(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571292
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】HF及びLF動作のためのアンテナ装置
(51)【国際特許分類】
H01Q 7/06 20060101AFI20190826BHJP
H01Q 21/24 20060101ALI20190826BHJP
H01Q 21/28 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
H01Q7/06
H01Q21/24
H01Q21/28
【請求項の数】11
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-541540(P2018-541540)
(86)(22)【出願日】2016年11月3日
(65)【公表番号】特表2018-533326(P2018-533326A)
(43)【公表日】2018年11月8日
(86)【国際出願番号】EP2016076530
(87)【国際公開番号】WO2017076959
(87)【国際公開日】20170511
【審査請求日】2018年6月29日
(31)【優先権主張番号】15192945.2
(32)【優先日】2015年11月4日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】516044978
【氏名又は名称】プレモ・エセ・ア
【氏名又は名称原語表記】PREMO,S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110001508
【氏名又は名称】特許業務法人 津国
(72)【発明者】
【氏名】ナバロ・ペレス,フランシスコ・エセキエル
(72)【発明者】
【氏名】ロハス・クエバス,アントニオ
(72)【発明者】
【氏名】コボス・レイエス,セルジオ
【審査官】
新田 亮
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2015/022000(WO,A1)
【文献】
国際公開第2014/072075(WO,A1)
【文献】
特開2013−165368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01Q 7/06
H01Q 21/24
H01Q 21/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ装置であって、
‐ 少なくとも1つの磁気コア(2)と、
‐ 前記少なくとも1つの磁気コア(2)の周りに巻かれた少なくとも1つの巻線(31、32、33)であって、20〜150KHzの範囲内に含まれる周波数で動作するように適合されたLFアンテナを提供する巻線(31、32、33)と、
‐ 前記少なくとも1つの巻線(31、32、33)を巻かれた前記少なくとも1つの磁気コア(2)がその上に配置されている電気絶縁基部(1)と、
を備え、
前記電気絶縁基部(1)は、少なくともその一部分が前記少なくとも1つの巻線(31、32、33)に電気的に接続されている金属タブ(121〜128)を含んでおり、且つ前記電気絶縁基部は、SMT実装用のレイアウトを備える導電性プレート(131〜138)を有する底面を有し、少なくとも1つの前記金属タブ(121〜128)は、少なくとも1つの前記導電性プレート(131〜138)に接続されている、
前記アンテナ装置であり、
前記アンテナ装置は、更に、上面(4U)及び側面(4S)を有する電気絶縁キャップ(4)を備え、2つの端部(411、412)を有する少なくとも1つの金属化表面高周波コイル(42)が、前記上面(4U)に配置され、前記金属化表面高周波コイル(42)は、アンテナとして動作し、且つ前記電気絶縁キャップ(4)の前記側面(4S)上に配設された前記端部(411、412)のそれぞれの延長部分によって、前記電気絶縁基部(1)の少なくとも1つの前記金属タブ(121〜128)に電気的に接続されており、
前記電気絶縁キャップ(4)は交換可能であり、且つ前記磁気コア上に機械的に固定され、それによって前記LFアンテナの配置とは無関係に、3〜30MHzの範囲内に含まれる周波数で動作するように適合された誘導HFアンテナとして、前記高周波コイル(42)の異なる動作を可能にする、という特徴を有する、
前記アンテナ装置。
【請求項2】
