【文献】
Palladium-Catalyzed Alkoxycarbonylation of Conjugated Dienes under Acid-Free Conditions: Atom-Economic Synthesis of β,γ-Unsaturated Esters,Angewandte Chemie International Edition,2014年,Vol. 53, P9030-9034
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記エチレン性不飽和化合物は、エテン、プロペン、1−ブテン、cis−および/またはtrans−2−ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエン、1−ペンテン、cis−および/またはtrans−2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、1−オクテン、2−オクテン、ジ−n−ブテン、およびそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
プロセスステップb)におけるPdを含む前記化合物は、二塩化パラジウム、パラジウム(II)アセチルアセトナート、酢酸パラジウム(II)、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)、パラジウム(シンナミル)ジクロリドから選択される、請求項1または2に記載の方法。
プロセスステップc)における前記アルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、3−ペンタノール、シクロヘキサノール、フェノール、およびそれらの混合物から選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0013】
この発明の目的に対し、用語「ブレンステッド酸」は、プロトンを与えることができる化合物を意味する(プロトン供与体)。したがって、この用語は、プロトンを与えることができないルイス酸(電子対受容体)、例えば、Pd化合物であるPdCl
2など、を包含しない。
【0014】
したがって、用語「酸不含」は、本発明に関して、ブレンステッド酸が積極的に当該反応混合物に加えられない状況を意味する。これは、反応過程の結果としてのブレンステッド酸の形成を完全に除外しないためである。
【0015】
報告する酸強度pKaは、標準状態(25℃、1.01325bar)下で特定されたpKaに基づいている。多塩基酸の場合、本発明との関連における酸強度pKaは、最初のプロトリシスステップのpKaに関連する。
【0016】
本発明のプロセスは、好ましくは、pKa≦5、好ましくはpKa≦6のそれほど強くないブレンステッド酸を添加することなく実施される。したがって、好ましくは、当該反応混合物中における、pKa≦5、好ましくはpKa≦6の酸強度を有するブレンステッド酸の割合は、当該エチレン性不飽和化合物の物質量に対して、0.1mol%未満、好ましくは0.01mol%未満、さらにより好ましくは0.001mol%未満、非常に好ましくは0.0001mol%未満、最も好ましくは0mol%である。
【0017】
本発明の目的のための二座ホスフィン配位子は、2つのホスフィン基を有する配位子であり、この場合、当該両方のホスフィン基のリン原子は、一緒にパラジウム原子に配位することができる。少なくとも1つのリン原子が少なくとも1つのヘテロアリール基で置換された結果として、酸不含のアルコキシカルボニル化において高収率を達成することが可能であることが明らかとなった。
【0018】
当該ヘテロアリール基は、好ましくは、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基である。
【0019】
好適なヘテロアリール基は、例えば、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリルである。
【0020】
特に好ましいのは、5個から10個の環原子、好ましくは5個または6個の環原子を有するヘテロアリール基である。
【0021】
ここで、当該言及したヘテロアリール基は、(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル−(C
6〜C
20)−アリール、−O−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−S−(C
1〜C
12)−アルキル、−S−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−COO−(C
1〜C
12)−アルキル、−COO−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−CONH−(C
1〜C
12)−アルキル、−CONH−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−CO−(C
1〜C
12)−アルキル、−CO−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−N−[(C
1〜C
12)−アルキル]
2、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
6〜C
20)−アリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−COOH、−OH、−SO
3H、−NH
2、ハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0022】
ここで、好ましいのは、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−O−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
6〜C
20)−アリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−O−(C
1〜C
12)−アルキルから選択される置換基である。
【0023】
特に好ましいのは、少なくとも1つのヘテロアリール基による両方のホスフィン基のリン原子の置換である。
【0024】
好ましい一実施形態において、当該二座ホスフィン配位子は、以下の式(I)および(II):
【0026】
[式中、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールから選択され、
R
1、R
2、R
3、R
4基の少なくとも1つまたはR
1’、R
2’、R
3’、R
4’基の少なくとも1つは、(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、
ならびに、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル−(C
6〜C
20)−アリール、−O−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−S−(C
1〜C
12)−アルキル、−S−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−COO−(C
1〜C
12)−アルキル、−COO−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−CONH−(C
1〜C
12)−アルキル、−CONH−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−CO−(C
1〜C
12)−アルキル、−CO−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−N−[(C
1〜C
12)−アルキル]
2、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
6〜C
20)−アリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−COOH、−OH、−SO
3H、−NH
2、ハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい]のうちの一方による化合物から選択される。
【0027】
表現(C
1〜C
12)−アルキルは、1個から12個の炭素原子を有する直鎖状および分岐鎖状アルキル基を包含する。これらは、好ましくは(C
1〜C
8)−アルキル基、より好ましくは(C
1〜C
6)−アルキル、最も好ましくは(C
1〜C
