特許第6571408号(P6571408)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571408
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】車輌用灯具
(51)【国際特許分類】
   F21S 43/239 20180101AFI20190826BHJP
   F21S 43/241 20180101ALI20190826BHJP
   F21S 43/245 20180101ALI20190826BHJP
   F21S 43/249 20180101ALI20190826BHJP
   F21S 43/27 20180101ALI20190826BHJP
   F21W 102/00 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 102/19 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 102/30 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/00 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/10 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/20 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/30 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/35 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/45 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 103/55 20180101ALN20190826BHJP
   F21W 111/00 20180101ALN20190826BHJP
   F21Y 115/00 20160101ALN20190826BHJP
【FI】
   F21S43/239
   F21S43/241
   F21S43/245
   F21S43/249
   F21S43/27
   F21W102:00
   F21W102:19
   F21W102:30
   F21W103:00
   F21W103:10
   F21W103:20
   F21W103:30
   F21W103:35
   F21W103:45
   F21W103:55
   F21W111:00
   F21Y115:00
【請求項の数】4
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-126665(P2015-126665)
(22)【出願日】2015年6月24日
(65)【公開番号】特開2017-10840(P2017-10840A)
(43)【公開日】2017年1月12日
【審査請求日】2018年5月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】100116942
【弁理士】
【氏名又は名称】岩田 雅信
(74)【代理人】
【識別番号】100167704
【弁理士】
【氏名又は名称】中川 裕人
(74)【代理人】
【識別番号】100114122
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 伸夫
(74)【代理人】
【識別番号】100086841
【弁理士】
【氏名又は名称】脇 篤夫
(72)【発明者】
【氏名】望月 麻衣
【審査官】 河村 勝也
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2009/110477(WO,A1)
【文献】 特開2015−082443(JP,A)
【文献】 特開2014−220195(JP,A)
【文献】 特開2016−025090(JP,A)
【文献】 特開2008−166194(JP,A)
【文献】 特開2013−222540(JP,A)
【文献】 特開2015−011939(JP,A)
【文献】 韓国公開特許第10−2009−0107155(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F21S 43/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の入射面を有する第1の導光体と、
