(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記特許文献1に開示されたネスティング状態解除装置では、コンベアの延伸方向において、段ばらしステーションと、向き変更ステーションと、向きの再検査ステーションと、が順に設けられており、大掛かりな装置となっている。
【0008】
このようなネスティング状態解除装置に対しては、よりコンパクトで狭い場所にも設置することができるものが求められている。
【0009】
本発明は、上記のような問題の解決を図ろうとなされたものであって、作業者による作業量の低減を図りながらも確実にネスティング状態の解除が可能であるとともに、狭い場所にも設置が可能なネスティング状態解除装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の一態様に係るネスティング状態解除装置は、ネスティング状態で積み重ねられた複数のコンテナの搬入を受け入れ、ネスティング状態を解除する装置であって、所定位置に搬入された前記ネスティング状態で積み重ねられた複数のコンテナを、鉛直方向に昇降自在
な昇降手段と、前記昇降手段により、前記ネスティング状態で積み重ねられた複数のコンテナのうちの鉛直方向の下端に位置する下端コンテナが第1の高さ位置まで上昇された状態において、当該下端コンテナにおける平面視での向きを検出する向き検出手段と、前記ネスティング状態で積み重ねられた複数のコンテナのうち、前記下端コンテナを除く残りのコンテナを、高さ方向に保持する高さ保持手段と、前記高さ保持手段により前記残りのコンテナが保持された状態において、前記昇降手段により前記下端コンテナを、前記第1の高さ位置よりも低い第2の高さ位置まで降下させ、当該降下された前記下端コンテナを平面視で所定角度だけ旋回可能な旋回手段と、前記向き検出手段での前記向きに関する検出結果の入力を受け、当該入力結果に基づいて、前記昇降手段および前記旋回手段を制御する制御手段と、を備え、前記制御手段は、前記検出結果に基づき前記下端コンテナの向きが第1の向きであると判断した場合には、前記旋回手段での前記旋回を行わず、前記所定位置から搬出可能な状態とし、前記下端コンテナの向きが第2の向きであると判断した場合には、前記旋回手段で前記旋回を行わせた後に、当該下端コンテナを前記所定位置から搬出可能な状態とする。
【0011】
上記態様に係るネスティング状態解除装置では、下端コンテナを第1の高さ位置まで上昇させた状態で、向き検出手段により当該下端コンテナの向きを検出し、当該検出結果の入力を受けた制御手段が、下端コンテナを旋回させる必要があると判断した場合には下端コンテナを第2の高さ位置で旋回させることができる。
【0012】
また、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、上記残りのコンテナを高さ方向に保持した状態で、下端コンテナを排出可能とするので、段ばらしを行うこともできる。
【0013】
さらに、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、上記所定位置からコンテナを水平方向に移動させることなく、コンテナの向き検出と、段ばらしと、必要に応じた旋回と、を実行できる構成としている。よって、上記特許文献1に開示の装置よりも装置に設置に必要となる領域の面積を小さく抑えることが可能となる。
【0014】
従って、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、作業者による作業量の低減を図りながらもネスティング状態解除が可能であるとともに、狭い場所にも設置が可能である。
【0015】
本発明の別態様に係るネスティング状態解除装置は、上記態様であって、前記制御手段は、前記下端コンテナの向きが前記第1の向きであると判断した場合には
、前記下端コンテナを前記第2の高さ位置で停止させることなく
前記所定位置から搬出可能な高さ位置まで降下させるように
前記昇降手段を制御する。
【0016】
上記態様に係るネスティング状態解除装置では、向き検出手段から入力された検出結果に基づき、制御手段が下端コンテナの旋回が必要ないと判断した場合には、下端コンテナを第2の高さ位置で停止させることなく、搬送可能な高さ位置まで降下させるように構成されている。このため、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、無駄な時間を削減することができ、作業に係る時間短縮が可能である。
【0017】
本発明の別態様に係るネスティング状態解除装置は、上記態様であって、前記複数のコンテナのそれぞれは、平面視で長方形状をしており、前記複数のコンテナのそれぞれは、側壁外面におけ
る長手方向
の一方側が他方側に対して異なる色で配色されており、前記向き検出手段は、前記側壁外面における色の差異で前記下端コンテナにおける平面視での向きを検出するカラーセンサである。
【0018】