4)−アルキルである。
【0028】
好適な(C
1〜C
12)−アルキル基は、とりわけ、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、2−ペンチル、2−メチルブチル、3−メチルブチル、1,2−ジメチルプロピル、1,1−ジメチルプロピル、2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、n−ヘキシル、2−ヘキシル、2−メチルペンチル、3−メチルペンチル、4−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,2−ジメチルブチル、2,2−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2,3−ジメチルブチル、3,3−ジメチルブチル、1,1,2−トリメチルプロピル、1,2,2−トリメチルプロピル、1−エチルブチル、1−エチル−2−メチルプロピル、n−ヘプチル、2−ヘプチル、3−ヘプチル、2−エチルペンチル、1−プロピルブチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、2−プロピルヘプチル、ノニル、デシルである。
【0029】
表現(C
1〜C
12)−アルキルに関する説明は、特に、−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−S−(C
1〜C
12)−アルキル、−COO−(C
1〜C
12)−アルキル、−CONH−(C
1〜C
12)−アルキル、−CO−(C
1〜C
12)−アルキル、および−N−[(C
1〜C
12)−アルキル]
2におけるアルキル基にも当てはまる。
【0030】
表現(C
3〜C
12)−シクロアルキルは、3個から12個の炭素原子を有する、単環式、二環式、または三環式のヒドロカルビル基を包含する。好ましくは、これらの基は、(C
5〜C
12)−シクロアルキルである。
【0031】
当該(C
3〜C
12)−シクロアルキル基は、好ましくは3個から8個、より好ましくは5個または6個の環原子を有する。
【0032】
好適な(C
3〜C
12)−シクロアルキル基は、とりわけ、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロドデシル、シクロペンタデシル、ノルボニル、アダマンチルである。
【0033】
表現(C
3〜C
12)−シクロアルキルに関する説明は、特に、−O−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−S−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−COO−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−CONH−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−CO−(C
3〜C
12)−シクロアルキルにおけるシクロアルキル基にも当てはまる。
【0034】
表現(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキルは、環炭素原子の1つまたは複数がヘテロ原子で置換されている、3個から12個の炭素原子を有する非芳香族、飽和、または部分的不飽和のシクロ脂肪族基を包含する。当該(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル基は、好ましくは3個から8個、より好ましくは5個または6個の環原子を有し、任意選択により脂肪族側鎖で置換されていてもよい。当該ヘテロシクロアルキル基では、シクロアルキル基とは反対に、環炭素原子の1つまたは複数がヘテロ原子またはヘテロ原子含有基で置き換わっている。当該ヘテロ原子または当該ヘテロ原子含有基は、好ましくは、O、S、N、N(=O)、C(=O)、S(=O)から選択される。したがって、本発明との関連における(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル基は、酸化エチレンも含む。
【0035】
好適な(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル基は、とりわけ、テトラヒドロチオフェニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニル、およびジオキサニルである。
【0036】
表現(C
6〜C
20)−アリールは、6個から20個の炭素原子を有する単環式または多環式の芳香族ヒドロカルビル基を包含する。これらは、好ましくは(C
6〜C
14)−アリール、より好ましくは(C
6〜C
10)−アリールである。
【0037】
好適な(C
6〜C
20)−アリール基は、とりわけ、フェニル、ナフチル、インデニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル、クリセニル、ピレニル、コロネニルである。好ましい(C
6〜C
20)−アリール基は、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルである。
【0038】
表現(C
3〜C
20)−ヘテロアリールは、炭素原子の1つまたは複数がヘテロ原子で置き換えられた、3個から20個の炭素原子を有する単環式または多環式の芳香族ヒドロカルビル基を包含する。好ましいヘテロ原子は、N、O、およびSである。当該(C
3〜C
20)−ヘテロアリールは、3個から20個、好ましくは6個から14個、より好ましくは6個から10個の環原子を有する。したがって、例えば、本発明のとの関連におけるピリジルは、C
6−ヘテロアリール基であり、フリルは、C
5−ヘテロアリール基である。
【0039】
好適な(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基は、とりわけ、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリルである。
【0040】
表現ハロゲンは、特に、フッ素、塩素、臭素、およびヨウ素を包含する。特に好ましいのは、フッ素および塩素である。
【0041】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル−(C
6〜C
20)−アリール、−O−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−S−(C
1〜C
12)−アルキル、−S−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
6〜C
20)−アリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−COOH、−OH、−SO
3H、−NH
2、ハロゲンから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0042】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル−(C
6〜C
20)−アリール、−O−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
6〜C
20)−アリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール−O−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−O−(C
1〜C
12)−アルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0043】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−O−(C
1〜C
12)−アルキル−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール−O−(C
1〜C
12)−アルキルから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0044】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキルおよび−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールから選択される1つまたは複数の置換基で置換されていてもよい。
【0045】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、(C
