(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0014】
「一実施形態」
「光学シート成形装置の概要について」
本実施形態に係る光学シート成形装置は、導光板を成形可能に構成されている。導光板は、例えば、携帯電話やスマートフォンなどの携帯端末のバックライトユニットの構成として用いられている。導光板は、高屈折率を有する透明の樹脂で成形することができる。透明樹脂としては、例えば、アクリル樹脂(PMMA)、ポリカーボネート樹脂(PC)、シクロオレフィン系樹脂(COP)などの樹脂を適用することができる。
【0015】
図7に示すように、光学用途の薄物導光板1は、入光部2と、面発光部3と、を備えている。入光部2は、面発光部3よりも厚肉化されている。ここで、面発光部3は、バックライトユニットの薄型化に伴って薄く成形することが要求される。これに対して、後述する光源7(例えば、LED)は、面発光部3と同程度に薄型化させることが技術的に困難である。よって、面発光部3を更に薄肉化させつつ、光源7からの光を漏れなく取り込むためには、入光部2の厚さを少なくとも光源7と同程度に厚肉化せざるを得ない。
【0016】
入光部2の上面2a、及び、面発光部3の上面3aは、平滑な平坦面として構成されている。双方の上面2a,3aは、互いに平行に配置されている。一方、導光板1の下面1sは、入光部2から面発光部3に亘って連続して構成されている。導光板1の下面1sは、平滑な平坦面として構成されている。導光板1の下面1sは、双方の上面2a,3aと平行に対向して構成されている。
【0017】
入光部2において、双方の上面2a,3aの相互間には、平滑な傾斜面4が構成されている。傾斜面4と、入光部2の上面2aとの境界部分5は、角張っている。換言すると、傾斜面4と、入光部2の上面2aとの境界部分5は、丸身を帯びていない。要するに、境界部分5において、入光部2の上面2aから傾斜面4に向けて急峻に角度が変化する。
【0018】
導光板1は、入光部2から面発光部3に亘って一体成形されている。入光部2には、入光面2bが構成されている。入光面2bは、上記した双方の上面2a,3aと直交する方向に沿って広がっている。入光面2bは、例えば、矩形状を有している。入光面2bは、入光部2から面発光部3に向かって真っ直ぐに対峙するように構成されている。面発光部3の上面3aには、例えば、拡散シート、プリズムシートなどの光拡散部品6が搭載されている。
【0019】
ここで、光拡散部品6を搭載した導光板1を携帯端末に設置する。入光面2bに対向して光源7(例えば、LED)を配置する。これにより、携帯端末にバックライトユニットが構成される。かかる構成において、光源7から発せられた光は、入光面2bから入光部2に導光される。入光部2に導かれた光は、傾斜面4に沿って案内されて面発光部3に漏れなく伝搬する。面発光部3に伝搬した光は、光拡散部品6によって面状に拡散する。この結果、面発光部3から面状に均一な光を発生させることができる。
【0020】
図1〜
図4に示すように、光学シート成形装置8は、押出ユニット9と、成形ロールユニット10と、厚肉部成形機構11と、を有する。押出ユニット9は、シート状の溶融樹脂12mを吐出可能に構成されている。成形ロールユニット10は、吐出されたシート状の溶融樹脂12mを、表面のみが固化した溶融樹脂12sの状態を経た後(例えば、非結晶性の樹脂においては、ガラス転移点よりも低い温度まで温度調節された後)、その全体が可撓性を有する固化状態の光学シート12pとして、矢印13方向に押し出し可能に構成されている。厚肉部成形機構11は、溶融樹脂12m,12sに対して、他の部分よりも厚肉化させた1又は複数の厚肉部14b(
図5〜
図6参照)を押出方向13に沿って連続的に成形可能に構成されている。
【0021】
ここで、押出方向13とは、例えば、押出ユニット9から成形ロールユニット10に亘って連続した一連の押出経路に沿った方向を指す。一連の押出経路とは、押出ユニット9から重力(垂直)方向に沿って吐出された溶融樹脂12mが成形ロールユニット10を通って送り出される一連のプロセス通路を指す。
また、光学シート12pは、厚さが薄く、かつ、フレキシビリティに優れ、ロール状に巻き取ることが可能なものを指す。
【0022】
「成形ロールユニット10」
成形ロールユニット10は、主ロール15と、押圧ロール16と、送出ロール17と、を備えている。なお、これら3つのロール15,16,17は、それぞれ、温度調節が可能なロールとして構成されている。3つのロール15,16,17は、それぞれ、予め設定された一定の温度に保たれている。設定温度は、溶融樹脂12m,12sを溶融させない温度で、かつ、固化しつつ柔軟性を維持可能な温度を指す。例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)であれば、約140℃の温度に設定される。
【0023】