上記態様に係るネスティング状態解除装置では、向き検出手段としてカラーセンサを採用しているので、各コンテナに対して、カラーセンサで色検出をする箇所の色を規定しておくだけで確実にコンテナの向きを検出することができる。よって、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、各コンテナの製造コストを抑えることが可能となる。
【0019】
本発明の別態様に係るネスティング状態解除装置は、上記態様であって、前記下端コンテナの底壁外面に対して、前記昇降時および前記旋回時に当接する旋回テーブルを更に備え、前記旋回テーブルには、前記下端コンテナの両端壁に当接し掛止する第1掛止手段を有する。
【0020】
上記態様に係るネスティング状態解除装置では、旋回テーブルが有する第1掛止手段により下端コンテナを掛止することができるので、旋回時に旋回テーブルに対して下端コンテナがずれるのを抑制することができる。
【0021】
本発明の別態様に係るネスティング状態解除装置は、上記態様であって、前記下端コンテナの底壁は、当該底壁を貫通する孔部を有し、前記旋回テーブルは、前記下端コンテナの底壁外面側の主面に前記孔部に対して掛止する第2掛止手段を有する。
【0022】
上記態様に係るネスティング状態解除装置では、旋回テーブルが有する第2掛止手段によっても下端コンベアを掛止することができるので、上記同様に、旋回時に旋回テーブルに対して下端コンテナがずれるのを抑制することができる。
【0023】
本発明の別態様に係るネスティング状態解除装置は、上記態様であって、前記ネスティング状態で積み重ねられた複数のコンテナは、前記昇降手段により前記下端コンテナが前記第1の高さ位置よりも低く、前記第2の高さ位置よりも高い第3の高さ位置まで降下された状態において、前記高さ保持手段により前記残りのコンテナの高さ方向の保持がなされ、前記下端コンテナが前記第3の高さ位置にある状態では、前記残りのコンテナのうちの鉛直方向の下端に位置するコンテナが前記第1の高さ位置となる。
【0024】
上記態様に係るネスティング状態解除装置では、下端コンテナを段ばらしし、上記残りのコンテナが高さ保持手段で保持された状態においては、当該残りのコンテナの下端に位置するコンテナが第1の高さ位置に位置するようにしている。よって、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、上記残りのコンテナが高さ保持手段で保持された状態で、当該残りのコンテナのうちの下端に位置するコンテナの向きが検出されることとなる。これより、上記態様に係るネスティング状態解除装置では、下端コンテナの旋回の必要性の判断並びに旋回などを行っている際に、既に次のコンテナ(上記残りのコンテナのうちの鉛直方向下端に位置するコンテナ)の向きが検出され、作業時間の短縮が可能であり、より高い作業効率を確保することができる。
【発明の効果】
【0025】
上記の各態様に係るネスティング状態解除装置では、作業者による作業量の低減を図りながらも確実にネスティング状態の解除が可能であるとともに、狭い場所にも設置が可能である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下では、本発明の実施形態について、図面を参酌しながら説明する。なお、以下で説明の形態は、本発明の一態様であって、本発明は、その本質的な構成を除き何ら以下の形態に限定を受けるものではない。
【0028】
なお、以下で用いる図面においては、Z方向が鉛直方向であり、X方向がコンテナの搬入・搬出方向である。
【0029】
[実施形態]
1.ネスティング状態解除装置1の構成
本実施形態に係るネスティング状態解除装置1の構成について、
図1から
図3を用い説明する。なお、本実施形態に係るネスティング状態解除装置1は、ネスティング対応コンテナを対象とする装置である。
【0030】
図1に示すように、ネスティング状態解除装置1は、主フレーム2と、下フレーム3と、上フレーム5と、を備える。主フレーム2は、角パイプおよび板材から構成されており、Z方向に対して直交する方向の平面(水平面)に沿うように設けられている。
【0031】
下フレーム3は、角パイプから構成されており、主フレーム2に対して−Z側に接合されている。上フレーム5も、角パイプから構成されており、主フレーム2に対して+Z側に接合されている。
【0032】
ネスティング状態解除装置1は、主フレーム2上に設けられたコンベア6,7と、下フレーム3に設けられたリフタ10と、リフタ10に接続された旋回アクチュエータ13と、旋回アクチュエータ13に接続された旋回テーブル12と、上フレーム5に取り付けられたチャック14,15と、同じく上フレーム5に固定されたカラーセンサ20と、を備える。
【0033】
コンベア6とコンベア7とは、主フレーム2上において、互いにY方向に離間した状態で並設されている。コンベア6,7には、駆動用のコンベアモータ8が接続されている。コンベア6,7は、上に載置されたコンテナをX方向に搬送可能である。
