【実施例1】
【0011】
本実施例は、電力変換装置において、交流変換部が交流電動機に与える電力を遮断する遮断部を有し、この遮断制御に関するインターロック機能の例について説明する。なお、インターロックとは装置の安全機能を図るために遮断状態を保持することを言う。
【0012】
図1は、本実施例における電力変換装置100と、三相交流電源101、交流電動機105のシステム構成図である。
図1において、電力変換装置100は、直流変換部102、直流平滑部103、交流変換部104、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112、PWM遮断部(1)121、PWM遮断部(2)122、PWM生成部131、診断部132、表示出力部133を有する。
【0013】
図1において、三相交流電源101は、例えば電力会社から供給される三相交流電圧や発電機から供給される交流電圧であり、直流変換部102に出力する。
【0014】
直流変換部102は、例えばダイオードで構成された直流変換回路やIGBTとフライホイールダイオードを用いた直流変換回路で構成され、三相交流電源101から入力された交流電圧を、直流電圧に変換し、直流平滑部103に出力する。
図1では、ダイオードで構成された直流変換部を示している。
【0015】
直流平滑部103は、平滑コンデンサであり、直流変換部102から入力された直流電圧を平滑化し、交流変換部104に直流電圧を出力する。例えば発電機の出力が直流電圧の場合、直流平滑部103は、直流変換部102を介さず、直接発電機から直流電圧を入力されても構わない。
【0016】
交流変換部104は、例えばIGBTとフライホイールダイオードを用いた交流変換回路で構成され、直流平滑部103の直流電圧と、PWM生成部131のPWM指令を入力とし、直流電圧を交流電圧に変換し、交流電動機105に出力する。
【0017】
信号入力部(1−1)111および信号入力部(1−2)112は、外部からの遮断指令信号を入力とし、それぞれ対応するPWM遮断部(1)およびPWM遮断部(2)に遮断指令を出力する。なお、信号入力部(1−1)111および信号入力部(1−2)112はお互いに同じ機構を持った入力部である必要はなく、PWM遮断部に信号を伝えられるのであれば、一般的なI/Oであっても、通信を行うポートであっても良い。
【0018】
PWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122は、接続された信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112、診断部132の遮断指令を入力とし、PWM生成部131から交流変換部104へ出力されるPWM信号を、それぞれの系統においてPWM信号を通過させるか、遮断させるかを判断し、PWM遮断を行う。なお、PWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122は、同じ機構を持った遮断部である必要はなく、交流変換部104が交流電動機105に回転する電力を与えることができなければ良い。例えば、PWM遮断部(1)121が一部のPWM信号を遮断し、PWM遮断部(2)122が残りのPWM信号を遮断しても良い。
【0019】
PWM生成部131は、交流電動機105を駆動させるための、PWM信号であるPWMパルスを生成し、PWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122を通して、交流変換部104にPWM指令を与える。
【0020】
診断部132は、信号入力部(1−1)111および信号入力部(1−2)112が、予め定められたPWM遮断状態かどうかを判定、診断し、その状態に応じてPWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122に遮断保持指令を送る。診断部132は、PWM遮断を継続させ、表示出力部133に状態を知らせるために診断結果を出力する。診断部132は、例えば、定周期タスク内で処理され、通信によるデータやHigh/Lowとして取り込んだ信号レベルを使用する。なお、High/Lowとして取り込んだ信号レベルは、複数回取得して信号レベルを確定させることにより、ノイズによる誤動作を防いでも良い。
【0021】
表示出力部133は、診断部132の診断結果を入力とし、診断結果に応じた表示を表示する、または、診断結果に応じた出力信号として外部に出力する。なお、表示出力部133は、外部PCや他の機器で構成しても良い。
【0022】
また、図には示していないが、電力変換装置100は、各種設定を入力する操作部を有しており、表示出力部133がタッチ入力式表示パネルであって、その操作部を兼ねていても良い。
【0023】
図2は、本実施例における診断部132の全体動作フローチャートである。
図2において、診断部132は、第1ステップ(S301)として、信号入力部(1−1)111および信号入力部(1−2)112の2つの遮断信号を入力する遮断信号入力ステップを実行する。診断部132は、2つの遮断信号の遮断状態を監視する。ステップ(S302)で、2つの遮断信号がどちらも遮断状態となったことを示す解除動作フラグを確認し、2つの遮断信号がどちらも遮断状態となったことを確認後(解除動作フラグがONの場合)、第2のステップ(S303)である解除動作ステップに進む。
