特許第6571359号(P6571359)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571359
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】充放電検査装置
(51)【国際特許分類】
   H02J 7/00 20060101AFI20190826BHJP
   G01R 31/36 20190101ALI20190826BHJP
   H01M 10/46 20060101ALI20190826BHJP
   H01M 10/613 20140101ALI20190826BHJP
   H01M 10/6563 20140101ALI20190826BHJP
   H01M 10/658 20140101ALI20190826BHJP
   H01M 10/651 20140101ALI20190826BHJP
   H01M 10/617 20140101ALI20190826BHJP
   H01G 13/00 20130101ALI20190826BHJP
【FI】
   H02J7/00 Q
   G01R31/36
   H01M10/46
   H01M10/613
   H01M10/6563
   H01M10/658
   H01M10/651
   H01M10/617
   H01G13/00 361F
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-61365(P2015-61365)
(22)【出願日】2015年3月24日
(65)【公開番号】特開2016-182000(P2016-182000A)
(43)【公開日】2016年10月13日
【審査請求日】2018年3月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】503002732
【氏名又は名称】住友重機械搬送システム株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105924
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 賢樹
(74)【代理人】
【識別番号】100109047
【弁理士】
【氏名又は名称】村田 雄祐
(74)【代理人】
【識別番号】100109081
【弁理士】
【氏名又は名称】三木 友由
(74)【代理人】
【識別番号】100116274
【弁理士】
【氏名又は名称】富所 輝観夫
(72)【発明者】
【氏名】川野 勉
【審査官】 杉田 恵一
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−7933(JP,A)
【文献】 特開平8−189955(JP,A)
【文献】 特開平11−176484(JP,A)
【文献】 特開2007−48664(JP,A)
【文献】 特開2011−138981(JP,A)
【文献】 特開2012−216424(JP,A)
【文献】 特開2012−226915(JP,A)
【文献】 特開2013−149440(JP,A)
【文献】 特開2013−156084(JP,A)
【文献】 特開2015−81887(JP,A)
【文献】 実開昭48−99178(JP,U)
【文献】 国際公開第2012/026105(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/36
H01G 13/00
H01M 10/46
H01M 10/60
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともひとつの充放電ユニットを有する充放電検査装置であって、
前記充放電ユニットは、
複数の蓄電デバイスを搭載するトレーと、
スロットに挿入された前記トレーに、調温された空気を供給する給気ダクトと、
前記トレーに対して高さ方向に相対的に可動なプローブユニットと、
前記トレーが載置されるベースステージと、
前記プローブユニット、前記ベースステージとともに、前記給気ダクトからの空気が流通する実質的な閉流路を形成する側壁と、
を備え、
前記側壁は、前記トレーと一体に形成されている、充放電検査装置。
【請求項2】
前記プローブユニットは、前記蓄電デバイスと対向する面を備え、さらに、前記面に断熱材を備えることを特徴とする請求項1に記載の充放電検査装置。
【請求項3】
前記充放電ユニットは、前記トレーと前記ベースステージの間に挿入された第2の断熱材をさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の充放電検査装置。
