【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO.,LIMITED
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御モジュールは、さらに、前記調理器具が蒸らし段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように前記真空装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように前記真空装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力を前記第2所定圧力に維持し、ここで、前記第2所定圧力が前記第1所定圧力より大きく、且つ大気圧より小さい、
ことを特徴とする請求項7に記載の調理器具。
前記調理器具が加熱段階及び沸騰段階にある場合、前記制御モジュールは、作動停止状態にあるように前記真空装置を制御し、前記加熱装置を制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力が大気圧以上になるようにする、
ことを特徴とする請求項7に記載の調理器具。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、少なくとも上記技術における一つの技術的課題をある程度解決することを目的とする。そのため、本発明の一つの目的は、中温真空吸水を実現して、米粒の吸水効率を大きく向上させ、炊飯の時間を短縮させ、調理器具により調理される米飯の食感を改善し、ユーザのニーズを十分に満たすことができる調理器具の調理制御方法を提供することである。
【0005】
本発明の二つ目の目的は、調理器具を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の第1態様における実施例は調理器具の調理制御方法を提供し、前記調理器具は、本体と、蓋体と、真空装置と、加熱装置と、を含み、前記本体は、頂部が開放された調理チェンバーを有し、前記蓋体は、閉位置と開位置との間を移動可能に前記本体に取り付けられ、前記真空装置は、前記調理チェンバーが密閉された場合、前記調理チェンバーを真空引きして前記調理チェンバー内を負圧にするものであり、前記調理制御方法は、前記調理器具で調理する過程において、前記調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出し、前記調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出するステップと、前記調理器具が吸水段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように前記真空装置を制御し、加熱作動を行うように前記加熱装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力が所定圧力に達し、且つ前記米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように前記真空装置を制御し、前記加熱装置を制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、且つ前記米及び水の温度を前記所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させるステップであって、前記第1所定圧力が大気圧より小さく、前記所定温度が40〜75℃であるステップと、を含む。
【0007】
本発明の実施例に係る調理器具の調理制御方法によれば、調理器具で調理する過程において、調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出し、調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出し、そして、調理器具が吸水段階にある場合、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御し、加熱作動を行うように加熱装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御し、加熱装置を制御することにより、調理チェンバー内の圧力を第1所定圧力に維持し、且つ米及び水の温度を所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させ、すなわち、吸水段階において、調理チェンバー内を負圧にし且つ所定温度の条件になるように制御して、中温真空吸水を実現することにより、吸水速度及び米粒の含水率を向上させ、炊飯の時間を短縮させ、米飯の品質を向上させる。
【0008】
本発明の一実施例によると、前記調理器具が蒸らし段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように前記真空装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように前記真空装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力を前記第2所定圧力に維持し、ここで、前記第2所定圧力が前記第1所定圧力より大きく、且つ零圧力より小さい。
【0009】
本発明の一実施例によると、前記第1所定圧力が50〜80KPaであり、前記第2所定圧力が80〜95KPaである。
具体的には、前記第1所定圧力が60KPaであり、前記所定温度が60℃であり、前記第2所定圧力が90KPaである。
【0010】
本発明の一実施例によると、前記調理チェンバー内の圧力が前記第1所定圧力に維持される場合、前記吸水効率と前記米及び水の温度とが正の相関関係を持ち、前記米及び水の温度が前記所定温度に維持される場合、前記吸水効率と前記調理チェンバー内の圧力とが負の相関関係を持つ。
【0011】
本発明の一実施例によると、前記吸水段階は、複数の時間帯を含み、前記複数の時間帯のうち少なくとも一つの時間帯において、前記真空装置と前記加熱装置とを制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、且つ前記米及び水の温度を前記所定温度に維持する。
【0012】
本発明の一実施例によると、前記蓋体に設けられた圧力センサにより、前記調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出する。
【0013】