主ロール15は、円筒形状の転写面15sを有している。転写面15sは、鏡面仕上げとなっている。転写面15sは、後述する吐出用スリット18から吐出されたシート状の溶融樹脂12mを押出方向13に沿って案内可能に構成されている。押圧ロール16は、円筒形状の転写面16sを有している。転写面16sは、鏡面仕上げとなっている。転写面16sは、溶融樹脂12mを主ロール15の転写面15sに向けて押圧可能に構成されている。送出ロール17は、円筒形状の送出面17sを有している。送出面17sは、必ずしも鏡面仕上げとなっていなくてもよい。送出面17sは、光学シート12pを、押出方向13に沿って送り出し可能に構成されている。
【0024】
3つのロール15,16,17は、それぞれ、1本の回転軸15r,16r,17rを中心に回転可能に構成されている。3つの回転軸15r,16r,17rは、水平方向に沿って互いに平行に配置されている。換言すると、3つの回転軸15r,16r,17rは、重力(垂直)方向を横断(直交)する方向(水平方向)に沿って並んでいる。主ロール15の回転方向は、残り2つのロール16,17の回転方向とは逆方向に設定されている。
【0025】
かかる構成において、押出ユニット9から重力(垂直)方向に沿って吐出されたシート状の溶融樹脂12mは、主ロール15と押圧ロール16との間(接地点)を通過する。接地点を通過した溶融樹脂12mは、主ロール15の転写面15sに沿って押し出される間に、その表面のみが固化した溶融樹脂12sとなる。かかる溶融樹脂12sは、主ロール15と送出ロール17との間(接地点)を通った後、その全体が可撓性を有する固化状態の光学シート12pとなる。かくして、光学シート12pは、矢印13方向に押し出される。このとき、光学シート12pは、薄物導光板1に至る半製品として、その厚さが設定される。
【0026】
なお、図面にはベストモードの一例として、3つのロール15,16,17を水平方向に沿って横並びさせた仕様が示されている。これに代えて、比較的好ましいモードとして、例えば、主ロール15を中心にその両側のロール(押圧ロール16、送出ロール17)を傾斜させてもよい。ただし、3つのロール15,16,17を重力(垂直)方向に沿って縦並びさせる仕様は、ベストモードとは言えない。
【0027】
縦並び仕様では、押出ユニット9から主ロール15と押圧ロール16との間(接地点)に向けて樹脂を吐出することになる。このとき、吐出された樹脂は、主ロール15と押圧ロール16との間(接地点)に到達する前に、重力作用によって下方に引き寄せられて垂れ下がる。これにより、当該樹脂は、下方側のロール(例えば、押圧ロール16)に先に接地し、比較的早期に固化が始まる。この結果、主ロール15と押圧ロール16との間での転写(成形)精度を一定に維持できなくなってしまう虞がある。
【0028】
「厚肉部成形機構11」
厚肉部成形機構11は、主ロール15及び押圧ロール16の一方、或いは、双方に構成することができる。この場合、主ロール15に厚肉部成形機構11を構成することが好ましい。このため、図面には一例として、主ロール15に構成された厚肉部成形機構11が示されている。厚肉部成形機構11は、主ロール15の周方向に円環状の厚肉部成形溝19を有している。厚肉部成形溝19は、主ロール15の転写面15sに設けられている。
【0029】
転写面15sにおいて、厚肉部成形溝19は、他の面よりも周方向に沿って連続的に窪ませて構成されている。厚肉部成形溝19は、一定の厚さ(基準厚)の上記半製品に対して、厚肉化させた部分(後述する厚肉部14b)を局所的に成形する場合に適用される。換言すると、厚肉部成形溝19は、後述する拡大隙間部30(窪み部31)(
図4参照)に対応する位置に設けられる。厚肉部成形溝19と拡大隙間部30(窪み部31)とは、押出方向13に沿って平行にかつ対向して並んだ位置関係を有している。
【0030】
かかる構成において、例えば、2個の半製品(薄物導光板1)を同時に成形する場合、主ロール15の幅方向中央に厚肉部成形溝19(厚肉部成形機構11)を1つ構成すればよい。そして、かかる厚肉部成形溝19に対応して、後述するスリット18の幅方向中央に、拡大隙間部30(窪み部31)を1つ設ければよい。これに対して、例えば、1個の半製品(薄物導光板1)を成形する場合、主ロール15の幅方向片側に厚肉部成形溝19(厚肉部成形機構11)を1つ構成すればよい。そして、かかる厚肉部成形溝19に対応して、後述するスリット18の幅方向片側に、拡大隙間部30(窪み部31)を1つ設ければよい。
【0031】
これにより、主ロール15と押圧ロール16との間を通過した溶融樹脂12m,12sに対して、他の部分よりも厚肉化させた1又は複数の厚肉部14bを、押出方向13に沿って連続的に成形させることができる。
【0032】
「押出ユニット9」