発せられる光が前記第1の入射面から入射される第1の発光素子と、
第2の入射面と第2の出射面を有し前記第1の導光体と所定の間隔で隣り合って位置された第2の導光体と、
発せられる光が前記第2の入射面から入射される第2の発光素子とを備え、
前記第1の発光素子から発せられ前記第1の入射面から入射される光が前記第1の導光体と前記第2の導光体で順に導かれて前記第2の出射面から出射され、
前記第2の発光素子から発せられ前記第2の入射面から入射される光が前記第2の導光体で導かれて前記第2の出射面から出射され
発せられる光が前記第1の入射面から入射される第3の発光素子が設けられ、
前記第1の導光体に、前記第3の発光素子から発せられ前記第1の入射面から入射される光が出射される第1の出射面が形成された
車輌用灯具。
【請求項2】
前記第1の導光体と前記第2の導光体が結合されて配置された
請求項1に記載の車輌用灯具。
【請求項3】
前記第1の導光体に対向出射面が形成され、
前記第2の導光体に前記対向出射面に対向して位置された対向入射面が形成され、
前記第1の出射面と前記対向出射面が連続して位置され、
前記第1の出射面と前記対向出射面の境界部分が曲面に形成された
請求項1又は請求項2に記載の車輌用灯具。
【請求項4】
前記第1の導光体に対向出射面が形成され、
前記第2の導光体に前記対向出射面に対向して位置された対向入射面が形成され、
前記対向出射面と前記対向入射面が下方へ行くに従って光の進行方向へ変位するように鉛直方向に対して傾斜された
請求項1、請求項2又は請求項3に記載の車輌用灯具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、発光素子から発せられる光を所定の方向へ導く導光体を備えた車輌用灯具についての技術分野に関する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0002】
【特許文献1】特開2014−75331号公報
【背景技術】
【0003】
車輌用灯具には、発光素子から発せられる光が導光体に入射され、入射された光が導光体によって所定の方向へ導かれるように構成されたものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1に記載された導光体は複数の発光素子の並ぶ方向が長手方向とされている。導光体は透明な溶融樹脂を用いた射出成形によって形成されることも多く、射出成形によって形成される場合に長さが長くなるに従って溶融樹脂の冷却時に発生するヒケによって成形性が低下してしまう。
【0005】
このようなヒケの発生による成形性の低下は導光体における導光制御に悪影響を及ぼすことになり、光を必要な方向へ導くことができなくなるおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、長さの長い導光体が必要とされる場合に、ヒケの発生による成形性の低下を防止するために、導光体を長手方向において分割してそれぞれ形成し、分割して形成された導光体を並べて用いることが考慮される。
【0007】
しかしながら、長手方向において分割してそれぞれ形成された導光体が並べられて用いられる場合には、各導光体の隣り合う面が分割面として形成され、導光体に入射された光が分割面にも達する可能性があるが、分割面が存在する場合においても分割面が存在しない導光体と同様の良好な導光状態を確保することが望まれる。
【0008】
そこで、本発明は、上記した問題点を克服し、導光体に入射される光に関する良好な導光状態を確保することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1に、本発明に係る車輌用灯具は、第1の入射面を有する第1の導光体と、発せられる光が前記第1の入射面から入射される第1の発光素子と、第2の入射面と第2の出射面を有し前記第1の導光体と所定の間隔で隣り合って位置された第2の導光体と、発せられる光が前記第2の入射面から入射される第2の発光素子とを備え、前記第1の発光素子から発せられ前記第1の入射面から入射される光が前記第1の導光体と前記第2の導光体で順に導かれて前記第2の出射面から出射され、前記第2の発光素子から発せられ前記第2の入射面から入射される光が前記第2の導光体で導かれて前記第2の出射面から出射され、発せられる光が前記第1の入射面から入射される第3の発光素子が設けられ、前記第1の導光体に、前記第3の発光素子から発せられ前記第1の入射面から入射される光が出射される第1の出射面が形成されたものである。
【0010】