前記少なくとも1つの金属タブ(121〜128)は、前記電気絶縁基部(1)の少なくとも1つの側面から外側に突出し、前記金属化表面高周波コイル(42)の前記端部(411、412)の前記延長部分と電気的接触を成している、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記少なくとも1つの金属タブ(121〜128)は、前記巻線の編組された端部を前記金属タブ(121、122)に溶接することによって、前記少なくとも1つの巻線(31、32、33)に接続されている、請求項2に記載のアンテナ装置。
【請求項4】
前記電気絶縁基部(1)は、前記巻線(31、32、33)の端部毎に少なくとも1つの前記金属タブ(121〜128)を備えている、請求項1〜3のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記少なくとも1つの磁気コア(2)は、モノリシック磁気コアであり、前記アンテナ装置は、モノリシックアンテナ装置を構成する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記少なくとも1つの磁気コア(2)は、フェライト磁気コアである、請求項5に記載のアンテナ装置。
【請求項7】
前記フェライト磁気コアは、ニッケル-亜鉛合金、又は、マンガン-亜鉛合金、及び/又は、非晶質コバルトで形成されている、請求項6に記載のアンテナ装置。
【請求項8】
3つの互いに直交する軸の周りに巻かれた3つの巻線(31、32、33)を備え、前記巻線(31、32、33)の各々は、前記少なくとも1つの磁気コア(2)を取り巻いている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記誘導HFアンテナは、13.56MHzのNFC周波数で動作するように適合されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【請求項10】
前記電気絶縁キャップ(4)は、前記異なる巻線(31、32、33)の前記金属タブ(121〜128)への前記接続が完了された後に、前記磁気コア(2)上と前記異なる巻線(31、32、33)上とに機械的に固定されている前記電気絶縁キャップ(4)によって、前記少なくとも1つの磁気コア(2)の周りに巻かれた異なる巻線(31、32、33)を、その上面(4U)及び側面(4S)で保護する、請求項8に記載のアンテナ装置。
【請求項11】
アンテナとして動作する前記金属化表面高周波コイル(42)を異なる巻線(31、32、33)から絶縁するための強磁性体シート(5)が、前記キャップ(4)と前記少なくとも1つの磁気コア(2)の前記少なくとも1つの巻線(31、32、33)との間に配置されている、請求項1に記載のアンテナ装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般的に誘導(inductive)アンテナ装置に関する。特に、本発明は、低周波(LF:low-frequency)動作(20〜150KHzの搬送波周波数)と同様に高周波(HF:high-frequency)通信(3〜30MHzの搬送波周波数)用の多用途(multipurpose)誘導アンテナ装置に関する。
【0002】
現在、特に自動車産業用のPKE(Passive Keyless Entry)システムの分野において、いくつかの装置が同じパッケージに低周波(20KHz〜150KHz)アンテナ(場合によっては、3次元アンテナ、又は単一の磁気コアにわたり又は3つの個別のコアにわたり直交して配置された3つのアンテナ)を含む必要があり、且つこれらのデバイスは、HF機能(好ましくは、13.56MHzでの近距離無線通信(NFC:near field communication)の)機能性を含む必要がある。
【背景技術】
【0003】
米国特許(US-B2-8907760)は、3次元低周波(3D-LF)アンテナ及びHFアンテナが使用される遠隔アクセスシステムを開示している。3D-LFアンテナは、3次元空間のデカルト座標系を規定するX軸、Y軸及びZ軸に対してそれぞれ配向された3つのコイルを含み、HFアンテナはそのLFコイルの軸の1つに沿って、アンテナパッケージを3D-LFアンテナとして使用する。この特許において、HFアンテナは、例えば、HFアンテナをLFコイルの外側に十分に分離して巻き付けることによって、又はLFコイル(特にZ軸に平行に置かれたLFコイル)の下方及び/又は上方にHFアンテナを配置することによって、LFコイルの1つに近接して接続される。3D-LFアンテナは、3KHz〜300KHzのLF信号に対して使用されるように構成され、一方、HFアンテナは、3MHz〜30MHzの間のHF信号に関連して使用されるように構成されている。
