特許第6571361号(P6571361)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571361
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】フォーム皮膚洗浄料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/69 20060101AFI20190826BHJP
   A61K 8/36 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 8/44 20060101ALI20190826BHJP
   A61K 8/02 20060101ALI20190826BHJP
   A61Q 19/10 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   A61K8/69
   A61K8/36
   A61K8/44
   A61K8/02
   A61Q19/10
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-65065(P2015-65065)
(22)【出願日】2015年3月26日
(65)【公開番号】特開2016-183134(P2016-183134A)
(43)【公開日】2016年10月20日
【審査請求日】2017年12月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】390011442
【氏名又は名称】株式会社マンダム
(74)【代理人】
【識別番号】100095832
【弁理士】
【氏名又は名称】細田 芳徳
(72)【発明者】
【氏名】稲田 康輝
(72)【発明者】
【氏名】竹花 哲
(72)【発明者】
【氏名】松村 敏郎
【審査官】 田中 雅之
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−241359(JP,A)
【文献】 特開昭61−287998(JP,A)
【文献】 特開2013−010757(JP,A)
【文献】 特表2007−535611(JP,A)
【文献】 特開2012−229347(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/006408(WO,A1)
【文献】 特開昭61−291700(JP,A)
【文献】 特表2016−525514(JP,A)
【文献】 特開2003−252725(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
C11D 1/00−19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム皮膚洗浄料であって、
前記原液が、アニオン性界面活性剤2.0〜18.0質量%及び水を含有し、該アニオン性界面活性剤が脂肪酸塩及びアミノ酸系界面活性剤を含み、
前記噴射剤が、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有し、
前記原液と前記噴射剤の合計量中の、前記噴射剤の含有量が、6.0〜20.0質量%であり、前記アニオン性界面活性剤中の、前記脂肪酸塩の含有量が、50.0〜90.0質量%である、フォーム皮膚洗浄料。
【請求項2】
前記原液中の、前記水の含有量が、60.0〜98.0質量%である請求項1に記載のフォーム皮膚洗浄料。
【請求項3】
前記アミノ酸系界面活性剤が、N−アシルグルタミン酸塩を含む、請求項1または2に記載のフォーム皮膚洗浄料。
【請求項4】
洗顔料である、請求項1〜のいずれか一項に記載のフォーム皮膚洗浄料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフォーム皮膚洗浄料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、種々のエアゾール製品があるが、エアゾール容器から吐出される際に泡を形成するフォーム皮膚洗浄料は、顔、手、身体、頭皮や毛髪用の洗浄料などに用いられている。これらのフォーム皮膚洗浄料は、原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されており、原液には洗浄剤組成物として、例えば、アニオン性界面活性剤が含有されており、噴射剤としては液化石油ガス(LPG)などが用いられている。
【0003】
例えば、特許文献1には、下記成分(A)〜(E)を含有するエアゾール型皮膚洗浄料が開示されている。
(A)N−アシルグリシン型又はN−アシルメチルアラニン型アミノ酸系界面活性剤
(B)ポリグリセリン脂肪酸エステル
(C)多価アルコール
(D)液化石油ガス
(E)炭酸ガス
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2012−240985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に開示されるような、噴射剤に液化石油ガスなどを用いたフォーム皮膚洗浄料は、皮膚への刺激が生じることがあり、この刺激性を低減することが求められる。また、エアゾール容器から吐出された泡の泡質として、肌触りの良いクリーミーな泡質を求める使用者が多い。
【0006】
本発明の課題は、皮膚への刺激性が低く、クリーミーな泡質のフォーム皮膚洗浄料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するものであり、
原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されたフォーム皮膚洗浄料であって、
前記原液が、アニオン性界面活性剤2.0〜18.0質量%及び水を含有し、該アニオン性界面活性剤が脂肪酸塩及びアミノ酸系界面活性剤を含み、
前記噴射剤が、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有し、