【0024】
診断部132は、2つの遮断信号がどちらも遮断状態にならない場合は、第2ステップには進まず、遮断状態を保持するようPWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122に指令する。
【0025】
ステップ(S304)では、後述する遮断信号入力ステップ(S301)に戻すための遮断信号入力フラグがONでないことを確認して、次のステップ(S305)に進む。
【0026】
ステップ(S305)では、後述する遮断信号解除ステップ(S306)に進むための遮断信号解除フラグがONであることを確認して、次のステップ(S306)に進む。
【0027】
ステップ(S306)は、第3のステップである遮断信号解除ステップであって、診断部132は、外部のリセット動作を必要とせずに、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の両方が、解除状態となったタイミングで、PWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122への遮断指令を解除する。
【0028】
以上のように、
図2の処理フローは、2つの遮断信号の遷移状態により装置の遮断状態を決定する遮断制御方法であって、2つの遮断信号が予め定めた遮断状態に該当する場合に、装置に遮断信号を出力する第1のステップと、2つの遮断信号の状態の両方が予め定めた遮断状態となった後に2つの遮断信号の両方を予め定めた遮断解除状態とする第2のステップと、装置の遮断状態を解除して、リセット処理をすることなく装置を起動する第3のステップと、を備える。
【0029】
図3は、
図2における遮断信号入力ステップ(S301)の詳細フローチャートである。具体的には、遮断信号入力ステップ(S301)において、主に、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112のいずれか一方が遮断入力状態である場合の動作を示したフローチャートである。
【0030】
図3において、診断部132は、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112のいずれか一方が遮断状態であるかどうかを判断する(S401)。入力信号部の2入力が、いずれも遮断状態あるいは解除状態の場合、片側入力が遮断状態である経過時間をカウントするカウンタ値をクリアする(S402)。
【0031】
診断部132は、予め定めた状態として片側いずれかの1入力が遮断状態である場合、片側1入力が遮断状態である経過時間をカウントし(S403)、入力異常と判断する予め決めておいた値に対し、カウントがオーバーフローしているか判断する(S404)。
【0032】
オーバーフローしていなければ、遮断信号が入力されているとして、診断部132は、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の遮断状態に応じて、表示出力部133に警告状態1を出力する(404)。例えば、表示出力部133は、信号入力部(1−1)111だけが遮断状態であった場合、信号入力部(1−2)112に異常があると判断し、“Status 1−2”と表示する。また、信号入力部(1−2)112だけが遮断状態であった場合は信号入力部(1−1)111に異常があると判断し“Status 1−1”と表示する。また、表示出力部133は、予め選択的に表示の有無を設定しておき、表示出力部133に警告状態1表示を出すかどうかを選択しても良いし、片側入力である状態であることを“Status 1”として表示させても良い。
【0033】
オーバーフローしていたならば、単にいずれかの1入力の遮断状態が遅れていたのではなく異常があると判断し、表示出力部133に警告状態2を出力する(S406)。例えば、表示出力部133は、信号入力部(1−1)111だけが遮断状態であった場合、信号入力部(1−2)112に異常があると判断し、“Status 2−2”と表示する。また、信号入力部(1−2)112だけが遮断状態であった場合は信号入力部(1−1)111に異常があると判断し“Status 2−1”と表示する。また、表示出力部133は、予め選択的に表示の有無を設定しておき、表示出力部133に警告状態2表示を出すかどうかを選択しても良いし、片側入力である状態であることを“Status 2”として表示させても良い。
【0034】
また、診断部132は、例えば、警告状態1の時に、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の信号がいずれも解除状態になった場合、正常時間内に解除されたと判断し、遮断継続を解除しても良い。
【0035】
以上のように、
図3の処理フローは、2つの遮断信号の一方だけが予め定めた遮断状態で、他方が予め定めた遮断解除状態である状態が所定時間以上経過した場合に、予め定めた異常状態と判断し、装置に警告情報を出力する。
【0036】
また、所定時間を複数設け、経過時間が長くなる毎に、経過時間に応じて複数の警告信号を装置に出力するようにしても良い。