押出ユニット9は、押出機20と、Tダイ21と、を備えている。押出機20とTダイ21とは、接続管22を通して互いに連結されている。押出機20は、シリンダ(図示しない)と、ホッパ24と、を備えている。なお、押出機20、接続管22、そして、Tダイ21は、予め設定された温度に加熱され、その設定温度に保たれている。設定温度は、上記した3つのロール15,16,17の設定温度よりも高い温度になっている。例えば、ポリカーボネート樹脂(PC)であれば、約260℃の温度に設定される。
【0033】
シリンダは、1及び複数のスクリュ(図示しない)が回転可能に挿通されている。ここで、1つのスクリュがシリンダに挿通される仕様では、単軸押出機20が構成される。複数(例えば、2つ)のスクリュがシリンダに挿通される仕様では、2軸押出機20が構成される。
【0034】
ホッパ24は、シリンダに樹脂原料を投入可能に構成されている。ここで、例えば、ペレット状の樹脂原料をホッパ24から投入する。投入された樹脂原料は、シリンダ内において、回転するスクリュによって溶融されて混練される。溶融・混練された樹脂原料は、溶融状態でシリンダの先端に搬送される。シリンダの先端には、上記した接続管22が設けられている。
【0035】
シリンダの先端まで搬送された溶融樹脂は、接続管22を通ってTダイ21に供給される。換言すると、押出機20において、溶融樹脂が生成される。生成された溶融樹脂は、接続管22を通ってTダイ21に供給される。Tダイ21には、Tダイ加熱保温用ヒータ23(
図3参照)が設けられている。かかるヒータ23によって、Tダイ21は、予め設定された一定の温度に保たれている。このため、Tダイ21に供給された溶融樹脂は、固化することは無く、一定の溶融状態に維持される。なお、Tダイ21を一定の温度に保つための温度は、溶融樹脂の種類や用途に応じて設定されるため、ここでは特に数値限定はしない。
【0036】
Tダイ21は、供給された溶融樹脂をシート状に広げて吐出可能に構成されている。Tダイ21は、例えば、接続管22に連通したマニホールド25aと、マニホールド25aから延出した隙間通路25b(
図3参照)と、を備えて構成されている。マニホールド25aは、上記した押出方向13を横断する方向(即ち、後述するスリット18の幅方向)に沿って延出している。隙間通路25bは、マニホールド25aの幅方向に沿って平面状に広がっている。隙間通路25bの一端は、マニホールド25aに接続されている。隙間通路25bの他端は、スリット18に接続されている。
【0037】
Tダイ21は、Tダイ本体21aと、固定リップ21bと、可動リップ21cと、を備えている。固定リップ21b及び可動リップ21cは、締結ボルト45によって、Tダイ本体21に対して着脱自在に組み付けることができる。Tダイ本体21に固定リップ21b及び可動リップ21cを組み付けた状態において、Tダイ21に、上記したマニホールド25a及び隙間通路25bが構成される。
【0038】
「吐出用スリット18」
Tダイ21は、吐出用スリット18(以下、スリットと言う)を備えている。スリット18は、シート状の溶融樹脂12mを吐出可能に構成されている。スリット18は、互いに平行に対向する2つのスリット面(第1スリット面18a、第2スリット面18b)を有している。ここで、スリット18は、上記した押出方向13に沿った第1及び第2スリット面18a,18bの全長(後述する流路長L(
図3参照))に亘る範囲に規定されている。更に、スリット18には、その先端に、吐出口18c(出口開口とも言う)が設けられている。
【0039】
具体的に説明すると、吐出口18cは、Tダイ21の先端に設けられている。Tダイ21の先端とは、重力方向に沿って最も下方に相当する最下部を指す。吐出口18cは、かかる最下部の端面(第1及び第2スリット面18a,18bの下端面)に構成されている。更に、Tダイ21の先端には、2つのリップ(第1リップ26a、第2リップ26b)が設けられている。第1リップ26aと第2リップ26bとは、互いに間隔を存して対向配置されている。第1リップ26aは、上記した可動リップ21cに設けられている。第2リップ26bは、上記した固定リップ21bに設けられている。
【0040】
上記した第1及び第2スリット面18a,18bは、第1及び第2リップ26a,26bの対向面に1つずつ設けられている。即ち、第1スリット面18aは、第1リップ26aの対向面に設けられている。第2スリット面18bは、第2リップ26bの対向面に設けられている。かくして、第1スリット面18aと、第2スリット面18bとの間の領域に亘って、上記したスリット18が構成されている。
【0041】
このような構成において、上記した吐出口18cは、第1及び第2スリット面18a,18bの下端面に沿って、上記した押出方向13を横断する方向(即ち、スリット18の幅方向)に延出した細長い矩形状の開口として規定することができる。そして、かかる吐出口18c、並びに、当該吐出口18cに連続したスリット18に亘って、後述する基準隙間部29、及び、拡大隙間部30が構成されている。
【0042】