3〜C
12)−シクロアルキル、または−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキルである場合、非置換であり、ならびにそれらが−(C
6〜C
20)−アリールまたは−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、説明されるように置換されていてもよい。
【0046】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、非置換である。
【0047】
一実施形態において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’は、それぞれ独立して、(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールから選択され、
この場合、
当該基R
1、R
2、R
3、およびR
4の少なくとも1つおよび/または当該基R
1’、R
2’、R
3’、R
4’の少なくとも1つは、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、
ならびに
R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、上記において説明した置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0048】
一実施形態において、R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、それぞれ独立して、(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールから選択され、
この場合
当該R
1、R
2、R
3、R
4基の少なくとも1つまたは当該R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基の少なくとも1つは、(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、
ならびに
R
1、R
2、R
3、R
4、R
1’、R
2’、R
3’、R
4’は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
6〜C
20)−アリール、または−(C
3〜C
20)−ヘテロアリールである場合、それぞれ独立して、上記において説明される置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0049】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、R
4基の少なくとも2つまたは当該R
1’、R
2’、R
3’、R
4’基の少なくとも2つは、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基である。
【0050】
一実施形態において、当該R
1およびR
3基あるいは当該R
1’およびR
3’基は、それぞれ、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、ならびに、それぞれ独立して、上記において説明される置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。好ましくは、当該R
2およびR
4基あるいはR
2’およびR
4’基は、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基ではない。好ましくは、当該R
2およびR
4あるいはR
2’およびR
4’基は、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから、最も好ましくは−(C
1〜C
12)−アルキル、(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから選択される。
【0051】
一実施形態において、当該基R
1、R
2、およびR
3ならびに/あるいは当該基R
1′、R
2′、およびR
3′は、それぞれ、(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、ならびに、それぞれ独立して、上記において説明される置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。好ましくは、この場合、R
4またはR
4’は、−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基ではない。より好ましくは、この場合、R
4またはR
4’は、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから、最も好ましくは−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから選択される。
【0052】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、−(C
6〜C
20)−ヘテロアリール基であり、ならびに、それぞれ独立して、上記において説明される置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0053】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、それぞれ独立して、5個から10個の環原子を有するヘテロアリール基、好ましくは5個または6個の環原子を有するヘテロアリール基から選択される。
【0054】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、6個の環原子を有するヘテロアリール基である。
【0055】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、5個の環原子を有するヘテロアリール基である。
【0056】
好ましくは、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、それぞれ独立して、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、フラザニル、テトラゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジル、ピラジニル、ベンゾフラニル、インドリル、イソインドリル、ベンズイミダゾリル、キノリル、イソキノリルから選択され、この場合、当該ヘテロアリール基は、上記において説明したように置換されていてもよい。
【0057】
一実施形態において、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、それぞれ独立して、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、インドリルから選択され、この場合、当該ヘテロアリール基は、上記において説明したように置換されていてもよい。
【0058】
好ましくは、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、それぞれ独立して、2−フリル、2−チエニル、2−ピロリル、2−イミダゾリル、2−ピリジル、2−ピリミジル、2−インドリルから選択され、この場合、当該ヘテロアリール基は、上記において説明したように置換されていてもよい。
【0059】
より好ましくは、当該R
1、R
2、R
3、およびR
4基あるいはR
1’、R
2’、R
3’、およびR
4’基は、それらがヘテロアリール基である場合、それぞれ独立して、2−フリル、2−チエニル、N−メチル−2−ピロリル、N−フェニル−2−ピロリル、N−(2−メトキシフェニル)−2−ピロリル、2−ピロリル、N−メチル−2−イミダゾリル、2−イミダゾリル、2−ピリジル、2−ピリミジル、N−フェニル−2−インドリル、2−インドリルから選択され、この場合、当該ヘテロアリール基は、これ以上の置換を有しない。
【0060】
一実施形態において、当該基R
1およびR
3ならびに/あるいはR
1’およびR
3’は、それぞれ、5個または6個の環原子を有する−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、
この場合、当該基R
2およびR
4ならびに/あるいはR
2’およびR
4’は、それぞれ独立して、(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから選択され、
ならびに
R
1、R
3、R