【0037】
図4は、
図3の続きであって、主に、遮断信号入力ステップ(S301)において、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112のいずれか一方が遮断入力状態となった後、
図3の404におけるオーバーフローが起きる前に、両信号が解除状態になった場合の動作を示したフローチャートである。
【0038】
図4において、診断部132は、例えば定周期タスクによって処理され、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112のいずれか一方が、前の周期で遮断状態であったかどうかを判断し(S501)、前の周期でいずれか一方が遮断状態であったのであれば、現在両信号が解除状態になっているかどうかを判断し(S502)、両信号が解除状態になっている、すなわち、2つある入力信号の内、片側の信号だけが遮断し、その後遮断解除となったことを、もう一方に異常があると判断し表示出力部133に警告状態3を出力する。例えば、表示出力部133は、信号入力部(1−1)111だけが遮断状態後解除状態になった場合、信号入力部(1−2)112に異常があると判断し、“Status 3−2”と表示する。また、信号入力部(1−2)112だけが遮断状態後解除状態になった場合は信号入力部(1−1)111に異常があると判断し“Status 3−1”と表示する。また、表示出力部133は、予め選択的に表示の有無を設定しておき、表示出力部133に警告状態3表示を出すかどうかを選択しても良いし、片側入力である状態であることを“Status 3”として表示させても良い。
【0039】
診断部132は、警告状態3になった場合、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112が解除状態であっても、遮断状態を保持するようPWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122に指令する。診断部132は、警告状態3になった場合、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の両方に遮断指令を送っても良い。
【0040】
図4の変形例として、診断部132は、例えば、警告状態1の状態で、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の信号がいずれも解除状態になった場合、正常時間内に解除されたと判断し、遮断継続を解除し、警告状態2の状態の時のみ、警告状態3に移行するよう処理しても良い。
【0041】
以上のように、
図4の処理フローは、2つの遮断信号の一方が予め定めた遮断状態で、他方が予め定めた遮断解除状態である状態から、2つの遮断信号の両方が予め定めた遮断解除状態に遷移した場合に、予め定めた異常状態と判断し、装置に警告情報を出力する。
【0042】
図5は、
図4の続きであって、主に、遮断信号入力ステップから解除動作ステップに移る際の動作を示したフローチャートである。
【0043】
図5において、診断部132は、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の両方が、遮断状態かどうかを判断し(S601)、両方とも遮断状態であれば、どちらも遮断状態となったことを示す解除動作フラグをONとする(S602)。
【0044】
次に、ステップ(S603)で、診断部132は、両信号が遮断状態である場合、その旨の示す警告状態4を表示出力部133に出力する。例えば、表示出力部133は、両信号が遮断状態になった場合、“Status 4”と表示する。また、表示出力部133は、予め選択的に表示の有無を設定しておき、表示出力部133に警告状態4表示を出すかどうかを選択しても良い。
【0045】
以上のように、
図5の処理フローは、第1のステップから第2のステップに遷移する間において、2つの遮断信号の両方が、予め定めた遮断状態である場合に、当該装置に警告情報を出力する。
【0046】
図6は、
図2における遮断解除動作ステップ(S303)の詳細フローチャートである。具体的には、遮断解除動作ステップ(S303)において、主に、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112のいずれか一方が遮断入力状態である場合の動作を示したフローチャートである。
【0047】
図6において、診断部132は、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112のいずれか一方が遮断状態であるかどうかを判断する(S701)。入力信号部の2入力が、いずれも遮断状態あるいは解除状態の場合、片側入力が遮断状態である経過時間をカウントするカウンタ値をクリアする(S702)。
【0048】
