリケーションプログラムインターフェイス(API)、交換メッセージなどを指し得る。
【0473】
参照により本明細書に組みこまれると述べられた任意の特許、公報、又は他の開示資料は、部分的にあるいは全体的に、その組み込まれた資料が既存の定義、記載内容、又は本開示に示した他の開示資料と矛盾しない範囲で本明細書に組みこまれることを理解されたい。このように及び必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載されている開示は、参照により本明細書に組みこまれる任意の矛盾する事物に取って代わるものとする。参照により本明細書に組み込まれるものとされるが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾するあらゆる文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ組み込まれるものとする。
【0474】
開示した実施形態は、通常の内視鏡及び開放手術器具における応用性、並びにロボット支援手術における応用性を有し得る。
【0475】
本明細書で開示した装置の実施形態は、1回の使用後に処分されるように設計されてもよく、あるいは、それらの実施形態は、複数回使用されるように設計されてもよい。実施形態は、いずれの場合も、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。かかる再調整には、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、並びにその後の再組み立て工程の任意の組み合わせが含まれ得る。特に、装置の各実施形態は分解されてもよく、また、装置の任意の個数の特定の部片又は部品が、任意の組み合わせで選択的に交換されるか、あるいは取り外されてもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、装置の各実施形態は、再調整用の施設で、又は外科手技の直前に外科チームによって、後の使用のために再組立てされてよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を使用できる点は認識するであろう。かかる技術の使用、及びその結果として得られる再調整された装置は、全て本出願の範囲内にある。
【0476】
例に過ぎないが、本明細書で説明した実施形態は、手術前に処理されてもよい。まず、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され封止される容器に入れられる。次いで、容器と器具は、ガンマ放射線、X線、又は高エネルギー電子など、容器を透過し得る放射線の場に置かれ得る。放射線により、器具上及び容器内の細菌が死滅され得る。次いで、滅菌された器具は、滅菌容器内に格納され得る。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保ち得る。装置はまた、これらに限定されるものではないが、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気を含む、当該技術分野では周知の他の任意の技術を使用して滅菌することもできる。
【0477】
当業者に理解されたいこととして、本明細書に記載した構成要素(例えば動作)、装置、目的、及びそれらに関連する議論は、構想を明らかにするための例として用いられており、様々な構成の変更が企図される。結果として、本明細書で用いるとき、記載した特定の例及びそれらに伴う議論は、より一般的な種類を代表することを意図したものである。一般に、特定の代表例を用いることは、その種類を代表することを意図したものであり、また、特定の構成要素(例えば動作)、装置、及び目的を含めないことは、限定するものとみなされるべきではない。
【0478】
実質的に任意の複数及び/又は単数の用語を本明細書で用いることに関して言えば、当業者は、状況及び/又は用途に適切となるように、複数から単数へ、及び/又は単数から複数へ置き換えることができる。様々な単数/複数の置換えは、簡潔にするため、本明細書では明示的には記述されない。
【0479】
本明細書に記載する主題はときに、種々の他の構成要素の中に含められた、又はそれらと連結された種々の構成要素を示している。理解されたいこととして、そのように表現したアーキテクチャは単なる例であり、実際に、同じ機能性を達成する多数の他のアーキテクチャが実現され得る。構想の意味で、同じ機能性を達成する構成要素の任意の配列が、所望の機能性を達成するように効果的に「関連付け」られる。したがって、特定の機能性を達成するように結合された任意の2つの構成要素は、アーキテクチャ又は中間の構成要素に関わらず、所望の機能性を達成するように互いに「関連付け」られたと見なされ得る。同様に、そのように関連付けられた任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に連結」又は「動作可能に結合」されていると見なされることができ、また、そのように関連付けられることが可能な任意の2つの構成要素はまた、所望の機能性を達成するように互いに「動作可能に結合可能」であると見なされ得る。動作可能に結合可能である特定の例には、限定するものではないが、物理的に嵌合可能及び/若しくは物理的に相互作用する構成要素、並びに/又は、無線式で相互作用可能及び/若しくは無線式で相互作用可能な構成要素、並びに/又は、論理的に相互作用する、及び/若しくは論理的に相互作用可能な構成、要素が挙げられる。