1’、およびR
3’、さらにR
2、R
2’、R
4、およびR
4’は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、または−(C
6〜C
20)−アリールである場合、それぞれ独立して、上記において説明した置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0061】
一実施形態において、当該基R
1およびR
3ならびに/あるいはR
1’およびR
3’は、それぞれ、5個または6個の環原子を有する−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、ならびに当該基R
2およびR
4ならびに/あるいはR
2’およびR
4’は、それぞれ、(C
1〜C
12)−アルキルであり、
この場合、
R
1、R
3、R
1’、およびR
3’、さらにR
2、R
2’、R
4、およびR
4’は、それぞれ独立して、上記において説明した置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0062】
一実施形態において、当該基R
1およびR
3ならびに/あるいはR
1’およびR
3’は、それぞれ、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジル、インドリルから選択される−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、この場合、当該基R
2およびR
4は、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから選択され、
ならびに
R
1およびR
3、さらにR
2およびR
4は、それらが−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、または−(C
6〜C
20)−アリールである場合、それぞれ独立して、上記において説明した置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0063】
好ましい一実施形態において、当該二座ホスフィン配位子は、式Iの化合物であり、
この場合、R
1、R
2、R
3、およびR
4は、上記において言及したように定義される。
【0064】
当該二座ホスフィン配位子は、好ましくは、式Iの化合物であり、
この場合、当該基R
1およびR
3は、それぞれ、5個または6個の環原子を有する−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、
当該基R
2およびR
4は、それぞれ独立して、−(C
1〜C
12)−アルキル、−(C
3〜C
12)−シクロアルキル、−(C
3〜C
12)−ヘテロシクロアルキル、−(C
6〜C
20)−アリールから選択され、
ならびに
R
1、R
2、R
3、およびR
4は、それぞれ独立して、上記において説明した置換基の1つまたは複数で置換されていてもよい。
【0065】
特に好ましくは、当該二座ホスフィン配位子は、式Iの化合物であり、
この場合、当該基R
1およびR
3は、それぞれ、6個の環原子を有する−(C
3〜C
20)−ヘテロアリール基であり、
当該基R
2およびR
4は、それぞれ、−(C
1〜C
12)−アルキルである。
【0068】
のうちの一方による化合物は、本発明によるプロセスにとって特に好適なホスフィン配位子である。化合物8は、この関連において特に好ましい。
【0069】
本発明によるプロセスにおいて反応物質として使用される当該エチレン性不飽和化合物は、1つまたは複数の炭素−炭素二重結合を有する。これらの化合物は、本明細書の以下において、簡素化のためにオレフィンとも呼ばれる。当該二重結合は、末端であってもまたは内部であってもよい。
【0070】
好ましいのは、2個から30個の炭素原子、好ましくは2個から22個の炭素原子、より好ましくは2個から12個の炭素原子を有するエチレン性不飽和化合物である。
【0071】
当該エチレン性不飽和化合物は、1つまたは複数の二重結合に加えて、さらなる官能基も有していてもよい。好ましくは、当該エチレン性不飽和化合物は、カルボキシル、チオカルボキシル、スルホ、スルフィニル、無水カルボン酸、イミド、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、カルボニル、カルボノチオイル、ヒドロキシル、スルフヒドリル、アミノ、エーテル、チオエーテル、アリール、ヘテロアリール、あるいはシリル基および/またはハロゲン置換基から選択される1つまたは複数の官能基を有する。それと同時に、当該エチレン性不飽和化合物は、好ましくは、合計で2個から30個の炭素原子、好ましくは2個から22個の炭素原子、より好ましくは2個から12個の炭素原子を有する。
【0072】
一実施形態において、当該エチレン性不飽和化合物は、炭素−炭素二重結合以外のさらなる官能基を有しない。
【0073】
好適なエチレン性不飽和化合物は、例えば、
エテン、
プロペン、
C4オレフィン、例えば、1−ブテン、cis−2−ブテン、trans−2−ブテン、cis−およびtrans−2−ブテンの混合物、イソブテン、1,3−ブタジエンなど;ラフィネートI〜III、クラック−C4、
C5オレフィン、例えば、1−ペンテン、2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、2−メチル−1,3−ブタジエン(イソプレン)、1,3−ペンタジエンなど、
C6オレフィン、例えば、テトラメチルエチレン、1,3−ヘキサジエン、1,3−シクロヘキサジエンなど、
C7オレフィン、例えば、1−メチルシクロヘキセン、2,4−ヘプタジエン、ノルボルナジエンなど、
C8オレフィン、例えば、1−オクテン、2−オクテン、シクロオクテン、ジ−n−ブテン、ジイソブテン、1,5−シクロオクタジエン、1,7−オクタジエンなど、
C9オレフィン、例えば、トリプロペンなど、
C10オレフィン、例えば、ジシクロペンタジエンなど、
ウンデセン、
ドデセン、
内部C14オレフィン、
内部C15〜C18オレフィン、
直鎖状または分岐鎖状、環状、非環状、または部分的環状の内部C15〜C
30オレフィン、
トリイソブテン、トリ−n−ブテン、
テルペン、例えば、リモネン、ゲラニオール、ファルネソール、ピネン、ミルセン、カルボン、3−カレンなど、
18個の炭素原子を有する多価不飽和化合物、例えば、リノール酸またはリノレン酸など、
不飽和カルボン酸のエステル、例えば、酢酸またはプロピオン酸のビニルエステル、不飽和カルボン酸のアルキルエステル、アクリル酸およびメタクリル酸のメチルまたはエチルエステル、オレイン酸エステル(例えば、メチルまたはエチルオレエートなど)、リノール酸またはリノレン酸のエステルなど、
ビニル化合物、例えば、酢酸ビニル、ビニルシクロヘキセン、スチレン、α−メチルスチレン、2−イソプロペニルナフタレンなど、
2−メチル−2−ペンテナール、3−ペンテン酸メチル、無水メタクリル酸
である。
【0074】
当該プロセスの一変形例において、当該エチレン性不飽和化合物は、プロペン、1−ブテン、cis−および/またはtrans−2−ブテン、またはそれらの混合物から選択される。
【0075】
当該プロセスの一変形例において、当該エチレン性不飽和化合物は、1−ペンテン、cis−および/またはtrans−2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、3−メチル−1−ブテン、またはそれらの混合物から選択される。
【0076】
好ましい実施形態において、当該エチレン性不飽和化合物は、エテン、プロペン、1−ブテン、cis−および/またはtrans−2−ブテン、イソブテン、1,3−ブタジエン、1−ペンテン、cis−および/またはtrans−2−ペンテン、2−メチル−1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、n−オクテン、1−オクテン、2−オクテン、またはそれらの混合物から選択される。
【0077】
一変形例において、エチレン性不飽和化合物の混合物が使用される。本発明との関連における混合物は、少なくとも2種の異なるエチレン性不飽和化合物を含む組成物を意味し、この場合、個々のエチレン性不飽和化合物それぞれの割合は、当該混合物の総重量に対して、好ましくは少なくとも5重量%である。
【0078】
好ましいのは、2個から30個の炭素原子、好ましくは4個から22個の炭素原子、より好ましくは6個から12個の炭素原子、最も好ましくは8個から10個の炭素原子をそれぞれが有するエチレン性不飽和化合物の混合物を使用することである。
【0079】