これにより、第1の発光素子から発せられ第1の入射面から入射される光と第2の発光素子から発せられ第2の入射面から入射される光が何れも少なくとも第2の導光体で導かれて第2の出射面から出射される。また、第1の発光素子と第3の発光素子から発せられる光が何れも第1の導光体で導かれて第2の出射面又は第1の出射面から出射される。
【0011】
第2に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記第1の導光体と前記第2の導光体が結合されて配置されることが望ましい。
【0012】
これにより、第1の導光体と第2の導光体が結合されることにより第1の導光体と第2の導光体の所定の間隔が維持される。
【0015】
第3に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記第1の導光体に対向出射面が形成され、前記第2の導光体に前記対向出射面に対向して位置された対向入射面が形成され、前記第1の出射面と前記対向出射面が連続して位置され、前記第1の出射面と前記対向出射面の境界部分が曲面に形成されることが望ましい。
【0016】
これにより、対向出射面と第1の出射面の境界部分から出射される光が拡散され易くなり、境界部分における輝度が境界部分の周囲の部分における輝度より高くなって一部のみが強く光る所謂点光りや線光りと言う現象が生じ難い。
【0017】
第4に、上記した本発明に係る車輌用灯具においては、前記第1の導光体に対向出射面が形成され、前記第2の導光体に前記対向出射面に対向して位置された対向入射面が形成され、前記対向出射面と前記対向入射面が下方へ行くに従って光の進行方向へ変位するように鉛直方向に対して傾斜されることが望ましい。
【0018】
これにより、対向出射面から出射される光が下方側に屈折される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、第1の発光素子から発せられ第1の入射面から入射される光と第2の発光素子から発せられ第2の入射面から入射される光が何れも少なくとも第2の導光体で導かれて第2の出射面から出射され、また、第1の発光素子と第3の発光素子から発せられる光が何れも第1の導光体で導かれて第2の出射面又は第1の出射面から出射され、導光体に入射される光に関する良好な導光状態を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図2乃至図8と共に本発明車輌用灯具の実施の形態を示すものであり、本図は、車輌用灯具の断面図である。
図2】第1の導光体と第2の導光体の各一部を示す拡大斜視図である。
図3】第1の発光素子から出射された光の経路を示す概略垂直断面図である。
図4】第1の導光体と第2の導光体の各一部を示す拡大断面図である。
図5】第1の導光体と第2の導光体が結合された状態を示す拡大斜視図である。
図6】第1の発光素子から出射される光の経路を示す概略拡大平面図である。
図7】第2の発光素子又は第3の発光素子から出射される光の経路を示す概略拡大平面図である。
図8】対向出射面と対向入射面にそれぞれ階段状の突状部が形成された構成において、第1の発光素子から出射された光の経路を示す概略垂直断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明車輌用灯具を実施するための形態について添付図面を参照して説明する。
【0022】
以下に示した実施の形態は、例えば、車幅灯として機能するクリアランスランプと夜間以外の標識灯として機能するデイタイムランニングランプとの双方の機能を有するランプに適用したものである。尚、本発明の適用範囲は上記のようなランプに限られることはなく、例えば、クリアランスランプ、ターンシグナルランプ、ストップランプ、デイタイムランニングランプ、コーナーリングランプ、ハザードランプ、ポジションランプ、バックランプ、フォグランプ、テールランプ、ヘッドランプ等の各種の車輌用灯具又はこれらの組み合わせである各種のコンビネーションランプに広く適用することができる。
【0023】
車輌用灯具1は、例えば、それぞれ図示しない車体の前端部における左右両端部に取り付けられて配置されている。
【0024】
車輌用灯具1は前方に開口された凹部を有するランプハウジング2とランプハウジング2の開口を閉塞するカバー3とを備えている(図1参照)。ランプハウジング2とカバー3によって灯具外筐4が構成され、灯具外筐4の内部空間が灯室5として形成されている。
【0025】
灯室5には第1の導光体6と第2の導光体7が所定の間隔で隣り合った状態で配置されている。第1の導光体6は第2の導光体7の後側に位置され、第1の導光体6と第2の導光体7は全体として車体の前端部における左右両端部の形状に倣って外側へ行くに従って後方へ変位するように傾斜した状態で延びる形状に形成されている。