上記目的を達成するために、本発明の第2態様における実施例は調理器具を提供し、該調理器具は、頂部が開放された調理チェンバーを有する本体と、閉位置と開位置との間を移動可能に前記本体に取り付けられる蓋体と、前記調理チェンバーが密閉された場合、前記調理チェンバーを真空引きして前記調理チェンバー内を負圧にするための真空装置と、前記調理器具を加熱するための加熱装置と、前記調理器具で調理する過程において、前記調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出するための温度検出モジュールと、前記調理器具で調理する過程において、前記調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出するための圧力検出モジュールと、前記調理器具が吸水段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように前記真空装置を制御し、加熱作動を行うように前記加熱装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ前記米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように前記真空装置を制御し、前記加熱装置を制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、前記米及び水の温度を前記所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させるための制御モジュールと、を含み、前記第1所定圧力が大気圧より小さく、前記所定温度が40〜75℃である。
【0014】
本発明の実施例に係る調理器具によれば、調理過程において、温度検出モジュールにより調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出し、圧力検出モジュールにより調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出し、そして、調理器具が吸水段階にある場合、制御モジュールは、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御し、加熱作動を行うように加熱装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御し、加熱装置を制御することにより、調理チェンバー内の圧力を第1所定圧力に維持し、米及び水の温度を所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させ、すなわち、吸水段階において、調理チェンバー内を負圧にし且つ所定温度の条件になるように制御して、中温真空吸水を実現することにより、吸水速度及び米粒の含水率を向上させ、炊飯の時間を短縮させ、米飯の品質を向上させる。
【0015】
本発明の一実施例によると、前記調理器具が蒸らし段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように前記真空装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように前記真空装置を制御して、前記調理チェンバー内の圧力を前記第2所定圧力に維持し、ここで、前記第2所定圧力が前記第1所定圧力より大きく、且つ零圧力より小さい。
【0016】
本発明の一実施例によると、前記第1所定圧力が50〜80KPaであり、前記第2所定圧力が80〜95KPaである。
【0017】
具体的には、前記第1所定圧力が60KPaであり、前記所定温度が60℃であり、前記第2所定圧力が90KPaである。
【0018】
本発明の一実施例によると、前記調理チェンバー内の圧力が前記第1所定圧力に維持される場合、前記吸水効率と前記米及び水の温度とが正の相関関係を持ち、前記米及び水の温度が前記所定温度に維持される場合、前記吸水効率と前記調理チェンバー内の圧力とが負の相関関係を持つ。
【0019】
本発明の一実施例によると、前記吸水段階は、複数の時間帯を含み、前記複数の時間帯のうち少なくとも一つの時間帯において、前記制御モジュールは、前記真空装置と前記加熱装置とを制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、且つ前記米及び水の温度を前記所定温度に維持する。
【0020】
本発明の一実施例によると、前記蓋体に設けられた圧力センサにより、前記調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出する。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明の実施例を詳しく説明する。前記実施例の例が図面に示され、同一又は類似する符号は、常に同一又は類似する部材、或いは、同一又は類似する機能を有する部材を表す。以下に図面を参照しながら説明される実施例は例示的なものであり、本発明を解釈するために用いられ、本発明を限定するものと理解してはいけない。
【0023】
以下、図面に合わせて本発明の実施例の調理器具の調理制御方法及び調理器具を説明する。
【0024】
以下、先ず、
図1〜
図4を参照して本発明の実施例に係る調理器具100を説明する。ここでの調理器具100は、電気炊飯器、電気圧力鍋、電気シチュー鍋などであってもよい。
【0025】
図1〜
図4に示すように、本発明の一実施例に係る調理器具100は、本体10と、蓋体20と、真空装置40と、加熱装置50と、を含む。
【0026】
本体10は、上面(
図1に示される上側の表面)が開放された調理チェンバー11を区画し、即ち、本体10は、頂部が開放された調理チェンバー11を有する。蓋体20は、本体10に枢動可能に接続され、閉位置と開位置との間を移動して調理チェンバー11を閉じる、又は開く。蓋体20には、抽気口21と、排気口22と、吸気口23とが設けられ、抽気口21と吸気口23とがそれぞれ調理チェンバー11に連通し、排気口22が抽気口21に連通する。
【0027】
ここで、真空装置40は、蓋体20内に設けられてもよく、真空装置40は、調理チェンバー11が密閉された場合、調理チェンバー11を真空引きして調理チェンバー11内を負圧にするものである。抽気が必要な場合、真空装置40が抽気口21及び排気口22に連通して、真空装置40が抽気口21から調理チェンバー11における気体を抽出し、排気口22を介して調理チェンバー11の外部に排出する。
【0028】
本発明の一実施例によると、上記調理器具100は、正圧装置30をさらに含み、このようにして、増圧する必要がある場合、正圧装置30が吸気口23に連通して、調理チェンバー11の外部の空気は、吸気口23を介して調理チェンバー11内に入ることにより、調理チェンバー11の気圧を増加し、蓋体20内の凝縮水が高速の気流の衝撃作用で水の霧になって調理チェンバー11内に入り、米粒の表面を洗い流し、米飯が湿度を維持するようにする。
