(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571320
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】絶縁カバー
(51)【国際特許分類】
H01B 17/56 20060101AFI20190826BHJP
【FI】
H01B17/56 H
【請求項の数】10
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-191981(P2014-191981)
(22)【出願日】2014年9月19日
(65)【公開番号】特開2016-62848(P2016-62848A)
(43)【公開日】2016年4月25日
【審査請求日】2017年8月17日
(73)【特許権者】
【識別番号】394014087
【氏名又は名称】近藤化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100157107
【弁理士】
【氏名又は名称】岡 健司
(72)【発明者】
【氏名】原田 俊彦
【審査官】
井上 能宏
(56)【参考文献】
【文献】
特開昭57−183211(JP,A)
【文献】
特開2013−005681(JP,A)
【文献】
特開2011−160512(JP,A)
【文献】
実開昭61−011225(JP,U)
【文献】
実開平06−066246(JP,U)
【文献】
実公昭34−019356(JP,Y1)
【文献】
実公昭32−011365(JP,Y1)
【文献】
実公昭43−011864(JP,Y1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 17/00−19/04
H02G 1/00− 1/16
H02G 7/00− 7/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
間接活線工法において電線を覆う際に用いられる絶縁カバーであって、
外力がない自然状態において、長手方向の一部に軸方向の全長に渡って設けられた開口と周方向中央部の内壁面の一部または全部に設けられた凹凸面とを有する、筒状の管状体であり、
さらに、前記軸方向に直交する断面において、周方向両側部の曲率半径が前記周方向中央部の曲率半径よりも小さい湾曲形状となっていることを特徴とする絶縁カバー。
【請求項2】
前記凹凸面が、
波状面および/またはジグザグ状面であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁カバー。
【請求項3】
前記凹凸面が、
前記絶縁カバーの長手方向に沿って形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の絶縁カバー。
【請求項4】
前記凹凸面の凸面部の厚みと凹面部の厚みの比(凸面部の厚み/凹面部の厚み)が、
1.1〜3.6であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の絶縁カバー。
【請求項5】
前記凹凸面の凹面部の厚みが、
1〜2mmであることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の絶縁カバー。
【請求項6】
前記凹凸面の凹面部が、
奇数個であることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の絶縁カバー。
【請求項7】
前記絶縁カバーの外壁面に長手方向に沿ってリブ部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の絶縁カバー。
【請求項8】
前記絶縁カバーの外壁面に前記凸状部が設けられ、
前記絶縁カバーの内壁面に前記凸状部と嵌合する前記凹状部が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の絶縁カバー。
【請求項9】
前記絶縁カバーの両端部の内壁面に周方向に沿って絶縁シール材が設けられていることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか一項に記載の絶縁カバー。
【請求項10】
間接活線工法において電線を覆う際に用いられる絶縁カバーの施工方法であって、
外力がない自然状態において、長手方向の一部に軸方向の全長に渡って設けられた開口と周方向中央部の内壁面の一部または全部に設けられた凹凸面とを有する、筒状の管状体であり、
