(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571114
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ
(51)【国際特許分類】
H02J 3/18 20060101AFI20190826BHJP
H01H 9/54 20060101ALI20190826BHJP
H01H 33/59 20060101ALI20190826BHJP
H01H 47/00 20060101ALI20190826BHJP
H01H 47/32 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
H02J3/18 128
H01H9/54 A
H01H9/54 F
H01H33/59 G
H01H33/59 H
H01H33/59 K
H01H47/00 J
H01H47/32 C
【請求項の数】9
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-568094(P2016-568094)
(86)(22)【出願日】2015年2月5日
(65)【公表番号】特表2017-516447(P2017-516447A)
(43)【公表日】2017年6月15日
(86)【国際出願番号】CN2015072268
(87)【国際公開番号】WO2015117557
(87)【国際公開日】20150813
【審査請求日】2016年10月11日
【審判番号】不服2018-9392(P2018-9392/J1)
【審判請求日】2018年7月6日
(31)【優先権主張番号】201410046598.8
(32)【優先日】2014年2月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516001867
【氏名又は名称】国源容開国際科技(北京)股▲ふん▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲海▼
【合議体】
【審判長】
井上 信一
【審判官】
西村 泰英
【審判官】
山田 正文
(56)【参考文献】
【文献】
中国特許出願公開第102299519(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 3/00-5/00,7/00-7/12,7/34-7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサであって、
複数のインテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続することにより構成され、
前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットは、インテリジェントスイッチ制御モジュール、リレースイッチ、及び交流コンデンサにより構成され、前記リレースイッチと前記交流コンデンサとが直列に接続され、
前記インテリジェントスイッチ制御モジュールは、前記リレースイッチと前記交流コンデンサとの直列接続回路の両端に接続され、
前記高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサはさらに、
各前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記リレースイッチを、各前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュールを介して制御するための制御端を有することを特徴とする高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項2】
前記インテリジェントスイッチ制御モジュールは、電源モジュール、インテリジェントスイッチ制御回路、スイッチ接点保護回路、低圧端通信モジュール、高圧端通信モジュール、温度センサ、電流検出モジュール、電圧検出モジュール及びコンデンサ放電モジュールにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項3】
前記電源モジュールは、コンデンサ降圧整流定電圧電源であることを特徴とする請求項2に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項4】
前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内のリレーは、磁気保持型リレーであることを特徴とする請求項1又は2に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項5】
前記高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの前記制御端がスイッチオンコマンドを受信すると、前記オンコマンドは前記各インテリジェントスイッチコンデンサユニットにおける高圧端通信モジュールと低圧端通信モジュールを介してすべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットに伝送され、すべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチが同じタイミングでオンされ、前記制御端がスイッチオフコマンドを受信すると、同様にしてすべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチが同じタイミングでオフされることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項6】