【0004】
日本国特許出願(JP 2015080147 A)は、磁気コアの周りに巻かれた単一のコイルアンテナと、絶縁基板上に配置された第2の平面コイルアンテナとを備えたキーレスエントリーシステム用のデュアルバンドアンテナ装置を開示している。ここで、前記第2の平面コイルアンテナは、第1のコイルアンテナの上方に配置され、かつ前記第1の単一コイルアンテナと前記第2のコイルアンテナとは、強磁性材料シートによって互いに分離されている。この特許出願は、PKEシステムにおけるキーの制御のRFアンテナ(遠隔開閉のための310MHZ)を、起動(Wake up)用又はRFID(Radio Frequency Identification)用のアンテナLFと統合している。この日本の特許出願のデュアルバンドアンテナ装置は、提案されたアンテナ装置とは異なり、LF及びHFアンテナとして動作することができるけれども、HFアンテナとして動作するときには3〜30MHzの周波数範囲で動作することができない。さらに、このデュアルバンドアンテナ装置のHFアンテナは、電気的に絶縁された交換可能なキャップ上に配置されておらず、HFアンテナの異なる動作(different performances)を許容しない。
【0005】
国際特許出願公開(WO 2015/022000 A1)は、磁気コアの周りに数回巻かれた巻線と、磁気コアの上に配置されたアダプタを有するアンテナ装置を開示し、そして前記アンテナ装置は、特定のPCB(Printed Circuit Board:プリント回路基板)レイアウトに従う導電性メッキを備え、前記巻線に結合された導電性素子に接続された外部表面を有している。
【0006】
米国特許出願(US 2010/0207725 A1)は、回路板11の裏面に実装された受信用アンテナ12を含むトランシーバーを開示している。この受信用アンテナ12は、3つのコイルアンテナ15〜17、支持部18、及び前記コイルアンテナ15〜17と前記支持部18とを収容するためのケース19を含んでいる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、構成部品及び物理的空間を節約する両機能(HF通信及びLF通信)のための改良された誘導アンテナ装置を提供することである。 特に、本発明の解決策によれば、HFアンテナは、LFアンテナの要素(上部及び側面)の保護を提供する要素、即ちキャップに組み込まれ、そしてLFアンテナの配置とは独立して、HFアンテナの別の実施態様を可能にするように容易に交換することができる。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の実施態様は、一般に、少なくとも1つの磁気コアと、前記磁気コアに巻かれた1つ以上の巻線が20〜150KHzの範囲内に含まれる周波数で動作するように適合されたLFアンテナと、電気絶縁基部とを備えている。前記電気絶縁基部は、少なくとも一部分が前記巻線又は複数の巻線に電気的に接続されている金属タブを含み、そして前記電気絶縁基部は、SMT(Surface mount technology:表面実装技術)実装を意図されたレイアウトを提供する導電性プレートを備える底面を有する。ここで。前記電気絶縁基部の前記金属タブの少なくとも1つが、前記導電性プレートの少なくとも1つに接続されている。
【0009】
既知のアンテナ構造とは異なり、提案されたアンテナ装置はさらに、上面と側面とを有する電気絶縁キャップ(例えばプラスチックキャップ)と、前記上面に配設された2つの端部を有する少なくとも1つの金属化表面高周波コイルとを備えている。ここで、前記金属化表面高周波コイルは、アンテナとして動作し、且つ前記側面上に配設された、前記2つの端部の各々の延長部分によって、前記電気絶縁基部の前記金属タブへ電気的に接続されている。前記電気絶縁キャップは交換可能であり、それによりLFアンテナの配置とは無関係に、3〜30MHzの範囲内に含まれる周波数で動作するように適合された誘導HFアンテナとして、高周波コイルの異なる動作を可能にする。
【0010】
1実施態様に関して、前記電気絶縁基部の1つの金属タブは、前記巻線の編組された端部を前記金属タブに溶接することによって、少なくとも1つの巻線に接続される。
【0011】