いずれか一方が遮断状態である場合は、ステップ(S703)で、片側1入力が遮断状態である経過時間をカウントし、入力異常と判断する予め決めておいた値に対し、カウントがオーバーフローしているかを判断する。(S704)。オーバーフローしていなければ、診断部132は、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の遮断状態に応じて、表示出力部133に警告状態5を出力する(S705)。この警告は、両方遮断の状態から、片方のみが遮断状態、すなわち片方が解除状態に変化したのであるから、異常としてその内容を警告するものである。例えば、表示出力部133は、信号入力部(1−1)111だけが遮断状態であった場合、信号入力部(1−2)112に異常があると判断し、“Status 5−2”と表示する。また、信号入力部(1−2)112だけが遮断状態であった場合は信号入力部(1−1)111に異常があると判断し“Status 5−1”と表示する。また、表示出力部133は、予め選択的に表示の有無を設定しておき、表示出力部133に警告状態1表示を出すかどうかを選択しても良いし、片側入力である状態であることを“Status 5”として表示させても良い。
【0049】
オーバーフローしたならば、異常があると判断し表示出力部133に警告状態6を出力する(S706)。この警告は、両方遮断の状態から、片方のみが遮断状態、すなわち片方が解除状態に変化した期間が所定時間継続したのであるから、異常としてその内容を警告するものである。例えば、表示出力部133は、信号入力部(1−1)111だけが遮断状態であった場合、信号入力部(1−2)112に異常があると判断し、“Status 6−2”と表示する。また、信号入力部(1−2)112だけが遮断状態であった場合は信号入力部(1−1)111に異常があると判断し“Status 6−1”と表示する。また、表示出力部133は、予め選択的に表示の有無を設定しておき、表示出力部133に警告状態6表示を出すかどうかを選択しても良いし、片側入力である状態であることを“Status 6”として表示させても良い。診断部132は、警告状態6になった場合、同じ信号状態である警告状態2に移行しても良い。
【0050】
診断部132は、警告状態6となった場合、遮断信号入力ステップに戻し、遮断状態を解除するには、両信号が一旦解除状態になることが必要となる。そのため、ステップ(S707)で、遮断信号入力ステップ(S301)に戻すための遮断信号入力フラグをONとする。
【0051】
以上のように、
図6の処理フローは、2つの遮断信号の両方が予め定めた遮断状態から、どちらか一方が、予め定めた遮断解除状態になった状態で、予め定めた時間を経過した場合に、予め定めた異常状態と判断し、当該装置に警告情報を出力する。
【0052】
また、
所定時間を複数設け、経過時間が長くなる毎に、複数の警告信号を装置に出力するようにしても良い。
【0053】
また、予め定めた時間を経過した場合に、再度第2のステップである、2つの遮断信号の状態の両方が予め定めた遮断状態とした後に2つの遮断信号の両方を予め定めた遮断解除状態とする動作をしなければ遮断状態を継続させるように、遮断信号入力フラグをONとする。
【0054】
図7は、
図6の続きであって、遮断解除動作ステップ(S303)において、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の両方が遮断解除となったかどうかを判定し(S801)、両方解除状態となった場合、次の遮断信号解除ステップ(S306)に進むための遮断信号解除フラグをONにセットする(S802)。
【0055】
以上のように、
図7の処理フローは、2つの遮断信号が予め定めた遮断状態から予め定めた遮断解除状態になった場合、2つの遮断信号が解除状態となったタイミング、すなわち、2つの遮断信号の内、2番目に遮断解除状態となった信号をトリガとして、装置の起動を許可する。
【0056】
また、以上のように、
図6、7の処理フローは、2つの遮断信号の両方が予め定めた遮断状態であって、予め定めた時間内に、予め定めた遮断解除状態になった場合に、第3のステップに遷移する。
【0057】
なお、
図2に示した遮断信号解除ステップ(S306)は、外部のリセット動作を必要とせずに、信号入力部(1−1)111、信号入力部(1−2)112の両方が、解除状態となったタイミングで、PWM遮断部(1)121およびPWM遮断部(2)122への遮断指令を解除するが、上記、いずれかの警告状態であった場合、少なくともPWM遮断部(1)121、PWM遮断部(2)122のいずれか一方または両方へ遮断指令を送る。
【0058】
図8は、本実施例における電力変換装置の各種設定を入力する操作部での機能設定画面を示した図である。例えば、操作部は、タッチ入力式表示パネルであって、入力設定可能であっても良い。
図8において、本実施例では、機能安全に関する機能設定画面として、設定項目入力画面と、その設定値入力画面を有する。設定項目としては、
図3や
図6で説明した片側の入力が遮断状態である経過時間がオーバーフローと判断するまでの時間設定値である切替許容時間や、
図3から
図6で説明した警告状態1〜6の動作選択を設定する警告動作選択がある。例えば、その設定値は、
図8に示したように、切替許容時間の場合は、0.5秒と設定する。また、警告動作選択においては、警告と設定すると、リセット不要で警告状態の条件が解除されたら解除される選択、エラーと設定するとリセットに必要な状態に遷移する選択、なしの設定は警告状態を表示しないで遷移する選択である。なお、これらの入力はプルダウンにより選択するようになっていても良い。また、これらの入力はユーザが設定するが、予めデフォルトで設定されていても良い。