Tダイ21は、2つのリップ26a,26b(第1及び第2スリット面18a,18b)の相互の間隔(リップ隙間h,Hとも言う)を調整可能なリップ隙間調整機構27を備えている。リップ隙間調整機構27は、複数のリップ調整ボルト28を有している。リップ調整ボルト28は、Tダイ21に回転可能に支持されている。リップ調整ボルト28の基端には、調整部28aが設けられている。リップ調整ボルト28の先端には、押圧部28bが設けられている。押圧部28bは、2つのリップ26a,26bのいずれか一方に接触可能に構成されている。
【0043】
図面には一例として、押圧部28bを第1リップ26aに接触させたリップ調整ボルト28が示されている。ここで、調整部28aを回転させる。押圧部28bを前進させる。押圧部28bから第1リップ26aに押圧力を作用させる。第1リップ26aを弾性変形させる。これにより、第1リップ26aを第2リップ26bに接近させる。この結果、リップ隙間h,Hを狭めることができる。
【0044】
逆に、調整部28aを逆方向に回転させる。押圧部28bを後退させる。第1リップ26aに対する押圧部28bからの押圧力を解除させる。第1リップ26aの弾性力により元の形状に復元させる。これにより、第1リップ26aを第2リップ26bから離間させる。この結果、リップ隙間h,Hを拡げることができる。
【0045】
更に、Tダイ21において、2つのスリット面18a,18bは、第1リップ26aと第2リップ26bとの対向面に1つずつ構成されている。即ち、第1リップ26aの対向面に第1スリット面18aが構成されている。第2リップ26bの対向面に第2スリット面18bが構成されている。このようなスリット18には、基準隙間部29、及び、拡大隙間部30が構成されている。基準隙間部29、及び、拡大隙間部30は、第1スリット面18aと第2スリット面18bとの相互間において、スリット幅方向に沿って、後述する流路長Lの範囲に亘って配置されている。換言すると、基準隙間部29、及び、拡大隙間部30は、溶融樹脂の流れ方向で見て、流路長Lの始端から終端までの範囲に亘って配置されている。この場合、流路長Lの始端は、スリット18と上記した隙間通路25bの他端との接続部分に一致する。流路長Lの終端は、吐出口18cに一致する。
【0046】
基準隙間部29には、上記した押出方向13を横断する方向に沿って一定の大きさのリップ隙間h(以下、基準隙間hと言う)が構成されている。基準隙間hは、第1スリット面18aと第2スリット面18bとの隙間として規定される。基準隙間hは、上記した半製品の厚さ(後述する薄肉部14a)に基づいて設定される。ここで、半製品として上記した導光板1(入光部2、面発光部3)を想定すると(
図7参照)、基準隙間hは、面発光部3となるべき部分の厚さt(
図5参照)に基づいて設定される。例えば、基準隙間hは、面発光部3となるべき部分の厚さtの3倍から4倍程度に設定される。
【0047】
拡大隙間部30には、基準隙間hよりも拡大されたリップ隙間H(以下、拡大隙間Hと言う)が構成されている。拡大隙間部30は、一定の厚さ(基準厚)の上記半製品に対して、厚肉化させた部分(後述する厚肉部14b)を成形する場合に構成される。なお、拡大隙間Hは、基準隙間hを一部拡大させて構成可能である。
【0048】
かかる構成において、拡大隙間部30を構成する個数及び位置は、厚肉部14bの個数及び位置に一致させて設定される。例えば、半製品の中央に1個の厚肉部14bを成形する場合、スリット18(第1及び第2スリット面18a,18b)の幅方向中央に拡大隙間部30を1個構成すればよい。また、例えば、半製品の片側に1個の厚肉部14bを成形する場合、スリット18(第1及び第2スリット面18a,18b)の幅方向片側に拡大隙間部30を1個構成すればよい。
【0049】
拡大隙間部30(拡大隙間H)は、スリット18(第1及び第2スリット面18a,18b)に窪み部31(溝とも言う)を設けて構成されている。窪み部31は、第1及び第2スリット面18a,18bのいずれか一方の面を窪ませて構成することができる。図面には一例として、第1リップ26aの第1スリット面18aに構成された窪み部31が示されている。窪み部31の構成方法では、上記した押出方向13に沿って平行に、第1スリット面18aの一部を他の部分よりも連続して窪ませる。窪ませ方法としては、例えば、第1スリット面18aの一部を切り欠いたり、削ったりする方法を適用すればよい。
【0050】
拡大隙間Hは、窪み部31と、第2スリット面18bのうち窪み部31に対向する部分との隙間として規定される。窪み部31の大きさ及び形状は、上記した主ロール15の厚肉部成形溝19の大きさ及び形状に対応して設定される。
図5には一例として、台形状の輪郭を有した厚肉部成形溝19が示されている。この場合、窪み部31は、かかる台形状の輪郭に沿った大きさ及び形状に設定すればよい。
【0051】
窪み部31において(