【0029】
したがって、本発明の実施例に係る調理器具100は、真空装置40と正圧装置30とを利用して調理チェンバー11内の気圧を制御して、調理プロセスにおける吸水、沸騰及び蒸らし段階において食物に必要とする気圧の要求を満たすことができるだけではなく、調理チェンバー11内を二つの気圧に交互に切り替えることができるので、米飯のふわふわ感を向上させ、米飯の食感を改善させ、さらに蒸気の分散による食物の水分欠如を減少することができる。
【0030】
図2に示すように、本発明の一実施例によると、正圧装置30は、閉塞部材31を含み、閉塞部材31は、閉塞位置と開放位置との間を移動可能に蓋体20の吸気口23に設けられる。閉塞部材31が閉塞位置に位置する場合、吸気口23を閉じ、閉塞部材31が開放位置に位置する場合、吸気口23を開く。
【0031】
閉塞部材31を利用して吸気口23の開閉を制御することにより、調理チェンバー11の外部の空気が吸気口23を介して調理チェンバー11内に入るようにして、調理チェンバー11の気圧を向上させることができるだけではなく、真空装置40の作動時に気体が吸気口23から調理チェンバー11に入ることを防ぐことができ、調理チェンバー11が真空装置40の作動状態において負圧状態になることが保証される。
【0032】
図2及び
図3に示すように、本発明の更なる実施例によると、正圧装置30は、駆動アセンブリ32をさらに含み、駆動アセンブリ32は、蓋体20に設けられ、且つ閉塞部材31に接続されることにより、閉塞位置と開放位置との間を移動するように閉塞部材31を駆動する。駆動アセンブリ32を利用して閉塞部材31の移動を制御することにより、調理器具100の自動化レベルを向上させることができるだけではなく、閉塞部材31の手動操作によるユーザの火傷を防ぐことができ、ユーザの操作体験を向上させるのに役立つ。
【0033】
一部の具体的な実施例において、駆動アセンブリ32は、電磁石321と、プッシュロッド322と、を含む。電磁石321は、蓋体20に設けられ、プッシュロッド322は、水平方向(
図3に示す前後方向)に沿って移動可能に電磁石321に設けられ、プッシュロッド322の一端(
図3に示す後端)は、閉塞部材31を連動して移動させることができる。
【0034】
図3に示すように、一部の例示において、蓋体20には、取付カバー24が設けられ、閉塞部材31が球状に形成され、取付カバー24が蓋体20に接続され、吸気口23の上方にカバーして設けられる。取付カバー24は、閉塞部材31の一側(
図3に示す後側)にカバーして設けられ、位置限定及び閉塞部材31を保護するという作用を奏する。
【0035】
球状の閉塞部材31は、取付カバー24内に移動可能に設けられ、球状の閉塞部材31は、重力及びプッシュロッド322の作用により吸気口23に落ちて吸気口23を閉塞する。球状の閉塞部材31の生産プロセスは、簡単であり、生産コストが低く、それに球状の閉塞部材31と吸気口23との密封効果が良く、閉塞部材31が吸気口23を閉塞する際の密封性を向上させるのに役立つ。
【0036】
一部の例示において、正圧装置30は、支持部材33をさらに含む。支持部材33が蓋体20に設けられ、且つ支持部材33には、吸気口23に沿って支持部材33を軸方向に貫通する通気孔が設けられ、支持部材33の一端が吸気口23内に挿着され、且つ支持部材33の外周縁と吸気口23の内周縁とが密封係合する。閉塞部材31が閉塞位置に位置する場合、閉塞部材31と支持部材33の他端の内周縁とが当接して密封係合し、吸気口23に支持部材33を設けることにより、閉塞部材31の吸気口23に対する密封効果を効果的に向上させることができる。
【0037】
さらに、
図3に示すように、支持部材33は、リング部材331と、支持台332と、を含み、リング部材331が吸気口23を取り囲んで設けられ、且つリング部材331の中央部には、リング部材331に沿ってリング部材331を軸方向に貫通する通気孔が形成されている。リング部材331の上面には、下方に向かって凹んだ凹部を有し、支持台332は、リング部材331の凹部内に取り付けられ、且つリング部材331の外周縁に接続される。支持台332は、リング部材331の外周縁の周方向に延在するリング形に形成されてもよい。
【0038】
図2に示すように、本発明の一実施例によると、真空装置40は、真空ポンプ41と、接続管42と、を含んでもよい。真空ポンプ41が蓋体20内に設けられ、真空ポンプ41が接続管42を介して抽気口21及び排気口22にそれぞれ連通する。真空ポンプ41が作動する時、調理チェンバー11内の気体は、真空ポンプ41の吸引作用で、接続管42を介して調理チェンバー11の外部に排出されて、調理チェンバー11内を負圧にする。すなわち、真空装置は、前記調理チェンバーが密閉された場合、前記調理チェンバーを真空引きして前記調理チェンバー内を負圧にするものである。調理チェンバー11内の気体が抽出される場合、接続管42内の気体中の水蒸気は、液状の水に凝縮され、調理チェンバー11内へ還流するので、水分の分散が減少される。
【0039】
ここで、真空ポンプ41を利用して調理チェンバー11の負圧状況を調節し、制御性が強く、また、接続管42を利用して、真空ポンプ41と抽気口21及び排気口22とを連通させ、真空装置40の密閉性を向上させるのに役立ち、気体の漏洩による調理チェンバー11内の負圧への影響を回避することができる。
【0040】
本発明の具体的な一実施例によると、
図2に示すように、真空装置40は、電磁弁43をさらに含み、電磁弁43は、蓋体20に接続され、且つ接続管42を介して抽気口21及び真空ポンプ41に連通する。電磁弁43を利用して真空ポンプ41と抽気口21との連通及び遮断を制御することにより、真空ポンプ41が蒸気を順調に抽出することを保証することのみならず、正圧装置30が作動する際に、蒸気が抽気口21を介して漏洩することを防ぐこともでき、調理チェンバー11内の気圧を制御するのに役立つ。
【0041】
以下、
図1〜
図4を参照して本発明の実施例に係る調理器具100の具体的な一実施例及び調理器具100の作動プロセスを説明する。
【0042】
図1〜
図4に示すように、本発明の一実施例に係る調理器具100は、電気炊飯器であり、電気炊飯器は、本体10と、蓋体20と、真空装置40と、加熱装置50と、正圧装置30と、制御モジュール60、例えば電気炊飯器の電子制御ボードと、を含む。
【0043】
蓋体20には、抽気口21と、排気口22と、吸気口23とが設けられ、真空装置40と正圧装置30とが何れも蓋体20に設けられる。真空装置40は、抽気口21及び排気口22に連通し、正圧装置30は、吸気口23に連通する。ここで、真空装置40と正圧装置30とが同時に起動しない。
【0044】