【0480】
いくつかの態様が、「結合された」及び「連結された」という表現を、それらの派生語と共に用いて説明され得る。これらの用語は互いに同義語とすることを意図したものではないことを理解されたい。例えば、いくつかの態様は、2つ以上の要素が互いに直接、物理的又は電気的接触をなすことを示すために、「連結された」という用語を用いて説明され得る。別の例において、いくつかの態様は、2つ以上の要素が直接、物理的又は電気的接触をなすことを示すために、「結合された」という用語を用いて説明され得る。「結合された」という用語はまた、しかしながら、2つ以上の要素が互いに直接、接触をなさないが、依然として互いに協働又は相互作用することをも意味し得る。
【0481】
場合によっては、1つ以上の構成要素が、本明細書において、「ように構成される」、「ように構成可能である」、「ように動作可能である/動作する」、「適合される/適合可能である」、「ことが可能である」、「ように適合可能である/適合される」などと呼ばれることがある。当業者に理解されたいこととして、「ように構成される」は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、アクティブ状態の構成要素及び/又は非アクティブ状態の構成要素及び/又はスタンドバイ状態の構成要素を包含することができる。
【0482】
本明細書に記述した主題の特定の態様が図示され説明されているが、当業者には明らかとなるように、本明細書における教示に基づいて、変更及び修正が、本明細書に記述した主題及びその広範な態様から逸脱することなくなされ得、したがって、添付の特許請求の範囲は、すべてのそのような変更及び修正を、本明細書に記述した主題の真の範囲内に含まれるものとして包含することになる。当業者には理解されることとして、一般に、本明細書で、そして特に添付の特許請求の範囲(例えば添付の特許請求の範囲の本文)で用いられる用語は概して「開放的」用語とすることを意図したものである(例えば、「含んで(including)」という用語は、「限定はしないが含んで(including but not limited to)」と解釈されるべきであり、「有して(having)」という用語は「少なくとも有して(having at least)」として解釈されるべきであり、「含む(includes)」という用語は「限定はしないが含む(includes but is not limited to)」と解釈されるべきである、など)。更に、導入されたクレーム記載(introduced claim recitation)において特定の数が意図される場合、そのような意図は当該クレーム中に明確に記載され、そのような記載がない場合は、そのような意図も存在しないことが当業者には理解されるであろう。例えば、理解を助けるものとして、後続の添付の特許請求の範囲では、「少なくとも1つの(at least one)」及び「1つ以上の(one or more)」という導入句が、クレーム記載を導入するために含まれることがある。しかし、そのような語句を使用するからといって、「a」又は「an」という不定冠詞によってクレーム記載を導入した場合に、たとえ同一のクレーム内に、「1つ以上の」又は「少なくとも1つの」といった導入句と「a」又は「an」という不定冠詞との両方が含まれていても、そのような導入されたクレーム記載を含む特定のクレームが、そのような記載事項を1つのみ含むクレームに限定されるということが示唆されると解釈されるべきではない(例えば、「a」及び/又は「an」は、通常は、「少なくとも1つの」又は「1つ以上の」を意味すると解釈されるべきである)。定冠詞を使用してクレーム記載を導入する場合にも同様のことが当てはまる。
【0483】