前記原液と前記噴射剤の合計量中の、前記噴射剤の含有量が、6.0〜20.0質量%であり、前記アニオン性界面活性剤中の、前記脂肪酸塩の含有量が、50.0〜90.0質量%である、フォーム皮膚洗浄料に関する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、皮膚への刺激性が低く、クリーミーな泡質のフォーム皮膚洗浄料を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明のフォーム皮膚洗浄料は、原液と噴射剤とがエアゾール容器に充填されているものである。本発明のフォーム皮膚洗浄料は、使用時、すなわちエアゾール容器から吐出される際に、泡を形成するものである。
【0010】
本発明のフォーム皮膚洗浄料は、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有しているため、液化石油ガスのみからなる噴射剤などを用いた場合と比べて、皮膚への刺激性が低減され、泡質についても、よりクリーミーな泡質となる。以下、本発明のフォーム皮膚洗浄料の各構成成分について説明する。
【0011】
原液は、アニオン性界面活性剤及び水を必須の成分として含有する。
【0012】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪酸塩やアミノ酸系界面活性剤などが挙げられる。中でも、クリーミーな泡質を得る観点から、アニオン性界面活性剤は、脂肪酸塩を含むことが好ましい。アニオン性界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0013】
従来のように、液化石油ガスのみからなる噴射剤などを用いたフォーム皮膚洗浄料においては、アニオン性界面活性剤として脂肪酸塩を用いると刺激性が高いため、特に洗顔料などのデリケートな部位を洗浄する用途には不向きである。しかし、本発明のフォーム皮膚洗浄料においては、アニオン性界面活性剤として脂肪酸塩を用いても、洗顔料などの用途の使用に問題のない水準まで刺激性が低減される。また、本発明のフォーム皮膚洗浄料にアニオン性界面活性剤として脂肪酸塩を用いた場合、極めてクリーミーな泡質を得ることができる。さらに、洗浄力がより一層向上するため好ましい。
【0014】
脂肪酸塩における脂肪酸は、特に限定されないが、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸等の炭素数12〜18の高級脂肪酸;オリーブ油、ヤシ油、パーム油、綿実油等の植物性油脂;魚油、牛脂等の動物性油脂などが挙げられる。中でも、洗浄力および起泡力をより一層向上させる観点から、炭素数12〜18の高級脂肪酸が好ましく、特に好ましくは、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸である。
【0015】
脂肪酸塩としては、アルカリ金属塩、有機アミン塩などが挙げられる。脂肪酸塩における塩を形成する塩基としては、特に限定されないが、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の無機塩基;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアルカノールアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン等の有機塩基などが挙げられる。中でも、製剤安定性の観点から、アルカノールアミンが好ましく、特に好ましくはトリエタノールアミンである。
脂肪酸塩は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0016】
脂肪酸塩としては、予め塩に調製された脂肪酸塩を用いても良いし、脂肪酸と塩基とが原液中で塩を形成していてもよい。
【0017】
アニオン性界面活性剤100質量%中の、脂肪酸塩の含有量は、クリーミーな泡質を得る観点から、50.0〜90.0質量%が好ましく、70.0〜85.0質量%がより好ましい。なお、上記脂肪酸の含有量は、アニオン性界面活性剤中に含まれる全ての脂肪酸塩の含有量の合計量である。
【0018】
アミノ酸系界面活性剤としては、例えば、N−アシルサルコシン塩、N−アシルグルタミン酸塩、N−アシルメチルアラニン塩、N−アシルグリシン塩などが挙げられる。用いられる塩としては、例えば、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルミニウム、チタンなどの金属塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン塩;アンモニウム塩などが挙げられる。
【0019】
アミノ酸系界面活性剤としては、具体的には、ラウロイルサルコシンカリウム、ラウロイルサルコシントリエタノールアミン、ミリストイルサルコシンナトリウム、ヤシ油脂肪酸サルコシンナトリウムなどのN−アシルサルコシン塩;ラウロイルグルタミン酸ナトリウム、ラウロイルグルタミン酸カリウム、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸ナトリウム、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸ニナトリウム、ココイルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、ヤシ油脂肪酸・硬化牛脂脂肪酸アシルグルタミン酸ナトリウムなどのN−アシルグルタミン酸塩;ラウロイルメチルアラニンナトリウム、ラウロイルメチルアラニントリエタノールアミン、ミリストイルメチルアラニンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルアラニンナトリウムなどのN−アシルメチルアラニン塩;ヤシ油脂肪酸アシルグリシンカリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグリシンナトリウムなどのN−アシルグリシン塩などが挙げられる。中でも、洗浄性、起泡性および製剤安定性の観点から、N−アシルグルタミン酸塩が好ましい。