正圧装置30は、球状の閉塞部材31と、駆動アセンブリ32と、支持部材33と、を含む。ここで、駆動アセンブリ32は、電磁石321と、プッシュロッド322と、を含む。支持部材33は、吸気口23に設けられ、電磁石321は、蓋体20に設けられ、プッシュロッド322の一端は、電磁石321に移動可能に接続され、他端が球状の閉塞部材31に当接するか又は球状の閉塞部材31から離脱する。正圧装置30は、前記調理チェンバーを密閉して、前記加熱装置50が加熱作動を行う場合に、前記調理チェンバー内の圧力を上昇させ、又は前記調理チェンバーを開き前記調理チェンバー内の圧力が外部の環境と一致するように維持するためのものである。
【0045】
真空装置40は、真空ポンプ41と、接続管42と、電磁弁43と、を含む。真空ポンプ41は、接続管42を介して電磁弁43及び排気口22に連通し、電磁弁43は、接続管42を介して抽気口21に連通する。真空装置40は、前記調理チェンバーが密閉された場合、前記調理チェンバーを真空引きして前記調理チェンバー内を負圧にするものである。
【0046】
また、該調理器具100は、温度検出モジュールと、圧力検出モジュールと、をさらに含み、前記温度検出モジュールは、前記調理器具で調理する過程において、前記調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出するためのものであり、前記圧力検出モジュールは、前記調理器具で調理する過程において、前記調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出するためのものである。
【0047】
ここで、
図4に示すように、温度検出モジュールは、本体の底部に設けられた温度センサ70を含み、温度センサ70により調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出する。圧力検出モジュールは、蓋体に設けられた圧力センサ80を含み、圧力センサ80により調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出する。
【0048】
電気炊飯器は、炊飯する場合、一般的には、吸水段階、加熱段階、沸騰段階、蒸らし段階などのいくつかの段階を含み、
図5に示す通りである。
【0049】
制御モジュール60は、前記調理器具が吸水段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように真空装置40を制御し、加熱作動を行うように加熱装置50を制御して、前記調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ前記米及び水の温度が所定温度に達した場合、制御モジュール60は、さらに、真空引きを停止するように前記真空装置40を制御し、前記加熱装置を制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、且つ前記米及び水の温度を前記所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させる。このようにして、吸水段階において、調理チェンバー内に真空度の大きい真空条件が形成されて、米粒の吸水速度を大きく向上させ、米粒の含水率を向上させることができる。また、制御モジュール60は、さらに、調理器具が蒸らし段階にある場合、前記調理チェンバーを真空引きするように真空装置40を制御して、調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように真空装置40を制御して、調理チェンバー内の圧力を前記第2所定圧力に維持する。このようにして、蒸らし段階において調理チェンバー内に真空度の小さい真空条件が形成されて、鮮度保持時間を効果的に延長することができ、過量の蒸気を抽出することがないので、米飯が乾くなることがなく、米飯を調理する効果を向上させる。ここで、前記第2所定圧力が前記第1所定圧力より大きく、且つ零圧力、即ち標準大気圧100 KPaより小さい。前記所定温度が一定の温度より大きい。
【0050】
本発明の一実施例によると、前記第1所定圧力が50〜80KPaであり、前記所定温度が40〜75℃であり、前記第2所定圧力は、80〜95KPaであってもよい。
【0051】
具体的には、前記第1所定圧力は、60KPaであってもよく、所定温度は、60℃であってもよく、前記第2所定圧力は、90KPaであってもよい。第1所定圧力が第2所定圧力より小さく、且つ何れも標準大気圧より小さいため、吸水段階に対応する真空度が蒸らし段階に対応する真空度より大きく、即ち吸水段階において大きい真空で吸水し、蒸らし段階において小さい真空で鮮度を保持する。
【0052】
つまり、本発明の実施例では、吸水段階において、制御モジュール60は、真空装置40と加熱装置50とを同時に作動するように制御することにより、調理チェンバー内に中温真空の条件を形成して、米粒の中温真空吸水を実現する。ここで、中温真空吸水とは、米粒の吸水が真空及び中温の条件で行われることを指し、これにより、単なる真空又は中温よりも早い吸水速度を取得することができる。
【0053】
また、本発明の実施例において、調理器具、例えば電気炊飯器は調理過程において複数段階の真空作用を有し、異なる作用を実現する。例えば、吸水段階の真空は、吸水速度を向上させるが、蒸らし段階の真空は、鮮度保持時間を延長する。
【0054】
本発明の一実施例によると、
図5に示すように、調理器具が加熱段階及び沸騰段階にある場合、制御モジュール60は、さらに、作動停止状態にあるように真空装置40を制御し、加熱装置50を制御することにより、調理チェンバー内の圧力が零圧力以上になるようにする。すなわち、加熱段階及び沸騰段階において、正圧装置により、調理チェンバーが開放又は密封状態にあるように維持し、この場合、加熱装置により調理器具を加熱して、調理チェンバー内の圧力が徐々に上昇されるようにし、さらに、開放状態において調理チェンバー内の圧力が外部の環境の圧力と一致するように維持し、密封装置において、調理チェンバー内の圧力が零圧力より高い一定の圧力になった後に変化しないようにする。
【0055】
つまり、調理の異なる段階において、その真空度は異なる。真空度とは、真空装置により調理チェンバー内の気体を抽出した後、調理チェンバー内が達する圧力値である。
【0056】
具体的には、吸水段階において、第1所定圧力が50KPa〜80KPaであり、調理チェンバー内に真空度の大きい真空条件が維持され、吸水速度を効果的に向上させることができる。蒸らし段階において、第2所定圧力が80KPa〜95KPaであり、調理チェンバー内に真空度の小さい真空条件が維持され、鮮度保持時間を効果的に延長することができ、米飯が乾くなることがない。