図4参照)、例えば、窪み底面31aの幅をW1、窪み底面31aから両側に連続する傾斜窪み面31bの幅をP1、傾斜窪み面31bの傾斜角をθ1、窪み部31の窪み深さをF1とする。なお、幅W1,P1は、押出方向13を横断(直交)する方向に沿った長さとして規定される。傾斜角θ1は、かかる幅方向に対して傾斜窪み面31bの成す角として規定される。窪み深さF1は、第1スリット面18aと窪み底面31aとの相互間の距離として規定される。別の捉え方をすると、窪み深さF1は、拡大隙間Hと基準隙間hとの差分として規定することもできる。
【0052】
厚肉部成形溝19において(
図5参照)、例えば、溝底面19aの幅をW2、溝底面19aから両側に連続する傾斜溝面19bの幅をP2、傾斜溝面19bの傾斜角をθ2、厚肉部成形溝19の溝深さをF2とする。なお、幅W2,P2は、押出方向13を横断(直交)する方向に沿った長さとして規定される。傾斜角θ2は、かかる幅方向に対して傾斜溝面19bの成す角として規定される。溝深さF2は、転写面15sと溝底面19aとの相互間の距離として規定される。別の捉え方をすると、溝深さF2は、入光部2(厚肉部14b)の厚さTと、面発光部3(薄肉部14a)の厚さtとの差分として規定することもできる。
【0053】
この場合、Tダイ21から吐出されたシート状の溶融樹脂12mが幅方向に減少する現象、即ち、ネックインの影響を考慮すると、窪み部31と厚肉部成形溝19との関係として、例えば、W1≧W2、P1≧P2、θ1≧θ2、F1≧F2なる関係を満足させる仕様が想定される。かかる仕様は一例であり、例えば、Tダイ21の大きさ、樹脂原料の種類、半製品(薄物導光板1)の大きさや形状などに応じて設定される。このため、当該仕様について数値限定はしない。
【0054】
また、基準隙間h及び拡大隙間Hは、隙間通路25bに連通して接続されている。基準隙間h及び拡大隙間Hは、隙間通路25bよりも狭められて構成されている。この場合、上記した押出方向13に沿ったスリット18(第1及び第2スリット面18a,18b)の全長は、後述する流路長Lとして規定される(
図3参照)。
【0055】
かかる構成において、上記した押出機20から押し出された溶融樹脂は、そのときの押出圧力によってTダイ21に供給された後、スリット18(基準隙間部29、拡大隙間部30)を通過する。これにより、シート状の溶融樹脂12mがスリット18を通じて吐出口18cから吐出される。吐出中、溶融樹脂12mにおいて、拡大隙間部30に対応する位置の肉厚が、他の部分の肉厚よりも厚くなっている。
【0056】
「圧力損失に基づく拡大隙間Hの計算」
半製品として、入光部2及び面発光部3を有する導光板1(
図7参照)を成形する場合において、スリット18の拡大隙間Hは、以下の計算プロセスによって算出することができる。この場合、入光部2は、厚肉部14bとして成形される。面発光部3は、薄肉部14aとして成形される。入光部2(厚肉部14b)の厚さをT、面発光部3(薄肉部14a)の厚さをtとする。スリット18の基準隙間hは、面発光部3(薄肉部14a)の厚さtに基づいて予め設定される。
【0057】
まず、スリット18(第1及び第2スリット面18a,18b)の全長、即ち、平行平板の流路長Lにおいて、シート状の溶融樹脂12mが吐出される際の吐出量(流量)Qと、圧力損失ΔPとの関係は以下の通りである。
【0058】
ΔP=12QηL/Ws
3 …(式1)
単位幅当りの流量Q´=Q/Wとすると、
ΔP=12Q´ηL/s
3 …(式2)
Q´=t×V …(式3)
ΔP=12tVηL/s
3 …(式4)
拡大隙間部30の圧力損失ΔPは、
ΔP=12TVηL/H
3 …(式5)
基準隙間部29の圧力損失ΔPは、
ΔP=12tVηL/h
3 …(式6)
ΔPは、上記した双方の隙間部29,30で同じとする。
【0059】
V,η,Lは、一定である。これにより、
ΔP/12VηL=t/h
3 =T/H
3 …(式7)
式7を式8に変換する。これにより、スリット18の拡大隙間Hが算出される。
【0060】
H=h×(T/t)
1/3 …(式8)
Q:溶融樹脂の押出量(流量)
η:溶融樹脂の粘度
L:流路長(スリット18の全長)、
W:スリット18の幅
s:平行平板の隙間
V:主ロール15の周速度
t:密度“1”とした場合の面発光部3(薄肉部14a)の厚さ
T:密度“1”とした場合の入光部2(厚肉部14b)の厚さ
ここで、式8に数値を当てはめる。入光部2(厚肉部14b)の厚さTを0.35mm、面発光部3(薄肉部14a)の厚さtを0.2mmとする。スリット18の基準隙間hは、面発光部3(薄肉部14a)の厚さt(=0.2mm)の4倍とする。即ち、スリット18の基準隙間hを0.8mmに設定する。そうすると、式4の計算結果は、以下の値(約1mm)となる。
【0061】
H=0.8×(0.35/0.2)
1/3
=0.964mm
≒1mm
「拡大隙間Hの許容範囲」
拡大隙間Hは、上記した計算式(1)〜(8)によって算出した値に一義的に設定されるものではない。拡大隙間Hは、許容範囲が設定されている。許容範囲としては、算出した拡大隙間Hについて、その上限と下限を設定してもよいし、或いは、算出した拡大隙間Hと、スリットの基準隙間hとの差分F1について、その上限と下限を設定してもよい。