エチレン性不飽和化合物の好適な混合物は、ラフィネートI〜IIIと呼ばれるものである。ラフィネートIは、40%から50%のイソブテン、20%から30%の1−ブテン、10%から20%のcis−およびtrans−2−ブテン、1%以下の1,3−ブタジエン、および10%から20%のn−ブタンおよびイソブタンを含む。ラフィネートIIは、ナフサ分解の際に生じるC4留分の一部であり、ラフィネートIからのイソブテンの除去の後の異性体n−ブテン、イソブタン、およびn−ブタンから実質的に構成される。ラフィネートIIIは、ナフサ分解の際に生じるC4留分の一部であり、異性体ブテンおよびn−ブタンから実質的に構成される。
【0080】
さらに好適な混合物は、ジ−n−ブテンであり、ジブテン、DNB、またはDnBとも呼ばれる。ジ−n−ブテンは、1−ブテン、cis−2−ブテン、およびtrans−2−ブテンの混合物の二量体化により生じるC8オレフィンの異性体混合物である。産業上、一般的に、ラフィネートIIまたはラフィネートIIIのストリームには触媒的オリゴマー化が施されるが、この場合、存在するブタン(n/イソ)は、変わらない状態で存在するが、存在するオレフィンは、完全にまたは部分的に転化される。二量体ジ−n−ブテンと同様に、一般的に、より高分子量のオリゴマー(トリブテンC12、テトラブテンC16)も形成され、これらは、反応後に蒸留によって除去される。同様に、これらは、反応物質として使用することができる。
【0081】
好ましい変形例において、イソブテン、1−ブテン、cis−およびtrans−2−ブテンを含む混合物が使用される。好ましくは、当該混合物は、1−ブテン、cis−およびtrans−2−ブテンを含む。
【0082】
本発明によるアルコキシカルボニル化は、Pd錯体によって触媒される。当該Pd錯体は、Pdと上記において説明したホスフィン配位子とを含む、事前形成された錯体としてプロセスステップb)において加えてもよく、またはPdを含む化合物と遊離ホスフィン配位子とからその場で形成させてもよい。この文脈において、Pdを含む当該化合物は、触媒前駆体とも呼ばれる。
【0083】
触媒がその場で形成される場合、当該配位子は、非結合の配位子も当該反応混合物中に存在するように、過剰に加えることができる。
【0084】
一変形例において、Pdを含む当該化合物は、二塩化パラジウム(PdCl
2)、パラジウム(II)アセチルアセトナート[Pd(acac)
2]、酢酸パラジウム(II)[Pd(OAc)
2]、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム(II)[Pd(cod)
2Cl
2]、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム[Pd(dba)
2]、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム(II)[Pd(CH
3CN)
2Cl
2]、パラジウム(シンナミル)ジクロリド[Pd(シンナミル)Cl
2]から選択される。
【0085】
好ましくは、Pdを含む当該化合物は、PdCl
2、Pd(acac)
2、またはPd(OAc)
2である。PdCl
2は、特に好適である。
【0086】
プロセスステップc)におけるアルコールは、分岐鎖状または直鎖状、環状、脂環式、部分的環状、または脂肪族のアルコールであってもよく、とりわけ、C
1〜C
30−アルカノールである。モノアルコールまたはポリアルコールを使用することができる。
【0087】
プロセスステップc)におけるアルコールは、好ましくは1個から30個の炭素原子、より好ましくは1個から22個の炭素原子、とりわけ好ましくは1個から12個の炭素原子を有する。それは、モノアルコールまたはポリアルコールであり得る。
【0088】
当該アルコールは、1つまたは複数のヒドロキシル基に加えて、さらなる官能基を有していてもよい。好ましくは、当該アルコールは、さらに、カルボキシル、チオカルボキシル、スルホ、スルフィニル、無水カルボン酸、イミド、カルボン酸エステル、スルホン酸エステル、カルバモイル、スルファモイル、シアノ、カルボニル、カルボノチオイル、スルフヒドリル、アミノ、エーテル、チオエーテル、アリール、ヘテロアリール、あるいはシリル基および/またはハロゲン置換基から選択される1つまたは複数の官能基を有していてもよい。
【0089】
一実施形態において、当該アルコールは、ヒドロキシル基以外のさらなる官能基を有しない。
【0090】
当該アルコールは、不飽和基および芳香族基を有していてもよい。しかしながら、当該アルコールは、好ましくは、脂肪族アルコールである。
【0091】
本発明との関連における脂肪族アルコールは、芳香族基を有しないアルコール、すなわち、例えば、アルカノール、アルケノール、またはアルキノールを意味する。
【0092】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、モノアルコールの群から選択される。
【0093】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、イソプロパノール、イソブタノール、tert−ブタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、3−ペンタノール、1−ヘキサノール、シクロヘキサノール、フェノール、2−エチルヘキサノール、イソノナノール、2−プロピルヘプタノールから選択される。
【0094】
好ましい変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノール、2−プロパノール、tert−ブタノール、3−ペンタノール、シクロヘキサノール、フェノール、およびそれらの混合物から選択される。
【0095】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、ポリアルコールの群から選択される。
【0096】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、ジオール、トリオール、テトラオールから選択される。
【0097】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、シクロヘキサン−1,2−ジオール、エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、グリセロール、ブタン−1,2,4−トリオール、2−ヒドロキシメチルプロパン−1,3−ジオール、1,2,6−トリヒドロキシヘキサン、ペンタエリトリトール、1,1,1−トリ(ヒドロキシメチル)エタン、カテコール、レゾルシノール、およびヒドロキシヒドロキノンから選択される。
【0098】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、スクロース、フルクトース、マンノース、ソルボース、ガラクトース、およびグルコースから選択される。
【0099】
当該プロセスの好ましい実施形態において、プロセスステップc)におけるアルコールは、メタノール、エタノール、1−プロパノール、1−ブタノール、1−ペンタノール、1−ヘキサノールから選択される。
【0100】
当該プロセスの特に好ましい変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、メタノール、エタノールから選択される。
【0101】
当該プロセスの特に好ましい変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、メタノールである。
【0102】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、過剰において使用される。
【0103】
当該プロセスの一変形例において、プロセスステップc)におけるアルコールは、溶媒として同時に使用される。
【0104】
当該プロセスの一変形例において、以下:トルエン、キシレン、テトラヒドロフラン(THF)、および塩化メチレン(CH
2Cl
2)から選択される、さらなる溶媒が使用される。
【0105】
COは、ステップd)において、好ましくは、0.1MPaから10MPaの間(1barから100bar)、好ましくは1MPaから8MPaの間(10barから80bar)、より好ましくは2MPaから4MPaの間(20barから40bar)のCO分圧において供給される。
【0106】
当該反応混合物は、本発明によるプロセスのステップe)において、エチレン性不飽和化合物をエステルへと転化させるために、好ましくは10℃から180℃の間、好ましくは20℃から160℃の間、より好ましくは40℃から120℃の間の温度に加熱される。
【0107】
