特許第6571428号(P6571428)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6571428
(24)【登録日】2019年8月16日
(45)【発行日】2019年9月4日
(54)【発明の名称】シールドトンネル作図装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 17/50 20060101AFI20190826BHJP
   E21D 11/40 20060101ALI20190826BHJP
   E21D 11/04 20060101ALI20190826BHJP
【FI】
   G06F17/50 622A
   E21D11/40 B
   E21D11/04 Z
   G06F17/50 680B
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2015-142289(P2015-142289)
(22)【出願日】2015年7月16日
(65)【公開番号】特開2017-27151(P2017-27151A)
(43)【公開日】2017年2月2日
【審査請求日】2018年4月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001317
【氏名又は名称】株式会社熊谷組
(74)【代理人】
【識別番号】100080296
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100141243
【弁理士】
【氏名又は名称】宮園 靖夫
(72)【発明者】
【氏名】河越 勝
【審査官】 田中 幸雄
(56)【参考文献】
【文献】 福田知弘ほか,VRプレゼンテーションと新しい街づくり 初版,日本,株式会社エクスナレッジ,2008年11月26日,第1版,81−91ページ
【文献】 杉山淳一,A列車で行こう8 公式ガイドブック,日本,株式会社エンターブレイン,2008年 7月18日,第1版,14−15ページ
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 17/50
E21D 11/04
E21D 11/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シールドトンネルの図面を作図するシールドトンネル作図装置であって、
作成済みのシールドトンネルの立体図の図面データの内容を、新たなシールドトンネルの仕様に基づいて作成された変更データの内容に基づいて変更する図面データ変更手段と、
前記変更後の図面データに基づいて、新たなシールドトンネルの立体図を生成する立体図生成手段と、を備え
変更前の図面データは、シールドトンネルの進路に沿って連続して配置されるセグメントリングの形状を表すセグメントリングデータを含み、
前記図面データ変更手段は、前記セグメントリングの形状を変更するように前記図面データを変更することを特徴とするシールドトンネル作図装置。
【請求項2】
前記変更前の図面データは、連続するセグメントリングの連結状態を規定する拘束情報を含み、
前記図面データ変更手段は、前記拘束情報に基づいて前記変更前の図面データを変更することを特徴とする請求項1に記載のシールドトンネル作図装置。
【請求項3】
前記図面データ及び前記変更データは、スプレッドシート形式で生成されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のシールドトンネル作図装置。
【請求項4】
シールドトンネルの図面を作図するシールドトンネル作図装置であって、
作成済みのシールドトンネルの立体図の図面データの内容を、新たなシールドトンネルの仕様に基づいて作成された変更データの内容に基づいて変更する図面データ変更手段と、
前記変更後の図面データに基づいて、新たなシールドトンネルの立体図を生成する立体図生成手段と、を備え、
前記図面データ及び前記変更データは、スプレッドシート形式で生成されることを特徴とするシールドトンネル作図装置。
【請求項5】
前記変更後の図面データに基づいて、前記新たなシールドトンネルの平面図データ、縦断図データ、断面図データのいずれかを生成する図面データ生成手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項4いずれかに記載のシールドトンネル作図装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドトンネルの作図装置に関し、シールドトンネルの設計時に作図されるトンネル図面の作図効率を向上可能なシールドトンネル作図装置に関する。
【背景技術】