【請求項4】
前記ベースステージに搭載され、前記トレーを指示するトレーサポートを有し、
前記トレーサポートは、前記トレーの下側に空気が流通可能な構造を有し、
前記トレーは、その底面に開口部を有することを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の充放電検査装置。
【請求項5】
前記充放電ユニットの周囲を囲む断熱パネルをさらに備えることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の充放電検査装置。
【請求項6】
XY平面が水平面を構成するようにXYZ三次元座標系を定義したときに、前記複数の蓄電デバイスは前記トレー上にX軸方向に並べられており、隣接する蓄電デバイスの間隔は10mm以下であることを特徴とする請求項1からのいずれかに記載の充放電検査装置。
【請求項7】
前記ベースステージに搭載され、前記トレーの移動を規制するストッパをさらに備え、前記ストッパは前記プローブユニット、前記ベースステージとともに、前記給気ダクトからの空気が流通する実質的な閉流路を形成する側壁となることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の充放電検査装置。
【請求項8】
前記給気ダクトは、前記側壁が形成されていない位置に配置され、
前記給気ダクトから給気された空気の排気は、前記トレーを挟んで対向する位置に設けられた排気ダクト、あるいは前記ベースステージの中央に設けられた排気口を通じて行われることを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の充放電検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二次電池やキャパシタなどの蓄電デバイスを検査する充放電検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
リチウムイオン電池、ニッケル水素電池をはじめとする繰り返し充電可能な二次電池、あるいは電気二重層コンデンサ(以下、蓄電デバイスと総称する)がモバイル機器、電気自動車、ハイブリッド自動車、家庭用蓄電システム、などの幅広い分野で利用されており、その重要性は近年ますます高まっている。
【0003】
蓄電デバイスはその出荷前に、充放電検査装置を用いて正常に機能するかが検査される。図1は、本発明者が検討した充放電検査装置を示す図である。充放電検査装置100rは、電源ユニット102および検査ラック200を備える。
【0004】
蓄電デバイス1は、トレー400に収容された状態で、搬送され、検査される。ひとつのトレー400には、最大でN個(Nは2以上の整数)の蓄電デバイス1が収容可能となっている。
【0005】
検査ラック200には、K個(Kは2以上の整数)のスロット202が設けられる。蓄電デバイス1を載せたトレー400は、スロット202に挿入される。検査ラック200の内部には、各スロット202ごとに設けられたプローブが設けられ、このプローブが蓄電デバイス1の電極と電気的に接触する。
【0006】
電源ユニット102は、検査ラック200に収容される蓄電デバイス1それぞれを、充放電することにより、複数の蓄電デバイス1を並列に検査可能に構成される。たとえば電源ユニット102は、スロット202ごとに設けられたコンバータ104を備える。コンバータ104は、対応するスロット202に収容されるN個の蓄電デバイス1に対応するNチャンネルの出力を有する。
【0007】
スタッカクレーン4は、トレー400を搬入し、それを検査ラック200の空きスロットにトレー400を挿入する。また検査が終了したトレー400を、スロット204から引き抜き、搬出する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平8−189955号公報
【特許文献2】特開平8−007933号公報
【特許文献3】特開2011−138981号公報
【特許文献4】特開2012−216424号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
蓄電デバイス1の検査工程において、その温度管理はきわめて重要であり、高精度な検査のためには、蓄電デバイス1のデバイス温度、あるいは環境温度が所望の値に安定に保たれている必要がある。
【0010】