ステップa)において最初に投入されたエチレン性不飽和化合物と、ステップc)において加えられるアルコールとのモル比は、好ましくは1:1から1:20の間、より好ましくは1:2から1:10、より好ましくは1:3から1:4である。
【0108】
Pdと、ステップa)において最初に投入されるエチレン性不飽和化合物との質量比は、好ましくは0.001重量%から0.5重量%の間、好ましくは0.01重量%から0.1重量%の間、より好ましくは0.01重量%から0.05重量%の間である。
【0109】
当該二座ホスフィン配位子とPdのモル比は、好ましくは0.1:1から400:1の間、好ましくは0.5:1から400:1の間、より好ましくは1:1から100:1の間、最も好ましくは2:1から50:1の間である。
【実施例】
【0111】
本発明は、以下において、実施例によってさらに詳細に説明される。
【0112】
一般的手順
以下の全ての調製は、標準的シュレンク技術を使用して、保護ガス下において実施した。当該溶媒は、使用前に好適な乾燥剤において乾燥させた(Purification of Laboratory Chemicals,W.L.F.Armarego(著者),Christina Chai(著者),Butterworth Heinemann(Elsevier),第6版,Oxford 2009)。
【0113】
三塩化リン(Aldrich)を、使用前にアルゴン下において蒸留した。全ての調製操作は、ベークアウトした容器において行った。生成物は、NMR分光分析により特徴付けした。化学シフト(δ)は、ppmにおいて報告する。
31P−NMRシグナルは、以下のように参照した:SR
31P=SR
1H*(BF
31P/BF
1H)=SR
1H*0.4048(Robin K.Harris,Edwin D.Becker,Sonia M.Cabral de Menezes,Robin Goodfellow,and Pierre Granger,Pure Appl.Chem.,2001,73,1795−1818;Robin K.Harris,Edwin D.Becker,Sonia M.Cabral de Menezes,Pierre Granger,Roy E.Hoffman and Kurt W.Zilm,Pure Appl.Chem.,2008,80,59−84)。
【0114】
核共鳴スペクトルの記録は、Bruker Avance 300またはBruker Avance 400において行い、ガスクロマトグラフィ分析はAgilent GC 7890Aにおいて行い、元素分析はLeco TruSpec CHNSおよびVarian ICP−OES 715において行い、ならびにESI−TOF質量分光分析はThermo Electron Finnigan MAT 95−XPおよびAgilent 6890 N/5973装置において行った。
【0115】
前駆体Eの調製
クロロ−2−ピリジル−tert−ブチルホスフィンの調製
クロロ−2−ピリジル−t−ブチルホスフィンの合成のためのグリニャール試薬は、塩化イソプロピルマグネシウムを用い「Knochel法」によって調製した(Angew.Chem.2004,43,2222−2226)。後処理は、Budzelaarの方法に従って行った(Organometallics 1990,9,1222−1227)。
【0116】
【化4】
【0117】
スキーム2:前駆体Eの合成
【0118】
8.07mlの1.3M塩化イソプロピルマグネシウム溶液(Knochel試薬)を、マグネチックスターラーおよびセプタムを備える50mlの丸底フラスコに導入し、−15℃に冷却する。その後、953.5μl(10mmol)の2−ブロモピリジンを、迅速に滴加する。当該溶液はすぐに黄色に変わる。それを、−10℃まで温める。当該反応の転化率は、以下のように決定する:約100μlの溶液を取り、1mlの飽和塩化アンモニウム溶液に導入する。当該溶液が「泡」を生じた場合、まだ、多くのグリニャール試薬は形成されていない。当該水溶液を、ピペット1回分のエーテルを加えて抽出し、当該有機相をNa
2SO
4で乾燥させる。当該エーテル溶液のGCを記録する。2−ブロモピリジンと比べて多量のピリジンが形成されている場合、転化率は高い。−10℃では、転化はほとんどなかった。室温まで温めて、1〜2時間撹拌すると、当該反応溶液は、黄褐色に変わる。GC試験は、完全な転化を示す。ここで、予め−15℃に冷却しておいた10mlのTHF中における1.748g(11mmol)のジクロロ−tert−ブチルホスフィンの溶液に、当該グリニャール溶液をシリンジポンプによってゆっくりと滴加することができる。ジクロロ−tert−ブチルホスフィン溶液を冷却することは重要である。室温では、かなりの量のジピリジル−tert−ブチルホスフィンが得られるだろう。最初に透明な黄色の溶液が形成され、それは、次いで濁る。当該混合物を室温まで放温し、一晩撹拌する。当該溶液を高真空下において除去し、所々茶色の白っぽい固体を得る。当該固体を20mlのヘプタンに懸濁させ、当該固体を超音波洗浄機において細かく粉砕する。当該白色固体を沈降させた後、当該溶液を傾瀉する。当該操作を、その都度10〜20mlのヘプタンによって、2回繰り返す。当該ヘプタン溶液を高真空下において濃縮した後、減圧下において蒸留する。4.6mbar、120℃の油浴、および98℃の蒸留温度において、当該生成物を蒸留することができる。1.08gの無色のオイルを得る。(50%)。
分析データ:
1H−NMR(300MHz、C
6D
6):δ8.36(m、1H、Py)、7.67(m、1H、Py)、7.03〜6.93(m、1H、Py)、6.55〜6.46(m、1H、Py)、1.07(d、J=13.3Hz、9H、t−Bu)
13C−NMR(75MHz、C
6D
6):δ162.9、162.6、148.8、135.5、125.8、125.7、122.8、35.3、34.8、25.9、および25.8
31P−NMR(121MHz、C
6D
6):δ97.9
MS(EI)m:z(相対強度)201(M
+,2)、147(32)、145(100)、109(17)、78(8)、57.1(17)である。
化合物8の調製
1,1’−ビス(tert−ブチル−2−ピリジルホスフィノ)フェロセンの調製
【0119】
【化5】
【0120】
スキーム3:化合物8の合成
【0121】
変形例A
474.4mg(2.55mmol)の昇華したフェロセンを、マグネチックスターラーおよびセプタムを備える50mlの丸底フラスコに秤量し、確保する。15mlのヘプタンを加えた後、当該フェロセンは完全に溶解している。次いで、841μlのテトラメチルエチレンジアミン(1.1当量、5.61mmol)を一度に加え、2.04mlのBuLi(ヘキサン中における2.5M、2.0当量、5.1mmol)を滴加する。2〜3時間後、橙色の沈殿物が形成される。当該混合物を一晩撹拌し、当該ヘプタン溶液を傾瀉し、当該橙色の固体をヘプタンで2回洗浄する。次に、さらに10mlのヘプタンを加え、当該懸濁液を70℃に冷却する。1.08g(2.1当量、5.36mmol)のクロロ−2−ピリジル−tert−ブチルホスフィンを、7mlのヘプタンに溶解させる。当該溶液は濁り、セライトでろ過しなければならない。わずかな不溶性の白色固体が形成されている。この溶液を、ジリチウムフェロセン溶液に滴加する。室温まで温める過程において、当該橙色の懸濁液は色が薄くなる。反応を完了させるため、当該反応溶液を還流下において約1時間加熱する。透明な橙色の溶液と白色の沈殿物が形成されている。
【0122】
7mlのアルゴン飽和水を当該懸濁液に加える。当該白色沈殿物は溶解する。水相を除去した後、当該手順を2回繰り返す。この操作の過程において、ヘプタン相が濁る。高真空下において有機相を完全に除去した後、オイル状の橙色の残留物が残る。この残留物を10mlのエーテルに取り、Na
2SO
4において乾燥させる(粗収量は913mg)。−28℃では、一晩において、沈殿物も結晶も形成されない。ジエチルエーテルおよびヘプタンの混合物でさえ、−28℃では、結晶化を生じない。当該溶液の
31P−NMRは再び、に生成物ピーク(ここでは7.39ppm)と、40.4ppmにシグナルを示す。当該生成物は、カラムクロマトグラフィによって精製することができる。当該エーテル溶液を、アルゴン下において、ショートカラムに適用し、ジエチルエーテルで溶出させる。当該橙色の生成物の前部は、ちょうど先頭において通り抜け、容易に収集することができる。エーテルを除去することにより、およそ95%の純度において、241mg(16%)の粘性の橙色のオイルを得る。
【0123】
変形例B