【0057】
そのため、吸水段階の真空度が蒸らし段階の真空度以下である。
【0058】
本発明の一実施例によると、異なる真空度を実現する場合、圧力センサにより調理チェンバー内の圧力を検出して真空装置が作動するか否かを制御する。すなわち、圧力検出モジュールは、圧力センサを含み、圧力センサは、前記蓋体に設けられて、前記調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出する。
【0059】
本発明の実施例において、異なる真空度を採用して異なる調理段階の真空のニーズを満たし、さらに、真空ポンプが常に全負荷で作動するのを回避して、真空ポンプの使用寿命を向上させる。
【0060】
以上により、本発明の実施例の調理器具は、異なる調理段階において異なる真空度を採用することにより、急速の吸水を実現することができ、長時間にわたって鮮度を保持することができ、米飯が乾くなることがなく、米飯の効果を有効的に改善することができる。
【0061】
本発明の一実施例によると、吸水段階は、複数の時間帯を含んでもよく、ここで、前記複数の時間帯のうち少なくとも一つの時間帯において、前記制御モジュールは、前記真空装置と前記加熱装置とを制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、且つ前記米及び水の温度を前記所定温度に維持する。すなわち、真空及び中温条件を同時に有するとは、吸水段階の各時間帯が何れも真空及び中温を同時に有してもよく、吸水段階の一部だけの時間帯が真空及び中温を同時に有してもよい。
【0062】
真空とは、調理チェンバー内の圧力が外部の大気圧より低く、即ち負圧状態を指し、真空ポンプなどの部材により実現することができる。中温とは、調理チェンバー内の米及び水の温度が通常の常温(即ち調理器具が調理する場合に位置される環境の温度)より高いことを指し、例えば、40℃以上且つ75℃以下である。これにより、真空状態においても水蒸気が生成しないことを保証し、調理チェンバー内の真空効果を保証する。
【0063】
本発明の実施例において、吸水段階において米粒の中温真空吸水を実現することにより、吸水速度及び米粒の含水率を向上させ、炊飯の時間を短縮させ、米飯の品質を向上させる。
【0064】
本発明の一実施例によると、前記調理チェンバー内の圧力が前記第1所定圧力に維持される場合、前記吸水効率と前記米及び水の温度とが正の相関関係を持ち、前記米及び水の温度が前記所定温度に維持される場合、前記吸水効率と前記調理チェンバー内の圧力とが負の相関関係を持つ。
【0065】
つまり、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に維持され変わらない場合、米及び水の温度が上昇することに伴って、米粒の吸水効率が高くなり、米及び水の温度が所定温度に維持され変わらない場合、調理チェンバー内の圧力が減少する、即ち調理チェンバー内の真空度が増大することに伴って、米粒の吸水効率が高くなる。具体的には、下記の表1及び表2に示すものを参照する。
【表1】
【0066】
ここで、調理チェンバー内の圧力が一定に維持される場合に、米及び水の温度が上昇することに伴って、吸水時間が変わらない場合、米粒の吸水した後の含水率が上昇する。
【表2】
【0067】
ここで、米及び水の温度が一定に維持される場合に、調理チェンバー内の圧力が低くなるに伴って、吸水時間が変わらない場合、米粒の吸水した後の含水率が上昇する。
【0068】
具体的には、真空装置40を利用して調理チェンバー11を負圧状態に抽気する必要がある場合、先ず、電磁石321が、プッシュロッド322を移動して閉塞部材31から離脱するように駆動し、閉塞部材31が重力の作用で通気孔を閉塞し、この場合、吸気口23が閉塞状態にあり、調理チェンバーが密封状態にある。そして、電磁弁43を開かれるように制御し、真空ポンプ41は、調理チェンバー11が負圧状態になるまで、作動し始めて調理チェンバー11内の気体を抽出し、接続管42及び排気口22を介して調理チェンバー11の外部に排出し、これと同時に、加熱装置50が加熱作動を行って、所定温度に達するまで、調理チェンバー内の米及び水の温度を上昇させる。
【0069】
なお、本発明の実施例に係る調理器具100の他の構成及び操作は、当業者にとって既知であり、ここでは、さらに詳しく説明しない。
【0070】
本発明の実施例に係る調理器具は、調理過程において、温度検出モジュールにより調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出し、圧力検出モジュールにより調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出し、そして、調理器具が吸水段階にある場合、制御モジュールは、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御し、加熱作動を行うように加熱装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御し、加熱装置を制御することにより、調理チェンバー内の圧力を第1所定圧力に維持し、且つ米及び水の温度を所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させる。すなわち、吸水段階において、調理チェンバー内を真空にし且つ中温の条件になるように制御して、中温真空吸水を実現することにより、吸水速度及び米粒の含水率を向上させ、炊飯の時間を短縮させ、米飯の品質を向上させる。また、調理器具が蒸らし段階にある場合、制御モジュールは、同様に、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御して調理チェンバー内の圧力を第2所定圧力に維持することにより、吸水段階及び蒸らし段階において調理チェンバー内の異なる圧力、即ち異なる真空度で調理することができる。例えば、吸水段階は、調理チェンバー内で大きい真空度を維持し、蒸らし段階は、調理チェンバー内で小さい真空度を維持し、このようにして、吸水段階においては大きい真空度を採用して、吸水速度を効果的に向上させることができ、蒸らし段階においては小さい真空度を採用して、鮮度保持時間を効果的に延長することができる。また、過量の蒸気を抽出せず、米飯が乾くなることはなく、さらに、吸水段階及び蒸らし段階において、何れも最終に調理された米飯の効果を向上させることができる。そのため、真空装置を利用して調理チェンバー内の気圧を制御して、調理過程における吸水、沸騰及び蒸らし段階において食物に必要とする気圧要求を満たすことができるだけではなく、調理チェンバー内の気圧が異なる状態に切り替えられるようにして、米飯のふわふわ感も向上させ、米飯の食感を改善させ、蒸気の分散による食物の水分欠如を減少することができ、ユーザのニーズを十分に満たすことができる。