【0026】
第1の導光体6は入射された光を導く導光部8と導光部8から突出された被取付突部9、9とが透明な材料によって一体に形成されて成る。
【0027】
導光部8は厚み方向が上下方向にされた扁平な形状(板状)に形成され、内周部に階段状に形成された光入射部10、10、・・・が長手方向に隣接した状態で設けられている。光入射部10には後方及び上下方向に開口された配置用凹部11が形成されている。
【0028】
配置用凹部11を形成する各面はそれぞれ第1の入射面11a、11b、11bとして形成されている(図2参照)。第1の入射面11aは第1の入射面11b、11bの間に位置され後方に凸の緩やかな曲面に形成され、第1の入射面11b、11bはそれぞれ外方に凸の緩やかな円弧面に形成されている。
【0029】
導光部8の外面は第1の出射面12として形成され、第1の出射面12には複数のレンズステップ12a、12a、・・・が形成されている。レンズステップ12a、12a、・・・は上下方向及び導光部8の長手方向にマトリクス状に並んで形成されている。レンズステップ12aとしては、例えば、光を屈折して拡散する魚眼ステップが形成されている。
【0030】
導光部8は最も前側の面が略前方を向く対向出射面13として形成されている(図2及び図3参照)。対向出射面13は、例えば、平面状に形成され、下方へ行くに従って前方に変位するように鉛直方向に対して傾斜されている(図3参照)。尚、対向出射面13は下方へ行くに従って後方に変位するように鉛直方向に対して傾斜されていてもよい。
【0031】
対向出射面13と第1の出射面12の境界部分は曲面14に形成されている(図4参照)。曲面14は水平断面形状が略後方に凸の略円弧状に形成されている。
【0032】
このように対向出射面13と第1の出射面12の境界部分が曲面14に形成されることにより、この境界部分から出射される光が拡散され易くなるため、境界部分における輝度が境界部分の周囲の部分における輝度より高くなって一部のみが強く光る所謂点光りや線光りと言う現象が生じ難く、第1の導光体6から出射される光の輝度ムラを抑制することができる。
【0033】
被取付突部9の先端部にはネジ挿通孔9aが形成されている。第2の導光体7の最も近くに位置された被取付部9の基端部には結合孔15が形成されている(図5参照)。
【0034】
第2の導光体7は入射された光を導く導光部16と導光部16から突出された被取付突部17、17、・・・とが第1の導光体6と同じ透明な材料によって一体に形成されて成る(図1参照)。
【0035】
導光部16は厚み方向が上下方向にされた扁平な形状(板状)に形成され、内周部に階段状に形成された光入射部18、18、・・・が長手方向に隣接した状態で設けられている。光入射部18には後方及び上下方向に開口された配置用凹部19が形成されている。
【0036】
配置用凹部19を形成する各面はそれぞれ第2の入射面19a、19b、19bとして形成されている(図2参照)。第2の入射面19aは第2の入射面19b、19bの間に位置され後方に凸の緩やかな曲面に形成され、第2の入射面19b、19bはそれぞれ外方に凸の緩やかな円弧面に形成されている。
【0037】
導光部16の外面は第2の出射面20として形成され、第2の出射面20には複数のレンズステップ20a、20a、・・・が形成されている。レンズステップ20a、20a、・・・は上下方向及び導光部16の長手方向にマトリクス状に並んで形成されている。レンズステップ20aはレンズステップ12aと同一のレンズステップであり、レンズステップ20aとしては、例えば、光を屈折して拡散する魚眼ステップが形成されている。
【0038】
導光部16は最も後側の面が略後方を向く対向入射面21として形成されている(図2及び図3参照)。対向入射面21は、例えば、平面状に形成され、下方へ行くに従って後方に変位するように鉛直方向に対して傾斜されている(図3参照)。尚、対向入射面21は下方へ行くに従って前方に変位するように鉛直方向に対して傾斜されていてもよい。
【0039】
被取付突部17の先端部にはネジ挿通孔17aが形成されている。第2の導光体7には第1の導光体6側の端部に第1の導光体6側に突出された結合突部22が設けられている(図5参照)。
【0040】
第1の導光体6と第2の導光体7は結合突部22が結合孔15に挿入されて嵌合されることにより結合される。
【0041】