【0002】
シールドトンネルは、特許文献1に示すような、セグメントリングで構成されることが知られている。このようなシールドトンネルの設計では、セグメントリングにより構成されたシールドトンネルの平面図、縦断図、断面図等が作図される。これらの図面は、CAD等の作図ソフトを用いて異なる形状や寸法を有する多様なセグメントリングの一つ一つを3次元で作図した後、各セグメントリングを設計上の所定の位置に配置することにより3次元のシールドトンネルの全体図を作図し、この全体図を基に作図される。
しかしながら、シールドトンネルの仕様に変更がなされた場合、平面図、縦断図、断面図を修正するために、再びセグメントリングを一つ一つ3次元で作図し直さねばならず多くの時間と手間を要していた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2012−149394号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記問題に鑑みて、シールドトンネルの仕様に変更があった場合でも、シールドトンネルの図面の作図効率を向上可能な作図装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するためのシールドトンネル作図装置の構成として、シールドトンネルの図面を作図するシールドトンネル作図装置であって、作成済みのシールドトンネルの立体図の図面データの内容を、新たなシールドトンネルの仕様に基づいて作成された変更データの内容に基づいて変更する図面データ変更手段と、変更後の図面データに基づいて、新たなシールドトンネルの立体図を生成する立体図生成手段とを備え、変更前の図面データは、シールドトンネルの進路に沿って連続して配置されるセグメントリングの形状を表すセグメントリングデータを含み、図面データ変更手段は、セグメントリングの形状を変更するように図面データを変更する構成とした。
本構成によれば、新たにシールドトンネルを設計する際に、シールドトンネルを一から作図せずに済むため、作図効率を向上させることができる。また、変更前の図面データは、シールドトンネルの進路に沿って連続して配置されるセグメントリングの形状を表すセグメントリングデータを含み、図面データ変更手段は、セグメントリングの形状を変更するように図面データを変更するので、新たなシールドトンネルの立体図を作図する場合に、セグメントリングの形状を変更するように変更データを構成すれば良いため、簡単に変更データを構成することができる
た、変更前の図面データは、連続するセグメントリングの連結状態を規定する拘束情報を含み、図面データ変更手段は、前記拘束情報に基づいて前記変更前の図面データを変更するので、確実に新たなシールドトンネルの立体図を作図することができる
た、図面データ及び変更データは、スプレッドシート形式で生成されるので、図面データの内容及び変更データの内容を容易に確認することができる。
また、シールドトンネル作図装置の他の構成として、シールドトンネルの図面を作図するシールドトンネル作図装置であって、作成済みのシールドトンネルの立体図の図面データの内容を、新たなシールドトンネルの仕様に基づいて作成された変更データの内容に基づいて変更する図面データ変更手段と、変更後の図面データに基づいて、新たなシールドトンネルの立体図を生成する立体図生成手段とを備え、図面データ及び変更データは、スプレッドシート形式で生成される構成とした。
また、変更後の図面データに基づいて、新たなシールドトンネルの平面図データ、縦断図データ、断面図データのいずれかを生成する図面データ生成手段を備えるので、新たなシールドトンネルの立体図に対応する平面図や縦断図、断面図等を容易に作図することができる。
【0006】
なお、上記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】シールドトンネル作図装置の一実施形態を示すブロック図である。
図2】処理装置の一実施形態を示すブロック図である。
図3】表示装置に表示されたモデルトンネル図の一例を示す図である。
図4】モデルデータの構成を示す図である。
図5】セグメントリングの各部の寸法を示す図である。
図6】シールドトンネル作図装置の動作を示すフローチャートである。
図7】セグメントピースの分割数を変更したセグメントリングを示す図である。
【0008】