さらに、前記軸方向に直交する断面において、周方向両側部の曲率半径を前記周方向中央部の曲率半径よりも小さい湾曲形状とした絶縁カバーを、
前記凹凸面の凹面部を変形させながら、周方向の一方の側部の内壁面で周方向の他方の側部の外壁面を巻き込むようにして電線を覆うことを特徴とする絶縁カバーの施工方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線(特に、間接活線工法を行う際の電線)を覆うために用いられる絶縁カバーに関するものである。詳しくは、絶縁カバーの内壁面の一部または全部を凹凸面とすることによって、電線の絶縁を確保する際に電線を覆い易くし、施工性を向上することができる絶縁カバーに関するものである。また、凹凸面とすることによって様々な直径の電線の絶縁確保に対応することが可能となる絶縁カバーに関するものである。
さらに、絶縁カバーの両端部の内壁面に周方向に沿って絶縁シール材を設けることによって、絶縁カバーの両端部で電線を保持する(絶縁カバーの中心部においては絶縁カバーと電線との間に空間を設けた状態で電線を保持する)ことができ、その結果、電線の工事部分(絶縁カバーの中心部において覆われることになる部分)の絶縁をより確保することができる絶縁カバーに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、間接活線工法などの配電工事を行う際に生じる、電線の接続部分や電線の絶縁被覆を剥いだ部分や絶縁被覆に開けられた孔などの各部分について、絶縁を確保する目的や修復目的のために電線を覆う絶縁カバーが用いられている。
【0003】
ここで、最も一般的な絶縁カバーとしては、特許文献1において開示されているような2つの半円筒状の部材をヒンジ構造で連結している形状のものが知られている。また、特許文献2や特許文献3には半円筒状の部材の内面に粘着層を設けることによって電線と絶縁カバーとの隙間を無くすようにして電線を覆い、かつ溝部(特許文献2)や逃げ部(特許文献3)を設けることによって余分な粘着層を絶縁カバーの外に漏らさないようにした絶縁カバーが開示されている。
【0004】
さらに、特許文献4や特許文献5には半円筒状の部材の内面に電線を支持するためのリブを設けて、電線を覆った後に絶縁カバーが絶縁を確保しなければならない部分からずれないようにした絶縁カバーが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平11−126530号公報
【特許文献2】特許第5479839号公報
【特許文献3】特許第4711449号公報
【特許文献4】特許第5479846号公報
【特許文献5】特許第5382858号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、これら従前の絶縁カバーはいずれも半円筒状の部材をヒンジ構造で連結した形状となっていることから、電線に取り付ける際(電線を覆う際)にはヒンジ部分という特定の部分で絶縁カバーを折り曲げなければならないことになる。従って、作業者は施工の際、係るヒンジ部分に力が集中するように絶縁カバーを持って作業しなければならないことになる。
ここで、近年の配電工事においては作業者が直接電線に触ることなく、ヤットコなどの間接活線用工具を用いて作業を行う間接活線工法が主流となっている。従って、近年の配電工事において上記したような従前の絶縁カバーを用いて電線の絶縁を確保しようとすると、作業者は施工の際、係るヒンジ部分に力が集中する位置を探して絶縁カバーをヤットコなどの間接活線用工具で掴まなければならないことになる。また、掴む位置が悪い場合には一旦間接活線用工具から絶縁カバーを外して再度掴み直さなければならなくなったりすることから、施工性(作業性)が低下してしまうという問題があった。
【0007】
また、特許文献1〜5に記載されている絶縁カバーは外周が平滑であることから治具で掴む際に滑りやすく、この点からも施工性(作業性)が低下するという問題があった。
【0008】
本発明は、上記した従来の問題点に鑑みてなされたものであって、電線の絶縁を確保する際に電線を覆い易く、施工性を向上することができる絶縁カバーの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る絶縁カバーは、間接活線工法において電線を覆う際に用いられる絶縁カバーであって、
外力がない自然状態において、長手方向の一部に軸方向の全長に渡って設けられた開口と周方向中央部の内壁面の一部または全部
に設けられた凹凸面
とを有する、筒状の管状体であり、さらに、軸方向に直交する断面において、周方向両側部の曲率半径が周方向中央部の曲率半径よりも小さい湾曲形状となっていることを特徴とする。