アミノ酸系界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0020】
アニオン性界面活性剤としては、上記の他にも、例えば、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ミリスチル硫酸ナトリウム、ステアリル硫酸ナトリウム、オレイル硫酸ナトリウム、セチル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンミリスチルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩;テトラデセンスルホン酸ナトリウムなどのα−オレフィンスルホン酸塩;ミリストイルメチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウム、オレオイルメチルタウリンナトリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウムなどのN−アシルメチルタウリン塩;スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウムなどのスルホコハク酸アルキル塩;スルホコハク酸ポリオキシエチレンラウリル二ナトリウムなどのスルホコハク酸ポリオキシエチレンアルキル塩;ラウリルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ナトリウム、セチルリン酸ジエタノールアミンなどのモノアルキルリン酸エステル塩;ポリオキシエチレンラウリルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンセチルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンオレイルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテルリン酸トリエタノールアミンなどのポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩;ラウリルグリコール酢酸ナトリウム(ドデカン−1,2−ジオール酢酸ナトリウム)、ラウリルグリコール酢酸カリウム、ミリスチルグリコール酢酸ナトリウム、ミリスチルグリコール酢酸カリウム、パルミチルグリコール酢酸ナトリウム、パルミチルグリコール酢酸カリウム、ステアリルグリコール酢酸ナトリウム、ステアリルグリコール酢酸カリウム、ベヘニルグリコール酢酸ナトリウム、ベヘニルグリコール酢酸カリウムなどのアルキルエーテルグリコール酢酸塩などが挙げられる。
【0021】
アニオン性界面活性剤100質量%中の、アミノ酸系界面活性剤の含有量は、泡質の観点から、10.0〜40.0質量%が好ましく、15.0〜25.0質量%がより好ましい。なお、上記アミノ酸系界面活性剤の含有量は、アニオン性界面活性剤中に含まれる全てのアミノ酸系界面活性剤の含有量の合計量である。
【0022】
原液100質量%中の、アニオン性界面活性剤の含有量は、吐出物の液化を防止する観点すなわちエアゾール容器からの吐出物が適切な泡を形成する観点から、2.0質量%以上であり、4.0質量%以上が好ましく、5.0質量%以上がより好ましく、また、吐出物の固化を防止する観点すなわちエアゾール容器からの吐出物が適切な泡を形成する観点から、18.0質量%以下であり、15.0質量%以下が好ましく、10.0質量%以下がより好ましい。すなわち、原液100質量%中の、アニオン性界面活性剤の含有量は、2.0〜18.0質量%であり、3.0〜15.0質量%が好ましく5.0〜10.0質量%がより好ましい。
【0023】
原液には、本発明の効果を阻害しない範囲において、ポリオキシエチレンセチルエーテル等のノニオン性界面活性剤などの他の界面活性剤がさらに含まれていても良い。
【0024】
原液100質量%中の、水の含有量は、特に限定されないが、吐出物の固化を防止する観点から、60.0質量%以上が好ましく、70.0質量%以上がより好ましく、また、吐出物の液化を防止する観点から、98.0質量%以下が好ましく、90.0質量%以下がより好ましい。すなわち、原液100質量%中の、水の含有量は、60.0〜98.0質量%が好ましく、70.0〜90.0質量%がより好ましい。
【0025】
原液は、特に限定されないが、例えば、香料;エタノール;シクロペンタシロキサン、ハイドロゲンジメチコン、カプリリルメチコン、ジメチコン等のシリコーン油;ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸エチルヘキシル、2−エチルヘキサン酸セチル等の脂肪酸エステル;1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−デカンジオール、グリセリン、ポリエチレングリコール等の多価アルコール;ソルビトール、マルチトール等の糖アルコール;フェノキシエタノール、オクトキシグリセリン、メチルパラベン等の防腐剤;メントール、メンチルグリセリルエーテル、カンファー、ペパーミント油等の冷感剤;グリチルリチン酸ジカリウム、グリチルリチン酸ステアリル等の抗炎症剤;シャクヤク、ボタンピ、ビワ、アロエ等の植物抽出エキス;カルボキシビニルポリマー、ヒドロキシエチルセルロース、キサンタンガム等の増粘性高分子;トコフェロール、ジブチルヒドロキシトルエン等の酸化防止剤;アルブチン、アスコルビン酸等の美白剤;シリカ、タルク、ナイロンパウダー等の粉体などを含んでもよい。
【0026】
噴射剤は、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロパ−1−エン:HFO−1234ze)を必須の成分として含有する。
【0027】