バッチサイズ:650.17mg(3.495mol)のフェロセン(昇華済み)、2.8ml(2当量、6.99mmol)の2.5MのBuLi(n−ブチルリチウム)、1.1ml(2.1当量、7.3mmol)のテトラメチルエチレンジアミン、および1.48g(2.1当量、7.34mmol)のクロロ−2−ピリジル−tert−ブチルホスフィン。
【0124】
当該フェロセンのジリチウム塩を、再び、15mlのヘプタン中において調製する。当該クロロ−2−ピリジル−tert−ブチルホスフィンはTHFにより良好に溶解するため、当該クロロホスフィンを、ヘプタンの代わりに10mlのTHFに溶解させる。同様に後処理手順を最適化した:還流下での沸騰後、当該反応混合物を、ちょうど1mlのH
2Oでクエンチし、当該溶媒(ヘプタンおよびTHF)を高真空下において完全に除去する。当該暗黄橙色の固い固体を、8mlのH
2Oおよび15mlのジエチルエーテルに取り、1分間撹拌する。相分離後、水相をシリンジによって除去し、有機相をH
2Oで3回洗浄する。当該有機相をNa
2SO
4で乾燥させ、ろ過する。当該生成物からNa
2SO
4を、10mlのジエチルエーテルによって3回洗浄し、当該溶液が実質的に無色になるまで行う。暗橙色の当該溶液を10mlまで濃縮し、アルゴン下において、シリカゲル60を充填したカラムに通す。使用する溶出液は、再びジエチルエーテルである。当該ろ液は、実質的に、より明るい橙色である。当該溶媒を除去することにより、1.16gの固い橙色の固体を得る(64%)。
化合物4(α,α’−ビス(2−ピリジル(t−ブチル)ホスフィノ)o−キシレン)の調製
【0125】
【化6】
【0126】
スキーム4:化合物4の合成
(Graham Easthamら、米国特許第6335471(B1)号により)
【0127】
675mg(27.8mmol、4当量)のMg粉末を、グローブボックス内において、窒素タップおよびマグネチックスターラーバーを備える250mlの丸底フラスコに秤量し、当該フラスコをセプタムで密封する。高真空を当該丸底フラスコに適用し(約5×10
−2mbar)、当該フラスコを90℃で45分間加熱する。室温まで冷却した後、2粒のヨウ素を加え、当該混合物を20mlのTHFに溶解させる。ヨウ素の黄色が消えるまで、当該懸濁液を約10分間撹拌する。マグネシウム粉末を沈降させた後、当該濁ったTHF溶液を傾瀉し、当該活性化されたマグネシウム粉末を1〜2mlのTHFで2回洗浄する。次いで、20mlのさらなる新たなTHFを加える。室温において、70mlのTHF中における1.21g(6.9mmol)のα、α’−ジクロロ−o−キシレンの溶液を、シリンジポンプによってゆっくりと滴加する。当該THF溶液は、徐々に、より暗い色へと変わっていく。次の日、当該THF懸濁液をろ過して、未転化のマグネシウム粉末を除去し、グリニャール化合物の含有量を、以下のようにして特定する。
1mlのグリニャール溶液を、NH
4Clの飽和水溶液中においてクエンチし、エーテルで抽出、Na
2SO
4で乾燥させる。
【0128】
グリニャール溶液の含有量の定量測定:
1mlのグリニャール溶液を、2mlの0.1MのHClでクエンチし、過剰な酸を0.1MのNaOHで滴定する。好適な指示薬は、0.04%ブロモクレゾール水溶液である。色は、黄色から青色へと変わる。0.74mlの0.1MのNaOHが消費されていた。2ml−0.74ml=1.26mlであり、0.126mmolのグリニャール化合物に対応する。ジグリニャールが存在するので、当該グリニャール溶液は0.063Mである。これは、90%を超える収率である。
【0129】
冷却還流管およびマグネチックスターラーを備える250mlの三ツ口フラスコにおいて、アルゴン下で、1.8g(8.66mmol)のクロロホスフィン(2−Py(tBu)PCl)を10mlのTHFに溶解させ、60℃に冷却する。次いで、55mlの上記において規定したグリニャール溶液(0.063M、3.46mmol)を、シリンジポンプによってこの温度でゆっくりと滴加する。当該溶液は、最初は透明のままであり、次いで強い黄色に変わる。1.5時間後、当該溶液は濁る。当該混合物を、一晩、室温まで放温し、透明な黄色の溶液を得る。反応を完了させるため、当該混合物を還流下において1時間加熱する。冷却した後、1mlのH
2Oを加えると、当該溶液は色を失って乳白色に変わる。高真空下においてTHFを除去した後、繊維状の淡黄色固体が得られる。10mlの水および10mlのエーテルをそこに加え、2つの均質で透明な相を得て、それは、良好な可分性を有する。当該水相をエーテルで2回抽出する。橙色の相をNa
2SO
4で乾燥させた後、エーテルを高真空下において除去し、繊維状のほとんど無色の固体を得る。後者を、水浴において加熱しながら、5mlのMeOHに溶解させ、セライトを通してろ過する。−28℃において、一晩かけて白色結晶の形態の772mgの生成物を得る(51%)。濃縮後、母液から別の100mgを単離することができた。収率全体は57.6%である。
1H−NMR(300MHz、C
6D
6):δ8.58(m、2H、Py)、7.31〜7.30(m、2H、ベンゼン)、7.30〜7.22(m、2H、Py)、6.85〜6.77(m、2H、Py)、6.73(m、2H、ベンゼン)、6.57〜6.50(m、2H、py)、4.33(dd、J=13.3、および4.3Hz、2H、CH
2)、3.72〜3.62(m、2H、CH
2)、121(d、J=11.8Hz、18H、tBu)。
13C−NMR(75MHz、C
6D
6):δ161.3、161.1、149.6、137.8、137.7、134.5、133.3、132.7、131.4、131.3、125.7、122.9、30.7、30.5、28.2、28.0、26.5、26.4、26.2,および26.1。
31P−NMR(121MHz、C
6D
6):δ8.8。
C
26H
34N
2P
2に対して計算したEA:C、71.54;H、7.85;N、6.56;P,14.35。測定値:C、71.21;H、7.55;N、6.56;P、14.35。
【0130】
高圧実験
フィードストック:
メタノール(MeOH)
エテン(エチレンとも呼ぶ)
【0131】
高圧実験を実施するための一般的方法:
バッチ方式での反応のための一般的実験の説明:
気密封止することができる25mlのParr反応器(Parrオートクレーブ)に、パラジウム前駆体に応じてエチレンに対して0.04mol%をアルゴン下において秤量し、ならびに0.16mol%の対応する配位子を秤量する。5mlのメタノールを加える。次いで、1gのエチレン(35.7mmol)を、当該オートクレーブに移す(当該オートクレーブを秤量することによりモニターした)。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この場合、80℃での当該エチレンの自己圧力(autogenous pressure)は20barである。この時点で、30barのCOを注入する。この温度において、当該オートクレーブを20時間撹拌し、圧力センサーおよびParr Instruments製のSpecviewソフトウェアを使用して圧力低下を測定する。ダイアグラムに示された生成物の収率は、ガスの消費に一致している。続いて、当該オートクレーブを室温まで冷却し、圧力を解放する。当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、1mlのイソオクタンを内部標準として加える。プロピオン酸メチルの収率を、GC分析によって特定する。
【0132】
分析:
エテンからの生成物のGC分析:GC分析のために、30mのHP5カラムを有するAgilent 7890Aガスクロマトグラフを使用する。温度プロファイル:35℃、10分;10℃/分で200℃まで、16.5分間;注入量は、50:1の分割において1μlである。プロピオン酸メチルの保持時間:6.158分。
【0133】
メタノールの分析
メタノールを、溶媒乾燥ユニット:Pure Solv MD−/溶媒精製システム(Innovative Technology Inc.製、One Industrial Way,Amesbury MA 01013)において前処理した。
水分量:
カールフィッシャー滴定によって特定した:TitraLab 580−TIM580(Radiometer Analytical SAS製)(カールフィッシャー滴定)、含水率:測定範囲、0.1〜100w/w%、測定された含水率:0.13889%
以下を使用した:
AppliChem製の工業用メタノール:No.A2954、5000、バッチ番号:LOT:3L005446
最大含水率:1%
Acros Organics製のメタノール(分子篩通過後):含水率0.005%、コード番号:364390010、バッチ番号:LOT 1370321
TON:ターンオーバー数、触媒金属1モルあたり生産物のモル量として定義される