1実施態様によれば、前記少なくとも1つの磁気コアは、モノリシック磁気コアであり、前記アンテナ装置は、モノリシックアンテナ装置を構成する。好ましくはこの場合、前記少なくとも1つの磁気コアは、フェライト磁性コアであり、それは、とりわけ、ニッケル-亜鉛合金、又はマンガン-亜鉛合金、及び/又は非晶質コバルトで形成されうる。
【0012】
好ましい実施態様に関して、前記LFアンテナ装置は、相互に直交する3つの軸の周りに巻かれた3つの巻線を備え、前記巻線の各々、即ち3つの巻線を有するRFID帯(20KHz〜150KHz)用の3つのLF直交アンテナは、前記少なくとも1つの磁気コアを取り巻き、一方、前記HFアンテナは、例えばNFCの13.56MHz帯用のスパイラル(複数ターン)を備えている。
【0013】
好ましい実施態様において、前記HFアンテナは、前記プラスチックキャップ上にレーザー蒸着によって印刷される。
【0014】
引用されたキャップは、組立手順において用いられる衝突、衝撃、溶接熱及び化学薬品に対して、ワイヤ及び接続の保護を提供し、多用途アンテナ装置の信頼性を高める。
【0015】
金属表面の近傍におけるHFアンテナの読み取り距離の劣化はよく知られているけれども、前記キャップの前記HFアンテナを、前記LFアンテナ構成部品を含む前記装置の残部から絶縁し、且つ必要ならば渦電流の発生を防ぐために、且つこのようにしてHFアンテナ(13.56MHz)の読み取り距離を改善するために、中間強磁性材料シートが、前記キャップと残りの部分との間に任意選択的に配置され得る。これに加えて、この解決策は同じデバイス内に2つの異なる磁性材料を使用することを可能にして、品質係数Q並びにLFアンテナ及びHFアンテナのそれぞれの感度が最適になるように、それぞれの特性を調整することを可能にする。
【0016】
前述及び別の利点並びに特徴は、添付の図面(これらは、例示的かつ非限定な仕方で考慮されなければならない)を参照して、以下の1実施態様の詳細な説明からより完全に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明により提案され、好ましい実施態様に従い空間的に分離された2つの部分を有しているアンテナ装置の斜視図である。
【
図2】1実施態様についての、上から内側を見た、金属化表面高周波コイルを備えたアンテナ装置の電気絶縁キャップの斜視図である。
【
図3】組み立てられた前記2つの部分を有する場合の、提案されたアンテナ装置の別の斜視図である。
【
図4】1実施態様について磁気コアが取り付けられる、本発明のアンテナ装置の電気絶縁基部の斜視図である。
【
図5】SMT実装用のレイアウトを提供する、電気絶縁基部の底部の導電性金属プレートの斜視図である。
【
図6】キャップのHFアンテナを必要に応じて装置の残りの部分から絶縁するために設けられた任意選択的な中間強磁性シートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
図1は、HF周波数(3〜30MHz)、好ましくはNFC周波数(13.56MHz)と同様に低周波数範囲(20KHz〜150KHz)において無線周波数アンテナとして動作することができる、提案されたアンテナ装置の好ましい実施態様を示している。
【0019】
前記好ましい実施態様に関して、提案されたアンテナ装置は、2つの部分、即ちそれぞれ第1部分100A及び第2部分100Bを備えている。アンテナ装置の第1部分100Aは、本分野で周知の構造に従って、1又は複数の磁気コア2及び無線周波数用途のための誘導アンテナに適合する1又は複数の巻線31、32、33を備えている。3つのデカルト軸のそれぞれにおいて為された異なる巻線は、アンテナ装置が3次元アンテナとして動作する(空間の3つの軸において動作する)ことを可能にする。特に、
図1に見られるように、好ましい実施態様において、アンテナ装置は、本提案されたアンテナ装置が3次元的に働くことを可能にする空間の3つの軸に従って、磁気コア2上に直角に巻かれた3つの巻線31、32、33を含んでいる。従って、送信システムによって生成された磁場方向にかかわらず、アンテナ装置は、エネルギーを拾い上げ、送信システムとの通信を可能にする。
【0020】
さらに、アンテナ装置の第1部分100Aは、磁気コア2が(接着接合部のような何らかの機械的手段によって)固定される電気絶縁基部1をも有している。上述の電気絶縁基部1は、前記の3つの巻線31、32、33のうちの1つ以上との接続のための金属タブ121〜128を含み、前記金属タブ121〜128が電気的に接続されている導電性プレート/プレート131〜138(