前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内には、コンデンサコアの温度を検出するための温度センサが設けられ、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内には、コンデンサ動作時にコンデンサを通過する電流と調波成分を検出するための電流検出モジュールが設けられ、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットには、コンデンサ動作時の動作電圧を検出するための電圧検出モジュールが設けられ、一つ以上の前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットで検出された温度、電流又は電圧が設定値を超えていると、コンデンサが保護されるように高圧端通信モジュール及び低圧端通信モジュールを介してすべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチに同じタイミングでオフすることを通知することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項7】
前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの両端にはリレー接点が並列に接続され、並列リレーは、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュールにより制御され、並列リレー接点回路にはカレントトランスが設けられ、並列リレー接点が前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットを短絡させると、前記カレントトランスは前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュールに電力を提供することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項8】
前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内のコンデンサは、数本の金属化フィルムコンデンサコアが直列・並列に接続されるように構成されることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【請求項9】
前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットは、一つの金属ハウジングを有し、前記ハウジングは、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの一極であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、10kV−35kV配電網の無効電力補償用の高圧コンデンサ、特に高圧切り替えスイッチと高圧交流コンデンサを組み合わせたものに関する。
【背景技術】
【0002】
電力システム内の動力装置は主に誘導負荷装置であり、力率が低いため線路損失が大きい。システムの各電圧レベルの変電所で主な負荷側(10kV又は35kV)に並列コンデンサ補償装置を増設することは、配電網の経済運転を確保するのに有効な解決手段である。配電網内において、誘導負荷による遅れ無効電力が常に変化しているため、対応して補償コンデンサによる進み無効電力も変化する。高圧無効電力補償の発展を振り返って見ると、リアクトルの切り替えはコンデンサの切り替えよりし易いので、一般にコンデンサを採用して一つの静的進み無効電力を生成し、リアクトルの切り替え又は飽和電気制御を調節する方法で無効電力の変化を調節しているが、これは明らかに無効電力補償装置の複雑性を招いてしまった。サイリスタを切り替えスイッチとして使用すると、コンデンサの切り替え(SVC技術のような)における課題を解決でき、サイリスタ切り替えによればコンデンサ切り替え時の突入電流を解決できるが、サイリスタ切り替えは消費電力が大きくてコストが高いという欠陥を有する。現在、コンデンサ切り替えの周波数が高くない場合には、常用の方法として、真空遮断器による切り替えを採用するが、真空遮断器は、切り替え時の突入電流のような課題を解決できない。サイリスタ切り替えスイッチでは、dv/dtが高いと誤オンになる場合があり、真空遮断器では、切り替え時に突入電流を生成する場合があり、このような課題を解決するために、一般にリアクトルが直列に接続されるものを採用してサージ電圧とサージ電流を抑制するが、補償装置のコストを増やしてしまう。中国特許出願公開第201110034379.4号明細書(特許文献1)には、複数のスイッチ接点が直列に接続されるように構成される高圧電子消弧スイッチが開示されたが、この発明は、各リレー接点と制御コイルとの間の耐電圧が制御されている総電圧を超えることを要求し、これはリレーの接点とコイルとの間の絶縁に高要求を提出している。
【0003】
高圧コンデンサによって無効電力補償任務を実行する際に、高圧スイッチで高圧コンデンサを無効負荷として配電網に投入する必要があるが、従来の高圧コンデンサと高圧スイッチとは両独立素子であり、
図1に示すように、高圧コンデンサは、一般に、複数のコンデンサコアが直列・並列に接続されるように構成され、高圧スイッチは、単接点のスイッチであり、一つの高圧スイッチは、一本の高圧コンデンサ又は数本の直列・並列接続高圧コンデンサを制御する。高圧交流コンデンサに関する安全上の配慮から、一般に補償装置にはコンデンサのための検出や保護装置が多く取り付けられるが、これらの検出や保護装置は外装されるものであり、コンデンサ内部の動作状態を検出できないため、いわゆる保護は遅延して且つ正確ではない。
【0004】
従来の高圧コンデンサは安全上の配慮から、その両端に放電装置を並列に接続する必要があり、放電装置として放電抵抗を使用する場合では、コストが低くて済む一方、大きい電力損失が発生する。そのため、一般に、交流コンデンサの両端にコストの高い放電コイルを並列に接続するようにしているが、放電コイルを使用する場合においても、補償コンデンサの動作中に一定の消費電力が発生する。
【0005】