噴射剤100質量%中の、トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンの含有量は、低刺激性、および、クリーミーな泡質を実現する観点から、70.0〜100質量%が好ましく、80.0〜100質量%がより好ましく、90.0〜100質量%がさらに好ましく、100質量%がさらに好ましい。
【0028】
噴射剤は、特に限定されないが、例えば、空気、窒素、炭酸ガス、亜酸化窒素等のガス(特に、圧縮ガス);液化石油ガス(LPG:Liquefied Petroleum Gas)、ジメチルエーテル(DME:Dimethyl ether)、イソペンタン、フロロカーボン等の液化ガスなどを含んでもよい。上記噴射剤は、1種のみを用いてもよいし、2種以上を用いてもよい。
【0029】
原液と噴射剤の合計量100質量%中の、噴射剤の含有量は、噴射剤が少なすぎることによる吐出物の液化を防止する観点から、6.0質量%以上であり、8.0質量%以上が好ましく、また、泡が粗くなることを防止し、クリーミーな泡質を得る観点から、20.0質量%以下であり、15.0質量%以下が好ましい。すなわち、原液と噴射剤の合計量100質量%中の、噴射剤の含有量は、6.0〜20.0質量%であり、8.0〜15.0質量%が好ましい。
【0030】
本発明のフォーム皮膚洗浄料は、常法により製造することができる。
【0031】
本発明のフォーム皮膚洗浄料は、顔などの皮膚を洗浄するために用いられる皮膚洗浄料である。本発明のフォーム皮膚洗浄料としては、洗顔料、ハンドソープ、ボディソープや頭皮の洗浄料などが挙げられる。本発明のフォーム皮膚洗浄料は、皮膚への刺激性が低く、クリーミーな泡質のものであるので、特に洗顔料など、デリケートな部位の洗浄料に適している。
【実施例】
【0032】
以下に、本発明を実施例等に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
【0033】
実施例1〜9及び比較例1〜7〔フォーム皮膚洗浄料の調製〕(実施例2は参考例である)
表1、2に記した組成からなる原液をエアゾール容器(φ35mm×105mm、アルミ缶、容器満注量:91ml、充填容量50g)に充填し、エアゾールバルブを該容器にクリンチした後、表1、2に記した組成からなる噴射剤をステムより充填し、適したスパウトを装着し、フォーム皮膚洗浄料を得た。
【0034】
〔フォーム皮膚洗浄料の評価〕
実施例及び比較例で調製されたフォーム皮膚洗浄料の評価を次のようにして行った。
【0035】
<皮膚への刺激性>
実施例及び比較例で調製されたフォーム皮膚洗浄料を約5g吐出し、吐出した泡を水で濡らした顔全体に伸ばすように塗布し、塗布から30秒間放置した後、水で洗浄した。塗布直後から洗浄後までのピリピリとした刺激の有無について、以下の基準で評価した。結果を下記表1、2に示す。
○(良好):ピリピリとした刺激を感じない
△(不十分):ピリピリとした刺激がやや感じられる
×(不良):ピリピリとした刺激が感じられる
××(非常に不良):ピリピリとした強い刺激が感じられる
【0036】
<泡質>
実施例及び比較例で調製されたフォーム皮膚洗浄料を約5g吐出し、吐出した泡の外観を目視で観察して評価した。結果を下記表1、2に示す。
【0037】
<泡の吐出性>
実施例及び比較例で調製されたフォーム皮膚洗浄料を約5g吐出し、この吐出の際の噴射状態を目視で観察して評価した。結果を下記表1、2に示す。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】
実施例、比較例における各原料の詳細は次の通りである。なお、表1、2に記載の量は商品の量ではなく、各成分の量(有効成分の量)である。
【0041】
N−ヤシ油脂肪酸アシル−L−グルタミン酸トリエタノールアミン(旭化成ケミカルズ社製、商品名:アミノサーファクト ACMT-L)
ミリスチン酸(Emery Oleochemicals社製、商品名:EDENOR C14-99(C))
パルミチン酸(Emery Oleochemicals社製、商品名:EDENOR C16-98 MY)
トリエタノールアミン(ジャパンケムテック社製、商品名:TEA-99)
ポリオキシエチレンセチルエーテル(青木油脂工業社製、商品名:ブラウノン CH-320L)
高重合ポリエチレングリコール(Union Carbide社製、商品名:POLYOX WSR-301)
ポリエチレングリコール400(三洋化成工業社製、商品名:PEG-400)
濃グリセリン(阪本薬品工業社製、商品名:化粧用濃グリセリン)
ソルビトール(三菱商事フードテック社製、商品名:ソルビット L-70)
フェノキシエタノール(四日市合成社製、商品名:フェノキシエタノール-S)
トランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペン(ハネウェルジャパン社製)
【0042】
実施例と比較例1、2との対比から、噴射剤としてトランス−1,3,3,3−テトラフルオロプロペンを含有する本発明のフォーム皮膚洗浄料は、刺激性が低く、クリーミーな泡質であることがわかる。
【0043】
噴射剤としてLPGのみを用いた比較例1、2においては、泡の密度が低下し、軽い又は粗い泡質となる。また、肌への刺激性が高くなる。中でも、アニオン性界面活性剤として脂肪酸塩を用いた比較例1においては、皮膚への刺激性が特に高くなり、脂肪酸塩を用いていない比較例2においては、泡質の密度が特に低下して粗い泡質となる。
【0044】
なお、アニオン性界面活性剤として脂肪酸塩を用いた実施例1、3〜9は、脂肪酸塩を用いていない実施例2に比べて泡質がよりきめの細かいクリーミーな泡質であった。
【0045】
実施例と比較例3〜7との対比から、アニオン性界面活性剤や噴射剤を所定範囲内の量とすることで、泡の吐出性が好適なものとなり、クリーミーな泡質を達成できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明のフォーム皮膚洗浄料は、顔、手、身体、頭皮や毛髪用の洗浄料などに使用することができる。