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図1は、シールドトンネル作図装置1の一実施形態を示すブロック図である。シールドトンネル作図装置1は、いわゆるコンピュータにより構成されており、ハードウェア資源として設けられた演算手段としてのCPUを備える演算処理手段11、ROM,RAM等の記憶手段12、キーボードやマウス、或いは、磁気,光学ドライブ等の入力手段13、モニター等の表示手段14、ネットワークインターフェイスや外部機器等を接続する外部接続インターフェース15等を備える。そして、演算処理手段11のCPUが、記憶手段12に格納されたプログラムに従って後述の処理を実行することにより、シールドトンネル作図装置1を後述の各手段として動作させる。
【0010】
図2は、演算処理手段11によって実行される各処理を手段として表したブロック図である。シールドトンネル作図装置1は、モデルデータ読込手段21と、変更データ読込手段22と、パラメータ識別手段23と、パラメータ抽出手段24と、データ更新手段25と、形状情報更新手段26と、座標位置算出手段27と、立体図生成手段28と、図面データ生成手段29とを備える。
【0011】
モデルデータ読込手段21は、記憶手段12に格納されたモデルデータを読み込む。モデルデータとは、CADソフトウェア等により3次元で作図されたトンネル立体図を生成するための3次元の図面データである。モデルデータには、例えばシールド工法により施工された既存のトンネルの設計時に作図されたトンネル立体図や、新規に施工されるシールドトンネルの計画当初に作図されたトンネル立体図等が利用される。シールドトンネル作図装置1では、当該モデルデータをベース(雛形)として新規のトンネル図を作図する。
【0012】
図3は、モデルデータ読込手段21によって読み込まれ、表示手段14に表示されたモデルトンネル図Mの一例を示す図である。モデルトンネル図Mは、シールドマシンによる掘削の開始点から到達点まで順に設けられる複数のセグメントリングからなるトンネル立体図として作図されている。表示されたシールドトンネルのモデルトンネル図Mでは、所望の位置をカーソルKで指定することにより、指定されたセグメントリングの情報を表示、参照可能である。
【0013】
図4(a),(b)は、モデルデータの構成を示す図である。図4(a)に示すように、モデルデータは、シールドトンネルを形成する複数のセグメントリングのリングデータの集合体として構成されている。例えば、各リングデータは、シールドトンネルの始発点から順にリングデータNo.1、リングデータNo.2、・・・、リングデータNo.1000等のようにリング毎に所定の識別番号が割り当てられている。図4(b)に示すように、各リングデータは、寸法情報、形状情報、位置情報、拘束情報等を含んで構成される。寸法情報、形状情報、位置情報、拘束情報は、コンピュータ上においてCADソフトウェア等の作図ソフトウェアによりセグメントリングの立体図を作図したときに、所定の書式で予め記録された情報である。各リングデータを構成する寸法情報、形状情報、位置情報、拘束情報等は、例えば、表計算ソフトウェアで読込可能なように、複数の行及び列に配置されたセルにデータを入力するワークシート上の所定の行及び列に記録される。そして、各リングデータの情報を記録した複数のワークシートを1つのファイル、例えばスプレッドシート形式に保存することにより、モデルデータが構成される。
【0014】
図5は、セグメントリングの寸法情報の一例を示す図である。寸法情報は、セグメントリングRの幅W、内径D1、外径D2、図示しないテーパー量、垂直方向角、水平方向角、セグメントリングを形成するセグメントピースS1〜S5の分割数N、各セグメントピースS1〜S5の中心角θ1〜θ5等、隣接するセグメントピース同士を連結する際のボルト穴hのボルト穴数、ボルトピッチ角θp等の数値情報を含んで構成される。寸法情報に含まれる各情報は、それぞれパラメータとして符号を付して設定され、セグメントリングRの形状を特定するための1つのパラメータ群を形成する。以下、これらのパラメータ群をモデルパラメータ群という。そして、寸法情報であるモデルパラメータ群の数値を変更することにより、後述の形状情報が変更される。このような寸法情報は、上述の各ワークシート上のセルに数値データとして保存される。
【0015】
形状情報は、セグメントリングの内周面や外周面、一対の端面の向きや形状、及び前記各面を画成する内周縁や外周縁の形状を定義するためのデータを含んで構成される。なお、寸法情報及び形状情報は互いに紐付けされる。例えば、形状情報の内周縁には数値情報の内径が、形状情報の外周縁には数値情報の外径等がそれぞれ紐付けされる。
【0016】