第1の導光体6と第2の導光体7が結合された状態においては、対向出射面13と対向入射面21が対向して位置され、対向出射面13と対向入射面21の間に所定の間隔が形成される(図2参照)。対向出射面13と対向入射面21は上縁と下縁が略左右方向に延びるように形成されている。対向出射面13と対向入射面21がこのような向きで形成されることにより、対向出射面13と対向入射面21が光の進行方向に対して左右に傾斜する向きにならないため、光の利用効率の向上を図ることができると共に光を所望の方向へ導いて光の制御を容易に行うことができる。
【0042】
上記のように第1の導光体6と第2の導光体7が結合されることにより、第1の導光体6と第2の導光体7の所定の間隔が維持され、両者をそれぞれ所定の位置に配置することができ位置精度の向上を図ることができる。
【0043】
第1の導光体6と第2の導光体7の周囲には図示しないエクステンションが配置されている。エクステンションが配置されることにより、灯室5の内部における第1の導光体6と第2の導光体7の後側に配置される各部が遮蔽される。
【0044】
第1の導光体6と第2の導光体7の後側には板状のブラケット23が配置されている(図1参照)。ブラケット23は階段状に形成され、前後方向を向く部分が対面部23a、23a、・・・として設けられている。ブラケット23は第1の導光体6と第2の導光体7に沿って配置され、対面部23a、23a、・・・がそれぞれ第1の導光体6と第2の導光体7の光入射部10、10、・・・18、18、・・・の真後ろに位置されている。ブラケット23はランプハウジング2、カバー3又はエクステンションにネジ止め等によって取り付けられている。
【0045】
ブラケット23の一方の面には基板24が取り付けられている。基板24は、例えば、フレキシブルプリント配線板であり、図示しない外部電源に接続されている。基板24はブラケット23の対面部23a、23a、・・・の前面に取り付けられた部分がそれぞれ搭載部24a、24a、・・・として設けられている。
【0046】
基板24の搭載部24a、24a、・・・にはそれぞれ発光素子25、25、・・・が搭載されている。搭載部24a、24a、・・・はそれぞれ第1の導光体6と第2の導光体7の光入射部10、10、・・・18、18、・・・に対向して位置され、搭載部24a、24a、・・・にそれぞれ搭載された発光素子25、25、・・・が第1の入射面11a、11a、・・・と第2の入射面19a、19a、・・・に対向した状態で配置用凹部11、11、・・・、19、19、・・・に配置されている。
【0047】
発光素子25、25、・・・のうち、例えば、第1の導光体6の前端側に位置された二つの光入射部10、10における配置用凹部11、11に配置された発光素子25、25は第1の発光素子25a、25aとされている。
【0048】
発光素子25、25、・・・のうち、例えば、第2の導光体7の光入射部18、18、・・・における配置用凹部19、19、・・・に配置された発光素子25、25、・・・は第2の発光素子25b、25b、・・・とされている。
【0049】
発光素子25、25、・・・のうち、例えば、第1の導光体6の前端側に位置された二つの光入射部10、10以外の光入射部10、10、10における配置用凹部11、11、11に配置された発光素子25、25、25は第3の発光素子25c、25c、25cとされている。
【0050】
上記のように構成された車輌用灯具1において、第1の導光体6と第2の導光体7は結合突部22が結合孔15に嵌合されて結合された状態で、被取付突部9、9、17、17、・・・のネジ挿通孔9a、9a、17a、17a、・・・にそれぞれ図示しない取付ネジが挿通されてランプハウジング2、カバー3又はエクステンションに取り付けられる。
【0051】
外部電源から基板24を介して発光素子25、25、・・・に電源が供給されると、発光素子25、25、・・・からそれぞれ光が発せられる。
【0052】
このとき第1の発光素子25aから発せられた光は、第1の導光体6の第1の入射面11a、11b、11bから第1の導光体6に入射され、第1の入射面11b、11bから入射された光が内面反射される(図6参照)。第1の導光体6に入射された光の少なくとも一部は対向出射面13から一旦出射され対向入射面21から第2の導光体7に入射され、第2の導光体7の第2の出射面20から外部へ向けて照射される。
【0053】
対向出射面13は平面状に形成されて下方へ行くに従って前方に変位するように鉛直方向に対して傾斜されているため、対向出射面13から出射される光が下方側に屈折されて第2の導光体7の第2の出射面20からレンズステップ20a、20a、・・・で拡散されて外部へ向けて照射される(図3参照)。
【0054】
従って、第2の導光体7から外部へ向けて照射される光に関し、上方へ向かう光が制限されて幻惑光の発生を抑制することができる。
【0055】