更に、導入されたクレーム記載において特定の数が明示されている場合であっても、そのような記載は、通常、少なくとも記載された数を意味するように解釈されるべきであることは、当業者には理解されよう(例えば、他に修飾語のない、単なる「2つの記載事項」という記載がある場合、この記載は、少なくとも2つの記載事項、又は2つ以上の記載事項を意味する)。更に、「A、B、及びCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般的に、そのような構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、及びCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全て、などを有するシステムを含む)。「A、B、又はCなどのうちの少なくとも1つ」に類する表記が用いられる場合、一般的に、そのような構文は、当業者がその表記を理解するであろう意味で意図されている(例えば、「A、B、又はCのうちの少なくとも1つを有するシステム」は、限定するものではないが、Aのみ、Bのみ、Cのみ、AとBの両方、AとCの両方、BとCの両方、及び/又はAとBとCの全て、などを有するシステムを含む)。通常、2つ以上の選択的な用語を表すあらゆる選言的な語及び/又は句は、説明文内であろうと、請求の範囲内であろうと、あるいは図面内であろうと、それら用語のうちの1つ、それらの用語のうちのいずれか、又はそれらの用語の両方を含む可能性を意図すると理解されるべきであることが、当業者には理解されよう。例えば、「A又はB」という句は通常、「A」又は「B」又は「A及びB」の可能性を含むと理解されよう。
【0484】
添付の「特許請求の範囲」に関して言えば、当業者に明らかとなることとして、本明細書における引用した動作は一般に、任意の順序で実施されてよい。また、様々な動作上の流れがシーケンスで示されているが、理解されたいこととして、様々な動作は、図示した以外の順序で実施されてもよく、あるいは同時に実施されてもよい。そのような別の順序付けの例には、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、重複、交互配置、割込み、再順序付け、増加的、予備的、追加的、同時、逆、又は他の異なる順序付けを挙げることができる。更に、「に応答する」、「に関連する」、又は他の過去時制の形容詞は一般に、文脈上他の意味に解釈すべき場合を除き、そのような変化形を除外するように意図するものではない。
【0485】
手短に言えば、本明細書に記述した構想を用いる結果として得られる多数の利点について説明した。1つ又は複数の実施形態の上述の説明は、例示及び説明を目的として提示されたものである。網羅的なものにすること、又は、開示した厳密な形に限定することは意図されていない。上記の教示を鑑みれば、修正又は変形が可能である。1つ又は複数の実施形態は、原理及び実際の応用を説明し、それによって、様々な実施形態を様々な修正例と共に、企図される特定の用途に適するものとして当業者が利用できるようにするものである。本明細書と共に提出される「特許請求の範囲」が全体的な範囲を規定することが意図されている。
【0486】
〔実施の態様〕
(1) 外科用器具であって、
ハンドルと、
前記外科用器具の状態を検知するように構成されている第1のセンサと、
前記状態を検知するように構成されている第2のセンサと、
プロセッサと、を備え、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが、前記プロセッサと信号通信し、前記プロセッサが、前記第1のセンサから第1の信号を受信し、前記プロセッサが、前記第2のセンサから第2の信号を受信し、前記プロセッサが、前記第1の信号及び前記第2の信号を用いて前記状態を判定するように構成されており、前記プロセッサが、前記状態を考慮して前記外科用器具に命令を伝えるように構成されている、外科用器具。
(2) 前記プロセッサが、前記第1の信号からの少なくとも1つの第1のデータと、前記第2の信号からの少なくとも1つの第2のデータとを比較するように構成されており、前記プロセッサは、前記少なくとも1つの第1のデータが前記少なくとも1つの第2のデータと異なるかどうかを判定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(3) 前記プロセッサが前記第1のセンサ及び前記第2のセンサと信号通信し、前記プロセッサが、前記第1のセンサに第1の較正信号を選択的に送信するように構成されており、前記プロセッサが、前記第2のセンサに第2の較正信号を選択的に送信するように構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(4) 記憶装置を更に備え、データを含む較正ルックアップテーブルが前記記憶装置に記憶され、前記プロセッサが前記記憶装置と信号通信し、前記プロセッサが、前記較正ルックアップテーブルにアクセスするように構成されており、前記プロセッサが、前記較正ルックアップテーブルからの少なくとも1つのデータを使用して前記第1のセンサを較正するように構成されており、前記プロセッサが、前記較正ルックアップテーブルからの少なくとも1つのデータを使用して前記第2のセンサを較正するように構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