位置情報は、モデルトンネルの全体図を形成するように、個別に作図したセグメントリングを所定の位置に配置したときの始発点からの配置位置、コンピュータ上に設定された3次元の座標位置、及び1つのセグメントリングを構成するセグメントピース同士の接合部Jの3次元の座標位置等を含んで構成される。各セグメントリングの座標位置は、例えばセグメントリングにおける始発点側の中心の座標位置が設定される。座標位置の原点には、例えば、シールドマシンによる掘進の始発点、即ち、リングデータNo.1の始発点側の中心の位置が設定される。また、セグメントピースの座標位置は、各セグメントリングの中心に基づいて設定される。なお、上述のコンピュータ上の座標位置は、実際にシールドトンネルが設けられる現地においてGPS、IGS、測量等により得られる3次元のグローバル座標の位置に対応するようにスケーリングされたものである。このような形状情報は、上述の各ワークシート上のセルに数値データとして保存される。
【0017】
拘束情報は、隣接するセグメントリング同士の配置位置を設定するための情報、及び各セグメントリングを構成するセグメントピース同士の位置関係を示す情報等を含んで構成される。拘束情報には、例えば、隣接するセグメントリングのフランジ面に設けられたボルト穴の位置が一致すること、隣接するセグメントリングの軸線が連続すること、セグメントリングを形成するセグメントピースの接合部Jの位置が、隣接するセグメントリングで連続しないようにすること等を規定する。セグメントリング同士の拘束は、例えば、リングデータNo.1−リングデータNo.2、リングデータNo.2−リングデータNo.3、…等のように始発点側から順に対をなすように関連付けられる。このような拘束情報は、上述の各ワークシート上のセルに数値データとして保存される。
【0018】
図2に戻り、変更データ読込手段22は、記憶手段12に格納された変更データを読み込む。変更データとは、所望の仕様の新たなトンネル図を作図するために、モデルトンネル図に変更を加えるためのデータである。変更データは、上記モデルデータに対応するように、スプレッドシート形式で生成される。変更データは、モデルトンネル図のセグメントリングを所望の形状に変形するように、モデルデータの各ワークシートに記録されたモデルパラメータ群の中から形状の変形に関連するパラメータを選択して構成される。
選択されたパラメータは、例えば、各ワークシートにおいてヘッダーとなる位置に変更パラメータとして記録される。変更パラメータには、変更する内容(数値情報)が紐づけして記録される。即ち、ワークシートにおけるヘッダー(変更パラメータ)に対応するセルに、形状を変形するための数値データが入力される。例えば、セグメントリングの分割数を変更する場合には、変更データとして、変更対象となるセグメントリングの位置、及び変更パラメータとしての「分割数」が所定の書式でワークシートに入力される。また、例えば、モデルトンネル図における直径を変更する場合には、変更データとして、変更対象となるセグメントリングの位置及び範囲、変更パラメータとしてのセグメントリングの内径,外径の数値が所定の書式でワークシート内に構成される。
上述のように、モデルデータ及び変更データをスプレッドシート形式の表データとして生成することにより、モデルデータの内容及び変更データの内容を容易に確認することができる。
【0019】
パラメータ識別手段23は、変更データ読込手段22により読み込まれた変更データに設定されたパラメータの符号を識別する。パラメータ識別手段23により識別されたパラメータの符号は、パラメータ抽出手段24に出力される。パラメータ抽出手段24は、パラメータ識別手段23から入力された変更パラメータの符号に対応する符号を有するパラメータをモデルパラメータ群の中から抽出する。
【0020】
データ更新手段25は、パラメータ抽出手段24により抽出されたパラメータの内容を、変更パラメータに紐付けされた数値情報の内容に更新する。
【0021】
形状情報更新手段26は、データ更新手段25によるパラメータの更新をトリガーとし、更新された数値情報に基づいてモデルデータの形状情報を更新する。
【0022】
座標位置算出手段27は、形状情報更新手段26による形状情報の更新をトリガーとし、更新前のモデルデータに含まれる拘束情報と、更新された数値情報及び形状情報とに基づいて、各セグメントリングを表示手段14に表示するための3次元座標位置を算出し、各リングデータの位置情報を更新する。各リングデータの数値情報、形状情報及び位置情報は、上述したように、情報が互いにリンクするように構成される。
上記データ更新手段25、形状情報更新手段26及び座標位置算出手段27は、モデルトンネル図のモデルデータに変更を加える図面データ変更手段として機能する。データ更新手段25、形状情報更新手段26及び座標位置算出手段27を経て更新されたモデルデータは、更新済みモデルデータとして記憶手段12に格納され、立体図生成手段28に出力される。
【0023】
立体図生成手段28は、変更前のモデルデータ、及び更新済みモデルデータに基づいて、表示手段14にモデルトンネル図や変更後の新規トンネル図等の立体図を表示手段14上に生成する。