【0059】
以上により、2重のインターロック機能が正常に動作している時に煩雑な作業を行わず、異常時にインターロックを行い、警告を与えることができる装置の遮断制御方法、及びそれを用いた電力変換装置を提供することができる。
【実施例2】
【0060】
本実施例では、電力変換装置に接続した制御装置の例を説明する。本実施例は実施例1の変形例であって、実施例1と共通する部分については同様の符号を用いて説明し、異なる部分について詳細に説明する。
【0061】
本実施例の構成は、実施例1にて説明した
図1の電力変換装置100に、制御装置200を接続したものであり、表示出力部133の動作が実施例1と異なる。
【0062】
図9は、本実施例における、電力変換装置100と制御装置200と交流電動機105のシステム構成図である。
図9において、制御装置200は、信号入力部(2−1)211、信号入力部(2−2)212、信号出力部(1)221、信号出力部(2)222、外部診断部232、外部表示出力部233、を有する。
【0063】
信号入力部(2−1)211および信号入力部(2−2)212は、外部からの遮断指令信号を入力とし、それぞれ対応する信号出力部(1)221および信号出力部(2)222に遮断指令を出力する。なお、信号入力部(2−1)211および信号入力部(2−2)212はお互いに同じ機構を持った入力部である必要はなく、PWM遮断部に信号を伝えられるのであれば、一般的なI/Oであっても、通信を行うポートであっても良い。
【0064】
信号出力部(1)221および信号出力部(2)222は、それぞれ接続された信号入力部(2−1)211、信号入力部(2−2)212、外部診断部232からの遮断指令を入力とし、遮断指令をそれぞれ接続された、電力変換装置100の信号入力部(1−1)111および信号入力部(1−2)112に出力する。
【0065】
外部診断部232は、信号入力部(2−1)211および信号入力部(2−2)212が、予め定められた遮断状態かどうかを判定し、その状態に応じて信号出力部(1)221および信号出力部(2)222に遮断保持指令を送る。外部診断部232は、遮断指令を継続させ、表示出力部133および外部表示出力部233に状態を知らせるために診断結果を出力する。外部診断部232は、例えば、定周期タスク内で処理され、通信によるデータやHigh/Lowとして取り込んだ信号レベルを使用する。High/Lowとして取り込んだ信号レベルは、複数回取得して信号レベルを確定させることにより、ノイズによる誤動作を防いでも良い。
【0066】
外部表示出力部233は、外部診断部232の診断結果を入力とし、診断結果に応じた表示を表示する、または、診断結果に応じた出力信号として外部に出力する。
【0067】
表示出力部133は、外部診断部232に接続されている場合、外部診断部232の診断結果を実施例1の診断部132の診断結果よりも優先して、診断結果に応じた表示を表示する、または、診断結果に応じた出力信号として外部に出力する。あるいは、表示出力部133は、外部診断部232および診断部132を同時に出力しても良い。
【0068】
外部診断部232は、入出力先が実施例1の診断部132とは異なるが、診断部132と同様な動作で、2つの入力信号の動作を判定するため詳しい説明は割愛する。
【0069】
また、例えば実施例2の変形例として、
図1内部の診断部132を無くし、外部診断部232を接続することによる構成にしても、本発明の意図は変わらない。
【0070】
また、実施例1および実施例2の診断部132および外部診断部232は、第1ステップにおける、
図3、
図4、
図5に記載のフローチャート動作を連続的に動かす、または、
図3、
図4を選択的に動かしても良い。また、診断部132および外部診断部232は、第2のステップにおける、
図6に記載のフローチャート動作を選択的に動作させても良い。
【0071】
また、実施例1および実施例2の入力部が三つ以上の場合でも、遮断状態とする信号レベルを予め決めておくことで、遮断状態を決める同様の動作が可能である。
【0072】
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることも可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
【0073】
また、上記の各構成、機能、処理部、処理手段等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良い。また、上記の各構成、機能等は、プロセッサがそれぞれの機能を実現するプログラムを解釈し、実行することによりソフトウェアで実現しても良い。各機能を実現するプログラム、テーブル、ファイル等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、DVD等の記録媒体に置くことができる。
【0074】
また、制御線や情報線は説明上必要と考えられるものを示しており、製品上必ずしも全ての制御線や情報線を示しているとは限らない。実際には殆ど全ての構成が相互に接続されていると考えても良い。