また、本発明の請求項10に係る絶縁カバーの施工方法は、外力がない自然状態において、長手方向の一部に軸方向の全長に渡って設けられた開口と周方向中央部の内壁面の一部または全部に設けられた凹凸面とを有する、筒状の管状体であり、
さらに、軸方向に直交する断面において、周方向両側部の曲率半径を周方向中央部の曲率半径よりも小さい湾曲形状とした絶縁カバーを、凹凸面の凹面部を変形させながら、周方向の一方の側部の内壁面で周方向の他方の側部の外壁面を巻き込むようにして電線を覆うことを特徴とする。
【0010】
本発明の請求項2に係る絶縁カバーは、凹凸面が、波状面および/またはジグザグ状面であることを特徴とする。
【0011】
本発明の請求項3に係る絶縁カバーは、凹凸面が、絶縁カバーの長手方向に沿って形成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明の請求項4に係る絶縁カバーは、凹凸面の凸面部の厚みと凹面部の厚みの比(凸面部の厚み/凹面部の厚み)が、1.1〜3.6であることを特徴とする。
【0013】
本発明の請求項5に係る絶縁カバーは、凹凸面の凹面部の厚みが、1〜2mmであることを特徴とする。
【0014】
本発明の請求項6に係る絶縁カバーは、凹凸面の凹面部が、奇数個であることを特徴とする。
【0015】
本発明の請求項7に係る絶縁カバーは、絶縁カバーの外壁面に長手方向に沿ってリブ部が設けられていることを特徴とする。
【0016】
本発明の請求項8に係る絶縁カバーは、絶縁カバーの外壁面に凸状部が設けられ、絶縁カバーの内壁面に凸状部と嵌合する凹状部が設けられていることを特徴とする。
【0017】
本発明の請求項9に係る絶縁カバーは、絶縁カバーの両端部の内壁面に周方向に沿って絶縁シール材が設けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る絶縁カバーによれば、絶縁カバーの内壁面の一部または全部を凹凸面とすることによって絶縁カバーを変形し易く、すなわち電線に巻きつけ易くすることができ、施工性を向上させることができる。また、凹凸面とすることによって様々な直径の電線の絶縁確保に対応することができる。
【0019】
本発明の請求項2、3に係る絶縁カバーによれば、凹凸面を特定の形状としたり、凹凸面を絶縁カバーの長手方向に沿って形成したりすることによって、上記の効果をより効果的に発現させることができる。
【0020】
本発明の請求項4〜6に係る絶縁カバーによれば、凹凸面の凹凸の寸法を特定のものとすることによって、上記の効果をより効果的に発現させることができる。
【0021】
本発明の請求項7に係る絶縁カバーによれば、絶縁カバーの外壁面にリブ部を設けることによって、絶縁カバーをヤットコなどの間接活線用工具を用いて電線に施工する際にリブ部にヤットコの把持部を押し当てながら施工することができるため、施工性を向上させることができる。
【0022】
本発明の請求項8に係る絶縁カバーによれば、絶縁カバーの外壁面と内壁面を嵌合させることができることから、絶縁カバーがずれることをより防止することができる。
【0023】
本発明の請求項9に係る絶縁カバーは、絶縁カバーの両端部の内壁面に周方向に沿って絶縁シール材が設けられていることから、上記効果を発現させつつ、絶縁カバー内への水の浸入を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【
図1】本発明の絶縁カバーの一の実施形態を示す斜視図である。
【
図8】
図1の絶縁カバーの内壁面に絶縁シール材を設けた状態を示す斜視図である。
【
図10】
図8の絶縁カバーのC−C‘断面図である。
【
図11】
図8の絶縁カバーを用いて電線を覆う際の状態を示す模式図である。
【
図12】
図8の絶縁カバーを用いて電線を覆った状態を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下に述べる実施形態は本発明を具体化した一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものでない。
図1は本発明の絶縁カバーの一の実施形態を示す斜視図であり、
図2は
図1の絶縁カバーの正面(背面)図であり、
図3は
図1の絶縁カバーの右側面図であり、
図4は
図1の絶縁カバーの左側面図であり、
図5は
図1の絶縁カバーのA−A‘断面図であり、
図6は
図1の絶縁カバーの平面図であり、
図7は
図1の絶縁カバーの底面図であり、
図8は
図1の絶縁カバーの内壁面に絶縁シール材を設けた状態を示す斜視図であり、