【0071】
図6は、本発明の実施例に係る調理器具の調理制御方法のフローチャートである。ここで、該調理器具は、上記実施例で説明された調理器具、例えば電気炊飯器であってもよく、該調理器具は、本体と、蓋体と、真空装置と、加熱装置と、を含んでもよく、前記本体は、頂部が開放された調理チェンバーを有し、前記蓋体は、閉位置と開位置との間を移動可能に前記本体に取り付けられ、前記真空装置は、前記調理チェンバーが密閉された場合、前記調理チェンバーを真空引きして前記調理チェンバー内を負圧にするためのものである。
【0072】
図6に示すように、該調理器具の調理制御方法は、以下のステップS1〜S3を含む。
【0073】
S1において、調理器具で調理する過程において、調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出し、調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出し、ここで、調理過程は、吸水段階と、加熱段階と、沸騰段階と、蒸らし段階とを含む。
【0074】
具体的には、本体の底部に設けられた温度センサにより調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出することができ、蓋体内に設けられた圧力センサにより調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出することができる。
【0075】
S2において、調理器具が吸水段階にある場合、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御し、加熱作動を行うように加熱装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御し、加熱装置を制御することにより、調理チェンバー内の圧力を第1所定圧力に維持し、米及び水の温度を所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させ、ここで、第1所定圧力が大気圧より小さく、所定温度が40〜75℃である。
【0076】
本発明の一実施例によると、前記第1所定圧力が50〜80KPaであり、好ましくは、第1所定圧力が60KPaであってよい。
【0077】
つまり、本発明の実施例では、吸水段階において、真空装置と加熱装置とを同時に作動するように制御することにより、調理チェンバー内に中温真空の条件が形成され、米粒の中温真空吸水を実現する。ここで、中温真空吸水とは、吸水段階が真空及び中温の条件で行われることを指し、これによって、単なる真空又は中温よりも早い吸水速度を取得することができる。また、このようにして、吸水段階では、調理チェンバー内に真空度が大きい真空条件を形成することができ、米粒の吸水速度を大きく向上させ、米粒の含水率を向上させることができる。
【0078】
本発明の一実施例によると、吸水段階は、複数の時間帯を含んでもよく、ここで、前記複数の時間帯のうち少なくとも一つの時間帯において、前記真空装置と前記加熱装置とを制御することにより、前記調理チェンバー内の圧力を前記第1所定圧力に維持し、且つ前記米及び水の温度を前記所定温度に維持する。すなわち、真空及び中温条件を同時に有するとは、吸水段階の各時間帯の何れも真空及び中温を同時に有してもよく、吸水段階の一部だけの時間帯が真空及び中温を同時に有してもよい。
【0079】
なお、加熱装置を制御して前記調理チェンバー内の米及び水の温度を前記所定温度に維持する場合、加熱を停止するように加熱装置を制御してもよく、間欠的に加熱するように加熱装置を制御してもよく、米及び水の温度を所定温度、例えば60℃に維持することができればよく、米粒の60摂氏度での真空吸水を実現する。
【0080】
また、真空とは、調理チェンバー内の圧力が外部の大気圧より低く、即ち負圧状態を指し、真空ポンプなどの部材により実現することができる。中温とは、調理チェンバー内の米及び水の温度が通常の常温より高いことを指し、例えば、40℃以上且つ75℃以下であり、好ましくは60℃である。これによって、真空状態においても水蒸気が生成しないことを保証し、調理チェンバー内の真空効果を保証する。
【0081】
本発明の実施例において、吸水段階において米粒の中温真空吸水を実現することにより、吸水速度及び米粒の含水率を向上させ、炊飯の時間を短縮させ、米飯の品質を向上させる。
【0082】
本発明の一実施例によると、前記調理チェンバー内の圧力が前記第1所定圧力に維持される場合、前記吸水効率と前記米及び水の温度とが正の相関関係を持ち、前記米及び水の温度が前記所定温度に維持される場合、前記吸水効率と前記調理チェンバー内の圧力とが負の相関関係を持つ。
【0083】
つまり、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に維持され変わらない場合、米及び水の温度が上昇することに伴って、米粒の吸水効率が高くなり、米及び水の温度が所定温度に維持され変わらない場合、調理チェンバー内の圧力が減少する、即ち調理チェンバー内の真空度が増大することに伴って、米粒の吸水効率が高くなる。詳しくは、上記の表1及び表2に示すものを参照する。
【0084】
S3において、調理器具が蒸らし段階にある場合、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御して、調理チェンバー内の圧力を第2所定圧力に維持し、ここで、第2所定圧力が第1所定圧力より大きく、且つ零圧力、即ち標準大気圧100KPaより小さい。
【0085】
本発明の一実施例によると、第2所定圧力が80〜95KPaであってもよい。好ましくは、第2所定圧力が90KPaであってもよい。
【0086】
このようにして、蒸らし段階において調理チェンバー内に真空度の小さい真空条件が形成され、鮮度保持時間を効果的に延長することができ、過量の蒸気を抽出せず、米飯が乾くなることはなく、米飯調理の効果を向上させる。
【0087】
第1所定圧力が第2所定圧力より小さく、且つ何れも標準大気圧より小さいため、吸水段階に対応する真空度が蒸らし段階に対応する真空度より大きく、即ち吸水段階において大きい真空で吸水し、蒸らし段階において小さい真空で鮮度を保持する。
【0088】
つまり、本発明の実施例において、調理器具、例えば電気炊飯器が調理過程において複数段階の真空作用を有し、異なる作用を実現する。例えば、吸水段階の真空は、吸水速度を向上させるが、蒸らし段階の真空は、鮮度保持時間を延長する。
【0089】
具体的には、本発明の一実施例において、上記調理器具の吸水段階に入った後の調理制御方法は、