図1の充放電検査装置100rにおいて、検査ラック200には、最大でK×N個の蓄電デバイス1が収容される。しかしながら、充放電検査装置100rが設置された検査ルーム、あるいは工場内の温度管理を行うだけでは、すべてのスロットの温度、あるいはすべての蓄電デバイス1の温度を均一に保つことは難しい。
【0011】
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、そのある態様の例示的な目的のひとつは、複数の蓄電デバイスの温度を所定温度に均一に安定化可能であり、および/または複数の蓄電デバイスの温度を短時間で所定温度に安定化可能な充放電検査装置の提供にある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明のある態様は、充放電検査装置に関する。充放電検査装置は、少なくともひとつの充放電ユニットを有する。充放電ユニットは、複数の蓄電デバイスを搭載するトレーと、スロットに挿入されたトレーに、調温された空気を供給する給気ダクトと、トレーに対して高さ方向に相対的に可動なプローブユニットと、トレーが載置されるベースステージと、プローブユニット、ベースステージとともに、給気ダクトからの空気が流通する実質的な閉流路を形成する側壁と、を備える。
蓄電デバイスの周囲に局所的な空気の閉流路を形成することにより、蓄電デバイスの近傍で精密な温度制御が可能となる。その結果、複数の蓄電デバイスの温度を所定温度に均一に安定化可能であり、および/または複数の蓄電デバイスの温度を短時間で所定温度に安定化できる。
【0013】
側壁は、トレーと一体に形成されてもよい。
【0014】
充放電ユニットは、プローブユニットとトレー上に載置される複数の蓄電デバイスの間には挿入された第1の断熱材をさらに備えてもよい。
これにより、空気の閉流路をより外部と熱的に遮断することができる。
【0015】
充放電ユニットは、トレーとベースステージの間に挿入された第2の断熱材をさらに備えてもよい。
これにより、空気の閉流路をより外部と熱的に遮断することができる。
【0016】
トレーの底面には、開口部が形成されてもよい。
これにより、蓄電デバイスの底面にも空気の流路を形成できるため、側面に加えて、底面からも蓄電デバイスを加熱(もしくは冷却)することができ、蓄電デバイスの温度変化を速めることができる。
【0017】
充放電検査装置は、充放電ユニットの周囲を囲む断熱パネルをさらに備えてもよい。
充放電ユニットを単位として断熱することで、さらに温度の均一性を高めることができる。
【0018】
本発明の別の態様も充放電検査装置に関する。充放電検査装置は、少なくともひとつの充放電ユニットを有する。充放電ユニットは、複数の蓄電デバイスを搭載するトレーであって、XY平面が水平面を構成するようにXYZ三次元座標系を定義したときに、複数の蓄電デバイスはX軸方向に並べられており、隣接する蓄電デバイスの間隔は10mm以下であるトレーと、スロットに挿入されたトレーにY軸方向に沿って、調温された空気を供給する給気ダクトと、を備える。
【0019】
この態様によると、蓄電デバイスの間隔を10mm以下と狭くすることにより、それらの間を通過する調温された空気の流速を高めることができる。これにより、トレー内の温度の均一性を高めることができ、ひいては複数の蓄電デバイスの温度を均一に、所定温度に安定化することができる。また所定温度に安定化するまでに要する時間を短縮することができる。
【0020】
好ましくは蓄電デバイスの間隔は5mm以下であり、より好ましくは、2〜3mm以下である。間隔の下限は、蓄電デバイスの膨張を考慮して定めればよい。
蓄電デバイスの間隔を5mm以下、2〜3mm程度とすることで、1個のトレーに搭載可能な蓄電デバイスの個数を増やすことができ、検査の時間的な効率を高めることができる。
【0021】
充放電ユニットは、トレーに対してZ軸方向に相対的に可動なプローブユニットと、トレーが載置されるとともに給気ダクトが設けられたベースステージと、空気が流通する実質的な閉流路を、プローブユニット、ベースステージとともに形成する側壁と、をさらに備えてもよい。
蓄電デバイスの周囲に局所的な空気の閉流路を形成することにより、蓄電デバイスの近傍で精密な温度制御が可能となる。その結果、複数の蓄電デバイスの温度を所定温度に均一に安定化可能であり、および/または複数の蓄電デバイスの温度を短時間で所定温度に安定化できる。
【0022】
なお、以上の構成要素の任意の組み合わせや本発明の構成要素や表現を、方法、装置、システムなどの間で相互に置換したものもまた、本発明の態様として有効である。
【発明の効果】
【0023】