尚、対向出射面13と対向入射面21においては、光が全反射されないことが必要である。従って、対向出射面13と対向入射面21は光を全反射しない傾斜角度に形成されている。対向出射面13と対向入射面21の傾斜角度は、例えば、アクリルによって形成される場合には、光の入射角度が42°未満になる傾斜角度に形成され、ポリカーボネートによって形成される場合には、光の入射角度が39°未満になる傾斜角度に形成される。
【0056】
一方、第2の発光素子25bから発せられた光は、第2の導光体7の第2の入射面19a、19b、19bから第2の導光体7に入射され、第2の入射面19b、19bから入射された光が内面反射される(図7参照)。第2の導光体7に入射された光は第2の出射面20からレンズステップ20a、20a、・・・で拡散されて外部へ向けて照射される。
【0057】
また、第3の発光素子25cから発せられた光は、第1の導光体6の第1の入射面19a、19b、19bから第1の導光体6に入射され、第1の入射面19b、19bから入射された光が内面反射される(図6参照)。第1の導光体6に入射された光は第1の出射面12からレンズステップ12a、12a、・・・で拡散されて外部へ向けて照射される。
【0058】
尚、上記のように、発光素子25、25、・・・から出射された光はレンズステップ12a、12a、・・・、20a、20a、・・・で拡散されて外部へ向けて照射されるが、車輌用灯具1においては、レンズステップ12a、12a、・・・、20a、20a、・・・に対する入射角度に応じて光が内面反射(全反射)又は透過され、内面反射された光が第1の導光体6又は第2の導光体7で導かれて再び第1の出射面12又は第2の出射面20に達して外部へ向けて照射されるように構成されていてもよい。
【0059】
以上に記載した通り、車輌用灯具1にあっては、第1の発光素子25aから発せられ第1の入射面19a、19b、19bから入射される光が第1の導光体6と第2の導光体7で順に導かれて第2の導光体7の第2の出射面20から出射され、第2の発光素子25bから発せられ第2の入射面19a、19b、19bから入射される光が第2の導光体7で導かれて第2の出射面20から出射される。
【0060】
従って、第1の発光素子25aから発せられた光と第2の発光素子25bから発せられた光とが何れも少なくとも第2の導光体7で導かれて第2の出射面20から出射されるため、長手方向において並べて配置された第1の導光体6と第2の導光体7が用いられ分割面(対向出射面13及び対向入射面21)が存在する場合においても、分割面が存在しない導光体と同様の良好な導光状態を確保することができる。
【0061】
また、第1の導光体6に第3の発光素子25cから発せられた光が出射される第1の出射面12が形成されているため、第1の発光素子25aと第3の発光素子25cから発せられる光が何れも第1の導光体6で導かれて第2の出射面20又は第1の出射面12から出射され、少ない部品点数で照射される光量を増加した上で光の制御の自由度を向上させることができる。
【0062】
尚、上記には、第1の導光体6の対向出射面13と第2の導光体7の対向入射面21が何れも平面状に形成された例を示したが、例えば、対向出射面13と対向入射面21にそれぞれ階段状の突状部13a、13a、・・・、21a、21a、・・・を形成することも可能である(図8参照)。
【0063】
対向出射面13と対向入射面21にそれぞれ階段状の突状部13a、13a、・・・、21a、21a、・・・が形成されることにより、突状部13a、13a、・・・と突状部21a、21a、・・・によって光の進行方向を所望の方向に制御することが可能になると共に光を拡散させることも可能になり、光の良好な制御状態を確保することができると共に輝度ムラの低減を図ることができる。
【0064】
また、レンズステップ12a、12a、・・・、20a、20a、・・・は魚眼ステップに限られることはなく、例えば、後方に凹の略半球状に形成されたステップであってもよく、また、後方に凸又は凹のシリンドリカル状の複数の形状が並ぶように形成されていてもよい。このようなステップが形成されることによっても、第1の出射面12及び第2の出射面20から出射される光を十分に拡散して第1の導光体6と第2の導光体7から出射される光の均一性の向上を図ることができる。
【符号の説明】
【0065】
1…車輌用灯具、6…第1の導光体、7…第2の導光体、11a…第1の入射面、11b…第1の入射面、12…第1の出射面、13…対向出射面、14…曲面、19a…第2の入射面、19b…第2の入射面、20…第2の出射面、21…対向入射面、25a…第1の発光素子、25b…第2の発光素子、25c…第3の発光素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8