配電網の無効電力補償用のコンデンサと切り替えスイッチとはいつも一緒に使用されているが、いつも二つの素子として出現するので、これは、二つの素子間の接続不良による弊害を増やすとともに、これら二つの素子のコスト増を招いている。また、使用中に、異なるコンデンサには、異なる切り替えスイッチを使用する必要があるので、実際の無効電力補償コンデンサの設計者や使用者にとっても、適切な切り替えスイッチを選択することは容易ではない。
【0006】
高圧コンデンサは、複数の低圧コンデンサコアが直列に接続されてなるものであり、従来の高圧コンデンサは、箔型コンデンサコアが直列に接続されてなるものである。金属化フィルム技術で製造されるコンデンサコアは、そのコストと環境保護面での優勢により低圧分野に幅広く使用されているが、高圧コンデンサ分野においては金属化フィルム技術で製造されるコンデンサコアを利用できない。これは、金属化フィルムコンデンサでは使用中に容量が絶えず減衰し、金属化フィルムコンデンサを直列に接続すると、容量が減衰していたコンデンサコアは、分圧の増加により容量の減衰がさらに加速し、金属化フィルムコンデンサコアを直列に接続して高圧コンデンサに用いると、寿命が短くなることからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】中国特許出願201110034379.4号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、高圧インテリジェントスイッチを有する高圧交流コンデンサ原理回路と、この原理に基づいて製造されるインテリジェントスイッチ高圧補償コンデンサ構造を提供することを目的とする。このような高圧交流コンデンサを切り替えるための高圧インテリジェントスイッチは、高圧コンデンサ内部の高圧インテリジェントスイッチを便利に制御することにより、すばやくコンデンサを切り替えることができ、高圧インテリジェントスイッチの切り替え過程でフレーム又はアーク放電を生成しない且つ突出電流又は過電圧を生成しない理想的な高圧交流コンデンサの切り替えスイッチである。また、内蔵される高圧インテリジェントスイッチは高圧交流コンデンサを保護する多種類の保護措置を有し、コンデンサに過温度、過電流又は過電圧が発生すると、高圧インテリジェントスイッチはコンデンサをオフさせることでコンデンサを保護する。高圧インテリジェントスイッチは、消費電力がサイリスタ切り替えスイッチ又は真空遮断器スイッチより大幅に小さく、切り替え速度がサイリスタ切り替えスイッチと相当し、信頼性がサイリスタスイッチより大幅に高く、コストがサイリスタスイッチより大幅に低い。本発明の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサには放電装置が内蔵され、コンデンサの動作中に放電装置はほとんど消費電力を生成しない。本発明で提供されるインテリジェントスイッチを利用した高圧補償コンデンサの原理回路によれば、超高電圧又は特高圧のインテリジェントスイッチ交流コンデンサを製造でき、超高圧又は特高圧の補償を実現できる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の目的は以下の技術方案により実現される。
【0010】
高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサであって、複数のインテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続することにより構成され
、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットは、インテリジェントスイッチ制御モジュール、リレースイッチ、及び交流コンデンサにより構成され、前記リレースイッチと前記交流コンデンサとが直列に接続され、前記インテリジェントスイッチ制御モジュールは、前記リレースイッチと前記交流コンデンサとの直列接続回路の両端に接続され
、前記高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサはさらに、各前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記リレースイッチを、各前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュールを介して制御するための制御端を有する、高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサ。
【0011】
さらに、前記インテリジェントスイッチ制御モジュールは、電源モジュール、インテリジェントスイッチ制御回路、スイッチ接点保護回路、高圧端通信モジュール、低圧端通信モジュール、温度センサ、電流検出モジュール、電圧検出モジュール及びコンデンサ放電モジュールにより構成される。
【0012】
さらに、前記電源モジュールはコンデンサ降圧整流定電圧電源である。
【0013】
さらに、前記各インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュール同士は光結合器により接続され、互いに制御信号とデータを伝送する。
【0014】
さらに、前記インテリジェントスイッチ制御モジュール内のリレーは磁気保持型リレーである。
【0015】
さらに、前記高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの前記制御
端がスイッチオンコマンドを受信すると、前記オンコマンドは前記各インテリジェントスイッチコンデンサユニットにおけ
る高圧端通信モジュール
と低圧端通信モジュールを介してすべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットに伝送され、すべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチが同じタイミングでオンされ、前記制御