本発明のある態様の充放電検査システムによれば、複数の蓄電デバイスの温度を所定温度に均一に安定化でき、および/または複数の蓄電デバイスの温度を短時間で所定温度に安定化できる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明者が検討した充放電検査装置を示す図である。
図2】実施の形態に係る充放電検査装置の構成を示す図である。
図3】実施の形態に係るトレーの斜視図である。
図4】充放電ユニットのスロットの内部を示す斜視図である。
図5図5(a)〜(c)は、充放電ユニットの平面図、正面図、右側面図である。
図6】充放電ユニットの断面図である。
図7図7(a)〜(c)は、第1変形例に係る充放電検査装置の平面図、正面図、右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を好適な実施の形態をもとに図面を参照しながら説明する。各図面に示される同一または同等の構成要素、部材、処理には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、実施の形態は、発明を限定するものではなく例示であって、実施の形態に記述されるすべての特徴やその組み合わせは、必ずしも発明の本質的なものであるとは限らない。
【0026】
図2は、実施の形態に係る充放電検査装置100の構成を示す図である。充放電検査装置100は、複数の蓄電デバイス1それぞれを充電し、あるいは放電することにより、各蓄電デバイス1の電気的特性が仕様を満たしているかを検査する。蓄電デバイス1は、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、あるいは電気二重層コンデンサ、リチウムイオンキャパシタなどが例示されるが、特に限定されない。
【0027】
充放電検査装置100は、電源ユニット102および検査ラック200を備える。本実施の形態において、検査ラック200は、複数の充放電ユニット300を縦方向(高さ方向)にスタックし、および/または横方向に連結することにより構成される。図2には、充放電ユニット300が縦方向に3個、横方向に2個連結される様子が示されるが、充放電ユニット300の個数は特に限定されず、検査対象の蓄電デバイス1の個数に応じて、追加、削減することができる。
【0028】
電源ユニット102は、検査ラック200に収容される蓄電デバイス1それぞれを、充放電することにより、複数の蓄電デバイス1を並列に検査可能に構成される。電源ユニット102の機械的構造および電気的構成は特に限定されず、公知の技術を用いればよい。
【0029】
充放電ユニット300はそれぞれ同一の構造を有する。充放電ユニット300はそれぞれ、M個(Mは自然数)のスロット302_1〜302_Mを備える。本実施の形態では、M=1の場合を説明する。
【0030】
各スロット202には、少なくともひとつの蓄電デバイス1を搭載するトレー400が挿入可能である。トレー400は、図1に示すスタッカクレーン4により搬送される。
【0031】
図3は、実施の形態に係るトレー400の斜視図である。XY平面が水平面を構成するようにXYZ三次元座標系が定義される。この座標系は便宜的なものであり、使用における各部材の向きを限定するものではない。図3には、実施の形態に係る充放電検査装置100の第1の特徴が示される。トレー400は、複数の蓄電デバイス1を、X軸方向に並べた状態で支持、固定する。X軸方向に隣接する蓄電デバイス1の間隔Δdは、10mm以下、好ましくは5mm以下である。
【0032】
蓄電デバイス1の充放電を繰り返すと、蓄電デバイス1は膨張する。そこで蓄電デバイス1の間隔Δdは、蓄電デバイス1が膨張した状態で、隣接する蓄電デバイス1同士が接触しない範囲で、なるべく近接して配置することが好ましい。この観点から、蓄電デバイス1の間隔は2〜3mmが好適である。
【0033】
トレー400のX方向の両端部には、隔壁402が設けられる。またトレー400の底面には、開口部404もしくは凹部が設けられる。両端の蓄電デバイス1と隔壁402の距離Δd’は、間隔Δdより長く、たとえば20〜30mmとしてもよい。トレー400のXZ平面は大きく開口されている。トレー400はベーク材などの熱伝導率の低い樹脂を用いて、樹脂成型により作成可能である。この隔壁402は、後述する閉流路の側壁をなしている。
【0034】
図4は、充放電ユニット300のスロット302の内部を示す斜視図である。昇降フレーム(ベースステージ)320は、図示しない昇降機構により上下に移動可能である。昇降フレーム320の上には、複数のトレーサポート326が設けられる。図3のトレー400は、トレーサポート326の上に支持される。また昇降フレーム320上には、トレー400がX方向にずれるのを防止するためのストッパ328が設けられる。昇降フレーム320上には、断熱材330を敷き詰めることが望ましい。ストッパ328は、隔壁402とともに後述する閉流路の側壁の一部を成すものとも把握できる。ストッパ328は、断熱性が高い材料、たとえば樹脂で構成することが望ましい。