【0034】
なお、本実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、−X側から重ね合された複数のコンテナが搬入され、ネスティング状態が解除されたコンテナが+X側へと順に搬出される。
【0035】
リフタ10は、旋回アクチュエータ13および旋回テーブル12をZ方向に昇降させるシャフト26を有する。
【0036】
旋回アクチュエータ13は、シャフト26の+Z側端部に固定されている。
【0037】
旋回テーブル12は、旋回アクチュエータ13の+Z側に固定されており、旋回rotが可能となっている。
【0038】
図2に示すように、チャック14はチャックシリンダ18に接合され、チャック15はチャックシリンダ19に接合されている。チャック14,15は、チャックシリンダ18,19の駆動により、互いに連動した状態でY方向に動く。
【0039】
図1および
図2に示すように、カラーセンサ20は、上フレーム5に固定されており、コンテナにおける対向する部分の色検出が可能となるように設けられている。
【0040】
図3に示すように、コンベア6,7よりもY方向外側の部分には、ガイドプレート29,30が設けられている。ガイドプレート29,30は、コンベア6,7の上面よりも少し上側(+Z側)の位置に設けられている。
【0041】
ガイドプレート30には、位置センサ31が取り付けられており、ガイドプレート29には反射板33が取り付けられている。位置センサ31は光センサであって、コンベア6,7の駆動により搬入されてきたコンテナを検知して、当該コンテナを所定位置に停止させるために設けられている。また、位置センサ31は、ネスティング状態が解除されて排出されるコンテナの検出も実行する。
【0042】
なお、反射板33は位置センサ31に対応した位置に配置されている。
【0043】
図1に示すように、ネスティング状態解除装置1には、主フレーム2および下フレーム3に固定された制御ボックス21を備える。制御ボックス21には、電源回路やコントローラなどが収容されている。
【0044】
2.ネスティング状態解除装置1における制御に係る構成
ネスティング状態解除装置1における制御に係る構成について、
図4を用い説明する。
図4は、ネスティング状態解除装置1における制御構成を示すブロック図である。
【0045】
図4に示すように、ネスティング状態解除装置1は、予め記憶されたプログラムに基づいて、当該装置の制御を実行するコントローラ210を備える。コントローラ210は、
図1に示す制御ボックス21の内部に収容されている。
【0046】
コントローラ210には、カラーセンサ20および位置センサ31からの各検出結果(検出情報)を受け付けるための信号線が接続されている。コントローラ210に対するカラーセンサ20および位置センサ31からの検出情報は、ネスティング状態解除装置1の電源がON状態のときには常時入力されるようになっている。
【0047】
コントローラ210は、リフタ10と、旋回アクチュエータ13と、コンベアモータ8と、チャックシリンダ18,19と、にも接続されており、これらの制御を実行する。コントローラ210は、カラーセンサ20および位置センサ31から入力された検出結果に基づいて、これらの制御を実行する。コントローラ210による具体的な制御については、後述する。
【0048】
3.旋回テーブル12の詳細構造
旋回テーブル12の詳細構造について、
図5を用い説明する。
図5は、旋回テーブル12における上面(+Z側の面)の構成を示す模式平面図である。
【0049】
図5に示すように、旋回テーブル12は、Z方向からの平面視で長方形状をしている。そして、旋回テーブル12の上面12aは、Z軸に直交する水平面に沿うように配設されている。旋回テーブル12の上面12aには、コンテナが載置され、旋回軸Ax
12回りに旋回rotが可能となっている。
【0050】
図5に示すように、旋回テーブル12は、+X側に向けて延設されたフック121と、−X側に向けて延設されたフック122と、を有する。
図5の拡大部分に示すように、フック121は、X方向に延びる直伸部121aと、当該直伸部121aの先端部分から+Z側に立ち上げられた立上部121bと、が一体に設けられた構成を有する。なお、フック122についても、フック121と同じ構成を有している。
【0051】
フック121,122は、コンテナにおけるX方向に対向する両端壁の各外面に微細な隙間を空けて沿うようになっている。これについては、後述する。
【0052】
また、
図5に示すように、旋回テーブル12は、上面12aに固定されたピン123,124を有する。
図5の拡大部分に示すように、ピン123は、+Z側に突出している。なお、ピン124についても、ピン123と同様に、上面12aから+Z側に突出している。
【0053】