図9は
図8の絶縁カバーのB−B‘断面図であり、
図10は
図8の絶縁カバーのC−C‘断面図である。
【0026】
(基本構造)
まず、本発明に係る絶縁カバーの基本構造を
図1〜
図7に基づいて説明する。
図1〜7に示すように、本発明に係る絶縁カバー1は筒状の管状体2であって、長手方向の一部に軸方向の全長に渡って開口3が設けられている構造となっている。また、
図1、2、5、7に示すように、管状体2の内壁面4は一部または全部が凹凸面5(凹面部6と凸面部7からなる)となっている構造となっている。
【0027】
(内壁面の構造)
本発明に係る絶縁カバー1は、内壁面4をこのような構造とすることによって、後記する使用時(電線Wを覆う際)において、1)力が分散されることから絶縁カバー1を電線Wに覆い易くすることができ、2)様々な直径の電線の絶縁確保に対応することができるようになるのである。なお、この効果はヤットコなどの間接活線用工具を用いる間接活線工法などにおいて特に顕著なものとなる。
ここで、凹凸面5の形態については特に限定されるものではないが、上記した1)、2)の効果をより効果的に発現させる観点から、波状面および/またはジグザグ状面の構造とすることが好ましく、その中でも波状面の構造とすることが好ましい。
なお、凹凸面5の具体的な形状や寸法についても特に限定されるものではないが、上記した1)、2)の効果をより効果的に発現させる観点から、凹凸面5の凸面部7の厚みと凹面部6の厚みの比(凸面部7の厚み/凹面部6の厚み)が1.1〜3.6であることが好ましく、その中でも1.3〜2.8であることがより好ましい。凹面部6の厚みについては曲げ易さと強度との観点から1〜2mm(1.5±0.5mm)であることが好ましく、その中でも1.2〜1.8mm(1.5±0.3mm)であることがより好ましい。凸面部7の厚みについては曲げ易さと強度との観点から2.2〜3.6mm(2.9±0.7mm)であることが好ましく、その中でも2.4〜3.4mm(2.9±0.5mm)であることがより好ましい。
また、凹面部6の開口幅(L)については、6〜9mm(7.5±1.5mm)であることがより好ましい。
さらに、凹凸面5の凹面部6についても曲げ易さと強度との観点から奇数個であることが好ましく、具体的には3〜9個であることが好ましく、その中でも7個であることがより好ましい。
また、上記した1)、2)の効果をより効果的に発現させる観点から、凹凸面5は絶縁カバー1の長手方向に沿って形成されていることが好ましい。
【0028】
さらに本発明に係る絶縁カバー1には、
図8〜10に示すように、内壁面4に絶縁シール材8を設けることもできる。このように内壁面4に絶縁シール材8を設けることによって、電線Wと絶縁カバー1との隙間をなくすことができ、水の浸入による絶縁不良をより有効に防止することができる。なお、絶縁シール材8としては特に限定されるものではないが、絶縁を確保し易い点から各種の絶縁性材料を用いることが好ましく、その中でも硬質または軟質のブチルゴムを用いることが好ましい。
なお、
図8〜10に示す絶縁カバー1については、絶縁カバーの両端部の内壁面に周方向に沿って絶縁シール材8を設けたことに加えて、絶縁カバーの内壁面に長手方向に沿って絶縁シール材9、10を設けた形態となっている。このような形態を採用すれば、後記するように、電線Wを絶縁カバー1で覆った際に絶縁カバー1の内部に巻き込まれることになる開口端部11が絶縁シール材9に押し付けられることになり、絶縁カバー内への水の浸入をより効果的に防止することができるので好適である。
【0029】
(嵌合構造)
本発明に係る絶縁カバー1は、
図1〜7に示すように、管状体2の外壁面12に凸状部13が設け、管状体2の内壁面4には凸状部13と嵌合する凹状部14を設ける構造とすることもできる。このような構造とすることによって、電線Wを覆った後、経時において絶縁カバー1が外れることをより効果的に防止するできることができるようになる。
なお、
図1〜
図7に示す絶縁カバー1においては、凸状部13および凹状部14を絶縁カバー1の長手方向に沿って設けた構造としているが、これに限定されるものではなく、絶縁カバー1の一部分に設ける構造としてもよい。
また、
図1〜
図7に示す絶縁カバー1においては、凸状部13を管状体2の外壁面12に、凹状部14を管状体2の内壁面4にそれぞれ設けた構造としているが、これに限定されるものではなく、凸状部13を管状体2の内壁面4に、凹状部14を管状体2の外壁面12に設ける構造としてもよい。
【0030】
(リブ部)
最後に本発明に係る絶縁カバー1は、