【0035】
給気ダクト322は、図示しない温調設備と連結されている。給気ダクト322は、スロット302内のトレー(図4には不図示)に対してY軸方向に沿って、調温された空気332を供給する。トレーサポート326は、トレーの下側にY軸方向に空気が流通可能な形状、構造を有し、そのように配置される。具体的にはトレーサポート326には、Y方向の空気332の流路が形成されるように、開口部327が設けられている。なおトレーサポート326をY軸方向に沿って配置してもよい。これにより、Y軸方向に流れる調温された空気をトレーの下側に導くことができ、トレー周囲およびその内部の温度を均一化することができる。
【0036】
充放電検査装置における一般的な温調設備は冷却を目的とした物であるところ、本実施の形態では、給気ダクト322から供給される空気は、閉流路の内側の温度、言い換えればトレー内部およびその周囲の温度が、すなわち閉流路の外側の温度より高くなるように調温されており、したがって閉流路内および蓄電デバイス1は、空気332によって加熱される。閉流路内を加熱して温度を均一に保つことにより、冷却する場合に比べて、均一性を高めることができる。
【0037】
昇降フレーム320上の給気ダクト322と対向する位置には、給気ダクト322からの空気332を排気するための排気ダクト324が設けられる。
【0038】
図5(a)〜(c)は、充放電ユニット300の平面図、正面図、右側面図である。図5(b)、(c)に示すように、充放電ユニット300はさらに、プローブユニット310を備える。プローブユニット310は、蓄電デバイス1の電極2ごとに設けられたプローブ312を備える。プローブユニット310の蓄電デバイス1と対向する面と、蓄電デバイス1の間には、断熱材314が挿入されている。断熱材314は、プローブが挿通できるように開口されている。たとえば断熱材314および後述の断熱材330は、金属より熱伝率が高い部材で構成され、たとえば樹脂でもよい。また断熱材314,330は、昇降フレーム320やプローブユニット310よりも断熱性の高い材料が採用されうる。断熱材314,330は、板状のプレートとして構成されてもよく、繊維で構成されたり、また複数の層をなしてもよい。プローブユニット310自体も、熱伝導率の低い材料で構成することが望ましい。
【0039】
図5(a)〜(c)には、実施の形態に係る充放電ユニット300の第2の特徴が示される。すなわちこの充放電ユニット300には、プローブユニット310、ベースステージ320ならびに隔壁402およびストッパ328を含む側壁によって、空気332の実質的な閉流路が形成されている。
【0040】
またこの閉流路は、その上面において断熱材314によって断熱され、その底面において断熱材330によって断熱されている。隔壁402を樹脂成型にてトレー400と一体に構成した場合、その断熱性は高いといえる。さらにストッパ328も断熱性の高い材料で構成した場合、閉流路を、熱的にその周囲の空間と遮断することができる。これを第1の断熱壁という。
【0041】
図6は、充放電ユニット300の断面図である。図6には充放電検査装置100の第3の特徴が示される。充放電検査装置100は、充放電ユニット300の周囲を覆う断熱パネル340をさらに備える。断熱パネル340は、充放電ユニット300の筐体342の内側に貼られている。なお断熱パネル340は、筐体342の外側に貼られてもよい。つまり、閉流路350と充放電ユニット300の内部空間344の間が、第1断熱層(破線)352で断熱され、内部空間344と充放電ユニット300の外部空間346の間が、断熱パネル340に相当する第2断熱層(一点鎖線)354で断熱されている。
【0042】
以上が実施の形態に係る充放電検査装置100の構成である。続いてその動作と効果を説明する。
【0043】
従来の充放電検査装置100においては、蓄電デバイス1の間隔は20〜30mm程度、大きい場合には50mmであった。これに対して充放電検査装置100では、蓄電デバイス1の間隔Δdを10mm以下とした(第1の特徴)。
【0044】