TOF:ターンオーバー頻度、特定の変換率、例えば50%、に到達するための単位時間あたりのTONとして定義される
【0134】
n/イソ比率は、内部においてエステルに変換されたオレフィンに対する、末端においてエステルに変換されたオレフィンの比率を示す。
【0135】
以下において報告するn選択率は、メトキシカルボニル化による生成物の収量全体に対する、末端のメトキシカルボニル化の割合に関する。
【0136】
エチレン実施例
【0137】
【化7】
【0138】
スキーム5:エテンのメトキシカルボニル化
【0139】
PdCl
2/3(比較例):25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、PdCl
2(2.53mg、エチレンの物質量に対して0.04mol%)および3(22.5mg、エチレンの物質量に対して0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は20%である。
【0140】
PdCl
2/8:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、PdCl
2(2.53mg、エチレンの物質量に対して0.04mol%)および8(29.5mg、エチレンの物質量に対して0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は100%である。
【0141】
PdCl
2/4:
25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、PdCl
2(2.53mg、(ここおよび以下においても同様にエチレンの物質量に対して0.04mol%)および4(29.5mg、ここおよび以下においても同様にエチレンの物質量に対して0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は100%である。
【0142】
Pd(acac)
2/3(比較例):
25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(acac)
2(4.34mg、0.04mol%)および3(22.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。生成物の収率は検出できない。
【0143】
Pd(acac)
2/8:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(acac)
2(4.34mg、0.04mol%)および8(29.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は60%である。
【0144】
Pd(acac)
2/4:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(acac)
2(4.34mg、0.04mol%)および4(24.9mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は29%である。
【0145】
Pd(OAc)
2/8:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(OAc)
2(3.2mg、0.04mol%)および8(29.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。当該オートクレーブを80℃に加熱する。この時点での当該オートクレーブの圧力は、80℃において20barである。次いで、30barのCOを注入する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は58%である。
【0146】
結果を
図1に示す。
図1:配位子3、4、および8によるエチレンのメトキシカルボニル化におけるパラジウム前駆体の効果。
【0147】
明らかであるように、酸を添加しないPdCl
2/配位子8の組み合わせにより、約2時間のみで、>90%のプロピオン酸メチルの収率が達成され、その場合の30%の収率に基づくターンオーバー頻度は3700molの生成物/(mol Pd*h)である。同様に、配位子4でも良好な値が達成される。この場合、約3時間で、400のターンオーバー頻度において90%の収率である。これと比較して、比較配位子DTBPMB(3)は、20時間で約20%の収率を示し、その場合のターンオーバー頻度は27のみである。同様に、本発明の使用のための配位子と組み合わせて、金属前駆体としてPdアセチルアセトナートまたはPdアセテートを使用した場合、依然として、酸不含系において測定可能な収率を生じるが、その一方で、配位子3は、もはや触媒的に活性ではない。
【0148】
図2:配位子3、4、および8による、エチレンの酸不含メトキシカルボニル化。
【0149】
図2は、配位子3、4、および8によるエチレンの酸不含メトキシカルボニル化の結果を示している。基準点は、80℃における配位子8およびPd化合物である酢酸パラジウムPd(OAc)
2によるメトキシカルボニル化である。温度を120℃に上げることによって、20時間でのプロピオン酸メチルの収率を、50%から84%まで高めることが可能である。配位子4を用いることにより、120℃において20時間で最大87%の収率を達成することが可能である。比較配位子DTBPMB(3)では、酸不含系において3%のみの収率しか得られない。実験については、下記において詳細に説明する。
【0150】
Pd(OAc)
2/8:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(OAc)
2(3.2mg、0.04mol%)および8(29.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。次いで、30barのCOを注入する。当該オートクレーブを80℃に加熱する。当該内容物を80℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は50%である。
【0151】
Pd(OAc)
2/8:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(OAc)
2(3.2mg、0.04mol%)および8(29.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。次いで、30barのCOを注入する。当該オートクレーブを100℃に加熱する。当該内容物を100℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は64%である。
【0152】
Pd(OAc)
2/8:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(OAc)
2(3.2mg、0.04mol%)および8(29.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。次いで、30barのCOを注入する。当該オートクレーブを120℃に加熱する。当該内容物を120℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は84%である。
【0153】
Pd(OAc)
2/3(比較例):25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(OAc)
2(3.2mg、0.04mol%)および3(22.5mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。次いで、30barのCOを注入する。当該オートクレーブを120℃に加熱する。当該内容物を120℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は3%である。
【0154】
Pd(OAc)
2/4:25mlのParrオートクレーブに、アルゴン下において、Pd(OAc)
2(3.2mg、0.04mol%)および4(24.9mg、0.16mol%)および5mlのメタノールを投入する。次いで、1g(35.7mmol)のエチレンを当該オートクレーブに移す。当該オートクレーブを秤量することにより、質量をモニターする。次いで、30barのCOを注入する。当該オートクレーブを120℃に加熱する。当該内容物を120℃で20時間撹拌し、当該オートクレーブの圧力低下を測定する。次いで、当該オートクレーブを冷却し、残留圧力を解放する。次いで、当該オートクレーブの内容物を50mlのSchlenk容器に移し、内部標準としての1mlのイソオクタンを混合する。収率を特定するためにGC分析を実施する。収率は87%である。