【0062】
例えば、差分F1による許容範囲としては、0.5×(H−h)≦F1≦1.2×(H−h)なる関係を満足するように拡大隙間Hを設定すればよい。
例えば、後述する拡大隙間部用ヒータによって拡大隙間部30及びその近傍領域を加熱する場合、差分F1による許容範囲としては、0.2×(H−h)≦F1≦1.0×(H−h)なる関係を満足するように拡大隙間Hを設定すればよい。この場合、加熱温度は、Tダイ21を保温する温度よりも数度から数十度高めに設定する。
【0063】
「その他の押出ユニット9の構成について」
「拡大隙間部用ヒータ」
図3〜
図4に示すように、Tダイ21は、拡大隙間部用ヒータを備えている。かかるヒータは、拡大隙間部30及びその近傍領域を加熱可能に構成されている。ヒータは、Tダイ21を保温する温度よりも数度から数十度高めに加熱可能に構成されている。かかる構成において、ヒータによって拡大隙間部30及びその近傍領域を加熱する。これにより、その箇所付近を流通する溶融樹脂が加熱される。加熱された溶融樹脂の粘度が下がる。この結果、その箇所付近の溶融樹脂を流れ易くすることができる。なお、ヒータとしては、例えば、差し込み式と位置調整式の2種類のヒータを適用することができる。
【0064】
差し込み式ヒータによれば、2つのリップ(第1リップ26a、第2リップ26b)のいずれか一方又は双方に、発熱体32を差し込んで固定させることができる。一方、位置調整式ヒータによれば、2つのリップ26a,26bのいずれか一方又は双方に、発熱体33をその位置を調整した状態で固定させることができる。
【0065】
図3には、位置調整式ヒータを2つのリップ26a,26bの双方に1つずつ適用した仕様が示されている。
図4には、差し込み式ヒータ及び位置調整式ヒータを2つのリップ26a,26bに1つずつ適用した仕様が示されている。
図4の仕様において、第1リップ26aに位置調整式ヒータが適用され、第2リップ26に差し込み式ヒータが適用されている。
図3及び
図4の仕様において、いずれのヒータも、拡大隙間部30及びその近傍領域を加熱可能に構成されている。
【0066】
図4に示すように、差し込み式ヒータは、発熱体32と、収容穴34と、を有している。収容穴34は、第2リップ26bの一部を窪ませて構成されている。収容穴34は、拡大隙間部30(窪み部31)の直前に向けて延びている。この場合、発熱体32を収容穴34に差し込む。このとき、発熱体32は、拡大隙間部30(窪み部31)に対向して位置付けられる。かくして、発熱体32を、第2リップ26bに差し込んだ状態で固定させることができる。
【0067】
図3〜
図4に示すように、位置調整式ヒータは、発熱体33と、位置調整機構と、を有している。発熱体33は、発熱部35aと、断熱部35bと、を備えている。発熱部35a及び断熱部35bは、その両方とも発熱する。断熱部35bは、発熱部35aよりも小径(小形)化されている。この場合、後述する貫通孔36に発熱体33を挿入した状態において、発熱部35aは、貫通孔36の内面に接触するが、断熱部35bは、貫通孔36の内面に接触しない。このため、発熱部35aからTダイ21に熱は伝わるが、断熱部35bからTダイ21に熱は伝わらない。
【0068】
このような構成にした理由としては、例えば、拡大隙間部30(窪み部31)の幅が小さい仕様において、その幅に一致し、かつ、十分な加熱能力を発揮させることが可能な発熱体33を製作するのが困難な場合が想定される。この場合、断熱部35bを発熱部35aよりも小径(小形)化させた発熱体33を構成する。これにより、発熱部35aのみを加熱ターゲット(例えば、拡大隙間部30(窪み部31)の幅領域)に対して正確かつ容易に位置付けることができる。
【0069】
位置調整機構は、発熱体33を拡大隙間部30(窪み部31)に対向するように位置調整可能に構成されている。位置調整機構は、貫通孔36と、移動機構と、を備えている。貫通孔36は、Tダイ21(例えば、第1リップ26a)を貫通させて構成されている。貫通孔36は、スリット18の幅方向に沿って延出している。貫通孔36は、発熱体33を挿入可能に構成されている。また、移動機構は、貫通孔36に沿って発熱体33を移動可能に構成されている。図面では移動機構の一例として、発熱体33の両側に延出した操作バー37が適用されている。操作バー37の一端は、断熱部35bに接続されている。操作バー37の他端は、貫通孔36から外部に突出されている。
【0070】
位置調整式ヒータによれば、発熱体33を操作バー37と共に貫通孔36に挿入する。貫通孔36に沿って操作バー37を往復動させる。発熱体33(具体的には、発熱部35a)が拡大隙間部30(窪み部31)に対向したときに、操作バー37の操作を停止させる。このとき、発熱体33(発熱部35a)は、拡大隙間部30(窪み部31)に対向して位置付けられる。かくして、発熱体33(発熱部35a)を、第1リップ26aに位置調整した状態で固定させることができる。なお、この状態において、発熱体33は、発熱部35aのみが第1リップ26aに接触する。