【0024】
図面データ生成手段29は、平面図データ生成部、縦断図データ生成部、断面図データ生成部を有する。平面図データ生成部は、例えば、更新済みモデルデータからZ軸に関する成分を含むデータを削除することで平面図を表示するための平面図データを生成する。縦断図データ生成部は、例えば、更新済みモデルデータからY軸に関する成分を含むデータを削除することで縦断図を表示するための縦断図データを生成する。断面図データ生成部は、例えば、更新済みモデルデータからX軸に関する成分を含むデータを削除することで断面図を表示するための断面図データを生成する。図面データ生成手段29により作成された平面図データ、縦断図データ、断面図データは、表示手段14に出力され、その図形が表示される。
【0025】
図6は、シールドトンネル作図装置1の処理を示すフローチャートである。以下、セグメントリングの分割数を変更する場合を例として、シールドトンネル作図装置1の処理について説明する。
[S101]
モデルデータ及び変更データを入力手段13を介して入力する。入力されたモデルデータ及び変更データは記憶手段12に格納される。
[S102,S103]
記憶手段12に格納されたモデルデータ及び変更データをそれぞれモデルデータ読込手段21及び変更データ読込手段22によって読み込む。
[S104]
変更データ読込手段22によって読み込んだ変更データをパラメータ識別手段23により変更パラメータの種別が符号により識別される。パラメータ識別手段23により識別された符号は、パラメータ抽出手段24に出力される。なお、ここでは識別された符号が、分割数Nであるとして説明する。
[S105]
パラメータ抽出手段24は、パラメータ識別手段23から入力された符号N(分割数)に対応するパラメータをモデルパラメータの中から抽出する。
[S106]
パラメータ抽出手段24により抽出された符号Nに対応するパラメータの内容を変更パラメータに紐付けされた内容に更新する。例えば、図5に示す分割数N=5のセグメントリングRを、図7に示す分割数N=7のセグメントリングRに変更する場合、分割数を示す符号Nには、セグメントリングRの分割数「7」と、セグメントリングRを形成する7つのセグメントピースS1〜S7の中心角θ1〜θ7の角度等の数値が紐付けされて記載される。
[S107]
分割数Nの数値及びセグメントピースの中心角θ1〜θ7の角度が更新された寸法情報に基づいて、セグメントリングRの分割数Nが7となるようにモデルデータの形状情報を更新する。
[S108]
更新前のモデルデータに含まれる拘束情報と、S106,S107により更新された寸法情報及び形状情報とに基づいて、モデルデータに含まれるコンピュータ上における位置情報を更新する。即ち、セグメントリングの分割数が「5」から「7」に変更されたことにより、セグメントリングにおけるセグメントピースの接合部Jの位置が変わるため、その作図位置を算出し、位置情報の内容を更新する。位置情報の更新により、モデルデータは、更新済みデータとして保存され、立体図生成手段28に出力される。
[S109]
立体図生成手段28では、更新済みデータを所定の処理を実行することで、表示手段14上に新規トンネル図を生成する。即ち、表示手段14上に新規トンネル図の立体図が表示される。
[S110]
新規トンネル図の表示後、図面に誤りがないかどうか作業者による確認後、図面データ生成手段29を動作させ、更新済みデータに所定の編集を加えて平面図データ、縦断図データ、断面図データを作成して終了する。
【0026】
以上説明したように、コンピュータにより作図済みのシールドトンネルの立体図を、新たなシールドトンネルの設計図を作図するときの1つのテンプレートとして利用することにより、新規トンネル図の作図効率を向上させることができる。
【0027】
なお、上記実施形態では、セグメントリングの分割数に変更があった場合を例にして説明したが、所望の仕様の新規トンネル図が得られるように、寸法情報に含まれる内径D1や外径D2等のモデルパラメータを変更データにより変更することにより、モデルトンネル図よりも大径な新規トンネル図や、トンネル全体の形状に変化が及ぶようにモデルトンネル図を変形させた新規トンネル図を作図することも可能である。
【符号の説明】
【0028】
1 シールドトンネル作図装置、21 モデルデータ読込手段、
22 変更データ読込手段、23 パラメータ識別手段、24 パラメータ抽出手段、
25 データ更新手段、26 形状情報更新手段、27 座標位置算出手段、
28 立体図生成手段、29 図面データ生成手段。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7