端がスイッチオフコマンドを受信すると、同様にしてすべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチが同じタイミングでオフされる。
【0016】
さらに、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内には、コンデンサコアの温度を検出するための温度センサが設けられ、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内には、コンデンサ動作時にコンデンサを通過する電流と調波成分を検出するための電流検出モジュールが設けられ、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットには、コンデンサ動作時の動作電圧を検出するための電圧検出モジュールが設けられ、一つ以上の前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットで検出された温度、電流又は電圧が設定値を超えていると、コンデンサが保護されるように
高圧端通信モジュール及び低圧端通信モジュールを介してすべての前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチに同じタイミングでオフすることを通知する。
【0017】
さらに、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの両端にはリレー接点が並列に接続され、並列リレーは、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュールにより制御され、並列リレー接点回路にはカレントトランスが設けられ、並列リレー接点が前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットを短絡させると、前記カレントトランスは前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの前記インテリジェントスイッチ制御モジュールに電力を提供する。
【0018】
さらに、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニット内のコンデンサは数本の金属化フィルムコンデンサコアが直列・並列に接続されるように構成される。
【0019】
さらに、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットは一つの金属ハウジングを有し、前記ハウジングは、前記インテリジェントスイッチコンデンサユニットの一極である。
【0020】
好ましくは、前記高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの形状が直方体又は円柱体である。
【発明の効果】
【0021】
本発明の有益な効果は以下の通りである。スイッチを有する高圧交流コンデンサを提供し、スイッチと高圧コンデンサとが一体に形成されて新しい回路素子になり、元の両回路素子の体積が縮小し、コストが低減して信頼性が向上する。複数の低圧インテリジェントスイッチを直列に接続することにより、空気接点スイッチが直列に接続されて高圧スイッチを構成できない課題を成功に解決し、これにより低コストのスイッチで高圧スイッチを実現し、且つ従来の高圧スイッチと比べて、スイッチがオン又はオフになる際に接点のフレーム又はアーク放電が発生しないことから、スイッチ接点の電気寿命が延長するだけでなく、もっと重要なのは配電網の調波汚染が発生しない。インテリジェントスイッチ制御モジュールはコンデンサに多くの保護措置をさらに提供し、コンデンサが過熱、過圧及び過電流になった際にただちに保護されることを確保する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】従来の高圧スイッチ及び高圧コンデンサ切り替え回路原理図である。
【
図2】本発明の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの回路原理構造図である。
【
図3】本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチ制御モジュールのブロック原理図である。
【
図4】本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの回路原理
図1である。
【
図5】本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの回路原理
図2である。
【
図6】本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの回路原理
図3である。
【
図7】本発明の実施例に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの動作原理図である。
【
図8】本発明の実施例に記載の金属化フィルム高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの回路原理図である。
【
図9】本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの内部構造
図1である。
【
図10】本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの内部構造
図2である。
【
図11】本発明の実施例に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの内部構造図である。
【
図12】本発明の実施例に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの外形図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、図面を参照しながら、本発明を更に詳細に説明する。