ピン123は、上面12a上にコンテナが載置された状態で、突出部123aがコンテナの底壁に設けられた孔部に侵入し掛合するようになっている。ピン124についても、同様に、コンテナの底壁に設けられた孔部に侵入して掛合するようになっている。これらについても、後述する。
【0054】
4.対象とするコンテナ500の構成およびコンテナ500,501の積み重ね(ネスティング)
ネスティング状態解除装置1が対象とするコンテナ500の構成について、
図6および
図7を用い説明する。
図6(a)は、コンテナ500の構成を示す模式側面図であり、
図6(b)は、コンテナ500の底壁500aの構成を示す模式底面図である。
図7は、コンテナ500をコンテナ501の上に積み重ねる場合の構成を示す模式側面図である。
【0055】
コンテナ500は、樹脂材料を用い形成されており、底壁500aと、2つの端壁500b,500cと、2つの側壁500d,500eとが一体形成されている。コンテナ500は、Z方向からの平面視で長方形状をしており、+Z側が開口された有底浅皿状の容器である。なお、本実施形態で採用するコンテナ500は、ネスティング対応コンテナである。
【0056】
図6(b)に示すように、コンテナ500の底壁500aには、複数の孔部500fが開けられている。なお、
図6(b)では、コンテナ500の底壁500aの一部領域にだけ孔部500fが形成されているように図示をしているが、実際のコンテナ500では、複数の孔部500fは、全面に形成されている。
【0057】
これら孔部500fは、コンテナ500の底壁500a上に埃などが残り難いように設けられている。また、
図6(b)において、矢印B,Cで指し示すように、コンテナ500を旋回テーブル12上に載置した場合、ピン123,124が一部の孔部500fに侵入し、旋回テーブル12に対してコンテナ500を掛止する役割を果たす。
【0058】
また、
図6(a)に示すように、旋回テーブル12上にコンテナ500を載置した場合には、2つの端壁500b,500cの外面に対して、旋回テーブル12のフック121,122が微細な隙間を空けて沿う。
図6(a)において、矢印Aで指し示すように、フック121は端壁500bに沿うようになっている。フック122についても同様である。本実施形態では、このように旋回テーブル12にフック121,122を設けることによっても、旋回テーブル12に対してコンテナ500が掛止される。
【0059】
上述のように、本実施形態に係るネスティング状態解除装置1が対象とするコンテナ500は、ネスティング対応コンテナである。即ち、コンテナ500は、X方向に方向性を持ったコンテナである。
【0060】
図6(a)に示すように、コンテナ500の方向性を示すように、コンテナ500の+X側の部分は、濃色の色が付されており(濃色部500h)、−X側の部分は、淡い色が付されている(淡色部500i)。なお、濃色部500hの色は、例えば赤色であり、淡色部500iの色は、例えば黄色である。
【0061】
次に、
図7(a)に示すように、コンテナ500では、開口側の部分(開口側部500j)が底壁側の部分(底壁側部500k)に比べて断面サイズが大きく構成されている。そして、コンテナ500の高さは、H
1である。
【0062】
コンテナ500と同じ構造を有するコンテナ501を準備する。即ち、濃色部501hと淡色部501iとを有するとともに、開口側部501jと底壁側部501kとを有し、高さがH
1のコンテナ501を準備する。
【0063】
図7(a)に示すように、コンテナ501の上からコンテナ500を積み重ねる。なお、コンテナ500とコンテナ501との積み重ねに際しては、コンテナ500の濃色部500hの下方にコンテナ501の淡色部501iが、コンテナ500の淡色部500iの下方にコンテナ501の濃色部501hが来るように、コンテナ500,501の方向を規定しておく。
【0064】
図7(b)に示すように、コンテナ500とコンテナ501とを積み重ねた場合には、コンテナ500の底壁側部500kがコンテナ501の開口側部501jの内方に収納される。このため、重ね合されたコンテナ500とコンテナ501との合計の高さH
2は、コンテナ501の高さH
1とコンテナ500における開口側部500jの高さとを足し合わせた高さが、積み重ねたコンテナ500,501の合計の高さH
2ということになる。
【0065】
5.コンテナ500〜502のネスティング状態解除動作
以下では、一例として重ね合された3つのコンテナ500〜502のネスティング状態解除動作について、
図8および
図9を用い説明する。
図8は、ネスティング状態解除装置を用いたネスティング状態解除に係る各工程を、(a)から(d)の順に示す模式側面図であり、
図9は、ネスティング状態解除装置を用いたネスティング状態解除に係る各工程を、(a)から(c)の順に示す模式側面図である。
【0066】
(1)コンテナ500〜502の搬入工程
図8(a)に示すように、コンベア6,7(