【0071】
「リップ調整ボルト28の配置」
上記したリップ隙間調整機構27において、複数のリップ調整ボルト28を等間隔に配置させる。これら複数のリップ調整ボルト28のうち、少なくとも1つのリップ調整ボルト28(押圧部28b)を、拡大隙間部30(窪み部31)の中心に位置付ける。この場合、中心とは、スリット18の幅方向に沿って拡大隙間部30(窪み部31)を2等分した部分を指す。
図4には、押圧部28bから第1リップ26aに作用した押圧力が矢印38で示されている。黒塗り矢印38は、拡大隙間部30(窪み部31)の中心に位置付けられたリップ調整ボルト28(押圧部28b)から第1リップ26aに作用した押圧力を示している。
【0072】
かかる配置によれば、押圧部28bから第1リップ26aに押圧力を作用させた際に、第1リップ26aを均等に弾性変形させることができる。これにより、拡大隙間部30(窪み部31)が不規則に変形することはない。この結果、リップ隙間h,Hを、予め設定したサイズ及び形状に精度良く狭めることができる。
【0073】
「光学シート成形方法について」
押出機20から溶融樹脂を押し出す。このときの押出圧力によって、溶融樹脂がTダイ21に供給される(
図1参照)。Tダイ21に供給された溶融樹脂は、スリット18(基準隙間部29、拡大隙間部30)を通過する。このとき、スリット18からシート状の溶融樹脂12mが吐出される(
図2参照)。当該シート状の溶融樹脂12mにおいて、拡大隙間部30に対応する位置の肉厚が他の部分の肉厚よりも厚くなっている(
図5参照)。なお、拡大隙間部30は、主ロール15の厚肉部成形溝19の位置に対応している。
【0074】
吐出された溶融樹脂12mは、主ロール15と押圧ロール16との間(接地点)を挟圧されつつ通過する。このとき、溶融樹脂12mには、厚肉部成形溝19の形状輪郭に一致した厚肉部14bが成形される。厚肉部14bは、他の部分よりも厚肉化しており、押出方向13に沿って連続的に成形される(
図5参照)。続いて、切断プロセスにおいて(
図6参照)、厚肉部14bを、予め設定された2つの切断ライン39a,39bに沿って切断する。これにより、薄物導光板1に至る半製品が、2つ同時に構成される。
【0075】
次に、それぞれの半製品において、厚肉部14bの反対側に対向して成形された余剰部分40を、予め設定された切断ライン41に沿って切断する。なお、図面には、一方の切断ライン41のみが示されている。これにより、入光部2から面発光部3に亘って一体成形された薄物導光板1(
図7参照)が構成される。
【0076】
続いて、それぞれの薄物導光板1において、面発光部3となるべき薄肉部14aに対して各種の表面処理が施される。これにより、最終製品としての薄物導光板1が完成する。この後、面発光部3の上面3aに光拡散部品6(例えば、拡散シート、プリズムシートなど)を搭載する。かくして、携帯端末のバックライトユニット(
図7参照)が完成する。
【0077】
なお、面発光部3となるべき薄肉部14aに対する各種の表面処理において、例えば、凹凸パターンを成形する表面処理は、上記した成形ロールユニット10によって溶融樹脂12m,12sの形状輪郭を成形する際に同時に行うように設定してもよい。
【0078】
「実施形態の効果について」
本実施形態によれば、半製品としての薄物導光板1の形状輪郭に対応して、拡大隙間部30と、厚肉部成形機構19とを配置構成させる。拡大隙間部30は、スリット18の基準隙間hを一部拡大させて構成可能である。厚肉部成形機構19は、主ロール15の転写面15sのうち、拡大隙間部30に対応する位置を周方向に連続的に窪ませて構成されている。スリット18から吐出した溶融樹脂12mは、拡大隙間部30に対応する位置の肉厚が他の部分の肉厚よりも厚くなっている。そして、かかる溶融樹脂12mが厚肉部成形機構19を経由することで、半製品の厚肉部14b(導光板1の入光部2)の形状輪郭が精度よく成形される。これにより、半製品(薄物導光板1)に用いられる光学シートを、予め設定された形状輪郭に沿って精度よく押出成形することができる。
【0079】
本実施形態によれば、半製品(薄物導光板1)の形状輪郭において、入光部2の上面2aを、凹凸の無い平坦面状に成形することができる。これにより、光源7(例えば、LED)から発せられた光を、入光面2bから漏れなく取り込んで、入光部2に円滑に導光させことができる。この結果、導光効率に優れた半製品(薄物導光板1)を実現することができる。
【0080】
本実施形態によれば、半製品(薄物導光板1)の形状輪郭において、傾斜面4と、入光部2の上面2aとの境界部分5を角張らせることができる。換言すると、傾斜面4と、入光部2の上面2aとの境界部分5を、丸身を帯びないように構成することができる。要するに、境界部分5において、入光部2の上面2aから傾斜面4に向けて急峻に角度を変化させることができる。これにより、入光部2に導光した光を、傾斜面4に沿って漏れなく面発光部3に伝搬させることができる。この結果、面発光部3から面状に均一な光を発生させることができる。