図7に示すようである。米及び水を鍋内に入れ、調理器具が作動し始める。そして、真空ポンプと加熱装置とを作動するように同時に制御して、真空装置は、鍋内を真空引きして、鍋内の圧力を変える。鍋内の圧力P1、例えば60KPaを判定し、鍋内の圧力がP1に達した場合、真空ポンプを作動しないように制御して、鍋内の圧力P1が変わらないように維持し、鍋内の圧力がP1に達していない場合、鍋内の圧力がP1に達するまで、真空ポンプを作動し続けるように制御する。加熱装置が加熱作動を行う場合、鍋内の米及び水の温度が上昇し、そして、米及び水の温度T、例えば60℃を判定し、米及び水の温度がTに達した場合、作動を停止するように、又は電力を調節して作動するように加熱装置を制御して(例えば、電力調節の比例に基づいて間欠的に作動するように加熱装置を制御する)、鍋内の米及び水の温度Tが変わらないように維持する。米及び水の温度がTに達していない場合、米及び水の温度がTに達するまで、加熱装置を作動し続けるように制御することによって、鍋内に真空及び中温の条件が維持され、米粒の中温真空吸水を実現する。最後に、吸水時間が所定時間Sに達したか否かを判定し、達した場合、加熱段階及び沸騰段階に入るように調理器具を制御し、ここで、加熱段階が完了した後、沸騰段階に入るように調理器具を制御し、沸騰段階が完了した後、蒸らし段階に入り、真空ポンプを作動するように制御し、即ち蒸らし段階において、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御する。鍋内の圧力を検出し、鍋内の圧力が第2所定圧力P2以下であるか否かを判定し、「はい」である場合、真空ポンプを作動しないように制御し、鍋内の圧力をP2に維持し、調理が完了するまで、保温を継続する。
【0090】
本発明の実施例の調理制御方法は、米粒の中温真空吸水を実現することができ、米粒の吸水速度を大幅に向上させ、常温での米粒の吸水速度の向上が明らかでなく、所要の含水率に達するには相当な時間を要するので、炊飯の時間が長すぎ、且つ米飯の品質がやや劣るという問題を解決することができる。また、真空装置を制御することにより、吸水段階において、真空度の比較的高いP1=50KPa〜80KPaに達するように鍋内の圧力を制御して、吸水速度を効果的に向上させることができる。蒸らし段階において、真空度の比較的低いP2=80KPa〜95KPaに達するように鍋内の圧力を制御して、鮮度保持時間を効果的に延長することができ、過量の蒸気を抽出せず、米飯が乾くなることはない。
【0091】
本発明の実施例に係る調理器具の調理制御方法は、調理器具で調理する過程において、調理チェンバー内の圧力をリアルタイムで検出し、調理チェンバー内の米及び水の温度をリアルタイムで検出し、そして、調理器具が吸水段階にある場合、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御し、加熱作動を行うように加熱装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第1所定圧力に達し、且つ米及び水の温度が所定温度に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御し、加熱装置を制御することにより、調理チェンバー内の圧力を第1所定圧力に維持し、米及び水の温度を所定温度に維持することで、米粒の吸水効率を向上させる。すなわち、吸水段階において、調理チェンバー内に真空及び中温の条件が形成されるように制御して、中温真空吸水を実現することにより、吸水速度及び米粒の含水率を向上させ、炊飯の時間を短縮させ、米飯の品質を向上させる。調理器具が蒸らし段階にある場合、調理チェンバーを真空引きするように真空装置を制御して、調理チェンバー内の圧力が第2所定圧力に達した場合、真空引きを停止するように真空装置を制御して、調理チェンバー内の圧力を第2所定圧力に維持することにより、吸水段階及び蒸らし段階において調理チェンバー内の異なる圧力、即ち異なる真空度で調理を行うことができる。例えば、吸水段階は、調理チェンバー内の大きい真空度を維持し、蒸らし段階は、調理チェンバー内の小さい真空度を維持して、吸水段階においては大きい真空度を採用して、吸水速度を効果的に向上させることができ、蒸らし段階においては小さい真空度を採用して、鮮度保持時間を効果的に延長することができる。また、過量の蒸気を抽出せず、米飯が乾くなることはなく、さらに、吸水段階及び蒸らし段階において、何れも最終に調理された米飯の効果を向上させることができる。そのため、真空装置を利用して調理チェンバー内の気圧を制御して、調理過程における吸水、沸騰及び蒸らし段階において食物に必要とする気圧要求を満たすことができるだけではなく、調理チェンバー内の気圧が異なる状態に切り替えられることができる。したがって、米飯のふわふわ感を向上させ、米飯の食感を改善させ、蒸気の分散による食物の水分欠如を減少することができ、ユーザのニーズを十分に満たすことができる。
【0092】
本発明の説明において、「一つの実施例」、「一部の実施例」、「例」、「具体的な例」、或いは「一部の例」などの用語を参考した説明とは、該実施例或いは示例に合わせて説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性が、本発明の少なくとも一つの実施例或いは例に含まれることである。本明細書において、上記用語に対する例示的な説明は、必ずしも同じ実施例或いは例を示すことではない。また、説明された具体的な特徴、構成、材料或いは特性は、いずれか一つ或いは複数の実施例又は例において適切に結合することができる。なお、互いに矛盾しない限り、当業者は、本明細書に説明される異なる実施例又は例、及び異なる実施例又は例の特徴を結合し、組み合わせることができる。
【0093】
なお、「第1」、「第2」の用語は目的を説明するためだけに用いられるものであり、比較的な重要性を指示又は暗示するか、或いは示された技術的特徴の数を黙示的に指示すると理解してはいけない。そこで、「第1」、「第2」が限定されている特徴は一つ又はより多くの前記特徴を含むことを明示又は暗示するものである。本発明の説明において、明確且つ具体的な限定がない限り、「複数」とは、少なくとも二つであることを意味し、例えば、二つ、三つなどである。
【0094】
フローチャート、又はここで他の方式により説明されるいかなるプロセス又は方法の説明は、特定のロジック機能又はプロセスのステップを実現するための一つ又はそれ以上の実行可能な命令のコードを含むモジュール、セグメント又は部分と理解されてもよい。また、本発明の好ましい実施形態の範囲は、他の実現方式が含まれており、例示され又は議論された順序に従わなくてもよく、言及された機能が実質的に同時に、又は逆の順序に応じて機能を実行することを含む。本発明の実施例が属する技術分野の当業者は、これを理解すべきである。