給気ダクト322から所定温度に調温された空気332を供給すると、その空気は直接的に複数の蓄電デバイス1に吹き付けられ、複数の蓄電デバイス1の間に形成される幅5mm以下の狭い空間に沿って流れる。空気の流量が一定であるとき、その流速は、断面積が小さい方が大きくなる。したがって充放電検査装置100によれば、蓄電デバイス1を高速に加熱(もしくは冷却)することができ、蓄電デバイス1を所望の温度とするまでの時間(安定化時間)を従来に比べて大幅に短縮できる。また充放電検査装置100によれば、蓄電デバイス1の側面の温度を均一にすることができる。つまり、充放電検査装置100によれば、局所を精密に温調することができる。
【0045】
加えて、蓄電デバイス1の底面側には、トレー400に設けた開口部404による空気の流路が形成される。また蓄電デバイス1の上面には蓄電デバイス1とプローブユニット310の間に、空気の流路が形成される。したがって空気は蓄電デバイス1の全6面に沿って流れることとなり、各蓄電デバイス1を均一に、および/または高速に、加熱もしくは冷却することができる。上面および底面の流路の断面積は、側面の断面積に比べて大きいため、相対的に大容量の空気を流すことができる。
【0046】
またプローブユニット310、昇降フレーム320、側壁334により空気の閉流路350が形成されている(第2の特徴)。これにより給気ダクト322からの空気が周囲に拡散することなく、蓄電デバイス1の近傍に好ましいエアフローを形成できる。また外部からの温度の異なる空気が混入することも防止できる。これにより、複数の蓄電デバイス1の温度を均一化することができ、あるいは安定化時間を短縮できる。
【0047】
加えてこの閉流路350を、断熱材314や断熱材330などにより外部から断熱することとした。これにより、さらに温度の均一性を高め、また安定化時間を短縮できる。特に、閉流路350の内側の温度は、その外側の温度より高くなるように制御されており、このことと断熱材314,330の組み合わせにより、温度の均一性はより一層高められる。
【0048】
さらに図6に示すように、充放電ユニット300全体を、断熱パネル340によって覆うこととした。これにより、閉流路350は、第1断熱層352と第2断熱層354の2重で断熱されることとなる。これにより、さらに温度の均一性を高め、また安定化時間を短縮できる。
【0049】
以上、本発明について、実施の形態をもとに説明した。この実施の形態は例示であり、それらの各構成要素や各処理プロセスの組み合わせにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。以下、こうした変形例について説明する。
【0050】
(第1変形例)
図7(a)〜(c)は、第1変形例に係る充放電検査装置100の平面図、正面図、右側面図である。この変形例では、トレー400には、Y軸方向に2列に蓄電デバイス1が配列されている。そして昇降フレーム320の両側にトレー400を挟むようにして2個の給気ダクト322A,322Bが対向して設けられる。昇降フレーム320の中央には、排気用の排気口360が設けられる。その他の構成は、実施の形態と同様である。この変形例によれば、実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0051】
(第2変形例)
実施の形態では、第1の特徴から第3の特徴のすべてを具備する充放電検査装置100を説明したが、それらの任意の組み合わせを備える充放電検査装置100も、本発明の技術的範囲に含まれる。
【0052】
(第3変形例)
1個のトレー400には、1列あたり、8個、16個あるいは24個の蓄電デバイス1を搭載してもよい。1個のトレー400に搭載される蓄電デバイス1の個数は特に限定されない。
【0053】
以上、本発明を実施例にもとづいて説明した。本発明は上記実施形態に限定されず、種々の設計変更が可能であり、様々な変形例が可能であること、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは、当業者に理解されるところである。
【符号の説明】
【0054】
100…充放電検査装置、102…電源ユニット、104…コンバータ、200…検査ラック、202…スロット、300…充放電ユニット、302…スロット、310…プローブユニット、312…プローブ、314…断熱材、400…トレー、402…隔壁、404…開口部、320…昇降フレーム、322…給気ダクト、324…排気ダクト、326…トレーサポート、328…ストッパ、330…断熱材、332…空気、334…側壁、340…断熱パネル、342…筐体、344…内部空間、350…閉流路、352…第1断熱層、354…第2断熱層、360…排気口、1…蓄電デバイス、2…電極、4…スタッカクレーン。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7