図8(a)では、コンベア6,7の図示を省略。)の駆動により、ネスティング状態で積み重ねられたコンテナ500〜502が矢印Dのように−X側から+X側に向けて搬送され、ネスティング状態解除装置1に搬入されてくる。なお、コンテナ500〜502の積み重ねの形態は、上記説明のようにX方向の向きが互い違いとなったネスティング状態である。即ち、コンテナ500〜502は、+X側で下から順に濃色部500h、淡色部501i、濃色部502hとなっており、−X側で下から順に淡色部500i、濃色部501h、淡色部502iとなっている。これより、コンテナ501の−Z側の一部はコンテナ500の内方に挿入され、コンテナ502の−Z側の一部はコンテナ501の内方に挿入された状態となっている。
【0067】
コントローラ210(
図4を参照。)は、位置センサ31(
図3,4などを参照。)から、コンテナ500〜502を検出した旨の結果を得た時点、または、当該結果を得た時点から所定時間だけ遅延した時点で、コンベアモータ8も駆動を停止するように指令を発する。これにより、旋回テーブル12における旋回軸Ax
12(
図5を参照。)とコンテナ500の底壁500aの中心とが略一致した状態でコンベア6,7が停止する。
【0068】
なお、
図8(a)に示すように、ネスティング状態解除装置1に対してコンテナ500〜502が搬入される時点においては、リフタ10が駆動しておらず(下降限で待機状態)、旋回テーブル12はコンベア6,7の上面よりも−Z側である高さレベルHL
0に位置している。
【0069】
(2)コンテナ500〜502の上昇工程
図8(b)に示すように、コントローラ210は、コンベア6,7の駆動停止後に、リフタ10(
図1などを参照。)に駆動指令を発する。
【0070】
コントローラ210からの駆動指令を受けたリフタ10は、旋回テーブル12を矢印Eのように+Z側へと上昇させる。なお、旋回テーブル12とコンテナ500とは、
図6を用い説明したように、フック121,122とピン123,124とにより掛止された状態となる。
【0071】
旋回テーブル12は、高さレベルHL
1まで上昇され、モータ11の回転駆動が停止される。ここで、旋回テーブル12の高さレベルHL
1は、コンテナ500がカラーセンサ20により側壁500dの色の検出が可能となる高さ位置(第1の高さ位置)となるレベルである。即ち、旋回テーブル12が高さレベルHL
1で停止した状態で、カラーセンサ20(
図1などを参照。)の検出レベルLcsにコンテナ500の濃色部500hが位置することとなる。これにより、カラーセンサ20からは、色検出結果(赤色であるとの検出結果)がコントローラ210に送出される。
【0072】
(3)コンテナ501,502の高さ保持工程
図8(c)に示すように、コンテナ500における濃色部500hの色検出結果を取得したコントローラ210(
図4を参照。)は、リフタ10に対して駆動指令を発し、旋回テーブル12を矢印Fのように高さレベルHL
2まで降下させる。そして、コントローラ210は、チャックシリンダ18,19に駆動指令を発し、コンテナ501の側壁をチャック14,15で挟み込ませる。
【0073】
コンテナ501,502は、チャック14,15(
図2を参照。)でコンテナ501の側壁が挟み込まれることにより、当該高さレベルで保持される。なお、チャック14,15で側壁が挟み込まれ保持されたコンテナ501は、側壁がカラーセンサ20の検出レベルLcsに位置することとなる。即ち、高さレベルHL
2は、コンテナ501がカラーセンサ20の検出レベルLcsの高さ位置となるように、下端のコンテナ500が位置する高さ位置(第3の高さ位置)である。これより、カラーセンサ20からは、コントローラ210に対してコンテナ501の淡色部501iの色(黄色)を検出した旨の信号(検出結果)を送出する。
【0074】
(4)コンテナ500の降下工程
図8(d)に示すように、コントローラ210は、カラーセンサ20からの検出結果に基づいてコンテナ500を旋回させる必要があると判断した場合に、矢印Gのように旋回テーブル12を高さレベルHL
3まで降下させる。旋回テーブル12の高さレベルHL
3は、当該旋回テーブル12の上に載置されているコンテナ500がZ方向においてコンテナ501およびコンベア6,7に干渉しない高さ位置(第2の高さ位置)となるレベルである。
【0075】
(5)コンテナ500の旋回工程
図9(a)に示すように、コントローラ210は、カラーセンサ20からの検出結果に基づいて、コンテナ500の濃色部500hが+X側に位置する(コンテナ500が第2の向きである)と判断した場合には、旋回テーブル12を旋回させる(rot)。即ち、コントローラ210は、旋回テーブル12を高さレベルHL
3で保持した状態において、旋回アクチュエータ13に対して駆動指令を発し、旋回テーブル12を平面視で180°旋回させる。これにより、コンテナ500は、濃色部500hが+X側を向き、淡色部500iが−X側を向く。
【0076】
(6)コンテナ500の搬出工程