図5参照)を含んでいる下面又は底面を有している。導電性プレート/プレート131〜138は、標準的SMT手順で前記アンテナを実装することを可能にする。
【0021】
3つの巻線31、32、33の異なる端の接続は、何らかのはんだ付け法(例えば、はんだチップ、熱圧縮、及び導電性接着など)によって行われる。さらに、金属タブ121〜128は、導電性プレート/プレート131〜138と電気的に接続され、標準的SMT組立ラインにおいてアンテナ装置の使用を可能にする。
【0022】
アンテナ装置の第2部分100Bは、第1部分100Aを覆ってその機械的保護部を提供する電気絶縁キャップ4を含んでいる。電気絶縁キャップ4は、好ましくは、LF巻線31、32、33の電気絶縁基部1の金属タブ121〜128への接続が完了した後に、磁気コア2及び3つの巻線31、32、33上で機械的に(例えば、いくつかの接着ジョイントを用いて)固定される。
【0023】
本発明によれば、電気絶縁キャップ4は、その上面4U内に、金属化表面高周波コイル42(すなわち金属化トラックで作られた)を特徴的に含み、前記高周波コイル42は、高周波アンテナ、好ましくは13.56MHzの周波数で動作するNFCアンテナを提供し、電気絶縁キャップ4の側面4Sに亘り延在するいくつかの部分(
図1及び
図2参照)によって広げられた端部411、412を有している。さらに、金属化表面高周波コイル42(所望の必要なHF搬送周波数に応じて異なる数のコイルを有するように構成されていてもよい)は、何らかの半田付け法(例えば、はんだチップ、熱圧縮、及び導電性接着など)で、その端部411、412の各1つによって電気絶縁基部1の前記金属タブ121〜128の1つ以上に電気的に接続されている。本発明の代替の実施態様において、図示されていないこのケースでは、2つ以上の金属化表面高周波コイルが絶縁キャップ4内に収容されうることに留意されたい。
【0024】
このようにしてアンテナ装置は、アンテナ装置(例えばSMT手順によるアンテナ装置のPCBへの半田付け上の)を異なるLF巻線31、32、33(20KHz、134KHz、150KHz)及び電気絶縁キャップ4のHFアンテナ42(好ましくは13.56MHzで動作するNFCアンテナ)へ電気的に接続することを可能にする特定のレイアウトを有する電気絶縁基部1の底部での金属タブ131〜138から構成されている。
【0025】
図6はまた、前記キャップ4のHFアンテナ4Uを第1部分100Aの残りの部分から絶縁するための任意選択的な中間強磁性シート5を示し、前記強磁性シート5は、磁気デカップリングを提供し、同じ装置内における異なる磁気材料の使用を可能にする。
【0026】
この強磁性シート5の比透磁率は、典型的には100〜200(例えば13.56MHzで動作するHFアンテナ42に対して)であり、このシートの厚さは、典型的には0.1mm〜0.3mmである。
【0027】
図2は、金属化表面高周波コイル42を支える上面4U(
図2の上部)と、前記金属化表面高周波コイル42の第1端部の延長部分411を有する側面4Sとを有する上方から見られた絶縁キャップ4を示しており、そして金属化表面高周波コイル42の第2端部の別の延長部分412を有する、内側を見られた側面4Sを示している。
【0028】
図3は、提案されたアンテナ装置の別の図を表しており、そこではその2つの部分が組み立てられ、金属化表面高周波コイル42の一端の延長部分411と電気絶縁基部4の金属タブ122との間の電気的接続を示している。
【0029】
図4は、アンテナ装置の電気絶縁基部1を示し、より詳細には磁気コア2と、1つ以上の巻線31、32、33との接続のための金属タブ121〜128とを示している。金属タブ121〜128は、導電性プレート131〜138に順番に電気的に接続されている。
【0030】
アンテナ装置を構成する材料に関しては、磁気コアは、例えばフェライト磁気コア(例えば、ニッケル-亜鉛合金、マンガン-亜鉛合金、及び/又は非晶質コバルト)で形成されたモノリシック磁気コアとして形成される。
【0031】
巻線は、好ましくは、0.01mm〜1mmの直径であり、ポリウレタン(及び/又は、約150℃又はそれ以上の熱指数を有するポリアミド)でエナメル被覆されたケーブルで作ることができる。
【0032】
当業者であれば、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、記載された実施態様において変更及び修正を導入することができる。