【0095】
フローチャートに示され、又は、ここで他の方式により説明されたロジック及び/又はステップは、例えば、ロジック機能を実現するための実行可能な命令の一定のシーケンスリストと考えられてもよく、コマンド実行システム、装置又は機器(例えば、コンピュータに基づくシステム、プロセッサを含むシステム、又は命令実行システム、装置又は機器からコマンドを取り出して、実行可能である他のシステム)が使用するように、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は機器を組み合わせて使用するように、いかなるコンピュータ読み取り可能な媒体において具現化されてもよい。本明細書の場合、「コンピュータ読み取り可能な媒体」とは、コマンド実行システム、装置又は機器が使用するように、又はこれらのコマンド実行システム、装置又は機器と組み合わせて使用するように、プログラムを含み、記憶し、通信し、伝搬し、又は送信することができるいかなる装置であってもよい。コンピュータ読み取り可能な媒体のより具体的な例(非網羅的なリスト)としては、1つ又は複数の配線を有する電気接続部(電子機器)、ポータブルコンピュータディスクボックス(磁気デバイス)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリーメモリ( ROM)、消去・書き込み可能なランダムアクセスメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバー装置、及びポータブルシディロム(CDROM)を含む。また、コンピュータ読み取り可能な媒体は、上記プログラムが印刷される用紙又は他の適切な媒体であってもよい。なぜならば、例えば、用紙や他の媒体を光学スキャンし、引き続き編集し、デコードし、又は必要に応じて他の適切な方式により処理して、電子形態で上記プログラムを取得した後、それをコンピュータのメモリに記憶することができる。
【0096】
なお、本発明の各部分は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はこれらの組み合わせにより実現できる。上記実施形態では、複数のステップ又は方法は、メモリに記憶され、且つ適切なコマンド実行システムによって実行されるソフトウェア又はファームウェアにより実現することができる。例えば、ハードウェアにより実現される場合は、他の実施形態と同じく、本分野の以下の公知技術のうち何れか一つ又はこれらの組み合わせにより実現することができる。データ信号のロジック機能を実現するための論理ゲート回路を備えたディスクリート論理回路、適切な組み合わせ論理ゲート回路を備えた専用集積回路、プログラム可能なゲートアレイ(PGA)、フィールド プログラム可能なゲートアレイ( FPGA)などである。
【0097】
当業者は、上記実施形態に係る方法に含まれている全部又は一部のステップが、プログラムにより関連するハードウェアを指令することにより完成できることを理解できる。前記プログラムは、コンピュータ読み取り可能な媒体に記憶されてもよく、当該プログラムは実行時に、方法の実施形態における一つのステップ又はその組み合わせを含むことができる。
【0098】
また、本発明の各実施形態に係る各機能ユニットは、一つの処理モジュールに集積されてもよく、各ユニットが物理的に独立して存在してもよく、2つ又は2つ以上のユニットが一つのモジュールに集積されてもよい。上記集積されたモジュールは、ハードウェアの形式により実現されてもよく、ソフトウェアの機能モジュールの形式により実現されてもよい。上記集積されたモジュールがソフトウェアの機能モジュールの形式により実現され、独立の製品として販売又は使用される場合、一つのコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶することもできる。
【0099】
以上説明した記憶媒体はリードオンリーメモリ、磁気ディスク又はシディロムなどであってもよい。以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解してはいけない。当業者は、本発明の範囲内に上記実施例に対して変化、修正、取り替え及び変形を行うことができる。
【0100】
本発明の説明において、「中心」、「縦方向」、「横方向」、「長さ」、「幅」、「厚み」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「鉛直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」、「時計回り」、「逆時計回り」、「軸方向」、「径方向」、「周方向」などの用語が示す方位又は位置関係は、図面に示す方位又は位置関係に基づき、本発明を便利にまたは簡単に説明するために使用されるものであり、指定された装置又は部材が特定の方位にあり、特定の方位において構造され操作されると指示又は暗示するものではないので、本発明に対する限定と理解してはいけない。
【0101】
なお、本発明の説明において、明確な規定と限定がない限り、「取り付ける」、「互いに接続する」、「接続する」、「固定する」などの用語の意味は広く理解されるべきである。例えば、固定接続や、着脱可能な接続や、あるいは一体的な接続でも可能である。机器的な接続や、電気的な接続も可能である。直接的に接続することや、中間媒体を介して間接的に接続することや、二つの部材の内部が連通することや、あるいは二つの部材の間に相互の作用関係があることも可能である。当業者にとって、具体的な場合によって上記用語の本発明における具体的な意味を理解することができる。
【0102】
本発明において、明確な規定と限定がない限り、第1特徴が第2特徴の「上」又は「下」にあることは、第1特徴と第2特徴とが直接的に接触することを含んでも良いし、又は第1特徴と第2特徴とが中間媒体を介して間接に接触することを含んでもよい。また、第1特徴が第2特徴の「上」、「上方」又は「上面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真上又は斜め上にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より高いことを表す。第1特徴が第2特徴の「下」、「下方」又は「下面」にあることは、第1特徴が第2特徴の真下又は斜め下にあることを含むか、或いは、単に第1特徴の水平高さが第2特徴より低いことを表す。
【0103】
以上、本発明の実施例を示して説明したが、上記実施例は、例示的なものであり、本発明を限定するものと理解してはいけない。当業者は、本発明の範囲内に上記実施例に対して変化、修正、取り替え及び変形を行うことができる。