図9(b)に示すように、コントローラ210は、旋回テーブル12の旋回が終了した後に、リフタ10に対して駆動指令を発して矢印Hのように旋回テーブル12を高さレベルHL
0まで降下させる。旋回テーブル12の高さレベルHL
0は、旋回テーブル12がコンベア6,7の上面よりも−Z側となる高さレベルであって、コンテナ500に対する旋回テーブル12の掛止が解除される高さレベルである。
【0077】
コントローラ210は、旋回テーブル12が高さレベルHL
0まで降下した後に、コンベアモータ8に駆動指令を発してコンベア6,7(
図9(b)では、図示を省略。)を駆動する。これにより、コンテナ500は、矢印Iのようにネスティング状態解除装置1の外部へと搬出される。
【0078】
上述のように、コントローラ210は、コンテナ500がネスティング状態解除装置1から搬出されたことを位置センサ31,32の検出結果を基に判断する。
【0079】
(7)コンテナ501の段ばらし
図9(c)に示すように、コントローラ210は、コンテナ501は旋回の必要がない向きである(コンテナ501が第1の向きである)と判断した場合、上記(3)の工程を実行した後、旋回テーブル12を高さレベルHL
3で停止することなく、上記(6)の工程を実行する。
【0080】
以上のように、本実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、旋回テーブル12の高さレベルHL
0〜HL
3によって、コンテナ500〜502の搬入・搬出、及びネスティング状態解除を実行することができる。よって、ネスティング状態解除装置1は、自動でネスティング状態解除が可能であるので、作業者による作業量の低減を図ることができ、また、狭い場所にも設置が可能である。
【0081】
[変形例]
上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、コンテナの向きをコンテナの側壁の色で判別することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、コンテナの側壁外面における長手方向の一方に判別可能なマークを付しておき、装置側に設けたイメージセンサでマークの有無を判別することでコンテナの向きを判別することとしてもよい。
【0082】
また、上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、リフタ10の具体的な構成については言及しなかったが、種々のリフタを採用することができる。例えば、リニアモータを備えたリフタや、エアーシリンダを用いたリフタなどを採用することもできる。
【0083】
また、上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、チャックシリンダ18,19の駆動によりチャック14,15の開閉を行う構成としたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、チャックシリンダとチャックとの間に、リンク機構を介挿した構造とすることもできる。
【0084】
また、上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、コンテナの搬入・搬出をコンベア6,7により行うこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、シリンダなどでコンテナを押圧して搬入・搬出を行う構成とすることもできるし、作業者が搬入・搬出することとしてもよい。
【0086】
また、上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、コンテナを搬送する直前での再度のコンテナの向き確認は特に行わないこととしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、ガイドプレート29,30に別のカラーセンサを配設しておき、当該カラーセンサで排出直前のコンテナの向きを確認することとしてもよい。
【0087】
また、上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、コンテナを掛止するために2種類の掛止手段(フック121,122とピン123,124)を設けることとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、どちらか一方の掛止手段だけでもよく、他の掛止手段を採用することもできる。他の掛止手段の一例としては、旋回テーブルの上面に1又は複数の吸着パッドを設けておき、当該吸着パッドによる吸着によりコンテナを掛止することとしてもよい。
【0088】
また、上記実施形態に係るネスティング状態解除装置1では、+X側からコンテナ500〜502を搬入し、−X側に搬出することとしたが、本発明は、これに限定を受けるものではない。例えば、搬入と搬出の方向が同一であってもよいし、+Z側からコンテナを搬入する構成とすることもできる。