図2に示すように、本発明の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサは高圧インテリジェントスイッチと高圧交流コンデンサを含む新型の回路素子であり、高圧スイッチKの動作を制御可能な制御端cを有する。インテリジェントスイッチコンデンサユニットはインテリジェントスイッチ制御モジュール、リレースイッチ及び交流コンデンサにより構成され、リレースイッチ接点とコンデンサとが直列に接続され、インテリジェントスイッチ制御モジュールはリレースイッチ接点とコンデンサとの直列接続回路の両端に接続され、インテリジェントスイッチ制御モジュールには一つの高圧端通信インターフェイスと一つの低圧端通信インターフェイスとがある。インテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続する具体的な態様として、
図2に示すように、一般に、高圧インテリジェントスイッチコンデンサのコンデンサ端は、配電網の低圧端に接続され、高圧インテリジェントスイッチコンデンサのスイッチ端は配電網の高圧端に接続され、そのためインテリジェントスイッチコンデンサユニットの通信インターフェイスも高圧端と低圧端に分けられ、インテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続した後の等価回路は、
図1の従来の高圧スイッチと高圧コンデンサとの切り替え回路と基本的に同じであり、同じ回路機能を有し、違いはただスイッチKとコンデンサCとの両端に一つの等価のインテリジェントスイッチ制御モジュールが並列に接続されているだけである。インテリジェントスイッチ制御モジュールにおける通信ポートB
11〜B
n1の作用はスイッチ制御信号と各コンデンサの動作状態を伝送することであり、スイッチオン信号が高圧インテリジェントスイッチコンデンサの制御端cに入力されると、インテリジェントスイッチコンデンサユニット1の通信ポートB
11がスイッチオン信号を受信し、その後、通信ポートB
12によりスイッチオンコマンドをインテリジェントスイッチコンデンサユニット2の通信ポートB
21に伝送し、このようにリレーしてスイッチオンコマンドを最後の一つのインテリジェントスイッチコンデンサユニットnの通信ポートB
n1に伝送し、スイッチK
11〜K
n1は各インテリジェントスイッチ制御モジュールの制御で同じタイミングでオンになり、コンデンサC
1〜C
nは直列に接続されて配電網に投入される。同様に、インテリジェントスイッチのコンデンサユニット1の通信ポートB
11が制御端cから伝送されてくるスイッチオフ信号を受信すると、通信ポートB
12によりスイッチオフコマンドをインテリジェントスイッチコンデンサユニット2の通信ポートB
21に伝送し、このようにリレーしてスイッチオフコマンドを最後一つのインテリジェントスイッチコンデンサユニットnの通信ポートB
n1に伝送し、スイッチK
11〜K
n1は同じタイミングでオフになり、コンデンサC
1〜C
nは配電網から切断される。いわゆる高圧インテリジェントスイッチとは、すべての直列接続スイッチ接点が同じタイミングでオン又はオフになり、自動的に電流のゼロ点を見つけて接点にスイッチのオンになる際にフレームが発生して又はオフになる際にアーク放電が発生することを避けることができるものである。
【0024】
インテリジェントスイッチ制御モジュールは電源モジュール10、インテリジェントスイッチ制御回路11、スイッチ接点保護回路、低圧端通信モジュール12、高圧端通信モジュール13、温度検出センサ14、電流検出モジュール15、電圧検出モジュール16及びコンデンサ放電モジュール17により構成され、
図3に示すものはインテリジェントスイッチコンデンサユニット1の回路ブロック概略図である。電源モジュール10の両電源入力端はインテリジェントスイッチコンデンサユニットのコンデンサ端4とスイッチ端5のそれぞれに接続されている。すべてのインテリジェントスイッチコンデンサユニットは直列に接続され、それぞれのインテリジェントスイッチコンデンサユニット内部のスイッチK
11〜K
n1のオン・オフにかかわらず、すべてのインテリジェントスイッチ制御モジュールの電源モジュールは高圧電源の両端に直列に接続されている。スイッチK
11〜K
n1がオフになる際に、すべてのインテリジェントスイッチコンデンサユニット内における電源モジュールが直列に接続されていることとなり、n個のインテリジェントスイッチコンデンサユニットが直列に接続されていると、均圧の条件の下でそれぞれの電源モジュールが受ける電圧は総電圧の1/nである。仮に高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの動作電圧が10kVであり、高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサが10個のインテリジェントスイッチコンデンサユニットにより構成されるとすると、それぞれの電源モジュールが受ける電圧は1000Vである。すべての電源モジュールは、ある電源モジュールが過電圧状態になり破壊することを避けるように、均圧が確保されるべきであり、この時、それぞれのスイッチ接点が受ける電圧は対応する電源モジュールの分圧値である。スイッチK
11〜K
n1がオンになると、すべてのインテリジェントスイッチコンデンサユニットの電源モジュールが対応するコンデンサと並列に接続された後で直列に接続されることとなり、各インテリジェントスイッチコンデンサユニットの均圧は主にコンデンサC
1〜C
nにより決定される。電源モジュール10がインテリジェントスイッチ制御回路11に低圧直流電源を提供してリレースイッチK
11と補助リレースイッチK
12とに電源を提供し、インテリジェントスイッチ制御回路11は、高圧インテリジェントスイッチコンデンサの制御端cからのスイッチ制御信号を受信すると、リレースイッチK
11と補助リレースイッチK