図1〜7に示すように、絶縁カバー1の外壁面12にリブ部15、16を設ける構造とすることもできる。このような構造とすることによって、特に間接活線工法によって作業を行う際にヤットコなどの治具をかかるリブ部15、16に押し当てながら絶縁カバー1を電線の周方向に沿って曲げていくことできるようになり、従前のように絶縁カバー1がヤットコの中ですべるような事態を防止することができ、1)、2)の効果とともに施工性を向上させることができる。
なお、
図1〜
図7に示す絶縁カバー1においては、リブ部15、16を絶縁カバー1の長手方向に沿って設けた構造としているが、これに限定されるものではなく、絶縁カバー1の一部分に設ける構造としてもよい。また、
図1〜
図7に示す絶縁カバー1においては、リブ部15、16を2箇所設けた構造としているが、これに限定されるものではなく、1箇所や3箇所以上設ける構造としてもよい。
【0031】
次に、上記のように構成された絶縁カバー1の動作および作用を次に説明する。
図11は
図8の絶縁カバーを用いて電線を覆う際の状態を示す模式図であり、
図12は
図8の絶縁カバーを用いて電線を覆った状態を示す断面図である。
まず、ヤットコ17を用いて絶縁カバー1を軽く掴み、電線Wの中でも絶縁カバー1を施工したい部分(電線の接続部分や電線の絶縁被覆を剥いだ部分や絶縁被覆に開けられた孔などの絶縁を確保したい部分)に、絶縁カバー1の開口3をあてがう。
【0032】
次に、
図11に示すように、絶縁カバー1の内側で、かつ開口端部11の近傍に電線Wを押し付け、絶縁シール材8と電線Wを接触させる。
【0033】
次に、
図11に示すように、ヤットコ17を絶縁カバー1のリブ部15に押し当てながら絶縁カバー1を電線Wの周方向に沿って曲げていく。
【0034】
最後に、ヤットコ17を絶縁カバー1のリブ部16に押し当てながら凸状部13と凹状部14を嵌合することによって、絶縁カバー1の設置を完了する。
【0035】
従って、本発明に係る絶縁カバー1を用いた場合には、内壁面4が凹凸面5となっていることから、各凹面部6が変形することで絶縁カバー1が曲がることになり、ヒンジ部の一点に力を集中して曲げなければならない従前の絶縁カバーとは異なり、より簡単に電線Wを覆うことができるのである。
【0036】
また、各凹面部6が変形することで電線Wを覆うことができることから、様々な直径の電線の絶縁確保に対応することができるのである。
具体的には、内壁面4が凹凸面5となっていることから、
図12に示すように、内壁面4に設けた絶縁シール材8によって電線Wを絶縁カバー1内で隙間なく覆うことができるだけでなく、余分な絶縁シール材8は凹面部6の内部に拡がって溜まることになることから、様々な直径の電線を覆う際にも電線Wを絶縁カバー1内で隙間なく覆いつつ、絶縁シール材8を絶縁カバー1の外に漏らさないようにすることができるのである。
すなわち、本発明に係る絶縁カバー1は、特許文献2の溝部や特許文献3の逃げ部を敢えて設けなくても、内壁面4に設けた凹面部6がかかる溝部や逃げ部の効果を発現するのである。
【0037】
また、絶縁カバー1の両端部の内壁面に周方向に沿って絶縁シール材8を設けることによって、絶縁カバー1の両端部で電線Wを保持する(絶縁カバーの中心部においては絶縁カバーと電線との間に空間を設けた状態で電線を保持する)ことができ、その結果、絶縁カバー1と電線Wとの間に空気の層が存在することになり、電線の工事部分(絶縁カバーの中心部において覆われることになる部分)の絶縁をより確保することができるのである。
【0038】
さらに、開口端部11が絶縁カバー1の内部に巻き込まれる際に絶縁シール材9に押し付けられることになり、絶縁カバー1の両端部に設けられた絶縁シール材8と相俟って、絶縁カバー1内への水の浸入をより効果的に防止することができるのである。
【0039】
以上のとおり、本発明に係る絶縁カバーは、電線の絶縁を確保する際に電線を覆い易く、施工性を向上することができる。また、ヒンジ部の一点に力を集中して曲げなければならない従前の絶縁カバーとは異なり、変形部分(各凹面部6)の耐ストレスクラック性能を向上させることができる。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明の絶縁カバーは、間接活線工法などの配電工事に用いることができる。
【符号の説明】
【0041】
1 絶縁カバー
2 管状体
3 開口
4 内壁面
5 凹凸面
6 凹面部
7 凸面部
8 絶縁シール材
9 絶縁シール材
10 絶縁シール材
11 開口端部
12 外壁面
13 凸状部
14 凹状部
15 リブ部
16 リブ部
17 ヤットコ
W 電線