(5) 前記プロセッサは、前記第1の信号が所定の範囲内にない場合に、前記少なくとも1つの第1のデータに加えられた第1のゲインを修正するように構成されており、前記プロセッサは、前記第2の信号が所定の範囲内にない場合に、前記少なくとも1つの第2のデータに加えられた第2のゲインを修正するように構成されている、実施態様2に記載の外科用器具。
【0487】
(6) 前記プロセッサが、前記第1の信号からの少なくとも1つの第1のデータをあるデータ範囲と比較するように構成されており、前記プロセッサは、前記少なくとも1つの第1のデータが前記データ範囲内ではない場合、前記第1の信号を無視するように構成されており、前記プロセッサが、前記第2の信号からの少なくとも1つの第2のデータを前記データ範囲と比較するように構成されており、前記プロセッサは、前記少なくとも1つの第2のデータが前記データ範囲内ではない場合、前記第2の信号を無視するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(7) 前記プロセッサが前記第1の信号及び前記第2の信号から前記状態を判定するように構成されているアルゴリズムを備え、前記状態が、前記第1の信号及び前記第2の信号のうちの1つのみからは判定できない、実施態様1に記載の外科用器具。
(8) 前記命令が、前記外科用器具の動作を修正する、実施態様1に記載の外科用器具。
(9) 前記ハンドルから延びるシャフト組立体を更に備え、前記第1のセンサが前記ハンドルに位置付けられ、前記第2のセンサが前記シャフト組立体に位置付けられている、実施態様1に記載の外科用器具。
(10) 前記シャフト組立体が、近位端と、遠位端と、を含み、前記近位端が前記ハンドルと係合可能であり、前記状態が、前記近位端に対する前記遠位端の位置を含む、実施態様9に記載の外科用器具。
【0488】
(11) 前記第1のセンサが、前記外科用器具の第1の部分に位置付けられている第1の方向センサを備え、前記第2のセンサが、前記外科用器具の第2の部分に位置付けられている第2の方向センサを備え、前記状態が、前記第2の部分に対する前記第1の部分の相対移動を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(12) 前記状態が、前記外科用器具によって用いられている電力を含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(13) 前記第2のセンサが、前記第1のセンサに対する冗長センサを備える、実施態様1に記載の外科用器具。
(14) 第2のプロセッサを更に備え、前記第2のプロセッサが、前記第1のセンサから前記第1の信号を受信し、前記第2のプロセッサが、前記第2のセンサから前記第2の信号を受信し、前記第2のプロセッサが、前記第1の信号及び前記第2の信号を使用して前記状態を判定するように構成されている、実施態様1に記載の外科用器具。
(15) 前記第2のプロセッサが前記第1のプロセッサと信号通信し、前記第2のプロセッサは、前記第1のプロセッサによって判定された前記状態が、前記第2のプロセッサによって判定された前記状態と同一かどうかを判定するように構成されている、実施態様14に記載の外科用器具。
【0489】
(16) 前記第2のプロセッサが、前記第1のプロセッサを停止させるように構成されている、実施態様15に記載の外科用器具。
(17) ステープルカートリッジを更に含む、実施態様1に記載の外科用器具。
(18) 外科用器具組立体であって、
前記外科用器具組立体の動作状態を検知するように構成されている第1のセンサと、
前記外科用器具組立体の同一の動作状態を検知するように構成されている第2のセンサと、
コントローラと、を備え、前記第1のセンサ及び前記第2のセンサが、前記コントローラと信号通信し、前記コントローラが、前記第1のセンサから第1の信号を受信するように構成されており、前記コントローラが、前記第2のセンサから第2の信号を受信するように構成されており、前記コントローラが、前記第1の信号を用いて前記動作状態を判定し、独立して、前記第2の信号を用いて前記動作状態を判定するように構成されており、前記コントローラが、前記動作状態に応答して前記外科用器具組立体に命令を伝えるように構成されている、外科用器具組立体。
(19) 外科用器具組立体であって、
第1のセンサシステムと、
第2のセンサシステムと、
コントローラと、を備え、前記第1のセンサシステム及び前記第2のセンサシステムが前記コントローラと信号通信し、前記コントローラが、前記第1のセンサシステムから第1の信号を受信するように構成されており、前記コントローラが、前記第2のセンサシステムから第2の信号を受信するように構成されており、前記コントローラが、前記第1の信号及び前記第2の信号を同時に用いて、前記外科用器具組立体の動作状態を判定するように構成されており、前記コントローラが、前記動作状態に応答して前記外科用器具組立体に命令を伝えるように構成されている、外科用器具組立体。