12のオン・オフ制御をし、これにより高圧コンデンサの切り替えを実現する。温度センサ14、電流検出モジュール15及び電圧検出モジュール16はインテリジェントスイッチ制御回路11にインテリジェントスイッチコンデンサユニット内のコンデンサの動作温度、動作電流及び動作電圧に関する情報を提供し、このインテリジェントスイッチコンデンサユニット内のコンデンサの動作温度、動作電流又は動作電圧が設定値を超えると、インテリジェントスイッチ制御回路は低圧端通信モジュール12と高圧端通信モジュール13を介してすべてのインテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチK
11〜K
n1にオフになることを通知し、高圧インテリジェントスイッチコンデンサは動作を停止する。検出値が正常値に戻ると高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサは再動作する。
【0025】
図4は本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの回路原理
図1であり、変圧器T1とブリッジ整流器及び7805定電圧回路などがインテリジェントスイッチ制御回路とリレーの給電電源を構成し、R
0は均圧調整抵抗であり、R
0の抵抗値を調整することでT1初級端のインピーダンスを調整でき、これによってすべての直列接続電源変圧器の初級端が均圧になることが実現される。インテリジェントスイッチ制御回路はマイコンMCUで実現され、カレントトランスT2はコンデンサの動作電流情報を採集し、ポート107を介してマイコンMCUに提供する。抵抗R1、R2はコンデンサの動作電圧情報を採集し、ポート103を介してマイコンMCUに提供する。サーミスタR
tはコンデンサの動作温度情報を採集し、ポート104を介してマイコンMCUに提供する。抵抗R3と光結合器G1とは低圧端通信モジュールを構成し、R3は低圧端インテリジェントスイッチコンデンサユニットの高圧端通信モジュールの光結合器の入力端に接続され、光結合器G1の出力は低圧端インテリジェントスイッチコンデンサユニットの高圧端通信端のI/Oポートに接続され、低圧端と直列に接続されるインテリジェントスイッチコンデンサユニットとの通信を実現する。抵抗R4と光結合器G2とは高圧端通信モジュールを構成し、抵抗R4はスイッチ端と直列に接続されるインテリジェントスイッチコンデンサユニットのインテリジェントスイッチ制御モジュールにおける低圧通信端の光結合器の入力端に接続され、G2はスイッチ端と直列に接続されるインテリジェントスイッチコンデンサユニットのインテリジェントスイッチ制御モジュールにおける低圧通信端からの出力を受信し、高圧端と直列に接続されるインテリジェントスイッチコンデンサユニットとの通信を実現する。抵抗Rcはコンデンサの放電抵抗であり、コンデンサが不動作時にコンデンサC1の余剰電荷を逃がし、これによりコンデンサが不動作時に電圧を受けないこととコンデンサの安全を確保する。本実施例において使用されるマイコンの型番は指定がなく、一般のマイコン設計者は図示される原理に基づいて容易にマイコンを選択して回路を実現できる。
【0026】
図5は本発明の実施例に記載のインテリジェントスイッチコンデンサユニットの回路原理
図2であり、C
11、D
11、D
12及び5V三端子レギュレータなどはコンデンサ降圧定電圧電源を構成してインテリジェントスイッチ制御回路に電源を供給し、C
12、D
13及びD
14などにより構成されるコンデンサ降圧電源はリレーJ
11とJ
12に電源を供給する。J
11とJ
12には磁気保持型リレーが採用され、これによってインテリジェントスイッチ動作時の消費電力を大幅に低減でき、補助リレーJ
12のノーマルクローズ端は放電抵抗Rcを制御し、リレーJ
11とJ
12とがオンになる際に、放電抵抗がオフになり、これによって放電抵抗の消費電力を大幅に低減できる。
図5の実施例の回路原理は
図4の実施例と基本的に同じであって当業者にとって理解し易いものであり、ここで贅言しない。
【0027】
図6に示すインテリジェントスイッチコンデンサユニットは、赤外線発光ダイオードD
15と赤外線受信ヘッドM
11を用いて低圧端通信モジュールを実現するものであり、M
11は低圧端の直列接続インテリジェントスイッチコンデンサユニットからの信号を受信し、D
15は低圧端インテリジェントスイッチコンデンサユニットに信号を送信する。同様に、赤外線発光ダイオードD
16と赤外線受信ヘッドM
12は低圧端通信モジュールを実現する。インテリジェントスイッチコンデンサユニット同士の通信は、例えばZigbee、Wifiのような無線モジュールの通信方式を採用してもよい。
【0028】
図7を参照しながら本発明の実施例に記載の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの動作原理をさらに説明する。高圧インテリジェントスイッチコンデンサのa、b両端は動作電源の低圧端と高圧端に接続され、この時、すべてのスイッチK
11〜K
n1とK
12〜K
n2はオフ状態になり、それぞれのインテリジェントスイッチを有するコンデンサが受ける電圧は総電圧の1/nである。高圧インテリジェントスイッチコンデンサの制御端cがスイッチオン信号を受信すると、B
11〜B
n1を介してスイッチオン信号がすべてのインテリジェントスイッチ制御回路に伝送され、交流の負の半周期(bは負で、aは正である)で各インテリジェントスイッチ制御回路はそれぞれすべての支援スイッチK
12〜K
n2をオンするように制御すると共に、すべてのスイッチK
11〜K
n1を交流の正の半周期(bは正で、aは負である)でオンするように制御し、スイッチのオン過程はこれで終了する。K
11〜K
n1のオン過程で、ダイオードD
1〜D
nがK
11〜K
n1の両端に並列に接続されて接点を保護する作用を果たすので、K
11〜K
n1のフレームによる焼き付きを避けることができ、且つスイッチK
11〜K