【0081】
本実施形態によれば、固定リップ21b及び可動リップ21cは、締結ボルト45によって、Tダイ本体21に対して着脱自在に組み付けることができる。即ち、固定リップ21b及び可動リップ21cは、Tダイ本体21に対して交換可能に組み付けることができる。これにより、例えば、上記した拡大隙間部30(窪み部31)が可動リップ21cに設けられている場合、可動リップ21cのみを交換するだけで、形状及び寸法の異なる他の仕様の光学シート(薄物導光板に至る半製品)を成形することが可能となる。
【0082】
「実施形態の効果の実証試験について」
スリット18(例えば、第1リップ26aの第1スリット面18a)に窪み部(溝)31を有するTダイ21と、窪み部(溝)の無いTダイ21を用意する。換言すると、従来品に係る「リップに溝なし」Tダイ21と、本発明に係る「リップに溝あり」Tダイ21を用意する。そして、双方のTダイ21に共通の試験用装置(即ち、光学シート成形装置8)を用意する。
【0083】
試験用装置のスペックは、以下の通りである。
押出機 :同方向回転2軸混練押出機 スクリュ呼径28mm
Tダイ :幅330mm リップ隙間0.8mm
3つのロール :直径180mm 面長400mm
主ロール :中央に深さ0.15mmの溝
溶融樹脂の押出量(流量) :20kg/h ポリカーボネート原料
最終製品(導光板)の厚さ :厚肉部(入光部)の厚さ0.35mm
薄肉部(面発光部)の厚さ0.2mm
図9には、試験結果が示されている。即ち、「リップに溝なし」Tダイ21を用いた場合に得られる半製品の断面写真と、「リップに溝あり」Tダイ21を用いた場合に得られる半製品の断面写真と、が示されている。双方の断面写真の間には、最適な製品輪郭が示されている。かかる試験結果によれば、製品輪郭の製品化領域において、「リップに溝なし」の半製品では「ひけ」が発生しているのに対して、「リップに溝あり」の半製品には「ひけ」が発生していないことが分かる。この結果、本発明に係る「リップに溝あり」Tダイ21を用いることで、上記した効果を得られることが実証された。
【0084】
「変形例」
上記した実施形態において、成形ロールユニット10の押圧ロール16は、その外周が弾性変形しない仕様を想定しているが、これに代えて、弾性変形可能な外周を有する押圧ロール16を適用してもよい。
図8に示すように、本変形例の押圧ロール16は、外筒42と、内筒43と、温度調節媒体44と、を備えている。外筒42は、内筒43の外側に配置されている。温度調節媒体44は、外筒42と内筒43との間に隙間なく充填されている。外筒42と内筒43は、押圧ロール16の回転軸16rに対して同心円状に設けられている。
【0085】
内筒43は、剛性を有している。内筒43は、弾性変形し難く構成されている。内筒43は、金属材料で構成されている。一方、外筒42は、弾性を有している。外筒42は、弾性変形可能に構成されている。外筒42は、金属材料で構成されている。この場合、外筒42は、内筒43よりも薄肉化されている。外筒42を薄肉化させることで、弾性変形し易くなる。
【0086】
このような構成によれば、Tダイ21のスリット18から吐出したシート状の溶融樹脂12mを、主ロール15の転写面15sに向けて押圧する際、外筒42は、転写面15sに沿って弾性変形する。これにより、溶融樹脂12mを主ロール15の厚肉部成形溝19に沿って隙間なく密着させることができる。この結果、溶融樹脂12mを主ロール15の転写面15sの幅方向全体に亘って均一に押し付けることができる。
【0087】
この場合、外筒42のうち、溶融樹脂12mに接触する部分は、鏡面仕上げにすることが好ましい。これにより、半製品(薄物導光板1)の下面1sを平滑な平坦面として構成することができる。半製品(薄物導光板1)の下面1sを入光部2の上面2a、及び、面発光部3の上面3aと平行に対向させることができる。この結果、半製品としての薄物導光板1の光学特定を一定に維持することができる。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
【0088】
また、上記した実施形態において、厚肉部成形機構11(厚肉部成形溝19)の円筒形状の溝底面19aの一部(例えば、中央部分)を周方向に沿って連続的に出っ張らせてもよい。この場合、かかる出っ張り部の断面形状としては、例えば、三角形、円弧形、矩形など各種の形状を適用することができる。更に、出っ張り量(厚さ)は、例えば、半製品(薄物導光板1)の厚肉部14bにおける厚さTを越えない範囲に設定することが好ましい。
【0089】
かかる構成によれば、出っ張り部の分だけ、厚肉部14bの肉厚を薄くすることができる。これにより、光学シート成形方法における切断プロセスにおいて、切断のし易さ、及び、切断時間の短縮化を図ることができる。なお、これ以外の構成及び効果は、上記した実施形態と同様であるため、その説明は省略する。