n1接点のオン過程で電流が連続変化し、突入電流が発生しないことを実現する。高圧インテリジェントスイッチコンデンサの制御端cがスイッチオフ信号を受信すると、B
11〜B
n1を介してスイッチオフ信号がすべてのインテリジェントスイッチ制御回路に伝送され、各インテリジェントスイッチ制御回路はまずそれぞれすべての支援スイッチK
12〜K
n2をオンするように制御し、その後、すべてのスイッチK
11〜K
n1を交流の電流正半周期(bは正であり、aは負である)でオフするように制御し、交流の電流半周期(bは負であり、aは正である)で各インテリジェントスイッチ制御回路はそれぞれすべての支援スイッチK
12〜K
n2をオフするように制御し、スイッチのオフ過程はこれで終了する。K
11〜K
n1のオフ過程で、ダイオードD
1〜D
n…がK
11〜K
n1の両端に並列に接続されて接点を保護する作用を果たすので、K
11〜K
n1のアーク放電を避けることができ、また、交流が正から負に変化する瞬間で直列に接続されるダイオードによりスイッチのオフ過程が自動的に完成され、交流が負に変化する前に、電流は正弦で連続的に変化する。スイッチがオンになっていてコンデンサが動作する間に、いずれか一つのインテリジェントスイッチコンデンサユニットで過温度、過電圧又は過電流が検出されると、このコンデンサユニットのインテリジェントスイッチ制御回路は高圧端通信モジュールと低圧端通信モジュールを介してすべてのスイッチK
11〜K
n1にオフになるように通知し、これによりコンデンサを保護する目的を達成する。スイッチのオフ過程は、制御によりスイッチがオフされる前記の過程と同じであり、ここで贅言しない。
【0029】
金属化フィルムコンデンサコアを直列に接続して高圧コンデンサを構成する場合では、
図8に示すスイッチとコンデンサコアとの接続構造が使用される。
図8と
図7との構造上の区別は、各インテリジェントスイッチコンデンサユニットには、その両端に並列に接続されるリレースイッチ接点K13、K23、……、Kn3がそれぞれ1つ追加され、且つリレー接点回路にカレントトランスCT1、CT2、……、CTnがそれぞれ設置されていることである。これらのリレースイッチ接点の作用は、これらのリレースイッチ接点が設けられたコンデンサコアの容量が大幅に小さくなり、コンデンサコアに高電圧が印加された際に、スイッチ接点をオンさせてインテリジェントスイッチコンデンサユニットを短絡させることによって、コンデンサコアの焼損を防止できることである。カレントトランスCTの作用は、当該インテリジェントスイッチコンデンサユニットが短絡された後にこのユニットのインテリジェントスイッチ制御モジュールに電源を提供することと、高圧コンデンサ直列回路全体の電流を検出することである。金属化フィルム技術で製造されたコンデンサコアが直列に接続されて構成された高圧コンデンサは、使用中に金属化コンデンサの自己修復作用によりその容量が絶えず小さくなるため、あるコンデンサコアにおいてその容量が小さくなった場合、そのコンデンサコアの分圧は増加することになり、分圧の増加により自己修復作用が強化されて容量がさらに減衰する。この自己修復→容量が低減する→分圧が増加する→自己修復がより強くなる→容量がさらに低減するような過程をそのままにしておくと、このコンデンサコアではすぐに短絡が発生し、それによってコンデンサ全体が破壊してしまう。
図8の回路構造を使用すると上記の悪循環の発生を避けることができ、
図8の高圧インテリジェントスイッチコンデンサはN個のインテリジェントスイッチコンデンサユニットからなり、そのうちの一つのインテリジェントスイッチコンデンサユニットは、ユニット両端に並列に接続されるリレースイッチ接点により短絡にされ、つまり高圧インテリジェントスイッチコンデンサは正常動作時にN−1個のコンデンサコアが直列に接続されて構成される。コンデンサの動作時にあるコンデンサコアの容量が何かしらの原因で早く減衰すると、このコンデンサコアは、他のコンデンサコアより高い電圧を受けることになる。それぞれのコンデンサコアが受ける電圧は当該ユニットのインテリジェントスイッチ制御モジュールにより検出されて外部制御器に伝送され、制御器は、各インテリジェントスイッチコンデンサユニットが受ける電圧を比較した後で、最も高い電圧を受けたインテリジェントスイッチコンデンサユニットを短絡させると共に、それまで短絡されていたインテリジェントスイッチコンデンサユニットの短絡を解除するようにし、高圧インテリジェントスイッチコンデンサは依然としてN−1個のコンデンサコアが直列に接続されて構成されたものであるが、これにより、ある一つのコンデンサにおける、自己修復作用による容量減衰の悪循環の発生が防止される。コンデンサが暫く動作した後にもう一つのコンデンサコアに容量減衰の悪循環が発生すると、このインテリジェントスイッチコンデンサユニットを短絡させると共に、先ほど短絡されて休んでいるインテリジェントスイッチコンデンサユニットをリスタートさせるとうにし、このようにすれば金属化フィルムコンデンサコアが直列に接続された高圧コンデンサの動作寿命と信頼性を大幅に向上できる。動作電圧がより高いインテリジェントスイッチコンデンサでは、高圧インテリジェントスイッチコンデンサのより高い信頼性を確保するように、N−2又はN−3個のインテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続させて動作させてもよい。
【0030】
図9と
図10にインテリジェントスイッチコンデンサユニットの内部構造と外形を示す。円柱状のハウジング1の下部に数本の直列接続コンデンサコア7が設置され、コンデンサコアは金属化フィルムの乾式構造を採用してもよく、即ち金属化フィルム巻回コンデンサコアを使用できる。インテリジェントスイッチ制御モジュール6(インテリジェントスイッチ制御配線板)はコンデンサコア7の上方に設置され、コンデンサコアとハウジングとの間にはコンデンサ紙又はポリプロピレンフィルム絶縁層8を採用して絶縁を行うことができる。コンデンサコアはまた、従来の高圧コンデンサの箔型構造の全膜構造を採用でき、コンデンサコアとハウジングとの間には絶縁油9を採用して絶縁を行う。インテリジェントスイッチコンデンサユニットのハウジングはコンデンサの一極であり、一般にインテリジェントスイッチコンデンサのコンデンサ端(低圧端)をハウジングと接続できる。
【0031】
インテリジェントスイッチコンデンサユニットは
図11に示すような直方体状構造を採用してもよく、直方体状のハウジングの下部に数本の直列・並列接続コンデンサコア7が設置され、コンデンサコア7は金属化フィルムの乾式構造を採用してもよく、即ち金属化フィルムフィルム巻回コンデンサコアを使用できる。コンデンサコアとハウジングとの間にはコンデンサ紙又はポリプロピレンフィルムを採用して絶縁を行う。インテリジェントスイッチコンデンサユニットのハウジングはコンデンサの一極であり、一般にインテリジェントスイッチコンデンサのコンデンサ端(低圧端)をハウジングと接続できる。
【0032】
数本のインテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続し、対応する高圧、低圧通信インターフェイスを接続すれば、実際に使用可能な高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサを構成できる。如
図12に示すように、取付、使用に便利なように、数本のインテリジェントスイッチコンデンサユニットを組み立てて従来の高圧交流コンデンサと同様なハウジングに入れることができる。
【0033】
6つの
図8に示すインテリジェントスイッチコンデンサユニットを直列に接続した後、対応する高、低圧通信インターフェイスを接続すれば、
図11に示す高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサを構成できる。コンデンサの容量は200kvarであり、動作電圧は6kVであり、体積は約400×150×900mm(L×D×H)であり、各インテリジェントスイッチコンデンサユニットは絶縁支持板18によって固定され、ハウジング同士の間には、放電が発生しないように絶縁措置が取られている。補償装置に取り付けられた場合では、一般に高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサのハウジングを接地する必要があり、このためコンデンサユニットのハウジングと高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサのハウジングとの間に放電が発生しないように、コンデンサユニットと高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサのハウジングとの間に十分な絶縁措置を取る必要がある。具体的な絶縁措置は、高圧分野の当業者にとって、一般に多種類の方法を採用して実現できるものであり、本願でいちいち列挙しない。高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの信号制御端cは制御端子により引き出してもよく、赤外線発光ダイオードと赤外線受信ヘッドにより引き出してもよい。
【0034】
本発明の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサは従来の高圧コンデンサと比べて、外観ではほとんど区別がなく、使用時により便利である。
図13に示す高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサの構造では、制御端cは赤外線受信ヘッド19と赤外線発光ダイオード20から構成されてもよく、赤外線信号を用いて本発明の高圧インテリジェントスイッチ交流コンデンサを制御すると、より安全で便利である。本発明の高圧インテリジェントスイッチコンデンサでは、高圧切り替えスイッチをコンデンサの内部に集積し、取付、使用時に高圧スイッチとコンデンサとを接続する必要がなく、取付コストだけでなく、取付時の弊害もさらに大幅に低減される。
【0035】
機能面では、本発明の高圧インテリジェントスイッチコンデンサは多く保護措置を有し、コンデンサの内部に設置された温度センサ14は、外部温度センサより正確なコンデンサの動作温度情報を提供でき、これによりもっとタイムリー且つ精確にコンデンサを保護できる。電流検出モジュール15は、コンデンサを通過する電流の大きさと調波の情報を提供でき、コンデンサを通過する電流(調波電流)が過大である又は共振が発生すると、スイッチを遮断することでコンデンサを保護することができる。電圧検出モジュール16はコンデンサの動作電圧情報を提供する。金属化フィルムコンデンサは使用中に容量が絶えず減衰するものであり、直列に接続されたコンデンサコアにおいて各コアの容量減衰のばらつきが大きいと、最終的にコンデンサ全体のブレークダウンを招ってしまうので、コンデンサコアの電圧の不均衡をできるだけ早く発見することは、金属化フィルムコンデンサに対する最適な保護方法であり、明らかに、金属化フィルム技術を確実に高圧コンデンサに応用するには、コンデンサ内部のコアの電圧の検出は必要である。
【符号の説明】
【0036】
a 高圧インテリジェントスイッチコンデンサのコンデンサ端
b 高圧インテリジェントスイッチコンデンサのスイッチ端
c 高圧インテリジェントスイッチコンデンサの制御端
1 インテリジェントスイッチコンデンサユニットのハウジング
2 低圧端通信インターフェイス
3 高圧端通信インターフェイス
4 インテリジェントスイッチコンデンサユニットのコンデンサ端
5 インテリジェントスイッチコンデンサユニットのスイッチ端
6 インテリジェントスイッチ制御モジュール
7 コンデンサコア
8 ポリプロピレンフィルム層
9 絶縁油
10 電源モジュール
11 インテリジェントスイッチ制御回路
12 低圧端通信モジュール
13 高圧端通信モジュール
14 温度センサ
15 電流検出モジュール
16 電圧検出モジュール
17 コンデンサ放電モジュール
18 絶縁支持板
19 赤外線受信ヘッド
20 赤外線発光ダイオード